Data #10:今場所の目玉商品

照ノ富士

8月6日、岐阜市で行われた夏巡業を「糖尿病、両変形性膝関節症で1週間の休養加療を要する見込み」との診断書を提出し休場。
自らのコンディションについて「(左ヒザは)大丈夫」としながらも「体重は(持病の)糖尿病の影響で10キロ以上やせている」と苦しい現状を説明。
それでも「途中で相撲を取れなくなったけど、横綱土俵入りで夏巡業を盛り上げることができた。土俵入りを楽しみにしているファンの人も多いので良かった」と一人横綱の自覚をにじませた。
次の目標については「11回目(の優勝)。それしかなくない?」と即答。
秋場所での連覇に向けて、闘志を燃やしていた。

琴 櫻

9日、神奈川・横須賀で行われた夏巡業で、早朝に腰痛を発症。
その後、1日しか実戦稽古を積めず夏巡業を終える。
「休むという感覚があまりないからやれない方が怖い。やれるならやりたい。稽古してないから気持ち悪い」と秋場所への調整面の不安を口にした。

豊昇龍

名古屋場所を13日目から休場しており、夏巡業も右内転筋挫傷のため休場。
23日、東京・大田区で行われた夏巡業に合流。
朝稽古で幕下以下の力士に胸を出し「大関として巡業には出ないといけない。残り3日間に出るだけでも違う」と責任感を示した。
相撲を取る稽古は、26日の番付発表後に再開予定。
昇進後、まだ優勝はないが「4人もいた大関が2人になってしまった。責任をもって頑張る」と口元を引き締めた。

阿 炎

24日、神奈川・座間市で行われた夏巡業で関脇・阿炎が急性腰痛症で離脱となった。
その日、午後の土俵入りと取組には参加する予定だったが、直前に腰痛を発症。
「立った時に(痛みが出た)」と、支度部屋でうつ伏せの状態から起き上がった際に痛めたという。
その後は付け人の肩に両手を当てながら、会場を後にした。
巡業部副部長の若松親方によると、ぎっくり腰のような症状だという。
秋場所は、3場所連続の関脇で挑む。

大の里

18日、札幌市で行われた夏巡業で関脇・大の里が朝稽古で申し合いに参加。
成績次第で大関昇進の可能性がある秋場所に向け「状態は上がってきた。けがをしないことが一番。体調管理をきちんとやりたい」と気合を入れた。
秋場所で12勝を挙げれば、大関昇進の目安とされる直前3場所の合計33勝に届く。
「いい成績を残せるように残りの巡業もしっかりと頑張る」と表情を引き締めた。
25日に終了した夏巡業の申し合いでは、前に出る相撲に磨きをかけた。
「名古屋場所は良くない成績だったが、自分を大きく成長させてくれた。秋場所は思い切って、自分の相撲を取っていく」と闘志を燃やしている。
秋場所は、2場所連続の関脇で挑む。

霧 島

21日、青森県・つがる市で行われた夏巡業で15番の申し合い稽古を行った。
阿炎、大の里、大栄翔、平戸海といった三役陣らを相手に計15番。
約1週間ぶりの申し合い参加で「体が重かった」と言う。
関取衆では最多の番数を精力的にこなし「もうちょっとやりたかった」と、さらにペースを上げることを見据えた。

貴景勝

2019年秋場所以来の関脇に。
当時、優勝同点の12勝3敗で大関に返り咲いた。
師匠の常盤山親方によると場所後は痛みを抱える首の治療に専念。
夏巡業を「頸椎椎間板ヘルニア」で休場。
8月中旬から部屋の稽古に合流し、秋場所に向けた調整を進める。
秋場所は、10勝で大関復帰を目指し挑む。

平戸海

神奈川県・座間市で行われた夏巡業で、朝稽古の申し合いを計10番とり、精力的に汗を流した。
先場所新三役で10勝、初の三賞(技能賞)受賞のホープは「自信はついた。三役で通用することは分かった」。
警戒される事について「よく稽古で指名してもらえるので、今までと変わってきている感じはする」と語る。
秋場所は、大関昇進の足場固めを狙い「まずは勝ち越せたらいい」と控えめ。

隆の勝

23日、夏巡業に参加し、申し合い稽古には参加せず、ぶつかり稽古で幕内力士に胸を出す。
「(先場所)一日一番取ることに集中できた。(12勝出来て)良かったし自信にもなったけど、一場所だけじゃ意味がない。これからも勝ち続けられるように、しっかり考えて稽古したい」と語る。
「2桁勝ちたいし、三役に戻りたい。だんだん自分の相撲が確立できているし、その力を出す準備はできている」と闘志を燃やす。

遠 藤

夏巡業を両変形性膝関節症で休場。

狼 雅

夏巡業を左腓腹筋肉離れで休場。

阿武剋[新入幕]

26日、記者会見し「相手も強くなる。
もっと必死に頑張って、2桁白星を目指していく」と意気込んだ。
神奈川・旭丘高から進んだ日体大では大の里と同学年。
「頑張って近づき、早く対戦したい」とライバル心を燃やす。
元学生横綱は、幕下15枚目格付け出しからわずか5場所で新入幕。
師匠の阿武松親方は「学生で実績を残したので、順調に上がってくれてうれしい。ここは通過点として、まだ上を目指してほしい」と期待を寄せた。

白 熊[新入幕]

22日、福島市で行われた夏巡業で、県内の巡業初登場。
子供を中心に大きな声援を浴びた。
会場から電車で1時間ほどの県中地区の須賀川市出身。
福島市は、大波3兄弟の出身地。
白熊も大波兄弟に劣らずの大きな声援を受けた。
「子供から“シロクマ”っと呼んでもらってうれしかった。それが相撲を頑張れるきっかけにもなっている」。
新入幕の白熊は、新潟・能生(のう)中、海洋高、日体大出身。
大の里の1学年先輩にあたる。
幕内の土俵を席巻する弟弟子に続く活躍を狙う。

北の若

3場所ぶりの返り入幕。