Vol.17 「め組」のけんか力士とけんかをしようなどと考える者はまずいない、が講談や芝居で有名な「め組のけんか」事件の鳶の富士松は例外である。富士松は顔で相撲場に入ろうとして断られたことを恨み、仲間の辰五郎、長次郎と香具師芝居見物にきた力士、九龍山にけんかを売り長次郎が半鐘を鳴らし仲間を集めて大乱闘になる。騒動を聞いた力士の四ツ車、藤ノ戸は人足ら十数名を叩きのめす大活躍をみせたのが文化2年(1805)2月16日。相撲界所が寺社奉行に訴えれば、め組は町奉行に訴える。9月までかかった取調べの結果軍配は力士側に上がったが、九龍山は江戸追放、富士松は牢内で死亡した。 この騒ぎのため春場所は翌日から中止、6月に8日目の取組から再開した。 |
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