Vol.64 角界のプリンス 貴ノ花貴ノ花は、いうまでもなく初代若乃花、二子山親方の実弟である。少年時代から水泳選手として名を上げていた末弟を、二子山はオリンピックに出場させたいと思っていたが、本人が角界入りを望んだため、二子山部屋に入門した。初代若乃花の弟ということで、貴ノ花は入門当時から人気があり「角界のプリンス」とよばれた。身長182センチと上背こそあったが、体重はもっとも重いときでもわずか106キロという軽量力士であった。しかし、水泳で鍛えた足腰の強さは抜群で土俵際での粘り強さは驚くべきものがあり、「サーカス相撲」などとよばれた。昭和56年1月場所を最後に貴ノ花は引退する。 その後、息子の光司、勝が入門し、花田兄弟は若花田、貴花田として土俵に上がった。戦後の相撲史とは若乃花−貴ノ花−若貴兄弟と続く花田家の歴史にほかならないのかもしれない。 |
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