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魅力1 |
地ふぶきという現象 |
雪国の生活を知らない人のために解説すると、気温が高ければ雪は水気を含んだ「ベタ雪」になり、気温が低ければサラサラの「粉雪」になります。たとえば抵抗が少なくて板がよく滑るパウダースノーは、スキーヤーにとって垂涎の的だったりしますが、同時に「とても寒い中で滑るのだ」という覚悟も必要です。
気温が低い場所に積もった粉雪は、ちょっとした風でも吹き上がります。常に寒風が吹いている八甲田山は、どんなに空が晴れていようと、粉雪が吹きすみ、まるで吹雪のようです。こうした、地上から空宙に向かって雪が舞い上がる現象のことを「地吹雪」と言います。
八甲田の気温と降水量 |
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魅力2 |
雪中行軍という史実 |
高倉健が主演した映画『八甲田山』をご存知ですか? あるいは、新田次郎の小説『八甲田山死の彷徨』を読んだことがありますか?
ときは明治。日露戦争に突入した帝国陸軍は、大陸派兵を踏まえた演習として、雪深い八甲田山での雪中行軍を敢行。青森と弘前にある二つの連隊がこれに挑みました。このうち青森第5連隊第2大隊は猛吹雪の中を迷走し、ついには199名の将兵が凍死するという悲劇を招いてしまいました。
弘前第31連帯のほうは無事に下山を果たしました。途中、無残な遭難現場を目撃するのですが、誰もそのことを人に話さなかったため、この悲惨な惨な史実は昭和5年まで知られることはありませんでした。 |
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魅力3 |
冬の八甲田という希少価値 |
かくして冬の八甲田山は有史以来ずっと人間の侵入を拒みつづけてきました。遭難者を出さぬため、八甲田山へ至る全ての道路は山麓のゲートで遮断されていましたし、場所によっては10mを越える積雪が行く手を阻んでいたのです。
ところが平成11年、青森県は1ルートの全面開通を決めました。八甲田を巡るいくつかのルートのうち、青森市〜田代平〜谷地温泉〜焼山に至る道路を除雪し、車が通れるようにしたのです。冬の八甲田の美しさを、多くの人々に知ってもらおうという試みです。かつては誰も見ることのできなかった白銀の世界。見た人は死ななければならなかった世界。その厳しくも神秘的な風景を、圧倒的な自然の存在感を、今は見ることができるのです。さらに言えば、そんな自然をエアコンの効いた車の中から眺めてもあまり意味がありません。地吹雪に屈することなく、白い息を吐きながら体で感じてこそ、自然との一体感を手に入れることができるのではないでしょうか。

かつて誰も見ることのできなかった美しい眺望
雄大な高田大岳をバックに |
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魅力4 |
雪の回廊という幻想の世界 |
地ふぶきトレッキングは、除雪された道路上を進みます。寒風の吹きすさむ田代高原を抜けると、やがて雪深いブナの森へと入って行きます。ここまで来ると地ふぶきも少なくなり、むしろ騎乗者はポカポカ暖かくなってくるかもしれません。馬の体温が、とてもいとおしく思えるものです。
道の左右には、人間の身長をはるかに超えるほどの雪の壁が続いています。地元の人たちが『雪の回廊』と呼んでいる場所です。視線より下は、直線で切り取られたように、どこまでも白銀の世界。頭上は、貼り付けたように森や空の風景がつながっています。そして雪の壁からは、木の枝が水平に路上へと突き出していて、まるで地面と水平に木が生えているような錯覚を覚えます。どこまでも非日常的で、どこまでも幻想的。県外からやって来た参加者が例外なくため息をもらす魅惑のスポットです。

高く切り立った雪の回廊を馬で進む
他では体験できない非日常の世界 |
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魅力5 |
地ふぶきトレッキングの完走者という栄誉 |
なぜ、こんなイベントを毎年開催するのか?それは、毎年チャレンジャーが集まってくるからです。遠路はるばるやってくる人も多いです。
地ふぶきトレッキングの目的は参加者によって違います。やった人にしか解からないものでもあります。実生活では絶対に経験できない極限状況に身を置くことで、人はそこから何かを得ようとしているのかもしれません。あるいは、何かを変えたいのかもしれません。
ゴールに辿り着いた瞬間は、毎回、感動がこみあげます。鞍上から降りた途端にヘタり込む人がいました。感涙にむせぶ人がいました。馬を抱きしめる人がいました。拍手喝采が湧き起こったこともありました。そういう衝動の裏側にあるものが、参加者の求めていたものなのかもしれません。そして、そういうステキな思い出の一つ一つが、私たちの宝であり誇りでもあると自負しています。
完走者には十和田乗馬倶楽部より『完走証明書』が贈られます。単なる紙切れ1枚です。でも、これは参加者の好奇心と冒険心と勇気を物語るものです。誰よりも物好きで、誰よりもチャレンジ精神に溢れ、誰よりも頑張ったことを証明しているのですから。アルバムの片隅にでも貼って、いつか孫にでも話して聞かせる自慢話のネタになることでしょう。
では、あなたの挑戦を、お待ちしています! |