Vol.1 お釈迦さまも相撲を取った日本の国技とされる相撲だが、似たような競技は世界各地で古くから行われており、さまざまな文献や出土品からその様子がうかがえる。古代メソポタミア初代王朝時代の青銅の壺や、エジプト中王国時代の壁画などに描かれている格闘技は、寝技のようなものもあり、現在のレスリングのような形態だったのかもしれない。紀元前5世紀頃のインドでは、妻を娶るために力比べをする「争婚」という習慣があった。『本行経』によると「釈迦が太子の頃、力比べに勝ってマンダラ姫を手に入れた」とある。 『本行経』は紀元前2世紀頃に中国に渡り漢訳された。その際、力較べを意味する「ゴタパラ」という言葉に「相撲」という漢字が当てられた。他にも力較べを意味する言葉はあったのだが、格闘技を意味する言葉ではなかった。そのため、それらと格闘技を区別するため、人と人が組み合う力較べが「相撲」になったと言われている。 |
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