#121 フランス見聞禄
月半ば、10日間ほどフランスに行って来ました。
と言っても旅行ではなく出張です。会長が推奨する新競技・ホースボールの研修です。フランスで実際にやるまでは、ホースボールの予備知識なんて殆どありませんでした。会長から「馬上でやるバスケットボールだ」とか、「ボールを最低3回パスしないとシュートできないんだ」といった説明は聞いていましたが、いまひとつ詳細が分かりません。そこで「行ってみればわかる」ということになった次第です。

の受けた研修は審判員の5日間コース。片手での手綱操作や手放しでの乗馬なんかは経験ありますが、騎乗してのパスやシュート、落ちたボールを拾い上げるのなんかはもう大変。私のバランス・筋力・柔軟性をフル稼働させて、どうにかこうにかできるという状態でした。
もちろんゲームも体験。初日は中学生、2日目は高校生の試合に混ぜてもらいました。カマルグ馬に乗った子供たちに揉まれながら、この密集度は相馬野馬追いに似ているな…なんて思っていました。とにかく彼らの群れに付いていくのが精一杯。ルールを思い出そうと、ちょっと躊躇していると、あっという間に置き去りです。

ースボールを通じて感じたのは、馬の良さと頑丈さです。馬はとにかく温厚で従順でした。どんなに馬ごみで揉みくちゃになっても、どんなに耳を寝かせて相手を睨みつけていても、決して蹴らないし噛み付きません。これは調教もさることながら、そういう性格の馬を残しているからだろう、と指導員の方は言っていました。
「地面に落ちているボールを馬上から拾い上げる」という動作は、騎手の重心が極端に馬上から外れるので、馬にとっても非常なバランス感覚と筋力が要求されます。腹帯も通常よりきつめに締めるので、鞍傷や帯ズレになるリスクも高い。しかし、ちゃんとした馬装とスポーツマンシップでホースボールを行えば、とっても迫力があって面白い、馬を使った新しいスポーツになりうると感じました。

国後、毎週指導している子供乗馬教室で、さっそくホースボールを取り入れてみました。子供たちはゲーム感覚で楽しそうに乗っています。普通に速歩ができなかった子がいつの間にかできていたり、駈歩を怖がっていた子がボールに集中しているうちにバランスのとり方を覚えたりするから不思議です。
最近はフランス国内でもかなりたくさんの乗馬クラブで行われるようになってきたようです。国際大会も開催されるようになってきて次第に盛り上がりをみせているとのこと。しかし、ここまで普及させるのに30年はかかったよ、焦らず無理強いせず面白さを見せていけば本当に良いものは徐々に普及していくものです、とフランスホースボール協会の方が語っていました。この先、日本でどんな広がりを見せるのか、なんだかとてつもなく大きな鍵を握ってしまったような気がします。

2008/06/15 ゆき
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