Data #10:今場所の目玉商品
大の里
27日、大の里が福岡市西区の部屋で記者会見した。秋場所は13勝2敗。横綱としては昇進2場所目で初、通算5度目の優勝を遂げて2場所連続で東の正位に就き「初めて横綱として優勝してホッとしたし、うれしかった。あの経験を何度もするために、今回の九州場所も大事になってくる。年4回目の優勝を目指して頑張りたい」と抱負を語った。
豊昇龍
6日、全日本力士選士権で、大の里との決勝で勝ってトーナメントの頂点に立つ。ロンドン公演に参加。22日、羽田空港着の航空機で帰国。同空港で取材に応じ、ロンドン公演での優勝を弾みにして九州場所での横綱昇進後の初Vに意欲。5日間で約2万7000人を熱狂させた、ロンドン公演の優勝力士として帰国した豊昇龍は、九州場所での横綱初優勝への意欲を淡々と語った。「おかげさまで優勝できました。このまま、11月場所に向けて頑張りたいと思います」ロンドン公演でも、大の里との横綱同士の全勝対決を制した。弾みにして福岡に乗り込む。
琴櫻
6日、全日本力士選士権、7日の大相撲100周年場所、15日からの英ロンドン公演を休場。琴桜は秋場所13日目に豊昇龍から9勝目を挙げた取組で右膝を負傷。14日目から休場した。5日までの湊川親方と振分親方の引退相撲には土俵入りのみ参加。相撲について「やれる範囲でやる。できるならやっている」と語っていた。
安青錦
24日、安青錦に初の個人後援会「大阪後援会」が発足した。それを記念して発足祝賀会がリーガロイヤルホテル大阪で約200人が集まって盛大に行われた。発起人にはふかうら食品代表取締役の中尾優司さん(後援会会長)や、安青錦の来日のきっかけを作った山中新大さんら関大関係者が名を連ねた。師匠の安治川親方とともに出席した安青錦は「すごくうれしい気持ち。皆さんの応援に応えられるように」と一層の飛躍を誓った。27日、新番付で安青錦がウクライナ出身で初めて新関脇に昇進した。初土俵から所要13場所の新関脇は、年6場所制となった1958年以降(幕下付け出し除く)で元大関・小錦の14場所を上回る最速記録。初土俵から負け越しなし(幕下付け出し除く)の新関脇も、元横綱・曙以来の快挙。安青錦は新入幕から4場所連続で11勝と快進撃を続けている。新小結の先場所の11勝で大関昇進への起点もつくり、九州場所で足固めを狙う。
王鵬
4場所ぶり2場所目の三役に復帰。前回関脇だった春場所も、平幕から小結を飛び越え、関脇として新三役に昇進。小結を経験せず目標とする大関に昇進という、極めて異色のケースを目指す。
隆の勝
東前頭7枚目から大きく番付を上げ22年春場所以来。22場所ぶりの三役返り咲き。
高安
27日、新番付で大関経験者の高安が西小結に入った。三役復帰から3場所で2度負け越すも、4場所連続で小結の地位をキープすることになった。秋場所は東小結で7勝8敗。千秋楽で関脇霧島を下し、半枚降下にとどまった。今年夏場所は東小結で6勝ながら番付運が良く、半枚降下にとどまった名古屋場所は10勝を挙げるも、秋場所は半枚上昇のみだった。
宇良
ロンドン公演では連日多彩な技で会場を沸かせてきた幕内・宇良は、技能賞と、5日間の観客の投票で決まる「観客賞」を受賞。「5日間出し切れて良かった。ロンドンの伝統ある会場で相撲を取れてうれしく思う」と話した。
玉鷲
27日、新番付で関取最年長40歳の玉鷲は東前頭4枚目となった。秋場所は東前頭筆頭で6勝だったため、3枚降下した。これで幕内在位は97場所目となり、歴代4位の高見山と安美錦に並んだ。歴代3位の旭天鵬まであと2場所に迫った(1位は107場所の魁皇、2位は103場所の白鵬)。幕内出場回数は現在歴代3位の1437回。順当にいけば、7日目に1444回となり、歴代2位の魁皇に並ぶ(1位は1470回の旭天鵬)。玉鷲は九州場所8日目に41歳の誕生日を迎える。8勝を挙げれば、史上最高齢での幕内勝ち越しになる。これまで旭天鵬と玉鷲が記録した40歳8カ月を約4カ月更新する。また、横綱戦に勝利すれば、自身が持つ40歳8カ月の最年長金星の記録も更新する(記録はいずれも昭和以降)。
義ノ富士
27日、新番付で草野改め義ノ富士が東前頭5枚目に入った。師匠の伊勢ケ浜親方は「『義』の字は本人の要望。名前通り義理人情を持った力士になってほしい」と語った。「冨士」については「伊勢ケ浜部屋は、みんな富士がついているから」と話した。義ノ冨士は日大から元横綱の白鵬翔さんが師匠だった宮城野部屋に入門予定だったが、暴力問題のため部屋預かり先となっていた伊勢ケ浜部屋から24年夏場所で幕下最下位格で初土俵。新十両だった今年春場所は初日から12連勝の新記録を樹立して優勝。翌場所も十両優勝を果たし、新入幕の名古屋場所は11勝で三賞の敢闘賞と技能賞を獲得した。秋場所も勝ち越し、自己最高位を更新した。
翔猿
大相撲ロンドン公演で殊勲賞受賞。
錦富士
27日、新番付で東前頭15枚目に名を連ねた錦富士は、春場所以来、4場所ぶりの再入幕を飾った。西十両3枚目で臨んだ先場所は11勝4敗の好成績だった。その先場所は、同部屋の弟弟子で、唯一の青森県出身幕内力士だった尊富士が全休。青森県出身力士は、実に142年もの間、絶えず幕内に在位していたが、その歴史が途切れそうになっていた。尊富士の十両陥落が確実な状況で、同じく青森県出身の錦富士は、千秋楽まで十両で自力優勝の可能性を残す活躍。尊富士と入れ替わる形で、青森県出身力士の幕内在位142年の歴史を守った。
欧勝海
27日、新番付で先場所西十両筆頭で9勝6敗だった欧勝海の新入幕が決定した。この日、部屋宿舎のある佐賀・唐津市で会見した欧勝海は「やっとスタートラインに立てた。満足せず、上を目指したい。同じ津幡町出身で横綱がいるので近づいていけたら。まずは対戦できるところにいきたい」と、同郷の石川・津幡町で、小学生のころから1学年先輩だった大の里への憧れを口にした。
千代翔馬
1場所ぶりの返り入幕。