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相撲史神事と武道の華麗なる融合
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Vol.57 双葉散る

問題の大一番は昭和14年の春場所であった。実は両力士とも体調は万全ではなかった。双葉山は、アメーバ赤痢にかかり、体重が100キロを割るまでに激減し場所前にようやく110キロにまで戻していた。安芸ノ海は盲腸手術の術後が悪く、腹巻のように包帯を巻いた上にまわしを締めての土俵であった。
立ち上がりざま、安芸ノ海が激しく突っ張ると、双葉山は下から当てがって突き返す。体勢は安芸ノ海の有利であった。双葉山は安芸ノ海に両まわしをとられながらもしぶとく食いかかるがそれも及ばず、双葉山の体はゆっくりとくずれ落ちていった。
各新聞社は「双葉破る」の号外を出して、この歴史的ニュースを伝えた。一夜にして大スターとなった安芸ノ海は、その後横綱まで昇進したが、マラリアの再発に苦しんで成績は振るわず、昭和21年に引退した。
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