Data #10:今場所の目玉商品

大の里

29日、茨城県牛久市での夏巡業、師匠の二所ノ関親方の地元でファンから歓声を浴びた。「たくさんの茨城のファンが来てくれてうれしい。(所属する)部屋の近くですし、会場は熱気がある」と喜んだ。稽古では、王鵬と連続で5番取った。喉輪に後退する場面もあったが、圧力を受け止めて押し返すなど4勝。「先場所は負けている。しっかり頑張りたい」と気を引き締めた。師匠は弟子の動きについて「良くも悪くもない」と評していた。

豊昇龍

「左拇趾、脱臼骨折」のため夏巡業を初日から休場。7日、茨城県古河市から合流。最終日は、ぶつかり稽古などで汗を流した。23日、新潟市巡業で痛めた左肩にはテーピングを施さず「長い夏巡業が今日で終わりだけど、楽しかったし、キツかった。頑張りたい」と話した。連日の満員御礼にも感謝した。

琴櫻

26日、愛知県刈谷市での夏巡業、王鵬と8番連続で相撲を取って調整。「やれることをやっただけ」と冷静に振り返った。移動も過酷だが「必要なことをやってきた。ただ、やれることは限られている。その中でしっかりできることをしている」。春場所から3場所連続で8勝7敗。秋場所での逆襲へ、着実に仕上げていく。

若隆景

関脇若隆景が大関とりに挑む。直近2場所は小結で12勝、関脇で10勝。今場所で11勝を挙げれば、大関昇進の目安とされる三役で「3場所合計33勝」に到達。現在の大関は琴櫻ひとりで、東西がそろうことが期待されるだけに、10勝でも昇進される見方が強い。

霧島

29日、茨城県牛久市での夏巡業、琴勝峰らと計14番の相撲を取り、多彩な攻めで9勝。元大関は「いつも通りですね」と振り返った。12日に右手首の骨にヒビが入る怪我で13日に離脱。25日に巡業に合流し、27日に相撲を取る稽古を再開。「みんな体があちこち痛いのは同じ」と泰然自若。場所前は豊富な稽古量で初日に向けて調整するのが霧島のスタイル。「たくさん稽古していないと言い訳になってしまう」と明かした。

高安

7日から急性腰痛症などで巡業を途中休場。25日、石川県金沢市から復帰。この日はぶつかり稽古で欧勝海、白熊に精力的に胸を出した。巡業終盤へ「基礎運動は怠らずにしっかりやって、体の調子を見て稽古していきたいと思う。一番はケガをしないこと。再発に気を付けて最後までやりきりたい」と語った。

安青錦 [新小結]

新小結。ウクライナ出身初の三役。初土俵から所要12場所は、小錦、朝青龍、琴欧洲の14場所を抜いて歴代1位のスピード昇進。新入幕から3場所連続で11勝を挙げ三賞を受賞。3場所連続の2桁勝利は、阿武咲、大の里に続き戦後3人目の快挙。4場所連続となれば戦後初となる。また、安治川部屋からは安治川親方が創設してから、初の三役力士誕生。

玉鷲

20日、青森市の夏巡業から「変形性腰椎症、急性腰痛症」で休場。2022年11月場所以来となる、三役復帰を果たしていれば、能代潟が1936年1月場所を小結で迎えた40歳7カ月の最高齢記録(昭和以降)を、89年ぶりに更新することになっていた。ただ、今場所で勝ち越せば、三役復帰は確実。旭天鵬と並ぶ最年長勝ち越し記録を、単独記録に更新することになる。

熱海富士

27日、静岡市駿河区での夏巡業、熱海市出身の熱海富士が故郷で相撲ファンを沸かせた。中入り後の取組では、祖父が昭和の大横綱・大鵬の孫にあたる王鵬を破り、約3500人の観衆から歓声を浴びた。「地元に帰ってきて温かく迎え入れてもらってうれしい」。現在、幕内通算99勝で節目の100勝は目前。

琴勝峰

先場所、史上37人目の平幕優勝を飾った琴勝峰は、東前頭5枚目となった。平幕Vから連覇を果たせば史上初の快挙となる。

大栄翔

21日、両国国技館で行われた健康診断で復活に意欲を示した。場所をテレビ観戦し「自分が部屋にいて不思議な感じ。もっと頑張りたいと思った」と複雑な心境を明かした。20日からぶつかり稽古を再開するなど、回復は順調だという。大関とりは振り出しも「戻ることはもちろん、さらに上を目指してやっていく。しっかり治して頑張りたい」とキッパリ。

時疾風

11日、宮城県仙台市での夏巡業、ご当所でたくさんの声援を浴びた。昨年の同巡業は十両で、今回が初めて幕内として迎える地元での巡業。しこ名が呼ばれる度に会場は大盛り上がりで「タオルを持ってくれている人、うちわを持ってくれている人、『サインをください』という言葉も、たくさんかけてもらったのでありがたい」と感謝した。

朝紅龍

22日、福島市の夏巡業で復帰。腰痛で途中離脱していた。9番の相撲を取り「巡業はいろいろな人と相撲が取れてきた甲斐がある」とうなずいた。名古屋場所では負け越しも「来場所の勝ち越しを目指してしっかり稽古したい」と気合。今後も部屋頭として名門・高砂を引っ張る。

湘南乃海 [返り入幕]

2場所ぶりの返り入幕。腰痛で夏巡業を途中離脱。

友風 [返り入幕]

8場所ぶりの返り入幕。

錦木 [返り入幕]

2場所ぶりの返り入幕。夏巡業を途中離脱。

竜電 [返り入幕]

2場所ぶりの返り入幕。

日翔志 [新入幕]

新入幕を果たした。28歳の日翔志は、2021年夏場所で初土俵も、三段目時代の稽古中に首を大けがし、3場所連続で全休した苦労人。名古屋場所、東十両6枚目で10勝5敗。追手風部屋からの新入幕は翔猿以来。日大出身では、先場所の草野以来44人目。東京都出身では、2023年九州場所の東白龍以来、戦後34人目となった。

夏巡業休場力士

豊昇龍「左拇趾、脱臼骨折」、大栄翔「右腓腹筋断裂」、明生「腰椎椎間板ヘルニア」、尊富士「右上腕二頭筋腱断裂」、翔猿「右肘関節亜脱臼、右肘内側側副靱帯損傷、変形性肘関節症」、宇良「右大腿内転筋挫傷」、獅司「急性胃潰瘍」、友風「右腓骨神経麻痺」/翔猿25日から合流。