乗馬では常歩(なみあし)、速歩(はやあし)、駈歩(かけあし)という3種類の歩様を使い分けます。その中でいちばん速いのが駈歩です。
ところが流鏑馬では駈歩よりさらに速い襲歩(しゅうほ)という歩様で走ります。競馬でいう「ギャロップ」。最高速度で駆け抜ける馬を見るだけでも十分に迫力がありますが、さらに馬上の騎手が矢を放ち、的を射抜くのですから見ごたえあります。日本古来の武芸ということもあり、儀式や所作にも厳然とした作法あります。馬や騎手の装束も、凛として古式ゆかしいものです。
かつては日本各地の祭や行事として行われていた流鏑馬も、今ではなかなか見ることができなくなりました。
 
伝統的な流鏑馬界には封建的かつ封鎖的な規律があって、一般人が容易に愛好できる環境とは言えません。また寺社への奉納行事として披露することが多いため、実践的な色あいが薄まり、様式が重んじられています。つまり的を正確に射抜くこと以上に、儀礼や所作が重視されてるのです。馬も、和式馬術とはほど遠い洋種馬が用いられることが多いです。
2002年7月、全国の流鏑馬愛好者が集まって流鏑馬競技連盟が創設され、北海道芽室町で初めての流鏑馬競技会が開催されました。競技としての流鏑馬は、射法や儀式的な部分を重視せず、純粋に的中率が競われます。
普及を第一の目的としているので、馬具や騎手の装束に関しては細かく規定されていません。ただし原則として馬は和種または和種系であることが決められています。