星取ニュース


2023/05/29
大相撲ニュース
照ノ富士

千秋楽、14日目に8度目の優勝を決めた照ノ富士が、有終の美で締めくくった。
貴景勝を土俵下まで吹っ飛ばす完勝劇。
「2ケタ優勝という思いを強く持って過ごしていたので、それにちょっとでも近づくことができたのはうれしい」と、かみしめた。
支度部屋での記念撮影で賜杯と幼い長男を抱くと、険しかった表情がようやく緩んだ。
両膝の手術と4場所連続休場を乗り越え、14勝の好成績で1年ぶりに賜杯を抱いた。
「出るからには最後まで優勝を争うのが横綱としての宿命」との思いを結果につなげた。
「とりあえず今場所は終わったので、来場所に向けてもう一回、体と向き合ってやっていきたい」と先を見やった。
目標まではあと2つだ。


霧馬山

霧馬山の大関昇進が事実上、決まった。
目安とされる「三役で直近3場所合計33勝」を1つ上回ったことなどを受け、番付編成を担う日本相撲協会審判部が昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長に要請し、受諾された。
これまで理事会で昇進が見送られた例はない。
佐渡ケ嶽審判部長は「34勝を挙げているので反対意見はない」と説明。


豊昇龍

千秋楽、関脇豊昇龍が、大関昇進を事実上決めた霧馬山を破って11勝目を挙げ、大関とりへ大きな1勝を挙げた。
もろ差しで体を密着させると、持ち上げてから下手投げ。
関脇だった先場所の10勝と合わせて2場所で21勝を挙げた。
大関昇進目安は「三役で3場所33勝」で、大きな意味を持つ1勝となった。
「来場所のことはまだ気にしていない。負けた相撲は(研究し)もっと稽古して直したい」と力を込めた。


大栄翔

千秋楽、大栄翔は若元春との関脇対決。
立ち合い、頭から当たって先手を取ると、勢いそのまま突き放す。
懸命に残そうとする若元春をよく見て追い立て、最後は土俵下まで激しく突き倒した。
先場所は小結で優勝同点の12勝、そして今場所10勝。
大関取りへの足場を固めた29歳は「今日が一番、相撲内容が良かった。来場所につながる。上に上がる気持ちでやらなければ上がれない」と表情を引き締めた。


若元春

千秋楽、念願だった三賞を手にするも、若元春の表情は変わらなかった。
大栄翔との関脇対決は立ち合いで上体を起こされ、怒とうの突きを受けた。
なんとか右にいなしてしのぐも防戦一方。
最後は、突き倒されて後ろに一回転しながら土俵下に転落した。


朝乃山

千秋楽、元大関の朝乃山は、2年ぶりに立った幕内の土俵を白星で締めた。
重い剣翔と右四つで胸が合って動きが止まった後、上手を引いての寄り。
12勝という結果について「もう1、2番は勝ちたかった」と満足はしなかった。
緊張感のある15日間だったという。
「来場所が勝負。自分の実力が通用するかどうか。しっかり勝ちたい」と言葉に力を込めた。


史上初の3大関同時昇進へ

千秋楽、大関昇進が事実上決まった霧馬山を含め、4関脇全員が2ケタ白星をマークした。
1場所15日制が定着した1949年夏場所以降、初めてのこと。
昇進を預かる審判部の佐渡ケ嶽部長は豊昇龍、大栄翔、若元春の3人が名古屋場所(7月9日初日・ドルフィンズアリーナ)で大関取りになることを明言した。
初の“トリプル昇進”が現実になる可能性が出てきた。


豪ノ山

千秋楽、東十両筆頭の豪ノ山(ごうのやま、25=武隈)が決定戦の末に十両優勝を飾った。
千秋楽で北の若を退け1敗を守り、落合との優勝決定戦では電光石火の押し出しで快勝した。
「もともと2番取る意識でした。優勝してほっとしています」。
場所前に出稽古に訪れた平幕の王鵬と稽古を重ねて自信をつけた。
新入幕が濃厚な来場所へ「基礎からしっかり見直して、良い形で場所に入りたい」と意気込んだ。


落合

千秋楽、西十両8枚目・落合(19)=宮城野=が、遠藤に並ぶ昭和以降最速の初土俵から所要3場所での新入幕を決定的にした。
決定戦で敗れ優勝は逃したが、十両2場所目で堂々の14勝をマーク。
名古屋場所(7月9日初日・ドルフィンズアリーナ)では、10代幕内誕生が見られそうだ。
この日の部屋の千秋楽パーティーでは、しこ名が本名から「伯桜鵬(はくおうほう)」へと改名されることが明かされた。


大相撲夏場所 懸賞

大相撲夏場所は28日、千秋楽を迎え、懸賞総数は1789本に達した。
1日当たりの最多は千秋楽の190本で、2019年夏場所千秋楽の178本を上回り、過去最高を更新。
15日間全てで館内に「満員御礼」の垂れ幕が下りる盛況だった。




2023/05/28
大相撲ニュース
照ノ富士

14日目、4場所連続休場明けの横綱・照ノ富士が昨年夏場所以来、1年ぶり8度目の優勝を決めた。
唯一の2敗で追っていた関脇・霧馬山に寄り切りで快勝。
昨年10月の両膝手術などからの復活を遂げた。
3場所連続全休明けで優勝の横綱は1968年秋場所の大鵬、89年初場所の北勝海に次いで3人目となった。


霧馬山

14日目、関脇霧馬山の大関昇進が決定的になった。
番付編成を担う日本相撲協会審判部が千秋楽の28日に部内で昇進を協議することで一致。
関係者によると反対意見はないとみられる。
ここまで11勝3敗の好成績で直近3場所合計34勝をマークし、昇進目安の33勝を上回っている。
モンゴル出身で27歳の霧馬山は小結の初場所で11勝、新関脇の先場所は12勝で初優勝。
今場所も最終盤まで優勝争いに絡む活躍だった。
藤島審判部副部長は昇進への明言を避けたが「素晴らしい相撲を取っている」と高い評価を与えた。
千秋楽に向け「いい相撲を見せてくれるのではないか」とした。


豊昇龍

14日目、豊昇龍は剣翔をすくい投げで下して10勝目。
10勝5敗だった先場所に続き2場所連続の2桁勝利に到達した。
立ち合いからすぐにもろ差しになると、引っ張りこまれて後退したが、土俵際で力強くひっくり返した。
千秋楽で対戦する同じモンゴル出身の霧馬山が来場所の大関昇進を大きく引き寄せた。
「先に行かれてしまった。自分も頑張らないと」。
まずは今場所最後の闘いで意地を見せる。


大栄翔

14日目、関脇・大栄翔が明生を下して9勝目を挙げた。
立ち合いから激しい突っ張りで先手を取った大栄翔。
一度は土俵際まで押し返されてバランスを崩したが、再び回転よく突っ張って豪快に突き倒した。
関脇4場所目で初めての勝ち越しを決めてから一つ星を上積み。
「一番一番に集中できている」。
三役での2場所連続2桁勝利に望みをつないだ。
先場所は優勝決定戦で惜しくも敗れたが小結で12勝の好成績。
現時点で2場所合計21勝まで星を伸ばした。


若元春

14日目、貴景勝の張り手を4発も浴びながら、若元春はひるまなかった。
下からおっつけながら、ジリジリと前に出る。
「ここまで勝ったことがない大関戦だった。きょうこそは、と思って臨んだ。落ち着いて、気持ちで負けず」。
気迫で土俵下まで押し倒した。
小結で11勝を挙げた春場所に続き、三役で2場所連続の2桁勝利。
名古屋場所での大関とりに名乗りを上げた。
これが若元春の性格なのか、「(大関を)考えてはないですね。今の関脇の番付を、しっかりまっとうすることだけ考えて」と期待を冷静に受け止める。
関取になる前から稽古を重ねてきた霧馬山が場所後の大関昇進を濃厚にしたが「刺激はもらってます。
純粋にすごいなと。ぼくとしては今の番付が精いっぱいで毎日必死に取ってる。
上に上がっていくのはすごいと思った」と素直に敬意を表した。


錦木

14日目、錦木は、もろ手突きできた阿炎をいなすと、力強く押し倒した。
7連勝で給金を直し、「最初から連勝したかった。立ち合いからの次の手がいいのでは」と舌も滑らかだ。
負けが込んだ前半戦から見事な巻き返しを見せた32歳は、「何が験担ぎか分からない。何もやらないから」と、とぼけ顔。
大好きなお酒が好調の要因かと聞かれ、「(飲むのは)1年中だから」と豪快に笑った。


朝乃山

14日目、朝乃山が、正代との元大関同士の対決を制した。
一気に攻め込み、土俵際でこらえる相手を寄り倒し。
11勝目を挙げて3連敗を免れ、「思い切っていこうと、切り替えたことがよかった」と一息ついた。
終盤まで優勝争いに絡んだものの、大栄翔、照ノ富士と三役以上の力士には屈した。
「今の自分の力では勝てない。(来場所は)負けないように精いっぱいやりたい」と決意を新たにした。


豪ノ山・落合

14日目、東十両筆頭の豪ノ山(25=武隈)が、玉正鳳を押し出して13勝目をあげた。
「内容はよかったと思う。明日もう1番、集中していきたい」。

十両2場所目「令和の怪物」落合も、同じ13勝目をあげた。
来場所の新入幕は確実にしているが、十両優勝で花を添えたい。
「今場所は足が出ているかなと思う。自分の相撲がとれるよう、気合を入れていきたい」と力をこめた。




2023/05/27
大相撲ニュース
照ノ富士

13日目、照ノ富士が横綱の貫禄を示した。
大関経験者とはいえ幕内に返り咲いたばかりの朝乃山に今の番付の違いを示した。
右の相四つ。
左から押っつけて前に出る朝乃山の攻めに下がりながら、抜けた右で小手に巻き、最後は土俵に転がした。
取組後の支度部屋では紅潮した顔で「(立ち合いは)しっくりこなかったですけれど、落ち着いてやれたかなと思います」と振り返った。


貴景勝

13日目、大関・貴景勝は勝ち越しを決め、カド番を脱出した。
貴景勝が立ち合いで左に動いてカド番を脱出した。
覚悟の変化だった。
大関の責任を一途(いちず)に追求している寡黙な大関。
観客からのブーイング、周囲の雑音にも耐えて、大関の地位を守るために苦渋の決断を下した。


霧馬山

13日目、大関昇進が懸かる霧馬山が、北青鵬との1分を超える相撲を制した。
長身の相手に肩越しに左の上手を許したが、すぐに切って頭をつける。
左でまわしを引き、外掛けで仕留め、「我慢できた」と汗をぬぐった。
11勝目を挙げ、悲願へまた一歩前進した。
14日目は、1敗で単独トップの横綱照ノ富士に挑む。
「自分の相撲を取れるように、自分から攻めていきたい」と言葉に力を込めた。


御嶽海

13日目、西前頭6枚目の御嶽海は東関脇の大栄翔を寄り倒し、連勝で8勝5敗として7場所ぶりの勝ち越しを決めた。


朝乃山

13日目、大関経験者で東前頭14枚目の朝乃山は、1差で追うトップの横綱照ノ富士に敗れ、10勝3敗で自力優勝の可能性が消滅した。
同じ右四つの照ノ富士に、これで6戦全敗。
立ち合いで相手に右を差させないよう、左はおっつけにいった。
だが相手に左を抱えられ、前への推進力を利用されて小手投げに敗れた。
「横綱の右手が抜けて、押し込んでいく時に左を差してしまったのがダメだった。抱えられて、上体が伸びて、起きてしまった」と、悔しそうに振り返った。


落合

13日目、西十両8枚目の落合が湘南乃海を土俵下まで豪快に吹っ飛ばし、豪ノ山とともに12勝目を挙げ、首位を守った。
師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)は十両2場所目に12勝で優勝して翌場所新入幕。
場所前から12勝を目標に掲げており「うれしく思っています」と一言。
遠藤と並び史上最速となる入門から所要3場所での新入幕、そして憧れの大横綱と同じ道へ大きく前進した。


夏巡業

26日、大相撲名古屋場所後に実施する夏巡業の日程を発表し、昨年より13日増えて18日間の開催となった。
新型コロナウイルス禍による中止から再開された昨年は関東近郊限定だったが、今年は東北や北海道などでも行う。




2023/05/26
大相撲ニュース
照ノ富士

12日目、照ノ富士が執念を見せた。
新関脇の若元春が得意とする左四つで組んだが、「ある程度、頭に入っていた」。
場所前の出稽古で手合わせした感覚を生かし、うまく体を入れ替えて寄り倒した。
4場所連続の休場明け。
白星を重ねて周囲の不安をはね返し、1敗で単独トップに立った。
取組後、古傷を抱える両膝を気にするしぐさを見せたものの、「大丈夫。まずは15日間、無事に終わること。最後まで優勝争いに絡まないといけない」。
横綱として強い責任感を示した。


貴景勝

12日目、貴景勝は12日目でのかど番脱出はならなかった。
大関昇進を狙う霧馬山に一方的に寄り切られ、土俵下に転げ落ちた。
両膝にテーピングを施して闘う中、痛々しい負け方で支度部屋の取材にも応じなかった。
大関復帰の2019年九州場所から21場所在位した地位を守れるか。
師匠の常盤山親方は「苦しいと思うが、あと1勝まで来ているから。何とか残り3番を頑張ってほしい」と祈るように話した。


霧馬山

12日目、関脇霧馬山が大関貴景勝を破って10勝目を挙げ、今場所後の大関昇進を確実にした。
霧馬山は陸奥部屋所属でモンゴル出身の27歳。
初場所は小結で11勝し、春場所は関脇で12勝を挙げて初優勝を果たした。
大関昇進は三役で3場所合計33勝が目安とされている。
夏場所で10勝を挙げれば計33勝となることから、場所前に昇進を預かる審判部の佐渡ケ嶽部長が「2桁勝利で千秋楽を迎えてほしい」と10勝が昇進ラインになると明言していた。


豊昇龍

12日目、豊昇龍が関脇として意地を示した。
204センチの北青鵬に肩越しに右の上手を許したが、相手の右脇の下に頭を入れるようにして切ると、左から出し投げを打って後ろ向きに。
「しっかり集中できていた」と、手応え十分に振り返った。
成長著しいモンゴル生まれの後輩に巧みさを見せつけ、9場所連続の勝ち越し。
「うれしい。終わったわけじゃないので残りの3番、頑張っていきたい」と気合を入れ直した。


宇良

12日目、宇良が幕内では25年ぶりの決まり手「ずぶねり」で翔猿に勝利した。
激しい差し手争いの後、土俵際から相手の懐へ飛び込んだ。
さらに背筋を使って頭でひねり倒すと、翔猿が左側へ1回転しながら土俵へ落ちた。
98年春場所5日目、旭豊が寺尾に決めて以来。
関学大までのアマチュア時代を含め、「記憶にない」と振り返る珍手。
その大学時代、同じ小兵の同級生が得意技にしたことで、逆に受けてきたという。
「人よりは見てきたし、むしろされていた」。当時の経験が思わぬ場面で生きた。


朝乃山

12日目、朝乃山が2敗目を喫し、優勝争いで一歩後退した。
関脇大栄翔に攻め込まれると、そのまま一気に押し出され「相手が下から突いて、まともに受ける形になって、そこから足を運べなかった」と残念そうだった。
幕内の後半戦で相撲を取るのも、三役との対戦も大関時代の2021年夏場所以来、2年ぶり。「久しぶりに遅い時間に取れたし、上位と取れたのも良かった」と話した。
13日目は1敗の横綱照ノ富士に挑む。
勝てば再び優勝争いのトップに並ぶが「緊張すると思う。冷静に、無心で取りたい」と無欲を強調した。




2023/05/25
大相撲ニュース
照ノ富士

11日目、照ノ富士は危なげない相撲。
豊昇龍の両肘をがっちりきめると、力強く土俵の外へ運び出した。
「動きが良かった」と満足げに振り返った。
9日目に初黒星を喫したが、「その日の一番はその日で終わっている」と引きずらなかった。
1敗のトップで優勝争いの佳境を迎える。
「あと4日もある。できることをやっていく」と集中していた。


貴景勝

11日目、大関・貴景勝がカド番脱出まであと1勝とした。
同じ突き押し相撲の関脇・大栄翔の突っ張りを下からあてがってしのぐと、機を見て引き落とした。
取材には応じなかった。
八角理事長は「最初の攻防があるから効いた。押せなかったが、押し合ったことが大事ですよ」と分析。
幕内後半戦の藤島審判長は「(9、10日目は)痛い2連敗でしたからね。きょうはいい当たりだったのでは。相手が格下だと落とせないという気持ちになってしまうが、きょうは向かっていったのが良かった」と振り返った。


霧馬山

11日目、霧馬山が寄り切りで平戸海を下し、大関昇進の目安となる三役で3場所通算33勝にあと1勝まで迫った。
初対戦の相手だったが、「自分の形になってゆっくり攻めたのがよかった」。
八角理事長も「強引さがなかった。落ち着いていた。焦らなかった」と内容をほめ、1差で追いかける優勝争いにも「チャンスはチャンス」と話した。


若元春

11日目、若元春は、新鋭の東前頭11枚目・北青鵬を退け、新関脇で勝ち越した。
立ち合いから得意の左を差すが、相手に右上手を許し、土俵中央で膠着(こうちゃく)状態に。
じりじりと寄られた土俵際で、起死回生のうっちゃりで逆転した。
だが、「俵を使って何かしてくると思ったのでビビって前に出られなかった。相手が覆い被さってきたので自然に出た。うっちゃりは頭に入れてなかったし、良いことではない」と反省が口をついた。


琴恵光

11日目、通算1000回出場を白星で飾り「攻める気持ちを前面に出していこうと思っていた。自分一人だけの力では成し遂げられないことなので、いろいろな人に感謝したい」と話した。


朝乃山

11日目、土俵際で勝負への執念を見せた。
2年ぶりに幕内力士として出場する朝乃山が白星を2桁に乗せた。
好調の明生に懐に入られても、朝乃山は下がりながら左でまわしをつかんだ。
体をひねるように右から逆転の突き落とし。
相手とともに、勢い余って土俵下へ転がり落ちた朝乃山は「内容は悪いけれど、最後に思い切った結果。左上手を取れていなかったら、たぶん負けていた」と、安堵(あんど)と悔しさが入り交じった表情を見せた。


剣翔

11日目、幕内・剣翔が元大関の御嶽海を破って8勝目を挙げ、新入幕だった19年秋場所以来となる11日目での勝ち越しを決めた。
立ち合いすぐに得意の左上手を取り、右で浅い上手を引いて外四つで相手に力を出させずに寄り切り。
「ああなったら前に出るしかない。思い描いたとおりの相撲が取れた」と納得の内容だった。
新入幕場所以来、幕内で約4年ぶりの2桁勝利も視界に入る好調ぶり。
「ここ最近に比べて膝の調子が良くないので、長い相撲を取ったらよくないから速い相撲を取るようにしている」と“ケガの功名”だったことを明かした。


豪ノ山

11日目、1敗の十両・豪ノ山が、ただ一人全勝の落合を下して10勝目を挙げた。
立ち合い激しく当たり合って左四つに組み合うと先に下手を取られたが、右を巻き替えて豪ノ山が右下手。
左おっつけから左前ミツも引いて相手の上体を浮かせて最後は押し倒し。
“令和の怪物”を土俵上で仰向けにする快勝にも「立ち合い差されてしまったのがよくなかった。はじいてハズで持っていければよかった」と反省点を口にした。
豪ノ山は東十両筆頭で既に勝ち越しているため、来場所の新入幕が確実な状況。
優勝争いで一歩リードする19歳との“頂上決戦”を制して1敗に引きずり下ろした。
優勝争いについては「意識はしてないけど一番一番集中して取っていきたい」と意気込む。
「集中して自分の相撲を取れば良い結果は付いてくる」と信念を貫くことを誓った。




2023/05/24
大相撲ニュース
照ノ富士

10日目、前日に初黒星を喫した横綱照ノ富士が意地を見せた。
琴ノ若との攻防を制し、1敗を死守した。
もろ差しを許して土俵際まで追い詰められながらも、左を巻き替えて応戦。
難を逃れると、体を密着させながらじりじりと持っていき、力を振り絞って寄り切った。
ストレート給金をした照ノ富士は、9日目に明生に敗れて初黒星。
過去6勝2敗と圧倒していたが、今回は食い下がられ、速い動きに上体が起きてしまい寄り切られた。
連敗は免れたが、取組後の取材には9日目に続き応じなかった。


貴景勝

10日目、貴景勝はまたも、あっけなく土俵を割った。
かど番脱出へ日を追うごとに緊張感が増す中、平幕相手に痛恨の連敗。
険しい表情で花道を引き揚げ、これまで同様に取材に応じることなく国技館を後にした。
相手は初顔の金峰山。
立ち合いで十分に押せず、いなしに乗じられて攻め込まれる。
簡単に横向きにされ、最後は力なく押し出された。
痛めている両膝の状態の悪さが影響したのか。
入幕2場所目の金峰山が「大関はいつも通りではなかった」と案じた。


霧馬山

10日目、関脇同士の対戦を制して勝ち越しを決めた。
霧馬山が大関昇進を見据えて、最初の関門を突破した。
突っ張りから得意の左四つに持ち込みたい若元春の攻めをしのいだ。
小手に振られようとしたところを外掛けで耐えると、右から手繰るように小手投げを決めて、土俵の外へ転がした。
「立ち合いがいい。やっと当たれるようになった。最後、肘をきめられて怖かったけど、落ち着いていけた」と振り返った。


高安

10日目、右太腿の負傷で初日から休場していた平幕・高安が11日目から出場。
阿炎との対戦が組まれた。
初日の朝稽古で痛め「右内転筋筋損傷で全治に約3週間を要する見込み」との診断書を提出していた。


琴勝峰

西前頭5枚目、琴勝峰が10日目の23日、日本相撲協会に休場を届け出た。
「左反復性膝蓋(しつがい)骨亜脱臼で約5日間の休場および安静加療を要する」との診断書を出した。
9日目に隆の勝に敗れ、8連敗で負け越しが決まっていた。
琴勝峰の休場は、新型コロナウイルスの影響で途中休場した昨年7月の名古屋場所以来。
10日目の対戦相手、大栄翔は不戦勝。


北青鵬

10日目、身長204センチの北青鵬がスケールの大きな相撲を披露した。
明生に土俵際まで攻め込まれたが、相手の肩越しに取った右上手を命綱にして、つま先立ちでこらえる。
そして最後は豪快な上手投げ。
「右上手は取れていたので、余裕はあった」と涼しい顔で振り返った。
3連勝で勝ち越しを決め、トップとは1差につける。
それでも、「自分の相撲を取るだけ」と浮かれた様子はない。


朝乃山

10日目、東前頭14枚目の朝乃山は西前頭9枚目の平戸海をはたき込み、9勝目を挙げた。
1敗を堅守し、横綱照ノ富士とともに賜杯レースで首位を走る。
今後は三役陣との対戦が組まれる可能性もあり、朝乃山は「今の自分の力がどこまで通じるのかやってみたい」と意欲を示した。
朝乃山は鋭く踏み込み、まわしを探る。
平戸海の左おっつけに右を差せなかったが、冷静だった。
低く攻めてくる相手に対し、まわしにこだわらず左へ回り、前のめりになったところをはたき込んだ。
朝乃山は「前には出られなかった相撲だが、体がうまく反応してくれた」とまずまずといった表情を浮かべた。




2023/05/23
大相撲ニュース
貴景勝

9日目、自身6度目のカド番の大関・貴景勝は、西前頭4枚目・錦木に寄り切りで敗れ、3敗目を喫した。
大関はこの日も報道陣の取材には対応しなかった。
不戦勝を除いて6連勝中だった合い口のいい錦木戦は、立ち合いで右四つに組み止められると、出足が止まった。
胸が合うと、なすすべなく電車道で寄り切られた。
八角理事長は「こういうこともある。悪くはなかった。まだまだ足りないところがある感じですね」。
終盤は役力士との戦いが続くだけに、10日目の幕内・金峰山戦は落とせない。


霧馬山

9日目、大関取りを期す関脇・霧馬山は、関脇・大栄翔を突き落としで下し、2敗を守った。
大栄翔は、先場所決定戦で賜杯を争った相手。
先場所は本割、決定戦といずれも突き落としで勝利しており、この日で3場所連続となった。
立ち合いは「最初から頭でまっすぐ行こうと思った」と低い姿勢で突っ込んだが、相手自慢の突き押しに土俵際に押し込まれた。
「攻められて最後は下がったけど、力を出せて勝ててよかった。あまりいい相撲ではないですけど」。
それでも右四つに組み止めると、「流れでした」と左からの巧みな突き落としが決まった。


若元春

9日目、若元春が、ともに2敗でぶつかった豊昇龍との関脇対決で気迫を見せた。
右からかち上げ、左をねじ込むと、投げにきた相手を切り返し、「番付が並んでいるので、負けてはいられない」と、いつになく意地をにじませた。
トップの照ノ富士らを1差で追う。
ここまで持ち味を発揮しており、「勝っても、負けても、切り替えて、浮き足立たないようにしたい」と自らに言い聞かせた。


明生

9日目、明生が照ノ富士に土をつけた。
しっかり当たった後は肩透かし、出し投げで揺さぶる。
うまく横から攻めて寄り切り、「いろいろなことは考えず、自分のできる範囲で動こうと思った。あまり実感がない」と淡々と振り返った。
初金星。
3場所ぶりに給金を直した。
横綱を引きずり下ろしてトップに並んだが、初賜杯への意識は全くないといい、「自分の相撲に自信を持ちたい。目の前の一番に集中しないといけない」。
浮かれることはない。


朝乃山

9日目、9場所ぶりに再入幕を果たした元大関の東前頭14枚目・朝乃山の力強い足音が下から聞こえてきた。
同10枚目・竜電に左に変化され、左上手を取られて頭を付けられても慌てなかった。
腰を振って、下手を切ってもろ差し狙い。
左が入らないと判断すると、すぐに上手を取って万全の体勢。
最後は引き付けて竜電の腰を砕いた。
今場所は、霧馬山を筆頭に4関脇の大関争いが話題の中心かもしれないが、優勝争いにスポットを当てると3人の1敗勢の中でも朝乃山が一歩、リードしていると思う。
NHKの勝ち越しインタビューで映し出された肩から胸の筋肉が自信に満ちあふれていた。
宮城野親方のように左上手が下から取れれば、さらに強くなる。




2023/05/22
大相撲ニュース
照ノ富士

8日目、3場所全休明けの横綱照ノ富士が、ストレート給金を達成した。
休場中に力をつけてきた琴勝峰を押し出して、幕内では21年九州場所以来となる6度目の全勝で折り返した。
平幕の明生と朝乃山がともに敗れて1敗に後退し、早くも単独トップに立った。
初の横綱戦に燃える琴勝峰を圧倒。
当たりを受け止めると右を浅く差し、左で抱えながら前進。
左に逃れる相手に対し、しっかり足を運んで押し出した。
「落ち着いて、圧力をかけられた」と振り返り、21年九州場所以来の全勝ターンには「そうですか」と涼しい顔だった。


貴景勝

8日目、カド番の貴景勝が小結正代を突き出して6勝目(2敗)を挙げた。
休場明けで臨んだ序盤は消極的な相撲が目立っていたが、中盤に立て直して3連勝。
大関残留まであと2勝とした。
元大関琴奨菊の秀ノ山親方は貴景勝の復調の要因を分析するとともに、看板力士として一層の奮起を求めた。


霧馬山

8日目、大関昇進を目指す霧馬山は、業師の宇良を退けて連敗を免れた。
低く当たってくる相手を下からうまく攻め、引いたところを押し倒し。
「前に行く気持ちだった」と振り返った。
7日目は、元大関の正代に消極的な相撲で敗れた。
その反省を生かし、「負けてもいいので、気持ちで負けないように、自分の相撲を取ろうと思った」と満足そうだった。


北青龍

8日目、東前頭11枚目・北青鵬の魅力は規格外のスケールだ。
元大関の東前頭14枚目・朝乃山との一番。まともに当たったら一気に持って行かれると考えたのだろう。
左に変わって左上手。朝乃山も右を差して、左前まわしをつかむ万全の体勢だったが、北青鵬の人並み外れたパワーが朝乃山を包み込んだ。
204センチ、185キロの体と底なし沼のように深い懐。
最後はクレーンでつり上げるように下手投げでなぎ倒した。


朝乃山

8日目、朝乃山に土がついた。
左上手を狙って横に動いた北青鵬の立ち合いは「予想していなかった」。
長身の相手に苦しい展開。寄って突破口を探ったが、下手投げで転がされた。
2年ぶりの幕内の土俵。
初日から着々と白星を重ね、元大関の貫禄を示してきた中、ストレート給金はならず。
「欲が出たかもしれない。悔しい」と肩を落とした。


豪ノ山

8日目、十両・豪ノ山が狼雅を下して8戦全勝とした。
立ち合いすぐに左前ミツを取られ、一気に攻め込まれたが下がりながら逆転の右突き落とし。
今場所初めての攻め込まれる内容に「立ち合い浮いちゃって相手の形になってしまった。まわしを取られて起きてしまった。なんとか勝ててホッとしている」と胸をなで下ろした。




2023/05/21
大相撲ニュース
照ノ富士

7日目、照ノ富士は初顔合わせの金峰山に貫禄勝ち。
すぐに右を差して寄り、上手投げで仕留めた。
「落ち着いて取れた。日に日に良くなっている」と納得の表情を浮かべた。
4場所連続の休場明けで無傷の7連勝。
着々と調子を上げているように見える中、「15日間終わってみないと分からない。できることを毎日やっていく」と油断はない。


霧馬山

7日目、関脇霧馬山が小結正代に寄り切られ、2敗目を喫した。
今場所ここまで5勝を挙げてきた霧馬山。
10勝に到達すると、大関取りの目安となる「三役(関脇・小結)で直近3場所合計33勝」をクリアする。
今場所で決めたい思いは強いが、土俵では後手後手に回る相撲が多い。
この日の取組についても本人は「全然ダメでした。何もできなかった」とガックリと肩を落とした。


大栄翔

7日目、苦しい展開にも慌てずに形勢逆転。
三役相手に白星を並べ、大栄翔が安定感を示している。
埼玉栄高の後輩でもある琴ノ若が前に出てくるところを、俵に足がかかりながら回り込み、突き放した。
「(相手の差し手を)うまく振りほどけて良かった」と一瞬空いた間を詰めるように、得意の突きで土俵外へ押し出した。
「稽古場(けいこば)でも必ずしも突き放せるわけではない」というが、「稽古場でやっている動きが染みついている」と日々の鍛錬が実った格好でもある。


若元春

7日目、1歳の誕生日を迎えた娘へ、この日の白星は何よりのプレゼントになった。
新関脇の連勝を6日目に「5」で止められた若元春だが、黒星を引きずらない。
得意の左四つから逃げられたが、主導権を渡さず錦富士を押し出して6勝目。
「勝っても負けても切り替えていくのが大事。勝っていくと浮ついた相撲になる。落ち着いて一番一番取れていると思います」。
少しも慌てず、堂々とした内容を見せつけた。


正代

7日目、正代は力強い当たりから霧馬山を一気に攻める。
右を差して寄り切り、「しっかり(体を)ぶつけられた」。
大関昇進が懸かる相手に、元大関としての意地を見せた。
「自分より後輩が(大関に)上がるのは、精神衛生上、良くない」。
過去9勝5敗だった霧馬山とは今場所前、時津風部屋に出稽古に来た際に手合わせ。
「手応えはなかった」と、相手の実力を測りかねていたが、貫禄を示した格好だ。


遠藤

遠藤はひざの痛みが悪化したため、夏場所7日目の20日から休場となりました。
穴水町出身の遠藤は先場所9勝6敗と勝ち越し、番付を4枚上げて西の前頭2枚目で今場所を迎えました。
しかし初日から6連敗を喫するなど動きに精彩を欠いていました。
師匠の追手風親方によりますと以前けがをした両ひざの痛みが悪化したということで、20日朝、埼玉県の病院で診察を受けたところ、両ひざの関節のねんざで3週間の安静と治療を要すると診断されました。
このため遠藤は日本相撲協会に届け出て夏場所7日目の20日から休場となりました。


明生

7日目、平幕で全勝をキープしている明生は、見ていて気持ちの良い相撲を取る力士だ。
1メートル80、154キロの体は大型力士が増えた今の幕内の中では、決して大きい方ではない。
それでも立ち合いから真っ向勝負で相手に真っすぐ当たる取り口は、歯切れが良い。
佐田の海戦も左差しを狙って前に出ながら、土俵際まで押し込んだ。
そのまま押し切れなかったが、右からいなして肩透かしのような形で突き落とした。
今場所は自分の形に持ち込めなくても、二の矢の攻めが速い。
それだけ体がよく動いている証拠だろう。
腰や肘を痛め番付を落とした時期もあったが、体調の不安もなくなってきたようだ。


朝乃山

7日目、朝乃山は初顔の一山本を寄せ付けなかった。
得意の右差しは果たせなかったものの、圧力を生かして押し出し。
「下からあてがって、最後は相手が逃げる方についていけた」と満足そう。
幕内で初日からの7連勝は、新大関として臨んだ2020年の7月場所以来。
勝ち越しに王手をかけたが、「やるべきことは変わらない。恥ずかしい相撲は取れない」と気を引き締めた。


豪ノ山

十両・豪ノ山(25=武隈部屋)が欧勝馬(26=鳴戸部屋)を下して初日から7連勝とした。
頭で激しく当たり合うと、突っ張ってからもろハズで一気に前に出て一方的に押し出し。
「自分の当たりでハズに入って持っていけたので良かったと思います」と完璧な内容に充実の表情を見せた。
場所直前には、時津風部屋に出稽古して関脇・霧馬山(26=陸奥部屋)や小結・正代(31=時津風部屋)らの胸も借りた。
「三役の稽古に混ぜてもらって、上位陣の緊張感や稽古に対する姿勢、雰囲気を感じることができて勉強になりました」。
4関脇が集結する豪華な稽古を間近で見ることで、学ぶことも多かった。




2023/05/20
大相撲ニュース
照ノ富士

6日目、4場所連続休場明けの横綱・照ノ富士が土つかずの6連勝を飾った。
西前頭4枚目・錦木を相手に立ってすぐ右差し。
上手には届かなかったが、抱えた左でねじ伏せるように小手投げで転がした。
「とにかく圧力をかけようと思っていた」と冷静に振り返った。


貴景勝

6日目、連敗はしない。
かど番の大関貴景勝が、立ち合いからはじき飛ばす本来の相撲で錦富士を押し出し、4勝目をあげた。
前日5日目の翔猿との一番は、行司差し違えで2敗目の黒星となった。
いやな流れを引きずっての連敗だけは避けたかった。
7日目の相手は業師の宇良が組まれた。
両膝に不安を抱える中で難敵は間違いない。
この日も取材対応はなく、黙って土俵だけに集中する。


霧馬山

6日目、霧馬山はうるさい翔猿に快勝した。
相手の突き押しや巻き替えにも動じず、組んで出て土俵際で上手投げ。
「よく相手のことを見られた」。
過去4勝6敗と合口の悪い相手にしっかり対応した。
大関昇進への目安となる2桁白星まであと5勝。
「一日一番しっかり」と集中している。


大栄翔

6日目、注目の関脇対決は大栄翔の良さだけが目立ちました。
前日の阿炎戦はすかされたような負けでしたが、豊昇龍戦は自分のやるべきことをしっかりやりきりました。
立ち合い100点、土俵際100点。
相手に何もさせないワンサイドの勝利でした。
大栄翔がこだわりを示す立ち合い。
何をするか分からないくせ者に両手を出して動きを止めて、そこから畳みかけました。
一見普通の攻めにも見受けられますが、手で行きながら頭でも行くように立つ独特の動きでした。
相手を懐に入れないという意味では作戦通り。
成長の跡がうかがえます。


若元春

6日目、若元春は阿炎の変化を警戒して立ったが、張り差しをまともに受け、簡単に肩透かしを食った。
「頭にないことをやられて足が止まった。ああいうところで対応できないのが足りないところ」と沈んだ声。
新関脇として迎えた今場所、初日からの連勝は5でストップ。
「体は動いている。一番一番勉強だと思ってやる」と気を取り直すように話した。 


明生

6日目、明生が幕内で自己新となる初日から6連勝を決めた。
業師の宇良に対して迷わず当たり、腕を手繰られそうになっても構わず前進した。
全勝は3人となり、期待も高まるが「ずっと負け越しているんで先のことは見えてないです。勝ち越したいという気持ちです」と無欲で臨んでいる。


北青鵬

6日目、現役力士最長身2メートル4の幕内・北青鵬が琴恵光を下して5勝目を挙げた。
北青鵬は立ち合い左から張って左で引っ張り込もうとするが、琴恵光が左おっつけ右喉輪で徹底的に距離を取って攻める。
中に入った琴恵光がもろ差しで寄っていくと、抱えた北青鵬が右小手投げで振ってから左上手を引いて寄り切った。
「どこかのタイミングで(まわし)取れればいいと思って最後取れたので」と、攻め込まれながらも絶対的な自信を持つ形に持ち込むまで余裕はあったようだ。
入幕2場所目でここまで5勝1敗の好成績。
先場所は9勝を挙げて勝ち越したが、目標だった2桁勝利には届かなかった。
「敢闘賞を獲れずに悔しい思いをしたので、今場所は優勝争いに絡みたい」。
現役最長身の大きな北青鵬が、大きな目標を見据えた。


朝乃山

6日目、9場所ぶりに幕内に復帰した元大関の朝乃山が水戸龍を寄り切って全勝を守った。
「先に先に攻める気持ちでいった」と手応えを示す左四つの型は、この日引退を表明した栃ノ心との稽古で磨いた。
新入幕直後の18年の巡業から、同じ左四つの朝乃山に声がかかった。
「栃ノ心関からしたら取りやすかったのでしょう。指名してもらったから今がある。少しでも活躍して恩返ししたい」と感謝の思いは尽きなかった。


栃ノ心 引退

6日目、日本相撲協会は、ジョージア出身で元大関の東十両5枚目・栃ノ心(35)=春日野=の現役引退を発表した。
栃ノ心は国技館で会見し、今年初場所で負傷した左肩の悪化が引き金となったと説明。
「相撲を取るのが怖くなった」などと語った。
親方になるための日本国籍は取得しておらず、協会には残らない。




2023/05/19
大相撲ニュース
照ノ富士

5日目、4場所連続休場明けの横綱・照ノ富士が土つかずの5連勝を飾った。
くせ者の東前頭4枚目・宇良にきめ出しで完勝した。
この日は横綱審議委員会(横審)による本場所総見。
“御前”で復調ぶりをアピールした。
照ノ富士が乗ってきた。
くせ者の宇良との一番。
もろ差しを許しながらも当たりを受け止めると、両腕で抱えて動きを止めた。
必死に抵抗する宇良を意地でも離さず、そのままきめ出し。
「(動きを止めるのが)一番大事だと思っていた。狙っていたわけじゃない。流れでそうなっただけ」と淡々と振り返った。


貴景勝

5日目、カド番の貴景勝が埼玉栄高の先輩・翔猿から2敗目を喫した。
当たって突いたが、足が出ない。
いなされて泳いだところを左四つに組み止められ、上手投げ。
貴景勝もすくい投げを打ち返し、軍配は貴景勝に上がったものの、協議の結果、差し違えだった。
取組後、貴景勝は取材対応せず、横綱審議委員会の本場所総見に出席した山内昌之委員長は、「この場所は試練と受け止めて、乗り越えてほしい」と期待していた。


霧馬山

5日目、大関獲りの霧馬山が小結・琴ノ若を下し、序盤を4勝1敗で終えた。
立ち合いは「稽古場でやっていたのでやってみようと思った」と珍しくもろ差しを狙い、押し込まれながらも左を差して左へ回り込んですくい投げで逆転した。
前日は勝ちを意識して取り直しも含めた2番連続の立ち合い変化。この日は「最初から真っすぐいくと決めていた。負けてもいいから自分の相撲を」と納得の内容だった。


豊昇龍

5日目、関脇豊昇龍が、連勝で序盤戦5日間を4勝1敗で通過した。
小結正代に、立ち合いは突いて出ると、流れで左を差して前に出た。
そこから正代に組み止められ、今度は相手の圧力に後退。
だが相手の出足を利用し、右からの上手投げで仕留めた。
「集中して、いい相撲を取れたなと思います」と、胸を張った。
正代の時津風部屋には、場所前に何度も出稽古し、胸を合わせていた。
互いに手の内を知る相手だが「あまり気にしていない。自分のことだけを考えて、自分を信じて、1日1番、しっかり集中していきたいです」と、力強く話した。


若元春

5日目、新関脇若元春は、翠富士を寄り切って初日から5連勝とした。
得意の左四つに組み止めると、歓声が先走る。
観客にも勝利の「型」にはまったことが認識されているのだろう。
左差し、右上手。新関脇若元春が翠富士を寄り切って、幕内自己最多の5連勝。
初日からは初めてとなった。
「上手が引けてよかったけど、ちょっと遅かった。つかまえてから止まらずにいけた」
押し込みながら、左を力強くねじ込んだ。
右腕を長く伸ばして上手を探る。
2度目で指先がかかり、胸を合わせると休まず前へ出た。
序盤を無傷で乗り切り、「あまり考えていない。その日の一番に集中している」と表情を崩さなかった。


阿炎

5日目、阿炎が3連敗中と苦手にしていた関脇大栄翔を突き落として、昨年春場所以来の勝利。
初日から4連勝と好調の相手に今場所初めて土を付けた。
立ち合いから押し込まれたが、土俵際で左へ回り込んで逆転。
「大栄翔関戦はいつも持っていかれるが、しっかり体が動いた」と満足そうに振り返る。
「押し込まれても慌てないで、しっかり集中できた。自分らしい相撲が取れた」と本人も手応え十分の一番だった。


明生

5日目、平幕明生が錦木を下手投げで退け、初日から5連勝を飾った。
5連勝スタートは自己最長タイ。
目を細めて照れくさそうに笑った。
2021年初場所に並ぶ自己最長タイの5連勝発進。
明生は「うれしいっすね」と素直に喜びを口にした。
錦木に対して立ち合いでもろ差しに。
巻き替えられて左を差されて寄られたが、土俵際で逆転の下手投げを決めた。
「もうダメかなと思った」と振り返る展開からの白星に、好調ぶりがうかがえた。
春場所後、逆まつげに長年悩まされていた右目の手術に踏み切った。
医師には「眼球を傷つけて見えなくなると言われていた」という。
光をまぶしく感じて頭痛がするなどの症状も改善。
「ホッとした。痛くなくなった」と日常のストレスが減り、相撲により集中できている。


朝乃山

5日目、朝乃山が碧山を押し出し、5連勝とした。
得意の右差し、左上手にもこだわらず一気に出た。
碧山が左を固めてきたこともあったが「しっかり踏み込めた」と手応えを口にした。
夏場所では4年前、平幕優勝して当時のトランプ大統領から米国大統領杯を受け取った。
この日、サミット出席のため、バイデン大統領が来日。
感想を問われたが「もう過去のこと」とし、波乱に満ちた4年間を踏まえて視線を前だけに向ける覚悟を示した。




2023/05/18
大相撲ニュース
照ノ富士

4日目、3場所連続全休していた横綱・照ノ富士が帰ってきた。
翔猿をきめ出して初日から4連勝。誰が優勝するか分からない「戦国土俵」で、番付最高位のプライドを見せている。
4場所ぶりに初日から出場の照ノ富士は、順調に白星を並べた。
「動きを止めることを意識して」と前回対戦した2022年秋場所で不覚を取った翔猿を引っ張り込んで抱えると、つり上げるようにしてきめ出した。


貴景勝

4日目、かど番の大関貴景勝は、相撲巧者の遠藤に相撲をとらせなかった。
立ち合い、左変化ではたき込み。
今場所初めての連勝で星を3勝1敗とし、通算勝利を401勝とした。
テーピングで固めた両膝への不安を抱える中で、大関の座死守へ、必死の土俵が続く。
この日も取組後の取材対応はなかった。


霧馬山

4日目、大関取りを狙う関脇・霧馬山が取り直しの末に3勝目を挙げたが、不安が残る内容だった。
最初の一番は錦富士を相手に左へ変化気味に立った。
前に出るも土俵際でもつれ「(突っ張りを)絶対外さないと思ったけれど相手の動きが速くて外れてしまった」と反省。
行司の軍配は錦富士に上がったが、物言いがつき、同体取り直しとなった。
取り直しの一番でまたも飛んだ。
左四つになって攻めると、最後ははたき込んだ。だが内容について「立ち合いの手があまり合わなかった。思ったとおりいけていない」と不満げ。
3日目に土がついており、連敗こそ免れたが「自分の中でもバタバタしていると感じている。明日からしっかりやりたい」と反省の弁が続いた。


豊昇龍

4日目、豊昇龍が連敗を免れた。
阿炎の突き押しに動じず、うまくいなして体勢を整えると、一気に土俵の外へ。
「しっかり落ち着いて、自分の相撲を取った」と満足そうに振り返った。
大関昇進が懸かる霧馬山ら、4関脇がひしめく。
後れは取りたくないところだが、「周りを気にしないで、一日一番、取っていきたい」と、淡々と言った。


大栄翔

4日目、大栄翔は、正代を突いて起こし、1度は引いたものの、思い直したように突き押しを繰り出し、タイミング良くはたきこんで無傷の4連勝。
押し相撲で頂点に上り詰めた八角理事長は「今日は立ち合いから思いきり行かず(相手を)見て行き、無理して出て行かなかった。勝てると思う相手に、安全に勝ちに行くのは押し相撲の力士には難しいこと。今日はそういう相撲を取った」と分析した上で「そういう意味で力をつけた印象」と、こちらは好印象を持ったようだ。


若元春

4日目、新関脇・若元春が自己タイの無傷4連勝を飾った。
全勝同士の対決となった小結・琴ノ若との一番を押し出しで快勝。
弟の小結・若隆景が先場所中の負傷で長期休場の見込みとなる中、兄が奮闘している。
浅香山審判長は「自分の形になれば強い。自分の形で勝つことはいいこと」と評価。
八角理事長は「左四つになった後の攻めが速い。おっつけながら左を差すというね。相当に力が強いのでしょう。ここ数場所、自信を持っていて内容がいい」と、成長を指摘した。


明生

4日目、東前頭6枚目の明生が北勝富士を寄り切って、初日から4連勝とした。
明生が北勝富士を破り、令和3年初場所以来の初日から4連勝。
立ち合いから押し込み、体を左に開いていなし。相手の体勢を崩して右差し、左上手を取って寄り切った。
相手がよく見えるそうで、「体が動いている。集中もできている」。


朝乃山

4日目、東前頭14枚目の朝乃山は、盤石の相撲で西前頭16枚目の王鵬を押し出し、初日から4連勝とした。
初顔合わせとなった先場所では痛恨の黒星を喫したが、雪辱を果たし「気持ちだけでいった」と手応えを示した。
立ち合いで当たると、瞬時に右をねじ込み、ぐいぐいと前に出る。
左に逃げる王鵬に冷静についていき、3秒の速攻相撲で勝負を決めた。
先場所を振り返り「悔いが残る一番だった。先場所のことは何も考えないで踏み込んだ」と無心を強調した。




2023/05/17
大相撲ニュース
照ノ富士

3日目、一人横綱・照ノ富士は、幕内・遠藤を押し出しで下し、無傷3連勝を飾った。
全勝を守り「始まったばかりですし、(残り)12日もあるのでね。
満足できるような相撲ではないけど、とりあえず勝っているんでね」と淡々と話した。
立ち合いは右を固めて踏み込むと、相手の右腕を手繰って背後を取った。
くるりと一回転して立て直す遠藤に反撃のスキを与えず、一気に押し出した。
幕内後半戦を土俵下で見守った佐渡ケ嶽審判部長は「(横綱は)遠藤の左四つを警戒して脇を固めていった。立ち合いの後も膝が曲がっていた。攻めてもいた」と、横綱の攻めを評した。


貴景勝

3日目、かど番の大関貴景勝が気迫で最初の大ピンチを乗り越えた。
前日に続きテーピングを施した両膝への不安を抱えながら、翠富士を攻め続けて押し出した。
最悪の連敗を阻止して節目の通算400勝を飾り、2勝1敗と白星を先行させた。
NHKの解説を務めた元小結の舞の海氏は「気迫に満ちた相撲でした」と感嘆した。


霧馬山

3日目、初の「大関とり」に挑む関脇霧馬山は阿炎に引き落とされ初黒星を喫した。
阿炎のもろ手突きをこらえて前に出たが、タイミングよく引かれると土俵にバタリと手をついた。
「最後にもう一歩、足が出なかった」と反省。
それでも「直近3場所を三役で33勝以上」とされる大関昇進の目安までは残り12日間で8勝。
「まだ先は長い。これからも自分の相撲を取っていきます」と気持ちの切り替えを強調した。


大栄翔

3日目、関脇大栄翔が、錦木を押し出して先場所に続き、初日から3連勝とした。
一度は組み止められるも右上手を振って体を入れ替え、得意な突き押しの体勢に持ち込んだ。
取組を振り返って大栄翔は「こういう相撲で何番も勝てるわけではないので自分の相撲を取りきりたい」と反省点を口にしたが、星が付いてきていることが何よりの喜び。
「勝ち星が続いているのは良いこと。しっかり集中して相撲を取りたい」と前を向いた。


若元春

3日目、新関脇・若元春は、元大関で小結・正代を逆転の突き落としで下し、無傷の3連勝を飾った。
天然理心流か北辰一刀流か。
若元春の土俵際の切れ味鋭い突き落としには目を疑った。
元大関・正代をまさにコマ送り。立ち合いの当たり、スピード、圧力を併せ持つ“四つ相撲のスペシャリスト”が久しぶりに出てきたと思った。
若元春の良さは土俵際の粘りだけではない。
本来、四つ相撲の力士は肩で当たるものだが、若元春は頭で当たることもできる。
圧巻は左の使い方だ。
相手の右のかいな(腕)を絞りながら、下からおっつけて差すので体を浮き上がらせることができる。
職人技といっていいだろう。


琴ノ若

3日目、小結・琴ノ若が右からの上手投げで錦富士を倒し、3連勝とした。
立ち合いで右から当たるとすぐさま体を開いて投げ捨てた。
「15日間前へ出る相撲を取り切れないこともある。こういう相撲も自信にしたい」。
春場所は終盤の3連敗が響き2桁勝利を逃した。
終盤対策を問う声にも、「序盤に関しては一日一番しっかり取れている」と眼前の戦いから視線を外さなかった。


御嶽海

3日目、御嶽海は4連敗中だった玉鷲に土俵際まで押し込まれたが、体を入れ替えて逆襲。
押し出して玉鷲との連敗をストップした。
前日の2日目に通算400勝を達成したが、「まだ400勝。負け過ぎました」と幕内優勝3回の元大関には不満の残る白星のペース。
通算401勝目のこの日は「しっかり相手に圧力をかけて勝つことができた。早く500勝に到達するようにどんどん勝っていきたい」と自らを奮い立たせた。


朝乃山

3日目、行司の軍配は琴恵光に上がったが、攻めていたのは朝乃山。
際どい勝負に藤島審判長の手が挙がる。
物言い。「負けだと思ってた」という朝乃山だったが、協議の結果は軍配差し違え。
9場所ぶり再入幕の朝乃山が、初日から3連勝となる白星を手にした。
右を差し、168キロの体を生かして一気に攻めたが、まわしをつかんでいなかったことを「ほんとに勉強不足。というかアホですね」と自分を責めた。
「(勝っても)うれしいとは思わない」と反省の言葉しか出なかったが、「無意識かもしれない」と土俵に落ちるときにたたんだ左腕が執念の白星を呼び込んだ。


若隆景

初日から休場している小結 若隆景について、手術を受けた右ひざの治療におよそ5か月を要する見込みだとする診断書を公表しました。
荒汐部屋の若隆景はことし3月の春場所で右ひざを痛めて途中休場し、その時の診察では、およそ3か月の治療が必要だと診断されていました。
その後、先月、右ひざの前十字じん帯の再建手術を受けた若隆景について、日本相撲協会は16日、新たな診断書を公表しました。
それによりますと、手術を受けた右ひざについて、先月15日に都内の医療機関を受診した結果、およそ5か月の治療を要する見込みと診断されたということです。
若隆景は先場所まで7場所連続で関脇を務めるなど大関候補としても注目を集めてきましたが、これで長期の休場は避けられず、番付も大きく下げることになります。




2023/05/16
大相撲ニュース
照ノ富士

2日目、3場所連続全休明けの横綱照ノ富士が、阿炎を突き落として2連勝を飾った。
初日からの連勝は昨年の1月の初場所以来と8場所ぶり。
課題としていた当たりの強さにも手応えをつかんだ。


貴景勝

2日目、カド番の大関・貴景勝は小結・琴ノ若に寄り切られて早くも初黒星を喫した。
初日には見られなかった両膝のテーピングが貴景勝の現状を物語っている。
初日も土俵から下りるのもつらそうだった。
苦しそうなそぶりをめったに見せない大関のなりふり構わない姿。
琴ノ若の胸に思い切り当たり、押せないと判断するとすぐに引いた。
頭を付け左からいなそうとしたが、圧力がかかってないから全く利かない。 最後は右を差されて上体が浮き上がり、そのまま寄り切られた。


霧馬山

2日目、相撲巧者の遠藤を横向きにさせると、反撃を許さず一気の押し。
文句なしの完勝で、霧馬山が大関とりの場所を連勝で滑りだした。
「相撲はあんまり覚えてないんですけど、流れはいいと思います」
土俵下で勝負を見守っていた藤島審判長も「伸び伸び取ってます。毎日土俵に上がるのが楽しいというぐらい」と評すほど、自然と体が動く。
すべては稽古のたまものだ。


若元春

2日目、新関脇の若元春は激しい突き押しで翔猿を土俵下に転がり落とし、初日から連勝発進を決めた。
圧勝劇について「たまたまです」と謙遜しながらも「前に出るしかないと思っていったら相手がはじけて、隙間が空いたのでああいう勝ち方になった」と好調をアピール。
「日々いっぱいいっぱいで相撲を取っているので自信とかはないですけど、状態はいい。あとは変に今の状態を崩さないだけです」と3日目以降も無心で挑む。


琴ノ若

2日目、小結・琴ノ若は貴景勝を破って2連勝とした。
右差し左上手の得意の形をつくって完勝。
埼玉栄高の先輩で膝のケガを抱える手負いのカド番大関が相手だが「土俵に上がったら関係ない。相手ではなく自分との勝負」と心境に変化はなく平常心を貫いた。
この日は父であり師匠でもある佐渡ケ嶽親方の55歳の誕生日。
母の日だった初日に続いて父にも白星を届けた。


正代

正代が取り直しの末に白星をつかんだ。
土俵際で突き落とされ、錦富士に軍配が上がったものの、同体とみなされて「チャンスがもう一番ある」。
前に攻め続けて寄り切り、「しんどかった。出足が浅くなったが、最後は体を預けられた」と一息ついた。
平幕に転落した先場所で10勝を挙げ、小結に返り咲いた。
本来の馬力ある相撲を取り戻しつつあり、元大関は「今後につながる」と先を見据えた。


御嶽海

2日目、西前頭6枚目・御嶽海は東前頭7枚目・北勝富士に寄り倒しで勝ち、今場所初白星を挙げた。
御嶽海は通算400勝とした。
3日目の16日は西前頭7枚目・玉鷲と対戦する。
最初の一番は押し切れずに引いたところを寄られて土俵を割り、同体で取り直しとなった。
取り直しの一番は互いに土俵際まで押し込む一進一退の攻防となり、最後は御嶽海が左下手を引いて寄り倒した。


朝乃山

2日目、元大関で9場所ぶりに再入幕を果たした東前頭14枚目・朝乃山が、西同14枚目・妙義龍を寄り切って連勝スタートを飾った。
三役経験豊富な実力者に万全の内容で勝ち波に乗ってきた。
朝乃山はベテラン妙義龍に鋭く当たって右を差し勝ち、左上手もつかんで力強く足を運んだ。
「相手のもろ差しが見えたので、右を固めて差せた。左を引きつけてじっくり寄れた」と手応えをにじませた。




2023/05/15
大相撲ニュース
照ノ富士

14日、8カ月ぶりに土俵へ帰ってきた。
休場している間に解禁となった声を出しての応援。
「久しぶりって感じですかね。やっと土俵に立てた。久しぶりに盛り上がる歓声を聞けてうれしいです。一日も早く土俵に戻りたいと思ってやってきました」。
胸に込み上げてくるものがあった。
復帰初戦で正代をすくい投げ。
寄られながらも右腕をこじ入れた。
本来の勝ち方ではなかったかもしれないが、「いつも通りできたかな」と滑り出しとしては合格点。
横綱在位中の連続休場は実に歴代8位の51。
昨年秋場所8日目の錦木戦以来となる238日ぶりの白星をかみしめた。


貴景勝

14日、先場所の綱とりから一転、かど番で迎えた場所で白星発進した。
過去3勝6敗と苦手にしていた東前頭筆頭の阿炎との一番。
立ち合いで押し込まれてひやりの場面もあったが、左からの強烈なおっつけから押し出した。
自身が陥落すれば、大関がいなくなるピンチとなる。
取組後の取材対応はなかったが、大関として生き残る意気込みは土俵の上で示した。


霧馬山

14日、大関取りを狙う関脇・霧馬山が白星発進した。
立ち合いから幕内・翠富士を引いて呼び込んでしまったが、しぶとさを発揮。
土俵際で体を左に開いて肩すかしで逆転した。
緊張や硬さもあったことを明かし「相手が低くてビビって引いちゃった。でもよく残して、流れで勝てた」と安ど。
八角理事長も「踏み込まれて中に入られたけど我慢した。押し返したのは足腰の良さとバランスの良さ」と評した。


高安

東前頭2枚目高安が夏場所初日の14日から休場した。
師匠の田子ノ浦親方によると、同日の朝稽古で右太もも付近を負傷。
日本相撲協会に「内転筋の損傷で全治には約3週間を要する」との診断書を提出した。
初日の対戦相手、豊昇龍は不戦勝。


朝乃山

14日、三段目からはい上がってきた元大関・朝乃山が、21年夏場所11日目以来725日ぶりとなる幕内力士としての白星を手にした。
「725日、長いですね。白星よりも(幕内で)お客さんの前で相撲を取れるのがうれしいです」と感謝の気持ちを込めた。
幕内・千代翔馬との立ち合いは右をねじ込むと、得意の右四つ。
最後は冷静にかいなを返しながら、確実に寄り切った。
大歓声を浴び「土俵に立った時は緊張感があった。前に出て取れたのでよかった」と納得の表情だった。
夏場所は4年前に平幕で初優勝し、トランプ米大統領から大統領杯を受け取った思い出もある。
「ここからが本当の勝負という気持ちだった。前の番付はプレッシャーだが、それに打ち勝てるように。序盤5日間が大事なので集中していきたい」と気合を入れた。




2023/05/14
大相撲ニュース
貴景勝・霧馬山

かど番の大関貴景勝と大関とりがかかる関脇霧馬山が13日、両国国技館で行われた優勝額の贈呈式に出席した。
春場所で初優勝を飾った霧馬山は、自身の額を目にし「かっこいいですね。すごくうれしかった。入った時からいつか優勝するんだと目標にしていた。今日は朝から良い一日」とご機嫌。
「また優勝するという気持ちで」と意気込んだ。
芝田山広報部長は「ここ数場所の相撲内容や勢いが持続すれば、場所後に大関昇進の声が聞こえるのでは」と期待した。
初場所を制した貴景勝は報道陣の囲み取材には応ぜず。
左膝のケガで春場所を途中休場したとあって、緊張感を漂わせた。


御嶽海

西前頭6枚目に下がった元大関の御嶽海は、東前頭6枚目の明生と当たる。
2日目は東前頭7枚目の北勝富士との顔合わせが組まれている。
新型コロナウイルス禍で3年余できなかった場所前の出稽古に励んだ成果を見せて、好発進したい。


土俵祭り

大相撲夏場所初日を翌日に控えた13日、会場となる東京・両国国技館で土俵祭りが営まれ、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)や審判部の親方らが15日間の安全を祈願した。
一般には非公開で、横綱照ノ富士や大関貴景勝ら力士は出席しなかった。
今場所は4場所ぶりに横綱、大関陣が初日からそろって出場する。
新関脇だった先場所で初優勝した霧馬山は大関昇進に挑戦。
元大関の朝乃山は2年ぶりに幕内の土俵に上がる。
新型コロナウイルスの5類移行に伴い、本場所約2週間前の番付発表後は認められていなかった出稽古が、今場所から初日直前まで認められた。




2023/05/13
大相撲ニュース
霧馬山

昇進問題を預かる審判部の佐渡ケ嶽部長は12日、夏場所で大関昇進に挑む関脇霧馬山について「1回で決めてほしい。1桁ではなく2桁(勝利)。10勝以上の成績で千秋楽を迎えてもらいたい」と期待した。
霧馬山は三役で11、12勝と続け、先場所で初優勝。
昇進目安とされる直近3場所合計33勝には10勝で届く。
佐渡ケ嶽部長は2場所前に前頭筆頭で10勝、先場所は小結で12勝の大栄翔にも言及。
「筆頭での10勝というのがある。審判部で今後、話をしていかないといけない。今場所の成績にもよる」と慎重な見解を示した。


若隆景

12日、大相撲夏場所を休場する西小結の若隆景の診断書を公表し、3月24日付で「右前十字靱帯損傷、右外側半月板損傷などで3カ月程度の療養を要する」との内容だった。
4月上旬に靱帯再建手術を受け、師匠の荒汐親方は11月の九州場所までに出場できるかは微妙との見解を示している。
若隆景は先場所まで7場所連続で関脇を務め、大関候補と期待されていた。
休場が長引けば、年内には幕下に番付を下げる可能性が高い。


朝乃山

12日、東京・両国国技館で夏場所の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。
元大関で再入幕の東前頭14枚目・朝乃山は「2ケタ以上、絶対に勝ちます」と決意。
元大関が幕内の土俵に戻ってくる。
9場所ぶりに再入幕の朝乃山はこの日、都内の部屋で稽古後に取材に応じ、「2年ぶりの幕内ですし、楽しみではある。けど成績を残さないといけない。自分の相撲を取り切って結果を残したい。2ケタ以上絶対に勝ちます」と決意を込めた。




2023/05/12
大相撲ニュース
霧馬山

大関昇進に挑む関脇霧馬山が11日、東京都墨田区の時津風部屋へ出稽古し、同じモンゴル出身で元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジさんの激励を受けた。
ダグワドルジさんのおいの関脇豊昇龍らとの15番で場所前の出稽古を終了し「きょうは特別。いい稽古ができたと思う」と充実感を漂わせた。
夏場所で10勝以上ならば昇進の目安とされる直近3場所の合計33勝をクリアする状況にも「一日一番、いつも通りにいくしかない」と平常心を強調する。
ダグワドルジさんからは「優勝を経験している人間。自信を持って引っ張ってほしい」との熱いエールが送られた。


夏場所の懸賞!

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は11日、夏場所15日間の懸賞申し込み総本数を1850本と明らかにした。
新規で10社の申し込みがあり、昨年夏場所の申し込み時点を100本程度上回った。
個人では大関貴景勝が142本でトップ。


十両・落合

十両・落合が11日、都内の宮城野部屋で稽古を行い、夏場所(14日初日、東京・両国国技館)への意気込みを語った。
昭和以降初の所要1場所での新十両となった春場所は10勝5敗。
「15日間取り切るのは大変だと改めて感じた。一日一日の切り替えが大事」と学びを得た。
師匠の宮城野親方(元横綱・白鵬)は十両2場所目の04年春場所で12勝を挙げて十両優勝を飾り、翌場所新入幕。
くしくも当時の白鵬と全く同じ西十両8枚目の“令和の怪物”は「自分も12勝したい」と十両2場所通過を目標に掲げ、憧れの大横綱と同じ道を歩むことを誓った。




2023/05/11
大相撲ニュース
照ノ富士

両膝痛などで4場所連続休場中の大相撲の横綱照ノ富士について、師匠の伊勢ケ浜親方は10日、夏場所の出場を改めて明言した。
「出るからには優勝を目指して頑張らなくてはいけない。初日、2日目と順調に勝っていければ波に乗れる」と見解を示した。
この日の照ノ富士は東京都江東区の伊勢ケ浜部屋ですり足やゴムチューブを使ったトレーニングなどで汗を流し、相撲は取らなかった。
本人は取材に応じなかったが、師匠は「ちゃんと汗をかいているし、稽古をやれている」と語った。


霧馬山

陸奥部屋で、幕下以下の力士による暴力が判明してから一夜明けた10日、部屋付きの鶴竜親方は、出稽古した部屋頭の関脇霧馬山に同行し、都内の時津風部屋の朝稽古を指導した。
朝稽古では何度も「投げにいかない」「我慢しろ」と助言。
安易な投げを打ちがちな霧馬山に、粘って腰を下ろして寄り切るよう求めた。
稽古後、霧馬山について「いい感じで来てるんじゃないかな。このままケガなくいけば」と、夏場所で10勝以上すれば有力視される、弟弟子の大関昇進を期待している様子だった。


錦富士

大相撲夏場所を控えた10日、幕内錦富士が東京・江東区の富岡八幡宮で結婚式を挙げた。
お相手は石川県出身で元会社員の藤添静香さん。
11日に婚姻届を提出する。
静香さんとは一昨年10月にパーティー会場で知り合い、錦富士がひと目ぼれ。
同年12月25日のクリスマスに交際を申し込み、その1年後にプロポーズした。
錦富士は「(第一印象は)見た目もすてきなんですけど、中身も含めて絶対にいい人だなと。周りからは土屋太鳳さん(女優)に似ていると言われる」と幸せいっぱい。
10月には第1子が誕生予定で「想定外のこともたくさん起きると思う。そこは2人で手を取り合って1個ずつ成長していけたら」と早くもパパの自覚をのぞかせた。


時津風部屋へ出稽古

大関を狙う4関脇が10日、都内の時津風部屋に集合した。
霧馬山(陸奥)、豊昇龍(立浪)、大栄翔(追手風)、若元春(荒汐)らが出稽古に訪れた。
国技館から目と鼻の先の時津風部屋で力のこもった“前哨戦”が繰り広げられた。

先場所優勝の霧馬山は最多の計20番。
圧巻は12番連続での相撲だった。
大栄翔、若元春を撃破するなど9連勝。
「自分から(申し合いに)行きました。番数もちょうどよかった」。
豊昇龍には負け越したが、大栄翔には2勝1敗、若元春には3勝0敗と勝ち越した。

続いたのは同じモンゴル出身の豊昇龍の計19番(13勝6敗)だ。
霧馬山とは3番続けて相撲を取り、3連勝するなど4勝2敗。
だが番数で負けたことを報道陣に知らされると「そうか。もっとやりたかったね」と悔しさもにじませた。

若元春は計11番で3勝8敗も「調子は上がっている」と手応え。
計7番で3勝4敗だった大栄翔も「強い相手だと簡単に押せない。同じくらいの番付の力士とやるのは1番いい」と振り返った。

大栄翔は夏場所まで出稽古する予定がないことを明かした。
大関昇進を狙う4人が顔を合わせるのはこの日が最後となりそうだ。


大相撲龍ケ崎場所

吉本興業株式会社、株式会社LIVE FORWARDは11日
8月3日に茨城県龍ケ崎市のニューライフアリーナ龍ケ崎(たつのこアリーナ)で
「龍ケ崎市市制70周年記念 大相撲龍ケ崎場所」を開催すると発表した。

同市での巡業開催は約5年ぶり。
横綱・照ノ富士、大関・貴景勝、土浦市出身の高安ら200人の参加を予定している。

関連リンク
令和5年夏巡業 龍ケ崎市市制70周年記念 大相撲龍ケ崎場所




2023/05/10
大相撲ニュース
照ノ富士

両膝痛などで4場所連続休場中の横綱照ノ富士が調整ペースを上げてきた。
9日は東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で幕内宝富士と10番取って9勝1敗。
新三役を狙う翠富士や錦富士の他、幕下以下の力士にも胸を出すなど精力的に汗を流した。
腰を深く落としたすり足もこなした。
横綱は取材には応じなかったが、8日には師匠の伊勢ケ浜親方が夏場所出場を明言。
万全の仕上がりを目指していく。


霧馬山

大関昇進を目指す霧馬山の他、豊昇龍と大栄翔の3関脇が9日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古し、熱のこもった申し合いを繰り広げた。
最多の22番を取って13勝9敗だった霧馬山は「もう少しやりたかった。久々にいい稽古ができている」と満足そうに汗を拭った。
豊昇龍は霧馬山との手合わせを求め、7番の直接対決は3勝4敗だった。
ともにモンゴル出身で、対抗心をむき出しにした攻防となり「全部がいい感じ。良かった」と白い歯をのぞかせた。
大栄翔は「自分の中ではいつもより稽古できている感覚はある」と充実感を漂わせた。


若元春

新関脇の若元春が9日、東京都中央区の荒汐部屋で幕下以下の力士に胸を出し、ゴムチューブを使ったトレーニングでも汗を流した。
「基礎となるところをしっかり見直している。順調に調整できている」と手応えを話した。
小結2場所目だった春場所で11勝。
夏場所では初三賞に意欲を燃やしており「関脇として恥ずかしくない成績を残したい」と意気込んだ。


翠富士

先場所10勝を挙げて優勝争いに加わった西前頭筆頭の翠富士は9日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で西前頭3枚目の錦富士らと11番取った。
新三役昇進を狙う夏場所へ「まずは勝ち越し。そうすれば周りの成績次第で、三役昇進もあり得る」と語った。
体重は幕内最軽量の116キロ。
激しい取り口で活躍した小兵の元関脇鷲羽山に憧れており「押し、投げと何でもできる力士。自分もああなりたい」と話した。


妙義龍

西前頭14枚目の妙義龍が、夏場所に向けて、順調な仕上がりを披露した。
7日、都内の部屋で稽古し、前頭佐田の海、平戸海、十両対馬洋を相手に10番取って、8勝2敗。
序盤から8連勝し、豪快な上手投げや鋭い出足で寄り切るなど、多彩な内容だった。
「初日を万全な状態で迎えるため、ハイペースで稽古をしている。若い衆も活気がある」と場所に向けて充実の表情を見せた。
1横綱6大関時代だった12年ごろを振り返り「白鵬関、日馬富士関、琴欧洲関みんなすごかったよね。1場所で三役以上との対戦だけで10番くらいあったからね」と懐かしんだ。
「またあのしびれる雰囲気を味わうためにもう1度、三役に戻りたい」。
これが妙義龍が稽古に打ち込む原動力だ。


暴力行為

陸奥部屋で力士による暴力行為があったことが9日、分かった。
昨年末から今年1月にかけて幕下以下の力士1人が他の力士1人に暴力を振るい、加害者は4月に引退したという。
同部屋は元大関・霧島が師匠を務め、夏場所で大関昇進に挑む関脇・霧馬山が所属している。




2023/05/09
大相撲ニュース
照ノ富士

両膝手術の影響などで4場所連続休場中の大相撲の横綱・照ノ富士について、師匠・伊勢ケ浜親方が8日、夏場所の出場を明言した。
「出ます。15日間取り切って、横綱ですので出るからには優勝を目指してやってもらわないといけない」と語った。
進退を懸けるかどうかについては言及しなかった。


貴景勝

左膝負傷で先場所を途中休場し、大相撲夏場所は6度目のかど番となる大関貴景勝が8日、東京都板橋区の常盤山部屋で稽古し、相撲は取らず四股などの基礎運動で汗を流した。
前日は関脇大栄翔や幕内遠藤らが所属する追手風部屋に出稽古。
本人は取材に応じなかったが、師匠の常盤山親方は「もちろん出る」と出場を明言した。
患部にテーピングやサポーターを施さなかったものの、すり足は少しぎこちない足の運びで、痛めたのとは反対の右膝を気にするそぶりも見せた。
9日以降は稽古場での取材を控えるよう師匠を通じて報道陣に求め、かど番脱出に向けて緊張感を漂わせた。


霧馬山

初めての大関とりに挑む関脇霧馬山は8日、東京・墨田区の時津風部屋へ出稽古に赴き、出稽古に訪れた関脇大栄翔らとの申し合い(勝った者が何度も取る)で、29番取って20勝9敗と気を吐いた。
大栄翔も21番(10勝11敗)を取り、直接対決は霧馬山の10勝5敗。
激しい突き合い、土俵際の逆転の投げなど緊張感を漂わせ、敗れても「もう一丁」と願い出て全52番の土俵はほぼ2人の独占状態に。
新型コロナウイルスの5類移行に伴い、日本相撲協会は出稽古を初日直前まで緩和。
所属部屋でただ一人の関取となる霧馬山は、それを有効活用し「大栄翔とやりたかった。このまま1日30番くらいは取っていきたい」とこのペースを維持するという。
稽古を視察した大相撲解説者、舞の海秀平氏は「2人は(番付の)上を目指す者の稽古をしている。(霧馬山は)優勝争いの中心になるのでは」と評価した。


若元春

新関脇として臨む若元春が3日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古し、横綱照ノ富士と相撲をとった。
横綱に指名され、連続4番で1勝3敗。
「勉強になった。稽古場で買って(=指名して)いただけることが光栄。しっかり勉強できた」と収穫を口にした。
すべて得意とする左四つに組んだが、最初の一番で寄り切った後は歯が立たず。
がっぷりに組み止めた横綱から「前へ出ろ」、「まわしを切って前へ出ろ」とゲキを飛ばされる場面もあった。
必死の形相で攻めようとしても前に出られずに寄り切られ「重かったっすね。重いし、引きつける力が違う」と脱帽した。
2場所連続小結で勝ち越し、先場所は11勝。
夏場所では大関とりの足固めを狙う。
横綱との対戦が組まれることは確実。
「左四つがっぷりでまわしを許してしまうと、自分の形ではとりきれない。相手十分にさせないように、自分の十分を作っていかないと」と思案を巡らせていた。


正代

大関経験者の小結正代が、夏場所に向けて、心身ともに状態上向きをアピールした。
5日、都内の部屋で稽古し、十両時疾風、幕下吉井を相手に13番取って10勝3敗。
土俵際まで寄られても、左からのすくい投げで逆転したり、豪快に突き倒したりと、力強い内容の相撲を披露した。
先場所は西前頭筆頭で10勝5敗の好成績。
「ケガも治って体が動くようになっている」と、先場所に続き、状態の良さを感じている。
昨年11月の九州場所は、かど番で6勝9敗に終わり、大関から陥落した。
10勝すれば大関に復帰できた1月の初場所も6勝9敗。
「自分らしさがなかった」と振り返る。
大関を務めた2年間を振り返って「勝ちにこだわりすぎていた。前に出るのが怖かった。前に出て、かわされるんじゃないかと思っていた。でも、かわされたとしても、前に出ればよかったと今は思う。ずっと後悔していた」と、しみじみと語った。


佐田の海

コロナ禍で磨きをかけた思考力で夏場所に挑む。
7日、部屋での稽古で平戸海や妙義龍ら関取衆と9番取り、「体の張りは悪くない」と順調な仕上がり。
11勝を挙げて敢闘賞を獲得した昨年の同場所の再現を狙う。
35歳のベテランは、今も強さを追い求めて考えることを怠らない。
きっかけはコロナ禍。
社会が停滞し移動も行動も制限がかかる不自由な環境が、逆に「自分で考えることが身についた」という。
体の使い方を学ぼうと柔術を教わったり、空手のチャンピオンから話を聞いたり。
良いと思えばさまざまなことを取り入れ「コロナというマイナスな期間でも、プラスにも捉えられた」と受け止める。
養った考える力は、今はっきりと武器になっている。
「若いときに聞いても気がつかなかったことが、今はかみくだけることだってあるんですよね。これってどういうことなんだろうと考えるんです。何かヒントはないかといつも考えてます」。
東前頭8枚目として臨む夏場所。
「去年と同じく調子が良く、場所に入りたい」と意気込んだ。


平戸海

西前頭9枚目の平戸海が7日、都内の部屋で夏場所に向けて熱のこもった稽古を行った。
申し合い稽古では21番をこなし12勝9敗。
相撲巧者の兄弟子、佐田の海を一方的に寄り切る場面もあった。
土俵以外の時間では、境川親方の勧めで、第58代横綱千代の富士の動画をチェック。
自身と同じく、左で前まわしを取る相撲を得意とした昭和の大横綱からヒントを得ているという。


逸ノ城『 引退 』

元関脇で西前頭13枚目の逸ノ城が4日、電撃引退した。
この日、日本相撲協会に引退届を提出。
東京・両国国技館で緊急会見を開き、腰痛の深刻化が理由とした。
モンゴルから鳥取城北高に相撲留学し、2014年初場所に幕下15枚目格付け出しで初土俵。
所要4場所で新入幕を果たし、旋風を巻き起こした。
昨年名古屋場所の初優勝が記憶に新しい中、力士生活に別れを告げた。
21年9月に日本国籍を取得したが年寄名跡を取得しておらず、協会には残らない。


朝乃山

再入幕で迎える東前頭14枚目・朝乃山が7日、都内の部屋での稽古後に取材に応じた。
今月1日の番付発表後からは稽古場の木札が十両から幕内に掛け替わり、「あれを見たときは少しは『やっとここまで来たな』というのもありました。けどここで終わりではないです」と実感を込めた。
前日は関脇・大栄翔や元大関の小結・正代らが出稽古に訪れ、約25番。
十両で13勝を挙げた先場所後は、巡業や出稽古で精力的に他の部屋の関取と手合わせしており「いろんな関取衆と相撲を取れている。その中でやっぱり幕内と十両は違うなっていうのを肌で感じましたね」と充実感をにじませた。




2023/03/27
大相撲ニュース
霧馬山

千秋楽、東関脇・霧馬山が3敗からの大逆転で初優勝を飾った。
本割で2敗の小結・大栄翔に勝って優勝決定戦に持ち込んで2連勝。
ともに土俵際での逆転の突き落としで決着をつけ、決定戦では物言いがつく際どい一番を制した。
モンゴル出身力士の優勝は9人目。
新関脇優勝は昨年春場所の若隆景以来、史上4人目となった。
昭和以降初めて横綱、大関が不在となる異常事態の場所で三役力士が締めた。
夏場所では大関取りに挑む。


若元春

千秋楽、若元春は左を巻き替えたところを琴ノ若に攻め込まれたものの、うっちゃって逆転勝ち。
物言いがついた勝負を拾い、「鶴竜親方(元横綱)の巻き替えを意識して練習していたのが土壇場で出た」と稽古の成果を強調した。
小結2場所目。
幕内で自己最多の11勝を挙げたが、「目標の三賞に届かなかった」と志は高い。
荒汐部屋に日頃から出稽古に来ていた霧馬山が賜杯を抱き、「刺激を生かせるように頑張りたい」。


大栄翔

千秋楽、小結・大栄翔は関脇・霧馬山に本割と優勝決定戦で連敗し、2度目の優勝を逃した。
最後まで自らの相撲を貫いた。
それでも2度目の賜杯は目前でするりとこぼれ落ちた。
単独で優勝争いの先頭を走っていた小結・大栄翔は本割、優勝決定戦と関脇・霧馬山に連敗。
「土俵際の甘さが弱いところ」。
ともに相手を追い詰めながら、逆転を許した。
先場所で4場所ぶりに2桁勝利を挙げ、小結に戻って迎えた今場所。
光ったのは圧力のある突き押しだった。
初日から6連勝すると、以降も連敗をしなかった。
最後もその持ち味を出したが、及ばず。
「自分の相撲でやっていたので、それで負けたので仕方ないです」と潔かった。


正代

千秋楽、大関経験者の西前頭筆頭正代が2桁勝利で締めくくった。
今場所を盛り上げてきた幕内最小兵の翠富士と対戦。
もろ差しにきたところをがっちり固め、最後はきめ出した。
2桁10勝は大関時代の昨年名古屋場所以来。
「(2桁は)けっこう遠のいていたので素直にうれしい。全体的に持ち味が出た相撲が多かった。それに成績が伴ってきた」と振り返った。
来場所は三役復帰の可能性も。
「持ち味を出せたら成績もついてくる。来場所はもっと自分の相撲をとれるようにしたい」と自信も回復させた。


翠富士

千秋楽、勝てば三賞受賞となる敢闘賞を獲得できる東前頭5枚目の翠富士だったが、正代に極め出された。
今場所は初日からの10連勝で一時は後続に2差をつけるなど優勝争いを引っ張ったが、その後は5連敗。
「結果的には良かったと思うが、5連敗で勝ち越した気分じゃない」と悔しそうだった。
来場所は再び新三役をうかがう位置へ番付が上がるとみられる。
小柄な体が連敗の原因だと感じているようで「来場所は体をでかくして、いい結果を残したい」とさらなる飛躍を誓った。


金峰山

千秋楽、カザフスタン出身の新入幕・金峰山が11勝を挙げ、敢闘賞を受賞した。
隆の勝を右の喉輪で押し込み、土俵際で左をたぐられたが、右から力任せのすくい投げで快勝。
「自分の相撲を取ろうと思った。三賞はうれしいです」と笑みを浮かべた。
「いつもと違う場所で疲れた」と振り返るものの、破壊力満点の突き押しは将来性十分。
夏場所に向け「とりあえず8番だけ。勝ち越したい」と控えめに話した。


朝乃山

千秋楽(26日、大阪府立体育会館)、元大関の十両朝乃山(29=高砂)が新十両の落合(19=宮城野)を下し、13勝2敗で15日間の戦いを終えた。
令和の怪物≠ニの注目の一番。
落合にもろ差しを許して土俵際まで寄られる場面もあったが、最後は上手投げで土俵に転がし、元看板力士の貫禄を示した。
一方で、十両逸ノ城(湊)が14勝1敗で優勝を果たし、目標に掲げていた連覇はならず。
朝乃山は「逸ノ城関は安定感があった。悔しい思いを来場所にぶつけていきたい」とリベンジを誓った。
夏場所では幕内復帰が確実。
自身2年ぶりとなる幕内の土俵へ向けて「今のままの相撲だと全然ダメ。鍛え直していきたい」と気持ちを引き締めた。




2023/03/26
大相撲ニュース
若隆景

14日目、東関脇・若隆景が休場した。
13日目の琴ノ若戦で右膝を負傷し、「右前十字靱帯(じんたい)損傷、右外側半月板損傷、骨挫傷、右外側側副靱帯損傷で3カ月程度の療養を要する」と診断された。
師匠の荒汐親方は「歩けないくらいの状態。結構(症状が)重い」と説明した。
2022年春場所で優勝した若隆景は13日目までに7勝したが、9場所続いた勝ち越しに届かず、来場所は7場所連続で務めた関脇から陥落することが確実になった。


豊昇龍

14日目、豊昇龍は右に動いて上手を引き、若元春を豪快に転がした。
「集中してやった。何より勝ててよかった」。
10勝目をつかんだ一番を満足そうに振り返った。
三役昇進後、2桁白星は11勝を挙げた昨年11月の九州場所以来2度目。
優勝争いからは脱落したものの、気持ちを切らさない貪欲さが光る。
千秋楽に向けても「残り一番、気を抜かずやる」と意気込みを示した。


霧馬山

14日目、霧馬山は思わぬ不戦勝で3敗を保った。
千秋楽は結びの一番で2敗の大栄翔と直接対決。
本割、優勝決定戦を連勝すれば、逆転での初優勝が実現する。
2人による争いでは直近では17年秋場所で横綱・日馬富士が大関・豪栄道に2連勝している。
浅香山審判部副部長は「本来なら相撲を取って、勝って迎えるのが一番望ましい。休んだことでどうかな」と影響を案じた。


大栄翔

14日目、小結・大栄翔が2度目の賜杯に王手をかけた。
西前頭5枚目・翠富士を突き倒しで圧倒し、2敗と単独トップの座を死守した。
関脇・霧馬山は関脇・若隆景の休場による不戦勝で、3敗をキープ。
千秋楽は大栄翔と霧馬山の直接対決が組まれ、賜杯の行方は2人に絞られた。
大栄翔が勝てば2021年初場所以来の2度目のVが決まる。

同じ轍(てつ)は踏まなかった。
大栄翔は後続1差で3敗の翠富士戦。
立ち合いは相手が左に変わるのが見えた。
「落ち着いて、相手をしっかり見て攻められたのでよかった」。
昨年秋場所で同様の変化に屈した苦い記憶があり、冷静にもろ手で対応。
すかさず二の矢、三の矢を見舞い、逃げ回る小兵を突き倒した。
2度目の優勝に王手をかける12勝目。


正代

14日目、圧力をかけ続けた正代は右を巻き替えて2本差しに。
竜電を力強く寄り切った。
大関だった昨年7月の名古屋場所以来となる勝ち越しに「気持ちもだいぶ落ちていたので、うれしい」と率直な思いを語った。
平幕からの出直しとなった今場所は、馬力が徐々に戻ってきた印象で、3関脇をいずれも倒した。
残り2日へ「自分の持ち味を出して、来場所につながる相撲で終えたい」と力強かった。


翠富士

14日目、翠富士は1差で追っていた首位の大栄翔との直接対決で、一方的に突き倒されて4連敗。
初優勝はなくなったが、「相手が強かった」と潔かった。
171センチ、117キロの幕内最小兵ながら、初日からの10連勝で一時はトップに立った。
「いい経験になった。あと一番勝ったら三役もあるかもしれない。最後、集中して頑張りたい」と千秋楽に目を向けた。


宇良

14日目、宇良が地元の大阪で勝ち越しを決めた。
東龍に潜るようにして当たって前進。
引き技に乗じて押し切り、館内には大きな歓声が響いた。
初日から3連勝した後に3連敗。
一進一退だった中、3場所ぶりに給金を直した。
「うれしい。最後の一番もしっかり頑張りたい」と千秋楽を見据えた。


金峰山

14日目、東前頭14枚目の新入幕・金峰山が東前頭2枚目の阿炎を押し出し、勝ち星を10勝へ乗せた。
立ち合いで阿炎の突きを受けたが後退せず、右からいなすと阿炎の体をあっさり泳がせた。
チャンスを逃さず、そのまま押し出した。
「ちょっと危なかった。ケガせずに8番くらい勝てればと思っていた」
阿炎が土俵を割った瞬間、勝利が信じられないかのように目を見開いて立ち尽くした。
阿炎は昨年九州場所の優勝力士。
しかし10日目には元大関の高安も破っていた。
一昨年九州場所、三段目100枚目格付け出しというカザフスタン初の幕内力士は、底知れない潜在能力を秘めている。


朝乃山

14日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西十両7枚目の島津海(放駒部屋)を上手投げで仕留め、12勝目を手にした。
十両首位の逸ノ城も勝利したため、1差で千秋楽の逆転優勝に望みをつないだ。
朝乃山は「追い掛ける立場。千秋楽の最後の一番、悔いのないよう自分の相撲を取り切って終わりたい」と前を向いた。




2023/03/25
大相撲ニュース
霧馬山

13日目、新関脇の霧馬山が3敗を守り、優勝争いに踏みとどまった。
遠藤をうまくいなして送り出し。
自身が1度つっかけたものの、落ち着いていた。
東小結で11勝を挙げた先場所に続いて2桁白星に到達。
足腰の強さを生かし、大関昇進への道筋をつくった。
八角理事長は「上がりたい気持ちを前面に出すこと」と今後に期待を寄せた。


若元春

13日目、若元春が北勝富士に逆転勝ち。
土俵際まで押し込まれたが、得意の左を差すと反撃に転じて寄り切り、「余裕は全くなかった」と、ほっとしたような表情を浮かべた。
小結2場所目。
三役で初めてとなる2桁白星に「最低限のハードルは10番と思っていた。ここから星を伸ばさないといけない」。
賜杯争いにも絡む中、気合を入れ直した。


大栄翔

13日目、大栄翔がエンジン全開モードに突入した。
明生との立ち合いはもろ手で突くも出足が止まった。
左にいなして立て直すと、土俵際で軽快に動き回る相手に対して攻め急がず。
最後はこん身の突きで突き飛ばした。
「相手を見て攻めようと思っていたので、考え通りの相撲が取れたと思います」。
完勝で11勝目を手にし、賜杯争いでは今場所初めて単独先頭に立った。
14日目は3敗・翠富士戦が組まれた。
12勝目を挙げ、その後に3敗の霧馬山、若元春の2人が敗れれば、千秋楽を待たずに2度目の優勝が決まる。
3敗以内の4人の中では唯一優勝経験があるだけに、八角理事長は「落ち着いてますよね。(V経験?)生きているような気がしますよね。明日が大事ですね」と期待した。


正代

13日目、圧力をかけ続けた正代は右を巻き替えて2本差しに。
竜電を力強く寄り切った。
大関だった昨年7月の名古屋場所以来となる勝ち越しに「気持ちもだいぶ落ちていたので、うれしい」と率直な思いを語った。
平幕からの出直しとなった今場所は、馬力が徐々に戻ってきた印象で、3関脇をいずれも倒した。
残り2日へ、「自分の持ち味を出して、来場所につながる相撲で終えたい」と力強かった。


翠富士

13日目、翠富士は3連敗で首位から後退した。
左上手を引いて右ハズで頭をつけるも豊昇龍に攻め込まれ、足が流れたところを下手投げで転がされた。
勝ち越しを決めた8日目には「10勝3敗になる夢を見た」と話しており「現実になっちゃった」と苦笑い。
10連勝からの失速にも、明るく振る舞って前を向いた。
負ければ初優勝の夢が消滅する大栄翔戦へ「自分で引きずり降ろして最後まで頑張りたい」と再逆転を見据えた。


朝乃山

13日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は同7枚目の天空海(立浪部屋)を押し倒し、11勝目を挙げた。
前日の黒星から気持ちを立て直し「昨日(12日目)みたいな相撲は取りたくない。明日につながる相撲を取っていきたい」と残り2番に全力でぶつかる。




2023/03/24
大相撲ニュース
霧馬山

12日目、関脇霧馬山が9勝目を挙げ、大関とりの足場固めとなる三役で2場所連続2ケタ白星に王手をかけた。
結びの一番で関脇豊昇龍を撃破。
立ち合いからすぐに左前まわしを引き、頭をつける得意の体勢となった。
一気に勝ちきれなかったが、じりじりと寄り上手投げで仕留めた。
取組後はリモート取材に応じなかったが、場所前は「できれば勝ち越して、2ケタまでいきたい。硬くならないように(2ケタ白星を)意識しないようにやりたい」と話していた。
前日11日目に勝ち越し、慌てずじっくりと攻めて勝った。
大栄翔は先場所平幕での2場所連続2ケタ白星だが、霧馬山は先場所が小結で11勝。
初優勝の可能性も残しつつ、正真正銘、来場所が大関とりとなる白星へ、あと1勝までたどり着いた。


若元春

12日目、若元春は遠藤を小手投げで破り、3敗をキープした。
一直線に寄られて、あっという間に土俵際。
若元春は両足を俵の上に乗せながら、遠藤の左腕を両腕で抱えて左後方に投げ捨てた。
捨て身の逆転で3敗を守ったものの、物言いが付く薄氷の白星に取組後は反省しきりだ。
「最後、残れたと思ったけど、全然、前に攻められなかったので」。
左の相四つである遠藤には、過去3勝1敗と対戦成績でリードしていた。
この日は左から押っ付けて、相手が嫌がったところを差す作戦だったというが、許してもらえず後手に回った。
とはいえ、終盤戦になれば、このような紙一重の勝負をものにできるかどうかは大きい。
2番後で弟の若隆景が、優勝争いのトップを走っていた翠富士を2敗に引きずり下ろす援護射撃≠ノ成功。
初めて賜杯を抱ける可能性が出てきた。


琴ノ若

12日目、小結の琴ノ若が明生を寄り切り、3敗を守った。
昨年の春場所以来の2桁勝利に王手。
トップとは1差に迫ったが「目の前の一番に集中して、出し切っているだけ。しっかりと良い相撲をして食らいついていければ。一日一番、出し切れれば結果はついてくると思う。しっかり我慢してやっていければ」と表情を変えずに話した。


大栄翔

12日目、小結・大栄翔が2敗を死守し、優勝争いでトップに並んだ。
東前頭7枚目・北勝富士を一気に突き出した。
「しっかり立ち合いから持って行けました。いい相撲だと思います」と納得顔だった。
これで西前頭筆頭だった先場所に続き、白星を2ケタに乗せた。
「うれしいです」と、うなずいた。
13日目以降に向けては「残り3日間なので、全力で集中して一番ずつやりたいですね」と一戦必勝を期した。
八角理事長は「落ち着いていた。立ち合いはよくなかったけど、その後の攻めは落ち着いていた。慌てなかったですしね。実力がついてきたような感じがしますね」と評価した。
3敗までの5人のうち、優勝経験があるのは大栄翔だけだ。
幕内後半戦の粂川審判長は「横一線だけれども、少し抜けてるのは大栄翔。やはり経験がありますから」と予想していた。


翠富士

12日目、前頭5枚目の翠富士が連敗を喫し、2敗で大栄翔に並ばれた。
若隆景に突き放された瞬間に右を差されて防戦一方となり、最後は出し投げにばったり。
「両方差していきたかったが逆に差された。攻められている時点で良くない」と残念そうだった。
優勝争いの先頭を走り、周囲からは硬くなっていると思われている様子。
「みんなから『硬くなり過ぎ』と言われる。普通に吹っ切れているつもりですが…」と首をひねった。


朝乃山

12日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は幕内の土俵で西前頭15枚目の王鵬(大嶽部屋)に寄り切られ、痛恨の2敗目を喫した。
十両優勝を争う逸ノ城は11勝目を挙げたため、2番手に後退。
朝乃山は「あと3日しかない。悔いのないよう目の前の一番に集中し、自分の相撲を取り切って終わりたい」と切り替えに努めた。




2023/03/23
大相撲ニュース
豊昇龍

11日目、関脇・豊昇龍が前頭六枚目・遠藤を豪快な上手投げで下し、今場所勝ち越しとなる8勝目を挙げた。
相手を振り回すような投げに、ファンからも「こえー!」「なんて技や」と驚きの声が相次いだ。
立ち合い素早く突いていった豊昇龍。
立ち遅れた遠藤は左に避けるも、豊昇龍はすぐに右上手を引き、ペースを掴んで力強い攻めを展開。
そのまま豊昇龍が遠藤を振り回すように豪快な上手投げを決め、8勝目となる白星を挙げた。裏返しに転がされた遠藤は3敗目を喫した。
豊昇龍の豪快な上手投げに、ABEMAで解説を務めた元前頭・若ノ城は思わず「上手いなあ!」と一言。
同じく実況を務めた舩山陽司アナウンサーも「豊昇龍の投げの強さはもちろんありますが、遠藤があそこまで裏返しになるとは、なかなか見る光景ではありません」と驚き交じりにコメントしていた。


霧馬山

11日目、新関脇の霧馬山が7場所連続となる勝ち越しを決めた。
どっしりと構えて明生の強烈な当たりを止めると、タイミング良くはたき込んだ。
今場所はまだ連敗がなく、優勝争いに踏みとどまった。
初黒星を喫した平幕の翠富士とは2差。
土俵下の浅香山審判長(元大関魁皇)は「まだ読めない。力の差があるわけじゃない」と言い、終盤でのさらなる奮起に期待した


若元春

11日目、無傷で快走していた翠富士を止めたのは、小結・若元春の切れ味抜群の「左」だった。
左四つの型に自信を持つ。
激しく当たりあった立ち合いで、狙い通りに左が入った。
回しを取れれば理想だが、好調の相手も得意の肩すかしで形勢逆転を図る。
すかさず足を出して圧力をかけた。
俵の外で尻餅をついた翠富士は「ついてこられた。逃げの技になってしまった」と脱帽した。


大栄翔

11日目、小結・大栄翔が2敗を死守した。
元大関で西前頭7枚目・高安に劣勢となる場面もあったが、押し出して9勝目を挙げた。
単独トップの西前頭5枚目・翠富士に土がつき、優勝争いでも1差と迫った。
大栄翔らしくない相撲だった。
高安にいなされて土俵際まで追い込まれたが、逆に左からいなして息を吹き返した。
立ち合いからの一気の押しが大栄翔の勝ちパターン。
優勝を意識し始めたことは間違いない。
2021年の初場所で平幕優勝。
経験は本場所で生きることもあるが、「もう一度、優勝の美酒を味わいたい」という誘惑になることもある。
大栄翔もどこかで“甘い蜜”を求めてしまっているのかもしれない。
それでも苦しみながら拾った白星。
押し相撲は1個の黒星で大きく崩れる傾向がある。
2敗をキープしたことは今後の希望だ。


翠富士

11日目、全勝だった翠富士に土がついた。
立ち合いで若元春に組み止められ、得意の肩透かしも不発。
そのまま後退し、押し倒された。
完敗に「右の前みつを狙ったが、相手の左が強過ぎてやられた。肩透かしも逃げ気味でついてこられた」と残念そう。
ただ、後続との差は詰まったものの単独トップは変わらず「できれば全部勝ちたかったが、また明日から頑張りたい」と前向きな姿勢は変わらなかった。


朝乃山

11日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は同6枚目の豪ノ山(武隈部屋)を上手投げで下し、10勝目を挙げた。
1敗で逸ノ城と並んで首位を守り、残り4番へ「星勘定は気にしないで、自分の相撲を取っていきたい」と語った。
十両優勝争いを演じる豪ノ山との一番。
朝乃山の出足はさえない。
踏み込みが鈍く、勢いのある豪ノ山の出足に下がる。
なんとか右をねじ込み、左上手も取って懸命に寄りを残す。
土俵際でこらえて体を開き、逆転の左上手投げを決めた。




2023/03/22
大相撲ニュース
豊昇龍

序盤戦で影の薄かった関脇が徐々に存在感を示し始めている。
10日目、豊昇龍が大栄翔に完勝して2敗に引きずり下ろし、自らの勝ち越しにも王手をかけた。
馬力自慢の大栄翔に何もさせなかった。
立ち合い、左で張って出足を止めて自分のペースに。
はたこうとする相手に、すかさず2本差して勝負あり。
攻撃の手を緩めずに寄り切った。
「よかったと思う」。短い言葉に自信がにじむ。


琴ノ若

10日目、小結・琴ノ若が4場所連続で勝ち越しを決め、優勝争いに踏みとどまった。
東前頭2枚目・阿炎の突きを下からあてがい、しのいだ。
最後は押し倒して4連勝。
「もろ手を、頭に入れてメリハリをつけた。落ち着いて取れた」。
相手を分析した成果が出た。
単独トップの翠富士とは2差。
初優勝をかけた終盤戦にむけては「目の前の一番に集中したい」と闘志。
八角理事長も「力を付けた。余裕を持っている」と成長に目を細める。
昭和以降で初めて横綱と大関が不在の異常事態。
三役として場所を盛り上げるため「良い相撲取ればお客さんに喜んでもらえる。持ち味を出せたらいい」。
責任感も口にした。


大栄翔

10日目、大栄翔は手痛い2敗目を喫した。
豊昇龍に立ち合いで張られたが、ひるむことなく前進。
しかし、突き落とそうとしたところを逆に中に入られ、寄り切られた。
「手が抜けてしまった。しっかり相手を見ないと…」と無念の表情。
全勝の翠富士とは2差となったが「さらに集中して一日を過ごしていきたい」と、残り5日間での逆転を誓った。


翠富士

10日目、西前頭5枚目・翠富士が、11年ぶりの珍手で無傷10連勝を飾った。
いよいよ幕内最小兵171センチの翠富士が独走態勢に入った。
翔猿との今場所初の役力士戦。立ち合いは右の張り差し、左上手。途中で右を抜いて呼び込む形となったが、最後は右ハズで吹っ飛ばした。
決まり手は2012年九州場所で稀勢の里が決めて以来、幕内約11年ぶりの割り出し。
珍手で小結を破った業師は「何年ぶりと聞くと、やっぱりうれしい。勝手に反応してなったと思います」と笑顔を見せ、無傷10連勝には「今後できるか分からないので、このままの流れで勝てたら」と正直に喜んだ。
10日目終了時点で平幕の単独2差は過去2例あるが、いずれも初めての賜杯を手にしている。
割り出したデータ上の初V率は、100%だ。
まさに押せ押せの雰囲気だが、師匠・伊勢ケ浜親方には尻をたたかれているといい、「笑いながら『お前、勘違いするなよ』と言っていただきました」と告白。
「勘違いはしてないです」とニヤリと笑った。


遠藤

10日目、このコラムで遠藤を取り上げるのは久しぶりだ。
理由は明白。最近の角界のトレンドでもある“群雄割拠”の中に遠藤の名前が入ってないからだ。
しかし、今場所は元気。正代との一番でも立ち合いは頭で当たって低く踏み込んだ。
突き離した後に正代に左を差し込まれたが、立ち合いの踏み込みが良かったから、余裕を持って土俵際でのすくい投げを決めた。
若手の台頭で“昔の名前で出ています”的な力士になっているが、今場所は琴勝峰、阿武咲、平戸海らに勝って若手の壁になっている。
今後、大関を目指せとは言えないが、立派な優勝候補と言い切ることはできる。
若い時から寡黙にコツコツと稽古を積み重ねてきた。
膝を痛めてもテーピングを巻かずに、きれいで立派な土俵を務めた。
私の好きな力士。おもしろい存在だ。


金峰山

10日目、新入幕の金峰山が元大関の高安を撃破した。
臆せずに突っ張り、相手の引き技にも足腰は崩れない。
最後は押し出し、「勝っても負けても自分の相撲を取ろうと思った」と胸を張った。
カザフスタン出身で初の幕内力士。
勝ち越しにも王手をかけ、「けがをしないように頑張りたい」と短い言葉で意気込みを示した。


朝乃山

10日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西十両5枚目の炎鵬(金沢市出身、金沢学院大OB、宮城野部屋)を寄り倒し、「北陸対決」を制した。
9場所ぶりの幕内返り咲きを確実にしている朝乃山は小兵の炎鵬を退け、9勝目を挙げた。
懐に入られる苦しい展開から逆襲に転じ、落ち着いて勝負を決めた。
十両では新十両の落合が敗れ、1敗は幕内優勝経験者の朝乃山と逸ノ城の2人となった。
2敗の落合と東十両6枚目の豪ノ山(武隈部屋)の2人が追う展開で、朝乃山は「星勘定は気にせず、残りも集中して、楽しんで相撲を取りたい」と前を向いた。




2023/03/21
大相撲ニュース
若元春

9日目、小結・若元春が阿炎を下して6勝目を挙げた。
もろ手突きの相手に対して立ち合いで左を差して体を密着させ、左ハズで押し込んでから胸を合わせて寄り切り。
「しっかり圧力がかかっていた。左を差して落ち着いて攻めれた」と納得の表情で振り返った。


琴ノ若

9日目、琴ノ若は明らかに強くなっている。
正代との2敗対決。
左肩ではじき合って正代の出足を右でおっつけながら残し、差し手を振りほどいた後は突っ張って一気に寄り倒した。
流れのある力強い相撲だった。
幕内に上がった頃は器用な相撲が目立っていた。
押せなかったときは下がっていなしたり、土俵際の逆転技も得意。
上位に定着してからは前に圧力がかかるようになった。
大きな体での圧力が最大の武器でもある。
2敗は当然、優勝圏内である。
群雄割拠の戦国模様を勝ち抜けないと大関も見えてこない。
琴ノ若には「次の大関はオレだ」という気持ちで土俵に上がってほしい。
私は現状、琴ノ若が最も大関に近いと思っている。
決して忖度(そんたく)ではない。
立ち合いの当たりなど課題はあるが、それだけの実力はつけている。


大栄翔

9日目、小結・大栄翔が快勝劇で勝ち越しを決め、1敗を守った。
東前頭筆頭・玉鷲を相手に猛然と突いて出ると、一気に突き倒した。
「今日は本当に前に圧力を伝えられて良かった」と納得顔で振り返った。
1差でトップの翠富士をピタリ追走。
昭和以降で初めて横綱、大関が不在となる事態の中で、三役が意地を見せている。
「本当に、ファンの皆様のために気合を入れてやりたい」と闘志を燃やした。
八角理事長は「背中を丸めて押し方がいい。土俵際も落ち着いている。前回の優勝よりは落ち着いている。経験があるからでしょう。1回の経験は全然、違う。賜杯の経験は大きいと思いますよ」と話していた。


翠富士

9日目、西前頭5枚目・翠富士が、人気業師・宇良を押し倒しで下し、無傷9連勝を飾った。
動きの速さが光った会心の相撲に、「(勝った瞬間の心境?)『よかったな』という感じですね、『あぶねえ〜』みたいな。
体は動いているから(相手に)引かれても対応できているのかなと思います」とうなずいた。
星を伸ばし、優勝争いの単独先頭を堅守した。身長171センチ、体重117キロの幕内最小兵力士。
初優勝がチラつく毎日で、のしかかる重圧は大きい。
常に正直な26歳は「一睡もできなかった。11時ぐらいには部屋を暗くしたんですけど、本当に寝られなくて、オールでそのまま(今朝の)稽古に行った。これストレスかな〜って」と、不眠を明かした。
静岡出身初のV力士誕生へ、期待は高まるばかり。
10日目は小結・翔猿戦戦が組まれた。
絶好調の業師は「(今日は)しっかり寝たいですね。(残り6日間も)自分を信じてやるだけかなと思います」と、力を込めた。


阿武咲

東前頭4枚目、阿武咲が9日目、日本相撲協会に「両側内側半月板損傷などで約2カ月間の加療が必要となる見込み」との診断書を提出して休場した。
師匠の阿武松親方によると、両膝を痛め、右膝の状態が特に悪いという。
「本人は再出場したいと言っている。様子を見て自分が判断する」と述べた。
7日目の関脇若隆景戦に敗れた際に膝を痛めたそぶりを見せ、8日目まで4勝4敗だった。
休場は昨年夏場所以来で5度目。
9日目の対戦相手、北勝富士は不戦勝。
今場所の十両以上の休場者は横綱照ノ富士、大関貴景勝に続いて3人目となった。


遠藤

9日目、人気力士の遠藤が2敗を守り、優勝争いに踏みとどまった。
古傷を抱える両膝などサポーターが見られず、今場所はコンディションの良さがうかがえる。
前さばきの応酬から右を差し、左おっつけで攻める。
引いた平戸海を寄り切った。
リモート取材に応じなかったが、充実した表情だ。
32歳のベテランは一昨年夏場所で千秋楽まで賜杯レースを演じるなど土俵経験は豊富。
このまま星を伸ばせば、不気味な存在となるかもしれない。


高安

9日目、高安が碧山を押し出して連敗を2で止め、優勝争いに踏みとどまった。
「自分の形になって前に出られたので、明日につながると思う」。
連敗を振り返り、「気持ちの問題なんで引き締め直した」と言う。
全勝のトップとは2差だが、勝負はここから。
まずは王手をかけた「勝ち越しを目指して頑張ります」と言った。


朝乃山

9日目、大関経験者で東十両筆頭の朝乃山(29=高砂)が、夏場所(5月14日初日、東京・両国国技館)での再入幕を確実にした。
狼雅を破り、5連勝で8勝1敗。
逸ノ城らと並び、十両優勝争いの先頭で勝ち越しを決めた。
全28人いる十両で最上位の番付で、勝ち越せば原則的に番付が上昇する。
正式には5月1日の来場所の新番付発表を待って決定するが、再入幕をほぼ手中にした。
新型コロナウイルス対策のガイドライン違反で、6場所の出場停止処分が出て2年。
大関から三段目まで番付を落としたが、ついに幕内に戻ってくる。




2023/03/20
大相撲ニュース
大栄翔

8日目、小結大栄翔が1敗を守り、全勝の翠富士との1差をキープした。
同じ押し相撲の阿炎を押し出し。
前日7日目に小結若元春に、逆転で今場所初黒星を喫した反省を生かして攻めきった。
その7日目から埼玉栄高の後輩で、仲の良い大関貴景勝が休場。
再出場はしない見通しで、綱とり場所から一転、来場所はかど番となる貴景勝に、エールを送る2度目の優勝を目指す。
全勝と1敗は各1人で、2敗で琴ノ若、正代、高安らが追う。
大栄翔は、止まらなかった。
長い両手から繰り出される阿炎の突っ張りに、何度も上体を起こされた。
それでも右をおっつけると勢いは加速。
休まず攻めて押し出した。
「落ち着いて、しっかり、相手をよく見て相撲を取れた。立ち合いで当たり負けないこと。先に攻めることが、突き、押し同士だと大事。さらに乗っていける」と胸を張った。


正代

8日目、横綱、大関が不在の中、平幕で奮闘する大関経験者の正代が小結若元春を圧倒。
豪快に寄り倒して2敗対決に勝ち、後半戦に向けて勢いを加速させた。
昭和以降で初となる異常事態に、元大関が日に日に存在感を増している。
初場所で大関復帰の特例を生かせず、3年ぶりに平幕まで降下した正代が、持ち前の馬力を発揮した。
左を差して前に出ると若元春が浮き上がる。
13場所の大関在位中でも1場所しかなかった2敗の8日目折り返し。
「先場所に関しては思うような相撲が取れなかった。自分らしさというのが出てくると、気持ちの面でもいい方向に向いていきますね」と充実の表情で取材に応じた。


翠富士

8日目、西前頭5枚目・翠富士が自身初のストレート給金を決め、単独トップの座を堅持した。
東同9枚目・碧山を寄り切り。
横綱、大関が昭和以降初めて不在となる異常事態の中、幕内で一番の小兵が大きな存在感を放っている。
もう“令和の鷲羽山”と呼ぶべきか。
171センチ、117キロの翠富士が大きな碧山のかち上げにひるむことなく前に出た。
強烈な突っ張りを下からはね上げ、左上手を取って右からの突き落とし。
碧山の体を泳がせると両まわしを取って拝むように前に出た。
小兵の参考書のような相撲だった。
今場所は体が動いて次から次へと技が出ている。
前に出て引いて横に動いて前に出る。
昨年の名古屋場所で10勝を挙げてから幕内上位に定着。
原動力は前に出る力が強くなったことだ。
174センチ、110キロの元関脇・鷲羽山さんの武器も前への鋭い出足だった。
小兵の前への圧力ほど厄介なものはない。
前に出るスピードが上がれば、翠富士に“令和の鷲羽山”のお墨付きをあげることはできる。
おもしろい後半戦だ。
翠富士には三役との対戦が待っている。
どの力士もチャンスだと思っているはずだ。
優勝を占ってほしいと言われても、分からないと答えるしかない。


宇良

8日目、西前頭8枚目の宇良が隆の勝を寄り切り、5勝目を挙げた。
隆の勝の突きを素早くかわし左上手を取ると、右ハズをあてがいながら体を寄せて土俵を割らせた。
過去3連敗中の相手にも動じなかった。
「たまたまです。力を出し切れて良かったです」と声を弾ませた。
連日の激しい取組に疲れはたまるが、会場に来るまでの他愛のない会話が息抜きになっているという。
「場所に来るまでのドライブが一番楽しいです。行きより、帰りの方が楽しいです」
話題になるのはおいしかったおはぎの話や格闘技の話など事欠かない。
白星先行で折り返して後半戦へ。
ドライブ中の会話も盛り上がりそうだ。


北青鵬

中日、新入幕で関取最長身204センチの北青鵬が珍しい決まり手「はりま投げ」で琴恵光を破って連敗を3で止め、5勝目を挙げた。
相手の下からの攻めに土俵際まで追い込まれたが、28センチの身長差を生かして肩越しに両手でまわしをつかみ、振り回すように投げ捨てた。
北青鵬はリモート取材に対応しなかったが、琴恵光は「最後に持ち味を出されてしまった」と悔やんだ。


朝乃山

8日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西十両4枚目の欧勝馬(鳴戸部屋)をはたき込み、7勝目を挙げた。
初顔の新鋭を速攻相撲で仕留め、幕内復帰が確実となる勝ち越しに王手をかけた。
中日を終え十両の1敗は4人となり、後半戦に向け「自分から圧力をかけ前に出る相撲を取っていきたい」と語った。
盛況の大阪の土俵に、右目付近の傷が痛々しい朝乃山が登場すると、大きな拍手と声援が送られた。
朝乃山は落ち着いた表情で両手をつくと、冷静な取り口で勝負を決めた。
優勝争いのトップで前半戦を折り返し、再入幕も目前に迫ってきた。
4日目の初黒星から完全に立て直し「今日のような相撲がいい。自分の相撲を取っていきたい」と気合を入れ直した。




2023/03/19
大相撲ニュース
貴景勝

貴景勝が春場所7日目、日本相撲協会に「左膝内側半月板損傷」との診断書を提出して休場した。
横綱・照ノ富士は初日から休場しており、横綱と大関の不在は昭和以降、初めて。
師匠の常盤山親方によると、再出場しない意向で、夏場所は6度目のカド番が濃厚。
3日目の正代戦で左膝を痛め、6日目の御嶽海戦は「貴景勝にしては長い(時間の)相撲で負担がかかった」ことで悪化し、病院で診察後の17日夜、本人から休場の申し出があった。
手術はせず治療する。


豊昇龍

関脇豊昇龍が竜電を下して白星先行。
注文相撲で勝った6日目とは違い、鋭い踏み込みから鮮やかな肩透かしで仕留めた。
「いいんじゃないか」納得の表情で短く振り返った。
一人横綱の照ノ富士、綱とりを目指していた貴景勝が休場して看板力士は不在に。
土俵を一層盛り上げる奮起が期待される3関脇に対し、八角理事長は「突き抜ける人が出てほしい」と願う。
昨年春場所の新三役昇進以降、しぶとく勝ち越してきた豊昇龍も、一気に殻を破りたいところだ。


若元春

若元春は反撃への好機を逃さなかった。
大栄翔の力強い当たりに後退したが、相手の腕が伸びたところを素早く右へ動いて突き落とし。
「タイミングがばちっと合った」と胸をなで下ろした。
もっとも、6連勝中だった相手に先手を奪われた内容に納得はしていない。
貴景勝の休場で横綱、大関が不在となり、三役陣への期待が高まる中、「自分の相撲を取り切る」と気合を入れ直した。


正代

正代は内容の伴う白星で5勝目。
阿炎のもろ手突きに耐えて左を差すと一気に前進。
「落ち着いて取れたのがよかった。体が反応してくれている」と納得顔だった。
今場所は持ち味の力強い相撲が戻ってきており、「いい流れが来ている。続けていけたらいい」。
平幕からの巻き返しを期す元大関が意地を見せている。


翠富士

7日目、綱とりを目指していた大関貴景勝が休場。
昭和以降で初めて横綱、大関が不在となった土俵で、西前頭5枚目の翠富士が高安との6戦全勝同士の一番を制し、単独トップに立った。
幕内で一番小さな翠富士が、でっかい夢に向かっている。
171センチ、117キロは幕内で最も小さく最軽量。
立ち合いで高安のかち上げに、頭がガクンと揺れた。
それでもひるまない。下から押し上げながら、突き落とし。
全勝対決を制し単独トップに立った。
「肩透かしを狙ったっすけど。結果オーライです。勝てたんで、とりあえずいいのかなあ。いつバーッと負け出すか分かんないんで」。
挑戦者らしく、気負いはない。
八角理事長は、「楽しみですね。小さい力士は夢を与える。小さくても勝てるんだとか、小さい人の目標になれる。気持ちさえあれば、小さくてもお相撲さんになれると」。


朝乃山

7日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西十両3枚目の湘南乃海との一番で苦しい体勢からの逆転に成功し、6勝目を手にした。
投げの打ち合いで顔面から土俵に落ちる気迫を示し、右目の上下に痛々しい擦り傷をつくりながらも「絶対に負けたくない気持ちだった」と勝利への執念を見せつけた。




2023/03/18
大相撲ニュース
1点枠力士不在の対応

7日目、本日より貴景勝が休場となり、1点枠力士の補充力士が不在となりました。

この場合、1点枠は『無得点』となります。

よって、本日より千秋楽まで、1点枠は無得点で集計されます。

ご了承頂きます様宜しくお願いいたします。




2023/03/18
大相撲ニュース
貴景勝

大関・貴景勝が7日目から休場すると発表した。
綱獲りに挑む今場所、3日目の正代戦で左膝を負傷。
6日目に御嶽海に敗れて3敗目を喫し、場所後の横綱昇進が絶望的な状況となっていた。
貴景勝の休場は9度目。
この日対戦予定の錦木は不戦勝となる。


大栄翔

6日目、小結・大栄翔が、逆転で三役以上唯一の無敗を守った。
小結・琴ノ若に右差しを許して後退。
土俵際まで追い込まれたが、逆転の突き落としで白星を手にした。
内容は今ひとつだっただけに「今日は立ち合いが全然だめですね。立ち遅れて集中力がなかった。もっと集中しないとだめです」と反省ばかりが口をついた。
勝ち星を拾う形となったが、初優勝した2021年初場所でストレート給金を決めて以来となる無傷6連勝。
「連勝できていると、すべてが良くなるので、すべてをプラスに考えて一日一番という気持ちでやりたいですね」とポジティブにも捉えた。
八角理事長は「立ち合いが大失敗だね」と指摘する一方で、「その後、もがいたのが良かった。元気な人は何とかしようとするからできる。気力の問題ですから。勝っているから気力も充実しているでしょう」と“全勝効果”が白星を呼び込んだと分析した。
幕内後半戦の粂川審判長は「こういう相撲を勝つのは運もあるということ」と評していた。


翠富士

6日目、幕内最軽量117キロ、西前頭5枚目の翠富士が「ポケモンパワー」で主役候補に浮上してきた。
遠藤を得意の肩透かしで6連勝。
初日からの自己最多連勝をさらに更新した。
取組後は外出を自粛し、ゲームで気分転換しているという伏兵は、7日目に高安との「全勝対決」が組まれた。
今場所初披露の得意技で相撲巧者を沈めた。
遠藤と対戦した翠富士は「立ち合い差し勝ったんで圧力をかけていけた」。
右差し左ハズで押し込み、最後の仕上げが肩すかしだった。
「(肩透かしが)決まると『あっ出たっ』って自分でも思いますね」。
思わず表情も緩む快勝で6連勝とした。


高安

6日目、元大関で西前頭7枚目の高安が初日から6連勝を飾った。
東同8枚目の一山本相手に立ち合いから前に出た。
いなされてバランスを崩しかけたが、こらえると逆襲。
右四つで食い止め、最後は下手投げで豪快に転がした。
「ちゃんと作戦を立てて、土俵の上でそれができている」と納得の表情だった。
好調だが「目の前の一番に気持ちを高めて、ベストを尽くしたいと思います」と冷静に話した。
昨年春場所と先場所、ダブルでの雪辱に燃える高安は、7日目に翠富士との全勝対決。
「いつもどおり、相手を倒すことだけを考えたい」と平常心を強調した。


朝乃山

6日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は万全の相撲で同4枚目の千代丸(九重部屋)を突き出し、元大関の地力の差を見せつけて5勝目を挙げた。
過去1勝4敗と相性の良くない相手にも完勝し「体は動いている。目の前の一番に集中し、相手をよく見て自分の相撲を取りきりたい」と集中力を高めた。




2023/03/17
大相撲ニュース
貴景勝

5日目、綱取りに挑む大関・貴景勝は西前頭2枚目・竜電を押し出し、連敗を免れた。
綱取り序盤で2敗している貴景勝は、竜電を電車道の押し出しで退け、3勝目を挙げた。
立ち合いは頭でかまし、左ハズで土俵際まで押し込むと、もろ手突きで吹っ飛ばした。
リモート取材にはこの日も応じなかったが、浅香山審判長は「しっかり当たって前に攻めていた。見ていても元に戻ったな、引きずってないという感じがした」と、連敗しなかったことを評価した。
2敗目を喫した4日目と同様、心配される左膝をテーピングで固めたが、不安を払拭するかのような完勝。
依然として綱取りには厳しい状況だが、八角理事長は「これしかないという気持ちでしょう。大変だけど頑張るしかない」と思いやった。


大栄翔

5日目、小結大栄翔が元気だ。
好調な正代を一方的に押し出して5連勝。
立ち合いで当たり勝って、一気に前へ出た。
三役でただ一人全勝をキープしても「前へ出られたが、土俵際を厳しくしないといけない」と、相手に左を浅く差されたことを反省した。
初優勝を飾った令和3年初場所の初日から8連勝した勢いに迫り、「勝ち星が並んで余裕を持って取れている」と気分も乗ってきた。


翠富士・錦富士

5日目、伊勢ケ浜部屋の同期生コンビが好調だ。
西前頭5枚目・翠富士と同10枚目・錦富士がともに無傷5連勝。
翠富士は同6枚目・佐田の海を寄り切り、錦富士は同9枚目・平戸海を上手投げと力強い内容で破った。
部屋頭の横綱・照ノ富士が休場する中、弟弟子たちが大阪の土俵を盛り上げていく。

親友であり、ライバルでもある2人の勢いが止まらない。
まず土俵に立ったのは錦富士。
平戸海のもろ手をものともせず、得意の左四つ、右上手をがっちりつかんだ。
前に圧力をかけ続け、最後は豪快な上手投げで転がした。
初の無傷5連勝。「うれしいけど、今日の一日を勝てたという感じ」と冷静だった。

翠富士も続いた。
佐田の海に右差しを許したが、左上手を引きつけた。
幕内で最も低い身長171センチの小兵だが、真っ向勝負。
一気に寄り切り「差し負けたが、すぐ右をおっつけて前に出られた」と納得顔だった。


高安

5日目、休場明けの高安が無傷の5連勝。
大関経験のある実力者が好調な滑り出しを見せた。
ご当地力士で会場の大声援を受ける宇良を相手に激しく突っ張り、背中を突いて土俵に転がした。
途中で右足を狙われるなど「業師」のしぶとい攻めを受けたが「冷静に、よく見て対応できた」と振り返った。
初日からの5連勝は昨年春場所以来。
その場所は10日目まで無敗を守りながら終盤に3敗し、優勝決定戦で若隆景に敗れて涙をのんだ。
賜杯にあと一歩届かなかった場所が幾度となくある高安にとって、初優勝は「悲願」だ。


朝乃山

5日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は西十両2枚目の栃ノ心(春日野部屋)を電車道で撃破し、4勝目を挙げた。
前日の初黒星を引きずらず、十両では昭和以降初となる元大関同士の対戦を制し、1敗を堅守。
朝乃山は「悔しかったけど、落ち込んでる暇はない。寝て起きればまた取組がくる」と土俵に臨む心境を明かした。




2023/03/17
大相撲ニュース
成績照会開始とお詫び

当社ホームページの稼働が確認出来ました。

成績照会の更新も完了しておりますので、どうぞご利用ください。
商品購入版 成績照会
集計版 成績照会

本日は、サーバー障害により大変ご迷惑をお掛けいたしまして誠に申し訳ございませんでした。

今後とも、よろしくお願い申し上げます。




2023/03/16
大相撲ニュース
貴景勝

4日目、綱取りに挑む貴景勝は、過去3勝5敗の難敵・阿炎に押し出され、痛い2敗目を喫した。
立ち合いの圧力をもろ手突きで止められると、相手速攻のはたきに体勢を崩した。
必死にこらえるも、踏ん張りきれずに、むなしく土俵を割った。
序盤で早くも2つ目の黒星。
リモート取材にはこの日も応じることはなかった。
前日の正代戦後には左膝を気にするしぐさを見せており、患部にテーピングを施して土俵に上がった。
結びの一番を土俵下で見守った佐渡ケ嶽審判部長は「ケガだけが心配です。少しかばっている感じ。阿炎のいなしについていけていなかった。本来の足腰だったら残せていますから」と指摘。
それでも、「責任を持って、テーピングをしてまで出ようという気持ちがありました。無理はしてほしくないですね」と思いやった。


大栄翔

4日目、大栄翔が積極的な相撲で御嶽海を倒した。
「立ち合いから終始、攻められたので良かった。稽古でできていることが場所でもできている」
初日から4連勝は、優勝した2021年初場所以来だが「連勝しているのは良いこと。自分の相撲が取れている時は勝ちにつながっている」とうなずいた。


霧馬山

白星にも、霧馬山は反省を忘れなかった。
圧力があった若元春をとっさにいなして送り出し。
「最後は勝ったのでよかった。相撲的には良くなかった」
大関昇進の足固めを狙う場所。
2桁白星が求められる中、3勝目を挙げた。
星勘定をしたくなる日々が続くが、「一日一番なので、自分のできることに集中するのが一番大事」。
地に足が着いている。


正代

正代の迫力が勝った。
若隆景を相手に左を差すと、抱えるように前進。
最後は胸を押して決着をつけた。
「勢いがあるうちに出たのが良かった」と納得の一番だった。
平幕から巻き返しを期す中、3関脇を全て破った元大関。
好調ぶりを実感しているようで、「よく体が動き、自分らしさを出せている」と口も滑らかだった。


阿炎

4日目、土俵際で貴景勝をはたきこんだ阿炎は「当たってから動くと決めていた。イメージ通りの相撲が取れたと思う」と落ち着いた表情だった。
幕内での対戦成績は7勝3敗ながら「(貴景勝の)前へ出る力は違う。今の自分では太刀打ちできないので速さで勝とうと思った」という。
昨年秋場所以来の三役復帰を目指す場所で2日目から3連勝と調子を上げてきた。


高安

高安が琴勝峰を突き出し、4連勝とした。
先月28日に33歳となった元大関高安が元気だ。
先場所は千秋楽まで貴景勝と優勝を争った琴勝峰を鬼の形相で突き切り、連勝を4に伸ばした。
「よく見て最後まで前に出ることができた。良い緊張感で落ち着いて相撲が取れている」
足腰の良さが光る。
琴勝峰のいなしに2度体勢を崩されかけたが、そこで踏ん張り、逆襲。先場所は右膝付近を痛め、途中休場しているが、「できることにしっかり取り組んできましたから」と手応えをにじませた。


北青鵬

4日目、新入幕の北青鵬が水戸龍を寄り切り、初日から4連勝を飾った。
関取最長身204センチの北青鵬が無傷の4連勝。
力強い取り口で序盤戦を沸かせる21歳の新入幕力士に、歴代の横綱たちも熱い視線を注いでいる。
水戸龍を相手に立ち合いから得意の左上手を取った。
押し込まれても慌てず、上手をぐっと引いて一気に寄り切った。
4勝の決まり手はいずれも上手を取っての寄り切りだ。
武将山に右上手の体勢から快勝した2日目は「自分的にも反省点がない」と胸を張った。


朝乃山

4日目、東十両筆頭の朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)は同3枚目の逸ノ城(湊部屋)との幕内優勝経験者対決に敗れ、初黒星を喫した。
過去、勝ったことがない苦手な相手にまたも敗れ「立ち合いは悪くなかったが、まわしを取れないまま前に出てしまった。悪い癖が出た」と悔しさをにじませた。




2023/03/15
大相撲ニュース
貴景勝

綱とりに挑む貴景勝は14日、2連勝としたものの、勝負がついた後に左脚を気にするしぐさを見せた。
正代を猛然と突いて土俵際まで攻め込み、粘る相手を押し出し。左足をやや引きずって花道を引き揚げた。
師匠の常盤山親方は「大丈夫。やります」と4日目以降の出場に支障がないことを強調した。
一方的な相撲内容とは対照的に不安を抱かせる姿が見られ、リモート取材にも現れなかった。
注目の大関は3日の大阪入り後、全ての取材に応じず、沈黙を貫いている。
土俵下で見た粂川審判長は「貴景勝はよく攻めた。終わってから脚を気にしていたから、ちょっと心配だ」と語った。


大栄翔・翔猿

3日目、小結大栄翔が竜電を押し出しで完勝。
初優勝した2021年の初場所以来、13場所ぶりに初日から3連勝の好スタートを切った。
立ち合いから猛攻を見せた。
竜電に強烈なもろ手ののど輪をあてがい、土俵の外へ一直線の電車道で圧倒。
「きょうも良かったと思います」と胸を張った。
3日目を終えて、追手風部屋勢は絶好調。
遠藤は2勝1敗。
剣翔、大翔鵬、そして同じく小結の翔猿は無傷の3連勝中だ。
大栄翔は「ほとんど3連勝でみんな調子良いと思う。同じ部屋で良いライバルだと思ってやっているので、そういうのがいいのかな」。
“ライバル”よりも先に負けるわけにはいかない。
「勝ち続けたいという気持ち」と闘志満々で先を見据えた。


高安

高安の充実ぶりが光っている。
佐田の海を攻め込み、引きに乗じて前傾姿勢で押し出した。
危なげなく白星を三つ重ねた一番に「自分の流れで相撲が取れた。慌てないで出ることができた」と満足げだった。
場所前も納得できる稽古を積めたようで、「できることはやってきた。持てる力を発揮して毎日取りたい」。
不安のない姿を土俵で見せている。


宇良

故郷の声援の力は「想像以上」。
大阪府出身で唯一の幕内力士、宇良がはつらつとした取り口を披露し、地元のファンを盛り上げている。
平戸海との一番。果敢に向かってくる相手を下から突き放し、差し手を許さない。回り込んで体勢を整えると、勝機を逃さず押し切った。
初日からの3連勝は8場所ぶり。
「たまたま」と謙遜したが、強い下半身を武器にした低くて粘り強い攻め、素早い動きには状態の良さを感じさせる。
若手が次々と三役の座をつかむ中、30歳の宇良の番付は一進一退を続ける。
膝に古傷も抱え、「自分にとって15日間完走するのは当たり前じゃない」。
だからこそ、相撲に対する執念は人一倍。
取り口については普段から多くを語らず、「ペラペラ話して相手に種明かしはしない」。
土俵を下りても、勝負師であり続ける。
昨年の春場所は西前頭筆頭で4勝11敗。
地元の期待に応えられなかった悔しさは、もちろん胸の中にあるだろう。
「元気な相撲を見せていきたい」。
ご当所への思いはやはり格別だ。


武将山

3日目、新入幕の武将山が王鵬を押し出して初白星。
立ち合いから得意の突き押し、頭からかまして先手を取った。
「ほっとした。下がらずに攻める相撲で勝ち切れた」。
師匠の藤島親方からは「一日一番、切り替えて集中するように」と指導されている。
現師匠が藤島部屋を創設してから、同部屋初土俵の力士では初の新入幕力士。
「これからも真っ向勝負でいく」と気合を入れた。


北青鵬

3日目、東前頭15枚目・北青鵬が無傷3連勝を飾った。
“快進撃の巨人”から目が離せない。
204センチの最長身新入幕・北青鵬は、同じく2連勝中で192センチの金峰山との新入幕対決。
立ち合いで狙い通りに得意の左上手を取ると、右四つがっぷり。
力いっぱいに引きつけながら前へ。
好調の新鋭に何もさせず、最後はドッシリと腰を割って寄り切った。
自己新となる無傷の3連勝を飾ったが、「新入幕同士の意識? 特に何も思うことはないです。いい相撲だったと思います」と淡々と振り返った。
モンゴル生まれで北海道育ちの大器は、八角理事長をもうならす逸材だ。
安定感のある新入幕の活躍ぶりに、「よく前に出るようになった。以前は長い相撲が多かったが、体を生かして前に出るようになった」と指摘。
過去に師匠・宮城野親方に対し、北青鵬の突っ張り習得を進言したといい、この日は「曙のように突っ張りがあれば今後の伸びが違う。先手を取ってからまわしを取ることが大事」とさらなる期待を込めた。


朝乃山

3日目の14日、東十両筆頭の朝乃山は西十両筆頭の東白龍との見応えのある一番を制し、初日から3連勝とした。
立ち合いから相手の攻勢にあうも、こらえて逆襲し、地力を示した。
取組後、朝乃山は汗を拭いながら「自分も必死。気持ちで負けないよう、絶対に勝つぞという気持ちで土俵に上がっている」と決意を語った。




2023/03/14
大相撲ニュース
貴景勝

2日目、目を閉じたまま土俵下で出番を待つ。
自分の世界に入り、集中を高めていく。
綱とりへ連敗だけはできない一番で、貴景勝に迷いはなかった。
玉鷲の引きにも崩れず、危なげなく押し切った。
取組前に「弱気になっちゃだめ」と話していた八角理事長(元横綱北勝海)も、取組後は「いい相撲ですね」。悪い流れは断ち切った。
春は思い出の場所。
初日に続き取材に応じなかったが、場所前に「新十両も大阪場所で、新大関も大阪で決めて。いい節目になってる場所だと思うので」と貴景勝は話していた。


若元春

2日目、小結2場所目の若元春は連勝と好発進を決めた。
錦木を左四つに組み止めるも「上手を取れずバタバタしてしまった。あまりいい相撲とは言えないが、足はしっかり出ていたので」。
振り回されながらも攻め続けて最後は寄り切った。
好調に映るが、「はたから見るより余裕ないです。いっぱいいっぱい」と言いながら表情は明るかった。


大栄翔

2日目、大栄翔は持ち前の馬力を発揮。
若隆景を突き起こすと、回り込もうとする相手を難なく押し出した。
関脇を圧倒しての連勝発進に「しっかり自分の相撲を取れている。調子もいいと思う」と納得の表情を浮かべる。
返り小結。「毎場所の積み重ね。目の前の一番を頑張る」と勇ましかった。


翔猿

2日目、1場所での三役復帰を果たした翔猿も2連勝。
「そこに関してはプラスな刺激。お互いに負けないという良い関係だと思っているので、最後までやっていきたいと思っています」。
ともに埼玉栄高出身の追手風部屋再小結コンビが、互いの存在を“追い風”にして白星を積み重ねていく。


正代

2日目、西前頭筆頭・正代が、7場所ぶりの連勝スタートを決めた。
新関脇・霧馬山に攻め込まれたが、左を差して逆襲。
相手の体を起こして、最後は押し倒した。
「ここ何場所かの中では動けているのかなと思います」と、うなずいた。
2020年初場所以来となる平幕に番付を下げたが、その場所で好調な滑り出しだ。
「序盤からよく体が動いているのは、モチベーションもよくなってくると思うので、なるべく続けていけたらなと思います。ちょっと連勝から遠のいていたので、いい流れが来ているんじゃないかなと思います」と手応えをつかんでいる。


高安

2日目、高安が内容も伴って白星を重ねた。
左からかち上げ気味に出て遠藤を押し込むと、冷静に引き技で仕留め、「前に出られたと思う」。
この2日は「集中して、いい緊張感で相撲が取れた」と言い、心持ちも良く滑り出した。
連勝発進は、東西こそ違うが、同じ前頭7枚目だった昨年春場所以来。
その時は優勝決定戦に進んだ。元大関が快進撃を見せても不思議ではない。


宇良

2日目、宇良が2連勝発進。
館内にしこ名を呼ぶ声がこだまする中、大きな碧山を相手に潜るようにして下から攻め、一方的に押し出した。
1月の初場所は終盤に苦しんで7勝8敗。
巻き返しを誓って乗り込んだ地元の大阪の盛り上がりに感謝し、「声援を聞いたら、疲れたとは言ってられない」。
ご当所の期待が最高の発奮材料になりそうだ。


金峰山

2日目、カザフスタン出身で初の幕内力士となった身長192センチの金峰山は武将山を送り出した。
金峰山は「体が動いている。(北青鵬と)2人で(番付を)上がっていきたい」と意識していた。


北青鵬

2日目、新入幕の北青鵬が204センチの長身を生かした危なげのない内容で、171センチの武将山を寄り切った。
連勝スタートに「反省点がない相撲」と満足そうだ。
初日の取組後は両親をはじめ、多くの知人らからメッセージを受け取ったという。
「『幕内最初の白星がかっこよかった』などと連絡があった。明日からも自分の相撲を取って勝つだけ」と威勢が良かった。


剣翔

2日目、西前16枚目の剣翔が、十両の東白龍との熱戦を寄り切りで制して2連勝とした。
1度は東白龍に軍配が上がったが、物言いがついて協議の結果、軍配差し違えで勝ち名乗りを受けた。
「負けていたと思っていました」と自分でも分からないきわどい勝負を制しても、「土俵際で絶対にはたいてくると思っていたのに前に落ちたので、そこは反省です」と課題を口にした。
これで初場所に続き初日から2連勝としたが、前回はそこから6連敗と崩れただけにうかれない。
「勝てる時に勝ちたい」と気を引きしめた。


朝乃山

2日目、東十両筆頭の朝乃山は同2枚目の千代の国を一気に押し出し、初日から2連勝とした。
初日には662日ぶりに幕内の土俵に上がって白星を飾っており、大阪の土俵で元大関の地力を見せつけている。
朝乃山は「あしたも初日のつもりで、一日一番、自分の相撲を取りたい」と気を引き締めた。
十両の最後の取組で登場した朝乃山。
土俵に上がると、会場からは大きな歓声が上がった。




2023/03/13
大相撲ニュース
貴景勝

早くも暗雲だ。
初日、綱取りに挑む大関貴景勝が小結翔猿のはたき込みに屈して痛恨の黒星。
取組後は報道陣のオンライン取材に応じず、会場を後にした。
1月の初場所は12勝3敗で13場所ぶり3度目の優勝を達成。
綱取りには「2場所連続優勝」が必要となる中、いきなり出足でつまずいた。
横綱昇進の可否をあずかる審判部長の佐渡ヶ嶽親方は「立ち合いの当たり、出足ともに良かったが、最後に急ぎすぎた。まだ初日ですから。ここから開き直って大関の責任を果たしてほしい」と一人大関に奮起を促した。


霧馬山

初日、新関脇霧馬山が阿炎の突き放しに下がらず、力強く押し出して白星発進。
「先に自分から前へ出ていこうと思った」。
新たな番付で迎える初日にも「いつも初日は緊張する」と笑みが広がった。
大関は貴景勝一人だけで、3関脇4小結が出世を争う。
1月の初場所では小結で11勝を挙げた霧馬山にとって、今場所は大関昇進への足場を固める大切な土俵となるが、「意識せず、考えない。一日一番で」と平常心を保つ。


翔猿

初日、翔猿が貴景勝を破り、初日から「荒れる春場所」を演出した。
押し込まれた土俵際ではたき込み。
埼玉栄高の後輩でもある相手の綱とりには「意識がなかった」と話す。
この大関に3連勝で「体が動いたのが良かった。うれしいし、自信になる」と満足した。
2場所ぶりに小結復帰のくせ者は結びの一番の歓声が気持ち良かった様子。
「力に変えていきたい。まずは勝ち越しを目指していく」と意気揚々と語った。


玉鷲

初日、東前頭筆頭の玉鷲が、関脇若隆景を破って白星発進した。
立ち合いから、のど輪で押し込み、その後も突き放して攻めた。
だが回り込まれて相手に左を差されると、右前まわしも引かれ、一気に守勢へと回った。
それでも土俵際で逆転の突き落とし。
「よかった。とっさの反応ですね」と、笑顔を交えて振り返った。
部屋の力士は、自身を含めて4人しかいないが、今場所から弟弟子の玉正鳳が新十両に昇進し、この日は先に白星を挙げていた。
「弟弟子の白星が力になったか」の問いに「もちろん、それはありました。それを見て『よしっ、自分も頑張らないと』と思いました」。
玉正鳳は、十両での自分の取組が終わると、序二段力士とともに玉鷲の付け人も務めていただけに「部屋の力士たちのおかげ」と感謝していた。
2日目は結びの一番で、今場所後の横綱昇進を目指す大関貴景勝との顔合わせとなる。
貴景勝は黒星発進となり、連敗は何としても避けたい状況となったが「こっちもこっちで、頑張らないといけないですね」と、対抗心をのぞかせていた。


正代

正代が厳しい攻めを披露した。
豊昇龍に前まわしを与えたものの、左から強烈におっつけて一気に押し出した。
大関候補に対して持ち前の圧力を発揮し、「止まらず前に出て、引きつけさせなかったのがよかった」と自賛した。
2020年初場所以来となる平幕で臨む今場所。
再出発を白星で飾った元大関は「気楽に自分の持ち味を出せたらいい」と冷静に先を見据えた。


高安

高安が盤石の取り口を見せた。
北勝富士に対し、左で上手を引くと、低い姿勢を保ちながら一気に前進。
攻め手を緩めず、力強く押し出した。
関脇だった1月の初場所は右膝を痛めて途中休場。
平幕からの仕切り直しとなる中、「前向きな相撲を取りたい。ベストを尽くす」。
快勝での発進に、元大関の表情は明るい。


北青鵬・金峰山

初日、スケールが大きい新入幕2人がそろって白星スタート。
204センチの長身で21歳の北青鵬は懐の深さを生かし、右四つから寄り切った。
初土俵を踏んだ3年前の春場所は無観客開催で「寂しかった。やっぱり声援はうれしい。ファンに喜んでもらえる相撲を取りたい」と気合を入れた。
25歳の金峰山は武将山との新入幕対決に快勝。
日大で活躍後、2021年九州場所で三段目100枚目格付け出しデビュー。
カザフスタン出身初の幕内力士になった。
まだ大銀杏が結えない有望株は「緊張した。ここから良くなっていくと思う」と?を緩めた。


朝乃山

初日、元大関の十両・朝乃山が幕内の水戸龍を寄り切りで破った。
幕内の土俵は、出場停止前の21年夏場所11日目以来662日ぶり。
「十両に比べたらお客さんも多い。あの雰囲気で勝ちたいという気持ちになります」。
昨年は出場停止、一昨年は東京開催だったため近大時代に4年間過ごした大阪は3年ぶり。
今場所は幕内復帰目前の東十両筆頭で「出るからには優勝を」と2場所連続十両優勝を見据えた。


初日から満員

日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は12日、4年ぶりの通常開催で初日から満員御礼となった春場所について「ありがたい。大阪は熱心なファンがたくさんいる。戻ってきたなと感じる」と手応えを口にした。
館内の視察で熱気の復活を感じつつ「まだ控えめな感じがして、気を使っている」とも語った。
2日目の13日から新型コロナウイルス感染対策のマスク着用は各自に委ねられる。
相撲協会は取組表に着用を推奨する文面を記載しているが、八角理事長は「個人の判断」との見解を示した。
両膝痛で4場所連続休場の横綱照ノ富士については「次の場所で結果を残せるように、きっちり治して」と述べた。




2023/03/12
大相撲ニュース
貴景勝

大関貴景勝が横綱昇進に挑む。
歴代の横綱はほぼ四つ相撲の力士だった。
押し相撲だった元横綱北勝海は左四つでの寄りも力強かった。
身長203センチの元横綱曙は規格外の長いリーチを生かした突き押しだったので例外的な存在だ。
押し相撲一筋の貴景勝が綱をつかめば、大相撲史においてエポックメーキングな出来事となる。


若隆景・若元春

福島市出身の関脇若隆景と小結若元春が東日本大震災から12年の11日、朝稽古後に取材に応じ、若隆景は「毎年振り返るし、東京などでも地震があった時は思い出す」と胸中を述べた。
若元春は地元ファンとの交流などを通じ、被災地が復興途上であることを実感するという。
「復興の進み具合も地域によって違うし、風評被害もまだある。1年に1度、震災について考えてもらえたら」と神妙な面持ちで語った。
震災発生当時、2人は長兄の幕下若隆元が入門した東京の荒汐部屋に身を寄せた時期もある。


高安

西前頭7枚目の高安が、演歌歌手の妻、杜このみさんとの挙式披露宴を6月に東京都内のホテルで開くことが10日、分かった。
2020年7月に結婚。
21年2月に長女、22年8月に長男を授かった。
10日は大阪市平野区の田子ノ浦部屋で稽古し、幕下以下の力士と21番取った。
右で素早く前まわしを引いて寄る動作を確認するなど、休場明けの春場所へ最終調整。
「何の不安もない状態で初日を迎えることが大事。それができれば場所を面白くできる」と再起への思いを語った。


北青鵬

新入幕を果たした北青鵬が11日、大阪市内の部屋宿舎で最終調整を行った。
身長204センチの大器は「(調整は)順調です」と好調をアピール。新入幕場所だが「特に変わることもなく。十両と幕内でどれだけ違うか。相撲を取ってみないとわからないですけど、楽しみの方が大きいですね」と待ちきれない様子だった。
この日は師匠の宮城野親方の38歳の誕生日でもあった。
北青鵬自身が2年前に初めてまげを結った日でもあるといい、特別な思いがある。
その直後に迎える春場所へ向け「(白星を贈りたいのは)もちろんですし、敢闘賞をプレゼントしたいのもあります」と気合。
そのためには2ケタ白星は欲しいところだ。
「まずは勝ち越しを目指して、そこから意識していきたいと思います」と闘志を燃やした。


元横綱白鵬 誕生日

大相撲で元横綱白鵬の宮城野親方が東日本大震災から12年の11日、大阪府の宿舎で「日本中が忘れてはいけない日。思いは変わらない。東北の皆さんともお会いしたい」と被災地へメッセージを送った。
この日は38歳の誕生日でもあった。
現役時代は関取衆で構成する力士会の会長として復興支援の中心を担った。
誕生日が春場所期間中に重なることが多く「絶対に負けない。勇気と希望をもたらしたいという気持ちで土俵に上がった」と述懐。
昨年7月から部屋を率いる立場となり「弟子たちにこの気持ちを受け継いでもらいたい。(被災者を)元気づけてほしい」と願った。
先月、少年相撲の国際親善大会「白鵬杯」では、力士会が土俵を再建した岩手県山田町の子どもたちも奮闘した。
「交流が実を結んでいる」と感慨深げだった。


土俵祭

大相撲春場所の土俵祭が11日、会場となるエディオンアリーナ大阪で行われた。
この日は新型コロナウィルス感染対策緩和の一環として、20年初場所以来となる一般公開も実施。
150人が八角理事長(元横綱・北勝海)らとともに15日間の安泰を祈願した。
春場所としては4年ぶりの正常開催。
担当部長の伊勢ノ海親方(元幕内・北勝鬨)は「チケットも順調に売れている。今のところ、大入りは全日(15日間)出ると思う。かなり盛り上がるのではないかと思うし、力士はいい相撲を見せてほしい」と話した。




2023/03/11
大相撲ニュース
照ノ富士

横綱・照ノ富士が春場所を休場することが10日、決まった。
昨年10月に手術した両膝のケガだけでなく、10日に提出された診断書には「糖尿病」の病名も加わった。
以前、大関から序二段まで落ちた時に苦しんでいた病気でもあり、再発が心配される。
休場は4場所連続16度目。
前日には実戦稽古も行っていたが、師匠の伊勢ケ浜親方は、休場の決断について「場所に出られるかというと、立ち合いが物足りない」と説明。
照ノ富士は大阪市東成区の部屋での稽古に姿を見せ「毎場所、出たいよ。無理しないと出られない」と胸中を語った。
少しずつ回復はしており、4月の春巡業から復帰の予定。伊勢ケ浜親方は「5月はもう大丈夫。稽古もできていますから。あとは15日間しっかり取れる下半身づくりをしないと」と夏場所での完全復活に期待を持たせた。


貴景勝

10日、春場所の取組編成会議を開き、初日と2日目の取組を決めた。
1月の初場所を12勝3敗で優勝し、横綱昇進に挑む大関貴景勝は初日に小結翔猿、2日目は平幕玉鷲と対戦する。
先場所に続き1横綱1大関の今場所も横綱照ノ富士の休場に伴い、貴景勝が出場する力士で番付最高位。
今場所は観客数に制限を設けず、新型コロナウイルス感染拡大後では4年ぶりに通常開催となる。


懸賞申込 約1600本

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は10日、春場所15日間の懸賞申込総本数が約1600本と明らかにした。
新規で8社の申し込みがあり、昨年終了時点での1494本を上回った。
個人では貴景勝が190本でトップ。




2023/03/10
大相撲ニュース
照ノ富士

横綱・照ノ富士が9日、春場所を4場所連続で休場する可能性が出てきた。
大阪市内での稽古では西前頭10枚目・錦富士、同12枚目・宝富士と計9番をとったが、宝富士に1勝4敗と苦戦するなど5勝4敗。
稽古後、笑みを浮かべながら「まあまあ。おそらく親方が答えを出すと思う」と話し、宿舎へ戻った。
「出場した横綱は勝たないといけない。あとで話し合い、最終的に決める」と師匠の伊勢ケ浜親方は10日午前に行われる取組編成会議に向け、9日夜に最後の話し合いをすることを明かした。
昨年秋場所を途中休場し、10月に両膝の手術に踏み切った。
その後、2場所連続で全休。
春場所での復帰を目指し、3月に入ると稽古の強度も徐々にあげた。
「(休場後では)一番状態は良い」と話していたが、万全の状態ではない。
伊勢ケ浜親方も「相撲を取れるようになったのは最近。稽古ができても番数が足りない」と慎重な姿勢を示していた。
出場は微妙な情勢で、初場所に続いて1横綱1大関ながら、横綱を欠く寂しい春場所となりそうだ。


若隆景

関脇の若隆景が9日、大阪・堺市の大鳥大社にある部屋で稽古した。
およそ100人の見学者の前で、兄の小結若元春、十両の荒篤山と相撲を取り8勝3敗と力を見せた。
昨年は同場所で初優勝を飾り「験がいい場所」という大阪の地で順調に調子を上げている。
代名詞の強烈なおっつけは健在。
三番稽古では若元春の差し手を何度もふさいで、再三攻勢をかけていた。
出稽古時に痛めた左わき腹付近も「大丈夫です」と強調。
「毎場所やることは一緒なんで」と場所に向けてもう一段ギアを上げていくと話した。


霧馬山

新関脇霧馬山が9日、堺市の陸奥部屋で稽古し、春場所の目標を「まずは勝ち越し。やるべき相撲を取っていれば結果はついてくる」と掲げた。
土俵で胸を出した鶴竜親方に精力的にぶつかり「久しぶりだった。さすが親方。重かった。力になる」と充実の表情だった。
初場所は小結で11勝を挙げ、今場所は大関昇進への足場を固める重要な闘いとなる。
大関は貴景勝一人だけで、3関脇4小結が出世を争う状況。
「今は誰が上がってもおかしくない。自分も負けたくない。先に先に、という気持ちがある」と意欲たっぷりに語った。


高安

西前頭7枚目・高安が9日、大阪市内にある宿舎で春場所に向けて調整した。
先場所は右膝負傷の影響で途中休場したが、「問題ないです。(調子も)悪くないです」と順調。
若い衆と計12番の相撲に加え、一人一人に胸を出して1時間ほど土俵の中で精力的に体を動かした。
昨年の春場所は若隆景との決定戦に逆転で敗れ、目前に迫った初賜杯を逃した。
「過去の経験は全部生きますから。経験をプラスにして、精神的にもっとずぶとくいきたい」と、1年前の“悪夢”は成長の糧にしている。
この日はWBC日本代表の初戦で、茨城・土浦一中時代は野球部だった元野球少年は「みんな注目している。大谷、ダルビッシュなどMLB選手が4人も来て、すごい強いと思う」と期待。
3月はセンバツ高校野球など話題が豊富なだけに「(相撲も)負けないように頑張りたい」と目をギラつかせた。


宇良

幕内宇良が9日、1月下旬にプロ野球・オリックスの平野佳寿投手の自主トレに参加し、異競技から学びを得たことを明かした。
宇良にとって鳥羽高の9年先輩。
相撲部監督だった恩師の田中英一氏が平野の担任でもあったことから、京都府内での“一日入門”が実現した。
体の調子を確認する動き、膝をケガしにくくなるトレーニングなどを教わった。
日米通算221セーブを誇る右腕の体を目の当たりにし「野球のピッチャーって大きいんだなと思いました」と刺激ももらった。
異競技のトレーニング参加は自身初。
相撲に生かせるものは取り入れ、続けている。
「全然できなくて。平野さんが活躍するのもそれだけバランスが整っているから。差を見てみたい」と苦笑しつつ日々勉強。
貪欲な姿勢が、さらなる進化につながるはずだ。
大阪府寝屋川市出身。
ご当所となる春場所では、2016年に関取昇進を決め、17年には新入幕を果たした。
過去5度のうち4度勝ち越しと相性もいい。
この日は大阪府吹田市の部屋での稽古には参加せず、体のケアなどに努めた。
西前頭8枚目で臨む今場所の目標を「力を出し切ること」と掲げた。




2023/03/09
大相撲ニュース
貴景勝

貴景勝は綱とりへ闘志を燃やす。
新番付の発表前には、部屋で隆の勝との三番稽古を始めた。
押し込まずに頭をつけ、左からのおっつけで相手の動きを封じた。
押しが武器の大関。
自身にとっては不利とも言える止まった状況から、すくい投げなどで打開する。
1月の初場所、優勝を決めた千秋楽の琴勝峰戦で見せた投げも、「体が勝手に動くまで、体に染み込ませた」。
日々の稽古で積み重ねてきた技を物にしつつある。
初めて綱とりに臨んだ2年前の初場所は初日から4連敗を喫し、左足首を痛めて途中休場。
改めて好機を迎え、「ここで後悔したら、一生忘れない。それだけはしたくない」と覚悟を口にする。
勝負の時を前に「余計なことを考えてたどり着ける地位ではない。やり切ったという気持ちで終われるような15日間にしたい」と決意を述べた26歳。
兵庫県出身。
準ご当所の大阪で再び最高位に挑む。


豊昇龍

関脇・豊昇龍が8日、大阪市住吉区の立浪部屋で春場所に向けて調整。
四股や腕立てなどの基礎運動を行い、土俵下では幕下力士らと軽く胸を合わせて投げ技などの動きを確認した。
初場所は左足首のケガで途中休場しながらも勝ち越し。
春場所の成績次第では大関獲りにつながる可能性もある。
同じモンゴル出身の霧馬山の新関脇昇進でライバル意識はより一層高まっているが「気にしていない。自分は自分だから、やることをしっかりやるだけ」と自らに言い聞かせるようにして集中力を高めた。
この日は本場所で使用する赤の締め込みを着用。
心身ともに“本場所モード”に入っていた。


阿武咲

8日、大阪市福島区の阿武松部屋での稽古後に取材に応じ、東前頭4枚目で迎える春場所に向けて「優勝はすごいことなのだなと思った。一つの乗り越えないといけない壁」と決意を新たにした。
初場所は12日目終了時点で単独首位に立ったが、13日目の大関貴景勝戦から3連敗。
「一瞬だけ現実味を帯び、それがすごく遠く感じた。気持ちの面でもまだまだ弱かった」と潔く受け止めた。


明生

8日、大阪市住吉区の立浪部屋で春場所へ向けての稽古を行った。
前日までは申し合い稽古も行っていたが、この日は参加せず。
四股やすり足といった基礎運動や、おもりを使った体幹トレーニングなどで汗を流した。
1年ぶりの三役復帰だった初場所は5勝10敗と負け越し。
悔しさから得るものはあったそうだが「自分だけが知っていればいい」と胸の内にとどめた。
西前頭4枚目で迎える今場所は「勝ち越したい。しっかり頑張るだけです」と短い言葉に力を込め、三役復帰を見据えた。


高安

右膝を痛め、関脇だった1月の初場所を途中休場した元大関の高安にとって、春場所は西前頭7枚目からの出直しとなる。
「完全に治った。厳しい相撲を取りたい」。表情に充実感が浮かぶ。
2月28日で33歳に。
年齢を自覚する言葉も増えてきた中、原動力は「(番付で)上がりたい気持ち」。
大関の地位を失ってから3年余り。
もう一花咲かせる覚悟は場所ごとに強まる。
兄弟子の二所ノ関親方の下に出稽古し、胸を出してもらった。
佐渡ケ嶽部屋も訪れ、小結琴ノ若らと手合わせ。
「力を出し合ったいい稽古だった」と手応えをつかんだ。


北青鵬

春場所で新入幕となる北青鵬が8日、控えの土俵下で使用する座布団のデザインを師匠・宮城野親方の現役中と同じ配色にしたことを明かした。
大阪の後援者から贈られ、「親方と全く同じ茶色と黄色です。親方の座布団もその方が作っていて、僕があえて頼みました」と笑顔を見せた。
自身のしこ名が入った座布団は幕内力士の証しだ。
最長身204センチ、規格外の新入幕は「唯一、違うのは優勝回数が入ってないこと。(入れられるように)頑張ります!」と角界の頂点を目指し、気合を入れた。




2023/03/08
大相撲ニュース
若隆景

若隆景が7日、大阪・堺市にある大鳥大社内の宿舎で稽古した。
昨年は、双葉山以来86年ぶりの新関脇Vで初賜杯を抱いており、「験のいい場所なので、気持ちを高めていきたいと思います」と意気込んだ。
春場所は過去6年は一度も負け越しがなく、相性は抜群だ。
6日から大阪での稽古を開始したが、この日の稽古では相撲は取らず。
基礎運動を中心に汗を流した後、若い衆を相手に15本の一丁押しで立ち合いの当たりを確認した。
先月中旬には、稽古中に左ろっ骨付近を負傷したが、ケガの状態については「問題ないですよ」と、順調な回復ぶりを強調した。
9場所連続勝ち越し中と安定感抜群の次期大関候補。
先場所は9勝にとどまっただけに、「2桁という星は大事かなと思います。けど、やっぱり一日一番、自分の相撲を取ることを意識して頑張りたいですね。しっかり準備して、初日に臨みたいと思います」と静かに闘志を燃やした。


高安

西前頭7枚目の高安は7日、春場所に向けて大阪市内の田子ノ浦部屋で三段目以下の力士と連続31番取り、相手に存分に攻めさせながら圧倒した。
関脇だった1月の初場所では右膝下を負傷して途中休場。
平幕からの出直しとなる。
2月28日に誕生日を迎えたばかり。
33歳になって初めての場所に「また1年貴重な経験を積んだということ。いいスタートを切りたい」。
昨年は優勝同点が2、優勝次点が1度。
悲願の初優勝へ気持ちを新たにした。


朝乃山

元大関で東十両筆頭の朝乃山が7日、大阪市中央区の同部屋で幕下以下の力士と18番取った。
仕上げのぶつかり稽古では全身泥だらけに。
肩で息をしながらも「上に行きたい気持ちがある。すぐに結果が出なくても、積み重ねが大事だと思う」と充実の笑みを浮かべた。
春場所は6場所出場停止から復帰5場所目。
関取に戻った先場所は14勝1敗で十両優勝したものの、再入幕には届かなかった。
「試練というか、プラスに考えて。『もう1度上がるぞ』という気持ちになった」と燃えている。
十両には自身の他に栃ノ心、逸ノ城、徳勝龍と4人の幕内優勝経験者が名を連ねた。
「結構ハイレベルだけど、土俵に上がったら関係ない。自分のやるべきことは変わらない」と落ち着いた表情で語った。


「力士風呂」オープン

埼玉県小鹿野町長留の旅館「宮本家」に「力士風呂」が完成し、7日、お披露目された。
宮本家12代当主の宮本一輝さん(44)は、元大相撲幕内の剣武。風呂場の壁には、「秩父夜祭」の化粧まわし姿の剣武の錦絵(縦120センチ、横71センチ)が掲げられている。
大相撲錦絵師の木下大門さん(76)に依頼し描いてもらった。
所属していた武蔵川部屋に伝わる力士修業心得も展示。
窓からは、土俵祭りで神事に使う榊(さかき)の木が植えられた庭が見える。
脱衣所は、稽古(けいこ)場をイメージして、元横綱の白鵬、日馬富士、横綱の照ノ富士の優勝ミニ額や、相撲部屋で番付の位が描いてある板番付・鉄砲柱などがある。
宿には毎日新聞社寄贈の優勝額や、武蔵丸と白鵬が使った横綱なども展示されている。
木下さんは「夜祭の化粧まわしはすごく細かいので描くのに苦労した。力士の絵がある風呂はここにしかないのではないか」。
宮本さんは「幕内に上がらないと絵番付は描いてもらえないので、幕内に上がれてよかった。風呂に入って大きくなった剣武を皆さんに見てもらいたい」と笑顔で話した。
宮本家の電話は(0494・75・4060)。




2023/03/07
大相撲ニュース
照ノ富士

大相撲で3場所連続休場中の横綱照ノ富士が6日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋での稽古後、春場所の出場について「親方(師匠の伊勢ケ浜親方=元横綱旭富士)と相談して決める」と話すにとどめた。
昨年10月に手術した両膝の状態は「日に日に良くなっている」と回復傾向を強調。
この日の稽古では分厚いサポーターを施し、幕内の翠富士や錦富士との申し合いで12番取った。
その合間に「どう、当たれてる?」「重い?」と弟弟子に確認し、錦富士が「最近の中で一番いいと思います」と返すと笑みを浮かべた。
照ノ富士は昨年9月の秋場所を途中休場。
手術後は2場所続けて全休した。
大関貴景勝が綱とりに挑む今場所は一人横綱として存在感を示したいところだが「まだ自分のことで精いっぱい。早く本調子に戻したいという意識で、復活に向けてやっている」と静かに語った。


翠富士

先場所6勝からの巻き返しに燃える西前頭5枚目の翠富士が6日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で稽古し、2桁勝利を目標に掲げた。
「勝っていれば、三役に上がっていけると思う。10番勝てるように頑張りたい」と意気込んだ。
先場所は「後半に気持ちが切れてしまった」と13日目から3連敗。
117キロの体重を増やすため、食事量などを見直してきたという。
この日は横綱照ノ富士に胸を借り「横綱より強い人はいない。そういう人と稽古ができるのはありがたいこと」と感謝を口にした。


正代

大相撲の大関経験者の正代が、順調な仕上がりに自信をのぞかせた。
6日、春場所に向けて大阪市内の部屋で稽古をした。
十両昇進をうかがう東幕下3枚目の時疾風と三番稽古を行い、12勝2敗と全く寄せ付けなかった。
口ぶりや表情からも充実ぶりをのぞかせ、「油断しないように、このままいけたら」と気を引き締めた。
昨年末の稽古中に右足親指を痛めた。
休場も考えるほどの負傷だったが、1月の初場所は15日間相撲を取った。
結果は6勝9敗。
10勝を挙げれば大関に復帰できる特例を生かせず、今場所は西前頭筆頭に座り、20年初場所以来となる平幕力士として臨む。
心配された右足の状態も復調しつつあり、「(踏み込みで)もっと蹴りたいですね」と理想に近づくべく調整に励む。
まずは三役に返り咲くところが目標。
3場所連続で負け越しているが、ここで勝ち越しを決めて悪い流れを断ち切る。
1歩、1歩、地道に積み重ねていく。


宇良

大相撲春場所がご当所となる大阪府寝屋川市出身の西前頭8枚目・宇良が6日、吹田市の部屋で稽古し、四つ相撲を習得中と明かした。
関学大時代から足取りや居反りが代名詞の業師は、右膝の大ケガで序二段まで転落した経験もあり、増量して押しを磨いてきた。
さらに「四つ相撲を練習してます。できないことをやってます」と、新境地開拓に挑む。
1年前は自己最高位の西前頭筆頭で4勝に終わり、新三役を逃した。
ただ、当時大関だった正代からも勝利し「全然悔しくない。上出来」と前向き。
中入り後の土俵から存在感を発信していく。


小山で夏巡業 25年ぶり

小山市外城(とじょう)の栃木県南体育館で8月20日、「夏巡業 大相撲小山場所」(同実行委員会主催)が25年ぶりに開かれることが、このほど決まった。
横綱や大関などの力士、巡業関係者ら約200人が集結する予定。
取り組みのほか、公開稽古の観戦や力士との記念撮影を楽しむことができる。
今月2日には日本相撲協会巡業部の枝川(えだがわ)親方(元幕内蒼樹山)、同実行委の安藤大平(あんどうたいへい)会長、高橋幸浩(たかはしゆきひろ)副会長が市役所を訪れ、浅野正富(あさのまさとみ)市長らに巡業の概要などを説明した。
枝川親方は「力士は間近で見ると迫力がある。夏休みでもあるので、幅広い世代で見に来てほしい」と呼びかけた。
浅野市長は「伝統ある大相撲を見ることができる良い機会。開催日を心待ちにしている」と、25年ぶりの巡業に期待を寄せた。


逸ノ城

1場所出場停止の懲戒処分を受けて1月の初場所を全休し、春場所では16場所ぶりに十両へ転落したモンゴル出身の東十両3枚目逸ノ城が腰の手術を受けながらも、「ぶっつけ本番になっても、出る」と強行出場を明言した。
慢性的な腰痛に苦しむ逸ノ城は2月13日に東京都内で内視鏡によるヘルニア除去手術を初めて受けた。
6日は大阪・大東市の湊部屋でぶつかり稽古などで汗を流したが、先月初旬から相撲を取る稽古は行っていない。
弁護士を依頼し、師匠との意思の疎通を遮断する事態へ陥ったが、現在は互いに会話をするなど関係は徐々に改善。
「もう終わったこと。自分が駄目なところもあった。10勝以上を挙げて1場所で幕内へ戻りたい」と出直しを期す。




2023/03/06
大相撲ニュース
貴景勝

綱とりの可能性は?
日本相撲協会の公式ユーチューブチャンネルに西岩親方が登場。
春場所の見どころを解説した。
西岩親方は初めに、大関貴景勝の綱とりについて言及。
「一番の注目は貴景勝の綱とり。初場所で優勝したので、いよいよ連続優勝で横綱昇進というところまできた。ぜひ達成してほしい。地元関西(兵庫)出身ですので、地元の大声援を受けて土俵に上がって、いい結果で春場所が終わるといいと思う」と期待を寄せた。
また、春場所で2場所連続優勝を果たす可能性についても「気迫を前面に出して相撲を取ってほしい。初場所でも何度も流血をしながら、気迫のこもった相撲で勝った相撲が何番かあった。ああいう気迫が春場所でも出ると、十分に優勝を狙える」と太鼓判を押した。


豊昇龍

春場所で関脇の豊昇龍が5日、大阪市の住吉大社にある立浪部屋で稽古し、新関脇で同じモンゴル出身の霧馬山に対抗心を見せた。
幕内での対戦成績では豊昇龍が6勝5敗と1歩リードしているが、実力者同士のということもあり拮抗(きっこう)。
霧馬山から番付発表会見で負けたくない相手として名指しされたことについて「同じ関脇の地位だから、俺も負けたくないね」と闘志を燃やした。


琴ノ若

小結琴ノ若が5日、大阪府松原市の佐渡ケ嶽部屋で稽古し、大関昇進への起点となる2桁勝利を目標に据えた。
「頭には入っているし、土台をつくれればいい。目の前の一番に集中して、自分の力を出し切るだけ」と決意を口にした。
新小結の先場所は4連敗スタートから立て直し、千秋楽に勝ち越した。
5日の稽古では幕内琴勝峰や琴恵光らに9勝4敗。
三役2場所目に向け「気持ち一つだと思う。思い切って自分のできることをやれればいい」と闘志をかき立てた。


玉鷲

大相撲の関取衆最年長、東前頭筆頭の玉鷲が、春場所の“台風の目”となることを予告した。
4日、都内の部屋で稽古。
同部屋の新十両、玉正鳳と15番の三番稽古を行い、13勝2敗と圧倒した。
部屋の若い衆2人と同時に相撲を取る稽古は「いつもはやっている」というが、この日は疲労などを考慮して行わなかったが、順調な仕上がりをうかがわせた。
勝ち越せば、小結だった昨年11月の九州場所以来、3場所ぶりの三役復帰に大きく前進する。
ただ、本人が目指しているのは「関脇まで戻りたいね」と、19年7月の名古屋場所以来、4年ぶりとなる関脇の地位だ。


正代

大関だった昨年秋場所から3場所連続で負け越し、西前頭筆頭まで番付を落とした正代が再浮上を目指して気持ちを立て直す。
5日は大阪市内の時津風部屋で2人の幕下力士と連続20番取って全勝。
鋭い出足で圧倒した。
関脇に降下した1月の初場所では、10勝を挙げれば大関に復帰できる特例をいかせず6勝に終わった。
春場所では令和2年初場所以来3年ぶりに平幕で取るが、「大関は負けられないという気持ちが強くて精神的につらい部分もあった。正直、少しほっとしている」と自らを解放する。
不振の原因は右足甲の痛み。
手術すれば数カ月かかるとあって「痛みさえ落ち着けば、しっかり当たれる」。
現行のかど番制度となった昭和44年名古屋場所以降、1場所での復帰がならず、再び大関へ復帰した例は所要7場所の魁傑と20場所を要した照ノ富士の2人だけだが、希望の轍(わだち)≠ヘ存在する。


錦木

西前頭3枚目で32歳の錦木は3日、東京都文京区の伊勢ノ海部屋で幕下以下の力士に胸を出し、新三役昇進へ気合をにじませた。
これまで春場所後に新十両や新入幕を果たしており「転機になる場所。しっかり自分の体をつくることが大事」と表情を引き締めた。
9勝を挙げた初場所後は立浪部屋などで出稽古に励み「いい調整ができている」と充実した様子。
東日本大震災発生から12年となる11日を前に、盛岡市出身のベテランは「頑張っている姿を地元に届けられれば」と決意を口にした。


明生

西前頭4枚目の明生は4日、大阪市住吉区の立浪部屋での稽古をスタートし「また三役に戻れるようにやっていきたい」と意欲を語った。
小結だった先場所は5勝10敗と負け越し。
「自分が弱いだけ」と一切の言い訳はしなかった。
2月中は左手首を痛めた影響もあり、出稽古を控えた。
不安要素は「全部。(左手首も)良くはない」と苦笑い。
それでも「けがをしていない人はいない。頑張るだけ」と自らを奮い立たせた。


琴勝峰

1月の大相撲初場所で千秋楽まで優勝を争って11勝を挙げた幕内琴勝峰が5日、大阪府松原市の佐渡ケ嶽部屋で稽古し、小結琴ノ若や幕内琴恵光に15勝5敗と充実の内容だった。
東前頭5枚目で迎える春場所に向け「あまり意識せず、自分のいいところを出したい」と意気込んだ。
左足首を痛めた影響で、4日に申し合いを再開したばかり。
それでも鋭い出足で琴ノ若に4勝3敗と勝ち越すなど、23歳のホープは地力の向上を印象付けた。
先場所は1場所15日制が定着した1949年夏場所以降で初めて、平幕力士として千秋楽相星決戦に臨んだ。
「経験をプラスに」と抱負を語った。




2023/03/03
大相撲ニュース
若隆景

関脇若隆景は1日、東京都中央区の荒汐部屋で取材に応じ、2月中旬に十両朝乃山との稽古で痛めた左肋骨付近の状態について「特に、何もない。いつも通り。しっかり春場所に向けて稽古する」と多くを語らなかった。
7場所連続で関脇を務め、大関候補として期待される。
昨年の春場所は初優勝を果たしており「験のいいところ。自分の相撲を取り切ることを意識する。一日一番、下から攻めていきたい」と気持ちを高めた。


若元春

小結若元春が1日、東京都中央区の荒汐部屋での稽古後、今場所の目標に2桁勝利と初の三賞受賞を掲げた。
新三役で9勝を挙げた先場所の活躍に満足していないといい「周りからは良かったねと言われるけど、三役として2桁くらいは頑張って勝ちたかった」と貪欲に語った。
さらなる飛躍を期すため、力強く押し込んでから得意の左四つに持ち込む取り口を磨いている。
同部屋で弟の関脇若隆景に刺激を受け「負けたくない。もっと上の番付を目指さないといけない」と闘志を燃やした。


夏巡業福島場所をPR

元大関・栃東の玉ノ井親方が、福島県内では4年ぶりとなる夏巡業(2023年8月5日・福島市で開催)のPRに福島テレビを訪れた。
2019年の大相撲夏巡業では、総勢160人の力士が登場し大いに盛り上がった。
巡業は、部屋が違う力士同士が稽古をする姿を見ることができたり、地域の人と力士との触れ合いが魅力だという。
玉ノ井親方は福島とも縁が深い。
先代の栃東が、現在の相馬市出身ということで県内で玉ノ井部屋の合宿も行っていた。
地元の人との触れ合いも楽しかったし、浜風が吹き涼しく稽古しやすい気候で、また合宿に訪れたいと話す。
そして現在は、玉ノ井部屋に福島県出身の力士が4人いるということで、今後の活躍も期待したい。


朝乃山

十両・朝乃山が2日、所属する都内の高砂部屋で稽古を行い、若い衆を相手に約25本の一丁押しで立ち合いの当たりを入念に確認した。
前日1日は29歳の誕生日。
お祝いのメッセージは約70件届いたそうで「もう(来年で)30歳ですし、ゆっくりはできない。早く幕内へ行きたい」と決意を新たにした。
春場所の十両には朝乃山、栃ノ心、逸ノ城、徳勝龍と幕内優勝経験者が4人も名を連ね、十両で史上初となる栃ノ心との元大関対決も予想される。
「先場所よりは厳しい場所になるけど、そこでいかに自分の相撲を取りきって成績を残せるか、非常に楽しみ」とハイレベルな戦いを見据えた。
勝ち越せば幕内復帰確実の東十両筆頭。
「できれば大勝ちして(前頭)1桁台を狙っていきたい」と13勝以上を目標に定めた。
15戦全勝なら、一気に幕内上位へのジャンプアップも可能となる。




2023/03/02
大相撲ニュース
武将山

真っすぐに己を貫き、幕内の土俵にたどり着いた。
大相撲春場所を新入幕で迎える武将山は「考えて器用なことができるタイプじゃない。押し込んで、迷わないで、集中する」と胸に刻む。
171センチ、171キロ。
丸っこい体で攻めていく取り口は、相撲を始めた小学2年生の頃から変わらない。
水戸市内にあり、藤島親方の父が指導する道場で基礎を学び、名門の埼玉栄高では主将を務めた。
憧れの存在だった師匠の下に入門。
初土俵から9年をかけて幕内力士の座を手にした。
高校の後輩に当たる大関貴景勝や小結琴ノ若らに出世では先を越された。
幕下時代は焦りもあったが、「最終的には、自分が弱いから上に行けない。やはり稽古するしかない」と心に誓った。
西十両筆頭で臨んだ昨年1月の初場所、2勝13敗とはね返され、1年後の先場所は同じ地位で9勝。
「少しは力がついたのかな」と謙虚に喜べば、真っ向勝負が身上だった師匠も「精神的にタフになり、負けても切り替えができるようになってきた」と成長を認める。
柔らかい表情が印象的な一方、本場所では「あまり笑わないし、極力しゃべらない。集中したい」という武骨さも魅力。
磨き上げた押し相撲を大阪の地で披露する。


宮城野部屋

春場所は宮城野部屋の凸凹コンビに注目!新入幕で大相撲春場所に臨む現役関取最長身2メートル4の北青鵬が1日、所属する都内の宮城野部屋で幕下力士を相手に15番、相撲を取った。
身長で33センチ低い雷鵬には後ろを取らせる絶体絶命の体勢からまわしをつかんで逆転するなど、まさに規格外の内容。
「工夫したつもり」と自ら考案した“ハンデ戦”の珍しい稽古も披露した。
一方、関取最小兵となる1メートル67の十両・炎鵬も同じ宮城野部屋所属で、見上げるような弟弟子を前に「面白いんじゃないですか」とニヤリ。
新十両の落合ら若手が台頭する部屋で「置いていかれないように」と小さな体に大きな責任感を宿した。
春場所の目標を大きく「2桁勝利と三賞」と公言する北青鵬に対し、初場所中に右眼窩(がんか)底を骨折した炎鵬は「15日間ケガなく」と控えめで、こちらも好対照。互いの魅力を発揮して、大阪の土俵を盛り上げる。


朝乃山

東十両筆頭で元大関の朝乃山が1日、29歳の誕生日を迎えた。
都内の同部屋で稽古し、幕下以下との申し合いで20番とって18勝2敗。
部屋の力士から祝福され「20代最後の年は、去年よりいい年にしたい」と抱負を述べた。
初場所は14勝1敗で十両優勝。
春場所での再入幕はならなかったものの「自分のやるべきことは何も変わらない。しっかり稽古して、土俵の上で白星を取るだけ」と落ち込む様子はない。
春場所へ向け「優勝を目指してやりたい」と意気込み、30歳までの目標を「今年は三役を目指していきたい」と宣言した。


横浜アリーナ場所

港北区に4年ぶりに大相撲の熱狂が戻ってくる。
横浜アリーナで4月22日(土)、「相鉄・東急新横浜線開業記念?令和5年春巡業 大相撲横浜アリーナ場所」が開催される。
主催は、(株)横浜アリーナ、(株)テレビ神奈川、ランドマークエンターテイメント(株)
前回アリーナ場所が開催されたのは、2019年。
同社の30周年記念事業として、18年ぶりの開催となり大きな賑わいを見せた。
翌年も開催予定だったが、新型コロナの流行で中止に。
今回は、4年ぶりの開催となる。




2023/03/01
大相撲ニュース
照ノ富士

両膝痛で3場所連続休場中の横綱照ノ富士は28日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋での朝稽古に姿を現さなかった。
関係者によると、ここ数日は膝の状態が思わしくなく、相撲を取る稽古を控えているという。
この日は部屋には訪れ、ストレッチやお湯で温めて回復に努めた。帰り際には「元気ですよ」とだけ答え、迎えの車に乗り込んだ。
一人横綱の照ノ富士は昨年9月の秋場所を途中休場し、10月中旬に両膝を手術。その後は2場所続けて全休している。


霧馬山

27日、の新番付を発表した。
新関脇に昇進した霧馬山は東京・両国国技館で会見。
会見場で初めて実物の番付を見たといい、横綱、大関に続いて自身のしこ名が記されていることに「よかった。うれしい」と、笑顔を見せた。
小結で臨んだ1月の初場所は、三役として初の2ケタ白星となる11勝を挙げた。
大関とりの起点となる好成績。
それでも大関を目指す意識を問われると「全然まだ。これから、もっと稽古して頑張らないと。『絶対に無理』と思ったこともあるけど近くまで来た。これから、やることをやっていくしかない」と、気を引き締めた。


高安

右膝下部の負傷で初場所を途中休場していた高安が28日、東京・江戸川区の部屋で若い力士を相手に稽古をした。
この日は33歳の誕生日。
「あっという間ですね」と感想をもらした。相撲に打ち込んできたからこそ月日がたつのを早く感じるが、まだまだこれからだ。
「経験してきたことというのは、全部自分のためになりますから。いい経験ができている。その経験を生かすだけ」と気持ちを引き締める。
昨年は春場所、秋場所、九州場所と年3場所で優勝を争った。
苦い経験だったかもしれないが、それが最高の結果につながっていくと信じている。
「相撲を見てくれるファンのみなさんに喜んでもらえるようベストを尽くしたい」と春場所での健闘を誓った。


北青鵬

弟弟子の白まわし姿に満面の笑みがこぼれた。
大相撲春場所で新入幕の北青鵬が28日、都内の部屋で稽古した。
この日から関取の証ともいえる稽古用の白まわしを着けた新十両の落合について「白まわしを着けている落合と稽古をするのも不思議な感じでしたけど、うれしいです」と自分の事のように声を弾ませた。
落合との申し合い稽古では8戦全勝。
部屋頭としての実力を示し、春場所に向けて順調な仕上がりを見せた。
春場所について「良い形で場所に迎えたい。勝ち越して、自分の相撲を取って2桁勝って敢闘賞を取れたら」と意気込んでいた。




2023/01/23
大相撲ニュース
貴景勝

千秋楽、大関・貴景勝が2020年11月場所以来、13場所ぶり3度目の優勝を果たした。
3敗同士となった東前頭13枚目・琴勝峰との相星決戦をすくい投げで制し、4場所連続平幕Vを阻止。
125年ぶりに1横綱1大関となり、横綱・照ノ富士も不在の中、出場力士最高位としての意地を示した。
春場所(3月12日初日・エディオンアリーナ大阪)では再び綱取りに挑む。


若隆景・若元春

千秋楽、史上3組目となる兄弟同時三役を務めた弟で関脇若隆景と、兄で新小結の若元春が千秋楽に勝ち、そろって9勝で場所を終えた。
来場所の新関脇が濃厚の若元春は「一日一日必死に取ってるんで。手応えとか考えてるひまがない。(番付も)あまり考えてないです」。
一方、若隆景は目指していた2桁には届かず、「力がついてる実感はありますけど、上を目指すうえでは力をつけていかなくてはいけない」と奮起していた。


霧馬山

千秋楽、小結の霧馬山が11勝をあげて、初の技能賞獲得に花を添えた。
東前頭5枚目・竜電との一番では立ち合いで左前みつを取った。
頭をつけるも膠着状態が続いたが機をみて巻き替えて寄り切り。
1分を超える相撲を制した。
息を整えて今場所を振り返り、「前に攻める相撲ができてよかった」と話した。
初の技能賞を受賞。
「初めてだしうれしいです」と充実した表情を浮かべた。
三賞は20年初場所の敢闘賞以来2度目。
八角理事長は「力をつけてますよね」と評価。
大関昇進への起点にもなり、来場所は足固めとなる。
同理事長は「隙を見せないでまわしをとったら勝負を付けるなどの相撲を取らないとダメ。もっと稽古しなければいい成績は残せない」とさらなる成長を促した。


阿武咲

千秋楽、幕内・阿武咲が関脇・豊昇龍に敗れ、勝てば受賞の条件付きだった敢闘賞を逃した。
低い立ち合いから押し込んでおいてのはたき込み。
勝ったかに思われたが、はたいた時に左手が豊昇龍のまげをつかんでいた。
「(まげに手が)入った感覚はありました。抜かなきゃと思ったけど抜けなくて…はたきにいった自分がダメでした。攻めきれなかった自分が悪いです」。
12日目を終えて単独首位に立つなど優勝争いを引っ張ったが、13日目から3連敗で10勝5敗。
「久しぶりに緊張やら普段味わえないような感情になりましたし、良い経験だった」と今場所を振り返り「またしっかり頑張るだけです」と潔く前を向いた。


琴勝峰

千秋楽、東前頭13枚目・琴勝峰は完敗で初の賜杯を逃した。
大関・貴景勝との優勝を懸けた大一番。
15日制定着後では初めて千秋楽相星決戦に挑むことになった平幕は、立ち合いで起こされると、左差しを許した。
直後に転がされた。土俵に座り込むと悔しそうに顔をしかめた。
立ち上がったときに埼玉栄高の3学年先輩でもある貴景勝に左腕をたたかれた。
ねぎらわれると小さくお辞儀した。
自身2度目の結びを「いつもやっていた取組とは雰囲気が違った。実力不足だなと感じた」。
千秋楽で平幕として初めて相星決戦に臨んだことについては「光栄なこと」と胸を張った。
幕内で自身最多の11勝を挙げた。
初めて敢闘賞も獲得。
「(受賞は)うれしい。今場所は体がよく動いていて、肩の力も抜けていた」と話した。
秀ノ山親方は「すり足などもう1回相撲の基礎運動を見直した。そこら辺が相撲の動きに繋がってる」と明かした。


朝乃山

千秋楽、元大関の西十両12枚目・朝乃山は14勝目をマークし、来場所の再入幕を決定的とした。
14日目に優勝を決めた朝乃山が、再入幕を引き寄せた。
長身2メートルの北青鵬との立ち合いは左上手を取って右差し。
最後は出し投げで崩すように投げ飛ばした。
6場所ぶりの十両復帰場所を終え「15日間相撲を取れたことが幸せで、感謝の気持ちでいっぱい。(十両Vは)一つの通過点」と充実感をにじませた。
同10枚目以下での14勝以上Vは、15日制が定着した1949年夏場所以降では過去7例で、残留は59年秋場所・宇田川の1例だけ。
番付は他力士の成績に左右されるが、今場所は幕内に休場、引退力士を含めて最低4枠が空く見込みで昇進は決定的だ。


八角理事長感謝

千秋楽、出場力士の番付最上位で臨んだ、大関貴景勝の優勝で幕を閉じた新年最初の場所。
15日中、12日で満員御礼の垂れ幕が下がり活況を取り戻した感のある初場所に、報道陣とのリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長も「いつも思うことだけど千秋楽を無事に迎えられて本当にホッとしています」と興行完走に安堵(あんど)の言葉を述べた。
コロナ禍前、最後の場所がちょうど3年前の初場所だった。観客制限など徐々に規制緩和し、今場所はマスク着用での声援も可能になった。
確実に以前の姿に進んでいるように思えるが、同理事長は「ファンの皆さんの後押しがあってこそで、私たちだけでは進められない。
たくさん(会場に)来ていただかなくては進めないことですから」と、あらためて相撲ファンへの感謝の念を伝えた。
その一方で「若くて元気のいい力士たちが本当に我慢している」と感染防止に徹している力士たちにも、ねぎらいの言葉を送った。




2023/01/22
大相撲ニュース
貴景勝

14日目、1度は自力優勝が消滅していた大関貴景勝が、20年11月場所以来、2年2カ月ぶり3度目の優勝に王手をかけた。
関脇豊昇龍をはたき込みで秒殺。
左足首を痛めて10日目を休場し、立ち合い変化も考えられる難敵を、迷いなく攻めて完勝した。
今場所後の横綱昇進の可能性は極めて低くなったが、かえって土俵に集中。
最終盤にして「心技体」が充実し、同じく3敗の琴勝峰との千秋楽相星決戦を見据える。


若元春、若隆景

14日目、若元春、若隆景の兄弟が今場所5回目の同日勝利で8勝6敗と勝ち越した。
若元春は玉鷲の当たりを食い止めて前に出ると相手の小手投げにも腕を抜いて対応し押し出し。
史上初となる兄弟同時で三役勝ち越しを決め「うれしいことだと思います。なんか気の利いたコメント出ないですけど(笑い)よかったと思います」と笑顔を見せた。
若隆景も下からの厳しい攻めで正代に快勝。
2人そろっての勝ち越しには「良かった」とホッとした様子だった。


霧馬山

大関候補に名乗りを上げた。
14日目、小結霧馬山が幕内阿武咲を突き落として10勝目(4敗)。
三役4場所目で初の2桁白星を挙げ、大関とりの起点を築いた。
取組後は「先場所は12日目に勝ち越してから3連敗。いい経験になった。明日(千秋楽)は自分の相撲を取って終わりたい」と残りの一番へ意気込んだ。


阿武咲

14日目、阿武咲は4敗に後退し、優勝争いから脱落した。立ち合いから勢いよく押していこうとしたが足が出ず、霧馬山の左突き落としにバッタリ。
「相手がずれた時に足が止まってしまいました」と振り返った。
12日目を終えて単独首位に立ったが、連敗で初優勝は夢と消えた。
意識しないつもりでもプレッシャーはあったようで「そのへんも含めて自分が弱かっただけです」と悔しさを押し殺すように言葉を紡いだ。


平戸海

14日目、平戸海が連敗を3で止めて2場所連続の勝ち越しを決めた。
「とりあえずほっとしています」と胸をなで下ろした。
右四つから先に左上手を奪い、琴恵光に上手を与えないように左から引きつけて寄り切った。
「相手の力が強くて頭をつけようとしたが、その隙もなかった。苦戦でした」と顔をゆがめながら勝ち名乗りを受けた。
2桁勝利には届かないが「千秋楽は気合の入った相撲を取りたい」と意気込んだ。


琴勝峰

14日目、「花のイチイチ組」と呼ばれる平成11年度生まれ。
同世代の豊昇龍、王鵬ら粒ぞろいの先陣を切る初優勝へ、琴勝峰が王手をかけた。
大栄翔の強烈な当たりを、琴勝峰はグッと踏み込み受け止めた。
まわしをつかむ。万全の体勢から寄り切った。
「立ち合いのことだけ考えて。本当によけいな力が抜けてる。(勝因は)そこだけだと思います」
千秋楽は埼玉栄高の先輩で、過去2戦2敗の大関貴景勝との一発勝負が組まれた。
最初の対戦では「いつも通りいこうと思ったんですけど、高ぶり過ぎたところがありました。ちょっと高ぶり過ぎた分、見られてはたかれました」と琴勝峰らしさを出すことができず沈んでいる。
対戦するのは12場所ぶり。
2年が過ぎた。
当時とは違う、成長した姿を見せる。


朝乃山

14日目、元大関で6場所ぶりに十両復帰した朝乃山が千代の国を寄り倒して13勝目。
1差で追っていた金峰山が敗れたため、千秋楽を待たず十両初優勝が決まった。
1月21日は2017年に死去した富山商時代の恩師である浦山英樹監督の命日。
「1つでも恩返しできたらと思って土俵に上がった」と天国に白星を届けた。
千秋楽も勝てば春場所での再入幕は濃厚。
処分中も支えてきた朝乃山富山後援会の青木仁理事長は「覚悟を持ってやっていた。かっこ悪くてもいいから勝ちたいと」と気迫が伝わった。


満員御礼 大入り12日間

14日目は21日、満員御礼となった。
観客上限は通常の約91%に当たる1日約9700人で、千秋楽の22日は既にチケット完売。
日本相撲協会関係者によると、15日間で大入りは12日間となり、想定以上の集客だったという。
今場所から新型コロナウイルス対策の観戦ルールが一部緩和され、マスク越しでの声援が可能になった。
両国国技館は、力士らを呼ぶファンの声で盛り上がっている。
八角理事長(元横綱北勝海)は「戻ってきた感じがある。それに応える、いい相撲内容だ。ありがたい」と感謝していた。




2023/01/21
大相撲ニュース
貴景勝

13日目、一人大関の貴景勝が3敗を守り、再びトップに並んだ。
“流血戦”の末、同学年のライバルで東前頭8枚目の阿武咲を押し出し、単独先頭の座から引きずり降ろした。
優勝争いのレベルを超えていた。
同学年で子供の頃からのライバル。
負けたくないという意地がぶつかり合った“鬼対決”だった。
貴景勝は作戦を練っていた。
立ち合いは頭で当たってすぐに左からのいなしで阿武咲の勢いをそぎ落とした。
その後は突っ張られて押されたが、右の強烈な張り手で再び勢いを止めた。
熱くなった阿武咲が右の張り手を返した時に右の脇が空いた。
その一瞬を貴景勝は逃さなかった。
中に入って一気に押し出した。


錦富士

13日目、東前頭4枚目・錦富士が、平幕・明生をすくい投げで下し、4勝目を挙げた。
連敗を「5」で止め、「長かったなという思いと、連日負けていましたけど、ちゃんと準備して臨んでいたので、こうやって一つでも多く勝つチャンスが来たんじゃないかなと思います」と、白星をかみ締めた。
さらにこの日は土俵入りの際に、地元団体から成る「十和田市地域農業再生協議会」から贈られた化粧まわしを使用。
今場所から着け始めたといい、「地元の方々協力して作ってくれた物です。十和田はにんにく、長いも、ネギ、ごぼうが日本一ということで、その中でも一番有名なにんにくの『にんにん』というキャラクターみたいです。少しでもPRにつながればと思い、いろんな方に尽力いただき、作れた物です」と、地元の宣伝も忘れなかった。


阿武咲

13日目、たまり席近くまで吹っ飛ばされた阿武咲は、思わず顔をしかめた。
勝てば初の賜杯がグッと近づく一番を落とし、貴景勝と琴勝峰に並ばれる形に。
同学年の小さい頃からのライバルとの大一番だっただけに「張られたときにちょっとむきになって、右が空振りになった」と熱くなり過ぎたことを認めた。
「冷静にいこうと思っていたが…。自分が弱かっただけ。シンプルに悔しい」と唇をかんだ。
幕内後半戦の藤島審判長は「張られてからだけだった。そこまでは攻めていた。阿武咲はちょっとがくっときたような気がする」と分析。
「ライバル、優勝争いという意味でも今日勝てば、というのがあったと思う。そこから切り替えられるか」と背中を押した。
終盤の重圧は「特にない」と阿武咲。
痛い黒星だが、トップに変わりはない。
「切り替えてまた一生懸命やるだけ」と必死に前を向いた。


琴勝峰

13日目、勝つか負けるかで今後の展開が大きく変わる阿炎との一番。
いつもは胸から当たって、まわしをさぐりにいく琴勝峰がもろ手で突いて出た。
相手の突っ張りを下からあてがいながら威力を半減させ、最後は右からいなし気味に突き落とした。
阿炎にすれば想定外の立ち合いだったに違いない。
不意を突かれその分、対応が後手に回った。
見方を変えればそれだけよく考えた琴勝峰の相撲だった。


朝乃山

13日目、西十両12枚目の朝乃山は、東十両5枚目の金峰山を突き落としで下し、12勝目を挙げた。
十両首位を並走する両者による大一番で、物言いが付く際どい勝負を勝ちきって1敗を守った。
14日目にも十両優勝の可能性が出てきた。
朝乃山は「周りのことは意識せず、自分との戦い」と先を見据えた。


春巡業4年ぶり実施へ

日本相撲協会は20日、大相撲春場所後の4月に実施する春巡業の日程を発表し、東海、関東地方などを中心に15日間の開催となった。
春巡業は2019年以来4年ぶりの実施。
新型コロナウイルス禍で中止が続いた巡業は、昨年8月の夏巡業から再開していた。




2023/01/20
大相撲ニュース
貴景勝

12日目、大関・貴景勝の今場所での綱取りが絶望的となった。
小結・霧馬山のすくい投げに屈して痛恨の3敗目。
突っ張ったが、前へ出られない。
空いた自身の右脇をすくわれて腹から落ちた。
取組後のリモート取材には応じず、国技館を後にした。


霧馬山

61年ぶりとなる4関脇4小結の中で、真っ先に勝ち越したのは、三役4場所目となる小結霧馬山だった。
大関貴景勝にすくい投げで勝ち、「真っすぐ自分の相撲を取る。その気持ちでやれた」と満足げに振り返った。


大栄翔

12日目、幕内・大栄翔が御嶽海を押し出して8勝目を挙げ、4場所ぶりの勝ち越しを決めた。
回転の良い突っ張りから相手の引きについていって押し出し。
気合の入った表情でまわしを一度たたき、4場所ぶりの勝ち越しをかみしめた。
「しっかり前に出ることを意識していた」と納得の内容だった。


阿武咲

12日目、平幕の阿武咲が2敗を守り、単独トップに立った。
迷いも、恐れも、今の阿武咲にはない。
この日の相手は2度の優勝経験を誇るベテラン玉鷲。
4連敗中と分が悪かったが、勢いに乗る26歳に、そんなことは関係なかった。
立ち合い、馬力のある玉鷲に対し、良い角度で当たって押し勝つ。
突き返されて土俵中央に戻されても前傾姿勢は全く崩れない。
次の瞬間、相手に引かせて、素早く反応。
足を送って一気に押し出した。
「我慢して下から攻められてよかったです。『下から、下から』。それしか考えていませんでした。変な緊張感もなく、のびのびやれています」。
快勝で2敗を守っても、その表情は引き締まったままである。


琴勝峰

12日目、琴勝峰が3敗を守って9勝目を挙げた。
右四つで錦木に攻め込まれたが、右へ回り込みながらのすくい投げで逆転勝ち。
狙っていたもろ差しにはならなかったが「自分から動いたので対応できた」と落ち着いていた。
首位と1差で13日目を迎える展開にも「先頭ではないので気にすることなくやっています」とプレッシャーは感じず、自然体で逆転優勝を狙っていく。


東龍

12日目、平戸海のもろ手突きの立ち合い。
東龍は予想していなかった。
ただ、頭の中は冷静だった。
背中越しに左上手を取る。
そして投げた。
35歳8カ月でのうれしい幕内初勝ち越し。
34歳11カ月という高齢新入幕記録を持つ小野錦が35歳6カ月で初勝ち越ししたのを上回る、昭和以降の新入幕力士の最高齢記録だった。


朝乃山

12日目、大関経験者で西十両12枚目の朝乃山が、東十両13枚目の湘南乃海を寄り切りで退けて11勝目を挙げた。
前日の11日目に初日から続いていた連勝が10でストップしたが、黒星を引きずることなく、白星を積み上げた。
十両優勝へ、残り3番。
「しっかり自分の相撲を取りきって、良い結果で終わりたいです」と誓った。




2023/01/19
大相撲ニュース
貴景勝

11日目、前日休場し、再出場の関脇・豊昇龍は、東前頭4枚目・錦富士を寄り切って7勝目を挙げた。
豊昇龍が執念で白星を引き寄せ、勝ち越しに王手をかけた。
左足首の捻挫で10日目を休場も、この日から再出場。
右に少し動きながら右上手を取ると、左前みつもつかんで引きつけた。
上手投げで相手の体勢を崩して寄り切った。
「まわしを取ることしか考えていなかった。しっかりこらえてよく集中できたと思う。勝って良かった」と安どした。
不戦敗の翌日に再出場して白星を挙げるのは、21年秋場所の剣翔以来だった。
八角理事長は「執念は立派」と、たたえた。
ただ、この日は取組前から左足を気にするそぶりを見せ、勝利後も足を引きずる場面があるなど、負傷の影響は色濃く残る。
それでも「最後までやる」と力強く宣言した。


豊昇龍

11日目、関脇・豊昇龍が執念で白星を引き寄せ、勝ち越しに王手をかけた。
東前頭4枚目・錦富士との立ち合いでは、右に少し動きながら右上手を取った。 左前みつをつかんで引きつけ、最後は上手投げで相手の体勢を崩して寄り切った。
「まわしを取ることしか考えていなかった。しっかりこらえてよく集中できたと思う」と振り返った。


琴ノ若

11日目、取組後の取材で琴ノ若は「思い切って行った」と3度口にした。
埼玉栄高の1学年上の先輩でもある大関の圧力に引かない強い気持ちがあった。
立ち合いで遅れた貴景勝の隙(すき)を見逃さず、しっかりと踏み込んだ。
強烈な押しをこらえて前に出続ける。
大関に張られても冷静で、中に入ってひっくり返した。


玉鷲

11日目、迫力満点だった。
38歳の玉鷲が激しい突き押しで32歳の錦木に勝利。
ベテラン同士の白熱の一番に館内は沸いた。
喉輪で先手を取り、腰の重い錦木を突き起こす。
粘られても攻め続けて前進すると、最後は相手が根負けしたかのように土俵を割った。
「自分の考えた通りの相撲」。納得の内容で勝ち越しを決めた。
愚直な押し相撲はもろさもはらむ。
6日目には、立ち合いで動いた若隆景に苦杯を喫した。
それでも「前に出る。はたかれてもいい」。
そんな潔さが玉鷲の魅力だ。

昨年9月の秋場所で2度目の優勝。
しかし、三役に復帰した11月の九州場所は、6勝9敗と星を伸ばせなかった。
年が変わって臨む今場所は「いい環境でできている」。
心機一転、本来の力強い取り口で白星を重ねている。
貴景勝が2敗に後退し、トップとは1差。
賜杯を抱くチャンスは膨らんでいる。
昨年の優勝で、周囲から「2度あることは3度ある」と期待されているという。
気力は充実。
経験も豊富な玉鷲が、終盤戦を盛り上げそうだ。


阿武咲

11日目、東前頭8枚目の阿武咲は東同13枚目の琴勝峰との2敗対決を制した。
立ち合いで右を差す形となったが、下がりながらの右すくい投げで裏返した。
突き押しが得意なだけに、思い通りの展開とはならなかったが、「しっかり落ち着いて取れた」とうなずいた。
琴勝峰は過去4勝1敗と合口は良かったものの、「ものすごく柔らかくて粘りのある力士」と警戒心を緩めず、白星につなげた。


「大相撲巡業」横浜アリーナで4年ぶり

開業間もない新横浜線で、4年ぶりとなる「大相撲巡業」を観に行きませんか。
「新横浜線(相鉄・東急直通線)」の開業(3月18日)から1カ月ほど後となる今年(2023年)4月22日(土)、新横浜駅近くの横浜アリーナでは大相撲の春巡業「横浜アリーナ場所」が予定されています。




2023/01/18
大相撲ニュース
貴景勝

10日目、一人大関の貴景勝が難敵を退け1敗を守った。
過去5勝5敗と五分の小結・明生に右差しを許したが、小手投げでねじ伏せた。
単独トップの座も堅持。
ただ、取組後のリモート取材には応じなかった。
八角理事長は「貴景勝は焦ってはいなかったですね。明生がまわしにこだわりすぎた」と分析。
懸命に一人大関の責任を果たす姿を「よくやっていると思いますよ」と、たたえた。


豊昇龍

豊昇龍が左足首を捻挫し10日目に休場した。
3敗目を喫した9日目の若元春戦で痛め、初場所の休場を要すると診断されたが、11日目から再出場する。
錦富士戦が組まれた。
豊昇龍は昨年3月の春場所で新小結に昇進。
それ以降は負け越しがなく、同11月の九州場所では11勝を挙げた。


若元春

10日目、新小結の若元春が3連勝。
うるさい翔猿を正面に置き、左を差してつかまえると一気に押し出し。
「落ち着いて取れた。圧力をかけながらじわじわ攻められた」と納得した。
1月17日は祖父の元小結若葉山の命日。
三役として初めて迎えた特別な日に、会心の白星を挙げた。
「毎日、自分ができる精いっぱいを心掛けている。自分の相撲を取り切るだけ」。
気負いは感じさせず、終盤戦をじっと見据えた。


玉鷲

10日目、玉鷲が大栄翔との激しい一番を制した。
同じ突き押し自慢の相手に「絶対に負けたくなかった」。
互いによく手を出し、いなされて土俵際まで後退しても、うまく体を開いて突き落とした。
7日目から白星を四つ並べて7勝。
勝ち越しを目前にしたベテランは「意識しないで、きょうみたいに盛り上げられたらいいと思う」と肩の力が抜けている。


阿武咲

10日目、目の覚めるような出足だった。
阿武咲は左を差して一気に寄る。
土俵際での錦富士の突き落としにも構わず前進。
「集中して取れた」。完勝だった。
錦富士とは青森・三本木農高で同学年。
阿武咲は高校を中退して一足先に角界入りした。
「小さい頃から知っているので、負けたくない気持ちはある」。
昨年7月の名古屋場所での初対戦に続き、手の内を知る相手を圧倒した。


琴勝峰

10日目、期待の若手の一人が土俵を盛り上げている。
23歳の前頭13枚目、琴勝峰が幕内で自身最速となる10日目で勝ち越しを決めた。
取り直しになった宇良との一番。
突っ張って前に出ると、懐に潜られ、右足を取られたが、こらえて最後はふり払うように突き落とした。
「何も考えず、気持ちだけでいこうと思った。肩の力は抜けていたので良かった」とくせ者の奇襲にも冷静に対応した。


朝乃山

10日目、元大関の十両十二枚目・朝乃山が十両四枚目・東白龍を押し倒しで下し、初日から10連勝を飾った。
圧倒的な実力を見せた朝乃山は幕内復帰へと近づき、ファンも「つええ」「10勝素晴らしい」と大盛り上がりの様子を見せていた。




2023/01/17
大相撲ニュース
貴景勝

9日目、大関・貴景勝が3日目からの7連勝で1敗を守り、単独トップに立った。
西前頭4枚目・佐田の海に鋭い出足で頭から当たった。
そのまま突っ張り、一気に前進した。
佐田の海に何もさせず、押し出した。
この日は1敗で並んでいた琴勝峰が2敗に後退し、単独トップに。
リモート取材には応じなかったが、八角理事長は「いい押しをしましたね」と、うなった。


若隆景

9日目、下からの攻めからタイミング良く引き、竜電をはたき込みで退けた。
「先に先に攻めようと思ったのが良かったと思います」。
100点満点の内容ではないだろうが、今場所初の連勝を決めた。


若元春

9日目、若元春はすくい投げで豊昇龍を破った。
福島市から駆け付けた両親が見つめる土俵で、若元春が存分に持ち味を発揮した。
関脇豊昇龍との三役同士の一番。
立ち合いが一度、合わなかったが、「逆に『待った』があったからこそ落ち着けた。ひと呼吸置いて自分の立ち合いができた」と、しっかり当たって右のど輪で相手をのけぞらせる。
果敢に先手を取り、ここで左を差せたことが勝因だ。
豊昇龍が局面を打開しようと小手に振ってくると、うまく体を寄せ、投げの打ち合いを、すくい投げで制した。


玉鷲

9日目、ベテランの前頭二枚目・玉鷲が前頭筆頭・翔猿を一気に押し出し、6勝目を挙げた。
敗れた翔猿が遠くへ吹き飛ぶほどの玉鷲のパワーに、解説の西岩親方も「40歳、大関目指せるんじゃないですか」と太鼓判を押した。


宇良

9日目、宇良が手品師のような動きを見せて、6勝目を挙げた。
幕内通算100勝目の節目となり、取組後は「そうなんですか? よく頑張っていると思います」と笑顔で自画自賛した。
錦富士と突き合い、頭を上げずに応戦すると、最後は引いてはたき込み。
よろめく相手には触れず、両手で手招きをするように、ぱたぱたと空中を何度もあおぎ腹ばいにした。
空気の力で相手を倒したようにも見える取組に館内も沸いた。
けがから復活した角界きっての人気力士も30歳になったが、「まだまだ伸びしろがある。イケイケな相撲を取れるように頑張ります」と誓った。


阿武咲

9日目、阿武咲が連敗を免れて2敗を守った。
勢いよく頭からぶつかり、一気の出足で北勝富士を圧倒。
理想の立ち合いに「とにかくしっかり当たり、圧力を伝える意識だった」と満足そうだった。
今場所は持ち前の馬力が光る。
「集中して取っている。残りも一番一番、取れればいい」と表情を引き締めた。


朝乃山

9日目、大関経験者で西十両12枚目の朝乃山が初日から負けなしの9連勝とした。
西十両8枚目の北の若を寄り切りで下した。
6日目以降単独トップを続け、十両優勝へひた走る。
「自分より上背があり、まわしを取られたらやっかいだと思ったので、しっかり踏み込んで前に前に攻めれた」と振り返った。
「15日間相撲を取れることへの感謝を忘れない」との気持ちを持ちながら土俵に上がり、新しい顔ぶれがひしめく十両でも大関経験者としての実力を見せつけている。
全勝または1敗での優勝なら十両1場所通過、来場所での幕内の可能性も十分ある。
この勢いのまま、いまだ手にしていない十両優勝へ白星を積み重ねる。




2023/01/16
大相撲ニュース
貴景勝

8日目、大関・貴景勝が6連勝を飾り、1敗を守った。
東前頭4枚目・錦富士との一番は激しい突っ張り合いに。
押し込んだが攻めきれず、相手の反撃を許した。
それでも最後は左に回り込んではたき込んだ。
7日目の翠富士戦に続き、取組後は口の周辺から出血。
顔を赤く染め、花道を下がった。
取組後のリモート取材には応じなかった。
八角理事長は「内容も引いてではなく、横からのいなしが効いていますよ。足が一歩出ている、立ち合いがいいから、流れがいい感じ。しぶとく勝つことを覚えてきた」と評価した。


若元春・若隆景

中日、新小結若元春と関脇若隆景が兄弟三役として今場所2度目の同時白星を挙げた。
最初だった6日目は若元春が不戦勝だったが、この日は兄の若元春が正代を寄り切って4勝4敗。
若隆景も翠富士を送り出して星を五分に戻した。
若隆景は「いつも通り下から攻めようと思っていた。集中して相撲を取っていきたい」と後半戦を見据えた。


豊昇龍

中日、豊昇龍は2敗を守った。
立ち合い、前に出てきた佐田の海をよく見て右へ変化し、よろめかせた。
ひと押しで送り倒し、「一日一番、大事に相撲を取りたい気持ち」と淡々と振り返った。
優勝争いの先頭を走る大関貴景勝と平幕琴勝峰を1差で追う後半戦。
叔父が元横綱朝青龍の23歳は「自分の相撲を取って最後まで頑張りたい」と誓った。


正代

8日目、立ち合いからの出足で見せ場を作った正代だが、新小結の若元春に体を入れ替えられ、最後は寄り切られた。
土俵に手をつくと、1場所での大関返り咲きがなくなったことを受け止めるように、息をはいた。
取組後の取材にも応じず、国技館を後にした。
大関に昇進した頃の勢いのある踏み込みは影を潜めた。
初日から連敗し、初白星を挙げた3日目の取組後は「(踏み込みに)ちょっとまだ不安が残るところ。(右)足が気になっていた」と首をかしげた。
「ここから内容もこだわっていけたら」と前を向いたが、その後も調子を取り戻せなかった。


霧馬山

8日目、前半戦を5勝3敗で折り返した霧馬山は「自分の相撲で前にと思った。勝てて良かった」と表情を緩めた。
阿炎の踏み込みが弱いとみるや、逆に相手の得意とするもろ手で先制攻撃。
相手を受け身にさせて一気に押し出した。
昨年春場所から5場所連続勝ち越し中。
大関・貴景勝らとの対戦も残しており、後半戦のキーマンは「一日一番、しっかりやります」と気合十分に話した。


錦富士

8日目、東前頭4枚目・錦富士は自身初の結びの一番で、大関・貴景勝にはたき込みで屈し、5敗目(3勝)を喫した。
満員御礼となった国技館の結びにふさわしい激闘を繰り広げたが、あと一歩及ばず、「結果として負けてしまったので悔しい」と唇をかんだ。


琴勝峰

8日目、東前頭13枚目・琴勝峰が1敗を死守した。
西同16枚目・千代丸との一番。
立ち合いからのもろ手はかわされたが、落ち着いて対処し、最後は押し出した。
「もろ手で来ると思ったので、先手で行こうと思った。うまくいったと思う」と振り返った。


朝乃山

8日目の15日、西十両12枚目の朝乃山は、東十両10枚目の豪ノ山を小手投げで仕留め、8連勝で無傷の勝ち越しを決めた。
単独首位をキープしたまま順調に折り返した朝乃山は「自分の中では通過点。また明日もある。切り替えて思い切っていきたい」と前だけを見据えた。




2023/01/15
大相撲ニュース
貴景勝

7日目、貴景勝が翠富士の挑戦を受けた結びは、互いに張り手を繰り出す激しい一番に。
右差しを許して寄られたところ、こん身の小手投げで裏返しにして退け、「満員御礼」の垂れ幕が下りた館内は大いに沸いた。
八角理事長は「熱くなったね。最後は強引だった」と内容は褒めなかったが、ただ一人出場する看板力士として責任を果たしている。


豊昇龍

7日目、連敗せず1敗をキープできるか、片や大関とりの足固めにするためにも3連敗を避けられるか。
この日の好一番だった1敗の平幕阿炎と2敗の関脇豊昇龍の一番は、足腰の良さを見せた豊昇龍に軍配が上がった。 阿炎の得意のもろ手突きからの攻めを、下からあてがいながら防ぐ豊昇龍。
阿炎の攻勢が続いたが、その阿炎が伸ばした右腕を手繰った豊昇龍が体を入れ替えた。
同時に左の上手を深い位置でとり、そのまま体を寄せ寄り切った。
豊昇龍は連敗を2で止め、一方の阿炎は連敗で優勝争いで先頭集団から後退した。
ここまで4勝1敗と過去の対戦成績の相性がそのまま表れるような一番に、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長は「豊昇龍がうまく(阿炎の右腕を)はね上げた。突っ張りも(阿炎の手を)あてがいながら、うまく回転させなかった」と対応力の高さをほめた。
阿炎の突っ張りに体が立ったが「やっぱり足腰がいい。(突っ張られて体が)弓なりになっているけど(しっかりと)あてがっていた」と身体能力の高さもあらためて評価していた。


正代

7日目、1場所での大関復帰を狙う関脇・正代が崖っぷちに立たされた。
西前頭2枚目・玉鷲にいいところなく突き出され、5敗目。
1場所での大関返り咲きには10勝が必要だが、前半戦で1つも落とせない状況に陥った。
八角理事長は「気持ちで負けていますよ」とメンタル面を指摘。
幕内後半戦の藤島審判長は「自信なさげですよね。本人しかわからないが、可能性がある限り頑張ってもらいたい。復帰とかじゃなくて、まずその日の一番に集中してほしい」とゲキを飛ばした。


大栄翔

7日目、よく伸びる腕に、大栄翔の好調ぶりがうかがえる。
鋭く当たって押し込み、素早い佐田の海が回り込もうとするのを許さない。
一気に土俵下へと吹っ飛ばし、「立ち合いから流れが良かった」と声を弾ませた。
3日目の貴景勝戦こそ、激しい攻防の末に土俵際で逆転を許したが、持ち味を存分に生かして6勝目。
「勝っていることで自信がつき、思い切り取れているのは間違いない」と手応えを感じている。


阿武咲

7日目、は前頭の阿武咲が平戸海を寄り切り、1敗を守った。
阿武咲の迫力が際立つ今場所だ。
生きのいい若手の平戸海を圧倒して、1敗を堅持。
一人大関・貴景勝としのぎを削った小結経験者が躍動している。
貴景勝と同じ押し相撲が身上。
平戸海との立ち合いは互角だったが、足は止まらなかった。
「前みつを取りたかった」という相手の動きを封じ、一気に寄り切った。
「しっかり押せたので良かった」。
勝ち負けにかかわらず、必ず取材に応じる律義な力士のいつもと変わらない口調に手応えがにじんだ。


隠岐の海

7日目、14日に現役引退を発表した元関脇隠岐の海改め君ケ浜親方が、9月30日に東京・両国国技館で自身の引退相撲を行うと発表した。
同日、さっそくSNSを開設。自身のツイッター(@sumokamen)で「八角部屋の元隠岐の海です。本日をもって18年の現役生活を引退する事となりました。全国のファンの皆様方には沢山のご声援、激励を賜りまして、本当に有難うございました。今後は親方として頑張ります。宜しくお願い致します」とファンに報告した。




2023/01/14
大相撲ニュース
貴景勝

6日目、一人大関の貴景勝が、先場所の優勝決定ともえ戦で敗れた東前頭3枚目・阿炎に雪辱を果たした。
低く立つと、左からおっつけ気味に攻めて体を入れ替え、最後は押し出した。
取組後のリモート取材には応じなかった。
ともえ戦に敗れた一番を含めると5連敗中だった“天敵”との取組を快勝した。
全勝が消え、1敗を守りトップにも並んだ。
八角理事長は「突っ張られてもうまく下からいなして、落ち着いていた」と評価していた。


高安

関脇高安が初場所6日目から休場した。
高安は4敗目を喫した5日目の琴ノ若戦で右膝を痛め、日本相撲協会に「右脛骨(けいこつ)近位端の骨挫傷で約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出。


正代

6日目、大関復帰を目指す関脇正代が幕内翔猿を押し出して2勝目(4敗)。
胸から当たって前へ出ると、逃げ回る相手に圧力をかけ続けて押し出した。
取組後は報道陣のオンライン取材に応じず、国技館を後にした。
昨年11月の九州場所はカド番で負け越して、大関から陥落。
1場所で返り咲くためには10勝が必要となる中、崖っぷちの手前で踏みとどまった。
土俵下で審判長を務めた佐渡ヶ嶽親方は「本来の相撲を取れていた。あの相撲を取っていれば、星は伸びる。これがきっかけになるかもしれない」と期待した。


大栄翔

6日目、大栄翔は小結霧馬山を押し出して1敗を守った。
「しっかり突きを当てられた。立ち合いからよかったと思う。前に出る意識があるんで、いい相撲だなと思います」と自画自賛。
大混戦の場所で2年前の初場所を制した経験は大きな武器。
「場所前もしっかり前に出る稽古をしてきた。そのままの相撲がとれている」と確かな自信を胸に残り9日間に臨む。


阿炎

6日目、阿炎は勝てば単独トップという結びの一番で、今年初黒星を喫した。
貴景勝に間合いを詰められ、持ち前の回転の速い突っ張りが不発のまま押し出された。
昨年九州場所で初優勝。
勢いに乗って今場所は初日から5連勝した。
平幕優勝した力士の翌場所の初日からの連勝としては、1933年(昭8)5月場所で当時小結、後の横綱男女ノ川の最長記録に並んでいた。
初日から6連勝で、90年ぶり更新とはならなかったが、依然トップ。
次は史上初の平幕での連続優勝を目指す。


翠富士

6日目、翠富士が粘りを発揮し、豊昇龍との物言いがついた一番を制した。
土俵際まで追い詰められ、左から突き落とし。
自身も土俵下に落ちる際どい勝負だっただけに「ドキドキした」が、軍配は変わらず、4勝目をつかんだ。
3場所続けて幕内上位で戦う。
同年代も多い三役以上の力士への対抗心は強く、「自分で引きずり落とすつもりで勝っていく」と鼻息を荒くした。


阿武咲

6日目、阿武咲は連敗を免れて5勝目。
碧山の重い突きをはね上げながら、引き技にも足を止めずに前へ。
ベテランに土をつけ、「圧力負けせず、下からいこうと思っていた」と威勢が良かった。
好内容が目立つ今場所。
「あしたもしっかり集中して相撲を取るだけ」と気合を入れた。


隠岐の海

引退する意向を固めたことが明らかになりました。
隠岐出身のベテラン力士が土俵を降りることになりました。
隠岐の海は、初場所6日目の13日に休場を発表。
TSKが関係者を取材したところ「限界を感じた」として引退を決意したことを、すでに複数の関係者に報告しているということです。
隠岐の海は、島根県隠岐の島町出身の37歳で、2005年に初土俵を踏み、2015年の春場所で自身最高の番付となる「関脇」に昇進しました。
身長189センチの恵まれた体格を生かした取り組みで、殊勲賞を1回、敢闘賞を4回受賞しています。
初土俵から18年…107場所に出場したベテラン力士が土俵を降りることになりました。




2023/01/13
大相撲ニュース
貴景勝

5日目、結びの大関・貴景勝と西前頭2枚目・玉鷲との一番は、3度の待ったによる立ち合い不成立があった。
なかなか呼吸が合わず、4度目でようやく立ち合い成立。
相撲は、貴景勝が電車道で押し出して1敗をキープした。
貴景勝、玉鷲ともに取組後のリモート取材には姿を見せなかった。
幕内後半戦の粂川審判長は「相撲(内容)はいいが、待った3回は良くない」と苦言。
取組後に両力士を呼んで口頭で注意したことも明かした。


豊昇龍

5日目、役力士でただ1人、無傷で優勝争いを引っ張っていた関脇豊昇龍に、今場所初黒星がついた。
初対戦から連敗も、その後は4連勝中だった平幕の大栄翔と対戦。
立ち合いで左から張って押し込んだが、残された後は押し込まれ、突き倒しで向正面の土俵下に吹っ飛ばされた。


正代

5日目、関脇正代が小結明生に押し出されて4敗目(1勝)。
本来は格下の相手に一方的に攻め立てられ、力なく土俵を割った。
取組後は報道陣のオンライン取材に応じず、帰路についた。
昨年11月の九州場所はカド番で6勝9敗と負け越し、大関の地位から陥落。
今場所で10勝すれば復帰できる中、序盤の5日間で早くも厳しい状況に追い込まれた。
土俵下で審判長を務めた粂川親方は覇気のない相撲内容に「正代は、ずっと同じことを言うんだけど…」と口にしかけてから「どうなんでしょう」と言葉をのみ込んだ。


大栄翔

5日目、大栄翔は三役以上で唯一、勝ちっぱなしだった豊昇龍に土をつけた。
立ち合いこそ押し込まれたが、押し返し、最後は突き倒し。
「押し込まれたけど、当たれていたし、そのまま落ち着いて、慌てずに最後まで攻められた」と胸を張った。
これで関脇4人全員を撃破。敗れた3日目の貴景勝戦を含め、好内容の取組が続く。2年前の初場所では優勝しており「あの時と同じように意識せずにやりたい」と冷静に話した。


御嶽海

5日目、東前頭2枚目・御嶽海は西小結・若元春に寄り切りで敗れ、3連敗となった。
鋭い立ち合いから一気に土俵際まで追い詰めるものの攻め切れず、反撃に遭って土俵を割り、2勝3敗と負けが先行した。
6日目の13日は、2勝3敗で並ぶ東前頭4枚目・錦富士と対戦する。
先場所は御嶽海が寄り切りで敗れている。


阿炎

5日目、先場所初優勝の阿炎が、勢いを止めない。
関脇若隆景を、立ち合いのもろ手突き一発でバランスを崩させ、そのまま休まず攻勢を続け、わずか1秒5の速攻相撲で突き出した。
破壊力ある阿炎の相撲に、報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長は「(もろ手突きは)タイミングが良かった。(小兵の若隆景は)的が小さいから阿炎も思いきっていけないだろうと思っていたが、思い切っていった」と阿炎の迷いのなさも評価した。
若隆景の胸中を察するように「肩に力が入りすぎた。阿炎の突きが強いだけに、早く突っ込まないと、と思って肩に力が入りすぎて柔らかさがなかった。仕方ないが」とも話した。


碧山

5日目、東前頭10枚目の碧山が昨年夏場所以来となる初日からの5連勝を飾った。
西前頭8枚目の王鵬との一番は突っ張り合いから、引いて呼び込む場面が何度かあったが、最後は体を右に開いての上手投げで決めた。
「粘って、粘って。よく我慢した」とする一方で、内容については「あまり良くはない」と反省も口にした。
序盤の5日間を振り返り、「悪くない」と手応え。
中盤戦に向けては「まだまだ分からないけど、一日一日ケガしないように」と気合を入れ直す。
この日から同部屋で1歳年下の西前頭11枚目の栃ノ心(春日野)が休場となり、「早く元気になってほしい」と思いやった。


琴勝峰

5日目、東前頭13枚目の琴勝峰が、関取としては自己最長に並ぶ、初日から5連勝を飾った。
寄り倒しで水戸龍を破り、阿炎、碧山と並び、3人となった無敗の一角に名を連ねた。
高校時代からライバルの関脇豊昇龍とともに、189センチの長身から将来を期待されながら、最近は4場所連続で負け越し。
年男の今年最初の場所で、うさぎ年らしく飛躍を予感させる序盤戦全勝通過を飾った。




2023/01/12
大相撲ニュース
貴景勝

4日目、大関・貴景勝は3勝目を挙げた。
まさに電車道。
低い立ち合いから突っ張って頭で当たる“貴景勝スペシャル”で元大関の御嶽海を圧倒した。
今場所は集中力が一段と研ぎ澄まされている。
2日目の翔猿との一番は前に倒れての黒星。
気にすることはない。
3日目の大栄翔は粘り強く突き落とした。
テレビ解説の錣山親方も言っていた。
カエルのようにピョコンと跳び上がる立ち合いを見せた時は調子がいい証拠。
優勝した場所もカエルの立ち合いが顕著だった。


豊昇龍

4日目、馬力自慢の玉鷲の当たりにも、豊昇龍はひるまなかった。
いなされ、土俵に手をつきかけても、ぐっとこらえる。
昨年は右足のけがに苦しんだが、今場所は下半身が崩れない。
すぐに向き直ると、まわしを探って反撃。
2本差してつかまえ、一気に寄った。
実力者との土つかず同士の一番を制し、「集中して自分の相撲を取り切れた」と自賛した。
八角理事長は「前につんのめっても足腰が良いから残れる」と評価した。


正代

4日目、1場所での大関復帰を目指す関脇・正代が早くも3敗目を喫した。
先場所覇者で東前頭3枚目・阿炎にのど輪混じりの突きに防戦一方。
なすすべなく突き出された。肩を落として花道を引きあげ、リモート取材には姿を現さなかった。
3日目は新小結・琴ノ若から新年初勝利を挙げた。
初日からの連敗も止め、「ここから上げていきたい」と巻き返しを誓っていたが、今場所3連勝中の阿炎に屈した。
藤島審判長は「今日勝つと大きかった。でもあと2回負けられるという気持ちで最後まで諦めずにやってほしい」と激励した。


大栄翔

4日目、大栄翔は若隆景に何もさせなかった。
もろ手で突いてから一気に押し込み、最後は喉輪でとどめ。
「立ち合いでしっかり当たれた。足も出ていい攻めだった」と満足そう。
大関貴景勝には惜敗したものの、関脇から3勝を挙げる好発進。
「まだ序盤だが調子がいいことに変わりはない。しっかり集中してやっていく」と気合を入れ直した。


御嶽海

4日目、東前頭2枚目・御嶽海は西大関・貴景勝に押し出しで敗れ、連敗を喫した。
厳しい攻めになすすべなく土俵を割り、2勝2敗の五分となった。


阿炎

4日目、昨年11月の九州場所で初賜杯を抱いた東前頭3枚目・阿炎が、今場所から関脇に転落した正代を突き出しで下し、無傷4連勝を飾った。初Vの波に乗る28歳は、「しっかりと自分の相撲が取れていると思います」と充実感を漂わせた。
先場所まで大関だった正代との立ち合いは、もろ手突きからの強烈な右のど輪で相手を起こした。
相手の左からのおっつけにも動じず、回転のいい突っ張りで攻め続け、力強く土俵外へと突き飛ばした。
元大関から完璧な内容で白星を挙げ、「集中して取れた一番だと思います」とうなずいた。


阿武咲

4日日、阿武咲が相撲巧者の遠藤を力強く押し出し、初日から4連勝を飾った。
「落ち着いてとれたと思います」と冷静に振り返る。
連勝にも「特に何も考えることはない。やることは変わらないんで、また明日に集中して頑張りたい」と言いつつ、「稽古もしっかりやってきたんで」と自信ものぞかせる。
同じ13年に初土俵の阿炎の優勝に刺激を受け、白星を積み重ねていく。


碧山

4日日、碧山は輝に攻め込まれながら、絶妙なタイミングで引き落とし、初日から4連勝を飾った。
「最後、何とか勝ててよかったです。体は動いていると思います」と手応え十分。
17年名古屋場所で13勝、19年春場所でも12勝と優勝争いも経験している。
観客が入り「何年間かこんな雰囲気なかったので、応援はうれしい。自分は相撲に集中してますけど」と力にしている。




2023/01/11
大相撲ニュース
貴景勝

3日目、一人大関の貴景勝が、連敗を阻止した。
過去15勝5敗の西前頭筆頭・大栄翔との一番は激しい突き合いに。
最後は土俵際へ追い込まれたが、右へ体を開いてかわし、突き落とした。
唇からは2日連続で出血。取組後のリモート取材には姿を見せなかった。
高いレベルでの優勝なら綱取りの可能性もある今場所。
連敗は許されない状況だったが、2勝目。
八角理事長は「だいぶ押されたが、よく引かずに我慢してやっていた」と振り返った。
幕内後半戦の佐渡ケ嶽審判長は「見応えのある一番だった。お互いにいい内容の相撲で、貴景勝は下から下から突き返しながら自分の間合いで相撲を取っていた。しっかり修正できていると思った」と評価していた。


若隆景

3日目、動きのいい翔猿をつかまえると、流れるような攻めで力の違いを見せつけた。
連敗を免れた若隆景は「しっかり一日一番という気持ちでやっている」と淡々。
自らに言い聞かせるようだった。
翔猿には先場所で敗れた。
今場所2日目には大関貴景勝を破った相手だが、「先に攻めることができた」と積極性が戻った。
右四つに組んで動きを止めると、上手出し投げで泳がせて、すかさず送り出し。土俵下の佐渡ケ嶽審判部長は「自分の形。慌てなかった」と評価した。


豊昇龍

3日目、豊昇龍の強烈な引きつけ。
大関から陥落したとはいえ、実力者であることに変わりはない御嶽海に、反撃の余地すら与えない。
一歩、また一歩と余裕すら感じさせる寄りで全勝を守った。
「しっかりと集中できてるんで。しっかり落ち着いてるんで。この気持ちで頑張ります」。
3連勝にも「気にしてないんで。一日一番、集中して頑張ります」。
相撲と同様に、コメントからも落ち着きが感じられた。


正代

3日目、1場所での大関復帰を目指す関脇・正代が3日目で新年初白星を挙げた。
新小結・琴ノ若にやや立ち遅れたが、左を差して出足を受け止めた。
体を入れ替えて押し出し、「いい内容ではなかったが、とりあえず初日が出て良かった」と胸をなで下ろした。
取組後に右足を気にする場面もあり、「足に体重をかける相撲を取ってしまったので、嫌な感じはした」と話しつつ、「大丈夫」と明かした。


御嶽海

3日目、東前頭2枚目の御嶽海は西関脇の豊昇龍に寄り切られ、3連勝はならず初黒星を喫した。
豊昇龍には通算3勝4敗。
4日目は結びで西大関の貴景勝と当たる。


玉鷲

3日目、関取最年長38歳の玉鷲が、関脇に復帰した高安を右喉輪中心に土俵際から攻め返して押し出し、初日から3連勝と星を伸ばした。
「体が勝手に動いた。凄く良かった」と満足感をのぞかせた。
これで高安戦の対戦成績を17勝17敗の五分に。
「聞けば長いけれど、やる方にとってはアッという間です」。
2人合わせて70歳対決を制し、意気揚々と両国国技館を引き揚げた。


阿炎

3日目、勢いだけでなく、安定感も出てきた。
先場所優勝の平幕・阿炎が1歳下の小結を攻め切り、序盤から星を伸ばしている。
立ち合いから明生に踏み込まれても、慌てなかった。
相手が手繰ってきたところを突いて前に出て、最後は押し出した。
土俵下の佐渡ケ嶽審判長は「出足は明生が良かったが、阿炎が腕も肘も伸びていた。先場所と変わらず、調子はいいんじゃないでしょうか」と評価した。


宇良

3日目、前頭七枚目・宇良と前頭八枚目・王鵬の一番で、宇良が秀逸な“時間差立ち合い”を披露。
駆け引きの巧みさに、ファンも「すげえ」「タイミングずらした」と驚く一幕があった。
立ち合い仕切り線に先に両手をついたのは王鵬。
一方、宇良はゆっくりと腰を下げると、右手、左手と順に手をついていく。
宇良はすぐにつっかけると思わせながら両手をついたまま動かず、王鵬はたまらずふわりと体を起こしてしまう。
すかさず相手の懐に潜り込んだ宇良は、一気の攻めを見せて押し出しを決め、2勝目となる勝ち星を挙げた。


阿武咲

3日目、阿武咲が初日から3連勝とした。
最初の相撲は押し込んでいった土俵際ではたき込まれて同体取り直しに。
「集中力を切らさずいけた」と次は最後までしっかり足を運んで妙義龍を押し出した。
「押そうという気持ちだけでやりました」。
自分の相撲を貫き、10勝を挙げた昨年初場所以来の3連勝スタート。
4日目以降へ「集中してやるだけ」と気を引き締めた。




2023/01/10
大相撲ニュース
貴景勝

2日目、一人大関の貴景勝に、早くも土がついた。
連日の満員御礼となった国技館の大歓声を、はいつくばった屈辱の土俵上で浴びた。
出場番付最高位の一人大関として結びを務める貴景勝と、くせ者・翔猿戦。立ち合いは右で張られると、出足が止まった。
相手の素早い動きに呼応するように前に出ると、最後は巧みなはたきを食ってバッタリと倒れ込んだ。
2日目に早くも土。
引き揚げる花道では口からの出血で唇が真っ赤に染まった。
この日はリモート取材には応じず、無言で帰路についた。
今場所は照ノ富士の休場で横綱不在。
重圧を背負う大関に対し、八角理事長は「我慢して我慢して我慢したけどね。(翔猿の)策にハマってしまった。切り替えるしかない」と激励した。


豊昇龍

2日目、関脇・豊昇龍は新小結・琴ノ若を下手投げで下し、三役以上でただ1人、連勝スタートを決めた。
獲物を狩るような鋭い目から、突き刺さるような立ち合い。
豊昇龍は首から背中、腰が1本の矢のようになって琴ノ若の胸に飛び込んだ。
一度は残されたが、攻め込んだ分だけ余裕があった。
最後は腰を使って体を回転させながら豪快な下手投げでなぎ倒した。


正代

2日目、関脇・正代が、いいところなく初日から2連敗となった。
10勝以上で大関に特例復帰できるが、西前頭筆頭・大栄翔に突き出された。
突き押し自慢の相手に上体を起こされると、防戦一方で土俵を割った。
取組後はリモート取材に応じなかった。
幕内後半戦の粂川審判長は「いいところがない。悪いときと同じ内容。腰が高い」と厳しかった。


翔猿

2日目、翔猿が高校の後輩の貴景勝を2場所連続で撃破した。
立ち合いで大関の突進をうまくかわしながら動き回って、最後はタイミング良くはたいた。
NHKのインタビューでは息を切らしながら「うれしい」と笑顔。
新小結だった九州では7勝8敗と悔しい結果に終わっただけに「ここから集中して頑張ります」と気合十分に話した。


御嶽海

2日目、東前頭2枚目・御嶽海は東関脇・若隆景を送り出しで破り、連勝を飾った。
立ち合いから一気に押し込むと、回り込む相手を逃さずに差した右から攻めて土俵の外に運んだ。
3日目の10日は、連勝同士の西関脇・豊昇龍と対戦する。
過去6場所の対戦成績は不戦敗を含めて御嶽海の1勝3敗となっている。


阿炎

2日目、阿炎はもろ手で突いて若元春を起こすと、相手が反撃に転じてきたところを体を開きながら突き落とし。
物言いこそついたが、「取り直しか、勝ちか、どっちかだと思っていた。しっかり前に出たからこそできた」と納得の表情を浮かべた。
先場所で初賜杯を抱いた。
周囲の期待の大きさも感じる中、「一番集中」を胸に刻み、動きが硬くなることはない。
土俵下の粂川審判長は「際どい相撲を拾っていくことで優勝できた。今場所も拾えるかが大切になる」とみた。


宇良

2日目、幕内・宇良が、同学年で学生相撲出身の北勝富士を破って今場所の初白星を挙げた。
立ち合い少し潜るようにして北勝富士のもろ手突きを外すと、下から押し上げて突っ張って一気の電車道。
押し相撲の相手に真っ向から押し勝った。
幕内でこれまで4度対戦して全て勝っていたが、いなしを交えた攻めがほとんど。
押しに徹して完勝したのは初めてだった。
会心の内容にも「たまたまです。うまくかみ合ってよかったです」とコメント。
潜るような立ち合いの選択が、相手のもろ手突きに対しては効果的だった。
「相撲ってじゃんけんみたいなものなので、じゃんけんに勝ったかなってぐらい。そんなものだと思います」。
業師らしく、ワードセンスも多彩。独特の表現で勝因を分析した。




2023/01/09
大相撲ニュース
貴景勝

有言実行≠ネるか。
初日、大関貴景勝が新小結若元春を押し出して白星スタート。
取組後は「集中してやろうと思いました」と冷静に振り返った。
今場所は125年ぶりに1横綱1大関となった上に、照ノ富士が昨年10月に両ヒザを手術した影響で休場。
出場力士の番付最上位として土俵に上がることになった。
重圧がかかる立場だが「それはあまり関係ない。自分は目の前の一番に集中してやるしかない」と言いきった。


若隆景

初日、関脇・若隆景が小結・明生を退け、4場所ぶりの白星スタートを切った。
立ち合いで右のおっつけから右の上手をとって休まず攻めて寄り切った。
取組後、「右の上手を流れの中で取ってから、先に攻めることができた」と納得顔だった。
125年ぶりの1横綱1大関。
大関の有力候補として期待がかかるが、「一日一番、しっかり相撲を取りたい」と目の前の戦いだけを見つめる。
兄・若元春が新小結に昇進し1992年春場所での関脇・貴花田、小結・若花田以来31年ぶりで史上4組目の兄弟三役に。
兄は結びで大関・貴景勝に敗れたが見せ場は作った。
若隆景は結び前で兄の前で白星。
だが「意識はない。一番に集中しようと思った」と淡々と話した。


豊昇龍

初日、関脇・豊昇龍が完璧な内容で白星発進とした。
立ち合い左で張って右を差すと一気に前に出て2秒足らずの速攻で翔猿を圧倒。
叔父・朝青龍ばりのスピード感あふれる相撲内容で力の違いを示した。
先場所は途中まで単独首位で優勝争いを引っ張るも最終盤に失速。
今年は初優勝、そして新大関への期待がかかる。
1年間の目標を問われると「口に出さないようにしています」と明かさず、内に秘めた闘志を燃やした。


正代

初日、10勝すれば大関に復帰できる関脇・正代は、東前頭2枚目・御嶽海に寄り切りで敗れた。
大関復帰を期す場所での黒星発進も、「初日なので、あまり意識しないように。初日が早い段階で出たらいいなと思っています」と前を向いた。
御嶽海との立ち合いで土俵際に押し込まれると、左からの押っつけで攻め返した。
それでも、最後は力無く土俵を割り、「(立ち合いで上体が)起きないようには意識していたんですけど。固くなりすぎました。何とか押し返しましたけど、最後まで押し切れなかったので、そこが課題かなと思います」と振り返った。


阿炎

初日、阿炎が厳しい攻めで新小結の琴ノ若を一蹴した。
立ち合いから主導権を握り、いなしから一気に突き出した。
体が軟らかい四つ相撲の相手に隙を与えず快勝。
「自分の相撲を取り切れた。組まないことを意識した」と和やかな表情を見せた。
九州場所優勝力士として優勝額贈呈式ではファンの拍手を受けた。
「素直にうれしい。いつも通り集中できた」と力強く話した。


満員御礼

初日、初場所は観客上限が通常の約91%に当たる1日約9700人で開催。
中入りでは東京場所で20年初場所千秋楽以来となる満員御礼の垂れ幕が下りた。
声援はマスク着用で認められ、土俵入りではしこ名を呼ぶ歓声が響いた。
黙食を前提に客席での食事が可能になり、飲酒制限も緩和。
八角理事長は初日恒例の協会あいさつで「飛躍の一年にすべく、相撲道にまい進する力士たちの努力を通じて皆さまに感動をお届けできることと存じます」とあいさつした。




2023/01/08
大相撲ニュース
豊昇龍

7日、初場所に向けて都内の部屋で稽古し、基礎運動など軽めの調整をこなした。
稽古だけでなく、年末年始も元日以外は部屋のジムでトレーニングを継続。
「しっかり自分のやることを考えているので。やる時はしっかりやって、今場所に向けて頑張りたい気持ち」と仕上がりに自信をのぞかせた。


琴ノ若

新小結琴ノ若は、父で部屋の師匠でもある佐渡ケ嶽親方と史上6組目の親子三役を実現させた。
初日に昨年九州場所を制した平幕阿炎と対戦する琴ノ若は電話取材に応じ、「番付にはまだ上がある。気持ちは常に上を向いている」と意欲をにじませた。
年末と年始めには母方の祖父で「猛牛」と呼ばれた先代師匠の元横綱琴桜(本名鎌谷紀雄氏)が眠る千葉・松戸市の「松戸霊苑」を訪れ、墓参りをした。
大関に昇進すれば「琴桜」のしこ名を襲名する約束を生前に交わしており、「喜んでくれていると思うが、『ここで喜んでいる場合じゃない』といわれると思う。まず師匠(関脇)に追いついてもう一つ、もう一つと上を目指していきたい」。


御嶽海

約3年ぶりに平幕に落ちた東前頭2枚目の御嶽海(木曽郡上松町出身)は、5場所ぶりの勝ち越しを目指す。
右肩の故障や新型コロナウイルス禍を受けた稽古不足に足を引っ張られてきた30歳の元大関は、勝ち星をつかみながら立て直しを図れるか、注目される。


阿炎

7日は本場所中の安全を祈願する土俵祭や優勝額の贈呈式があった。
贈呈式では、昨年9月の秋場所で37歳10カ月(当時)の幕内最年長優勝を果たした玉鷲と、11月の九州場所で初の賜杯を手にした阿炎に毎日新聞社から優勝額が贈られた。
阿炎は前頭9枚目だった九州場所で大関・貴景勝、高安と12勝3敗で並び、三つどもえの優勝決定戦を制した。
三役以上の力士との総当たりが見込まれる前頭3枚目で臨む初場所へ「挑む気持ちを忘れずに、チャレンジャーとして『一番集中』で取り組んでいきたい」と意気込んだ。




2023/01/07
大相撲ニュース
貴景勝

125年ぶりとなる1横綱1大関の場所で横綱が休場し、貴景勝が看板力士の責任を一身に負う。
初日に若元春、2日目は先場所敗れた翔猿と対戦。
佐渡ケ獄審判部長は「相撲がだいぶ良くなってきている」と復調を認め「今場所は一人大関だけど、大関の責任を果たしてほしい」と求めた。
貴景勝は先場所12勝3敗で優勝決定ともえ戦に進出。
場所後の横審では、今場所ハイレベルの優勝で綱取りの可能性も出てくる見解が示されたが、この日の佐渡ケ獄部長は「今のところ何とも言えない」と話すにとどめた。


朝乃山

6場所ぶりに関取に復帰した元大関で十両の朝乃山は、初日に貴健斗と初対戦が組まれた。
関取として大銀杏を結って土俵に上がるのは、出場停止処分前の21年夏場所以来。
14勝以上なら幕内復帰が見えてくる。
番付発表後には「15日間取れる喜びと感謝の気持ちを忘れずに、自分の相撲を取りきって番付を上げていきたい」と話していた。




2023/01/06
大相撲ニュース
照ノ富士

東横綱照ノ富士が6日、初場所の休場を決めた。
昨年10月に手術を受けた両膝の回復が万全ではないとみられる。
休場は3場所連続15度目を数え、昇進9場所目で4度目。
先場所に続く全休も確実で、またも横綱不在となった。


若隆景

史上4組目の兄弟三役となった関脇・若隆景、新小結・若元春が5日、東京都中央区の荒汐部屋で稽古後に取材に応じた。
十両・荒篤山を含めた3人の申し合いでは若隆景が若元春に7戦全勝するなど13勝1敗と順調な仕上がりを披露。
昨年春場所で初優勝した実力者は8場所連続勝ち越し中。
兄の出世も刺激になっているようで「2023年の目標として、もう一つ上へという気持ちがある」と大関昇進への意欲を語った。


若元春

史上4組目の兄弟三役となった関脇・若隆景、新小結・若元春が5日、東京都中央区の荒汐部屋で稽古後に取材に応じた。
若元春は思うように得意の左四つになれず7勝8敗。
「なかなか体が動かない」と苦笑いした。
昨年秋、九州と2場所連続で10勝を挙げ新三役を射止めた。
ともに横綱になった3代目若乃花、貴乃花の「若貴兄弟」以来となる兄弟三役の快挙にも「自分の番付を考えている余裕はあまりない。一日一日、集中して必死に取るだけ」と言葉に力を込めた。


コロナ関連休場者ゼロ

日本相撲協会は5日、大相撲初場所(8日初日・両国国技館)を新型コロナウイルス関連で休場する力士はいないと発表した。
昨年12月下旬のPCR検査で陽性判定を受けた力士もいたが、既に回復しているという。
昨年7月の名古屋場所では最終的に全体の3割近い174人の力士が休場し、取組が激減する異常事態が起きた。
次の秋場所からは療養期間が明けた翌日以降の出場を認め、所属部屋全体を全休とする従来の措置を緩和している。




2023/01/05
大相撲ニュース
貴景勝

大関貴景勝が4日、東京・常盤山部屋で稽古し、初場所に向けて順調な仕上がりを見せた。
平幕の隆の勝を相手にした三番稽古では10番取って8勝2敗で締め、「一番一番、考えながら違う相撲を取った」と本場所を想定して行った。
「ここまで来たら、力抜いてやるだけ」と気を引き締めた。
この日の相撲の狙いについて、貴景勝は「突き、押しだけで一気に持っていけたらいいですけど、上位だとそういう展開にならないこともあるので。一気に持っていく稽古も大事ですけど、そうならなかった時の対応とかも意識してやっています」と説明。
4日後から始まる初場所に向けて「最終段階に入っているので。番数は少ないですけど、一番一番しっかり考えて集中してやろうと思った」と口にした。

番付上で1横綱1大関となるのは、1898年(明31)春(1月)場所の横綱小錦、大関鳳凰以来の125年ぶり。
大関としての責任について問われると、「毎場所優勝目指してやっているんで、人数が減ったからって別に変わることはないです。やるべきことをやるだけかなと思います」ときっぱり。
「頭のどこかには必ず逆算してやってます」という初場所の初日に向けて、「気合入れてやるだけ」と誓った。


高安

8場所ぶりの三役復帰で初場所に臨む関脇高安が2日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で新年の稽古を開始した。
部屋の稽古が休みだった大みそかと元日は「ゆっくり、のんびりと家で家族と過ごしました」と話した高安だが、ずっと頭から離れないのが優勝への思い。
稽古再開のこの日は若い力士を相手にたっぷりと汗を流すと、「やっぱり悔いのない1年にしたいので。結果を出さなきゃいけない、必ず。優勝ですね。意識していかないと近づいてこない。何となくやっても結果は出ないので。新年を迎えて思うのは、1年って早いので。あっという間に1年たったなと思う。1日を大事にしないと」と言葉に力を込めた。


正代

元大関で関脇の正代が4日、今月8日初日の初場所に向けて東京・時津風部屋で稽古した。
すり足や四股といった基礎運動で汗を流した後、幕下の吉井との三番稽古を行った。
土俵際で粘れず敗れた際には「あ〜、もう!」と悔しそうに声を上げる場面もあったが、6勝2敗と終始圧倒した。
稽古後の取材には応じなかった。
正代は自身5度目のかど番となった昨年11月の九州場所で6勝9敗と負け越し、大関からの陥落が決まった。
大関陥落の翌場所となる初場所で10勝以上すれば、再び大関に特例復帰できる。




2023/01/04
大相撲ニュース
照ノ富士

初場所を控える中、横綱照ノ富士が着実に復帰ロードを進んでいる。
10月に両ヒザの手術を受けた影響で今場所も休場が濃厚だが、患部は順調に回復。
伊勢ヶ浜部屋専属トレーナーの篠原毅郁氏によると、ヒザにたまった水を抜く処置が不要となり、腫れも治まりつつあるという。
部屋ではまわしを締めて稽古場に姿を見せ、四股やテッポウなど基礎運動で汗を流すことも可能になった。
篠原氏は「(水を抜かなくなったのは)進歩ですね。回復は非常に順調」と前置きした上で「(初場所は)今の段階で相撲を取れていないと厳しいですよね。
トレーナー目線では、もうちょっと時間がかかるかなと。
ドクター(担当医)も『横綱は頑張り屋だから、抑えるべきところは抑えたい』と考えているようです」と現状を明かす。
また、横綱のヒザの状態については「骨棘(こつきょく)を取ったので(ヒザが)グラグラするような感覚を持っているんじゃないかなと。それはヒザの周りの筋肉を鍛えることによって固まっていく。時間とともに解決するでしょう」と説明した。
照ノ富士が目指すのは、あくまで綱の務めを果たすこと。
そのために本人も周囲も妥協する考えはない。
「絶対全勝優勝する、それぐらいのレベルにいかないといけませんし、横綱もそれがお客さまへの恩返しだと。ハンパな状態で出るわけにはいかないと思っていますよ。それに筋肉が付くのも治りも人より3倍早いですからね」(篠原氏)。
焦らず万全の状態に戻した上で本場所復帰を実現させるつもりだ。


貴景勝

大関貴景勝にとって、初場所は土俵人生の大きな節目になるかもしれない。
横綱審議委員会が「相当の成績で優勝」を条件に、場所後の横綱昇進について可能性を示唆したからだ。
綱とり初挑戦の2021年初場所では負け越しており、新春に夢を形にできるか。
現在26歳の貴景勝は19年春、初土俵から所要28場所で大関に。
年6場所制となった1958年以降6番目のスピード出世で、兵庫県出身の大関誕生は39年ぶりの快挙だった。
横綱昇進の条件は2場所連続優勝か、それに準じる成績とされる。
貴景勝は昨年11月の九州場所で賜杯こそ手にできなかったが、12勝3敗で優勝決定戦まで持ち込んだ。
前回の綱とりは初日から4連敗。
左足首も痛めて途中休場を余儀なくされ、かど番に転落した。
直近の貴景勝は首に古傷を抱えるも、3場所連続で2桁勝利を挙げている。
今回の2度目の挑戦で第74代横綱の誕生となれば、兵庫県出身では110年ぶりの偉業。
魚崎村(現神戸市東灘区)出身で1913(大正2)年に昇進した第23代、大木戸以来2人目となる。


若隆景

報知新聞社制定「令和4年(2022年)第65回報知年間最優秀力士賞」に関脇・若隆景が27日、初選出された。
都内で行われた選考委員会では、春場所の初優勝や初の年間最多勝(57勝)などが評価された。
関脇以下の受賞は1992年の貴花田(後の横綱・貴乃花)以来30年ぶり。
来年は大関昇進の期待がかかる。
初場所初日に表彰が行われ、スポーツ報知杯、賞金が贈呈される。
若隆景が、初受賞の吉報に声を弾ませた。
関脇以下では30年ぶり2人目。
大鵬、千代の富士ら歴代の受賞者を目にすると、「栃若時代からですか。昔から見てきたお相撲さんばかりでみんな横綱、大関。ここに名前を連ねるのは信じられない」と驚嘆。
次期大関の呼び声高い相撲巧者は「名誉ある賞をいただけたことは励みになりますし、この面々を見たら、上を目指さないといけないなという気持ちです」と決意を新たにした。


豊昇龍

九州場所で三役として初の2桁となる11勝を挙げ、初場所で大関とりの足固めを狙いにいく関脇豊昇龍が28日、東京・墨田区の立浪部屋で稽古を行い取材に応じた。
九州場所では12日目から3連敗で優勝争いから脱落したが、11日目まで1敗を守って場所を引っ張った。
あらためて優勝への思いを聞かれると「高まったねえ。えへへへ、できなかったけど。ちょっと自信になりましたね」と話し、周囲から大きな期待がかけられている大関とりについては「まあ、近づいたなと思ったっすけど、やっぱり気を抜いちゃいけない思いもあるので。しっかり頑張りたい」と気を引き締めていた。


高安

8場所ぶりの三役復帰で初場所に臨む関脇高安が2日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で新年の稽古を開始した。
部屋の稽古が休みだった大みそかと元日は「ゆっくり、のんびりと家で家族と過ごしました」と話した高安だが、ずっと頭から離れないのが優勝への思い。
稽古再開のこの日は若い力士を相手にたっぷりと汗を流すと、「やっぱり悔いのない1年にしたいので。結果を出さなきゃいけない、必ず。優勝ですね。意識していかないと近づいてこない。何となくやっても結果は出ないので。新年を迎えて思うのは、1年って早いので。あっという間に1年たったなと思う。1日を大事にしないと」と言葉に力を込めた。


正代

失地回復はなるか。
初場所で、関脇正代が大関復帰をかけた土俵に臨む。
5度目のカド番で臨んだ11月の九州場所は6勝9敗で負け越し。
大関在位13場所での陥落は歴代10位の短命記録≠ニなった。
ここから看板力士に返り咲くことは簡単ではない。
現行のカド番制度が定まったのは、1969年の7月場所から。
大関が2場所連続で負け越せば関脇へ転落し、直後の場所で10勝すれば特例で復帰できる。
約半世紀の間で、特例復帰を果たしたのは三重ノ海、貴ノ浪、武双山、栃東(2回)、栃ノ心、貴景勝の6人(7例)だけ。
直近では先場所の御嶽海が6勝9敗に終わり、大関復帰に失敗している。


明生

初場所で6場所ぶりに小結に復帰する明生が28日、都内の同部屋で15番の申し合い稽古を行った。
十両・天空海や幕下・上戸らを相手に11連勝を含む14勝1敗。
立ち合いの鋭い踏み込みから前に出て圧倒する相撲が目立った。
初場所へ向け、立ち合いと土俵際を特に意識して取り組んだ。
九州場所では初日から3連敗するなどここ数場所、序盤戦が「一番の課題」と自覚している。
「体の乗り方が難しいですね。そこを勝てるようになれば2桁(勝利)も見えてくると思います」。
勝ち越し、そして三役では自身初となる2桁勝利を目指していく。
4関脇4小結と群雄割拠の番付。
「関脇は経験しているので、その上を目指して」と大関を見据える。
弟弟子の豊昇龍が大関獲り足固めに挑む初場所。
「勝ち越しをまず一つの目標にコツコツいきたい」と大きな目標は明言しなかったが「混戦を突破できるように」と次期大関争いに名乗りを上げた。


阿炎

九州場所で三つ巴の決定戦を制して初優勝を果たした阿炎は、東前頭3枚目に番付を上げた。
「もう自分の中では次の場所に切り替えている」と優勝の喜びに浸ることなく初場所を見据えている。
今後は返り三役、そして大関へと期待がかかるが、「“一番集中”だけなので番付は気にしない」と気持ちはぶれない。
来年へ向け「師匠を番付だけではなく人としても超えていきたい」と、さらなる心身の成長を誓った。


逸ノ城

大相撲の東前頭7枚目の逸ノ城が、新型コロナウイルス対応ガイドラインに違反したことについて、謝罪した。
28日、所属する埼玉・湊部屋の朝稽古に参加し、「ファンの皆さんに申し訳ないです。これからしっかり考え直していきたいです」と反省の弁を口にした。
12月26日の日本相撲協会の臨時理事会で、逸ノ城は新型コロナウイルス感染防止策の一環として外出禁止となっていた一昨年11月、昨年8月に無断で2度外出したことが確認された。
これにより、年明けの初場所は出場停止。
だだし稽古に参加することについての規制はなく、現在は復帰する3月の春場所に向けて調整に励んでいる。
この日は幕下の諒兎馬と三段目の昂輝を相手に約20番相撲を取り、テッポウ柱に向かって黙々と突っ張りを繰り返すなど汗を流した。
若い衆に身ぶり手ぶりを交えながら教える姿もあり、師匠の湊親方と話し込む場面も見せた。
「腰の痛みが結構前からずっとあるんで、それを治しながら考えて稽古しています」と現在の状況を説明した。


王鵬

自己最高位の西前頭8枚目で迎える王鵬が29日、東京都江東区の大嶽部屋で稽古し「全ての場所で勝ち越せるように頑張る」と来年の抱負を語った。
22歳のホープは史上2位の優勝32度を誇る元横綱大鵬の孫。
先場所は2日目から9連勝し、幕内5場所目で初の2桁となる10勝を挙げた。
この日は弟の幕下夢道鵬と兄の三段目納谷を相手に19勝1敗と圧倒した。
先場所は初の三賞に届かず「途中からもらえる気になっていた。それでは駄目だ」と反省。
「見ている人は力が足りないと思ったはず。そう思わせないような相撲を取っていく」と貪欲に述べた。


二所ノ関部屋 初稽古

二所ノ関部屋が2日、茨城県阿見町の部屋で新年の初稽古を行った。
大みそかと元日は休み、この日から申し合いなどを再開。
今年は初場所の初日が8日に迫っていることもあり、師匠の二所ノ関親方は「初場所は正月休みを挟み変則日程だが、元日に(弟子には)初日が近いことを話した」という。
寒い時季で調整が難しい中、幕下・友風ら所属力士が熱い稽古で汗を流した。


親方謝罪と観戦ルール緩和へ

日本相撲協会は27日、東京・両国国技館で年寄総会を行った。
冒頭で伊勢ケ浜親方と湊親方が謝罪。
前日26日の臨時理事会で、伊勢ケ浜親方は弟子2人の暴力行為が発覚して理事を辞任、湊親方は弟子の前頭逸ノ城の新型コロナウイルス対応ガイドライン違反が発覚し、減給の懲戒処分を受けた。
ともに「今後はしっかりと弟子の指導にあたります」と頭を下げたという。
2月に暴力問題撲滅の研修会を実施予定。

また芝田山広報部長によると、初場所は「飲食は黙食で。声援はコロナ前に戻す方向で努力」と、観戦ルール緩和の方針を確認した。




2022/11/28
大相撲ニュース
貴景勝

昨年に続き、貴景勝は今年も賜杯を抱けなかった。
ともえ戦では、初優勝に王手をかけた阿炎の突き押しに防戦一方。
序盤の連敗から立て直した大関の意地も最後は実らなかった。
「貴景勝が一番悔しいね」と八角理事長が心情を推し量った。


豊昇龍

関脇豊昇龍は白星なら獲得という条件付きの技能賞を手にした。
霧馬山との取組、右上手を取って左を差すも、すぐには勝負を決められず。
上手投げは決まらず、相手の下手投げに耐えて寄り切った。
中盤戦では優勝争いで存在感を示したが、終盤戦での3連敗が響いた。


御嶽海

千秋楽、負け越しが決まった上松町出身で関脇の御嶽海は、前頭5枚目の錦富士と対戦し、寄り切りで敗れました。
立ち合いであたったあと、錦富士に上手を取られた御嶽海は引きつけられ、元気なく寄り切りで敗れました。
大関復帰をかけて臨んだ九州場所でしたが、御嶽海は3つ黒星が多い6勝9敗の成績で終えました。


高安

千秋楽、またしても、東前頭筆頭・高安から初賜杯が逃げていった。
ともえ戦で西前頭9枚目・阿炎が優勝を決めた瞬間を、土俵下の控えで見届けると、目を赤くしながら花道を下がった。
「稽古が足りないというふうに、つくづく思います。もう一回鍛えます」。
リモート取材でも、涙声のようだった。
様々な悔しさを味わった2022年。
高安は「本当に、実りある年で成長できたと思います。勉強になりました。前向きな相撲が取れました。変わらず、上を目指して頑張りたいです」と声を絞り出した。
来年こそ夢を手にする。


琴ノ若

千秋楽、幕内・琴ノ若が竜電を破って9勝目を挙げ、来場所の三役昇進を確実にした。
竜電に前ミツを引かれて頭をつけられる苦しい体勢から、左を巻き替えてもろ差しで胸を合わせて前に出て寄り切り。
「自分の形に持っていくまで我慢できたのがよかった」と振り返った。
幕内上位に定着したこの1年、7勝3敗からコロナ関連で途中休場した名古屋場所以外は安定感を見せて全て勝ち越した。
年間勝利数の55勝は、57勝で最多の若隆景に次ぐ成績。
「全部が全部よかったわけではないけど、いろいろ自分の中で成長になる1年だった」と飛躍の年を振り返った。


阿炎 幕内優勝

千秋楽、西前頭9枚目・阿炎が初優勝を決めた。
1994年春場所以来、28年ぶりの3人による優勝決定ともえ戦で、東前頭筆頭・高安、大関・貴景勝に連勝。
2020年に自身の不祥事により3場所出場停止など、どん底を味わった男が悲願の賜杯を手にした。
3場所連続平幕優勝は史上初。
6場所全て違う力士が優勝するのは、1958年の年6場所制以降で31年ぶり3度目。
関脇以下が年間5度制覇も年6場所制で初めてとなった。
阿炎が泣いた。
恩返しの初優勝だ。
28年ぶりの三つどもえの決定戦で高安、貴景勝に連勝し、一気に決着をつけた。
土俵下で行われた勝者のインタビュー。
館内の視線を独り占めしながら、感謝の言葉をつないだ。
不整脈などで休場中の師匠・錣山親方への思いもあふれた。
「本当に迷惑しかかけてこなかったので、少しでも喜んでくれたらいいです…」と目頭を押さえた。
自分をずっと信じ続けてくれたことへの感情が、涙としてあふれ出た。
本割で単独先頭の2敗・高安を引きずり下ろし、進んだ決定戦。
続けて高安を立ち合いのはたき込みで破った。
もう、恐れるものはない。
迎えた大関戦はもろ手突きで前へ、前へ。
足が流れかけながらも、死力を尽くして押し込んだ。
「うれしい。まだ何かウソのような感じで、たかぶってます」。
役力士がいるV決定戦を平幕が制したのは初だ。


照強

東前頭16枚目の照強が初日から無念の15連敗。
巨漢の逸ノ城に肩越しに上手を与え、投げに屈した。
皆勤した幕内力士としては1991年名古屋場所の板井以来31年ぶりの不名誉。
来年1月の初場所で再起を図れるか。


懸賞総数

大相撲九州場所は27日に千秋楽を迎え、懸賞総数は1262本に達した。
1日当たりの最多は千秋楽の137本。


十両優勝

十両の優勝争いは決定戦にもつれ込み、欧勝馬(25=鳴戸部屋)が大奄美(29=追手風部屋)を破って混戦を制した。
欧勝馬と大奄美の2人による決定戦となり、頭を下げての押し合いから土俵際に詰まった欧勝馬が相手の左腕を手繰ってうまく体を入れ替え、最後は右で極めるように抱えて押し出した。
勝てばその時点で優勝が決まる本割は「一番だけで決めたかったけど体が硬くなって。今日の一番だけ凄く緊張しました」と力を出し切れなかった。
それでも決定戦で本割の雪辱を果たし「凄くうれしいです」と喜びを表した。
学生横綱の実績を持って入門し、幕下15枚目格付け出しデビューから1年。
「幕下でも優勝、十両でも優勝できたので、もっと大きい目標を考えて上でも優勝できるように頑張りたい」。
早くも幕内優勝を視野に入れ、大きな夢を描いた。




2022/11/27
大相撲ニュース
貴景勝

14日目、一方的な攻めで王鵬を押し出し3敗対決を制した貴景勝は「しっかり準備することしか場所中はできないんで、それをやっただけ」といつもと同じ言葉で淡々と相撲を振り返った。
王鵬は埼玉栄高の後輩で入門後は同じ二所ノ関一門で一時は付け人も務めてくれたが、「勝負になったら関係ない」と無心で下した。
千秋楽まで優勝争いに加わり、大関としての責任を果たしたが「全体的なことは考えていない。千秋楽もしっかり準備するだけ」と今年最後の一番しか見ていない。


若隆景

14日目、若隆景が8勝目を挙げて年間57勝とし、初の最多勝のタイトルを単独で獲得することが確定した。
取組後のリモート取材では「明日の一番にしっかり集中して相撲を取っていきたい」と話した。


御嶽海

14日目、上松町出身の関脇・御嶽海は大関の正代と対戦しました。
ここまで6勝7敗と、負け越しまで後がなくなってから2連勝で踏みとどまっている御嶽海。
正代を土俵際まで追い詰めたものの攻めきれず、逆に押し返されて、押し出しで敗れました。
御嶽海はこれで6勝8敗となり、4場所連続の負け越しが決まりました。


高安

14日目、高安は右から当たって押し込んだが、輝もよく応戦し、危ない場面もあった。
最後は引いたところを出られて、土俵際でうまく回り込んではたき込んだ。
絶対に落とせない一番で硬くなったのも無理ないが、気持ちで残した感じだ。
千秋楽の相手は阿炎。
今年春場所も2敗でトップに並びながら千秋楽、阿炎に屈し、若隆景との決定戦で敗れた苦い経験もあり、嫌な思いが頭をよぎるだろう。
何度も目前で優勝を逃し、これほど悔しい思いをしている力士はいない。
目いっぱい当たると阿炎には変化もあるし、あまり見すぎると逆に一気に出られる。
慌てず自分の相撲を取り切ることだ。


阿炎

14日目、阿炎が3敗対決に生き残り、自力での逆転初V権利を手にした。
豊昇龍に左まわしを引かれかけたが、突き放してから右に動いて引き落とし。
過去4戦全敗だった相手から初白星を挙げ「考えてちょっと低く当たろうと。イメージ通りに当たれたので流れがよかった」と自賛した。
優勝争いは3度目。
「全然意識はしていない。自分の相撲を取れるように集中を高めて臨みたい」と本割で高安戦に勝ち決定戦に持ち込む。


照強

東前頭16枚目、照強が崖っぷちに立たされた。
14日目、東前頭3枚目の宇良に押し倒しで敗れ、今場所通算0勝14敗。
27日の千秋楽も敗れて全敗となれば、1991年名古屋場所の板井以来、31年ぶりとなり、不名誉な記録回避に向けて奮闘が期待される。


平戸海

14日目、平戸海が幕内2場所目で初の2桁白星を挙げた。
中盤まで優勝争いに加わっていた錦富士をもろ差しからの寄りで圧倒。
「考えていた通りの相撲。うれしいです」と顔をほころばせた。
ここに来て3連勝。
千秋楽には家族が応援に来るという。
「この3日間のような内容のいい相撲を取りたい」と意気込んだ。




2022/11/26
大相撲ニュース
貴景勝

13日目、大関貴景勝が2敗で先頭だった豊昇龍を下して3敗を守った。
立ち合いから突き押しで攻めるも簡単には崩せず。
一切引くことなく、圧力をかけ続けて押し出した。
「始まったら覚えていない」と無心で臨んだ一番。
14日目は優勝争いに加わっている埼玉栄高の後輩、王鵬と初対戦する。
「また準備して一生懸命やるだけ」と逆転優勝は諦めない。


正代

13日目、大関からの陥落が決まった一番は寂しい内容だった。
正代は玉鷲に喉輪で攻め立てられた。
右からのいなしが精いっぱいの抵抗。
すぐに押し出された。
表情を曇らせた正代は、取組後のリモート取材に応じなかった。
一昨年の11月場所で新大関となって在位13場所で、2桁白星はわずか2度。
途中休場を含む負け越しは6度で皆勤の2桁黒星も2度あり、通算94勝89敗10休はふがいない。
昇進した頃から10キロ近く体重が減った影響もあったのか、強く当たる立ち合いは影を潜めた。


若隆景

13日目、若隆景は錦富士を寄り切って7勝目を挙げて年間勝利数を56勝とし、初の年間最多勝が確定した。
あと1勝するか、豊昇龍と琴ノ若がともに1敗すれば単独での最多勝となる。
年6場所制となった1958年以降で関脇以下が年間最多勝となるのは60年の大鵬、92年の貴花田、2019年の朝乃山以来3年ぶり4度目。
取組後の取材には応じなかった。


御嶽海

13日目、西関脇・御嶽海は東前頭5枚目・北勝富士にはたき込みで勝った。
立ち合いに当たって左に動いた御嶽海は、すかさずはたいて2連勝し、6勝7敗とした。
14日目は結びの一番で、かど番で負け越しとなり大関陥落が決まった西大関・正代と対戦する。
過去6場所では御嶽海が3勝1敗とリードしている。


高安

13日目、高安は迷いなく立ち合い、右からかち上げ、突っ張って左差しで王鵬を組み止めた。
今場所、当たって攻め込んでから引く相撲もあったが、引くと付いてこられそうな相手だけに徹底して前に出て、上手投げのタイミングもよかった。
王鵬も敗れたとはいえ、若武者らしく真っ向から応戦したのはすがすがしかった。
豊昇龍が貴景勝に敗れ、高安が単独トップに立った。
残りがまだ3日も4日もあり雑念も入りやすい状況と違い、ゴールの近いあと2日での単独トップなら集中しやすいだろう。
14日目の輝は小細工などしない相手だけに思い切っていける。
何度も優勝争いに加わった経験が生きてきそうだ。


阿炎

13日目、阿炎は輝を圧倒し、3敗を堅持した。
立ち合いのもろ手突きで相手の上体を起こし、そのまま突き出し。
「集中して立ち合いでしっかり当たれた。2桁勝てたのはうれしいけど、まだ終わりじゃない。集中したい」。
14日目で、3敗対決の豊昇龍戦に全力を尽くす構え。
土俵下で見届けた伊勢ケ浜審判長は「このへんで勝つのは不思議じゃない。もともと三役の力がある」と、現在の地位なら星を伸ばすのは当然という受け止めだ。


平戸海

13日目、幕内2場所目の平戸海が遠藤を寄り切って9勝目を挙げた。
遠藤の突っ張りで土俵際まで追い込まれた平戸海が一瞬浅く二本差して逆襲に転じ、左四つの体勢でどんどん前に出て寄り切った。
左四つは遠藤が得意とする形。
それでも平戸海は「止まったら負けと思っていたので、四つに組んだ瞬間、前に出ました。馬力で勝つしかないと思って」と攻めを休めず、勢いで勝った。
前日に幕内で初の勝ち越しを決めたが「気が抜けたらダメなので2桁目指してやっています」と慢心はない。
1年前は新十両だった長崎県出身の22歳が、地元・九州の土俵で大きな成長を示した。




2022/11/25
大相撲ニュース
貴景勝

12日目、東大関・貴景勝が、西前頭5枚目・錦富士を押し出して9勝目。
3連勝で3敗を守り、賜杯レーストップを1差で追走する。
回転の良い突き、押しで、新入幕から2場所連続で10勝を挙げている若手成長株を退けた。
貴景勝は、立ち合いから強烈な突き押しで前に出た。2度、3度と圧力をかけて、最後は土俵下へと押し出した。
「今日も昨日の夜からしっかり準備して、相撲を取りました」と言葉少なに振り返った。


正代

12日目、5度目のかど番の正代は大関陥落に崖っぷちまで追い込まれた。
霧馬山に前みつを取られ、振りほどこうと右に回ったが、喉輪で起こされ寄り切られた。
残り3日間で役力士との対戦を残して7敗目。
11日目に難敵の若隆景を退けて5勝目を挙げた際は「攻めは良くなっている」と手応えを口にしていたが、1日で暗転。
取組後のリモート取材には応じなかった。


豊昇龍

12日目、関脇豊昇龍が幕内王鵬にはたき込まれて10勝2敗となった。
立ち合いから頭で当たったが、引いた相手に土俵際ではわされた。
取組後は取材に応じることなく、土俵下の佐渡ヶ嶽審判部長は「出足を使って一気に攻めようという相撲に見えた。特に同い年だから気負ってしまったのかなと。でも、見ごたえあるいい相撲だったんじゃないか」と語った。


御嶽海

12日目、大関復帰に失敗した西関脇の御嶽海は西前頭4枚目の佐田の海を押し出し、連敗を6で止めて5勝7敗とした。
御嶽海はかど番継続だった先場所11日目に、佐田の海に突き落としで敗れて8敗目を喫し、大関陥落が決まった。
今場所も負け越しが決まるか否かの終盤戦の土俵で顔を合わせた相手に対し、大関経験者の意地をにじませながら押し勝った。


高安

12日目、東前頭筆頭・高安が、西前頭6枚目・竜電を引き落として10勝目をあげた。
西関脇・豊昇龍が敗れたため、2敗の元大関は優勝争いのトップに並んだ。
立ち合い。得意のかちあげで相手を押し込むと、タイミング良く引き落とした。
2場所連続の2ケタ白星に「しっかりと厳しく攻められました」と胸を張った。
優勝争いの緊張感については「毎日変わらず、淡々と取り組むことができていると思います」と冷静に話した。
八角理事長も「流れが良いですね。一番、一番に集中している感じ」と落ち着いたたたずまいに目を細めた。
佐渡ケ嶽審判長は「落ち着いていたと思います。元大関として色々勉強もしてきたでしょうしね」と酸いも甘いも知る32歳に賛辞を送った。


阿炎・輝

12日目、平幕の阿炎と輝は3敗を守り、優勝争いに残った。
両者は13日目に対戦する。
阿炎は立ち合いで右へ大きく跳び、若隆景を上手投げ。
「ちゃんと集中できている。これを継続していきたい」と平常心を強調した。
輝は今場所初めて幕内上位に挑み、琴ノ若を押し出した。
7連勝と勢いに乗り「自分のペースで取れている。一日一番で頑張ればいい」と無欲な様子だった。


王鵬

12日目、失うものはなにもない。
挑戦する立場だからこそ、思い切りぶつかっていった。
王鵬は力強い踏み込みから豊昇龍にぶち当たり、やや押し込んだ。それが大きかった。
豊昇龍は低い体勢から押し返してきた。
だが、立ち合いで有利に運べたため、少し間ができた。
そして俵までも距離をつくることができた。
「引いてしまったけど、めちゃくちゃいい立ち合いができました」。
土俵際、はたき込みが決まった。
1敗と2敗の直接対決。
しかも同期生で、大鵬の孫と朝青龍のおいとあっては否が応でも注目が集まる。
「勝ちたい気持ちは誰に対してもあります。でも気合は自然と入りましたね」。
豊昇龍を自力で引きずり下ろし、2敗で肩を並べた。


平戸海

12日目、平戸海が幕内で初の勝ち越しを決めた。
北勝富士に攻め込まれたが、土俵際で突き落とし。
物言いも軍配通りに「負けたかなと思ったので勝ててよかった。ホッとしました」。
新入幕の先場所は千秋楽に負け越し。
地元の長崎・平戸から連日駆けつける応援団の後押しに「先場所は悔しい思いをしたので、取り返そうと頑張りました」と話した。


元立行司第36代木村庄之助 山崎さん死去

山崎敏広さん(やまざき・としひろ=大相撲の元立行司、第36代木村庄之助)23日午後11時1分、肺がんのため死去、74歳。
鹿児島県出身。葬儀・告別式は29日午前10時30分から東京都江戸川区船堀2の23の14、ふなぼり駅前ホールで。喪主は妻キミ子さん。
64年夏場所で井筒部屋から初土俵。
11年九州場所で行司の最高位、木村庄之助を襲名した。
13年夏場所の定年まで49年間、一度も休場がなかった。
達筆で知られ、番付表の書き手も長く務めた。




2022/11/24
大相撲ニュース
貴景勝

11日目、貴景勝が2場所続けて埼玉栄高の先輩、北勝富士を破って勝ち越しを決めた。
変化ではたき込んだ先場所と違い、頭から激しく当たる真っ向勝負で勝利。
まったく逆の取り口となったが、「今日は今日なので」と特に意識はしていなかった様子。
3敗を守り、首位豊昇龍を2差で追う。
「また明日頑張ります」と、いつもの言葉に決意を込めた。


正代

11日目、カド番の大関・正代が連敗を3で止めた。
関脇・若隆景との一番ではやや立ち遅れたが、左をのぞかせると右もねじ込んで寄り切った。
「ちょっと立ち遅れたのはあったんですけど、それが逆にいい角度で入れたのかなとは思います」と振り返った。
これで5勝6敗。
「その後の攻めも良かったので、あとは立ち合いが硬くなってるかなというところがあるので、そこは気になるところですね。負けが込んできているので、どうしても星の関係でだいぶ意識しているのかなというのはあります」と心境を明かした。


豊昇龍

11日目、豊昇龍が御嶽海との関脇対決を寄り切りで制し、1敗を守って単独首位に立った。
勢いの差がはっきり表れた。
関脇同士とはいえ、場所を引っ張る豊昇龍が、来場所の大関復帰という大きな目標を失った御嶽海を寄せ付けなかった。


御嶽海

11日目、大関復帰を果たせなかった西関脇の御嶽海は、西関脇の豊昇龍に寄り切られ、6連敗で4勝7敗と勝ち越しに後がなくなった。
豊昇龍には通算3勝3敗。
12日目の相手は西前頭4枚目の佐田の海。


高安

9月の秋場所千秋楽で1差を追って臨んだ玉鷲との直接対決に敗れ、優勝決定戦に持ち込めなかった高安は「何度でも挑戦する。整理はついている」と潔かった。
その誓いを果たすため、持ち前の力強い相撲を貫いている。
11日目、錦富士との2敗同士の対戦。
迷いはなかった。
かち上げから先手を取り、攻め手を緩めない。
必死に回り込む相手に対し、突き押しで前進。
もつれた土俵際で逆転は許さず、「とてもいい相撲。我慢してついていけた」。
手応えは十分だった。
八角理事長は「積極的。慌てるかと思ったが、土俵際で勝っているからこそ、冷静にいけた」と評価。
錦富士とは秋場所前に出稽古で手合わせしており、その時の感覚も勝負どころで生かされたのだろう。
王鵬とともに1差でトップの豊昇龍を追う。
3月の春場所でも優勝決定戦で若隆景に敗れた元大関にとって、あと一歩で届かない初賜杯。
「いい相撲を取れている」との実感がある中、一年納めの九州場所で念願を遂げられるか。
勝負のときを迎える。


阿炎

11日目、阿炎が2日目から9連勝と勢いに乗る王鵬に関脇経験者の貫禄を示した。
持ち味の激しい突きで何もさせず、突き出した。
右肘と左足首の手術を受けて先場所は全休しており、2場所ぶりの勝ち越しとなったが「結果としてはうれしいが、まだ終わっていないので」と淡々。
首位と2差の優勝争いにも「考えていない。明日の相撲に集中するだけ」と強調した。


王鵬

11日目、元横綱大鵬の孫で22歳の王鵬は完敗。
もろ手で立った阿炎の喉輪を交えた攻めに、なすすべなく土俵を割った。
関脇経験者に力の差を示され、トップ並走ならず。
リモート取材には現れなかった。


初場所1横綱1大関の可能性

11日目、関脇御嶽海の1場所での大関復帰が消滅し、大関正代は5勝6敗とかど番脱出に向けて苦境が続く。
来年1月の初場所は1横綱1大関という寂しい番付に陥る可能性がある。
現実になれば、1898年1月の春場所以来で125年ぶりの異常事態となる。
NHKでラジオ解説を務めた北の富士勝昭氏は、「そんな昔の話? それはなるべく避けてもらいたいね」と奮起を促していた。




2022/11/23
大相撲ニュース
貴景勝

10日目、大関貴景勝は霧馬山を退け、連敗を免れて3敗を守った


正代

10日目、カド番の大関・正代が痛恨の6敗目を喫した。
トップの1敗で好調を維持する関脇・豊昇龍に左差しを許して後退。
土俵際で逆転の突き落としを狙ってもつれたが、物言いはつかず。
寄り倒しで敗れて3連敗を喫し、これで6敗目となった。


豊昇龍

10日目、豊昇龍は、かど番の大関正代と勢いが違った。
一気の出足で寄り倒し。
土俵際は微妙も物言いはつかなかった。
「自分から攻めたい気持ちがあったのでよかった。(プレッシャーは)あるけど集中できている」と充実感をにじませる。
1敗で並ぶ王鵬は「気にしない」。
ただ優勝争いは「頑張ります」と力をこめた。


御嶽海

10日目、西関脇御嶽海は翠富士に寄り切られて4勝6敗となり、今場所後の大関復帰がなくなった。
1場所で大関に返り咲くには、10勝以上が必要だった。
御嶽海は今年1月の初場所後に大関に昇進。
初めてかど番で臨んだ7月の名古屋場所は2勝4敗で迎えた7日目から休場したが、新型コロナウイルス関連の特例措置によって地位は据え置かれた。
翌秋場所は4勝11敗に終わり、関脇に転落した。


高安

10日目、東前前頭筆頭高安が、小結翔猿をはたき込みで破り、勝ち越しを決めた。
強烈な右からのかち上げで攻めて翔猿を土俵際まで押し込み、前に出てきたところを冷静にはたき込んだ。
「しっかり立ち合い当たれて。その後の流れがよかった」と納得の一番。
2場所連続となる勝ち越しを決めて「次は2桁に向けてしっかり集中していきたい」と意気込んだ。
2敗を守り、1差の関脇豊昇龍と平幕の王鵬を追い掛ける。
今年は春場所と秋場所で優勝争いを経験。
32歳、大関経験者と経験豊富なだけに終盤5日間で崩れる訳にはいかない。
「いい九州場所になるように目指したい」と初賜杯を抱いて、納めの場所で笑う。


錦富士

10日目、錦富士が会心の内容を見せた。
幕内最重量の逸ノ城に立ち合いから低く当たって先手を取ると、そのまま一気に押し出して8勝目。
3場所連続となる勝ち越しを決めて「相手が重いので、体を起こしてから流れでいけました」と納得の表情を見せた。
大一番を控えるサッカー日本代表の相馬勇紀は友人。
「僕が(左肘を)手術するときにビデオメッセージをくれた」と勇気づけられたことを感謝している。
今回代表入りを決めた際には「テレビでしか応援できないけど頑張ってね」と激励のメッセージを送ったという。
「友人も出ているので注目しています。テレビで応援します」。
もちろん23日の日本−ドイツ戦はテレビ観戦の予定だ。
トップを1差で追って優勝争いに絡む。
「明日からは上位と組まれると思うので思い切りの良い相撲を見せたい」と意気込んだ。


王鵬

10日目、王鵬が勢いに乗っている。
立ち合い頭で当たって押していこうとしたが、碧山が左から張ってきたことで不本意ながら左を差してしまった。
しかし、右も絞ってもろ差しから力強く寄り切った。
本来は突き押しだが、四つでも取れるところを見せた。
2日目から9連勝。
幕内5場所目でようやく慣れてきたのだろう。
迷いがなく安定感も出てきた。
優勝争いのトップでこれからは当然上位にも当たる。
11日目は阿炎で、スピード負けせず下からどんどん攻められれば面白い。
優勝争いなど頭にはないだろうが、ノーマークは強み。
相撲界のサラブレッドぶりを見せつけてもらいたい。


平戸海

10日目、西前頭16枚目の平戸海が初の勝ち越しに王手をかけた。
琴勝峰に攻め込まれたが、土俵際で逆転の突き落としを決めた。
「当たり負けしないようにいこうと思ったけど、硬くなって中途半端になってしまった」と反省しつつ、「途中は覚えてないですけど、最後は落ち着いてとれたと思います」と振り返った。
新入幕の先場所は千秋楽に負け越した。
後ろがない幕じりだったが「番付運」に恵まれて幕内に残った。
地元の長崎・平戸からは連日のように応援団が駆けつけている。
「とりあえずあと1番、集中して頑張ります」。
場所後には長崎で巡業が開催される。
応援と期待に恩返しできるよう、気合を入れ直した。




2022/11/22
大相撲ニュース
貴景勝

9日目、貴景勝が新小結の翔猿に敗れ、3敗に後退した。
激しい突っ張り合いで相手の手数の多さに押され、引くような動きを見せたすきをつかれて押し出された。
優勝争いの先頭とは2差となり「勝てなきゃだめだと思う。それだけ。(相手の手数が多かったことは)負けているというのは、そういうことなので」と悔しそうだった。


正代

9日目、自身5度目のかど番の大関正代は小結大栄翔に押し出しで敗れ、5敗目を喫した。
立ち合いで相手に低く当たられて体を起こさられると、そのまま粘ることができず力なく土俵を割った。
今場所2度目の連敗で黒星先行。
取組後の取材には応じなかった。


豊昇龍

9日目、関脇豊昇龍が、西前頭4枚目の佐田の海を上手投げで下して8勝目を挙げた。
平幕の王鵬と2人で1敗を守った。
「最初から上手を狙っていたんで、狙い通りの相撲」と会心の内容だった。
これで勝ち越しを決め優勝争いでも先頭に立つが、本人は「気にしないで自分の相撲だけに集中して、1日一番でいきます」と精神を研ぎ澄ませている。


御嶽海

9日目、憧れ続け、ようやくつかんだ大関の地位にもう一度戻るため、絶対に必要なのは10個の白星。
御嶽海は9日目にして5敗目を喫し、早くも後がなくなった。
左四つ巧者の若元春に立ち合いの圧力で勝てず、前に出られない。
警戒していたはずの左差しを許すと防戦一方になり、土俵を割るしかなかった。
花道を下がる表情には覇気がなく、八角理事長(元横綱北勝海)は、「弱気を見せちゃ駄目。気持ちで負けている」と切り捨てた。


玉鷲

9日目、小結玉鷲が、57年ぶりの珍決まり手で2勝目をあげた。
潜り込もうとする東前頭3枚目宇良を、しつこく突き押しで攻めた。
長いリーチをいかし、右のど輪でつかまえ、左手は肩付近に当てながらひねり倒した。
アナウンスされた決まり手は「合掌ひねり」。幕内の土俵では65年九州場所9日目に、大心が前田川に決めて以来の大技だった。
しかし、オンライン取材で笑顔はなかった。
むしろ「いやー、あんまりしたらいけない技だなと思いました。やっぱり間違ったら違う方向にいっちゃうので」と振り返った。
首をつかみながらのひねり技となっただけに、宇良の心配をしていた。


翔猿

9日目、翔猿はしこ名の通り小兵で動き回るだけというイメージだったが、相撲に厚みを増し、前に出る圧力を間違いなくつけている。
貴景勝戦は立ち合いで右に変化して、後は真っ向から突き押しで攻めた。
動かれたことで貴景勝はよく見ていこうとしたが、思いのほか翔猿の圧力が強く、たまらず引いたところを翔猿が押し出した。
翔猿は準備運動後や三番稽古の前後など、1日3回もぶつかり稽古をこなしていると聞く。
1回だけでも苦しく嫌がる力士もいるが、瞬発力、持久力がつくのがぶつかりだけに、変身ぶりもうなずける。
新小結でここまで5勝4敗は上出来で、優勝戦線を思う存分かき回してほしい。


大栄翔

9日目、小結・大栄翔がカド番の大関・正代を押し出して4勝目を挙げた。
直近6戦5勝と合口の良い正代を相手に、突き放してから右おっつけで一方的に押し出して完勝。
「立ち合いが良かったのでその後の攻めも流れよくできた」と振り返った。
連敗を3で止めて4勝5敗に。
「連敗が止まったことは良いことなので、ここからは連勝できるようにしっかりやっていきたい」と巻き返しを誓った。


錦富士

9日目、錦富士が1敗の阿炎を突き落とし、2敗を守って優勝戦線に生き残った。
阿炎のもろ手突きをまともに受けて後退したが、右へ回り込みながら右から突き落とすと、支えを失ったように相手が崩れ落ちた。
「十両時代、阿炎関との対戦で相手にならなかったのでうれしい」。
入幕3場所目で、9日目まではいずれも7勝2敗。
最終的に過去2場所とも10勝5敗だっただけに、残り6日間に成長力が問われる。


王鵬

9日目、大横綱大鵬の孫、王鵬が自己最速での勝ち越しを決めた。
阿武咲の突き押しをこらえると、タイミング良くいなし、最後は送り出し。
「立ち合いでしっかり当たれている。それが結果になってうれしい」と喜んだ。
9月の先場所は終盤に5連敗して2場所連続の勝ち越しを逃した。
今場所は出稽古の成果を実感しており、「集中して相撲を取れていることが一番」。
白星が伴い、自信も深まってきたようだ。




2022/11/21
大相撲ニュース
貴景勝

8日目、若元春を突き出して6勝目を挙げた。
八角理事長は「貴景勝は立ち合いが良かった。押し込む流れができると、余裕が生まれる。」と語った。


正代

8日目、自身5度目のかど番の大関正代は、西前頭4枚目の佐田の海に上手出し投げで敗れて4敗目を喫した。
共に熊本出身という同郷対決。
立ち合いから胸から当たって前に出た正代はしっかり組み止めることができず、左上手を取った相手に出し投げをくらった。
中日を終えて星を五分に戻した。
取組後の取材には応じなかった。


豊昇龍

8日目、関脇豊昇龍は小結翔猿を上手投げで退け、7勝目を挙げた。
立ち合い左から張って翔猿を右四つで組み止めると、そこから豊昇龍が存分に土俵を動き回った。
まず左上手を引きつけながら外掛けを繰り出し、決まらないとみるや、間髪を入れず出し投げ。
相手の蹴返しは素早く足を引いてかわした。
差し手争いで後手に回り、外四つの苦しい体勢になってからが真骨頂だった。
伸びていた右の1枚まわしを深く取り直すと、遠心力を効かせて相手を引きずるように振り回す。
最後は自ら深くしゃがみ込みながら上手投げを決めた。
やや粗い取り口ながらも持ち前のバネを生かして豪快に白星をもぎ取り、本人も「動きは悪くないし、体も落ち着いているので、この調子で頑張りたい」と気を良くした様子である。


御嶽海

8日目、上松町出身の西関脇・御嶽海は、西前頭筆頭・琴ノ若に肩透かしで敗れ、3連敗で4勝4敗となった。
中日を五分の星で折り返すのは6勝9敗に終わった今年5月の夏場所以来。
9日目の21日は、東前頭4枚目・若元春と対戦する。


高安

8日目、好調な高安が霧馬山を退け1敗をキープした。
立ち合いから激しい攻防となった一番は、お互い右四つとなったところで、豪快なすくい投げで勝負をつけた。
「我慢して圧力をかけられました。(すくい投げは)流れでうまく決まって良かったです」。
3日目から6連勝と安定感抜群で、初賜杯のチャンスは十分にある。
「毎日やりがいがありますし、精いっぱい良い相撲を取って、九州場所を盛り上げたいです」とさらなる奮起を誓った。


琴ノ若

8日目、琴ノ若は御嶽海を破って5連勝。
しっかり当たった後、すぐに肩透かしで仕留め、「思い切って何でもやろうと踏み込んだ。その後は体が動いてくれた」。
元横綱琴桜を祖父に持ち、期待を集めてきた中、19日には25歳になった。
自己最高位の西前頭筆頭で臨んでいる今場所。
新三役昇進も視野に入るが、「上があるので、どんどん力を付けて上がっていければいい」と言い切った。


阿炎

8日目、一気の相撲で勝負を決めた阿炎。
堂々の取り口に「前に出られてよかった」と声が弾んだ。
もろ手で突いて前へ。
遠藤の上体を起こすと、ほとんど抵抗させずに土俵下へと追いやった。
「集中できていた」。会心の内容だった。
口癖のように「集中」と繰り返す。
突き押しが武器。
雑念を振り払って踏み込むためには、「言葉に出すことが大事。毎日使うようにしている」。
神経を研ぎ澄ませ、あっさりと決着をつけた攻めは理想の形だった。


千代大龍

20日、元小結の千代大龍が日本相撲協会に引退届を提出し受理された。
中日で潔く土俵を去った男は協会には残らず、焼き肉店開業を目指すという。


王鵬

8日目、平幕の王鵬が1敗を守った。
歴代2位の優勝32回を誇る元横綱・大鵬を祖父に持つ22歳の王鵬。
2日目から7連勝と勢いに乗って、混戦の場所を折り返した。
幕内最年少20歳で新入幕の熱海富士と、今後に期待がかかる若手同士の一番。
前傾姿勢の相手を突き起こしながら前に出て押し出し、「先輩」の貫禄を示した。




2022/11/20
大相撲ニュース
貴景勝

7日目、大関貴景勝は翠富士の奇襲にも慌てることなく対応し、5勝目を挙げた。
立ち合いで左に大きく跳んできた相手の動きについていき、もろはずで一気に押し出しと冷静さが光ったが、「しっかり準備してやりました」と淡々。
今場所も取組後のリモート取材では「一生懸命、明日の準備をするだけ」と繰り返してきたが、それを実践するような白星となった。


正代

地の利≠生かして巻き返す。
7日目、大関カド番の正代が幕内宇良をはたき込みで下し、4勝3敗と白星を先行させた。
取組後は「出足で押し込めたので、最後のはたきにつながった。立ち合いが良かった。続けていければ内容も良くなっていくと思うので、徹底していけたら」と手応えを口にした。


豊昇龍

7日目、豊昇龍は力強かった。
突いてから中に入ると、つり上げて若元春の体勢を崩し、左からの外掛けで仕留めた。
6勝目に「悪くない」と言葉少なに振り返ったが、八角理事長は「積極的に2本差し、(本人が)目指す相撲だろう。これを貫き通すことが大事」。
多彩な決まり手で星を並べてきた関脇に対し、正攻法の相撲を評価した。


御嶽海

7日目、、西関脇・御嶽海は西小結・霧馬山に寄り切りで敗れた。
低く当たった相手に前みつを許し、左を深く差されて上体が起きると何もできないまま土俵を割った。
2連敗で星は4勝3敗となった。
中日となる8日目の20日は、4勝3敗の西前頭筆頭・琴ノ若と対戦する。
先場所まで4連敗中と相性が悪い。


高安

7日目、高安はかち上げて主導権を握り、休まず攻めて右からの突き落とし。
安定感十分に大栄翔を破り、「立ち合いの当たりが良かったので、流れも良かった」と自賛した。
6勝目を挙げ、「とりあえず勝ち越しを目指したい」と率直に言った。
混戦模様の今場所。
元大関の初賜杯獲得はなるか。
八角理事長は「かち上げから圧力をかけることが大事。貫き通してほしい」と期待を寄せた。


琴ノ若

7日目、先場所の覇者に何もさせない。
抵抗すら許さなかった。
今場所初めて「満員御礼」の垂れ幕が下がった土俵で、平幕琴ノ若が玉鷲を破って3連敗後、4連勝で白星を1つ先行させた。
「前へ出る相撲がきっちりできた。目の前の一番をしっかりやるだけ。そのあとの結果だと思う」
立ち合ってすぐにもろ差しを果たし、寄りながら差し手を抜いて押し出した。
この日は25歳の誕生日で、幕内出場200回に花を添えた。
誕生日に相撲を取った新十両昇進以降では、これで3戦全勝だが、「あまり意識していないが、結果として出ていることはいいですね」と笑みを浮かべた。


錦富士

7日目、192センチ、179キロの巨体に対し、真っ向から攻め込んで寄り切った。
「落ち着いてできたと思います」。
メキメキと力をつけている錦富士が、先場所に続いて大関経験者の栃ノ心を撃破。
2敗を守った。


阿炎

7日目、西前頭9枚目・阿炎が、東前頭8枚目・宝富士を突き出して6勝目。
1敗を守り、初優勝に向けて賜杯レースの先頭をキープした。
立ち合いでもろ手で突き放すと、のど輪で相手を一気に土俵際まで押し込み、一方的に突き出した。
危なげない完勝で1敗を守り「しっかり集中して自分の相撲が取れた。一日一番集中しているからこそ、結果もついてきていると思っているので。これからも一日一番、勝敗考えずに続けていきたい」とうなずいた。


千代大龍

西前頭12枚目で大相撲九州場所に臨んでいた千代大龍が、19日の取組を最後に引退する決断をした。
20日にも引退届が提出される見込みで、8日目の輝戦は不戦敗となる。
親方となるために必要な関取在位数はクリアしているが、今後は相撲協会を離れ東京都内で飲食店開業を目指す。
いわば第2の人生を歩み始めるための前向きな決断だ。


王鵬

7日目、平幕・王鵬が十両・英乃海をはたき込んで1敗を守った。
自己記録を更新する2日目からの6連勝で、関脇・豊昇龍、平幕・高安、阿炎と4人が並び立っている。
2度あることは3度ある。
ここ2場所続く平幕優勝が3場所へ伸びてももう驚かない。王鵬が英乃海を退けて1敗を維持した。
「もっと前へ出て勝負したい。丁寧に自分のいいところを出して納得いく相撲を取ります」
初日から5連勝した先場所を更新する2日目からの6連勝。
大鵬に貴闘力。
祖父、父に続く3代優勝への機運も高まっているが、初優勝への意識を問う質問にも正面から応じず、「しっかりいい相撲を取ります」。
受け継いだ鋼の精神力を示すように、前を向いた。


満員御礼

今場所で初めて「満員御礼」の垂れ幕が下がった。
観客の上限に制限がない場所としては2020年初場所の千秋楽以来で観客数は定員6976人の約9割の6244人。
今場所最多で、コロナ禍前に「満員御礼」を出す基準だった8割を超える盛況だった。
新型コロナウイルス感染防止対策として会場内での食事や飲酒に制限がある中でも来場したファンへの感謝も込めたという。
八角理事長は「横綱が休場したにもかかわらず、ありがたい。(力士には)それに応えるいい相撲を取ってほしい」と語った。




2022/11/19
大相撲ニュース
貴景勝

6日目、貴景勝は宇良を押し出して4勝目。
八角理事長は「貴景勝は当たった後の攻めが良かった。押し相撲はいい相撲を取ると乗ってくる。」と語る。


正代

6日目、カド番の大関・正代が気迫の相撲で連敗を止め、3勝3敗と星を五分に戻した。
先場所敗れた西前頭3枚目・翠富士を押し倒した。
動きのいい相手に圧力をかけ続けた。
懐に入られて追い込まれる場面もあったが、右で振って体勢を崩し、土俵下まで吹っ飛ばした。


若隆景

6日目、1分を超えた大相撲を制した若隆景。
鼻血のためか顔面を真っ赤にしながら勝ち名乗りを受ける姿に「ここで負けるわけにはいかない」という意地が見て取れた。
今年の優勝者同士の対戦。
気力が上回ったのは名古屋場所を制した逸ノ城より、大きな目標がある春場所の覇者だった。
212キロの相手に80キロも軽い関脇が頭から当たった。
右を差してまわしを取ると相手に振られて足がもつれた。
しかし、下手まわしを命綱にして体勢を立て直すと頭をつけ、左からおっつけて逸ノ城の動きを止めた。


豊昇龍

6日目、大栄翔との一番。
豊昇龍の悪い癖で、安易な右からの張り差しでまわしを取ろうとした。
私の現役時代は横綱や大関が格下相手に使った技。
最近では若手も頻繁に使うようになったが、立ち合いの当たりが弱くなってしまう。
豊昇龍も大栄翔に土俵際まで押し込まれた。
左に動いて足腰の良さだけで白星を積み上げたが、紙一重の勝負だった。


霧馬山

6日目、霧馬山が先場所優勝の玉鷲を力強く突き出し、連敗を免れて4勝目を挙げた。
馬力自慢のベテランに対し、まわしは引けなかったものの、相手のお株を奪うように猛然と突き返す。
「よかった。落ち着いて前に出た」と納得の表情。
今場所は圧力が光る。
「下からきつく当たって勝っていかないといけない」。
そう臨んできた稽古の成果が表れているようだ。
先場所は小結に返り咲き、三役で初めて勝ち越した。
新関脇昇進に向け、今場所は2桁白星が明確な目標。
「どこまでできるか楽しみ」と、自身への期待は膨らむ。


高安

6日目、ともに大関経験者で、1敗同士の対戦は高安が御嶽海を危なげなく退けた。
かち上げて攻め込んだ後に右四つに組むと、左で上手をがっちり。
じわじわと圧力をかけて寄り切り、「まわしのいい所が取れたのでよかった」と納得の表情を浮かべた。
館内のファンも初賜杯の獲得を期待しているのか、取組後は大きな拍手を浴びた。
「それだけがやりがい。より一層、頑張りたい」。
32歳が鼻息を荒くしている。


阿炎

6日目、23歳の琴勝峰とは初顔合わせ。
若さを生かした馬力のある相手を、もろ手突きで上体を起こし、右に動いて土俵にはわせた。
阿炎は「自分の考えた相撲ができたので良かった。圧力をかけようと思っていたので、そのおかげで横の動きができた」。
1敗を守り、八角理事長も「元気がいい時に戻っている。度胸がある」と称賛した。


王鵬

6日目、22歳の平幕王鵬が照強を破り5勝1敗とした。
5連勝は幕内通算5場所目で自己最多タイ記録。
懐へ潜られたが、上から体重をかけて小手に巻いて投げ捨てた。
「慌てたら相手の思うつぼだと思った。結果を怖がらずに取れている」。
場所前は宮城野部屋や武隈部屋へ出稽古に赴いた。
所属する大嶽部屋を訪れた平幕阿武咲には「めちゃくちゃ吹っ飛ばされた」と苦笑いを浮かべたが、精力的な稽古の成果が出ているようだ。




2022/11/18
大相撲ニュース
貴景勝

5日目、貴景勝は右へ変わり気味に立って巨漢の逸ノ城を惑わせると、休まず攻めて押し出し。
昨年の名古屋場所での対戦で首を痛めた相手。
立ち合いについて問われて「覚えていない」ととぼけたが、3連敗中の難敵だけに、なりふり構わずに白星を狙った形だ。
連敗を2で止めたものの、大関の表情は晴れない。
「6日目に向けて一生懸命準備したい」と言葉に力を込めた。


正代

5日目、大関正代が幕内明生に寄り切られて3敗目(2勝)。
突き放され、もろ差しを許すと一気に攻め込まれて土俵下に落ちた。
取組後は取材に応じることなく、土俵下の藤島審判長は「当たりは悪くなかったんですけどね。最後もなんとか残そうとしていたんだけど…」と振り返った。


若隆景

5日目、大関昇進の足固めが懸かる関脇若隆景は宇良を押し出し、序盤は3勝2敗とした。
相手の引き技に土俵際で腹ばいになり、物言いがついたものの、出足を止めずに前へ出て「先に先に攻められた」。
4日目の黒星から「気持ちを切り替えてやれた」。
年間最多勝争いのトップに立ち、これで52勝目。
大関貴景勝が残りを全部勝ってもこの数字に届かず、横綱、大関陣からの年間最多勝獲得はならないことが決まった。


豊昇龍

5日目、関脇・豊昇龍が10年ぶりの珍手で1敗を守った。
過去5戦全敗と苦手にしていた西前頭3枚目・翠富士をかわず掛けで下した。
幕内では2012年春場所5日目に隆の山が決めて以来となった。


御嶽海

5日目、関脇・御嶽海が新小結の翔猿を突き落として4勝目(1敗)。
大関復帰に向け好スタートを切った。
5月の夏場所で右肩を痛めた影響で心技体のバランスが崩れていたが、場所前の稽古で不安を解消。
しかも肩だけではなく、尻まわりも絶好調≠セという。
御嶽海が翔猿をじっくり攻め、突き落として4勝目を挙げた。
取組後は取材に応じることなく帰路に就いたが、土俵下の藤島審判長は「よく我慢した。絶体絶命の体勢だったけど。先場所よりも(体の)状態がいいんでしょう」とうなずいた。


高安

5日目、高安は立ち合い、右から体当たり気味に当たって玉鷲に圧力負けせず逆に押し勝ち、左が入ってからの攻めも早く一方的に寄り切った。
今場所は圧力がモロに伝わる体当たりの立ち合いがしっくりいっているようで、その後の流れがいい。
場所前に右足親指を痛めたそうで、どの程度のけがかはわからないが、下がれば負担になるので攻めなければ、という気持ちが相撲に表れているのかもしれない。
大関から落ちた後も常に一生懸命で、ひたむきな姿勢が伝わっている。
先場所は千秋楽で玉鷲に敗れ、またもあと一歩で優勝を逸した。
期待しているファンのためにもこの流れを大事にしてほしい。


明生

5日目、平幕明生が大関正代を寄り切り、連日の殊勲の星を挙げた。
前日には大関貴景勝を破り2大関を撃破。
「左を差されたので先に動こうと思った。止まったらきついので」。
振りほどいて突き放し、もろ差しを果たした。
3連敗後に2連勝。
場所前、同じ立浪部屋の関脇豊昇龍との三番稽古(同じ相手と何度も取る)は、土俵際でも力を抜かない激しいものだった。
「体の動きは悪くない。攻める気持ちをもってやっている」と納得の表情をみせた。


錦富士

5日目、日本相撲協会の八角理事長が序盤、4勝1敗の好成績を挙げている西前頭5枚目・錦富士を絶賛した。
5日目は東5枚目・北勝富士をタイミングよくはたいて白星を積み上げた。
184センチ、148キロの均整の取れた体。
八角理事長は「力を付けている。力強さが出ている。稽古をやっているなという体つきですよ。いい方、いい方に行ってもらいたい。こういう元気のいい力士は横綱、大関を目指してほしい。青森出身? どおりで粘り強いと思った」と大きな期待を寄せていた。


熱海富士

5日目、新入幕の熱海富士が3日目から3連勝。
輝に押し込まれたが逆転のはたき込みで勝利も「引いてしまったのでダメ」と満足の内容ではなかった。
3日連続で鼻血を出しながらの白星。
昔から鼻血が出やすい体質のようで、この日は取組前から出血しており鼻に詰め物を入れて土俵に上がった。
「よく分からない。なんで鼻血出るんだろう。何もしなくても出てしまう」と困惑した様子だったが、“血気盛ん”な20歳が調子を上げてきた。




2022/11/17
大相撲ニュース
貴景勝

4日目、貴景勝は立ち合ってすぐに引き、東前頭2枚目・明生に寄り切られた。
痛い連敗。引いたのが良くないか、と問われ「そうですね」と言葉少な。
「もう明日頑張るしかないので頑張ります」と絞り出した。


正代

4日目、自身5度目のかど番の大関正代が、西前頭2枚目の逸ノ城に寄り切りで敗れ2敗目を喫した。
立ち合いで圧力をかけられず後手に回ったことを敗因に挙げ「上手が引けるか、もしくは中に入れてたらもう少し内容は違った。また一から集中して連敗しないようにできたらと思います」と振り返った。


玉鷲

4日目、小結・玉鷲が38歳の誕生日を白星で飾った。
小結・大栄翔との激しい相撲を押し出しで制して初日を出した。
1969年の九州場所以来、53年ぶりに4日目で全勝力士が消える珍事が起こった一年納めの土俵。
先場所、37歳10か月で昭和以降最年長優勝を果たした“鉄人”が、諦めずにトップを追いかけていく。


高安

4日目、平幕高安が関脇豊昇龍に土をつけ、3勝目。
立ち合いの強烈な体当たりで相手の腰を浮かせ、はたき込んだ。
「いい当たりができた。これからも前向きに自分の考えた相撲が取れれば…」。
早くも全勝力士がいなくなり、序盤から元大関の存在感をアピールする。
今年はここまでの5場所で全て優勝者が異なり、今場所も違う力士が制すれば、年6場所制となった昭和33年以降では3度目となる。
悲願の初優勝へ向け、風が吹く。


明生

4日目、東前頭2枚目の明生が、大関貴景勝を寄り切りで破って初日を出した。
立ち合いから鋭く当たって先手を取り、嫌がった貴景勝の引きにも動じなかった。
右を差して頭を付けて前に出て、土俵外に運んだ。
今場所初白星に「ホッとしました。思いっきりいこうという気持ちで、しっかり踏み込めた」と納得の内容だった。
ご当地場所で初日からまさかの3連敗。
この日対戦した貴景勝には今年1月の初場所以来白星が遠かったが「あんまりそういうのは考えなかった。しっかり稽古をしてやることをやっていればと思ってやっていました」と揺るがない。
“銀星(平幕が大関に勝つ)”を弾みにして「1日1番しっかり土俵に上がっていきたい」とここから巻き返す。


逸ノ城

4日目、平幕・逸ノ城は結びで、カド番大関・正代を寄り切りで下し、2勝目を挙げた。
立ち合いは右を差して踏み込み、得意の右四つ。
「今日はじっくり自分の相撲が取れたのでよかったです」。
左上手もガッチリ引いて勝負あり。
自慢の怪力でカド番大関を土俵外へと運んだ。
7月の名古屋場所以来、今年2度目の賜杯へ。
「しっかり自分の相撲に自信を持って、やることをやっていきたいです」と、闘志を燃やした。


若元春

4日目、若元春は勢いよく3勝目。
もろ手突きで先手を取り、両まわしをがっちり引いて佐田の海を寄り切った。
「踏み込まれることが多い相手。よく攻められた」と自賛する内容だった。
新入幕から3場所連続で勝ち越したが、上位初挑戦だった名古屋場所は負け越し。
その時と同じ東前頭4枚目の今場所。
「ここまで地道に番付を上げている。できることをやるだけ」と足元を見詰めて臨んでいる。


錦富士

4日目、相撲巧者を寄せ付けなかった。
錦富士が初顔合わせの遠藤を退けて3勝目。
新入幕から2場所連続で10勝を挙げている新星が、ベテランを圧倒した。
遠藤の取り口を、錦富士は「お手本のような力士で参考にしてきた」。
ずっと憧れてきただけに、相手の得意な形はしっかりと頭に入っていた。
「上手を先に引かせない」。
頭から当たり、激しい突き押しでまわしを遠ざけるように攻め、土俵の外へ追いやった。


熱海富士

4日目、幕内最年少20歳の新入幕・熱海富士が粘りの相撲で37歳のベテラン・隠岐の海を破った。
初日から2連敗後、白星を並べて勢いが出てきた。
17歳上の相手に押し込められても土俵を割らなかった。
体勢を立て直して低い姿勢から攻め立て、土俵外へ追いやった。
前日に続いて鼻血を出しながら白星をつかみ、「あまり深く考えずにいった。落ち着いていたと思う」とうなずいた。




2022/11/16
大相撲ニュース
貴景勝

3日目、立ち合いから大関経験者の気迫に押されたか。
強烈なかち上げで上体を起こされると、突き放され、最後ははたかれて土俵に突っ伏した。
高安の流れるような攻めに、何もさせてもらえなかった。


正代

3日目、5度目のカド番を迎えている大関・正代が難敵を退けて連勝を飾り、2勝1敗と白星を先行させた。
過去5戦全敗だった西前頭筆頭・琴ノ若を立ち合いから圧倒して押し出した。
苦手からの勝利で勢いに乗り、熊本県出身でご当所となる九州の土俵を盛り上げる。
“異例”の早さで正代が立ち直った。
過去5戦全敗の琴ノ若戦。
立ち合いで猛然と体をぶつけると左をのぞかせる。
たまらず引いた相手を攻め続け、最後は気迫で押し出した。
「立ち合いの角度もよかった。休まずに攻められた」。
自身5度目のカド番で迎えた今場所は初日黒星。
だが2日目に流れを変えると、この日は苦手な相手をはね返し白星を先行させた。


若隆景

3日目、大関昇進への足固めの場所に臨んでいる関脇若隆景が連勝で白星を先行させた。
明生に対し右を差しながら圧力をかけ、回り込んだ明生が引くところを逃さず、最後は左の前まわしを引きつけながら向正面に寄り切った。
報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長は「力強さがあった。(明生の出足を)ガチッと受け止めて圧力があるから右を差し勝っている」と話した。
前日は「今後は圧倒するような相撲に期待したい。強い相撲で勝つことが大事で『強いな』というイメージを残してほしい」と話していたが、その期待に応えるかのような若隆景の相撲に「こういう勝ち方をどんどん積み重ねていってほしい。まわしを取ったら前に出るという、こういう相撲をね」と期待した。


豊昇龍

3日目、動きの良さも、相撲勘もさえ渡った。
関脇豊昇龍が巨漢の逸ノ城を手玉に取って快勝。
三役昇進後では初めて、初日から3連勝とし、「集中して取れてよかった」と力強く言った。
立ち合いで左上手を狙ったが、取れないとみるや、いったん距離をつくってから右を差す。
投げをこらえ、左では前まわしも引いて懐に入った。
70キロ以上重い相手を一気に寄り切る。
流れるような動きに、土俵下の佐渡ケ嶽審判部長は「迷いがない」と評価した。


御嶽海

3日目、10勝すれば大関に復帰できる関脇・御嶽海は、小結・大栄翔に引き落としで敗れ、3日目にして土がついた。
この日は取組後、報道陣のリモート取材には応じなかった。
大栄翔との立ち合いは持ち前の馬力で押し込むも決めきれず。
土俵際から相手の強烈な突きに押し返され、最後はタイミングよく引き落とされてバッタリと土俵をはった。
八角理事長は「立ち合いの当たりは良かったけど、大栄翔が辛抱強かった。御嶽海は馬力がないから頭を下げて前に行こうとしたところを引かれた。これまでも負けた次の日にガタガタとなるケースがあった。明日(4日目)が大事」とした。


翔猿

3日目、新小結の翔猿が狙い通りに3連勝。
先場所優勝の玉鷲に対し、やや右に動いて足取りを試みた後、中に入って一気に寄り切った。
前回の対戦では突き押しで圧倒されており、「一発で持っていかれないように、下から攻めようと思った」と納得の表情を浮かべた。
先場所では照ノ富士や御嶽海を破って10勝。
自信を深めながらも、慢心はない。
「思い切っていくだけ。変わらず、集中していく」と誓った。


高安

3日目、高安は右からかち上げた後、突き押しで前進。
タイミング良くはたいて、大関貴景勝を腹ばいにさせた。
「相手を起こせたので、自分の流れで相撲を取れた」と満足そうに振り返った。
初日に若隆景に勝った後には、右足を気にするそぶりを見せた。
2日目は元気なく敗れたが、「問題ない」ときっぱり。
気迫十分の相撲を取り戻し、ファンを安心させた。


阿炎

3日目、平幕阿炎が栃ノ心を破って3連勝。
立ち合いはもろ手突きで相手の上体を起こし、タイミングよく引き落とした。
「前へ出られた。集中して取れている」。
小結で8勝を挙げた7月の名古屋場所後に痛めていた右肘と左足首を手術。
9月の秋場所は全休した。
けがの不安も解消し、「土俵で精いっぱい相撲を取りたい」。
初日から3連勝は1月の初場所以来。
このときは優勝次点の12勝を挙げており、一年納めの土俵も熱くする。


熱海富士

3日目、新入幕の西前頭15枚目熱海富士が、東十両2枚目の美ノ海を押し出しで下して幕内初白星を挙げた。
鼻血を出すほどの激しい一番を制した。
立ち合いから積極的に前に出る。
先に前みつを許す厳しい展開になっても、決して慌てない。
中学時代に毎食4合の米と1リットルの牛乳を飲んで作り上げた大きな体を生かし体を密着させて圧力をかけ強気な攻めで押し出した。
3日目で記念すべき幕内初白星。
「本当に勝ててよかったというのが一番大きいです。(狙っていた)右が入らなかったけど、落ち着いていけました」。
初めての懸賞金を受け取り感慨が一層高まった。


平戸海

3日目、平戸海は相撲巧者の照強を寄り倒し、初日から3連勝を飾った。
「止めたら勝てると思ったんで、立ち合いだけ。先場所みたいに足を取られないように落ち着いていけました」。
照強が得意とする足取りを警戒。
狙い通りに白星を重ねた。
新入幕の先場所に続く3連勝も「考えすぎないようにと思っている」と慎重な姿勢。




2022/11/15
大相撲ニュース
貴景勝

2日目の取組が行われ、今場所番付筆頭の大関・貴景勝は前頭筆頭・琴ノ若を下し、6場所ぶりの連勝発進を飾った。
今年はここまでの5場所で全て優勝者が異なり、今場所も横綱・照ノ富士不在の“戦国場所”。
3場所続けて黒星発進だった貴景勝だが、初日は小結・大栄翔をを危なげなく押し出しで破り白星発進。
2日目も琴ノ若を押し出しで下し、6場所ぶりとなる無傷の2連勝。
今場所番付筆頭としての意地を見せた。


正代

2日目は、かど番の大関正代が高安を寄り切り、初白星をマークした。
ご当地力士の結びの一番を見守った場内もホッとしたのだろう。
5度目のかど番を迎えている正代が2日目に初白星を飾ると、その体を温かい拍手が包み込んだ。
5連勝中と合口の良い高安が相手。
「相手もいろいろと考えてくるからやりづらさもあった」と不安を抱えていたが、ふたを開ければ大関相撲だった。
頭から当たった高安の圧力を胸で受けてやや押し込まれたが、左を差して勢いを止め、右からいなして自分の流れに持ち込んだ。
右を巻き替えて得意の形に持ち込み、難なく寄り切った。


若隆景

2日目、若隆景が自身初の年間最多勝に向けて初日を出した。
霧馬山の突き押しに引かず、頭を押さえられて引かれても落ちなかった。
右を差し、頭を相手の右肩付近に着けて低い姿勢をキープ。
左上手も取って力強く寄り切った。
「下からいこうと思っていた。いい相撲だったと思う」と短い言葉ながら充実の表情だった。


豊昇龍

2日目、豊昇龍は先場所優勝したモンゴルの先輩を引っ掛けで下して2連勝とした。
土俵際に追い詰められても慌てず、突きにきた相手の左を手繰って体を開くと玉鷲の右足が土俵外に出た。
「しっかり当たれた。集中してやれたし勝ててよかった」と納得の様子。
初場所から5場所連続で勝ち越し中だが、初日からの連勝スタートは今年初めて。
万全の仕上がりを見せる関脇の勢いは止まりそうにない。


御嶽海

2日目、大関復帰を目指す西関脇の御嶽海は、西前頭2枚目の逸ノ城を押し出し、2連勝とした。
逸ノ城には通算16勝7敗。
3日目の相手は西小結の大栄翔。


翔猿

2日目、新小結の翔猿が2連勝とした。
押し合いからうまくいなし、明生が前に出てくるところを俵の上で右足一本残ってはたき込み。
物言いがつく際どい相撲で白星をつかみ「残っていたのかなとは思ったけど、物言いがついたら怖いですね」と胸をなで下ろした。
初日は押して前に出る相撲で正代を破っており、この日は持ち前の軽快さを発揮。
押してよし、動いてよしの今場所の内容に「体は動いている」と手応えを得た。


錦富士

2日目、平幕・錦富士が竜電を突き出して初日から2連勝。
史上2人目となる、新入幕から3場所連続の2桁勝利へ好発進した。
三役経験のある竜電を突き出した。
立ち合いから突っ張り、一度いなして泳いだところを我慢強く突いた。
錦富士は本来左四つの四つ相撲。
自身より3センチ長身でリーチもある相手に突き勝つ、26歳の急成長を表す勝ち名乗りだった。
「手の長い相手に前へ出られてよかった。浮かれずに明日に臨みたい」。
土俵下で見守った藤島審判長は「圧力負けしなかった。力をつけているという印象」とその成長ぶりを証言した。


阿炎

2日目、西前頭9枚目・阿炎が“地元パワー”で連勝発進を決めた。
同10枚目・千代翔馬を押し出した。
毎年11月14日は故郷、埼玉県民の日。
越谷市出身の阿炎にとって相性のいい日で、関取で臨んだときは5戦全勝となった。
関脇経験のある実力者が“記念星”でさらに勢いづいていく。




2日目、東前頭15枚目の輝は同16枚目の照強を落ち着いて押し出し、初日から2連勝とした。
3場所ぶりの幕内で好発進し「調子はいい。これを続けたい」と意気込んだ。
輝はうるさい照強の動きをよく見ながら攻め、力強く押し出した。
初日の東龍戦に続き、前に出る相撲が光った。
10月の出稽古期間には春日野部屋で精力的に番数を重ね「他の部屋の関取衆としっかり稽古できた」と自信をのぞかせた。


枝川審判委員が復帰

初日の13日を休場していた枝川審判委員(元幕内蒼樹山)が同場所2日目の14日に復帰し、幕内前半戦などの勝負審判を務めた。
場所前に新型コロナウイルスに感染し、療養期間を終えたという。




2022/11/14
大相撲ニュース
照ノ富士

13日、日本相撲協会が、初日から休場している横綱照ノ富士の「両変形性膝関節症により11月30日までの休場を要する見込み」との診断書を公表した。
照ノ富士は9月の秋場所を古傷の両膝の負傷により途中休場。
10月中旬に両膝の内視鏡手術を受けた。
取組編成会議が行われた11日には、師匠の伊勢ケ浜親方が「膝がやはり使えない。四股が踏めない状態」などと休場理由について説明していた。


貴景勝

横綱不在の中、貴景勝がまずは大関の貫禄を示した。
埼玉栄高の先輩に当たる大栄翔との結び。
左からいなすと、相手のはたきに乗じて出た。
「あまり覚えていない。集中してやるだけだった」と淡々と振り返った。
7月の名古屋、9月の秋と2場所続けて平幕力士が優勝し、自身は一昨年の11月場所を最後に賜杯から遠ざかっている。
「毎場所、優勝を目指している。自分は一生懸命やるしかない」。
看板力士としての責務を果たすつもりだ。


正代

熊本県出身でご当地の正代は消極的な内容だった。
翔猿に苦杯をなめ、かど番で苦しい滑り出し。
「初日は硬くなるかなと思っていた。仕方ない。体は動いている。場所の空気に慣れて、本来の相撲が取れたらいい」と切り替えを強調した。
小兵の突き、押しに終始劣勢だった。
「立ち合いでのさばきが気になっていた。ちょっと体重を乗せることができなかった」と反省した。


若隆景

5場所連続関脇で、大関昇進の足固めが懸かる若隆景は高安に押し出されて黒星スタートとなり、「切り替えて。しっかり攻めて集中してやる」。
9月の秋場所は初日から3連敗を喫しながら、8連勝して盛り返し優勝次点の11勝を挙げた。
今年は序盤の5日間で黒星が先行したケースが4度もあるが、年間最多勝争いのトップに立つ男は出足のつまずきにも気持ちは切らない。


御嶽海

関脇に落ちた御嶽海が、いい勝ちっぷりを見せた。
立ち合いの踏み込みもよく、もろ差しにはなれなかったが、明生の左差しを右おっつけで封じ、そのまま一気の出足で押し出した。
急に弱くなって大関から落ちたわけではなく、肩の状態さえよければこういう相撲が取れるはずだ。
今場所10勝すれば大関に復帰できるが、昇進のときの三役で3場所33勝という目安とは違い、明確な基準だけに、近ずくにつれてプレッシャーも大きくなる。
何でもないときの10勝に比べ11勝、12勝にも相当する厳しい道のりだが、初日に最高の相撲が取れたことで光も見え、自信を取り戻せただろう。


翔猿

新三役の小結翔猿が大関正代を押し出した。
9月の秋場所も初日に対戦して敗れただけに「どんどん前へ出られてよかった。(新三役で)ワクワクしながら不安な気持ちもあったが、いい感じで取れた」。
まわしを与えないように突き放し、前傾姿勢を崩さずに攻め続けた。
素早い動きに加え、半年ほど前からぶつかり稽古の量を大幅に増やして「翔猿からゴリラになるように」と力強さを求めており、その成果が出た。


高安

初日、高安が11勝して千秋楽まで優勝を争った先場所に続き、好発進を決めた。
立ち合いから突き放し、回り込んで反撃を狙う若隆景を押し出した。
「前へ出られた。考えていた相撲が取れました」と手応え十分で、秋巡業最終日を右足親指の負傷で休場した影響も感じさせなかった。
「治療に努めました。部屋で稽古は積んできました」。
2場所連続の快進撃を予感させた。


逸ノ城

先場所優勝の玉鷲を破って白星スタートを決めた。
師匠の湊親方夫人に暴力を振るうトラブルを起こした疑いがあることが場所前に浮上。
関係者によると、すでに日本相撲協会から事情聴取を受けている。
騒動が起こる中で実力者に快勝したが、取組後のリモート取材には応じなかった。


阿武咲

青森県北津軽郡中泊町出身の前頭十一枚目・阿武咲が白星発進。
勝利を受け、客席では中泊町の後援会タオルが大量に揺れていた。
前頭十枚目・千代翔馬との取組で立ち合いから勢い良く前へと出ていった阿武咲は、中へと入っていきそのまま寄り切った。
この取組を受け、ABEMAで解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「千代翔馬は立ち合いから張っていくんですけど、あんなに体勢が高くて、胸を開けてたら“出てきてください”と言っているようなもの」と指摘。
それから「一方の阿武咲は良い相撲でした。褒めてあげたいですね」とコメントした。




2022/11/13
大相撲ニュース
翔猿

新三役の小結翔猿は福岡市内の追手風部屋での稽古後、電話取材に応じ「挑戦者の気持ちで思い切りいきたい。どれくらいできるのか、ワクワクしている」と語った。
初日は大関正代と対戦する。


大栄翔

12日、小結の大栄翔が稽古後に電話取材に応じた。
先場所は2大関を破る活躍を見せるも7勝8敗と負け越してしまい、関脇の座を守れなかった。
今場所は「やっぱり優勝を目指して臨みます」と気持ちを奮い立たせている。
今場所では、年間6場所すべてで異なる優勝力士が誕生するかが注目の1つになっている。
そうなれば、1991年に霧島、北勝海、旭富士、琴富士、琴錦、小錦が優勝して以来、31年ぶり3度目の珍しい記録となる。
大栄翔は昨年初場所で押し相撲がさえわたり初優勝。
誰もが認める実力者だけに、優勝の可能性は十分にある。
今月10日に29歳になった。
1年納めの場所ではあるが、大栄翔にとっては20代最後の1年のスタート。
「20代が終わるのは自分では本当に信じられない。20代最後の1年はしっかり、やっぱりいい1年にしたい」と意気込んだ。


土俵祭り

13日に初日を迎える大相撲九州場所の土俵祭りが12日、会場となる福岡市の福岡国際センターで営まれ、日本相撲協会の八角理事長や同場所担当部長の境川親方らが15日間の安全を祈願した。
力士は新型コロナウイルス感染拡大防止のため出席しなかった。
今回は九州場所としては3年ぶりに定員6976人の観客数に制限を設けずに行われる。
境川親方は両膝の手術を受けて照ノ富士が休場して横綱不在の場所となったことを「残念」と語り「(大関の)正代(熊本県宇土市出身)ら役力士が盛り上げてほしい」と期待した。




2022/11/12
大相撲ニュース
照ノ富士

11日、取組編成会議を開き、横綱・照ノ富士が休場すると発表した。
初日から横綱不在となるのは昨年夏場所以来9場所ぶり。
両変形性膝関節症、右膝骨挫傷で秋場所を途中休場した照ノ富士は先月18日に両膝を内視鏡手術し、1週間前から土俵に下りての稽古を再開したが、出場には後ろ向きだった。
師匠の伊勢ケ浜親方は「リハビリはずっとやっているけど間に合わない。まだ四股も踏めない状態なので」と現状を説明。
復帰の時期については「それは分からない。今やれることをやるしかないので」と、焦らずに完全復活を待つ考えを示した。


御嶽海

関脇として臨む御嶽海が、20代最後の場所に向けて気を引き締めた。
11日、福岡・新宮町の出羽海部屋の稽古に参加し、1年を締めくくる場所に向けて「1日1勝。それだけですよね。自然と結果はついてくるんだと思います」と目の前の取組に集中することを誓った。
大関陥落の翌場所となる今場所で10勝以上すれば再び大関に復帰できる特例もあるが、本人は「僕は一切考えないです」ときっぱり。
もちろん2桁白星は絶対クリアするという気持ちはある。
ただ、そういった目先の数字を追うあまり見失っていたこともあると思っている。
「いろいろ矛盾していると思いますけど、上がるのは絶対。
だけど10番とか、数字でいろいろ上がらないといけないというのは考えない。
考えていたからこそ見失っている部分がいっぱいあったので」と丁寧に自分の思いを説明した。


逸ノ城

西前頭2枚目逸ノ城と湊親方の師弟関係が、修復不可能な状況にまで陥っていることが11日、分かった。
日本相撲協会関係者によると、逸ノ城の湊親方夫人への暴行の疑いが浮上。
一方で師弟間での金銭トラブルや、逸ノ城が会話の際に弁護士を通す必要を主張していることなどが判明した。
既に協会から事情聴取を受けており、九州場所は出場の方向で、初日と2日目の取組に入った。
今後、コンプライアンス委員会が事実関係を調査し、九州場所後にも処分案をまとめる可能性が出てきた。




2022/11/11
大相撲ニュース
正代

5度目のカド番で迎える大関・正代は10日、福岡県志免町の時津風部屋で幕下力士相手に12番取って10勝2敗。
番数は少なめだが「ちゃんと稽古ができて、まずはいつも通り初日は迎えられる」と穏やかな表情を見せた。
10月に行われた自身の昇進披露パーティーでは八角理事長から厳しい叱咤(しった)を受けた。
それでも「正直、言われても仕方がないかなという成績。理事長の言葉に耳を傾けて、大関として頑張っていかなくては」と真摯(しんし)に受け止める。
今年は34勝41敗と大不振。徳俵に追い込まれた中でも「最後が良かったら納得がいく一年になるのかな。しっかり締めていければ」と前を向く。
復活への鍵は、4場所連続で1勝4敗と崩れている序盤をいかに乗り切るか。
「初日、2日目というのは凄い重要になってくる。しっかり合わせていければ」と鬼門に全力投球の構えだ。


豊昇龍

九州場所を前に順調な仕上がりをみせた。
10日、福岡・糸島市内の立浪部屋での朝稽古に参加。
関取衆らと17番取り、平幕の明生とは7勝6敗と激しい攻防を繰り広げた。
土俵際にもつれ込んだ際は「どっち?」と周りに聞くなど、勝敗にこだわった様子もみられた。
手の内を知られる明生に体を寄せられて敗れると「あ〜クソ!」としきりに悔しがった。
「お互い毎日真剣勝負をしている。悔しい時もあるっすけど、やっぱ稽古だから。稽古場で力を入れないと本場所でできない」と、1年を締めくくる九州場所を前に体を仕上げきた。
今年は三役に定着してきたが「僕にとっては良い年だったと思いますけど、まだ終わっていない」と気を緩めることはない。
「場所が終わって、本当に良い年だったと言えるように頑張りたい。しっかり自分の相撲を取りきることをやっていきたい」と1日一番を心掛ける。


逸ノ城

師匠の湊親方との確執が深刻化し、逸ノ城がおかみに暴力を振るった疑惑があることが10日、分かった。
日本相撲協会ではすでに逸ノ城と師匠を個別に呼び出し、事態を把握。
複数回にわたって事情を聴いている。
13日に初日を迎える九州場所には、常軌を逸した師弟関係のまま出場するという。
会話が成り立たない。
そもそも、受け答えがない。
常軌を逸脱した師弟関係に陥ったまま、逸ノ城が九州場所を迎える。
7月の名古屋場所で初優勝を果たし、再び上昇機運をつかんだようにみえた逸ノ城だが、私生活ではかねて過度な飲酒が問題視されていた。
部屋関係者によると、温厚な性格としながらも、泥酔すると姿が一変。
「師匠の再三の注意もあり、本人も自覚はしていたが、店で来客とトラブルを起こしそうになったり、おかみにも手をかけることがあった」と、痣(あざ)をみたこともあったという。


暴力団排除宣言

10日、日本相撲協会の関係者が暴力団の排除を宣言しました。
大相撲九州場所が行われる福岡市の福岡国際センターには、日本相撲協会の関係者と博多臨港警察署の署員が集まり、九州場所期間中の暴力団の排除を宣言しました。
◆日本相撲協会 境川豪章 地方場所部長
「警察署等関係機関と連携し、暴力団排除活動を推進する」
今年も会場には、暴力団員の立ち入りを禁じる看板が設置されるほか、期間中毎日、警察官10人が警戒にあたるということです。




2022/11/10
大相撲ニュース
貴景勝

九州場所に向けて仕上げの段階に入っている。
9日、福岡・篠栗町にある常盤山部屋の朝稽古に参加。
同部屋の平幕隆の勝を相手にしての三番稽古では、立ち合いの動き方などを入念に確認しながら10番相撲を取り、9勝1敗だった。
「もう仕上げに入っている。ピークの時よりはだいぶ落としている。あとは疲労を抜いて、良い状態でやるだけ」と順調さがうかがえた。
3度目の優勝へ期待がかかる。
先場所の秋場所は10勝を挙げ、2場所連続での2桁白星。
不振が続く大関陣の中でただ一人、気を吐いた。
それでも「大関には三賞はないし、優勝しか目指すものはない」と満足する様子はない。
直近の優勝は、20年九州場所にさかのぼる。
今場所は、両膝手術の影響で出場が危ぶまれる横綱照ノ富士が休場となれば、自身が番付上で最高位となる。
「別に変わることは全然ないと思います」ときっぱり話し、続けて「横綱がいるから負けてもいいよ、と思ったことはないですし、あとは成績でみなさんに判断してもらうしかない。自分は一生懸命やるしかない」と静かに闘志を燃やした。


琴ノ若

9日、一番一番に集中する覚悟を示した。
今年ここまで積み上げた白星は46。
トップの関脇若隆景の49勝に次ぐ2位につける。
初の年間最多勝も視界に入るが「なるようにしかならない。自分だけの話ではないですから」とこだわりは見せず。
「どれだけ自分自身がいい相撲を取れるか」と力を込めた。
7月の名古屋場所こそ、部屋でコロナ感染者が出たため途中休場を余儀なくされたが、ほかの4場所は全て勝ち越し。
この日の福岡市内の宿舎での稽古では四つにこだわらず、押しを見せるなど柔軟さも披露した。
平幕の琴勝峰や琴恵光らと相撲を取り21勝3敗と順調さをうかがわせたが「数だけではなく、中身のある稽古ができればいい。体は動いている。あと少しきっちりやりたい」と、慢心はない。
宿舎の目の前には博多湾が広がり、稽古後に若い衆らが砂浜などで釣りをするのが恒例。
前日8日には釣ったスズキや平目に舌鼓を打ったという。
「僕は食べる専門。楽しみに待っています」と釣りは得意ではないが、本業では、白星をきっちりと釣り上げる。


朝乃山

元大関・朝乃山の関取復活への期待を込めて、あまの薬房の「富山を楽しくする会」が富山市月見町に応援のぼりをつくりました。
化粧まわしを模したのぼりは縦2メートル幅1.1メートルで立山連峰や桜など富山の風景が描かれています。
近くの住民:「まあーびっくりしました、これが本当のまわしだったら、朝乃山ってすっごい大きい人なんだなあと思って」
月岡校下防犯組合連合会 会長 大野健朗さん:
「今回ことし最後のチャンスという形でですね、ぜひとも関取・十両に上がってほしいと思っております」




2022/11/09
大相撲ニュース
霧馬山

8日、福岡市南区の陸奥部屋宿舎で朝稽古を行い、三役として初めての2桁勝利を目標にすると話した。
秋場所は9勝6敗で、「9番と10番では全然違う。自分にできることは全部やって10番勝ちたい」と意気込んだ。
4日に福岡入りし、この日は幕下以下の力士を相手に21番、相撲を取った。秋場所後に蓄膿(ちくのう)症の手術をして秋巡業は不参加。
稽古不足を取り戻そうと汗を流す。手術前は患部への負担から頭で当たる相撲に不安があったというが、「これからは怖がらずにいける」と喜ぶ。
同じモンゴル出身で三学年下の関脇豊昇龍をライバル視。
「関脇に先に上がったのは豊昇龍。どっちが先に大関か、優勝か。一生懸命やれば(自分に)チャンスはある」と、混戦模様の九州場所を制する決意も見せた。


宇良

8日、福岡市東区の木瀬部屋で稽古を行い、東前頭3枚目で新三役昇進を目指す九州場所に向け「あっという間に始まるなと。もちろん上を目指してやっている」と意欲をのぞかせた。
稽古では東大初の力士で序二段須山ら幕下以下の力士と13番。
先場所は横綱照ノ富士を破って5年ぶりの金星を獲得し、幕内上位で勝ち越した。
幕内で20年ぶりに奇手の伝え反りを決めるなど、多彩な技で土俵を盛り上げた。
それでも「実力は上がっていない」と謙虚な姿勢で鍛錬している。
一年納めの福岡の地は思い出深い。
3年前には右膝の大けがによる5場所連続休場から序二段下位で復帰。
昨年は初の技能賞に輝いた。
「涼しくて風が気持ちいい。けがなく15日間を取り切りたい」と目標を語った。


佐田の海

8日、福岡・大野城市で朝稽古を行った。
平幕の妙義龍と平戸海と申し合い稽古を行い、19番取って7勝12敗。
ぶつかり稽古では幕下以下の若い衆に胸を出すなど、精力的に稽古を行った。
ここまでの調整について「思ったより調子はいいですね。本場所が始まってみたら応援が多いので気合が入りますね」と、やはり九州場所への思いはひと味違うようだ。
ご当地出身として臨む1年納めの九州場所。
プロ野球のヤクルトファンなだけに、最多本塁打を記録した村上と同郷であることを振られると「3冠王には勝てないな」と謙遜しつつも「便乗したいですね」とあやかった。
「番付は結果次第のところもあるけど、勝ち越さないと話にならないので」と同郷の主砲に負けじと奮闘し、悲願の新三役、さらに初優勝も狙う。


妙義龍

8日、福岡県大野城市の境川部屋で平幕・佐田の海、平戸海との申し合いで12勝2敗。
「常に同じペース。やることは変えてますけど基本は変わってない」と謙遜するものの、前みつを取って一気に走る速攻など厳しい取り口が光った。
10月に36歳になったが「今は大きなケガがない。だましだましでやっているわけでなく、思い切り稽古できるから年齢関係なく元気です」という。
秋場所では玉鷲が37歳10カ月で2度目の優勝を果たしたのも刺激になっている。
「闘志はある。強い上位とやりたいとか」と目を輝かせた。




2022/11/08
大相撲ニュース
照ノ富士

両膝のけがで10月に内視鏡による手術を受けた横綱照ノ富士は7日、報道陣の代表取材に応じ、九州場所について「こんな状況だから無理ではないか。親方と話して決める」と述べ、休場することを示唆した。


錦富士

7日、新入幕の熱海富士ら幕内力士中心の申し合いなどで汗。
「いつもに比べたら調子悪い方だった。(普段は)どっしり感があった。今日は下半身とか朝からやっていたので、その分ひざの曲がりが悪かったり、初速が遅かった」と貪欲に話した。
新入幕だった7月の名古屋場所から2場所連続で10勝。
九州場所では、3場所連続の2ケタを狙う。
達成なら、青森・三本木農高時代の同級生でもある阿武咲と並ぶ快挙となる。
今場所の番付は西前頭5枚目。
最近は平幕上位から三役が好成績を残すことが多く、詰まっている状態が続いてる。
それでも大勝ちすれば、新三役の可能性は出てくる。
錦富士は「三役は当然目指して稽古しているので。周りは2場所連続2ケタなので、今場所も、という気持ちもうれしいけど。そこに至るまでには自分がしっかり成績をあげないといけないので。ほんとに一日一番が基本だけど、集中してとれたらいいかなと思う」と地に足を着けながらも、「でも頑張りたいですね。チャンスはあるので」と意欲を見せていた。


熱海富士

新入幕として迎える熱海富士が7日、翠富士、錦富士ら幕内力士の申し合い稽古に加え、幕下力士とも精力的に稽古。
合計64番を数えるハードな内容となったが「番数はいつもどおりっすね」と意に介さなかった。
稽古中には師匠の伊勢ケ浜親方や横綱・照ノ富士から左上手の取り方を厳しく指導され、思わず涙ぐむ場面もあった。
「できない自分が悔しい。自分の形がないとずっと言われている」と反省しきりだった。
左上手を取るよう助言されたが、なかなかできずに落ち込む場面も。
「今日はちょっと、いつもより怒られましたけど…。見てもらったらわかると思いますけど、情けない姿を見せてしまいました」と頭をかいた。
「自分が言われてもできないんで、申し訳ないです」と反省モードだった。
それでも稽古後には笑顔で対応。
「相撲を取るのは好きなんで、高校の時から笑いながら相撲を取っていますね」と稽古熱心なところをのぞかせた。
1年納めの九州場所には、家族が観戦に来る計画もあるという。
「その日に来るって言うと負けちゃうんで。『来る日は言わないで』と言って」と笑わせつつも、「幕内に上がったんで多少なりともかっこいい姿を見せられるかなと思います」とけなげに話した。


佐ノ山親方 名跡変更

日本相撲協会は7日、九重部屋付きの佐ノ山親方(元小結千代鳳、本名木下祐樹)が同日付で年寄「大山」に名跡変更したと発表した。




2022/11/07
大相撲ニュース
御嶽海

4日、信濃毎日新聞の取材に応じ、ここまでの稽古の進み具合について「悪くない。体の感覚も良い」と語った。
従来の場所前よりも稽古の強度を上げており、思い通りに動ける体に仕上げようと努めている。


若隆景

4日、東京・中央区の荒汐部屋で兄の幕内若元春、十両荒篤山と相撲を取って14勝1敗と圧倒した。
すでに師匠の荒汐親方や若い衆は九州入り。
来週中盤まで、東京に残っている関取衆と調整を続ける。
9月の秋場所は初日から3連敗後に8連勝し、大関昇進の起点となる11勝を挙げた。
「気持ちを切り替えて、中盤から自分の相撲が取れたと思う」と手応えを得た。
大関昇進の目安は「直近3場所を三役で33勝以上」。
今年の5場所を終えて49勝26敗と首位(2位は平幕琴ノ若の46勝25敗4休)に立ち、一年納めの九州場所で年間最多勝利を狙う。
「上(大関)を目指すには2桁勝利が重要になってくる。いい相撲を取って一年を締めくくりたい」。
大願を抱えて、新たな年を迎える。


玉鷲

5日、東京・墨田区の部屋で稽古を行い取材に応じた。
料理や裁縫、イラストなど多趣味で知られる玉鷲が最近は断捨離にはまっているそうだ。
「今は物を片付けるのが趣味ですね。物を片付ける、捨てる」と話す。
「趣味のいろんな物があるじゃないですか。物が増えるんですよ。例えば人からもらったお土産の箱があったら、その箱いいなと思いながら、気づいたら1年そこにあるとか」
といっても地方場所に行くと再び物が増えるようだ。
場所中は基本的に外出できないため、レゴを持っていく。
「車を作るやつとか。それを組み立てる。普通は1週間とか10日とかかかってやるものなんですけど、頑張って1日でやりそうな感じになる。1万何ピースなのに」。
やはり多趣味な玉鷲だった。


若元春

4日、東前頭4枚目の若元春が東京・日本橋にある部屋での朝稽古後、報道陣の取材に応じた。
既に師匠と若い衆は福岡へ移動しており、この日は部屋の関取衆3人で稽古に汗を流し、若元春は弟の関脇若隆景西十両8枚目の荒篤山との稽古で3勝9敗。
若隆景には番付差を見せつけられたが「いつも通りで、やっぱり格が違う。弟とはいえ、そういう地位。そういう地位の相手を稽古出来るってだけでも身にはなると思う」とプラスにとらえた。
そうはいっても、若元春も今年初場所の新入幕から存在感を示し続けている。
3場所連続9勝で番付を上げ、7月の名古屋場所は初の上位総当たり。
6勝9敗とはね返されたが、大関初挑戦で正代を破り、照ノ富士戦では2分を超えるまわし待ったの大熱戦の末、金星こそ逃したが、幕内上位の力が十分にあることを示した。




2022/09/26
大相撲ニュース
御嶽海

来場所の関脇転落によって「大関 御嶽海」のアナウンスは、この日でいったん途切れる。
節目の土俵で、御嶽海は不振を引きずったまま、若隆景の兄で1学年下の若元春に当たり負けし、左四つであえなく敗れた。
4勝11敗は、2015年11月の新入幕以降で最低の戦績。
報道陣のリモート取材に応じなかった。


若隆景

25日、関脇若隆景は佐田の海を寄り切り、11勝目を挙げた。
初日からの3連敗が悔やまれるが、その後は立て直し技能賞も獲得。
「素直にうれしい。立ち上がりは悪かったけど徐々に内容も良くなった」と振り返った。
7場所連続勝ち越し。
しかも関脇での11勝は大関昇進への起点となり、価値がある。
「もちろん、そこ(大関)を目標にやっていきたいと思います。しっかり自分の相撲を取っていきたい」と話した。


翔猿

25日、30歳の翔猿が10勝目を挙げ、初の殊勲賞を獲得した。
自己最高位の東前頭筆頭で、来場所の新三役昇進は確実。
照ノ富士、御嶽海を破るなど場所を大いに盛り上げ「どんどん力がついてきた。努力の結果が出ている。来場所も翔猿らしい沸かせる相撲を取りたい」と胸を張った。
殊勲賞は千秋楽での白星が条件だった。
隆の勝に低く当たり、蹴返しやはたきを交えて攻勢。
動き回って押し出した。
新入幕で11勝し、敢闘賞に輝いた2020年秋場所以来の三賞。
「(勝利が条件は)正直嫌だったが、思い切って攻められた」と笑みを浮かべた。


玉鷲

最年長V力士の余力≠ヘ未知数だ。
大相撲秋場所千秋楽、幕内玉鷲が2019年初場所以来、2度目の優勝を果たした。
今場所は初日から6連勝とスタートダッシュに成功すると、1横綱3大関を撃破するなど勝負強さを発揮。
この日は1差で追う幕内高安を力強く押し出して賜杯をたぐり寄せた。
師匠の片男波親方は「(今場所目立ったのは)立ち合いからの当たり、その後の流れ。特に勝負が早い。前に出る力もそうだけど、左右の動きというか、特に右差してから攻めるという感覚をつかんだんだと思う」と最後まで好調をキープした要因を挙げた。


高安

25日、元大関で平幕の高安は11勝3敗で星一つの差で追っていた平幕玉鷲との直接対決に敗れ、初優勝はならなかった。
勝てば優勝決定戦に進む大一番。
高安は玉鷲の右の突きに攻め立てられ、押し出された。
取組後、高安は「持てる力を精いっぱい出した。玉鷲関が強かった」と潔く語った。
今場所は9日目に横綱照ノ富士から金星を挙げ、千秋楽まで優勝争いに絡んだ。
6度目の敢闘賞獲得も、初土俵から104場所目で目指した初賜杯は、またしてもあと一歩届かなかった。
「(優勝への)距離は縮まっていると感じる。今の気持ちを忘れず、何度でも挑戦したい」と誓った。


北勝富士

25日、西前頭8枚目の北勝富士は初の敢闘賞受賞を逃した。
「勝てば」の条件付きだった関脇大栄翔との一番にはたき込まれた。
「自分が弱いんでしょうがないです」と悔しさをにじませた。
今場所は自己最高の初日から9連勝で、上位陣が不振の優勝争いを盛り上げた。
しかし、10日目以降は1勝5敗と失速した。
「悔しいですけどね。10番勝てたんで、次の場所に向けて変わらず稽古したいと思います」と切り替えを強調。
「こういうプレッシャーを乗り越えて三賞とったり優勝したり。そういう部分ではまだまだ弱い。もっともっと稽古して自信につなげていきたい。いい経験として、またこういう機会がくるように頑張りたい」と悔しさをバネにする。


錦富士

25日、錦富士は琴ノ若を送り出して10勝目を挙げ、新入幕から2場所連続の2桁勝利となった。
当たった後、押し込まれたが、右に動いて回り込んだ。
先場所は10勝のうち3勝が不戦勝で「実質7勝と言われて悔しい部分もあった。10番勝てて良かった」と喜びの表情。
13日目まで首位と1差と優勝争いにも絡み、「本来当たることがない番付の力士と対戦でき、いい経験になった」と充実感を漂わせた。




2022/09/25
大相撲ニュース
若隆景

若隆景が厳しい攻めで北勝富士を圧倒した。
かち上げにもひるまず、低い姿勢から右を差すと一気に寄った。
優勝争いにも絡む注目の一番だったが、「特にない」。
高い集中力で臨んだ。
関脇での2桁白星は、初優勝した3月の春場所以来。
もう一つ上の番付を目指す上で、白星を一つでも多く上積みしたいところだろう。
「一生懸命、自分の相撲を取り切れるようにやっていきたい」と千秋楽を見据えた。


霧馬山

5場所ぶりに小結復帰した霧馬山が宇良をはたき込み、三役で初めての勝ち越しを決めた。
幕内屈指の業師を恐れず踏み込んで突き放す。
土俵際で相手の重心が前へかかった瞬間を逃さなかった。
「うれしいです。小結で勝ち越せたのは大きい」。
場所前に関脇の若隆景らが所属する荒汐部屋へ出稽古し、本場所で3大関を撃破する成果を残した。
「自分の相撲を取れている。千秋楽も思い切りいきたい」。
さらに星を伸ばして地力強化を印象づけたい。


玉鷲

14日目、全く迷いのない相撲だった。
玉鷲は力強い踏み込みから頭で当たり、両手をグイッと伸ばすように強烈な突き押しを2度見舞う。
度肝を抜く力で、瞬く間に今場所好調だった翔猿を土俵下へと吹っ飛ばした。
押し倒しで12勝2敗と星を伸ばし、単独首位をキープ。
高安が勝利したため優勝は持ち越しとなり、千秋楽へと全神経を注ぐためかリモート取材には応じなかった。
八角理事長はこの日の一番を「最高の相撲。(動きが)キレている。思い切りがある」と絶賛した。


高安

14日目、土俵上で眉間にしわを寄せ、にらみつけてきた豊昇龍。
それに対し高安は、表情を変えず淡々と仕切りを続ける。
負ければ玉鷲の優勝が決まる場面で、高安の冷静さは際立っていた。
立ち合いでかち上げると、瞬時の引き。
「反応よく決めることができました」。
勝負後も淡々と取材に応じた。
玉鷲を1差で追って千秋楽の直接対決。
優勝へは本割、決定戦の連勝しかないが、千秋楽まで優勝争いに加わったのは若隆景との決定戦に敗れた春場所以来、4回目。もう逃さない。
「今場所も含めてこれからも優勝争いをしたいので。その中で今日の相撲なんで。平常心で取れました。明日もリラックスしていきます」。
決戦を前に硬さはみじんもない。
4度目の正直へ「とても穏やかな感じですけど」。
どっしりと、そしてゆったりとした余裕を感じさせた。


錦富士

14日目、東前頭10枚目の錦富士が、大関貴景勝に突き落としで敗れた。
幕内2場所目にして優勝争いに絡む活躍を見せたが、上位陣との対戦が続き3連敗。
体を合わせたからこそ分かる差を実感し「刺激になりましたし、良い勉強になりました」と前向きに捉えた。
初の大関戦。同い年の貴景勝とは「ずっと対戦したいと思っていた」と心待ちにしていた。
立ち合いから力強くぶつかって、何度も大関の体をめがけて当たった。
最後は左の突きにやられて土俵に伏せる形となったが、相手の得意な型に持っていかれても決してひるむことはなかった。
対戦前には同部屋の横綱照ノ富士から「しっかりやることをやれば勝機はあるんじゃないか」と背中を押されて臨んだが、勝ちを拾うことはできず。
「(大関は)動きの中での圧力、切り替えとかはすごかった」と収穫を得た様子だった。
新入幕ながら先場所は10勝5敗、今場所は9勝5敗。
優勝戦線に加わったことで「みんなが1日一番死に物狂いでくる」勝負の厳しさを肌で感じた。
2場所連続での2桁白星へ。
「最後の一番しっかり勝って、来場所につなげたい」と気を引き締めた。


栃武蔵

14日目、十両は栃武蔵(埼玉県出身、春日野部屋)が11勝3敗で制し、2018年九州場所の友風以来となる新十両優勝を決めた。
幕下は元十両の大成龍(青森県出身、木瀬部屋)、三段目は欧勝海(石川県出身、鳴戸部屋)、序ノ口は日大出身で先場所初土俵の大谷(沖縄県出身、宮城野部屋)がいずれも7戦全勝で13日目に優勝を決めている。
序二段は先場所の序ノ口を制した日体大出身の高橋(福島県出身、二所ノ関部屋)と千代大豪(兵庫県出身、九重部屋)が7戦全勝で並び、千秋楽の25日に優勝決定戦を行う。


二子山親方

14日目、審判部の二子山親方(元大関雅山)が、14日目の24日から休場した。
家族が新型コロナウイルスに感染し、濃厚接触者となったため。
二子山親方に症状はなく、千秋楽も休場する。
部屋の力士は濃厚接触者にあたらないため、出場できる。




2022/09/24
大相撲ニュース
貴景勝

13日目、熱戦が期待された結びの一番は拍子抜けだった。
前日に好調の北勝富士に立ち合いの変化で勝った貴景勝。
今度は若隆景の変化を食らって敗れた。
ばったりと両手をついた大関は5敗目に土俵上で悔しそうな表情を浮かべ、リモート取材に応じなかった。
左に飛んだ若隆景は「とりあえず下からという意識だったが、体が反応した感じ」と説明。
大関昇進への足掛かりとなる2桁白星に王手をかけ、逆転優勝への望みも残した。
八角理事長は上位陣の連日の注文相撲に「お客さんには申し訳ない」と話した。


若隆景

13日目、8勝4敗と、もう1敗も許されない若隆景。
4敗で並ぶ大関・貴景勝との一番に挑んだ。
結果は、立ち合いの変化で叩き込み。
9勝4敗としたが、優勝争いでトップを行く玉鷲が2敗を守ったため、崖っぷちの状況が続く。


玉鷲

13日目、玉鷲が初顔の錦富士を退け、2連敗を免れた。
立ち合いは劣勢でも焦らず、低い体勢の相手を上から押しつぶすようにして仕留めた。
「きのうはすごく緊張してもったいなかった。しっかり落ち着けてよかった」。
土俵上でぐっと両目を閉じ、大きく息をして安堵(あんど)感をにじませた。
単独トップを堅持。
14日目にも、史上2位の年長記録となる37歳10カ月での優勝が決まる可能性がある。
「緊張しないように、あと2日間、自分の相撲を取っていきたい」。
穏やかな口ぶりで正念場を見据えた。


高安

13日目、悲願の初優勝を目指す32歳の高安は3敗で踏みとどまった。
霧馬山に強烈な右かち上げを見舞い、下半身が崩れた相手を一方的に突き落とし。
「しっかり当たった。もう前に出るだけだった」と納得の表情だ。
1差で追う玉鷲とは千秋楽での対戦が予想される。
14日目も勝って自力優勝の可能性を残したい。
「いい相撲を取って、喜んでもらえるようにするだけ。迷わずに自分のやるべきことをやる」と表情を引き締めた。
土俵下の佐渡ケ嶽審判長(元関脇琴ノ若)も「足も常に出ている。あと2日ある。元大関だし、頑張ってほしい」と期待した。


北勝富士

13日目、北勝富士は連敗を3で止め、トップの玉鷲との1差を堅持した。
埼玉栄高時代の同学年で、好調の翔猿と3敗同士の一戦。
やや左にずれながら立つと、難なく左突き落としで仕留めた。
「当たってから相手が低かったので流した。体が動いた」と満足した。
12日目は貴景勝の立ち合いの変化に屈したが「思い切りいくのが自分の信条」と引きずらなかった。
逆転での初優勝を目指し、14日目は若隆景に挑む。
「体もしんどいが、しっかり一日一日、全力でやっていきたい」と闘志を燃やした。


元小結・常幸龍 引退

元小結・常幸龍が日本相撲協会に引退届を提出し受理されました。
木瀬部屋の常幸龍は、東京・北区出身の34歳。
右四つからの寄りや上手投げを持ち味に初土俵から9場所のスピード出世で新入幕を果たし、平成26年の秋場所で小結に昇進しました。
その後は右ひざのけがもあって平成28年の九州場所では三段目まで番付を下げましたが、この場所で優勝しその後は幕下と十両を行き来していました。
今場所は西の幕下33枚目で臨み、1勝6敗の成績となっていました。
日本相撲協会によりますと、常幸龍は23日、引退届を提出し、受理されたということです。
常幸龍は24日、引退の記者会見を行うことにしています。




2022/09/23
大相撲ニュース
貴景勝

12日目、大関貴景勝の立ち合いの変化にはがっかりした。
相手は優勝を争っている北勝富士。
高校の先輩でもある。
まともに勝負して負けても仕方ないと思うのがふつうだが、貴景勝は勝ち越しがかかった目の前の1勝を取った。
北勝富士はまさか変化するとは思わなかったろう。
それを見越しての変化にも見えた。
勝ちは勝ちでも大関として問われるのは勝ち方で、元気な相手には力でハネ返すような相撲を取る責任がある。
勝てば何でもいいというこんな勝ち方は誰もほめはしない。
相撲を取らせてもらえなかった北勝富士はもちろん、お客さんもさぞ落胆したろう。


若隆景

3連敗からの怒涛の8連勝で優勝争いを続けている若隆景。
22日は同じく3敗で並ぶ前頭4枚目の高安と対戦した。
結果は引き落としで高安に敗れ4敗目。
痛い黒星となりましたが1敗の玉鷲を若隆景の兄・若元春が破ったため優勝争いに踏みとどまった。
残り3日負けられない取り組みが続く。


翔猿

12日目、平幕の翔猿が錦富士を降し、3敗を守った。
翔猿には思い描く相撲がある。
それは「どんどん前に出る」ことだ。
身長174センチ、体重133キロの小兵だが、目指すのは真っ向勝負の相撲。
好調の錦富士との一番は、理想に近づく相撲だった。
立ち合いで低く当たって前に出る。
下から鋭い突き押しを繰り出し、錦富士得意の四つ相撲に持ち込ませない。
引いて逃れようとする相手を素早い足運びで落ち着いて押し出し、「我慢しきれなかった」と嘆かせた。


玉鷲

12日目、混戦の優勝争いを引っ張る玉鷲は2敗目を喫した。
左喉輪でのけ反らせたが、左前まわしの若元春を押し切れない。
鋭い出足に土俵を割った。
2敗だった北勝富士と錦富士も敗れ、単独首位は依然変わらず。
リモート取材に応じなかった。
2019年初場所以来2度目の賜杯を狙うベテラン。
年6場所制となった1958年以降では、37歳8カ月で制した旭天鵬を上回る37歳10カ月での最年長優勝が懸かる。
土俵下の粂川審判長は「1回優勝しているし、緊張することもそうないでしょう」との見立てを示した。


高安

取組が進むたび、賽(さい)の目のごとく優勝への星勘定が変化していく。
ただ一人1敗だった玉鷲に土がつき、関脇若隆景との3敗同士の星のつぶし合いを迎えた。
「前へ出た。後手にならないように。思い切り踏み込んだのがよかった」
立ち合い。
激しい体当たりから、突き上げて相手の上体を起こした。
いなされても腕を突き出し攻めを休まず、圧力をかけて引き落とした。
若隆景とは3月の春場所では優勝決定戦で賜杯を争い、土俵際まで攻め込みながら逆転の上手出し投げで土俵下まで転がされた。
「落ち着いて相撲を取ることを心掛けた。切羽詰まるよりは…」。
4連敗中だった相手を、その手で引きずり落とした。


北勝富士

2敗の北勝富士も敗れた。
先に玉鷲が敗れ、再び首位に並ぶチャンスだったが一歩後退。
立ち合い勢いよく踏み込んでいったところを貴景勝に左へ変わられた。
互いに激しい押し相撲を得意としているだけに、土俵下の粂川審判長は「押し合い、当たり合いが見たかった。予想外」と不満の声。
大関のまさかの変化に「ああいう相撲は少し残念」と苦言を呈した。


錦富士

12日目、東前頭10枚目の錦富士が翔猿に押し出され3敗目を喫した。
あごを引いて低い姿勢で押してくる翔猿に我慢しきれず引いてしまい押し出された。
「ああいう相撲を取ってくるの分かってる中で我慢しきれなかった。途中から合わせて相撲を取ってしまった」と反省の言葉を並べた。
とはいえ3敗は十分に優勝圏内。
「(優勝は)どうしても頭の隅にありますけど、一日一番相撲を取って、そこからの話なんで」と集中していた。




2022/09/22
大相撲ニュース
正代

11日目、不振の正代が2日目からの連敗を9で止め、長いトンネルを抜けた。
ようやく手にした2勝目に「ちょっと長かった。変に考え込んでしまっていた」と、ほっとした様子。
大関在位中のワースト連敗記録は2016年夏場所の照ノ富士の13だった。
土俵際で若元春を右突き落としで逆転。あっさりと敗れていた10日目までとは違い「思い切って最後まで取れた」と実感を込めた。
熊本県出身の大関はご当地の九州場所を5度目のかど番で迎える。
「千秋楽まで勝って締めくくれたら」と奮起していた。


御嶽海

11日目、土俵際まで佐田の海を押し込む。
右でとどめを刺しにいった御嶽海。
だが、これがすっぽ抜けると佐田の海にまわり込まれて突き落とされた。
6日目から6連敗。
名古屋場所から仕切り直しとなったかど番で、大関から陥落する負け越しが決定。
ため息がもれる館内で、御嶽海は表情を変えず負け残りの控えに座った。
新大関昇進した3月の春場所からわずか4場所。
昭和以降で6位の短期在位となった。
大関2場所目だった夏場所初日の高安戦で右肩を負傷した。
御嶽海は場所前に、「悪くもなってないし、良くもなってない。現状維持」と決して弱いところを見せなかったが、本来の姿は影を潜めた。


若隆景

11日目、若隆景が豊昇龍との関脇対決で下から攻める力強い相撲で押し出し、3連敗からの8連勝で勝ち越しを決めた。
昨年秋場所から7場所連続、今年春場所の新関脇から4場所連続の勝ち越し。
3連敗時と比べ「気持ちもだがしっかり体も動いていると思う」と手応えを隠さない。
優勝争いの中では番付最上位で優勝経験者。
「まだ4日ある。しっかり頑張りたい」と控えめながら意欲を示した。


翔猿

翔猿が自己最高位の東前頭筆頭で勝ち越しを決めた。
頭四つで見合う展開から先に攻めて右下手投げ。
宇良は学生相撲出身の同学年で、新弟子の頃から一緒に「“上で盛り上げよう”と言っていた」という。
小兵同士の1分を超える熱戦で幕内上位の土俵を沸かせ「感慨深いですね」としみじみ振り返った。
新三役へ大きく前進し、優勝争いも3敗で追走。
前に出る力をつけたことが結果に表れ「努力は裏切らない」と自信を深めた様子だった。


玉鷲

11日目、玉鷲が2019年初場所以来2度目、37歳10カ月で年6場所制(1958年)以降の史上最年長優勝へ、ついに単独トップに立った。
北勝富士との1敗対決。立ち合いで左前まわしを取られてもかまわず突き放し、力強い相撲で押し出した。
「今日はどうしても自分の相撲をとりたかった」と息をはずませ、優勝に向けては「しっかり自分の相撲をとっていけば結果は出ると思います」と自信をにじませた。
これまでの最年長Vは、2012年夏場所を37歳8カ月で制した旭天鵬(現在の大島親方)。
玉鷲が優勝すれば、年長記録を2カ月更新する。


錦富士

11日目、すぐに左を差すと、右上手も引いた。
錦富士のうまさと力強さがここから光った。
腰を動かし、千代翔馬の命綱となっていた左下手を切る。
慌てて再度つかもうとしてくるところを前に出た。
まわしに手がかかったときはもう土俵際。最後はなんなく寄り切った。
八角理事長も「技能相撲ですね。うまいね」と称賛したほど。
3敗と好調だった技巧派を退け、錦富士は「翻弄(ほんろう)されないように、立ち合いから当たって、自分の相撲を取ろうと思いました」と充実感を漂わせた。
前日10日目に勝ち越しを決めると、同部屋で無念の休場となった照ノ富士から「強いな。崩れかけても軸がしっかりしているから残せる。稽古をしっかりしているからな」と太鼓判を押された。横綱の言葉で、自信はより深まった。


朝乃山

今場所最大の“波乱”が起きた。
元大関の幕下・朝乃山が、24歳の勇磨(阿武松部屋)に突き落としで敗れて初黒星。
来場所の関取復帰が絶望的となった。
立ち合いで得意の右が差せないとみると突き押しに変え、左へ左へ回り込む相手を組み止めずに追い詰めていった土俵際で逆転の左突き落としを食った。
まさかの敗戦に、この日は取組後の取材に応じなかった。




2022/09/21
大相撲ニュース
照ノ富士

10日目、横綱照ノ富士が日本相撲協会に「両変形性膝関節症、右膝骨挫傷で3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。
照ノ富士の師匠で、電話取材に応じた伊勢ケ浜親方によると、19日(9日目)の打ち出し後に本人から休場の申し出があったという。
横綱はここまでリモート取材には一度も応じなかったが、師匠は「痛みを我慢してステロイドなどを注射しながらやっていた。病院ではこれ以上ステロイドを打つとじん帯などが弱くなると言われた」と説明した。


御嶽海

御嶽海は7敗目を喫し、かど番脱出へ後がなくなった。
気持ちが空回りしたのか、合口の良い玉鷲を相手に土俵際での詰めを欠く始末。
八角理事長は「いっぱい、いっぱいで余裕がない」とみた。
6日目からは5連敗。
勝負を途中で諦めたように映る取組もあり、気力が充実しているとは言い難い。
大関在位4場所目。
照ノ富士が休場し、横綱不在となった土俵で、せめて意地を見せたいところだ。


若隆景

取組後にあまり多くを語らない若隆景の心中を読むのは難しい。
その関脇が7連勝で3敗を守って、優勝への意識があるかと問われると、「全くない」と言い切った。
先を見ず、目の前の勝負に集中している姿勢が見て取れた。
宇良との一番。
低い姿勢から何をしてくるのか分からない相手に恐る恐る取る力士も多い中、冷静に戦い切った。
力強くおっつけた右を差し手に変えると、中に入って一気に前進。
土俵際で粘る反動も利用し、右からすくって転がした。
3敗以内の力士で三役以上は若隆景だけ。
賜杯争いの上位に平幕がずらりと並ぶ混戦にあって、優勝の経験があるのも終盤戦で大きな武器。
「自分の相撲に集中したい」。自らに言い聞かせた。


玉鷲

10日目、玉鷲が御嶽海を破り、横綱、大関総なめとした。
平幕力士が番付上の横綱、大関を総なめするのは85年名古屋場所の北尾以来、37年ぶりで「言葉に表せられない」。
1敗を守り、北勝富士とトップで並走。
11日目は北勝富士と直接対決が組まれ「楽しい相撲を見せたい。しっかり前に出たい」と観客を沸かせる。


高安

10日目、優勝争いの先頭を走る相手に、直接対決で土をつけた。
大関経験者の高安が北勝富士の初日からの連勝をストップ。
横綱が不在となった秋場所で、精彩を欠く大関陣を尻目に気迫あふれる相撲を見せている。
北勝富士の右からのはず押しで後退した。
悪い時はこらえきれずに引いて相手を呼び込んでしまう高安だが、この日は左でおっつけながら懸命に粘った。
最後は右足が流れた相手を押し倒し。
「落ち着いて、辛抱強く取ろうと思いました。我慢して取れました」
北勝富士の師匠でもある八角理事長は「(高安は)引かないで押し返せたのが良かった。圧力勝ちしている」と評価した。


北勝富士

10日目、北勝富士の初日からの連勝は9で止まった。
右はず押しで高安を土俵際へ追い詰めたが、一気に勝負を決められなかった。
「いい形をつくれていたのに、もったいなかった。悔しさが結構ある」と唇をかんだ。
勝機を生かせず、元大関の反撃に後退。
右足が流れ、押し倒された。
11日目には1敗で並んだ玉鷲とぶつかる。
突き、押しが得意の両者の一番は、激しい展開が予想される。
「思い切りできる相手。勝っても負けても自分らしく闘いたい」と闘争心を高めた。


錦富士

10日目、入幕2場所目の東前頭10枚目錦富士が若元春との「好調対決」を押し出しで制し、2敗を守って勝ち越しを決めた。
この日から休場した横綱照ノ富士にかわいがられてきた“秘蔵っ子”。
横綱の無念を受け、過去の入幕3場所目を超える最速Vを狙う。
先が見えない場所で入幕2場所目の伏兵が浮上してきた。
錦富士が若元春を押し出し2敗を守って勝ち越し。
「めちゃくちゃうれしいです」と表情を崩した。
新入幕の先場所も11日目に勝ち越しを決め、10勝で敢闘賞を受賞。
すでに折り紙付きの実力はあなどれない。
優勝争いで1差となったが「優勝を争う中で自分は実力的に一番下なんで。意識すると硬くなる。(頭の)片隅に置くぐらいで頑張りたい」と言った。




2022/09/20
大相撲ニュース
照ノ富士

横綱照ノ富士が秋場所10日目の20日、日本相撲協会に休場を届け出た。
9日目に高安に敗れて4敗に後退。
古傷を抱える膝の状態にも不安があるとみられ、2場所ぶりの優勝は厳しい状況となっていた。
照ノ富士の休場は3月の春場所以来で、今場所は横綱不在となった。
10日目の対戦相手、大栄翔は不戦勝。
幕内の休場者は小結阿炎に続いて2人目。


正代

9日目、大関正代は宇良に引き落とされ、2日目から8連敗で負け越し。
11月の九州場所でのかど番が決まった。
おびえたような立ち合いが、痛々しく見える。
大関正代が8敗目。
9日目での負け越しは大関になって最も早く、11月の九州場所では5度目のかど番となる。
立ち合いで右へ変化した宇良の動きに棒立ちとなり、両足で跳ねながら追いかけた。
懐へ飛び込まれ、頭もつけられた。
肩越しに上手を取りにいったところを押し込まれ、なすすべなく引き落とされた。


御嶽海

9日目、かど番継続の西大関御嶽海は東関脇の大栄翔に突き出され、4連敗で3勝6敗となった。
大栄翔には十両時代から通算14勝9敗。
10日目の相手はこの日1敗を守った東前頭3枚目の玉鷲。


玉鷲

幕内最年長の玉鷲が、秋場所9日目の取組で初土俵からの通算の連続出場を1457回とし、元関脇 貴闘力を抜いて歴代単独3位となりました。
前頭3枚目の玉鷲は37歳。
18日、平成16年の初土俵以来通算の連続出場を1456回とし、歴代3位の元関脇 貴闘力の記録に並びました。
そして9日目の19日、平幕 明生との一番で通算の連続出場を1457回とし、歴代単独3位となりました。
玉鷲は今場所、持ち味の力強い突き押し相撲が好調で、ここまで一横綱二大関二関脇を破ったほか、19日に明生に勝って8勝1敗とし、幕内で自身最速の勝ち越しを決めました。
取組のあとのインタビューで玉鷲は、若いころに比べて土俵に上がる気持ちが変わってきたかと聞かれ「全然変わっていない。元気のいい相撲を取りたいと思って土俵に上がっている」と話しました。
また、前頭5枚目の宝富士は平成25年の初場所から続く幕内での連続出場記録を864回とし、元横綱 北の湖を抜いて歴代単独10位となりました。


高安

9日目、高安は照ノ富士との長い相撲を制し、2敗を守った。
14年九州場所以来となる46場所ぶり5度目の横綱撃破。
昭和以降では歴代2位のブランク金星となった。
「最後に『ここだ!』と思っていたときに決めることができました」と好機を逃さなかった。
後半戦に向けて「千秋楽まで粘り強く良い相撲を取り、優勝争いに絡んで場所を盛り上げたい」と力強く言った。


北勝富士

9日目、北勝富士は若元春を押し倒しで下し、初日から負けなしの9連勝とした。
自己最長を更新する連勝記録。幕内でただ1人無敗をキープ。
「今日から初日だと思ってやっているので、ちゃんと勝てて良かった」と勝負の後半戦で好発進を切った。
「気楽に集中して思いっきりやるのが僕の心情」と初優勝に向けて気負わず、残り6番も平常心で臨む。




2022/09/19
大相撲ニュース
照ノ富士

8日目、横綱照ノ富士は平幕錦木を上手投げで破り、5勝目を挙げた。
素早く左上手を引き、左で振って右を差す。
差し手を返し、体を開いて相手を土俵に転がした。
リモート取材には応じなかった。
土俵下の審判長を務めた師匠の伊勢ケ浜親方は「十分な形になったので、いいんじゃないか」と評価しつつ「立ち合いでもっと早くまわしを取る意識がほしかった」と注文をつけた。


貴景勝

8日目、東大関・貴景勝が、西前頭4枚目・高安を引き落としで下し、6勝目を挙げた。
横綱、大関陣で唯一2敗をキープして全勝の北勝富士)、1敗の玉鷲の平幕2人を追っている。
今場所好調の元大関との相撲を制した。
立ち合いから激しい突き押し合戦となり、貴景勝は土俵を左へ、左へと懸命に動き回った。
最後は一瞬の隙をついて、右に引き落とした。
過去の対戦成績は9勝9敗だった難敵に競り勝ち「一生懸命やろうと思った」と淡々と振り返った。
花道を引き揚げる際には、痛めている首を気にする仕草も見られたが「大丈夫です」と話すに止めた。
見守った八角理事長も「貴景勝は土俵際で必死に残した。よく回り込んだ。勝ってくるとしぶとく残れるというか、体が動くようになる。精神的にも粘り強くできている」と日に日に存在感を増している大関をたたえた。


正代

8日目、大関正代は、同じ星だった大栄翔にいいところなく押し出され、7連敗と崖っぷちに追い込まれた。
NHKの解説を務めた元横綱白鵬の宮城野親方はあまりのらしくない相撲に「どこかけがしてるんでしょうね」と心配した。
正代は取組後、オンラインの取材に応じず、真偽は不明。
場所後に大関昇進を祝う会の予定も、それどころではなくなってきた。


若隆景

若隆景が粘りを見せた。
御嶽海の寄りを残し、投げにも左で上手を引きつけて対応すると、頭をつける格好に。
大関の巻き替えに乗じて寄り切った。
東洋大の先輩に快勝。
「下からよく我慢できたかなと思う」と納得の表情を浮かべた。
3連敗スタートから5連勝と挽回。
「一生懸命、毎日、土俵に上がっている。徐々に体が動いてきているので、目いっぱい相撲を取りたい」と、後半戦への意気込みを示した。


玉鷲

玉鷲が佐田の海を一気の押し出しで下し7勝目を挙げた。
37歳の現役最年長。
初土俵以来休まず土俵に上がり、貴闘力に並ぶ史上3位の通算1456回連続出場を果たした。
過去4勝10敗と合口の悪かった相手を土俵際で押しつぶすように倒し「久しぶりの電車道。本当に良かった。凄く(合口を)意識したけど自分の相撲を取れて良かった」と笑顔だった。


若元春

8日目、東前頭6枚目の若元春が取り直しの末に妙義龍を突き落とし2敗を守った。
最初の相撲は「攻め込まれた相撲。感覚的はよくない相撲」と話したが気持ちをすぐに切り替えて取り直しの相撲に。
土俵際での突き落としで勝負を決め6勝目。
優勝争いにも食らいついているが「むしろ実力より勝ち過ぎている。変わらず、気持ちで攻める相撲を取っていきたい」と冷静に挑んでいる。


北勝富士

北勝富士は自身初の初日から8連勝で、3場所ぶりに勝ち越しを決めた。
立ち合いから低い姿勢を作り、おっつけやはず押しで攻めて寄り切った。
7日目から続く、唯一の勝ちっ放しを死守。
「(全勝が)1人というのは意識していない。普段通り、平常心を意識している」と冷静に話した。


王鵬

8日目、平幕の王鵬が隆の勝に勝ち、2敗を守った。
上位陣が精彩を欠く場所では、若手の活躍に注目が集まる。
歴代2位の幕内優勝32回を誇る元横綱・大鵬を祖父に持つ王鵬が平幕で星を伸ばしている。
三役経験者の隆の勝が頭で当たってきたところを、右に体を開いて肩すかしが決まった。
王鵬は「引いてしまったが、左の脇を締めてよく当たれたと思う」。
初日から5連勝の後、2連敗していただけに、悪い流れを断ち切った。




2022/09/18
大相撲ニュース
照ノ富士

7日目、横綱・照ノ富士が、西小結・逸ノ城を寄り切った。
先場所苦杯を喫した難敵を退けて連敗を2で止め、4勝3敗と白星を先行させた。
横綱の意地と気迫がこもった結びの一番となった。
身長、体重ともに上回る相手に立ち合いから頭をつけて、左上手を素早く引くと一気に寄って出た。
12年前にモンゴルから同じ飛行機で来日した、先場所優勝力士を一方的に下した。
報道陣のリモート取材には応じなかったが、横綱昇進後初となる3連敗は回避。
見守った八角理事長は「気力というか。頭をつけてね。絶対に負けないという気持ちじゃないですか。いいんじゃないですか」と横綱の意地を歓迎した。
痛めている両膝の状態が心配されるが、佐渡ケ嶽審判部長は「そんきょをしている時は痛そうに見えるが、土俵に上がったらそんなことは言っていられないでしょうからね。(今日は)相手も大きいですから良かったかなと思いますけど、左右の動きのない力士ですから本来の相撲が取れたかな」と分析していた。


貴景勝

貴景勝は連敗せず5勝目を挙げた。
前日は照ノ富士を撃破した宇良に中に入らせずよく見て突き放して押し出し。
目の前で御嶽海と正代が敗れて2日連続3大関総崩れの危機だったが、なんとか逃れた。
不振の2人を考える余裕はなく「自分のことで精いっぱいでした。自分の相撲に集中することしか考えてなかった」と振り返った。
悪い流れを断ち切り2敗で優勝争いに食らいついていく。


正代

7日目、正代が精彩を欠き、泥沼の6連敗となった。
錦木の攻めに一度はこらえたものの、押し返すまではいかず、最後は寄り切りで敗れた。
「不用意に巻きかえをしてしまいました。ちょっと自分が思い描いている相撲が取れていない。思ったように動いていないと思います」。
そう話す大関の姿はどこか痛々しかった。
初日こそ翔猿を力強い相撲で圧倒したが、2日目から様相が一変。
苦しい相撲が続いている。


御嶽海

7日目、かど番の大関御嶽海が、小結霧馬山に敗れ4敗目を喫した。
立ち合いでがっちり組まれ相手の得意な左四つの型を作られて後手に回った。
土俵際でも粘ることができず、あえなく寄り切られた。
初日、2日目と連勝して波に乗るかと思われたが、そこから黒星が上回る展開になっている。
中日8日目に関脇若隆景との一番で連敗脱出を目指す。
取組後の取材には応じなかった。


若隆景

7日目、関脇若隆景が幕内玉鷲を突き落として4連勝。
のど輪に後退するも土俵際で踏みとどまって逆転し、白星を先行させた。
取組後は「体は少しずつ動いてきているなと。一日一番取っていきたいです」と振り返った。
この日は「大波三兄弟福島後援会」の会員ら約30人が地元・福島から国技館に応援に駆け付けた。
「いつも通り集中してやっています」と話す若隆景だが、熱い声援に結果で応えたことには「それはよかったです」と語った。
前日まで全勝だった玉鷲に土をつけ、土俵下の佐渡ヶ嶽審判長は「やはり若隆景の足腰。勝負勘というか、そういうところがうまいのかなと思った」。
今場所は3連敗スタートだったが、復調の兆しを見せていることには「まだ優勝したときのような相撲ではないですけど。でも、徐々に戻ってきているのかな」とうなずいた。


霧馬山

7日目、大関になにもさせなかった。
立ち合いから左を差して下手を取り、右上手も引いた。
霧馬山は両腕に力を込め、グイッと御嶽海の体を引きつけると、そのまま力強く寄り切った。
「すぐにまわしが取れて良かったです。まわしを取って、落ち着いていけました」。
3連勝で勝ち星を5に伸ばし、2敗をキープ。
大関貴景勝以外の役力士とはすでに対戦を終えており、賜杯争いに加わる勢いだ。
西小結だった昨年九州場所は初日から5連敗するなど6勝9敗とはね返された。
しかし、今年は春場所、夏場所と2場所連続で10勝。
上位陣も勝ち越すなど番付運に恵まれなかったが、力は間違いなく付いている。
5場所ぶりの三役復帰となった今場所は当然、期するものがある。
「場所前の稽古をしっかりやれた。体も動いている。最後まで一日一番の気持ちでやります」。
混戦模様だからこそ、不気味な存在である。


錦木

7日目、錦木が正代を寄り切りで破り、19年初場所以来となる大関からの白星。
勝ち名乗りを受けると観客から大きな拍手でたたえられ「うれしいです」と相好を崩した。
4勝と白星先行。
8日目に横綱照ノ富士に挑む。
「胸を借りるつもりで」と気を引き締めた。


高安

高安が相撲巧者の遠藤を圧倒し、連勝を5に伸ばした。
左からかち上げて相手の上体を起こすと、休まず突いて土俵の外へ。
「立ち合いで厳しく当たれた」と満足そうに言った。
今場所前は伊勢ケ浜部屋などに出向いて申し合いを重ねた。
「稽古量を増やしてきたので、自信を持って相撲が取れている」。
ここまでは素早く決着をつける内容が光り、八角理事長は「努力をしているから、いい相撲が出てくる」と褒めた。


北勝富士

7日目、積み上げてきた数字が幕内通算500回の出場だ。
7月に30歳になった北勝富士は節目を白星で飾り「(好調なのは)僕にも分からないが、大卒ということで、入門してからはあまり時間がなかった。自分なりにコツコツとやってきたのがいいのかな」と喜ぶ。
唯一の土つかずで、場所の折り返しを前に優勝争いの先頭に立った。
考え抜いた押し相撲だった。
立ち合いで当たった直後に左にずれた。
狙いは、右四つでも取れる隆の勝の右腕を封じるため。
左からの強烈なおっつけを見せると、相手が我慢しきれずに引いたところで頭を下げて一気に前に出た。
師匠の八角理事長は「しつこくやらないと。馬力があるわけじゃないから」と評した。




2022/09/17
大相撲ニュース
照ノ富士

6日目、横綱、大関陣が総崩れした。
横綱照ノ富士は平幕宇良に寄り切られ、早くも3敗目。
横綱照ノ富士は宇良に寄り切られて2日連続、今場所3つ目の金星を配給。
下半身が動いておらず、早くも3敗目を喫して休場危機に直面する。
八角理事長は「上体ばかりの相撲で、まわしを取りにいっていない」と、右膝の状態を心配した。


玉鷲

6日目、関取最年長37歳の玉鷲が元気だ。
貴景勝をはたき込んで全勝を守った。
立ち合い、頭で当たり、右に開くと足が止まる相手は土俵に落ちた。
これで1横綱2大関2関脇を撃破。
8日目まで出場すれば、通算連続出場記録が歴代3位(1456回)の元関脇貴闘力に並ぶ。
鉄人は「一番、一番大事に自分の相撲を取りたい」と力を込めた。


宇良

宇良が5度目の挑戦で初めて照ノ富士を撃破。
「うれしい」と繰り返して、金星の味をかみしめた。
うまく距離を取ってまわしを与えず、横綱が自身を呼び込もうとして、体勢が高くなったところを逃さなかった。
素早く中に入って寄り切り。
内容については「精いっぱいやるだけだったので分からない」と振り返り、無心を強調した。


高安

高安はうるさい翠富士を退けた。
まわしにこだわらず、厳しく突いて圧倒。
「しっかり見ながら手が出た。落ち着いてできてよかった」
初顔の相手だったが、今場所前には出稽古した伊勢ケ浜部屋で手合わせしており、「稽古場では機敏な相撲でやられた。やったかいがあった」と笑み。
着々と星を伸ばして5勝1敗とし、「結果が出ているので、自信を持って前向きにやりたい」と穏やかな口ぶりだった。


若元春

思い描く取り口で快勝した。
若元春は力強い当たりで阿武咲の出足を止めると、すかさず右で上手を引いて得意の左四つに。
密着を嫌った相手に対して素早く足を運び、勝負をつけた。
初顔合わせの阿武咲とは場所前、荒汐部屋に出稽古に来た時に手合わせ。
馬力のある相手に一気に持って行かれることが目立ったが、その反省から「しっかり当たって、自分から踏み込むイメージ」。
準備してきたことを本場所で発揮した。
5勝1敗の好成績にも「勝ち星は結果論なので、いい相撲を取るように心掛けたい」と言って、表情を変えることはない。
遅咲きで控えめな28歳が場所前に掲げた目標は、幕内で初めての2桁白星。
まだまだ喜ぶわけにはいかない。


北勝富士

6日目、錦富士を押し出して全勝を守った北勝富士は、2018年秋場所以来、4年ぶりの初日から6連勝となった。
相手は初顔の錦富士だったが「止まらないこと。組んだら力を出す力士。休まずいい攻めができた」と北勝富士らしい粘り強い内容を披露。
まだ先は長い。
「千秋楽、笑顔で終われるように」と気を引き締めていた。


横綱、大関 全敗

6日目、看板力士が次々に敗れた。
横綱、大関が休場することなく総崩れになったのは2006年以来。
16年前も、秋場所6日目だった。




2022/09/16
大相撲ニュース
照ノ富士

5日目、照ノ富士は玉鷲にまたも不覚。
早くも2敗となった。
喉輪で上体を起こされ、右ですくわれて体勢を崩す。
棒立ちになって寄り切られると、心配される右膝を確認するように脚をぶらぶらと振り、退場の際も膝をかばうような歩き方を見せた。
リモート取材には応じず、土俵下の審判長を務めた師匠の伊勢ケ浜親方は「気合を入れてやるしかない」と奮起を促した。


貴景勝

5日目、気迫のこもった激しいぶつかり合い。
闘志むき出しの貴景勝。明生も引かない。
バチンという音が何度も響く中、最後は大関が左から力のこもった突き落としで退けた。
ここ1年は4度の対戦で2勝2敗。
楽な相手ではなかったが、貴景勝は「しっかり準備してやりました。自分の攻めをしたい、そういう気持ちでした」と納得の一番だった。
先場所は逸ノ城と1差の準優勝。
実に7回目の優勝次点(優勝は2度)だった。
「一番の重みというか。前半2勝2敗だったのが全て」と悔いていたように、序盤が響いた。
今場所も初日いきなり黒星発進。
心配されたが、2日目から4連勝ときっちり立て直した。
「一日一日の積み重ねなんで。また明日、頑張ります」。
役力士に全勝はいない。
ここから星を伸ばしていけば、今場所は十分にチャンスがある。


正代

大関・正代が琴ノ若に押し出され、2日目から4連敗になった。
5日目での1勝4敗は4場所連続。
初日こそ翔猿に快勝したが「体が動いている感覚はあるがかみ合わないところが出ている」と悩みは尽きない。
これで格下で、年下でもある琴ノ若に5戦全敗。
「対戦成績は知っていた。その分、意識は強かったのかな」とトンネルに出口は見えない。


御嶽海

5日目、西大関・御嶽海は西前頭3枚目・宇良を押し倒しで下した。
仕切り線から離れて手を付いた相手の当たりを受け止めると、圧力をかけてまっすぐ前に出た。
連敗を止め、3勝2敗で白星先行とした。
6日目は2勝3敗の東前頭2枚目・琴ノ若と対戦する。
御嶽海はここ3場所は続けて敗れるなど相性が良くない。


玉鷲

5日目、関取最年長の玉鷲に限界という言葉はない。
横綱を突き起こし、がむしゃらに攻める。
右が入ると一気の寄り。
37歳9カ月での金星は昭和以降で史上4位。
それを、この年にして自己新となる初日から5連勝で飾ってみせた。
7月の名古屋場所は昭和以降初となる同一横綱から4場所連続金星を逃したが、「ほんとうれしいです。一気に勝負を決められてよかったです」と興奮を抑えて語った。


錦富士

錦富士は立ち合いで千代大龍の変化に対応できず、背中に付かれ万事休すと思われた。
だが、押し出そうとする相手を土俵際でひらりとかわして逆転し、はたき込んだ。
普段の稽古で、動きのいい兄弟弟子の翠富士に同じ状況にされることがあり、「相手が突っ込んできそうなタイミングでイチかバチかいく。それがうまくはまった」と誇らしげ。
新入幕で10勝を挙げた先場所に続いて元気な姿を見せており、「自分の相撲を取れば結果もついてくる」。


王鵬

王鵬が照強を突き出して5連勝とした。
立ち合いで潜る相手の動きに機敏に対応し、常に相手を正面に置いて攻め立てた。
「イメージ通り、前へ出られたのでよかった」と幕内3場所目で初めて勝ち越した先場所の流れを継続できている。
「反省するというよりはいいところを見て、気持ちを上げていきたい」。
帰宅後、取組をチェックするポイントも前向きだった。




2022/09/15
大相撲ニュース
照ノ富士

4日目、横綱照ノ富士はこの1年間で1勝2敗と負け越している明生を力でねじ伏せ、1敗を守った。
いなしと肩透かしで攻める相手を両腕でがっちりと抱え込んで前進。
最後は押しつぶすように豪快にきめ倒した。
ただ、古傷の膝に違和感があるのか、土俵を降りる際の動作にはきごちなさも。
取組後のリモート取材には応じなかった。


貴景勝

4日目、東大関・貴景勝が、東前頭2枚目の琴ノ若を激しい張り手合戦の末、押し出して3勝目を挙げた。
埼玉栄高の1学年違いの先輩・後輩対決は激しい相撲となった。
立ち合いから175センチ、163キロの大関が圧力をかけて押し込んだ。
189センチ、167キロの琴ノ若が懸命に残してまわしをとろうとすると、貴景勝はその差し手を嫌った。
左右から強烈な張り手を次々に連発。
最後は、左の張り手で上体が起き上がった相手の懐に飛び込むと、のど輪で起こして一気に押し出した。
異様な熱気を帯びた、壮絶な相撲に館内もどよめき、騒然となった。
見守った八角理事長は「(貴景勝は)張り手に行って、横に向かせて、という攻め手しかなかったというのかな。琴ノ若を押しづらいということになる。力が付いた証拠じゃないかな」と2人の取組の意図をくみ取った。


御嶽海

4日目、かど番の御嶽海は2敗目を喫した。
立ち合いから腰高で翔猿の突き、押しに劣勢。
もろ差しを許し、防戦一方で寄り切られた。
2連勝スタートから一転して2連敗。
過去3戦全勝だった同学年の小兵に不覚を取った。
覇気のない表情で花道を引き揚げ、リモート取材に応じなかった。
部屋関係者の新型コロナウイルス感染で途中休場し、先場所から継続となったかど番で苦しんでいる。
八角理事長は「全く駄目。いいようにやられてしまった。悪い時こそ、精神的なものが問われる」と奮起を促した。


翔猿

翔猿が2日目の初金星に続いて殊勲の星を挙げた。
両下手を引いて大関・御嶽海を寄り切り。
「どんどん攻めたのでよかった」と動きの速さに加え、力強さも見せた。
プロ4度目の対戦で同学年の元学生横綱に初勝利。
「ずっと意識していたので勝ててうれしいです」と声を弾ませた。
早々と勝ち越しながらもコロナ関連で途中休場を余儀なくされた先場所の悔しさを胸に「一番一番集中して頑張ります」と好調の持続を誓った。


玉鷲

4日目の時点で全勝は平幕の4人になったが、中でもベテラン玉鷲の元気さは目を見張るほどだ。
正代の胸を出す立ち合いは当たりやすかったこともあるが、思い切り頭で当たり手もよくのびて、いっぺんに押し出した。会心の一番だった。
毎場所感心するが、年齢(37歳)の割にはごまかしのきかないまともな押し相撲でよく頑張っている。
先場所、コロナで13日目から途中休場したが、初土俵からの連続出場記録は継続が認められたことは、大きな励みになったろう。
5日目は照ノ富士戦。
会心の白星で気をよくし、迷いなく臨めるはずだ。


宇良

大技を見届けた観客がどよめき、大きな拍手が注がれた。
宇良が業師の本領を発揮。
20年ぶりに「伝え反り」を披露した。
左四つに組み止めたい宝富士を相手に動き回った。
おっつけたり、いなしたりして機をうかがう。
体が離れた一瞬に勝機あり。
潜り込んで相手を背後に置く。
左脇の下をくぐり抜けながら一気に反り倒した。

代名詞でもある居反りなど、大学時代から珍手を見せてきた。
取組後、この日の狙いを聞かれると、「分からないです」。
けむに巻いていたが前回、幕内で伝え反りを決めたのが優勝25回の横綱朝青龍だったと知ると、たちまち笑顔に。
憧れの存在だったと言い、「小さい頃から元気をもらっていた。うれしい」。

20歳の時に65キロだったという体重が、今では151キロ。
正攻法へのモデルチェンジも実を結びつつある。
「急に太ったわけではないから変わらない」。
多彩な技に加え、下半身の強靱(きょうじん)さも証明した。
「元気な相撲を取れるように頑張る」。
これで3連勝。
土俵を活気づけ、館内を盛り上げるためにも欠かせない力士だ。


高安

4日目、北海道で応援する愛する息子と家族へ、パパ高安が土俵上で勇ましい姿を見せた!
西前頭4枚目の高安が、東前頭4枚目の錦木を上手投げで退けて3勝目を挙げた。
過去4戦全勝と合口の良い相手に対し立ち合いから先手を取った。
左を差すと、体をひねって右の上手から投げを見舞った。
「踏み込んで自分らしい厳しい相撲が取れました」と納得の攻めを見せた。

場所前には妻で演歌歌手の杜このみとの間に第2子となる長男が誕生した。
「場所前に1泊ですけど、北海道に会いに行きました。抱っこできた」と明かし、今場所に向けてより一層頑張りたいという気持ちを高めた。
初日から4連勝の平幕4人(玉鷲、若元春、北勝富士、王鵬)を追う中で、家族の応援を励みにする。
「北海道からパワーを送ってもらっている。子どもが生まれた場所ですから、記念になるように精いっぱいベストを尽くしたい」と奮闘を誓った。


王鵬

4日目、昭和の大横綱大鵬の孫、王鵬が好調だ。
37歳のベテラン隠岐の海を一気に押し出し、幕内では自身初の4連勝。
22歳は「良かったと思います」と充実感を漂わせた。
今場所は「相撲を取る頃におなかがすくから」と朝の稽古後すぐに取っていた食事を2時間、遅らせるなど調整を工夫する。
昨年1月の初場所での十両昇進から10場所目。
関取生活にも慣れ、素質を開花させてきた。




2022/09/14
大相撲ニュース
貴景勝

3日目、大関陣で初日にただ一人敗れた貴景勝が2連勝で白星を先行させた。
2日目に横綱照ノ富士を破って勢いに乗るくせ者√ト猿が相手だったが、「自分がどうするかだけを考えた」。
立ち合いから迷いのない強烈な当たりで土俵際まで後退させると、とどめの一突きで土俵下まで吹っ飛ばす、わずか2秒の完勝だった。


御嶽海

3日目、西大関・御嶽海は西前頭2枚目・明生に押し出しで敗れた。
初日からの連勝は2で止まり、2勝1敗。
立ち合って明生の右のおっつけに引いた御嶽海は、そのまま後退して土俵を割った。
4日目の14日は、1勝2敗の東前頭筆頭・翔猿と戦う。
直近6場所では1度の対戦で、御嶽海が勝っている。


豊昇龍

豊昇龍の頭脳プレーの勝利だった。
逸ノ城とは体重差が78キロもあり、まともに組んでは勝ち目がない。
そのため、立ち合いで少し左に動きながら左上手を取った。
自分の左まわしを取られないように、すぐに相手の横っ腹に食らいつく。
そして、左に回り込みながら逸ノ城に自分の投げを意識させた。
最後は無警戒になった相手の右足に左足を絡め外掛けで土俵に仰向けにさせた。
最近は勢いのある若手も増えてきたが、外掛けで勝負を決められる力士はなかなか珍しい。
豊昇龍はこの一番で、大きな相手でも自分から上手を取って、相手の体勢を崩して勝つ形をつくり上げたのではないか。
叔父さんの元横綱・朝青龍はスピードがあって腰にバネがあった。
豊昇龍も似た資質を持っている。
まわしを取っても投げにこだわらずに前に出る相撲を心掛ければ、面白い存在になっていく。

翠富士

番付運にも恵まれて前頭筆頭まで上がった翠富士。
上位との対戦にも果敢に挑み、大関戦初勝利を引き寄せた。
幕内では2番目に低い身長171センチの小兵は双差しで正代の懐に入ると、右でつかんだまわしを離さず、出し投げから前に出て寄り切った。
土俵下の粂川審判長は「うまく取った。食いついて中に入ろうとして、すぐに出し投げを打って攻めが速かった」と評価した。


宇良

3日目、宇良が恩人にささげる白星を喜んだ。
相撲内容については多くを語らなかったが、自分から「きょうに関しては京都で大変お世話になった方が亡くなって。京都からたくさんの差し入れをいただいた方で。支えになってくださった方なので、頑張れてよかった」と思いを語った。

若元春

幕内・若元春が宝富士をうっちゃりで破って初日から3連勝とした。
互いに得意の左四つに組み合うと、両者上手を引けないまま長引いた。
宝富士が右上手を引いて出てくるところを左へうっちゃった。
初日にも佐田の海を相手に同じ技を決めており、今場所早くも2度目。
夏場所14日目にも一山本に決めており、名古屋場所では惜しくも決まらなかったが豪快なうっちゃりを繰り出した相撲もあった。
「下がっての相撲なので褒められたものではないかな。苦し紛れのって感じなのであまりよくないですね」。
本人は内容に納得いっていない様子。
碧山を一気に押し出した2日目のような相撲や左四つの四つ相撲を理想としており「前に出て相撲を取りたい」と反省していた。
それでも自身初の初日から3連勝。
「前に出ることを意識しながら取りたいですね」と前を向いた。


平戸海

3日目、平戸海が勢いそのままに豊山に快勝で初日から3連勝とした。
「本当に完璧な相撲だったと思います。前みつを引こうと思っていたので、考えた通りだったと思います」。
低い立ち合いから一気の出足で押し出し。
旋風の予感も漂わせる新入幕は「まだ始まったばかりなので。勝っても喜ばずに引き締めていきたいと思います」と謙虚に言った。


相撲協会×山崎製パン

山崎製パンから大相撲九月場所開催に合わせて、日本相撲協会監修商品が期間限定で販売されています。
山崎製パンのホームページによると「国技館で販売されている名物グルメや人気のお土産をイメージした惣菜パンや中身がたっぷり入ったあんぱんやどら焼きなど、大相撲を楽しめる商品ラインアップです。」と言うことです。

おいしい秋場所のラインナップは…

ランチパック「北の富士カレー風」
辛口の相撲解説でおなじみの北の富士さんが作った昔懐かしいカレーの味を再現したレトルトカレーが入っています。

はっけよいどら焼き。
スイーツ親方として知られる芝田山親方(元横綱 大乃国)太鼓判のどら焼です。

大入あんぱん。
つぶあんと求肥餅をたっぷり包んで、しっとりとした食感に焼き上げています。

国技館やきとり風味パン。
国技館の地下で焼いている「国技館やきとり」の味をイメージしています。

「おいしい秋場所」は2022年9月30日(金)までの期間限定販売となっています。
どうぞお見逃しなく!

山崎パンHP
https://www.yamazakipan.co.jp/feature/sumo/index.html




2022/09/13
大相撲ニュース
照ノ富士

2日目、横綱照ノ富士が翔猿に初金星を配給した。
過去4勝0敗と1度も負けていなかった。
突き放してくる相手を慎重に見ながら攻めていったが、最後はもろ差しを許した。
優勝争いの絶対的本命が、2日目にして早くも黒星を喫した。
取組後は初日に続いて、取材には応じなかった。


御嶽海

2日目、西大関・御嶽海は西小結・逸ノ城を押し出しで破り、連勝を飾った。
先場所優勝の巨漢に対して左に回り込んで攻め手を探り、両はずで挟みつけるように上体を浮かせて土俵の外に運んだ。
3日目の13日は1勝1敗の西前頭2枚目・明生と戦う。
ここ2場所は対戦がなく、直近6場所では御嶽海が負けなしの4連勝を飾っている。
大相撲秋場所は11日に初日を迎えた。
御嶽海は西前頭筆頭・翠富士を押し出しで破り、かど番で迎えた場所で白星スタートを切った。


豊昇龍

新関脇の豊昇龍が初白星。
押し込んでから左で上手を引くと、外掛けも繰り出して琴ノ若の抵抗を封じ、最後は寄り倒し。
「手応えは良かった」と納得の表情を浮かべた。
闘志十分の23歳は「これからが大事。頑張っていきたい」。
小結では果たせなかった2桁白星に向け、気を引き締めた。


翔猿

2日目、自己最高位の東前頭筆頭で臨んでいる翔猿が、うれしい初金星を挙げた。
前傾姿勢から横綱の懐に飛び込むようなそぶりを見せながら、適度な距離を保ち横綱の焦りを誘った。
なかなか組み止められない照ノ富士が、左から大きく振りかぶるように張ったが、そのスキを見逃さず二本差して堂々と寄り切った。
報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長は「翔猿のペースになった。やっているうちに(照ノ富士の)膝が立ってしまった」と終始、主導権を握った翔猿の相撲を評価。
その心中を思いはかるように「思い描いた相撲だったろう。立ち合いから間隔ができていた。立派な相撲だ」と称賛の言葉を贈った。

玉鷲

関取最年長となる37歳の玉鷲が連勝スタートを切った。
同じ突き押しの大栄翔戦。9歳下の圧力にも負けずに応戦し、最後は左の喉輪で押し込んで激しい攻防を制した。
「久しぶりに熱い相撲を取った気がする。向こうも熱くなっていたので負けていられないと思って頑張った」。
初土俵以来の連続出場記録が中日で史上3位の貴闘力(1456回)に並ぶ。
「一日一日集中して。頑張ります」と静かに闘志を燃やした。


宇良

宇良が立ち合いで勝負を決めた。
左に動いて足取りにいくと、体勢を崩した高安を難なく土俵の外へ。
前回対戦した昨年の九州場所でも足取りを決めており、またも術中にはめてみせた。
先場所は千秋楽で逸ノ城に敗れ、勝ち越しを逃した。
その悔しさを晴らしたいところ。
軽やかな動きで初白星をつかみ、「元気な相撲を見せたい」と言った。




2022/09/12
大相撲ニュース
正代

11日、大関の正代は前頭の翔猿を降した。
正代は迷いがなかった。
立ち合いで鋭く踏み込むと、休まず攻めて一気に押し出した。
初日に白星を挙げるのは今年1月の初場所以来で4場所ぶり。
「良い出だしだと思う」とうなずいた。
今年は初日が「鬼門」だった。
春場所は初日から4連敗し、9勝6敗。
続く夏場所では初日から3連敗して負け越した。
10勝5敗だった名古屋場所も初日から3連敗し、苦しい土俵になった。
考え込みやすい性格で、負けが続くと気持ちも落ち込む悪循環。
なかなか浮上のきっかけをつかめなかった。
だが、この日は見違えるようだった。
「初日はどうしても緊張したり、浮足立ったりする」と冷静に己の心と向き合い、課題の立ち合いに集中。
素早い動きが持ち味の翔猿を土俵中央でつかまえると、何もさせなかった。
「初日にしては良い立ち合いだった。こういう立ち合いを続けていけたら」と正代。
期待が膨らむ場所になりそうだ。


御嶽海

初日、大関・御嶽海が、カド番脱出へ好スタートを切った。
西前頭筆頭の翠富士を一気に押し出して、初白星を挙げた。
立ち合い鋭く踏み込むと、前へ、前へと圧力をかけ続けて一方的に相手を土俵下へと押し出した。
「しっかり自分の相撲を徹底してやれたと思います。自分の相撲を忘れかけていたので、15日間全部前に出る相撲を徹底したい。自分の相撲だけ意識して」と今場所は強い気持ちを持って、周りは関係なく自分の相撲を取りきる考えを強調した。
初のカド番だった7月の名古屋場所は、右肩痛の影響で2勝5敗と不振。
7日目に所属部屋から新型コロナウイルス感染者が確認されて途中休場した。
今場所にカド番が継続となり「大関としてしっかり仕事を果たし、10番以上取れるように頑張りたい」と今場所前には巻き返しを誓っていた。
この日の取組を見守った八角理事長は「コロナによる休場明けになるが、相撲勘が良かった。思い切って前に出ていた」と高く評価した。


逸ノ城

初日、7月の名古屋場所で初優勝を飾り、5場所ぶりに三役へ返り咲いた小結逸ノ城は大関貴景勝を押し出して白星発進。
硬くて厚い、肉の壁が大関を弾き飛ばす。
関取最重量212キロ。
7月の名古屋場所で初優勝を果たした逸ノ城が、勢いそのままに貴景勝を押し出して自画自賛した。
「まわしを取りに狙っていったが、取れなくて圧力をかけて前へ出た。いい相撲だった」
立ち合いは大関の当たりを受け止め、左手でまわしを探った。
だが、相手のさがりが2本指に引っ掛かっただけだったため、そのまま巨体をぶつけて走った。


琴ノ若

11日、東前頭2枚目の琴ノ若が前に出る圧力で、関脇若隆景を圧倒した。
先場所は10日目で7勝3敗と優勝争いに加わったが、部屋に新型コロナウイルスの陽性者が出たため途中休場。
出場できていれば新三役の可能性もあったが、「まあ、そうですねえ、悔しいですけど誰も悪くないし、番付が落ちなかっただけでもよしと切り替えて」と前向きに捉えて今場所に臨んでいる。


若元春

11日、前頭六枚目・若元春が、前頭五枚目・佐田の海をうっちゃりで下した一番で、鮮やかな決まり手に「ここから逆転するのか…」と相撲ファンが興奮する場面があった。
立ち合い、正面から当たっていった佐田の海の勢いに押され、若元春は後退したが、土俵際で粘り、最後はうっちゃりで佐田の海を下した。
鮮やかな逆転劇に館内は興奮に包まれた。
この取り組みを受け、ABEMAで解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「佐田の海よく前に出ましたけど、まわしを取ったら若元春は強いですね」
「最後は上手くうっちゃりました」と若元春の力を称賛。
同じく実況席に座った元NHKの藤井康生アナウンサーは「かつて私が相撲を一生懸命見始めた昭和40年前後、うっちゃりという決まり手はよくあったのですが、最近は本当に珍しくなりました」とその決まり手の貴重さを説明していた。


水戸龍・平戸海

新入幕の水戸龍が得意の右四つで剣翔を力強く寄り切って快勝発進。
新十両から4年半かけてつかんだ幕内での勝利にも「相変わらずです。別に何も感じませんでした」と淡々とマイペースを貫いた。
同じく新入幕で幕内最年少22歳の平戸海は、両前まわしを引いての攻めで志摩ノ海に完勝。
「緊張しなかった。立ち合いで負けなかったので落ち着いて取れた」と堂々としていた。




2022/09/11
大相撲ニュース
照ノ富士・逸ノ城

5月の夏場所、7月の名古屋場所で優勝した横綱照ノ富士と小結逸ノ城は10日、国技館で行われた「優勝額贈呈式」に出席した。
2人は平成22年3月に同じ飛行機でモンゴルから来日し、相撲留学した仲。
贈呈式は動画投稿サイト「ユーチューブ」の協会の公式チャンネルで配信され、照ノ富士は「いい成績を残せるように頑張る」。
逸ノ城は「2桁(10勝以上)を目指して頑張る」と意気込んだ。


阿炎

初日から休場する小結・阿炎の診断書が提出された。
病名は「右肘離断性骨軟骨炎、左足関節遊離体」。
名古屋場所は肘と足首の痛みを抱えながらも8勝7敗で勝ち越し。
場所後に右肘関節鏡、左足関節関節鏡手術を行い、夏巡業は5日間全て休場していた。
今場所も出場の可能性を探っていたが、9日の午後に休場を決断した。


秋場所の土俵祭り開催

大相撲秋場所初日を翌日に控えた10日、会場となる東京・両国国技館で土俵祭りが営まれ、日本相撲協会の八角理事長や審判部の親方衆、行司らが15日間の安全を祈願した。
新型コロナウイルス感染対策のため一般には非公開で、横綱照ノ富士ら力士は出席しなかった。
2場所ぶりの優勝を狙う照ノ富士を軸に、貴景勝と正代、御嶽海の3大関らが続く賜杯レースは混戦模様だ。
先場所初優勝で5場所ぶりに小結に復帰した逸ノ城や三役以下にも期待がかかる。
今場所は両国国技館開催だった5月の夏場所と同じく、観客上限は約87%の9265人で実施される。


大相撲ファン感謝祭の概要を発表

日本相撲協会は10日、東京・両国国技館で10月6、7日に開催する大相撲ファン感謝祭の概要を発表し、ちゃんこ鍋の味を競い合う「相撲部屋ちゃんこぐらんぷり」をはじめ、手形早押しや同時に四股を踏んだ最多人数のギネス世界記録に挑戦する企画などを実施する。
大相撲公式ファンクラブ会員か東京都墨田区に在住か在勤、在学していれば無料で入場できる。
ちゃんこぐらんぷりには八角、陸奥、春日野、宮城野、錣山の5部屋がエントリー。
部屋自慢の味で「初代ちゃんこ横綱」の栄冠を争う。
四股はファン、親方、力士で一斉に踏み、記録達成を目指す。


稀勢の里初Vの優勝額外れる

両国国技館の天井近くに掲げられる優勝額のかけ替えが10日に行われ、大関時代の2017年初場所で初優勝した二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の額が外された。
優勝額は計32枚で、年3度の東京開催場所の際に2枚ずつかけ替え。
今回は直近2場所を制した照ノ富士と逸ノ城が新たに加わった。
30歳の初制覇でファンを熱狂させた記念の優勝額が国技館から消え、二所ノ関親方は「実際になくなると寂しいものがある。思い出深いし、あっという間の5年間だった」と話した。
初優勝の額は部屋を構える茨城県阿見町に一時的に寄贈し、公民館に飾られる予定だという。


元幕内・石浦

日本相撲協会は10日、秋場所の幕下以下の休場力士を発表した。
元幕内・石浦は東幕下10枚目で初日から休場となった。
西前頭5枚目だった春場所で頸椎を痛めて途中休場し、夏場所から2場所連続全休。
15年春場所で新十両に昇進して以来初めての幕下陥落となっていた。




2022/09/10
大相撲ニュース
御嶽海

9日、カド番の大関・御嶽海が東京都墨田区の出羽海部屋で取材に応じ「何があっても初日、2日目は白星。3、4日目から感覚を取り戻して、ぐーっと上げていきたい」と好発進を誓った。
8月下旬には久しぶりに春日野部屋に出向き、巨漢の幕内・碧山、栃ノ心にぶつかった。
「本当にいい稽古だった」。
大関の地位を守るだけでなく、最高位への思いも強く「まだ一個上がある。大関で止まっていられない」と意欲を示した。


阿炎

9日、秋場所の休場を決めた。
8月下旬に新型コロナウイルスに感染したが、関係者によると足首や両肘のけがが理由だという。
今場所は全休する見通し。


コロナ隔離期間 新たな指針

9日、本場所中のコロナ休場に関する新たな指針も発表した。
これまでは感染者が出た部屋は所属力士全員が全休となっていたが、秋場所からは隔離期間が明けた翌日から出場が可能となる。
名古屋場所ではコロナ感染で休場者が続出。
全体の3割近い174人が土俵に上がれない異例の事態が起きた。
芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は「7月場所のように大量休場を繰り返すのは、足を運んでくれたお客さんに申し訳ない」と話し、休場者を減らすことを念頭に、政府の隔離期間短縮に伴い緩和した。
陽性者は7日間の隔離期間後に出場が可能となり、濃厚接触者も2回の検査でともに陰性なら3日後に出場できる。




2022/09/09
大相撲ニュース
阿炎

9日、小結・阿炎が秋場所を初日から休場すると発表した。
午前中に行われた取組編成会議で一度は初日の幕内と十両、2日目の幕内の取組が発表されていたが、後に阿炎の休場が決まった。
そのため、以下のように取組を作り直す「割り返し」が行われた。




2022/09/09
大相撲ニュース
豊昇龍

新関脇として臨む大相撲秋場所へ、豊昇龍が臨戦態勢に入った。
8日、所属する東京・立浪部屋での稽古後に取材に応じ、「良い感じに体も張ってきた。あとは場所が楽しみ」と、充実した調整が積めていることを明かした。
この日は平幕の明生らと申し合い稽古を行い、5勝6敗。
明生には2勝6敗と苦戦したが、幕下以下には全勝。
スマホで自身の相撲を動画撮影し、一番終わるたびに稽古場に置かれたモニターでチェック。
気づいた点をあぶり出して、次の一番で改善を図ろうとしていた。
千葉・柏日体高(現在は日体大柏)の恩師で現在は「相撲少年団」監督の永井明慶氏から薦められたと言い「相撲を取った後にすぐ見れるじゃないですか、すごい便利ですよ。自分の悪いところがすぐ分かる」と効果を実感していた。
ハイテク機器を活用して順調に調整を重ね、新関脇として臨む秋場所。
「もちろん2桁を目指して頑張ります。何よりケガしないことが一番大事なので。そういうところをしっかりすればいいかな」と意気込みを語った。


明生

27歳の明生は西前頭2枚目に上がり、3場所ぶりに上位総当たりの位置に戻った。
先場所は新型コロナウイルス関連の休場者が続出した影響で、西前頭10枚目の9勝6敗から大躍進。
「びっくりした。自分がこれだと思えるような、いい相撲を取れたらいい」と闘志を燃やした。
8日は東京都台東区の立浪部屋で新関脇豊昇龍らと11番取って9勝2敗。
今年は腰痛に苦しんできた元関脇の実力者は「国技館の土俵は好き。土俵に上がって力を出すだけ」と気合を入れた。


一山本

新型コロナウイルスの影響で7月の名古屋場所を途中休場した平幕の一山本が8日までに日刊スポーツの取材に応じ、15日間にわたって行われる秋場所を戦い抜く決意を見せた。
「まずは勝ち越し、そこから一番、一番しっかり取って2桁(白星)を目指したい」と口にした。
先場所は初日から4連勝で8日目を終えて6勝2敗とトップと並んでいた。
9日目に所属する放駒部屋で新型コロナの感染者が出たことにより、一山本を含む所属全力士が休場を余儀なくされた。
あと2番勝てば3場所連続の勝ち越しだった。
先場所に続き東前頭13枚目に据え置かれ「そうだろうなというのが大方の予想でしたし、こればっかりはしょうがないです」と冷静に受け止めた。
6月末に引退した元小結松鳳山の松谷裕也さんから受け取った「場所中に星勘定はあんまり気にするな」という金言が、巻き返しを図る上で鍵になる。
北海道の町役場の職員を退職してまで進んだ大相撲界。
幕下時代に兄弟子から受け取ったアドバイスを胸に、休場明けの秋場所の本土俵で力強い姿を見せる。


新型コロナ関連での休場者 なし

芝田山広報部長(元横綱大乃国)は8日、大相撲秋場所(11日初日・両国国技館)の番付発表があった8月29日以降に新型コロナウイルスの感染者が出た高砂、錣山、境川、宮城野の4部屋について、秋場所出場に問題はないと明らかにした。
錣山部屋は小結阿炎、高砂部屋には元大関で東幕下15枚目の朝乃山らが所属。
朝乃山は6場所出場停止処分から今場所が復帰2場所目となる。
取組編成会議前日の8日時点で、新型コロナ関連での休場者はいない。
先場所はコロナ感染者が相次ぎ、全休を含めて休場は計13部屋。
全体の3割近い174人が土俵に上がれない異常事態だった。




2022/09/08
大相撲ニュース
逸ノ城

名古屋場所で初優勝し5場所ぶりに三役復帰した小結逸ノ城が7日、埼玉県川口市の部屋での稽古後に取材に応じ、秋場所へ「2桁(勝利を)目指してやりたい。負け越したりして恥ずかしいところを優勝した後に見せたくない」と自覚十分に語った。
稽古では幕下以下の力士と37番取った。
連日40番ほどこなし、鋭い出足と馬力で調子の良さをうかがわせた。
「自信を持っていけば何とかなる。1回だけで終わりたくない」と2度目の賜杯へ意欲を示した。


翠富士

西前頭筆頭で秋場所に臨む翠富士が思わず苦笑いした。
所属する伊勢ケ浜部屋付きの安治川親方に「何勝できますか」と尋ねると、冗談交じりに「3勝12敗」と返された。
7月の名古屋場所の西前頭11枚目から10勝5敗で一気に出世を果たした格好となり、兄弟子は率直にそう思ったのだろう。
「番付は生き物」と言われる。
8勝7敗で一つ勝ち越せば1枚上がり、6勝9敗なら3枚落ちるのが目安とされるが、先場所は新型コロナウイルス関連で幕内だけでも15人が休場。
それまでに勝ち越し、負け越しが決まっていなかった場合、特例措置として原則、地位を据え置かれた。
異例の状況により、番付編成を担当する審判部の親方衆は頭を悩ませた。
「みんなと話し合って公平にやった」と伊勢ケ浜審判部長。
会議は通常と比べて大幅な時間を要した。
翠富士は勝ち越し五つで10枚も上がった。
8勝4敗の時点から休場した翔猿は西6枚目から東筆頭に、9勝6敗だった明生は西10枚目から西2枚目となった。
初めて幕内上位を経験する翠富士は「同い年の貴景勝関を倒して、10番ぐらいは勝ちたい」と威勢が良く、翔猿も「相撲をやっているからには上位で取りたい。いつもより気合が入る」。
巡ってきた好機に、共に目の色を変えている。


水戸龍

新入幕の水戸龍が7日、大相撲秋場所に向けての稽古を行った。
部屋の所属力士は他におらず、四股など一人でできる基礎運動に終始。
ウオーターバッグを使った下半身トレーニングでは師匠の錦戸親方が“マンツーマン指導”する場面もあった。
「やっぱり一人だと寂しい。相手がいないと相撲の感覚がなくなってしまう」。
申し合いどころかぶつかり稽古もできない状況に不安は隠せない。
いつどんな稽古をするか、決めるのは全て自分。
「腰が痛くなったら無理はしない。自分のペースでやれるのが良い」と“一人稽古”ならではの良さも語った。
不利な環境を前向きに捉える。
「稽古相手がたくさんいて毎日相撲を取っている人たちに、稽古が十分にできない俺が勝ったら面白い。負けて当たり前」と挑戦者の気持ちで臨む。
目標に掲げた新入幕勝ち越しで“一人でも強くなれる”と証明したい。




2022/09/07
大相撲ニュース
貴景勝

6日、東京都板橋区の常盤山部屋での稽古後に取材に応じ、秋場所へ「準優勝が多くて、星が1個足りない。一番勝っておくと、準優勝と優勝でまた違うものが見えてくる」と3度目の賜杯に意欲を示した。
先場所は初優勝した逸ノ城の12勝に次ぐ成績だった。
6日は幕内隆の勝と15番取って13勝2敗。鋭い立ち合いから強烈な左はずと右喉輪で押し込んだ。
首や膝などに不安を抱え「いきなり体の調子が悪くなることもある。ここ1、2年で変わってきたところ。アンテナを張ってやらないといけない」と調整を進めている。


正代

6日、大関正代が東京・墨田区の部屋で稽古を行い、幕下以下の力士を相手に相撲を13番取って調整した。
先月下旬には右足親指の巻き爪で相撲を取らない日もあったが「もう大丈夫です。稽古もできてるので。最初は指に力を入れるのが怖かったけど、今では腫れもなくなってきて痛みもないので、いつも通り取れている」と現状を説明。
「体は動いてるほうじゃないですか。何とか場所初日までに、ちゃんとできるようにしたい」と5日後に迫った本番に照準を合わせた。


霧馬山

6日、東京・墨田区の陸奥部屋で稽古を行い取材に応じた。
番付運に恵まれず、東前頭4枚目だった春場所から2場所連続で10勝も三役に届かず。
東前頭筆頭の名古屋場所で勝ち越し、ようやく5場所ぶりの返り咲きを決めた。
穏やかな性格の霧馬山も、「なかなか上がれなくて。今回やっと上がれて。次の目標も近づいてくるし。絶対に負け越さないように」と気合が入る。
刺激となる材料が2つある。1つは入門前のモンゴルで、同じ柔道クラブに通っていた後輩の豊昇龍が新関脇に昇進したこと。
「後輩の豊昇龍が先に関脇に上がったし。今まで自分が先にいってたんで。ここまできたらもっと上を目指して頑張らないと」
もう1つは名古屋場所で同じモンゴル出身の逸ノ城が優勝したこと。
「逸ノ城関が優勝して自分も頑張ろうかなと。頑張っていれば優勝のチャンスがくるかなと」
その先にあるのは、まずは師匠の陸奥親方と同じ大関昇進。
「最初からそういう目標を持ってやってきた」と大きな目標を見すえている。


隆の勝

右肩負傷で先場所を途中休場した西前頭10枚目の隆の勝が6日、東京都板橋区の常盤山部屋での稽古後に「初日までに完璧にしていけるように。今場所は15日間取れるように万全にしていけたら」と意欲を語った。
西前頭筆頭だった先場所はわずか1勝と振るわず、7日目から休場。
6日の稽古では大関貴景勝になかなか右を差せず2勝13敗と劣勢で「体が自然と怖がっているというか、切れが悪いのは感じている。そこを修正して本場所に臨みたい」と話した。




2022/09/06
大相撲ニュース
宇良

新三役を狙う西前頭3枚目宇良が5日、都内の部屋での稽古後に取材に応じ、体重に関する持論を展開した。
日本相撲協会が8月30日付で発表した身長、体重で、151キロを計測。
目標としていた大台の150キロを突破し「やっとですね。だいぶ時間はかかりましたけど」と納得の表情だった。

大学在学中の20歳の時は65キロだったといい、10年かけて約90キロ増量した。
目標体重に到達も「(大学の時が)一番元気に動けていた」と理想と現実の差があるようだ。
身長は175センチで、秋場所での幕内平均身長の183センチより低く、上位で戦うための増量だった。
「まだ(体重に)慣れていない。この体重をしっかりキープしながら、動ける体にしたい」と調整はまだまだ続く。
増量のためにマクドナルドのダブルチーズバーガーを毎日のように食していたのは有名な話だ。
しかし「(体重が)人としての限界を迎えた。今はもういいかな」と現在は控えているようだ。
よく口にしているものには「コンビニのヨーグルトと卵焼き」を挙げた。
食トレは得意ではなく、苦労して増量したが「駄目だったら落とせば良い。10キロは1、2週間で落とせる。ウエートコントロールはうまくいっている」と150キロ台にこだわりすぎない姿勢も見せた。

ここ1年は平幕上位にいるなど、安定感が増してきた。
それでも「上位にいる相撲取りではない」と分析。
「小細工して勝ちを拾っているしギリギリでかじりついている感じ。地力がある人が三役にいる。僕みたいにおこぼれを狙う人はまだまだ」と謙遜気味に話した。
だからといって欲がない訳ではない。
「(実力は)まだないです」と話すも「もちろん勝ちにいきます。もちろん(新三役を)目指しています。稽古して地力を上げて番付を上げていければなと思います」と語気を強めた。


元横綱白鵬 引退相撲

元横綱白鵬の宮城野親方(37)が5日、オンライン会見を開き、来年1月28日、東京・両国国技館で「白鵬引退宮城野襲名披露大相撲」を開催することを発表した。
新型コロナウイルス感染拡大のあおりを受け、昨年9月の現役引退から、1年が経過し、ようやく開催が決まり発表にこぎ着けた。
当日は横綱土俵入りでの露払い、太刀持ち役などにサプライズを予告した。
いまもトレーニングに励み、現役時代と変わらぬ体での土俵入りを頭の中で描く大横綱の“最後の勇姿”となる。
数々の記録を樹立してきた宮城野親方が、ついにまげと別れを告げる日が決まった。
きれいなまげを結い、スーツ姿で会見に臨んだ同親方は「15歳からずっとこのかたちで、これが自分の姿。一人前の力士としての魂が、このまげにあると思う。寂しいけど、この魂を弟子たちに受け継いでもらいたい」と、引退相撲で行われる断髪式への思いを語った。




2022/09/05
大相撲ニュース
正代

2日、東京都墨田区の時津風部屋で幕内豊山らと12番取り、秋場所への調整内容を「今のところは良い方」と語った。
8月末に巻き爪のような状態で右足親指を痛め、相撲を取らない日もあった。
直近3場所は初日から3連敗スタート。
今場所は序盤から波に乗りたいところで「より意識して初日から勝負を懸けていかないと」と気を引き締めた。


琴ノ若

3日、新三役昇進を目指す琴ノ若が千葉県松戸市の部屋で稽古を行い取材に応じた。
7月の名古屋場所は7勝3敗と優勝争いに加わりながら、部屋に新型コロナウイルスの陽性者が出たために途中休場。
今場所の番付は先場所と同じ東前頭2枚目に据え置かれた。
5月の夏場所では西前頭2枚目で9勝6敗と勝ち越したが、半枚しか上がらなかった。
ただ、三役は確実に近づいてきており、「逆に珍しいんじゃないですか? 3場所連続2枚目って」。
笑って受け流すだけの気持ちの余裕がある。
「やっぱり三役に上がりたいですし、師匠(元関脇琴ノ若)に追いつきたいっていうのもあるので」。
自らに、今度こそという気合を入れた。


玉鷲

史上4位の通算1448回連続出場記録を持つ東前頭3枚目の玉鷲が2日、東京都墨田区の片男波部屋での稽古後に取材に応じ、秋場所へ「勝ち越して10番は勝ちたい」と語った。
モンゴル出身で37歳のベテランは2日の稽古では幕下以下の力士2人と同時に相撲を取った。
土俵を丸く使うことが目的で、前後や左右から同時に攻めてくる相手を巧みにさばいた。
先場所は部屋関係者が新型コロナウイルスに感染し、13日目から途中休場。
2004年初場所の初土俵から初めて休み「取り残されたような気がして(テレビ中継を)まともに見られなかった」という。
新型コロナ関連による休場は本人の意向に関わらないため、日本相撲協会の判断で連続出場記録は継続。
「すごくうれしかった。しっかりやらないと」と意気込む。順調なら秋場所8日目で貴闘力に並び3位となる。


琴恵光

3日は千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で21番連続の申し合い。
幕内琴ノ若には3勝11敗で「めちゃめちゃ強い。
自分がいい体勢になっても、なかなか攻め切れない」と大器の成長を実感した。
176センチ、131キロと小兵の30歳。
秋場所に向け「いい反応が出てきた。本場所につながるような意識で稽古をしている」と手応えを示した。
東前頭11枚目で23歳の琴勝峰は相撲を取らず、基礎運動に励んだ。
新型コロナウイルス感染の影響が残っているようで「しっかり場所に間に合うように」と話した。


高砂親方らが感染

2日、新型コロナウイルス感染者が出た部屋の追加検査で、高砂親方の陽性判定を発表した。
同親方が師匠の高砂部屋では十両朝乃若の感染が8月29日に判明していた。
他に感染者が確認されたのはともに幕下以下の力士で錣山部屋が3人、宮城野部屋が1人。
発熱など体調不良者はいない。
このまま無症状ならば、再検査する宮城野部屋勢以外は大相撲秋場所の出場に問題はないという。


大山親方 退職

2日、元幕内大飛の大山親方(69)=本名小椋進、愛知県出身、八角部屋=が8月31日付で退職したと発表した。
2017年10月の定年後は再雇用制度で「参与」として協会に残り、70歳の期限まで残り約1カ月半だった。



2022/09/02
大相撲ニュース
照ノ富士

30日、横綱照ノ富士が報道陣の代表取材に応じた。
部屋の稽古では相撲は取らず、腕立て約200回などで調整。
「体の具合を見ながら。番付が出て、もうすぐだねっていう感じ」と振り返った。
ヒザに不安を抱えており、自らの体調と向き合いながら体を仕上げている一方で、弟弟子の稽古も気にかけている。
十両熱海富士には土俵際の残り方を実演指導=B
また、この日が26歳の誕生日の幕内翠富士には「誕生日プレゼントだ」とぶつかり稽古で胸を出した。
上位陣に変化はないが、三役や平幕上位の入れ替わりが激しく、横綱は「いいですよ。勢いのあるやつとやるのは楽しい。みんな勢いがある」と歓迎。
そうした力士らの壁≠ノなるためにも「(場所前の稽古は)もうちょっとやっておけばよかったなと思わないようにやっている。だから飛ばしすぎる部分もあるから、うまく調整しないといけない」と気持ちを引き締めた。


正代

1日、大関正代が東京・墨田区の部屋で稽古を行った。
前日は巻き爪になっている右足親指に痛みが出たため相撲を取らなかったが、この日は幕内豊山らと計11番。
稽古後の代表取材では「(腫れは)昨日がピークだったんですよ。しこ踏んだときに痛かったんで、昨日はやめました。1日様子見て病院行こうかなと。朝起きたら落ち着いてたんで。ギュッとしたら(力を入れたら)痛いですけど」と現状を説明した。


若隆景

1日、関脇若隆景が朝稽古に報道陣の取材に応じた。
この日は部屋の関取衆と16番の申し合い。
兄で東前頭6枚目の若元春、東十両7枚目の荒篤山を相手に15勝1敗と圧倒し、部屋頭の貫禄を見せた。
関脇も、これで4場所連続。
その新関脇の春場所は12勝3敗で初優勝を成し遂げ、夏場所は9勝6敗。
星数次第で大関昇進の可能性もあった7月の名古屋場所は14日目にようやく勝ち越しを決め8勝止まり。
大関とりは振り出しに戻されたかっこうとなった。
その名古屋場所を振り返り「やっぱり序盤戦が、もう少し力を出せるようにという意識はありますね」と分析するように4日目までの3敗を喫したことが響いた。
大関昇進を期待される声には「周りからは、そういう声もありますし、そういう期待に応えられるように稽古場から一生懸命、やっていけたらいいと思います」と謙虚に語った。
大関とりへ再スタートを切る秋場所。
特別、今場所で意識することはないようで「毎場所毎場所、一生懸命に15日間、しっかりやっていきます。少しでも自分の相撲に集中して、自分の相撲を取れるように頑張りたいです」と若隆景らしく、飾り気のない言葉で足元をみつめるように話した。


大栄翔

1日、埼玉県草加市の追手風部屋で稽古を行った。
部屋に新型コロナの感染者が出たため途中休場となった名古屋場所後にチャレンジしたのがキックボクシング。
知人の紹介を受け、8月に東京都内の格闘系フィットネスジムでトレーニングしたことを稽古後の電話取材で明かした。
「突き押しなので、腕の出し方とか体重移動っていうのがつながればと言っていただいたので。他競技をやることもたまにはいいのかなと思って」と初めてグローブをつけ、ミット打ちやサンドバッグ打ちのほかキックも体験した。
「やっぱり難しいですね」と苦笑いで振り返ったが、「体幹をぶらさずにやるとか、こういう(腕の)出し方もあるのかなとか、いろいろ考えながらやりました。
うまく自分で考えて相撲につなげられれば」とも。
この経験で新たな突き押しが生まれるかもしれない。


阿炎

小結の阿炎が新型コロナウイルスに感染したことが確認されたと発表しました。
相撲協会によりますと、9月11日に初日を迎える秋場所を前に31日、協会員を対象に行った新型コロナの検査で、錣山部屋に所属する小結・阿炎と、部屋付きの親方で元小結・豊真将の立田川親方、そして幕下以下の複数の力士が陽性と判明したということです。
また宮城野部屋の幕下以下の力士1人と境川部屋の幕下以下の力士1人も陽性と判明したということです。
阿炎など陽性と判明した力士が秋場所に出場できるかどうかは現時点で決まっていないということです。


翔猿

1日、埼玉県内の部屋で稽古後に電話取材に応じ、自己最高位の東前頭筆頭で臨む秋場所への抱負を語った。
先場所は10日目で勝ち越し。
新型コロナ陽性者が部屋で確認されて13日目から休場し、8勝5敗2休だったものの、西前頭6枚目から上がった番付に「うれしかった。やっぱり相撲をやっているからには上位でとりたい」と声を弾ませた。
新入幕だった2年前の秋場所は、13日目まで2敗をキープ。
優勝を争って11勝を挙げ、敢闘賞も受賞した。
「思い出しますね」というゲンのいい9月。「やっぱり力はだいぶついたなと思います」と、成長に自信をのぞかせた。
この日は、関取衆と10番超の申し合いをこなし「良い感じになってきた」と好感触。
秋場所で勝ち越せば近づく新三役の座にも「しっかり意識してやっていきたい」と照準を定めた。


翠富士

30日、都内の部屋での稽古後に、大関撃破と新三役を誓った。
この日が26度目の誕生日で、今年1年の目標を問われると「三役に上がりたいですね。めっちゃ意識します」と即答。
稽古では幕下以下の若い衆と15番程度申し合い稽古を行った他、ぶつかり稽古では横綱照ノ富士に胸を出してもらって手荒い祝福を受けた。
前日29日には秋場所の新番付が発表され、10勝を上げた名古屋場所での西前頭11枚目から、一気に西前頭筆頭まで番付を上げた。
上位総当たりとなる秋場所では「貴景勝関を倒したいですね。同い年なので」と同学年の大関を意識。
「(対戦は)高校の時が最後でそれ以来。プロになってからもないです」と久しぶりの対戦を待ち遠しそうにした。
稽古中には、部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)から「西筆頭は大負けする」と発破をかけられた。
そのことについて問われると「前、(安治川)親方に『何勝できますかね』って聞いたら『3勝12敗』と言われました」と上位の厳しさを説かれたという。
ただ、「目標は10番は勝ちたい。目標なので高めに」と志高く、秋場所に臨む。


若元春

1日、平幕の若元春が朝稽古に報道陣の取材に応じた。
この日は部屋の関取衆と16番の申し合い。
弟の関脇若隆景、東十両7枚目の荒篤山を相手に14番取って5勝9敗。
若隆景には8番取って1番も勝てず番付の差を見せつけられたかっこうだ。
弟に三役争いで先を越され、この日の稽古も「実力が違うっすよね。強いっす」と歯が立たなかったが、今年初場所の新入幕から存在感は示している。
3場所連続9勝で番付を上げ、迎えた7月の名古屋場所は、初めての上位総当たり。
6勝9敗とはね返されたが、5日目に大関初挑戦で正代を破り、8日目の照ノ富士戦では、2分を超えるまわし待ったの大熱戦の末、敗れはしたが幕内上位の力が十分にあることを示した。
その先場所を「すごく勉強になった場所なので、それをどれだけ生かせるか」と、ただの負け越しでは終わらせないつもりだ。
番付は2枚下がったが、前半戦の活躍次第では再び上位戦の可能性がある。
存在感があるが、と問われ「影みたいな力士なので、頑張ります」と若元春らしい言葉で応じたが、期待の力士の1人であることは間違いない。
秋場所に向けて「(先場所は)あれだけ力を出せたので、今回はしっかり力を出して星を上げたいなと思っています。ずっと2ケタ勝ったことがないので、そこはずっと目標にしてしっかりやっていきます」と目標数値を隠すことなく設定した。


伊勢ケ浜親方 陽性

1日、審判部長を務める伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が新型コロナウイルスの検査で陽性となったと発表した。
大相撲秋場所(11日初日)の新番付が発表された8月29日以降、高砂、錣山、宮城野、境川の各部屋で陽性者が判明していた。




2022/08/31
大相撲ニュース
元関脇魁聖引退

29日、元関脇で東幕下筆頭の魁聖(35、本名・菅野リカルド、大島部屋)の引退および年寄「友綱」襲名を発表した。
魁聖は2006年秋場所で初土俵を踏み、11年5月技量審査場所ではブラジル出身初の新入幕を果たした。
祖父母が日本人の日系3世で、14年11月には日本国籍を取得。
16年名古屋場所で新関脇に昇進。
幕内在位60場所で三役は4場所務め、敢闘賞3回を受賞した。
近年は膝などの負傷に苦しみ、名古屋場所は東十両11枚目で5勝10敗。
秋場所の番付では幕下へ転落していた。


朝乃山

29日、大相撲秋場所の番付を発表した。
元大関の朝乃山(高砂)は東幕下15枚目となり、九州場所での関取復帰が可能となった。
7戦全勝なら、幕下15枚目以内で全勝は優先的に十両昇進の内規の条件を満たす。
朝乃山は、新型コロナウイルス感染対策のガイドライン違反による6場所出場停止処分から名古屋場所で復帰。
三段目で全勝優勝を飾っていた。
九州場所での関取復帰が可能となったことで、最速なら十両を1場所で通過して来年初場所の再入幕もある。




2022/08/22
大相撲ニュース
若隆景

21日、都内の部屋で、出稽古に来た平幕の錦木や北勝富士らと申し合い稽古を行った。
集まった関取衆の中で最多の14番取って9勝5敗。
部屋のお盆休みで稽古再開が前日からだったこともあり「ここから少しずつしっかり稽古して。しっかり場所に向けてやっていきたいと思います」と話した。
秋場所後には、師匠の荒汐親方の断髪式が行われる。
それでも「気持ちは変わらないですね」といつも通り、多くは語らずに引き締めた。
結果によっては大関昇進の可能性もあった名古屋場所では8勝7敗。
大関とりへ1歩後退も「しっかり準備してしっかり自分の相撲を取りきるようにするだけです」と気にするそぶりはなく引き締めた。
3場所連続で関脇で勝ち越すなど、三役に定着しつつある。
結果も経験も着々と積み重ねる27歳。それでもやはり「特に変わらない。本当に自分の相撲に集中して、下からの攻めで取っていきたい」と揺るがないものがある。


逸ノ城

名古屋場所で初優勝した逸ノ城が、所属している相撲部屋がある埼玉県川口市の市役所を訪れ、「これからも上を目指します」と抱負を語りました。
逸ノ城は、名古屋場所で横綱・照ノ富士から金星を挙げるなど12勝3敗の成績で初優勝を果たしました。
18日は、湊親方や後援会長らとともに、所属している湊部屋がある川口市の市役所で優勝を報告しました。
このなかで、逸ノ城は「みなさんのおかげで名古屋場所で初優勝できました。これからも上を目指せるように頑張っていきますので、応援をよろしくお願いします」とあいさつしました。
これに対して、奥ノ木信夫市長は「これを契機に三役や大関への定着、さらには横綱を目指していただければと思います」とエールを送りました。
市長を訪問したあと逸ノ城は「市長や市民のみなさんに良い報告ができてよかったです。期待に応えられるようしっかり頑張っていきたいです」と話していました。


錦木

21日、都内の荒汐部屋に出稽古に行き、関脇若隆景らと申し合い稽古を行った。
夏巡業後は17日まで時津風部屋に、この日からは荒汐部屋に来るなど、精力的に出稽古を行う。
期間の今週いっぱいまで出稽古を続けるといい「土俵に上がらないと。強くなれないので、他の子と違って。いい稽古ができればと思っている」と話した。
名古屋場所は所属する部屋で新型コロナ感染者が出たため、日本相撲協会が定める規定により13日目から途中休場となった。
規定とはいえ、06年春場所で初土俵を踏んで以降、初の休場。
「暇だなぁ、と思って。場所中なのに暇だなぁと。不思議な感覚だった」と振り返った。
勝ち越しはすでに決まっていたが「やはり最後まで相撲は取りたかったですね」と皆勤できなかったことを悔しがった。
結果的に自身を含めて所属する力士ら全員が陽性反応を示したというが「僕は全然元気だった」と体調に問題はないという。
再入幕を果たした3月の春場所から3場所連続で勝ち越しを決め、秋場所では幕内上位の番付が見えてきた。
「久々に(上位に)戻る。5年ぶりぐらい。イケイケだった時期から十両のケツまで落ちて、それで戻ってきたことはすごくうれしい。年齢的にも上の方なので無理せずとは思っているけど、稽古しないと強くなれない。より一層頑張ろうと思う」と気合十分だ。


明生

19日、都内の立浪部屋で同部屋の小結・豊昇龍、出稽古に来た幕内・高安と申し合い稽古を行った。
13番取って4勝9敗。
高安には6戦6敗で「いやあ…、強いっす」と舌を巻いたが、持ち前の動きの良さなど見せ場を作った。
昨年名古屋場所では新三役(小結)に昇進、秋場所では自己最高位の関脇に番付を上げた。
だが腰痛に苦しめられ、今年初場所は5勝10敗、平幕に番付を下げた春場所は1勝14敗の屈辱を味わった。
ただ夏場所は8勝7敗、名古屋場所は9勝6敗と復調の兆しを見せている。
明生は「名古屋場所は9番勝って感覚も良かったんで、その感覚を残しつつ、また上げていけたらと思っていたんですけど、名古屋場所が終わったぐらいからまた調子が落ちてきちゃって。またここから調子を上げていきたいなって感じですね」と明かした。
納得がいかない部分については「自分の体をまだ扱えていない」とした一方で「下がったら上がると思っているんで。今は調子がいくら悪くても本場所で力を出せたらいいかなと思いながら」と前向きに話した。
腰については「うまく付き合っていかないといけないと思いながら稽古しています」と話す。
トレーナーから負担がかからないような姿勢や使い方を学習中という。
「(普段の)生活もそうですけど、相撲のときも、今まで使ったことのない筋肉を使うじゃないですけど、腹筋とかも大きくして、構える位置とか、四股を踏んだときの腰の使い方とか、そういうのを頭に入れながら。覚えるまでが、体が勝手に動くまでが疲れますね」と明生。それでも「伸びしろだと思って」と、あくまでポジティブに話した。
秋場所に向けては「しっかり勝ち越すことと、けがを悪化させないこと」とした上で「三役に行く気持ちで毎日やっています」と言葉に力を込めた。


宇良

17日、京都府警下京署の一日警察署長を務めた。
京都駅前で防犯イベントに参加し、詐欺や事故の防止を呼びかけた。
宇良関は鳥羽高校(京都市南区)の相撲部出身。
身長173センチは角界では小柄ながら、体重は148キロ。
多くの一日署長は警察官の制服姿で登場するが、宇良関の体格に合う制服がなかったこともあり、いつもの浴衣に「警察署長」のたすきをかけて登場した。
まずは、署員らが服装や手錠、警棒などの所持品を確かめる「通常点検」に点検官として立ち会った。
その後、駅前の広場で防犯や交通事故防止を呼びかける催しに参加。安全に道路を横断するための「合図」を覚えるダンスを警察官らと踊ったり、駅の利用者やファンらに反射材などのグッズを配ったりして、署長業務をこなした。
森野淳署長は「相撲で鍛えた強靱(きょうじん)な心身で、下京区の土俵から、事件や事故を『押し出し』てもらえれば」。
宇良関は「名誉ある一日署長をやらせていただき、うれしい。1年くらいやりたいです」と笑顔だった。

18日は母校の鳥羽高校を訪れ、かつて所属した相撲部の稽古を見学しました。
生徒たちは、しこやすり足を入念に行ったあと力強い相撲をとり、宇良はその様子に見入っていました。
そして稽古のあと、生徒たちに「いいあたりをしているし、脇もしまっていて、相撲の基礎がちゃんとできていると思いました。いまみたいな相撲をとっていれば必ず強くなります。ともにがんばりましょう」と激励しました。
相撲部の主将で3年生の齋藤藍さんは「宇良関が直接、相撲を見てコメントをしてくれてうれしかったです。宇良関の相撲は学ぶものが多く、それを自分も取り込んで今後にいかしていきたいです」と話していました。
宇良は「母校に戻って来ることができて非常にうれしいです。後輩たちは活気があって相撲も若々しくて励みになりましたし、自分ももっと稽古をしないといけないなと思いました。後輩たちには、ここでの歩みを大事にしてほしいと思います」と話していました。


高安

18日、阿武咲とともに東京都台東区の立浪部屋で出稽古を行った。
出稽古期間は15日から始まっており、高安はこの日が本格始動。立浪部屋の小結・豊昇龍と幕内・明生も含め幕内力士4人での申し合い稽古に参加し、16番取って8勝8敗だった。
「ぼちぼちじゃないですか。まだこれからだと思います」と秋場所へ向けて少しずつペースを上げていく。
名古屋場所前と同様に、出稽古期間は積極的にいろいろな部屋へ出向く予定。
「制限はありますけど、いいんじゃないですかね」。
夏巡業の稽古でも精力的に汗を流した32歳は、貴重な機会を有効活用していく意欲を示した。

19日、前日に続いて東京都台東区の立浪部屋へ出向き、小結・豊昇龍と幕内・明生を相手に申し合い稽古を行った。
休場明けとなる秋場所へ向けての出稽古2日目となったこの日、計15番取って豊昇龍に5勝4敗で明生には6戦全勝。
豊昇龍を相手に突き放して圧倒するなど前に出る力強さを発揮した。
「相撲が若いね。なんでもしてくる力士はためになりますね」。
いろいろな取り口を試してくる若手と激しい稽古を繰り広げ、充実の表情を見せた。
19日未明に第2子となる長男が誕生した。
妻で演歌歌手の杜このみが故郷の北海道札幌市で出産。
立ち会うことはできなかったが、深夜に電話で知らせを聞き「そわそわしていました。母子ともに健康でホッとしています」と胸をなで下ろした。
「より一層頑張らないといけないなって、これを励みに良い稽古できました」。
2児の父となり新たな気持ちで臨んだ稽古はいつにも増して気合が入った。
これからも父として強い姿を見せることが目標。
「子供たちが物心つくまでは一生懸命相撲を取りたい。良いところをしっかり子供たちに見せたい」。
まだまだ元気な32歳が、記念の日に新たな誓いを立てた。


阿武咲

21日、都内の荒汐部屋へ出稽古に行き、関脇若隆景らとの申し合い稽古で10番取って6勝4敗とした。
自身が所属する部は関取が自身しかいないため、番付発表前の出稽古期間は貴重な期間となる。
明日も荒汐部屋に出稽古に行く予定だといい「積極的に肌を合わせられたらなと思う。
(部屋で稽古するのと)仕上がっていくスピードが違う。楽しいです、稽古していて」と話した。
幼なじみと結婚していたことを、8日に発表して以降の公の場でもあった。
結婚前との気持ちの変化を問われると「相手が相手だったので安心した。兄妹みたいで、1つ下だけど、全てにおいて似ている。一緒にいて気楽ですし、家に帰っても誰かがいてくれるのはすごくいい」と話すなど、居心地がよさそうだ。
互いの実家は近所の上、互いの両親同士は同級生だという。
「昔から一緒だった。好きなこと、感覚、価値観、本当に全部一緒」と最高の人生の伴侶を得て、秋場所で2場所連続勝ち越しを狙う。


北勝富士

21日、都内の荒汐部屋に出稽古し、関脇若隆景らとの申し合い稽古で汗を流した。
数日前には都内の時津風部屋にも出稽古に行き、大関正代らと稽古したという。
「関取衆と肌を合わせるのが大事。これから、ちょっとずつ(体を)作っていければなと思います」と話した。
名古屋場所千秋楽に陽性反応を示した。
当時は39度以上の発熱に加え「鼻とだるさ。だるさは結構残って」と症状があり、体重は8キロ減。
「(現在も)本調子じゃないけど、徐々に稽古していけば体は強くなってくる」と悲愴(ひそう)感を口にした。
また、20年5月には勝武士さんが新型コロナに感染して死去。
「亡くなった力士もいる。怖さしかない。恐怖感との戦いでもあった」と感染時を振り返った。
9月11日には、大相撲秋場所が幕を開ける。
22日も荒汐部屋に出稽古予定など、迫り来る本場所に向けて調整を進める。
「土俵に上がるからにはケガしないように、勝てるように集中してやらないといけない」と引き締めた。


元白鵬、師匠として始動

20日、新たな師匠として始動した東京都墨田区の宮城野部屋で稽古を公開した。
稽古場に立った同親方は、若い衆に効果的な腕立て伏せの方法などを指導。
「夢をたくさん持つ力士を育てていきたい」と抱負を述べた。
今月上旬に移転した部屋は、かつて横綱曙が育った東関部屋の建物で、「横綱を生んだ素晴らしい場所に構えることができて光栄」。
昨年まで20年以上に及んだ自身の現役生活を振り返り、「今度は20年走り続けるような力士を」と意気込んだ。
部屋の十両炎鵬は、「心機一転、新弟子の頃のようなわくわくした気持ち」と新しいスタートを喜んだ。




2022/07/29
大相撲ニュース
間垣親方 年寄「宮城野」襲名

日本相撲協会は、元横綱 白鵬の間垣親方が年寄「宮城野」を襲名し、宮城野部屋を継承したと発表しました。
元横綱 白鵬の間垣親方は、去年の秋場所後に引退したあと宮城野部屋の部屋付きの親方として指導に当たってきました。
日本相撲協会は28日、東京 両国の国技館で開かれた理事会で、間垣親方が年寄名跡の「宮城野」を襲名し、宮城野部屋を継承することを承認しました。
史上最多の45回の優勝など数々の記録を持つ元横綱 白鵬は今後、宮城野親方として部屋に所属する力士の指導に当たることになります。
宮城野部屋には、十両の炎鵬や石浦、北青鵬などが所属しています。
これに合わせて来月、日本相撲協会の65歳の定年を迎える元幕内 竹葉山、宮城野親方は年寄「間垣」を襲名しました。
日本相撲協会によりますと、再雇用され宮城野部屋の部屋付きの親方として残るということです。


コロナ休場力士 据え置き措置

27日、東京・両国国技館で大相撲秋場所の番付編成会議を開いた。
名古屋場所はコロナ関連で途中休場するケースが初めて出たこともあり、この日の編成会議で論議となった。
新十両発表も通常より1時間ほど遅れ、伊勢ケ浜審判部長は「みんなと(いろいろ)話し合いましたから」と明かした。
同部長によると、コロナ関連で途中休場した力士の番付は従来通り据え置きに近い措置を取るが、休場時点で勝ち越しや負け越しが確定していた力士は「昇降」させたという。
明言は避けたが、8日目から休場の大関・御嶽海は番付が据え置かれるもようだ。
新番付は来月29日に発表される。


第37代木村庄之助の畠山三郎さん死去

26日、第37代木村庄之助の畠山三郎(はたけやま・さぶろう)さんが22日午後7時ごろに慢性間質性肺炎のため自宅で死去したと発表した。
72歳だった。
青森県上北郡六戸町出身の畠山さんは1965年(昭40)に角界入り。
2012年九州場所から立行司、第39代式守伊之助を襲名。
2013年九州場所から第37代木村庄之助となり、2015年春場所を最後に退職していた。
畠山さんの退職から7年以上が経過したが、今も最高位の木村庄之助は空位が続いている。


二子山親方と立川親方 感染

日本相撲協会は、二子山親方と立川親方が新型コロナウイルスに感染していることが確認されたと発表しました。
日本相撲協会によりますと、元大関 雅山の二子山親方と元関脇 土佐ノ海の立川親方の、新型コロナの陽性が25日判明したということです。
24日、千秋楽を終えた大相撲名古屋場所では、感染拡大の影響で力士や親方などの休場が相次ぎ、けがの2人を含め、戦後最多となる23人の関取が休場する異例の事態となっていました。




2022/07/25
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士は貴景勝に敗れて4敗となり、逸ノ城との優勝決定戦に進めなかった。
大関を最後までつかまえられずに押し出され、「自分のできることはここまで」。
悔しさを押し殺した。
序盤戦で2敗と苦しんだ後は白星を重ねたものの、14日目に正代の引き技に不覚を取ったのが痛かった。
2場所連続の優勝はならず、「一から体をつくり上げたい」と先を見据えた。


貴景勝

逸ノ城が3敗を守り、取組前には優勝がなくなったものの、照ノ富士との結びに「力を出し切ろうと思った」。
抱えようとする横綱を下から起こして押し出した。
取組後の表情は浮かなかった。
7日目に3敗となった後、巻き返して優勝争いに食らい付いたが、14日目に若隆景に喫した黒星は痛恨。
「優勝以外、何もない」と大関のプライドをのぞかせ、「1勝の重みが大きい。そういうところが弱いところ」と自身に厳しい目を向けた。


正代

正代が9場所ぶりの2桁白星となる10勝を挙げた。
力強く当たって終始攻め、粘る若隆景をはたいて土俵にはわせた。
持ち味の馬力を発揮し、「常に圧力をかけられていたのでよかった」と納得顔だった。
4度目のかど番だった今場所は初日から3連敗を喫したが、何とか盛り返した。
「優勝争いにほとんど関われていないのは悔しい。来場所以降は絡んでいけたら」と奮起を誓った。


逸ノ城

24日、「未完の大器」が真の怪物になった。
西前頭2枚目逸ノ城が12勝3敗で初優勝した。
宇良を退け、3敗で並んでいた横綱照ノ富士が敗れた。
新入幕から所要47場所は史上9位のスロー記録。
1972年名古屋場所で米ハワイ出身の平幕高見山が外国出身力士初制覇を果たしてから50年の節目に、モンゴル出身力士が初優勝を達成。
コロナ禍で途中休場の関取が戦後最多23人と、前代未聞の場所でもあった。
怪物と呼ばれた男が、ついに悲願を達成した。逸ノ城は「本当に夢のような感じ。いつか優勝したいと思っていた」としみじみ言った。
新入幕の14年秋場所で白鵬と優勝を争ってから8年。
回り道をしながら、やっと頂点にたどり着いた。
また、殊勲賞も受賞。
5日目には照ノ富士に勝ち、歴代10位タイとなる通算9個目の金星を獲得していた。
逸ノ城の殊勲賞は19年春場所以来、3回目の受賞(三賞は4回目)となった。


北勝富士

千秋楽、幕内・北勝富士が24日、新型コロナウイルスに感染したため休場した。
千秋楽の対戦相手、新入幕の錦富士は今場所3度目の不戦勝。
休場は昨年秋場所以来で3度目。
同部屋の幕内・隠岐の海も休場し、対戦相手の千代丸は不戦勝となった。
同部屋で十両・北の若や幕下以下の所属力士は、取組が北勝富士の陽性判明前だったため出場した。
師匠の八角理事長は幕内優勝表彰式を欠席し、陸奥事業部長が代行した。


錦富士

24日、新入幕の錦富士が敢闘賞を受賞した。
三賞選考委員会に千秋楽で勝利したらという条件付きで選考されたが、その後に対戦相手の北勝富士の休場が発表され、受賞が決まった。
この日も含めて今場所は3度の不戦勝もあった。
それでも2桁へと白星を乗せ「勝ったときはしっかり当たって自分の相撲が取れました。不戦勝は複雑な気持ちもあるけど、朝からしっかり準備してのもの。いい結果になったと思います」と話した。


番付編成は変則的な措置か!?

コロナ関連で途中休場が初めて出たことで、秋場所の番付編成は変則的な措置が取られそうだ。
本紙が十両以上の秋場所予想番付を作成。
関脇、小結で番付降下する力士が不在(大栄翔はコロナ休場で据え置きとみられる)で優勝した逸ノ城が1枚しか上がらない状況となり、関脇を4人と予想した。
コロナ関連で途中休場した力士は休場した時点で勝ち越し、および負け越しが確定している力士は「昇降」させた。
番付編成会議は27日に開催される。




2022/07/24
大相撲ニュース
照ノ富士

14日目、横綱照ノ富士が大関正代に不覚を取り、3敗に後退。
立ち合いで右にいなされ、引き落としを決められた。
2敗で並ぶ平幕の逸ノ城も敗れたため依然優勝争いをけん引することは変わりないが、名古屋開催では初の賜杯獲得を目指す中で不安を残す一番となった。
取組後の取材には応じなかった。


貴景勝

14日目、東大関・貴景勝は、東関脇・若隆景に送り出されて黒星を喫した。
2敗だった横綱・照ノ富士、西前頭2枚目・逸ノ城ともに敗れ、賜杯の行方は1差で追う貴景勝を含めた3人に絞られた。
成長著しい27歳の難敵に苦杯を喫した。
立ち合い当たって、相手の右腕をつかんで左からの小手投げを繰り出すも残された。
若隆景に素早く右を差されて、体の左から一気に押されて土俵下へと送り出された。
幕内での対戦成績は直近3連敗となり、通算5勝4敗となった。
「しっかり自分の攻めをしたかったんですけど…。勝たなきゃいけない。負けたということでした」と取組後は言葉少なに場所を後にした。


正代

14日目、大関正代が横綱照ノ富士に土を付けた。
「まわしを取られたら相手の相撲になるので、低く、前傾で取るようにしました」と狙い通りまわしを許さず、引き落としで横綱に勝利。
引き落としも見事だったが、その後の“技”も見事だった。
場内はどよめき、座布団が舞う。
勝ち名乗りを受けるため、そんきょしたとき、後頭部になんと座布団が直撃した。
だが、顔色ひとつ変えず、自身に当たった座布団が土俵に落ちる前に、見ることなく左手でつかみ取ったのだ。
「顔に当たったら危ないけど、後ろからだったので大丈夫でした」。
冷静に話したが、ビックリのスーパーキャッチだった。


若隆景

若隆景が6場所連続の勝ち越しを決めた。
鋭く踏み込み、貴景勝のやや強引な小手投げにもうまく対応。
横に食い付いて土俵の外に運んだ。
4日目までに3敗を喫したが、そこから立て直した。
八角理事長は「ここで勝ち越せるのは力をつけている証拠。大関と対戦しても見劣りしない」と評価した。


霧馬山

霧馬山が若元春との熱戦を制した。
取り直しの一番。
突き押しでは攻め切れずに左四つで組んだが、巻き替えてすくい投げや出し投げで崩した。
土俵際のうっちゃりにも耐えて寄り倒し、「負けても前に攻めようという強い気持ちだった。うれしい」と声を弾ませた。
場所前の出稽古で手合わせした相手から、幕内では3度目の対戦で初白星。
勝ち越しが懸かる千秋楽に向け、「一生懸命頑張る」と気合を入れた。


逸ノ城

14日目、西前頭2枚目の逸ノ城が明生に寄り切られ、痛恨の3敗目を喫した。
張り差しから左上手を引いたが圧力をかけられず、明生に得意の左四つになられ万事休す。
取材には応じなかった。
八角理事長は「相撲に対する姿勢ですよ、姿勢。苦労しないで、楽して上手を取ろうとするとこういう結果になりますよ。これで反省してくれればいいですけど」と厳しいコメント。
まだ優勝の望みはある。
理事長の言葉を胸に奮起するしかない。


阿武咲

14日目、阿武咲が新入幕の錦富士を寄り切って9勝目を挙げた。
立ち合いから押し込まれたが二本差して形勢逆転。
一気に攻め返して勝負を決めた。
この2人は青森・三本木農業高の同級生。
阿武咲は中泊町、錦富士は十和田市の出身。
小学生の頃から何十回と対戦してきており、高校では阿武咲が退学するまでの1年弱、チームメートとして一緒に稽古してきた。
公式戦では全て阿武咲が勝っていたという。
場所前から互いにこの対戦を熱望しており、14日目にようやく実現。
阿武咲は「純粋にうれしかったですね」と盟友との再会を喜んだ。
高校の稽古場で顔を合わせて以来、10年ぶりの対戦が幕内の土俵。
「青森の方々や自分と隆聖(錦富士=本名・小笠原隆聖)の指導者の方にも恩返しになる」。
立派に成長した姿を見せることができた。


竜電

大相撲名古屋場所の十両は、三役経験者の竜電が24日の千秋楽を待たずに2回目の優勝を果たしました。
名古屋場所の十両は22日の13日目を終えて高田川部屋の竜電がただ一人2敗でトップに立ち、4敗で宮城野部屋の北青鵬などが追う展開となっていました。
23日の14日目、竜電は中入り後の取組で幕内の妙義龍に寄り切りで勝ち、24日の千秋楽を待たずに、2回目の十両優勝を果たしました。




2022/07/23
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士が完勝。
立ち合いでややずれた若隆景が左でまわしを引いたが、構わず前に出て、力強く押し出した。
勝ち越しが懸かっていた関脇相手に気迫あふれる相撲。
土俵下の粂川審判長は「尻上がりに良くなっている」と評価。トップで並ぶ逸ノ城には5日目に敗れており、「もう落とせないという気持ちじゃないか」と横綱の胸中を推察した。


貴景勝

13日目、大関貴景勝は大関正代を力強く押し出して3敗を死守。
取組後は「集中してやりました。体の状態? あまりいいとか悪いとか考えない。どちらにしろやらないといけない」と淡々と語った。
優勝争いトップの横綱照ノ富士、幕内逸ノ城を1差で追走。
逆転Vをあきらめていない大関は「毎日負けたくないんで、あんまり今日どうとかない」としつつ「明日も準備して一生懸命頑張ります」と気合が入っている。


正代

13日目、前日に勝ち越しを決めてかど番脱出した大関正代は同じ大関の貴景勝に押し出しで敗れ、6日目から続いていた連勝が「7」で止まった。
立ち合いから右を差しにいったが、仕留めきれなかった。
「流れとして悪くなかったけど、土俵際で攻めきれなかったですね」と反省点を並べた。
新型コロナウイルスの影響で途中休場する力士が相次ぐ今場所。
この日は幕内の取組が、5番連続で不戦勝が起きる異例の事態もあった。
「取る時間帯はあまり変わらなかったのでいつも通りアップはできましたけど」と振り返る正代だが、「出番が来るのは早く感じました」と普段と異なる雰囲気を感じていた。
前日に勝ち越しを決めてかど番脱出を果たしたが、ここで終わるつもりはない。
いつも以上に体調管理を徹底しながら「あと2番あるので、しっかり最後まで相撲を取り切りたい」と抱負を述べた。


逸ノ城

13日目、逸ノ城は不戦勝で11勝目を挙げ、照ノ富士とともに変わらず首位。
朝稽古後に対戦相手の錦木の休場を知ったといい「しっかり残りを頑張りたい」と勝負の2日間を見据えた。
支度部屋では「ちょっとゆっくりした感じ」と、軽めのウオーミングアップにとどめたという。
初優勝が視界に入る最終盤。
空白が一日できたことによる影響は「ちょっと分からない」と言う。
29歳の実力者は「一日一番、自分の相撲を取り切りたい」と変わらぬ姿勢を口にした。


王鵬

大横綱大鵬の孫、王鵬が幕内3場所目で初めて勝ち越した。
5日連続となった照強の足取り狙いも想定内。
潜ってきた相手に覆いかぶさるようにして上手をつかみ、出し投げで土俵にはわせた。
これまで幕内では終盤戦に黒星が重なっていたが、今場所は「集中力が続いている」と順調。
場所前の出稽古の成果が出ているといい、「体の使い方がだいぶ良くなってきた」と手応えを口にした。


錦富士

13日目、翔猿の休場により、錦富士が26歳の誕生日に不戦勝で9勝目を挙げた。
9日目の一山本戦に続き、昨年9月場所の高安以来となる1場所で2つの不戦勝獲得。
取組がないことは早くに分かっていたが、この日の朝はいつも通り汗を流したという錦富士。
「毎日、しっかり準備してることが健康面とかいろんなことにつながってよかった」。
26歳での抱負を「けがなく飛躍の年にしたい」と語った。


関取休場 戦後最多21人

大相撲名古屋場所は、十三日目の二十二日、芝田山、片男波、伊勢ノ海、追手風の四部屋で新型コロナウイルスの陽性者が出たため、所属力士らが休場した。
今場所の十両以上の休場者は、けがによる二力士を含めて二十一人と戦後最多となり、この日の幕内取組十八番のうち七番が不戦と異例の事態となった。
この日は、自身の感染が判明した東前頭五枚目で追手風部屋の遠藤や、八勝四敗と好調だった西前頭八枚目の錦木らが休場。
錦木の対戦相手で優勝争いトップの逸ノ城は不戦勝となった。
新型コロナ関連で力士らの途中休場は七日連続で十一部屋目。
場所前に全休が決まった田子ノ浦部屋を合わせると全四十三部屋のうち計十二部屋となった。
休場者数は全力士の三割に近い百七十二人で、幕内では全四十二人のうちけが人一人を含めて十四人。

日本相撲協会 休場ページはこちら。
https://www.sumo.or.jp/ResultData/absence/


朝乃山が全勝V

新型コロナウイルス感染対策のガイドライン違反で6場所の出場停止処分を受け、西三段目22枚目で復帰した元大関・朝乃山が7戦全勝で三段目優勝を果たした。
「素直にうれしい。自分の相撲を取り切ることだけを考えて土俵に上がった。今まで応援してくれた方々に、自分の不祥事で申し訳ないという気持ちがあったが、少しでも恩返しができたかなと思う」と語った。




2022/07/22
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士は2連敗中だった大栄翔を問題にしなかった。
圧力に苦しめられていたが、この日は突っ張りをあてがいながら前進。
反撃の隙を与えずに押し出した。
土俵下の師匠、伊勢ケ浜審判部長は「立ち合いで踏み込んでいた。受けていなかった」と評した。


貴景勝

貴景勝が錦木を圧倒した。
右の喉輪で起こすと、反撃を許さずに押し出し、「あまり覚えていないが、集中してやった」。
淡々と振り返った。
11日目の翔猿に続いて好調な平幕力士を下した。
この日は内容も良く、「しっかり準備して頑張る」。
自身が1差で追う照ノ富士と逸ノ城との優勝争いを見据えた。


正代

12日目、やや遅れ気味の、上体が起きた立ち合い。
序盤の正代なら、この後なすすべなく負けていたかもしれない。
今は違う。
「よく足が出てくれたと思います」。
どんどん前へと踏み出し、突いてくる碧山が逆に下がる。
巨体にぶつかっていき、最後は倒れ込みながらも押し出した。
7連勝で勝ち越し。
初日から3連敗したが、暗雲を吹き飛ばし、かど番脱出を決めた。
「すごくホッとしています」。
春場所では初日から4連敗という絶体絶命の状況から奇跡のかど番脱出。
これは現行のかど番制度ができた1969年7月場所以降では初だったが、今回も驚異の反発力を見せた。


逸ノ城

逸ノ城は動きのいい翔猿を冷静に退けた。
どっしりと構え、相手を正面に置いては圧力をかけ続け、土俵の外に追いやった。
白星を1年ぶりに2桁に乗せ、照ノ富士とともにトップを守ったまま残り3日間へ。
八角理事長は「落ち着いている。平常心で力を出せれば」と、初優勝への条件を挙げた。


両者不戦敗の異例

12日目の21日、新型コロナウイルス感染拡大で休場者が続出した影響で、幕下と三段目の取組で両力士とも不戦敗となる異例の事態が起こった。
いずれも佐渡ケ嶽部屋と浅香山部屋の力士の対戦が組まれていた。
20日に佐渡ケ嶽、玉ノ井両部屋の全力士の途中休場が決まり、21日には浅香山部屋での陽性者判明も発表された。
相次ぐ不戦に館内がざわつく場面もあった。




2022/07/21
大相撲ニュース
照ノ富士

11日目、豊昇龍の目まぐるしい攻めを残した照ノ富士が2敗をキープした。
横につかれた豊昇龍にすそ払い、ちょんがけで揺さぶられ、下手出し投げには土俵の真ん中でクルクルと振り回された。
それをしのぐと右から絞り上げ、力ずくで寄り切った。
八角理事長は「よく考えてから左上手を取っている」と豊昇龍の動きをほめたが、「照ノ富士も落ち着いていた」と横綱の安定感を評価していた。


貴景勝

貴景勝はうるさい翔猿を問題にしなかった。
張り手も交えて懐に入れさせず、相手が体勢を崩したところをはたき込んだ。
「あまり覚えていない」と振り返ったが、冷静な取り口だった。
5月の夏場所は千秋楽で辛くも勝ち越した。
今場所は賜杯争いに1差で食らい付き、八角理事長は「千秋楽までついていくことが条件だが、久しぶりにチャンスなんじゃないか」と期待。
本人は「一生懸命やり切るだけ。また集中したい」と気を引き締めた。


正代

正代が遠藤を退け、かど番脱出に王手をかけた。
引いて土俵際まで後退したが、左を差して耐え、右をねじ込みながら反撃。
最後は巻き替えに乗じて寄り切り、「何とか残して攻め返せた。反応は良かったと思う」と一息ついた。
序盤戦で4敗して大関陥落が危ぶまれたが、6日目から白星を六つ並べ、「まさかここまで来られるとは思っていなかった。早い段階で勝ち越せたらいい」。
日に日に表情が和らいできた。


逸ノ城

11日目、西前頭2枚目の逸ノ城が、小結阿炎を送り出しで破り9勝目を挙げた。
突き押しが得意の阿炎の攻めにも動じず左で振っていなし、後ろに回って押し出した。
「自分の相撲ではなかったですけど、タイミング良くいけた」と2敗を守り、横綱照ノ富士と共に優勝争いを引っ張る。
12日目は幕内の翔猿と対戦する。
終盤戦に向けて負けられない戦いが続く中、「しっかり頑張りたいです」と気持ちを込めた。


錦木

11日目、張ってこようが、鋭い立ち合いはにぶらない。
錦富士は当たってから突いていき、千代大龍の上体を起こして2本差し込んだ。
両下手ともしっかりと引く。
そして181センチ、190キロの相手を力強く寄り切った。
「部屋でも横綱や宝富士関、熱海富士がいる。もろ差しになってすぐ動いて、自分の形でできた」と話したように、大きくて腰の重い関取相手と常日ごろ稽古している成果が出た。
183センチ、149キロと体格では見劣りしても、力では決して引けを取らなかった。
新入幕ながら11日目で勝ち越しを決めた。
トップの照ノ富士、逸ノ城を1差で追う。
照ノ富士からは「決定戦をしよう」とハッパを掛けられているそうだ。
その言葉通り、同部屋の優勝決定戦を実現できれば、1997年11月場所の貴ノ浪、貴乃花以来25年ぶり、6度目(ともえ戦、トーナメント戦除く)となる。
「横綱は全部勝つと思います。自分は1日1番でいいかなと。ここから調子の良い力士と当たる。頑張ってやっていきたい」
6日目から横綱土俵入りの露払いを務めている。
横綱を先導する役目だが、相撲では横綱の背を必死に追っている。
目の前の一番にとにかく全力を注ぐ。
幕尻から無欲で残り4日間に挑む。


感染に伴う力士の休場が急増

大相撲名古屋場所で、新型コロナウイルス感染に伴う力士の休場が急増し、11日目の20日は全体の約2割の取組が「不戦」になる異例の事態が生じた。
力士らのコロナ感染が判明するのは5日連続となった。
この日は大所帯の佐渡ケ嶽、玉ノ井の両部屋で力士のコロナ陽性が明らかになった。
感染拡大を防ぐため、優勝争いをしていた平幕の琴ノ若を含む全力士(計49人)が休場。
この影響で全体で143番の取組のうち十両以上の5番を含む25番が不戦になった。

八角理事長は「大変だ。でも、残った人で頑張るしかない。苦しいですね」と苦境にあえぐ胸中を吐露。
感染対策を徹底しているだけに「本当に基本的なことをやるしかない。15日間取らせてあげたかった。お客さんにも申し訳ない」とやりきれない思いを口にした。




2022/07/20
大相撲ニュース
照ノ富士

横綱照ノ富士は7年ぶりの横綱戦となった佐田の海を寄せ付けなかった。
左上手を取ってあっさりと捕まえ、胸を合わせて前に出て寄り切った。
三役以上では唯一の2敗を守って、3人の平幕力士とトップで並走。
11日目からは2場所連続優勝に向けて役力士との連戦に臨む。


貴景勝

大関貴景勝が大栄翔に完勝。
得意の突き押しで前進すると、最後はいなしに乗じて送り出した。
場所前の稽古で手合わせをした相手に隙を与えなかった。
勝ち越しに王手をかけ、トップ4人を1差で追う。
8日目の遠藤戦後には、左肩辺りを痛がるしぐさを見せていたが心配なさそう。
「きょうは集中してやった」と、手応えを口にした。


正代

この勢いを止めるつもりはない。
10日目、大関正代が幕内宇良を寄り倒して6勝目。
立ち合いで低く当たった相手を起こし、そのまま攻め込んで土俵下に落とした。
「仕切り線から離れていたので何かされるんじゃないかと。(立ち合いで)迷いそうになったけど、一歩踏み込んでがっちりかまそうと考えました」。
業師≠ェ相手だっただけにいろんなことが頭に浮かんだようだが、大関の体が反応した。
苦戦が続いた序盤戦から一転して5連勝。
「調子が上がってきているので、ますます初日からの連敗がもったいないと考えてしまう」と率直な心境を明かした。
カド番脱出が見えてきた正代は「この調子で一番一番大事とっていけたら」ときっぱり。
勝ち越しだけでなく、大関としての意地を見せるつもりだ。


若隆景

10日目、5勝4敗の若隆景は遠藤との対戦。
2桁勝利へこれ以上負けられない若隆景。
19日は、過去1年間で3勝0敗と得意にしている前頭五枚目の遠藤と対戦。
立ち会いから5秒互いにまわしを取ると、一時膠着状態に。
体を入れ替えた若隆景の出し投げはかわされるが、そのまま押し出して6勝目。
二けた勝利へ希望をつないだ若隆景、20日は碧山と対戦する。
若隆景の兄の若元春は、隠岐の海を寄り切って5勝目、星を五分に戻した。
20日は北勝富士と対戦する。


逸ノ城

10日目、西前頭2枚目の逸ノ城が、東前頭3枚目の玉鷲との一番を制し8勝目を挙げた。
土俵際まで追い込み、最後は自分の体を預けるようにして寄り倒した。
初日から6連勝で一時独走態勢に入るかと見えたが、7、8日目と連敗。
そこから2連勝と持ち直してきた。
「本当に体は悪くない。前に出れている」と終始納得のいく相撲ができている。
終盤戦に向けて「後のことを考えず目の前のことだけ考える。一番、一番集中していけば星は付いてくる」と突き進む。


翔猿

10日目、西前頭6枚目翔猿が、東前頭10枚目千代大龍を押し出しで下し8勝目を挙げた。
途中、相手にまげ付近をつかまれて激しく振られる厳しい攻めにも耐え、「(相撲を)取っているときは分からなかったです。しっかり前に出られて良かったです」と喜ぶ快勝だった。
3月の春場所以来の勝ち越しを早々と決め、自身の幕内最高成績の20年秋場所(11勝4敗)を上回る可能性もある。
優勝争いに絡んでの終盤戦へ「ここから一番、一番積み重ねていけるよう頑張ります」と気合を入れた。


錦木

10日目、西前頭8枚目の錦木が「勝ち越し第1号」となった。
千代翔馬の動きを見極め、引いてきたところを一気に押し出した。
10日目の勝ち越しは自己最速。
06年春場所初土俵の同期で引退した元小結松鳳山の思いも背負う土俵で、伏兵に浮上してきた。
横綱照ノ富士、平幕で逸ノ城、翔猿が2敗を守り、勝ち越しを決めた。
17年目のベテランが初体験の優勝争いにちむどんどん(沖縄の方言でワクワクする気持ち)してきた。
錦木はくせ者千代翔馬の動きを見極めて押し出し。
10日目の勝ち越しは10勝をあげた18年夏場所の11日目を超える自己最速。
「こんなに早い勝ち越しは初めて。うれしいですね」と喜んだ。


武蔵川部屋 休場

19日、武蔵川部屋の力士が新型コロナウイルスの陽性判定を受けたため、師匠の武蔵川親方や所属力士らが同日から休場すると発表した。
所属力士や関係者の感染に伴い、力士らが途中休場するケースは4日連続で4部屋目。
また呼び出し次郎(春日野部屋)も感染が判明し、同日から休場した。
結びの取組は克之が務めた。




2022/07/19
大相撲ニュース
照ノ富士

万事休すの土俵際から形勢逆転。
照ノ富士は相撲巧者の遠藤を最後は力でねじ伏せた。
立ち合いの低い遠藤に懐へ入られた。
相手の右腕を抱えようとしたところを突かれて俵に足がかかったが、残して振り回すように体を入れ替え、力強く押し出した。
土俵下で見届けた師匠の伊勢ケ浜審判長は「2本差されたが、腰が割れていて、慌てないで良かった」と冷静な取り口を評価した。


貴景勝

貴景勝が初顔合わせとなった若元春の挑戦を退けた。
立ち合いで相手の上体を起こし、すかさず左からの強烈な突き落とし。
3敗に踏みとどまり「集中していく。勝ちたい」と表情を引き締めた。
この日、師匠の常盤山親方の兄弟子で、元横綱2代目若乃花の死去が発表された。
先人から伝統を受け継ぐ思いを聞かれ「一生懸命やるべきことをやっていく」と応じた。


正代

大関かど番の正代が4連勝でついに白星先行。
小結阿炎の強烈な突きに耐え、逆転の突き落としを決めた。
勝ち星が挙がらずに苦しんだ序盤、取組前に偶然すれ違った間垣親方から「汗をかいて、(体を)温めてから行け」と声を掛けられた。
その後は軽めのスクワットをしてから土俵へ。
体の動きが良くなったことが勝ちにつながってきており、「押し込まれる相撲もあるが、そこをなくしていけば結果もついてくる」と正代。
金言も力にして巻き返しを誓う。


琴ノ若

琴ノ若が相撲巧者の若隆景に快勝した。
右四つに組むと、圧力をかけて前へ。
右からの投げで崩した後、体を預けながら寄り切り、「じっくり攻めながら形をつくって出られた」と自賛した。
照ノ富士らと2敗でトップに並び、勝ち越しにも王手。
「どんな形であれ、攻める相撲の流れで取らないと墓穴を掘る。できるだけいい内容を心掛けている」。
しっかりと足元を見詰めた。


翔猿

9日目、翔猿が志摩ノ海との我慢比べを制して2敗を守った。
過去2勝5敗と合口の悪い相手と激しい攻防の末、最後は蹴返しからのはたき込み。
「引かずに我慢して前に出ることができた。いつも相手の形になってしまう。苦手だったんでよかったです」。
優勝争いにはクールで「これからも頑張っていくだけ」と話した。


一山本

18日、放駒親方が新型コロナウイルスに感染したと発表した。
同親方が師匠を務める放駒部屋所属の幕内・一山本、十両・島津海ら力士6人は名古屋場所9日目から休場となった。
一山本は8日目まで6勝2敗で優勝争いのトップに並んでいた。


錦富士

9日目、対戦相手の一山本が休場のため、不戦勝で7勝目を挙げた。
勝ち越しまであと1勝。
新入幕での勝ち越しに注目。


2代目若乃花死去

大相撲の第56代横綱2代目若乃花の下山勝則(しもやま・かつのり)さんが16日午後6時47分、肺がんのため大阪市内の病院で死去した。
日本相撲協会が18日に発表した。
69歳だった。
青森・大鰐町出身。
現役時代は優勝4度で、引退後は年寄「間垣」を襲名して間垣部屋を興した。
横綱照ノ富士の入門当時の師匠だった。


座席での飲食を禁止

日本相撲協会は18日、新型コロナウイルス感染拡大に伴い、大相撲名古屋場所10日目の19日から来場者の座席での飲食を禁止すると発表した。
飲食は相撲協会が指定する館外の場所などに限定。
座席では水分補給のみ認める。




2022/07/18
大相撲ニュース
照ノ富士

8日目、結びの照ノ富士―若元春戦は、行司がかけた「まわし待った」で止まらない異例の一番となった。
約2分の攻防の末、左四つで組んでこう着するうちに若元春のまわしが緩んだ。
行司の式守伊之助の「待った」で照ノ富士が力を抜いたが、微妙なタイミングでかかったこともあってか、「全然分からなかった」という若元春は勝負を続け、横綱を寄り切る格好に。
館内は騒然となった。
土俵上では佐渡ケ嶽審判長らが対応を協議。
その間に若元春はまわしを締め直した。
前代未聞の中断を経て、同審判長が確認しながら、「待った」の直前の体勢に戻して再開。
照ノ富士の下手投げで決着した。
若元春は「頭の中が真っ白で、あまり覚えていない」。
八角理事長は「若元春は自分で勝機を逃した。最初からきっちりまわしを締めないといけない」と苦言を呈した。


正代

8日目、かど番の大関正代が、寄り切りで幕内の玉鷲を下した。
立ち合いで鋭く当たられて土俵際まで追い込まれたが、簡単には割らない。
しぶとく耐えて反撃に転じると、もろ差しから相手を力強く攻めたてた。
「押し込まれるところがありましたが、最後までなんとか残りきれた」と自らの頑張りをたたえた。
これで3連勝で星を五分に戻した。
白星が付いてくると、言葉にも表情にも余裕が生まれる。
「序盤の相撲に比べて良くなっている」「もっともっと良い方向にいったらいいなと思います」と前向きな姿が目立った。
初日から3連敗でスタートした当時はなかった傾向だ。
かど番脱出するために勝負の後半戦へ「きょうは上体が起きちゃったんで、立ち合いをもうちょっと鋭くしたい。さらに角度をつける。そういう相撲が取りたいです」と力強く意気込みを語った。


琴ノ若

8日目、東前頭2枚目琴ノ若が、西前頭2枚目逸ノ城を寄り切りで下して、単独トップから引きずり降ろした。
右四つから巻き替えて右上手を取り、振って体勢を崩して寄り切った。
「止まると苦しくなるので止まらずに攻められた。先に先に動いて相撲が取れた」と狙い通りの一番だった。
2敗を守り、優勝争いでトップタイに並んだ。
8日目を終えての2敗は自身を含んで7人と混戦模様の名古屋場所。
初優勝へ力が入る残り7日間となるが「なるようにしかならない。まずは自分の相撲に集中したい」と目の前の一番に集中する。


翔猿

中日、前頭六枚目・翔猿が、前頭九枚目・琴恵光を蹴返しで下した一番で、勝負が決まった瞬間、解説を務めていた元横綱・若乃花の花田虎上氏が「巧い!」と絶賛した。
立ち合い正面からぶつかっていった両者だったが、翔猿は相手と組むと隙を見たのか、右足で対戦力士の右足を内側から払う蹴返しを決めた。
その瞬間、花田氏は「巧い!」と一言。
それから「ちょっと琴恵光は見過ぎてしまいましたかね。上半身でどういう動きをしているのかを見過ぎて、足の動きがわからなかったのではないでしょうか」と敗因を分析していた。


錦富士

8日目、新入幕の東前頭17枚目錦富士が、西前頭13枚目千代翔馬を寄り切りで破って2敗を守った。
立ち合い変化で右に跳んだ千代翔馬だったが「頭にはあった」と想定済みの錦富士。
しっかりついていき、右上手を取って動きを止めた。
土俵際での出し投げ気味の上手投げは不発となったが、体を入れ替えて寄った。
「割と思った通りだった。ここまではいいと思う」と8日目を終えての6勝2敗に手応えを感じた。
新入幕ながらに2敗を守り、優勝争いに絡んでいる。
だが「意識は全く。横綱がいるので」と同じく2敗で兄弟子の横綱照ノ富士をたてた。
この日に3敗に後退したが、7日目を終えた時点では同期の翠富士も2敗で並走。
照ノ富士から「一緒に頑張ろうなと言って頂きました」と激励を受けたといい、結果で応えた。


十両欧勝馬 陽性

8日目、新十両欧勝馬の新型コロナウイルス陽性が判明した。
今場所中の関取の陽性判明は、前日の大関御嶽海に続いて2人目。
名古屋場所担当部長の出羽海親方も感染し、17日に休場が発表された。
感染拡大に、八角理事長は「(対策を)しっかりやっていくしかない」。
これまでも力士たちは取組後のうがいや手洗いを徹底するなど、予防に努めてきた。
理事長は「本当に頑張っている。勝負以外にいろいろ気を使うところもあるから」と話した。
プロ野球やJリーグでは中止に追い込まれる試合も出ている。
大相撲でも陽性による休場者がこれ以上増えれば、難しい判断を迫られるかもしれない。




2022/07/17
大相撲ニュース
照ノ富士

真っすぐ当たってきた相手を抱え込んで土俵の外へ。
八角理事長は「何とか振りほどいて、という宇良の意図は見えたが、抜けなかった」。
横綱の冷静な取り口を評価した。
黒星発進から徐々に調子を上げてきている様子。
土俵下の粂川審判長は「連敗もないし、ここまで悪くない」とみた。


御嶽海

所属する出羽海部屋で感染者が出たことが判明し名古屋場所の7日目から休場した大関・御嶽海が新型コロナウイルスに感染したことが分かった。
休場が決まった出羽海部屋の力士ら協会員は16日、PCR検査を実施。
相撲協会によると御嶽海が陽性反応を示したという。
場所中のコロナ感染による途中休場は初で、御嶽海は2勝5敗8休で名古屋場所を終える。
場所前にコロナ関連で全休となったケースでは翌場所の番付は据え置き、もしくは1枚降下等の措置が取られたが、伊勢ケ浜審判部長は27日の秋場所番付編成会議で協議する方針を示した。


正代

7日目、かど番の大関正代が逸ノ城の全勝を止めた。
過去4勝12敗と苦手にしていた相手。
気迫にあふれた立ち合いで、逸ノ城が得意の右差しを許さず、左からいなし、下からの攻めで最後は押し出した。
今場所初の連勝で3勝4敗とした。
全勝力士はいなくなったが、1敗も逸ノ城だけで単独トップは守った。
大関貴景勝は阿炎の意表を突く変化気味の立ち合いからの上手投げに屈し、3敗目を喫した。
横綱照ノ富士は業師の宇良をきめ出し、逸ノ城に1差となる2敗を守った。


阿炎

7日目、阿炎が上手投げで貴景勝を破り、3敗をキープした。
立ち合いで貴景勝がスッと沈み込んだ動きに反応。
「かなり深く沈んだので、手が抜けてすぐ分かった。体がとっさに動きました」と左へ回り込みながら、まわしをつかんで豪快に投げた。
これで貴景勝には4連勝で、通算でも5勝2敗。
「ちゃんと集中して取れてるんだろうと。一番一番、しっかり集中して取りたい」と話した。


隆の勝

幕内・隆の勝が7日目を休場した。
6日目の琴ノ若戦で敗れた一番で右肩を痛めたという。
師匠の常盤山親方は「差して出ていって投げられた時に痛めたようだ。再出場は分からない」と説明した。
隆の勝の休場は2度に及んだ十両時代の19年初場所以来3度目。
この日の対戦相手、若隆景は不戦勝となった。


琴ノ若

7日目、琴ノ若が玉鷲の突きに屈して土俵際に追い込まれたが、とっさに体を開いて突き落とした。
軍配は玉鷲に上がるも物言い。
協議の結果、先に玉鷲が落ちたとして、行司軍配差し違えで5勝目を挙げた。
右足1本で徳俵に残っており「感覚はあった」と自信があった。
ただ「前に出る相撲で勝負を決めないといけない」と反省した。


錦富士、翠富士

7日目、ともに近大中退で2016年秋場所初土俵の錦富士と翠富士が5勝目。
照ノ富士の横綱土俵入りで露払いと太刀持ちを務める伊勢ケ浜部屋の25歳コンビが好調だ。
新入幕の錦富士は豊山に快勝。
青森・三本木農高時代には稽古をつけてもらったといい「その頃はレベルが全然違った。初めて対戦できて良かった」と喜んだ。
翠富士は左に動いて立ち「上手を取りにいったら相手が滑った。ラッキー」と妙義龍を素早く突き落とした。
幕内5場所目で「錦富士に負けないようにという気持ちが強い。いまは互角なのでバチバチです」と笑った。


朝乃山

6場所の出場停止処分が明け、三段目で今場所から復帰した元大関の朝乃山が4番相撲でも勝利し、4戦全勝で勝ち越した。
幕下経験もある和歌桜に当たって押し込み、回り込むいとまも与えず突き出した。
力量差は歴然で、勝負あった後は和歌桜へ右手をさしのべる余裕もあった。
取組後は取材対応しなかった。




2022/07/16
大相撲ニュース
御嶽海

7日目、大関御嶽海が、名古屋場所7日目の16日から休場することになった。
御嶽海の休場は小結だった19年初場所以来で3度目。
7日目の対戦相手、豊昇龍は不戦勝となる。
愛知・犬山市に宿舎を構える、所属する出羽海部屋から新型コロナウイルスの感染者が出たためで、御嶽海自身には感染はないという。
また、宿舎が別の出羽海親方(元前頭小城ノ花)と呼び出しは出場する。
今場所、かど番で迎えた御嶽海は6日目を終え2勝4敗。
ケガや病気など通常の休場なら7日目以降、黒星扱いとなり、御嶽海も負け越しとなり大関陥落となる。
ただ、20年3月のコロナ拡大以降、場所前に陽性判定や部屋で感染者が出てた場合、全休となっていたが、番付は基本的に据え置きとなっていた。
ここまで場所途中での、コロナによる関取の休場は初めてのケースとなるため、来場所の番付の扱いについては、番付編成を担う日本相撲協会審判部が協議する。
その対応が注目される。




2022/07/16
大相撲ニュース
照ノ富士

6日目、横綱・照ノ富士は、東前頭3枚目・玉鷲を突き落としで下し、4勝目を挙げた。
玉鷲にはこれまで3場所連続で金星を配給。
負ければ昭和以降初となる同一横綱から4場所連続金星の快挙を玉鷲に許すことになったが、完勝で阻止した。
それでも横綱は、この日の報道陣のリモート取材には応じなかった。
玉鷲との立ち合いは突き放されるも、動じずに前へ。相手の右の突きをかわすと、そのまま突き落としが決まった。
幕内後半戦を土俵下で見守った師匠の伊勢ケ浜審判部長は「落ち着いて相撲を取っていた。相手に持っていかれることもなかったですし、よかったんじゃないですか」と、弟子を評価した。
6日目を終えて単独全勝は平幕・逸ノ城、単独1敗は翔猿、2敗で照ノ富士ら10人が続く。
先場所に引き続き、大混戦の名古屋で横綱が連覇を狙う。


正代

6日目、不振の正代がようやく本来の相撲を取り、2勝目を挙げた。
踏み込みが鋭く、大栄翔の突き、押しにも動じない。
左をのぞかせ、目の覚めるような出足で押し出し。
昨年九州場所から4連敗していた苦手を退け「立ち合いの勢いがよく伝わった。勢いのままいった」と満足そうだった。
4度目のかど番を迎えた今場所は苦しい土俵が続く。
1勝4敗の序盤戦から流れを好転させられるか。
7日目は全勝の逸ノ城戦。
「今日みたいに攻める相撲が出てくれば内容は変わる。このままいい方向にいったらいい」と意気込んだ。


逸ノ城

6日目、横綱照ノ富士は玉鷲を落ち着いて退け、連敗を免れて4勝目を挙げた。
玉鷲の4場所連続金星獲得はならず。
かど番の2大関は、正代が大栄翔を圧倒して2勝4敗としたが、御嶽海はただ一人土つかずの逸ノ城に寄り切られて4敗目。
貴景勝は宇良を寄せ付けず4勝とした。


若隆景

ともに上を目指す同世代の熱戦に館内が沸いた。
若隆景が霧馬山に動き勝って星を五分に。
2連敗スタートから、本来の相撲を取り戻してきたようだ。
場所前に稽古場で番数を重ねた相手に、「しっかり自分の相撲を取ろうと思った」。
突っ張られて土俵際まで後退したが、右上手を引いて反撃開始。
いったん離れておっつける。
右を差す。
低い体勢で頭をつけて我慢。
左もこじ入れて一気に寄り倒した。
本人は状態が上向いていることを自覚しており、「しっかり自分の相撲を」と繰り返す。
三役以上は2敗が最高という荒れる場所。
「一日一番、一生懸命」を貫けば、再び旋風も起こせる。


琴ノ若

6日目、琴ノ若が上手投げで隆の勝を破り2敗を守った。
隆の勝の動きを止め、最後の詰めも慌てることなく、ぬかりなく決めてみせた。
「土俵の円の感覚をつかみながら相撲を取れているかなと思います」と土俵の勘もさえている。
「やることは変わらないので、しっかり出し切ってつながっていければ」と一日一日を大事にしながら千秋楽を目指す。


翔猿

6日目、翔猿が錦木を下手投げで倒した。
小兵の平幕力士が躍動感あふれる相撲で、土俵を盛り上げている。
翔猿が錦木との1敗同士の対決を制した。


錦富士

6日目、新入幕の東前頭17枚目錦富士が、待望の横綱土俵入りでの露払いを務めた。
この日、兄弟子の横綱照ノ富士の横綱土俵入りで露払いデビュー。
「感慨深いものがあった。初めて(横綱土俵入りを)間近で見てうれしかった」と目を輝かせた。
実は場所前から、6日目に露払いを務めることを照ノ富士から言われていたという。
幕尻のため今場所は初口(幕内最初の取組)が多くなると予想されていた。
初口だと横綱土俵入り後すぐの取組となる。
準備が慌ただしくなる上に、新入幕として普段以上に緊張するのではないかと照ノ富士に気遣われていた。
そのため中盤戦の6日目にとお願いされたものだった。
結果的にこの日は初口となったが横綱土俵入りから力をもらい、西前頭17枚目千代丸を寄り切りで破って4勝目を挙げた。
露払いの所作については「YouTubeを見たり、(兄弟子の)宝富士関や照強関から聞きました」という。
コツについては「リズムを崩さず、横綱に合わせるようにすることです」と明かした。


炎鵬が大技

十両の炎鵬が大技で館内を沸かせた。
左を深く差して右で小股すくいのような動きから頭で持ち上げ、豪快に天空海を背中から落とした。
自身より60キロ以上重い体を宙に浮かせた100キロの小兵は「たまたまですね。あまり覚えてないです」と振り返った。
昨年春場所も同じような体勢になり、炎鵬が「つり落とし」を決めていた。
持ち上げ方も倒れ方もほぼ同じだったが今回の決まり手は「寄り倒し」だった。



2022/07/15
大相撲ニュース
大栄翔

5日目、関脇大栄翔が、小結阿炎を突き出しで下して3勝目を挙げた。
「きょうは前に圧力をしっかり掛けられたし、立ち合いもしっかりいけたので良かった。同じ突き押し同士を相手に良い形でいけたのは、流れがきていると思う」と納得の内容で前半戦を締めた。
初日、2日目と黒星が続いたが、これで3連勝。
場所中の朝稽古で立ち合いや足の運びを入念に見直し、結果につなげている。
「気持ちの面で良くなっている。明日からも集中して1日一番と思ってしっかりいきます」。
大関取りの足固めを目指す今場所。白星先行で中盤戦に向かう。


逸ノ城

5日目、結びの一番で、平幕の逸ノ城が横綱照ノ富士を、もろ差しのガップリ四つから力でねじ伏せるように寄り切って、5連勝で単独トップに立った。
同時に9個目の金星で歴代10位に名を連ねた。
立ち合いの一瞬で左前まわしを引くと、前に出ながらの出し投げ、さらに頭をつけもろ差しの体勢に。
苦し紛れに、両腕をきめる照ノ富士だったが、何せ200キロの巨漢だけに効かない。
そのまま巨体を寄せ、横綱を寄り切った。


宇良

宇良が初めて大関・御嶽海を破った。
見ながらじっくり前に出てくる相手の右腕を抱え「思い切っていけた」と鮮やかなとったりで転がした。
同学年の両者は大学3年時に全国大会の決勝で対戦したこともあるが「稽古とかも含めて一度も勝ったことはなかった」という。
アマチュア時代から実績が上で、プロ入り後の出世も常に先を行く同期に初勝利。
「少しだけ成長できたかな」と控えめに喜んだ。


若元春

5日目、持てる力を思い切りぶつけた。
初の大関挑戦。
「負けて当然なんで気楽でした」。
若元春は鋭い立ち合いから左を差し、前に出た。
正代のすくい投げをこらえると同時に右上手を引く。
再び前に出て、すくい投げに耐えながら寄り切った。
込み上げてくるものをこらえるかのような表情。
「泣いてないです。ニヤニヤしてたと思うんですけど」と言ったが、勝利をかみしめていたのは間違いない。
自己最高位の東前頭4枚目。
上位陣総当たりとなる今場所で壁を一つ乗り越えた。




2022/07/14
大相撲ニュース
照ノ富士

4日目、照ノ富士が伸び盛りの琴ノ若をとったりで退け、2日目から3連勝。
差してきた相手に落ち着いて対処し、タイミング良く抱えた右腕を振り、土俵にはわせた。
「じっくりと見ていこうと思った。(内容は)悪くないと思う。引き続いて頑張っていきたいと思う」。
八角理事長は「横綱の思い切りが良かった。反応が速い」と照ノ富士の相撲勘を評価した。


御嶽海

4日目、かど番の大関御嶽海が、霧馬山を下して2勝目を挙げた。
立ち合いから突っ込んでくる相手を冷静に見てかわし、土俵中央で突き落としを決めた。
「自分より下に入られたんで、体が勝手に反応した」と振り返り、これで星を五分に戻した。
5月の夏場所で右肩を負傷。
名古屋場所開幕直前の取材でも相撲は取らずに調整してきたことを明かし、「ぶっつけ(本番)。『大丈夫です』としか言いようがない。相撲は取れるよ、という感じ」。
迎えた今場所4日目を終えて2勝2敗。
大関として黒星先行だけは避けたかったのか、この日の取組はがっちりと体を合わせない相撲内容。
右肩の不安を抱えながらの相撲に、幕内後半戦の粂川審判長は「しょうがないというか、星が欲しいという気持ちも分からなくもない」と思いやった。


正代

4日目、かど番の大関正代がようやく初日を出した。
小結の豊昇龍と対戦。
左を差し込みながら攻めきれず、土俵際まで追い込まれたが、必死の相撲で最後ははたき込んだ。
ぶさいくでもいい。
大関正代がなりふりかまわぬ相撲で豊昇龍をはたき込み、ようやく初日を出した。
「落ち着いていけるように相手を見ていきました」という言葉が弱気だ。
立ち合いで左を差し込みながら攻め込めず、土俵際に追い詰められるピンチを脱して最後は何とか白星をつかんだ。
「たぐられたりしてバタついてしまった。そこは改善しないと」と言った。


逸ノ城

4日目、コロナ休場明けの不安はどこにもない。
逸ノ城が得意の左上手をつかむと、211キロの巨体を生かして前へ。
貴景勝をグイグイと寄り切り、2019年春場所以来の初日から4連勝を決めた。
「前に出る相撲。それしかないんで。相手より先に先に前に出る相撲を目指して」
逸ノ城がまげをつかんだのではないかと物言いがついた。
昨年の九州場所では貴景勝戦でまげをつかんで反則負け。
「もしかしたら、九州みたいに反則負けになるんじゃないかと心配しました」と判定を待ったが、軍配は変わらず。
「よかったと思います」と胸をなで下ろした。
八角理事長は「どっしりしていますね。今場所、逸ノ城が活躍できるんじゃないですか」。
5日目の照ノ富士戦で、それが試される。


錦木

4日目、2日目で勝ちっ放しが消えるなど安定しない上位陣に比べ4連勝と好調だ。
31歳の錦木は3連勝同士の碧山を押し出した。
2006年春場所初土俵の同期生で仲の良かった元小結松鳳山が6月に引退。
「おまえは頑張れよ」と明るく声をかけられたといい「このまま白星先行でいければ」と闘志をかき立てた。


一山

4日目、2日目で勝ちっ放しが消えるなど安定しない上位陣に比べ4連勝と好調だ。
28歳の一山本は初日から5連勝の先場所に続く4連勝をマーク。
琴勝峰をはたき込む内容に「当たれているが、あと1、2歩押し込めていれば、もっといい相撲だった」と向上心をのぞかせた。




2022/07/13
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士が、先場所で金星を与えた隆の勝を下して2連勝。
すぐには組み止めることができなかったものの、左上手を引くと横綱の流れ。
投げの打ち合いで相手を土俵にたたき付けた。
優勝した先場所も初日を落としており、黒星発進にも焦りはないだろう。
八角理事長は「(照ノ富士にとって)ようやく普通の場所に戻ってきた」と気持ちを代弁した。


貴景勝

3日目、貴景勝が、大関の意地を見せた。
初日から2日連続大関撃破で勢いに乗る平幕の琴ノ若を、押し出しで下して2勝目。
強烈な張り手をかますなど、埼玉栄高の先輩としての意地も見せる相撲内容だった。


阿炎

阿炎はもろ手突きから御嶽海を攻め立てて快勝した。
2日目に宇良の立ち合いの動きに対応できずに敗れたことを反省。
「視野を広く、いろいろな想定を自分の中でしていた」と冷静だった。
初日の横綱照ノ富士に続いて大関からも白星。
上々の滑り出しにも、「その辺は考えずに次の相撲に集中したい」と、淡々と言った。


逸ノ城

逸ノ城が場所前まで2勝6敗だった豊昇龍を得意の左四つから寄り切って3連勝。
左から張っていった立ち合いに、「相手を捕まえて自分の体勢をつくりたかった」と苦手克服への闘志を見せた。
新型コロナウイルス感染による全休明けだが、「まあ、自分の相撲が取れている」。
きょう4日目の貴景勝戦で、14勝した19年春場所以来の初日から4連勝を目指す。


玉鷲

3日目、重心の低い遠藤がたまらず浮き上がった。
玉鷲のすさまじい押し。
2日目にして三役以上の全勝が消えた場所を、関取最年長の37歳が3連勝で引っ張っている。
「よかったですね。ほんとに。自分の技で勝てて。自分の相撲を取ってよかった」。
持ち味を存分に発揮でき、屈託のない笑みを浮かべた。
幕下以下の2人、3人を同時に相手にするなど稽古への工夫もさることながら、衰え知らずの秘密は食欲にもある。
名古屋場所では暑さのため食欲が減退し、体重を減らしてしまう力士が多い中で、玉鷲は「自分の体、ちょっと前とは違う…」と切り出した。
「多分、太り過ぎ。もうちょっと食事を減らして…」。
ばつが悪そうに続けた。
東京では「幼稚園に迎えに行ったりいろいろ用事があるから」とパパとしても走り回っているが、地方場所に来ると相撲の基本である稽古と食事に集中。
「5キロぐらい増えたんじゃないですかね。180キロ超えてます。食べるのが好きなんで。何でもおいしそうに食べちゃうっすね。一番悪いクセです」と恥じらいながらも正直に打ち明けた。


碧山

3日目、東前頭6枚目の碧山が初日から3連勝と好調だ。
今場所は初日から午前6時半には稽古場に下り、約2時間しっかりと汗を流しているという。
ブルガリア出身で36歳のベテランは「若い衆と一緒に準備運動して、30番くらい胸を出す。さらに2人のぶつかり稽古に胸を出した後、私も最後にぶつかる」と涼しい表情で話した。
3日目にして全勝が平幕5人と波乱含みの展開。
先場所は初日から6連勝するなど10勝を挙げた碧山は「上半身に力が入り過ぎているので、肩の力が抜ければ大丈夫だ」と自信をのぞかせた。




2022/07/12
大相撲ニュース
照ノ富士

2日目、横綱照ノ富士が、東前頭筆頭の霧馬山との熱戦を制して初日を出した。
立ち合いから頭をつけて低く攻め込まれ苦戦を強いられたものの、そこは横綱。
じっくりと好機をうかがい、最後は深く左を差して一気に寄り切った。
取組後の取材には応じなかった。
なんとしても連敗を避けたい中で対戦相手の霧馬山には過去7戦無敗と合口が良かった。
苦戦を強いられ1分以上に及ぶ熱戦となったが、白星をつかんだ。
これで星を五分に戻した。
幕内後半の審判長を務めた佐渡ケ嶽審判部長は「うまく相撲を取っているように見えた」と評し、同じ轍(てつ)は踏まないとばかりに、一人横綱が盤石の戦いぶりを見せたと評価した。


貴景勝

2日目、大関貴景勝が、小結豊昇龍を小手投げで下し、初日を出した。
激しく動き回る相手を冷静に見ながら、豊昇龍が足を滑らせてバランスを崩したところを逃さなかった。
この日、3大関で唯一の白星も、取組後のオンライン取材には応じず。
佐渡ケ嶽審判長は「先に攻めていたのがいい結果になった」と相撲内容を分析した。


隆の勝

隆の勝が大関正代に5連勝。
右喉輪で上体を起こし、一気に土俵の外へ運んだ。
「うまく喉輪が入ってくれたので、その後の流れも良かった。止まらずに前に出られた」と自賛した。
先場所は千秋楽まで優勝争いを演じ、自信になった。
今場所は黒星発進だったが、「きょうみたいな相撲が取れれば、白星を重ねられると思う」ときっぱり。
八角理事長も「大関とやっている感じではない。地力がついたのかもしれない」と評価した。


琴ノ若

伸び盛りの琴ノ若が暑い名古屋で躍動した。
正代に続き、御嶽海も倒して連日の大関撃破。
24歳が充実の姿を見せている。
相手の当たりに後退はしたものの、持ち前の上体の柔らかさも生かし、右を差して抵抗。
大関の巻き替えに乗じて体を入れ替え、素早く土俵の外に運んだ。
土俵下の審判長は父で師匠の佐渡ケ嶽親方が務めており、その前での勝ち名乗り。
「我慢して引かず、形をつくってから攻めることができた」と本人が納得の表情を浮かべれば、師匠も「どっしり構えている」と評価した。
先場所も初日から大関を3人続けて破り、格上相手にも気負いはない。
きっかけは幕内上位の壁にはね返された昨年9月の秋場所。
「そこで見詰め直したのがよかった。少しずつ通用するようになってきたのかな」と今では自信も垣間見える。
3日目は貴景勝戦が組まれた。
大関陣のふがいなさも目立つ中、「相手が誰というのは関係なく、自分の相撲を取る」。
白星をこつこつ積み重ねられれば、新三役も見えてくる。


豊山

5場所ぶりの勝ち越しを目指す豊山が、白星を二つ並べた。
土俵際で阿武咲をはたき込み、「苦手な相手に連勝できた」とえびす顔。
初日も幕内で過去2戦2敗だった王鵬を破っただけに、好調ぶりを実感できているようだ。
6場所の出場停止処分が明け、三段目から出直した元大関の朝乃山は学生時代からしのぎを削り、出世では先を越された相手。
「彼が番付を駆け上がったとき、彼のおかげで気持ちを切らさずに頑張れた。今度は逆の立場になれればいい」。
温かくエールを送った。


大奄美

西前頭16枚目の大奄美が、大相撲名古屋場所2日目の11日から左足首の関節靱帯(じんたい)損傷のため休場した。
約1週間の安静を要する見込み。
2日目の対戦相手、千代丸は不戦勝となった。




2022/07/11
大相撲ニュース
照ノ富士

10日、横綱に昇進し、1年がたとうとしている。
「名古屋での優勝はないので、『今年こそ』という気持ちがある」と照ノ富士。
真夏の名古屋に懸ける思いは人一倍強いが、土俵際で思わぬ逆転を許し、2場所連続で初日から土がついた。
立ち合いで阿炎の突き押しを受け止め、頭をつけるように前へ出た。
しかし、あと一押しが足りずにいなされ、土俵下に落ちた。
粂川審判長は「慌てて出たところを阿炎がうまく回り込んだ。もう少し左前みつをしっかり取っていれば良かった」と指摘した。


御嶽海

10日、御嶽海は、西前頭筆頭・隆の勝を押し出しで破った。
今場所負け越せば大関陥落となる「かど番」脱出へ、前に出る相撲で白星スタートを切った。
過去6勝6敗の難敵相手に一歩も引かず、初めて大関で迎えた地元・信州から近い”準ご当所”場所を沸かせた。
立ち合い喉輪で突き起こされるのは、寄り切りに屈して完敗した先場所と同じだったが、今場所の御嶽海は下半身の前傾姿勢が崩れない。
左のおっつけを効かせながらしっかりと踏み込み、たまらず引いた相手にも反応し、慌てることなく足を運んで押し出した。


阿炎

初日、2場所連続優勝を狙う横綱照ノ富士を小結阿炎が送り出しで破った。
新型コロナウイルスの感染拡大以来、初めて観客数を制限せずに開催された今場所。
初日に来場した6300人超を最も沸かしたのは阿炎だった。
結びの照ノ富士戦。
立ち合い、もろ手で突いていったが、全く押し込めない。
逆に横綱が前に出てくると、こらえきれず一気に土俵際に追い込まれてしまう。
この窮地で出たのが、阿炎らしいがむしゃらで素早い身のこなしだ。
右に回り込みながら相手の左腕を引っ掛けるように体を入れ替えることに成功。
送り出して殊勲の白星をもぎ取った。
「よく覚えていない。必死に体を動かしたら勝てた」。
客席から紫色の座布団がいくつか舞うのを横目に、37本の懸賞の束を受け取った。
まさに場所前、「技術面、力では圧倒的に横綱が強い。攻略法も何もない。全力で何かした時、チャンスが転がってくると思う。諦めず、最後まで力を出し切ること」と語っていた通りの相撲である。
初日の3日前に、痛風のような痛みが出た左足首は「万全な調子にまとめているので大丈夫」だという。


霧馬山

精力的だった場所前の出稽古の成果が、初日に早くも表れた。
霧馬山が貴景勝に快勝。
「(相手は)大関だし、ちゃんと相撲を取ろうと思った」。
真っ向勝負でつかんだ白星の味をかみしめた。
鋭い踏み込みで相手の出足を止めた。
激しい攻防の中、大関がよく繰り出す左からの攻めにも崩れない。
すかさず中に入り、一気に勝負を決めた。
出稽古が期間限定で解禁された6月には貴景勝を追って追手風部屋に出向き、2人で土俵を占拠するかのように番数を重ねた。
胸を借りて得た感覚が、この日の一番に生きているのだろう。
八角理事長も、「一発では押されない、というぐらいの気持ちが出てきている」と、霧馬山からにじみ出る自信を感じ取った。
幕内上位で2場所続けて2桁白星。
番付運に恵まれずに三役復帰こそ果たせていないものの、地力は確実に増している。
「負けても勝っても、自分の相撲を取ることをしっかり考えている」と無心を強調する霧馬山。
今場所、上位陣を大いにかき回しそうな雰囲気が漂っている。


琴ノ若

10日、琴ノ若が過去3戦負けなしの大関正代を押し出しで破った。
立ち合いから圧力に屈することなく、下からの攻めを貫き勝機をつかんだ。
「部屋に稽古相手が豊富にいるので、やることをやってきた」と成長ぶりを実感したが、喜びに浸らない。
「場所が終わったわけではないので」と気を引き締めた。


遠藤

初日、遠藤が若元春を一気に突き出した。
迷いのない突き押しは若元春も想定外だったようで、まわしを取らせるとやっかいな相手をうまく退けた。
取り組み後はリモート取材に応じ「また明日から頑張ります。自分らしい相撲を取れるように頑張ります」と話した。
先場所は7勝8敗で負け越したが、今場所は幸先の良いスタートを切った。




2022/07/10
大相撲ニュース
御嶽海

御嶽海は新たな化粧まわしを着け、かど番脱出に向けて勢いをつける。
松本市在住の漫画家、高橋ヒロシさんの作品「WORST」の登場人物を中心に、全勝を意味する15個の白星と「信州」の文字が描かれたデザインだ。


阿炎

9日、愛知県東海市の錣山部屋での稽古後に報道陣の電話取材に応じ、初日の照ノ富士戦に向け「相手は横綱。攻略法もくそもないと思っている。とにかく思い切りぶつかっていくことが勝ちにつながる」と気合十分だった。
幕下以下の力士を相手に差し手を許すなど不得手の形も確認。
「思った通りに体が動いたので、良かった。すごく手応えのある稽古だった」と充実感を漂わせた。
数日前に痛風の症状が出たという左足首にテーピングを巻いたが「大丈夫そう」ときっぱり。
関脇の先場所は7勝8敗と負け越しただけに「がっかりさせないように自分の相撲を取れたらいい」と意気込んだ。


正面ロビー 色とりどりの短冊

9日、ドルフィンズアリーナの正面ロビーでは、色とりどりの短冊がつるされたササが飾られ、ファンを出迎えてくれる。
七夕企画の『関取衆の願い事』が3年ぶりに復活。
横綱照ノ富士ら関取衆や、昨年名古屋場所を最後に現役を引退した元横綱白鵬の間垣親方らも直筆で願い事を書いている。
4度目のかど番を迎える正代が願うのは、そのまま「角番脱出」。
初のかど番に臨む御嶽海の方は「4回目の優勝」と大関としての初優勝を目指す。
ロシアとウクライナの戦闘が続いている。
そんな中でジョージア出身の栃ノ心は「世界平和」と漢字で書き記した。
天空海は「甘い物をたらふく食べたい?」。
一山本はズバリ「八山本」。
しこ名をもじって勝ち越しを目標に書いた。


土俵祭り

9日に会場で土俵祭りが行われ、日本相撲協会の八角理事長や、名古屋場所担当部長の出羽海親方(元幕内小城ノ花)らが15日間の安全を祈願した。
出羽海親方は「照ノ富士が横綱となって初めて名古屋に来る。
照ノ富士が引っ張る形になるが、幕内上位の若手も元気のある力士が多い。
どれだけ向かっていけるか」と、横綱中心の優勝争いに期待を寄せた。
2場所連続優勝を目指す照ノ富士を含め力士は昨年に続いて参加しなかった。
本場所では新型コロナウイルス感染拡大前の2020年1月の初場所以来、2年半ぶりに観客数の制限がない通常開催となる。
出羽海親方は「力士は熱い相撲を取ってくれると思うので、感染対策をしっかり取った上で、ぜひ多くのお客さんに来場してほしい」と呼び掛けた。
名古屋場所はコロナ禍により20年は会場を東京に移し、昨年は観客数の上限を収容人数の約半数としていた。




2022/07/09
大相撲ニュース
御嶽海

初のかど番で大関3場所目を迎える西の御嶽海は、勝ち越してかど番を脱出できるかが注目される。
先場所で痛めた右肩の回復は進んでいるものの、実戦的な稽古はできておらず、「ぶっつけ本番。初日、2日目を取ってみないと正直分からない」と不安も抱える。


若隆景

伊勢ケ浜審判部長は8日、大相撲名古屋場所の取組編成会議後に報道陣の電話取材に応じ、関脇若隆景について「いい内容で優勝したら、可能性はあるかもしれない」と場所後の大関昇進へ含みを持たせた。
若隆景は新関脇の春場所を12勝3敗で初優勝し、先場所は9勝を挙げた。
今場所で12勝すれば、昇進の目安となる直前3場所合計33勝に到達する。
先場所は8日目までに5敗。伊勢ケ浜部長は「むらのある相撲では駄目だ」と安定感を求めた。
御嶽海と正代がかど番で臨むなど精彩を欠く大関陣には「あまり期待していない」と厳しい口調。
「大関を維持するのがやっとという感じの相撲。しっかりと自分の相撲を見つめ直して、横綱を目指して頑張るということが必要ではないか」と指摘した。


阿武咲

8日、愛知県尾張旭市での稽古後に報道陣の電話取材に応じ、意気込みを語った。
先場所は肋骨(ろっこつ)を骨折したため無念の途中休場。
骨が2本折れたという。
せき、くしゃみはもちろん、寝返りもつらく、なんと1週間ほど座ったまま寝ていたというから驚きだ。
この日は幕下以下の力士と25番取り22勝3敗。
「しっかり相撲を取れる状態に仕上げた。あとは思い切ってやるだけ」と話した。


名古屋場所懸賞 通常開催並みへ

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は8日、名古屋場所の懸賞申し込みが約1500本だったと発表した。
昨年の同場所は1088本で、芝田山部長は「通常開催並みに戻ってきた」と述べた。




2022/07/08
大相撲ニュース
朝乃山 1年ぶり土俵へ

元大関が本場所の土俵に戻ってくる。
日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス対策のガイドライン違反による6場所の出場停止処分が明けた朝乃山が、名古屋場所で三段目から出直し。
しこ名の下を本名の「朝乃山広暉(ひろき)」に改めて心機一転、臨む。
6月11日の朝稽古後、師匠の高砂親方(元関脇朝赤龍)は「1年は長いが我慢して、本当に我慢、我慢しか言っていない」。
弟子の思いを代弁するように、これまでの日々を振り返った。


間垣親方 始球式参加

プロ野球の読売巨人軍や日本相撲協会など、東京を本拠地とする14のスポーツチームや団体が競技の壁を越えて連携し、スポーツの発展や共同プロモーションに取り組むプロジェクト「TOKYO UNITE」が発足し、7日、東京都内で報道発表会が行われた。
同日、東京ドーム(東京都文京区)で行われた巨人―東京ヤクルトスワローズ戦前にもプロジェクトが紹介され、大相撲の間垣親方(元横綱白鵬)、巨人の岡本和真選手ら14人が始球式に登場した。




2022/07/07
大相撲ニュース
大栄翔

6日、埼玉県草加市の追手風部屋で稽古を行い電話取材に応じた。
夏場所は小結で11勝を挙げた大栄翔にとって、名古屋場所は大関取りへの足固め。
ただ、本人は「もちろんやっぱり上を目指してやっているんで、本当に上がりたい気持ちはあるんですけど、まだ1場所2桁勝っただけなんで」とコメント。
「早まって考えないで、いつも通りの場所にしようと考えてます」と平常心で臨む構えを強調した。
小学生の時から好きだという格闘技からも刺激を受けた。
「直接、見には行けなかったんですけど、配信とかそういうやつは全部見ました」。
中でも、ボクシングの井上尚弥(29)=大橋=が3団体統一を果たした試合を見て「日本中のみんなが期待していて、いろんなプレッシャーあると思うんですけど、そういう中で100%のパフォーマンスができるというのは精神力もそうですけど、すごいことだと思った。自分も頑張ろうと思った」と話していた。


霧馬山

6日、電話取材に応じた。
この日の稽古では幕下以下と約15番取るなどして調整。
3日夕方に名古屋入りしてから連日、相撲を取る稽古を続けており「いつも通り」と、状態の良さをうかがわせた。
6月は2年3カ月ぶりに解禁された出稽古をフル活用。
荒汐部屋、追手風部屋にみっちり出向き、若隆景、若元春、大栄翔らと肌を合わせた。
「いろんな関取とやって、その人に合わせて。押し相撲、突っ張り相撲とかの稽古をしていた」と対応を磨いた。
2場所連続で10勝の要因を「負けても勝っても自分の相撲をとることをしっかり考えているので、それが一番良いかなと」と分析。
場所と場所の間は、週3回のジム通いで筋力アップを図っているといい「まわしを取る力が出るように、自分でまだ足りない筋肉とかをしっかり考えてやっている」と説明した。




2022/07/06
大相撲ニュース
玉鷲

5日、東京・墨田区の片男波部屋で稽古を行い、電話取材に応じた。
注目は昭和以降では初となる同一横綱からの4場所連続金星獲得。
5月の夏場所では右おっつけ、左のど輪から一気に照ノ富士を押し出し、大豪以来、57年ぶりの同一横綱から3場所連続金星という記録を作った。
「もちろん楽しみにしていますんで、それは。それはやっぱり負けないように頑張っていきたいですね」と断言。
今場所前から解禁された出稽古には「疲れるかなと思って」と行かず、先場所前と同様に幕下以下の力士2、3人を同時に相手にする工夫した稽古をこなしてきた。
部屋は玉鷲のほかに幕下1人、序二段2人しかいないが、序二段の力士を横や背後から仕切らせることで、番付の差があっても危機的状況を生み出すことができるという。
師匠の片男波親方は「それをどう回避するか。結構しんどいからいい稽古になると思います」と話し、玉鷲も「足腰、年を取ると弱くなるんで。2人やったら鍛えてくれるっすね」と効果を口にした。
松鳳山が引退し、今場所から関取最年長。
初土俵から休むことなく史上4位の通算1436回連続出場を誇る鉄人は、暑い名古屋でも衰え知らずの姿を披露する。


宇良

5日、名古屋場所を前に電話取材に応じ、2場所連続の勝ち越しへ強い思いを見せた。
5月の夏場所は終盤に左足首負傷で休場しただけに、西前頭三枚目として臨む今場所は「15日間、相撲を取り切れるようにしたい」と誓った。
6月末に名古屋入り。
今場所では上位陣との対戦が控える中、「技術、圧力しかり、単純に自分の力が足りない」と厳しい自己評価。
立ち合いから圧力をかけて相手を押し込むことが理想だといい、思い描いた相撲に近づくため厳しい暑さにも負けず相撲を取る稽古も続ける。
6月22日で30歳を迎えた。
体の変化を感じる年頃だが、本人は「けがが重なってきて思うようにいかないこともありますが、年のせいではない。けがなければもっと稽古ができる」と自信をのぞかせる。
地道な食トレで体重も増えつつあり「体重が増えた体をまだ使いこなせていない。そこは自分の伸びしろ」と前向きにとらえる。
上位陣に圧力負けすることなく、自分の相撲を取り切る。


御嶽海 切手・手拭セット発売

日本郵便信越支社(長野市)は7日、長野県木曽郡上松町出身の大相撲・御嶽海関のフレーム切手を発売する。
大関昇進の祝意を込めて例年とは趣向を変え、切手シートとオリジナル手拭いをセットにした。
1シートに84円切手5枚を掲載している。
日本相撲協会の提供を受け、優勝を飾り大関昇進を果たした今年の初場所での写真を使った。
切手の下部には大関昇進時の口上のキーワード「感謝」「持ち味」などを添えた。
手拭いは紫色を基調に、しこ名を題材に図案化した。
浮世絵「富嶽三十六景 神奈川沖浪裏」をほうふつとさせるような、勢いよく波立つ海と、遠くに御嶽山がそびえる様を描いた。
白字で「大関 御嶽海」と大きく書き、地元の相撲関係者のアイデアで大関昇進時の口上全文も載せた。
限定2500シート(県内郵便局分1700シート・オンライン分800シート)を用意し、税込み2500円で販売する(オンラインは15日から)。
上松町の上松郵便局の担当者は「御嶽海関を応援する方に例年以上に喜んでもらいたい」と話していた。




2022/07/05
大相撲ニュース
正代

名古屋場所をかど番で迎える大関の正代が4日、愛知県犬山市での稽古後に報道陣の電話取材に応じ、「守りに入らないように、思い切りやりたい」と決意を述べた。
2日に愛知県へと移動。
この日はジメジメとした暑さの中だったが、入念に四股を踏み、チューブを使ったトレーニング。
そして幕内の豊山などと相撲を9番取り、8勝1敗だった。
「前に出るのを意識して、あまり引き込まないように」との言葉通り、積極的に前へ圧力をかけるシーンが目立った。
2場所連続で初日から大きくつまずいている(春場所4連敗、夏場所3連敗)。
「後半までに(かど番脱出を)持ち込まないようにしたい。前半で貯金をしてっていう感じで」。
暑さで後半は体力の消耗が激しくなる。
思い切った攻めの姿勢で前半から白星を重ね、勢いに乗って優勝争いに加わりたい。


志摩ノ海

4日、幕内志摩ノ海の本名が浜口航洋から福薗航洋に変更になったことを発表した。
志摩ノ海は6月18日に福薗清香さんと入籍。
同19日に都内で挙式披露宴を行っていた。
清香さんは故先代井筒親方の福薗好昭氏(元関脇逆鉾)の長女。
先代井筒親方は2019年9月に58歳で死去した。
同親方が師匠を務めていた井筒部屋は閉鎖され、横綱鶴竜(現親方)ら所属力士は陸奥部屋へ転籍。
年寄名跡「井筒」は現在、元関脇豊ノ島が襲名している。


十和田市 錦富士懸垂幕を設置

青森県十和田市は4日、同市出身の錦富士=本名・小笠原隆聖、伊勢ケ浜部屋=の大相撲名古屋場所での新入幕を祝い、市役所別館東側に懸垂幕を設置した。
24日まで掲出する。
懸垂幕の大きさは縦12メートル、幅1メートル。
5月から市役所本館に設置している十両優勝を祝う横断幕にデザインを合わせた。
設置を見守った小山田久市長は「十和田市から初の幕内力士。市民と一緒に応援したい。これからの道は大変だと思うが、勝ち越しを目指して取り組んでほしい」と活躍に期待した。




2022/07/04
大相撲ニュース
若隆景

2日、電話取材に応じ、名古屋場所に向けて順調な仕上がりを語った。
同部屋所属の関取衆を除き既に名古屋入りしているという中、この日は同じ幕内の若元春や十両の荒篤山と申し合い稽古を行って汗を流した。
「(仕上がりは)普段通り。稽古はできているので、悪くはないですね」と話した。
3場所続けて関脇として臨むことについて「先場所と番付は変わりないので、しっかり準備して、また気を引き締めて稽古していきたいと思います」。
大勝ちすれば大関昇進の可能性も出てくるが、本人は「一生懸命にやるだけです」と淡々とした口調で語った。
常日頃から意識する下からの攻めを武器に、「気を引き締めてやっていきたい」と誓った。
このところ世間を悩ませる厳しい暑さには「対策も何も暑すぎです」と驚きを隠せない様子。
こまめな水分補給や体温管理を欠かさず、地方場所には必ず持っていくというマットレスでしっかり睡眠を取って暑さを乗り切りたい。
名古屋場所について「もちろん良い場所にしたいと思いますし、ただ、そのためには15日間精いっぱい相撲を取ることが大事なので、そこに集中してやっていきたいと思います」と抱負を述べた。


豊昇龍

立浪部屋が名古屋市南区での稽古を公開し、東小結の豊昇龍はぶつかり稽古で胸を出すシーンも見られたが、ほとんど土俵周りでのトレーニングに終始した。
1日に名古屋入りしたばかりとあって、まだ体を慣らしている段階。
しかも2日は右足首から甲の辺りにテーピングを施し、足袋を履いていた。
報道陣の電話取材では出稽古で痛めたことを明かし、「大丈夫」と口にしたが無理はしなかったようだ。
「とにかくこの三役の地位を守っていきたい」と意気込みを語った。


若元春

2日、電話取材に応じ、名古屋場所での上位陣との対戦に胸を高鳴らせた。
「上位の方、役力士と当たるんで、変わらず挑戦です。もちろん緊張はするんですけど、楽しみの方が勝ちますね」と心待ちにしていた。
新入幕以降3場所連続で9勝6敗という成績を残し、順調に番付を上げてきた。
前頭4枚目という自身最高位で臨む今場所。横綱照ノ富士戦ら格上力士たちとの対戦が想定される中で「頑張んなきゃいけないなと思います。1場所、1場所が大切ではあるんですけど、ここでどういう成績を残すかが大事」と気を引き締める。
開催期間中の息抜きには好きなプロレスを挙げ、新日本プロレスの最強決定リーグ戦「G1クライマックス32」が場所中に開幕することについて、「めっちゃ楽しみですね。場所中も僕リアルタイムで観るので」と声を弾ませた。
優勝候補には元IWGP・USヘビー級王者SANADAの名を出し、「そろそろ来てもいい」と熱烈なファンの目線でエールを送った。 若元春は「プロレス見ているときは自分がお相撲さんということを完全に忘れているので(笑)。本当に1番切り替えられるスポーツ。どんだけ負けが込んでへこんでいても、プロレスを見ていたら元気になれる」と熱弁。
SANADAの活躍に背中を押され、自身も夏の名古屋で健闘を誓う。


高安

2日、新型コロナウイルスに感染した幕内高安ら田子ノ浦部屋所属の力士15人が大相撲名古屋場所を休場すると発表した。
6月28日に高安と同部屋所属の幕下以下の力士1人が感染。
同部屋では今後、定期的に検査を実施し、高安らは陰性となれば名古屋場所に出場することができるとされていたが、この日も幕下以下の1人の陽性が判明した。
そのため師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は名古屋入りが困難と判断。
力士全員の休場を申し入れ、協会側に了承された。
今年に入り、同部屋の力士による新型コロナ感染での休場は1月の初場所に続いて2度目となった。


明生

2日、大相撲名古屋場所に向けて稽古を行い、報道陣の電話取材に応じた。
前日に東京から名古屋市南区の宿舎へ移動し、この日が現地で初めての稽古。
「初日に向けて良い感じで入れたら」と調整して仕上げていく。
6月6日〜22日の出稽古期間は伊勢ケ浜部屋と荒汐部屋に出向いた。
同じく出稽古に来ていた阿炎や北勝富士とも肌を合わせ「自分より番付上の人と稽古させてもらえてありがたい」と充実感。
「また上位でやりたいなって気持ちになった」と振り返った。
春場所で1勝14敗を経験するなど関脇から3場所連続で負け越し、夏場所で久しぶりに勝ち越した。
それでも手応えは特に感じず「足の運びとか動かし方とか、課題があるだけ伸びしろがあると思う」と前を向く。
前頭10枚目で臨む名古屋場所へ「これからまた番付を戻していければ、あの14敗を経験して良かったと思えるんじゃないですかね。
そう思えるように頑張りたい」。
初場所以来遠ざかっている三役の地位を見据え、復活を誓った。


錦富士

3日、東京都江東区の伊勢ケ浜部屋での稽古後に報道陣の電話取材に応じた。
古傷の左肘が痛む日もあるというが、この日は50番近く相撲を取り「番数も含め、やれることを全力でやれている」と充実の様子だった。
名古屋場所に向け、兄弟子の照ノ富士から横綱土俵入りを「一緒にやろう」と声をかけられたという。
最終決定でないものの「いつもお世話になっている横綱。機会があれば務めさせていただきたい」と実感を込めて話した。




2022/07/01
大相撲ニュース
元前頭翔天狼 年寄「錦島」

30日、北陣親方(40=元前頭翔天狼)が、この日付で年寄「錦島」に名跡を変更したと発表した。
「錦島」は元大関朝潮の長岡末弘氏が昨年6月に協会を退職し、空き名跡となっていた。




2022/06/29
大相撲ニュース
高安

28日、西前頭4枚目の高安と同部屋所属の幕下以下の力士1人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。
芝田山広報部長によると、田子ノ浦部屋では今後定期的に検査を行い、その結果で名古屋場所の出場可否を判断するという。
相撲協会は名古屋場所へ向け、28日に協会員全員を対象にPCR検査を実施。
2人以外は全員陰性だった。


錦富士

新入幕の錦富士は、伊勢ケ浜部屋でオンライン会見し、「ここで終わらず、もっと精進したい。スピードのある相撲を15日間取って、結果につなげたい」と意気込んだ。
青森・三本木農高から進んだ近大を中退し、2016年秋場所で初土俵。
入門から3年で東幕下3枚目まで番付を上げたが、そこから左肘のけがに苦しんだ。
負担を減らすため下半身や右腕の強化に励み、1年後に新十両昇進。
得意の左四つに、突きや押しも磨き、西十両6枚目で迎えた先場所は11勝4敗で優勝し、幕内の座をつかんだ。
同席した師匠の伊勢ケ浜親方は「やっと幕内で取れそうな体になってきた。勝ち越しを目指して頑張ってほしい」と同郷の弟子に期待を込めた。


松鳳山引退会見

28日、東京・両国国技館で師匠の放駒親方と並んで引退会見を行った。
会見後には相撲協会のサプライズで先代師匠の荒磯親方(元大関若島津)、みづえ夫人から花束が贈られた。
「自分は指導者には向いていない。根気強く人に教えるのはあんまり得意ではない」と親方として協会には残らず、自身が糖尿病で苦労した経験から、今後は「食事で苦労するアスリートは多い。そういう人のサポートができたら」と飲食関係の職を目指す。
夏場所は関取最年長だった。
悔いがあるとすれば「40歳まで関取」という目標が果たせなかったこと。
ただ、「14日目(千代の国戦)の相撲を取り終わったとき、すごいすっきりしたものがあった。やり切ったなと思って」とすがすがしい笑みを浮かべていた。


朝乃山 復帰

6場所出場停止処分を受けていた朝乃山が、いよいよ土俵に戻ってきます。
日本相撲協会の新型コロナ対策ガイドラインに違反し、6場所連続の出場停止処分を受けていた朝乃山。
27日、復帰場所となる七月場所の番付が発表され、朝乃山は「西の三段目22枚目」となりました。
2016年に角界入りした時の番付が「三段目付け出し」で、また一からの再出発となります。
また、今回の番付から、四股名が恩師の名前を取った朝乃山英樹から、本名の石橋広暉と同じ朝乃山広暉へと改名しました。




2022/06/23
大相撲ニュース
貴景勝

大相撲の常盤山部屋が22日、名古屋場所へ向けた稽古を報道陣に公開した。
大関・貴景勝は四股や鉄砲などの基礎運動で汗を流した。
前日までは追手風部屋へ出稽古し、連日20番以上の番数をこなして「体の反応的に新鮮なものが得られた」と振り返った。
この日は相撲を取らず調整。
「まだ番付発表前なので、しっかり体を疲れさせてやっていきたい」と本場所へ向けて仕上げていく。
部屋頭として若手の育成にも力を入れている。
埼玉栄高の後輩で、まだ入門から半年の序二段・若ノ勝に熱血指導する姿が見られた。
「10代っていうのはかけがえのない時間で、全て吸収できるくらい良い期間」と重要性を説く。


御嶽海

大相撲名古屋場所を初のかど番で迎える大関御嶽海が22日、東京都墨田区の出羽海部屋での稽古後に取材に応じ、5月の夏場所で右肩を負傷していたことを明らかにした。
「ぶっつけ本番でもやらないといけない」と悲壮な覚悟を口にした。
右肩は初日の高安戦で勝った後、土俵下に落ちた際に痛めた。
場所中も気にするそぶりを見せており、昇進2場所目で6勝9敗と負け越し。
現在は四股などの基本運動中心で汗を流し、相撲を取る稽古の再開は不透明だという。
「焦りはないが、ちょっともやもやする」と率直に話す。
名古屋は4年前に初優勝した思い出の場所。
「間に合わせる。しっかり結果を残す」と気を引き締めた。
不安を抱えながら、先場所は皆勤。
「来たからには一目見たいという人もいる。そういう人たちを僕は大事にしたい。休場しなかったのが一番良かった」と大関の責任感もにじませた。


宇良

幕内の宇良が22日、所属する木瀬部屋の朝稽古に参加した。
関取衆の申し合いには加わらず、四股やすり足といった基礎運動で下半身の強化に励んだ。
5月の夏場所では前半戦から勝ち星を積み上げたが、14日目に左足首負傷で休場を余儀なくされた。
この日は30歳の誕生日。
節目の日を迎えたことに「大人になったなと思います」としみじみとした表情で語った。
名古屋場所に向けて「やれるところまでやる。最後まで頑張りたい」と意気込みを語った。
宇良は「30歳まで相撲を取れるとは思わなかった」とうれしそうに語った。
母校の関学大から初の角界入りを果たした15年春場所から順調に出世を重ねたが、17年秋場所を右膝の負傷で途中休場。
翌年秋場所で三段目で復帰するまで1年を要した。
さらに19年初場所でも同じ箇所を負傷して手術。
長期の休場を経て、19年九州場所は序二段106枚目で復帰。
力士にとっては致命傷となる膝のケガを乗り越え、昨年の名古屋場所で21場所ぶりに幕内に復帰した。
夏場所では、優勝の可能性も残していただけに悔しい結果となった。
本人は「何もないですね」と、既に気持ちを切り替えている。
30代での目標について「年を重ねても相撲を長く続けたい。やれるところまでやりたいですね」。
30歳となって迎える7月の名古屋場所へ気持ちを新たにしていた。


志摩ノ海

大相撲の幕内志摩ノ海が22日、都内での部屋で稽古を行った。
19日の挙式披露宴後初めての稽古では16番とって関取衆とは4勝1敗。
「稽古場なのでしっかり自分の得意な形とか展開をチェックしながら取っていた」と納得の表情を見せた。
元タカラジェンヌでもある清香夫人は、先代井筒親方の長女。
志摩ノ海は「すごく支えてもらっている。『相撲だけ頑張って』と常々言われて。『元気な相撲を取ってくれるだけでうれしい』と言ってくれる。
相撲だけに集中できる」と内助の功に感謝。
手料理も「本当に何でもおいしい。栄養とかも考えてくれる」と絶賛した。
夏場所は7勝8敗と負け越し。
新婚パワーも得て臨む名古屋場所へ向け「先場所負け越したし、大勝ちして借りを返したい」と燃えていた。


古屋場所「御免札」設置

名古屋の夏の風物詩、大相撲名古屋場所。
22日、名古屋場所担当部長の出羽海親方ら5人が見守る中、「蒙御免(ごめんこうむる)」と書かれた、高さ約4メートルの「御免札」が、会場のドルフィンズアリーナの入口近くに立てられました。
「御免札」は江戸時代に相撲興行の許可を幕府から得た証として立てられた札に由来しています。
「(見どころは)横綱 照ノ富士が名古屋に横綱として初めて来るので、若手の三役力士たちが、どれだけ向かっていけるかというところです」
ことしの大相撲名古屋場所は入場制限はなく、7月10日に初日を迎えます。


元小結 松鳳山引退

日本相撲協会は22日、元小結松鳳山(38)=本名松谷裕也、福岡県出身、放駒部屋=の引退届を受理したと発表した。
東十両12枚目で迎えた5月の夏場所で3勝12敗と負け越し、7月の名古屋場所で2011年以来となる幕下への転落が確実になっていた。
現役の関取では最年長だった。28日に記者会見する。
駒大から元大関若嶋津が師匠を務めていた松ケ根部屋(現放駒部屋)に入門し、06年春場所で初土俵。
10年夏場所新十両、翌年九州場所で新入幕、13年初場所で新小結となった。
闘志あふれる突き押しなどで、日馬富士から3個、鶴竜から2個の金星を挙げた。
三賞は殊勲賞1回、敢闘賞3回。




2022/06/21
大相撲ニュース
貴景勝

大関貴景勝が20日、出稽古で追手風部屋に赴き、申し合い稽古で小結大栄翔や、同じく出稽古に来ていた幕内霧馬山らと計30番取るなど精力的に汗を流した。
霧馬山に対しては3勝5敗と分が悪かったが、稽古後半では15番連続で土俵を独占し、十両の大奄美や剣翔といった大型力士を相手に立ち合いから一気に持っていく相撲を繰り返して体を追い込んだ。
16日から追手風部屋に通っているそうで、「せっかく出稽古に来られるようになったから積極的にやろうと。
(連日)20番、25番は必ず取っている」という。
名古屋場所の初日まで約3週間。
「今は一番疲れていい時期。勝ち負けではなくて、番数をこなして相撲にキレを出していく」と狙いを語った。


志摩ノ海

幕内志摩ノ海と先代井筒親方(元関脇逆鉾)の長女福薗清香さんの結婚披露宴が19日、東京都内で行われ、大関御嶽海をはじめとした角界関係者ら約560人が出席した。
2人は披露宴に先立ち記者会見し、志摩ノ海は清香さんの白無垢(むく)姿を見て「きれいで見とれてしまった」と白い歯を見せた。
「責任は重大。次は名古屋場所なので、良い成績を残せるよう稽古をしたい」と語った。
清香さんは、2019年に死去した父の誕生日に当たる18日に婚姻届を提出したことを明かし、「これも父が結んでくれた縁。天国で見守ってくれているのかなと思う」と喜びを語った。
清香さんは宝塚歌劇団の元俳優で「天咲千華(あまさき・ちはな)」として舞台に立った。


霧馬山

幕内・霧馬山が20日、追手風部屋に出向き、小結・大栄翔や同じく出稽古に訪れた大関・貴景勝らと計21番の申し合い稽古を行い、15勝6敗と好調ぶりを示した。
先週までは荒汐部屋に通い、この日から追手風部屋へ。
「久しぶりだし凄く楽しめた」と充実の表情を見せた。
最初に土俵に入ってから翔猿、遠藤、大栄翔を相手に9連勝。
その後は貴景勝と6番連続で取って4勝2敗と勝ち越し。
18番連続で土俵を独占した。
「疲れは全然ない。まだ若いので」と笑顔。
「暑すぎて2、3番取ったらバテちゃう」と苦笑いしていた剣翔は「霧馬山の強さとスタミナにはビビりました」と舌を巻いた。
連日の出稽古で名古屋場所へ向けて仕上がりは順調。
「もっとやりたかったな」とまだまだ意欲的で、残り2日となった出稽古期間も全力を出し切るつもりだ。


両国大相撲ビジョン設置

日本相撲協会は20日、国技館南門付近に「両国大相撲ビジョン」を設置すると発表した。
200インチ横2面の大型ビジョンでJR両国駅から視認できる位置正面に設置。
本場所中の取組速報に加え、通常時は現役人気力士の紹介、相撲協会秘蔵映像の常時公開など、相撲ファンの興味を満足させるさまざまなコンテンツを展開する。
また、墨田区情報などの告知や広告・プロモーション媒体としても街のにぎわいを創出。
地震・水害など非常時には、Lアラート情報を自動的に配信・提供する。
情報サービスは9月1日から開始される。




2022/06/14
大相撲ニュース
若隆景

関脇の若隆景が13日、気迫にあふれる朝稽古を行った。
関脇の阿炎、幕内の霧馬山と北勝富士が同部屋に出稽古で訪れ、「いろんな関取と稽古できたのはありがたかった」と喜んだ。
名古屋場所の成績次第で大関昇進の可能性を残す。
22日まで出稽古解禁期間を生かし、調整を重ねる。
関取衆の申し合いが始まると、ガラス張りの窓の外から見学したファンたちが釘づけになった。
関取だけに許される稽古用の白まわしを締めたのは実に6人(若隆景、若元春、荒篤山、阿炎、霧馬山、北勝富士)。
17番取った若隆景はいつものように「本当に下から(攻める)」という意識を持ちながら、阿炎や霧馬山と胸を合わせて9勝8敗だった。
関脇の地位で勝ち続ける重みを知るからこそ「しっかり地道にいくだけです」。
今後も他の部屋には行かず、出稽古に来た関取衆たちと汗を流す。
名古屋場所に向けて「初日からしっかりとしていきたいです」と誓っていた。


阿炎

関脇・阿炎が13日、荒汐部屋に出稽古し、名古屋場所に向けて始動した。
夏場所は千秋楽で同じ関脇の若隆景に敗れて負け越し。
「凄く勉強になる場所だった」と振り返った。
この日は“因縁”の若隆景や霧馬山らと16番の申し合い稽古を行い、「体調を確かめるためにいろいろ試してやった。良い稽古になりました」と約2年ぶりの出稽古に充実感をにじませた。


霧馬山

2年3カ月ぶりの出稽古解禁から1週間がたった13日、東京・日本橋にある荒汐部屋に、関脇阿炎、平幕の霧馬山と北勝富士が参集。
荒汐部屋の関脇若隆景、その兄で平幕の若元春が迎え入れる形で稽古を行った。
部屋付きの鶴竜親方(元横綱)と足を運んだ霧馬山は、親方衆も集まる中での稽古に「久しぶりなんで…気合入ってました」と、つい力が入ったようで、5人の関取衆で最多の20番(12勝8敗)を取った。
特に若隆景とは「ちょっと気合が入っちゃいました。いい稽古になった。稽古場では激しくやって、稽古終わったらゴメンねって」と充実の内容を展開した。


元十両彩引退

大相撲の元十両彩(いろどり、30=錣山)が、5月の夏場所を最後に引退した。
最後の番付は西三段目18枚目で、5勝2敗だった。
昨年11月に母・純子さんを亡くしながらも奮闘してきたが、両膝のケガで十分な稽古ができず、引退を決断した。
「ケガをして、満足いく稽古ができず、十両に戻って幕内にもいくつもりでやりたかったのですが…。稽古ができずに中途半端にはしたくなかったんです」
中卒で錣山部屋に入門し、12年かけて27歳で新十両に昇進した。
18歳で幕下に上がるスピード出世だったが、そこから関取になるまで8年以上かかった苦労人でもある。
新弟子から兄弟子まで、分け隔てなく接する優しい性格。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)も、部屋付きの立田川親方(元小結豊真将)も「錣山部屋のムードメーカー」と認める存在だった。


元大関朝乃山復帰へ

大相撲名古屋場所で三段目から復帰する見通しの元大関・朝乃山が11日、処分後では初めて報道陣の前で稽古を行った。
取材に応じた師匠・高砂親方は、「長かったけど、名古屋場所からの再出発。復活ということで頑張ってもらいたい」と、期待を寄せた。
朝乃山は昨年の夏場所中に、コロナの感染対策に伴う外出禁止期間に飲食店を訪れていたことが発覚。
ちょうど1年前のこの日、理事会で6場所出場停止などの処分が下された。
師匠によると、朝乃山は番付通りに雑用もこなし、幕下用の2〜3人部屋で生活をしているという。
この日の申し合い稽古では十両・朝乃若らと計24番。
弟弟子の朝乃若は「(復帰が)楽しみというか、応援しております。できれば幕内で一緒に相撲を取りたい」と、エールを送った。




2022/06/07
大相撲ニュース
高安

大相撲で各部屋間を行き来する出稽古が6日、解禁され、元大関の幕内高安は、埼玉県草加市の追手風部屋に出向いた。
関取衆と18番取って11勝7敗。
そのうち、小結大栄翔とは三番稽古など11番で6勝5敗だった。
出稽古はコロナ禍で20年春場所後から禁止に。
所属部屋の関取は自身のみの高安は、約2年3カ月ぶりの再開を「やっぱり関取衆との稽古はいいなと。心待ちにしていたし、本当に今日はウキウキしたような気持ちで稽古ができた」と喜んだ。
稽古後は、大栄翔に腰のストレッチを指南する場面も。
出稽古ならではのやりとりに「対戦相手ですけど、自分も成長できるので」とうなずいた。
教わった大栄翔も「すごい効きました。体のことをすごい勉強しているなと感心しました。あらためて出稽古というのは良いものだなと思う」と利点を実感した。
出稽古解禁期間は22日まで。
高安は「強い力士とやりたい。問題点をしっかり消化して、名古屋場所で結果を出すためにやりたい」と意欲満々だった。


大栄翔

早くも効果あり?
大相撲の出稽古が約2年3か月ぶりに解禁された。
小結大栄翔は、部屋の稽古に参加した幕内高安と11番取って5勝6敗。
「コロナ禍はずっと部屋の力士しかやってなかった。(出稽古は)新しい収穫だったり、自分の新しい弱点を発見できる。そういうプラスなところはたくさんある」と汗をぬぐいながら振り返った。
稽古後は2人でストレッチを行う場面も見受けられ、大栄翔は「高安関は昔腰を痛めていて、自分も今腰が痛いので教えていただいた」。
続けて「すごい効きました。体のことをすごい勉強しているなと。出稽古や巡業がないと、そういう会話もないので。改めて出稽古というのは良いものだなと思います」と感想を語った。


翔猿

大相撲の幕内の翔猿は6日、約2年3カ月ぶりの出稽古再開に「やっとかなという感じです」と歓迎した。
解禁初日から元大関で幕内の高安が同部屋を来訪。
他の部屋の力士たちとの稽古は「やっぱり全然違いますね。ピリッと引き締まりますね」と独特の緊張感を感じ取っていた。
関取衆の申し合いでは高安や同じ部屋の小結大栄翔と6番取り、2勝4敗。
「上位でやるためには、上位の人たちと稽古した方がいいのかなと思います」と語り、出稽古の良さを実感していた。
夏場所は初日から4連勝と好調なスタートを切ったが、7日目から6連敗で7勝8敗に終わり「連敗している時は全然切り替えられなくて、きつかった」と明かす。
名古屋場所に向けて終盤戦まで衰えぬ体力アップを課題に挙げ、「とりあえず勝ち越し目指して頑張ります」と話していた。


名古屋場所開幕準備開始!

観客数の制限を設けず三年ぶりの通常開催となる大相撲名古屋場所の先発事務所が六日、会場となる名古屋市中区のドルフィンズアリーナ(愛知県体育館)に開設された。
名古屋場所担当部長の出羽海親方をはじめ、岩友、熊ケ谷、千賀ノ浦、待乳山の各親方が着任。
約一カ月後に幕開けする本場所に向け、準備へ動きだした。
昨年、二年ぶりに開催された名古屋場所は定員が約半数となる上限があったが、今場所は制限なしの七千四百四十八人の入場を見込む。
本場所の通常開催は二〇二〇年一月の初場所以来で、新型コロナウイルスの感染拡大後では初めて。
場所中は感染状況次第で会場内に飲食スペースが設けられ、座席での軽食も可能になる。
出羽海親方は「昨年の対策を継続しつつ、よりしっかり徹底したい」と説明し、「横綱が引っ張り、大関、三役陣が優勝争いを面白くしてほしい」と土俵の熱戦を求めた。


二所ノ関部屋が部屋開き

大相撲の元横綱・稀勢の里が師匠を務める二所ノ関部屋の部屋開きが5日、茨城県阿見町で行われた。
2021年8月に田子ノ浦部屋から独立後は筑波大の施設を利用していたが、新築された部屋に6月から移った。
二所ノ関親方は「ようやくスタートという感じ。自分の城ができ、稽古(けいこ)にも身が入る」と話した。




2022/05/23
大相撲ニュース
照ノ富士

千秋楽、3場所ぶり7度目の優勝を果たして大混戦の夏場所に幕を下ろした。
縛られていたものから解き放たれ、横綱照ノ富士の顔にようやく笑みがこぼれた。
国技館の観客が見守る土俵下で行われた恒例の優勝インタビュー。
「優勝の味は?」と質問されると「う〜ん、まあ、やっと終わったなという感じですね」と本音とともにほほ笑んだ。
8日目までに3敗を喫したばかりか、大関陣も三役陣も黒星を重ねた場所をリードしていったのは平幕の力士。
横綱としての責任が重くのしかかる中、「最後まで取り切る気持ちで」と周囲の状況には目もくれず、目の前の一番に集中。
11日目の阿炎戦で「立ち合いで久しぶりに当たった感覚がありました。そこからじゃないですかね」と終盤でついに本来の姿を取り戻した。
勝てば優勝という千秋楽の大一番も、「自信がないと土俵に上がるの失礼なんで。自信を持ってやってますんで」と右前まわしを引き、さらに頭をつける盤石の取り口で大関御嶽海を寄り切った。


貴景勝

貴景勝は物言いがついた一番で正代に勝ち、千秋楽で辛うじて給金を直した。
御嶽海と正代が既に負け越しており、現行のかど番制度となった1969年名古屋場所以降では初めてとなる3大関の「皆勤」負け越しという不名誉な記録が迫っていたが、「自分が弱いだけなので。あまり考えずに一生懸命やることだけ考えた」と淡々と振り返った。
大関の責任を果たせずに混戦を招いた今場所。
「苦しいことはないが、勝ってなんぼの世界なので、白星につなげられない歯がゆさはあった」と悔しがった。


若隆景

先場所優勝の若隆景は9勝まで伸ばして場所を終えた。
前半は「思うような相撲が取れなかった」と黒星が先行したが持ち直し、千秋楽は阿炎との関脇対決に勝利。
「よく我慢できたと思う」と振り返った。
7月の名古屋場所の成績次第で大関昇進につながるかどうかについて、伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は、「ちょっと難しい」との見解。
それでも若隆景は、「しっかり自分の相撲が取れるように頑張りたい」と冷静に足元を見つめていた。


大栄翔

千秋楽、大栄翔は志摩ノ海をはたき込み、4敗を守った。
優勝決定戦に備えて結びの一番を待ったが、照ノ富士が優勝を決めて終戦。
「決定戦になったら、気合を入れてやる気持ちで待っていた。ただ11番となるとひとつ変わってくると思っていたので、勝ててうれしい」。
幕内2度目の優勝はならなかったが、三役としては20年7月場所に並ぶ11勝目に力強くうなずいた。
今場所は初日に横綱を押し出しで破り、自身5度目の殊勲賞を手にした。
「自分の中で一番の相撲だったので、自信もついた。あの初日があったからこそ、この千秋楽を迎えられたと思う」と手応え。
2場所連続勝ち越しで、さらなる飛躍を期す来場所以降へ「もちろん、上を目指して日々、精進していきます」と力を込めた。


隆の勝

22日、「おにぎり君」の悲願は、あと1歩のところで届かなかった。
トレードマークの笑顔は消え、険しい表情が広がった。
隆の勝は「落ち着いて前にいきたかったけど、(得意の右を差せず)少し慌てた」と振り返った。
逆に佐田の海にもろ差しを許し、土俵際で鮮やかなすくい投げを決められた。
4敗に後退し「自分らしい相撲が取れなかったのが一番悔しい」と実力を発揮しきれなかった自分を責めた。
千葉県柏市出身。
同県出身者としては1991年名古屋場所で平幕優勝を飾った元関脇琴富士以来の賜杯獲得を目指した。
今場所では鋭い立ち合いから自慢の押し相撲を展開し、4日目から自己最長の9連勝。
12目目まで単独トップに立っていた。
終盤戦にかけて、初めて加わった優勝争いの重圧がのしかかった。
13日目以降は1勝2敗。
「後半戦は精神的に削られる相撲になった」と正直に明かし、「緊張している中でも自分の相撲を取りきる」ことを課題に挙げた。
それでも横綱・大関総なめ(同部屋の貴景勝は対戦なし)を達成するなど快進撃を続け、混戦の夏場所を大いに盛り上げた。
初の殊勲賞にも輝き「自信になる。部屋ではいつも大関(貴景勝)と稽古していますが、これまでの稽古は間違ってないと感じた」と力強く言った。
既に視界は2か月後の名古屋場所に向く。
心身をさらに磨きをかけ「名古屋場所でリベンジをしたい」。
今後こそ、とびきりの笑顔を待ちわびるファンに届ける。


若元春

千秋楽、西前頭6枚目の若元春が新入幕から3場所連続で9勝という好成績で場所を終えた。
師匠の荒汐親方によると、13日目に女児が誕生したという。
千秋楽は琴ノ若に寄り切られ、初の2桁勝利は逃したが「手応え自体は感じてないんですけど、自分の相撲は取れてるのかなと。左おっつけて差すという」。
来場所は上位との対戦が予想されるが、「そういう人たちと取れるのは光栄なことなので楽しみです」と話していた。


佐田の海

佐田の海は粘り強さを発揮し、トップに並んでいた隆の勝を破って締めくくった。
優勝の可能性を残して千秋楽を迎え、荒れ模様の今場所で存在感を示した35歳。
幕内で自己最多の11勝を挙げ、「あまり注目されたことがなかったのでありがたい」と照れ笑いした。
新入幕だった2014年夏場所以来となる2度目の敢闘賞を獲得した。
47場所ぶりの三賞受賞は、大関経験者だった出島と並んで4番目に長いブランク。
「相撲が充実し、内容も良いことが白星につながった点を評価してもらえた」と喜んだ。


錦富士

十両は、錦富士が優勝決定戦を制して、初めての十両優勝を果たしました。
夏場所の十両は21日の14日目まで4敗で3人が並んでいました。
22日の千秋楽で、追手風部屋の大奄美と、伊勢ヶ濱部屋の錦富士の2人が勝って優勝決定戦が行われ、錦富士が大奄美に勝って、初めての十両優勝を果たしました。
錦富士は青森県十和田市出身の25歳。
平成28年の秋場所で初土俵を踏み、ひじのけがに苦しんだ時期はありましたが、おととしの秋場所で十両に昇進しました。
その後、一度幕下に番付を下げましたが、去年の春場所で再び十両に上がり、今場所は十両6枚目で臨んでいました。
錦富士は「うれしいなというのと、やっと終わったなという思いだ。緊張もなく思い切って行けた」と振り返りました。
同じ部屋の横綱・照ノ富士からは場所中の朝稽古での話を明かし「自分が序盤から調子がいいことを知って、『一緒に優勝しよう』と声をかけてもらった」と述べました。
そして「ちょっとずつ形になってきている。一日一番にかける思いを忘れずに、来場所もしっかり取りたい」と意気込みました。


引退力士

千秋楽の22日、ともに元十両で
西三段目18枚目の彩(30)=本名・松本豊、埼玉県出身、錣山部屋
東幕下55枚目の極芯道(25)=本名・福島貴裕、兵庫県出身、錦戸部屋
が引退届を提出したと発表した。
彩は今場所を5勝2敗で、極芯道は全休した。


懸賞総数

大相撲夏場所は22日に千秋楽を迎え、懸賞総数は1625本だった。
3月の春場所から131本増えた。
1日当たりの最多は千秋楽の157本。
今場所は観客数上限が通常の約87%に緩和された。




2022/05/22
大相撲ニュース
照ノ富士

14日目、照ノ富士が盤石の相撲で正代を退け、3敗を守った。
立ち合ってすぐに左前まわしを取ると、腰を落として一気に寄り切った。
大関に何もさせず「落ち着いて取れたかなと思う」と優勝争いが佳境になっても、どこまでも冷静だった。
休場明けの場所で初日に黒星を喫するなど、8日目までに3敗と心配されたが、これで9日目から6連勝だ。
復調の理由について「積み重ねじゃないか」と淡々。
横綱の“定位置”ともいえるV争いトップで千秋楽を迎える。
「一日一番集中してやっている。そういうことを気にしてもしょうがないので」と平常心で3場所ぶりの賜杯奪還に向かう。


貴景勝

貴景勝は御嶽海を圧倒し、7敗で踏みとどまった。
頭で当たって上体を起こすと、電車道であっさりと押し出し。
「集中してやろうと思っただけ」と表情を変えずに振り返った。
正代に続いて御嶽海も負け越し。
千秋楽で貴景勝が正代に敗れれば、来場所は3大関そろってかど番で迎えることになる。
番付の重みが問われかねない一番を前に、「初日から変わらず、やり切ることだけを考えている。最後も集中してやっていく」と言葉に力を込めた。


若隆景

14日目、若隆景は宇良の休場で不戦勝となり、思わぬ形で5場所連続の勝ち越しが決まった。
地元福島から駆けつけた両親ら応援団が見守る中、勝ち名乗りを受けた。
リモート取材には姿を見せなかった。
新関脇の春場所は12勝3敗で初優勝。
今場所は12日目に6敗目を喫し、大関昇進への足場固めの目安となる2桁白星が消滅した。
それでも気持ちを切らさず、13日目に隆の勝を撃破。
阿炎との関脇対決となる千秋楽も白星で締めくくれるか。


大栄翔

14日目、大栄翔は2度目の優勝の可能性を残した。
佐田の海に腕をたぐられ密着されたが、タイミング良く引いて、攻め急ぐ相手をはたき込んだ。
返り三役の場所で、大関とりの足がかりとなる2桁白星に到達。
トップとは1差と不利な状況だが、昨年初場所以来となる優勝は「そんなに考えずにやれている」と無欲を強調した。


隆の勝

14日目、西前頭4枚目の隆の勝が平幕の霧馬山を突き落としで退け3敗を死守し、初の賜杯へ王手をかけた。
横綱照ノ富士とともにトップで千秋楽を迎える。
失意の敗戦から一夜明け、隆の勝は吹っ切れていた。
幕内では過去7戦全勝と合口の良い霧馬山に、鋭い出足から先手を取った。
本来の形ではない左四つに組まれたが、相手の強引な左からの外掛けを利用して突き落とした。
自分の相撲に集中できていたと振り返り「とっさに体が動いてくれた。勝てて良かった」とほっとした表情をみせた。
単独トップで迎えた前日13日目は関脇若隆景に敗れ、3敗に後退。初優勝への重圧からか「場所に来てからめちゃくちゃ緊張した」と出足の鋭さは影を潜めた。
帰り道には取組を見返し「駄目だったところを修正した」と引きずらなかった。
周囲からは「自分の相撲を取れば良い」「楽しんでやってきな」と背中を押され、迷いは消えていた。
14日目を終えて横綱照ノ富士とともにトップをキープ。
本人の口からも「ここまできたら(優勝を)取りにいくつもりです」と力強い言葉が出た。
優勝決定戦を見据えて2番取る可能性について問われると「そうですね。そのつもりでいきます」。
気持ちを引き締めて、初優勝をかけて千秋楽に臨む。


若元春

14日目、前頭六枚目・若元春が、前頭十五枚目・一山本をうっちゃりで下した一番は、際どい勝負に物言いがついたが、行司軍配どおり、若元春が9勝目となる勝ち星を挙げた。
視聴者からは「行司よく見てた!」「やっぱり、プロはよく見てるな」といった行司に対する称賛の声が寄せられていた。
立ち合い、正面から当たっていった一山本は強烈なのど輪を徹底するも、土俵際で若元春に残られる。
そこから若元春は右下手を深く取り、勝負を決めようと、うっちゃりを繰り出した。
際どい勝負に物言いがついたが、協議後の場内説明は「ただいまの協議は一山本の足が先に出たかどうかの確認であり、先に出ていました。軍配通り若元春の勝ちと致します」といった内容。
一山本は6敗目を喫した。


佐田の海

14日目、取組前に客席から手拍子が起きた。
おそらく佐田の海へ向けられたものだろう。
前頭12枚目で優勝争いに食らいついていたが、大栄翔にはたき込まれ4敗目。
「もっと下から下から足を出していけばついていけたと思う」と悔しさをにじませたが、まだチャンスは残されている。
「今日まで(優勝争いに)加わってこれたので、それはそれでいいんじゃないかと。
最後、勝って終わらないと気持ち良くないんで勝って終わりたい」と気合を入れ直した。


全大関負越しの危機

3大関全員が負け越す危機を迎えている。
14日目、貴景勝が御嶽海との大関対決を制し、貴景勝が7勝7敗、御嶽海が6勝8敗と負け越しが決定した。
正代は13日目に8敗目を喫しており、すでに負け越しが決まっていた。
7勝7敗の貴景勝は、千秋楽で勝ち越しを懸ける。
仮に番付上の大関全員が皆勤して負け越せば、現行のかど番制度となった1969年(昭44)名古屋場所以降では初めてとなる。
2人以上の大関が皆勤して負け越すのは、8年前の14年九州場所での琴奨菊(6勝9敗)、豪栄道(5勝10敗)が最後。
当時は稀勢の里(11勝4敗)を含めた3大関で、琴奨菊と豪栄道は翌場所でかど番を脱出した。




2022/05/21
大相撲ニュース
照ノ富士

13日目、主役は最後に登場するもの。
いきなり初日に土がつくと、8日目までに早くも3敗。
ここまで後塵(こうじん)を拝してきた照ノ富士が、ついに指定席であるトップの座についた。
貴景勝の攻めを完全に封じた。
照ノ富士もなかなかつかまえることができなかったが「圧力を前にかけて、落ち着いてさばいていこうと」。
貴景勝の意表をつく猫だましにも「うーん、そうですね、冷静に、落ち着いていこうと思ってましたね」と全く動じなかった。


正代

13日目、現行のカド番制度では初となった大関の7敗対決は御嶽海が正代を寄り切り、東正位の意地を見せた。
敗れた正代は名古屋場所で4度目のカド番。
春場所同様中盤から盛り返したが、2場所ぶりの負け越しにコメントはなし。
伊勢ケ浜審判長は「いつも通り。何も感じないですね」と酷評した。


若隆景

先場所優勝した若隆景が、隆の勝を3敗に引きずり下ろした。
低く当たり、「先に下から攻められたのでよかった」。
慌てた相手の足がそろったところを、タイミング良く引き落とした。
12日目に6敗目を喫し、今場所の2桁白星はなくなったものの、残り2日の結果次第では、今後の大関昇進に望みもつながるだろう。
「思い切って相撲を取ろうという気持ち」。
一日一番、集中して土俵に臨む。


宇良

東前頭6枚目、宇良が夏場所14日目の21日、日本相撲協会に「左足関節捻挫で3週間の休場を要する」との診断書を提出して休場した。
師匠の木瀬親方によると、13日目に関脇阿炎に敗れた相撲で負傷したという。
千秋楽は再出場しない。
今場所は13日目まで9勝4敗と好調で、優勝の可能性を残していた。
休場は十両だった昨年春場所以来で13度目となる。
14日目の対戦相手の関脇若隆景は不戦勝で勝ち越し。
宇良は右膝負傷による2度の長期休場で一時は序二段まで転落。
再起し、昨年名古屋場所で再入幕を果たした。
今場所の十両以上の休場者は幕内の逸ノ城、石浦らに続いて5人目(再出場者を含む)。


若元春

速攻で東龍を寄り切り、給金を直した。
新入幕から3場所連続での勝ち越しにも、「あまり意識はしていなかった。一日一日、出せるものを全部出して、しがみついている」と控えめだった。
左四つの形には磨きがかかり、安定感は増している。
「毎日必死で、ぎりぎりのところで相撲を取っている。力は出せているのかな」。
謙虚に振り返った。


佐田の海

13日目、平幕の佐田の海が小結・豊昇龍を寄り倒しで破った。
35歳の佐田の海が22歳の小結・豊昇龍に勝ち、3敗で優勝争いの先頭に並んだ。
立ち合いから右に続いて左も入り、双差しとなった。
相手が強引に投げを打ってきたところを前に出て、寄り倒した。
年齢を感じさせない内容に、八角理事長も「2本差してからが速い。体の寄せ方も良い」と称賛した。




2022/05/20
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士が力勝負で若隆景を圧倒した。
土俵中央で相手の両腕をきめて機をうかがう。
数呼吸の後、つり上げるように土俵外へ運んだ。
トップの隆の勝を1差で追う終盤戦。
先場所を制した若隆景を難なく退け、「変わることなく落ち着いて取れた」。
取り口に安定感が戻った横綱に、逆転優勝への道筋が見え始めた。


正代

12日目、大関正代が踏みとどまった。
西前頭5枚目の翔猿との取り直しの一番を制して5勝7敗とした。
最初の一番は“奇襲”に対応できなかった。
立ち合いから沈み込んだ翔猿に足を取られて、重心が浮いたまま土俵際に後退。
肩越しの右上手、左からすくって逆転を狙った。寄り倒されるような形で軍配は翔猿に上がったが、物言いがついて同体の判断が下った。
取り直しの一番では、相手の立ち合いを警戒しながら小兵を一蹴。
引きに乗じて一気に押し出した。
来場所のかど番回避に向けて、残り3日間は全勝が求められる。
13日目は7敗同士で同じく後がない大関御嶽海と対戦。自
身を含めて3大関の成績が振るわないことについて「今場所はそういう場所なのかなと思って、あまり悩まずにできたらいい」と切り替えに努めた。


大栄翔

12日目、小結・大栄翔が玉鷲を下して勝ち越しを決めた。
激しい立ち合いで突き起こしてからの引き落とし。
「立ち合いしっかり当たれている。慌てず自分のリズムでよく攻めている」と連日の好内容に手応えを得た。
この日は通算出場800回の節目の日。
初土俵から10年間、休場は一度もない。
「日頃の稽古が一番。基礎をしっかりやらないとケガが多くなると思うので」と頑丈な体作りの秘訣を語った。
まだまだ若い28歳だが「年を取ってくると治療とかも入れながらやらないと。若手に負けないように頑張りたいんですけど」と笑った。
この日の対戦相手の玉鷲は18年間一度も休場していない37歳の鉄人。
先はまだまだ長いようだ。
既に三役に定着しつつある実力者だが、意外にも入幕以来夏場所では勝ち越したことがなかった。
十両で10勝を挙げた15年以来、実に7年ぶり。
その事実を聞かされると「全然知らなかった。それはびっくりしました」と本人も驚いた様子。
5月の土俵に苦手意識があるわけでもなく、「そんな久々だとは思わなかったです。でもうれしいです」と笑顔を見せた。


隆の勝

12日目、「おにぎり君」の勢いが止まらない!
西前頭4枚目の隆の勝が一山本を押し出しで退け2敗をキープし、単独首位を快走する。
4日目から負けなしと連勝街道を続け、自己最長の9連勝。
鍛えぬいた出足の速さを武器に戦う中で残り3日。
混戦の夏場所で初優勝に向けまい進する。
1差の3敗に横綱照ノ富士、平幕の宇良と35歳ベテラン佐田の海の3人が追う。
まん丸とした顔と癒やし系の笑顔で「おにぎり君」の愛称で親しまれる隆の勝が充実感をにじませた。
一山本に完勝しての10勝目。
2桁に白星を積み重ねたのは、幕内では昨年の九州場所以来となる5度目だ。
「(白星が)2桁に乗れたので良かった」と声を弾ませた。
初顔合わせとなった相手の強烈な突き放しを警戒しながら、自分の相撲を貫く。
素早い出足から一気に前に出た。
一山本のはたきを物ともせず押し出した。
わずか2秒の決着。
「本当に調子が良い。いつも以上に気が楽というか、落ち着いて相撲を取れている」と納得の内容が続いている。


宇良

宇良の勝利への執念に、館内は大きな拍手に包まれた。
「精いっぱいだった」。
大関貴景勝から白星をもぎ取り、6連勝で優勝戦線に残った。
抜群の身体能力を発揮した。
貴景勝の猛攻を受けて土俵際まで後退したが、弓なりになって喉輪を耐えて左へ。
追ってきたところをもう一度左にひらり。
目の前から相手が消えた大関は、たまらず土俵の外へ飛び出した。
回り込んだ宇良も、勢い余って宙を舞うように転倒。
物言いがついた際どい一番は、軍配通りに宇良が制した。
「勝ててよかった」。
いつも通りの控えめな口調が、充実ぶりを際立たせる。
度重なる膝のけがで、幕内から序二段まで番付を落とした苦労人。
西前頭筆頭に上がった先場所は4勝11敗だった。
「もう一度チャレンジしたいという気持ちで頑張ってきた」。
何度でもはい上がる気持ちの強さこそ、宇良の真骨頂だ。
残るは3日。
賜杯争いは佳境に入ったが、「何も感じていない」とけむに巻いた。
「トップじゃないし、上の人が負けることを祈ってやっているわけではない」。
目の前の一番しか見ていない。


佐田の海

12日目、佐田の海は一本気な力士だ。
「体力があるわけではないので、自分の相撲を取りにいかないと勝てない」。
持ち味は速攻。
志摩ノ海との一番も目の覚めるような相撲だった。
頭で当たって左をのぞかせると一気に前に出た。
得意の右差しではなかったが「とにかく先手を取って攻め込み、あとは体に任せようと思った」。
そのまま押し出し、しぶとい相手に何もさせなかった。
会心の内容に「先手が取れて足もよく出てくれたと思う」。
充実の表情で勝ち名乗りを受けた。


夏巡業の日程を発表

日本相撲協会は19日、夏巡業の日程を発表した。
8月5日から東京・立川市で始まり、5か所で行われる。
巡業は新型コロナウイルス感染拡大の影響で2019年12月の冬巡業を最後に中止が続いていた。
夏巡業は東北や北海道を回ることが多いが、新型コロナ対策もあり関東近郊に限定する形となった。

開催地は以下のとおり。

 ▽8月5日 東京・立川市(アリーナ立川立飛)
 ▽同6日 千葉・船橋市(船橋アリーナ)
 ▽同7日 さいたま市(さいたまスーパーアリーナ)
 ▽同11日 茨城・古河市(イーエスはなもも体育館)
 ▽同14日 埼玉・春日部市(ウイング・ハット春日部)


大関戦が負け越し決定戦に落胆

12日目、よもや13日目に、7敗同士の大関戦が実現してしまうとは…。
今場所の大関陣の不振ぶりを象徴する取組が、13日目に組まれた。
この日は正代が翔猿との取り直しの一番に勝ち、何とか5勝目(7敗)を挙げ、負け越しの崖っぷちに踏みとどまった。
だが御嶽海が関脇阿炎に元気なく押し出され7敗目。
この両大関が13日目に「負けた方が負け越し」の一番に臨むことになった。
日本相撲協会の八角理事長も、これには落胆のコメント。
「御嶽海は、いい時は力を出せるが、こういう時は粘り強くなれない。修行が足りないということ」と御嶽海の一番が終わった後に話した後「明日は正代戦。優勝争いの大関戦なら(ともかく)負けた方が負け越し。寂しいよね」と看板力士の名が泣く不調ぶりに、落胆の色は隠せないようだった。




2022/05/19
大相撲ニュース
照ノ富士

混戦の様相を呈したまま終盤戦に入った夏場所で、照ノ富士が調子を上げてきた。
1月の初場所で完敗している阿炎に納得の相撲で快勝。
給金を直し、横綱が1差で優勝争いに踏みとどまった。
光ったのは立ち合いの踏み込みの良さ。
阿炎の突き押しにのけぞりながらも、下半身はびくともしない。
たまらず相手が引いたところを逃さず、一気に前へ。
何もさせずに押し出した。
休場明けの今場所は、馬力のある押し相撲の力士に苦戦している。
初日の大栄翔との一番のように、圧力を受けると残せずに三つの黒星を重ねた。
だからこそ、突き押しの強い阿炎を圧倒した一番には「久しぶりに立ち合いで当たった感覚」と手応えを得た。
相手の攻めを受け止めた上で前に出る取り口こそ、目指してきた「横綱相撲」。
佳境で本来の自分を取り戻しつつある。
トップを走る隆の勝、3敗で並ぶ他の平幕4力士に賜杯を抱いた経験はない。
「きょうみたいな当たりができれば」と自信を示した照ノ富士。
逆転優勝へ、視界は開けてきていることだろう。


若隆景

若隆景が東洋大の先輩、御嶽海との1分以上の熱戦を制した。
土俵際まで寄られても耐え、頭をつけて好機を待った。
相手が腕をたぐりにきたところで一気に寄り切り、「我慢して、よく攻められたと思う」。
土俵上で大きく息を吐いた。
大関昇進の足固めを目指す今場所は、8日目で5敗。
ただ、そこから大関を3連破し、2桁白星に望みをつないでいる。
12日目は横綱照ノ富士戦。「頑張ります」と短い言葉で決意を示した。


霧馬山

11日目、グイッと翔猿をつり上げ、勢いのまま一気に寄った。
つりは師匠の陸奥親方譲りだ。
霧馬山が豪快な技を繰り出しながら、5日目から7連勝で勝ち越し。
3敗を守り、堂々の優勝争いを演じている。
「よかったです。体は動けている。まだ残りがあるので頑張ります。頑張っていきたいです」。
大事な局面だった。
翔猿には幕下、十両時代の対戦を含め、前回の対戦まで3勝7敗と分が悪かった。
優勝争いに加わって突入した終盤戦。
苦手から白星をもぎ取り笑顔が浮かんだ。


隆の勝

11日目、西前頭4枚目の隆の勝が、自己最長の8連勝で単独首位に立った。
おっつけから右を差して組み止めると、土俵中央で膠着状態が続いた。
機を見て右から下手投げを打つと、相手の外掛けにも構わず体を預け、なぎ倒すように寄り倒した。
過去1勝3敗の難敵に対し「投げが得意な相手だったので、自由に動かさないようにした」と対策は万全。
会心の勝利に「もっと、もっと勝ち星を伸ばす」と声を弾ませた。
先場所は4勝11敗と負け越し、「気持ち的に落ち込みました」。
同じ94年度生まれの阿炎、先場所覇者の若隆景の両関脇に水をあけられ、悔しさが募った。
「元の場所に戻りたい」と三役復帰を目指し、奮起して臨んだ今場所。
3日目まで1勝2敗と出遅れたが、そこから1横綱2大関撃破を含む自己最長の8連勝。
10日目には昨年の九州場所以来の勝ち越しを決めた。
勢いに乗り、「もっと上を目指していかなきゃいけない」と意気込む。
ただ一人2敗で優勝争いを引っ張る展開になった。
「そこは意識せず。まだ4日もあるので全然分からない。自分の相撲に集中するだけです」と無欲を強調した。


宇良

11日目、東前頭6枚目・宇良が優勝戦線に踏みとどまった。
同11枚目・碧山との3敗対決を制した。
業師で鳴らしたが、自己最重量となった体を生かし、巨漢の相手を堂々の寄り切り。
度重なるけがに泣いた男が、悲願の初優勝へ向けトップを追走する。
「今日も頑張ろうと思って(土俵に)上がりました」。
立ち合いで190センチ、182キロの巨漢の懐にすばやく潜り込んだ。
もろ差しから右の下手に手が掛かると、相手の小手投げと同時に前へ。
体重差34キロも何のその、一気に寄り切った。
5連勝で3敗を死守し、「自分でもここまで頑張れると思っていなかったので、うれしいです」と勝利をかみ締めた。


佐田の海

11日目、佐田の海が力強い相撲で、2場所ぶりの勝ち越しを決めた。
若元春得意の左四つの形になってしまったため、「一気に走っちゃえ」とやや強引に前に出て寄り倒した。
35歳のベテランは今場所好調をキープ。
優勝争いにも残り、「35歳だから衰えるのではなく、若い頃の積み重ねがある。今、一番調子良いと思う。自分らしい相撲が取れれば、白星につながると思う」と胸を張った。


一山本

11日目、一山本が志摩ノ海に押し倒しで敗れて3敗に後退した。
立ち合いから突っ張って先手を取ったが、突きが空振りとなったところで「中途半端に引いてまわしを取りにいったら転びました」と攻めきれず自滅。
「集中力が足りなかった」と悔やんだ。
12日目は単独首位の隆の勝と対戦する。
引きずり降ろして再び首位に並ぶためにも「しっかり一日一番取れればいいのかな」と平常心を貫くことを誓った。




2022/05/18
大相撲ニュース
照ノ富士

10日目、3敗同士の結び。
豊昇龍が何かするかと期待していたが、何もしなかった一番でもあった。
立ち合いで左前まわしを取った。
問題はその後。
左に回って照ノ富士の横につくのが正解だろう。
膝の悪い照ノ富士は押されると苦しい。
横の動きにもついていけない。
しかし、豊昇龍は右を差しにいって胸を合わせてしまった。
恐らく中に入ろうとしたのだろう、がっぷりでは照ノ富士に勝てる力はない。
作戦ミスといえる。
照ノ富士は落ち着いていた。
豊昇龍の右上手をかかえながら差して、左上手をガッチリ握った。
最後は引きつけて豪快に寄り倒した。


若隆景

すでに5敗を喫している先場所優勝の関脇若隆景が、力強い相撲で大関正代を寄り切った。
「しっかり体を寄せながらということを意識した。下から攻められた」と納得の表情を浮かべた。
立ち合いから得意の右おっつけで攻めたて、さらに頭を付けて最後は左を差しながら寄り切った。
先場所に何度も見せた鋭い取り口を彷彿(ほうふつ)とさせる内容。
今場所初めてとなる連勝に「あと5日も思い切って取りたい」と語った。


霧馬山

10日目、土俵際からの逆転で白星を伸ばした。
6連勝で7勝目を挙げた霧馬山が混戦の夏場所で存在感を増している。
立ち合いから阿炎の強烈なのど輪を受けて土俵際まで後退したが、回り込んで形勢逆転。
前のめりになった相手をはたき、土俵にはわせた。
「粘られて危なかったけど、よく体が動いた。(はたき込みは)流れで、ですね」と霧馬山。
自然に体が反応し、状態の良さをうかがわせた。


北勝富士

10日目、幕内・北勝富士が大関・貴景勝を押し出して3勝目を挙げた。
前回対戦した昨年の秋場所も勝っており、埼玉栄高の先輩として今回も意地を見せた。
立ち合い右でかち上げるようにして弾くと、貴景勝が少し引いたところを一気に前に出て押し出した。
「当たり負けしないように思いっきり、勝っても負けても前に出るっていう気持ちが強かった」と振り返った。
いつもは立ち合い頭で当たることが多いが、この日は胸から当たっていった。
「自分の新しい相撲を見いだせたような気がする。それをしっかり磨いていきたい」と手応え。
勝ち越しへ後がない7敗から踏みとどまり、逆襲の終盤戦へ良いきっかけをつかんだ。


隆の勝

平幕遠藤を押し出して2敗を守り、勝ち越しを決めた平幕隆の勝は「良い調子でいけている」と目を細めた。
立ち合いで低く当たり、左から差されかけたが、右おっつけで相手の体を起こし、引きに乗じて勝負を決めた。
三役経験のある実力者。
今場所は西前頭4枚目まで番付を落としているが、4日目から7連勝と波に乗る。
「早めに勝ち越したら気持ち的に楽になる。もっと明日からいけるかな」と残り5日を見据えた。


宇良

10日目、宇良は立ち合いで左へフェイントをかけてから右へ。
それでも錦木の圧力をまともに受けてしまったが、宇良の動きはさえていた。
右へ回り込みながらの肩透かしが決まる。
これが宇良らしさでもあるのだが、ヒヤリとする場面もあったからかフーッと息を吐きながら白星をかみしめた。
3敗で優勝争いに食らいつく活躍に、ファンは大きな拍手でエールを送るが「いやいや、終わってみないと分からないですね。あしたからずっと負けることも相撲ではありえない話ではないんで。終わってみないと分からない」と一喜一憂することなく、客観的に自身をみつめる。
常に全力を出し切るだけに、終盤は体力勝負になってくる。
4勝目を挙げた6日目に「まだ折り返してないので、何か嫌ですねえ。もう10日目ぐらいの気分です」と話していたが、その10日目を迎えて心身ともに疲労を感じているころ。
優勝争いの前にまずは勝ち越しをかけた11日目の碧山戦。
「元気な相撲を取っていきたい」と気合を入れた。


一山本

勝ち越しが懸かった一番で、一山本は師匠の放駒親方の教えを思い浮かべた。
「迷ったときは、当たって前へ」。
琴勝峰に低く当たると、動きの良さを生かして横に回る。
体勢を崩した相手をやすやすと突き出した。
中大から北海道福島町役場での勤務を経て角界へ。
さまざまな競技の実績を条件に、年齢制限の規定が25歳未満に緩和された新弟子検査の合格者第1号だ。
入門当時は「ぼやっとしていた」と、はっきりとは意識できなかった幕内の土俵。
しなやかな突き押しを武器に暴れている。
精神面も成熟してきた。
新入幕で勝ち越した昨年名古屋場所では、7勝目を挙げてから5連敗。
その記憶もあって「ちょっと緊張した」というが、目の前の一番に集中して連勝を3に伸ばした。




2022/05/17
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士が連敗を免れ、3敗で踏みとどまった。
動きのいい翔猿をなかなかつかまえ切れなかったが、最後はがっちりと抱え、豪快にきめ出した。
前日は隆の勝に一方的に敗れて金星を与えていただけに、気持ちの面を心配していた八角理事長も「落ち着いていたね。きょうは何とかね」。
力強い相撲に胸をなで下ろしていた。


正代

9日目、時すでに遅し、の感もあるけど…。
2勝6敗と苦戦が続く大関正代が、突き押し相撲の関脇阿炎を相手に、見違えるような相撲で3勝目を挙げた。
阿炎のもろ手突きにアゴが上がりながらも、下から必死にあてがいながらこらえると、阿炎がたまらず引いた。
そこを逃さず猛進。
勢いそのままに押し出して今場所初の連勝となった。
前日、豊昇龍に勝った後に「今場所初めてじゃないの?必死に取っている相撲はいいね」と正代の気力をほめた、日本相撲協会の八角理事長は「左からのおっつけが効いていた。きのう1つ勝って体がよく動くようになった気がするね。気持ちが前向きにね」と、ようやくエンジンのかかった正代の心中を察した。
もっとも、大関という協会の看板力士だけに「大関なんだから、もっと前に、だよね」と前半戦からエンジン全開できなかった正代への苦言も忘れなかった。
土俵下で審判長を務めた審判部の佐渡ケ嶽部長も「(阿炎に)引かれても、しっかり肘で挟み付けて持って行った。休まないのが良かった」と、この一番については評価したが「初日から、こういう相撲を取っていれば良かったんだけど」と苦言を呈していた。


豊昇龍

豊昇龍は高安の突き押しに後退しながらも、うまくたぐって、とったりで仕留めた。
過去に一度も勝てていなかった相手とあって、「思い切り気合を入れて頑張ろうという気持ちでいった」と、闘志を前面に出して臨んだ。
トップから1差の3敗を守り、10日目は横綱照ノ富士戦が組まれた。
「(取組表は)見ていない。帰ってから見る」。
集中力を保ったままだった。


霧馬山

9日目、霧馬山が大栄翔のお株を奪う押しを見せ、3敗を守った。
大栄翔の突きを下からはね上げてしのぎ、のけ反らせると押し返して前へ。
「よく相手を見て攻めてたと思うんで、よかったと思います」。
大栄翔の攻めにひるむことなく「とりあえず真っすぐ当たって、そっからいこうと思ってて」と気持ちを強く持って臨んだ結果だった。
初日から4日目まで横綱、大関戦が続き1勝3敗のスタート。
その後は5日目から5連勝と波に乗る。
この1年で幕内上位に定着した。
昨年九州場所は新三役にも昇進。
負けが込んでも、千秋楽までけっして気持ちを切らすことなく取り続けることができるのが、霧馬山の強みでもある。
「そういうの(優勝争い)はまだ考えず、一日一番しっかり取りたいと思います」と無欲で挑んでいく。


隆の勝

9日目、隆の勝が同じ押し相撲を得意とする御嶽海に完勝した。
「前傾姿勢を保たれたらきついので、体を起こしたかった」と立ち合いで鋭く当たると、一気に寄り切った。
これで1横綱2大関を撃破し、2敗で首位をキープ。
混戦の今場所だが「自分の相撲を取ることだけ考える」と平常心を貫く。


佐田の海

平幕4人が先頭に並ぶ大混戦に、35歳の佐田の海が食らいついている。
輝に立ち合いで突き起こされた。
そこで冷静に体を開いて得意の右差しに持ち込む。
「体力があるわけではない」と、速い攻めに徹し、押し出した。
「動きながら自分の相撲がとれた」。
2敗を守った取組に満足げだった。
2003年に15歳で角界入りし、最高位は15年名古屋場所の西前頭筆頭だ。
父は元横綱千代の富士と同時期に活躍した同じしこ名の元小結。
「番付で父に追いつきたい」と目標を口にしてきた。


一山本

9日目、平幕一山本が千代翔馬を突き出し、トップタイの2敗を守った。
幕内唯一の道産子力士が北海道勢31年ぶりの優勝チャンスだ。
休まず攻めてトップを守った。
一山本は両手で当たって千代翔馬の体を起こすと、速射砲のような突きを繰り出してぐいぐい前進。
一気に土俵の外へ追いやった。
完勝を「手繰られそうにもなったんですけど、しっかり我慢して前に出られたのがよかった」と満足げに振り返った一山本。
初日から5連勝後、2連敗と足踏みしたが、師匠の放駒親方から「小手先で相撲を取るんじゃなくて、もっと思い切り当たっていけ」と助言を受けて再び連勝。
「それがしっかりできていると思う」と手応えを感じている。
勝ち越しに王手をかけ、初めて後半戦で優勝争いのトップに立ったが「まず勝ち越したい」と意識せず。
過去2度の勝ち越しは千秋楽で決めたもので、新入幕の21年春は今場所と同じ7勝2敗から5連敗しており、「そういうことがないように相撲を取れれば」と気持ちを引き締める。




2022/05/16
大相撲ニュース
照ノ富士

8日目、照ノ富士が隆の勝に初金星を配給し、3敗に後退した。
春場所は右かかと、左膝の負傷で途中休場。
復帰した今場所も不安定な内容が続く。
前日の勝利後も「立ち合いが全然しっくりこない。早く立ち合いの感覚を取り戻したい」と話していたが、この日も立ち合い負けでの完敗。
1敗力士も消えた大混戦の場所を鎮められるか、横綱の立ち合いが鍵を握る。


正代

正代が過去1勝4敗だった小結豊昇龍を下した。
出足を止めずに寄り倒し、「合口が悪かったので、思い切りいった。圧力負けしなかった」。
苦しむ大関が表情を緩ませた。
好調時の馬力がなく、既に6敗を喫している。
「今場所の中で立ち合いが一番良かった。この感覚を忘れないようにしたい」と努めて前向きに話した。


貴景勝

8日目、貴景勝が大栄翔の攻めをしのぎ、最後は少し余裕を見せながらはたき込んだ。
敗れれば横綱、大関陣は大栄翔に全敗となっていただけに、意地を見せた形だ。
既に3敗を喫しているもののトップとは1差。
「初日から、しっかり準備をして集中してやることだけを考えている。また明日からも集中してやる」と自らへ言い聞かせるように話した。


琴ノ若

8日目、琴ノ若は父でもある師匠の誕生日に白星を添えた。
若隆景と投げの打ち合いとなった土俵際。
命綱となった右下手で投げ飛ばした。
15日は佐渡ケ嶽親方の54歳の誕生日。
祖父には元横綱琴桜を持つサラブレッドは「負けて(部屋に)帰るわけにはいかないと思っていたので、勝って良かった」と胸を張った。


隆の勝

8日目、三役経験のある隆の勝が持ち前の馬力で初めての金星を挙げた。
横綱を後退させ、場所の行方も混沌(こんとん)としてきた。
立ち合いのもろ手突きから右のど輪で横綱の上体を起こすと、双差しで圧力をかけた。
体勢が崩れた照ノ富士の左足が土俵を割ったところで、二所ノ関審判が手を上げて勝負はついた。
照ノ富士には6連敗中だった。
「止まったら(横綱は)重い。一気に攻めようと思った」と経験を踏まえ、狙い通りの展開に持ち込んだ。
粂川審判長は「良い相撲だった」とたたえた。


琴勝峰

琴勝峰は埼玉栄高で同学年の王鵬と幕内で初めて顔を合わせた。
体を生かして出てくる相手に対し、右で前まわしをつかんで主導権。
うまく攻めて押し出し、「焦らないでじっくりいけたのがよかった」。
熱戦を制し、充実感を漂わせた。
感情を表に出すことが少ない22歳だが、「負けたくない気持ちはあった」と、強烈なライバル心を隠さない。
お互い将来を嘱望されているだけに、今後も注目の一番となりそうだ。


一山本

8日目、5人の平幕力士が先頭集団を形勢し、後半戦に突入する大混戦。
相撲王国と呼ばれた、北海道出身の一山本もその中にいる。佐田の海を抜群の反射神経ではたき込み。
2敗を死守した。
長い手足を生かした突き押しが武器。
この日は腕を手繰られたが、土俵際でクルリとまわって大逆転。
「僕もいまいち分かってなくて。気づいたら佐田の海関が落ちていた感じなので」と無我夢中でつかみとった白星に笑みを浮かべた。
先場所は序盤に5連敗したが、終盤は5連勝で盛り返した。
連勝もするが、連敗もしてしまうのが一山本。
今場所も5連勝してから2連敗という展開に、7日目の取組後は「この連敗をどう止めるか。止まらなくなっちゃうので」と頭を悩ませていたが、これでひとまず安心。
「止めたのは大きいです。一番一番、積み重ねていくことができれば」と後半戦に弾みがついた。
優勝争いについて話しを向けられると「何も考えてないです。とりあえず勝ち越せるように」と無欲だが、誰が抜け出してもおかしくない状況にある。




2022/05/15
大相撲ニュース
照ノ富士

7日目、照ノ富士が前日、玉鷲に金星配給も連敗は避けた。
遠藤にもろ差しを許す厳しい流れを小手投げでしのいで最後ははたき込んだ。
「立ち合いが全然しっくりこない。ちゃんと当たろうという気持ちだったんだけど。そこから冷静に対応できたんじゃないですかね」と渋い表情。
大混戦の場所だけに「早く立ち合いの感覚をつかみたいと思います」と課題をあげた。


正代

7日目、大関正代は2勝目が遠い。
平幕の北勝富士に押し出されて6敗目を喫した。
立ち合いからのど輪で起こされると、密着できずに突き放されて防戦一方だった。
4日目に初日を出したが、中盤戦から6連勝して立て直した先場所のように勢いが続かない。
大関在位10場所目。
不振の看板力士は「そんなに甘くなかった。(初日を出して流れが)変わると思ったが、悪いところばかり。体調的には問題ないと思うけど、きっかけがつかめていない感じがします。思っている以上に体が動いていない。精神的にも落ち着きがない。どこかで切り替えられたら」と話した。


貴景勝

7日目、大関・貴景勝が平幕の玉鷲を退けた。
丸い体を生かすように実力者を圧倒した。
貴景勝が大関の面目を保ち、中日を前に白星を先行させた。
立ち合いで175センチの小柄な大関は、189センチの玉鷲の深い懐に入って突き起こし、そのまま前に出て押し出した。
大関・御嶽海に続き、横綱・照ノ富士を破るなど好調ぶりが目立つ幕内最年長37歳を相手に、何もさせなかった。
両者と同じ押し相撲を得意としていた八角理事長は「(玉鷲は貴景勝の)体が小さいから当たりづらかったかも。その分、貴景勝は思い切りいかなきゃと開き直れた」とそれぞれの心中を察した。
25歳の大関が体格差を生かし、精神的にも優位に立った。


豊昇龍

7日目、小結豊昇龍が「朝青龍ばり」の鋭い出足で関脇阿炎に完勝した。
突き放せば強い相手を素早く組み止め、一気の出足で寄り切った。
元横綱朝青龍、ドルゴルスレン・ダグワドルジ氏のおい。
元横綱白鵬の間垣親方から「出足の鋭さがおじさんに似てきた」と太鼓判を押された。
全勝が消え、1敗も平幕2人。
横綱照ノ富士ら2敗組に残った豊昇龍も主役候補に浮上してきた。


大栄翔

7日目、大栄翔は6連敗中と合口の悪い御嶽海から、昨年の春場所以来の白星を挙げた。
立ち合いから攻めの姿勢を崩さず、のど輪と強烈な突きで体を起こし、反撃の隙を与えなかった。
1横綱、2大関を撃破し「理詰めによく攻めることができた。良い相撲を取れて気持ちが乗ってきている」と手応え十分の様子だった。


若元春

7日目、攻めたのは若元春だった。
師匠の荒汐親方が「一つの武器としてできあがっている」と認める左四つで勝負に出た。
軍配は寄り倒した若元春に上がったが、物言いがつく。
差し違えで2敗を守ることはできなかったが、幕内も3場所目となり「内容も全然問題ない」と手応えの日々。
何よりも、場所後にパパとなることがモチベーションを高めてくれている。
「恥ずかしながら、いい夫婦の日に婚姻届を出させていただきました」という夫人とは2020年11月22日に結婚した。
「周りからも、結婚して成績が伸びてよかったんじゃないのと言われます」と公私ともに充実。
そして間もなく第1子が誕生する。


佐田の海

7日目、佐田の海が碧山を押し出しで破った。
幕内に無敗はいなくなった。
無敗の碧山と、1敗の佐田の海の好調平幕対決は、佐田の海に軍配が上がった。
碧山の突き押しをこらえながら前に出ると、相手がたまらず引いたところを逃さず、一気に押し出した。
「頭を上げないように、我慢してとった」と白星を引き寄せた。




2022/05/14
大相撲ニュース
照ノ富士

6日目、横綱・照ノ富士が、西前頭3枚目・玉鷲に完敗した。
張り差しに出たが、構わず出てくる相手に一気に押し出された。
これで6個目の金星を配給。
うち3個が玉鷲戦だ。
取組後のリモート取材には応じなかった。
八角理事長は「張り差しにいったのがだめだった。当たりが弱くなってしまった。玉鷲を褒めるべきだが、下がると力が入らない。立ち合いの意識が大事ですよ」と指摘していた。


御嶽海

6日目、上松町出身の大関・御嶽海は、東前頭3枚目の北勝富士と対戦。
立ち合いで左に動き、すぐに上手を取った御嶽海は、そのまま北勝富士を上手出し投げで破りました。
星を3勝3敗の五分に戻した御嶽海、あすは小結の大栄翔と対戦します。


若隆景

若隆景は高安に対し、右前まわしを取って頭をつけた。
低い体勢でじっくりと攻め、最後は横について送り出し。
初優勝を果たした春場所の優勝決定戦で争った相手に完勝しても、「まあ、一日一番しっかり自分の相撲を取る」と表情は変えなかった。
大関昇進へ足固めをしたい場所。
星を五分に戻しても一息つくことはできない。
「まだまだ。もっともっと下からの攻めを出していかないと」と自分に言い聞かせるように話した。


阿炎

6日目、関脇阿炎が大関貴景勝を引き落として4勝目(2敗)。
取組後は「素直にうれしい。内容自体はあまり良くないけど、体が動いているからいいと思います」と冷静に振り返った。


玉鷲

玉鷲が止まらない。
もう負けるわけにはいかない照ノ富士は、立ち合いで珍しく右で張ってきたが、「お構いなく。自分の相撲を生かそうと思った」。
右から強烈におっつけて、そのまま前進。
横綱を一気に土俵外へ追いやった。
昭和以降では3位タイの3場所連続金星。
平幕力士が3場所続けて同じ横綱を破ったのは、1964年九州場所から65年春場所まで栃ノ海に勝った大豪以来で、57年ぶりだ。
「信じられないところもある」。
勝ち名乗りを受けても表情を崩すことはなかったが、記録の話に水を向けられると、「すごくうれしい」。
歴史に名を刻み、ほほ笑んだ。
これで5勝1敗。
先場所優勝の若隆景、さらに御嶽海、照ノ富士と看板力士を相次いで撃破した。
それでも、「まだ穴がある。これからも長いので、自分の相撲を取り切るだけ」。
酸いも甘いもかみしめてきた37歳は、快進撃にも浮かれることはない。
34歳だった19年初場所で初の賜杯を抱いた。
さらに心身ともに充実するベテラン。
周囲の期待も自然と高まりそうだ。


阿武咲

6日目、平幕・阿武咲が13日、日本相撲協会に「左肋骨骨折で約1カ月間の加療必要見込み」との診断書を提出して休場した。
師匠の阿武松親方によると、5日目の12日に大関・貴景勝戦で土俵下へ落ちた際に負傷した。
再出場について同親方は「まずはしっかり治すこと。本人は出たいと言っていたので、様子を見て判断したい」と述べた。
休場は2018年春場所以来で4度目。
6日目の対戦相手、翔猿は不戦勝となった。


碧山

6日目、35歳のベテランが全勝対決を制した。
平幕の碧山が、一山本を下して幕内唯一の無敗をキープした。
強烈な突きをものともせず、落ち着いてはたき込みを決めた。
初日からの6連勝は20年春場所以来3度目。
今年3月には日本国籍を取得し、氏名をダニエル・イヴァノフから古田亘右(ふるた・こうすけ)に変更した。
気持ちを新たに臨む今場所で快進撃を続ける。
碧山は「しっかり踏み込んで前に前に攻めた。相手のバランスを崩して、最後に決めることができた」と振り返った。
八角理事長は「努力している人が成績が良いとうれしい。35歳だけど、地力を稽古量で維持しているのは立派」と、ブルガリア出身の関脇経験者をたたえた。
過去に2度準優勝に輝いたが、まだ賜杯は手にしていない。
初優勝へ期待がかかるが、本人は「まだまだですね。
半分も終わっていない」と気を引き締めた。




2022/05/13
大相撲ニュース
照ノ富士

5日目、照ノ富士が冷静に北勝富士を仕留めた。
右差しで前進すると、小手投げで振った勢いできめ倒した。
「落ち着いて圧力かけて前に出た」と納得の表情。
黒星発進から4連勝と復調気味だが「始まったばかりだし、あと10日もあるので終わってみないと分からない」と淡々。
休場明けの場所で体の状態が心配されるが「大丈夫ですよ」と明るい声だった。


大栄翔

5日目、大栄翔が同じ突き押しのライバルに完勝した。
立ち合いはリーチで勝る阿炎のもろ手突きが優勢だったが、下からのど輪を外して逆襲。
回転の速い突っ張りで一気に押し出した。
「突き押しなので先に自分から攻めることが大事」。
三役、埼玉県出身、得意は突き押しと共通点の多い相手。
先場所は敗れていただけに「悔しい負け方を頭に入れてやった」と気合がみなぎっていた。


玉鷲

幕内最年長37歳の玉鷲が、歴代単独4位となる通算1426回連続出場の節目を白星で飾った。
相手の大関・御嶽海には過去3勝27敗。
圧倒されていたが、恐れずに頭から当たっていった。
「前はバタバタして引いたり逃げたりしたが、今回は自分の相撲を信じて前に出た」。
左のおっつけで相手を起こすと、再び頭で当たり、腕を伸ばして土俵下に追いやった。
八角理事長は「気力がすごいね。頭から(当たって)いくのは気力がないとできない」と称賛する。
土俵下の粂川審判長も「正攻法だからいい。馬力があるから相手も怖いんじゃないかな」と評価した。


宇良

5日目、人気業師で東前頭3枚目の宇良が“珍手未遂”連発で観客を沸かせた。
取り直しを含めた西前頭6枚目の若元春との計2番。
最初の一番は相手得意の左四つで攻め込まれ、土俵際の「うっちゃり」で逆転を狙った。
行司は東の宇良に上げたが、物言いがついて同体。取り直しの一番は、足取りかなわず大技「居反り」を仕掛けたが、それを食わなかった若元春に送り出された。
敗れはしたものの、宇良の粘りや奇襲に観客も大きな拍手を送った。
3勝2敗で序盤5日間を終えて、自身の状態は「分からないです。終わってみないと」と目の前の一番に集中。
中盤戦に向けて「元気な相撲を見せたい」と意気込んだ。


若元春

若元春が初顔の宇良の巧みな相撲によく対応した。
最初の一番は見事にうっちゃられ、同体とみなされ取り直し。
「際どい相撲だった。粘りがすごかった」。
次はそろりと立ち合い、相手の反り技にも慌てなかった。
最後は力強く送り出し、「体が自然と反応できた」と喜んだ。
新入幕だった初場所から2場所続けて勝ち越し、今場所も4勝1敗と快調に滑り出した。
「星のことは考えていない。ここから落ち着いて自分の相撲を取れるようにしたい」と先を見据えた。


碧山

5日目、35歳の関脇経験者の碧山が、20年春場所以来となる初日から5連勝を飾った。
自身より40キロ軽い141キロの千代翔馬を、豪快な小手投げでねじ伏せた。
過去の対戦では、変化やいなしに翻弄(ほんろう)されることも多かったが「怖がらずに頭から当たっていった」。
長く付け人を務めてくれた同部屋の栃丸が、今場所新十両で4勝1敗と好調。
「うれしいですね」と刺激を受けている。


一山本

5日目、一山本は突き起こしてからの引きで王鵬を破り、5戦全勝とした。
先場所終盤からの連勝を10に伸ばしたが「前の場所なので、気にすることない。まだ“五山本”なので」と笑った。
場所前から始めた一人暮らしが好調の要因。
好物の鶏肉など「好きなものを好きなだけ食べられるので楽しくやっている」と上機嫌だ。
同じく平幕の碧山も5戦全勝。
2人は6日目に対戦が組まれ、勝った方が単独トップとなる。




2022/05/12
大相撲ニュース
照ノ富士

4日目、照ノ富士が壁となって琴ノ若の前に立ちはだかった。
相手は初日から3大関を連破して勢いに乗る24歳の若手。
照ノ富士が負ければ、昭和以降では3例目となる平幕力士の横綱、大関総なめを許すことになる。
休場明けの初日こそ大栄翔に不覚を取ってしまった照ノ富士だが、そこは横綱。
日ごとに調子を上げてきた。
「そうですね、落ち着いてやれたかなと思います」。
まずは得意の右をねじ込み、左上手をつかんで琴ノ若の動きを封じる。
危なげなく寄り切って2日目から3連勝とした。


正代

正代は立ち合いに苦しんでいる。
「自分の中で、決まっていないというほどではないが、つかめていない」。
高安との一番も立ち合いで鋭い体当たりをくらい、跳ね飛ばされた。
だが窮地で粘った。
俵に足をかけ、ねじ込んだ右が命綱になった。
土俵際でくるりと体を入れ替えて形勢逆転すると、低い姿勢で押し出した。
合口の良い高安から初日を出し「やりやすさは感じていないが、同じ組み相撲なので差し身に集中できている」と振り返った。


阿炎

阿炎が力強く遠藤を土俵下に追いやって3連勝。
うまく相手の腕をたぐって中に入り、一気の寄り。
「突きにくい」と感じ、流れの中で柔軟に対応したことが奏功した。
「集中できている。これを糧に、できることをやっていきたい」と改めて気を引き締めていた。


大栄翔

4日目、小結・大栄翔が突き起こして攻め込んでおいてのはたき込みで先場所優勝の関脇・若隆景を破った。
「立ち合いでしっかり踏み込めているから、流れもいい」と完勝に納得の表情。
先場所「送りつり落とし」の大技で敗れた相手に雪辱を果たした。
突き押しの腕が良く伸びて連日会心の内容。
横綱、大関に続いて関脇も破って3勝1敗と星を伸ばした。


玉鷲

4日目、西前頭3枚目の玉鷲が初土俵からの連続出場を「1425」に伸ばし、歴代4位の元関脇高見山に並んだ。
西前頭4枚目隆の勝に下手出し投げで敗れて今場所初黒星。
初日からの4連勝を逃したが、角界の歴史にまた名を残した。
19年初場所には賜杯も抱いた37歳。
今年は1月の初場所、3月の春場所で金星を獲得した。
衰え知らずの突き押しと明るいキャラクターで人気を集める。


宇良

4日目、これぞ宇良というような立ち合いだった。
もぐりこむように体をかがめ、琴勝峰の懐に入る。
体勢はいつもよりさらに低く見えたほど。
間髪入れず前に出て、懐の深い相手に何もさせずに寄り切った。
体がよく動いており、「勝って良かったです」と目を細めた業師。
初日こそ翔猿に敗れたものの、2日目から3連勝。
星も伸びてきたが、「まだ4日目なんで。前半の一部でしかないです。特に(うれしいとか)何もないです」と話した。


千代大龍

4日目、千代大龍は珍手のとっくり投げで翠富士を破り、今場所の初日を出した。
言葉通り、とっくりをはさむように首をはさみこんで投げる技。
幕内では昨年九州場所で阿炎が佐田の海に決めて以来となる。
「決まり手がとっくり投げになってびっくりしました。狙ってできるもんじゃないし。決まり手とか内容じゃなく、1勝できたのがうれしいです」と初白星を喜んだ。


行司の木村玉治郎が休場

大相撲の三役格行司、木村玉治郎が腰椎椎間板ヘルニアのため、夏場所4日目の11日から休場した。




2022/05/11
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士に少しずつ力強さが戻ってきた。
頭をつけた霧馬山に対して「じっくりやった」。
慌てず、相手の上体を起こしてから豪快に切り返した。
休場明けで、初日こそ大栄翔に完敗したが、2連勝とした。
「できることはやれているんじゃないか」と納得顔。
3大関が総崩れし、早くも混戦の気配が漂う中、「始まったばかりだし、残りも気合を入れていきたいと思う」と言葉に力を込めた。


若隆景

2日目に敗れ、迎えた遠藤戦。
技巧派に対して自分の相撲を貫いた。
低い立ち合いから動き続け、主導権を握る。
右から崩し、一回転して体勢を立て直そうとした相手をつかまえると、すかさず左からの上手出し投げ。
「下からよく攻めることができた」。
連敗しなかった安堵(あんど)感よりも、ぶれずに戦った満足感が漂っていた。
春場所後は慌ただしい時間を過ごし、賜杯を手にした者だけが知るその「重み」を実感してきた。
土俵入りでも、しこ名が呼び上げられると、館内からは大きな拍手。
己への期待の大きさは自覚しており、「あまりプレッシャーに感じないように、しっかり自分の相撲を取っていきたい」。
対戦相手からの警戒は高まる。
優勝力士としての重圧も、計り知れないものがあるだろう。
それでも、「そういうものはない。しっかり相撲を取るだけ」。
大関昇進の足固めを目指す場所。
短い言葉に意気込みが垣間見えた。


大栄翔

3日目、小結・大栄翔が大関・正代を一方的に押し出した。
これで正代戦4連勝。
のど輪の腕がよく伸びた会心の内容に「しっかり前に出て圧力をかけられたので良かったと思います」と納得の表情を見せた。
初日の横綱戦に続いて殊勲の星。
「胸を借りるつもりでやっているだけなので、それが良い結果になっている」と上位陣への強さを発揮した。
2日目は敗れたが連敗せず。
「(連敗癖が)一番の課題でもあるので、しっかり切り替えられて良かった」と課題克服へ手応えを得た。


琴ノ若

琴ノ若が大関3連破。
御嶽海に追い詰められた土俵際、しぶとく右足1本で踏ん張っての突き落とし。
軍配は相手に上がったが、行司差し違えで白星を手にした。
「攻める姿勢を忘れなかったので、間合いをうまくつくれた」と振り返る。
土俵下の審判長は、父で師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)が務めた。
息子の勇姿にも「私は足元しか見ていないので」と素っ気なく、「もっと攻める気持ちを持ってほしい」と注文も。
琴ノ若は「とりあえず白星になってよかった」と胸をなで下ろした。


初の東大生力士

新弟子らによる前相撲が始まり、初の東大生力士となった須山(24=木瀬部屋)が初土俵で“プロ1勝”を挙げた。
名前を呼ばれた須山は、タイミングが分からず、行司に促されて土俵に上がった。
プロ初の一番。
相撲経験のない16歳を一気に寄り倒して完勝したが、取組前には緊張した様子も見られた。
大相撲の歴史に新たな一ページが刻まれたこの日、「始まったなという気持ち」と力士人生のスタートに実感を込めた。
師匠の木瀬親方(元幕内・肥後ノ海)は「他の力士の刺激にもなる」と異色の新弟子を歓迎する。
東大相撲部OB会長で日本相撲協会顧問を務める櫟原(ひらはら)利明氏は「相撲エリートだけじゃなく、東大生も相撲をやれるんだと、多様性の象徴になる」と分析した。




2022/05/10
大相撲ニュース
照ノ富士

2日目、初日に不覚を取った照ノ富士が、執念で勝利をたぐり寄せた。
先場所12勝を挙げた大関経験者の高安を相手に得意の右四つに持ち込み、しぶとく食らいつく相手を小手投げで土俵にたたきつけた。
攻めきった末の仕切り直しの白星に「慎重に、前に圧力をかけていこうと思った。良かったと思う」と語った。


阿炎

2日目、阿炎は北勝富士を突き出し、初日を出した。
「よかった。集中できたと思います」。
自己最高位の関脇2場所目。
先場所は同じ新関脇の若隆景が優勝を飾ったが、「星は気にしていない。自分の相撲を取りきれるよう準備していきたい」と邪念は排除する。


豊昇龍

2日目、相手の立ち合いにひるむどころか、押し勝ったのは豊昇龍。
そのまま反撃を許さない。
御嶽海が回り込もうとした隙を見逃さず、真正面から押し出した。
「相手は大関だったので、自分を信じて思い切りいきました」。
4度目の対戦で御嶽海から奪った初白星。
成長ぶりをファンの目にしっかりと焼き付けた。


琴ノ若

9日、琴ノ若は正代を突き落としで破った。
正代に右下手を許して押し込まれても簡単には諦めない。
琴ノ若は最後の最後、右足1本を俵の上に残して逆転の突き落とし。
微妙な決着となったが、物言いは付かず、執念で殊勲の白星をもぎ取った。
「(取り直しで)『もう一番ある』というつもりだった。ポイントのところは冷静に取れたかな」。
24歳は一切、表情を緩めることなく取組を振り返った。
自己最高位の西前頭2枚目に番付を上げて今場所を迎えた。
真価が問われる地位で、初日の貴景勝に続いて大関を連破。
先場所も正代と御嶽海に勝っており、大関戦は4連勝だ。
「稽古場でできることを少しずつ本場所でも出せるようになってきた。気持ちも乗ってよい相撲が取れている」。
3日目の御嶽海戦も思い切った勝負ができるか。




2022/05/09
大相撲ニュース
御嶽海

8日、大関初優勝を目指す御嶽海が、上々の滑り出しを見せた。
高安にまわしを引かれたが、押しに徹っするとうまく回り込んで押し出した。
「ちょっと立ち遅れました。圧力がかからなかったけど、最後は力を出せてよかったです」
先場所も敗れ、取組前まで8勝20敗と差をつけられていたが「やりにくい相手にこうやって初日から勝てたので、うれしいです。気持ちよく明日からも臨める」と今後の手応えも十分につかんだ。
この日は母の日。御嶽海の母・マルガリータさんも白星のプレゼントを喜んでくれたことだろう。
大関昇進後は初めて母とのテレビ出演も経験した。
「いつもはプレゼント、花とかハンカチとかいろいろあげてますけど、場所がかぶることが多くなって、ぼくの白星がプレゼントでいいねって、楽してますけど。今の自分があるのもお母さん、お父さんのおかげなんで。お母さんには性格も似ていると言われるので感謝しかない」と思いを明かす。
母の日に勝てたことを「いい白星だったと思います。(メッセージは)まだです。送ります、帰ってから」とかみしめていた。


若隆景

8日、東京・両国国技館で行われ、先場所優勝の関脇・若隆景は北勝富士を降し、白星を飾った。
初日に1横綱2大関が敗れ、上位陣がふがいなかっただけに、冷静さが際立った。
先場所の優勝で注目度が高まる若隆景が勝機を逃さず、三役経験のある実力者を退けた。


大栄翔

8日、小結・大栄翔が結びの一番で横綱・照ノ富士を倒した。
小結に返り咲いた大栄翔が休場明けの横綱を先場所に続いて破った。
低く当たって、突き押しを繰り出すと、下がった照ノ富士の引いた足が俵の外に出た。
大栄翔は「立ち合いが良かった。前に前にと出ることができた」と手応えを語った。
2021年初場所で初優勝した実力者は、横綱昇進後の照ノ富士との対戦成績が3勝2敗。
相手が新横綱だった同年秋場所でも土を付け、強敵ぶりを発揮している。


琴ノ若

四方をびっしりと埋めた観衆が、琴ノ若に温かい拍手を送った。
「思い切って前に出ることだけを考えていた」。
24歳の若武者は、真っ向から貴景勝に挑んだ。
大関の圧力に屈することなく、うまくいなして崩し、一気に前へ。
「受け身にならずに攻めようと思った」と、突き押しで対抗。
腰をしっかり落として押し出した。
2場所続けて優勝争いに加わり、自己最高位の西前頭2枚目で臨む。
埼玉栄高の1学年先輩、貴景勝とは過去2戦2敗。
成長のほどを示すには、これ以上ない相手と言えた。


石浦

8日、大相撲夏場所初日から休場した東前頭16枚目・石浦が「頸椎(けいつい)捻挫、頸椎損傷疑いで3週間の安静・加療を要する見込み」と診断されたと発表した。
石浦は3月の春場所で首を痛めて4日目から途中休場し、11日目から再出場した。


対策に気を引き締め

観客数上限が通常の約87%の9265人に緩和され、コロナ禍の本場所では最も多い人数となった夏場所。
大広間でのちゃんこ販売も復活し、売店などいたるところでにぎわいを見せた。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)は、活気が戻りつつあることに喜びながらも「内部で感染しないように対策を立ててやっていく」と引き締めた。




2022/05/08
大相撲ニュース
御嶽海

土俵祭り終了後に優勝額贈呈式が行われ、関脇だった初場所で3度目の優勝を飾った大関・御嶽海と春場所で初優勝した若隆景が出席した。
ともに東洋大出身。笑顔で談笑するなどリラックスムードの2人は夏場所での健闘を誓い合った。
先輩の御嶽海は「3枚もらえて本当にうれしい」と述べると2場所ぶりの賜杯奪還に向け「しっかり4枚目を狙って頑張る」と意欲を燃やした。
後輩の若隆景も「5月場所も頑張ります。応援よろしくお願いします」とコメントした。


若隆景

8日に東京都墨田区の両国国技館で初日を迎える大相撲夏場所では、先場所12勝で初優勝を飾った関脇若隆景が大関昇進への足固めを狙う。
今場所も勝ち星を2けたに乗せ、名古屋場所で昇進を懸ける形に持っていけるか注目される。
若隆景は「期待の声はすごく伝わってくる。応えられるように、やるべきことをやって臨みたい」と、自分の相撲に集中する姿勢を崩していない。
部屋で稽古相手を務める兄の若元春が「以前と比べて全然勝てない。10番取って1番勝てればよい方。(若隆景は)今、ノリノリなんで。気合もすごい」と語るように、心技体とも充実している。


阿炎

7日、両国国技館で本場所の安全を祈願する土俵祭りが行われた。
春場所を途中休場した横綱照ノ富士や新関脇優勝した若隆景らに注目が集まる。
そんな中、関脇阿炎がこのほど、日刊スポーツの電話取材に対応。
同居を始めた家族や支えてくれた人への感謝を口にし、夏場所への意気込みを語った。
ようやく家族と一つ屋根の下での生活が始まった。
阿炎は「妻、娘が安心して暮らせるように強くならないといけない」と、父親としての一面を見せた。


入場定員通常の約87%に緩和

新型コロナウイルスの感染対策のため初場所では1日当たり5000人としていた定員は、夏場所では通常の約87%に当たる9265人に緩和され、コロナ下では最多となる。
案内所(相撲茶屋)の営業も再開され、芝田山部長は「久しぶりにたくさんのお客さんが入るので、私たちも楽しみ。
力士たちが攻防のある相撲で盛り上げていけば、お客さんも戻ってくると思う」と期待を寄せた。




2022/05/07
大相撲ニュース
照ノ富士

取組編成会議が6日に開かれ、照ノ富士は初日に小結大栄翔、2日目には高安との一番が組まれた。
休場明けの横綱にとってカギとなる序盤戦は、難敵との連戦でスタートする。
四つ相撲にはめっぽう強いものの、馬力のある突き押しを受けると、上体が起きて苦戦する場面が多い。
昨年名古屋場所後に昇進してから、大栄翔とは4度対戦して2勝2敗。
春場所は12勝で優勝決定戦に進んだ高安にはしぶとさがあり、立ち合いで一気に主導権を握りたいところだ。
左膝の古傷などを悪化させた先場所は6日目から休場。
「常に痛みと付き合いながらやっている」と言うように、万全な状態で臨むことは難しい。
師匠の伊勢ケ浜親方は、「とりあえず相撲は取れる状態になっている。気合は入っているようだ」と現状を説明した。

6日、夏場所を前に、東京都墨田区の野見宿禰神社で行われた例祭で土俵入りを披露した。


モデルナ・ジャパン懸賞旗を掲出

メッセンジャーRNA(mRNA)治療薬とワクチンのパイオニアであるバイオテクノロジー企業Moderna Inc.(以下、「モデルナ」)の日本法人であるモデルナ・ジャパン株式会社(東京都港区、代表取締役社長:鈴木蘭美、以下、「モデルナ・ジャパン」)は、5月8日(日)より東京、両国・国技館において開催される大相撲五月場所に、懸賞旗を掲出します。
この取り組みは三月場所に続き行われるもので、新型コロナウイルス感染症の拡大により、将来への不安が増している若い人々への応援の気持ちを込めて、若元春関、翔猿関、明生関といった若手力士の取組に懸賞旗を掲出する予定です。
モデルナ・ジャパンでは今後も、様々な伝統行事を通して、日本で生活する幅広い世代の人々に向けて、啓もう・支援活動を展開していきます。




2022/05/06
大相撲ニュース
御嶽海

3日、東京・墨田区の出羽海部屋で稽古を行い電話取材に応じた。
新大関の春場所は優勝を逃したが、優勝に次ぐ11勝をマーク。
自己採点するなら「ほぼ高得点に近い場所だった。横綱、大関は毎回優勝争いに絡まなければいけないんじゃないかというのはありますけど、まあ新大関なんでいいんじゃいないかと、ぼくの中で。気楽にやれました、今まで以上に」と振り返った。
大関に昇進後はプレッシャーから解放され、余裕を持って土俵に上がることができた。
「関脇から大関に上がる緊張感の方が強かった。今は伸び伸びやれてる」と話す。
部屋関係者に新型コロナウイルスの感染者が出たため合同稽古に参加できず、関取衆との申し合いはできないまま場所に臨む。
「不安はない。大関としての仕事をしっかりやりたい」。
3場所連続で2桁勝利を重ねているが、大関初優勝を目指す今場所もまずは「絶対最低限クリアしないといけないので。最低10勝ですね」と目標を定めていた。


大栄翔

3日、報道陣の電話取材に応じ、大相撲夏場所に向け「定着と考えていたら、ダメだと思う。やっぱり上を目指してやっていく。勝ち越し以上を目指したい」と話した。
先場所では8勝7敗と勝ち越し。
今場所で2場所ぶりに三役に復帰するが「いつもと変わらない気持ちでいる」。
自身の課題について「やっぱり連敗をしないようすることが大事。しっかり一番、一番は本当に大事に集中していきたい」と語った。
2020年4月に通い始めた日大大学院を今年3月に修了した。
「相撲界のことをメインにして、ファミリービジネスとつなげて書いた」修士論文は実に40ページ以上に及び、担当教授からも高評価を受けた。
2年間の学業を通じて「相撲界も入門して師匠からいろいろ学んだことを引き継ぐが、同じようなことが会社にもあった。自分も継ぐことになったら、今の師匠の教えを継いでいきたい」。
その上で「簡単ではないんですけど、やっぱり確実に自分のためにはなる。意欲がある人はぜひやってほしい」と呼びかけていた。


高安

3月の春場所で優勝争いのトップを走り続けた高安。
決定戦の末、賜杯は新関脇の若隆景にさらわれたが、死力を尽くしただけに、「また一つ、いい経験になった」と言い切る。
苦い結果も受け入れ、前向きに過ごしてきた。
先場所は持ち前の力強い取り口を披露して自己最多に並ぶ12勝。
初めて決定戦に進み、「ステップアップできた」と振り返る。
夏場所に向け、東京・両国国技館内の相撲教習所であった合同稽古には4日間とも参加するなど精力的。
けがもあって大関から転落したが、最近は納得いく稽古を重ねられているといい、「今が一番強いと思っている」。
口ぶりには自信もにじませる。
立ち合いから主導権を握り、素早く攻め切る相撲を磨いている。
自身の他に関取がいない所属部屋でも稽古量を増やし、さまざまなタイプの力士を相手に相撲を取るなど、工夫を凝らしてきた。
「(本場所で)落ち着いてできれば、負けることはないと思うので、当たり前のことを当たり前にやる」
新十両、新入幕、新三役と平成生まれで最初に出世してきた高安も、もう32歳。
「千秋楽まで優勝争いに加わるのが目標。初日から最後までいい相撲を取りたい」。
酸いも甘いも知り尽くしているからこそ、淡々とひたむきに初賜杯を目指す。


琴ノ若

4日、千葉県松戸市の部屋で稽古後、報道陣の電話取材に応じた。
2場所連続で11勝を挙げて千秋楽まで優勝争いに絡み、夏場所は自己最高位の西前頭2枚目。
「攻めていく相撲が特に出るようになった」と自己評価すると「この地位でしっかりいい相撲取りきることが、一つ重要になってくる。気持ちでは負けないようにいければ」と上位戦が多くなる15日間を見据えた。
夏場所は観客の上限が収容人員の約87%で開催。
通常に近い状態に戻る。コロナ禍直前はまだ十両だった琴ノ若は「新入幕の時には無観客だったので、お客さんがたくさん入っているイメージがあまりわかないんですけど、師匠たちが取っていた頃の(イメージ)は多少あって。ああいう空気感で自分も取れるんだなというのは楽しみ」と大観衆の中での土俵を心待ちに。
「力にできるように頑張ります」と気合を入れた。


志摩ノ海

幕内志摩ノ海が、夏場所後の6月19日に東京都内で結婚披露宴を開くことが4日に分かった。
昨年12月22日に先代井筒親方(元関脇逆鉾)の長女で、元タカラジェンヌの福薗清香さん(34)との婚約を発表していた。
夏場所は披露宴を前にした場所となるが、4日に電話取材に応じた志摩ノ海は「身が引き締まる思いです。プレッシャーはありますけど、守るべき人がいて自分なりに頑張っていきたい気持ちです」と話した。
清香さんとはすでに新居での生活も始めている。
責任も増し、「いい場所にしたい。しっかり調整していい結果を出したい」と稽古に余念がない。
夏場所は、次の名古屋場所へ向けた大事な場所にもなる。
「名古屋はデビューした場所でもあるし、新十両も名古屋。ご当所でもあるので、番付上位で頑張りたい。いろいろな思いがある場所なので、名古屋に向けてはずみをつけていきたい」と気合を入れた。


王鵬

4日、「昭和の大横綱」大鵬の孫の幕内王鵬が東京・江東区の部屋で調整。
部屋の幕下以下の力士を相手に相撲を20番取って汗を流した。
新入幕で臨んだ1月の初場所は10日目に7勝目を挙げながら、5連敗で負け越し。
春場所の十両転落を経て、返り入幕を果たした。
「(新入幕の場所は)前半戦は良かったので、通用しなかったとは思っていない。あと1番で勝ち越しという気持ちが出て相撲がバラバラになった。しっかり自分の自信のある形で相撲を取っていけたら」と意気込んだ。
その王鵬には、本場所中に欠かさない清めの儀式≠ェあるという。
「朝出る前に、部屋を掃除したり、物を整えたり、帰ってきて洗濯したり…。きれいにして場所に行くというのは、ずっとやってます。(掃除や掃除は)割と好きなほうなので、自分でやる。頻繁に掃除機とか拭いたりとかしています」。
十両以上の関取になれば、掃除や洗濯などは付け人に任せるのが通例。王鵬の独自のこだわりがうかがえる。
今場所の目標は幕内初の勝ち越し。
「幕内で2場所目ですけど、まだ勝ち越していないんで。早く勝ち越して、そこから大勝ちを目指せたら」。
偉大な祖父に近づくために、目の前にある目標を一つずつクリアしていく構えだ。


石浦

先場所中に首を痛めた幕内・石浦は、初日から休場と発表されました。




2022/05/03
大相撲ニュース
逸ノ城

2日、西前頭筆頭の逸ノ城が新型コロナウイルスの検査で陽性となり、夏場所を休場すると発表した。
同部屋の幕下以下の力士に陽性者が出たため、1日に検査を受けた。




2022/05/02
大相撲ニュース
照ノ富士

5月場所での“復権”に向け、闘志を燃やしている横綱照ノ富士。
合同稽古は24日の最終日のみ参加し、時折バクダンを抱えるヒザを気にする様子もあったが、「リフレッシュできた」と自信をのぞかせた。


正代

3度目のカド番を脱出した大関正代が29日、大好きな漫画が脱出の原動力だったと稽古後の電話取材で明かした。
カド番を乗り越え大関在位10場所目となる夏場所に臨む正代は、「春場所の始まったころにジャンプ(週刊少年ジャンプ)のワンピースとか呪術廻戦がすごくアツい時期で、(発売日の)次の月曜日が待てない感じでした。次はどういうふうになるんだろうな、とか。それで何とか精神状態を安定させていた感じです」
春場所は現行のカド番制度となってワーストとなる初日から4連敗を喫しながら、相撲のことを頭から切り離して9勝6敗と大逆転した。
「月曜日が気になりすぎて、どういう展開になるんだろうなとずっと想像していて逆に寝られなかったかも。自分らしさが出ていたのかなと思います」と漫画に助けられたという。
春場所は場所前に感染したコロナの影響もあって調整が遅れたが、今場所は豊山らとの申し合いも積めている。
先場所中盤以降の勢い継続が期待できそうだ。


若隆景

2日、都内の部屋で稽古後に報道陣の電話取材に応じ、夏場所向けて「しっかり稽古して来ている。体調が悪いとかはない」と順調な調整ぶりを明かした。
大関とりの足固めを期す夏場所。
先場所で優勝決定戦と初優勝を経験したことには「そうですね。勉強になったと思います」と大きさを認めた。
長所である冷静さや平常心を保つメンタルについて、アマチュア時代から現在まで「経験が少しずつ気持ちのコントロールという部分では、良くなっているのかと」と自己分析。
初優勝の経験も「自分の力にしていきたい」と血肉に変える構えだ。
注目される優勝の翌場所。
周囲の期待の声も、もちろん届いている。
「本当に今場所からが大事だと思っている。期待に応えられるように自分もしっかりやるべきことをやって、今場所に臨みたい」と気合を入れる一方「あまりプレッシャーに感じないように、しっかり自分の相撲を取っていきたい」と落ち着いたところをみせた。


阿炎

2日、電話取材に応じ「調整はすごく順調に進んでいると思う」と手応えを口にした。
2場所連続で優勝争いを演じた後、新関脇として臨んだ先場所は千秋楽で何とか勝ち越し。
「研究されている」と感じたという。
相手の対策を上回るべく、さらなる体幹の強化に着手。
体が起きないように低い姿勢を保つことを意識して、稽古に取り組んでいる。
念願だった妻子との同居も、先月末にスタート。
一昨年7月にガイドライン違反が発覚して3場所出場停止などの処分と部屋での生活を義務づけられ、新婚直後から別居していた。
「本来の形に戻れてうれしい。あらためて守っていかなきゃいけないなと思いますし、気持ちはすごくいい方向に向いている」と意気込みも新た。
長女の世話について「お風呂を担当しています」とうれしそうに“パパの顔”を見せつつ「安心させるためにも、強い自分を家族に見せられたら」と自覚がさらに増した様子だった。


豊昇龍

1日、豊昇龍が電話取材に応じた。
この日、稽古が休みだった豊昇龍は、合同稽古前に「若い衆たちと70番近く取った日もありましたね」とし、番付発表後も30番取るなど精力的に汗を流している。
体は仕上がりつつあるようで「(状態は)悪くないです」と話した。
初優勝を果たした関脇若隆景(荒汐)については「すごいなと思いましたね。まあ、悔しい思いもありました」
豊昇龍にとって5歳上の先輩力士ながら、実は親しい関係だと言い「若い衆のときから仲がいい。一緒に合宿とか行っていたので」。
かつて荒汐部屋の合宿に参加したことがあり、三番稽古で互いに鍛えていたという。
夏場所に向けては「(三役)2場所目だし、このままケガせずに勝ち越しを目指したい。そうすれば次の目標も出てくるので」と力を込める。
一方で「次の目標? それは言いません」とその先に見据えるものは内に秘める22歳。


高安

1日、報道陣の電話取材に応じ「大関時代より今は強い。まだまだ伸びしろもあると思っている」と意欲を示した。
32歳のベテランは春場所の優勝決定戦で関脇若隆景に敗れた。
4月下旬の合同稽古には4日間全て参加。田子ノ浦部屋は自分以外に関取がいない環境ながら、1日は東京都江戸川区の同部屋で約50番をこなし「力量的には差があるが、数を取っていけば下半身にも効いてくる」と手応えを口にした。
春場所で12勝をマークして自信を深め、初優勝、大関返り咲きを目指す。
「先場所の調子をしっかりキープして、もう一つ、二つエンジンをかけていきたい」と気合を入れた。


関取の身長・体重発表

26日、関取衆の身長・体重を発表した。
十両以上の関取による親睦組織、力士会が両国国技館で行われ、会合後に体重を計ることが恒例となっている。
最重量は、5キロ増えて211キロとなった逸ノ城。
200キロ超えは、ちょうど200キロの十両剣翔を含めて2人だけ。
最軽量は十両炎鵬の100キロで、幕内では111キロの照強が最も軽い。
幕内力士の体重増減を見ると、最も増えたのは9キロ増量で141キロの豊昇龍。
8キロ増えて161キロの阿武咲、7キロ増えて184キロの高安が続く。
最も減ったのは、14キロ減で168キロの栃ノ心。
2桁減は栃ノ心だけだった。
幕内力士の平均身長は183・3センチ、平均体重は157・3キロ。
十両力士の平均身長は180・9センチ、平均体重は160・5キロ。
平均体重では、十両が幕内を上回った。


協会員PCR検査

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は27日、大相撲夏場所(5月8日初日・両国国技館)に向けて協会員を対象に27日に実施した新型コロナウイルスのPCR検査で、親方や十両以上の力士は全員陰性だったと明らかにした。


所ノ関親方が結婚

大相撲の元横綱 稀勢の里の二所ノ関親方が、今年に入ってから一般女性と結婚していたことが関係者への取材で分かりました。
元横綱 稀勢の里の二所ノ関親方は、茨城県牛久市出身の35歳。
3年前の初場所で引退したあと、荒磯親方として後進の指導に当たり、去年8月には田子ノ浦部屋から独立して、相撲部屋を構えました。
12月には、大相撲に5つある一門の名前の1つになっている由緒ある年寄名跡の「二所ノ関」を襲名しました。
関係者によりますと、二所ノ関親方は3年前に知り合った6歳下の一般女性とことしに入ってから結婚したということです。
現在、二所ノ関部屋は茨城県つくば市に稽古場を設けていますが、ことし6月からは茨城県阿見町に新たに建設した相撲部屋で力士の育成に当たる予定です。
元横綱 稀勢の里の二所ノ関親方は二所ノ関部屋の公式ツイッターで「本日報道がありました通り、結婚をご報告いたします。より一層気を引き締めて、引き続き後進の育成に邁進して参ります。今後とも二所ノ関部屋をよろしくお願い申し上げます」と記しました。




2022/04/18
大相撲ニュース
訂正のお知らせ

年間優秀賞 過去の年間集計一覧に誤りがございました。

平成30年(2018年)の内容が、平成29年(2017年)と同じ内容になっておりました。

ご迷惑をおかけ致しまして誠に申し訳ございませんでした。

現在、修正は完了いしておりますで、ご参照頂ければ幸いです。

リンクは下記から。
年間優秀賞 平成30年(2018年)




2022/03/28
大相撲ニュース
照ノ富士

千秋楽、途中休場した横綱照ノ富士の現状について、師匠の伊勢ケ浜親方が説明した。
照ノ富士は右かかとや左膝の負傷で、18日の6日目から休場。
伊勢ケ浜親方は「もう上半身のトレーニングはしている。下半身はけがしたばかりだから様子を見ながら」と軽めの運動ながら、すでに始動しているとした。


正代

千秋楽、大関正代が、関脇若隆景の本割での優勝を阻止した。
立ち合いでおっつけをくらってもろ差しとはいかなかったが、うまくつかまえて右をねじ込んだ。
好機とばかりに前に出て寄り切りで下し、9勝でかど番場所を締めくくった。
前日の14日目に勝ち越してかど番を脱出。
優勝争いでトップを走っていた若隆景との一番について「昨日勝ち越してなかったら相当緊張したと思う。伸び伸びやれました。好調と分かっていたので、当たり負けしたら厳しいなと思っていた」と振り返った。


御嶽海

千秋楽、御嶽海が、大関貴景勝を上手出し投げで破って、新大関場所を白星で締めくくった。
今場所は初日から4連勝し、終盤では優勝争いにも加わった。
2場所連続優勝とはならなかったが、11勝で終えて「いいんじゃないですか。悪くはないと思います」と振り返った。
一方で、東洋大の後輩の関脇若隆景が初優勝した話題を振られると「大関として恥ずかしいと思います」と厳しい表情を浮かべた。


若隆景

千秋楽、新関脇の若隆景が12勝3敗で並んだ元大関の平幕高安との優勝決定戦を上手出し投げで制し、初優勝を飾った。 本県出身力士の優勝は時津山、栃東(初代)に続いて3人目で、栃東の1972年初場所以来50年ぶり。
新関脇の優勝は36年夏場所の双葉山以来86年ぶり、1場所15日制となった49年夏場所以降では初めてで、大関候補に名乗りを上げた。
ともに12勝2敗で千秋楽を迎えた若隆景と高安。
先に高安が敗れ、若隆景は結びの一番で勝てば初優勝が決まったが、大関正代に寄り切られた。
優勝決定戦では高安に攻め込まれたものの、土俵際での驚異的な粘り腰で逆転し、賜杯を手にした。
若隆景は3度目の技能賞に輝いた。


琴ノ若

千秋楽、琴ノ若は下手出し投げで豊昇龍に敗れ、この時点で初優勝の可能性が消滅。
「そんなに(優勝争いは)頭に入れていなかった。この相撲を忘れず、この悔しさを忘れず、しっかり来場所に向けてやっていきたいと思います」と唇をかみしめた。
それでも2場所連続11勝で、千秋楽まで優勝争いに絡んだのは立派の一言。
来場所は自己最高位となる可能性が決定的で、さらなる飛躍が期待される。


高安

千秋楽で、茨城県土浦市出身の平幕・高安が優勝決定戦で関脇・若隆景に敗れ、初めての優勝は逃しましたが、馬力のある相撲で初日から優勝争いを引っ張り、敢闘賞を受賞しました。
春場所の優勝争いは、27日の千秋楽で茨城県土浦市出身で前頭7枚目の高安と、関脇・若隆景がいずれも敗れて12勝3敗で並び、優勝決定戦が行われました。
優勝決定戦で高安は若隆景に上手出し投げで敗れ、初めての優勝を逃しました。
高安は「力が足りなかった。最後は気持ちしかなかったので、すべて出し尽くしました」と話していました。
高安は優勝こそ逃しましたが、馬力のある相撲で初日から優勝争いを引っ張り、敢闘賞を受賞しました。


竜電

千秋楽、十両は東13枚目の竜電が13勝2敗の好成績で優勝した。
水戸龍を相手に左上手をつかみ、頭をつけるしぶとい相撲で寄り切った。
「相撲をとれることがうれしいです。感謝してこれからもやっていきたい」。
三役経験のある実力者だが、不要不急の外出をした日本相撲協会のガイドライン違反をしたとして昨年夏場所から3場所連続の出場停止処分を受けた。
復帰した昨年九州場所で幕下優勝を飾り、先場所も6勝をあげて関取の座に戻った。
来場所は再入幕を狙える地位まで番付を戻すことは確実となった。
「毎日いい相撲をとろうとやってきたのがよかった。しっかり稽古していきたいと思います」と話した。




2022/03/27
大相撲ニュース
正代

14日目、正代がようやく大関かど番を脱出した。
優勝争いで単独トップだった高安に土俵際のすくい投げで逆転勝ち。
土壇場で意地を見せ、「相手の相撲になったが、最後まで諦めなかった。何かしようとしたのがうまくいった」と胸をなで下ろした。
今場所は初日から4連敗を喫し、「勝つイメージが全然できない状態だった」と振り返る。
「それを考えると、勝ち越しているのがすごい」。
率直に喜びを口にした。


御嶽海

14日目、西大関・御嶽海は西前頭6枚目・琴ノ若に押し出しで敗れた。
4敗目を喫し、優勝の目がなくなった。
千秋楽の27日は西大関・貴景勝と対戦する。
御嶽海は精彩を欠いた。
立ち合い左を差され、右も差されると上体が起き、そのまま土俵を割った。
貴景勝はここまで8勝6敗。
過去6場所では御嶽海の2勝1敗となっている。


若隆景

14日目、小さな体をぶち抜くような重い押しを、関脇若隆景はあごを引き、下からあてがってしのぐ。
大関貴景勝は押し切れず、思わず引いた。
その瞬間を見逃さなかった。
右を差し、左も差して前へ。
こうなれば過去1勝5敗という対戦成績は関係ない。
伸び上がった貴景勝を難なく寄り切った。トップタイの2敗。
千秋楽で初優勝に挑む。
「押し込まれましたけど、はたかれたときに足が運んだんで。そこはよかった。しっかり踏み込んで下から。そういう攻めですね」
本割で決まるのか、決定戦か、ともえ戦か。
いずれにしてもやることは一緒だからなのか、ここまできても多くは語らず静かに闘志を燃やす。


琴ノ若

14日目、幕内琴ノ若が大関御嶽海を押し出しで破り、11勝目を挙げた。
優勝争いでトップの幕内高安が敗戦した直後の一番。
負けた方が、脱落する中で新大関を撃破した。
前日の正代戦に続く、2日連続での大関戦勝利に「踏み込んで負けずに、中に入れればいいかなと。あまり覚えていない」と無我夢中だった一戦を振り返った。
この日の取組前には父で師匠の佐渡ヶ嶽親方から金言≠授けられたことも明かした。
「『相手の方が上なので自分の力を試すと思って思い切っていってこい』と言われた。対策を練っても硬くなるだけ。それで肩の力が抜けた」
先の初場所も終盤まで優勝を争ったことも自信となっている。
その一方で「これで終わりじゃない。今日は今日。明日に切り替えてやっていきたい」と言い切り、最後の一番への集中を強調した。


高安

14日目、単独首位だった元大関の平幕高安が大関正代にすくい投げで敗れ、2敗目を喫した。
立ってすぐ高安は左上手の良い位置を引いた。
正代の寄りを一度こらえてから反転攻勢。
必死の形相で寄り立てていく。
正代を土俵際まで追い詰めた次の瞬間、相手の右からのすくい投げで、ごろんと裏返しに。
悲鳴と歓声が館内に交錯した。 優勝決定は千秋楽へ持ち越しとなった。
高安は土俵から下がる際、わずかに首をひねり、オンライン取材に姿を見せなかった。
土俵下の高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「高安は良い形になったけど、そこから出すぎてしまった。いつもならゆっくりジリジリ行くんだけど、焦りが出たのか」と異変≠指摘する。


八角理事長の再選が確実

2年に1度の役員改選に伴い、日本相撲協会が28日に開く理事会で現職の八角理事長(58=元横綱北勝海)の再選が確実であることが26日、関係者の話で分かった。
評議員会で親方10人の新理事を承認し、その後の理事会で理事長を互選する。
15年11月に急逝した北の湖前理事長(元横綱)の後を受け継ぎ、実質4期目に入る。
1月の役員候補選挙では無投票で当選者が決定。
理事候補に新任の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)、11年4月以来の復帰となる陸奥親方(元大関霧島)らが名を連ねた。




2022/03/26
大相撲ニュース
正代

13日目、正代は琴ノ若に苦杯をなめ、13日目でのかど番脱出はならなかった。
「他の相撲と比べてすごく硬かった。意識しないようにしていたけど、意識しちゃうところがあった」と率直に話した。
立ち遅れ、後手に回った。
突き、押しで上体を起こされ、防戦一方で土俵を割った。
6連勝で勝ち越しに王手をかけ「流れを止めたくない気持ちはあった」という。
14日目は高安戦が組まれ、千秋楽は若隆景戦が濃厚。
場所の主役との連戦が予想される。
苦境の大関は「とりあえず自分らしさを出せたらいい。いつも通りに取れたらいいと思っている」と自然体を強調した。


御嶽海

13日目、新大関の御嶽海が意地を見せた。
1敗でトップに並んでいた若隆景を圧倒し、優勝争いに踏みとどまる10個目の白星。
すぐに左を差すと、相手に反撃の隙を与えずに寄り切った。
余裕十分の表情で勝ち名乗りを受け、「(相撲内容は)問題なかった」。
少ない言葉に満足感をにじませた。
若隆景は東洋大の2学年後輩。
絶対に負けられない存在だった。
強烈な対抗意識はたびたび口にしており、2度目の顔合わせとなった2020年11月場所では全く寄せ付けず、「レベルが違う」とまで言い放った。
その後、急速に力をつけてきた後輩には、初めて敗れた昨年の名古屋場所からは五分の対戦成績だった。
それだけに、「しっかり勝ちにいこうと思っていた」。
快進撃の引き立て役になるわけにはいかなかった。
2桁白星に到達し、大関としてただ一人、優勝の可能性は残した。
「一つの目標はクリアできたので、気持ちよく帰りたい。あと2日、頑張っていきたい」。
角界を背負う立場として重責は承知している。


若隆景

13日目、若隆景は立ち合いで持ち前の厳しさを発揮できず、御嶽海に体を起こされて完敗。
「先に攻められた」と悔しがった。
右上手を狙った動きに、八角理事長は「勝ちたい気持ちが出た。おっつけてからいかないと」と言い、優勝争いの重圧も影響したと分析。
1差で高安を追う状況となり、若隆景は「あと2日、思い切って相撲を取りたい」と自らを奮い立たせた。


琴ノ若

13日目、琴ノ若は正代に完勝し、2場所連続の2桁勝利を果たした。
6連勝と勢いを取り戻した大関を強烈な喉輪でのけ反らせ、右上手も取って寄り切り。
24歳の大器は「覚えていない。思い切っていくことを考えていた」と声を弾ませた。
3敗を守ったが、単独首位の高安とは2差。
わずかに残す初優勝への望みをつなげるためにも、負けは許されない。
14日目は御嶽海戦が組まれ、連日の大関戦に挑む。
「相手が誰であろうと、やることは変わらない。気持ちを崩さず、強気に思い切っていく」と頼もしかった。


高安

13日目、悲願の初優勝に向けて、東前頭7枚目高安が単独トップに立った。
大関貴景勝を上手投げで破って12勝目。
1つ前の取組で並走していた新関脇若隆景が2敗に後退した。
14日目に大関正代に勝ち、若隆景が負ければ初優勝が決まる。
新入幕から苦節101場所目で、多くの苦楽を経験してきた実力者がついに賜杯を手にする時がきた。




2022/03/25
大相撲ニュース
正代

12日目、正代が貴景勝との大関対決にも快勝し、6連勝でカド番脱出へ王手をかけた。
当たってすぐ、差した右腕を返しての寄り切り。
「今場所一番いい立ち合いができた」と満足感を漂わせた。
6日目、玉鷲に一方的に突き出されてからV字回復した。
「がむしゃらに取った結果。千秋楽まで続けられたら」と気持ちの切り替えが奏功している。


御嶽海

12日目、御嶽海は高安に寄り切られ、3敗に後退した。
連覇が遠のいた取組後は取材に対応せず会場を後にした。
伊勢ケ浜審判長は「胸を合わせて半身になってしまった。あまりにもまともに差しにいった」と無策だった立ち合いに敗因を求めた。
13日目は1敗の若隆景戦。新大関の存在感を示したいところだ。


若隆景

12日目、若隆景は俵に足がかかっても、自身の相撲スタイルを貫き通した。
立ち合いは下から鋭く。それでも体格で勝る琴ノ若の出足に後退した。
若隆景は左からおっつけ、右は下手を引いて残すと頭をつける。
こうなると若隆景のペースだ。
体勢が苦しくなった琴ノ若が強引に投げを打ってきたところを、サッと前に出て寄り切り。
高安が登場する結びの一番を前にトップを守った。
「まあ、体が動いていたんで。下からという意識を持って相撲を取りました」と、いつものように淡々と振り返る。
11日目を終えてトップ。
当然ながら賜杯も視界に入っているはずだが「一番一番、しっかり取りたいと思います」と高ぶりも見られない。
この取組を見た八角理事長は「おっつけながら残る意識があったよね。あそこで投げとか苦し紛れにいかないから残れる。よく、最初に寄られたときに引き落としとか投げにいかずに我慢したよね」と一つのことに徹する強さを評価した。


琴ノ若

12日目、若隆景に寄り切られ、3敗に後退した琴ノ若は「相手どうこうより自分の問題。攻めきれなかった」と反省した。
立ち合いから若隆景の両足が俵につくまで押し込んだが、痛い連敗。
13日目は11日目の貴景勝戦に続く今場所2度目の結びの一番で大関・正代に挑む。
「切り替えて、前へ出る相撲を取れたら」と前向きに話した。


高安

前日の初黒星の影響はみじんも感じさせなかった。
結びで新大関の御嶽海を圧倒。
1敗を堅持した高安は柔らかい表情で「きょうも気楽に、のびのびやろうと思っていた」。
賜杯争いの中にいる緊迫感が、不思議と伝わってこなかった。
立ち合いで浅く左上手をつかみ、「いいところが取れてペースを握れた」。
胸を合わせると御嶽海の動きが止まる。
慌てず右前まわしも引き、相手の巻き替えに乗じて寄り切った。
優勝戦線に絡むのは1年ぶり。
昨年の春場所は12日目まで単独トップを守ったが、硬さが出て翌日から3連敗を喫した。
何度も味わった苦い経験から学んだのは、「切羽詰まってやってもいい結果は出ない」ということ。
この日の相撲ぶりからは、精神面での進歩が垣間見えた。
2敗力士が消え、若隆景と一騎打ちの様相を呈してきた。
「持てる力を土俵で発揮して、それで負ければ弱いということ。精いっぱい取って後は結果がついてくる」。
経験豊富の元大関。
最後まで肩の力さえ抜ければ、初優勝が見えてくる。




2022/03/24
大相撲ニュース
正代

正代は立ち合いでしっかり当たって宝富士の動きを止めると、タイミング良く突き落とした。
5連勝で白星を先行させ、「気持ちにも余裕が出てくる」と一息ついた。
大関かど番の今場所は初日から4連敗。
「だいぶ苦しい展開だった」と振り返る。
それでも5日目に初日を出してから、「ちょっと変わってきたのかな」。
12日目は貴景勝と大関同士の一番。
苦しい状況は変わらないが、「いい流れが来ているので。止めないようにできたらいい」と前向きだった。


貴景勝

11日目、貴景勝は立ち合いで琴ノ若にいなされたが、すぐに体勢を立て直して反撃。
左から突き落として土俵にはわせた。
正面から当たってこなかった埼玉栄高の後輩に思うところがあったのか、取組後は眉間にしわを寄せた。
けがによる休場明けの今場所、2日目から連敗を喫した。
相撲勘を心配されたが、持ち前の気持ちの強さで徐々に復調。
かど番脱出を決め、無言で引き揚げた。


御嶽海

11日目、前日10日目に2敗目を喫した新大関の御嶽海が、気落ちすることなく9勝目を挙げた。
全勝の高安に土がついたため、再びトップに1差と射程圏に入って残り4日の土俵に臨む。
突き押しの阿炎の、強烈なアゴ付近への突きにもアゴを上げず、したからあてがいながら対応。 距離を開けず突きの腕を伸ばさせず、逆におっつけながらの攻めで圧力をかけ、上体が上ずった阿炎を引き落とした。
1つ負けると、それが尾を引きガタガタと崩れるのが三役常連だった頃の御嶽海で、日本相撲協会の八角理事長も、そのたびに「明日が大事」と連敗しないことを求めていた。


若隆景

11日目、白星を並べてきた好調の実力者にもひるまなかった。
若隆景は、突き放そうとする高安の脇が空いたところを逃さず、おっつけて食らいついた。
双差しになると、約50キロの体重差をものともせずに前に出て決着をつけた。
「下からよく攻められた」と若隆景。
土俵下で見届けた高田川審判長も「下からおっつけて、いい相撲ですね」と評価した。


琴ノ若

11日目、貴景勝に挑んだ琴ノ若は、土俵際で突き落としに遭い、2敗と一歩後退した。
立ち合いでやや右へとずれて大関の意表を突き、一気に巨体を生かして押していった。
ただ、その作戦も実らず、最後に逆転される形となり「思い切りなんでもやろうと気持ちだけは負けないようにいきました。最後の部分、もっときっちりいければ良かった」と振り返った。


高安

11日目、高安についに土がついた。
若隆景にもろ差しを許し、抵抗するも及ばず。
初日からの連勝は10で止まり、若隆景と1敗で並走となった。
取組後はオンライン取材に応じず。
悲願の初優勝に向けて2連敗は避けたい中、12日目は直近の対戦では2連敗中の新大関御嶽海と対戦する。


千代の国

左肩の負傷により、大相撲春場所7日目から休場した西前頭13枚目の千代の国が12日目の24日から再出場することが23日、決まった。


栃ノ心

栃ノ心はくせ者の照強に潜り込まれたが、肩越しにまわしをつかみ、力ずくでつり出した。
豪快な相撲で8場所ぶりに給金を直し、「長かった。よかった」と胸をなで下ろした。
怪力自慢の元大関も、けがなどがあって幕尻近くまで番付を落としている。
それでも、「気持ちは折れていない。まだまだやれる。頑張れる」。
34歳は言葉に力を込めた。




2022/03/23
大相撲ニュース
正代

10日目、相撲巧者のしぶとい相手を攻め続け、星を五分にした。
序盤は元気のなかったカド番大関の正代が、力強さを取り戻してきた。
ともに学生相撲出身で1学年上の遠藤に対し、立ち合いで左を差して組み止めた。
押されながらも右をねじ込むと、今度は一気に前に出て、最後は力強く押し出した。
「攻めが早かったから良かった」と手応え十分の内容だった。


若隆景

1936年5月場所。
優勝を飾ったのは69連勝へ向けて歩み始めていた新関脇の双葉山だった。
同じく新関脇若隆景の行く先にも同じ光景が見えてきた。
双葉山以来、86年ぶりとなる新関脇優勝。
歴史的な快挙に向け、若隆景は前へ前へ。
10日目、阿炎を寄り切り1敗を守った。
「下からの意識で取れたと思います。自分の相撲に集中してます」。
相撲内容も、日々の言葉も全くぶれることがない。
祖父は元小結若葉山。
今場所は番付を抜き「一つの目標だったのでうれしい」と祖父へのいい報告ができた。
その祖父は、双葉山の弟子として教えを受けた。
双葉山は41年5月に師匠と横綱の二枚鑑札として「双葉山道場」を開設。
若葉山はその「双葉山道場」から42年1月場所に初土俵を踏んだ。
双葉山以来の記録的な優勝を成し遂げられれば、それこそ何よりの恩返しとなる。


石浦

10日目、春場所4日目から休場していた西前頭5枚目の石浦が再出場する。
日本相撲協会は22日、11日目の取組を発表し、石浦と西前頭7枚目隠岐の海との対戦が組まれた。
石浦は4日目の16日、日本相撲協会に「頸椎(けいつい)症性神経根症の増悪により2週間程度の安静加療を要する」との診断書を提出して休場した。
2敗目を喫した3日目の琴ノ若戦で土俵下に転落し、しばらく動けない場面があるなど状態が心配されていた。
10日目の時点で1勝3敗6休。
残り5日間で来場所の幕内残留を懸ける。


琴ノ若

10日目、西前頭6枚目の琴ノ若は大栄翔の突き押しに押し込まれたが、うまくはたき込んで1敗をキープした。
前に押し込みたかったそうだが「自分の空間で勝負できたので、最後はああなったと思います」とうなずいた。
先場所に続いて優勝争いに絡む24歳。
11日目は結びで大関貴景勝に挑むが「気持ちは変わらず、自分の相撲を取りきるだけです」と静かに闘志を燃やした。


高安

10日目、東前頭7枚目高安が、小結豊昇龍を寄り切りで下し、初日からの連勝を10に伸ばした。
くせ者の相手にもろ差しを許したが振りほどき、次は頭を胸に着けられて粘られた。
攻め手に欠いたが我慢。
次は半身になられて小手投げや首投げを試みられたが、それも耐えてしのぐと力が抜けた豊昇龍を寄り切った。
平幕の初日からの10連勝は10年名古屋場所の豊真将以来で、単独首位をキープした。
悲願の初優勝が近づき「千秋楽まで優勝争いを意識していきたい」とはっきりと口にした。




2022/03/22
大相撲ニュース
正代

9日目、大関かど番の正代は豊昇龍に初めて勝って3連勝。
右上手を与えて攻め込まれたが、圧力をかけて体を寄せた。
過去4戦全敗だった新小結から何とか白星をもぎ取り、「落ち着いて取れた。素直にうれしい」と表情を緩ませた。
かど番脱出まではあと4勝。
「いい流れが来るんじゃないかなとは思っている」。
負けが込み、重苦しかった雰囲気も和らいできた。


御嶽海

9日目、照ノ富士をも沈めた玉鷲の強烈な突き押し。
大関御嶽海はしかも、一瞬立ち遅れたように見える。
押し込まれ、厳しい展開。
だが、巧みに下からあてがいながら、右手でまわしをつかんだ。
水を得た魚のように形勢逆転。
一気に前に出て寄り切った。
9日目の勝ち越し。
新大関としてプレッシャーのかかる場所で、5日目に霧馬山に不覚を取っただけで安定した相撲が続いている。
ただ、今場所初めて応じたリモート取材では「あと2つ勝たないと、大関の勝ち越しじゃないので」と口元を引き締めた。


若隆景

9日目、新関脇の若隆景が自己最速の9日目での勝ち越しを決めた。
体重で76キロも上回る逸ノ城に抱え込まれ膠着(こうちゃく)状態が続いたが、粘り強くもろ差しになると渾身(こんしん)の寄り。
「我慢して下から、下からという意識。体が小さいんで、しっかり下からという意識を持ってやっています。よく我慢できたかなと思います」。
優勝争いも注目。
八角理事長は「自信がつくのでは。ぎりぎりの勝ち越しではないから。この場所まだあるから」と話した。


遠藤

9日目、西前頭4枚目の遠藤が、大関貴景勝を寄り倒し、6勝目をあげた。
突き放しにくる大関に対し、右を差して引いたところを一気に出た。
「しっかり集中できてよかったです」と振り返り、ここまでの相撲を「すごくいいわけではないが、相撲がとれている感じです」と話した。
3年ぶりに有観客での大阪場所。
「声援が力になっています」と言った。


琴ノ若

9日目、翔猿が捨て身で打ってきた土俵際の下手投げにも冷静に反応した。
琴ノ若はすぐさま小手投げを打ち返し、棒立ちとなった翔猿を続けざまに押し出した。
2人の2敗力士に土がつき、優勝争いが絞られてくる中で琴ノ若は1敗を死守。
伸び盛りを証明するかのように、昨年の名古屋場所の10日目を上回り、自己最速となる9日目での勝ち越しを決めてみせた。
「どんどん前へ攻める相撲を心がけてきて、少しずつ出てきている」
昨年の秋場所はけがで途中休場。
番付を下げていったが、今年の初場所は、千秋楽の取組に勝てばともえ戦出場という大活躍で11勝。
まだ9日目だが、2場所連続で目が離せない存在となっている。


高安

9日目、大関経験者の東前頭7枚目・高安が碧山との激しい攻防を制して初日から負けなしの9連勝を飾った。
重い相手に押し込まれたが、粘って冷静に対処。最後は押し出した。
高安がただ1人勝ちっぱなし。
連勝を「9」に伸ばした。
重量級の碧山が蹴返しをみせるなど必死の抵抗を耐えしのぎ、最後は押し出した。
「全体的に前に攻めた相撲だった」と振り返りつつ、「余計なはたきもあったが、もうやらないようにします、次から」と反省も。
悲願の初優勝に前進も「こういうシーンは今までもあった。いろんな経験があっての今場所。気を引き締めていく」と言った。


尾車親方 定年

4月26日に65歳で日本相撲協会の定年を迎える尾車親方(元大関・琴風)が21日、オンラインで記者会見した。
14歳で佐渡ケ嶽部屋に入門してからの51年間を振り返り、「思い返せば本当にいろいろなことがあった。苦しいことも、つらかったことも、終わってみると、いい思い出」と心境を語った。




2022/03/21
大相撲ニュース
正代

8日目、遅ればせながら、かど番大関の正代にエンジンがかかってきた。
霧馬山を寄り切り3勝目。
今場所初の連勝に「負けている時よりは精神的に安定していると思う」と一時のスランプからは脱しつつあるようだ。


貴景勝

8日目、同じ25歳。
小さい頃からよく知る相手だけに、貴景勝の立ち合いに迷いはなかった。
頭から阿武咲にぶつかると、乾いた音が館内に響き渡る。
土俵下で見た高田川審判長が「強い当たりだった」とうなった。
下から圧力をかけて上体を起こすと、左から狙い澄ましたような突き落とし。
横綱不在の結びを締め、白星が五つ並んだ。
自身5度目の大関かど番。
首には古傷を抱え、先場所は序盤戦で右足首を痛めて途中休場した。
このところ、けがが目立つようになり、成績は浮き沈みを繰り返している。


御嶽海

8日目、新大関・御嶽海が会心の相撲で1敗を守った。
新小結・豊昇龍に頭から当たると、何もさせずに一気に押し倒した。
会心の内容で、新大関での勝ち越しに王手。
取組後のリモート取材にはこの日も応じなかった。
八角理事長は「立ち合いの踏み込みが良かった。立ち合いがいいから豊昇龍が何もできなかった。この立ち合いを15日間やることが(今後の)課題でしょう。関脇だったら一つぐらい負けてもいいと思っていたかもしれない。大関(という地位が)がいい方向にいっている。大関だからいい緊張感でいって、いい方向に出ている。集中もしている。大関というのがいいような気がしますね」と話していた。


若隆景

8日目、新関脇・若隆景が、業師の西前頭筆頭・宇良を終始、攻め立てて完勝した。
低く鋭い立ち合いから先手を取ると、最後は左押っつけで体を起こし、差した右かいなも返して寄り切った。
「(相手を)正面に置いて、下から(攻める)という意識だった」と振り返った。
新関脇で1敗と好調。
「体は動いていると思う」と話した。
八角理事長は「非常にいい。左からの絞りが良かった。下から下からの正攻法がいいですよ。今後、上位と対戦してもいい内容、おもしろい相撲になると思いますよ。立ち合い負けしないこと。今場所も今後もそれができればもっと上の番付にいける」と期待をかけていた。


琴ノ若

8日目、西前頭6枚目・琴ノ若が、相撲巧者で同4枚目の遠藤を馬力で圧倒した。
右を差して前進すると、相手の巻き替えに乗じて押し出した。
琴ノ若は「相手は相撲がうまいので、思い切って何でもやろうと思っていた。最後の最後まで先に攻めることができたと思う」と、うなずいた。
24歳の若武者は先場所、千秋楽まで堂々の優勝争い。
今場所も1敗と好調を維持している。
「星数関係なく攻める気持ちを忘れずに、残りも一番一番頑張っていければ」と気合を入れ直した。
八角理事長は「前に出ようとする意識がある。それをやっていったら力は付いていきますよ。いい体を持っているんだから、使わないのはもったいない。あの(体の)大きさで前に出られると、押し返すのは厳しい」と、評価していた。


高安

8日目、東前頭7枚目の高安の快進撃が止まらない。
攻めの速い相撲へとモデルチェンジした元大関の実力者が、2017年春場所以来の初日から8連勝。
「先に先に先手を取って攻めることができました。全体的に前に出てますから」。
大関時代と同じ183キロまで戻した体を生かして前に出る。
5年前の春場所は兄弟子で新横綱の稀勢の里についていき、2人でトップを並走した。
「部屋の横綱とずっと連勝してたこと覚えてます」。
今場所は単独トップで、悲願の初優勝へ向かって折り返した。
左四つ、押しでも取れる高安だが、大きく変えたのは立ち合い。
師匠の田子ノ浦親方は「今までだったら左を差す立ち合いだった。今は右の上手から攻めている」。
立ち合いの左差し狙いが相手に読まれ、「分かっている相手におっつけられて、体が浮いたりしていた。体も左に流れて、当たりの力を相手に与えられていなかった」と師匠。
立ち合いで右から攻めることで真っすぐ相手に圧力をかけ、速い相撲につながっている。




2022/03/20
大相撲ニュース
正代

7日目、結びの一番に臨んだ、かど番大関の正代が、明生の攻めを何とかしのぎ、すくい投げで破り2勝目を挙げた。
左四つに組みながら、明生の圧力に後退。何とかしのぎ、なおも足をかけられながら寄られたが、体を開いての投げで白星をもぎ取った。
かど番脱出に、依然として苦しい状況に変わりはないが、日本相撲協会の八角理事長は「結びの一番だから、これぐらいの気持ちで取ってほしい」と、この日は闘志が相撲に表れていたことを読み取った。
その上で「大阪のファンだけでなく、地元(出身地の熊本)のファンも応援している。
このまま、あきらめずに頑張ってほしい」と今後の巻き返しに期待していた。


貴景勝

7日目、大関貴景勝が、連日の横綱、大関撃破で勢いに乗る玉鷲を下し、かど番脱出まであと3勝とした。
低く激しくぶつかり、突き押し自慢の相手を一気に土俵外へ押し出した。
3日目に2連敗を喫するも、4日目から立て直して4連勝。
集中するかのように、取組後はオンライン取材に応じずに会場を後にした。


御嶽海

7日目、新大関の御嶽海は阿武咲を引き落として6勝目。


若隆景

7日目、大栄翔の重い突きをはね上げながら、その時を待った。
一瞬の隙を突いて左からいなし、若隆景が体勢を逆転。
大栄翔を半身にさせ、深く差した両腕で抱え上げながら前へ。
2007年秋場所で安馬が新入幕の豪栄道に決めて以来、幕内では15年ぶり4度目となる「送りつり落とし」の大技を決めてみせた。
若隆景が中学1年生だった15年前に出たその大技は「(見たことは)あります」と記憶にはあった。
ただ「いつも通り下から下からという意識です。
一生懸命取っただけです」と自分の相撲に徹した結果が、新関脇で7日目を終えて1敗キープという好成績につながっている。


阿炎

7日目、阿炎の気力が充実している。
不祥事もあって遠ざかった三役の地位に、約2年ぶりに新関脇として復帰。
勢いに乗って小結に昇進した時とは「気持ちの部分で違うようにしないといけない」。
そう心に決めて臨んだ大阪の土俵で、高い集中力を保っている。
宇良との一番は、立ち合いがやや合わなかった。
攻め切れず、潜り込まれたものの、冷静だった。
上手投げで相手をはわせ、連敗はせずに5勝目。
「集中していたので対応できた」。納得の表情を浮かべた。


琴ノ若

7日目、24歳の琴ノ若の勢いが止まらない。
照ノ富士の休場で横綱不在となった土俵を、けれん味のない相撲でもり立てている。
立ち合いで当たって懐に入ろうとした佐田の海を右からいなし、後ろを向かせて危なげなく送り出した。
34歳の相撲巧者の差し手を封じ「体が動いてくれた」と琴ノ若。
反応の良さが好調さを物語る。
土俵下の錦戸審判長も「粗削りだけど、元気がいい」と評価した。


高安

7日目、高安が北勝富士を退け、大関だった2018年秋場所以来となる初日からの7連勝。
「前に出られたのでよかった。こっちから押し込んでいく流れができている」とうなずいた。
無傷の勝ち越しが懸かる8日目は2敗の若元春との対戦。
好調な相手と初の顔合わせにも「自信がついているし、気力十分でできている。千秋楽まで盛り上げられたら」と自信をのぞかせた。


千代の国

7日目、西前頭13枚目・千代の国が大相撲春場所7日目の19日、日本相撲協会に「左三角筋筋損傷につき、2週間の安静加療を要する見込み」などの診断書を提出して休場した。
今場所は6日目を終え、4勝2敗だった。
6日目の荒篤山との一番で受傷。
はたき込みで敗れた際には、左肩を押さえるそぶりをしていた。
7日目の対戦相手、平幕・照強は不戦勝。
今場所の関取の休場は平幕・石浦、横綱・照ノ富士に続いて3人目となった。




2022/03/19
大相撲ニュース
照ノ富士

6日目、一人横綱の照ノ富士が横綱昇進後で初となる休場となった。
古傷であるヒザに続き、先場所に痛めた右カカトの負傷を抱えながら土俵に立ち続け、普段は痛みを表に出さない男にとっては無念のリタイア。
だが、今後も活躍を続けるためには英断だったという。
照ノ富士が「右踵骨骨挫傷、左変形性膝関節症」で、2020年秋場所以来となる12度目、横綱昇進後で初の戦線離脱となった。
師匠の伊勢ヶ浜親方(元横綱旭富士)は「本人からの申し出。(普段は)自分から言ってくる子じゃない。あの状態で普通に相撲を取っているのが(普通じゃない)」と明かした。


正代

6日目、かど番の大関正代(30=時津風)が、痛い5敗目を喫した。
5日目に横綱照ノ富士から金星を挙げた玉鷲に、立ち合いから一気に突き出される電車道の相撲を取られた。
1勝5敗。
勝ち越しに向けて苦しい状況となった。
「左が入ったように感じたけど、持って行かれた。立ち合い自体は当たれたような気がするんですけどね。密着できなかった。相手の手を伸ばさせてしまった」と悔やんだ。


御嶽海

6日目、新大関が場所の主役を託された。
御嶽海が明生を気迫に満ちた攻めの相撲で寄り切り、連敗を回避。
照ノ富士の休場で横綱不在となった場所で、大関陣でただ一人1敗を守り、場所を引っ張っていく。
その主役は、この日もオンライン取材には姿を現さなかった。
初日から6日連続で無言を貫いているが、場所前は対照的に冗舌だった。
初場所後に新型コロナウイルスに感染。
回復後は基礎運動に重点を置いて汗を流してきた。
不安視する声に対しても「不安はそんなにないですかね。どうにかなります。どうにかさせます」と話していた。


若隆景

6日目、新関脇の若隆景が小結隆の勝を引き落とし、1敗を堅持。
動きの激しい一番を制し「体は動いているのかなと思う」とうなずいた。
場所の前半は苦戦することが多く、6日目を終えて1敗は幕内12場所目で初めて。
「(優勝争いの意識は)全くない。自分の相撲に集中するだけ」と言うが、得意の後半戦へ向け楽しみな存在になってきている。


豊昇龍

6日目、新小結の豊昇龍は阿炎に逆転勝ちし、星をまた五分に戻した。
2連敗スタートから徐々に盛り返しているが、「あまり気にしてはいない。これからが大事」と冷静だった。
持ち味の反応の良さと、足腰の強さには磨きがかかっている。
阿炎に押し込まれながらも、上体を反らせてしのぎ、左はずから一気に押し出し。
「体の動きは悪くないし、あしたから一日一番、大事にしていきたい」と言い切った。


玉鷲

6日目、玉鷲がまた上位陣を破った。
大関正代に何もさせずに突き出し、「自分のスタイルで勝てて、本当によかった」。
5日目に照ノ富士から奪った金星に続く大暴れに胸を張った。
白星の要因を問われると、「自分の相撲を信じて前に出た」ときっぱり。
37歳にしてなお、突き押し相撲一本で上位陣と渡り合える自負がある。
「強い人と当たるほどわくわくする」。
馬力あふれるベテランは、ますます元気だ。


琴ノ若

6日目、西前頭6枚目の琴ノ若がしぶとい千代翔馬を上手投げで破り、1敗を守った。
11勝を挙げ2度目の敢闘賞を受賞した先場所の勢いを持続させ、全勝の高安を1差で追う。
立ち合いの張り手がきかず、相手に左を差されると土俵際まで運ばれた。
ここをしのぐと持ち直し、足技もかわす。
少し間を置くと、上手を握った右手で相手をかぶせるように土俵へ投げつけた。
「内容は良いとはいえなかったが、我慢して辛抱して取り切れたと思う。相手の技、足技に対応できるように、瞬時に切り替えられたのは良かった。少しずつ良い相撲を取れてきていると思う」


高安

6日目、東前頭7枚目の高安は志摩ノ海を一蹴して初日から6連勝とした。
立ち合いから一気の出足で押し出し「足を止めないで、いい攻めができたと思う。(全勝は)やっぱり気持ちいい」と納得顔。
今場所は速い攻めが目につく元大関のベテランは「昨年はよく長い相撲を取っていたが、体力という面では後半に響く。厳しく、速く攻めることを心掛けて稽古をしてきた」という。
省エネ効果を後半の優勝争いで発揮したい。




2022/03/18
大相撲ニュース
正代

5日目、かど番で初日から4連敗を喫していた正代が、ようやく初白星を手にした。
阿武咲の押しをしのぎ、つかまえてから上手投げ。
「とりあえずホッとしてます」と素直に語った。
場所前に新型コロナウイルスに感染し、稽古、調整不足は明らか。
取組後は今場所初めてオンライン取材に応じたが、まだ声がかすれ、せき込む場面もあった。
この白星で流れを変えたい。「初日が出たんでこの調子でいけたら」と立て直しを誓った。


御嶽海

5日目、新大関の御嶽海に土がついた。
東前頭4枚目の霧馬山に浅い位置で上手を許し、頭をつけられると上体が起き上がってしまった。
抵抗するもまわしは最後まで切ることができず、外四つの寄りに屈してしまった。
2場所連続4度目の優勝に向けて、前半5日間を1敗で終えた。
取組後のリモート取材にはこの日も現れず、闘志を内に秘めて中盤戦に突入する。


若隆景

5日目、16日夜に大きな地震に見舞われた福島県出身の新関脇若隆景が、新小結豊昇龍を寄り切って4勝目。
3兄弟の平幕若元春、幕下若隆元もそろって白星を挙げた。
みなぎる気合を土俵で存分に発揮した。
16日夜、地元の福島が地震に見舞われた大波3兄弟≠ェそろって白星。
末弟で番付最上位の若隆景は、短い言葉に思いを込めた。
「(地元へは)そうですね…明日から頑張ります」。
立ち合い、低く当たってから豊昇龍を右のはず押し、左でおっつけながら土俵際まで押し込んだ。
最後は右を差してから体を預けるように寄り切り。
5秒4の会心の相撲を「いつも通りです。自分の相撲に集中して」と静かに振り返った。


玉鷲

5日目、西前頭2枚目・玉鷲が、横綱・照ノ富士から2場所連続の金星を獲得した。
第一人者を押し倒しで圧倒。
37歳4か月での金星は昭和以降の新入幕力士では5番目の年長記録となった。


高安

今の高安には、心身ともに充実ぶりが見て取れる。
ただ一人、白星を五つ並べて「やっと、しっくりきている」。
腰痛など度重なるけがに苦しんできた元大関の声は明るい。
気迫十分の突き押しで、腰が重い宝富士の上体を起こした。
左を差した相手の反撃にも、ぐっとこらえて右からの突き落とし。
「攻め切れなかったが、体が動いた」。
今場所は足腰に持ち前の粘り強さがある。
師匠らが新型コロナウイルスに感染したため、先場所は田子ノ浦部屋の全力士が休場した。
その間、自身は下半身強化に時間を割き、「自分の体を見詰め直すいい機会になった」という。
昨年8月に独立した元横綱稀勢の里との三番稽古はできなくなったものの、その兄弟子から教わった理論的なトレーニング法は今も役立っている。
初日からの5連勝は、大関だった2018年秋場所以来。
苦手意識があったという序盤戦を上々の結果で乗り切り、「内容がいい。引き続き厳しい攻めをしたい」。
復活を期す32歳が「荒れる春場所」で存在感を示している。


モデルナ製の懸賞旗登場

13日に大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で開幕した大相撲春場所で「モデルナ製」懸賞旗が登場し、土俵を彩っている。
新型コロナウイルスワクチンを供給する米モデルナ社の日本法人は「将来への不安が増している若い人々への応援の気持ちを込めて」と27日の千秋楽まで新関脇の阿炎、平幕の宇良、琴ノ若の取組に懸賞を出す。
懸賞旗は対象となる力士の取組前に呼び出しが持って土俵周りを1周するため、来場者の注目を集める。
場内放送で名前が読み上げられ、取組表への記載もある。
話題性も含めて接種を広くアピールしたい狙いもあるとみられる。




2022/03/17
大相撲ニュース
照ノ富士

4日目、照ノ富士は2大関撃破と好調な逸ノ城を寄せ付けず3勝目。
あっさりと右を差すと一気に巨体を運ぶ万全の攻めに「体がよく反応してくれた」とうなずいた。
2日目に早々と土がつき、3日目の宇良戦は軍配差し違えで冷や汗の勝利。
不安を抱かせたものの、この日は横綱相撲を披露した。
三役以上では御嶽海が唯一の全勝をキープ。
横綱も「最後までこっちも頑張っていきたい」と意欲十分に話した。


正代

4日目、3年ぶりに観客の熱気があふれる大阪で、大関かど番の正代には春風が吹かない。
この日も白星を挙げられず、初日からずるずる4連敗。
早くも窮地に立たされた。
宇良に左腕をたぐられると上体が伸び、立て直す余裕はない。
後ろに付かれてあっさり土俵を割った。


貴景勝

4日目、貴景勝に一筋の光が見えた。
立ち合いは頭で当たって突き放して突っ張った。
再び頭で当たって突き放す一連の動き。
これが貴景勝のリズム、真骨頂だ。
最後は右からの強烈なおっつけで好調な大栄翔の体を横向きにさせた。
自分らしさを取り戻し、本来の相撲で白星を積み重ねた。


御嶽海

4日目、新大関御嶽海が初日から好調を維持して4連勝。
隆の勝の圧力を受けて引いてしまい土俵際に追い込まれたが、俵に沿って右へ足を運びながら形勢逆転のはたき込み。
肝を冷やしたが、何とか体を残して無敗を守った。
場所前には「今まで目標にしていた2桁(勝利)というのは変わらない。相手よりも自分の相撲を意識したい」と語っていた。
4日続けて取組後のオンライン取材には姿を見せなかったが、一喜一憂することなく目の前の一番に集中する。


阿炎

4日目、新関脇の阿炎が3連勝と調子を上げてきた。
明生を立ち合いから突き放せず、ふところに潜られたが、右から抱え込んで小手投げ。
「体が動いて、調子がいいのかなと思う」と振り返った。
右手による突きが相手にヒットせず、逆に差されてしまうピンチにも素早く対応できたことに手応えを示した。
2場所連続12勝と終盤まで優勝争いに加わった次の大関候補が、存在感を発揮し始めた。


宇良

やはりこの人の相撲は見る者を引きつける。
地元の大阪府寝屋川市出身の宇良が業師の本領を発揮し4日目にして初日を出した。
立ち合いでやや左に動くと、おっつけた右手でうまく正代の左腕をたぐり、横を向かせて勝負あり。
不調の大関に何もさせずに送り出した。
「とにかく自分の相撲を取れるように頑張った」と振り返った。


石浦

4日目、3日目の琴ノ若戦に敗れ2敗目を喫した際に土俵下でしばらくうずくまって立ち上がれなかった西前頭5枚目の石浦が日本相撲協会に「頸椎症性神経根症の増悪で2週間程度の安静加療を要する」との診断書を提出し休場した。
前日、土俵下で苦悶の表情を浮かべしばらく動くことができなかったが、その後自力で引き揚げていた。
16日も医師の診断を受けた結果「頸椎症性神経根症の増悪」で2週間程度の安静が必要と診断された。
宮城野親方は再出場について「状況を見てみないと分からない」とした。
石浦の休場は4度目。
宮城野部屋で新型コロナウイルス感染者が出た昨年秋場所以来となった。
今場所の十両以上の力士の休場は初。


高安

4日目、ともに初日から3連勝と好調同士の一番は、元大関の高安が新鋭の琴ノ若を上手投げで破り、初日から4連勝。
良い思い出が多い3年ぶりの大阪で順調に白星を重ねている。
高安にとっては新年幕開けの場所。
2月に32歳となった元大関だが、土俵に上がる喜びにあふれているように見える。
成長著しい琴ノ若と押し合う。相手が得意の右四つになるが、ここからが力強かった。「下から攻めることができて、そこからの右四つだったんで形は良かった」。
不利と思われた中で、若手のホープを上手投げで土俵に沈めた。
「ポテンシャルの高い力士ですから。そこはしっかり集中して、厳しい相撲を取りました」。
気分はいい。
初日から4連勝。御嶽海と並んでトップをいく。




2022/03/16
大相撲ニュース
照ノ富士

3日目、照ノ富士が際どい一番を制した。
機敏に回り込もうとする宇良を追い詰めたところで、勢い余って右足が土俵外へ。
軍配を受けた宇良のかかとが先に出ており、辛くも行司差し違えで白星を拾った。
「余裕はあった。(宇良の)上に倒れてもいいぐらいの状態だったが、ちょっと優しさで」と振り返った。
新型コロナウイルスの感染もあり、調整面で不安があった今場所。
2日目は大栄翔に金星を与えていたが、「過ぎたこと。その日の一番に集中して、落ち着いて取れている」と強気の姿勢だった。


正代

3日目、正代は206キロの巨漢・逸ノ城を相手に踏み込めず、右四つになった。
上手も許し胸が合うと、力なく寄り切られた。
過去4勝11敗と合口の悪い難敵を攻略できず、初日から3連敗となった。
八角理事長は、「逸ノ城を相手に止まってはダメ。左を巻きかえるとか何とかしたかった」と分析。


貴景勝

3日目、過去3戦全勝の豊昇龍に右差しを許しながらも構わず一気に出たが、土俵際に落とし穴。
その右からすくわれ、物言いがつくも軍配通りで2連敗となった。
八角理事長は、「密着したくなかった。押せたからそのまま行け、という感じだった。左を差した後、一回冷静になるべきだった」と指摘した。


御嶽海

3日目、西大関・御嶽海は東前頭筆頭・大栄翔を突き落としで下し、3連勝を飾った。
4日目の16日は東小結・隆の勝と対戦する。
御嶽海は大栄翔の出足に後退させられながらも、動じることなく白星を重ねた。
のど輪にのけ反ったが踏みとどまり、最後は右から突き落とした。
隆の勝は1勝2敗。
御嶽海は過去6場所で5回顔を合わせ、対戦のなかった先場所まで4場所続けて押し出しで勝っている。


若隆景

3日目、新関脇で3連勝と上々のスタート。
しかも相撲内容が抜群にいい。
その若隆景が取組後に話す言葉は、判を押したように「下からよく攻められたかなと思う」。
声を弾ませることもなく、うれしそうな表情も浮かべない。
阿武咲に快勝した2日目に続き、この日も前に出る力が際立った。
先場所まで4場所連続で三役を務めていた実力者の明生に、低く頭で当たると、さっともろ差し。
休まず相手の体を起こしながら寄り切り、「自分の攻めに集中した」。
会心の一番を短く振り返った。


逸ノ城

3日目、逸ノ城が大関を連破した。
立ち合いで右を差し勝ち、正代が寄るタイミングで左上手をつかんだ。
後は1メートル90、206キロの体格にモノを言わせて寄り切り。
大関を圧倒する内容にも「相撲は特に変わっていません」と表情を変えない。
2019年春場所は終盤まで横綱・白鵬と優勝を争い、14勝1敗の好成績を収めた。
3年ぶりに観客が戻った大阪場所で、その再現を期待される。
「頑張ります」と短い言葉で決意を示した。


琴ノ若

3日目、先場所11勝で優勝争いに絡んだ24歳の琴ノ若が3連勝と元気いっぱいだ。
過去4戦全敗と苦手の石浦をもろ差しからのつり寄りを生かして押し出し。
出足の迫力は増した感があり「いい相撲を取ることだけを心掛けて土俵に上がっている。
それがしっかりできてきた」と自信を漂わせた。
「相手はたくさんいるので恵まれた環境」と語るように、佐渡ケ嶽部屋では弟弟子で22歳の琴勝峰らと十分な稽古を積んできた。
「自分の持っているものを出すだけ。余計なことを考えず、前に出る相撲を心掛けたい」と迷いなく言った。


豊山

3日目、豊山は我慢強い相撲で3連勝と好調だ。
幕内で初日から土つかずは2019年九州場所以来。
「勢いで相撲を取っていない。以前の3連勝の時よりもいい」と自信をにじませた。
琴勝峰の突き、押しに土俵際まで後退したが、諦めない。
右差しで残すと、おっつけで逆襲。
さらに左差し、右はずで寄り切った。
内容の伴う結果に「悪くない。ただまだ3日目。ここから何が起こるか分からない」と気を引き締めた。
今場所も右肘のサポーターは欠かせないが、全体的なバランスは良いという。
「体も保ってくれているので、いけるところまでいきたい」と意気込んだ。




2022/03/15
大相撲ニュース
御嶽海

2日目、新大関御嶽海が幕内宇良を一方的に押し出して快勝。
横綱大関陣の中で唯一の連勝スタートを切った。
その御嶽海は史上9人目となる新大関Vを目指す一方で、地元では特別な役割を期待されている。
それは長野県が長年にわたって抱えてきた相撲不毛の地≠フイメージを一新することだ。
新大関の御嶽海が業師の宇良を一方的に退けて連勝発進した。
普段は多弁な男が初日に続き取材に応じなかったのは、今場所にかける気合の表れか。
新大関Vなら2008年夏場所の白鵬以来?年ぶり。
過去に8人しか達成していない快挙へ向けて、好スタートを切った。


阿炎

2日目、阿炎が新関脇で初白星をあげた。
ベテランの玉鷲を突き出す相撲に「番付は意識していないが、この白星をつなげていきたい」と言った。
幕内に復帰し、2場所連続で優勝争いに絡む12勝の好成績。
今場所も優勝候補にあげられるが、初日は黒星スタートとなった。
「体が動いている。初日は阿武咲関のおっつけに体が浮いてしまった。内容は悪くない」と前向きだ。


大栄翔

好調を自覚しているから慌てない。
大栄翔は立ち合いで横綱に押し込まれたが、右を伸ばして距離を取った。
タイミング良く体を開くと、左喉輪も使ってどんどん前へ。
「休まず攻められた。勝てて本当にうれしい」。実直な実力者が、少しだけ表情を緩めた。
金星は通算四つ目で、照ノ富士からは新横綱だった昨年の秋場所以来となった。
「胸を借りるつもりでやっている。自分でも勝てるのは不思議」。
敗れても熱戦に持ち込むことが多く、第一人者にとっては油断ならない相手となっている。
土俵下で見た高田川審判長は、「久しぶりに期待できそう」と今場所を予想。
初日の正代戦に続いて、上位を相手に本領を発揮している。
3日目には新大関御嶽海に挑むが、「あしたも気合を入れて自分の相撲を取りたい」と大栄翔。
その声にも力がみなぎっていた。




2022/03/14
大相撲ニュース
照ノ富士

初日、横綱・照ノ富士が新小結の豊昇龍を寄り切りで降し、白星発進した。
初の三役に昇進して勢いのある22歳の若手を難なく退けた。
照ノ富士は立ち合いからすぐに豊昇龍のまわしを取り、そのまま前へ出て寄り切った。
万全の内容に「落ち着いていられたと思う」と振り返った。


正代

初日、3度目のカド番となった正代は幕内大栄翔に一方的に押し出されて早くも土がついた。
場所前には新型コロナウイルスに感染。
土俵下の錦戸審判長(元関脇水戸泉)は「稽古不足なんじゃないかな。体がふっくらして背中の肉が結構ついていた」と指摘。
2日目以降へ向けて、大きな不安を残した。


貴景勝

初日、先の初場所で右足のけがのため4日目から休場し、5度目のカド番を迎えた貴景勝は、幕内宇良を一方的に押し出して白星発進。
取組後は「いつもと変わらず、全力を出すことを考えていた。まだ始まったばかりなので何も考えず明日から頑張りたい。(体調は)大丈夫」と安堵の表情を見せた。


御嶽海

初日、御嶽海が白星スタートを決めた。
東前頭2枚目・逸ノ城を押し出して完勝。
過去8人の新大関優勝力士は全員が白星発進しており、2006年夏場所の白鵬以来の快挙へ向け第一関門を突破した。
御嶽海の本来の立ち合いではなかった。
当たりが弱く、右かち上げで前に出てきた逸ノ城に押されてしまった。
それでも上体が起きることがなかった。
余裕を持って下がり、右に回り込んで、右のおっつけから顎を引いて押し出した。
大関らしい相撲だった。
夢にまで見た大関という地位が御嶽海を変えたのかもしれない。
先場所までは「早く大関に上がりたい。勝ちたい」という気持ちが強すぎた。
背負っていた重い十字架がなくなったのだろう。
大関という“スイートルーム”に入り、責任さえも心地良く感じている相撲内容でもあった。


大栄翔

初日、大栄翔が過去10勝7敗と勝ち越していたかど番大関の正代に完勝した。
「久々の大阪場所で緊張したが、いい相撲がとれてよかった」。
立ち合いから突き放し、大関に相撲をとらせなかった。
「うれしいし自信になる」。
先場所は三役に復帰も7勝8敗と惜しくも負け越して陥落した。
「1場所で戻りたい」と意欲が通じた。


志摩ノ海

初日、東前頭10枚目の志摩ノ海が、土俵入りで締めた新しい化粧まわしが注目を集めた。
荒木飛呂彦作の人気連載漫画「ジョジョの奇妙な冒険」に登場する人気キャラクター「岸辺露伴」を描いた化粧まわしを着用。
アップで描かれた顔の両横には、名せりふの「だが断る」が配置された。
また、しこ名は同作品で使用される独特な文字をモチーフとして「シマノウミィイ〜ーッ」と書かれるなど、作品の世界観があふれる化粧まわしだった。


豊山

初日、豊山は千代の国を押し出し、2年ぶりに大阪で開催された春場所の初日を飾った。
大阪の後援会関係者が観戦に訪れていた中での白星。
新型コロナウイルス感染対策のため直接的な交流はできないが「目配せするだけでも違うと思うので。多くの方に来ていただいた」と感謝した。
2月上旬に新型コロナに感染し、稽古再開は中旬だった。
「不自由な生活が続いたが、それはしょうがない。体を動かしても問題はなかった」と言うように、影響は少なかったという。
2場所連続で負け越し、西前頭14枚目に甘んじる。
「ずるずると来ている。欲を出して上を目指したい」と意気込んだ。


協会あいさつ

初日、大阪の本場所で観客を入れるのは3年ぶり。
観客の上限は定員の約75%に当たる約5600人に定められ、初日は約5000人が来場した。
八角理事長は初日恒例の協会あいさつで「3年ぶりに大阪でお客さまをお迎えして本場所を開催できますことは、協会員一同、喜びに堪えません」と述べ、館内のファンも割れんばかりの拍手で歓迎した。




2022/03/13
大相撲ニュース
御嶽海

先の初場所で13場所ぶり3度目Vを果たし、悲願の大関昇進も決め、地元・長野を熱狂させた。
それに後押しされるかのように県は先月、御嶽海に県民栄誉賞を贈呈することを発表した。
県の公式サイトでは「個人又は団体で、広く県民に敬愛され、県の名を高めるとともに、県民に明るい希望を与えることに特に顕著な功績があった方を表彰」と説明され、いわば県で最も栄誉ある賞。
これまで指揮者の小澤征爾、2018年の平昌五輪で金メダルを獲得したスピードスケートの小平奈緒(相沢病院)、菊池彩花、高木菜那(日本電産サンキョー)が受賞している。


隆の勝

12日、小結隆の勝が報道陣の電話取材に応じた。
隆の勝は先場所、7勝8敗と負け越し、今場所は三役在位6場所目ながら初の小結で迎える。
「目標は2桁」と明確に掲げているが、ライバル意識がさらにモチベーションを与えてくれている。
今場所は4人の三役のうち、隆の勝を含めた3人が1994年生まれの同学年。
今場所で若隆景と阿炎に出世レースで追い抜かれ「気持ち的には本当に悔しいですし、ぼくも負けられないなという気持ちになる。本当に倒してやろうという気持ちもあります。(同世代の中で)番付が一番上にいたいという気持ちはあります」と闘志を表に出した。
場所前は新型コロナウイルスに感染し、高熱と味覚、嗅覚障害に苦しめられた。
10日間ほど隔離生活を強いられたが、かど番の大関貴景勝と稽古も積めた。
大関争いにも「(同世代でも)当然、はい、一番先に上がりたいと思います」と決意を語っていた。


春場所13日初日

2年ぶりの大阪開催となる大相撲春場所は13日にエディオンアリーナ大阪で初日を迎える。
前日の12日は恒例の土俵祭りが行われ、日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)、審判部の親方らが出席。
15日間の安全を祈願した。
新型コロナウイルスの影響で2年前は初の無観客開催だったため、有観客の大阪開催は3年ぶりとなる。
観客の上限は定員の約75%の約5600人。
春場所の高島担当部長(元関脇・高望山)は「お客さんの安心、安全を15日間しっかりやっていきたいと思います」と気を引き締めていた。




2022/03/12
大相撲ニュース
照ノ富士

11日、取組編成会議を開き、初日と2日目の取組を決めた。
2場所ぶりの優勝を目指す一人横綱の照ノ富士(伊勢ケ浜)は、初日に新小結豊昇龍(立浪)、2日目に大栄翔(追手風)の挑戦を受ける。
照ノ富士がぶっつけ本番でV奪回に挑む。
取組編成会議後に電話取材に応じた伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は、弟子である横綱について「そう(ぶっつけに)なりますよね」と本調子ではないことを明かした。
2月4日に新型コロナウイルス感染が判明。
熱はあまり出ず、喉の痛みが主症状だったが、部屋の関取衆も照強以外の全員が感染。
調整は大きく遅れた。
伊勢ケ浜部長は「10日間、何もしていないので、そこはちょっと厳しい。1日稽古を休んだら3日遅れる。稽古できる状態に戻った感じ。稽古してますよ。でも、足りないということ」と説明した。
それでも、優勝争いは横綱の責務だ。
幸い初場所の終盤に痛めた右かかとは完治。
「場所中にでもしっかり稽古して、どこまで良くなるか」とポイントを挙げると「相撲だけはやってみないとわからないので。休んでいたとはいえ、今までの稽古の貯金もある」と底力に期待した。


御嶽海

11日、大相撲春場所の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。
新大関御嶽海(29)は初日に逸ノ城(28)、2日目に宇良(29)との対戦が組まれた。
15日間の懸賞申込総本数は1610本で、力士指定では御嶽海が最多だったことが判明。
2年ぶりの大阪開催で、新大関に主役の期待が懸かる。
新型コロナウイルスの影響で、昨年の春場所は東京開催。
2年ぶりとなる大阪の土俵で、注目はやはり新大関だ。
懸賞で御嶽海が1番人気になった。
力士指定で懸けられた本数について、芝田山広報部長(元横綱大乃国)が「御嶽海、貴景勝、遠藤(の順)」と明らかにした。
個別の数字は明かさなかったものの「周りからの期待が大きいということの証しじゃないか」と感じ取った。


琴ノ若

1月場所後、コロナ感染者が山のように出た相撲協会。
そんな中、複数いる関取にひとりの感染者も出さなかったのが、佐渡ケ嶽部屋だ。
今場所は前頭6枚目の琴ノ若を筆頭に、同12枚目・琴恵光、同14枚目・琴勝峰らが幕内に顔を揃えている。
もともと稽古相手にも不足しておらず、他の部屋の力士に比べてアドバンテージは大きい。
佐渡ケ嶽勢が台風の目となりそうだ。


春場所コロナ休場ゼロ

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は11日、春場所を新型コロナウイルス感染で休場する力士はいないと明らかにした。
全休措置が取られなかったのは昨年九州場所以来。
幕内格行司の木村寿之介(54=大島)は家族内感染で陽性となり、休場する。
角界では1月の初場所後に新型コロナ感染者が続出し、2月9日時点で協会員の累計は252人に上っていた。
2月のトーナメント大会やNHK福祉大相撲は中止になっていた。


モデルナ 春場所に懸賞旗

米バイオ企業モデルナの日本法人は11日、13日から始まる大相撲春場所で懸賞旗を出すと発表した。
幕内の阿炎、宇良、琴ノ若といった若手力士の取組で掲げる予定。
モデルナは新型コロナウイルスワクチンを日本に供給している。
3回目接種の広がりが鈍いなか、懸賞を通じてワクチン接種を促す狙いもある。
同社は「新型コロナの拡大により将来への不安が増している若い人々への応援の気持ちを込めた」とコメントした。
今後も日本の伝統行事を通じてワクチン接種の啓発・支援を続けるとしている。
モデルナは2021年以降、日本向けにコロナワクチンを供給している。
日本政府と22年分前半までに計9300万回分を供給する契約を結んでいる。
21年に日本法人のモデルナ・ジャパン(東京・港)を設立した。


副理事候補

11日、大阪市内で理事会を開き、1月27日の役員候補選挙で副理事候補に当選した新任の粂川(元小結琴稲妻)、2期連続の若松(元幕内朝乃若)、4期連続の藤島(元大関武双山)の親方3人を選任した。
八角理事長(元横綱北勝海)ら理事候補の親方10人は3月28日の評議員会での承認後に就任が発表される。
年寄総会では2021年度の収支決算についても報告された。
20年から続く新型コロナウイルス禍で、本場所はまだ観客数の上限を設けて開催。
巡業も再開できていない。
詳細は28日の評議員会終了後に発表となるが、約30億円の赤字が見込まれている。




2022/03/11
大相撲ニュース
御嶽海

初場所を制し大関に昇進。
何度もはね返され、何人ものライバルに先を越されて、ようやく念願の地位にたどり着いた。
それでも御嶽海は、「大関だからとかは関係ない。自分は自分」と泰然と構えている。
初日に向けて意識するのは、「押し相撲を徹底する。自分のことをしっかり考える」。
貴景勝、正代の先輩2大関はかど番とあって、ファンは昇進間もない御嶽海に連覇の期待を寄せる。
それは本人も自覚しているが、目標はこれまでと変わらず、「まずは2桁」と断言した。
「今まで通り。受ける立場にはなるが、挑戦者としていく」。
余分な肩の力を抜き、静かに闘志を燃やしている。


阿炎

幕下から出直し、丸1年かけて自己最高位の関脇にたどり着いた。
阿炎は3年前、新小結に昇進している。 当時の自分自身と比べ、「気持ちの部分で大きく違うと思うし、違うようにしていかないといけない」と話し、春場所へ闘志を燃やす。
錣山部屋での生活を義務付けられて妻子と別居していたが、春場所後には一緒に暮らす予定だ。
それも大きな励みで、「ここで満足してはいけない。たくさんの人に認めてもらえるような相撲取りになりたいと思っている」。
父親として、さらに上を目指す力士として、なお成長する姿を見せたい。


豊昇龍

22歳で新小結に昇進した豊昇龍は、「自分がここまで来るとは。信じられない」。
おじの元横綱朝青龍は20歳で新小結。
その背中を追うように、着々と出世している。


2年ぶりの大阪春場所

初日を13日に控え、会場のエディオンアリーナ大阪では2年ぶりの大阪開催となる本場所への準備が進んでいる。
10日は土俵づくりなどが報道陣に公開された。
新型コロナの影響で2020年は史上初の無観客で実施されたため、大阪の本場所で観客が入るのは3年ぶりとなる。
観客の上限は定員の約75%にあたる約5600人。
マスク着用は必須で大声での声援はできず、拍手が推奨される。
会場正面入り口のスペースには、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)ら、協会に在籍する元横綱7人の現役時代を描いた縦約3.3m、横約1.5mの錦絵が飾られ、雰囲気を盛り上げる。




2022/03/10
大相撲ニュース
豊昇龍

新小結で迎える豊昇龍に、叔父が果たせなかった関脇以下での優勝に期待が懸かる。
9日、大阪市内での稽古後に報道陣の電話取材に応じた。
叔父で第68代横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏は、大関2場所目の2002年九州場所で初優勝。
新三役場所の目標は「まずは勝ち越し」と控えめながら、「もちろん優勝したい気持ちはある」と意欲をのぞかせた。


明生

9日、西前頭3枚目の明生が、大阪市内での朝稽古終了後、報道陣の電話取材に応じ、近況や春場所に臨む胸中などを明かした。
春場所の番付で幕内力士42人中、半数が2月までに新型コロナウイルスに感染していることが確認されている。
明生も2月上旬に感染が判明。
40度近い発熱が2日ほどあったという。
その後は、都内の自宅で10日間の隔離期間があり、体は動かせなかった。
ただ、それを明生はプラスにとらえた。
食欲はあり体重減も最小限にとどめられ、さらに「腰もケガをしていて、それを治そうという時期だったので、そこまで神経質な感じはなく、ユックリ休もうという時期だった」と精神的にも冷静に対処できた様子。




2022/03/08
大相撲ニュース
正代

3度目のカド番を迎える大関・正代が4日、電話取材に応じ、2月上旬の新型コロナウイルス感染で味覚障害になったと明かした。
38度を超えた発熱は3日で治まったが「塩分、苦味、酸味、甘味は分かるけど、それが全部バラバラに単体で来る」と独特の症状を経験。
現在は回復したが、療養の10日間は体を動かせず「体力的に少し落ちた。いつもより稽古内容はちょっと遅れている」と不安な心境を吐露した。
同じ学生相撲出身で1学年下の御嶽海の大関昇進は刺激になっており、「コロナにかかったことを感じさせない相撲を取りたい。とりあえず勝ち越しを目指します」と決意を示した。


御嶽海

御嶽海は、とにかく前向きだった。
初場所後の1月31日に新型コロナウイルス感染が判明。
39度の発熱症状もあり、10日間の療養期間で170キロ前後だった体重も164キロまで落ちたというが、場所前の取材対応で悲愴(ひそう)感を一切漂わせなかった。
「逆に場所後の1週間は(取材対応などで)バタバタしていたので、休みを味わえてなかった。プラスに捉えないといけない」。
部屋では基礎運動や、若い衆を相手にした一丁押し(立ち合いの当たりを行う稽古)を中心に調整。
自然体で“大関デビュー”に備える。


阿炎

新関脇の阿炎が7日、東京都江東区の錣山部屋での稽古後、報道陣の電話取材に応じ「場所へ向けていい感じになってきている」と好調を実感した。
10日の大阪入り前ではこの日が最後の申し合い。
幕下力士と15番程度取り「あとは気持ちを整えるだけ。勝負に対する熱量を高めていく」と意気込んだ。
コロナ対策違反による3場所出場停止処分を経て、昨年九州場所で幕内に復帰。
2場所連続12勝で優勝争いにも加わった。
改心した27歳の実力者は3年ぶりに観客を入れて開催の春場所へ「いろいろな人に見てもらい、変わっていく姿を見せたい」と張り切る。


引退相撲 順次開催

日本大相撲トーナメント(2月6日)、NHK福祉大相撲(同11日)が相次いで中止となった。
そうしたなかでも開催されているのが「引退相撲」だ。
1月末から2月中旬にかけ、元大関・豪栄道(武隈親方)、元関脇・栃煌山(清見潟親方)、元関脇・嘉風(中村親方)、元前頭・誉富士(楯山親方)の襲名披露が次々と行なわれた。
他にも元関脇・豊ノ島(井筒親方)、元大関・琴奨菊(秀ノ山親方)、元横綱・鶴竜(鶴竜親方)、元横綱・白鵬(間垣親方)ら、10人の親方が髷をつけたまま引退相撲の日程待ちの行列を作っている。
初場所後の感染者に重症者はいないとの発表だったが、糖尿病や高血圧の持病を抱える力士や親方は多い。
その重症化リスクのなかでも開催されるのは、やむにやまれぬ事情がありそうだ。




2022/03/03
大相撲ニュース
御嶽海

新大関の御嶽海は2日、報道陣の電話取材に応じた。
1月の初場所後には、新型コロナウイルス感染が判明。
約1週間の入院を強いられたが「いい休養になった。不安はあまりない」と前向きに話した。


高安

高安の妻で演歌歌手の杜このみが1日、自身のブログを更新。
第2子を妊娠したことを報告した。
出産は夏頃を予定しているという。
杜は「今日は皆さまへご報告したい事があります。お陰様で、昨年2月に長女が誕生し日々愛娘の成長に驚きと喜び、幸せを感じる日々を過ごさせて頂いております」とし、「そして、この度私事で大変恐縮ではありますが、第二子となります新たな命を授かりました」と伝えた。
「とても元気な娘との日々を過ごしながらお腹の新たな命の成長にも感動しとても、幸せで充実した日々を過ごさせて頂いております」としている。




2022/02/21
大相撲ニュース
大相撲クルーズ

1983年より大阪市内で観光船を運航している大阪水上バス株式会社(本社:大阪市中央区 社長:奥村茂之)は、公益財団法人日本相撲協会と共同で大阪春場所の魅力を発信する「大相撲クルーズ」を運航します。
大阪市内を流れる大川で、観光船ひまわりと大阪場所会場をオンラインで結び、富士ヶ根親方(元大善)から今大阪場所の見どころなどを伺います。
また、大阪場所前の会場の様子もオンラインで案内し、普段見ることができないような場所もご覧いただけます。

予約サイト
https://eipro.jp/suijo-bus/

【問合せ】 0570-07-5551 (予約センター 10:00〜16:00)


元誉富士 断髪式

元幕内誉富士の楯山親方(36)が19日に東京・両国国技館で断髪式を行った。
元横綱日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジ氏や横綱照ノ富士ら約300人がはさみを入れた。
2019年9月に引退。
新型コロナウイルス禍などの影響もあり、現役に別れを告げて約2年以上経過しての大いちょうとの別れに「自分らしい断髪式だった。思った以上にこみ上げるものがある。14年、ずっと髪の毛を伸ばして、その思いが全部髪の毛に入っている。それがパッと落ちて、親方としてやっていくんだなという気持ち」と感慨深げ。
新たな髪型は「楽しみ。いろんな髪型で遊ぶっていうのはある。これから徐々に理想の髪型にしていこうかな」と胸をときめかすが、最も心血を注ぐのは後進の育成だ。
「強くなりたいと思ってくれる力士を育てたい。難しいけど、ただ教えるだけではなく相手のやる気を起こさせる、そういうことができれば」と決意を語った。


元十両白岩 逝去

佐藤政敏さん(さとう・まさとし=大相撲の元十両白岩、日本相撲協会若者頭)17日、腹部大動脈りゅう破裂のため死去、64歳。
秋田県出身。
葬儀・告別式は家族葬で行う。
現役時代は伊勢ケ浜部屋に所属し、最高位は東十両7枚目。
引退後は幕下以下の力士の指導や本場所の運営を補佐する若者頭を務め、浅香山部屋などに在籍。
3月に相撲協会の定年退職を控えていた。




2022/02/14
大相撲ニュース
コロナ感染状況

2月10日の状況
幕内
宇良

十両
平戸海

2月5日から8日までの状況
幕内
千代の国、宝富士、正代、霧馬山、天空海、明生

十両
志摩ノ海、紫雷、美ノ海


大阪で2年ぶり開催

2年ぶりに大阪で行われる大相撲春場所(3月13日初日)の開催を知らせる「御免札」が11日、会場のエディオンアリーナ大阪に設置された。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、昨年の春場所は東京・両国国技館で実施された。
2020年の春場所は新型コロナの影響で史上初の無観客での開催だった。
今回は1日約5500人を受け入れる予定。
春場所担当部長の高島親方(元関脇高望山)は「感染対策を第一として、無事に相撲を見ていただきたい」と願った。
新大関御嶽海の闘いぶりも注目で「自覚を持って優勝に絡む成績を残してもらいたい」と熱戦を期待した。
チケットを持っていない人も入れるように館外正面にスペースを設け、グッズ販売や親方衆によるファンサービスも実施するという。
前売り券の販売は13日から始まる。




2022/02/08
大相撲ニュース
第54回NHK福祉大相撲 中止

11日に東京・両国国技館で開催を予定していた「第54回NHK福祉大相撲」が新型コロナウイルスの感染拡大のため中止となった。
7日、主催するNHK厚生文化事業団などが発表した。
観客や出演者らの健康や安全を考慮した。
相撲界は横綱・照ノ富士、新大関・御嶽海らの新型コロナウイルス感染が発表されており、6日の大相撲トーナメントも中止となっていた。
8日には全相撲協会員を対象にしたPCR検査を実施する。


元関脇・嘉風 引退相撲

大相撲の元関脇・嘉風の中村親方(39)の引退相撲が5日、東京・両国国技館で行われた。
断髪式には公明党の山口那津男代表、音楽グループ、ケツイメイシのリーダー、大蔵やプロゴルファーの宮里優作、聖志兄弟、元プロ野球選手の川崎憲次郎ら約250人がはさみを入れた。
土俵上で表情を変えることがなかった中村親方も徐々に感極まって目頭を潤ませる場面も。
最後は師匠の尾車親方(元大関・琴風)の止めばさみで大銀杏(いちょう)に別れを告げた。
19年秋場所中に現役を引退して2年半。
コロナ禍で開催が延期され、直前になって新型コロナウイルスの感染拡大で多くの関取が休場となった。
「不安ばっかりだったが、たくさんの人が来ていただいた。感謝しています」と感無量の様子だった。
断髪式後は美容師の兄弟に髪を整えてもらい、りりしい姿で会見場に登場。
「恥ずかしいですね。でも、まだまげがついているみたい」と感想を述べると「さみしくて、昨日はそわそわしていた。でも切り落とされて親方になったな、という感じがしました」と笑顔を見せた。


新型コロナウイルス感染判明

2月5日報道

1月26日 鶴竜親方
1月31日 御嶽海
2月 2日 隆の勝、大栄翔、翔猿、碧山、剣翔、大奄美
2月 4日 照ノ富士、貴景勝、若隆景、豊昇竜、豊山、一山本、若元春、栃ノ心、荒篤山、翠富士、錦富士、徳勝龍
      春日野親方、竹縄親方、清見潟親方、常盤山親方
※幕下以下の力士は、非公表




2022/01/24
大相撲ニュース
御嶽海

千秋楽、長野県上松町出身の東関脇・御嶽海は横綱・照ノ富士に勝ち、13勝2敗で、2019年秋場所以来3度目の幕内優勝を果たした。
悲願の大関昇進もたぐり寄せる快進撃に、恩師らから祝福の声が上がった。
7連敗中と相性の悪い照ノ富士に対して、立ち合いから一歩も引かず、寄り切りで勝利した御嶽海。
3度目の賜杯を抱くとともに、直近3場所で33勝を積み重ね、大関昇進の目安となる「三役で直近3場所で33勝以上」の条件もクリアした。
優勝インタビューでは大関昇進に向けた臨時理事会の開催の決定を伝えられ、目を潤ませる場面もあった。


若隆景

千秋楽、福島市出身で東前頭筆頭の若隆景が9勝目を挙げ、来場所からの関脇昇進を濃厚とした。
黒星先行の苦しい前半戦を乗り越えると、後半戦は粘りの相撲で白星を重ねた。
昇進すれば、昨年の名古屋場所以来の三役復帰となる。
若隆景は阿武咲の突き、押しに後退したが土俵際で右に体を開いて何とか残し、逆転の肩透かし。
粘りの相撲で白星をつかみ「しっかり体が動いたかなと思う」と満足げに振り返った。
横綱、大関戦があって初日からは4連敗だった。
そこから諦めずに立て直し、11日目からの5連勝で締めくくった。
「序盤は苦しい展開だったけど、自分の相撲に集中して取れた。一番一番、取り切ることを最後にできた」と収穫を口にした。


宇良

23日、人気業師の東前頭2枚目宇良が、自己最高位で勝ち越しを決めた。
巨漢の千代丸に会心の相撲を見せた。立ち合いはもろ手突きを避けるように頭を下げて突っ込むと、のど輪で起こしてハズで攻め立てた。
圧力に耐えかねた千代丸が体勢を崩し、すかさず宇良が押し倒した。
8勝7敗。2場所連続の勝ち越しとなった。
今場所は連敗発進だったが、大関貴景勝ら三役以上を4人破るなど存在感を放った。
「(15日間を通じて)課題が見つかった。(課題は)それは言わないです。(来場所に向けて)終わったばかりであれですけど、来場所も頑張りたいです」。
大阪・寝屋川市出身で、3月の春場所はご当所。
新三役の可能性もあるが「分からないですね、番付のことは」と関心を示さなかった。


豊昇龍

千秋楽、豊昇龍は自己最多の11勝目を挙げた。
右四つに組み合った巨漢の碧山に力負けせず、右下手投げで転がした。
11日目から5連勝で終え、春場所では新小結の可能性も出てきた。
「集中できて、いい相撲を取っていた。今場所、本当に良かった」と上機嫌に振り返った。
14日目の正代戦では、叔父の元横綱朝青龍譲りの気迫あふれる取り口で顔から落ち、額から流血。
傷痕は残っていたが「男前になったと思う。ありがとうございました」と笑顔で引き揚げた。


阿炎

阿炎は、3敗同士でぶつかった琴ノ若を激しい攻防の末に下した。
互いに突いて、いなす展開となる中、引き落としで仕留め、「先手を取って、四つに組まないようにした」と振り返った。
御嶽海が2敗を守って賜杯を抱いたため、優勝決定ともえ戦とはならなかったものの、14日目に照ノ富士から奪った金星も評価され、初めて殊勲賞を獲得。
「思い切り相撲が取れた。自分を全部出せたのかなと思う」と手応えを感じていた。


琴ノ若

千秋楽、大相撲初場所が開催されている両国国技館内で同場所の三賞選考委員会を開き、千秋楽の結果に関係なく、受賞力士が決まった。
敢闘賞は、阿炎同様に11勝3敗で優勝の可能性を残し、千秋楽で直接対決する東前頭14枚目の琴ノ若が、昨年7月の名古屋場所以来、2度目の敢闘賞受賞(三賞も2度目)となった。


琴勝峰

4敗力士による決定戦となった十両は琴勝峰が矢後を下し優勝した。
本割では緊張してはたき込まれたが決定戦は本来の出足で快勝。
「思い切っていった」と笑みをこぼした。
春場所は1年ぶりの幕内復帰が確実。
今場所初土俵を踏んだ弟(琴手計)にも刺激を受けており「もっともっと強くなりたいと思う場所だったので、稽古して力をつけていきたい」と抱負を述べた。




2022/01/23
大相撲ニュース
照ノ富士

14日目、横綱照ノ富士からはいつもの粘りが消えていた。
阿炎の猛攻を受け止めることができないまま押し出されて3敗目。
今場所は栃木山以来、103年ぶりとなる新横綱から3場所連続優勝の偉業に挑んでいるが、最終盤で一歩後退した。
千秋楽は2敗の御嶽海との直接対決が組まれており、逆転の目はあるものの、膝の状態も気になる。
オンライン取材に応じることなく引き揚げていった。


御嶽海

14日目、思い通りに体が動き、狙い通りの相撲を取って、番付の差の通り相手を圧倒した。
関脇の御嶽海が平幕の宝富士を破り、唯一2敗を守って3度目の優勝に王手をかけた。
左四つが強烈な宝富士に、得意な型を出させなかったのが相撲の妙。
「まわしを取られないようにすれば、苦手ではない」と御嶽海は見切っていた。
右を固めておっつけるとともに、左をねじ込み、ぐいぐいと押し込む。
耐えきれなかった宝富士の体が回ったところを、最後は送り出した。
先場所は11勝を挙げた一方、精神的に不安定なところも見せ、終盤に2連敗した。
だが、今場所は取りこぼしがあったものの連敗はなし。
「(精神状態は)最高です。気持ちいいです。今場所はしっかり整えています」と充実している。


豊昇龍

14日目、前頭六枚目・豊昇龍と大関・正代の一番は、激しい攻め合いで、場内がどよめく激闘となった。
軍配は正代に上がったものの、物言いがつき取り直し。
豊昇龍は額から出血するハプニングもあったが、その後、気迫あふれる相撲を見せ、寄り切りで正代を下した。
1度目の取り組みで、土俵際、投げの打ち合いとなったが、豊昇龍は倒れ込む際に、手を付かずにこらえて顔から落ちる根性を見せた。
額を思い切り擦り剥き、出血してしまったが、同体取り直しとなった。
ABEMAで解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「正代の左膝と豊昇龍の顔が落ちるのが同じですね。手をつかなかったからこうなる。手をついてたら負けてましたよ。スローで見ればわかると思いますけど、豊昇龍は“ダメだと”手を引いてますよ」と豊昇龍の勝負に対する姿勢を讃えた。
取り直しの一番では豊昇龍の額から痛々しいほどの出血が確認できたが、まさに気迫といった相撲を見せ、正代を寄り切りで下し10勝目を挙げた。


阿炎

14日目に組まれた照ノ富士戦。
その横綱に敗れて優勝を決められた阿炎が、雪辱を果たした。
もろ手で突くと、まわしを許さず前進。
冷静にいなして相手の体を崩し、最後は腹を押して土俵外へ運んだ。
2018年名古屋場所で鶴竜から奪って以来、三つ目の金星。
「うれしい。相手は横綱なので、がむしゃらに取ろうという気持ちだった」と振り返った。
13日目は御嶽海に敗れているが、攻めの相撲を取り切った。
優勝争いに踏みとどまっても、「全く考えていない。あしたの一番に集中したい」と力強く話した。


琴ノ若

14日目、東前頭14枚目の琴ノ若が関脇の隆の勝を上手投げで破り3敗を死守した。
千秋楽まで優勝争いに加わっている。隆の勝に押し込まれたが、土俵際で上手に手が届いた。
「しっかり体が動いてくれたかなと思います」。
優勝争いについても「最後の最後まで分からないことなので、そこまでしっかりやり切るだけです」と意識せずに臨むつもりだ。


大波3兄弟

史上12組目の兄弟幕内となった若隆景と若元春が、そろって給金を直した。
幕下では長兄の若隆元も4勝目を挙げ、14日目に勝ち越し。
「3人でできたのは、うれしい」と次兄の若元春。
本名の姓から「大波3兄弟」と呼ばれる彼らにとって、忘れられない日になりそうだ。
新入幕の若元春は今場所、「チャレンジするぐらいの気持ち」で臨んだそうだが、相撲っぷりは堂々。
動きのいい翔猿をつかまえて寄り切り、「何とか勝ててよかった」と喜んだ。


熱海富士

22日、西幕下筆頭の熱海富士(19)、熱海市出身、伊勢ケ浜部屋=が勝ち越しを決め、新十両昇進に大きく前進した。
春場所の番付編成会議で昇進が決まれば、熱海市出身の関取が初めて誕生する。
母校飛龍高の相撲部は喜びに包まれた。




2022/01/22
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士は隆の勝を圧倒した。
鋭く踏み込み、相手の右を手繰るようにして崩すと、素早く左上手を引いて一気の寄り。
圧力が持ち味の関脇も、なすすべなく土俵を割った。
2敗目を喫した12日目は取組後に、古傷を抱える膝を気にするそぶりも見せていた。
土俵下の師匠、伊勢ケ浜審判部長は「このまま下がらない相撲をしてほしい」と話した。


御嶽海

2敗同士がぶつかった注目の一番。
賜杯争いに踏みとどまったのは御嶽海だった。
阿炎のもろ手突きからの攻めにあてがって前進。
たまらず相手が引いたところで難なく勝負をつけた。
3場所の出場停止などの処分を経て、見違えるような取り口で幕内に戻ってきた阿炎。
終盤まで照ノ富士と優勝を争った先場所の勢いそのままに白星を重ねてきたのに対し、先頭を走ってきた御嶽海は10日目に初黒星を喫し、3日間で2敗。
まさに正念場と言えた。
重要な局面で一歩も下がらずに足を出し、圧力をかけ続けた。
その姿に、八角理事長は、「きょうは勇気があった」と褒めた。
雑念を捨て、存分に持ち味を発揮した攻めに、「以前は負けたら、投げやりになったところもあったが、何とか頑張ろうという気持ちが見えている」。
気迫で追い込んだ。


妙義龍

右太ももを痛め、大相撲初場所11日目から休場していた東前頭10枚目の妙義龍が14日目の22日から再出場することが21日、決まった。
小結大栄翔戦が組まれた。


琴ノ若

13日目、東前頭14枚目の琴ノ若が3敗を死守して2桁10勝目をあげ、優勝争いに踏みとどまった。
幕内最年長37歳の玉鷲と対戦。
琴ノ若は左右おっつけからのはず押しで一気に土俵際まで詰めた。
最後に玉鷲が逆転の突き落としを決めたかに見えたが、その前に土俵を割っており、琴ノ若が軍配をもらった。
「相手が先に出たように見えたが、軍配が見えず、物言いもつかなかったのでどうなるかと。徹底して攻められたのがよかった」。
2桁勝利は12勝3敗で敢闘賞を受賞した昨年名古屋場所以来だが、「結果は場所が終わってからで、最後までしっかりいい相撲をとって終わりたい」と優勝争いも意識から外した。
祖父が元横綱琴桜、父が現・佐渡ケ嶽親方の元関脇琴ノ若。
徐々に開花しつつある「伝統の血筋」が、残り2日まで夢をつないだ。


旭秀鵬 引退

21日、元幕内で東幕下筆頭の旭秀鵬(33)、モンゴル出身、友綱部屋=の現役引退を発表した。
東十両14枚目だった昨年九州場所で6勝9敗と負け越し、幕下に転落した今場所は初日から休場していた。
2007年夏場所初土俵。
右四つ、寄りを武器に11年秋場所で新十両、翌年初場所で新入幕。
最高位は東前頭4枚目で、幕内に20場所在位した。




2022/01/21
大相撲ニュース
照ノ富士

12日目、照ノ富士が小結明生に敗れ2敗目を喫した。
立ち合いで相手に踏み込まれ、慌てて前に出たところを肩透かしを繰り出されて土俵外へ追い出された。
取組後は取材に応じなかった。
土俵下の高田川審判長は「焦って出たね。いつもだったら自分の形になってからやるんだけど強引に出過ぎた。いつもと違う戦いだった」と敗因を分析した。


御嶽海

12日目、11日目を終えて1敗の関脇御嶽海。
横綱照ノ富士と並走して優勝争いトップに立つ中、阿武咲の引き落としにあっさり屈して2敗に後退した。
2場所連続の2桁白星で大関とりの足固めを作ったが、勢いに乗れなかった。


明生

12日目、小結明生が、横綱照ノ富士を破って、勝ち越しに望みをつなげた。
立ち合いで照ノ富士にさがりをつかまれたが、腕を伸ばして必死に抵抗。
引いて土俵際に呼び込む形となったが、右に動きながら肩すかしを決めた。
優勝争いでトップに立つ横綱からの白星。
「精いっぱいやりました。うれしかったです。強い横綱に勝てたので自信を持っていきたいと思います」と手応えを口にした。
今場所は初日から腰にテーピングを施していたが、この日はテーピングを施さずに土俵に上がった。
7敗と後がなく「気合を入れました。強い気持ちを持っていきたいなと。集中しました」と痛みを考えることもなく、目の前の一番に集中。
これまで意識してきた同期でもあったが「意識はない。もう横綱なので精いっぱいやりました」と胸を借りるつもりで土俵に上がり、勝ち越しへ望みをつなげた。


阿武咲

やや緊張した面持ちの御嶽海とは対照的に、阿武咲の目には力があった。
勢いよく頭で当たると、両腕を伸ばして上体を起こす。
一瞬の隙を逃さず、体を開いて引き落とし。
「足がそろったところが見えていた。落ち着いていた」。
軽くうなずき、土俵にはった相手の横を悠然と歩いた。
今場所の主役とも言える御嶽海との対戦だったが、「誰が相手でも変わらない。思い切ってやろうというだけ」と平静を保った。
新年恒例の書き初めでは、大きな字で「心」と記した。
その言葉通り、精神面の充実が感じられる。


阿炎

ついにトップに並んだ。
12日目、幕内阿炎が関脇隆の勝を突き出しで破って、2場所連続2桁勝利を挙げた。
先場所に苦杯を喫した相手に、立ち合いから得意の突きで押し込んでの快勝。
2敗を死守した取組後は「攻められた。師匠(錣山親方=元関脇寺尾)から『今日は引かない方がいい』と言っていただいた。
しっかり自分の相撲が取り切れた」と手応えを語った。
1差で追っていた照ノ富士と御嶽海がこの日に揃って黒星。
2敗で3人が並び、三つどもえの賜杯戦線となった。
しかし阿炎は「意識していない。明日の相撲に集中するだけ」ときっぱり。
まずは13日目の御嶽海との直接対決に全力を尽くす。


魁聖

12日目、幕内魁聖が休場となった。
日本相撲協会に「左足関節捻挫により1月場所は休養を要する」との診断書を提出した。
直近3場所連続で負け越していた魁聖は、今場所はここまで5勝6敗。
初日に元横綱大鵬の孫で新入幕の王鵬(大獄)に敗れ黒星スターとなったが、4日目から3連勝をマークした。
だが前日11日目に幕内佐田の海に敗れ黒星が1つ先行。
この取組の際、土俵際で左足をひねり決着後は患部を押さえながら苦悶の表情を浮かべていた。


NHK藤井アナが最後の大相撲実況

12日目、NHKの大相撲中継の実況で知られる藤井康生アナが、この日が最後のNHKでの実況担当になると明かした。
解説の北の富士さんとのやり取りの中で、北の富士さんが入門のために上京した1957年1月のことが話題になり、その流れで北の富士さんが「そういう時に藤井さんが生まれたんだな」と語った。
藤井アナも57年1月生まれ。
さらに、北の富士さんから「ところで、きょうが最後なの?」と水を向けられ、「NHKの放送としては。大相撲の放送としては。いろいろお世話になりましたが」と感謝。
北の富士さんも「(私の)つまらん話を面白くしてくれました」と、こちらも感謝していた。




2022/01/20
大相撲ニュース
照ノ富士

11日目、照ノ富士は必死に抵抗する千代翔馬を寄り切りで退けた。
立ち合いすぐに左まわしをつかんだが、慌てずに攻めた。
「じっくり落ち着いていこうと思っていました」との言葉通り、右上手も取ってから、相手をしっかりと引きつけ前に出た。
御嶽海とともに1敗をキープ。
「あと4日間、集中していきたいと思います。毎日ベストを尽くして頑張っていきたい」と普段通り冷静に話した。


御嶽海

11日目、常に前へ前へと攻めた。
御嶽海は立ち合いから右を差して圧力をかけていく。
正代も大関の意地でこらえ、反撃に出ようとしたが、主導権は渡さなかった。
左上手を引くと胸を合わせ、力強く寄り切った。
「しっかり大関の下に入って、前に出ることを意識しました。四つになったけど、前に出る意識を持っていたのでああいう結果になったと思う」。
今場所元気のない大関相手とはいえ、きっちりと勝ちきった。
三役では自身初の2場所連続2桁勝利を決め「やったことなかったので、素直にうれしい」と喜んだ。


阿炎

11日目、逸ノ城の逆襲を浴びても、立ち合いで押し込んでいた阿炎には残す余裕があった。
「攻める意識があったんで、それが最後に良かったかなと」
俵を背負ったが右からいなすと、すぐさま左からはたき込み。
「自然と体が動いた感じです」と先場所からの好調ぶりそのままに9勝目。唯一の2敗を守り、照ノ富士と御嶽海を1差で追走していく。
八角理事長(元横綱北勝海)は「最初に攻めてますからね。攻めているから土俵際で残れる」と評価。
藤島審判長も「本来の相撲じゃないが、しのいで勝つあたりが調子いいんじゃないか。力はついている」。
照ノ富士、御嶽海と対戦を組む可能性についても「そういうふうになるかも。一日一日の状況を見ながら、一番最善の取組を作る」とした。


琴ノ若

11日目、琴ノ若が2敗と好調の宝富士に圧勝した。
右を固めて相手得意の左差しを封じると、まわしにこだわらずに突っ張った。
「終始先に自分が動いて、最後まで攻め切れた」と納得の表情を見せた。
元横綱琴桜を祖父に、師匠の佐渡ケ嶽親方を父に持つサラブレッド。
勝ち越しを決めたが「上(の番付)を目指さないといけないと、強い気持ちを持っていけている」と貪欲に語った。


琴恵光

11日目、琴恵光が再出発の場所で早々と勝ち越しを決めた。
立ち合い張ってもろ差しになると、出足の勢いそのまま寄り切る速攻相撲。
11日目での勝ち越しは、20年7月場所以来で自己最速タイとなった。
先場所は初日から7連敗を喫して3勝12敗。
「先場所の悔しい気持ちを忘れずに稽古して、それがつながって良かった。(残り4日間も)攻める意識で土俵に上がりたい」と、充実した表情だった。




2022/01/19
大相撲ニュース
志摩ノ海と妙義龍 休場

11日目、西前頭9枚目の志摩ノ海、東前頭10枚目の妙義龍が休場した。
ともに10日目は白星で5勝5敗としていた。
志摩ノ海は日本相撲協会に「右ハムストリング(太もも裏)損傷で約1週間の加療を要する」との診断書を提出した。
休場は志摩ノ海が序二段だった2014年夏場所以来7度目、妙義龍が19年秋場所以来9度目。
志摩ノ海の対戦相手の遠藤、妙義龍の対戦相手の若元春はともに不戦勝。
今場所の十両以上の休場者は大関貴景勝ら9人となった。




2022/01/19
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士は阿武咲を危なげなく下し、1敗を守ってトップに並んだ。
目の前で御嶽海に土がついた後の一番にも、「自分の相撲に集中していた」と浮つくことはなかった。
鋭く踏み込んで左でまわしを引き、相手に反撃の隙を与えない万全の寄り。
土俵下の師匠、伊勢ケ浜審判部長は、「前に出ないと、まわしは取れない。いいんじゃないか」と評価した。


御嶽海

10日目、ついに初日からの連勝が止まった。
関脇御嶽海が北勝富士のおっつけに屈して、抵抗むなしく押し出された。
取組後は取材に応じず。
大関とりの足固めとなる2桁白星に向けて、11日目は大関正代と対戦する。
照ノ富士と並走となった優勝争いに向けても、正念場の一番を迎える。


宇良

10日目、人気業師の東前頭2枚目宇良が、優勝経験者の小結大栄翔を破って5勝5敗と星を五分に戻した。
強烈な突っ張りを下からあてがい、いなしで崩すと勝機を見いだすように懐に飛び込んだ。
もろ差しとなって一気に走り、飛び込みながら押し倒し。
大関貴景勝ら三役以上の力士4人から白星を挙げた。
残り5日間で勝ち越しを懸ける。
取組後のリモート取材では「今日も頑張ろうと思いました。頑張れたと思います」と振り返り、星が五分に戻ったことについては「考えていないです」と話した。


北勝富士

10日目、西前頭4枚目・北勝富士が会心の相撲で関脇・御嶽海の連勝を止めた。
左右の強烈なおっつけで相手の出足を止め、じわじわと押し込んだ。
それに根負けした御嶽海が引いたのに乗じて一気に押し出した。
「いい当たりから足を運べた」と納得の表情で振り返った。
両者は学生時代からしのぎを削ってきた。
日体大の北勝富士に対し、東洋大の御嶽海。
北勝富士は大学4年の全国学生選手権個人決勝で敗れた。
プロ入り後も火花を散らし、対戦成績はこれで11勝12敗とほぼ互角に。
北勝富士は「元々、負けたくない相手。いい相撲を取れてよかった」と、うなずいた。
快勝に、普段は弟子に厳しい師匠の八角理事長も「会心の相撲じゃないか。きょうは北勝富士を褒めてやってよ」と最大級の賛辞を送っていた。


阿炎

10日目、阿炎は隠岐の海を押し出しで破った。
2敗の阿炎が存分に持ち味を発揮した。
立ち合いから隠岐の海を猛然と突いて先手を取った。
直後、土俵際に詰まった相手に回り込まれて危ない体勢になったが、素早く反応して向き直る。
腕をたぐるようにして体を入れ替え、押し出した。
10日目で早くも勝ち越しを決め、1敗の照ノ富士、御嶽海に食らいつく。
「うれしく思います。場所に向けて体作りをしっかりできたのが良かった」。
気が緩む様子はみじんも感じられない。


宝富士

宝富士は一山本の突っ張りにも動じず、4連勝で勝ち越しを決めた。
この日は、2年前に亡くなった近大時代の恩師、伊東勝人さんの命日。
「勝たせてください、力を貸してください、と心の中で思っていた」。
少し照れくさそうに言った。
近大の監督として伊東さんは、左半身になりがちだった宝富士に右の使い方を指導。
「それが今も生きている」と感謝する。
同じ部屋の照ノ富士らを1差で追うが、「気を抜くと、いつもと一緒になる。より気を引き締めて臨みたい」。
元気なベテランは謙虚に意気込みを示した。




2022/01/18
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士は北勝富士をうまくつかまえて勝負あり。
左下手を深く取ると、投げ捨てるようにして転がした。
「落ち着いてやろうと思っていた。よかった」と余裕たっぷりに振り返った。
9日目で勝ち越しが決まったが、「場所が終わったわけじゃない。残りも頑張っていきたい」。
103年ぶりとなる新横綱からの3連覇を目指し、御嶽海を1差で追う。


御嶽海

御嶽海は危なげなかった。
立ち合いで隠岐の海を押し込み、左右をのぞかせて一気に前進。
「しっかり集中して自分の相撲が取れている」と自信を示した。
相撲内容も伴い、大関昇進の足固めに必要な2桁白星まで、あと一つに迫った。
「目標を達成できるように白星を重ねていきたい」と言う表情は引き締まったまま。
後半戦に入り、集中力はさらに研ぎ澄まされているようだ。


阿炎

変心≠ナ連敗ストップだ。
9日目、幕内阿炎が幕内妙義龍を破って7勝目(2敗)。
連敗を止めるとともに、幕内での2場所連続勝ち越しに王手をかけた。
妙義龍に押し込まれながらも、とっさに体を開いて引き落としを決めた。
取組後は「体が勝手に動いた。立ち合いはもっと鋭く当たりたいと思っているので、まだ強くなれると思いながらやっている」と振り返った。


若元春

9日目、新入幕の東前頭15枚目の若元春は、照強を寄り切って5勝目。
白星を先行させた。
祖父・元小結若葉山の命日、期する思いを白星につなげた。
若元春が照強を寄り切り3連勝。
新入幕の場所で、白星を1つ先行させる5勝目を挙げた。
「流れる感じというか、自分ができるいま一番いい寄りだった」。
立ち合って左差し。
前へ出ながら右上手も取って、引きつけながら直線的に寄って出た。


王鵬

9日目、元横綱大鵬の孫で元関脇貴闘力の三男、東前頭18枚目の王鵬が、3日目以来の連勝で6勝目を挙げた。
豊山の突き押しを冷静に対処した。
激しい押し合いから1度引く場面もあったが、左を差して回り込みながらすくい投げ。
「立ち合い良かったので何とか勝てた。
しっかり土俵際見えていて慌てなかった」と、新入幕らしからぬ落ち着きようだった。
勝ち越しまであと2勝とした。
「このままいい状態をキープしていきたい。毎日充実している」と、残り6日間に向けて意気込んだ。




2022/01/17
大相撲ニュース
照ノ富士

8日目、横綱・照ノ富士は、西前頭4枚目・隠岐の海を万全の寄り切りで下し、1敗を守った。
立ち合いから左四つになると、相手が巻き替えて外四つになったところを前へ。
最後は確実に寄り切った。
会心の内容に「冷静に取れたかなと思います。体が勝手に動いてくれているので」と振り返った。
7勝で折り返し、「終わってみないと分からないので、今のところは悪くはないんじゃないですかね」と調子は上々。
賜杯争いでは1差で全勝の関脇・御嶽海を追うが、「自分の相撲に集中しているだけなので、特に考えてないですけどね」と淡々と話した。


御嶽海

8日目、関脇・御嶽海が大栄翔を退け、勝ち越しを決めた。
難敵に押し込まれても勝機は逃さなかった。
好調の御嶽海が唯一、無傷で場所を折り返した。
1年前の初場所を制した大栄翔の突き押しを下からあてがいながら踏ん張ると、たまらず相手が引いたところで前に出て押し出した。
「絶対押される。我慢するしかない。どこか勝機を見つけて攻めるしかない」としたたかに攻めきった。


宇良

8日目、宇良がグングンと白星を伸ばしてきた。
立ち合いで隆の勝の右足を狙って踏み込む。
しっかりと抱きかかえて土俵外へと運び出した。
3日目に貴景勝に土をつける活躍はあったものの、5日目までは上位の壁にはね返されて1勝4敗。
だが、6日目から3連勝とし、折り返し地点で星を五分に戻した。
幕内100回出場を達成。


玉鷲

8日目、東前頭3枚目玉鷲の“鉄人”ぶりにほころび? が出た。
この日は西前頭4枚目北勝富士を退けて6勝目を挙げた。
しかし押し出した際に勢い余って倒れ込み、土俵にみぞおち付近を打ち付けて、苦悶(くもん)の表情を浮かべた。
大事には至らなかったが、04年初場所の初土俵から18年間1度も休場がない丈夫な玉鷲にしては、珍しい場面だった。
取組後のリモート取材で「鉄人でも痛いのか」との質問に対しては笑いながら「痛いっすよ! 同じ人間なので」と強調していた。


若元春

8日日、新入幕の東前頭15枚目・若元春が石浦をはたき込み、星を4勝4敗の五分とした。
中日の節目から新しい化粧まわし。
祖父の元小結・若葉山が締めていた化粧まわしを系譜したデザインのものを後援会関係者が発注していたが、ようやくできあがった。
「あこがれだったのですごくうれしいです」。
17日は祖父の命日だが、「特別な日だからという特別な感慨はないです。
毎日が特別なんで」と言った。


王鵬

元横綱大鵬の孫で元関脇貴闘力の三男、東前頭18枚目の王鵬が、連敗を免れて5勝3敗で後半戦に突入する。
相手をはじき飛ばすような当たりだった。
リーチを生かした突っ張りが持ち味の西前頭14枚目一山本に対して、立ち合いから頭でぶちかました。
そのまま電車道で突き出し。
新入幕の今場所。白星先行で中日を折り返した。
前日7日目は琴ノ若との“横綱の孫”対決に敗れて3敗目を喫したが、引きずらなかった。
後半戦に向けて「まだ元気だし調子いいので、このまま取っていきたい。勝っても負けても、勝つに越したことはないけど、いい相撲を取っていきたい」と意気込んだ。




2022/01/16
大相撲ニュース
照ノ富士

昨年秋場所13日目からの連勝が「23」で止まった照ノ富士は、相撲巧者の遠藤に攻められながら落ち着いた相撲で寄り切り。
1敗を守った。
「冷静にとれたかなと思います」。
「昨日のことは昨日のことでしか考えていない。集中して残り頑張っていきたいと思います」。
3場所連続優勝へ再発進した。


御嶽海

7日目、“眠れる大関候補”御嶽海が、お目覚めの7連勝で、優勝争いで単独トップに立った。
前日6日目に、横綱照ノ富士から完璧な押し相撲で金星を奪ったベテラン玉鷲との一番。
立ち合いに押され、やや後退したものの左を差すと迷わず右をあてがいながら前進。
玉鷲に突き押しの距離を与えず、危なげなく寄り切った。
報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長は「御嶽海は当たりの重さがある」と、簡単に下がらなかった立ち合いを評価。
下がってからの攻めのうまさにも言及し「左をうまく差した。(それで玉鷲の)右肘が浮いて押せなかった。左を差しての型がいい」と技巧ぶりもほめた。
差した場面も「押し込もうとしているから差せる。圧力がないと玉鷲に突き放される」と攻めの気持ちを察した。
ここまでの7日間は「最高じゃないか。内容がいい。危ない相撲がない」と満点の評価。


阿武咲

7日目、阿武咲が全勝の阿炎に土をつけ、連敗を2で止めた。
「(阿炎は)ほぼ同期みたいで切磋琢磨(せっさたくま)してきたし仲もいい。だからこそ負けたくなかった。いい刺激になる。勝ててよかったと思います」。
自身にとっても大きな5勝目。
「常に上を目指しているし、もっともっと星を積み重ねていきたい」と気合十分に語った。


琴ノ若

7日目、琴ノ若と王鵬が対決。
期待の新鋭同士の取組がついに実現した。
2人とも3代続く力士の家系である。
琴ノ若の祖父は猛牛≠フ異名を取った元横綱琴桜、父が元関脇琴ノ若(現・佐渡ケ嶽親方)。
そして王鵬は祖父が昭和の大横綱大鵬で、父が元関脇貴闘力だ。
注目を集めた初対戦で、白星をつかんだのは琴ノ若だった。
「慌てず、落ち着いて取れた」との言葉通り、立ち合いから押し込んで先手を取ると、王鵬が押し返してきたところで肩すかし。
取組後、経歴に話題が集まることについて「言われるものだと思っている。深くは考えず、思い切りやることだけ考えた」と毅然(きぜん)と語った。


違法賭博関与認めた

大相撲の木瀬部屋所属で、違法賭博関与の疑いがある平幕英乃海と新十両の紫雷が、調査を進める日本相撲協会コンプライアンス委員会に対し、賭博行為を認めたことが15日、関係者の話で分かった。
両力士は埼玉県内の違法賭博店に出入りし、賭博に関与した疑いがあるとして、埼玉県警から事情聴取を受けていた。
捜査関係者によると、同県警が昨年9月に摘発した同県草加市の違法賭博店への出入りが確認されているという。
現在開催中の初場所は、師匠の木瀬親方の判断により、2人とも休場している。
不祥事などの調査を担当する同委員会による答申を受け、処分は27日の協会定例理事会で最終決定する見通しとなっている。




2022/01/15
大相撲ニュース
照ノ富士

ベテランに不覚を取った。
6日目、横綱照ノ富士が幕内玉鷲に敗れ、初黒星。
昨年秋場所から続く連勝も23で止まった。
立ち合いから相手の押しに自分の相撲が取れず、最後は突き落とされて土俵に手をつけた。
取組後はコメントを残すことなく引き揚げた。
土俵下の高田川審判長は「玉鷲が鋭く攻め込んだので、受けすぎてパっと透かしたような感じになった」と敗因を分析。
一方で「気にせずに明日から力を出してくれたら」と語った。


御嶽海

6日目、御嶽海が一気の電車道で初日からの連勝を6に伸ばした。
昨年は2度、苦杯をなめている遠藤を相手に左前まわしを取られたが、構わずに前に出て押し出した。
「申し分ないと思います」との言葉通り、言うことなしの内容。
7日目は照ノ富士を破った玉鷲が相手だが「しっかり自分の相撲を取れば負けないと思う。集中できている」と自信をのぞかせた。


宇良

6日目、人気業師の東前頭2枚目宇良が“トリッキーな技”を繰り出し2勝目。
ネット上では「宇良関がウラに回って2勝目」「今日は宇良もスゴイ相撲。これは技能賞ものでは」「こういう取り組みがあるから、宇良が好きなんだよね〜」と盛り上がりを見せた。


玉鷲

いつも明るい玉鷲が、普段に増して朗らかな表情を見せた。
大関正代に続き、23連勝中の照ノ富士も破る殊勲星。
2019年夏場所以来となる金星を奪って5勝目を挙げ、「よかった。ようやく勝てた」。
最近は、土俵際まで押し込みながら照ノ富士に勝てず、「止まったら下からもう一度当たっていこう」と心に決めていた。
この日は、立ち合いから一気に喉輪で押し込んだ。
反撃しようとする相手をもう一押しして、いなすように突き落とし。胸中を問われると、「(映像で)見直してから実感したい」。
幕内で最年長の37歳。
難攻不落の横綱に土をつけ、金星獲得の年長記録では昭和以降の新入幕で6番目となった。
「若手に負けない気持ちでいられるようにしている」と、精神面の充実を口にし、自慢の馬力も全く衰えない。
「師匠の教えを素直に聞くことが大事」と、謙虚さを忘れず稽古場に立っている。
19年の初場所で初賜杯を抱いている。
「昔のことなので忘れました」とはぐらかしたが、まだまだ場所を盛り上げそうだ。


阿炎

6日目、阿炎は志摩ノ海にヒヤリとさせられながらも全勝を守った。
いつも通り立ち合いから突いていったが、うまく下からさばかれ、引いたところを逆に攻め込まれた。
土俵際まで追い詰められたが、ヒラリとかわすように起死回生の上手投げ。
「思ったより手が回転しなかった。引いてしまったけど、流れで体が動いてくれた」と胸をなで下ろした。


王鵬

6日目、元横綱大鵬の孫で元関脇貴闘力の三男、東前頭18枚目の王鵬が、大関経験者の西前頭15枚目栃ノ心に完勝した。
新入幕の今場所。
6日目を終えて4勝2敗となった。
立ち合いで栃ノ心に前まわしを取られたが、構わずに出た。
土俵際まで押し込むと左四つ、右上手で辛抱強く寄り切り。
「つかまってしまったけど、前傾姿勢は崩れていなかった」。
怪力を誇る栃ノ心を相手に、自信となる1勝。
「めちゃくちゃ重かったです」と口も滑らかだった。




2022/01/14
大相撲ニュース
照ノ富士

逸ノ城の挑戦を受けた照ノ富士は、立ち合いで左上手を奪うと、豪快な上手投げで体重206キロの巨漢を転がした。
相四つでやりやすい相手。
「良かったと思います」と淡々と振り返った。
初日の大栄翔戦や、4日目の宇良戦で土俵際まで追い詰められる場面もあったが、無傷で序盤戦を終えた。
5日目の相撲を土俵下で見届けた藤島審判長は「押し込まれていても、慌てていない」と評価。
横綱自身は「あと10日あるんで、残りも気を引き締めて頑張っていきたい」と表情を緩めることはなかった。


御嶽海

5日目、東関脇・御嶽海は西前頭筆頭・霧馬山に押し出しで勝ち、連勝を5に伸ばした。
6日目の14日は西前頭3枚目・遠藤と対戦する。
御嶽海は安定感のある相撲内容で5連勝を飾った。
霧馬山のもろ手突きを払いのけていなして体勢を入れ替えると、最後ははず押しで退けた。
遠藤はここまで2勝3敗。
過去6場所は御嶽海の1勝2敗で、先場所は寄り切りで敗れている。


玉鷲

幕内最年長の玉鷲が37歳の年齢を感じさせない若々しい相撲で2年半ぶりに正代を破り、序盤を1敗で乗り切った。
立ち合いで正代が胸を出すように出るところに頭で当たった。
相手の双差しにもかまわず腕を伸ばして突き放し、休まず攻めて押し出した。


阿炎

5日目、西前頭6枚目・阿炎は、平幕唯一の無傷5連勝とした。
低い体勢が持ち味の同4枚目・北勝富士をもろ手で起こすと、一気に前進。
回り込もうとする相手を押し出した。
「(内容は)良かったと思う」と、うなずいた。
この日、部屋を出る前に師匠の錣山親方から「いなしを気をつけろ」と助言を受けたという。
「とにかく自分の距離で攻めすぎずというか、前のめりにならないように意識した。北勝富士関はおっつけが上手。おっつけられないように、自分で考えて相撲を取った」と語った。
優勝争いを演じた先場所に続いて、好調な様子。
「場所に合わせて体調管理してきたので、調子はいいと思う」と手応えをつかんでいる様子だった。


宝富士

5日目、34歳の西前頭7枚目・宝富士が幕内連続800回出場の節目を白星で飾った。
ここまで全勝だった東同5枚目・阿武咲との一番。
好調な相手の押しに下がったが、耐えしのいで土俵際で逆転の突き落としを決めた。
初日は阿炎に敗れたが、その後は4連勝。
「自分のいいところを生かして、連勝も続いているので、気持ちも上がってきていいと思う」と、うなずいた。
記念すべき一番で白星を飾り、「そういう記録の時はだいたい負けているが、今日は勝てたので、今年はいいことがあるかな」と、ほほえんでいた。


棚田好男さん死去

棚田好男さん(たなだ・よしお=大相撲の立行司、第34代式守伊之助)4日午後11時、肝臓がんのため死去、80歳。
北海道出身。葬儀・告別式は近親者で済ませた。
花籠部屋に入門し、55年夏場所で初土俵。
貴乃花部屋に所属した06年初場所で行司の最高位の一人である式守伊之助を襲名した。
立行司を務めたのはこの1場所で、06年2月に相撲協会を定年退職した。




2022/01/13
大相撲ニュース
照ノ富士

4日目、横綱照ノ富士は宇良にひやりとさせられる場面があったが、最後は突き倒しで全勝を守った。
小手投げを打ったところ、呼び込む形になり、宇良に土俵際まで追い詰められた。
上体はのけぞり危ない場面だったが、粘り腰でこらえ、「落ち着いてできたと思います」。
大関貴景勝が休場し、横綱の責任はさらに増すが、「自分なりに頑張っていきたい」と冷静に話した。


貴景勝

4日目、右足首の負傷で休場した大関貴景勝に、日本相撲協会の八角理事長は治療に専念することを求めた。
3月の春場所は5度目の、かど番で臨む貴景勝。
報道陣の電話取材に応じた八角理事長は「この1年で(貴景勝の休場は)何度目?」と逆質問。
昨年初場所、7月の名古屋場所と、2場所を皆勤しては途中休場が続く大関に「ケガをしない体を作らないと。どれだけ痛めたのか分からないが、体が重たいだけに下がると(余計に)ケガにつながる」と、取り直しになった前日3日目の、宇良との最初の相撲を分析。
「とにかく今は(ケガを)治すことに専念することでしょう」と話した。


御嶽海

取り直しの一番でも、御嶽海は気持ちを切らさなかった。
立ち合いでしっかりと踏み込んで当たると、下から攻めて明生を一気に押し出し。
「(最初の一番は)微妙だったので、取り直しになってよかった。集中はずっとできていた」。
納得の口ぶりで振り返った。
内容も伴って4連勝。
先場所は11勝を挙げており、大関昇進の足固めへ今場所も白星を2桁に乗せたいところ。
「いいんでね。ここから気を引き締めてやっていきたい」と手応え十分だ。


阿武咲

4日目、阿武咲が豊昇龍を寄り倒しで下し、20年秋場所以来の初日から4連勝とした。
突き放しにくる相手に、懸命に体を寄せて右を差した。
「勝負どころはここだなと思った」と休まず前に出て勝負を決めた。
順調に白星を伸ばしているが「まだまだ場所はある。今日は今日なので切り替えて頑張るだけ」と引き締めた。


阿炎

4日日、西前頭6枚目の阿炎が、初日から4連勝を飾った。
阿炎の長い手足は最大の武器だ。
長い上に速射砲のような突っ張りが繰り出されると、千代の国はたまらず土俵を割った。
師匠の錣山親方がNHKで解説を務めた。
「かなり落ち着いて土俵に上がれる性格ですからね。上ばかり突くから残される。腹も突けばいい」と指摘。
それに対し、阿炎は取組後に「左がうまく使えていない。左を使えれば、そういうこともできると思います」と語った。


妙義龍

物言いがついた一番で妙義龍が辛くも白星を得た。
掛け投げを狙った天空海を押しつぶすようにして、すくい投げ。
相手のまげがわずかに先についており、「もうちょっとで食らいそうだったが、うまく反応できた」と胸をなで下ろした。
先場所は2勝13敗と苦しんだものの、今場所は足もよく動いて4連勝。
「一番一番、集中してやっている。また、あしたから気分良くいきたい」と声が明るかった。


相撲協会理事候補

大相撲の出羽海一門は12日、東京・両国国技館で会合を開き、初場所後に実施される2年に1度の日本相撲協会役員候補選挙で、理事候補には現職の出羽海親方(元幕内小城ノ花)、春日野親方(元関脇栃乃和歌)、境川親方(元小結両国)の3人の擁立を確認した。副理事候補も現職の藤島親方(元大関武双山)が立つ予定。
5つある一門のうち、出羽海以外では二所ノ関が3人、時津風が2人、高砂と伊勢ケ浜からは各1人が理事候補に名乗り出る見通し。
立候補者が定員の10人なら2期連続で無投票となる。




2022/01/12
大相撲ニュース
貴景勝

4日目、大関貴景勝が日本相撲協会に休場を届け出た。

今場所は2日目から明生、宇良に連敗していた。

再出場しなければ、来場所はかど番で迎える。




2022/01/12
大相撲ニュース
照ノ富士

3日目、3連覇を狙う横綱照ノ富士は幕内霧馬山を上手投げで下し、初日から3連勝とした。
初日、2日目と苦戦を強いられたが、この日は立ち合いから圧力をかけて相手に何もさせなかった。
取組後は「(相手を)正面に置いてじっくりと思った。体が自然に動いてくれた」と淡々とコメント。
貴景勝、正代の2大関が相次いで敗れた後の結びの一番となったが「(心境の変化は)特にない。やることは一つしかない。じっくりやっていこうと思った」と風格を漂わせた。


御嶽海

御嶽海が若隆景に地力の違いを見せつけた。
立ち合いで動いた相手に左上手を与えたが、慌てずにおっつけなどで応戦。
胸を合わせて寄り切った。
先場所、苦杯を喫した東洋大の後輩を退け、「何でも予想していたので、しっかり対応できた」と涼しい顔で振り返った。
大関昇進の足固めを狙う場所で3連勝の好スタートを切り、「気持ちで負けないように、勝つイメージを持ってやっている」。
精神面の充実を強調した。


大栄翔

3日目、小結・大栄翔が大関・正代を破り、今場所初勝利。
1年前の初場所覇者が白星をきっかけに調子を上げていくか。
「いい相撲をとっても、負けたら意味がない。調子はよく、細かいところだと思っている。今日はいい相撲が取れた。(4日目以降に向けて)ここからしっかり盛り返していけるように頑張ります。」と語る。


宇良

3日目、宇良が大関貴景勝を押し倒し、初白星を挙げた。
いつも以上に、宇良の一挙手一投足に視線が集まっていた。
どんな技を繰り出すか分からない業師であることだけが、その理由ではない。
前日の正代戦で後頭部を強打し、ふらついていたからである。
慎重な対応が求められる脳振盪(しんとう)。
出場が不安視される中、宇良は土俵に立ち、貴景勝を相手に暴れまわった。
突き押しが強烈な大関に対して、うまく右前まわしを引いて懐に潜る。
拝むよな格好で前へ出ると、土俵際でもつれて同体取り直しとなった。
「そんな何回も相撲を取りたいわけじゃない」。
顔をしかめて2度目の勝負。
今度は立ち合いで当たりながら右に動いた。
土俵際まで走ってしまった貴景勝を勢い良く押し倒した。


王鵬

新入幕の王鵬は、200キロの剣翔を休まず攻めて押し出した。
3連勝に「調子はいい。体をしっかり動かせていると思う」と満足げだった。
祖父で昭和の大横綱大鵬は、新入幕の場所で初日からの11連勝を含む12勝。
それについて水を向けられると、「あまり気にしていないが、負けるより勝った方がいい。勝てるときに番付を上げたい」。
静かに闘志を燃やした。


中村親方初場所後二所ノ関部屋に移籍

尾車部屋付きの中村親方(元関脇嘉風)が初場所後の同部屋閉鎖に伴って、二所ノ関部屋に移籍することが11日、関係者への取材で分かった。
初場所後の理事会で承認される予定。幕内経験者の幕下友風らと移籍する方向で調整中で、元横綱稀勢の里の二所ノ関親方が師匠を務める二所ノ関部屋の部屋付き親方になる。




2022/01/11
大相撲ニュース
照ノ富士

追い込まれても動じなかった。
2日目、3連覇を狙う横綱照ノ富士は幕内若隆景を下して2連勝。
相手の低い当たりから腕をたぐられ、押し込まれたものの、最後は小手投げで土俵際に転がした。
初日の幕内大栄翔戦に続いて苦戦とも受け取れる展開となったが、横綱は「落ち着いてやれたんじゃないかなと。一人で相撲を取っているわけじゃない。相手のいることなので、そのときの状況で落ち着いてやっていこうと思っている」と冷静だった。
この日の白星で昨年秋場所13日目から20連勝。
それでも本人は「特に考えていない」と気にしていない。
記録については「そういうことにこだわっているわけではないので」と話すように、まさに不動心≠貫いている。


正代

正代は宇良を潜り込ませず、一気に押し出した。
顔を合わせるのは2017年以来。過去2戦2敗だっただけに、「苦手意識もあって、ちょっとやりづらかった」と率直に打ち明けた。
土俵下に転落した宇良がふらつく場面もあった。正代は「自分は大丈夫だったが、宇良関は頭から落ちたんじゃないかと思う」と、心配そうな表情を浮かべていた。


御嶽海

三役常連の御嶽海が危なげなく2連勝。
大関昇進の期待に応えるべく、新年最初の場所で活躍を狙う。
206キロの巨漢・逸ノ城得意の右四つを封じようと、左から当たった。
相手が前に出てくるところを回り込み、体を入れ替えて最後は押し出した。
「立ち合いで押し込まれたが、下から攻めたのがよかった」と御嶽海。
「ここまではいつも通り。しっかり白星をつなげて気持ちよく進みたい」と話した。


明生

集中力は切らさなかった。
明生が先場所に続いて貴景勝を撃破。
押し込まれたものの、うまく右に回り込んで突き落とし。
大関の圧力に屈せずに白星をつかみ取り、「やれることをやった」と、静かに勝利の味をかみしめた。
昨年は、最後に悔しさを経験した。
けがもあり、十両に落ちていた2020年の7月場所から、6場所連続で勝ち越して新小結に昇進したが、関脇2場所目の先場所で負け越した。
久々の苦さを一年の納めで味わう中、収穫はあった。


宇良

10日、人気業師の東前頭2枚目宇良が、大関正代との取組で背部を強打し、車いすで搬送された。
宇良は正代に左を差されると、圧力を逃がせないまま一気に押し出された。
正代とともに土俵下へ落下し、宇良は背面を強打。
なかなか立ち上がることができず、勝った正代も手を貸すなど気づかった。
ともに土俵上へ戻り、正代が勝ち名乗りを受けようとした時だった。
ふらつく宇良は直立できず、行司の式守伊之助や呼び出しも状態を危険視するように声をかけた。
宇良は呼び出しの肩を借りて土俵下へ。
花道で車いすに乗り、治療に向かった。
正代の勝ち名乗りは、間を置いて行われた。
幕内後半戦の藤島審判長は「脳振とうじゃないか。上位にくると圧力のある人ばかり。どうしてもああいう相撲になる」と、宇良の状態を心配していた。


阿炎

10日、西前頭6枚目の阿炎が千代翔馬を押し出しで下し2連勝とした。
阿炎は「千代翔馬関は技が多いので、自分の距離で相撲を取ることだけ考えた。自分の中でしっかりやっていけば、いい方向にいくと思っている」と手応えを感じていた。


王鵬

10日、祖父の背中はまだ遠いかもしれないが、いつか新たな時代を背負って立つ。
そう期待せずにはいられない。
新入幕の王鵬が初日から2連勝の好スタート。
昭和の大横綱である祖父、大鵬から受け継いだ素質を開花させるときがきている。
得意は押し。
琴恵光にもろ差しを許す不利な体勢になったが、攻めることしか頭になかった。
左からおっつけながら突き落とし。
「突き落としてしまいましたが、引く気はなかった。正面で我慢して取れた」と持ち味を出し切り白星をつかみ取った。


ABEMA大相撲センター試験をオープン

新しい未来のテレビ「ABEMA(アベマ)」は、「ABEMA大相撲LIVE」と連動したオリジナルサイト『ABEMA大相撲センター試験』をオープンした。 『ABEMA大相撲センター試験』は、1月9日の初場所から放送を開始した「ABEMA大相撲LIVE」との連動サイト。視聴者に場所開催中、力士とともに勝負をする感覚で『ABEMA 大相撲センター試験』に挑戦してもらうことで、より大相撲のことを深く理解し、楽しみながら取り組みを視聴できるというもの。 本場所開催期間中、「ABEMA大相撲LIVE」の番組内で大相撲に関するクイズが出題され、『ABEMA 大相撲センター試験』にてクイズに回答していくと、正答数に応じて番付が発表される。 大相撲と同様に「横綱」「大関」「関脇」「小結」「平幕」と五段階で格付けされ、本場所終了時の番付上位者のなかから抽選で10名に日本相撲協会が発売する「横綱全勝セット」(6,000円相当)がプレゼントされる。




2022/01/10
大相撲ニュース
照ノ富士

緊張感漂う初日の相手は大栄翔。
難敵を下しての白星発進に「ちゃんと受けていこうと思ったが、ああいう相撲になってしまった」と、苦戦を強いられたことを素直に認めた。
大栄翔は、新横綱だった昨年の秋場所で初めて金星を与えた実力者。
押し込まれて右足一本で踏ん張った後、休まずに動く相手をつかまえ切れない。
これにいら立ったのか、あまり見せない張り手も繰り出した。
最後は、中に入られかけたところをはたき込み。
「体が自然と動いてくれている」。
理想とする相撲からは遠くても、普段の稽古が生きた。
今年の抱負は、現在6度の優勝回数を2桁に乗せること。
「目標を大きく持たないと、モチベーションは保てない。毎年そういう目標を立てて、それに向けてやっている」。
第一人者だった白鵬が昨年、土俵を去り、言葉には覚悟と自信がより一層にじむ。
「始まったばかりなので、気合を入れていきたい」と自らに言い聞かせた。
慢心なく土俵を務めれば、今年も照ノ富士の一年になる。


貴景勝

9日、大関貴景勝は幕内若隆景を下して白星スタートを切った。
立ち合いから前に出て一気に押し出した大関は「もう終わったこと。また明日に向けて頑張りたいです」と表情を変えることなく振り返った。
昨年は綱とり挑戦失敗や首の負傷もあり2度カド番を迎えたが、いずれも脱出。
一方、先場所は最終的に12勝(3敗)を挙げながらも、13日目の幕内阿炎に黒星を喫してV争いから脱落した。
賜杯は一昨年11月場所から遠ざかっており、今場所にかける思いは強い。
「去年も妥協してやったわけではない。今年も引き続き頑張っていきたい」と静かに闘志を燃やす貴景勝。


正代

9日、大関正代はひやひやの初日となった。
立ち合いから霧馬山を押し込んだ土俵際、残されてもろ差しを許し、逆に土俵際に詰められた。
絶体絶命のピンチだったが、執念の小手投げが決まった。
「土俵際に押し込むのと同時に自分の体も起きてしまって厳しい形になった。白星で始まったのはいいと思うが内容的には…。土俵際落ち着いて寄り切れるよう持っていきたい」と反省しきりだった。


豊昇龍

9日、元横綱朝青龍を叔父に持つ、東前頭6枚目の豊昇龍が新年から切れ味抜群の技を披露した。
得意の右四つではなかったが、千代翔馬を組み止めると右からの外掛け。
これがきれいに決まった。
「まあ、一日一番、大事にしていきたい気持ちがあります」。
取組前の幕内土俵入り後に中日スポーツ、東京中日スポーツ制定「第58回大相撲幕内最優秀新人賞」の表彰式があり、佐藤敦東京中日スポーツ総局長から賞状、賞金、記念盾を受け取った。
2002年の初場所で同じ新人賞の表彰を受けた叔父さんは、その年に大関まで駆け上がっている。
伸び盛りの豊昇龍にも叔父さんのような期待がかかる。
部屋では30番から40番の稽古を積み、昨年12月の合同稽古でも20番以上の申し合いを続けた。
「やるだけやってきたので、あとはやるだけですね」。
稽古が確かな自信となっている。


阿炎

9日、先場所優勝争いを演じた西前頭6枚目・阿炎が完勝発進だ。
もろ手で立って同7枚目・宝富士の体を起こすと、回り込む相手をさらに攻めて押し出した。
「前に出られて相手得意の相撲を取らせなかったのが良かった」と、うなずいた。
今場所も力強い内容での白星。
それでも「一番一番集中して、自分の相撲を取りきる気持ちで臨んでいる」と自らを見つめる。
22年の目標には「見ている人たちに認めてもらえるよう、努力を重ねる1年にしたい」と決意を語っていた。


若元春

9日、新入幕の東前頭15枚目の若元春が、西前頭14枚目の一山本を寄り寄り切りで下して白星発進した。
立ち合いで低くぶつかってきた一山本に当たり負けせず、足を踏み込んで前に出た。
「押し込みながら左を差して(右)上手を取るのが1番いい形」と話すように、体を寄せながら左を差し、右上手を取って寄り切った。
見事に白星発進を飾り「緊張は特になかった。何回もやっている相手なので」と堂々と口にした。
弟の若隆景と史上12組目の兄弟幕内で臨む今場所。
弟と同じく「1日一番の気持ちで」と引き締めた。
報道陣に「弟と同じことを口にしている」と突っ込まれると「あれ(若隆景)は集中力を高める『1日一番』。僕のはプレッシャーに負けないための『1日一番』です」と兄弟だからこそ分かる違いを説明した。


王鵬

9日、「昭和の大横綱」を祖父に持つ大器が、幕内デビューを白星で飾った。
新入幕の東前頭18枚目王鵬が西前頭17枚目魁聖を押し出し。
鋭い出足で三役経験者を圧倒した。
元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の三男。
入門から4年で立ったあこがれの幕内の土俵で、好スタートを切った。
会場の熱気に圧倒されながらも、王鵬が迫力満点の押し相撲を見せた。
194キロの巨漢、魁聖に対して、強烈な左おっつけで主導権を握った。
まわしを遠ざけて一気に押し切り「すごく重かったけど、前に運べて良かった」。
191センチ、181キロのホープは納得の表情を浮かべた。


初場所2日目

大相撲初場所は2日目、3場所連続優勝に向けて白星スタートを切った横綱・照ノ富士は前頭筆頭の若隆景と対戦します。
今場所に103年ぶりとなる新横綱からの3場所連続優勝がかかる照ノ富士は初日、小結・大栄翔との熱戦を制して白星スタートを切りました。
10日の2日目は前頭筆頭の若隆景の挑戦を受けます。
過去の対戦は照ノ富士が7勝1敗と勝ち越していて、四つに組み合ってまわしをつかむ展開になれば横綱は万全です。
一方の若隆景は持ち味のスピードを生かして動きを止めず、チャンスを探りたいところです。
大関・貴景勝は小結の明生と対戦。過去の対戦は3勝3敗と五分の星で、貴景勝は先場所も敗れています。
大関・正代は前頭2枚目の宇良との一番で、過去の対戦では宇良が2回ともに勝っています。
ともに白星スタートとなった大関2人ですが、2日目は難しい相手との一番となります。




2022/01/09
大相撲ニュース
照ノ富士

9日、照ノ富士は昨年の秋場所と九州場所の優勝額贈呈式に出席。
栃木山以来103年ぶりの新横綱から3連覇を期す初場所へ「15日間いい相撲を見せて頑張りますので、応援よろしくお願いします」と静かに闘志を燃やした。


初場所

9日、東京・両国国技館で初日を迎える。
8日は土俵祭が行われ、八角理事長(元横綱・北勝海)らが場所中の安全を祈願した。
新型コロナウイルスの感染が急速に広がり、大相撲でも田子ノ浦親方(元前頭・隆の鶴)ら4人が感染して、大関経験者の前頭・高安ら田子ノ浦部屋所属の力士14人全員が全休となった。
東京場所を担当する尾車事業部長(元大関・琴風)は報道陣の電話取材に応じ、「(2021年12月25日に)全員の検査をした時は(陽性反応が)一人も出なかった。
感染力が想像以上に強い。
場所中に感染者が出ないよう15日間、みんなが注意を払って千秋楽を迎えたい」と話した。


大相撲「3大クイズ」「大相撲検定」

日本相撲協会は8日、今年から「3大クイズ」を実施、協力することを発表した。
初級から上級までさまざまなクイズを用意しており大相撲を楽しめる。
「大相撲QUIZ」は目指せ相撲博士!と題し、9日から1日1問連日更新する。
協会特設HP https://www.sumo.or.jp/Entertainment/quizで実施。
「ABEMA大相撲センター試験」は初場所から各本場所で15日間、ABEMA大相撲LIVE放送時間中に大相撲にちなんだ問題を毎日出題する。
ABEMA大相撲の特設ページ https://abema-sumo.com/で実施。
「大相撲検定」は6月に開催を予定。
1500年以上続く日本の伝統文化である相撲の世界をより深く知ることを目的に、オンラインのテスト形式による日本相撲協会公式の検定だ。
詳細は後日、発表する。




2022/01/08
大相撲ニュース
照ノ富士

9日に東京・両国国技館で初日を迎える。
一人横綱として2場所目の照ノ富士は、重圧との闘いを苦にする様子はない。
優勝を果たせば新横綱から3場所連続で、1919年夏場所の栃木山以来、103年ぶりの偉業となる。
照ノ富士は初日から難敵の大栄翔の挑戦を受ける。
両膝に古傷を抱える中、最近は強引な取り口が目立たなくなった。
師匠の伊勢ケ浜親方は「優勝を何回もしている。安定感が出てきていると思う」と評価。
今場所も賜杯争いの中心となるだろう。


貴景勝

稽古も本場所も日々の積み重ね。
大関貴景勝はこう肝に銘じている。
苦しんだ昨年を振り返り、かみしめるように「いろいろと経験させてもらった」。
試練を糧に初場所に臨む。
稽古場では表情を変えず課題に取り組んでいる。
若い衆に助言を与えながら、スクワットや腕立て伏せで汗を流す。
時折鏡の前に立って筋肉の付き具合を確認する。
「自分は次の日のことしか考えない」。
相撲を取る相手や負荷の加減など、稽古の詳細な日程を事前に決めない。
微妙な体の変化を意識しながら慎重に進めるのが今の調整法だ。


御嶽海

日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜審判部長が7日、関脇御嶽海の大関昇進について「全勝優勝すればそういう話になるんじゃないですか」などと言及した。
9日に初日を迎える初場所の取組編成会議後に、報道陣の電話取材に応じた。
3場所連続の関脇で臨む御嶽海は、昨年9月の秋場所で9勝、同年11月の九州場所で11勝を挙げて、合計20勝としている。
大関昇進の目安は「三役で3場所33勝」。
審判部は初場所が大関とりの場所になると明言はしていないが、同場所で13勝を挙げれば数字上は達成する。
しかし、伊勢ケ浜審判部長は「数字じゃない。それはあくまで目安であって、相撲の内容とかそういうのがありますから。その時の周りの力士たちのこともある。そういうのを全部見て総括的に判断します」と15日間の相撲内容にも注視する構えだ。
その上で「当然、全勝優勝すればそういう話になるんじゃないですかね。そうならないといけないので予想する必要はない。本人が頑張ればいい」と全勝優勝を求めた。
過去2度の優勝を果たしている御嶽海だが13勝が最多。
高いハードルが設けられた。


阿炎

先場所12勝を挙げて敢闘賞を獲得した前頭阿炎が7日、電話取材に応じ、愛する妻子のためにも快進撃を誓った。
この日の取組編成会議で初日は宝富士、2日目は千代翔馬との対戦が決まった。
部屋で幕下力士らと連日15番前後の稽古をこなし「順調に準備はできている」と不安はなし。
先場所は優勝の可能性が消えた後の千秋楽に敗れ、師匠から最後の気の緩みを指摘されたといい「そう思われないような、集中しきった相撲を取りたい」と意気込んだ。


ポケモンの行司装束

7日、大相撲初場所で、ゲームなどで人気の「ポケットモンスター(ポケモン)」と伝統的な和柄がデザインされた行司装束や、オリジナルの化粧まわしをお披露目すると発表した。
昨年11月の九州場所から、互いの魅力を発信する取り組みを行っている。
九州場所では、おなじみの「ねずみポケモン ピカチュウ」などの懸賞旗が15日間で計64本出された。
初場所では200本以上の懸賞旗が登場予定。
国技館内ではポケモンにまつわる展示も実施される。


英乃海、紫雷 事情聴取

木瀬部屋所属の平幕、英乃海と新十両の芝改め紫雷が、埼玉県内の違法賭博店に出入りし、賭博に関与した疑いがあるとして、埼玉県警から事情聴取を受けていたことが7日、捜査関係者への取材で分かった。
同県警は容疑が固まり次第、2人を賭博容疑で書類送検する方針だ。


オフィシャルパートナー

日本相撲協会は7日、オフィシャルパートナーの取り組みを今年1月から開始し、3カテゴリーで最上位の「オフィシャルトップパートナー」として、飲料メーカーの伊藤園との契約締結を発表した。
同社は年6度の本場所で広告を掲示し、館内に専用ブースを設置。
情報発信を行っていく。
伊藤園は「おーいお茶」の主力商品で知られる。
相撲とお茶は日本の伝統文化であるという共通項。
伊藤園の本庄大介社長は「相撲とお茶の魅力を世界中に発信し、日本文化の発展と認知拡大に貢献したい」とコメントした。




2022/01/07
大相撲ニュース
王鵬

大横綱大鵬の孫、王鵬が2018年初場所の初土俵から4年をかけて新入幕を果たした。
191センチ、181キロ。
恵まれた体も受け継いだ21歳は、突き押しを磨き、じっくり力をつけてきた。
「持っているものがどれだけ通用するか楽しみ」。
新年初日を心待ちにする。
先場所は東十両7枚目で11勝を挙げ昇進。
立ち合いから圧倒する相撲も増えてきた。
「地力がついたことを実感できている。得意な形になれば負けない」と自信を深めている。
祖父は新入幕の場所で12勝を挙げている。
「12番に近づきたいとかではなく、しっかり勝ち越して、そこからさらに勝てるように」と王鵬。
一気に番付を駆け上がるつもりだ。


NHK福祉大相撲

「NHK福祉大相撲」を2022年2月11日(金・祝)に国技館で開催すると報道がありました。

開場:午後0時10分/開演:午後1時/終演予定:午後5時30分

この催物の純益等で、障害者福祉・高齢者福祉の施設や団体などに、福祉車両「福祉相撲号」を寄贈します。
「福祉相撲号」は、これまで全国各地に321台贈呈しており、障害児・者や高齢者の福祉に役立てられています。




2022/01/05
大相撲ニュース
田子ノ浦部屋感染で全休

日本相撲協会は4日、田子ノ浦親方と、田子ノ浦部屋所属の幕下以下2力士、一等床山の床鳴の計4人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。
東前頭7枚目の高安を含む全力士14人ら同部屋所属の協会員計18人は陽性者および濃厚接触の可能性があるとして、大相撲初場所の全休が決まった。
今後は保健所の指示に基づき、濃厚接触者の調査や療養などの対応を行う。
場所前に感染者が出て全休措置が取られるのは昨年秋場所の宮城野部屋以来で、横綱白鵬らが休場した。
芝田山広報部長によると、田子ノ浦部屋のマネジャーが4日朝に体調不良を訴え、抗原検査で陽性が判明。
すぐに部屋全員が検査を受けたという。
新変異株のオミクロン株かどうかは不明といい「まだ陽性者が出る可能性もある」と警戒感を示した。




2021/12/23
大相撲ニュース
違法賭博の疑い

日本相撲協会はいずれも木瀬部屋に所属する、幕内力士の英乃海と、来月の初場所で十両に昇進する紫雷が、違法賭博に関与した疑いがあるとして、初場所を休場することになったと発表しました。
日本相撲協会によりますと、英乃海と紫雷は違法賭博に関与した疑いがあり、処分の対象となる可能性があるため、師匠の木瀬親方の判断で初場所を謹慎休場させることになったということです。
関与の疑いのある時期など詳しい内容については調査中としています。
英乃海は東京都出身の32歳。
平成24年の夏場所が初土俵で、先月の九州場所は前頭9枚目で8勝7敗と勝ち越していました。
また、紫雷は東京都出身の29歳で、平成26年春場所で初土俵を踏みました。
九州場所は幕下2枚目で5勝2敗で勝ち越して初場所で十両に昇進することが決まり、しこ名を「芝」から改名したばかりでした。
日本相撲協会の芝田山広報部長は「どういう違法賭博なのか調査中なのでわからない。2人だけに限るのかもまだわからない」と述べました。
そのうえで「調査をしてみなければわからないことだが、休場させるという決断にいたったというのは非常に残念であり遺憾だ」と述べました。


志摩ノ海 婚約

幕内志摩ノ海(32=木瀬)が22日に東京・墨田区の部屋で会見を開き、婚約を発表した。
お相手は元タカラジェンヌの天咲千華(あまさき・ちはな)でヨガインストラクターの福薗清香さん(34)。
先代井筒親方で元関脇逆鉾の福薗好昭氏(故人)の長女で、角界とも深い縁がある。
志摩ノ海は角界関係者の紹介で清香さんと10月上旬に初対面し、結婚を前提に交際をスタート。
そこから3、4回のデートを経てスピード婚約となった。
志摩ノ海は「(清香さんは)やさしくて気配りのできる方。
明るく、ともに成長していける関係で家庭を築いていきたい。
身が引き締まる思いで、また相撲に精進できる。
もっと上を目指して頑張りたい気持ちが、さらに持てました」と心境を語った。
清香さんは「笑顔のすてきな方。関取のやさしいお人柄と思いやり深いところにひかれました。厳しい勝負の世界で生きていらっしゃる方なので、家に帰られた時だけでも心が安らいでいただけるサポートをしていければ」と幸せいっぱいの表情だった。


荒磯親方が伝統の名跡へ

荒磯親方(35)=元横綱稀勢の里、本名萩原寛、茨城県出身=が年寄「二所ノ関」を襲名することが19日、関係者の話で分かった。
師匠を務める荒磯部屋は初場所(来年1月9日初日・両国国技館)から二所ノ関部屋に名称が変更。
既に日本相撲協会理事会でも承認されている。
現在の二所ノ関親方(元大関若嶋津)は来年1月12日に65歳になり定年となる。
「二所ノ関」は五つある一門の一つで伝統の名跡。
関係者によると、将来的には相撲協会の中心を担ってほしいとの期待が込められているという。
二所ノ関部屋は13年に閉鎖されたが、14年12月に松ケ根部屋からの名跡変更で復活した。




2021/12/10
大相撲ニュース
来夏から巡業再開検討

大相撲の年寄総会が9日、東京・両国国技館で行われ、来夏から巡業の再開を検討していることが報告された。
新型コロナウイルスの影響で昨年春場所後の春巡業から中止が続いていた。
巡業開催なら2019年の冬巡業以来となる。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「来年春(巡業)までは中止。夏(巡業)以降に関しては状況によって開始する」と説明。
現在、巡業部が収容人数、感染対策など準備を進めている。


相撲協会理事候補

相撲の二所ノ関、時津風一門は9日、都内で会合を開き、初場所(来年1月9日初日、東京・両国国技館)後に実施の日本相撲協会役員候補選挙で、二所ノ関一門は理事候補に現職の芝田山親方(元横綱大乃国)、花籠親方(元関脇太寿山)と新たに佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)が立候補する方針を確認した。
出席者が明らかにした。
時津風一門は陸奥親方(元大関霧島)と伊勢ノ海親方(元前頭北勝鬨)が立候補の見通し。
現職理事の二所ノ関一門の尾車親方(元大関琴風)、時津風一門の鏡山親方(元関脇多賀竜)は任期中に定年の65歳になるため立候補できない。


合同稽古は20日から

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は9日、来年の初場所(1月9日初日、東京・両国国技館)に向けた合同稽古について、今月20〜23日に国技館内の相撲教習所で行うと発表した。
年内には、全協会員を対象とした新型コロナウイルスのPCR検査を実施する予定。


伊勢ケ浜一門が会合

大相撲の伊勢ケ浜一門は6日、都内で会合を開き、関係者によると、来年1月の初場所後に実施見込みの日本相撲協会の役員候補選挙で、理事候補に現職の伊勢ケ浜理事(元横綱・旭富士)を擁立することを確認した。
伊勢ケ浜理事は現在、審判部長を務めている。


白鵬の記録がギネス認定

現役引退した元横綱・白鵬の間垣親方が今年達成した五つの記録が、ギネス世界記録に認定された。
3日、東京・両国国技館で間垣親方に公式認定証が贈呈された。
認定された記録は、幕内優勝の最多回数(45回)▽横綱在位の最長期間(84場所)▽幕内通算勝利の最多回数(1093勝)▽大相撲通算勝利の最多回数(1187勝)▽幕内全勝優勝の最多回数(16回)。
間垣親方は「最後の最後に、うれしいご褒美をいただきました。今後も親方として精いっぱいがんばります。ギネス世界記録をもらえるような弟子を育てていきたい」とコメントした。
間垣親方は現役時代の2015年に歴代単独最多の幕内優勝回数を更新し、ギネス世界記録に認定された。


春場所開催方針

日本相撲協会は2日、東京・両国国技館で理事会を開き、来年春場所(3月13日初日、エディオンアリーナ大阪)の開催方法に関し協議し、入場定員数を通常の75%、約5500人予定とすることを決めた。
政府の方針に沿い現在の上限50%から動員数を増やす。
たまり席、いす席は全席販売、通常4人の升席は2人掛けで使用する。
来年初場所(1月9日初日、両国国技館)は従来通り、上限50%のまま開催する。




2021/11/29
大相撲ニュース
照ノ富士

千秋楽、横綱照ノ富士が大関貴景勝を力強く押し出して快勝。
自身初の全勝で2場所連続6度目の優勝に花を添えた。
名実ともに一人横綱で臨んだ今場所は重責やヒザの古傷など懸念材料もある中、1962年の大鵬以来となる新横綱からの連覇を達成。
今後も角界のけん引を期待される横綱は、若手力士の壁となって立ちはだかる決意を口にしている。
照ノ富士は初の全勝優勝を達成し「今までできなかったのでうれしい。ちょっとずつ理想の相撲になりつつあるのかな」と充実の表情を浮かべる一方で「(理想の相撲が)引退まで100%になることはない。100%に近い相撲を取るために一生懸命やっていきたい」と今後に向けて気を引き締めた。


貴景勝

千秋楽、大関・貴景勝は、横綱・照ノ富士に押し出しで敗れて3敗目。
最後の一番に敗れたものの、12勝3敗の成績で一年納めの場所を終えた。
立ち合いから押し合った一番。
低く当たる大関に対し、横綱も膝を曲げて受け止める。
離れて見合った状態からいなしてのど輪で攻めたが、こらえた照ノ富士が前進。
はたきにも落ちず、最後は押し出された。
取組後のリモート取材では「もっと強くなるしかない」と、淡々と敗戦を受け止めた。


御嶽海

御嶽海は左四つになると、巻き替えようとする正代を難なく押し出した。
昨年7月場所以来の11勝を挙げ、「気持ちいい。来場所もしっかりと2桁取れる自信になった」。
大関とりへの足掛かりをつくり、手応えを強調した。
八角理事長は白星の数を評価しつつも、平幕相手に3敗を喫した内容に「波をなくすことが大事。気持ちが入らないときこそ、気合を入れるのが大事」と指摘。
御嶽海も「あとは気持ち。しっかり気持ちを乗せていけたら」と課題を自覚していた。


若隆景

若隆景が躍進の1年を白星で締めくくった。
前傾姿勢の翔猿に、右をのぞかせて攻め込む。
相手がたまらず引いたところを一気に前進。
2勝7敗から6連勝で勝ち越した。
新型コロナウイルスに感染して初場所を全休したが、名古屋場所では新三役に。
「幕内上位で相撲を取れたのは自信につながった。まだまだ地力が足りないので、もっともっと稽古したい」と意欲的に話した。


隆の勝

千秋楽、西前頭2枚目隆の勝が、西前頭15枚目阿炎を押し出しで下して敢闘賞を獲得した。
好調の阿炎に対して、鋭い出足で立ち合いで圧倒。
一気に前に出て押し出した。
勝てば敢闘賞受賞の条件付きだったことを取組直前に知ったといい「少し緊張したけど、本当にうれしいです。勝ててよかった」を笑顔だった。
今場所は11勝を挙げ、上位陣の成績を見ると、来年1月の初場所での三役復帰が確実となっている。
弾みをつける三賞獲得となり「前に出る相撲が評価されたのかなと。自信になるし、いい感じで来場所につながると思う」と手応えを口にした。


宇良

千秋楽、東前頭7枚目の宇良は千代丸の足を取りにいったが、あと少しのところで届かなかった。
逆に上手を取られてばったり。
千秋楽を白星で締めくくることはできなかったが、それでも宇良に笑みが浮かんだ。
何といっても初の三賞を獲得。
それも念願だった技能賞だ。
「相撲界に入ってからの夢だったので。1つの夢がかなえられてよかったです」と素直に喜んだ。
けがをする前の2017年夏場所。
入幕2場所目で11勝4敗という好成績を残した。
それでも受賞とならず「技能賞、欲しかったです」と残念そうにつぶやいていた。
今場所は足取り、とったり、肩透かしなど宇良らしさが全開。
三賞選考委員会では満場一致で決まった。
「途中、けがもあって2度と取れないと思っていたので、ほんとにうれしいです」と満面の笑みだった。


北勝富士

千秋楽、西前頭12枚目の北勝富士が、11勝4敗の好成績で終えた。
幕内上位が定番だったが、先場所は休場があり、18年名古屋場所(東16枚目)以来の前頭2桁台で相撲をとった。
それだけに「番付を落とした分、少しは元いた地位に近づけたかなと思います」と話し、「上位と下位の違いを肌で感じた。同じ幕内でも世界が違う」としみじみ話していた。


阿炎

西前頭15枚目の阿炎は引いてしまい隆の勝に押し出されたが、自己最多となる12勝3敗で終え、敢闘賞を受賞。
新型コロナウイルス対策のガイドライン違反で、3場所出場停止の処分を受けてからは自分と向き合い、押しに徹する素晴らしい内容。
14日目には照ノ富士をあと一歩のところまで追い詰めた。
「自分の相撲で取れたので、すごく意味のあるものだと思います」と話したが、14場所ぶり3回目の敢闘賞にふさわしかった。
それでも「勝って締めたかったというか、自分の相撲を取れずに終わったのでまた課題が出きました」と気を緩めることはない。
「まだ自分自身では変われたか分かってないですけど、相撲と向き合えた1年でした。家族との会話も大事にしてきました。変わるための1年だったので、これで止まらずもっと変われる1年にしたい」と来年への誓いを立てていた。


千秋楽 満員御礼

日本相撲協会は九州場所千秋楽の28日、会場の福岡国際センター内に「満員御礼」の垂れ幕を下げた。
協会広報部によると、東京・両国国技館で行われた昨年1月の初場所千秋楽以来。
この日の千秋楽は、収容人数の半分にあたる約3700人の観客が集まった。
八角理事長は協会あいさつで「コロナ禍の大変な中、今年一年、大相撲を支えていただき、協会員一同、心から感謝しております。本当にありがとうございました」と述べた。


年間最多勝

大相撲九州場所が28日に終了し、秋場所中に年間最多勝を確定させていた横綱照ノ富士は77勝だった。
70勝を超えたのは、81勝だった平成26年の白鵬以来7年ぶり。
横綱の年間最多勝は17年の白鵬以来となった。
2位は関脇御嶽海で55勝。
大関陣は正代が52勝で3位、2度の休場があった貴景勝は45勝にとどまった。
今年は新型コロナウイルスの影響を受けながらも、6場所を実施した。




2021/11/28
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士が一人横綱としての重責を果たした。
初日から白星を重ね、14日目での優勝に「ほっとしている。一生懸命やっただけ」。表情を変えずに話した。
勝てば優勝の一番は平幕阿炎が相手。もろ手で突き、迷わず前進してくる相手のペースで土俵際まで後退した。
しかし左足で残し、相手のハズを外して右で抱える。離れようとしてバランスを崩した阿炎を押し倒した。
横綱白鵬が秋場所後に引退。責任が一層増した九州場所に「受けて立つ気持ち」で臨んだ。
相手の形になっても、最後は負けない相撲が目立った。
この日も押し込まれたように見えたが、あえて自分から上体を起こすことで、相手の上体も起きてつかまえやすくなる。
今場所の阿炎の取組を見て、研究しながら練っていた作戦だった。
両膝のけがなどで序二段まで番付を落とした時に決めたのは「毎日、一生懸命」ということ。
日々の稽古、対戦相手の研究など努力を欠かさない姿勢こそが、新横綱場所からの連覇、今年4度目の優勝を手繰り寄せた。
師匠の伊勢ケ浜親方は「十分責任を果たした」とたたえ、八角理事長も「一人横綱で大変なところをよくやった」と称賛した。
千秋楽は自身初の全勝優勝が懸かる。
「そう簡単なことではない。チャンスがあればつかみたいと思う」。
大関返り咲きを果たし、番付の最高位まで上り詰めた一年を最高の形で締めくくる。


貴景勝

14日目、貴景勝は一方的に正代を突き出して大関対決に快勝した。
前日、平幕の阿炎に敗れた影響は感じさせず、「また、しっかり準備してやった。きょうはきょうなので」と振り返った。
今場所は9日目まで照ノ富士と並走したが、その後2敗を喫し、目の前で千秋楽を待たずに優勝を決められた。
「負けている自分が悪いだけ。別にあまり思うところはない。勝ちたければ(自分が)全部勝てよ、という思い」。
悔しさは隠せなかった。


御嶽海

14日目、御嶽海が大関とりへの起点作りとなる10勝目を挙げた。
おっつけ、のど輪を受けて土俵際に後退も、回り込んではたいた。
夏場所以来の10勝も「後半戦で自分の相撲が取れなかった。もうちょっと早くいけた」と反省。
今年最後の一番に向けて「気持ちよく終わりたい」と昨年7月場所以来の11勝を狙う。


元小結・千代鳳 引退

大相撲の元小結・千代鳳が現役を引退し、年寄・佐ノ山を襲名することになりました。
九重部屋の千代鳳は、鹿児島県志布志市出身の29歳。
平成20年夏場所で初土俵を踏み、力強い突き押しで番付を上げて、平成25年夏場所で新入幕を果たしました。
平成26年の夏場所では、小結として初めて三役に昇進しました。
鹿児島県出身力士の新三役は、平成4年秋場所の旭道山以来22年ぶりでした。
また、兄の千代丸も幕内に昇進し、兄弟ともに幕内力士として活躍しました。
千代鳳は、その後、けがなどもあって、平成29年の初場所を最後に幕内には復帰できず、東の幕下12枚目で迎えた今場所は、1勝6敗の成績でした。
日本相撲協会は27日の理事会で、千代鳳の引退と年寄・佐ノ山の襲名を承認したと発表しました。
千代鳳は28日、引退の記者会見を行う予定です。




2021/11/27
大相撲ニュース
照ノ富士

一人横綱が2連覇へ王手をかけた。
13日目、横綱照ノ富士が関脇御嶽海を一方的に寄り切って無傷の13連勝を決めた。
危なげない相撲で圧勝した取組後は「集中して当たろうと思っていた。残り2日間、頑張っていきたい」と淡々と語った。
ここまで1敗で並んでいた幕内阿炎と大関貴景勝の直接対決は阿炎に軍配。
本来は横綱と大関の対戦となる割が崩され、14日目に阿炎と直接対決することになった。
照ノ富士が勝てば2場所連続6度目の賜杯を手中に収めることになるが「土俵に上がったら変わらない。一日一番の気持ちでやっている」と格下相手にも一切の油断を見せなかった。


正代

正代が玉鷲を寄り切り、初場所以来で大関昇進後2度目の2桁白星に王手をかけた。
強く胸から当たって左を差して前進。
「立ち合いでよく足が出た。この調子でいきたい」と手応えを語った。これで4連勝。
「九州場所だから一番でもいい相撲を」と地元ファンを喜ばせている。
日本相撲協会は13日目の打ち出し後からコロナ下での協会員の行動制限を緩和し、部屋後援者らとの会食を条件つきで認めたが、大関は「流れを変えるのは良くない」と相撲としっかり向き合う構えだ。


宇良

宇良が206キロの巨漢、小結逸ノ城を翻弄(ほんろう)した。
前傾姿勢で頭をつけ、抱え込まれそうになったところで左腕を抜きながら横について相手の左腕を取ると、そのまま振り回すようにして「肩透かし」。
大きな相手を土俵にはわせ、「重かった」と率直な感想を口にした。
これで10勝目。
星が伸びており、東前頭7枚目ながら14日目は関脇明生と顔を合わせる。
連日、三役との対戦が続くが「あと2番あるので、余計に気を引き締めて頑張りたい」と話した。


英乃海

13日目、英乃海が大関経験者の高安を破り、勝ち越しを決めた。
勝った2016年春場所以来、5年8カ月ぶりに対戦した思いを語った。
「勝てて良かった。いい攻めができた。何より高安関に勝てたことが自信になる。巡業の時は胸を出していただき、アドバイスをいただいた。そういう面でも勝てたのでうれしい。前回は立ち合いから一瞬で勝負がついたが、今回はしっかり相撲を取って勝てた。大関になっても稽古をつけていただいていたので、もう一回顔合わせできたのは本当にうれしい。(恩返しにもなる)できているか分からないが、そういう気持ちで向かっていきました。」


阿炎

13日目、前頭十五枚目・阿炎は、ともに1敗で並んだ大関・貴景勝との一番。
立ち合い後、互角の押し合いが続くも、阿炎が回り込む貴景勝を押し出して勝利。
阿炎は1敗同士の対決を制し、優勝へ向け望みをつなぐ。
14日目に照ノ富士と対戦。
照ノ富士に勝てば、千秋楽へ望みがつながります。




2021/11/26
大相撲ニュース
照ノ富士

連覇を狙う照ノ富士にとって、終盤戦最初の難敵だった。
初土俵が同じ関脇明生には秋場所で不覚を取っている。
気負いが生じかねない状況だからこそ、「落ち着いて取ろう」。
泰然と向き合うよう努めた。
左四つで攻め込まれたが、前回対戦では取れなかったまわしに左手が届いた。
この左下手を命綱として「余裕を持ってやっていこうと思った」。
相手の寄りをこらえると、左足をはね上げながら豪快に掛け投げ。
土俵下まで転がしてみせた。


正代

正代の圧力が光った。
霧馬山に強く当たると、左を差して一気に寄り切った。
先場所敗れた相手に何もさせず、「後半に差し掛かって立ち合いも良くなってきた」。
12日目で給金を直し、手応え十分の様子だった。
熊本出身の大関にとって、大きな声援を浴びる九州場所で勝ち越して「まずは一安心」。
残り3日、優勝争いを左右する存在になるためにも「思い切りいけたら」と言葉に力を込めた。


貴景勝

12日目、大関貴景勝が東前頭5枚目高安を送り出しで下し、1敗を守った。
昨年11月場所以来3度目の優勝に向け、全勝の横綱照ノ富士を追いかける残り3日間。
13日目は、1敗同士で再入幕の阿炎との一番が組まれた。
過去2勝2敗と五分で、ここまで好調な相手を下し、優勝争いへ弾みをつけたい。
貴景勝が大関の強さを見せた。
立ち合いで、高安から右の張り手を受けたが動じずに前へ。
組まれそうになったが力強く突き放し、強烈な左の張り手を浴びせた。
休むことなく突いて出る。
左の張り手が空振りとなり、後ろ向きになった相手を送り出した。
「相手(のこと)よりも、自分が何をするかを考えていた。稽古場でやってきたことをやるだけなので」と堂々としていた。


宇良

12日目、東前頭7枚目の宇良が、前日まで2敗と好調な北勝富士との対戦を鮮やかに制して、9勝目をあげた。
頭をつけるような立ち合いから、出てきた相手を誘い込むように自ら下がる。
うまく土俵を回り込みながら、最後はとったりを決めた。
勢い余って振り上げた両腕がガッツポーズのようだった。 取組について「分からないけど、流れた感じはしましたね」と表現。
北勝富士とは同じ年の同期生。
「(幕内で)相撲がとれたのはよかった。平成4年生まれのお相撲さんは優しい人が多いと思います」。
2桁10勝目に王手をかけた。


阿炎

12日目、俵に足がかかった阿炎だが、玉鷲を押し返すと一気に土俵下に突き出した。
1敗を守る逆転勝ちを生み出したのは反省の日々で培った「深い集中」だ。
9勝2敗と好調だった三役経験者の玉鷲を「押し始めたら止まらない」と警戒していた阿炎だったが、立ち合いで後ろにはじかれた。
しかし、ひるむことなく189センチ、172キロの相手を前傾姿勢で押し戻すと、下からののど輪を連発して勝負を決めた。




2021/11/25
大相撲ニュース
照ノ富士

11日目、2場所連続6度目の優勝を目指す横綱照ノ富士が、小結逸ノ城を寄り倒して無傷の11連勝を飾り、単独首位を守った。
相四つの巨漢から、左上手がなかなか取れない展開だった。
左右に振りながら上手を取ると、すかさず圧力をかけて逸ノ城を半身にさせて、頭をつけながら体を預けるように寄り倒した。
直近4連勝中の相手に完勝とはいかず、取組後には首をかしげる場面もあった。
「立ち合いが当たれなかった。納得いく相撲ではなかった」。
前日10日目に同じく勝ちっ放しだった大関貴景勝が敗れ、単独トップに浮上した。
1敗勢2人、2敗勢3人が追走するが、心境については「変わりません」と淡々としていた。


貴景勝

11日目、大関貴景勝が押し出しで遠藤を下し、連敗を回避した。
油断できない相手だった。
遠藤との対戦成績は6勝4敗(不戦勝含めず)で、最近は2連敗している。
「まあ、勝つためにはどうしたらいいか考えただけです。まあまあって感じです」。
前まわしを狙いにきた遠藤をよく見て突き放し、最後はまわしを取られたが、迷わず前に出た。
八角理事長は「よく相手を見ていましたね。いい相撲で勝ってる」と貴景勝の考えた相撲を評価した。


御嶽海

連敗すれば優勝争いから脱落し、目標の2桁勝利も厳しくなる大事な一番。
好不調の波が激しい御嶽海が難敵の元大関を相手に執念を見せ、土俵際で踏みとどまった。
立ち合いは頭からではなく、もろ手突きでいった。
高安の圧力にずるずると下がりかけたが、右に回りながらいなして反撃した。
すぐに左を差しての寄りで勝負あり。
この1年は1勝5敗と分が悪かった相手とあって「最後の最後まで気を抜けなかった」と胸をなで下ろした。


北勝富士

横綱が優勝争いを引っ張る場所で、前頭12枚目の北勝富士が白星を伸ばしている。
三役経験者としては不本意な地位とはいえ、終盤に入っても勢いは落ちない。
幕内最初の取組である「初口(しょっくち)」に登場した北勝富士は立ち合いで距離を取るように右腕を伸ばし、千代丸の懐に入った。
土俵際まで押し込み、最後は後ろを向かせて送り出した。
「自分の距離を大事にとった。相手の力を逃がしながら、うまい相撲が取れたかなと思う」と振り返った。


阿炎

1差でピタリと追走する西前頭15枚目の阿炎が、この日も業師の宇良を全く寄せ付けず、10勝目を挙げた。
もろ手突きで宇良を突き放すと、懐に飛び込ませまいと威力のある突き押しで宇良を横向きに。
体勢の崩した相手を、そのまま突き倒す快勝だった
。 この相撲に、報道陣の電話取材に応じた日本相撲協会の八角理事長は、阿炎の迷いのなさをこの日も強調。
「突っ張ってから全然、引く気持ちがないから、相手に力が伝わる。だから(宇良の体勢が)崩れる」と解説した。
精神的な充実ぶりにも言及し「とにかくいい相撲を取ろうという意識じゃないかな。勝つんだというのではなく、とにかくいい相撲を、というね。いなされても前に出るんだという」と前向きな気持ちが相撲に表れていることを読み解いた。
三役経験者が加わり、これで優勝争いが盛り上がる。
上位にとっては嫌な存在だが「盛り上げるという意味で、嫌な存在でなく、いい存在だね」と期待していた。




2021/11/24
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士が豪快に10連勝。
豊昇龍の両腕をきめ、持ち上げるように土俵外へ運んだ。
同じモンゴル出身の新鋭を寄せ付けず、「落ち着いて取れたのでよかった」。
これでただ一人の勝ちっ放しに。
控えの土俵下では、転落してきた高安が古傷がある右膝付近にぶつかるアクシデントもあったが、「大丈夫。あしたから頑張ります」。
短い言葉に充実感を漂わせた。


貴景勝

10日目、大関貴景勝の全勝が止まった。
明生を左から突き落とそうとしたが効かず、状態が浮いて後退し押し出された。
「まあ勝たなきゃいけないんで、よくなかったですね」と貴景勝。
9日目の取組で右膝を強打したことの影響は「ないです」ときっぱり。
照ノ富士に単独トップを許したが、まだ1差。
「しっかり準備するだけです」と11日目に視線を向けていた。


明生

成長株の明生が無敗だった貴景勝に土を付けた。
関脇が存在感を見せた。
貴景勝の突き押しを受けながら丸い土俵をうまく使って回り込み、相手が体勢を崩すと攻勢に転じた。
たまらず大関が引いたところを逃さず、最後は頭をつけるようにして押し出した。
土俵下の高田川審判長は「明生の動きが良かった。攻めながらも圧力を受けないようにして、うまくさばいて引かずに持っていった」と評した。


玉鷲

10日目、西前頭6枚目の玉鷲が碧山を一蹴した。
頭で力強く当たり、そこから一気に突き出した。
190センチ、183キロの巨漢をものともせず2場所ぶりの勝ち越しを決めた。
「良かったです。自分の相撲が取れたと思います」と笑顔をみせた。
10日目での勝ち越しは2019年初場所で初優勝して以来。
2年前の再現も期待されるが「そこはあまり意識していない。優勝争いは全然考えていない」と目の前の一番に集中している。


宇良

10日目、東前頭7枚目の宇良がスッと頭を下げて琴ノ若の懐へ飛び込んでいく。
いなされても問題にしない。
足取りの動きを見せながら、もろ差しを奪う。
さぁ、ここからが宇良の真骨頂。
流れるような動きで決めた肩透かしは、何と8日目から3日連続。
これぞ業師。
右膝を大けがする直前の2017年夏場所に並ぶ自己最速タイの10日目での勝ち越しを決めた。
相撲内容を聞かれた宇良の反応が面白い。
「分からないですね」の3連発。
4年前のことも「覚えていないです。今場所は今場所なんで。4年前の話をされても分かんないです」と素っ気ない。
ただ、10日目というスピード勝ち越しには「いやまぁ、奇跡というか、めったにこういうことはないかなと思います」。
声を大にして、あふれる思いを吐き出した。


北勝富士

10日目、北勝富士が7日目からの4連勝で2場所ぶりの勝ち越しを決めた。
佐田の海に土俵際に押し込まれたが「落ち着いて反応できた。後ろも余裕があった」と、はたき込みを決めた。
先場所の秋場所は右膝を負傷して途中休場。
それだけに「勝ち越しは自信になった。今年最後の相撲なので来年につなげたい」と来年1月の初場所を見据えた。


阿炎

10日目、西前頭15枚目の阿炎は翔猿を全く相手にせず1敗を守った。
立ち合いから突きで後ずさりさせ、その後も攻め手を緩めなかった。
「良かったと思います。
引きや、いなしがある相手なので、しっかり警戒して前に出られた」。
番付は幕内下位ながらも、元は三役経験のある実力者。
「一番一番、集中して相撲を取ることだけ考えている」。
優勝争いのダークホース的存在になってきた。


協会員のコロナ対策緩和へ

日本相撲協会の芝田山広報部長は23日、九州場所13日目の26日から、力士ら協会員が守る新型コロナウイルス感染防止対策を緩和し、条件付きで後援者らとの会食を許可すると発表した。
これまで不要不急の外出を認めていなかったが、「行動記録をつける」「師匠の許可を得る」「午後10時前には終了し、帰宿する」ことなどを求め、「接待を伴う店は禁止」とした。
芝田山部長は「13日目からであれば、万が一のことがあっても場所は終了できる。協会員は厳しい感染対策をしてきた。緩和して、気持ちをリフレッシュしてもらいたい」と説明した。


元嘉風、引退相撲をPR

中村親方(元関脇嘉風)が23日、来年2月5日に東京・両国国技館で開く引退相撲をPRした。
昨年10月に開催予定だったが、コロナ禍で2度延期。中村親方は「ようやくという感じ」と感慨を語った。
今回は土俵で相撲も取る意向。
2019年6月に右膝にけがをして同年秋場所で引退しており「19年夏場所の千秋楽が最後の一番だったが、まさかそうなるとは思わなかった。最後の時間を取りたかった」と説明した。
「ご想像にお任せします」という相手とは交渉中。
チケット料金など詳細は12月に公式ホームページなどで発表する。




2021/11/23
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士が貫禄十分に実力者の高安を退けた。
相手得意の左四つになったものの、上手をがっちりと引いて動きを止めると、圧力をかけながらの力強い寄りで完勝。
「良かったと思う」と納得の表情を浮かべた。
ここまで一人横綱の重圧は全く感じさせず、得意の右四つに組めなくても取り口には余裕がある。
先場所は9日目に初黒星を喫したが、「一日一番、集中していきたい」と言い、普段と変わらず冷静だった。


貴景勝

貴景勝は無傷の9連勝としたが、得意の突き押しだけで仕留められなかった。
豊昇龍にまわしを許し、反撃される場面も。
休まず動いて事なきを得たが、「相撲というのは、なかなかうまくいかない」とつぶやいた。
8日目は相撲内容で完敗だったものの、まげをつかんだ逸ノ城の反則で白星を拾っている。
土俵下の錦戸審判長は「自分の相撲じゃない。小手に振ったりして、本来の調子ではない」と評した。


御嶽海

御嶽海が給金を直した。
明生を突いて攻め、流れの中で引く場面こそあったものの、最後は右四つに組み止めて力強く寄り切り。
「瞬時の判断が正確にできた」と満足そうに言った。
9日目までに勝ち越しを決めたのは、初めて賜杯を抱いた2018年名古屋場所以来。
実力者ながらも調子の波があり、「いつも期待させているだけなので、そろそろ結果を出さないといけない」。
自らに言い聞かせるように話した。


阿炎

ちょっぴり反省の残る相撲内容でも、この日の白星は素直に喜べる。
7場所ぶりに戻った幕内で勝ち越しを決めた阿炎は、「うれしい」。
短い言葉に実感を込めた。
馬力のある千代大龍にもろ手で当たった。
長い腕を伸ばす前に後退させられたが、「集中して相撲を取れている」。
冷静に相手の動きを見て、タイミング良く引き落とした。
昨年7月場所中に新型コロナウイルス対策のガイドライン違反が発覚。
3場所の出場停止処分を受けて幕下から再出発した。
軽率な行動を恥じ、「相撲と向き合うことを意識していた」という日々。
落ち着いた言葉遣いに反省の念をうかがわせた。
騒動の後は家族と離れ、相撲部屋で生活を続けている。
「自分の中で『よし』、と思えた時、胸を張って一緒に住める」。
自らを律して基礎運動に励み、自己最速の9日目で給金を直した。
支えとなる家族、出直す機会を与えてくれた師匠がいる。
「相撲を取れているという感謝の気持ちで臨んでいる」。
出直しを誓った阿炎が、再起への階段をまた一歩踏みしめた。




2021/11/22
大相撲ニュース
照ノ富士

一人横綱が盤石の相撲だ。
8日目、横綱照ノ富士は幕内遠藤を押し出して、初日から無傷の8連勝とした。
立ち合いは相手の激しい当たりに若干、後退を余儀なくされる。
しかしその後は動じることなく、最後は力でねじ伏せた。
抜群の安定感で4場所連続となる自身5度目の中日勝ち越しを決めるも、取組後は「差されないようにと思って当たった。(立ち合いは)ふわっと立っちゃった。差される時もあるんで考えてやっていくしかない」と反省の弁を口にした。
土俵下の伊勢ヶ浜審判部長は「落ち着いて、ここぞというところで前に出ていた。今のペースを崩さないようにやっていけば」と戦いぶりを評価する。
それでも本人は「まだ終わっていない。残り頑張ります」ときっぱり。
4場所連続のストレート給金も通過点にすぎないことを強調した。


貴景勝

8日目、7戦全勝の大関・貴景勝は、小結・逸ノ城との一番に臨みました。
貴景勝は立ち合いで激しくぶつかると、その後は土俵中央で膠着(こうちゃく)状態に。
開始から2分30秒を超え、最後は逸ノ城に土俵の下へ飛ばされます。
軍配は逸ノ城に上がりました。
しかし、ここで「物言い」がつきます。
協議の結果、逸ノ城に「相手のまげを故意につかんで引っ張る反則があった」と認められ、一転して貴景勝の「反則勝ち」に。
貴景勝は苦しみながらも8勝目を挙げ、全勝を守りました。


御嶽海

8日目、御嶽海は立ち合いで隠岐の海に右を差されたが、前に出続けて一気に寄り切った。
寒暖差が苦手という九州場所でも足は動いており「悪くない。しっかり自分の相撲を取っていったら、勝ち越し、その上の2桁も見えてくる」と自信をのぞかせた。
隠岐の海には通算6勝5敗。
9日目の相手は西関脇の明生。


阿炎

8日目、再入幕の阿炎はもろ手突きから右のど輪で英乃海を攻め、最後は右を差して寄り切った。
2018年初場所で新入幕して以来、幕内で8日目に7勝を挙げるのは初めて。
取材には応じなかった。


元山響親方 死去

20日、日本相撲協会によると浜田真二さん(元幕内豊ノ海、元山響親方)が病気のため死去、56歳だった。
福岡県豊前市出身。
葬儀・告別式は28日午前10時から東京都杉並区和田2の14の6、東円寺会館で行う予定で喪主は妻美香(みか)さん。
200キロを超える巨体を武器に幕内を30場所務め、最高位は前頭筆頭。
1981年春場所の初土俵から一日も休まず、史上8位の1316回連続出場を記録した。
1999年春場所限りで現役を引退。
二子山部屋付きの親方になり、2002年6月に相撲協会を退職した。




2021/11/21
大相撲ニュース
照ノ富士

7日目、横綱照ノ富士が、西前頭3枚目妙義龍を下し、初日から7連勝とした。
妙義龍にもろ差しを許したが動じず、がっちり抱えて小手投げで調理。
「正面に置いて落ち着いていこうと思った。焦ってもしょうがないからね」とどっしりとした相撲で完勝した。
これで4場所連続となる初日から8連勝に王手をかけた。
7日目を終えて全勝は、大関貴景勝との2人だけに。
2場所連続優勝に向けて、日に日に期待が高まるが「まだ終わった訳ではない。終わってみないと分からない。1日1日集中してやるだけです」と引き締めた。


正代

正代は3連敗を免れた。
立ち合いで勝てず宝富士に右上手を取られたが、素早く反撃。
「良いタイミングでできた」と、うまく右を差し込み、最後はもろ差しで寄り切った。
前日は隆の勝に敗れ、この日の朝稽古では当たり方の修正に努めた。
「押し込むことができていないのでまだまだ。だんだん調子を上げて連勝していけたら」。
不満の残る内容でも白星を先行させた。


貴景勝

7日目、横綱、大関陣で無傷の7連勝とした両力士を、日本相撲協会の八角理事長も評価した。
平幕の隠岐の海と対戦した大関貴景勝は、最初の立ち合いで隠岐の海が突っかけ、仕切り直しの立ち合は迷いなく踏み込み、ほぼ電車道で隠岐の海を押し出した。
取組前に「貴景勝は(立ち合いで)当たれれば問題ない」と予想していた八角理事長は、そのとおりの展開に「(隠岐の海は立ち合いで)逃げも隠れもしない相手だから、足がよく動いていますね」と迷いのない相撲を分析。
調子の悪いときに出る引きや、いなしもない状況に「いい当たりで押せているし、足が出ているからその必要もない。相手がいい当たりをして、押せないと思うと、はたきとかが出るけど」と心と体がかみ合っている貴景勝の現状を推しはかった。


御嶽海

7日目、関脇御嶽海は新小結霧馬山を下して1敗を守った。
立ち合いから突かれるも、左に開いて突き落とし「前に出たいですけどね。でも、体は動いているのでいいんじゃないですかね」と淡々とした口調で振り返った。
5日目に初黒星を喫し、その後は2連勝ながら「昨日、今日としっくりくる相撲じゃないんでね、納得いかないです」と話す。
それでも結果的に白星を挙げており「それはうれしい。中盤戦、いい形なのでこのまま行きたい」と率直な心境を明かした。


玉鷲

初土俵以来一度も休場のない「角界の鉄人」玉鷲が、被災地への思いを胸に白星街道を突き進んでいる。
2004年初場所から数えて通算1383回目(歴代5位)の相撲は頭から当たった。
そこから見せた押しは16日に37歳になったとは思えない威力。
「(相手が)粘り強いので一気に前に出た」。
大関経験者で腰の重い高安に何もさせず、あっという間に押し出した。




2021/11/20
大相撲ニュース
照ノ富士

6日目、2場所連続6度目の優勝を目指す横綱照ノ富士が、盤石の“横綱相撲”で初日から無傷の6連勝を飾った。
左四つから1枚まわしの右上手を力強く引きつけ、抵抗する東前頭3枚目隠岐の海を寄り切った。
形をつくってから攻め立てる内容に「良かったと思います。焦ってもしょうがないので、やるべきことをやっていこうと思っていました」と振り返った。
この日から中盤戦に突入し「体が動いていると思うので、残りも頑張っていきたいと思っています」と話した。


貴景勝

6日目、初日から5連勝の芦屋市出身で大関の貴景勝は前頭4枚目の宝富士と顔を合わせました。
貴景勝は宝富士を押し出しで破って、初日から6連勝としました。
貴景勝の過去2度の優勝はいずれも11月の場所で、今場所も期待が高まります。


御嶽海

6日目、東関脇の御嶽海は西前頭3枚目の妙義龍をはたき込みで下し、連敗せずに5勝目を挙げた。
妙義龍には通算7勝5敗。
7日目の相手は西小結の霧馬山。


隆の勝

6日目、隆の勝は攻め込んだ。
大関正代に土俵際ではたかれて判定は取り直しに。
それでも「悪くないと思っていたので、落ち着いて取れた」。
続く一番も喉輪におっつけと、厳しい攻め。
投げを打たれながらも体を預けるように寄り切った。
今年、5戦全敗だった正代を破り、「気持ち的に大きい。あしたからの自信につながる」とにっこり。
三役以上との対戦を五分で終え、「もう一回、気持ちを引き締め直して、自分らしい相撲を取れるように頑張っていく」と意気盛んだった。


宇良

6日目、苦い記憶のある高安との対戦。
2017年名古屋場所、初めての幕内上位戦で、高安との取組で右膝を負傷。
翌場所に状態を悪化させ、1年も土俵から遠ざかることになった。
それ以来の高安戦。
今度も頭を低くして勝機を探る。
張り手をかわしてもぐり込むと、右脚を抱えて鮮やかに足取りを決めた。
「一番一番、一喜一憂しないようにしている。あしたからも変わらず頑張っていきたい」と語る。


阿炎


6日目、前頭十五枚目・阿炎が前頭十六枚目・佐田の海との一番を“珍手”で勝利しました。
阿炎は立ち合いから激しい突っ張りで押し込みますが、佐田の海にのど輪で状態を崩され、押し返されます。
それでも佐田の海の首を両手ではさみ、ひねり返す珍手“徳利(とっくり)投げ”で勝利。
これで阿炎は横綱・照ノ富士、大関・貴景勝と並び無傷の6連勝。




2021/11/19
大相撲ニュース
照ノ富士

5日目、照ノ富士は隆の勝の挑戦も退けた。
右差しで先手を取られたが慌てない。
落ち着いて立て直すと、左上手をがっちり。
たたきつけるように投げた一番を、「よかったと思う」と淡々と振り返った。
序盤戦を5連勝で終えた。
我慢強い取り口について「秘訣(ひけつ)はない。普段やっている稽古が出ている」。
土俵下の師匠、伊勢ケ浜審判部長も「相手を冷静に見ることができている」と評していた。


貴景勝

5日目、横綱、大関陣で無傷の5連勝とした両力士を、日本相撲協会の八角理事長も安定感を評価した。
押し相撲に迷いのない大関貴景勝は、この日も会心の相撲で先場所、苦杯をなめた平幕の妙義龍を押し出し。
この一番は「貴景勝次第。いい立ち合いならいいが、迷ったら差される」と読んでいた八角理事長は「気合を入れてやっていた。ドッシリしている。立ち合いで当たれれば貴景勝のものだから」と迷わず踏み込んだ大関の立ち合いを評価。
5連勝の大関に「これを毎日、繰り返すこと。体が動くし、いい流れでいっている。(15日間は)長いから、いい時もあれば悪い時もある。その都度、一生懸命にやれば、いいこともありますよ」との言葉を投げかけた。


隠岐の海

5日目、隠岐の海が力強い相撲で正代に土を付けた。
鋭い立ち合いで左四つになると、迷いなく一気に前へ。
大関をあっという間に寄り切り「攻める気持ちで、挑戦者の気持ちで良い相撲が取れたと思います」としてやったりの表情だった。
36歳とは思えない相撲に、師匠の八角理事長も「なかなかやるな。(大関に)当たり勝っている」と感心した。


高安

5日目、大関経験者である前頭・高安が豊昇龍との一番を寄り切りで制し、4勝1敗とした。
今場所、長い相撲が続いていた高安が、約10秒の速攻で力強さを見せつけた。
立ち合い、期待の若手である豊昇龍を目がけて右肩で猛然とぶつかった。
左四つで胸が合ったが、まわしを切ると右で厳しくおっつけ、前に出た。
土俵際で粘られたが反撃の余地を与えず、最後は寄り切り。
「短い相撲が一番いいですね」。
一方的に勝った会心の一番を、ご満悦で振り返った。


阿炎


西前頭15枚目阿炎が、平幕唯一の初日から5連勝とした。
東前頭16枚目天空海を押し倒しで下し、自身初の初日から5連勝。
昨年7月場所前などに新型コロナウイルス感染対策のガイドラインに違反し、出場停止処分を受けて一時は幕下まで陥落。
昨年秋場所以来の幕内の土俵に、感謝の気持ちを持って上がる。
立ち合いから強烈な突き押しで天空海を圧倒。
自身初、そして平幕唯一の初日から5連勝としたが「あまり星数は気にしない」と表情を引き締めた。
こまでの相撲内容を、八角理事長も評価する。
「立ち合いに圧力があるから、絶対に引かないぞという突っ張りに迷いがない。相手には、いつか引いてくるんじゃないかというイメージがある。余計に突っ張りが効く。せっかく戻ってきたんだから、この相撲を続けることでしょう」と期待。




2021/11/18
大相撲ニュース
照ノ富士

4日目、照ノ富士が粘る阿武咲を退けた。
突き放してくる相手にじわじわ圧力をかけると、中に入ろうとする相手の腕をつかまえ、きめ出した。
この1年の対戦成績が五分と楽な相手ではなかったが、「対策どうこうより、やることは変わらない。やるべきことをやっているだけ」と振り返った。
序盤戦は相手に攻めさせながら自分の形に持ち込む内容の相撲が多い。
横綱は「できることはそれしかないので、頑張ってやっているだけ」と表情を緩めなかった。


正代

2日目から3連勝とした。
立ち合いで胸から思い切って当たると、圧力をかけながら一気に前進。
土俵際で回り込もうとする相手をよく見ながら、最後は左手ではじき飛ばすようにして勝負を決めた。
過去2勝3敗と苦戦していた難敵を退け、弾みのつく白星。
課題の詰めの甘さを見せることはなく、「立ち合いから常に圧力をかけられてよかった」と納得の様子。
八角理事長(元横綱北勝海)は「上がってきた頃の、良かったときに戻った感じ」と高く評価した。


貴景勝

4日目、大関の貴景勝は、大栄翔との一番。
立ち合いから互いに激しい突っ張り合い。
大栄翔は跳んで突っ張りをかわそうとしますが、貴景勝はしっかりついていきます。
最後は大栄翔が体勢を崩したところを見逃さず「突き落とし」。
激しい押し合いを制し、白星をあげました。
大関・貴景勝は、初日から無傷の4連勝。
5日目は2勝2敗の前頭三枚目・妙義龍と対戦します。


御嶽海

4日目、関脇御嶽海が、初日から内容も伴った相撲で4連勝。
この日は200キロ超の巨漢力士、小結逸ノ城を、左右に動かしながら常に攻め続け、いなして中に入り、最後は押し出した。
三役常連の“眠れる大関候補”の好調ぶりに、日本相撲協会の八角理事長も「いい流れになっている。
元々、力はあるからね」と、まずは優勝2回の実力からして、特段の評価は避けた。
それでも期待を込めて「集中できている。それを途切れさせないで1つでも多く、連勝してほしい。
1つ(連勝が)途切れると集中力が切れる、きらいがあるからね」と指摘。
今場所は期待できそう?という報道陣の問い掛けに「毎場所、期待していますよ」と苦笑いで返し、大関昇進の期待がかかって久しいことに「そろそろも何も遅いぐらい。もっと欲を持って自分が相撲界を引っ張るんだ、というぐらいの気持ちでやってほしい」とハッパを掛けた。
協会トップの激励を受け、“万年大関候補”の看板を外せるか−。実力者の残る土俵に注目だ。


高安

4日目、立ち合い、高安は出足の圧力で簡単に志摩ノ海を土俵際まで運び、一気に仕留めにかかる。
だが、回り込まれて押し切れない。
「詰めが甘かったのか、逃げられてしまった」。
ばたばたした末に、互いに頭を付けて動きが止まった。
3分30秒がたつころ、高安の左がようやく入り、右も上手を奪って上手投げ。
長い相撲が決着し、「じっくり相撲が取れました」。
3勝1敗とした元大関が、胸をなで下ろした。


玉鷲

前日に37歳の誕生日を迎えたばかりの玉鷲が力強く3勝目。
千代翔馬が立ち合いで張り差しにきたが、慌てることなく小手に振って相手の体勢を崩すと、すぐに距離を取って突いて出た。
「自分の一番いいのが突き押し。それを出せれば何とかなると思っている」と振り返った。
これで通算700勝に到達。
白鵬が秋場所後に引退したため、現役では最多勝ち星となっている。
「数字にはこだわっていないが、よくやったなと思う」と笑みを浮かべた。


栃ノ心

4日目、西前頭13枚目・栃ノ心が九州場所5日目の18日から出場することが17日、決まった。
5日目に東前頭14枚目・輝との一番が組まれた。
大関経験者の栃ノ心は初日に豊山との一番が組まれたが、急性腰痛症のため休場し、不戦敗に。
師匠の春日野親方は途中出場の可能性を示唆していた。


阿炎

4日目、西前頭15枚目・阿炎は、東前頭17枚目・魁聖を押し出しで下した。
8場所ぶりに幕内の土俵に立つ今場所、自身の初日からの連勝記録を4に伸ばした。
もろ手で立つと、右のど輪で攻める。
194センチの相手をのけぞらせたが、魁聖も194キロの体重と足腰でこらえた。
それでも猛然と前に出ると、たまたらず相手も後退。
最後まで右腕を伸ばして土俵を割らせた。
「やっぱり重い人だったので、まわしを取られたら何もできない。距離を取って相撲を取ることを考えた」。
押しも引きも多彩な阿炎だが、この日は力で押し切った。




2021/11/17
大相撲ニュース
照ノ富士

3日目、2年ぶりの福岡開催となった今場所。
一人横綱の照ノ富士は、若隆景との一番。
照ノ富士は立ち合いで若隆景の前回しを取ろうとしますが、若隆景がうまく距離を取ります。
しかし照ノ富士はそれに動じる様子もなく、土俵際に逃げようとする若隆景を冷静に「押し出し」。
若隆景に何もさせない横綱相撲で、白星をあげました。
一人横綱として挑む照ノ富士は、初日から無傷の3連勝。
4日目は3敗の前頭二枚目・阿武咲と対戦します。


正代

初日の黒星で館内をため息でいっぱいにした大関・正代が2連勝で白星を先行させ、今度は多くの拍手を会場に響かせた。
三役経験者で押し相撲に定評のある前頭・阿武咲を押し続けた。
「最初から圧力をかけて1歩、2歩、3歩とちゃんと出る意識を持った」といい、最後は鮮やかにはたき込んだ。


貴景勝

3日目、大関・貴景勝が、新小結の霧馬山を下して初日から3連勝とした。
立ち合い当たってから低く突き上げ、完璧なタイミングで左の突き落とし。
6場所ぶりに序盤3連勝を飾り「始まったら一生懸命やるだけなので。準備だけしっかりして、という感じでした」と話した。
八角理事長も大関の一番を「余裕がある。相手が見えているということ。いなす前の突きがいい」と高評価。
一方では「でも、突き落としは癖になってしまう」と指摘した。
突き押しが身上の25歳。
理事長は「泥臭く泥臭く、前に出る相撲を続けていかないと、優勝はね。でも、さらによくなると思いますよ」と期待を寄せた。


御嶽海

3日目、関脇・御嶽海が平幕筆頭の大栄翔を下し、初日から3連勝を飾った。
前日15日に横綱・照ノ富士を土俵際まで追い詰めた大栄翔との押し合いを制し、「少しのミスが命取りになるので、特に大栄翔関は。自分も負けないようにその突きに対抗できるように我慢した」とうなずいた。
八角理事長が「お互いに力を出し合った」と高く評価した一番。
大栄翔の突きの連発をこらえた御嶽海に対しては「受け身ではなく、自分から圧力をかけた。こういう相撲を続けていくこと。それには精神的な強さが必要になってくる。それが今後、必要だ」と期待を寄せた。


玉鷲

3日目、37歳の誕生日を迎えた西前頭6枚目玉鷲が、東前頭6枚目志摩ノ海を押し出しで破って白星を先行させた。
立ち合いは低く下からもろ手であたり、一気に前に出て押し出した。
「気持ちよく自分の相撲が取れて良かったと思います」と好感触だった。
37歳を迎えたが「あまり意識はしていない。土俵に上がったらやることは決めている。元気よく、若手に負けない相撲を取りたい」と老け込むつもりはない。
2004年初場所の初土俵から、ここまで休場が1度もない鉄人。
「毎日毎日、自分の相撲を取って楽しく、それだけを意識して稽古している」と秘訣(ひけつ)を明かした。
2年ぶりの開催となった福岡のファンに対して「みんなの声援に応えるように、喜ばせたいと思っています」と語った。


宇良

3日目、宇良は潜り込むような低い立ち合いで豊昇龍を引かせると、タイミング良く引き落としで仕留めた。
3連勝の好発進にも「何も変わらない」。
淡々とした口ぶりのままだった。
幕下だった2年前の初場所、豊昇龍との対戦で膝を負傷した。
けがから再起する途中だったが、再び長い休場を強いられた。
その相手と「幕内で対戦できたことはうれしかった」と宇良。
少しだけ表情を緩めた。


碧山

3日目、東前頭9枚目碧山が、東前頭8枚目琴恵光を突き出しで破って初日から3連勝した。
「いったん、引いた所もあったけど、突きなおせてよかった」と振り返った。
秋場所後の10月23日に、待望の第1子となる長女のモニカちゃんが生まれた。
福岡入りする前に約1週間一緒に過ごすことができたといい「すごくかわいいです。頑張らないとね」と表情を緩ませた。
3場所連続負け越し中なだけに「まずは勝ち越しを目指したい」と帰りを待つ家族に吉報を届ける。


阿炎

3日目、返り入幕の西前頭15枚目阿炎が、西前頭17枚目松鳳山を突き出しで下して3連勝した。
得意のもろ手突きで松鳳山の上体を起こし、強烈な突き押しで勝負あり。
「次につながる相撲が取れているのでいいと思います」と納得の一番だった。
自身初の初日から3連勝。
報道陣から「3連勝は初めてだと思うが」と問われるも「覚えてないですね」と話すなど、星勘定は意識していない。
昨年7月場所中に新型コロナ感染対策のガイドラインに違反し、出場停止処分で一時は幕下まで陥落した。
ようやく幕内まで戻った今場所では、会場内で自身のしこ名が書かれたタオルを持って応援するファンも多い。
「本当にありがたいと思います。もっと思い切りいい相撲を取りたい」と引き締めた。


佐田の海

3日目、返り入幕の西前頭16枚目佐田の海が、苦手としている東前頭15枚目千代丸を破って3連勝した。
千代丸の突き押しに負けることなく前に出て行き右四つに組み、一呼吸置いて、一気に寄り切った。
千代丸には十両の土俵での対戦を含め、8連敗中と苦手としていた。「何連敗しているか分からないぐらい合口が悪かった」と意識しながらの白星。
「(千代丸は)圧力があるので引かれてもいいや、と思いながらいきました。しっかりと体を寄せて中に入れたのでよかったです」と狙い通りの相撲で難敵を破った。




2021/11/16
大相撲ニュース
照ノ富士

15日、豪快なすくい投げで照ノ富士が窮地を脱した。
先場所は苦杯を喫した大栄翔の喉輪にのけ反り、右を深く差されて土俵際まで攻め込まれた。
だが慌てずに右を差し、振った相手の反動も利用して投げ捨てた。
白鵬の引退で文字通り一人横綱の重圧とも闘う照ノ富士は2連勝。
「落ち着いて取れた。相手というより、自分の相撲を取りきることしか考えていなかった」と気概が詰まる言葉で振り返った。


正代

15日、ヤキモキしていた正代ファンが、待ってましたとばかりにひときわ大きな拍手を送る。
大関としてご当所に初凱旋(がいせん)。
1日遅れとなってしまったが、逸ノ城を寄り切り今場所初白星を届けてみせた。


貴景勝

15日、大関貴景勝の復調ぶりに、協会トップの八角理事長も太鼓判を押した。
同じ押し相撲ながら、まわしを狙ったのか、立ち合いの当たりが弱かった阿武咲を頭で当たって押し込むと、何とか回り込もうとする相手を逃さず、向こう正面に一気の押しで土俵下まで吹っ飛ばした。
7月の名古屋場所で首を痛め、先場所はかど番。
その先場所と比較しながら、八角理事長は「押せるという自信だね。先場所は『勝たなきゃいけない』だったけど、今場所は『いい相撲を取るんだ』という気持ちが強いんじゃないかな。(初日に続き)内容がいい」と語った。
さらに「首を痛めたのは、押し相撲にとっては致命傷。頭で当たれないと(威力が)半減するからね」と、何の不安もなく頭から当たれている今場所の、貴景勝の好調ぶりを分析した。


御嶽海

15日、東関脇・御嶽海は西前頭2枚目・隆の勝を押し出しで破り、連勝を飾った。
3日目の16日は東前頭筆頭・大栄翔と対戦する。
御嶽海は、俵に足が掛かりながら盛り返した。
押し込まれたところでかいなを返して右に回り込み、最後は相手の引きに乗じて前に出た。


高安

15日、両者の息遣いまで追ってしまう取組だった。
前頭五枚目・高安と前頭四枚目・宝富士が、3分以上にもわたる熱戦を繰り広げ、視聴者からも「まさに大相撲」「熱戦だった!」といった興奮気味のコメントが続出した。
立ち合い後、左を差して攻めた宝富士。
だが右上手を探るも取れず、じっくりと攻める高安と左四つの体勢となり、こう着状態が続いた。
互いに攻め切れず土俵中央で組み合ったままの両者に、館内からは繰り返し拍手が沸き起こった。
3分近く経過した頃、投げの打ち合いとなって両者残すも、最後は高安がすかさず攻め、下手出し投げで長丁場の一番を制した。


阿炎

15日、西前頭15枚目・阿炎は、同14枚目・千代の国を突き出しで破って初日から2連勝。
7場所ぶりに幕内に復帰した今場所、好スタートを切った。
突き押し同士の一番は、もろ手で立ってのど輪で攻める。
たまらず後退した相手を、一方的に突き出した。
初日の千代丸戦に続き、持ち味をいかした相撲。
「(前に)出られたと思う。突き相撲同士なので、先手を取らないといけない。先手を取れたのでよかった」とうなずいた。




2021/11/15
大相撲ニュース
照ノ富士

14日、初めて番付上の一人横綱となった照ノ富士が白星発進した。
新小結・霧馬山を小またすくいで下した。
やや苦しんだが、新鋭の挑戦を退け最高位の威厳を示した。
白星を重ね、先場所限りで引退した元横綱・白鵬の間垣親方が去った土俵を盛り上げる。


正代

14日、正代は2年ぶりの九州場所にあふれるファンの熱気に乗れなかった。
大栄翔の突き押しをこらえ、いなしたところまでは良かったが、そこから攻めが続かず。
体勢を立て直した相手に押し倒され、「立ち合いは悪くなかったが、その後が出なかった」と悔やんだ。


貴景勝

14日、大関貴景勝が、西前頭筆頭若隆景を突き落としで下し、昨年11月場所以来の優勝に向けて白星発進した。
もろ手つきから一気に攻め立て、左からの突き落としで白星。
「いいスタートを切れればと思っていました。しっかり準備して集中できた。また明日に向かって集中したいです」と充実した表情を浮かべた。


御嶽海

14日、福岡国際センターで初日を迎え、東関脇の御嶽海は東前頭2枚目の阿武咲を寄り切って白星発進した。
阿武咲には十両時代から通算10勝3敗。


大栄翔

14日、大栄翔は武器の突き、押しがさえ、初日から正代を撃破する殊勲の星を挙げた。
通算400勝となり「これまでの積み重ねなのでうれしい。今日の相撲は本当に良かった。体がよく動いて、しっかり攻められた」と言葉を弾ませた。
初場所で初優勝を成し遂げた実力者は、2日目に照ノ富士に挑戦する。
一人横綱から2場所連続の金星獲得となると、初場所のような活躍も期待される。
「明日(2日目)も今日のような相撲を取りたい。自分の力をしっかり出さないと勝てないので、集中していく」と表情を引き締めた。


豊昇龍

14日、文句のない内容で白星発進した西前頭5枚目の豊昇龍は「立ち合いが良かったし、前に攻めていたので良かった」と充実した表情だった。
早い立ち合いからの突き押しで志摩ノ海の上体を起こし、さっと右を差した。
相手に左上手を許しながらもぐいぐいと土俵際まで押し込み、右手でまわしをつかむと間髪を入れずに下手投げ。
横転した志摩ノ海を横目に、淡々と勝ち名乗りを受けた。


栃ノ心

大関経験者の西前頭13枚目栃ノ心が九州場所初日の14日、日本相撲協会に「急性腰痛症により約2週間の治療を要する」との診断書を提出して休場した。
2019年九州場所以来11度目の休場で、初日の対戦相手、豊山は不戦勝となった。
師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)によると前日13日の朝稽古後に痛みを訴えたという。
成績次第では14年秋場所以来7年ぶりの十両陥落となるが、春日野親方は回復状況によっては再出場を視野に入れる意向を示した。


阿炎

14日、昨年秋場所以来の返り入幕となった西前頭15枚目阿炎が、西前頭15枚目千代丸を押し倒しで破った。
得意のもろ手つきで千代丸にまわしを与えず、手を休めることなく突いて押し倒した。
久しぶりの幕内の土俵も「変わらずに集中できた」と淡々と振り返った。




2021/11/14
大相撲ニュース
正代

正代が13日、電話取材に応じ2度目の優勝へ強い意欲を見せた。
コロナの影響により福岡での開催は2019年以来、2年ぶり。
昨年は新大関を九州場所で迎えるはずだったがかなわなかった。
福岡に来ても後援者やファンと触れ合うことはできないが、思いは感じている。
「みなさん、2年ぶりということで、待ちに待った感じがしてるんで、期待に応えたいというふうには思っています」。
「ちょっと(九州場所まで)時間が空いたのは残念ですけど、ここらへんでいい相撲を見せて地元の人にいいとこ見せたいなとは感じます。大関に上がって優勝してないんで。優勝するんだったらすね、地元っていう気持ちはありますね。2年ぶりの九州場所ということで、地元なので、それなりに、いつもの場所よりは気合入るのかなあと。入ってもらわないと困るなとは思ってます」
「頑張らないといけないというのは思いますね、自分でも」と言葉をかみしめながら話していた。


貴景勝

大関貴景勝は13日、報道陣の電話取材に「(場所に向けた調整、準備は)しっかりできたと思うんで、あとは力発揮するだけかなと思います」と応じた。
九州場所は2018年に初優勝を飾り、東京開催となった昨年は2度目の優勝。
相性はいいが「もう過ぎたことなので、あまりそういうことは考えず、今年は今年で」と気合を入れた。


2年ぶりの大相撲九州場所「土俵祭り」

13日は、15日間の安泰を祈願する土俵祭りが会場であり、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)や同場所担当部長の境川親方(元小結両国)らが出席した。
昨年は新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために11月場所として東京・両国国技館で実施。
2年ぶりの九州場所に境川親方は「白鵬が引退して一人横綱になった照ノ富士や三役陣を中心に活気のある土俵に期待したい」と見どころを話した。
協会は新型コロナ対策のガイドラインで不要不急の外出を制限している。
境川親方は「(九州は)おいしいものもあるけど(協会の)中から感染者を出すわけにはいかない。ファンの皆さんとのふれあいもなく申し訳ないが、今後(の地方場所)に響いてくる。油断することなくやっていきたい」と理解を求めた。




2021/11/13
大相撲ニュース
御嶽海

12日、福岡県新宮町の出羽海部屋での稽古後に報道陣の電話取材に応じ、大関昇進の足場固めに向け、九州場所での2桁勝利を目標に掲げた。
「もう何年も待たせている。(大関を)狙っていないわけじゃない。しっかり目指してはいる。10勝以上で今年を終わりたい」と意欲を語った。
高見山、安芸乃島と並び昭和以降6位の三役在位27場所になり、2度の優勝を誇る。
東京開催だった昨年まで、11月の本場所は3年連続で負け越しと苦手の季節だ。
「2年ぶりの九州でわくわくはしているけど、不安が大きい場所でもある」と気を引き締めた。


大栄翔

12日、九州場所の初日、2日目の取組を発表した。
同日、平幕・大栄翔が宿舎での稽古後に電話取材に応じ、「普段通りに稽古をやってこられたので、あとは場所でしっかり力を出すだけです」と自信をのぞかせた。
前頭筆頭で臨む今場所は上位総当たりで、初日は大関・正代、2日目には横綱・照ノ富士戦が組まれた。
先場所は全勝だった新横綱を9日目に撃破し、金星を初配給させただけに、「自分の相撲を120%出せれば、チャンスがあると思うので、しっかり自分の相撲を取りきることが1番の目標です」と意気込んだ。


松鳳山

再入幕を果たした西前頭17枚目松鳳山が12日、報道陣の電話取材に応じ、ご当地場所への思いを語った。
2年ぶりの福岡開催となった九州場所について「こういうコロナの中で九州場所を開催していただいてすごく感謝もしているし、あと何回九州に現役で来られるか分からない。こういう風な中でも開催してくれることはすごくありがたい」と話した。


九州場所にピカチュウがやって来る!

14日に初日を迎える九州場所で、大相撲と国民的アニメの「ポケモン」が史上はじめてのコラボ。
土俵では、ポケモンにまつわる懸賞旗が登場する。
千秋楽には、ゲーム「ポケットモンスター」の歴代パッケージを描いた懸賞旗が36枚登場。
また会場には、15日間ファンクラブブースが設置され、来場した子どもには「ピカチュウサンバイザー」と「はじめてブック(シールブック)」がプレゼントされる。




2021/11/11
大相撲ニュース
妙義龍

9月の秋場所で最後まで優勝争いを演じ、西前頭3枚目に上昇した35歳の妙義龍が10日、報道陣の電話取材に応じ、九州場所を控え「三役を狙える位置に戻れてチャンスはある。それに向けて今は準備するだけ」と意気込んだ。


松鳳山

画面越しのオンライン取材でも気合の入りようは伝わってきた。
関取最年長のベテランらしくぎらぎらした覇気ではない。
肩の力は抜け、心の奥で静かに闘志を燃やしているようだった。
福岡県築上町出身の松鳳山が、昭和以降9番目の年長記録となる37歳8カ月23日で再入幕を果たした。
7場所ぶりの幕内で迎えるご当地、九州場所(14日初日)に向け「今でも若手には絶対負けないと思いながら、より若い相撲を取るんだと思いながら相撲を取りたい」と意気込みを語った。


ふるさと納税返礼品に相撲観覧券

大相撲の清見潟親方(元関脇栃煌山)が10日、東京・両国国技館で来年1月30日に予定している引退相撲の升席観覧券が、所属する春日野部屋がある東京都墨田区のふるさと納税の返礼品となっていることを明らかにした。
既に引退相撲事務局を通じてチケット販売が開始。
14日からは「チケットぴあ」でも購入できるという。
もろ差しからの鋭い出足を武器に三役在位25場所と活躍した清見潟親方。
報道陣の代表取材に「(返礼品は)相撲に興味を持ってもらう一つのきっかけになればと思った。自分としても縁が深い墨田区の力に少しでもなれれば」と話した。




2021/11/10
大相撲ニュース
明生

ご当所の大相撲九州場所へ臨む鹿児島・奄美大島出身の明生は、新関脇から2場所連続での勝ち越しを目指す。
「今年最後の場所なので三役でしっかり勝ち越して、その後の成績はその後から生まれてくると思うので、まずはいい形で勝ち越すことを心がけたい」。
三役に満足することなく、その上の番付もしっかりと見据えている。
「勝ち越しだけじゃその上の番付は見えないし、星を積み上げたい」と意欲を口にしていた。


豊昇龍

2年ぶりの福岡開催となる大相撲九州場所で、2場所ぶりの勝ち越しを狙う幕内・豊昇龍が9日、当地の部屋宿舎での稽古後、報道陣の電話取材に応じた。
この日は関脇・明生、幕内・天空海の部屋の関取衆と30番ほど取るなどして調整。「ちょうどいい感じでやっているので体もいい感じで動いているし、しっかり当たれているし、いい感じですね」と好調ぶりをアピールした。
叔父で元横綱・朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏が先月、自身のツイッターで九州場所の来場を示唆した。
叔父の目の前で本場所の取組を見てもらったことはないといい「いいところを見せたい。褒めてもらえる相撲を取りたい。自分の集中力が100%の相撲を取りたい」と意気込みを語った。


相撲部屋の稽古見学

先月22日に各相撲部屋に対して、師匠判断で11月5日から稽古見学を可能とする通達を出していたことが9日、分かった。
電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)が明かした。
対象は後援者などの関係者や近親者のみで、一般公開はしない。
新型コロナウイルスが感染拡大した昨年春以降、各部屋は協会の通達に合わせて原則的に稽古を非公開としていたが、条件付きで稽古見学が解禁された。
見学者には検温や手指の消毒、マスクの着用などを義務づける。
期間は協会員が2回目のPCR検査を終えた5日以降で、九州場所中も対象。
一方で芝田山広報部長は「ただし感染状況によって再度変更もある」と付け加えた。


元大関豪栄道 引退相撲

元大関豪栄道の武隈親方が9日、引退相撲を来年1月29日に東京・両国国技館で開催することを明かした。
新型コロナウイルスの影響で実施が見合わされ、2020年初場所限りの引退から2年でようやく節目を迎える。
35歳の同親方は電話取材に「コロナで大変な時でも(開催に向け)多くの方に支援していただき、大変ありがたい」と話した。
チケットの受け付けは12月4日に開始する。




2021/11/09
大相撲ニュース
逸ノ城

2場所連続の小結で臨む逸ノ城が8日、報道陣の電話取材に応じ、9月の秋場所後に日本国籍を取得してから初の本場所に向け「先場所に続けて勝ち越すこと。あとは2桁。一番でも多く勝てるようにやっていく」と目標を掲げた。
国籍取得により、現役引退後に親方として日本相撲協会に残る資格を得て「相撲しか分からないので、将来ちゃんと日本に恩返しできればいいと思った」と決断理由を明かした。


朝乃山

高砂部屋は5日、ツイッターの公式アカウントに、富山市出身で西前頭10枚目の朝乃山が稽古に励む2本の動画を投稿した。
朝乃山は、日本相撲協会の新型コロナウイルス対策ガイドラインに違反し、6場所出場停止処分を受けている。
処分決定後、稽古の様子が広く公開されるのは初めて。
動画はいずれも、九州場所(14日初日・福岡国際センター)で新十両に昇進した朝乃若との取組。
左足首にテーピングを巻いた朝乃山は、幕内と十両の力士しか着けられない白いまわし姿で汗を流した。


大相撲映画 Blu-ray&DVD化

『相撲道〜サムライを継ぐ者たち〜』Blu-ray&DVD 2022年1月26日(水)発売!
1500年以上もの歴史の中で日本人の暮らしに深く根付き、国技・相撲に命をかける強き男たちの生き様を描いた世界初“大相撲”エンターテイメント・ドキュメンタリーのBlu-ray&DVDコンボが2022年1月26日(水)に発売されることが決定!

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2021/11/08
大相撲ニュース
正代

5日、30歳の誕生日を迎え、報道陣の電話取材に対し「区切りの1年にはなる。今まで以上に体のケアは気にしていかないと。まだまだ若い子たちには負けられない」と気持ちを新たにした。
以前よりも食べる量が減ってきているというが「前の年よりもいい年になればいいな」と意欲的だった。
熊本県出身の大関にとって、2年ぶりの九州場所(14日初日・福岡国際センター)はご当地。
「見に来る人も楽しみにしていると思う。成績の面でこだわっていきたい」と2場所連続8勝からの巻き返しを期した。
5日は東京都墨田区の時津風部屋で幕内豊山と約10番取ったという。


逸ノ城

5日、9月に日本国籍を取得した小結逸ノ城が本名をアルタンホヤグ・イチンノロブから三浦駿に変更したと発表。
師匠の湊親方(元前頭湊富士)の本名三浦孝行の姓をもらい、駿はしこ名の下の名前から取った。


若隆景

5日、幕内若隆景が報道陣の電話取材に応じた。
この日は自主的に部屋で体を動かし「いつも通りしっかり準備するだけですね」と、初日向けて調整を続けている。
新小結で臨んだ7月の名古屋場所は5勝10敗に終わったものの、秋場所は9勝6敗。
西前頭筆頭で迎える今場所は「また三役が見えてくる番付だと思うので、しっかり自分の相撲を取りきって勝ち越したいと思います」と気合十分だ。


阿武咲

5日、幕内阿武咲が報道陣の電話取材に応じた。
初日まで約1週間となり、徐々に本場所モードの阿武咲は「しっかり気持ちを高めて、あとは思いきりやるだけかなと思います」と気合十分。
先月25日から4日間行われた合同稽古を皆勤し「そこから動きもよくなって、(部屋の)稽古場で稽古していても感覚自体ものすごくいい」と、体は順調に仕上がっている。


宇良

3日、報道陣の電話取材に応じ、2年ぶりの開催となる九州場所に向け「元気な姿を見せたい」と意気込みを語った。
宇良にとって、関取として福岡の土俵に立つのは十両時代の2016年以来5年ぶりとなる。
2年前は右膝の大けがによる5場所連続休場から西序二段106枚目で再出発を果たした場所。
それ以降、ハイペースで番付を上昇させ「最短に近い感じで上がれたと思うが、それでも長かった。関取として九州場所に出られるのはうれしい」と実感を込めた。


阿炎

4日、電話取材に応じた。
阿炎は日本相撲協会が定めた新型コロナウイルス対策のガイドラインに昨年違反。
3場所出場停止などの処分を受けて幕下まで番付を落とした「試練」を克服し、はい上がってきた。
幕内の土俵に上がるのは昨年の7月場所以来で、「新しい気持ちで変わった自分を見せられたら」と意欲を示した。


間垣親方 社会貢献部

秋場所後に引退し、委員待遇年寄として指導普及部に配属予定となっていた間垣親方(元横綱白鵬)が同部に加えて社会貢献部にも配属となったことを、日本相撲協会が5日までに発表した。
協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は10月上旬の時点で、間垣親方の配属が指導普及部に配属になることは明かしていた。
社会貢献部は協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)の直轄部署で、相撲を通じた法人組織としての社会貢献の推進などが目的。
災害支援や地域貢献、福祉活動などを主な活動としている。




2021/10/28
大相撲ニュース
正代

27日、東京都内の部屋で稽古を行い、代表取材に応じた。
ようやく地元のファンに勇姿を見せることができるとあって「2年ぶりですし、大関としていろいろ他の場所と比べて注目もされると思うので自分の相撲が取れたら」と自然と気合も入る。
昨年11月場所はけがのため途中休場となってしまったが、福岡で開催された九州場所は入門から一度も負け越したことがない。
「九州場所ということで、いつもの感じなのか違う感じになるのか行ってみないと分からないですけど。九州だからって気持ちは特別…、とりあえず負けられないっていう気持ちが(ある)。でも注目されるのかなっていう意識はあるんで」と語る。


明生

合同稽古3日目が27日、東京・両国国技館で行われた。
この日から合流した関脇明生は、小結高安、幕内霧馬山らと22番取って15勝7敗。
ぶつかり稽古では高安の胸を借りて約5分、何度も転がされて泥だらけになりながら汗を流した。
部屋には元横綱朝青龍の甥の幕内豊昇龍、十両天空海がいるものの、明生は「関取衆がケガだったりそういったもので稽古内容が落ちてきた」と、合同稽古の参加を決意。
本場所でも対戦が見込まれる相手と体を合わせ「番数と勝ち負けはそこまで意識していない。それよりも、やろうと決めていた動きができればという気持ちで一番一番やりました。いい稽古ができたと思います」と充実の表情だった。


霧馬山

霧馬山は26日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古に参加し、高安らと19番取った。
身長193センチの輝をつり出した場面もあり、「前に攻めて、力を出せていた。本当にいい稽古になった」と得意げに振り返った。
9月の秋場所は西前頭2枚目で9勝。
千秋楽には千代丸をつり出すなど、細身の体ながら筋力も備わってきた。
つり出しは怪力で知られた師匠の陸奥親方が現役時代に得意とした技。
「親方の相撲は昔から見ていて、いつも教えてもらっている。これからもできるように頑張りたい」と意欲を見せた。

妙義龍

合同稽古3日目が27日、東京・両国国技館で行われた。
この日から合流した幕内妙義龍は、関脇明生、小結高安らと11番取って5勝6敗。
稽古後は「三役も来て実力がある人ばかり集まったので、番数どうこうじゃなくていい内容の稽古ができたと思います」と振り返った。
秋場所は千秋楽まで優勝争いに絡み、11勝4敗で技能賞を獲得した。
場所前には初めて合同稽古に参加していたが、本人は「それ(合同稽古と本場所の結果)は別に関係ない」と強調。
その一方で「今は総見も連合稽古もないので、こうやってみんなで集まる稽古はいいことだと思う」と付け加えた。
来場所も活躍が期待される35歳。
それでも「今は体づくりと体調を整えて。そこが一番」と自然体を貫いて九州に乗り込むつもりだ。


高安

合同稽古第2日は26日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われ、元大関で平幕転落が決定的となっている小結高安が15番取るなど、再起へ積極的に汗を流した。
9月の秋場所を右臀部のけがで途中休場して負け越した31歳の実力者は、ともに25歳の霧馬山や阿武咲らを相手に5勝10敗だったものの「若いだけにスタミナがあり、いろんな動きもある。やっていて、身に付くところがたくさんある」と前向き。
「しっかり体をつくり直して、千秋楽まで優勝争いに絡みたい。もう一回、上を目指す」と意気込んだ。


豊山

幕内豊山が27日、東京・墨田区の部屋で稽古を行った。
この日は幕下相手に11番。
一方的に押し出す展開が目立ったが、時栄には逆転のすくい投げを許すなど、1勝4敗という結果に「彼(時栄)に勝てないんすよね、ムキになっちゃう。徐々に肌が合ってくると対策できるんですけど、最初は転がされちゃう。幕下で負け越されたらもう立場ないっす」と自虐気味に語った。
豊山は3月の春場所で右腕を負傷したことで「かばって後半失速してしまう」ことが増えたと自己分析。
そこで自身の押し相撲を見直し、上手を引いたり、頭をつけるなど試行錯誤が続いている。
「15日間右手をフルに使うんじゃなくて、どこかで抜くじゃないですけど使わないで済む日があればいい。大事なところで力を使う。今までがむしゃらに相撲を取っていたけど、大人の相撲にしないと」と豊山。
新たなスタイルを確立できるか。


天空海

再入幕が濃厚な天空海が27日、都内の部屋で基礎運動を中心に汗を流した。
西十両筆頭の先場所は9勝6敗。柔道出身で内股のような掛け投げを連発し、同技で4勝を挙げた。
幕内に戻り、ファンは期待するが、自重。
一方で期待に応えたい思いもある。「目立てれば目立ちたいですね。いろいろ技の研究、相手の研究もして。一暴れしたいですね、目立ちたいです。目立って損はないですからね」と笑った。
「11月は験(げん)がいい場所。1回も負け越したことがない。我慢して来場所、我慢の場所。どうにか勝ち越して、勝ち越さないと下がっちゃうので、負け越さないように」と、意気込んだ。


九州場所の安全祈願

日本相撲協会で九州場所担当部長を務める境川親方らが27日、福岡市の住吉神社を参拝し、2年ぶりの開催となる九州場所の安全な開催を祈願した。
同神社では毎年九州場所前に横綱の奉納土俵入りが行われ、ファンから親しまれてきたが、東京開催となった昨年は中止。
2年ぶりの福岡開催となった今年も、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために取りやめた。
相撲愛好家でつくる「九州溜(たまり)会」の安部泰宏会長らと参拝した境川親方は「土俵入りを楽しみにしていたファンの方には申し訳ない。本場所では、一人横綱となった照ノ富士や大関陣が元気いっぱいの相撲を取って盛り上げてくれると思う」と期待した。


大相撲とポケモンが協力

日本相撲協会は27日、ゲームなどで人気の「ポケットモンスター(ポケモン)」と協力し、両者の魅力を発信する取り組みを開始すると発表した。
大相撲九州場所では千秋楽にゲームの歴代パッケージを描いた懸賞旗が登場する。
来年1月の初場所では懸賞旗の他、ポケモンのデザインをあしらった行司装束や化粧まわしがお披露目される予定。
芝田山広報部長は「今回の取り組みをきっかけにより多くの人が相撲の魅力を知り、大相撲本場所を楽しんでもらえるようになれれば幸いです」とコメントした。

関連記事はこちら
https://www.nikkansports.com/battle/sumo/photonews/photonews_nsInc_202110270000588-0.html




2021/10/15
大相撲ニュース
九州場所前PCR検査を1回に変更

日本相撲協会の芝田山広報部長は14日、大相撲九州場所に向けて全協会員が受ける予定の新型コロナウイルスのPCR検査について、28日の1度に変更すると明らかにした。
当初は24日と11月4日の2度実施するとしていた。
変更の理由について、仮に10月28日の検査で陽性判定を受けても、九州場所初日までに治療期間が取れることを挙げた。
また、合同稽古を国技館内の相撲教習所で25日から4日間実施する。


元幕内貴源治 不起訴

東京・板橋区の自宅で大麻を所持したとして警視庁に書類送検された元十両の貴源治(24)について、東京地検は不起訴処分としました。
大相撲の元十両・貴源治は今年7月、板橋区内の自宅マンションで大麻を所持した疑いで先月、警視庁が書類送検していました。
東京地検は貴源治を今月12日付で不起訴処分としました。
不起訴の理由は明らかにしていません。




2021/10/12
大相撲ニュース
九州場所へ向けPCR検査

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は11日、大相撲九州場所(11月14日初日・福岡国際センター)に向け、親方や力士ら全協会員を対象とした新型コロナウイルスのPCR検査を、10月24日と11月4日に実施すると発表した。
2度目の検査で陰性が確認された後、部屋単位で福岡へ移動する予定。




2021/10/01
大相撲ニュース
白鵬

30日、東京・両国国技館で理事会を開き、横綱白鵬の引退と年寄「間垣」襲名を承認した。
理事会では白鵬の間垣襲名を認めるに当たり、年寄として当然守るべき事項を誓約することを条件とした。
白鵬は両国国技館を訪れ、師匠の宮城野親方が同席した上で誓約書にサイン。
5月に年寄名跡を取得したが、その際に年寄資格審査委員会から受けた忠告がその後守られなかったため、条件付きという異例の襲名となった。

引退会見を日本相撲協会公式YouTubeで生配信すると発表した。
記者会見は10月1日午後3時開始を予定。


2年ぶり 福岡開催

11月の九州場所は予定通り、福岡市の福岡国際センターで開催することが、日本相撲協会の理事会で確認された。
11月場所は昨年、コロナ禍で東京・両国国技館に会場を変更して実施。
福岡での九州場所は2年ぶりとなる。
芝田山広報部長は「予定通りに。既に先発事務所が福岡に入り、開催を前提に準備を進めている」と語った。
地方場所の開催は7月の名古屋で再開。
芝田山広報部長は「名古屋場所と同じように(11月1日の)番付発表後に(力士らの)PCR検査をし、陰性を確認して順次、部屋ごとに福岡へ入る」と説明した。
感染防止のため、不要不急の外出や出稽古などを禁じた厳しい行動制限は、緊急事態宣言解除後も継続する。


2022年の大相撲

日本相撲協会は30日、理事会を開き、来年の大相撲初場所(1月9日初日、東京・両国国技館)を上限5000人で開催することを決めた。
また、来年の春巡業の中止も発表した。




2021/09/30
大相撲ニュース
白鵬

現役引退を日本相撲協会に届け出た横綱白鵬のしこ名が、九州場所の番付表にも記載されることが29日、決まった。
協会関係者が明らかにした。
この日、九州場所番付編成会議が行われたが、発表された引退力士のリストに白鵬のしこ名が入っておらず、同日時点で現役の扱いのため。
秋場所を制した横綱照ノ富士と東西に並ぶ最後の番付になる。
白鵬の引退は30日の相撲協会理事会で承認される見込み。


逸ノ城

小結逸ノ城が日本国籍を取得したことが29日付の官報で告示された。
年寄名跡の襲名には日本国籍が必要で、現役引退後に親方として日本相撲協会に残る資格を得た。
逸ノ城は鳥取城北高に相撲留学し、全日本実業団選手権個人で優勝。
幕下15枚目格付け出しで2014年初場所に初土俵を踏み、所要4場所のスピード出世で新入幕を果たした。
26日に千秋楽だった秋場所では13場所ぶりに三役へ復帰し、8勝7敗と勝ち越した。




2021/09/27
大相撲ニュース
白鵬

横綱白鵬が現役引退の意向を固めたことが27日、分かった。
関係者が明らかにした。
進退を懸けて臨んだ7月の名古屋場所で、歴代最多を更新する45度目の優勝を全勝で飾り復活を印象付けたが、右膝の古傷などに長く苦しんでいた。


照ノ富士

26日、新横綱の照ノ富士が2場所ぶり5度目の優勝を遂げた。
新横綱の優勝は2017年春場所の稀勢の里以来で、史上9人目。
新横綱が初日から一人横綱で賜杯を抱くのは、戦後初。
単独トップだった照ノ富士は大関正代を圧倒して13勝2敗で終えた。
1差で追っていた妙義龍が敗れ、結びの一番を待たずに決定。
もう一人の横綱、白鵬が休場した場所で重責を果たした。
年内にも第1子が誕生予定で、横綱と一家の大黒柱の責任を果たした。


大栄翔

千秋楽、西前頭4枚目大栄翔が、小結逸ノ城を押し出しで破って10勝目を挙げ、殊勲賞獲得に花を添えた。
巨漢の相手を得意の突き押しで圧倒。
初優勝した1月の初場所以来の2桁白星で締め「全体的に自分の相撲が取れた」と今場所を振り返った。
9日目に新横綱の照ノ富士の初日からの連勝を止める金星などが評価されて、自身4度目の殊勲賞を獲得した。
「本当に光栄なこと。横綱に勝って自信になった一番。これからもそういう相撲を取ろうと思います」と声を弾ませた。


霧馬山

霧馬山が西前頭2枚目で9勝目を挙げた。
千代丸を相手に、「しっかりまわしを取って、頭をつけて」と持ち味のしぶとさを発揮。
最後は176キロの巨体を豪快につり出した。
以前は幕内上位で上位陣の壁にはね返されていたが、「稽古をちゃんとやって、体がしっかり動いていた。来場所も今場所みたいにやりたい」と意気込んだ。


妙義龍

26日、優勝争いで横綱・照ノ富士を1差で追っていた平幕・妙義龍は関脇・明生に敗れ、初優勝には手が届かなかった。
立ち合いで勢いよく当たった妙義龍だったが、関脇・明生の肩すかしに土俵へ両手をつくあっけない幕切れ。
結びに控える照ノ富士の優勝が決まると、館内はため息に満ちた。
待望の賜杯は逃したが「緊張感はあったが精いっぱいやった結果」と晴れやかな表情だった。
10月に35歳となるベテランは、実に8年ぶりとなる技能賞に輝いた。
「派手ではない押し相撲を評価していただき、うれしい」と6回目の受賞を素直に喜び、「まだまだやれると分かった」。
自信を取り戻した関脇経験者、早くも来場所が楽しみになってきた。


阿炎

千秋楽、東十両5枚目・阿炎は、同9枚目・錦富士をはたき込みで下して13勝目。
14日目に今場所の十両優勝は決めていたが、最後の一番も勝って12連勝で締めた。
立ち合いから強烈な突き押しで押し込むと、こらえて前のめりになった相手を冷静にはたき込んだ。
白星で今場所を終え「いい結果が残せてうれしいです。最後まで集中して、相撲と向き合えたのがよかったと思う」と、自身2度目の十両Vを改めてかみしめた。

平幕だった昨年7月場所中に、協会の定める新型コロナウイルス感染防止のためのガイドライン(指針)違反が発覚。
3場所出場停止の処分で、一度幕下下位まで番付を下げた。
春場所で復帰以降白星を重ね、今場所の成績で再入幕も確実にした。
阿炎は「新しい1歩だと思って、進んで行こうと思います」と、気持ちを新たにしている。




2021/09/26
大相撲ニュース
照ノ富士

14日目、新横綱の照ノ富士が、2場所ぶり5度目の優勝に王手をかけた。
結びで大関貴景勝を下して12勝目。
2敗で単独首位をキープし、優勝の可能性は3敗を守った妙義龍との2人に絞られた。
千秋楽は妙義龍が負けるか、照ノ富士が大関正代に勝てば、優勝が決まる。
新横綱場所での優勝は2017年春場所の稀勢の里に続き、1場所15日制となった1949年(昭24)以降では5人目の快挙となる。


逸ノ城

14日目、小結逸ノ城が、2018年秋場所以来3年ぶりに三役で勝ち越した。
3敗で優勝の可能性を残していた好調の東前頭11枚目遠藤に勝利。
三役残留を決める大きな白星となった。
立ち合いは左手を出して相手の出足を止めると、すかさず左に引いて土俵際で逆転の突き落としを決めた。
「(遠藤を)中に入れさせないで何とか(勝てた)。(相手は好調だったが)自分のことだけ考えて集中していた。とりあえず良かった」と振り返った。
負ければ7勝7敗となり、千秋楽が給金相撲となっていた。
重圧に関しては「あまり考えてなかった。(千秋楽は)最後しっかり勝って気持ちよく終わりたい」と力強く話した。


妙義龍

14日目、西前頭10枚目の妙義龍が、大関正代に圧勝でただ1人3敗を守った。
立ち合いで左前みつをつかみ、続けざまに右の前みつも引きつけると一気に前に出て寄り切った。
妙義龍の11勝は、2014年名古屋場所以来7年ぶりとなる。


千代の国

14日目、幕尻、東前頭17枚目の千代の国が、碧山に勝って9勝目をあげた。
決まり手は「つき手」。
昨年秋場所13日目の高安以来となる珍しい決まり手だ。
「あっという感じでしたね。拍子抜けではないが、決まったんだという感じでした」。
何より勝った事実が大きい。
千秋楽に向けて「明日の一番、しっかり集中していきたい」と気合を入れ直した。


阿炎 十両優勝

大相撲秋場所の十両は元小結・阿炎が12勝目を挙げ、26日の千秋楽を待たずに優勝を決めました。
阿炎は去年、出場停止の処分を受けて一時、幕下まで番付を下げましたが、7場所ぶりの幕内復帰へ大きく前進しました。
秋場所の十両は5枚目の阿炎が持ち味の力強い突き押しで白星を重ね、13日目を終えて11勝2敗で単独トップに立ち、錦木と錦富士が星の差2つで追っていました。
14日目の25日、阿炎は錦木に押し出しで勝って12勝目を挙げた一方、錦富士は敗れたため、千秋楽を待たずに阿炎の優勝が決まりました。
阿炎は「振り返るには早いのであしたの一番に集中します」と話し、気を緩めていない様子でした。


元十両竜虎 引退

14日目、日本相撲協会は25日、元十両竜虎(本名・川上竜虎、23=尾上)が引退届を提出し、受理したと発表した。
熊本県宇土市出身の竜虎は学生時代に中学横綱に輝き、熊本・文徳高を経て2017年初場所に初土俵。
師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)のおいっ子としても注目を集めた。
2019年名古屋場所で新十両昇進を果たし、通算十両在位は2場所。
最近は今年3月の春場所から4場所連続で休場していた。




2021/09/25
大相撲ニュース
照ノ富士

13日目、重圧のかかる結びで、照ノ富士が単独トップの座を死守した。
3敗の妙義龍と阿武咲が、連続で大関を撃破して迎えた一番。
負ければ3敗の平幕3人に並ばれる中で、2度の優勝経験を持つ難敵を退けた。
13日目終了時で年間勝利数を60に乗せた。
2位で43勝の正代と御嶽海が、仮に来場所まで全勝しても上回らないため、初の年間最多勝が確定。
秋場所13日目で決めるのは、1場所15日制が定着した1949年(昭24)夏場所以降では2005年朝青龍、10年白鵬に並ぶ史上最速タイ。


阿武咲

阿武咲が正代を撃破して3敗を守った。
一度は大関の圧力に土俵際まで後退したが、これを残すと反撃。もろ差しになると一気に走った。
「しっかり下からあてがえた。冷静さもあって、最後まで集中できていた」と納得の口ぶりだった。
昨年の秋場所以来、1年ぶりに白星を2桁に乗せ、残り2日で横綱照ノ富士とは1差。
終盤まで堂々と優勝を争っている。
「光栄なこと。だからこそ一日一番、集中してやれることをやるだけ」と表情を引き締めた。


妙義龍

13日目、西前頭10枚目妙義龍が、大関貴景勝をすくい投げで破り、14度目の挑戦にしてようやく初白星を挙げた。
立ち合いは正面から激しくぶつかった。
距離ができると、互いに腕を伸ばしたりはたいたりしてけん制。
呼び込んでしまい土俵際に追い込まれたが、逆転のすくい投げを決めた。
「今までいろいろ考えすぎて勝てなかった。思い切り踏み込んでから、という感じだった」と狙い通りだった。
貴景勝からようやくつかんだ初白星に「初めて勝ったことが大きい」と声を弾ませた。
さらに、優勝争いで単独トップに立つ照ノ富士に1差でピタリとつく白星にもなったが「何やろ。特には考えてないけど」と淡々と話した。
それよりも「相撲を取れていること、声援をもらえることに感謝してやっています」と話した。


遠藤

13日目、東前頭11枚目の遠藤は霧馬山をはたき込み、3連勝で10勝目を挙げた。
今年に入って先場所まで両膝や右肘につけていたサポーターや伸縮性のベルトを取り去った。
立ち合ってすぐに、体を右へ開く。俊敏な動きに対応できなかった霧馬山は、つんのめって手をついた。
2秒0。
3連勝で2場所ぶりの2桁白星となり「自然に体が動いた。しっかり集中して相撲が取れた。あしたも頑張る」。
前日と同じ短い言葉を並べた。




2021/09/24
大相撲ニュース
照ノ富士

12日目、新横綱・照ノ富士は新関脇・明生に下手投げで不覚を取り、2敗目を喫した。
ただ一人2敗だった平幕の妙義龍も敗れたため、単独トップは守った。


貴景勝

12日目、大関・貴景勝が西前頭5枚目・宝富士を押し出しで下して8勝目。
自身4度目のカド番を、12日目に脱した。
勝ちを確信した直後、一つ息をはいた貴景勝。
立ち合い当たってからいなし、張ってひるんだ相手を一気に押し出した一番を「積極的にやろうと思っていました」と振り返った。


明生

12日目、明生が2011年技量審査場所で前相撲を踏んだ同期の照ノ富士に、序ノ口時代から7度目の対戦で初めて勝った。
横綱戦としてもこれが初勝利。
「いやぁもう、無我夢中でした。同期生という前に、相手は横綱なんで、そういうこと考えず思い切っていこうと思ってました」
右から外掛けにいくシーンもあったが、「ちょっと覚えてないです」と、言葉通り無我夢中で先手を取って攻め立てた。
新関脇で既に7敗目を喫しているが、「強い横綱に勝つことができて、すごくいい一番だった」。
今後に向け、大きな財産となる白星を手に入れた。


高安

元大関で小結の高安が臀部(でんぶ)のけがで秋場所12日目の23日から休場した。
11日目の照ノ富士戦で負傷し、日本相撲協会に「右大臀筋筋挫傷の疑いで約2週間の安静加療が必要」との診断書を提出した。


阿武咲

阿武咲が格上の御嶽海を圧倒した。
突き押しで休まず攻め、最後は観念した様子の相手を押し出した。
「よく攻められた。しっかり前に出ようと思ったので、よかった」。
手応え十分の内容に、土俵上で小さくうなずいた。
前日の黒星を引きずらず、単独トップの照ノ富士に1差で食らい付く。
13日目は大関正代との一番が組まれた。
「やることは変わらない。自分の相撲を取り切りたい」。
これまで通り、無心を貫く構えだ。


遠藤

12日目、左大腿(だいたい)二頭筋損傷で名古屋場所5日目から途中休場した遠藤が復帰した場所で快進撃を続けている。
2連敗中だった隆の勝を土俵際のはたき込みで破り9勝目を挙げた。
あまりオンライン取材に姿を見せない遠藤も、この日は勝ち越しを決めた11日目に続いて登場。
「しっかり自分の相撲を取ることだけ考えていました。明日も頑張ります」と意気込んだ。




2021/09/23
大相撲ニュース
高安

大相撲の東小結、高安が秋場所12日目の23日、休場した。
8敗目で負け越しが決定。
7敗目を喫した11日目の横綱照ノ富士戦で土俵下へ転落後にしばらく立ち上がれなかった。
休場は2場所連続10度目。
12日目の対戦相手、玉鷲は不戦勝。




2021/09/23
大相撲ニュース
照ノ富士

11日目、新横綱の照ノ富士が高安の粘りに苦しみながらも、1敗キープで単独トップを守った。
持久戦にも慌てず、落ち着いた内容で元大関を寄り切った。
「相手の(形の)左四つなので、何があるか分からない。じっくり前に出ようと思った」。
通算成績で負け越している難敵を下し、2場所ぶりの優勝へまた一歩、近づいた。


正代

前へ、前へと攻め抜き、正代が勝ち越しを決めた。
「勝ち越しが懸かっていたので硬くなった」と打ち明けた立ち合い。
得意の右を差せず、左はおっつけられて自分の形に持ち込めなくても、止まらない。圧力をかけながら左上手を引くと、新関脇の明生を振り回し、投げ捨てた。
「ひと安心。先場所は(勝ち越しが)千秋楽に持ち越したから」。
大関としてはいただけないせりふだが、正代らしい言葉に実感が詰まる。


貴景勝

貴景勝は頭で当たって阿武咲の上体を起こすと、反応良く体を開いて引き落とした。
今場所、好調な相手に相撲を取らせず、「しっかり準備してやろうと思っていた」。
集中力は高く、短い言葉の中に手応えをにじませる。
かど番で迎えた今場所は初日から3連敗と苦しんだが、7日目からの5連勝で勝ち越しまであと1勝。
「15日間やってみないと分からない。あすの一番に集中する」と厳しい表情は崩さなかった。


御嶽海

11日目、東関脇の御嶽海は西前頭4枚目の大栄翔を押し出し、連勝で8勝目(3敗)を挙げて5場所連続の勝ち越しを決めた。
立ち合いで踏み込み、大栄翔の突きに後退せずに下から応戦。
引きに乗じて前に出て、土俵の外に運んだ。
大栄翔には十両時代から通算11勝7敗。
12日目の相手は西前頭6枚目の阿武咲。


妙義龍

11日目、34歳の妙義龍が初顔の一山本を寄り切り、9勝目を挙げた。
「ぐいぐい、もろ手で当てるイメージ。あまり前のめりにならないように、足で取ろうと思った」と入幕2場所目の相手に経験の差を見せつけた。
優勝争いでは新横綱照ノ富士と1差だが「特にない。別に」と関心は示さなかった。


千代の国

幕尻の千代の国が連日、きっぷのいい突き押し相撲で館内を沸かせている。
この日も持ち味を発揮し、11日目にして勝ち越しを決めた。
「しっかり集中できている」。表情にも充実感が漂っている。




2021/09/22
大相撲ニュース
照ノ富士

10日目、新横綱・照ノ富士は、人気業師の幕内・宇良を上手投げで下し、9勝目を挙げた。
9日目は、平幕・大栄翔に寄り切りで敗れ、金星を初めて配給したが、連敗はしなかった。


正代

10日目、大関正代が幕内大栄翔を下し7勝目(3敗)を挙げた。
前日9日目に新横綱照ノ富士に初黒星をつけた大栄翔の強気な突きの攻勢に手を焼きながらも、さばきながら回り込み、はたき込んで勝利した。
取組後は「馬力、立ち合いの圧力が強いと思っていたので、負けないように踏み込んでぶつけにいった。結局さばくような形になってしまったがよく体が反応した」。
金星奪取で勢いづいた相手に番付の違いを見せつけた。


貴景勝

10日目、かど番の大関貴景勝は新関脇の明生を圧倒しての4連勝で6勝目をあげた。
かど番脱出へあと2勝。本来の力強い押し相撲を取り戻してきた。
「集中してやろうと思いました。また明日から相撲がとれるように準備したい。(応援に)感謝して頑張ります」。
11日目は同じ押し相撲で勢いのある阿武咲の挑戦を受ける。


御嶽海

10日目、東関脇の御嶽海は東前頭3枚目の若隆景を押し出し、7勝目(3敗)を挙げた。
若隆景には通算5勝1敗。


琴ノ若

10日目、左ひざのけがのため、休場することになりました。
今場所、自己最高位の前頭3枚目で迎え、9日目は、宝富士との攻防のある相撲の末、下手投げで敗れここまで3勝6敗の成績でした。
21日、千葉県内の病院で診察を受けた結果、左ひざのじん帯と半月板の損傷で全治10日間と診断され、10日目の21日から休場することになりました。
休場は、去年7月場所で左ひざを痛めて以来、2回目です。


阿武咲

過去、1勝5敗と合口の悪かった遠藤を破った。
まわしを与えず、よく見て突っ張ると、休まず押し出し。
弾みをつける好内容で給金相撲を物にし、「手も足も出ていたのでよかった」と実感を込めた。
好調の要因を「無駄な力が入らず、集中できている」と自己分析したが、11日目の貴景勝との同学年対決でも平常心を貫けるか。
「土俵に上がったら関係ない。しっかり勝ちにこだわっていきます」と誓った。


宇良

10日目、新横綱・照ノ富士に上手投げで屈し、6敗目を喫した。
だが、驚異的な粘りを見せた。
約1分30秒の激闘。
左の上手を肩越しに取られると、照ノ富士が豪快に投げ飛ばしにかかるが、右手一本をまわしにかけ、くの字に体を曲げブリッジのような体勢で残し、観客を沸かせた。


妙義龍

10日目、西前頭10枚目妙義龍は隠岐の海に対し、左差し右前まわしで寄り切った。
「立ち合いで勝負かけていました。踏み込んで前みつ取って前に出ることができたんでよかったですね」。
自身は今年初場所以来、4場所ぶりの勝ち越し。
気を緩めることなく、「また明日から頑張ります」と厳しい表情だった。


宮城野部屋 稽古再開

新型コロナウイルス感染者が出て横綱白鵬ら18人の所属力士全員が大相撲秋場所を全休措置となった宮城野部屋が21日、東京都墨田区の同部屋で稽古を再開させた。
関係者によると、四股などの基本運動で汗を流したという。
宮城野部屋では新十両北青鵬の感染が今月1日に判明。
6日には力士1人の陽性も確認、全力士の休場が決まった。
日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長は11月の九州場所番付に関し、同部屋勢は据え置きを軸に検討する方針を示している。




2021/09/21
大相撲ニュース
照ノ富士

新横綱照ノ富士の連勝が8で止まった。
まわしを取ることができず大栄翔の下からの攻めに土俵を割った。
悔しそうな表情を浮かべながら花道を引き揚げ、報道陣のリモート取材には今場所、初めて応じなかった。


正代

9日目、大関正代が幕内千代翔馬を退けて6勝目(3敗)を挙げた。
立ち合いは千代翔馬の変化を警戒。
土俵際まで押し込まれる場面もあったが、最後は落ち着いて押し出した。
取組後は「とりあえず1歩だけ踏み込んで、むやみに走らないようにしました。相手も考えてくるだろうと想像して見ていった」と振り返った。
この日は全勝だった新横綱照ノ富士に土がつき、優勝争いのトップとは2差に接近。
残り6日間での逆転優勝へ向けて「今のところケガもないですし、このままの調子でいけたら」と気持ちを引き締めた。


貴景勝

9日目、かど番の大関貴景勝が、今場所初めて白星を先行させた。
馬力のある小結高安を立ち合いで弾くことはできなかったが、いなして体勢を崩して優勢に。
必死の押しやのど輪で攻めて押し出して5勝目を挙げた。
初日から3連敗などしたが、何とか持ち堪えて白星を先行させた。
それでも気持ちに緩みが出るはずもなく、「一生懸命力を出し切ることだけ。星勘定しないように頑張るだけです」と短い言葉に力を込めた。


豊昇龍

9日目、豊昇龍が驚異的な粘りから、柔道を思わせる豪快な一本背負いで白星をつかんだ。
立ち合いから若隆景に押し込まれたが、土俵際でのけぞりながら残すと、相手の右腕を抱えて最後は投げ飛ばした。
際どい勝負に軍配は相手に上がったが、協議の末、差し違えで勝利を手にした。
幕内では2017年初場所8日目に豪風が魁聖に決めて以来、4年8カ月ぶりの大技で「勝負が終わるまであきらめなければ大丈夫。体が反応できてよかった」と振り返った。


大栄翔

照ノ富士の独走に「待った」をかけたのは、大栄翔だった。
新横綱から最初の金星を獲得した。
四つ相撲で無類の強さを誇る照ノ富士に対し、大栄翔は「まわしを取られたら話にならない。自分の押し相撲で向かっていった」。
立ち合いでいきなり横綱の左が伸びてきてまわしをかすめたが、つかまれたのはさがりだけ。
なおもまわしを狙われ続けたが、死守した。
必死で重たい体を突き起こし、一気の攻めで寄り切った。
肩を落として土俵を下りた横綱を尻目に、万雷の拍手の中で堂々と勝ち名乗りを受けた。
「自信になる相撲だった。この先もしっかり、こういう相撲を取れるように」と、手応えを得た様子だ。


水戸龍

9日目、東十両筆頭水戸龍が日本相撲協会に「腰椎椎間板ヘルニアにより休場を要する」との診断書を提出して休場した。
休場は2018年秋場所以来3度目。
今場所の十両以上の休場者は宮城野部屋に新型コロナウイルス感染者が出て全休措置が取られた横綱白鵬ら10人(再出場を含む)となった。




2021/09/20
大相撲ニュース
照ノ富士

中日、新横綱照ノ富士は平幕玉鷲を寄り切り、初日から8連勝で勝ち越し。
単独首位を守った。
新横綱のストレート給金は、1場所15日制が定着した昭和24年以降6人目。


貴景勝

カド番の貴景勝が3連敗スタートから巻き返し、4勝4敗で前半戦を終えた。
「集中していった。押し相撲同士。気持ちで積極的にいこうと思った」と淡々とした口ぶりだ。
2日連続で強烈なぶちかましを披露し、先場所に首を痛めた影響を取り口からは感じさせない。
高田川審判長は「今日の立ち合いが一番良かった。だんだん上向いている」と復調を感じ取っていた。


御嶽海

8日目、東関脇の御嶽海は西関脇の明生を引き落とし、6勝目を挙げた。
明生には幕下時代から通算5勝2敗。


琴ノ若

8日目、大関正代から初白星を挙げた。
「うれしい。自分の力を出して、向かっていくことしか考えていなかった。立ち合いに持っていかれたが、しっかりと出し切れたと思う。気持ちの面でプラスになるし、自信にもなる」と喜びをかみしめた。


新序出世、再出世力士

19日、大相撲秋場所の新序出世力士3人と再出世力士3人を発表した。
11月の九州場所から番付に加わり、序ノ口で相撲を取る。
※かっこ内は出身、部屋

□新序出世
浦崎(三重、立浪)桝谷(兵庫、山響)中西(三重、二子山)
□再出世
千代獅子(富山、九重)艶郷(埼玉、湊)福湊(東京、湊)




2021/09/19
大相撲ニュース
照ノ富士

7日目、ここまで6勝負けなしの新横綱・照ノ富士が、前頭3枚目・琴ノ若との結びの一番。
立ち合い、照ノ富士は琴ノ若に「のど輪」で少し距離をとられますが、落ち着いて右手で回しをつかみます。
その後、体を引きながら脇を締める琴ノ若に対し、十分な体勢がとれなかった照ノ富士ですが、右手を巻き返すと最後は「寄り切り」で勝利。
安定した取り組みで唯一の全勝を守りました。


正代

7日目、大関・正代が東前頭4枚目・玉鷲を寄り切り、2敗をキープした。
昨年秋場所で初優勝して大関に昇進したが、その後は思うような成績を残せず、賜杯には届いていない。
大関の誇りにかけて、無傷7連勝でトップを独走する新横綱・照ノ富士に食らいついていく。


貴景勝

7日目、大関・貴景勝は、東前頭3枚目・若隆景を押し倒しで破って3勝目。
カド番で迎えている今場所、前日からの連敗は避けた。
2度目で立った立ち合いは、強烈なぶちかましで「ゴスッ」と鈍い音が響いた。
一度はたかれても踏ん張り、低く押し込んで相手を吹っ飛ばした。
「あんまり覚えてないですけど、集中してやることしかできないので。明日もそういう準備をしていきたい」。
名古屋場所で負傷した首の不安も感じさせず、取組後は淡々と振り返った。


豊昇龍

5日目の16日に「急性扁桃(へんとう)炎」の診断で休場した東前頭筆頭、豊昇龍が、8日目の19日から再出場する。
8日目は小結・逸ノ城との対戦が組まれた。
豊昇龍は16日に発熱があったが、師匠の立浪親方によると新型コロナウイルスのPCR検査は陰性で、体調を見て再出場する意向を示していた。


妙義龍

7日目、前頭・妙義龍が志摩ノ海を寄り切りで破り6勝1敗とした。
横綱・照ノ富士が幕内で唯一全勝を守って突き進む中、34歳の妙義龍が1敗で食らいつき、意地を見せている。
しぶとい相撲を持ち味とする力士同士の一番。
志摩ノ海も頭を下げた良い出足だったが、妙義龍の方が「立ち合いが良かった」。
脇を締めて足を前に運び、相撲の教科書のような姿勢で攻め立てる。
右四つに組み合えば、どっしりと腰を沈めたまま万全の寄りで制した。


遠藤

7日目、前頭11枚目・遠藤と前頭17枚目・千代の国の一番は、激しい攻め合いで、場内がどよめく激闘となった。
遠藤はあわやの場面もあったが、顔面から流血しながらも最後は千代の国を寄り切りで下した。
視聴者からも「これは名勝負だった」「よく耐えた」という称賛の声が寄せられた。




2021/09/18
大相撲ニュース
照ノ富士

6日目、まさに閂(かんぬき)だった。
横綱照ノ富士は若隆景の両腕をがっちりときめると、悠然と前に出てきめ出した。
強さを見せつけ6連勝。
千代の国が敗れたため、一人横綱が早くも単独トップに立った。
「落ち着いていこうと思ってました。焦らずという感じで考えていました」
「残りまだ9番残っているので、一日一日集中してやりたいと思ってます」と語る。


御嶽海

6日目、関脇・御嶽海が、新鋭の西前頭3枚目・琴ノ若の挑戦を一蹴した。
一気の押し出しで1敗をキープした。
今場所で、三役在位は26場所目で昭和以降8位タイ。
優勝も2回と実力者ながら壁を破れずにいる。
大関候補返上に向け、無傷6連勝で単独トップとなった新横綱・照ノ富士を1差でピタリ追走する。


霧馬山

6日目、西前頭2枚目の霧馬山は大関正代を寄り切って5勝目を挙げた。
白星は2大関を含む、いずれも三役以上から奪った。


玉鷲

玉鷲が貴景勝を破り、大竜川に並ぶ史上5位の通算連続出場1367回に花を添えた。
モンゴル出身で2004年初場所の初土俵から一度も休まず土俵に上がる36歳は「意識していなかったが、良かった」と笑みを浮かべた。


5人の親方 福岡市役所を訪問

約2年ぶりに福岡市で開かれる大相撲九州場所を前に、5人の親方が17日、福岡市役所を訪問しました。
17日午前、福岡市の中村副市長を表敬訪問したのは、境川親方や三保ヶ関親方ら、九州場所の運営を担う5人の親方です。
去年の九州場所は新型コロナウイルスの影響で開催地が東京の両国国技館に変更されたため、福岡市での開催は2年ぶりとなります。
九州場所担当部長・境川親方は、「コロナ禍の中で来ていただいたお客さんには少しでも喜んでいただけるように安心して観戦していただけるように努めてまいりたいです。」
中村副市長は「博多の風物詩として、一緒に盛り上げていけるよう、私たちもがんばります」と話しました。
大相撲九州場所は11月14日から28日まで、福岡国際センターで開催され、前売り券は10月2日からインターネットで販売されます。




2021/09/17
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士が序盤を無傷で乗り切った。
好調の霧馬山に低い体勢で頭を付けられて攻めあぐねたが、「慌てずにやろうと思っていた」と半身で我慢。
相手の巻き替えに乗じ、胸を合わせて寄り切った。
緊張感漂う新横綱場所でも、膝を曲げた前傾姿勢でじっくり対処する相撲が崩れる気配はない。
照ノ富士は「一日一番、集中してやるだけ」と表情を変えなかった。


正代

正代が苦手とする若隆景を圧倒した。
立ち合いの当たりで相手の体を浮かせると、そのまま一気に押し出した。
3連敗中の悪いイメージはあったというが、「いろいろと考えずに、思い切り走ることだけを考えていた」と無心を強調した。
横綱照ノ富士は5連勝。
このまま1差で追って大関の責任を果たしたいところだ。
正代は「こういう相撲が増えていけば成績もついてくる」と自信を示した。


豊昇龍

5日目、東前頭筆頭の豊昇龍が国技館到着後に「急性へんとう炎」と診断され、急きょ休場した。
新型コロナウイルスのPCR検査は「陰性」だった。

幕内の土俵入りが終わり、新横綱照ノ富士の横綱土俵入りが始まる直前にその一報は伝わった。
国技館に姿をみせていた豊昇龍が、国技館内の相撲診療所で診察を受けた結果、「急性へんとう炎」と診断され「約2日の自宅療養を要する」との診断書を提出して、休場が決まった。
芝田山広報部長によると、38度ほどの発熱があったという。
取組を編成する審判部では、すでに6日目の取組を発表しており、豊昇龍は宝富士との対戦が決まっていた。 だが、取組を再編成する「割り返し」が行われ、5つの取組がかわった。
師匠の立浪親方によると、この日朝に発熱がありPCR検査を受けて「陰性」だった。
豊昇龍が「相撲を取る」と希望したため国技館入りしたが、頭痛がおさまらなかったと説明。
「審判部にご迷惑を掛けて申し訳ない」とし、様子をみて再出場するという。


北勝富士

5日目、東前頭2枚目北勝富士が「右膝内側側副じん帯損傷」の診断書を提出して休場した。
4日目の横綱照ノ富士戦で右ヒザを負傷。
ここまで2勝2敗だった。
休場は2018年夏場所以来2度目。


宇良

5日目、やはり、宇良の相撲から目が離せない。
幕内では朝青龍が2005年九州場所で決めて以来、16年ぶりの送りつり出し。
大技でファンの期待に応えた業師は、「これでどや!」とばかりに土俵でドンと胸を張った。
隙をついて大栄翔の背後へつき、162キロを持ち上げながら左へ回転。
経験があるレスリングの裏投げのように、ひねりをきかせて、そのまま土俵外へ追いやった。


千代の国

5日目、千代の国が魁聖を下した。
幕尻の千代の国が奇麗に白星を並べている。
6連勝発進だった昨年11月場所以来となる初日からの5連勝で、勝ちっ放しは新横綱の照ノ富士と2人だけ。
中卒たたき上げの31歳は、「一日一番でしっかり集中できている」と端正な顔立ちをかすかにほころばせた。


2番連続不戦敗の珍事

幕内で2番続けて不戦敗となるのは、22年ぶり6度目の異例の事態となった。
5日目、午前中には北勝富士の休場も発表されており、豊昇龍の休場によって幕内後半戦で組まれていた「北勝富士−隆の勝」「高安−豊昇龍」が2番続けて不戦敗となる異例の事態に陥った。
幕内での2番連続不戦敗は、平成11年春場所11日目「□平幕寺尾−大関千代大海■」「□平幕栃乃洋−横綱貴乃花■」以来22年ぶり6度目の珍事。




2021/09/16
大相撲ニュース
照ノ富士

4日日、新横綱照ノ富士が、北勝富士を引き落とし、三役以上でただ1人の全勝を守った。
相手はつかまらないよう、動き回ってくるが「落ち着いていけたと思います」と平然。
相手が何とかかく乱してこようとしても、どっしり構えて動じない。
優勝争いをリードするが、「一生懸命やっているだけですね。悪くはないと思います。残り頑張りたいと思っています」。
普通の言葉に自信がにじみ出た。


正代

4日目、大関正代が幕内隆の勝を突き落とし、2日目から3連勝に伸ばしトップと1差をキープした。
昨年秋場所で初優勝し大関昇進を果たしてから1年。
地位の責任感を胸に逆転連覇へ勢いづいてきた。


貴景勝

4日目、必死だった。
なりふり構っていられない。
そこには大関らしい落ち着きは見られない。
貴景勝から見えたのは、ただ勝ちへの執念。
それがなんとか実った。
4日目にしてようやく出た初日。
「毎日、準備してやっているんで。勝たないといけないけど、これ(結果)ばかりは仕方ないこと。毎日、準備することだけ考えています」。淡々と話し


明生

新関脇の明生が星を五分に戻した。
琴ノ若の力任せの攻めを右の下手を命綱にして残し、相手が出てくるところを体を入れ替えるように出し投げ。
伸び盛りの若手を破り、「自分のことに集中した。(最後は)いい反応だった」と納得の表情を見せた。
豊富な稽古量で番付を上げてきた26歳。
次の目標を大関に定めている。
連勝でようやくエンジンもかかってきたようだ。
「自分を信じて最後までやり切ろうと思う」と表情を引き締めた。


霧馬山

4日目、霧馬山の攻めは本当にしぶとい。
まわしを引いて、逸ノ城の懐に頭をつけた。
逸ノ城に得意の右を差し許したが、ここは我慢。
66キロの体重差をものともせず、食らいついて寄り切り。幕内で自身初の初日から4連勝を決めた。
「まわしを取って、頭をつけて、それでちょっと落ち着いたっすね」。
場所前にコロナに感染し、調整が不十分だった逸ノ城が相手とはいえ、過去2度の対戦では敗れている。
上位で通用し始めた霧馬山の成長を感じさせる一番だった。


妙義龍

4日目、妙義龍が初日から4連勝とした。
34歳の妙義龍が奮闘している。
初日から4つの白星を並べるのは5連勝発進だった今年春場所以来。
「このまま行ければいい。場所はもう始まっているのだから、変わらずに日々、淡々とやっていくだけ」と歴戦のベテランらしく静かに残りの土俵を見据えた。


剣翔

4日目、打ち出し後に電話取材に応じた芝田山広報部長によると「40度くらいまで上がった」という発熱に見舞われた。
休場で4日目の千代の国戦は不戦勝。
PCR検査の結果は陰性で、同広報部長は「蜂窩(ほうか)織炎の可能性もある」と説明していた。
剣翔は5日目から再出場する。




2021/09/15
大相撲ニュース
照ノ富士

新横綱照ノ富士は、西前頭筆頭の隆の勝を下し、初日から無傷の3連勝を飾った。
激しく動く相手に序盤はまわしを取れなかったが、前に出て圧力をかけた。
捕まえて抱え込んで万全。
最後は寄り切った。


正代

立ち遅れて北勝富士のおっつけをまともに浴びても、この日の正代にはどっしりと受け止めるだけの馬力があった。
わずかに差した左を糸口にして相手をはねのけるように一歩ずつ前進。そのままゆっくりと寄り切った。
「内容も体の動きも悪くない。このままの流れで自分の相撲を取り切れたら」と語る。


貴景勝

初日からの3連敗は、大関昇進前を含めても3度目。
かど番の貴景勝は「一生懸命にやって負けたから弱いわけだし…。勝てるように日々やっているが、なかなかそう簡単にはいかない」と表情を曇らせた。


明生

明生は若隆景を突き落とし、新関脇の初日をようやく出した。
「よかったです」とあっさりしたコメント。
「まだまだ長いんで、集中していきたい。相手どうこうじゃなく、自分自身の相撲に集中したい」と語った。


霧馬山

霧馬山が高安との我慢比べを制した。
馬力のある元大関の攻めを半身になって耐え、機をみて右から引き落とした。
3分以上の熱戦に「相手も苦しいと思っていた。頑張ってよかった」。
肩で大きく息をしながら勝ち名乗りを受けた。
三役以上との対戦が続く中で、初日から白星を三つ並べた。
部屋付きの鶴竜親方からも連日のように助言をもらい、好結果につなげている。


宝富士

西前頭5枚目の宝富士が、現役1位を記録した記念日を白星で飾った。
同じ近大相撲部で、左の合四つの志摩ノ海に攻め込まれたが、土俵際で突き落としを決めた。
「危なかったけど、最後まであきらめずにいけた」。
2011年九州場所での再入幕から、幕内連続出場768回は、横綱白鵬を超えて現役1位となった。
「自分にそういう記録はほかにない。大事にしていきたい」。
休まず土俵を務めてきた要因を「しっかり稽古をしてきた。力士は休んじゃいけない」と言った。


千代丸

癒やし系のま〜るいおなかは健在だが、以前と比べてどことなくほっそりしている。
「20キロぐらい落としました。なんか、ちょっとずつ落ちていって」と千代丸九重。
今場所の体重は新十両に昇進した8年前と同じ176キロ。
土俵際で軽やかに左へ回り込んで一山本にすくい投げ。
若返ったような動きで初日から3連勝を決めた。




2021/09/14
大相撲ニュース
照ノ富士

横綱・照ノ富士が前頭筆頭・豊昇龍を寄り倒しで下し、初日から2連勝を飾った。
安定感のある内容に、視聴者からは「さすが横綱」「気迫がすごい」といった声が相次いだ。
新横綱の危なげない相撲内容に、ABEMAで解説を務めた元横綱・大乃国の芝田山親方は「問題ないですね」と感嘆するように一言。
続けて「豊昇龍が右の下手を差しにきたときに、包み込むように照ノ富士が左の上手を取りにいきましたよね。自分の懐に包み込むような形で」と解説すると、照ノ富士について「万全ですね」と賛辞を送った。


正代

大関・正代が難敵を降して初日を出した。
大関経験者の高安と頭を付け合う体勢から自ら動いて相手の上体を起こし、最後は押し出した。
「常に相手を正面に置けたのがよかった。圧力をかけることができ、全体的に自分の方が攻めていたのではないか」と振り返った。
高安には8月下旬の合同稽古(げいこ)で圧倒されていた。
「いいイメージがなかったが、あれから自分も稽古して、体は動くようになった」と大関としての実力を示した。


貴景勝

2日目、大関カド番の貴景勝が幕内霧馬山に一方的に押し出され、平幕相手に2連敗。
本来の力強い押し相撲が鳴りを潜めている。
角界内では痛めている首の状態が場所前から懸念されており、一部では「休場説」もささやかれていたほど。
このままズルズルと負けが込めば、2度目の関脇転落が現実味を帯びてくる。
取組後は「いい相撲を取りたいと思ったけど、取れなかった」と悔しさをにじませた。
審判部副部長の高田川親方は「調子のいいときは我慢をして相手の中に入り込むが、いなしてから呼び込んでしまっている」と敗因を指摘した。


霧馬山

霧馬山が自身4度目の大関撃破で2連勝した。
立ち合いでのもろ手つきは空を切ったが、体勢を整えて突いて前へ。
力なく後退した貴景勝を一気に押し出した。
場所入り前には部屋付きの鶴竜親方から「ちゃんと当たって前に出ろ」とアドバイスを受けたという。
「今日みたいな相撲を取っていきたい」と自信をつける一番となった。


若隆景

130キロの若隆景が、200キロを超える小結逸ノ城を鮮やかに倒した。
右下手を命綱に頭をつけ、まわしを与えない。
しびれを切らし出てきた相手の勢いを利用するように下手投げ。
反応の良さを発揮し、「小よく大を制す」を体現した。
初日の小結高安に続いて三役を破った。
余韻には浸るつもりはなく「しっかり自分の相撲に集中していきたい」と言葉にも勢いがあった。


琴ノ若

琴ノ若は、大栄翔を破り初日を出した。
父と祖父から受け継いだものがある。
自己最高位に番付を上げた琴ノ若が「四つ」と「押し」の二刀流を武器に初の上位戦に挑んでいる。
本来の型は父で師匠の佐渡ケ嶽親方から受け継いだ左四つ。
一方で母方の祖父は頭からぶちかまし、猛牛の異名をとった元横綱琴桜。
四つ相撲だけじゃない。
琴ノ若は押しでもやれることを証明してみせた。




2021/09/13
大相撲ニュース
照ノ富士

第73代横綱の照ノ富士が、本場所で初めて「不知火型」の土俵入りを披露した。
また、早くも独走Vの予感だ。
初日、小結逸ノ城を危なげなく寄り切って白星発進。
取組後は「よかったです。今までやってきたことを信じて、一生懸命やるだけ」と納得の表情を浮かべた。重圧がかかる大事な初日を難なく乗り切った。


貴景勝

カド番の大関・貴景勝は、平幕・北勝富士に押し出しで敗れて初日黒星。
立ち合い当たって右おっつけで起こされ、横向きになって粘ったが土俵を割った。
名古屋場所では逸ノ城(湊)戦で首を負傷し、途中休場。
「いい相撲を取りたいと思っていた」とこの日の取組を振り返った貴景勝は、患部については「大丈夫です」とキッパリ語った。
切り替えが何よりの持ち味の大関。
2日目からの巻き返しを誓う。


御嶽海

御嶽海が幕内隆の勝を一方的に押し出して白星発進した。
取組後は「しっかり踏み込んで前に出れた。調子はいい感じはします。自分の持っているスピードのある相撲が取れた。気分がいいですね」と納得の表情を浮かべた。


豊昇龍

豊昇龍は大関正代を寄り切って白星発進した。
押されながらもこらえて逆襲。
相手を土俵外に退け「体が上がらないように我慢していたので良かったと思います」と安堵した。
大関を破った豊昇龍は「気持ちとしてうれしいですね」と率直な感想を述べ、通算3勝で正代キラー≠ノなっていることには「得意というのはないけど集中して良かった」と振り返った。


北勝富士

北勝富士が、大関貴景勝を押し出しで破って白星発進した。
1度目の立ち合いはつっかけてしまい仕切り直しに。
2度目の立ち合いで、しっかりと踏み込んで頭からぶつかった。
貴景勝に圧力勝ちし、腕を伸ばしながら前進。
土俵際で貴景勝が逃れるようにくるんと体を反転させたが、落ち着いて押し出した。
三役復帰に向けて幸先のいいスタートを切った。
「踏み込みがしっかりできて良かった。前に出る意識を持っていて、それが本場所で出せて良かった」と安堵(あんど)の表情。




2021/09/12
大相撲ニュース
照ノ富士

初日を翌日に控えた11日、両国国技館で土俵祭りの後、優勝額贈呈式が行われ、夏場所で優勝した新横綱照ノ富士が参加した。
新横綱Vへ向け、いざ出陣。
ファンに対し「皆さんにいい相撲を見せられるように。横綱としてこれからも頑張っていく」と意気込んだ。
東京開催場所の責任者、尾車事業部長も“1強”と見る。
「一番安定した成績を残している。一人横綱でしっかりと勝ち進んで締めてもらいたい」と信頼した。


国技館で土俵祭り

11日は国技館で土俵祭りが行われ、日本相撲協会の八角理事長や審判部の親方衆らが15日間の安全を祈願した。
報道陣の電話取材に応じた尾車事業部長は照ノ富士に対し「ここ数場所は一番安定した成績を残している。気負ったところがなければ、今場所もやってくれるんじゃないか。一人横綱だが、しっかりと勝ち進んで締めてもらいたい」と期待した。


51歳の華吹が白星発進

12日、現役最年長の西序二段101枚目華吹(51=立浪)が、今場所の1番相撲に臨み、東序二段101枚目浪速武蔵(17=武蔵川)との34歳差対決を制した。
立ち合いから左四つにつかまえると右上手で振りまわし、最後は体を預けながら下手投げ。白星発進に成功した。
先場所は3勝4敗で惜しくも勝ち越しを逃していた。
今場所は歴代最多を更新する212場所目。
初場所以来4場所ぶりの勝ち越しを目指す場所となる。


横綱北の富士カレーを新発売

日本相撲協会は東京・両国国技館の売店などで人気の「名物国技館カレー」の発売1周年を記念して「横綱北の富士カレー」を新発売した(400円)。
大相撲中継で解説を務める元横綱の北の富士勝昭氏が監修。
ユーチューブの協会公式チャンネルで、北の富士氏が自ら包丁を握って試作する様子が公開されている。
国技館カレー、国技館ハヤシとのセットで通販限定の販売。




2021/09/11
大相撲ニュース
照ノ富士

10日、取組編成会議を行い、初日、2日目の取組を決めた。
新横綱の照ノ富士は初日、小結逸ノ城、2日目に東前頭筆頭の豊昇龍を迎える。
取組編成を担う審判部の伊勢ケ浜部長が会議後に電話取材に対応。
横綱白鵬は部屋で新型コロナ感染者が出た影響により全休。
いきなり一人横綱となる弟子の照ノ富士に関し「初めての横綱の場所で、いろんな思いがあるだろうけど優勝を目指して頑張らないといけない」とハッパ。
2017年春場所、稀勢の里以来、昭和以降7人目の新横綱Vを指令した。


逸ノ城

10日、両国国技館で取組編成会議を開き、大相撲秋場所の初日、2日目の取組を決めた。
初日に新横綱の照ノ富士と対戦する。
8月27日に新型コロナウイルス感染が確認された小結逸ノ城は、隔離期間を経て稽古を再開したのは8日で、万全ではない状況で新横綱照ノ富士との一番に臨む。
同日に電話取材に応じた師匠の湊親方は、感染の後遺症の症状がみられないとし「どうなるかは分からないが、できる限り頑張ってほしい」と話した。


宮城野部屋勢 番付据え置き

10日、初日、2日目の取組を決め、取組編成を担う審判部の伊勢ケ浜部長が会議後に電話取材に応じた。
白鵬、幕内石浦、十両炎鵬、北青鵬ら宮城野部屋の力士全員が全休。
来場所の番付に関し「番付は基本、据え置きという形できている。加味しながら決めていく。(前回は)十両は全員が半枚落ちた。公平な形でやっていかないといけない。なるべく落ちないようにやっていく」と説明した。


全日本力士選士権 中止

日本相撲協会の芝田山広報部長は10日、秋場所後の全日本力士選士権を中止すると発表した。
新型コロナウイルスの影響で昨年に続いて開催を取りやめる。




2021/09/10
大相撲ニュース
御嶽海

9日、都内の部屋で基礎運動、ぶつかり稽古を中心に調整した。
稽古後、電話取材に応じ「本当にいつも通りっていう感じ」と語った。
2年前に優勝した秋場所で目指すはV3。
最大の敵は新横綱照ノ富士になる。
対戦は5連敗中で5戦すべて寄り切られて完敗しており「最近、番狂わせを起こせなくなってしまったんで、ちょっと新横綱に初黒星を付けたいなという気持ちではいる」と一矢報いたい思いは強い。
東前頭筆頭の豊昇龍、西前頭3枚目の琴ノ若ら20代前半の若手も番付を上げてきた。
大関候補と呼ばれ続ける28歳は「下から若い者たちがきているので、譲れない部分はある」と意気込んだ。


秋場所懸賞申し込み

日本相撲協会の芝田山広報部長は9日、秋場所15日間の懸賞申し込み本数が1519本であることを明らかにした。
前回東京で開催された5月の夏場所は、申し込みの段階で1345本だった。
電話取材に応じた芝田山広報部長は「直近3場所、昨年同じ場所からすると増えている」と説明。
新規も9件あったという。
「企業さん、こうやって出していただける、非常にありがたい。いつも話してはいますが、力士にとっては大きな励みになる」と感謝していた。


元横綱若乃花 評論家に

今場所から日刊スポーツ新聞社の新たな評論家に、元横綱若乃花の花田虎上さんが就任。
本場所中は「若乃花の目」と題したコラムで、取組を柔軟に解説。
11日の紙面にて、秋場所の展望を掲載。




2021/09/09
大相撲ニュース
貴景勝

大関貴景勝が8日、カド番で迎える12日初日の秋場所への出場を明言した。
電話による代表取材で明らかにした。
名古屋場所で首を痛めて途中休場。
立ち合いからのぶちかましが生命線の大関だけに秋場所への影響が心配されたが、貴景勝はけがについて「もう治っています」と説明。
「毎場所優勝を狙っているので、カド番はあまり関係がない。一生懸命やりきることが大事だと思っている」と話した。


高安

8日、小結高安が報道陣の電話取材に応じた。
先月23日から4日間行われた合同稽古に参加した高安は、同じく参加者の小結逸ノ城が新型コロナに感染したことで自宅待機期間があったという。
それでも「(待機は)2、3日ですね。自宅でもできるようなトレーニングもありますから。腹筋でも背筋でも、体を動かしていましたので、体がなまったというところはなかった」と振り返る。
本場所で実力を発揮するためにも「痛いときは無理をしないというのは考えてますね。一番は場所の15日間で痛いところなく、ベストなコンディションで取れるというのがベストですから。しっかり考えて場所前の稽古を過ごしてきました」と語る。




2021/09/08
大相撲ニュース
明生

新関脇の明生が7日、東京都台東区の立浪部屋での稽古後に報道陣の電話取材に応じ「まずは勝ち越し。上を目指して自分の相撲を貫いていきたい」と意気込みを語った。
この日は幕下以下と20番程度こなした。
26歳のホープは番付発表後の記者会見で、早くも大関昇進を視野に入れる発言をした。
まず2桁勝利が求められるが「自分にはまだ大関の力はない。そういう力をこの地位でつけていきたい」と謙虚に話す。
180センチ、148キロでスピード感あふれる攻撃が持ち味。
「自分の相撲に集中してやるだけ。相手よりも自分の精神面」と闘志を燃やした。


逸ノ城

8月27日に新型コロナウイルス陽性反応が出た小結逸ノ城は出場が決定。
「まだはっきりした状況は協会に報告されていないが、問題なく出場できる。時間的には問題ない」(芝田山部長)。


豊昇龍

豊昇龍が7日、都内の部屋で稽古後、電話取材に応じ、「押し合いの、強い当たりの、いい稽古をしていますので」と、充実感を漂わせた。
自己最高位の今場所、増量に取り組み、先日の健康診断では132キロ。
「立ち合いのことを意識して、体ももうちょっと大きくしないといけないと思ってやってきた。まだ体重を測ってはないけど、体が重くなっている感じはしますね。いつもより多く食っていますので」と、“食トレ”の効果も出てきた。
横綱白鵬が部屋で新型コロナウイルス感染が出た影響により全休が決まった。
叔父とも熱戦を繰り広げた偉大なモンゴルの先輩への初挑戦がお預けとなった。
「やっぱり一番やりたかった人だったので、先場所もできなかったし、今場所やっとやれると思って楽しみにしていたけど、コロナでできなくなった」と残念がった。




2021/09/07
大相撲ニュース
照ノ富士

照ノ富士は、白鵬の休場によって新横綱としては2003年春場所の朝青龍以来、18年ぶりに一人横綱を務めることになった。


正代

大関正代が6日、稽古後に電話取材に応じ、12日初日の秋場所に向けた決意を示した。
昨年の秋場所で初優勝を果たし、大関に昇進して1年。
2度のかど番も経験し「この1年間よく守り抜いたなという感じなので。ここからは守るのではなく攻めていけたら」と意気込みを示した。
11月5日で30歳。
同世代の照ノ富士も横綱に昇進した。
20代最後の場所となる今場所に向けて「今のところは人は人。とりあえず自分のことだけやっていけたらと思っているが、一応目指してはいきたいと思っている」と目標を語った。


逸ノ城

小結逸ノ城が感染した湊部屋については、まだ最終的な検査結果が報告されていない様子。


秋場所開催について

秋場所は、観客上限5000人で開催する方針だが、芝田山部長は「今回、入場されるお客さまに関しても、布マスクをされている方には協会から不織布マスクをお渡ししようかという話も出ている」と説明。
協会員へ注意喚起の通達を改めて出したことも明かした。


宮城野部屋 休場

日本相撲協会は6日、横綱・白鵬ら宮城野部屋に所属する全力士が大相撲秋場所を休場すると発表した。
宮城野部屋では、1日に新十両の北青鵬が新型コロナウイルスに感染したことが判明。
その後も力士に陽性者が出たため、感染拡大防止のために判断したという。

幕内力士:白鵬、石浦
十両力士:炎鵬、北青鵬


元幕内貴源治を書類送検

自宅で大麻を所持したとして、警視庁は7日までに大麻取締法違反の疑いで、大相撲の元幕内貴源治を書類送検した。
捜査関係者への取材で分かった。
捜査関係者によると、書類送検容疑は7月、東京都板橋区の自宅で微量の大麻を所持した疑い。
警視庁が自宅を家宅捜索した際、テーブルの上にあった吸引用の水パイプの受け皿から微量の大麻の燃えかすなどが見つかった。




2021/09/06
大相撲ニュース
明生

大関の灯を絶やさず、次につなげられるか。
8月30日に発表された大相撲9月場所の番付。
そこで新関脇に出世したのが明生(26)だ。
中卒で立浪部屋に入門し、腰のヘルニアに悩まされながらも稽古に邁進。徐々に番付を上げ新小結だった先場所を8勝7敗で勝ち越した。
会見では「大関への足がかりをつくりたい。ここからが大事」と、さらなる昇進に意欲を燃やしている。


琴ノ若

自己最高位の西前頭3枚目に番付を上げた琴ノ若が3日、千葉県松戸市の部屋で稽古した後、電話取材に応じた。
先の名古屋場所は12勝の好成績で初の三賞を受賞。
今場所は初の上位総当たりとなるが、注目は横綱白鵬戦。
父で師匠の佐渡ケ嶽親方も2度対戦しており、親子二代で挑むことになる。
「親子で対決できる可能性があるということで、なかなか経験できることじゃないので。師匠が現役のときから上で取っていて、自分が上がったときにまだ取っているっていうのはすごいことだと思います。そこに向かっていけるというのも楽しみというのはあります」と話した。


尾車部屋・宮城野部屋

日本相撲協会の芝田山広報部長は3日、前日2日に新型コロナ感染が確認された尾車部屋の世話人・錦風の症状について「発熱は収まり自宅で療養ということです。現状では無症状のようで、当面は自宅で経過観察」と説明した。
現状で濃厚接触と認定されていない尾車部屋力士の、秋場所(12日初日、東京・両国国技館)出場については「現状では問題なさそう」と話した。
一方、やはり2日に感染が確認された宮城野部屋の新十両北青鵬(19)について、この日は状況についての情報が入っていないとし、宮城野部屋の力士の同場所出場については「力士が稽古していたということで(判断は)検査の結果、状況をみて」と、あらためて説明した。


鳥取城北高校相撲部後援会 土俵入り太刀寄贈

鳥取城北高校出身の大相撲・照ノ富士関が横綱に昇進したことを受けて、同校相撲部後援会(浜崎晋一会長)は、横綱が土俵入りをする際に用いる太刀を寄贈することにした。
太刀は6、7の両日、県庁1階ロビーで一般公開される。
後援会によると、1576年作製の備前国長船の日本刀で、長さは約1メートル。
横綱にふさわしいものをと探し、入手したという。
12日に初日を迎える9月場所から、土俵入りの脇を固める「太刀持ち」が掲げる。
同校の石浦外喜義(ときよし)校長によると、横綱は8月の明治神宮での奉納土俵入りには親方の刀を借りて臨んだという。
3日に県庁であった太刀のお披露目式で、石浦校長は「本人は『この刀でしっかりと土俵をつとめたい。感謝しかありません』と喜んでいた」と話した。


荒磯部屋 始動

元横綱・稀勢の里の荒磯親方が師匠を務める荒磯部屋が始動した。
10代の若手を含む4人の力士と行司1人とともに田子ノ浦部屋から独立し、茨城県阿見町に来年夏に部屋が完成するまでは、同県つくば市の筑波大の施設を利用する。
「みなさんに応援されるような強い力士を育てたい」と意欲をみなぎらせている。




2021/09/03
大相撲ニュース
宇良

右膝の大けがなどで序二段まで番付を落とした宇良が2日、東京都墨田区の木瀬部屋で相撲記者クラブの電話取材に応じ、東前頭6枚目で臨む秋場所に向け、「自分の今出せる良好な状態をつくって挑みたい」と意気込みを語った。
21場所ぶりに幕内復帰を果たした7月の名古屋場所では10勝。
「実力以上の結果。運が良かっただけ」と謙遜するが、自己最高位の東4枚目に近づき、「過去の自分に追い付いた。自信を持って前の所に戻ってきたと言っていい」と力強い口ぶりだった。


尾車部屋世話人コロナ感染

日本相撲協会は2日、尾車部屋に所属する世話人の錦風が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。
電話取材に応じた芝田山広報部長は「稽古場には行っていたみたいなので、部屋の他の力士ほか、みんなをPCR検査したところ全員陰性でした」。
さらに「稽古は見に来ていてもマスクはしていたみたいだから。保健所からの話ではそういうことで直接携わっていないので、濃厚接触にはあたらないとの判断でした」と語った。
気になる力士らの秋場所出場については、近日中に実施する全協会員対象のPCR検査の結果を踏まえて判断する。
芝田山部長は「それで大丈夫であれば大丈夫だと。保健所は濃厚接触者と認めていないので」と明かした。

一方、十両北青鵬の感染が判明した宮城野部屋も力士らは全員陰性だったが、尾車部屋とは扱い≠ェ異なるという。
芝田山部長は「宮城野部屋は力士なので、そういうこともあって状況がまだね。もう一度検査をして症状だとか今後出てこないとかを見てどうするかというのは先生方の判断に委ねるということですね」と理由を説明した。


宮城野部屋

十両北青鵬の感染が判明した宮城野部屋も力士らは全員陰性だったが、尾車部屋とは扱い≠ェ異なるという。
芝田山部長は「宮城野部屋は力士なので、そういうこともあって状況がまだね。もう一度検査をして症状だとか今後出てこないとかを見てどうするかというのは先生方の判断に委ねるということですね」と理由を説明した。




2021/09/01
大相撲ニュース
宮城野部屋 十両・北青鵬コロナ感染

日本相撲協会の芝田山広報部長は1日、十両北青鵬が新型コロナウイルスに感染したことを明らかにした。
北青鵬はこの日、風邪の症状が出たため検査を受けたところ陽性反応が出たという。
芝田山部長は「(部屋の)他の者に関してはどこまでが濃厚接触者かというのは分かりませんが、北青鵬は部屋にいるので、みんなが濃厚接触者にあたるのではないかと思います。
他の者の検査結果はとにかく明日しか出ないようです」と説明。
また、横綱白鵬に関しては「(部屋に)行っているのか行っていないのかはわからないが、部屋に行っていればその中に入りますよね」と付け加えた。
また、途中出場の可能性については「部屋全体が間違いなく大丈夫ですよ、という(専門家の)先生からの確認が取れないことには、途中出場だって難しい」という。




2021/08/27
大相撲ニュース
妙義龍

合同稽古の最終日が26日、同所の相撲教習所で行われ、平幕の妙義龍は精力的に汗を流した。
「参加している人が多いので、ずっと行きたいとは思ってました」。
新型コロナウイルス感染拡大により出稽古が制限されている中で、昨年秋から行われている合同稽古は他の部屋の関取衆と肌を合わせる貴重な機会。
34歳のベテランは25日から合流。
今回が初めての参加だった。
「なかなか来るタイミングがなくて、今回(全協会員を対象とした22日の)PCR検査で陰性だったので。こうやっていろんな相手とね、できるっていうのはいいんで、いい稽古だったですね」。
この日は関取衆との申し合いで計9番相撲を取り、巨漢の逸ノ城を四つ身で持っていく場面もあった。
「逸ノ城、重たかったです(笑い)。重たかったけど、やっぱり前に持って行けたんで、こういう気持ちでまた場所まで行こうかな」と手応えを語った。


逸ノ城

合同稽古が24日、国技館内の相撲教習所で行われ、逸ノ城が精力的に番数をこなした。
「(師匠に)言われているのは、腰を下ろしてまわしにこだわらず前に出ること。その辺を考えてやっている」との言葉通り、実力者の御嶽海を押し出す場面もあった。
7月の名古屋場所で10勝した。場所前の合同稽古が開催されず、関取衆との実戦機会がなかった分、基礎運動などに時間をかけて臨み、2桁勝ち星。その経験が自信につながっているという。
秋場所は2019年夏場所以来の三役復帰が濃厚。
「(番付が)下がらないようにしっかりやっていきたい」と短い言葉に力を込めた。




2021/08/26
大相撲ニュース
白鵬

合同稽古が26日、両国国技館内の相撲教習所で4日間の日程を終え、打ち上げられた。
先場所、復活の45回目優勝を果たした横綱白鵬は相撲は取らず、連日、ストレッチ、四股、すり足、鉄砲など基礎運動を入念に行った。
関取衆の稽古中、関脇御嶽海(出羽海)、幕内逸ノ城(湊)らに技術面などをアドバイス。
ぶつかり稽古では御嶽海に胸を出し、積極的に体を動かした。
稽古後は取材には応じず引き上げた。
前日から参加したが実戦はまだ回避。
前日には「ちょっと体を作ってからというかね。まだ番付発表前ですからね」と話しており、体と相談しながらの調整になる。
進退を懸けた先場所、手術した右膝の痛みに耐えながら全勝優勝。
患部の回復には「良くなったり悪くなったり」と話し、状態を見極め強度を上げていく。


隆の勝

合同稽古3日目が25日、国技館内の相撲教習所で行われた。
初めて合同稽古に参加している幕内・隆の勝(常盤山)は初日から精力的に汗を流し、この日は3日目からの参加となった横綱・白鵬(宮城野)に約3分間、ぶつかり稽古で胸を借りた。
新入幕以来という横綱との稽古を「ありがたいです。横綱に教えていただけることはなかなかないですし、貴重な機会です」と振り返った。
技術的な面でも、「右ばかりを使うのではなく、もっと左も使って攻めていったほうがいい」と、助言をもらったという。
関取衆との申し合い稽古では、24番取って12勝12敗。
7月の名古屋場所では勝ち越し、返り三役を目指す隆の勝は「非常にいい稽古をさせてもらっています。こうやってみんなで集まれる機会はなかなかないし、合同稽古があって本当に良かったと思います」と充実した様子で語った。


勝南桜

大相撲の連敗記録を持つ序ノ口の勝南桜(しょうなんざくら、23=式秀)が7月の名古屋場所を最後に引退したことが25日、分かった。
今月7日に茨城・龍ケ崎市の部屋で断髪式を行い、引退届も提出済み。
先場所更新した自身が持つ連敗記録「104」を止められず、土俵に別れを告げる。




2021/08/24
大相撲ニュース
正代

大相撲秋場所(9月12日初日)前の合同稽古が23日、両国国技館内の相撲教習所で始まった。
初日は計13人の関取が参加し、大関以上では正代がただ一人顔を見せて汗を流した。
名古屋場所は千秋楽に勝ち越すなど、存在感を見せられずにいる正代。
関脇高安と15番続けて相撲を取ったが、元大関の圧力に屈する場面が目立つなど本調子にはほど遠い稽古内容だった。
親方衆から厳しく叱咤しったされる一幕もあり、「まだ動いていない。これから(調子は)上がっていくと思う」と話した。
合同稽古は26日までの4日間行われる。


御嶽海

合同稽古が23日、始まり、関脇御嶽海が東洋大後輩の五輪戦士からパワーをもらい躍進へと意気込んだ。
「(東洋大の)後輩たちが頑張ってくれていたので。(陸上の)リレーの方は残念ですけど、水泳の方で頑張ってくれて、僕も刺激になった。(萩野)公介が決勝まで残ってくれたことだけでうれしかったですし、その前に大橋(悠依)さんが2冠を取ってくれたのでうれしいですね」と刺激を大いに受けた。


高安

23日、東京・両国国技館で4日間の日程で行われる合同稽古の初日に参加した。
関取衆との申し合い稽古のほか、大関正代との三番稽古では12勝3敗と圧倒。
稽古後は「いい稽古できました。力を出し切っていい相撲取れましたので。熱の入った稽古になったと思います」と充実感を漂わせた。


隆の勝

合同稽古が23日、始まり、幕内隆の勝が関取衆との申し合い稽古で12勝4敗と気を吐いた。
左おっつけで巨漢の逸ノ城(湊)を起こし寄り切るなど実力を発揮。途中7連勝する勢いもあった。
押し相撲ながら右を差しての寄りも得意。
さらに左からの攻めも効いていた。
「いろいろと試行錯誤をして。どれが効いてどれが効かないか試していた。左も意識して。右からだけだとしょうがない」と上々の手応え。

合同稽古は初めてとなる。
部屋の関取衆は大関貴景勝が首痛で先場所、休場。
十両貴源治は大麻使用で解雇された。
これまでは部屋での調整を優先してきたが、実戦経験を求めて参加した。
「いろいろあって行ってみようと。いろんなタイプの関取と相撲が取れるし、いい経験になっている。自分がどれだけ調子がいいのか、体が動けているのか、いろいろと考えながら。まあ、まだきょうが初日なので。4日とも来るつもり」と実りある4日間とする。


炎鵬

合同稽古が23日、国技館内の相撲教習所でスタート。
十両・炎鵬(宮城野)が初参加。
幕内・阿武咲(阿武松)ら他の部屋の関取衆と相撲を取る稽古を行い「(体としては)まあまあ。稽古はできるかなという感じですね」と汗を拭った。




2021/08/23
大相撲ニュース
照ノ富士

日本相撲協会は22日、新横綱に昇進した照ノ富士の横綱推挙状授与式と奉納土俵入りを、24日に東京都渋谷区の明治神宮で実施すると発表した。

新型コロナウイルス対策として一般客は入れず、協会の公式ユーチューブで映像を配信する。

照ノ富士は7月の名古屋場所後に73人目の横綱に昇進。

既に横綱の「綱打ち」を行い、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から不知火型の土俵入りを伝授されていたが、新型コロナの影響を考慮して、明治神宮での行事は延期されていた。


幕内呼び出し一人陽性

日本相撲協会は22日、親方、力士らを含む全協会員を対象にPCR検査を行い、幕内呼び出しの利樹之丞(47=高砂)が陽性だったことが分かった。
芝田山広報部長が明らかにした。
親方、力士は全員陰性だった。
芝田山部長は「利樹之丞の奥さんが陽性だった」と説明し、家庭内感染の可能性を指摘。

23日からは合同稽古を4日間行い、27日からは外出禁止となる。
全協会員を対象にした検査は本場所1週間前にも実施するという。


2場所ぶり合同稽古

日本相撲協会は18日、大相撲秋場所(9月12日初日、東京・両国国技館)に向けて、国技館内の相撲教習所で合同稽古を行うことを発表した。
電話取材に応じた芝田山広報部長(元横綱大乃国)が明かした。
期間は23日から26日の4日間とした。
合同稽古の実施は、夏場所前以来2場所ぶりとなる。
名古屋場所前は、国技館が東京五輪のボクシング会場となっており、準備のため使用できなかった。
合同稽古前日の22日には、合同稽古に参加する力士だけでなく全協会員を対象にPCR検査を行う。
新型コロナウイルスの感染拡大が続いているだけに、同広報部長は「合同稽古出席者だけでなく、協会員全員(PCR検査を)やろうということになった。
(全国的に)感染が広がっているから。陰性の者だけが合同稽古に出席できる」と説明した。


故・琴剣淳弥さんのイラスト集

今年3月26日に60歳で亡くなった、元力士で相撲漫画家・琴剣淳弥さんの初のイラスト作品集「相撲絵師 琴剣大相撲イラスト集」(出版・株式会社ホビージャパン、税込み2750円)が20日に発売される。
琴剣さんはスポーツ報知の相撲漫画で約30年にわたり紙面を彩った。
月刊誌「相撲」(ベースボール・マガジン社)など多くの連載を担当した。
今回の書籍では相撲ファンになじみの深いイラストに加え、なかなか見ることができない力士の結婚披露宴用に描かれたウェルカムボードなどの貴重な絵も掲載。
現役時代に見た相撲風景をベースに、元力士でしか描くことのできないリアルな描写が特徴となっている。


大関朝乃山の父が死去

大相撲の大関朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)の父、石橋靖さん(64)=同市呉羽町=が16日に死去していたことが17日、関係者の話で分かった。




2021/08/02
大相撲ニュース
照ノ富士

7月27日、大相撲で73人目の横綱に昇進した照ノ富士(29)が土俵入りで締める横綱の「綱打ち」が東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で行われた。
伊勢ケ浜一門の力士ら約30人がマスク姿で参加し、純白の綱をより合わせた。
真新しい綱を締めた照ノ富士は電話取材に応じ、「実感が湧いている。何キロという重さではなく、自覚を持って行動しなきゃいけない重さを感じた」と話した。
土俵入りは不知火型。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)から手ほどきを受け、「実際にやってみて、こんなに難しかったんだなと感じた。もっと練習して、いい姿を見せたい」と述べた。


荒磯部屋が部屋開き

荒磯親方が師匠を務める荒磯部屋の部屋開きが1日、茨城県つくば市の筑波大で行われた。
茨城県阿見町に部屋が完成する来年夏まで、同大の施設を利用する。
田子ノ浦部屋の力士4人らと独立した荒磯親方は稽古場で早速、約2時間半の稽古を行った。
オンラインで取材に応じた荒磯親方は「いよいよ始まるなという感じ。応援されるような、強い力士を育てたい。今は自分が前に立っているが、いつか自分の存在がわからないくらいの力士が出てくるといい」と抱負を語った。


貴源治 懲戒解雇

7月30日、日本相撲協会は臨時理事会を開催し、7月場所中の大麻の使用が判明した十両・貴源治(常盤山部屋)に懲戒解雇の処分を下した。
賞罰規定で最も重い処分となったが、大麻所持で逮捕された若ノ鵬(2008年8月)、抜き打ち検査で陽性反応が出た露鵬と白露山(同9月)、大麻所持で逮捕された若麒麟(2009年1月)はいずれも懲戒解雇処分となっており、コンプライアンス委員会も懲戒解雇処分が相当と答申していた。
理事会では監督責任が問われた師匠の常盤山親方(元小結・隆三杉)に対して、「委員」から「年寄」への2階級降格の懲戒処分が決まった。


コロナ陽性

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は30日、相撲記者クラブの代表取材に応じ、新型コロナウイルスの検査で幕下以下の力士2人が陽性と判定されたことを明らかにした。
うち1人は27日に7人の陽性が発表された高砂部屋の所属で、同部屋の陽性者は計8人となった。




2021/07/22
大相撲ニュース
照ノ富士

21日午前、東京都内で大相撲秋場所の番付編成会議と臨時理事会を開き、大関照ノ富士の横綱昇進を満場一致で決めた。

2017年初場所後に昇進した稀勢の里に続く73人目の横綱が正式に誕生した。

理事会後、相撲協会の使者として理事の高島親方と審判部の浅香山親方が東京都江東区の伊勢ケ浜部屋に赴き、照ノ富士と師匠の伊勢ケ浜親方に昇進を伝達。

照ノ富士は「謹んでお受けいたします。不動心を心掛け、横綱の品格、力量の向上に努めます」と口上を述べた。


協会からの発表

21日、都内で理事会を開き、同日付で鏡山部屋所属の協会員全員の『伊勢ノ海部屋転属』と『鏡山部屋封鎖』を承認した。

また、11月場所の福岡開催を発表。

1日の観客数は、会場の福岡国際センターの収容人数の半分以下となる3700人を上限にする。

9月の秋場所は、これまで通りに、東京・両国国技館で1日の観客数5000人以下で開催。

基本的に午後1時開場だが、新序出世披露が行われる8日目は正午、後半戦の13日目以降は午前10時開場となる。

芝田山広報部長は「少しずつ元の状態に戻していきたい」と話した。




2021/07/19
大相撲ニュース
白鵬

18日、千秋楽での全勝対決。
横綱・白鵬が小手投げで大関・照ノ富士を下し、7場所ぶり45回目の優勝を全勝で飾りました。
白鵬はこれで16回目の全勝優勝。自身のもつ最多記録を更新しました。
立ち合い後の序盤は両者が強烈な張り手の打ち合い。
その後、白鵬が照ノ富士の両まわしをとると、最後は小手投げで勝利。
優勝が決まった瞬間、白鵬は雄叫びをあげ、喜びをあらわにしました。
白鵬は「全てを懸けようと思って、気合を入れてやりました。これでまた前に進める」と語り、横綱としての完全復活を印象付けました。


照ノ富士

18日、14勝1敗の優勝次点だった大関照ノ富士の横綱昇進を諮る臨時理事会の開催を八角理事長に要請し、了承された。
横綱昇進が確実となった。
理事長は19日の横綱審議委員会に諮問し、推薦を受けた上で、21日の秋場所番付編成会議と理事会で正式に決定する。
横審の内規では、横綱推薦の基準を「大関で2場所連続優勝か、それに準ずる成績」と定めている。
新横綱誕生は、2017年初場所後に昇進した稀勢の里以来で73人目。
モンゴル出身では、朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜に続いて5人目となる。


明生

新小結の明生が千秋楽に勝ち越し、三役の座を死守。
「ホッとしているが、毎日が必死だった」と15日間を振り返った。
輝の突き、押しに後退しながら、冷静に引き落とし。
「負けが先行して苦しい展開もあったが、最後に勝てたので良かった」と充実感を漂わせた。
高安が負け越し、来場所の新関脇昇進へ可能性が広がった。
「集中して稽古していく」と早くも来場所を見据えた。


豊昇龍

初三賞となる技能賞を獲得した豊昇龍は北勝富士をはたき込み、自身初の2桁10勝に到達した。
「めちゃくちゃうれしい。千秋楽で勝って終わることができたので良かった。ちょっとずつ自信がついてきたし、まだまだ体が小さいのでこれから大きくしていきたい」。
体格は1メートル86、131キロで幕内平均160キロより軽い。
叔父の元横綱・朝青龍をほうふつさせる機敏な動きが持ち味で、大関・正代を破った11日目など足技を絡めた攻めが評価された。


琴ノ若

琴ノ若は剣翔を寄り切って自己最多の12勝に達し、祖父の元横綱・琴桜(故人)、父で師匠の佐渡ケ嶽親方と3代続けての三賞受賞となった。
「(祖父と父のことは)あんまり考えていなかったけど、獲れてうれしい」と喜んだ。
1メートル88、167キロの体格は父譲りで今場所は前に出る好内容が目立った。
佐渡ケ嶽親方は「この1勝は大きい。重圧の懸かる相撲に勝ち、成長を感じさせた」と目を細め、初の幕内上位で挑む来場所へ期待した。


宇良

18日、人気力士の西前頭13枚目・宇良が、千代翔馬を押し出し、2桁10勝で終えた。
張り手を食らいながら、下から攻め抜いた。土俵を下りる際に呼び出しの肩を借りるほどだったが「大丈夫です」。
両膝の大けがで序二段106枚目まで落ちながら、17年九州場所以来の幕内復帰を果たし、2桁の白星を挙げた。


一山本

18日、前頭十七枚目・一山本が前頭十四枚目・千代ノ皇を送り出しで下し、新入幕の場所で千秋楽にうれしい勝ち越しを決めた。
勝ち越しにあと1つと迫る7勝目を挙げてから、まさかの5連敗を喫し、しびれる7勝7敗で千秋楽を迎えた一山本。
脱サラ力士、さらには話し方が「ギャルっぽい」「YouTuber風」と、いろいろな話題を振りまいてきたが、勝てば勝ち越し、負ければ負け越しという一番で積極的に攻め、土俵際でも緩めず送り出しで8勝目を手にした。


懸賞総数

大相撲名古屋場所は18日に千秋楽を迎え、懸賞総数は1088本だった。
1日当たりの最多は千秋楽の100本。名古屋開催は2年ぶりで、東京・両国国技館で行われた昨年7月場所は1000本だった。




2021/07/18
大相撲ニュース
白鵬

14日目、横綱白鵬が大関正代を退けて無傷の14連勝とした。
千秋楽は、同じく全勝の大関照ノ富士と約4年ぶりに激突する。
白鵬の構えに、会場がざわついた。
立ち合い。仕切り線から目いっぱい遠ざかり、両足が俵にかかりそうな位置で腰を落とした。
そっと立って正代に近づき、左で張って体をぶつけた。
おっつけてから強烈な張り手を見舞う。
一度はまわしを引きかけたが、再び離れ、最後は右四つで組み止めて浴びせ倒した。
土俵下で見届けた藤島審判長は「実力者の正代に当たられて両差しになられるのが嫌だったと思う」と白鵬の心中を推し量った。
八角理事長は「奇襲は弱い方がやること。これだけ優勝している横綱がああいうことをしてはいけない」と苦言を呈した。


照ノ富士

大関照ノ富士が名古屋場所後に横綱に昇進することが17日、ほぼ確実となった。
同日の14日目に関脇高安を下して14連勝とし、優勝争いの首位を守った。
審判部は千秋楽の18日に昇進について会議を開く。
昇進問題を預かる日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長は優勝か優勝に準ずる成績で、昇進の可能性があるとしていた。
照ノ富士の師匠でもある同部長は13勝した時点で「優勝するに越したことはないが、成績的には十分満たしている」との見解を示していた。


御嶽海

14日目、関脇御嶽海が幕内豊昇龍を寄り切って4場所連続の勝ち越しを決めた。
元横綱朝青龍のおいとして注目を集める豊昇龍は、11日目に大関正代を撃破して自己最速で勝ち越しを決めるなど勢いに乗る相手。
しかし、格の違いを見せつけるように危なげなく寄り切り、取組後は「しっかり相手を見て前に向けられた。ヒヤリとしたが。自分の相撲ができた」と振り返った。


玉鷲

14日目、玉鷲が歴代6位となる通算1360回連続出場を白星で飾った。
11勝は優勝した19年初場所以来。
記録には「現役中にはあまり感じない。辞めてから『よかった』と感じると思う」。
横綱白鵬と並ぶ幕内最年長の36歳だが衰え知らず。
「まだ若手には負けたくない。人を興奮させる相撲を見せたいと思います」と若々しい意欲をたぎらせた。


琴ノ若

14日目、幕内琴ノ若が自己最多となる11勝目(3敗)を挙げた。
幕内宝富士に土俵際まで追い込まれる場面もあったが、最後は寄り切った。
取組後は「体勢的には悪かった。褒められた相撲じゃなかったが慌てなかったのがよかった。星数は意識せず一日一番(の気持ち)で臨めている」と振り返った。


宇良

14日目、宇良は平幕下位力士としては珍しく、幕内後半戦の土俵に上がった。
小結明生を寄り切りで破って9勝目。
自身の取組内容よりも「(幕内)後半はお客さんがすごい」と結びから3番前の館内の雰囲気に驚いた。
取組を知った前日は「とんでもないとこに当たった」。
ただ、白星を挙げて「いい経験ができたと思う」と喜びを口にした。




2021/07/17
大相撲ニュース
白鵬

白鵬も盤石の内容で全勝を守った。
巧みなとったりで難敵の高安を撃退。
「体が動いている。タイミングも良かったし、横にじゃなくて下に投げたのが勝利につながった」と満足げに話した。
右張り差しが決まらず中へ入られそうになるも冷静。
瞬時に左へ動き、右腕を抱えて鮮やかに転がした。
千秋楽は照ノ富士戦が確実。
ともに勝ち続ければ、12年名古屋場所の日馬富士―白鵬以来6度目の全勝決戦となる。
「頑張ります」と短い言葉で結んだ。


照ノ富士

12日目、大関・照ノ富士の横綱昇進に“当確ランプ”がともった。
大関・正代との一番を押し出しで制し、土つかずの13連勝を決めた。
師匠で、番付を編成する審判部の伊勢ケ浜部長は「成績的には十分満たしている」との見解を示した。
進退を懸ける横綱・白鵬も全勝を守り、賜杯のゆくえは2人に絞られた。
13日目終了時で全勝が2人は、2013年夏場所の白鵬と大関・稀勢の里以来となった。
照ノ富士が、ついに73代横綱の椅子に手をかけた。
初日から13連勝をかけた正代戦。
立ち合いから攻め込んだところを一度すくわれ俵を背負ったが、こらえて前進。
押し切って、大関戦を制した。
「焦ることなくやろうと思っていた。良かったかなと思う」。初の綱取り場所で、自己最多タイの白星を重ねた。


豊昇龍

豊昇龍が逸ノ城との取り直しの一番を制した。
右四つから巻き替えてもろ差しに。
200キロの巨体を右から引きずるように投げて、土俵にはわせた。
力を使い果たしたかのように付け人の肩に手を置いて支度部屋へ引き揚げ、「今までで一番重かった」。荒い息のまま振り返った。
幕内で初となる2桁白星まであと1番としたが、「初日から一日一番と思っている。一日一日を大事にしていきたい」と表情を変えなかった。


玉鷲

幕内最年長で36歳の玉鷲が節目の取組を会心の勝利で飾った。
厳しい攻めで宝富士を押し出し、6場所ぶりの2桁白星に到達。
「本当に久しぶりなので、凄くうれしく思う。本当に良かった」と感慨に浸った。
この日、1359回連続出場となり、史上6位の寺尾(現錣山親方)に並んだ。
04年初場所の初土俵から一度も休場がない鉄人は「記録は意識していない。自分の相撲を取りきって、見ているお客さんを盛り上げるのが一番」と語った。


宇良

13日目、21場所ぶり幕内に返り咲いた人気業師の宇良が190キロ巨漢魁聖を連続技で転がしたが、反則負けで5敗目(8勝)を喫した。
立ち合い、相手の足をとり、さらに腕をたぐって懐に飛び込み、もろ差し。
上手を取られ組まれたが、相手の脇をすり抜け何と反り技。
これは不発ながら、くるり一回転し、相手を右から出し投げで崩した。
業師の本領に観客も沸いたが、物言い。
高田川審判長が「宇良がまげを引っ張っており、反則負けで魁聖の勝ちとします」とアナウンス。
投げる際に宇良の左手が魁聖のまげにかかっており、軍配が覆って、9勝目はならなかった。


石浦

13日目、西前頭16枚目の石浦が横綱秘伝の下手投げで勝ち越した。
左下手をがっちりつかみ、右手で志摩ノ海の右膝付近を押さえながら豪快に投げた。
「相手の膝を押さえての下手投げは横綱に教えてもらった技」と兄弟子の白鵬に教わった技で白星。
それだけに「小さいことかもしれないけど恩返しができたと思う」としみじみと話した。


“優勝決定戦”期待

16日、優勝争いのトップを並走する横綱・白鵬と大関・照ノ富士が全勝を守り、初日から無傷の13連勝を遂げた。
白鵬と照ノ富士の13連勝を受けて、ABEMAで解説を務めた元小結の臥牙丸は「楽しみですね、あと2日間」と一言。
続けて「千秋楽がとても楽しみじゃないですか。照ノ富士関は横綱がかかっているし、横綱は久しぶりの優勝がかかっているから、2人とも凄く力を出しますので、面白いと思います」と語り、千秋楽結びの一番に期待を寄せた。
連勝が止まらない白鵬と照ノ富士の活躍に、視聴者からも「強すぎる」「圧倒的だな」「千秋楽の全勝対決が見たい!」「どっち勝つんだろう」「全勝決戦間違いなし」と直接対決での”優勝決定戦”に期待する声が続々と寄せられた。


北青鵬

来場所の新十両が確実な西幕下2枚目の北青鵬(宮城野部屋)が石崎(高砂部屋)を全勝対決で退け、幕下以下で全て優勝を果たした。
昨年7月場所の序ノ口から序二段、三段目と制した。
「序ノ口優勝した時に『1年で(十両に)上がる』と言ったので、自分の口から出した言葉にはしっかり責任を持って頑張った」と胸を張った。




2021/07/16
大相撲ニュース
白鵬

12日目、6場所連続休場明けで進退をかける白鵬は関脇御嶽海を寄り切り、全勝を守った。
かねて横綱の2桁≠ニ位置付ける12勝に無傷で到達。
取組後は「今場所の目標だった。とてもうれしいですね。ホッとしている」と安堵の表情を浮かべた。
優勝争いは照ノ富士との一騎打ちの状況が続いている。
「明日(13日目)起きたら、また気持ちを切り替えていかないと。いい流れで来ているので、崩さずにいきたい」と45回目の優勝に視線を向けていた。


照ノ富士

12日目、綱とりに挑む大関照ノ富士が新小結明生を豪快にきめ倒して、初日からの連勝記録を自己新の「12」に伸ばした。
八角理事長(元横綱北勝海)らは内容も結果も絶賛し、昇進へまた一歩、前進した。
照ノ富士の“横綱相撲”だった。
動きのいい明生に左、右と差されたが慌てない。
下半身をどっしり構え、強烈な張り手を見舞って、引っ張り込んだ。
外から右腕をきめ上げると相手はもん絶。最後は豪快に投げ捨てた。
ついに自己新の12連勝。
「落ち着いて取れて良かった。一日一番の気持ちでやっているだけ。(12連勝も)特別な思いはない」と自信満々に言い切った。


霧馬山

15日、霧馬山が関脇高安に初勝利で勝ち越しを決めた。
「我慢していったのがよかった。今まで勝ったことがないんで、先に上手を取らせないようにした」。
激しい攻防で長い相撲を制した。
それだけに喜びも大きい。
「いい相撲で勝ち越せてうれしいです。最後までいい相撲をとって終わりたい」と意欲を示した。


宝富士

15日、宝富士が初場所以来3場所ぶりの勝ち越しを決めた。
一山本ののど輪を何発も受けたがひるまず前へ。
おっつけで土俵際まで押し込み、タイミング良く引き落としを決めた。
「素直にうれしい。慌てると、いなしやはたきがうまい相手なので、じっくり攻めようと思っていた」と狙い通りの相撲だった。


玉鷲

15日、「鉄人」、東前頭10枚目玉鷲が小兵の石浦を押し出して9勝3敗と星を伸ばした。
立ち合いは呼吸が合わず2度目で立ったが、左を差されつつも小手で振りながら圧力をかけた。
「しっかり気を引き締めて、下から逃がさないようにいった」。
9勝を挙げるのは、10勝した昨年7月場所以来1年ぶりとなった。
13日目の出場で初土俵からの連続出場回数が1359となり、歴代7位の元関脇寺尾に並ぶが「いえいえ、それはとんでもないです。内容が大事。自分より親方の方が内容がいい。自分は数なので」と謙虚に語った。


宇良

12日目、多くの力士に勇気を与えるカムバックだ。
人気力士の宇良が、元大関の栃ノ心を突き落として勝ち越しを決めた。
17年九州場所以来の幕内復帰で、勝ち越しは同年夏場所以来。
苦難の時を乗り越え、最後は頭から土俵下に転落して1回転した宇良は、まるで子どものような笑みを浮かべた。
取組後は勝ち越しに「うれしいです」と話すも「まだ終わっていない気持ちが強い。残りの相撲があるんで、そっちに集中したい」と表情を緩めなかった。


力士かまぼこ

「力士かまぼこ」の記事を発見!
記事はこちら
下記が投稿された方のツイッターです。
@changasano
なんだか、すごく和みました(^^)




2021/07/15
大相撲ニュース
白鵬

11日目、6場所連続休場明けで進退をかける横綱白鵬が、新三役の小結若隆景を下し初日から11連勝とした。
よく動く相手をしっかり組み止め、寄り倒しでの勝利に「(相手のおっつけは)いいものはあった。でも若隆景関は考えが浅かったかな」と振り返った。


照ノ富士

綱獲りの照ノ富士は御嶽海を圧倒した。
初日から11連勝は15年秋場所に並ぶ自己最長だが「特にない。必死に一日一日やっているだけ」と淡々と話した。
立ち合いで浅く左上手を引くと、優勝2度の関脇を一気に寄り切り。
終盤でも取り口は安定している。
琴ノ若が3敗に後退し、白鵬との一騎打ちの様相がさらに濃くなり「これからが大事。一日に全力を尽くしていく」と集中力を高めた。


高安

11日目、翔猿戦で主導権を握り続けた。
立ち合いで強く当たって突っ張り合う。
いなされても冷静についていき、土俵中央付近で動きが止まってからタイミングよくはたき込んだ。
圧力をかけ続けた一番を、「じっくりいって落ち着いて対応できた」と振り返った。
3日目から途中出場の高安が、今場所の焦点の行方を左右するキーマンに浮上。
進退の懸かる白鵬、綱取りに挑んでいる照ノ富士の両全勝力士との対戦を残して自身も勝ち越しを目前にする実力者は、「ベストを尽くしていい相撲を取りたい」と力を込めた。


逸ノ城

逸ノ城が隆の勝を押し出して勝ち越しを決め、19年夏場所以来の三役復帰が見えてきた。
左上手をつかめなくても右差しで圧力をかけ続けて圧倒。
「(三役へ)もちろん上がりたい。そのためにも残りの相撲もしっかり集中して取っていきたい」


豊昇龍

11日目、幕内豊昇龍が大関正代を寄り倒して8勝目(3敗)。
看板力士を撃破して自己最速となる11日目での勝ち越しを決めた。
取組後は「当たって前に攻めたら何とかなると思った。
何より勝って良かった。とりあえず、あと4日間を一日一番、大事にしていきたい」と表情を引き締めた。
かねて元横綱朝青龍のおいとしても注目を集める存在。
元横綱からはこれまでもツイッターで「なめられたら終わり」「また負けか?」などと辛口のエールを送られてきた。
この日の白星には早速「勝ち越し! 先ずおめでたい。後勝て!」(原文ママ)と祝福のツイート。
母国のモンゴルから遠く離れていても常に気に掛けられ、豊昇龍も叱咤激励を発奮材料にしている。


玉鷲

11日目、玉鷲が昨年11月場所以来、4場所ぶりの勝ち越しを決めた。
新入幕の一山本を、立ち合いから強烈な突き押しで攻め立てた。
いつも通りの力を発揮したようにも見えたが「心の中は結構やばかった」と緊張。
次に狙うは1年ぶりの2桁白星。
「勝ち越したけど落ち着いている場合ではない。楽しみながら取っていきたい」と話した。


宇良

11日目、2度の右膝手術を乗り越え、21場所ぶり幕内復帰した人気業師の宇良が難敵の霧馬山を肩すかしからすくい投げの鮮やかな連続技で破った。
3連勝で7勝目を挙げ、2017年夏場所以来4年ぶり幕内での勝ち越しに王手をかけた。
リモート取材で鮮やかな逆転と問われると、返答を熟慮。
そして「自分から仕掛けているので逆転とは思っていない」と、業師のプライドをにじませた。


阿炎

11日目、十両阿炎が若元春を押し出し、勝ち越しを決めた。
立ち合いからもろ手で突いて出ると、休まず攻め立てた。
7連勝から3連敗して足踏みしていたが、ようやく勝ち越し。
「素直にうれしいです」と安どの表情を浮かべた。
昨年7月に協会が定めたガイドラインを違反して3場所の出場停止となり、幕内から幕下に転落。
今年の春場所で土俵に復帰し、関取復帰となった今場所も星を伸ばした。




2021/07/14
大相撲ニュース
白鵬

白鵬は盤石の内容で10連勝。
右で張ってから左を差すと、隠岐の海に何もさせずに寄り切った。
報道陣のリモート取材には応じなかったが、花道を引き揚げる表情には余裕が感じられた。
綱とりに挑む照ノ富士と互いに譲らず、終盤戦に向かう。
三役以上との対戦を控えるが、八角理事長(元横綱北勝海)は「あしたから気合が入るだろう。膝も万全の感じがする」と印象を述べた。


照ノ富士

綱獲りの照ノ富士が労せず10勝に到達した。
立ち合い不成立と判断したのか棒立ちになった千代大龍をあっという間に寄り切った。
「一瞬待ったかなと思ったけど、そのままいった。冷静にできた」と淡々と話した。
三役以上との対戦が確実な残り5日間へ「自分のやってきたことを信じてやるだけ」と気を引き締めた。


高安

高安が新小結・若隆景を落ち着いてさばき、逆転勝ちした。
おっつけ、喉輪、はず押しなどで攻め込まれたが、相手の押しに後退しながらも懸命に抵抗。
最後は土俵際で右から突き落とした。
これで6勝目をマークし、大関復帰への望みを来場所へつなげたい。
「腰を落として、しっかり自分の相撲を取っていきたい」と横綱、大関戦が予想される終盤へ力を込めた。


豊昇龍

10日目、前頭5枚目の豊昇龍が7勝目を挙げ、勝ち越しにあと1勝とした。
優勝25度の元横綱朝青龍を叔父に持つ豊昇龍が、着実に力を伸ばしている。
うるさい翔猿をつかまえて料理し、2場所ぶりの勝ち越しに王手。
「体の動きがよく、落ち着いて相手を見て相撲が取れている。いい感じです」と手応えを口にする言葉も弾む。


照強

13日、前頭十枚目・照強が前頭十四枚目・大奄美を素早い動きで翻弄し、押し出しで下して5勝目を挙げた。
華麗なフェイントに視聴者からは「さすが策士」「作戦勝ち!」といった声が続々と寄せられた。
身長169センチの小兵ながら持ち前のバランス感覚とスピードを活かした相撲内容で技巧派として知られている照強。
大奄美と対戦した十日目の取組では、立ち合いで八艘飛びをするようにふわりと上体を起こしたものの、すぐに向きを変え下に潜り込んで相手の左足を奪取。
バランスを崩した大奄美はなすすべもなくよろめき、そのまま照強が鋭く前に出て押し出しを決め勝ち星を挙げた。


琴ノ若

10日目、西前頭11枚目・琴ノ若が、自己最速での勝ち越しを決めた。
新入幕で東同17枚目・一山本との2敗対決を寄り切りで制した。
元横綱・琴桜は祖父、師匠の佐渡ケ嶽親方は父と相撲一家の23歳が、全勝でトップを走る横綱・白鵬、大関・照ノ富士の2人に食らいついていく。


石浦

13日、西前頭16枚目の石浦が7連勝で勝ち越しに王手をかけた。
栃ノ心との一番は、立ち合いやや左へずれ、得意の左前まわしを引き、さらには右まわしも取った。
絶好の体勢となり、出し投げで相手を崩し、前に出た。
「いいところの前みつが取れたので、自分の攻めができました」と満足顔の石浦。
場所前に腰を痛めた影響で、序盤は苦しんだが、癒えると白星を重ねた。
同じ部屋の白鵬から「15日間長いから、徐々に調子を上げるように」と助言されているそうで、その通りの上り調子となった。


炎鵬

13日、十両五枚目・炎鵬と十両筆頭・松鳳山の一番で、最後まで粘る炎鵬の攻めに館内が盛り上がる一幕があった。
視聴者からは「残念」「惜しい」といった声が寄せられた。
張り手を交えた厳しい攻めを見せる松鳳山に対して、素早く手を出して応戦していった炎鵬。
四つに組み合うことなく激しい攻防戦を繰り広げると、土俵際に追い込まれた後も粘りを見せ、ラグビーやレスリングのタックルでもするように、相手の下半身めがけて突っ込んだ。
客席からは大きな歓声が沸き起こったが、あと少し手が届かず最後ははたき込みで敗れ、今場所負け越しとなる8敗目を喫した。




2021/07/13
大相撲ニュース
白鵬

9日目、白鵬は馬力のある千代大龍を相手にしなかった。
体当たりをはたいていなし、体勢を崩したのを見逃さず。
右を差して一気の寄り切りで下した。
6場所連続休場明けで、進退を懸けて臨んだ場所ながら初日から無傷の9連勝。
取組後はオンライン取材に応じず、会場を後にした。
昨年春場所以来45度目の優勝を虎視眈々(たんたん)と狙う。


照ノ富士

新たな戦闘服≠ナ悲願を達成する。
9日目、綱取りに挑む大関照ノ富士が幕内隠岐の海を力強く寄り切って無傷の9連勝。
横綱白鵬とともに全勝を守った。
取組後は「必死にやっているだけ。重圧? やることは一緒なので、特に何もない」と表情を引き締めた。


隆の勝

いかにも隆の勝らしい、柔和な笑みが戻ってきた。
連敗スタートから気持ちを立て直して5連勝とし、今場所初めて白星が先行。
「いい感じで、どんどん調子が上がってきている」。その声は明るい。
先場所まで4連敗していた大栄翔に真っすぐ当たった。
「お互いに変化をしないと分かっている。思い切りいった」。
あてがうようにして使って相手を崩した右をすかさず差せば得意の形に。休むことなく一気に押し出した。
先場所は7場所ぶりに負け越し、4場所続けて務めた関脇から平幕へと転落した。
精神的なもろさだけでなく、下半身に粘りが足りないと痛感し、足腰の鍛錬に励んできた。
自身と入れ替わるようにして、年の近い若隆景と明生が新小結に昇進。
「負けてはいられない」と、強い対抗心も芽生えた。


豊昇龍

豊昇龍が若隆景を豪快に転がした。
右四つに組み、先に上手を与えたものの、思い切りよく、振り回すような下手投げ。
新小結を破っても、「あまり何も考えていない」と淡々と振り返った。
兄弟子の明生が、今場所新小結。
「自分も早く上がりたいと体がすごく燃えていた」。
そう闘志を抱く。西前頭5枚目で6勝目を挙げ、「一日一番と思って、大事にしていきたい」と先を見据えた。


琴ノ若

有望株の琴ノ若が好調を維持している。
千代の国を突き、押しで上回り、一方的に突き出し7勝目。
「自分の中でめりはりをつけ、切り替えることができた。体も動いている」と満足感を示した。


一山本

新入幕・一山本が元気だ。
3連勝で2敗を守り、目標の勝ち越しに王手をかけた。
立ち合い、千代丸のもろ手突きに臆さず前に出た。
直後の引きにも動じず右四つに組む。
「攻め手がなかった」と、体重185キロの相手の体勢を崩せない。
それでも上手は与えず、我慢強く1分以上かけて寄り切った。




2021/07/12
大相撲ニュース
白鵬

8日目、進退をかける横綱白鵬が幕内琴恵光を一方的に寄り切り、自身51回目の中日勝ち越しを決めた。
取組後は「6月初めからしてみれば想像できなかったが、場所に入ってからは行きそうだなと。まあ一つクリアしたことになるのかな」と安堵感を漂わせた。


照ノ富士

8日目、綱とりを狙う大関照ノ富士が“くせ者”の幕内翔猿をはたき込み、中日勝ち越しを決めた。
相手は前日7日目に、トリッキーな動きで横綱白鵬を翻弄した小兵だったが、盤石の相撲で完勝。
取組後は「落ち着いて正面に置いて相撲を取ろうと思っていた。動きのいい相手なんでしっかり見ていこうと思っていた」と振り返った。
これで2場所連続のストレート給金。
だが「これからです。残り1週間頑張ります」と相変わらず淡々と答え、通過点としか捉えていない。


高安

8日目、元大関の関脇高安が、関脇御嶽海を破り4勝目を挙げた。
途中、こう着状態になるなど我慢の相撲を強いられたが、最後は寄り切った。
過去18勝(6敗)で直近も5連勝中と合口のいい相手からきっちり白星を拾い「まわしが取れたのでじっくり見てできた」としてやったりの表情を見せた。


隆の勝

8日目、隆の勝が低い当たりで千代大龍を引かせ、右に逃げる相手に足を運んでついていった。
腰を落としたまま前に行き、右を差して寄り切り。
初日から4連敗も5日目から4連勝で星を五分に戻した。
「やっと星が戻った。明日から初日の気持ちでという感じ」。
転機は4日目の白鵬戦。
「善戦できて自信がついて緊張もほぐれた。ここからです」と話した。


逸ノ城

8日目、逸ノ城は圧力をかけて足を滑らせる形になった若隆景をはたき込み、三役以上との対戦を5勝3敗の好成績で終えた。
「落ち着いていけて、タイミングがよかったのもあると思います。相手の動きにも対応できたと思う」。
全勝の横綱、大関には完敗もさすがの実力を発揮。
後半戦も星を伸ばして19年夏場所以来の三役復帰を狙う。


玉鷲

8日目、東前頭10枚目の玉鷲が千代の国を押し出しで下し、2敗同士のサバイバル戦を制した。
予想通りに激しい相撲となったが、玉鷲が覚えているのは「最後だけ」。
「最後は突きで押して、しっかり決められました。自分の相撲を取り切れて良かった」と目を細めた。
「楽しんで相撲を取っていきます」と若々しかった。


一山本

新入幕で、東前頭17枚目の一山本が魁聖を破り6勝目を挙げた。
立ち合いから押し込まれたが、うまく回り込んで左上手を取ると、「ここが勝負」と一気に寄り切った。
2敗をキープ。その活躍ぶりはキラリと光る。
「幕内はみんな強いので、勝つことで少しずつ自信になってくる。少し疲れはあるけど、しっかり寝れているので、回復できています」と笑みを浮かべた。




2021/07/11
大相撲ニュース
白鵬

7日目、進退を懸ける横綱白鵬が、初顔となった翔猿のトリッキーな“モンキー相撲”を冷静にさばいて無傷7連勝に伸ばした。
長いお見合い、フェイント…、コントのような爆笑“猿回しショー”に場内は盛り上がったが、横綱は怒りの表情。
最後は上手投げでたたき付けた。


照ノ富士

7日目、綱とりに挑戦する大関照ノ富士が、初日からの連勝を「7」に伸ばして勝ち越しに王手をかけた。
東前頭4枚目琴恵光に対して得意の右四つ、左上手を取って難なく寄り切った。
2場所連続3度目のストレート給金に王手。
3場所連続優勝と横綱昇進が懸かる場所で、最高の形で中日を迎えることになった。


御嶽海

関脇・御嶽海が大栄翔をはたき込み、5勝目を手にした。
大関獲りの足場固めには2桁10勝が必要。
折り返し地点の8日目を前にその半分に達した。
出身地の長野と近い名古屋では18年に初優勝を飾った験のいい場所。
全勝の横綱・白鵬、大関・照ノ富士を懸命に追う。


豊昇龍

幕内最年少の22歳、豊昇龍が動きの良さを見せている。
34歳のベテラン宝富士を得意の足技で破り、2敗を守った。
立ち合いから右上手を引き、頭を付けた。
外掛けで相手の体勢を崩すと、動きながら再び外掛けで関脇経験もある実力者を倒した。


琴ノ若

7日目、琴ノ若が上手ひねりで英乃海で下した。
横綱の血を受け継ぐ23歳の琴ノ若が、全勝の白鵬と照ノ富士に食らいついている。
英乃海を下し、ただ1人となった1敗を死守。
充実の7日間を終え、「形が悪くなっても冷静に動いて対応できている。これからも続けていければいい」と穏やかに振り返った。


千代の国

7日目、31歳の誕生日に旭大星を寄り切り2敗を守った千代の国。
実は前日の9日に次女が誕生していたことを明かし「昨日、おかげさまで生まれました。お昼ごろです。(場所後に会うのを)楽しみにしてます」と頬を緩めた。
無事に出産したことを聞いてから臨んだ6日目は負けてしまい「昨日勝ちたかったんですけどね」と悔しさはあるものの「相撲は変わらず一日一番で頑張っていきます」と2児の父としての責任を力に変えていく。


朝乃山

日本相撲協会の新型コロナウイルス感染予防のガイドライン(指針)に違反し、今場所から6場所出場停止の処分を受けた朝乃山が大関から陥落することが10日、決まった。
カド番で迎えた今場所、8日目の取組が組まれず負け越しが確定。
秋場所で関脇に転落する。
朝乃山は、不要不急の外出が禁止されていた夏場所前にキャバクラに通うなどし、場所中に問題発覚。
同場所を途中休場し、負け越していた。
師匠の高砂親方によれば、今場所中も部屋で稽古をしているという。
同親方は「またしっかり稽古をさせていただく」と再起への思いを代弁した。




2021/07/10
大相撲ニュース
白鵬

白鵬は北勝富士を危なげなく退けて6連勝とした。
前のめりの相手を左に回り込みながらはたき、腹ばいにした。
「(立ち合いで)圧力がある分、引きも決まった」と自賛した。
休場明けで進退を懸けた場所で安定感を示し「体が動いているね」と納得の表情。
7日目は翔猿と初対戦する。
宮城野部屋で炎鵬、石浦と小兵力士に胸を出しているだけに「うちにも小さい2人がいる。その分、頑張りたい」と意気込んだ。


照ノ富士

9日、大関・照ノ富士が平幕・逸ノ城を破った。
かつてのライバルを全く問題にしなかった。
綱取りの照ノ富士が、今場所一番の内容で連勝を6に伸ばした。


正代

正代が4日ぶりの白星。
琴恵光を難なく組み止め、落ち着いて寄り切った。
持ち味の馬力が影を潜めて序盤に3連敗し、「気持ち的にも悪い方向にいっていた」という状況から、ようやく立ち直った。
今場所の話題の中心にいる白鵬と照ノ富士が無傷で並走している中で、大関としてこれ以上取りこぼすわけにはいかない。
気を取り直し、「ここから星を伸ばしていけたら」と話した。


高安

3日目から出場している関脇・高安が大栄翔を突き落として3勝1敗2休。
場所後の大関復帰は厳しい状況だが、再挑戦へ弾みをつける勝利となった。
望みをつなげるための、いい仕切り直しになったのかもしれない。
大関返り咲きが5日目に絶望的となった高安だが、ショックを引きずることなく大栄翔を冷静に仕留めて連敗を回避。
「今日の一番に集中できた」と短くうなずいた。


琴ノ若

琴ノ若がただ一人、1敗を守った。
徳勝龍に攻め込まれるも土俵際で右から突き落とし、「流れの中、体が動いてくれたと思っている」と淡々と振り返った。
後退しても前傾姿勢を保つなど、普段の稽古場からやっていることを無意識に出せているという。
祖父は元横綱琴桜、父も元関脇琴ノ若という相撲一家で育った23歳は「勝ち星一つ取れたのは大きい。直すところを直してあしたから臨みたい」。
7日目以降へ気を引き締め直していた。


勝南桜

7日目の10日、西序ノ口24枚目・勝南桜が3敗目を喫し、100連敗を記録した。
幕下以下の連敗は公式に集計されていないが、過去に89連敗したことがある勝南桜は2019年初場所の5番相撲で挙げた通算3勝目を最後に2年半、白星がなく、自己ワースト記録を更新している。


勝南桜

7日目、現役最年長の東序二段100枚目華吹が「35歳差対決」に敗れて2敗目を喫した。
4番相撲での西序二段97枚目千代天照との一番。
立ち合いから相手の低い当たりに上体を起こされ、立て直すことができないまま送り出された。
連勝は2でストップ。
2勝2敗となり、残り3番で勝ち越しを目指す。
夏場所後の5月28日に51歳の誕生日を迎えた。
先場所は3勝4敗で惜しくも負け越しを喫した。
今場所は歴代最多を更新する211場所目。
初場所以来3場所ぶりの勝ち越しを目指す場所となる。




2021/07/09
大相撲ニュース
白鵬

5日目、巨漢の逸ノ城に上手を取られてしまう。
横綱白鵬にとっても想定外だっただろう。
ただそこから、華麗なるテクニックで大向こうをうならせた。
「安易に立ってしまって不利な体勢になりましたけど、なんとかうまさでカバーした」
右からの投げで、まずもろ差しに。
次に腰と肘を使って逸ノ城の左上手をあっさりと切る。一瞬にして形勢を逆転すると、200キロを軽々と寄り切った。


照ノ富士

注目される場所の序盤を無傷で乗り切った。
綱とりに挑む照ノ富士が初日から5連勝。
北勝富士の攻めを冷静にさばき、「思った通りだったのかな、と思う」。
淡々と振り返る姿に揺るぎない自信がのぞいた。
立ち合いでずれて立った北勝富士に動き回られたが、左で抱え、右ものぞかせ組み止めた。
怪力で差し手を返しながら前へ。
逃れようとする相手を小手投げで難なく転がした。


明生

新小結の明生が今場所初めて相撲を取って白星を挙げた。
高安におっつけながら組ませず、左からいなし、押し込んでから肩透かしで仕留めた。
元大関を退け、「(動きが)良かった」と自賛した。
3日目に組まれた貴景勝戦は、相手の休場により不戦勝だった。
これで2勝目。
「ここから頑張ろうという気持ち」と中盤戦での巻き返しを誓った。


大栄翔

5日目、平幕・大栄翔は、新小結・若隆景を突き出しで下し、初日が出た。
一度は背後を取られかけるも、強烈ないなしで立て直して反撃。
攻め手を緩めずに土俵外に吹っ飛ばした。
今場所初白星を挙げ、「まだまだ実力不足なんですけど、この一番をきっかけにしてここから盛り返していきたいと思います」と巻き返しを誓った。


翔猿

翔猿はよく動いて正代を翻弄(ほんろう)した。
突きを交えて四つに組ませず、最後は低い姿勢から一気に押し出し。
3度目の挑戦で正代から初白星を挙げ、「ずっと悔しい思いをしていたので、勝ててよかった」と充実感に浸った。
先場所は西前頭2枚目で5勝10敗と苦しんだが、番付運に恵まれ西3枚目にとどまった。
初の横綱戦が組まれる地位におり、「楽しみ。上位でもっともっと活躍できるように頑張る」と威勢がよかった。


阿炎

5日目、最高位小結で、東十両14枚目の阿炎が、無傷の5連勝を飾った。
「勝ち星は意識せず、自分の相撲に集中するだけですね」。
昨年7月場所中のコンプライアンス違反で3場所連続休場の処分を受けた。
ちょうど1年で関取に復帰。
「最初からスタートする気持ちでやっています。一番一番に集中して相撲に向き合うことが大事と思っています」。
気持ちを新たに、白星も積み重ねている。


勝南桜

6日目、序ノ口の勝南桜が大典翔に寄り切られ、平成31年初場所の6番相撲から続く連敗が99になった。
今場所が序ノ口デビューで2連敗中だった15歳を相手に、立ち合いふわっと立つとふところに入り込まれて一気に寄られた。
勝南桜は今場所の2番相撲でも白星をあげられず、大相撲史上ワースト連敗記録を更新。
大台「100」にあと1つと迫ってしまった。




2021/07/08
大相撲ニュース
遠藤

遠藤が名古屋場所5日目の8日、日本相撲協会に「左大腿二頭筋損傷で約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。

4日目までは1勝3敗だった。

5日目の対戦相手、関脇御嶽海は不戦勝。

休場は3月の春場所以来8度目。

今場所の十両以上の休場者は、首を負傷した大関貴景勝、新型コロナウイルス対策のガイドライン違反で出場停止処分を受けた大関朝乃山ら6人となった(途中出場者を含む)。




2021/07/08
大相撲ニュース
白鵬

4日目、進退を懸けて土俵に上がっている横綱白鵬が、鮮やかな反転攻勢で初日から4連勝とした。
平幕の隆の勝に背中を取られる場面があったものの、軽やかな身のこなしからの突き落としで逆転。
6場所連続休場による相撲勘への不安を払拭(ふっしょく)する相撲内容だった。


照ノ富士

苦戦の末に白星を手にした照ノ富士は土俵上で首をひねった。
大栄翔に押し込まれ、中に入られる場面も。何とかしのぎ、最後は寄り切った。
3日目まで見せていた冷静さは感じられなかったものの、「相手もいるので、思い通りにいかないこともある」と言い、既に気持ちは切り替えているよう。
綱とり場所もまだ序盤。
「勉強しながらやっていきたい」とゆったり構えていた。


高安

3日目から出場した高安が好内容で2連勝。
遠藤に差させず、距離を取りながらうまく横から崩し、「落ち着いて、しっかり厳しい相撲を取れた」と納得顔だった。
腰の痛みで数日、稽古をできなかったそうだが、「2日、3日で一生懸命に体をつくった。今は体調もいい」という。
三役で2場所続けて2桁白星を挙げている元大関の復調ぶりが頼もしい。


御嶽海

4日目の7日、御嶽海は西前頭3枚目・翔猿に押し出しで勝ち、連勝を3にのばした。
5日目の8日は遠藤と対戦する。
御嶽海は安定した相撲で快勝した。
翔猿の攻めを受けるも動じず、捨て身の蹴返しにも冷静に押し出した。
遠藤はここまで1勝3敗。
過去6場所では、御嶽海が2勝1敗と勝ち越している。


若隆景

4日目、新三役の小結若隆景が、大関撃破で星を2勝2敗の五分に戻した。
得意のおっつけがさえ、大関正代を押し出し。
正代には、これで3月の春場所から3連勝で通算3勝1敗と、すっかりキラーぶりを発揮している。


玉鷲

4日目、今場所で幕内在位71場所目、幕内最年長の36歳となった東前頭10枚目玉鷲が、幕内で初の初日から4連勝。
「それは言わないでください」と年齢の話題は笑って受け流したが、23歳の琴ノ若を送り出しで下し、元気いっぱいだ。
2019年の初場所で初賜杯を手にしたこともあるベテランは衰え知らず。
「心、元気にしていい相撲を見せたいと思います」と笑顔で取材に応じていた。




2021/07/07
大相撲ニュース
白鵬

横綱白鵬が危なげない相撲で白星を挙げた。
押し相撲が武器の大栄翔相手だったが、鋭い踏み込みから勢いを止め、すくい投げを決めた。
「昨日(2日目)からスピードがあるような気がしますね。速い相撲だったと思います」と納得の表情を浮かべた横綱。
前夜は宿舎で夕食時に「気を抜かずに頑張っていこう」と若い衆に声をかけたという。
幕下の北青鵬の活躍などから力をもらい3連勝とした。


照ノ富士

大関照ノ富士が初めてかいなひねりで白星を挙げ、初日から3連勝とした。
隆の勝とお互い頭を付け合い膠着(こうちゃく)状態になったところで、相手の左手首を取ってひねり、土俵上に転がした。
稽古場でたまに繰り出すそうだが、「場所で出るとは思わなかった。体が反応してくれた感じです。ギリギリのところで技が出るのは良かったと思います」。
稽古のたまもののようだ。


高安

3日目、この日から出場した高安は逸ノ城を寄り切り、初日を出した。
場所直前に腰を痛めて初日から休場していた高安。
出遅れを感じさせない力強さで2日遅れの白星発進だ。
「ばたばたせず、頭を上げないように」と、立ち合いから前傾姿勢を崩さず勝機をうかがった。
最後は左が入り、体重200キロの逸ノ城を寄り切った。
土俵下の高田川審判長も「どこが痛かったんだろうというような相撲でしたね」と評する内容だった。


遠藤

遠藤が大関撃破で初日を出した。
鋭い踏み込みから右をのぞかせると、素早く体を開いて正代を引き落とした。
先場所は千秋楽まで優勝を争い11勝。
今場所は返り三役を目前としている。
金沢市出身で名古屋は地元からほど近い。
「応援に応えられるように頑張ります」と、故郷のファンの期待を背負って土俵に上がっている。


玉鷲

前頭十枚目・玉鷲が前頭九枚目・英乃海を小手投げで下し、初日から3連勝を飾った。
これで幕内通算500勝となり、視聴者からは「おめでとう」「まだまだ若いね!」と祝福のコメントが続出した。




2021/07/06
大相撲ニュース
白鵬

5日、横綱・白鵬は平幕・遠藤を降した。
横綱のリズムが整い始めてきた。
6場所連続休場明けの白鵬は、遠藤を危なげなく退けた。
立ち合いは珍しくもろ手突き。
懐に入れたらうるさい相手だけに、距離を取って突き押しで圧力をかけた。
一度は前まわしに手を掛けられたが、素早く体を開いて体勢を崩させ、最後は左上手から出し投げを決めた。
「判断よく動けている。今日もスピードがあった」と自賛の内容だった。


照ノ富士

照ノ富士が慌てることなく新小結の若隆景を下した。
初日に続く白星で綱とりの場所を順調に滑りだし、「落ち着いて取れたので良かった」と表情を変えずに話した。
序盤は動きの激しい攻防だった。
左の前回しを取られ、右も差される不利な体勢。
それでも落ち着いていた。
両腕で抱え込みながら、サッと左で上手をつかむ。
動きが止まると、態勢を整えて攻勢に転じ、左腕に力を込めながら前へ。
土俵際に追い詰め、そのまま休まず寄り切った。


貴景勝

大関貴景勝が名古屋場所3日目の6日、日本相撲協会に「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニアによる神経根症により1カ月間の休養加療を要する」との診断書を提出して休場した。
貴景勝は前日2日目の逸ノ城戦で、右四つに組み止められて力なく寄り切られると、土俵下で右肩付近を気にしながら、しばらく動けなくなる場面があった。
若者頭に車いすに乗せられ、左手で右腕を押さえながら花道を引き揚げた。
2日目の打ち出し後に電話取材に応じた師匠の常盤山親方は「思い切りいったら電気が走った。本当に痛がらない男なので心配」と説明していた。
打ち出し後は病院で診察し、自力で歩行できる状態だったという。
貴景勝の休場は今年1月の初場所以来。再出場して勝ち越さなければ、9月の秋場所はかど番となる。
3日目の対戦相手、新小結の明生は不戦勝となった。


正代

正代が大栄翔を難なく下して2連勝発進。
過去5勝8敗だった相手を意識してしまい、立ち合いは3度目で成立したが、馬力自慢に当たり負けすることなく、押し込んでからの突き落とし。
「きのう、きょうと一歩目の出足が良く、踏み込めて体重がかけられている」と納得顔だった。
負け越した3月の春場所は初日に、かど番だった先場所は2日目に黒星を喫しただけに、「体もよく動いている。いいスタートじゃないか」と、表情は明るかった。


高安

腰痛のため、初日から休場した関脇・高安が3日目の6日から出場することが5日、決まった。
平幕・逸ノ城との対戦が組まれた。
春、夏場所と三役で連続10勝し、一昨年九州場所で陥落して以来となる今場所後の大関復帰を目指したが、1日の稽古後に痛みが出て「急性腰痛症で約10日間の安静、休養が必要」と診断されていた。


新ルール♀ヨ取に初適用

大相撲名古屋場所2日目、小兵力士、炎鵬は貴源治との対戦で、取組続行不可能と判断されて無念の「不戦敗」となった。
十両以上の関取では初めてとなる、審判規則が適用された。

1月の初場所、幕下の取組で両力士の頭が衝突。
立ち合い不成立ながら一方の力士が脳振とう状態で立てなくなった問題を機に、日本相撲協会は同場所後に審判規則を一部変更。
「不戦敗」の項目を追加した。




2021/07/05
大相撲ニュース
白鵬

今場所に進退を懸けて土俵に上がった横綱白鵬が、辛くも白星発進した。
新小結の明生との一番は、左四つがっぶりになったがすぐには勝負を決められず。
土俵際に押し込まれる場面もある中、耐えて掛け投げで退けた。
6場所連続休場中で、3月には右膝を手術するなど不安要素を抱える。
それでも歴代最多44度の優勝を誇る横綱が、意地を見せる形で勝利をもぎ取った。


照ノ富士

綱取りに挑む大関・照ノ富士は、先場所敗れた前頭筆頭・遠藤を寄り切りで下し、白星発進を決めた。
因縁の相手に会心の内容でリベンジを果たし、「落ち着いて取れてよかった」とうなずいた。
今場所は、昨年3月に無観客で開催された春場所以来、1年4か月ぶりの地方開催。
圧倒的な存在感を見せる大関は「久しぶりの地方ということで、自分がお客さんを盛り上げる立場になっていきたい」と力強く意気込んだ。


貴景勝

日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長は、名古屋場所初日の4日、先場所12勝3敗で優勝同点だった大関貴景勝の綱とりについて「レベルが高い優勝。全勝優勝くらい」が求められるとの見解を示した。
横綱昇進の内規は「2場所連続優勝、もしくはそれに準ずる成績」。
内規通りなら先場所優勝の大関照ノ富士と同じく、貴景勝も今場所は綱とりに位置づけられるが、伊勢ケ浜部長は「ただ優勝すればいいというわけじゃない。レベルが高い優勝。全勝優勝くらい。そうすればそういう声も出るんじゃないの」と、終盤戦までの成績次第では機運が高まるとした。


翔猿

前頭三枚目・翔猿が、前頭四枚目・琴恵光を蹴返しで下し、初日を白星で飾った。
素早い動きと巧みな技が持ち味の翔猿。
素早い出足で琴恵光に立ち合いからプレッシャーをかけると、相手の上体が浮き上がり、右足に体重がかかったところでタイミングばっちりの蹴返し。
強さ以上にバランスを崩すことに成功すると、琴恵光もたまらず両手を土俵につくしかなかった。


宇良

21場所ぶりに幕内に戻った宇良が、館内を沸かせた。
大奄美の喉輪にのけ反りながらも、うまく回り込んで突き落とし、土俵にはわせた。
右膝の大けがなどで番付を序二段まで落としただけに、故障につながるような相撲を取らないように気を付けているという。
白星スタートに「勝負になると、体が勝手に粘る方向にいく」と反省したが、久々に感じた幕内の熱気は格別だったよう。
「ここでまた、この位置で取れる喜びはある」とかみしめるように言った。


一山本

新入幕の一山本が、西前頭16枚目石浦をはりま投げで破って白星発進した。
立ち合いはもろ手つきで出たが、低く潜られて空を切った。
中に入られて不利な状況となったが、低い体勢となった石浦の頭越しに左上手を取り、土俵際に押し込まれながらも、右足一本で残って後方に投げた。
幕内の土俵ではりま投げが決まったのは18年春場所5日目の栃煌山以来で、令和になってからは初となった。
一山本にとっても人生初だったようで「人生最初で最後だと思う」と苦笑いしながらも、「とりあえず勝てたのはよかった。緊張したけど勝ててよかった」と安堵の表情を浮かべた。


初日恒例 協会あいさつ

午後1時の開場前から、入場を待つ長い列ができた。
2年ぶりに活気が戻った7月のドルフィンズアリーナ。
日本相撲協会の八角理事長は、初日恒例の協会あいさつで「名古屋で本場所を開催できることは協会員一同、喜びに堪えません」と言葉に実感を込めた。
芝田山広報部長は「感染を抑え、次の九州場所につなげていくのが大事なこと」と気を引き締める。
白星発進した正代は「違った感覚で相撲を取れた」と喜び、三重県出身の志摩ノ海は「久々なので気合が入っている」。
ファンだけでなく、力士も格別な思いを抱いている。


阿炎

東十両14枚目・阿炎が、西十両14枚目・矢後を引き落としで下して初日白星。
1年ぶりに関取として立った土俵で、好スタートを切った。
立ち合い鋭く当たって前に出ると、土俵際で冷静に引き落とし。
取組後は「白星発進なのでうれしいです」と語った。




2021/07/04
大相撲ニュース
白鵬

大相撲名古屋場所初日を翌日に控えた3日、日本相撲協会の尾車事業部長が報道陣の電話取材に応じ、進退をかける横綱白鵬について言及。
「初日が大事」とポイントを挙げた。
大横綱にとっては、勝負となる名古屋場所。
これまで同様の強さを見せつけるか、それとも…。
尾車事業部長は「強い白鵬というか、一番番付の上に君臨する人ですから。できれば勝ち進んでいってもらって、綱の責任を果たしてもらえれば」と期待を口にした。


史上ワースト連敗記録更新

“史上最弱力士”西序ノ口24枚目の勝南桜が白猿に押し出され、初日黒星スタートとなった。
自身の持つ史上ワースト連敗記録は「98」に伸びた。
67キロの小兵相手に立ち合いから一方的に押し込まれ、なすすべなく土俵を割った。


土俵祭り

1年4か月ぶりの地方開催となる大相撲名古屋場所は4日に、ドルフィンズアリーナで初日を迎える。
3日は場所前恒例の土俵祭りが行われた 。八角理事長(元横綱・北勝海)は、大雨による新幹線の運転見合わせで急きょ欠席したが、出羽海名古屋場所担当部長(元幕内・小城ノ花)らが15日間の安全を祈願した。
新型コロナウイルス感染対策で一日の観客数上限は、収容人数の50%に当たる3800人で実施する。
今場所は横綱・白鵬が進退を懸けて出場する。
電話取材に応じた尾車事業部長は「(白鵬は)一番番付の上に君臨する。勝ち進んで、綱の責任を果たしてもらえたら」と期待を寄せた。


ちょんまげ親方

新型コロナウイルス感染拡大で本場所の中止や観客制限など大きな影響を受けている角界だが、意外なところにもその影響が及んでいる。
引退後も断髪式ができず、ちょんまげ姿の親方が目立っているのだ。
世代交代の時期とも重なり現役を引退する力士が続く中、コロナ下で今後の状況も見通せず困惑する親方衆は多い。




2021/07/03
大相撲ニュース
優秀番付訂正

5月場所にて発表させて頂きました、優秀番付につきまして、

一部の印刷物、ホームページ掲載のPDFにおきまして、

横綱の点数が「一一八一三点」と記載されておりました。

正しくは「一八一三点」です。

大変ご迷惑をおかけ致しまして誠に申し訳ございませんでした。

今後十分注意致しますので、宜しくお願い申し上げます。

優秀番付表はこちら
http://www.jtng.com/sumo_touoh/m_quizu/images/y_ban202105.pdf




2021/07/03
大相撲ニュース
白鵬

歴代最多44度の優勝を誇る横綱白鵬が進退を懸け、名古屋場所に臨む。
昨年3月の春場所で賜杯を抱いた後、6場所連続で休場。
2007年に新横綱として土俵に立った思い出の名古屋場所がくしくも正念場となる。
3月の春場所は途中休場し、右膝の内視鏡手術を受けた。
5月の夏場所は全休。
関係者によると、今場所前は、本場所を中継するNHKも含めてほとんどの取材を断った。
師匠の宮城野親方は、「気持ちが、開き直っている感じが見える」と言った。稽古を積んで体の張りも戻りつつあり、表情も明るいようだ。


照ノ富士

綱獲りの大関・照ノ富士は初日に平幕の遠藤と対戦する。
緊張の綱獲り初日。
照ノ富士は難敵を迎えることになった。
過去の対戦は4勝5敗。
夏場所14日目の対戦では、土俵際の際どい勝負となり軍配差し違えで敗れた。
1年4カ月ぶりの地方開催。
取材に応じた師匠の伊勢ケ浜審判部長は部屋にケガを抱えている関取衆が多く、相撲を取る稽古が十分ではないと説明した上で「やれることをしっかりやり、結果はその後に付いてくる」と期待した。
3月の春場所、5月の夏場所を制しており、直近6場所で3回優勝と安定感は抜群。
師匠は審判部長として「優勝も2回続けているし、それに準ずる成績であれば十分可能性はある」と昇進の条件の見解を示した。


名古屋市上下水道局 おいしい水道水「名水」を寄贈

名古屋市上下水道局は2日、日本相撲協会においしい水道水「名水」を寄贈したと発表した。
名古屋場所の初日(4日)と中日(11日)に熱中症対策とPRで来場者に配られる。
名水は木曽川が水源で、木曽川流域の長野県木曽郡上松町出身の御嶽海は「うまい!!地元の水を力に変えて頑張ります」とコメントした。


関西学院大学 宇良関に学長賞授与

関西学院大学は、2度の大けがを乗り越え、7月4日に開幕する大相撲名古屋場所で幕内復帰を果たした宇良関に、学長賞を贈ることを決定しました。
場所前のため、授与式は行わず、学長賞の授与が決まったことを宇良関に報告、宇良関からコメントをいただきました。
賞状代わりのクリスタルの楯と奨励金は場所後に贈ります。
■宇良関のコメント
「学長賞を授与いただき、たいへん光栄に存じます。この度、おかげさまをもちまして幕内に復帰することができ、場所に向けての更なる励みとなりました。いただいたご声援を力に変え、私からも相撲を通じてたくさんの方に元気や勇気を与えられるよう、一日一番を全力で取り組みたいと思います」
■村田治・関西学院大学学長のコメント
「2度の大けがで序二段まで番付を下げたにもかかわらず、不屈の闘志で幕内まで復帰されました。努力と鍛錬の賜物だと思います。コロナ禍のなか、母校関西学院大学の後輩たち、学生や教職員に大きな勇気を与えてくれました。その努力と頑張りに関西学院大学として、学長賞を贈りたいと思います」


元音羽山親方 死去

元音羽山親方で元前頭光法の峯山賢一さんが、2日までに死去していたことが関係者への取材で分かった。
大相撲名古屋場所で進退を懸けて臨む横綱白鵬の兄弟子で、47歳だった。
関係者によると、峯山さんは新型コロナに感染し名古屋市内の病院に入院していた。




2021/07/02
大相撲ニュース
高安 休場

大相撲名古屋場所を休場することが決まった関脇高安について、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が2日、報道陣の電話取材に応じ「急性腰痛症。ぎっくり腰みたいなもの」と、休場理由を説明した。
高安は2場所連続で10勝しており、今場所の成績次第では19年九州場所以来となる大関復帰の可能性があった。
高安が腰を痛めたのは前日1日の稽古後。
「歩くのに支障があった。本人も出たい気持ちがあったみたいだけど、昨日(1日)の夜遅くに(休場を)決めた」と師匠。
病院では加療10日間と診断されたという。
高安自身は腰の状態が回復すれば、出場する意向を示しているという。
現在は都内で治療中で、3日までに名古屋入りする予定。
田子ノ浦親方は「どの場所も大事だが、今場所はいろんな意味で大事だった。具合によってはいつ出るか、考えながらやっていきたい」と話した。




2021/07/02
大相撲ニュース
白鵬

大相撲の6場所連続休場中の横綱白鵬が進退を懸けるとしている名古屋場所に出場することが決まった。
取組編成会議前日の1日、報道陣の電話取材に応じた師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が明言した。
6月27日に宿舎のある愛知・豊田市に移動した。
同28日から稽古を再開し、平幕の石浦や十両炎鵬ら関取衆と相撲を取る稽古を行ってきたという。
「普通通りに稽古している。徐々に上がっている」と白鵬の現状を説明。
3月の春場所を途中休場し、右膝の手術を行った当時と比べると「前の体に戻ってきた感じはある。最初の1カ月間ぐらいはお尻がしょんぼりしていた。今は肉が張っている」と仕上がっているようだ。


高安

大相撲名古屋場所で大関返り咲きに挑む関脇高安が1日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋での稽古後に報道陣の電話取材に応じた。
8月1日付で独立する荒磯親方(元横綱稀勢の里)の胸を借りる最後の機会だったとし「気を引き締めていい稽古ができた。感謝の気持ちでいっぱい」と実感を込めた。
同じ茨城県出身で背中を追ってきた兄弟子と20番。
「(通算)1万番以上やっていると思う。15歳で入門してから稽古をつけていただいているので、その時のことを考えながら身を入れて精いっぱいやることができた」と感慨に浸った。
2日に名古屋入りする予定という。


若隆景

新三役の小結若隆景が1日、名古屋市内の部屋で十両若元春、新十両荒篤山と申し合い稽古を行った。
稽古後、電話取材に応じ、「体調自体は悪くない」と語った。
直前まで東京で調整し、前日6月30日に新しい名古屋の宿舎に入った。
コロナ禍による異例の地方場所調整ながら「しっかり稽古して、しっかり体調管理して場所に向けて準備したいと思います」と気を引き締めた。


風物詩「相撲列車」なく

初日へ向け力士たちが続々と名古屋へ移動している中で1日、武蔵川部屋は感染対策としてチャーターした大型バスで力士ら15人で出発した。
今回は「相撲列車」として風物詩になっている新幹線での団体移動はなく、白鵬は先月27日に名古屋に入り、高安は2日に移動を予定など各部屋ごとに移動。
新幹線利用以外にも、自家用車に分乗するなど各部屋が感染対策を実施している。
大須商店街に部屋がある武蔵川親方(元横綱武蔵丸)は「新幹線の方が楽だけど、コロナに感染したら全員アウト。無事に病気、けがなく終えられたら。部屋と稽古場の往復だけで相撲に集中させる」と徹底。
「久しぶりに外へ出るから、緊張してるよ」と話した。




2021/07/01
大相撲ニュース
照ノ富士

チャンスを目の前に悠然と構えている。
6月21日の新番付発表の記者会見。
綱とりが懸かる名古屋場所への気負いを問われた照ノ富士が、ふっと表情を緩めた。
「(自分は)いつも緊張してますか?」と聞き返した後、「あまりしていないと思う」。
にやりと笑う姿から自信が垣間見えた。
相撲を取る稽古は、古傷を抱える両膝の具合を見ながら慎重に。
その分、土俵周りでの筋力トレーニングなどでみっちり汗を流し、「人より3倍ぐらい、という気持ちでやっている」と言い切る。
今できることを精いっぱいにこなす日々だ。
「稽古でやってきたことしか出ないから、準備が一番大切」。勝負の場所へ、無心で力を出し尽くすことを肝に銘じている。


明生

大相撲名古屋場所を新小結で迎える明生が30日、名古屋市内の宿舎で稽古を行い、代表の電話取材に応じた。
鹿児島県奄美大島出身。
「毎日食べてます」という地元から送られてきたパッションフルーツで暑い名古屋を乗り切る。
1年4カ月ぶりの地方場所となる名古屋へ足を踏み入れたのは27日。
名古屋は2年ぶり。
すでに稽古を再開している明生は、「本当に久しぶりの名古屋の宿舎での稽古はすごい新鮮な感じ」と新たな気持ちで豊昇龍、天空海と申し合いを重ねている。
暑さを乗り切る源は7月にも世界自然遺産に登録される地元、奄美大島特産のパッションフルーツ。
意外にも「唯一食べられる果物」だ。
「(ほかの果物は)全部駄目っすね。ただパッションフルーツだけはすごいおいしいって感じで食べてます。真っ二つにして、中に種が入ってるんで、果実と種ごと食べるみたいな。暑い時期に届きますね。この時期にいっぱい送られてきます」とベータカロテン豊富な果物が貴重なビタミン源となっている。
今場所は早々に横綱戦が組まれる。
過去、白鵬と鶴竜との対戦があるが未勝利。
横綱戦初勝利へ向けて「集中して相撲を取りたいと思います。久しぶりの名古屋場所なので、名古屋のみなさんの前で頑張りたいなという気持ちです」と新三役場所へ意気込んだ。


名古屋場所の会場 報道陣に公開

大相撲名古屋場所の会場であるドルフィンズアリーナ内が30日、報道陣に公開された。
2年ぶりの開催となる名古屋場所は、コロナ禍のもと開催される初の地方場所。
そのため新型コロナウイルス感染防止対策に万全の対策が施されている。
マスク着用、消毒はもちろん、網戸を設置して窓は全て開放、さらには升席下に大型扇風機を16台設置するなどした。
会場外には民間の救急車も2台配備された。
名古屋場所担当部長の出羽海親方(元幕内小城ノ花)は「換気と、密にならないようにやっている。初めてのことだから慎重に準備を進めていきたい。感染防止対策をしっかりやっていくので、お客さまには安心して見にきていただきたい」と話した。

また、同日、会場の名古屋・中区のドルフィンズアリーナで、感染対策が発表されました。

入場者数は、会場の収容人数の50%にあたるおよそ3800人に抑え、4人用のマス席を2人で使用したり、イス席は座席の前後左右を空けて、密にならないようにします。

また体調不良者が出たときのために、民間の救急車両を配置し、医療機関へ搬送する体制を取ったり、巨大な扇風機16台を設置して、会場内の換気にも力を入れます。

「感染防止対策をしっかりやっているので、(観客には)安心・安全に相撲を楽しんで欲しい」(出羽海親方)




2021/06/30
大相撲ニュース
白鵬

大相撲の横綱・白鵬の主治医で、整形外科医の杉本和隆氏がこのほど、スポーツ報知のオンライン取材に応じた。
進退を懸けるとしている名古屋場所へ向けた調整は「想定よりは優秀」と評価。
3月の右膝手術も執刀した同氏は、出場に関して「変なこと(アクシデントなど)をやらない限りは間に合うと思う」との見通しを示した。


若隆景

若隆景(荒汐部屋)が新三役の小結に昇進して名古屋場所に挑む。
1メートル82センチ、130キロと幕内力士の中では小柄ともいえる体格ですが、強い足腰と「おっつけ」(手から肘を使って相手の腕やわきの下を絞り上げるように押しつける技)を武器に、3月の春場所に10勝、5月の夏場所に9勝を挙げてともに技能賞を獲得。
祖父の若葉山(昭和20年代から30年代に活躍した)の最高位・小結に並んだ。


名古屋に活気再び

7月4日の初日に向け、大相撲名古屋場所(愛知・ドルフィンズアリーナ)の開催準備が着々と進んでいる。
新型コロナウイルスの感染拡大により、大阪での昨年春場所を最後に1年4カ月も遠ざかっていた地方場所。
軽やかな寄せ太鼓の音が鳴り響くのを、多くのファンが心待ちにしている。




2021/06/29
大相撲ニュース
出羽海親方 名古屋場所成功祈願

名古屋場所の担当部長を務める出羽海親方が25日、名古屋城の「金シャチ」に触れ、2年ぶりの名古屋場所の成功を祈願。
25日、名古屋・栄で行われている「金シャチ特別展覧」の会場を訪れ、もともと城を火災から守る厄除けの意味がこめられていたと伝わる金のしゃちほこに、新型コロナの退散と名古屋場所の成功を祈願した。
出羽海親方は「金シャチが疫病退散ということで、名古屋場所がコロナに負けないように無事に開催でき、また無事に千秋楽を迎えられればなと思いまして、やってまいりました」と述べた。


日刊スポーツ 第10回大相撲総選挙

1位 貴景勝  3320票
2位 照ノ富士 2329票
3位 朝乃山  2233票
4位 遠 藤  2221票
5位 若隆景  1923票
6位 大栄翔  1906票
7位 隆の勝  1887票
8位 明瀬山  1621票
9位 翔 猿  1539票
10位 正 代  1462票

第10回大相撲総選挙の結果はこちら!
https://www.nikkansports.com/battle/sumo/election/


二子山部屋 移転

閉鎖された旧東関部屋に埼玉・所沢を拠点としていた二子山部屋が移転し、5月1日に始動した。
葛飾区は2016年、地域活性化などを目的として相撲部屋の誘致を発表し、2018年、同地に東関部屋が開設。
2019年12月に先代東関親方(元前頭・潮丸)が死去し、元小結・高見盛が部屋を継いだが、4月1日付けで閉鎖された。
二子山親方は「葛飾区には九重部屋もある。関取もたくさんいる大きい部屋で、それに比べると二子山部屋はまだ若い部屋。強くて人間的にもしっかりとした力士をどんどん増やして、九重部屋と一緒に葛飾区を盛り上げていきたい」と意気込む。




2021/06/28
大相撲ニュース
正代

大関正代は22日、相撲記者クラブの電話取材に応じ、名古屋場所に向けて「かど番を脱出したことで、伸び伸びと相撲が取れたらいい。優勝争いにも加わりたい」と意気込みを示した。


朝乃山

23日、新型コロナウイルスのワクチン接種のため東京・墨田区の両国国技館を訪れた。
厳罰を受けてから公の場に姿を見せるのは初めてで、報道陣の質問に対して「大変申し訳ありません。今は何もお話しすることができません。すいません」とだけ話して去っていった。


宇良

人気の業師、宇良が2017年九州場所以来、21場所ぶりに幕内の土俵に戻ってくる。
報道陣の電話取材に応じ「一方的にやられるのではなく、ちゃんと相撲を取って、勝ち越しを目指して勝負したい」と意気込みを語った。
22日は29歳の誕生日だった。
誕生日プレゼントに欲しい物を聞かれ「締め込みを新調したい。色はあの色(本場所で締めているピンク色)でいいです。新十両から(この色で)結構頑張っているので」と答えた。


勢 引退会見

21日に引退と年寄「春日山」襲名を発表した大相撲の元関脇・勢(34)=本名・東口翔太、伊勢ノ海部屋=が25日、リモートで会見し「やれるだけのことはやって納得している。気持ちもすっきりしています」と心境を述べた。
また、女子ゴルフの比嘉真美子(27)が23日、大相撲の夏場所後に現役を引退した元関脇勢の春日山親方(34)との婚約を昨年末に解消していたことを明らかにした。


大関照ノ富士に化粧まわし贈呈

綱とりに挑む大関の照ノ富士にうれしい援護だ。
自動車販売業のグッドズピード社(本社・名古屋市東区、加藤久統社長)が25日、新しい化粧まわしを制作し贈呈すると発表した。
化粧まわしは『気』という文字をモチーフにデザイン。
照ノ富士が最高位の横綱、同社がスポーツタイプ多目的車(SUV)販売台数日本1位を目指すという経営ビジョンを掲げているということで日本一高い富士山と、縁起物の鶴も描かれている。
7月10日前後に完成予定で、名古屋場所の後半に着用予定という。


先代片男波親方(元関脇玉ノ富士)死去

自衛隊を経て再入門した異色の経歴を持つ大相撲の元関脇・玉ノ富士で、先代片男波親方の大野茂(おおの・しげる)さんが21日に大分県内の病院で肝臓がんのために死去した。
24日、日本相撲協会が発表した。
71歳だった。
葬儀・告別式は家族葬にて執り行われた。




2021/05/25
大相撲ニュース
貴景勝

貴景勝は最後まで見せ場をつくったものの、賜杯を手にすることはできなかった。
本割では、立ち合いで強く当たって照ノ富士の体を起こすと、突き落としで巨体を転がした。今場所ずっと独走を許していた相手を千秋楽でようやく捉えたが、決定戦では先手を取れないまま苦杯。万雷の拍手の中で突っ伏し、立ち上がって天を仰いだ。
自力で逆転優勝の可能性を引き寄せたが、あと一歩届かず。顔をしかめながら花道を引き揚げた。悔しさはいかばかりか、取材には対応せずに国技館を後にした。
ただ、横綱は不在、大関朝乃山が途中休場となる中、大関として最後まで重責を果たした。


照ノ富士

大相撲夏場所千秋楽から一夜明けた24日、2場所連続、大関として初の優勝を果たした照ノ富士がリモートでの記者会見に臨み、「大関での優勝がないと、次の番付が見えてこないと思っていた」と喜びを語った。
今場所は安定した強さを発揮し、13日目まで1敗で単独トップ。
しかし14日目、千秋楽と連敗し、貴景勝に3敗で並ばれた。
優勝決定戦の一番を振り返り、「体に任せた。一生懸命、全力を出し切ることを考えた。自分を信じてやった」と無心を貫いた相撲だったことに胸を張った。
7月の名古屋場所は綱とりが懸かる。
両膝のけがや病気などで序二段まで陥落する苦労を味わっただけに気負うことはなく、「できなかったら、できなかったでいい。力を振り絞って最後までやりたい」。
淡々とした口調の中に最高位への思いをにじませた。

大相撲の横綱審議委員会の定例会合が24日、東京・両国国技館で開かれた。
横審の矢野弘典委員長は夏場所で大関初優勝を果たした照ノ富士について「どん底まで落ちて、よくここまで戻ってきたなということで、称賛の言葉があった。ファンの心をつかんだんじゃないか」とねぎらった。
また、照ノ富士が優勝後のインタビューで「一日一番のつもりで土俵に務めていましたので、それがこうやって優勝につながったかなと思います」などと話していたことを受けて「浮かれたところがまったくなくて好感が持てた」と評価。
綱取りとなる名古屋場所に向けては「横綱を目指す場所になる。他の大関も含めましてみんなで競い合ってほしい」と期待を寄せた。


高安

幕内後半戦の審判長を務めた藤島審判長は、名古屋場所の成績次第で関脇高安が大関に再昇進することを示唆した。
高安は小結だった初場所で10勝を挙げ、今場所も10勝を挙げた。
大関昇進の目安は「三役で3場所33勝以上」で、同審判長は「13勝以上で優勝なら、そういう話しも出るんじゃないですか。今までの大関もそうやってきた。そういう地位ですから」と話した。


御嶽海

千秋楽、御嶽海は腰を落としながらもろ差しになり、巨漢の逸ノ城を押し出しで下した。
「当たって中に入って、自分の相撲ができた」と納得の一番。
昨年7月場所以来の2桁白星を挙げて、大関とりの足がかりを作った。
「いろんな人に先を越されて悔しさはある。上に行く意識で引き締めていきたい」と大関の地位を意識した。


若隆景

来場所の新三役が確実となっている若隆景が、二場所連続二度目の技能賞に輝いた。
千秋楽は東前頭十二枚目、琴恵光に敗れて九勝六敗となり、二場所連続の二桁勝利は逃した。
それでも、二大関を破るなど好成績を支えたおっつけの技術が、三賞選考委員会で評価された。
春場所に続いて技能賞のトロフィーを手にした若隆景関は「自分でも力が付いたと思うし、自信につながる。来場所も自分の相撲を見せられるように頑張りたい」と語り、名古屋場所での活躍に意欲を示した。


宇良

約3年半ぶりの幕内復帰を確実にしている宇良が十両優勝で花を添えた。
立ち合いで潜って武将山の右脚を取り、そのままもろ差しになって寄り切り12勝3敗。
2017年九州場所以来の幕内返り咲きとなる来場所へ「力を出し切れるように頑張りたい」と控えめに意気込みを示した。


名古屋場所 名古屋市で開催へ

2019年以来2年ぶりに名古屋市で開催を予定する大相撲名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて、主催する日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)と中日新聞社の大島宇一郎社長が24日、東京・両国国技館で会談を行った。
昨年の7月場所は東京開催だった。
地方場所開催は大阪で行われた昨年春場所以来、観客を入れての開催は2019年九州場所以来となる。
代表取材に応じた八角理事長は「昨年は東京開催となり、名古屋の皆さまは残念だったかと思います。今年は感染対策を万全に行い、安心、安全な会場で、迫力ある大相撲をご覧いただければと思っております。まずは名古屋場所を再開し、成功させ、各地で相撲文化が廃れないようにしていきたい」と話した。




2021/05/21
大相撲ニュース
朝乃山

夏場所直前、キャバクラ通いが報じられた大関朝乃山関に対し20日、「3場所連続出場停止」以上の厳罰が下る可能性が高まり、大関陥落は避けられない見通しとなってきた。
新型コロナウイルス対策のガイドライン違反に関し、当初は否定していたが一転させ報道内容を認めた。
協会幹部からは怒り、批判の声が相次いだ。
部屋で「謹慎」措置となり12日目から休場。
故郷富山の親しい関係者に電話で号泣して謝罪を繰り返したことも分かった。


貴景勝

激しい突き合いの最中、大関貴景勝の右膝がガクンと折れた。
黒星がちらつきかけたが、なんとか持ちこたえた。
勝利への執念を見せ、再び攻勢に出る。
最後は192センチ、200キロの巨漢逸ノ城を押し出した。
照ノ富士との差は1のまま。
まだ直接対決を残しており、自力での優勝の可能性を残している。
「一生懸命、一日集中して、明日からもやっていきます」。
照ノ富士との対戦の前に負けるわけにはいかない。


正代

かど番の正代が苦しみながら7勝目を手にした。
隆の勝の厳しい攻めを受けて後退したが、左からのすくい投げで逆転し、「よく対応できた。最後まで諦めなかったのがよかった」と胸をなで下ろした。
8日目から3連敗するなど苦しんだが、ようやく勝ち越しに王手。
「早く心を落ち着かせたい。あと一つしっかり勝って、そのまま最後まで気を抜かないようにできたらいい」と気持ちを奮い立たせた。


照ノ富士

前日に相手のまげをつかんでしまったことによる反則負けを喫した大関照ノ富士は、阿武咲と対戦し、寄り切って優勝争い単独トップとなる1敗を守った。


高安

関脇高安は、対戦相手の大関朝乃山が休場したため、不戦勝により勝ち越しを決めた。
相手の休場を知ったのは、この日の稽古後だったという。
昨年11月場所の三役復帰から4場所連続の勝ち越しとなった。
先場所は小結で10勝。
今場所も10勝以上の白星を重ねて“再”大関とりの足固めとしたい。
「(残り3日間は)精神的にリラックスして、メリハリをつけて自分の相撲を取りきりたい」と意気込んだ。


大相撲夏場所 13日目

1敗で優勝争い単独トップの大関 照ノ富士が平幕の逸ノ城と対戦します。
横綱不在の夏場所の優勝争いは1敗の大関 照ノ富士が単独トップで、2敗で大関 貴景勝、3敗で平幕の遠藤が追う展開です。
13日目の21日、照ノ富士は前頭6枚目の逸ノ城とモンゴル出身どうしの一番です。
照ノ富士が過去7勝2敗としていますが、この1年は対戦がありません。
照ノ富士としては、重さのある逸ノ城を相手に古傷のひざに負担がかからないような相撲を取りたいところです。
逸ノ城は、身長1メートル92センチ、体重200キロの体格をいかして大関から白星をもぎ取りたいところです。
結びの一番では大関 貴景勝が前頭8枚目、遠藤の挑戦を受けます。
過去の対戦では貴景勝が7勝3敗と勝ち越しています。
貴景勝は遠藤のうまさや粘り強さに足をすくわれることなく、照ノ富士との直接対決までは白星を重ねていきたいところです。
このほか角番脱出へあと1勝の大関 正代は平幕の宝富士と対戦します。


八角理事長、朝乃山について謝罪

大関朝乃山について、日本相撲協会の八角理事長が組織の最高責任者として、謝罪の言葉を述べた。
結びの一番の、3番前から始まる報道陣の電話取材に対応。
報道陣の問い掛けの前に「(朝乃山の件について)こちらから」と発した後に「本当に申し訳ないと思っています。(取組が)1番、なくなるわけですしケガとか(が不戦勝負の理由)なら仕方ないけれど」とし「詳しくは広報部長に聞いてください」と続けた。
さらに報道陣からの「4大関の1人がいなくなるわけですし」という問い掛けに「お客さんに本当に申し訳ない。こういうこと(を起こしたこと)で自覚が足りないというか…。お客さんに対して本当に申し訳ない」と謝罪の言葉を並べた。


宇良

西十両2枚目の宇良は離れて取る千代の海に対して頭を下げて慎重に攻め、相手の引きに乗じて前に出た。
土俵際で体が泳いだが、何とか押し出し、「紙一重の勝負だったと思う」と胸をなで下ろした。
膝のけがに苦しみ、一時は序二段まで落ちた人気力士。
9勝目を挙げ、来場所は21場所ぶりの幕内復帰が濃厚になったが、「それは場所が終わってからの結果の話。あと三つ、白星を重ねられるように頑張りたい」と気を緩めることはなかった。




2021/05/20
大相撲ニュース
朝乃山

大関朝乃山が12日目の20日、日本相撲協会に休場を届け出た。
19日、週刊文春のウェブ上で、夏場所直前、キャバクラ通いが報じられた。
新型コロナウイルス対策のガイドライン違反の疑いがあり、日本相撲協会の聞き取りに対し、一部を認めていた。
当初は「事実無根」と完全否定していたが、19日の再調査では改める回答。
虚偽報告の疑いもあり、場所後の理事会で厳罰が下る可能性がある。
朝乃山は11日目まで7勝4敗と勝ち越しに王手をかけていたが、負け越しは確実で来場所が、かど番。
処分次第では大関陥落の危機となる。


貴景勝

度目の賜杯を抱くためには、貴景勝にこれ以上の負けは許されない。
「一生懸命やるだけ」との姿勢は不動。重圧を背負いながらも、厳しい攻めで高安をはね返した。
好調の相手との一番には、「気持ちで負けないように」との一念で臨んだ。
顔面に激しい突きを何度も受けながら、はね上げるようにして応戦。
前に圧力をかけて高安のバランスを崩し、好機を逃さずに送り出した。
先場所は千秋楽で照ノ富士に敗れ、目の前で優勝を決められた。
その悔しさは、今も胸の奥にあるだろう。
朝乃山、正代の両大関が本調子とは言えない中、「とにかく集中してやるしかない」。
独走を許すまいと、必死に白星を重ねている。
照ノ富士によもやの反則負けによって土がつき、直接対決を残す貴景勝に自力優勝の可能性が復活。
ただ、八角理事長が「同じ大関でも、今の貴景勝と照ノ富士には力の差がある。一つの差はなかなか重い」と言うように、逆転への道のりは平たんではない。
「また、あしたの相撲に集中したい」と貴景勝。短い言葉に決意を込めた。


正代

正代が4日ぶりの白星。
馬力のある阿武咲に当たり負けせずに圧力をかけ、休まずに前進して勝負を決めた。
本来の攻めを発揮し、「立ち遅れずに(体を)ぶつけることができた。久しぶりにああいう相撲が取れた」と納得の口ぶりだった。


照ノ富士

初日から10連勝していた大関照ノ富士が、平幕の妙義龍に反則負けで初黒星を喫した。
力強い小手投げ。照ノ富士は妙義龍を土俵にたたきつけ、どうだと言わんばかりの表情を浮かべた。やっぱり強い。
観衆も拍手に加え、ため息を漏らしたほどだ。しかし、それもつかの間。物言いがつき、国技館がざわついた。
土俵上で繰り広げられる協議を、じっと見詰める照ノ富士。
戸惑い、いら立ち。その表情はいつもと違った。そして、まさかの結末が待っていた。
「まげをつかんで引っ張っており反則」。行司の差し違えで妙義龍の白星となったのだ。


若隆景

21歳の豊昇龍を圧倒して7勝目を挙げた。
右からのおっつけが強烈で、2大関を撃破して勢いに乗る相手に何もさせなかった。
文句なしの相撲ぶりだったが、取組後は表情を変えることなく、「下からいい攻めができた。よかったと思う」と冷静に言った。


遠藤

遠藤が難敵を退けて2敗を守った。
立ち合いで千代大龍の強烈な当たりにのけ反ったが、直後の引きにも耐えて逆襲開始。
横へ動きながら引いてくる相手を逃さず押し出した。
5連勝で9勝目を挙げてトップの照ノ富士とは1差。
逆転優勝へと望みをつなげる白星をつかみ取った。
12日目は琴恵光と対戦する。


大相撲夏場所 12日目

19日に初黒星を喫したものの依然として単独トップの大関・照ノ富士は、平幕、阿武咲と対戦します。
夏場所は大関に復帰した照ノ富士が盤石の相撲を続けてきましたが19日、妙義龍との一番でまげをつかんで引っ張る反則負けで今場所初黒星となりました。
1敗で依然単独トップの照ノ富士を2敗で大関・貴景勝と平幕の遠藤が追っています。
12日目の20日、照ノ富士は平幕の阿武咲の挑戦を受けます。
過去の対戦成績は照ノ富士の1勝4敗と合い口が悪い相手です。
右四つに組めば照ノ富士が優位ですが、過去の対戦では阿武咲の出足を止められずにもろ差しを許すなどして敗れる相撲がたびたびありました。
どちらがしっかりと踏み込んで有利な体勢を作れるか、立ち合いが勝負を決めそうです。
2敗で追う貴景勝は、平幕の逸ノ城との対戦です。
過去の対戦成績は貴景勝の7勝3敗ですが、逸ノ城もおよそ200キロの巨体に加えて今場所は前に出る圧力があり、ここまで3敗と好調です。
貴景勝としては立ち合いの当たりで相手を突き起こし、一気に前に出て勝負を決めたいところです。
一方の逸ノ城は、組み止めて胸を合わせる展開に持ち込めば勝機があります。
平幕でただ1人2敗の遠藤は、琴恵光と対戦します。
スピードのある相手だけに遠藤としてはまわしを引いて四つ相撲に持ち込みたいところです。




2021/05/18
大相撲ニュース
朝乃山

白星を先行させても、朝乃山の表情がさえない。
阿武咲に土俵際まで押し込まれる場面もあり、「また立ち合いが駄目だった。上体が起きて、押されてしまった」と首をひねった。
今場所は平幕相手に4敗するなど、本調子とは言えない状態が続く。
「相撲内容はあまりぱっとしないが、しっかり元気な相撲を取りたい」と気持ちを奮い立たせた。


照ノ富士

自身にとって、一番の難敵と言える相手を下した。
物言いがついた高安との際どい一番で、苦しみながら白星をつかんだ照ノ富士。
少し険しい表情で勝ち名乗りを受けた。
照ノ富士9連勝、貴景勝2敗 大相撲夏場所9日目
今場所、盤石の相撲を見せてきた大関が初めて苦戦した。
大きな体を前傾させてまわしを狙っても、高安に突き放される。
頭を押さえ込まれ、バランスを崩しかけたところで前に出られたが、何とかこらえてはたき込み。
「残った感覚があった」と言う。
軍配通りの決着となった。
高安には、幕内に復帰した昨年7月場所から4戦全敗だった。
この日も、自分の相撲は取らせてもらえなかったものの、「我慢してよかった」という短い言葉に安堵(あんど)感がにじむ。
幕内で無傷の9連勝は、大関だった2015年秋場所以来。
この場所で右膝を痛めてけがとの闘いが始まった。
序二段まで落ちた後、劇的な復活劇を見せ、元の地位まで戻ってきた。
貴景勝が敗れ、後続とは2差に。
まだ中盤戦ながら、このまま独走しそうな雰囲気が漂う。
果たせていない大関としての優勝へ、大きな弾みがつく1勝になった。


御嶽海

大相撲夏場所9日目は17日、両国国技館で行われ、御嶽海は若隆景を上手投げで破った。
注目の一番はあっという間に決着が付いた。
立ち合いで御嶽海が左に変化。
今場所2大関を倒している若隆景が土俵に前のめりに落ちた。
熱戦を期待した館内からは「あー」というため息。
消化不良感を残しつつ御嶽海が2敗を守った。
若隆景は母校・東洋大の2学年下の後輩。
今場所前には「今は勢いで上がってきている。ずっと上位にいる力がついていけば、すごいなと注目するけど」と辛口の評価をしていた。
先場所まで3戦3勝と苦にしていたわけでもない。
受けて立つべき相手に変化し、ばつが悪かったのか、報道陣の取材に応じなかった。
土俵下で見守った藤島審判長(元大関武双山)は「2敗で勝ちたいのでしょうけど、これからのことを考えるとよくない。いいものを持っているんだから」と苦言を呈した。
御嶽海は決して注文相撲が多い力士ではない。
ただ、どうしても勝ちたい場面でたまに変化することがある。
優勝した令和元年秋場所では14日目に変化し、勝利を手にしている。
今場所は貴景勝や正代を倒すなど、この日で7勝を挙げ、2桁勝利が見えている。
全勝の照ノ富士ともまだ2差で、逆転優勝の目がないわけではない。勝利への貪欲さが相撲に表れたとプラスに捉えるべきか。
8日目に正代を会心の相撲で破った後には「自分の持ち味の前に出る相撲を取っていけば、後半戦も前半戦同様に取れると思う」と話していた。
残り6日。そんな理想的な内容で優勝戦線に食らいついてほしい。


豊昇龍

豊昇龍が連日の大関撃破。
正代にもろ差しを果たすと、右から外掛けを決めた。
「大関は力が強いので、絶対に差されないようにと思っていた。体の反応が良かった」と笑顔。
朝乃山戦と同様に鮮やかな足技を披露した。
4日連続で組まれた大関戦が終わり、「大変だったが、いい勉強になった」と言う。
おじの元横綱朝青龍の反応はやはり気になるようで、「見ていると思うから、怒られないようにいい相撲を取りたい」と気を引き締め直した。


逸ノ城

前頭6枚目の逸ノ城(28)=湊=が、隠岐の海との2敗対決を制して7勝目。優勝戦線に食らいついている。
得意の右四つから堂々の寄り。
「自分の形になったんで出るしかないと思って。自分から前に出る、相手に圧力をかける、体を生かした相撲を取りたい」といい、200キロの巨体を武器にする。
ただ、今の番付はまだ通過点。
「早く(上位に)戻りたい」と貪欲に勝ち進む。


千代大龍

前頭14枚目の千代大龍(32)=九重=が、十両の白鷹山を寄り切って2敗を守った。
2011年の技量審査場所で初土俵を踏んだ同期生。
「ちょっと負けたくないという気持ちはありました」と気合が入った。
優勝争いにも加わっているが、まずは勝ち越し。
「立ち合いで変化せず、中途半端な当たりで引くこともなく、土俵際も動いて動いて最後まであきらめずというのが白星につながっている」と乗っている。


大相撲夏場所 10日目

大相撲夏場所は10日目、ただ1人9連勝で優勝争いを独走する大関・照ノ富士は、平幕の霧馬山と対戦します。
夏場所は大関に復帰した照ノ富士がきわだった集中力で白星を重ねていて、きのうは苦手としていた関脇・高安との一番を物言いがつく際どい相撲で制しただ1人9連勝としました。
1敗はいなくなり、大関・貴景勝と小結・御嶽海など5人が2敗で追う展開です。
10日目の18日、照ノ富士は平幕の霧馬山との対戦で、過去の対戦成績は照ノ富士の2戦2勝です。
照ノ富士としてはしっかりまわしを引きつけ前に出ていけば万全で、終盤戦に向けて平幕相手に確実に白星を挙げたいところです。
霧馬山は勝機を見いだすため、頭をつけて前みつを取るなど有利な体勢を作ってしぶとく食らいついていくしかありません。
17日敗れて2敗に後退した貴景勝は、同学年で小学生のころからライバル、阿武咲との対戦です。
過去の対戦成績は貴景勝の6勝3敗です。
阿武咲は貴景勝と同じく押し相撲を得意とするだけに激しい突き押しの応酬が予想されます。
どちらがより低い体勢で下から突き上げていけるかが勝負の鍵を握りそうです。
2敗の御嶽海は、大関・朝乃山と対戦します。
過去の対戦では御嶽海が6勝4敗とリードしています。
御嶽海は、三役以上との対戦は今場所最後で優勝争いに残るためには大事な一番です。


大相撲夏場所9日目

大相撲夏場所(東京・両国国技館)9日目の17日、東小結・御嶽海(出羽海部屋)は東前頭筆頭・若隆景(荒汐部屋)に上手投げで勝った。
連勝を3に伸ばし、星を7勝2敗とした。
10日目の18日は勝ち越しを懸け、東大関・朝乃山(高砂部屋)と対戦する。
御嶽海は立ち合いで左に変化し、頭から突っ込んできた若隆景をかわすと、上手をつかんで投げを打った。
朝乃山はここまで5勝4敗。
過去6場所では5場所対戦し、御嶽海が3勝2敗と勝ち越している。先場所は朝乃山に軍配が上がった。


元朝青龍

元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏が、おいの活躍を喜んだ。
9日目打ち出し後の午後7時すぎ、ツイッターで「今日また大関食ったらしいな。ダイジスト見ます。勢いに乗ってがんばれー♪」(原文のまま)。
その約1時間後には「今相撲見ました。いいんじゃない? がんばれ」と連投した。
おいの豊昇龍はこの日、大関正代を外掛けで破った。
8日目は朝乃山に内掛けを決めており、2日続けて足技で大関を連破。
NHKのインタビュールームに呼ばれて、おじの朝青龍について聞かれると「多分、見ていると思いますけど、怒られないようにいい相撲を取りたいです」と話していた。




2021/05/17
大相撲ニュース
朝乃山

平幕・豊昇龍が大関・朝乃山を内掛けで破った。
立ち合いから低い姿勢で当たり、すぐに右を差す。
がっぷり四つに組まれたが、右で投げを打って揺さぶり、右足を相手の左足に絡め大関をあおむけに倒した。
前日の貴景勝戦は、立ち合いで右に変化し墓穴を掘った。
結果よりもその取口に「相撲を安易に考えすぎている」と“おかんむり”だった八角理事長(元横綱・北勝海)もこの日は一転。
「やればできる。こういう相撲ですよ、将来を思えば。勝って自信になると思う。大関をあおむけにしたわけだから。跳んだり跳ねたりするんじゃなくて、苦労して前みつを取るとかね。そういう相撲を取れば、勝っても負けても将来につながる」と評価した。


貴景勝

大関の貴景勝(24)=常盤山=が危なげない相撲で7勝目を挙げ、1敗を守った。
過去12戦全勝と合口のいい妙義龍(34)=境川=相手に、力強く当たり押し込んでから、タイミング良くはたき込んだ。
「集中することだけを考えてやりました」と普段と同じような言葉を発し「明日も相撲に集中して、(白星を)毎日積み重ねていくだけだと思います」と言い、引き揚げた。


照ノ富士

鋭い踏む込みから、どんどん前へと出る。
照ノ富士(29)=伊勢ケ浜=の圧力に、大栄翔(27)=追手風=は何もできない。
相手の突き押しも意に介さず、あっという間に土俵外へと押し出した。
「思い切ってやることだけを考えていました。足がよく動いてくれたんでよかったです」。
納得の一番で唯一人、初日から8連勝。
「別に意識していない」と涼しい顔だが、2015年秋場所で11連勝して以来のストレート給金だ。
先場所で優勝し、21場所ぶりに大関に復帰。
4大関となったが、ここまでの取り組みを見ると、力は群を抜いている感じだ。
八角理事長(元横綱北勝海)も「悪い相撲がない。自分から攻めているというのかな。そういう印象です。強い所しか見せてない。前に出れば圧力があるから、安定感がある」と認める。
9日目は高安(31)=田子ノ浦=戦。
通算で7勝12敗と合口が悪く、最近も4連敗中で天敵ともいえる。
だが、今場所は死角らしい死角もなく、充実している。
「一生懸命やるだけなんで」。
前に出る相撲で、最初の難関も突破してみせる。


御嶽海

大相撲夏場所(東京・両国国技館)中日の16日、東小結・御嶽海(出羽海部屋)は東大関・正代(時津風部屋)に押し出しで勝った。
今場所2度目の連勝で、6勝2敗で折り返した。
9日目の17日は、東前頭筆頭・若隆景(荒汐部屋)と戦う。
御嶽海は、正代の左差しをものともせずに圧倒した。立ち合いに踏み込みよく当たり、左はずで起こすと、右から挟み付けるように一気に土俵の外に運んだ。
若隆景は5勝3敗。直近6場所は3度の対戦が組まれ、戦績は御嶽海の3勝となっている。


琴恵光

大相撲夏場所7日目 琴恵光の結果です。
延岡市出身、前頭12枚目の琴恵光は、前頭14枚目の千代大龍に寄り切りで敗れ、4勝3敗となりましました。
16日は、大奄美との取り組みです。


豊昇龍

大相撲夏場所8日目は16日、東京・両国国技館で行われた。
元横綱・朝青龍のおい、豊昇龍が大関戦初勝利を挙げた。
朝乃山を内掛けで倒し、「いい立ち合いだった。勝ててよかった」と喜んだ。
入幕5場所目で大関初挑戦となった6日目の照ノ富士戦は完敗し、7日目の貴景勝戦は立ち合いで変化して敗れた。
「勝ちたい、勝ちたいと思っていた。集中して、自分から当たっていきたいと思った」と反省を生かし、真っ向勝負で白星をつかんだ。
22日に22歳になる豊昇龍は、モンゴルからレスリング留学で千葉・日体大柏高に入学したが、両国国技館で大相撲を観戦して興味を持ち、角界入り。2018年初場所で初土俵を踏んだ。
同学年の琴勝峰や元横綱・大鵬の孫、王鵬らと出世を争ってきた。
初めて役力士と対戦する地位まで番付を上げ、早速大関から白星を挙げて「自信になる」と笑顔を見せた。


支度部屋

高安 霧馬山との長い相撲を制して6勝目。「きのう負けているので、ここでしっかり勝つことに意味がある」と満足げ。
◇気持ち乗っている
御嶽海 正代に快勝して6勝目。自信ありげに「しっかり自分の相撲が取れた。今場所は気持ちが乗っているのがいい」。
◇自分の相撲を
若隆景 隆の勝を押し出す。関脇以上との対戦を終えて5勝3敗で後半戦へ。「とにかく必死だった。(残りも)しっかり自分の相撲を取り切りたい」
◇踏み込み甘い
朝乃山 初顔の豊昇龍に不覚を取って4勝4敗に。「踏み込みが甘いので自分の相撲が取れていない。あしたから気持ちを切り替えて」


宇良

宇良(28)=木瀬=が2017年秋場所2日目以来1343日ぶりに幕内の土俵に上がり、魁聖(34)=友綱=をすくい投げで破り、7勝目を挙げた。
190キロの魁聖の足を取りにいく宇良らしい取り口に、日曜日に足を運んだ多くの観客が拍手で応援。
「まだ(幕内に)上がったわけではないので、十両としてですけど」と謙虚に話していたが、勝ち越せば21場所ぶりの幕内復帰が見えてくる。


先代時津風親方の長男

日本相撲協会は夏場所8日目の16日、先代時津風親方(元前頭時津海)の長男木竜皇(18=立浪)と次男春雷(16=立浪)ら新序出世力士11人(再出世1人を含む)を発表した。




2021/05/12
大相撲ニュース
白鵬

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)が11日、夏場所千秋楽翌日の24日に横綱審議委員会(横審)の定例会を開催する方針を明らかにした。
6場所連続休場中で一人横綱の白鵬への言及に注目が集まる。
白鵬は途中休場した春場所後に右膝の手術を受け、7月の名古屋場所で進退を懸ける意向。
横審は昨年11月場所後、白鵬に対して「引退勧告」に次ぐ重さの「注意」を決議。
春場所後の定例会ではこの措置を継続し、名古屋場所の結果を見て最終判断するとの意見でまとまった。


貴景勝

大関貴景勝(24=常盤山)は連敗を許さなかった。
2連敗中の西前頭筆頭北勝富士(28=八角)を押し出して2勝目。
立ち合いで相手を突き起こし、一気に押し込んだ。
白星を挙げた初日の若隆景戦と同様、回転の速い突っ張りが光った。
「いろいろな突き押しのやり方がある。そういうものがプラスになるように、稽古したものが出ればなと思っています」と話した。
無観客開催の3日間が終わり、4日目以降は上限5000人で観客が入る。
24歳の看板力士は「明日からお客さんにいい相撲を見せればなと思います。やれることを出し切るしかない。明日の相撲に集中して頑張りたいと思います」と意気込んだ。


正代

かど番の大関正代(29=時津風)が“かえるジャンプ”で大きな白星を手にした。
先場所まで3連敗と苦手の大栄翔と対戦。
攻め込まれた土俵際で突き落とし。
正代は大栄翔の体の流れを見るようにしながら、最後は両足をそろえてのかえる跳びのように土俵外へ。
大栄翔の体が出るタイミングと微妙で物言いがついたが、軍配通りで正代の勝ちとなった。
「自分としてもタイミングがどうだったか、あまり自信はなかった」。
立ち合いは踏み込めたが、その後の流れで主導権を奪われただけに相撲内容としては満足できない。
一方で、その中で拾った大きな白星となる。
「こういうのを地道に積み重ねて、早い段階でかど番を脱出できたら」。
勝ち負けで白星先行か、黒星先行か、厳しい分け目となっていただけに結果は喜びしかなかった。
ただ、相撲内容には満足できない。
「反省してまた明日に生かしていきたい」と誓った。


照ノ富士

大関復帰の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)が、この日も力強い相撲で、大関陣ただ一人の3連勝。
協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は、ここまで「冷静さ」を好調の要因に挙げた。
相手は小兵の翔猿(29=追手風)。
挑戦する立場として策を仕掛けることが予想されたが「翔猿が、いろいろと考えて取るかなと思ったけど逆だった」と同理事長。
立ち合いで踏み込んだ翔猿の右腕を瞬時に手繰り、左上手を結び目近くの深く取り、休まず豪快に上手から投げ飛ばした。
「照ノ富士は、よく考えていた。(翔猿の)かいなを手繰っての(左上手の)取り方。冷静に相手が見えている。どうすれば自分の相撲になるか、よく考えている」と照ノ富士の“技巧派ぶり”を高く評価していた。


高安

高安の攻めの相撲に圧力があった。
かち上げや体当たりではなかったが、腰が決まっているから立ち合いの踏み込みがいい。
あの元気な明生もズルズル下がるばかりだった。
回り込む相手を最後まで冷静にさばいて、腰が浮いたところで押し倒した。
大関経験者だから序盤は勝っても驚かないが、目前で優勝を逃した先場所のことがある。
手放しでは喜べないだろうし、2日目は少しバタバタした相撲を取ったが、ここまで3日間は無難に取っている。
先場所、終盤で崩れたのは優勝経験がない精神面のもろさが出たと思う。
どんな状況でも自分の相撲を取りきることが、いかに大事かと思い知ったはずだ。
いい経験をさせてもらった、苦い経験を土俵に生かそうと切り替えて今場所に臨んでいればいい。
1日で15番を取るわけではない。
一番一番の積み重ねを自分に言い聞かせればおのずと結果は出る。


若隆景

東前頭筆頭若隆景(26=荒汐)が、2場所連続で2大関を撃破した。
大関朝乃山を寄り倒して2勝1敗。
前日2日目には正代を破っており、連日の大関戦勝利となった。
立ち合いは左に変化すると、懐に潜り込んでもろ差しに。
巻き替えられて相手得意の右四つとなったが、左上手を命綱に体勢を立て直して頭をつけると、出し投げで崩して休まず攻めた。
「我慢して攻められたのが良かった」。
一度は右四つに組まれたが、左上手は最後まで許さず「左上手は先場所取られて相撲にならなかったので(左上手を取らせない)そういう意識はありました」と振り返った。
先場所は10勝5敗で技能賞も獲得。
新三役が期待される26歳は4日目以降に向けて「いい相撲を取っていきたい」と意気込んだ。


宝富士

西前頭7枚目宝富士(34=伊勢ケ浜)は、無観客開催の雰囲気について言及した。
この日は大関経験者の東前頭7枚目栃ノ心を押し出して2勝目。白星先行で3日間を終えた。
観客がいないことに寂しさを覚えながらも「無観客が少し影響というか、静かだと集中できている気がする」と、少なからず好影響を感じていた。
4日目以降は上限5000人で観客を迎える。
「明日からお客さんも入るので集中していきたい」と意気込んだ。


王鵬

元横綱大鵬の孫、西十両14枚目王鵬(21=大嶽)が、西十両13枚目錦木を破って初日を出した。
立ち合いは両手で突いていき、前に出ながら左を差した。
右上手は取れず、錦木に左四つを許したが我慢。
がぶるように前に出て行き、寄り切りで破った。
焦ることなく我慢の相撲で白星を挙げたようにも見えたが「立ち合いからはじいていけるのがいい」と納得はしていない。
しかし、ようやく初日が出たことで「とりあえず良かったです」と安堵(あんど)感をにじませた。
明日4日目からは、有観客での開催となる夏場所。
「やってみないと分からないけど、盛り上がっている方がいいと思う。しっかりやっていきたい」と声援を味方に2連勝を目指す。


華吹

現役最年長、50歳の西序二段94枚目華吹(はなかぜ、立浪)が、2番相撲で東序二段94枚目風武(22=武蔵川)に寄り切られて、今場所初黒星を喫した。
左四つに組み止めたがまわしに手が届かず、力なく土俵を割った。1勝1敗で星が五分となった。
初場所では東序ノ口9枚目で勝ち越し、50歳以上で勝ち越しは116年ぶりという偉業を成し遂げた。
先場所は2勝5敗。
86年春場所で初土俵を踏み、今場所は歴代最多を更新する通算210場所目。
5月28日に51歳の誕生日を迎える。


津風親方の長男と次男が前相撲デビュー

先代時津風親方(元前頭時津海)の長男の木竜皇と次男の春雷(ともに立浪部屋)が前相撲デビューを果たした。
兄は向中野を下手投げで退けて「自分の夢だった土俵に立てて、身が引き締まる」と感慨深げだった。
父は初場所中にマージャン店に出入りするなど、協会の新型コロナウイルス感染対策ガイドラインに違反。
2月に退職勧告の懲戒処分を受けて協会を去っていた。
今春に青森・三本木農高を卒業した木竜皇は当初、父が師匠を務める時津風部屋に入門する予定だったが、千葉・柏第二中を卒業した弟の春雷とともに立浪部屋に入門。
「小さい頃から夢だった。こういうことがあろうと挑戦しようと思っていた」。
宮城に逆転の居反りを食らって敗れた春雷も「10代で関取になれるように頑張る」と意気込んだ。


デジタル森永賞

伝統の懸賞がアナログから脱して、間もなく1年が経過する。
森永製菓が掲出する「デジタル森永賞」は昨年7月場所から始動。
同賞は初、春、秋の東京場所で、ファン投票によって選出された一番に懸賞を懸ける。
1951年(昭26)初場所から始まり70年の歴史があるが、コロナの波が押し寄せた昨年、姿を変えた。
従来はキャラメルなど森永製品の空箱に取組や氏名、住所を記入して投票箱に入れる投票形式。
投票対象者は国技館の来場者に限られていた。
同社担当者によると「デジタル−」に変わり、誰でも投票可能に。
直近の初場所では2万超の票が集まったという。
「日によっては菓子箱を使った投票の5倍以上の投票数になることもあります」。
大関貴景勝を筆頭とした4大関が人気だ。
ウェブ投票への転換は、コロナ禍により観客数の制限がかかっている影響が大きい。
「観戦に行けないお客様でも簡単に懸賞を懸けられる新しい取り組みで、国技大相撲を盛り上げたい」と意図を説明する。
従来の形式では集計も手作業で行っていた。
古き良きを重んじる大相撲ではあるが、ファンの目線に立ち、懸賞の形も変化している。




2021/05/11
大相撲ニュース
朝乃山

結びの一番に臨んだ大関朝乃山(27=高砂)が、小結大栄翔を下して4大関安泰を演出した。
立ち合いは大栄翔ののど輪を受けて押し込まれたが、俵に足をかけて耐えた。
上体をのけ反らせながらも、左が深く差さると体をうまく入れ替えて送り出した。
「しっかり足が俵にかかったので残れたけど相撲はよろしくない」と反省した。
自身の取組の前に、照ノ富士、正代、貴景勝の3大関が白星を挙げていた。
それだけに「気にはしました。目の前で勝つと自分も勝たないといけないと思った。そういう気持ちがありました」と力が入った。
重圧がかかる中で白星を挙げて「初日に勝つのと負けるのでは違う。勝てて良かったです」と安堵(あんど)した。
昨年の春場所後に新大関に昇進してから1年がたった。
同年7月場所での12勝が大関としての自己最多だが、大関として優勝はまだ経験していない。
場所前には優勝を目標に掲げ、この日も「出る力士の最高位として優勝が求められる。それが結果です」と、あらためて優勝への思いを口にした。


貴景勝

大関貴景勝(24=常盤山)が、小結御嶽海に押し倒されて今場所初黒星を喫した。
突きを下からはね上げながらも土俵際まで押し込んだが、低い姿勢を維持する御嶽海を押し込めなかった。
4大関は照ノ富士以外の3人がそろって敗れた。
立て直しに向けて、4大関最年少の貴景勝は「明日また集中してやります。どっちにしてもやるしかないと思うので、気持ちだと思います。一生懸命やるだけ。明日集中して頑張るだけです」と自らを奮い立たせた。


正代

かど番の大関正代(29=時津風)が、東前頭筆頭若隆景に寄り切られ、連勝発進を逃した。
若隆景の低い当たりを受け、相手得意の右おっつけを攻略することができずに後手に回った。
後退した土俵際で右差しを許し、寄り切られた。
物言いがついたが、軍配通りとなった。
立ち合いの踏み込みについては「押し込むことができた」と感触があった。
しかし、「その後に自分の形になることができなかった。いろいろとバタバタしてしまった」と攻めきれなかったことを反省した。
若隆景のおっつけは警戒していたが「動きの中で差せると思ったけど厳しかった」と想定外の強さだった。


照ノ富士

初日にそろって安泰だった4大関の中で、2連勝したのは返り咲きの照ノ富士だけだった。
北勝富士のおっつけに苦戦したが引かず、右を差して送り出した。
集中力を高めるかのように、報道陣の取材には応じずに会場を後にした。
4大関で先陣を切った朝乃山は、明生にもろ差しを許して押し出された。
照ノ富士の後に上がったかど番正代は、若隆景の得意のおっつけに屈した。
おっつけは警戒していたが「動きの中で差せるかなと思っていたけど厳しかった」と想定外の強さだった。
結びの一番に臨んだ貴景勝は、御嶽海を土俵際まで追い込むも押し切れなかった。
早くも1敗を喫し「どっちにしろやるしかない。気持ちだと思う。一生懸命やるだけ」と自分に言い聞かせるように言った。


大栄翔

小結大栄翔(27=追手風)が、我慢の四つ相撲で今場所初白星を挙げた。
東前頭4枚目霧馬山の張り差しで組み止められると、四つ身の展開になった。
左四つから右上手を引きつけると、外掛けで崩しながら寄り倒した。
突き押し相撲を信条とするだけに「内容は本当に悪いので、修正していかないとダメ。我慢できたのは良かったが、突き押し相撲なのでしっかり突いていかないといけない」と猛省。
ただ、突き押しへ本格的に転向したのはプロ入り後で、埼玉栄高時代は四つでも取っていた。
「高校生のころの話なので。高校の相撲がプロ、上位で通用しないと思うので…どうなんですかね」。
この日の取組で12年初場所の初土俵から、連続出場が700回となった。
「知らなかった。そう聞くとそんなに長い回数なんだなと思いますし、これからもケガなく取っていきたい」。
1月の初場所では13勝2敗で初優勝。
優勝経験を持つ27歳は、3日目以降に向けて連勝を目指す。


若隆景

かど番の大関正代(29=時津風)を破った東前頭筆頭の若隆景(26=荒汐)について、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)が、その技能相撲を高く評価した。
先場所、初の三賞を受賞した身上のおっつけが、この日も奏功。
正代の左の差し手を何度も、この右からのおっつけで差し込まさせず、下からあてがうように封じた。
正代の敗因を探すことより「今日は若隆景の攻めが良かった」と八角理事長。
「うまい相撲を取った。おっつけながら相手の差し手を差させない。右からおっつけながら(正代の左を)振りほどいて出ている。右からの攻めが良かったですね」と何度も「おっつけ」の言葉を並べた。
小兵力士は珍しくない。
土俵狭しと動き回り、相手の足を取ったり、相手を幻惑させる多彩な技で人気力士も多い。
ただ、そんな小兵力士との違いを、八角理事長は力説もした。
「跳んだり跳ねたりするのとは、同じ小兵力士でも(若隆景は)違う。実力で、いい相撲を取っている」。
派手さはないが、正攻法で体格差のハンディを克服する182センチ、127キロの若隆景を褒めた。


明生

東前頭2枚目明生(25=立浪)が、2場所連続で大関を撃破した。
大関朝乃山を押し出して今場所初白星となった。
圧力負けしたが、土俵際の反応が光った。
右を差して相手の得意な左上手を与えず、押し込まれながらもすくい投げで崩して一押し。うまく体を入れ替えた。
朝乃山には、場所前の4月に行われた合同稽古で胸を借りていた。「(合同稽古で)挑戦できたので良かったです」。
先場所は2大関を破って10勝5敗。今場所は自己最高位に並び、新三役が期待される。「しっかり勝ち越せるように頑張ります」と意気込んだ。


北勝富士

西前頭筆頭の北勝富士(28=八角)が、大関照ノ富士に送り出され、初日から2連敗となった。
立ち合い低くぶつかり、下からの低いおっつけですぐにはまわしを与えなかった。
その後も、時折いなしながらの下からのおっつけで攻めたが決定打に欠け、粘り負けして右差しを許して送り出された。
足もよく動き、見応えのある一番となり「ガムシャラにやるだけだったので悔しい」と振り返った。
初日は大関正代、2日目は大関照ノ富士、3日目には大関貴景勝との一番が組まれるなど、初日から試練の大関3連戦に。
「早い段階で白星が欲しいけど大関戦が続くのはこの地位のさだめ。1日一番、しっかりやった結果が勝ち越しにつながってくると思う」と意気込んだ。


碧山

日本相撲協会は夏場所初日の9日、東前頭3枚目碧山(34=春日野)の「急性腰痛症により約2週間の安静加療を要する見込み」、西前頭15枚目翠富士(24=伊勢ケ浜)の「腰椎椎間板ヘルニアにより手術を要する見込みで全治2カ月を要する見込み」との診断書を公表した。


宇良

西十両2枚目の宇良(28=木瀬)が、東十両筆頭・炎鵬との業師対決に2連勝した。
「完全に流れは負けてましたね」と宇良。
立ち合い、左を差されて一気に土俵際まで追い詰められ、体ものけぞるピンチに陥った。
そこから何とか残し、差された右を抱えて投げを打ち、きめ出した。炎鵬は右肘を抱えるようにうずくまった。
宇良は勝負を決めた場面を「ここで逃したらダメだと。絶対に逃さない気持ちだった」と振り返った。
先場所に続く注目の一番だったが、今回は無観客。
「お客さんも入ってなかったので、前とは違って落ち着いてとれた」と話す一方で、「しんどいですね。意識するというより、当たるといやな相手とは思う。何をしてくるか分からない」と言った。
幕内復帰が見えてきた番付で、2連勝と好発進を決めた。
難敵を突破し「残りも自信を持って一番一番、相撲をとっていきたい」と意気込みを新たにした。


阿炎

東幕下7枚目阿炎(27=錣山)が、西幕下6枚目平戸海をはたき込みで破って、白星発進した。
「非常に柔らかい人だったので前に出すぎずに様子を見ながら」と、立ち合いから突いて距離を取った。
相手が距離を詰めてきたのを見計らってはたき込み。取組後の表情には余裕があった。
昨年の7月場所前と場所中に、新型コロナウイルス感染対策のガイドラインに違反した。
3場所出場停止の処分を受け、幕内上位から幕下下位に転落。復帰した3月の春場所では全勝優勝を果たし、今場所は全勝優勝なら十両復帰も狙える位置にいる。
「一番、一番と思っている」と欲は出さず。
場所前の4日には27歳の誕生日を迎え「先場所も言ったけど1歩ずつ進まないといけない。人として成長できる年にしたい」と誓った。


吉井

元中学横綱の17歳のホープ、西幕下37枚目の吉井(時津風)が、鈴木を送り出して白星発進した。
先場所は初めて番付に載ってから10場所目で初めて負け越した。
その悔しさから稽古に精進「自分には得意(の型)がないんで」と立ち合い、左前みつを狙う形に取り組んでいる。
「携帯でいろんな力士の方の相撲を見て研究しました」。
最も参考にしているのが元大関豪栄道(現・武隈親方)という。
「前みつを取って相手を起こしていく相撲をとっていきたい」と明確な目指す形を示した。
8月には18歳になる。目標の関取の座へ、前進していきたい。今場所の目標を「全勝優勝です」とキッパリ。
「場所前の稽古も調子よかった。全勝できるように一番一番、気を引き締めて頑張りたい」。
先場所の初負け越しで後退した分を一気に取り戻す。
若い意欲に燃えている。


君ケ浜親方

先月14日に現役を引退した元関脇琴勇輝の君ケ浜親方(30=佐渡ケ嶽)が9日、都内で会見に臨んだ。
「少しホッとしている。安堵(あんど)感もあるけど、これから親方として気の引き締まる思い」と心境を明かした。
「いろんな人に応援してもらった」と周囲への感謝を口にすると言葉が詰まり、涙をぬぐう場面もあった。
引退を決断した要因は、相撲を取る恐怖心からだったという。
昨年11月場所前に左膝の内視鏡手術を受けた影響で休場し、十両に陥落した初場所は4勝11敗と負け越して幕下に陥落。
たび重なる膝の負傷を乗り越えてきたが「土俵に上がるのが怖いという気持ちが先行していた。勝負師として終わり。いろいろ考えて決断した」と、リハビリの中で気持ちを立て直すことができなかった。
現役生活で印象に残る一番は、16年春場所3日目の日馬富士戦で挙げた金星。
この場所は上位総当たりで12勝3敗の好成績を残して殊勲賞も獲得し、翌場所は新関脇昇進も果たした。
「とにかく稽古場通りの自分の立ち合いがどこまで通用するかという気持ちだった。結果的に12番勝ったというのも分からなかったくらい、体もよく動いていた」。
会見に同席した師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)は「私の中ではもう少しできるんじゃないかと思っていた」と、弟子の引退を惜しんだ。
「負けず嫌いなところが相撲に出る力士。本当にいい力士だった。先代師匠が元気だったら、琴勇輝の相撲を喜んで見ていたと思う。先代に似ている部分があった」と「猛牛」と呼ばれた亡き先代佐渡ケ嶽親方(元横綱琴桜)に姿を重ねた。
一時は立ち合いの直前に「ホウッ」と気合のこもった声を発することでも注目を浴びていた。
琴勇輝は「関取になってからかなり注目されるようになったけど、もっと前からやっていて、地位が上がるにつれて覚えてもらえるきっかけになっていった。しっかりと気合を入れて、おなかに力を入れるイメージだった。一気に自分の気合が入るようなルーティンになった」と振り返った。




2021/05/10
大相撲ニュース
朝乃山

◇9日 大相撲夏場所初日(両国国技館)
大関朝乃山(27)が土俵際で小結大栄翔(27)を送り出して逆転勝ち。
「先場所みたいに持っていかれそうになった。よろしくない」と反省したが、2連敗していた相手を下してのスタート。
4大関がそろって勝ったのは2016年九州場所5日目以来でもあり、「(取組前は)やっぱり気にしますね。自分も勝たなくちゃいけないという気持ちはありました」とホッとしていた。


貴景勝

貴景勝は若隆景を問題にしなかった。
先場所、不覚を取った相手に反撃の機会を与えずに押し出し。
会心の取り口にも、「あまり覚えていない。稽古場でやっていることしか出ないので、考えずに集中してやった」と無心の攻めを貫いた。
照ノ富士の返り咲きで4大関となった。
新横綱の誕生が待望される中、「毎日、一生懸命やり切ること。強くなるしかないので。自分の力を全部出し切りたい」と己に言い聞かせるように話した。


正代

大相撲夏場所初日(9日、東京・両国国技館)、カド番の大関正代(29=時津風)は幕内北勝富士(28=八角)を突き落として白星発進。
取組後は「(立ち合いから)よく踏み込めたんじゃないか」と振り返った。
春場所を7勝8敗で終え、今場所も負け越せば大関陥落となる。
課題に挙げていた立ち合いからの踏み込みや圧力については「初日なので何とも言えない」と控えめだが「初日に勝つか負けるかでは気持ちの持ちようも違うのでよかった」と安堵の表情を見せた。
「早い段階で勝ち越しを決めてカド番を脱出できれば」と正代。
8日には相撲協会の尾車事業部長(64=元大関琴風)が「『8番勝てばいい』と思った時点で、8番勝てない。だから常に上を目指して土俵に臨まないと」と話していたが…。
今のところ、目標設定に変更はなさそうだ。


照ノ富士

次は番付の頂点で――。
大相撲夏場所初日(9日、東京・両国国技館)、大関に復帰した照ノ富士(29=伊勢ヶ浜)が幕内明生(25=立浪)をきめ出して白星発進。先場所に続く連覇に向けて上々のスタートを切った。
2017年秋場所以来、21場所ぶりに大関返り咲きとなったが、この快進撃はまだまだ終わりそうにない。
そんな中、ゆかりの地からは横綱となっての“凱旋”を期待する声が上がっている。
まさに“大関相撲”だった。
照ノ富士は明生にもろ差しを許しても全く動じない。
両腕で抱えながら前へ出ると、そのまま力でねじ伏せた。
取組後は「前に足が出たのでよかった」と淡々と振り返った。
両ヒザの故障や内臓疾患などで一時は序二段まで転落。そこから不屈の精神ではい上がり、17年秋場所以来の大関に返り咲いた。
大関での白星は実に1355日ぶりとなったが「特に深い考えはない」と意に介さなかった。
史上最大の復活劇とも言われる照ノ富士の大関復帰には、ゆかりの地からも喜びの声が上がっている。
神奈川・出雲大社相模分祀の草山清和分祀長は「多くの人の励みになりますよね。(ヒザは)まだ痛いと思うんですが、それでも痛みをこらえて一生懸命いい相撲を取っていますよ」と称賛した。
同分祀では師匠の伊勢ヶ浜親方(60=元横綱旭富士)が現役時代から節分の豆まきを行い、引退後は部屋の弟子たちとともに参加している。
ケガや病気に苦しんだ照ノ富士も例外ではない。
草山氏が「下(序二段)に落ちたときも来てくれた」と話すように、ここまで“皆勤”を続けているという。
ところが、約40年続く恒例行事も新型コロナウイルス禍により、昨年から2年連続で実施できていない。
ワクチン接種が普及するなど終息しなければ再開のメドは立たないが、同分祀関係者からは「こうなったら横綱に上がって豆まきに来てもらえたら」と、番付の頂点での“凱旋”を期待する声が上がっている。
その出雲大社と相撲の関係は古く、出雲国造第13代野見宿禰(のみのすくね)は「相撲の祖」と伝えられている。
一方で、縁結びとともに病気平癒のご利益もあるとされ、体調面で不安を抱える大関にとっては、ありがたい神様に見守られているのかもしれない。
この日は自身を含めて4大関が揃って白星。
連覇と綱取り挑戦に向けて第一歩となった照ノ富士は「(15日間)全力を出して頑張りたい」と力を込める。
横綱不在の今場所も土俵の「主役」を務めることになりそうだ。


隆の勝

<大相撲夏場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館
新関脇から4場所連続の勝ち越しを目指す関脇隆の勝(26=常盤山)が、西前頭3枚目千代の国(30=九重)を押し出し、初日白星を飾った。
立ち合いはやや押し込まれたが、体勢は崩れず一気に逆襲。
「立ち合いちょっと起こされたんですけど、そこからの攻めが良かったと思う」と振り返った。
昨年春場所以来の無観客開催。
4日目以降は観客を入れるとはいえ「寂しいし、お客さんが盛り上がっていないと物足りない気持ちもある。いつも通りになってくれればいい」と望んだ。
三役で2桁白星に到達したことはない。
次期大関候補は「2桁狙って1日一番集中していきます」と明確に目標を掲げた。


高安

高安は、動きのいい翔猿を中に入らせることなく突き出した。
完勝に「自分の考えた攻めがしっかりできた」と涼しい顔で振り返った。
先場所は優勝争いをしながら、13日目からの3連敗で失速。敗れた相手の一人が翔猿だった。
高安は「ふがいない相撲もあったが、そこは終わってしまったことなので。しっかり反省して次に生かしたい」と集中した様子で言った。


照強

前頭十枚目の照強(伊勢ケ浜)が前頭十一枚目・琴ノ若(佐渡ケ嶽)を足取りで破って初日を飾った一番。
その取組前にちょっとしたハプニングが発生すると、元横綱・若乃花の花田虎上氏が「それは一番マズいですね」と苦笑いを浮かべる一幕があった。
新型コロナウイルス感染拡大、さらに緊急事態宣言などを受け、無観客で初日を迎えた大相撲五月場所。観客のいない静かな国技館の土俵上に、ソルトシェイカーとしても人気のある照強が、手から溢れんばかりの大量の塩を豪快にまいた。
塩の一部は土俵を通り越すほどの勢いだったが、そのことについてABEMAで実況を務めた清野茂樹アナウンサーが「照強の塩まきが土俵の外まで飛んでいきました」と話すと、これを受けた元若乃花が「お客さまがいないから遠慮ないですね」と笑顔で応じた。
しかし、清野アナが「正面審判の藤島親方(元大関・武双山)にかかってると思うのですが…」と続けると一転、元若乃花は「それは一番マズいですね…」と苦笑いを浮かべた。
「ご覧のように、土俵はずいぶん白くなりました」の一声とともに時間を迎えたこの取組。
立ち合い頭を下げ、素早く右に変化した照強が琴ノ若の左足をとって背後に回り込むと、琴ノ若は前のめりにバランスを崩し、両手を土俵について黒星スタートとなった。
さらに成す術なく黒星を喫した琴ノ若について元若乃花は「足が揃ってしまいましたね。怖いからどうしようという感じで手をついてしまったのでは。プロであれば、もう少し体の動きが速くならないといけないですね。これぐらいで怖がっていたらダメですね。厳しいことを言わせていただくと。これでは見ている方が、『お相撲さんって、あれで倒れちゃうの?』って思ってしまう」と話し、奮起を促していた。


琴恵光

大相撲・夏場所初日、前頭12枚目の琴恵光は、前頭11枚目の千代翔馬を小手投げで破り、白星スタートです。
10日は前頭13枚目の明瀬山との取り組みです。


大相撲 2日目

大相撲夏場所は2日目、大関に復帰した照ノ富士は初日を白星でスタートし、10日は前頭筆頭の北勝富士と対戦します。
白鵬の休場で今場所も横綱が不在となる中、期待がかかる4人の大関はいずれも初日を白星でスタートしました。
このうち21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士は、初日に平幕の明生を破り2日目は前頭筆頭、北勝富士との一番です。
過去の対戦成績は、照ノ富士の4勝3敗でこのところは4連勝中です。
照ノ富士が北勝富士の当たりを受け止め、まわしをつかむか、抱え込んでしまえば断然優位です。北勝富士としてはしつこく押っつけるなど、照ノ富士を正面に置かずに攻めることができれば勝機が出てきます。
角番の大関・正代は前頭筆頭の若隆景との対戦です。
若隆景は動きの早い相撲で自己最高位に番付を上げてきて勢いがあり、正代は受け身に回ると危なくなりそうです。
立ち合いでしっかりと圧力をかけられるかが鍵になります。
また大関・貴景勝は小結・御嶽海との対戦です。
過去の対戦成績は、貴景勝が10勝9敗とかろうじてリードしています。
ともに押し相撲が持ち味ですが、突き放して離れて取る形になれば貴景勝、密着して押すことができれば御嶽海が優位です。
貴景勝は、序盤で難敵を退けて流れをつかみたいところです。
もう1人の大関・朝乃山は前頭2枚目の明生と対戦します。


懸賞申し込みは1345本

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は9日、夏場所の懸賞申し込みが1345本あったことを明らかにした。
今場所は3日目まで無観客で行われる。
芝田山部長は「こういう状況の中でも力士の励みになる」と感謝を込めて話した。


大相撲夏場所

新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言により、昨年3月に大阪で開催された春場所以来となる無観客で始まった夏場所。
静寂の中での土俵で、務めを果たそうとする力士の姿に、八角理事長(元横綱北勝海)は「気持ちの持ちようが大変だと思うが、頑張ってほしい」と述べた。
コロナ禍によって声援の自粛が求められていたものの、拍手だけでも力士には励みとなる。
正代は「一度経験して慣れたと思っていたが、いざやってみると静かで違和感があった」と明かした。
「自分たちは一生懸命やるだけ」とは貴景勝。集中して、目の前の一番と向き合った。
制限が緩和される4日目からは、国技館に観客のにぎわいが戻る。
大栄翔は「4日目以降はたくさんの方が入ってくれる。それまでに白星を重ねていきたい」と心待ちにした。


新序出世披露

2年ぶりの開催となった大相撲夏場所初日、土俵で珍しい出来事があった。
3月の春場所の新弟子検査合格者のうち、付け出しや休場者を除く31人の新序出世披露が行われた。
卒業式に出席するため、感染を防ぐ上で1場所遅れとなった。
日本相撲協会の尾車事業部長(元大関・琴風)は「すべてがイレギュラー。経験したことのないようなことがいっぱい起きている」。
新型コロナウイルス感染拡大の影響で昨年は春場所が無観客開催、そして夏場所は中止された。
地方場所の東京開催など角界の「緊急事態」は今も続く。
昨年5月には三段目だった勝武士(本名・末武清孝さん)が亡くなった。
共同生活が基本の相撲部屋で感染防止を図るため、協会は力士らに不要不急の外出自粛を求めてきた。
今場所を前に約900人の協会員を対象に実施したPCR検査では、全員が陰性だった。
尾車事業部長は「日ごろから一人一人が自覚を持って注意して生活した結果」と安堵(あんど)した。
一方で、範を示すべき立場の関取や親方らの不適切な行動は後を絶たない。
今場所はガイドラインに抵触するような行動があったとして、勝武士の兄弟子である前頭・竜電が休場し、場所後に調査を受ける。
個々の力士らが、さらに自らを律する自覚を持つことが求められる。


三段目力士の死亡事故

今日5月9日から大相撲の夏場所が開幕する。
連日熱い取り組みが期待される一方で、今年3月の春場所後には痛ましい事故も起きた。
三段目の力士だった響龍が、4月28日、急性呼吸不全のため東京都内の病院で死去したのだ。
響龍は春場所13日目にすくい投げで敗れた際、頭部・頸部を土俵に強打。
そのまま動けなくなり、救急搬送され入院していた。
大相撲同様、激しいコンタクトスポーツであるアメリカンフットボールの本場アメリカでは、10年以上前から試合中・練習中の頭部や頸部のアクシデントに関して非常に厳格な措置が取られるようになっている。
その専門家はこの事故をどう見たのか。
スタンフォード大アメリカンフットボール部コーチの河田剛さんに聞いた。
今回の力士の事故に関しては、映像で取り組みとその後の処置を見ました。
もちろん実際の現場にいたわけではないので、細かな部分にまでは言及できません。
ただ、大相撲と同じような激しいコンタクトスポーツであるアメリカンフットボールに携わる者としては、いくつか非常に気になったポイントがありました。
■ポイント1 土俵周りに医療関係者が配備されていなかった
まず1番は、土俵周りに医療関係者が配備されていなかったことです。
大相撲という危険性の高いコンタクトが日常茶飯事である競技にもかかわらず、その現場の周囲に医療関係者が立ち会っていないというのは驚きを隠せませんでした。
アメリカンフットボールの場合、NFLでもカレッジでもゲームはもちろん、日常の練習でも医療関係者の立ち合いが義務付けられています。
試合ともなれば1人ではなく10人近い専門家がスタンバイしているのが普通です。
その理由は各々に専門があり、アクシデントが起きた際に例えば肩のケガなのか、膝のケガなのか、それとも脳震盪なのかによって対応が全く違ってくるからです。
特に頭部や頸部へのケガの場合、確認しなければならない要素が非常に多いです。
呼吸、脈拍、手足の麻痺、意識レベル…生死に直結するケガに成り得るものですから、その確認はとても大切です。
中でも意識レベルの確認の際に最も重要なのが、「複数の医療関係者で意識確認を行う」ことだと言われています。仮に誰か1人が「大丈夫だ」と言っても、それだけでは危険性が残る。
ダブルチェック、トリプルチェックが重要なのです。
そこで一定レベル以上の意識障害がある場合は、首から上をしっかりと固定したうえで、絶対に大きく動かさないように気をつけながら担架で救急車に運び、病院に搬送することになります。
アメリカンフットボールの試合ではスタジアムに救急車の待機も義務付けられていて、危険な事故の場合はすぐに病院へ搬送できるようにスタンバイしている。
もちろん競技ごとで予算や規模の違いはあるでしょうが、少なくとも興行として成立しているプロスポーツである以上は、そのくらいの備えは必要であるように感じます。
■ポイント2 対応に時間がかかっている
また、2つ目としてその後の対応にかかった時間に関しても疑問が残りました。
映像を確認すると、取組後に負傷した力士はうつぶせのまま動けず、倒れてから約1分後に呼び出しなどの関係者が3人であおむけにしています。
その約3分後、国技館内の相撲診療所からようやく医師が到着し、力士の状態を確かめ、担架に乗せて土俵を降りています。
その後、救急搬送されたと報じられていますが、一連の対応に約6分以上の時間を要しています。
アメリカンフットボールでは選手が立ち上がれないような事故が起こった時には、フィールド外にいる医療関係者が、それこそ肉離れせんばかりの勢いでフィールドに猛ダッシュしてきます。
それは1分1秒が選手のその後を左右することを分かっているからです。
今回の事故のように、倒れた選手をそのままにして、勝ち名乗りを続行するというのはあまりにも異様な光景だったように思います。
また、医療関係者ではないスタッフたちが倒れた力士を無造作に動かしているというのも信じられない衝撃を受けました。
■ポイント3 頭部や頸部に関するケガへの意識
最後に最も気になったのが、頭部や頸部に関するケガに対する関係者と力士たち自身の意識の部分です。
今年1月の初場所では、ある取組で頭からぶつかった力士の片方が立てなくなったにもかかわらず、回復直後に取り直しの一番が行われたことがありました。
それもあってようやく「勝負がつく前でも審判団が危険だと判断した場合は、その力士を不戦敗として相撲を取らせない」という決まりができました。
大相撲の競技特性を考えるとおそらくこれまでも似たような事態は起きていたはずです。
そういった状況について関係者も力士たち自身も、本当に深刻に考えていたでしょうか。
歴史や慣例というのは確かに大切なものだと思います。
ですが、それと比べるまでもなく、人の命や若い力士の将来はもっと重要です。
もし、関係者や力士たちがこれまでのケースから真剣に対応を考えていたのなら、今回のような事故が起きた際に、医学的知識も何もない審判団の判断に事を委ねるということは起きなかったように思います。
2015年にウィル・スミスが主演した映画『コンカッション』が話題になりました。
NFLの選手たちが引退後も脳震盪などの後遺症に悩まされていることに気づいた医師の物語です。
そういった作品にも代表されるように、NFLではここ10数年ほどで明らかに脳震盪をはじめとする選手の負傷に対する注意意識が上がっている。
これは周囲のスタッフや経営陣はもちろんのこと、選手たち自身も強く考えていることでもあります。
■NFLではトレーニングの場を労組がチェック、脳震盪3回で引退
例えば、NFLではオフの練習に関する制限がものすごく厳密に決まっています。
チームとしてはレギュラーシーズンで結果を出すために、もちろん各選手に練習をさせたい。
でも、そこは選手会や労働組合にあたるNFLPAがちゃんと主張する。
「NFLは世界で一番儲かっているのに、選手の平均寿命は短い。そういうスポーツだからこそ、セカンド・キャリアや家族との時間、プライベートを含めた『ワークライフバランス』を重視するべきだ」と言うわけです。
具体的に言えば、9月〜翌年2月の通常シーズン中以外のオフシーズンに行うチームの全体練習は、決められた期間内に10回だけしか許されません。
その10回しかない練習も、ヘルメットだけを着けた状態で行う軽い練習が中心で、激しいコンタクトや競争を煽るようなシビアな練習は許されていません。
また、2年目以上のベテラン選手がチームの施設に滞在していいのは4時間までとも決められています。
2018年にはオフシーズン中にボルティモアのチームが「規定を超えたコンタクト練習をした」という理由で、10回しかない練習を8回に減らされています。
オーナーには1000万円以上の罰金も科せられました。
さらに一定以上の脳震盪を3回起こした選手は有無を言わさず引退になります。
実際にスタンフォードのOB選手でも、NFLのチームに入団した有望なルーキーだったにも関わらず、1年目に2度の脳震盪を起こしたため自身の判断で引退した選手もいました。
その選手は「夢の舞台で危険を冒しながらプレーすることよりも、命や将来の方が大事だ」と言っていました。
■「伝統」を隠れ蓑にせず、改善すべき安全性
アメリカンフットボールも大相撲も、スポーツ選手としてのキャリアはもちろん大事です。
それまでその選手が積み上げてきたものは並大抵のものではないでしょう。
それは十二分に理解できます。
ですが、実際には引退後の人生の方がはるかに長いわけです。
それを軽んじてまでスポーツにすべてを懸けるのは、明らかに間違っている。
最近ではスタンフォード大のアメフト部は、ヘルメットの上にさらにショックパッドをつけて練習をしています。
例えば相撲界でも、稽古の時にヘッドギアをつけたりすることはできると思います。
もちろん大相撲とアメリカンフットボールは全く違う競技ですし、大相撲には「伝統」という側面もあるかと思います。
ですが、そういった言葉を隠れ蓑にして、力士たちの命を危険にさらすというのはもはや時代にそぐわないのではないでしょうか。
そういった部分は、競技に関わらず改善されていかなければならないと思っています。
シンプルに考えて欲しいのは、伝統を守る事と人の命や若者の将来、どちらが大事なのかということです。
今回の事故のように若い命や将来が犠牲になることは、決してあってはならないと思います。




2021/05/09
大相撲ニュース
貴景勝

大相撲夏場所(9日初日、両国国技館)を前に8日、尾車事業部長(元大関琴風)が4大関に奮起を促した。
大関陣の優勝は昨年11月場所の貴景勝が最後で、2017年初場所の稀勢の里以来22場所ぶりだった。
今年になっても大栄翔の平幕優勝から始まり、3月は関脇の照ノ富士が優勝。
昨年も2度の平幕優勝に、関脇正代の優勝が1回。
横綱の休場、引退があっても大関陣が結果を残せないでいる。
今場所は2019年名古屋場所以来となる4大関。
尾車部長は「平幕優勝も面白いというか、エーッと思う意外性としては確かに沸くんだけど4大関そろって出てるわけだから。平幕優勝とか平幕がトップを走ることになられたんでは。見ているお客さんに番付って何なんだと思われないようにね。ここは大関の責任は大きいと思います」とハッパを掛けた。
これも期待の裏返し。
「どの大関も横綱を狙える大関だと思う。志高く持って、おれたちの中から優勝しないといけないんだと目標を立てて、あしたから臨んでもらいたいと思う」と話した。


正代

大相撲夏場所は9日、初日を迎える。
8日は会場となる東京・墨田区の両国国技館で土俵祭りが催され、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)や審判部の親方衆らが参加して15日間の安全を祈願した。
21場所ぶりに照ノ富士(29)が大関へ復帰し、令和元年名古屋場所以来の4大関時代に。
協会のナンバー2、尾車事業部長(元大関琴風)は、2度目のかど番で迎える大関正代(29)に活を入れた。
■令和で大関の優勝1度だけ「責任は重い」■
夏場所は緊急事態宣言発令を受け、3日目(11日)までは無観客開催。
東京都で大規模イベントの人数制限が緩和される4日目以降は上限約5000人の観客を入れる。
東京開催場所の責任者でもある尾車事業部長は「お客さんが入ることで、力士も激しい相撲が見せられる」と歓迎した。
昨年の夏場所はコロナ禍で中止され、開催は2年ぶり。
土俵は4大関が名を連ねる。だが、令和になって大関の優勝は1度だけ。
5、4大関時代を経験した尾車部長は「平幕優勝も意外性で沸くが、お客さんに番付ってなんだと思われないように。大関の責任は重い」と奮起を促した。
春場所で7勝8敗と負け越し、夏場所は大関在位4場所目で早くも2度目のかど番となる正代は今場所の目標を「とりあえず勝ち越せたらいい」と繰り返している。
尾車部長は名指しこそ避けたが、正代に苦言を呈す。
一人横綱の白鵬は6場所連続休場し、大関陣は出場する力士の番付最高位。
「勝ち越しなどに目標を置かず、志を高く持って。8番勝とうと思って取っていると、8番も勝てない」。
耳に届いてほしい一喝だ。


照ノ富士

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)を翌日に控えた8日、同所で恒例の土俵祭りが行われた。
力士は参加しなかったが、春場所覇者で大関復帰場所となる照ノ富士(29=伊勢ケ浜)は、その後の優勝額贈呈式に出席。
公式ユーチューブチャンネルで「今場所もいい成績を残せるように頑張ります」と意気込みを語った。横綱白鵬の休場により照ノ富士を含めた4大関が出場最高位。電話取材に応じた尾車事業部長(元大関琴風)も「どの大関も横綱を狙える。早く横綱を張る人が出てきてほしい」と期待を寄せた。




緊急事態宣言の下、5月9日に大相撲夏場所が初日を迎える。
厳しい感染予防態勢の元でどんな気迫に満ちた取組を力士たちは見せてくれるのか。
全国の相撲ファンの視線が集まる。
そしてその視線の中に、小結・安の巻き返しを特別な想いで待ち望む元アスリートがいる。
女子バレー日本代表のエースとして一世を風靡した大山加奈さんだ。
「安関が頑張っている姿にいつも力を貰っているので、今場所も自分らしく戦って欲しいです」
大山さんとその家族にとって、恩人とも言える存在となった高安への想いを聞いた。
2人の縁は2016年春の巡業に始まる。
大山さんが知人の紹介で巡業先の支度部屋を訪れ、一緒に写真を撮った際にメールアドレスを交換、やりとりする仲になった。
大山さんは東京都江戸川区出身。
安の所属する田子ノ浦部屋も江戸川区小岩にあり、「家から車で5分ほどの距離です。地元の部屋ということもあり両親が熱心に応援してましたし、相撲が大好きだったので、場所がある度にテレビで応援する姿を見ていました」と話す。
一方の安は、少年時代から大山さんに憧れていた。
6歳年下の安がまだ中学生の頃、全日本で大ブレイクし『メグカナブーム』を巻き起こした大山さんを見て、バレーボール観戦に夢中になった。
187センチの長身で活躍する姿に「自分も早くこんな風に大きくなりたい」と憧れていた。
そんなお互いを意識し合うアスリート同士。
大山さんにとって、生涯忘れることの出来ない一番が生まれる。
4年前に他界した母・久美子さん(享年55歳)に膵臓ガンが見つかり、ガン専門病院に入院していた時のことだ。
「発見された時にはステージ4でかなり進行している状況で、もう手術は出来なかったんですよね。それで抗がん剤で、なんとか延命じゃないですけど治療していた」頃だという。
2017年1月、初場所の9日目。小結の安が格上の横綱・白鵬に挑んだ。
「病院のラウンジで、母と一緒にテレビで見ていました。他にも患者さんが沢山いて、この取組を注目していました」
この一番は、安と同部屋の兄弟子・稀勢の里(当時大関)が、白鵬と優勝争いを繰り広げる最中での戦いでもあった。
「安関はもちろん自分のために戦っていたと思いますが、兄弟子の稀勢の里関のためという思いもヒシヒシと伝わって来た」と大山さんは言う。
固唾をのんで見守る中、立ち会いから安が右で当たり、横綱を相手にかち上げた。その圧力に後ずさりする白鵬。あとはその好機を逃さず安が押し出した。
大山さんは、「安関が勝った瞬間、歓声が起きてみなさん一緒になって喜んでいました。ガン専門の病院だったので、どうしても重たい空気が流れていたんですけど、その空気が一変して明るいポジティブな空気になりました。
母も安関に初めて合った巡業の時に、一緒に支度部屋でお会いしたので、応援する熱量も高かったですね。私のファンだということを知ってから、さらに特別な存在になっていたので、声を出しながら応援して、喜んでいました」と振り返る。
この一番に、当時大山さんは自身のツイッターにこう書き綴っていた。
文面には、病気と闘っている母たちを元気付けてくれた安への感謝と、スポーツの力への想いが溢れた。
この取組から約1ヵ月後の2月、大山さんは田子ノ浦部屋の稽古場に、両親を連れて見学に訪れていた。
当時、母・久美子さんの病状は「厳しい状況で、治療はもう何も出来ない状況」であり、ガン専門の病院でも施せる治療がなくなり、残された時間を家族と一緒に過ごし始めていた。
大山さんの家族3人が、安の計らいで見守る中、初場所の優勝で新横綱に決まったばかりの稀勢の里との激しい稽古が始まった。
気迫の込もった三番稽古。2人は繰り返し繰り返し、何番もぶつかり合った。
「土俵の空気がピリピリしていて、あの場にいられて幸せだなって思いました。なかなか感じることが出来ない空気感でしたし、あんなに間近で本気のぶつかり合いを見ることはないので、すごく貴重な経験をさせて貰いました」
この稽古を目の当たりにした母・久美子さんは、「ちょっとうるうるしていました。あの空気感は無条件に心が動かされるものでした」と大山さんは語る。
そして稽古の後、安が久美子さんの手を握り、励ましの言葉を贈った。
「何より嬉しそうで、顔色もずっと悪かったんですけど良くなって、すごく大きなパワーを貰いました」
家族にとって、かけがえのない思い出の時間となった。
母の他界から4年、偶然にも2人は今年2月に子の親となった。
大山さんは双子の女の子を出産し、安には長女が生まれた。
現在の生活ぶりを大山さんに聞くと「大変ですが幸せを噛み締めながら過ごしています。
双子なので2人同時に泣かれると、どうしようもなくて大変ですが、偶然にも同じ時期に女の子の親になるというのはご縁を感じました」という。
一方の安は3月場所を終えた後、出産のために里帰りしていた妻が待つ北海道へ迎えに赴き、今は東京で一緒に生活を始めている。
沐浴を手伝ったり、ミルクをあげたり安の顔を見るとニコニコと笑みを返してくれるという。
この夏場所は、父親となった事をあらためて実感しながら戦うことになる。
大山さんは「守るものが増えて責任とか覚悟を感じていると思いますが、すごい真面目な方なので、難しいですが重荷にせずに、ポジティブなパワーに変えてもらいたいと思います」とエールを送る。
それでも怪我と戦いながら31歳で挑む戦いは、決して平坦ではない。
かつて大関の看板を張ったその地位への帰り咲きという期待も、確実に生まれて始めている。
「安関ならまた大関に帰り咲いてくれると信じています。身体もしんどくなるし、怪我もあって厳しいとは思うんですけど、きっとお嬢さんの存在が力になってくれると思うので、自宅で癒やされながら頑張って欲しいです」
先場所、安は終盤まで単独トップを守り、初優勝まであと一歩と迫りながら最後に力尽きた。
人々の期待を集める力士として、そして一人の父親として、飛躍をかけた15日間の土俵が明日から始まる。


大栄翔

大相撲初場所で初優勝を果たした小結大栄翔(27=追手風)が8日、東京・両国国技館で行われた優勝額贈呈式に出席した。
縦約3メートル、横約2メートルの額を贈られ「その大きさに驚いた。間近で見ると、すごく大きいんだなと。2場所前ですけど、改めて優勝の実感を味わいましたね」と感想を語った。
翌9日に控えた夏場所(国技館)の初日に向けて「自分のできることをやってきたつもり。しっかり力を出し切りたい。自分の相撲を取り切ることが一番」と気持ちを引き締めた。
今場所は初日から3日目(11日)までは無観客、4日目(12日)以降は観客を入れて開催される。「お客さんに入ってもらって拍手があることで、自分も力が出ると思う。ありがたいし、より一層気合が入る」と話していた。


竜電

大相撲夏場所(東京・両国国技館)初日を翌日に控えた8日、日本相撲協会の尾車事業部長(64=元大関琴風)が報道陣の取材に応じた。
前日7日、幕内竜電(30=高田川)が相撲協会が定める新型コロナウイルス対策のガイドラインに違反したことが判明。師匠の高田川親方(54=元関脇安芸乃島)の判断で夏場所を休場することになった。
尾車部長は「コンプライアンス委員会できちんと調査することになると思う。場所後に話(調査報告)を聞いて、処分しなきゃいけないような案件になるなら処分をする」と話した。


土俵祭り開催

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)を翌日に控えた8日、同所で本場所の安全を祈願する恒例の土俵祭りが行われた。
先場所に続き、新型コロナウイルス感染予防のため非公開で行われ、三役以上の力士は出席しなかった。
土俵祭りの様子は日本相撲協会の公式ユーチューブチャンネルでライブ配信された。


尾車親方

「大相撲夏場所」(9日初日、両国国技館)
優勝額の贈呈式が8日、東京・両国国技館で行われ、春場所で3度目優勝の大関照ノ富士(29)=伊勢ケ浜、初場所で初優勝した小結大栄翔(27)=追手風=が参加した。
21場所ぶり大関返り咲きの照ノ富士は日本相撲協会のYouTubeに「今場所もいい成績を残せるように頑張ります」と短く意気込みを語った。
今場所は一人横綱の白鵬(36)=宮城野=が休場。出場最上位の4大関、朝乃山(27)=高砂、貴景勝(24)=常盤山、正代(29)=時津風、照ノ富士で、次の横綱を目指す争いも過熱する。
東京開催場所の責任者、尾車事業部長(元大関琴風)は「どの大関も横綱を狙える大関だと思う。横綱がいない中、俺たちの中で優勝しなきゃダメという気持ちで臨んでもらいたい。早く横綱を張る人が出てきてほしい」と、4大関で場所を引っ張ることを求めた。
最近は群雄割拠の様相で誰にでも優勝チャンスがあるものの、番付の威厳も問われる。
尾車部長は「平幕優勝もおもしろいし、意外性で沸くけれど、4大関がそろって出て平幕優勝、平幕トップを走る、そうなられたら見ているお客さんは番付ってなんだと思われる。大関の責任は大きい」とハッパをかけた。
平幕上位にも大関候補の勢いある若手がいる。
「若隆景(荒汐)が上に上がってきて楽しみ。相撲がおもしろい。明生(立浪)とか元気な若手がいいんじゃないですか」と、期待した。


初日の取組

大相撲夏場所は9日、初日を迎えます。21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士は、平幕の明生との対戦です。
夏場所は9日、初日を迎え、先場所中に右ひざの手術を受けた白鵬が6場所連続で休場することになり横綱不在となりました。
今場所の出場力士で最高位となる四大関のうち、21場所ぶりに大関に復帰した照ノ富士は前頭2枚目の明生と対戦します。
過去2回の対戦はともに照ノ富士が勝っています。
先場所、持ち味の圧力のある四つ相撲で白星を重ね3回目の優勝を果たした照ノ富士は、動きのいい明生を相手にがっぷりと組むことができれば優位は動きません。
一方、自己最高位まで番付を戻した25歳の明生は、まずは休まず動き回って攻め照ノ富士を動かして勝機を伺いたいところです。
このほかの大関陣は、先場所10勝の朝乃山が過去6勝9敗と負け越している小結・大栄翔との一番、角番の正代は前頭筆頭の北勝富士と、貴景勝は前頭筆頭の若隆景と顔を合わせます。
大関経験者で、7場所ぶりに関脇に復帰した高安は、過去2回の対戦でいずれも黒星を喫した前頭2枚目、翔猿との対戦です。


大相撲夏場所

大相撲夏場所は9日、東京・両国国技館で初日を迎える。
8日は土俵祭が行われ、場所中の安全を祈願した。3月の春場所で取組中に土俵に頭部を強打し救急搬送された三段目・響龍(本名・天野光稀さん)が4月28日に急性呼吸不全で亡くなったことから、日本相撲協会審判部の親方らは7日に応急対応処置の講習会を受け、本場所に臨む。
夏場所は昨年、新型コロナウイルス感染拡大で緊急事態宣言が延長されて中止になり、2年ぶりの開催となる。今年も緊急事態宣言が出される中、3日目までは無観客で、大規模イベントの人数制限が緩和される4日目の12日からは5000人を上限に実施する。
尾車事業部長(元大関・琴風)は「感染対策が一番。無事に15日間、千秋楽を迎えることを目標に頑張っていきたい」と話した。
また、協会が策定した新型コロナウイルス感染対策のガイドラインに違反する行動があったとして夏場所を休場する前頭・竜電について、コンプライアンス部長も兼ねる尾車部長は「場所後に調査し、処分しなければならないなら処分する」と述べた。


響龍

大相撲の三段目力士、響龍さん=本名・天野光稀、山口県出身、境川部屋=が4月28日午後、急性呼吸不全のため東京都内の病院で死去した。
28歳だった。日本相撲協会が29日に発表した。
響龍さんは3月26日の春場所13日目にすくい投げで敗れた際、頭部を土俵に強打。
そのまま動けなくなり、救急搬送され、入院していた。
現役力士の死去は、昨年5月に新型コロナウイルス性肺炎による多臓器不全で亡くなった三段目の勝武士さん以来。
1月の初場所では不成立となった立ち合いで頭をぶつけあい、意識がもうろうとなった力士がそのまま相撲を取ったケースがあった。
場所後に審判規則を変更し、脳しんとうなどで相撲を取れる状態ではない場合、不戦敗とすることを決めるなど、協会として安全対策を強化したばかりだった。


応急処置再確認

日本相撲協会審判部は8日、東京・両国国技館での土俵祭り終了後に、力士への迅速な応急処置の徹底を再確認した。
同協会は7日にスポーツ現場の事故対応専門家を招いて講習会を実施。
大相撲夏場所初日を翌日に控え、伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が改めて処置の徹底を求めた。
審判部によると、応急処置の方法を説明したDVDも配布されたという。
負傷者が出た場合は全ての対応が終わってから、勝ち名乗りを上げることも申し合わせた。
大相撲では1月の初場所取組で力士が脳振とうを起こすケースが発生。
3月の春場所では土俵に頭部を強打した三段目力士、響龍の天野光稀さんが4月下旬に急性呼吸不全のために亡くなる極めて異例の事態も起きた。




2021/05/08
大相撲ニュース
白鵬

3月に持病の右膝を再手術した横綱白鵬(36)=宮城野=が7日、相撲協会に休場を届け出た。
昨年7月場所から6場所連続での休場となり、年6場所制となった1958年以降で、横綱としては史上3番目(ワーストは稀勢の里の8場所連続)の長さとなった。
白鵬は名古屋場所(7月4日初日、ドルフィンズアリーナ)で進退を懸ける意向を示しているが、伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「横綱の責任を果たしているのか果たしていないのかということになりますよね。そういう意味でこれだけ休んでいるんですから、横綱としてきちんと判断しないといけない。正直言って、ここまで休まれると、あんまり期待というものもこれから先できない」と苦言。
「出ていない人(白鵬)のことを考えても…。白鵬どうこうではなく、まず大関陣が頑張って横綱になってほしいと思ってますけど」と話した。


朝乃山

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)を控えた6日、大関朝乃山(27=高砂)が電話取材に応じた。
初日向けて部屋の幕下を相手に汗を流してきた朝乃山は「手応えとかは分からないですけど、しっかり自信を持っていきたい」と意気込んでいる。
また、4都府県を対象に発出されている緊急事態宣言が延長となる見込みだが、これについては「無観客(開催)が延びる可能性もある。自分たちは精いっぱい相撲取ることが大事」と気を引き締めた。
そんな初日は母の日。これまで何かを贈った経験はないようだが「白星を届けることが一番のプレゼントじゃないですかね」と話す。
大関昇進から1年。朝乃山は「大関の地位で出場して求められるのは優勝」と言葉に力を込めた。


正代

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)を控えた6日、大関正代(29=時津風)が電話取材に応じた。
先月の合同稽古後は部屋で十両豊山(27)や幕下らと胸を合わせてきた。
「(1日)15番以上を目標に。問題なく調整はできたんじゃないかなと思います」。
また、春場所で課題に挙げていた立ち合いの圧力については「初日を迎えてみないとなんとも言えないですけど、意識して稽古してきたつもりです」と語った。
本来であれば、5日は地元の熊本・宇土市で聖火リレーの走者を務める予定だったが、新型コロナ禍で断念。
それでも「参加できなかったのは残念ですけど本職は力士。力士である以上協会のルールに則って生活するのが義務なので、場所で活躍して地元の人に頑張っている姿を見ていただけたら」と前を向いてる。
自身2度目のカド番となる夏場所へ「早い段階で勝ち越して、早いうちに安心したい」と正代。土俵で存在感を発揮するしかない。


照ノ富士

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)の取組編成会議が7日開かれ、初日と2日目の取組が決まった。
21場所ぶりに大関に返り咲いた照ノ富士は初日に先場所10勝した明生、2日目に三役経験のある北勝富士と対戦する。
師匠の伊勢ケ浜審判部長(元横綱・旭富士)によると、照ノ富士は古傷の膝が本調子ではないというが、「出るからには大関の責任を果たせるように、2桁(勝利を)目指して頑張ればいい」と話した。
横綱・白鵬は6場所連続休場。
途中休場した春場所中に右膝の手術を受け、7月の名古屋場所で進退を懸ける意向を示している。


竜電

日本相撲協会の芝田山広報部長は7日、東前頭14枚目の竜電(30)=高田川部屋=に協会が策定した新型コロナウイルス感染対策のガイドラインに抵触する行為があり、夏場所を休場すると明らかにした。


三役対決

緊急事態宣言中は無観客で行われる大相撲5月場所の注目は、御嶽海(28)と大栄翔(27)の両小結だ。
対戦成績は御嶽海の8勝7敗と、ほぼトントン。
大関を目指す者として双方ともに負けられないだろう――が、この2人、相撲に関しては正反対だ。
御嶽海は平幕在位9場所に対して、三役在位が5月で24場所目。
一見凄い数字に見えるものの、稽古不足がたたって「強いのに安定しない」というだけの話だ。
むしろ昇進できない「万年三役」と言うべきだろう。
一方、大栄翔は地道な努力の人。
昨年から幕内で頭角を現し、今年1月場所で自身初優勝した。
御嶽海、大栄翔とも大関の朝乃山、正代に勝ち越すなど、上位陣には強い。
ある親方は「御嶽海が昇進するなら今年がラストチャンスではないか」と、こう続ける。
「素質はピカイチなのに稽古をしない。
本人は今場所に向けて『2ケタしか考えていない』と話していたが、もはや角界でも彼の大関昇進を期待する声は皆無ですよ。
“三年先の稽古”をおろそかにしてきたのだから、いつ下降線に突入してもおかしくない。
大栄翔はその逆。
苦労がようやく実を結び、今後も伸びていく力士です。
先場所序盤は気持ちだけが空回りした雑な相撲で4連敗を喫したが、その後は持ち直した。こっちの方が断然期待できますよ」
とはいえ、御嶽海も優勝2回。
忘れた頃にいつの間にか賜杯を掴んでいる。
努力家が勝つか、それとも天才肌があざ笑うのか……。


大相撲夏場所4日目

日本相撲協会は7日、大相撲夏場所4日目の12日から観客を入れて開催すると発表した。
政府が東京都などに発令中の緊急事態宣言の延長を決めた際、当初期限だった11日まで「原則無観客」としていたスポーツなど大規模イベントの制限を緩和したことを受けて、協会は観客を入れた開催が可能と判断した。
すでに上限5000人の想定でチケットを販売済みで、新たな販売は行わないという。


大相撲夏場所9日初日

9日に初日を迎える大相撲夏場所(両国国技館)では、新三役の座を狙う前頭筆頭の若隆景(わかたかかげ)(26)と前頭2枚目の明生(めいせい)(25)が注目される。
ともに3月の春場所で10勝を挙げ初三賞を獲得。
スピード感あふれる取り口も共通している。
初日、2日目はいずれも大関戦が組まれ、力が試される。
東洋大出身の若隆景は3兄弟の三男。
同部屋の長男若隆元(わかたかもと)(幕下)、次男若元春(わかもとはる)(十両)と兄弟力士として注目されてきた。
低い体勢からの押っつけを武器に、前頭2枚目の先場所は技能賞に輝いた。
師匠の荒汐親方(元幕内蒼国来(そうこくらい))は「前は立ち合いが軽かった。それをなくすために意識して稽古している。そこが思ったより早くできてきた」と成長を認める。
初日の貴景勝、2日目の正代は先場所倒しており、再現を狙う。
若隆景は「自分の相撲を取り切って勝ち越しを目指したい」と三役を見据えている。
明生は中卒で角界入りして10年が経過した。
「学生(出身)の人たちに負けたくない」と話すように、負けん気の強さと豊富な稽古量で頭角を現した。
先場所は前頭3枚目で敢闘賞を受賞し、勢いに乗る。
三役が視界に入る夏場所へ、「自分の相撲を信じて15日間取り切れば大丈夫」と力強い。
初日は大関に復帰した照ノ富士戦が組まれた。
同期入門で強く意識している相手だ。
結果を出して弾みをつけたい。


初日十両取組

日本相撲協会審判部は7日、東京・両国国技館で取組編成会議を開き、大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)の初日と2日目の取組を決めた。
3月の春場所を3日目から途中休場し右膝を手術した横綱白鵬(36=宮城野)は、かねて師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が示唆していた通り、休場届を提出。
6場所連続休場が決まった。
年6場所制となった58年以降で、横綱として6場所連続休場は3番目の長さとなった(最長は稀勢の里の8場所連続)。
これにより出場する番付最上位は、今場所から4人になった大関陣となった。
十両以上の休場は白鵬の他、平幕の碧山(34=春日野)、竜電(30=高田川)、翠富士(24=伊勢ケ浜)の4人で、28人の十両で休場力士はおらず、14番が組まれた。
その十両で注目は4場所ぶりの幕内返り咲きを狙う炎鵬(26=宮城野)。
東前頭筆頭の最上位で、勝ち越せば昨年11月場所以来の幕内復帰は確実だ。
初日は西筆頭の千代ノ皇(九重)と対戦する。
また、こちらも17年九州場所以来の再入幕を目指す宇良(28=木瀬)も、西十両2枚目の好位置につけておりファンの期待は高まる。
初日は東龍(玉ノ井)と対戦する。


取組のけがの対処学ぶ講習会

大相撲の力士が取組でケガをして倒れた際などに、審判や警備を担当する親方がどのように対処すべきかを学ぶ講習会が開かれ、担架で搬送し、医師に引き渡すまでの手順を確認しました。
この講習会は、東京 両国の国技館で開かれ、審判や警備担当の親方のほか、国技館内にある診療所の医師など、およそ60人が参加しました。
スポーツの現場で安全な環境作りを支援するNPO法人の担当者の指導を受けながら、力士が取組で頭を打つなどして、うつぶせや、あおむけの状態で動けなくなった際、安全に担架に乗せて搬送し、医師に引き渡すまでの手順を学びました。
参加した人たちは、力士に見立てた親方の首を固定し、あおむけにしてから担架に乗せたあと、慎重に搬送していました。
相撲協会の警備本部長を務める春日野親方は「医師に少しでも早く力士の状態を判断してもらうためには、迅速な対応が必要だ」と話していました。
大相撲では、ことし春場所の取組で土俵に頭を打ちつけて搬送され、入院を続けていた三段目の力士が急性呼吸不全のため、亡くなりました。
1月の初場所では、幕下で立ち合いが不成立となった際、頭でぶつかりあった力士がしばらく立ち上がることができず、仕切り直した取組があり、相撲協会は、立ち合いの成立前に力士が脳しんとうを起こすなどして危険な状態だと判断された場合、相撲を取らせず不戦敗とできるよう審判規則を変更しています。


伊勢ヶ浜審判部長

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)を控えた7日、伊勢ヶ浜審判部長(60=元横綱旭富士)が電話取材に応じ、6場所連続休場の横綱白鵬(36=宮城野)に苦言を呈した。
白鵬は春場所に出場しながらも右ヒザの状態が悪化して3日目から途中休場。
その後、右ヒザを再手術し、名古屋場所(7月4日初日、愛知県体育館)で進退をかける意向を示している。
しかし、6場所連続の休場は年6場所制となった1958年以降、横綱としては史上3番目の長さ(ワーストは稀勢の里の8場所連続)。
こうした状況に伊勢ヶ浜部長は「ケガして痛くて出れないんだろうけども、こういう状態がずっと続いているのは結果として出ている。じゃあ、ここで横綱の責任を果たしているか、果たしていないかということになる。そういう意味ではこれだけ休んでいるわけだから、そこでどうかというのは、自分が横綱としてきちんと判断しないといけないこと」と厳しく指摘する。
続けて「正直言ってここまで休まれると、期待というものもこれから先できない状態。これは当たり前のことで、誰もがそう思うこと」と言いきった。
白鵬自身は術後のリハビリを経て再び土俵に立つ決意だが、伊勢ヶ浜部長は「早く治して出てほしいという気持ちもあるが、毎回同じこと言ってますから。
ここまで来てしまうと、もう本人の問題。なので、白鵬がどうこうではなく、まず大関陣が頑張って横綱を目指して頑張ってほしい」と、出場力士最上位≠ノ奮起を促した。
春場所後に開かれた横綱審議委員会の定例会合では、昨年11月場所後に決議した「注意」が継続となったが…。
優勝44回の大横綱への風当たりは強まるばかりだ。


勝南桜

大相撲の序ノ口力士、勝南桜(22=式秀)が、3月の春場所で90連敗を喫した。
もう2年以上、白星がない。不謹慎ながら、対戦が決まった相手は戦う前から勝ったも同然、ラッキーだと思うのだろうなと勝手に考えていた。
ところが違った。
春場所後、勝南桜と対戦したある力士に聞くと「すごいプレッシャーでした。絶対に負けちゃいけないので」と打ち明けた。
その力士の師匠も「そりゃあ、プレッシャーですよ。負けたらヤフーニュースになってしまいます。相撲に絶対はありませんから」と話していた。意外な事実だった。
確かに、相撲に絶対はない。力の差があっても、実力上位が足を滑らせることもある。
何が起きるか分からない。
90連敗と言っても、その一番一番をよく見ると、かなり善戦している取組もあるのだ。
勝南桜は2015年九州場所で序ノ口デビュー以来、3勝224敗1休。最長の連敗記録を現在継続中で、次の白星は、これまでの3勝以上に注目されるだろう。
ここで思い出すのは、二子山親方(元大関雅山)の行動だ。
以前、二子山部屋の力士が服部桜(現在の勝南桜)に負けた。
二子山親方がまずやったことは、弟子をしかることではない。
ほかの兄弟子らに連絡を入れ、こう言った。
「いいか、絶対にバカにしちゃだめだぞ。服部桜だって一生懸命稽古して、強くなっているんだ」
頭が真っ白になったであろう、その力士の気持ちを思いやり、相手も尊重した。
その一番で負けた力士は盛り返し、その場所で勝ち越した。
私は4年前、勝南桜(当時は服部桜)が所属する式秀部屋の稽古を見たことがある。
本場所では立ち合いの当たりを怖がっているように見えたが、稽古場ではその改善に努めていた。
式秀親方(元幕内北桜)の熱血指導のもと、強度を徐々に高めながら頭と頭をぶつけ合ったりと、本場所を意識して稽古していた。
内容も濃い。
これを続ければ、もっと勝てると思えた。
やる気も感じた。
どうやら、稽古場の力を本場所で発揮できないタイプのようだ。
まもなく夏場所が始まる。
幕内が最高レベルであることは言うまでもないが、序ノ口には序ノ口なりの意地や重圧がある。
それを心の片隅に置きつつ、勝負を見守りたい。


初めて陽性者ゼロ

日本相撲協会の芝田山広報部長(元横綱・大乃国)は6日、電話取材に応じ、力士659人に行ったPCR検査で、全員が陰性であったことを発表した。
力士以外の協会員約260人も3日までに検査を受け、陰性。
同部長は「協会員約900人ちょっと、感染者ゼロということで結果がでています。とくに発熱者、体調不良者の報告は受けていません」と説明した。
場所前の全協会員を対象としたPCR検査は今場所で3度目だが、1人も陽性者が確認されなかったのは初めて。
芝田山部長は「協会員がみんな感染予防対策に対して、一生懸命取り組んで協力してくれている一つの証だと思います」と語った。
夏場所(東京・両国国技館)は9日初日と目前だけに「今日も協会員にはPCR検査の結果とともに、引き続き、感染予防対策に努めてもらいたいと伝えた」という。
今場所は緊急事態宣言下で初日を迎え、3日目までは無観客開催となる。
宣言が延長される可能性も高まっており、この日の定例会議でも対応を話し合ったという。
万全の状態で初日を迎えるべく、同部長は「場所に入れば人と人との接触も多くなる。引き続き、感染予防対策をして、行動して下さいと通達した」と話した。




2021/05/07
大相撲ニュース
白鵬

3月に右膝を手術し、夏場所で6場所連続休場が確実視される横綱白鵬は、都内の部屋で術後初めて四股を踏んで汗を流した。
師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)が明らかにした。
7月の名古屋場所で進退を懸ける意向。
術後はリハビリに努め、経過は良好だという。
苦境に立つ横綱について、同親方は「本人が一番分かっていると思う。いい相撲を取れるようにしていくだけ」と語った。


朝乃山

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)の初日まで3日となった6日、大関朝乃山(27=高砂)が朝稽古後に、報道陣の電話取材に応じた。
先月19日から4日間の日程で行われた合同稽古では、連日の三番稽古(同じ相手と連続して相撲を取る)で、同じ大関の正代(29=時津風)や小結御嶽海(28=出羽海)らと約60番取り、実戦感覚を磨いた。
その後の部屋での稽古は関取衆不在のため連日、幕下以下の若い衆と稽古。
この日は「勝敗に関係なく番数を取ろうと思って20番ぐらい」(朝乃山)取った。
調整に入る時期でもあるため少なめのようだが、番付発表後は30番ほど取ったという。
2年前の夏場所は、トランプ前米国大統領から大統領杯を贈られた記念すべき初優勝。
昨年の夏場所は新大関として臨むはずが、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて中止。
何かと縁深い場所を前に「気付けばもう大関になって1年がたちます。大関になってふがいないし、納得いかない結果になっている。大関に求められるのは優勝ですから」と、休場を除けば8場所連続2ケタ勝利中にも、さらなる向上を自分に求めた。
結果的には2ケタ勝利を挙げても、番付下位への取りこぼしで優勝争いには、なかなか加われない状況が続く。
「自分より下の番付(の力士)に負けないことが大事。それを突破しても大関同士で(の対戦)も勝っていかないといけない」と本人も重々、承知のことだ。
大関昇進時に先代の師匠(現錦島親方=元大関朝潮)から「13勝で優勝しなければダメだ」と言われたことも頭にあり「12番しかないので、それ以上、勝たないといけない」とクリアすべき数字も明確に挙げた。
季節がら相撲界では関取衆が、後援者らに日頃の感謝のしるしとして贈る、浴衣地の反物を作るシーズンだ。
朝乃山は今年、チューリップをデザインした反物を作った。出身地・富山の名花で「地元のやつを何か入れようかなと思ってチューリップがあるので。皆さんに喜んでいただけるように、少しでも地元を入れたいと思って」と説明。
夏場所初日は母の日でもあり「5月場所と(母の日が)重なるので白星を届けることが一番のプレゼント」と話すように、浴衣地の反物同様、感謝の思いを土俵上の白星とともに送る。


正代

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)にかど番で臨む大関正代(29=時津風)が6日、都内の部屋で行った朝稽古後に、報道陣の電話取材に応じた。
この日は、幕下以下の若い衆と約20番相撲を取ったと説明。
「とりあえず初日を迎えてみないと何とも言えないけど、立ち合いの圧力や出足は意識して稽古はしてきたつもりです」と感触を口にした。
かど番は初場所以来2度目となる。
春場所では、思うような立ち合いが出来ずに7勝8敗と及ばず。
同場所後は、立ち合いの確認を入念に行ってきたという。
「できるだけ番数をなるべく多く取って、どういう状況でも出足と圧力が相手に伝えられるように、いろいろ試しながらやった」と説明。
大関4場所目にして、早くも2度目のかど番だが「前回のかど番に比べるとモチベーションといいますか、そういうのは安定はしている。あまり考えないようにしている」と自然体を強調した。
本来であれば5月5日に、東京五輪の聖火ランナーとして地元・熊本を走る予定だった。
しかし、時期が本場所4日前だったことや新型コロナウイルス感染拡大の影響などにより辞退。
直接、地元で勇姿を見せることはできなかったが「参加できなかったのは残念だけど本職は力士。
今回は残念でしたけど、場所の方で活躍して地元の人に頑張っている姿を見ていただけたら、それでいいかなと思っています」と言葉に力を込めた。
かど番脱出を目指す夏場所は、緊急事態宣言発令に伴い、3日目までの無観客開催が決まっている。
しかし、緊急事態宣言は延長される可能性があり、それに合わせて4日目以降も無観客開催となる可能性も出てきた。
「去年の3月に無観客の経験はしているので違和感はそこまでない。あまり影響を受けずに自分の相撲を取り切れたら、テレビで見ていただいている方にも楽しんでもらえると思う」と話した。
「とりあえず勝ち越せたらいい。今回に関しては勝ち越さんと話にならないので」と、かど番脱出に全神経を集中させる。


御嶽海

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)で6場所連続の三役在位となる小結御嶽海(28=出羽海)は2日、都内の部屋で基礎運動を中心に稽古を行った。
報道陣の電話取材に応じ、緊急事態宣言下のため3日目まで無観客開催となる夏場所へ「無観客だからこそ頑張らないといけない」と意気込んだ。
故郷の長野県上松町でスナックを経営する母マルガリータさんは、1年以上も観戦に訪れていない。
母がテレビ画面越しで声援を送る本場所へ「2桁。そこしか見えていない」と、10勝以上を目標に掲げた。


大栄翔

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)で返り三役2場所目となる小結大栄翔(27=追手風)が28日、埼玉・草加市の部屋で関取衆との申し合い稽古などを行い汗を流した。
報道陣の電話取材に応じ「今日は20番くらい。いつも通り本当にいい稽古ができています」と話した。
初場所の優勝力士として迎えた春場所では、初日から4連敗を喫しながらも、中盤以降は立て直して千秋楽で勝ち越しを決めた。
「まだまだやっぱり実力も安定していない。力もまだまだなのかなという思いですね」と、さらなる成長を期す。
昨年春から日大大学院に通い文武両道を実践中。
コロナ禍のため授業は全てリモート形式という。
直近では4月の入学生との自己紹介や、修士論文の方向性などについて話し合った。
「だいぶ慣れてきましたね。まだまだですけど。大学院も稽古も(外に)出られないからこそ時間をいいふうに利用してやっている」と時間を効率よく使う。
春場所後には埼玉・朝霞市の実家に日帰りで帰省。愛犬チロルとの散歩でリフレッシュした。
夏場所は照ノ富士が大関に復帰して4大関となる。
次の大関候補として期待される27歳は「出るからにはいい成績残して、上を目指すという思い。やっぱり今は関脇に上がりたいですね」と意欲を示した。
緊急事態宣言下のため3日目まで無観客開催。
「テレビの前でたくさん見ている方がいると思う。4日目以降はお客さんもたくさん入ってくれると思うので、しっかりいい相撲見せられるように頑張りたいです」と意気込んだ。


若隆景

大相撲夏場所(5月9日初日、東京・両国国技館)に自己最高位の東前頭筆頭で臨む若隆景(26=荒汐)が28日、都内の部屋で申し合い稽古を行った。
報道陣の電話取材に応じ、兄で十両の若元春らと約20番取ったと説明。
番付発表前に実施された合同稽古にも参加しており「合同稽古でもいい稽古が出来たと思う。これからもう少ししっかり体を作ってやっていきたい」と話した。
西前頭2枚目で臨んだ3月の春場所では、10勝して初の技能賞を獲得するなど奮闘した。
しかし、同場所では関脇、小結陣が全員勝ち越すなど、番付運に恵まれずに新三役の座はつかめなかった。
それでも「しっかりやろうという気持ち。番付発表があったので、また気が引き締まる気持ちです」と気にすることはなかった。
また、春場所では貴景勝と正代の2大関を撃破。
「慣れてきたかと言われたら分からないけど、緊張はせずに思い切ってやれると思う」と夏場所では春場所の経験を生かす。
春場所での技能賞獲得につながった強烈なおっつけは「相撲を小学1年生からやってますけど、その頃から下からの攻めというのは常日頃ずっと言われてきたこと」と20年以上磨いてきたものだという。
原点を磨いた地元・福島には、春場所後に日帰りで帰省した。
英気を養い「自分の相撲を取りきって、勝ち越しを目指したい」と宣言するように、2場所連続勝ち越しと今度こそ新三役の座をつかみ取る。


明生

大相撲夏場所(9日初日、東京・両国国技館)で東前頭2枚目に就いた明生(25=立浪)が新三役への思いを語った。
5日、茨城・つくばみらい市での部屋での稽古後、報道陣の電話取材に応じた。
春場所では2大関撃破を含む10勝5敗で、初めての敢闘賞も獲得するなど飛躍。
自己最高位に並ぶ夏場所に向けて「しっかり気持ちを強く持って自分の相撲を信じて、15日間取り切れば大丈夫。まずは三役に上がりたい気持ちを強く持っています」と意気込んだ。
左上腕の負傷で昨年初場所を休場して以降、専属トレーナーをつけた効果が出ているという。
「(専属トレーナーとのトレーニングを)週4回くらい、2時間くらいやっている。相撲は動きがある中でのトレーニングなので、動きを取り入れたトレーニングだったり、そういうことを意識しながらやっている。全部(相撲に)生きていると思う」。
稽古熱心で知られるが、けがをするまでは土俵外でのトレーニングに頓着していなかった。
「相撲を強くなるのは相撲しかないという意識ではいたので、そこの意識、考え方が少し変わった」と明かした。
11年技量審査場所が初土俵で、夏場所から11年目となる。
大関復帰を果たした照ノ富士や、幕下15枚目付け出しでデビューした日体大出身の千代大龍らが同期。
中学を卒業して15歳で入門した明生は「学生の人たちに負けたくないなとずっ