大相撲ニュース

■過去の情報■

2020/01/26

大相撲ニュース!


豪栄道


大相撲の西大関豪栄道(33)=本名沢井豪太郎、大阪府出身、境川部屋=が現役を引退する意向を固めたことが27日、分かった。
師匠の境川親方(元小結両国)から、日本相撲協会に伝えられた。
引退の手続きを経て、正式に発表される。
今後は境川部屋付きの親方として後進の指導に当たる見通し。
豪栄道は初場所12日目の23日、関脇朝乃山に寄り切られて8敗目を喫して2場所連続での負け越しが決まり、3月の春場所で関脇に転落することが決まっていた。
左足首のけがで昨年11月の九州場所を途中休場し、初場所は9度目のかど番で迎えていた。
名門の埼玉栄高で高校横綱に輝き、境川部屋に入門して2005年初場所で初土俵。
右四つで頭をつけた低い攻めを武器に、07年秋場所で新入幕を果たした。
14年の名古屋場所後に大関に昇進し、在位期間は史上10位となる33場所。
16年秋場所で唯一となる優勝を全勝で飾った。
近年はけがに苦しみ、休場とかど番を繰り返した。
昨年の九州場所は左足首を痛めて2日目から休場。
初場所も初日から3連敗するなど不振で5勝10敗だった。
三賞は殊勲賞が5回、敢闘賞と技能賞をそれぞれ3回獲得。
通算成績は696勝493敗66休。
次の春場所は大関が貴景勝だけとなり、1982年初場所の琴風(現尾車親方)以来38年ぶりに1大関となる。
豪栄道らしい、潔い引き際だ。
地元大阪で迎える次の春場所で10勝すれば大関に復帰できるが、その道を選ばずに現役を退くことを決めた。
硬派な力士だった。
土俵に上がる以上、負けても言い訳は一切しなかった。
けがをしていても、痛いだのかゆいだのという言葉を聞いたことがない。
だが本当は、周囲が考える以上に、33歳の体が限界を迎えていたようだ。
大関に昇進した際の口上は「大和魂を貫く」。
その真意を「日本人の我慢強さや、潔さを込めた」と語った。
入門から15年、その通りの相撲道を貫いた。
口上を述べた伝達式は、師匠の境川親方の誕生日だった。
一連の行事が終わると、部屋の若い衆が誕生日ケーキを式の会場に持ち込んだ。
しかし、親方は「今日は豪太郎(豪栄道の本名)の日じゃあ!」と一喝。
豪栄道の潔さは、師匠譲りだった。
結果的に最後の相撲となった初場所千秋楽の阿武咲戦。
右四つの得意の形になりながら豪快に投げられた。
右腕から背中に土をべっとりつけた大関は、悔しいというより神妙な表情でゆっくりと土俵を踏み締め、一礼して土俵を下りた。
10歳下の若手に完敗したこの時、すでに気持ちを固めていたのかもしれない。
稀勢の里(現荒磯親方)、栃煌山、妙義龍など同学年の力士とともに、一時代を築いた。
くしくも同じ「黄金世代」の徳勝龍が初優勝した場所で、土俵に別れを告げる。
早すぎる気もするが、自らの相撲道を貫く決断なのだろう。



大相撲 豪栄道
豪栄道の相撲を、もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/26

初場所 千秋楽後情報!


豪栄道


かど番の場所を5勝で終え、「自分が持っている力は全部、出し切った」。
来場所は地元の大阪での春場所。
巻き返しを問われ、「今はまだ答えられない」。

貴景勝


優勝が懸かっていた徳勝龍に結びで敗れる。
「勢いにのまれた。負けた者は何も言えない。一生懸命やったが、大関の資格がない」

朝乃山


新関脇の朝乃山(25=高砂)が、1つ上の番付に挑戦する。
平幕の竜電を浴びせ倒しで破って10勝目を挙げ、春場所(3月8日初日、大阪・エディオンアリーナ)での大関とりの挑戦権を得た。
小結だった昨年九州場所は11勝で、これで合計21勝。
「三役で3場所33勝」が大関昇進の目安となっている中、近大出身の朝乃山にとって第2の故郷とも言える大阪で気を吐く。
圧倒的な力強さを、朝乃山が見せつけた。
すでに10勝を挙げている好調な竜電に、立ち合いでつっかけられた。
それでも動揺は全くない。
2度目の立ち合い。
強烈な右のかち上げでぶつかり、瞬時に右を差してまわしを取った。
得意の右四つになると、一気に前に出て豪快に浴びせ倒した。
「勝っても負けても次につながる相撲を取りたかった」。
その言葉どおり、10勝目を挙げたことで春場所での大関とりが現実的となった。
審判部の境川審判部長代理(元小結両国)は「右差しにこだわるのは立派」と評価。
春場所が大関とりになることについては明言こそしなかったが「権利、チャンスはあると思う。両横綱が出て堂々といい成績なら。そういう(大関とりの)声が出るように頑張って欲しい。力は十分にある」と期待をかけた。
支度部屋で髪を結ってもらう時、ちょうど結びの一番がテレビ画面に映った。
近大の先輩の徳勝龍が優勝したのを見届けると「うれしいけど、悔しいです」と本音をポロリ。
場所中の18日深夜に同大相撲部の伊東監督が急逝。
優勝争いに絡むことはできなかったが「2桁勝って恩返しができたと思います」と柔和な表情を見せた。
大関昇進の目安となる「三役で3場所33勝」のためには、春場所で12勝以上が必要。
加えて横綱、大関を撃破するなど、内容も問われる。
大関とりの場所については「今は考えません」と一言。
つかの間の休みで充電し、第2の故郷の大阪で大暴れする。

遠藤


殊勲賞はこの他、2横綱1大関を破った東前頭筆頭の遠藤が初受賞で、三賞は5度目。
2横綱を倒し、初の殊勲賞。
後半戦はもたつきながらも、9勝を挙げて「自分の相撲を立て直せた。来場所もしっかり頑張る」。

北勝富士


押しを武器に11勝を挙げて2度目の技能賞を受賞。
「想像していなかった。技能として評価されたのはうれしい」と笑顔。

御嶽海


大相撲初場所千秋楽の26日、上松町出身の西前頭二枚目の御嶽海(本名大道久司、出羽海部屋)は、西前頭四枚目の正代に押し出しで負け、七勝八敗で終えた。
先場所に続く負け越しで、二場所連続は初めて。
優勝争いをしている正代に、御嶽海は立ち合いで低く当たり、左で前まわしを狙ったが、正代の出足鋭く、差しにいった右も封じられて押し込まれた。
俵に足をかけて粘ったが、いなそうと体を右に開いたところを押され、土俵を割った。
2017年初場所以来の平幕で迎えた今場所。
序盤に朝乃山、高安、貴景勝といった上位陣に勝てず波に乗れなかった。
9日目からの3連勝で勝ち越しにあと1勝と迫るも、12日目から4連敗を喫した。

正代


西前頭4枚目で千秋楽まで優勝を争って13勝の正代が2場所連続4度目。

霧馬山


新入幕で11勝の活躍だった23歳の霧馬山も受賞した。
新入幕の場所を8連勝で締めて11勝。
敢闘賞を獲得し、「最後も自分の相撲を取ろうと思った。場所前の稽古が良かった。うれしい」。

徳勝龍


大相撲初場所千秋楽(26日、東京・両国国技館)で大関貴景勝(23=千賀ノ浦)を下し、14勝1敗で初優勝を飾った幕内徳勝龍(33=木瀬)が、ウィットに富んだ優勝インタビューで館内を沸かせた。
2000年春場所の貴闘力以来の幕尻Vに「優勝していいんでしょうか…」と話して観衆を爆笑させると、歓声を浴びて「喜んでもらえて良かったです」と笑顔で語った。
さらにインタビュアーから優勝をいつ意識したか問われ「意識することなく…」と言ったところで「めっちゃ、意識していました」「バリバリ(優勝)インタビューの練習していました」と続けてちゃめっ気たっぷり。
笑顔でインタビューを受けていた徳勝龍の表情が変わったのが、18日に恩師の近大相撲部・伊東勝人監督が55歳で急死したことに触れたとき。
「監督が見てくれていたというより、一緒に戦ってくれた」と言い、涙を浮かべて天を仰いだ。
それでも、最後は「もう33歳ではなく、まだ33歳と思って頑張りたい。(番付は)いけるとことまでいきたい」と力強く締めた。
ベテランらしいインタビューの受け答えで、今後も注目を集めそうだ。

春場所は38年ぶり1大関


大相撲初場所で大関豪栄道の陥落が決まり、昇進する力士もいないため、3月の春場所では大関が貴景勝1人になる。
番付上の1大関は、琴風だけだった1982年初場所以来で38年ぶり。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/25

初場所 千秋楽情報!


貴景勝


貴景勝は朝乃山を攻め切れず、上手を与えて投げを食う痛恨の黒星。
2度目の賜杯獲得が消滅し、負け残りの土俵下では悔し涙をこらえるかのように歯を食いしばった。
白鵬と鶴竜の2横綱が休場した場所。
大関として千秋楽まで優勝の可能性を残せず、「もっと強くならないといけない。負けて得るものもあるが、勝って得るものの方が多い。きょうが大事だった」と自らのふがいなさを責めた。

朝乃山


新関脇の朝乃山(25=高砂)が、令和初の天覧相撲で意地の9勝目を挙げた。
優勝争いに絡んでいた大関貴景勝を上手投げで撃破。
3月の春場所での大関とりに向けて足固めとなる10勝に王手をかけた。
優勝争いでトップに立つ、近大相撲部先輩の徳勝龍に刺激を受けながら千秋楽に向かう。
徳勝龍に負けた正代が1差に後退し、貴景勝の優勝は消滅した。
賜杯を抱くことはできなくても、絶対に負けられない一番だった。
馬力のある大関相手に、立ち合いで突き放されて土俵際へ。
体を密着させて何とかこらえて、左上手を取った。
「絶対に離さない」。執念でつかみ続け、土俵際で上手投げ。
次は貴景勝に驚異的な粘りで残られたが、再び上手投げ。
ぎりぎりまで体を残して、貴景勝が先に落ちるのを見届けた。
まさに注目の一番だった。
優勝に向けて後がない貴景勝と、来場所での大関とりに向け2桁勝利が必要な朝乃山。
取組前に八角理事長(元横綱北勝海)は、天皇陛下に「どちらも負けられない一番です」と説明。
熱戦をご覧になった天皇陛下は「いい一番でしたね」とお話しになり、八角理事長は「よく残ったと思います」と話した。
それでも朝乃山本人は「本当は前に出ないといけない。相撲内容は悪かった」と反省した。
先輩の背中を見て発奮する。
優勝争いトップの徳勝龍は、同じ近大出身で7学年上の先輩。
巡業では食事に誘ってもらうなどしてかわいがってもらっているという。
「青木さん(徳勝龍)の相撲を見ていたので」と徳勝龍が勝ったことで、より気合が入っていた。
「ここまで来たら頑張って欲しい」と言いつつも、すぐに「でも優勝したらやっぱり悔しい。いい刺激になる」と引き締めた。
2桁白星に向けて「自分の相撲を取り切るだけです」と欲は出さない。
「本当は優勝争いに入りたかったけど、もたもたして入れなかった。後は来場所につながる相撲を取りきるだけ」と静かに闘志を燃やした。

北勝富士


輝を押し出して、東前頭2枚目で自己最多に並ぶ11勝目。
「相手は上体が高いので、下から攻めていった。これも日々の積み重ね」

御嶽海


勝ち越しに王手をかけてから3連敗で千秋楽へ。
「負けても自分の相撲を取れればいいんじゃないですか」とぶっきらぼうに。

炎鵬


大相撲初場所(東京・両国国技館)で幕内炎鵬(25=宮城野)が“主役級”の大活躍だ。
自己最高位の西前頭5枚目で1大関を含む三役陣4人を撃破。
13日目(24日)には勝ち越しも決めた。
関取最小兵となる身長168センチ、体重99キロの体から繰り出す多彩な技で大きな相手を翻弄。
いまや横綱や大関にも負けない人気を誇っている。
来場所以降も「炎鵬旋風」は続くのか。
炎鵬は小結阿炎(25=錣山)の突っ張りをかいくぐって懐に飛び込むと、相手の左足を両腕で抱えながら鮮やかな足取り。
三役陣と初めて顔を合わせた今場所は1大関、2関脇、1小結を撃破し、白鵬(34=宮城野)と鶴竜(34=陸奥)の両横綱が不在の中、ファンを沸かせている。
強敵揃いの幕内上位での勝ち越しに「自分でも驚いています。今まで(場所の)後半戦で勝てないことが多かった。少し成長できたのかな」と大きな手応えを得た様子。
兄弟子で休場中の白鵬に対しては「いい報告ができる」と喜んだ。
次の春場所(3月8日初日、大阪府立体育会館)では、さらなる番付上昇が確実。
そこで好成績を残せば、新三役の地位も夢ではない。
今後も「炎鵬旋風」は続くのか。
審判部副部長の錦戸親方(57=元関脇水戸泉)は「相手が炎鵬の術中にはまっている。タイミングをずらすのがうまい。体が小さいから、やりにくいだろうね」と好調の要因を分析する。
一方で「あとはケガ。舞の海も小錦に押しつぶされてケガをした」と指摘した。
小兵力士の代表格である舞の海は1996年7月場所で体重が約200キロ重い小錦にのしかかられて左ヒザを大ケガ。
2場所連続で休場し、それ以降は番付も下降線をたどった。
今場所の炎鵬も取組後の支度部屋では首から背中にかけて入念にアイシングを施すなど、体が悲鳴を上げつつある。
大型力士との激闘が続けば、故障のリスクが高まるのは小兵の宿命。
幕内屈指の人気者の今後はそんな宿命との闘いにかかっている。

琴奨菊


幕内700勝。
区切りの白星で幕内残留も確実にし、「すごいことだよね。これからの頑張りが一つ一つ、ご褒美になっていくと思う」。

霧馬山


碧山に逆転勝ちし、新入幕で10勝目。
「相手の突っ張りが強くて危なかったが、勝ててよかった。あしたもいつもの気持ちでやりたい」と笑み。

徳勝龍


大相撲初場所14日目(25日、東京・両国国技館)、幕内徳勝龍(33=木瀬)が幕内正代(28=時津風)を突き落として13勝目。
1敗同士の直接対決を制して、初優勝に王手をかけた。
取組後は「自分は一番下の番付(西前頭17枚目)。
それより下がないので思い切りいくだけ。
(優勝は)いろいろ言われるけど、全然意識することはない。千秋楽までしっかりやりたい」と表情を引き締めた。
千秋楽(26日)は徳勝龍が大関貴景勝(23=千賀ノ浦)に勝てば優勝が決定。
1差で追う正代が負けた場合も徳勝龍の優勝となる。
2敗同士で並んだ場合は、両力士による決定戦が行われる。
徳勝龍が優勝すれば奈良県勢としては1922年の鶴ヶ浜以来、98年ぶりの快挙となる。

千秋楽


大相撲初場所、26日の千秋楽は優勝争いで単独トップに立つ前頭17枚目の徳勝龍が結びの一番で大関・貴景勝と対戦します。
千秋楽の結びで、幕内で最も下位の番付、「幕尻」の力士が相撲を取るのは昭和以降では初めてです。
初場所は25日の14日目、前頭17枚目の徳勝龍が前頭4枚目の正代との1敗どうしの直接対決を制し、単独トップに立ちました。
日本相撲協会の審判部は、この結果を受けて26日の千秋楽の取組を決め、結びの一番で徳勝龍と大関貴景勝との対戦が組まれました。
千秋楽の結びの一番で平幕の力士が相撲を取るのは48年ぶりで、「幕尻」の力士は、昭和以降では初めてです。
初場所は26日の千秋楽で先に土俵に上がる正代が敗れるか、結びの一番で徳勝龍が勝てば、徳勝龍の初優勝が決まります。
日本相撲協会の審判部長代理を務める境川親方は、「横綱不在の場所で本来なら大関どうしの対戦になるが、豪栄道は成績があがっていないし優勝のかかっている一番だからこのようにした」と説明していました。

天皇ご一家が大相撲観戦


天皇、皇后両陛下と長女愛子さまは25日、両国国技館(東京都墨田区)で開かれた大相撲初場所の14日目を観戦された。
令和になって初めての天覧相撲で、両陛下の観戦は2017年5月以来、約2年半ぶり。
ご一家は午後5時頃に会場入りし、貴賓室から幕内の9番を観戦。
身を乗り出すように土俵を見つめ、一番が終わるごとに大きな拍手を送られた。
愛子さまは幼い頃、力士のしこ名や出身地を覚えるほどの相撲ファンで、約12年半ぶり3回目の観戦となったこの日は、メモを取りながらご覧になっていた。
説明役を務めた日本相撲協会の八角理事長によると、優勝争いをしていた貴景勝関と朝乃山関の一番で、朝乃山関が上手投げで勝利すると、陛下は「いい一番ですね」と話された。
愛子さまも「土俵の高さは何センチですか」などと熱心に質問されていた。
同協会によると、国技館での天覧相撲は戦後の1955年に始まり、昭和時代は40回、平成時代は23回行われた。
両陛下は皇太子夫妻時代に計7回、国技館で観戦されている。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/25

初場所 14日目情報!


貴景勝


貴景勝は気迫十分だった。
高安のかち上げにひるまず、左差しを許さない。
激しい突っ張りを受けても前進し、はたきやいなしにも落ちなかった。
「気持ちと気合をしっかり入れて夢中でやった」。
鼻血を出すほどの激しい応酬を制した。
炎鵬、自己最高位で給金
正代と徳勝龍が白星を挙げ、敗れれば優勝の可能性が消えていた一番でも心は乱れなかった。
「自分が硬くなる必要はない。また集中して取っていきたい」。
逆転での賜杯奪取へ気持ちを高めた。

豪栄道


大相撲初場所(東京・両国国技館)で世代交代が本格化する兆しを見せている。
白鵬(34=宮城野)と鶴竜(34=陸奥)の両横綱が途中休場したのに加えて豪栄道(33=境川)が大関からの陥落が決定。
30代半ばの看板力士が総崩れとなる一方で、20代の力士たちの活躍が目立っている。
このまま新旧交代が加速していくことになるのか。
初場所12日目(23日)、カド番大関の豪栄道が新関脇朝乃山(25=高砂)に寄り切られて痛恨の負け越し(8敗目)。
関脇へ転落することが決まった。
取組後は「(負け越しは)力がなかったということ」と肩を落とした。
昨年11月場所は左足首のケガで途中休場。
相撲を取る稽古を再開したのは年明けからで、調整不足も響いた。
師匠の境川親方(57=元小結両国)は「しっかり下半身をつくって稽古をすれば、まだまだ力はある」と現役を続行させる構え。
次の春場所(3月8日初日、大阪府立体育会館)で大関復帰(10勝以上)を目指す方向だ。
ただ、4月で34歳となるだけに、大関への復帰条件となる10勝は決して簡単ではない。
日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)も「相当な覚悟と気力が必要」と指摘した。
大関が関脇へ陥落するのは、昨年の名古屋場所から4場所連続。
来場所の大関は貴景勝(23=千賀ノ浦)だけとなり、1982年初場所の琴風(現尾車親方)以来38年ぶりに一人大関となる。
八角理事長は「現状では仕方がない。若手がチャンスだと思って頑張らないといけない」と若手力士の奮起を求めていたが、すでに土俵では世代交代の兆候が表れている。
豪栄道が負けた相手が次の大関をうかがう朝乃山だったのは象徴的。
優勝争いも1敗の幕内正代(28=時津風)を筆頭に3敗までのV圏にいる6人中5人が20代の力士だ(12日目終了時点)。
十両でも琴ノ若(22=佐渡ヶ嶽)、豊昇龍(20=立浪)ら若い世代が白星を先行させている。
新年最初の場所を節目に、このまま一気に新旧交代が進んでいくのか。
今後の動向に注目が集まる。

朝乃山


新関脇で勝ち越しも「通過点じゃないですか。目標にしてきた2桁白星のチャンスはある。諦めずに取り切りたい」。

阿炎


7場所ぶりの負け越し。
「悔しいが場所前に調整ができなかったので仕方ない。また一から頑張ろうと思った」とさばさば。

遠藤


2横綱1大関を破る3連勝スタートから後半戦に失速したものの給金を直す。
「年が変わって最初の場所で勝ち越せてよかった」と安堵の声。

正代


大相撲初場所13日目(24日・両国国技館)大関貴景勝は関脇高安を押し出して2敗を守った。
平幕の正代、徳勝龍はともに1敗を保って首位をキープし、賜杯の行方はこの3人に絞られた。
正代は輝を寄り切り、徳勝龍は豊山を突き落とした。
日本相撲協会広報部によると、13日目を終えて複数の平幕力士でトップを占めるのは、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降初めて。

炎鵬


大相撲初場所13日目は24日、両国国技館で行われ、炎鵬が小結阿炎を破り、勝ち越した。
国技館全体が揺れるような大歓声に包まれた。
炎鵬が阿炎を足取りで破ると、炎鵬コールが館内に響いた。
「体が震えるほどうれしかった」。
3連勝で勝ち越しを決め、168センチで幕内一の小兵は感慨を込めた。
「小よく大を制す」という相撲の醍醐味が存分に詰まった一番だった。
長い腕から繰り出される阿炎の突っ張りに、土俵際まで押し込まれた。
とどめを刺そうと相手が腕を伸ばした瞬間、形勢を一変させた。
しゃがみこんで視界から消えると、目の前にあった右脚を抱えた。
渾身の力で持ち上げて阿炎の体を宙に浮かせると、そのまま土俵外に運び出してみせた。
阿炎は155キロで、炎鵬は99キロ。
歴然とした体格差での完敗に、阿炎は目を丸くした。
「久しぶりに抱っこされた。力が強いですね」。
悔しさより驚きが大きかった。
炎鵬は自己最高位の前頭5枚目で今場所を迎えた。
両横綱が休場したこともあり、役力士との対戦が続いた。
豪栄道、朝乃山、高安と実力者を相次いで撃破し、三役相手に5戦4勝。
土俵で存分に暴れ、ファンに優勝争いとはひと味違った楽しみを届けている。
炎鵬自身、格上の力士との対戦が楽しくて仕方ないのだろう。
「『一丁やってやるか』みたいな。相手も嫌でしょうし」とニヤリ。
残り2番で、自身初の2桁勝利を目指す。

豊山


兄弟子の正代と優勝を争う徳勝龍を押し込みながら逆転負け。
「援護射撃を、と思っていたけど見事に不発でした」

照ノ富士


大相撲初場所13日目の24日、十両は元大関の照ノ富士(モンゴル出身、伊勢ケ浜部屋)が初日からの13連勝で2013年秋場所以来、2度目の十両優勝を果たした。
幕下は魁渡(新潟県出身、浅香山部屋)、三段目は勇磨(大阪府出身、阿武松部屋)がともに7戦全勝で制した。
序ノ口は埼玉栄高出身で先場所初土俵の二本柳(東京都出身、阿武松部屋)が7戦全勝で優勝。
序二段は元幕内で右膝の大けがにより番付を落としている宇良(大阪府出身、木瀬部屋)と旭勇幸(神奈川県出身、中川部屋)が7戦全勝で並び、千秋楽の26日に優勝決定戦を行う。

大相撲初場所14日目


大相撲初場所は14日目、1敗で優勝争いのトップに並ぶ平幕の正代と徳勝龍が注目の直接対決を迎えます。
初場所は13日目を終えて、前頭4枚目の正代と前頭17枚目の徳勝龍の平幕2人がともに1敗、2敗でただ1人、大関 貴景勝が追う展開です。
14日目の25日は、正代と徳勝龍が直接、対戦します。
2人の過去の対戦は、平成28年春場所の1回だけで、正代が寄り切りで勝っています。
今場所の正代は、前に出る圧力が増し組んでも離れてもみずからのペースに持ち込んで白星につなげてきました。
一方、徳勝龍は、3日続けて土俵際からの突き落としで逆転勝ちをするなど、際どい相撲を制してきました。
正代は土俵際でも慌てず、相手の動きをしっかり見極める落ち着いた相撲が求められます。
徳勝龍は、正代の体格をいかした強烈な立ち合いを止めることができるかが勝負の鍵を握りそうです。
貴景勝は、大関昇進に向けて足固めをしたい関脇 朝乃山との対戦です。
これまでの対戦では、貴景勝の3勝2敗ときっ抗しています。
先場所敗れた貴景勝は、場所前の稽古総見で朝乃山に6勝4敗と勝ち越したものの四つに組まれると不利になる場面も見られました。
貴景勝が立ち合いから持ち味の強烈な突き押しで一気に勝負をつけて優勝争いに踏みとどまることができるのか注目です。
朝乃山は、得意の左上手を取ってしっかりと胸を合わせて寄り切りたいところです。

2020年初場所


2020年初場所もすでに終盤。
冬の巡業で皆勤し場所前も好調と伝えられていた優勝候補筆頭の横綱白鵬は、初日は勝ったものの2日目から2連敗。
大方の予想通り、前半戦で連敗した後の休場。
横綱鶴竜も同じく5日目から休場。
これでまた初優勝力士が誕生するか注目が集まっている。
世間では一昨年あたりから白鵬、鶴竜以外の力士が優勝すると、世代交代か、両横綱はもう限界か、と言われていたが実はただ単に両横綱が休場、または途中休場している間に他の力士が優勝しているだけだ。
言い方を変えれば、両横綱が休場し次の場所に合わせ調整をして万全な状態で皆勤すれば、他の力士はまだまだ両横綱に太刀打ちできない状況が続いている。
特に白鵬に関しては、万歳三唱、手締め、自らの取組で自らが行った物言いなど許しがたい暴挙や、立ち合いの張り差しやエルボー、ダメ押しで審判部親方を負傷させるなど議論になるような事を散々行い、相撲界だけではなく世間からも叩かれているがどこ吹く風と優勝を重ねている。
とりあえず東京オリンピックまでは今までの通り、のらりくらりと“横綱業”を続けていくだろう。
今場所白鵬を撃破した遠藤についてこれでやっと世代交代かという声も聞かれているが、ある親方はこう言っていた。
「白鵬のかち上げに対応し勝ったのは良かったが、遠藤をはじめ他の力士は何をやっていたのか。かち上げを禁止にしろとか品格がないという声もあるが、反則ではない以上対応し勝機を見出す工夫が必要。あれだけ脇が開けば逆にこちらに有利になる。今の力士は工夫もなければ闘志もない。質が低すぎる」
千代の富士との猛稽古で番付を手に入れた八角理事長(元横綱北勝海)や、地獄の猛稽古と言われ、多くの関取を生んだ佐渡ヶ嶽部屋で耐え抜いて大関の地位を手に入れた事業部長の尾車親方(元大関琴風)は今の力士に何を思うのだろうか。
質、量ともに稽古に裏打ちされた自信を持ち、相撲に対する姿勢を親方衆からも尊敬されるような力士はこれから現れるのだろうか。
2020年初場所を前にした1月5日、大相撲ファンにとっては衝撃的ともいえるニュースが伝えられた。
大関候補1番手で新関脇の朝乃山が、引退して1年も経っている元横綱稀勢の里の荒磯親方と稽古を行い、17番取って1勝16敗と完敗。
引退の原因となった怪我が癒えてきているとはいえ、稽古も本格的にしていない親方に成す術もなく敗れるのが大関候補1番と呼ばれる体たらくだ。
「3年先の稽古」と相撲界では古くから言われているが、稀勢の里の現役時代は入門からライバル関係にあった元大関琴欧洲をはじめ、朝青龍に白鵬、日馬富士、鶴竜といったモンゴル勢、千代大海、魁皇、琴光喜、琴奨菊、把瑠都といった個性的な力士と切磋琢磨し、自分を追い込んで稽古をして頂点に上り詰めた。その稽古貯金は引退してたった1年では大した目減りはせず、大関候補1番手を簡単に土俵に転がしていた。
言い換えれば、目減りしていても関脇クラスに余裕をもって勝てるほど、若手力士が劣化している。
琴奨菊、玉鷲、松鳳山は35歳、白鵬、鶴竜、隠岐の海は34歳。30歳以上の幕内力士が19人もいる現状は、絶え間ない努力の賜物ではあるが、若手の力量不足も現役を長く続けていける理由だろう。

双葉山


世間をどよめかせた、1939年1月15日。
今から80年ほど前、69連勝中の横綱・双葉山が前頭の安芸ノ海に敗れるという大番狂わせが起こりました。
世間は「双葉が敗れた」と言って、天地が引っ繰り返るほどの騒ぎだったといいます。
なぜ、そんなに大騒ぎしたのでしょうか。
当時の大相撲は春秋の2場所制で、1場所が11日間。
1937(昭和12)年から13日制。
15日制になるのは、双葉山が敗れた次の場所となる1939年秋場所からなのです。
双葉山は 1936年1月場所の7日目から丸3年間も勝ち続け、 盤石の強さを見せつけました。
この時期の相撲人気はすさまじく、観衆は前夜から国技館に押し掛けました。
年6場所、1場所15日間の現在では想像もできない盛況でした。
1939年1月15日は、大相撲1月場所4日目。
日曜日で、藪入りの日でした。
初入幕の安芸ノ海が勝負後に打った電報
双葉山は初日から3日間勝ちっぱなしで、前人未到の69連勝。
この日の相手の安芸ノ海は前場所に初めて入幕を果たした新鋭です。
この取り組みに勝つと節日の70連勝に達するので、観衆は大きな期待を寄せ、盛んな声援を送りました。
仕切り直しを10回重ねて時間いっぱい、両者は立ち上がりました。
安芸が突っ張り、双葉がそれを突き返す。
安芸が右の前まわしを引き、右上手を取って頭をつけた。
双葉は上手が取れないまま、右からすくい投げを2度打つが決まらない。
双葉の体が後ろに反り返ったとき、 安芸は右前まわしを引きつけ、とっさに外がけを放った。
その瞬間、双葉の体は左から崩れて土俵下に落ちた
無敵の双葉山が負けた、場内は騒然となりました。
新聞は驚き、号外を出す騒ぎになりました。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/24

初場所 13日目情報!


貴景勝


薄氷を踏む思いで10勝目を挙げた。
栃ノ心に右差しで走られたが、捨て身の小手投げで逆転。
「一番させてはいけないことをしてしまった。勝負に勝って相撲で負けた」と敗者のような口ぶりだった。
正代と徳勝龍が1敗を堅持。
15日制が定着した1949年夏場所以降、12日目を終えて初めて平幕2人がトップを並走する中、ただ一人2敗で踏みとどまった。
「優勝争いに残っていることは感謝しないといけない。追いかける立場だけど、緊張することもないでしょ」。
残り3日。賜杯を抱いた経験を生かすのはここからだ。

豪栄道


朝乃山に寄り切られて8敗目を喫し、2場所連続負け越しで来場所の関脇への陥落が決まった。
大阪府出身の豪栄道にとってご当所となる次の春場所で10勝を挙げれば大関に復帰できる。
豪栄道は負け越しについて、「力が無かったということ」と多くは語らなかった。
九州場所で左足首を負傷した影響もあり、白星を伸ばせなかった。
大関陥落は貴景勝、栃ノ心、高安と続いており、これで4場所連続。
春場所で大関は貴景勝だけとなることが確実で、1大関は1982年初場所の琴風以来38年ぶりとなる。
大関を巡る異例の事態は、世代交代の時期が迫っていることを厳しく突きつけている。

正代


正代は1敗を守ったものの、前日の大栄翔戦に続く防戦。
阿炎の突きを受けてのけぞり、土俵際の突き落としで逆転勝ちした。
「きのうの悪いイメージが残っていて、きょうも勝つイメージがなくて」と取組前の不安を明かしたが、「最後まで相手がよく見えていた」と言うあたり、落ち着きは失っていないようだ。
トップに並んであと3日。
「(優勝争いは)初めてなんで。硬くなりつつあるような気はするけど」。
まだピンとこない様子だが、「一番一番、集中して」と自分に言い聞かせていた。

炎鵬


「大関候補」の呼び声も高い新関脇・朝乃山を破り、6勝5敗と白星を先行させた。
立ち合いで頭を下げ、朝乃山の懐に潜り込むようにして、左腕を相手の右脚に伸ばした。
狙いは「昨日の夜、急にひらめいた」という足取り。
だが、左手は朝乃山の膝の裏をわずかにかすめただけ。
それでも、慌てさせるには十分だった。
「足を取れないことも想定していた。迷いはなかった」と準備万全だった炎鵬。
突きにきた朝乃山に対し、今度はその右腕を手繰って引き寄せ、バランスを崩すことに成功した。
俵の上にかろうじて足を残した朝乃山を、最後にひと押しして、土俵から出した。
金沢学院東高時代の炎鵬にとって、隣県の富山商高で1学年上の朝乃山は良い稽古(けいこ)相手だった。
しかし、それぞれ金沢学院大、近大に進むと、朝乃山の体が大きくなったことで太刀打ちできなくなった。
そんな学生時代だったから、「勝てるとは思っていなかった」と感慨深げに話した。
遠藤、豪栄道では飽き足らないとばかりに今度は気鋭の朝乃山。
初顔の実力者を次々と破る快進撃だ。
「楽しいですね。毎日が経験です。自分はチャレンジャーだから、思い切りいくことしかできない。『何でもしてやろう』という気持ちです」と、目を輝かせた。

徳勝龍


勝ち込んでくると、とっさの技も決まるようだ。
徳勝龍は輝に右上手を引き付けられ、自分は取れない苦しい体勢。
寄られて俵に詰まったが、右からの突き落としが決まった。
「タイミングが良かった。狙ってできるもんじゃないので」3日目から10連勝。
優勝争いの話題は「一番下(幕尻)なんでプレッシャーを感じることもない」と受け流すが、土俵入りや取組前の歓声は日増しに大きくなる。
「やっぱりうれしい。モチベーションが上がります」。
古典的なお相撲さんらしい顔が少し緩んだ。

照ノ富士


優勝に王手をかけた。
2敗で追っていた西5枚目・大翔鵬との優勝争いの直接対決を制し、無傷の12連勝。
2敗力士が消えたため、13日目に勝てば2013年秋場所以来、6年4カ月ぶり2度目の十両優勝が決まる。
「思い通りの相撲だった」という通り、危なげない内容だった。
「まずは先に上手を取って、相手に取らせないで、じっくりと寄っていく」。
戦前の狙い通りにすぐに右四つとなり、左上手はいったん切れたがすぐに取り直し、右の下手も引きつけて寄り切り。
好調な相手を全く寄せ付けなかった。
優勝が近づいても「1番ずつ、来場所につながる相撲を取る。勝っても負けてもいいので」と意識は変わらない。
対戦相手が誰になるか少しは気にしているが「誰とやってもやることは一緒」と自分の相撲を取りきることだけに集中している。

浅香山親方怪我


元大関魁皇の浅香山親方は、初場所12日目の23日、幕下の取組で審判をしていた際に力士が土俵下に倒れ込み、右股関節を痛めた。
すぐに車いすで館内の診療所に運ばれ、以降の取組は1人欠いたまま続け、幕内後半は振分親方が代わりに入った。
13日目からは玉垣親方が代役を務める。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/23

初場所 12日目情報!


貴景勝


宝富士に何もさせなかった。
低く当たって相手の上体を起こすと、休まず攻めて押し出し。
連日の快勝にも「きょうは終わり。あしたはあしたの風が吹く」と表情を変えなかった。
他の役力士が軒並み振るわない中、平幕の2人を1差で追う。
「追い掛ける立場なのに優勝を意識する必要があるのかな、という感じ。自分の力が発揮できればいい」。
気負いはなさそうだ。

豪栄道


角番で既に7敗の豪栄道と、今場所後の大関復帰を逃した高安。
寂しい顔合わせになったが、豪栄道が先手を取って攻め、踏みとどまった。
両者とも休場があり、互いに大関だった2019年春場所以来の対戦だった。
立ち合いで低く当たったのは豪栄道。
左まわしは取れなかったが、構わず足を運んで得意の右差し。
かいなを返して相手の腰を浮かせ、寄り切った。
「今日のような相撲が取れればいい」と光を見いだしたようだ。
同じ出羽海一門の玉ノ井親方(元大関・栃東)は「力が落ちているわけじゃない。歯がゆいのは本人が一番分かっている」と、4月に34歳になる大関の心中を思いやる。
既に7敗し、「腹を決めてやるしかないんでね」と豪栄道。

正代


危ない場面をしのいで10勝目。
11日目を終えて2人の平幕力士がトップを走るのは1956年夏場所以来となった。
大栄翔に押し込まれながら、持ち味の土俵際の粘りを発揮。
「相手のペースだったが最後まで諦めなかったのがよかった」とほっとした表情を見せた。

炎鵬


「大関候補」の呼び声も高い新関脇・朝乃山を破り、6勝5敗と白星を先行させた。
立ち合いで頭を下げ、朝乃山の懐に潜り込むようにして、左腕を相手の右脚に伸ばした。
狙いは「昨日の夜、急にひらめいた」という足取り。
だが、左手は朝乃山の膝の裏をわずかにかすめただけ。
それでも、慌てさせるには十分だった。
「足を取れないことも想定していた。迷いはなかった」と準備万全だった炎鵬。
突きにきた朝乃山に対し、今度はその右腕を手繰って引き寄せ、バランスを崩すことに成功した。
俵の上にかろうじて足を残した朝乃山を、最後にひと押しして、土俵から出した。
金沢学院東高時代の炎鵬にとって、隣県の富山商高で1学年上の朝乃山は良い稽古(けいこ)相手だった。
しかし、それぞれ金沢学院大、近大に進むと、朝乃山の体が大きくなったことで太刀打ちできなくなった。
そんな学生時代だったから、「勝てるとは思っていなかった」と感慨深げに話した。
遠藤、豪栄道では飽き足らないとばかりに今度は気鋭の朝乃山。
初顔の実力者を次々と破る快進撃だ。
「楽しいですね。毎日が経験です。
自分はチャレンジャーだから、思い切りいくことしかできない。
『何でもしてやろう』という気持ちです」と、目を輝かせた。

豊山


連日の突き押し相撲で松鳳山を圧倒、難なく料理した。
「体が良く動いているし、いい内容だった」と顔をほころばせた。
立ち合いはほぼ互角。
突き合う展開となった。潜り込もうとする相手の動きを封じ、まわしを許さない。土俵際まで追い詰め、押し倒した。
「きれいに相撲を取ろうとすると相手に分がある。厳しく攻めることに徹した」。うなずきながら汗を拭った。
1敗で優勝戦線の先頭を走る正代が前日に松鳳山を破っている。
「昨日勝ってくれたのでいい形で入れた」と同じ時津風部屋の兄弟子に感謝する。
とはいえ、ともに賜杯を狙うライバル。
「同じ部屋で優勝を争うことはそうない。行けるところまで行きたい」と気合を入れる。
昨年は順調に滑り出しながら終盤で息切れするパターンが目立った。
今場所はその癖を修正し、日に日に自信を深めているように映る。
「一日一日必死にやっているだけ」と控えめだが、表情は晴れやかだ。
この日、豊山を含む2敗までの5人は全員が勝ち、大混戦の構図は変わらない。
あと4日、脱落するわけにはいかない。
「必死にやれば結果はついてくる」。風呂上がりに報道陣に語った。


三役経験豊富なベテラン、栃煌山を破っても顔色一つ変えずに花道を引き揚げていく。
ポーカーフェースで知られる輝らしく、首位と1差で臨む終盤戦にも「別に全然気にならない」。
普段通り、泰然自若として賜杯レースに食いついている。

徳勝龍


物言いがついた際どい一番を制し、「本当にたまたまうまくいっている。落ち着いて、やるべきことをやりたい」と気を引き締めた。
“相撲発祥の地”奈良県出身の力士として、98年ぶりとなる優勝も視野に入ってきた。
幕尻Vなら2000年春場所の貴闘力以来2度目となる。
正代も1敗を堅持。11日目を終えて平幕2人が首位に並ぶのは1956年夏場所の大晃、双ツ竜以来だ。
師匠の木瀬親方は「徳勝龍を慕って部屋に入る子もいる。うちの部屋にとって“福の神”だよ」と、人望の厚い弟子の躍進がうれしそうだ。
高校、大学の3学年後輩で、弟弟子でもある平幕の志摩ノ海も「面倒見がいいし、先輩ぶらない」と尊敬のまなざしを向ける。
優勝争いの中心として迎える残り4日。「周りは気にしません」。高い求心力をうかがわせる33歳は、どっしり構えて勝利も引きつける。

照ノ富士


旭大星を破って、初日からの連勝を11に伸ばした。
部屋は違えど同じ伊勢ケ浜一門同士、稽古を長年ともにしてきた仲。
距離を取られても焦らず、右に動かれても足を運んで対応した。
常に相手を正面に置くことを意識して、体を寄せながら右を差して寄り切って無敗を死守した。
「昔から稽古やってますからね。そんなに当たってくる相手ではない。落ち着いていく意識でやりました」と狙い通りの相撲に表情は柔らかかった。
この日は弟弟子で東幕下2枚目の翠富士が、勝ち越しを決めて新十両昇進へ前進。
「うれしいね。かわいい後輩だから」とほおを緩めた。
自身もここまで好調で、そろそろ優勝も視野に入るころだが「1個ずつ重ねていきたい」と短い言葉に力を込めた。

正代:故郷の宇土市がPV開始


熊本県宇土市は22日、地元出身で、大相撲初場所で優勝争いを続ける正代関を市民挙げて応援しようと、パブリックビューイング(PV)を市民体育館ecowin宇土アリーナで始めた。
地元後援会との共催。
地元住民ら約30人が大栄翔関との一番を見守った。
正代関が土俵入りすると正代コールが湧き起こり、盛り上がりは最高潮に。
正代関が粘り腰で10勝目を挙げると、大歓声に包まれた。
正代関の母校の鶴城中2年で、相撲部主将の大手希星[きら]さんは「正代関は地元のヒーロー。
自分も稽古して正代関のようになりたい」と興奮気味だった。
PVは23日以降も午後5時から実施予定。
千秋楽の26日は午後4時半から。
市教育委員会スポーツ振興係TEL0964(23)2642。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/22

初場所 11日目情報!


貴景勝


初顔の炎鵬を相手にしても、大関はどっしりと構えていた。
何を繰り出すか分からない厄介な小兵。
貴景勝は「やり方を変えると、自分を見失う。特別な意識を持たずにいった」。館内の興奮をよそに至って冷静だった。
正代、反応良く 大相撲初場所
炎鵬を正面に置き、押し、はたきで距離を保った。
懐には入れさせず、勝負は急がない。
一気には出て行かないから、相手は逃げ場をじわじわと失った。
回り込もうとしたところを飛びかかるようにして押し出し。
連日土俵を沸かせている人気力士の勢いをしっかりと食い止めた。
小学生の頃から、2歳年上の炎鵬の存在を意識していたという。
「あの体で今の番付に上がるには、相当頭を使ってきたはず」。
自身も身長は175センチ。
体重こそ違うが、巨漢がそろう幕内の土俵でともに戦う者として、共感できる部分もあるようだ。
連敗はせず、1差で平幕の正代、徳勝龍を追う。
八角理事長(元横綱北勝海)は精神的な強さを評価し、「大関の責任を果たしている。終盤戦は貴景勝が中心になる」と言った。
「勝ちにこだわらずに挑戦者のつもりでやりたい」とは貴景勝。
この姿勢だけは揺るがない。

豪栄道


大相撲初場所(東京・両国国技館)で、大関が“絶滅危機”に直面している。
9日目(20日)は今場所の大関返り咲きを目指していた関脇高安(29=田子ノ浦)が幕内宝富士(32=伊勢ヶ浜)に押し出されて6敗目。
大関復帰の条件となる10勝に届かないことが確定した。
取組後は報道陣からの問い掛けに無言を貫いた。
昨年7月の名古屋場所で左ヒジを負傷してから本来の力強い攻めは鳴りを潜めた。
日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)は「高安は気持ちに体がついていっていない。ヒジが悪いから強引にいけない」と指摘。
「体を治して稽古を積めば、また気力も湧いてくる。大関復帰を目指して頑張ってほしい」と奮起を促した。
とはいえ、次世代の横綱候補と目された高安も2月で30歳。
年齢的にもベテランの域に差し掛かっている。
現行制度での大関復帰は陥落直後に関脇で10勝して返り咲いた例が大半(6人7例)。
それ以外で大関に再昇進したのは過去に魁傑一人しかおらず、復活は簡単ではない。
この日は大関カド番の豪栄道(33=境川)も関取最小兵の幕内炎鵬(25=宮城野)に押し出されて6敗目。
大関残留に“黄信号”が点灯した。
取組後は「取りづらさ? 同じだと思うけど、あんまりいないし…」と声を絞り出した。
昨年7月場所から貴景勝(23=千賀ノ浦)、栃ノ心(32=春日野)、高安が相次いで大関から陥落(貴景勝は1場所で復帰)。
3場所連続で大関から降下力士が出るのは昭和以降初めてのことだ。
4場所連続となれば、まさに異常事態。
貴景勝の一人大関となった場合は、1982年1月場所の琴風(現尾車親方)以来38年ぶりとなるが…。

朝乃山


朝乃山は元気がない栃ノ心に力負け。
左上手を引きながら、相四つの元大関が連発した下手投げでぐらつき、最後は土俵下へ転げ落ちた。
「詰めが甘かった。細かいことも必要」と課題を口にした。
この日は、富山商高時代の恩師、浦山英樹さんの命日。
特別な日を白星で飾れなかった悔しさは胸にとどめ、「自分の相撲を取り切るだけ」と残り5日に視線を向けた。

遠藤


遠藤(追手風)は御嶽海(出羽海)に敗れ、3連敗で6勝4敗となった。
御嶽海も星を6勝4敗とした。
御嶽海の寄りを残したものの、二の矢で放たれた上手出し投げを残せず、土俵に転がされた。
今場所は初日から2横綱、1大関、2関脇と上位力士を立て続けに撃破した遠藤だったが、8日目から炎鵬(宮城野)、阿炎(錣山)、御嶽海に敗れ3連敗を喫した。
11日目は妙義龍(境川)と対戦する。
御嶽海は小結阿炎(錣山)と顔を合わせる。

玉鷲


妙義龍を押し出し、7日ぶりの白星で7敗に踏みとどまる。
ほっとした表情で、「最近の自分の相撲はあまり面白くなかった。見てよかったという相撲が取りたかった」。

正代


正代はうるさい松鳳山に防戦となったが、左が入ってからの反撃が速かった。
右もうまく使って一気の寄り切り。
あまりの圧力の強さに相手が浮き上がるほどの豪快な攻めでトップの1敗を守り、「よく反応できている」と振り返った。
弟弟子の豊山も2敗を堅持。
「部屋としての流れがいいし、自分としても負けられない。あっちも負けたくないと思っているのでは」。
東農大の後輩の奮闘も刺激に変え、いよいよ終盤戦を迎える。

炎鵬


貴景勝に敗れ、9日目の豪栄道に続く大関撃破はならず。
「何一つ通用しなかった。これが今の実力。向こうの方が何枚も上手だった」

豊山


新潟市出身で西前頭9枚目の豊山(26=時津風)は東龍(32=玉ノ井)と対戦。
押し出しで8勝目を挙げ、5場所連続勝ち越し。
豊山は「ホッとした。今年は覚悟というかやらなきゃいけない思いがある。(優勝争いは)いけるところまでついていって狙っていきたい」。
貴景勝、輝とともに2敗で、1敗の徳勝龍、正代を追っている。
今日22日は9勝目をかけ松鳳山と対戦する。

徳勝龍


負け越したら十両落ちの幕尻で前日に勝ち越しを決めていたが「負けてもいいやという相撲は一番もない」と徳勝龍。
気合のこもった表情に、安堵の様子はなかった。
この日の立ち合いは劣勢。
千代丸のもろ手で上体を起こされ押し込まれた。
それでも、軽快な足運びで左に逃れると、鋭い右の突き。
つんのめった相手はそのまま場外へ落ちていった。
幕内で過去6戦全敗の天敵を破り首位を守っても「まだですよ。(自分は番付が)一番下なので」と謙虚に笑うだけだ。
最後に幕内で勝ち越したのは3年前の夏場所。
十両でもがく期間が長く「自分はずっと十両なのかな」と弱気になったこともあったが、大関豪栄道や栃煌山ら三役経験者と同学年の33歳は「自分も、という気持ちはあります」とひそかに闘志を燃やす。
大学時代に指導を受けた近大相撲部の伊東勝人監督が今月、急逝した。
「勝ち越したら一番に報告しようと思っていた」という恩師に直接伝えることはかなわなかったが「変な相撲を取ったら(監督に)笑われる」。
終盤戦へ向け、一段と気を引き締めた。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/21

初場所 10日目情報!


貴景勝


詰めを誤って2敗に後退。
「準備をしてきたつもりだが仕方がない。明日から切り替えてやるだけ」。
言葉とは裏腹にショックの色も。

豪栄道


カド番で6敗目。
炎鵬の初挑戦をはね返せず、「よく考えてきたんじゃないか」と淡々とした口調で。

高安


大相撲初場所9日目で関脇の高安が平幕の宝富士に敗れて6敗目を喫し、今場所10勝以上をあげての来場所の大関復帰がなくなりました。
高安は左ひじのけがで去年の秋場所を初日から休場したあと、先場所も腰を痛めて途中休場し2場所連続で負け越したため、今場所は関脇に陥落していました。
高安は今場所10勝以上をあげれば来場所、大関に復帰できましたが、19日の中日までに3勝5敗と精彩を欠きました。
そして9日目の20日、高安は宝富士に押し出しで敗れ6敗目を喫しました。
高安は今場所10勝に届かず来場所で大関に復帰する可能性はなくなりました。
日本相撲協会の八角理事長は「今日の相撲を見ても、自分から攻めていないし、左ひじが悪いから強引にも行けない。まずは体を治して、稽古を積めば、また気力が湧いてくる」と話しました。
そのうえで「応援しているファンもいっぱいるので、また大関を目指さないといけない」と奮起を促していました。

朝乃山


朝乃山は大栄翔の厳しい攻めをしのいだ。
過去2勝7敗だった相手の突き押しに後退した中、土俵際で左上手を取ると反撃開始。
豪快な投げで仕留め、「決していい相撲ではないが、最後は自分の本領を発揮できた」と一息ついた。
8日目の正代戦の黒星は引きずらずに6勝目。
ここまではようやく手にした白星も目立つだけに、八角理事長(元横綱北勝海)は「勝ちたい気持ちが強いのかな。もうちょっと伸び伸び相撲を取ってほしい」と注文をつけた。

阿炎


人気の遠藤を一気に突き出す。
「腕を取りにきたから、重心が後にあったのでしょう」と相手の動きなどを振り返り、白星先行には「うれしいですねえ」と破顔一笑。

炎鵬


炎鵬がまた館内の喝采を浴びた。
大関初挑戦となる豪栄道との一番は、立ち合いの呼吸が合わずに仕切り直し。
「頭が真っ白になったが、体が反応した。しっかり集中していけた」との言葉通り、思い切りよく右に動きながら相手の左腕をたぐって崩すと、休まず攻めて押し出した。
8日目に遠藤を倒した際は聞こえなかったという大歓声だが、「今日は聞こえた、というか、体の芯からふるえるものがあった」。
会心の白星とともに、大きな自信も手に入れた。

豊山


大相撲初場所(両国国技館)9日目の20日、西前頭9枚目の豊山(新潟市北区出身)は阿武咲を押し出しで破り、7勝目を挙げた。


志摩ノ海を問題にせず、2連勝で7勝目。
「もっともっと体重を前にかけようと思った。もともと、引きずらないので」と体も気持ちも前へ。

徳勝龍


幕尻の徳勝龍が早々と給金を直した。
剣翔を難なく寄り切り、「番付が本当に一番下なので勝ち越すしかない。負けたら下(十両)に落ちるので」。
後のない地位が、かえって迷いのない取り口につながっているようだ。
幕内での勝ち越しは2017年夏場所以来。
「十両が長くなっていたが、精神面でちょっとは成長したかな。ほんのちょっとだけだけれど」と胸中を明かした。

大相撲初場所10日目


大相撲初場所は10日目、20日に大関貴景勝を破って勝ち越しを決めた1敗の正代は松鳳山と対戦します。
初場所は9日目を終えて、ともに平幕の正代と徳勝龍が1敗で、貴景勝、平幕の豊山、輝が2敗で追う展開となっています。
20日に貴景勝を破って勝ち越しを決めた前頭4枚目の正代は10日目の21日、前頭7枚目の松鳳山と対戦します。
過去の対戦成績は正代の10勝3敗で、今場所、力強さが増した立ち合いから松鳳山の突き押しに対して距離を詰めることができれば優位です。
一方、20日に2敗目を喫した貴景勝は人気の平幕炎鵬と初顔合わせの一番です。
貴景勝は持ち味の鋭い立ち合いから突き放して威力のある突き押しで一気に勝負を決める相撲が理想です。
20日、大関豪栄道を倒した炎鵬は低く相手の懐に潜り込んで多彩な技を繰り出し、勝機を見いだしたいところです。
前頭17枚目で1敗の徳勝龍は前頭12枚目の千代丸と対戦します。

近大相撲部伊東監督


初場所中の大相撲に衝撃が走った。
名門、近大相撲部の伊東勝人監督が18日、55歳の若さで急死した。
新関脇朝乃山(25)=高砂=を始め、現在幕内の宝富士(32)=伊勢ケ浜、志摩ノ海(30)=木瀬、徳勝龍(33)=木瀬、十両の朝玉勢(高砂)らを育成。
若松親方(元幕内朝乃若)楯山親方(元幕内誉富士)らも教え子だ。
アマチュア相撲の名将は、現役時代もすご腕だった。
身長は高くはないものの、がっちり筋肉質体形。
1991年、全日本選手権の決勝は強烈なインパクトを残した。
土俵際に追い込まれながら、繰り出したのは珍手中の珍手「居反り」。
しゃがみこみ、のしかかる相手の膝を抱え、押し上げて後方に反り返り、後ろに相手を落とす大技だ。
ただこの一番の勝敗は微妙だったため、審議の末、取り直しとなった。
そして2度目。
伊東監督は何と、最初から居反りにいった。
今度は土俵中央で相手を抱え込み、後方に相手を落とした。
文句のない居反りで勝利。
初のアマチュア横綱を手にしたのだ。
愛称は「居反りの伊東」。
22年後、この「居反りの伊東」に救われたのが、のちに「居反り」を引っさげ、角界入りした元幕内、現序二段の宇良(27)=木瀬=だった。
関学大3年時の2013年、ロシアで開催された「第2回ワールドコンバットゲームズ」の相撲で世界一に輝いた。
同大会の日本チームに伊東監督も同行していた。
宇良によれば、準決勝で居反りを決めた。
勝ったと思ったが、外国人主審は相手方に軍配を上げた。
見たこともない技に外国人が戸惑うのも無理はない。
その時、副審を務めていた伊東監督が「違うよ、違うよ」と猛然と物言いを付けたのだ。
混乱の中、確認作業を終え、主審の勝敗は差し違え。
宇良が決勝に進出した。
「物言いを付けてくれて判定が覆った」。
伊東監督がいなければ、世界一の称号はなかった。
居反りがつないだ運命の巡り合わせ。
宇良はアクロバット力士として入門前からテレビでも取り上げられ、注目。
15年春場所で初土俵を踏み、多彩な技とスピードを武器にスピード出世した。
現在は2度の右膝手術を乗り越え、序二段で一歩ずつまた白星を重ね番付を上がっている。
伊東監督は青森県出身で五所川原商高−近大と伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の直系の後輩。
同親方は「くにもん(同郷)だから。プロに入るか入らないか、うちの部屋に入らないかという話はした」と話し、プロ入りに悩む伊東監督の相談に乗ったこともある。
「居反りの伊東」が角界に来たなら、宇良のように、どれほどワクワクさせる相撲を取っていたか。
それでも、指導者の道を選んだ。
大相撲の土俵を沸かす教え子らは我がことのようにうれしかっただろう。
昨年末、記者は近大で伊東監督を取材した。
「基本は育てて強くしたい選手を勧誘して強くしているのが正直なところ。未完の素材が好き」。
完成された子よりも、大学4年で大きく伸ばすことが監督の喜びだった。
今春の新入生もそれぞれ、「未完の大器」を自身の目で選び全国からスカウトしていた。
「おもしろい子がいるんですよ」と1人1人の特長を挙げて情熱いっぱいに語っていた。
「また学生日本一を獲りたい」との言葉はかなわぬまま。
まだまだ道半ばで天国に旅立った。
残念でならない。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/20

初場所 9日目情報!


貴景勝


1敗を守った大関・貴景勝は「相手は止めていこうと思っていて自分は突き放していきたい。
途中、相手のペースになったが体はしっかり動いているので気にせずにいった。
自分が思ったとおりの相撲は毎日取れないからその辺りは脳がよく反応してくれた。
ただ悪いところはあった。
今日のような相撲で勝ちきれたことを調子がいいと捉えるか、調子が悪いと捉えるか、考えたらきりがない。
前半戦は普通だ。
後半戦に向けて大事なのは精神的なスタミナだ。
体のスタミナは精神でカバーできるが、逆はできない。
毎日、リセットして千秋楽のつもりでやれればいい」と落ち着いた様子で話していました。

豪栄道


5敗となった角番の大関・豪栄道は「あと一歩でしたね。土俵際、ついていけなかったですね。残りがあるのであすから考えて精いっぱいやります」と淡々と話していました。

朝乃山


新関脇・朝乃山は2敗目を喫した。 「突っ張って中に入りたかった。考えすぎというか入れなかった。足が滑ったがそれは言い訳になる。
ただ相撲は悪くはないと思う。前に出られていれば次につながる相撲なので大丈夫だ。
きょうは勝ちたい勝ちたいという気持ちが出て、強引にいって投げられた。後半戦に向けても変わらず自分の相撲を取るだけだ」と悔しさをにじませながら話していました。

高安


高安はスタミナが切れて北勝富士に屈した。
左の差し手を強烈におっつけられて腰が伸び、最後は息が上がって土俵を割った。
左肘のけがや腰痛の影響で関脇に転落。
今場所で10勝すれば大関に復帰できるが、早々と後がない状況に追い込まれた。
支度部屋では表情を変えずに終始無言。
八角理事長(元横綱北勝海)は「稽古をしていないと重さが出てこない。こんなはずではないと思っているだろう」と胸中を察していた。

阿炎


星を五分に戻した阿炎は「土俵際、すごく落ち着いていて相手がよく見えていた」と振り返りました。

御嶽海


大相撲初場所中日の19日、上松町出身の西前頭二枚目御嶽海(本名大道久司、出羽海部屋)は西前頭筆頭の妙義龍に寄り切りで敗れ、四勝四敗の五分で折り返した。
頭から当たった御嶽海は、右腕を差して前に出ていったが、左肩が上がった不安定な体勢に。
土俵際で回り込んだ妙義龍に左上手を取られた。
右手でまわしを探ったものの、強く引きつけられると抵抗できず、土俵を割った。
20日は東前頭四枚目の隠岐の海と対戦する。
対戦成績は一勝三敗。
昨年12月の九州場所では寄り切られている。

正代


正代が持ち前の馬力も生かして連敗を免れた。
朝乃山にとって不十分の左四つに組み止めると、相手が強引に出てきたところを逃さずにすくい投げ。
「立ち合いから常に圧力をかけられた」と満足そうに振り返った。
1敗を守っての折り返しを「出来過ぎだと思う」と自己評価しつつ、「欲を出しても仕方ない。いつも通りやるだけ」とも。
冷静に先を見据えた。

炎鵬


炎鵬と遠藤。
屈指の人気力士による初顔合わせに館内は沸き、呼び出しの声が通らない。
しこ名が入った「応援タオル」が360度を埋め尽くした中、土俵上の炎鵬は「全く歓声が聞こえなかった」。
それほどに集中し切っていた。
先手を奪い、機敏に動き回った。
遠藤が狙った前まわしは与えず、低い姿勢からつぶれそうになっても踏ん張る。
最後は相手の左をたぐって回り込み、休まず押し出した。
笑みはない。
放心したような表情で「信じられない。うれしいかどうかも分からない」と率直に言った。
憧れ続けた相手だけに、白星を手に入れたという現実をすぐにはのみ込めなかった。
同じ石川県出身で、中学校、高校も同じ。
アマチュア時代から華々しい成績を残してきた先輩は「雲の上の存在」だった。
「こんな日が来るとは思っていなかった」と感慨がこみ上げる。
自己最高位の西前頭5枚目に番付を上げ、自らたぐり寄せた遠藤との初対戦。
目標を一つ遂げて、9日目は豪栄道に挑む。
初の大関戦に、「毎日、チャレンジャーの気持ちで思い切りぶつかるだけ」。
鋭い目つきで後半戦をにらんだ。

栃ノ心


栃ノ心は、低く立った宝富士の狙いを見透かすように右に変化。
あっけなく3勝目を手に入れた。
それでも表情がさえないのは、「先場所、骨が折れた相手だった」から。
昨年九州場所の対戦では、四つ身になって強引に引きつけたのが災いし、右肋軟骨を骨折。
休場に追い込まれた。
「それが頭にあって体が勝手に動いた」と注文相撲の理由を説明した。

照強


2敗目を喫した照強は「勝機はあったのだが。体は動いているし、土俵際で残っているし悪くはないと思う。
疲れが出てきていて今がふんばりどころだ。素早い相撲を取らないといけない。長い相撲を取ると疲れるから」と話しました。

徳勝龍


大関経験のある琴奨菊を破って7勝目を挙げた徳勝龍は「1日1日淡々と過ごしている。琴奨菊関に憧れて角界に入ったこともあり対戦が目標の1つだった。
勝ってうれしいが、調子に乗らないようにしたい」と落ち着いた様子で話していました。

照ノ富士


大関経験のある十両、照ノ富士は8連勝で中日勝ち越しを決め「上手を取れば大丈夫だと思っていた。
あと7日残っているが一安心した。残りをしめないと来場所につながらない。幕下の七番より自分は十五番のほうがよい。
毎日、同じペースで体を作っていけばよいので、七番だと7日間休みがあったり場所の感覚がなくなる。
1つの負けで番付の上がり下がりが大きいが十五番あると1つや2つ負けても次があるという気持ちになる。
1場所1場所、力が入るようになってきている」と淡々と話していました。

宇良


大相撲初場所(両国国技館)8日目の19日、先場所で右膝の大けがによる5場所連続休場から復帰した東序二段28枚目の宇良(27)。
西序二段30枚目の奄美将(22)をはたき込みで下し、無傷の4連勝で勝ち越しを決めた。
頭で当たると、相手が突っ込んできたところで右に開いてタイミングよくはたき込んだ。
「(勝ち越しは)うれしいですね。(奄美将は)けっこう、僕の前で相撲をとること多くて。圧力あるのかなと思っていました」と冷静な分析力が光った。
18日未明に近大相撲部時代の監督、伊東勝人さんが急死した。
近大相撲部出身の朝乃山や宝富士らも大きなショックを受けていたが、居反りの使い手として注目を浴びたこともある宇良にとっても、世界王者への道を“アシスト”してくれた恩人だった。
2013年にロシアで開催され、世界一に輝いたワールドコンバットゲームズ。
関学大に所属し、軽量級で出場した宇良は準決勝で居反りを決めた。
だが、主審は相手選手の勝利と判定。
そのとき、副審を務めて物言いをつけてくれたのが伊東監督だった。
「外国人の主審でしたが、差し違えになりました。物言いを、『違うよ、違うよ』といってつけてもらいました。
(大会期間中には)バスタオルを巻いて歩いていて、『みっともないぞ』と怒られましたね」と業師は振り返る。
伊東監督は、平成3年の全日本相撲選手権の決勝で物言いがつき2番とったが、どちらも居反りを仕掛けて優勝し「居反りの伊東」の異名がついた。
宇良のプロ入りまでの道のりで、珍手の使い手同士の不思議な縁も背中を押してくれた。

伊之助


大相撲初場所8日目の19日、立行司の第41代式守伊之助が結びの一番の豪栄道−阿炎で軍配差し違えた。
打ち出し後に八角理事長(元横綱北勝海)に口頭で進退伺を申し出た。
理事長からは「(行司の)最高位だから気を付けるように」と奮起を促された。
式守伊之助は土俵際で阿炎のはたきに落ちた豪栄道に軍配を上げ、物言いの末に覆った。
昨年初場所の立行司昇格以来3度目の差し違えに「大変申し訳ない。明日(9日目)から頑張ります」と話した。

近大相撲部伊東勝人監督


大相撲の前頭宝富士関(青森県中泊町出身)、関脇朝乃山関らを育てた近畿大学相撲部監督の伊東勝人さんが滞在先の東京都内のホテルで昏睡状態に陥り、18日午前0時30分、搬送先の病院で死亡が確認された。
55歳。五所川原市出身。通夜、葬式の日程は未定。
五所川原商業高校から近畿大に進み、在学中に西日本学生相撲選手権を2度制覇するなど活躍した。
卒業後の1987年に近畿大相撲部コーチに就任。
91年、全日本相撲選手権で優勝し第40代アマチュア横綱に輝いた。
2001年7月から近畿大相撲部監督。
全国学生選手権の団体優勝2度。
現日本学生相撲連盟副理事長。
毎年母校の五所川原商業で夏合宿を行っており、昨年8月にも学生たちと寝食をともにしながら基礎を丁寧に指導するなど元気な姿を見せていた。
伊東さんが五所川原商業相撲部時代に指導に当たった同部の葛西孝彦監督は、訃報に触れ「残念だ」と言葉を絞り出し、「今は受け入れられない」と心境を語った。

花田虎上 遠藤-炎鵬


「遠藤の相撲は素直、優しすぎる」
元横綱の花田虎上氏が、遠藤が2敗目を喫した直後にそう言って苦笑いを浮かべた。
石川県出身同士となった前頭五枚目の炎鵬(宮城野)と前頭筆頭・遠藤(追手風)の一番は、炎鵬が押し出して4勝目を挙げ、星を五分に戻した。
対する遠藤は2敗目を喫した。
立ち合い左を差しに行った炎鵬に対して、上手が取れなかった遠藤。
炎鵬はその後も突き放して遠藤にまわしを与えず、同時に遠藤の腕をうまく手繰りながら低い姿勢をキープ。
この動きに対して遠藤は反撃のきっかけを掴めずに炎鵬に押し出された。
AbemaTVで解説を務めた元横綱の花田虎上氏は「遠藤は上手を取って炎鵬の体を起こしたかったが、炎鵬が突き放しながらまわしを取らせなかった」と話すと、炎鵬の勝因について「遠藤に対して、アゴの下の良い位置に当たっている。下に引くような動作も、足腰が良いのでこうした技ができる。遠藤の腕も上手く手繰りましたね。遠藤はやりにくそうでしたね」と解説した。
ひと呼吸おいた花田氏は「いや〜、遠藤の相撲は素直ですね。優しすぎる。正直すぎるので……」と再び口を開くと「今場所横綱に勝った相撲は考えていたのですが、逆に受けすぎる。
もっと厳しく攻めていけば、結果はまた違ってくると思うんですけど」と何とも言えない表情を浮かべた。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/19

初場所 中日情報!


貴景勝


大相撲初場所は中日8日目、三役以上ではただ一人1敗の大関 貴景勝は平幕の隠岐の海と対戦します。
初場所は横綱不在の中、7日目を終えて大関 貴景勝と平幕4人の合わせて5人が1敗で並んでいます。v 中日8日目の19日、貴景勝は前頭4枚目の隠岐の海と対戦します。
過去の対戦成績は貴景勝の5勝1敗です。
貴景勝は四つ相撲の隠岐の海に対して、立ち合いから持ち味の突き押しを徹底し、距離を取って攻めることができれば優位は動きません。

豪栄道


豪栄道が正代に土をつけた。
押し込まれたが、素早く俵伝いに回り込み、右からの突き落としで形勢逆転。
たたみかけて送り倒し、「相手は圧力があった。危なかった」と、やや紅潮した顔で振り返った。
大関カド番。
連勝で3勝目を挙げ、立て直してきている中、「動きはまだまだ。これから一番一番、集中していきたい」と言葉に力を込めた。

高安


高安が4日ぶりの白星でようやく3勝目。
土俵の中央で動きが止まった後、右から張って妙義龍を誘い出し、相手の首投げにも動じずに押し出した。
1場所での大関返り咲きには2桁白星が条件。
苦しい戦いが続く中、「あしたも頑張る」と短い言葉で質問に応じ、集中力を高めていた。

遠藤


今場所好調の遠藤(追手風)が玉鷲(片男波)を破って1敗を守った。
立ち合い、当たってから相手の腕をたぐって相手を土俵の外まで転がした。
決まり手はとったりだった。
8日目は炎鵬(宮城野)と対戦する。
玉鷲は小結大栄翔(追手風)と顔を合わせる。
遠藤はすでに関脇以上の番付の力士との対戦を終えており、どこまで星を伸ばすか注目される。

隠岐の海


初顔の炎鵬を寄り倒す。
「昔から背が高く、ずっと小さい人とやってきて慣れているが、立ち合いは変化される怖さがあった」

正代


初日からの連勝が、18日「6」で止まった前頭4枚目の正代は、2敗の新関脇 朝乃山と対戦します。
対戦成績は2勝2敗の五分で、先場所は正代が朝乃山に得意の左上手を与えず勝っています。
2人は右の相四つで、朝乃山が左上手を取れば優位、正代は上手を取らせない展開に持ち込みたいところで両者の立ち合いの踏み込みが勝負の鍵を握ります。

炎鵬


8日目は同じ石川県出身で、高校の先輩に当たる遠藤と初対戦。
「胸を借りるつもりでやります」と気合十分。

栃ノ心


栃ノ心は、低く立った宝富士の狙いを見透かすように右に変化。
あっけなく3勝目を手に入れた。
それでも表情がさえないのは、「先場所、骨が折れた相手だった」から。
昨年九州場所の対戦では、四つ身になって強引に引きつけたのが災いし、右肋軟骨を骨折。
休場に追い込まれた。
「それが頭にあって体が勝手に動いた」と注文相撲の理由を説明した。

豊山


大相撲初場所(両国国技館)7日目の18日、西前頭9枚目の豊山(新潟市北区出身)は千代大龍に突き倒され、2敗目を喫した。
豊山は攻め込みながら勝ちきれず、突き倒されて2敗目を喫した。
真っ向から当たり「立ち合いは負けてなかった」。
引きに乗じて前に出たが、誤算だったのは土俵際。体が離れ、向き直ったタイミングで千代大龍の左かち上げをもろに食らい、あおむけにされた。
「事故ですよ」との表現がぴったりだ。
後手に回って敗れたわけではなく「自分から攻めて負けるならしょうがない。逃げて吹っ飛ばされるより、明日につながる」と表情に暗さはない。
今場所は踏み込みの良さを実感しており、8日目へ向け「折り返しだから、しっかり気持ちをつくりたい」と気合を入れ直した。

徳勝龍


好内容で6勝目を挙げて「前に出られている」と手応え。
近大時代の恩師、伊東監督が急死し、「相撲で恩返しするしかない。見ていてくれると思う」。

元林


幕下元林(鳴戸)が琴太豪(佐渡ケ嶽)に寄り倒され、プロ初黒星を喫し、3勝1敗。
序ノ口からの連勝は歴代3位の24でストップした。
「全然ダメです。自分の相撲が取れなかった。切り替えてやっていく」と反省した。
この日の朝、近大の恩師、伊東勝人監督が急死したことを聞いた。
「きょうの朝知りました。(思い出は)全日本選手権の団体戦です」と悲痛な表情だった。

伊東勝人監督


近大相撲部の伊東勝人監督が急死したことが18日、分かった。
55歳だった。
関係者によれば17日夜、都内で食事後、体調不良を訴え、宿泊先に戻った。
就寝後に大学関係者が異変に気付き、病院に搬送されたが、そのまま息を引き取った。
伊東監督は91年、アマチュア横綱に輝くなど現役としても実績。
近大監督として幕内の関脇朝乃山(高砂)、宝富士(伊勢ケ浜)、志摩ノ海(木瀬)、徳勝龍(木瀬)、十両の朝玉勢(高砂)らを輩出した。
昨年は近大4年の谷岡倖志郎がアマチュア横綱を獲得し、監督も会場で喜んでいた。
青森県出身で五所川原工高−近大と伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)の直系の後輩。
同親方は「大阪に行ったときはいつでも会う。連絡して行く日を決めようとしていたところ。高校、大学の後輩で実家も近い。くにもん(同郷)だから。プロに入るか入らないか、うちの部屋に入らないかという話はした。思いはいっぱいありすぎて、まだボーっとしている。朝、聞いたばかりだから」と、信じられない様子で話した。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/18

初場所 7日目情報!


鶴竜


大相撲初場所(東京・両国国技館)を途中休場した横綱鶴竜(34=陸奥)が正念場を迎えている。
今場所は体調が整わない中で強行出場。
本番では準備不足を露呈して3場所連続の休場となった。
白鵬(34=宮城野)に続くリタイアで横綱不在の事態となったが、両者の置かれた立場は大きく異なる。
鶴竜の場合は近いうちに結果を残さなければ、進退問題に発展しかねない状況だ。
今場所の鶴竜は金星3個を配給するなど低迷。
5日目(16日)に日本相撲協会に「左足関節炎で2週間の患部安静」との診断書を提出して途中休場した。
師匠の陸奥親方(60=元大関霧島)は「左足首が痛くて、踏ん張りが利かなかった」と話す一方で「なかなか風邪が治らなかった。体重が10キロ近く落ちて心配していた」と明かした。
鶴竜は年末年始にかけて風邪の症状を訴え、本番直前にも再び体調を崩した。
本人も「体重が落ち過ぎた。パワーが伝わっていない」と不振の理由を挙げていた。
今回の休場の引き金となったのは、一連の体調不良だった可能性が高い。
最初から出場を回避する選択肢もあったはずだが、簡単には休めない事情もあった。
ここまで鶴竜は2場所連続で休場中。
しかも先場所は初日に腰痛で休場する大失態まで演じてしまった。
今回の強行出場には、3場所連続休場だけは避けたいとの思いがあったのか。
陸奥親方は「2場所休場して、焦っている部分もあったのでは」と横綱の心中を推し測った。
白鵬も故障がちになったとはいえ、連続休場は2場所が最長。
周囲から限界説が持ち上がる前に、復活優勝して雑音を封じ込めてきた。
実際、先場所は休場明けでV43を達成し、健在を誇示している。
同じ横綱の休場でも、鶴竜と白鵬とでは置かれている立場が大きく異なるということだ。
次の春場所(3月8日初日、大阪府立体育会館)は最低でも優勝争いができなければ、逆風が強まることは避けられそうにない。
日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)は「今度は万全の状態で出てきてほしい」と話しだ。
ここから復活した姿を見せられるのか。

貴景勝


大相撲初場所は横綱が不在の中、6日目を終えて勝ちっ放しが平幕の正代ただ1人、1敗で大関 貴景勝や三役経験のある遠藤などが追う展開です。
7日目の18日は、三役で唯一1敗を守っている大関 貴景勝が結びの一番で小結 阿炎と対戦します。
過去の対戦成績は1勝1敗、突き押しが得意の力士どうし、立ち合いから互いに激しい攻め手を出すことが予想されます。
貴景勝は鋭く踏み込み得意の強烈な突き押しで相手の出足を止め、休まず一気に攻めて勝負を決めたいところです。

豪栄道


玉鷲を一方的に押し出し2勝目。
カド番で苦戦が続いていたが、「内容は良かったと思う。この相撲をいいきっかけにしないといけない」。

朝乃山


朝乃山が連敗の悔しさを一掃する一気に前に出る相撲で、妙義龍を寄り切った。
「うまく運べたと思う。(上手は取れずも)右が入ったならかまわず出ていこうと。連敗していたんでホッとしています」。
3連勝からの2連敗は消極的な内容でもあった。
「過去には戻れない。でも負けたことは、これからの相撲人生につながってくる」。
悔しい連敗から抜け出しまた1歩、階段を上がった。

阿炎


大相撲初場所は7日目、小結 阿炎は大関 貴景勝と対戦します。
阿炎は、長い手を生かした回転の速い突っ張りで相手を突き放し距離を取って攻め続けることができれば勝機が出てきそうです。

遠藤


東前頭筆頭の遠藤(29=追手風)が、関脇高安(29=田子ノ浦)を突き出し、1敗を守った。
かち上げをしのぐと、下から攻め、相手の引きに乗じて前に出た。
1敗を守り、優勝争いに踏みとどまった。
支度部屋では、いつも通りに言葉少な。
「勝って良かったです」「しっかり集中できています」とだけ口にし、静かに帰り支度をした。

御嶽海


大相撲です。
初場所6日目。
三役復帰を狙う御嶽海は、大関の貴景勝と対戦しました。
16日、横綱・鶴竜の休場で不戦勝となり、3勝2敗となった御嶽海。
17日の相手は大関の貴景勝。
過去の対戦は7勝6敗で御嶽海がリードしていますが、御嶽海は「突き落とし」で敗れ、3勝3敗となりました。
7日目は小結の大栄翔と対戦します。

正代


両横綱不在の場所で、西前頭4枚目正代(28=時津風)が単独トップに立った。
大関経験者の西前頭6枚目栃ノ心を下して、15年秋場所の新十両昇進以降では自身最長となる、初日から6連勝とした。
6日目の平幕単独首位は昨年秋場所の隠岐の海以来。
出身の熊本で東京五輪の聖火ランナーとして走る予定の関脇経験者が好調だ。
大関貴景勝、遠藤ら平幕5人が1敗を守った。
約3年間三役から遠ざかる正代が、無欲に先頭をひた走っている。
右差し、左ははず押しで、栃ノ心にまわしを与えないまま電車道の快勝。
「立ち合いが良かった。当たって2歩目、すごく前に出ている」。
11勝を挙げた先場所に続く好調ぶり。
単独トップに立ったが「緊張しますね。まあ1敗もたくさんいるから」と、人ごとのように笑った。
「すごい調子がいいってわけじゃない…なんで連勝しているんだろ」と首をかしげる。
年末年始は熊本・宇土市の実家に帰省して1週間滞在。
「ぐうたらしてたら太りました」と、普段165キロ前後の体重は170キロ近くまで増えた。
「いいボディーバランスなのかも。それが(好調の)原因だったら怖いですね」。
その熊本で、郷土力士として東京五輪の聖火ランナーを務める予定だ。
場所が終われば、必ずと言っていいほど実家に帰省するほど地元愛は強い。
「光栄なことですよね」と、素直に喜んだ。
五輪競技に相撲はないが、ユーチューブで視聴することも多いボクシングに注目する。
16年のリオ五輪にライト級で出場した成松大介(自衛隊)は熊本農高、東京農大でともに2学年上。
「大学の時に面識がある。すごいですよね」。
東京五輪のボクシング会場は国技館。
身近な存在に刺激を受けながら、五輪前に同じ会場で大暴れしている。
昨年は同じ大卒で自身より若い朝乃山が初優勝を果たし、発奮材料となっている。
昨年12月の冬巡業では「朝乃山関や若い子がでてきているので、僕も負けないように頑張りたい」と発言するなど、燃える対抗意識を隠さない。
今年の目標は三役に戻ること。
「まだまだ前半戦。何も考えてません」。
年始に引いたおみくじは末吉だったが、現状の視界は良好だ。

豊山


昨年は4戦全敗だった輝に土をつけ、「同世代でよく知っている相手。絶対に負けたくなかった」。
1敗を守って「どうなるか分からない場所にしたい」と意欲。

照強


平成7年1月17日、兵庫県・淡路島を震源に未曽有の被害をもたらした阪神大震災から、まもなく節目の25年となる。
「その日」の夜、震源地に近い兵庫県洲本市の病院で誕生したのが、大相撲前頭14枚目の照強(24)=本名・福岡翔輝、伊勢ケ浜部屋=だ。
「自分は運命の日に被災地で生まれた。頑張る姿を見せることで、故郷の人を笑顔にできれば」。
初めて幕内で迎えた初場所は、12日の初日から3連勝。
「スポーツの力」を体現する天命を背負い、土俵に上がり続ける。
自宅で激しい揺れに襲われた母親が洲本市の病院に運ばれ、男の子を出産したのは地震発生から約15時間後の17日午後9時。
体重2922グラム。
負傷者を搬送する救急車が出入りし、院内がごった返す中で生を受けた。
もちろん、自身に震災に遭った記憶はない。
だが「母親からは、病院に行ったら救急車のサイレンがすごかったことや、けが人がいっぱいいる中で生まれたことなど、震災の大変さは聞いている」と話す。
幼いころは体が小さく病弱だったが、小学4年のとき、飛び入り参加した地域の相撲大会で準優勝したのをきっかけに、相撲道場に通うようになった。
中学3年のときに全国大会でベスト16入りし、卒業後に伊勢ケ浜部屋に入門。
しこ名は被災地への思いも込め「周りを照らすように強くなれ」と、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)がつけてくれた。
初土俵は22年3月の春場所。
身長169センチの小兵ながら、元横綱日馬富士や元関脇安美錦らを抱えていた大所帯の伊勢ケ浜部屋で相撲道を突き進んだ。
特別な日に生まれたという意識が、関取衆でも20番以上申し合いを重ねる日がある名物の猛稽古を耐えさせた。
28年11月の九州場所を全勝で制して十両に昇進。
昨年3月の春場所で淡路島出身の力士としては53年ぶりとなる新入幕を果たした。
7月には出身地の南あわじ市から、知名度アップに貢献してほしいと初の「ふるさと応援大使」に委嘱された。
11月の九州場所も8勝7敗で勝ち越し、今年の初場所を幕内力士として迎えることができた。
「幕内で自分の誕生日に土俵に上がるのは初めて。これも一つの運命かな」と照強。
震災から25年となる今年は、自身にとっても入門から10年の節目の年。
今後の相撲人生を懸けた重要な一年となる。
例年、誕生日の「1月17日」は初場所中。
これまでも、その日の朝には欠かさず、震災の犠牲者に黙祷をささげてから土俵に上がってきた。
だが、自身の相撲までは変えない。
取組前に大量の塩をまき、持ち味のスピードを生かして攻める。
「誕生日だからといって頑張るのではなく、一番一番大事に取っていきたい。自分自身が集中して相撲を取ることで、応援してくれる人にも恩返ししたい」。
その気持ちが、ぶれることはない。
一方で、四半世紀が過ぎ、阪神大震災を知らない世代が増えている。
「でも、阪神大震災以降も自然災害がいっぱい起こって、被災する人は増えている。相撲中継を見ていて照強が出てきたら、阪神大震災を思い出してもらえたら。そして、一人でも応援してくれる人が増えたら、自分の励みにもなる」。
震災の日に生まれた「運命の子」は、自身の活躍が被災者を勇気づけると信じ、土俵に向かう。
照強翔輝(てるつよし・しょうき=本名・福岡翔輝)
平成7年1月17日生まれ、兵庫県三原町(現南あわじ市)出身。
南あわじ市立三原中学校から伊勢ケ浜部屋に入門。
28年の九州場所で幕下優勝を飾り、十両に昇進。
30年の夏場所から5場所連続で勝ち越す活躍をみせ、31年の春場所で新入幕。
名古屋場所では12勝3敗と好成績を収め、敢闘賞を受賞した。

木崎海


17日に行われた大相撲6日目、十両・木崎海と平幕・勢の取組が、ネット上の相撲ファンの間で物議を醸している。
木崎海は0勝5敗、勢は1勝4敗と、どちらも黒星が大きく先行している中で迎えた今回の取組。
立ち合い、踏み込んだ勢は左に回り込みながら逃げる木崎海を攻め、最後は自らも倒れ込みながら土俵外へ押し倒して勝利を収めた。
しかし、木崎海は勢に押し倒された勢いで頭から土俵下に落下。
その衝撃による影響からか、うつ伏せの状態のまま1分ほど起き上がることができず。
この光景に会場は騒然とした空気に包まれ、ネット上のファンからも「もしかして首を痛めたのか」、「脳震盪の可能性もあるかも」と心配の声が多数挙がった。
問題となっているのは、落下の衝撃で動けなくなっている木崎海への対応。
力士が取組の際に生じたアクシデントで動けなくなった場合、裏手に用意されている車椅子が搬送に用いられることが一般的。
しかし、今回車椅子は用意されず、木崎海は駆け付けた若者頭・栃乃藤の肩を借りる形で、自力で歩いて裏手に下がっていった。
おぼつかない足取りで下がっていく木崎海の姿を受け、ネット上のファンからは「なんで車椅子使わず歩かせてるの?おかしくない?」、「首を痛めたかもしれない人間を自力で歩かせるとか協会は何考えてるんだ」、「無理矢理立たせて状態が悪化したらどうするんだ、現場の人間もちょっとは考えろよ」と批判が噴出している。
なお、この後の取組では平幕・志摩ノ海に寄り倒しで敗れた平幕・剣翔が左足を痛めて動けなくなるアクシデントも発生したが、剣翔は裏手から出てきた車椅子で搬送されている。
ファンの中にはこの2番を比較して、「剣翔には車椅子使ってるのに、なんでさっきの木崎海には使わなかったんだ」と苦言を呈する人物も複数見受けられた。
その後、土俵下に落下した際に首を強打したことが判明し、車椅子で病院に向かったとも伝えられている木崎海。
多くのファンが軽傷であることを願っており、協会の公式発表や各メディアによる続報は大きな注目を集めることになるだろう。
なお、17日19時30分時点では、なぜ木崎海に車椅子を用いなかったのかについて協会の公式サイト、及びに公式ツイッターでは特に発表や見解は出されていない。
こちらについても続報が待たれるところだ。

錦木


大相撲初場所6日目(17日・両国国技館)盛岡市出身で東十両4枚目の錦木(伊勢ノ海部屋、盛岡・米内中)は、西筆頭の千代翔馬を小手投げで下し、4勝目(2敗)を挙げた。
錦木は相手の右変化にバランスを崩し、もろ差しを許すも抱えてこらえる。
左を巻き替えたところで、寄ってくる千代翔馬をタイミングよく右小手投げで転がした。
7日目は中入り後に東前頭15枚目の東龍と対戦する。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/17

初場所 6日目情報!


白鵬


大相撲初場所(東京・両国国技館)で途中休場した横綱白鵬(34=宮城野)に「2020年問題」が浮上だ。
かねて東京五輪が開催されるまでは現役を続けることを公言。
その目標が近づくと、今度は「優勝50回」など五輪後を見据えた新たな目標を打ち出してきた。
大横綱は本当に“五輪ロス”に陥ることなく土俵に立てるのか。
角界内でも大きな関心事になっている。
今場所の白鵬は白星スタートを切ったものの、その後は2日連続で金星を配給。
4日目(15日)に日本相撲協会に「腰部挫傷、右踵部裂傷蜂窩織炎、今後約2週間の加療を要する見込み」との診断書を提出して途中休場した。
師匠の宮城野親方(62=元幕内竹葉山)によると、2日目(13日)の幕内遠藤(29=追手風)との取組で腰を負傷。
場所前に痛めた右足の傷から菌が入って蜂窩織炎になり、発熱の症状もあるという。
宮城野親方は「ここ何年かは1月場所で優勝していなかったから、本人は優勝したい気持ちが強かった。(白鵬は)『残念だ』と言っていた」と横綱の無念を代弁した。
昨年は年6場所のうち皆勤は3場所だけ。
今年も最初の場所で休場となり「年も取ってきているし、古傷もある。(状態が)いい場合もあれば、悪い場合もある。うまくケガと付き合っていくしかない」と出場を続けることの難しさを指摘した。
かねて白鵬は東京五輪開催までの現役続行を公言してきた。
その目標が現実味を帯びてくると、昨年11月場所で43回目の優勝を達成した直後に「優勝50回」という壮大な新目標を設定。
「五輪が終わったら、目標を失うことが目に見えている。達成できるかできないかは別にして、大台50回があればモチベーションを持って五輪後もやっていける」と熱弁を振るった。
それだけではない。
年明けには十両豊昇龍(20=立浪)や幕下納谷(20=大嶽)ら現在20歳前後の若手力士が成長することを念頭に「1、2回の対戦で終わるのではなく5、6回対戦して終わる」と来年以降も現役を続ける前提で話している。
今場所直前には今年の目標に「35歳で年間最多勝」をブチ上げた。
そのいずれもが、簡単には達成できないものばかりだ。
角界関係者も「いったい、いつまで現役を続けるつもりなのか」と大横綱の“真意”を測りかねている。
今の白鵬の姿は、あえて高いノルマを自らに課すことによって必死に気力を奮い立たせようとしているようにも映る。
白鵬は先場所で優勝したばかり。
いくら周囲が「世代交代」や「限界説」を唱えようとも、すぐに進退問題が浮上する状況ではない。
今後の進退を決めるのは、あくまでも白鵬自身だ。

鶴竜


大相撲の横綱・鶴竜が16日から休場することになり横綱不在の初場所となった。
15日の初場所4日目、平幕の妙義龍に敗れここまで1勝3敗と黒星が先行した鶴竜。
一夜明けた16日、5日目から休場することが決定、師匠の陸奥親方によると、鶴竜は風邪をひいており左足首に痛みがあるとのこと。
これで鶴竜の休場は3場所連続15度目となる。
すでに15日から横綱・白鵬が腰やかかとの痛みから休場しており初場所5日目にして去年の秋場所以来、2場所ぶりの横綱不在の事態となった。

貴景勝


貴景勝は低く踏み込み、馬力のある玉鷲の上体を起こした。
昨年の対戦成績は不戦敗を除けば2勝2敗。
構わず出てきた難敵を突き落とし、「気持ちだけでいった。体が動いてくれた」と振り返った。
左からの突き落としで仕留めたことは、本人にとって大きな意味を持つ。
「名前は突き落としでも、俺の中では横方向の突き。技を出すにはパワーが必要」。
昨年の秋場所千秋楽で痛めた左胸がしっかり回復したと実感できた。
大関に昇進した昨年は、右膝のけがもあって十分に務めを果たせず、今年こそはとの思いもあるだろう。
白鵬、鶴竜の両横綱が早々と休場した今場所。
貴景勝は上位として引っ張ることを期待され、八角理事長(元横綱北勝海)も「一番自覚があるんじゃないか」と頼みにする。
残る力士で番付最上位となった東の大関は、「勝てば責任が果たせると思う。一日一日積み重ねたい」と力を込めた。
幼少期からの厳しい指導で培われてきた精神力の強さは折り紙付きだ。

豪栄道


かど番の豪栄道が、早くも4敗目を喫した。
隠岐の海との投げの打ち合いで軍配をもらいながら取り直しとなり、もう一丁ではとったりを決められた。
2番取った疲れとショックからか、負け残りの土俵下ではうつろな表情だった。
左足首のけがからの休場明けで、「思い通りにいかないところもある」と珍しく弱気な言葉も。
厳しい状況の中で「思い切りいくしかない。気持ちだけ」と懸命に自らを奮い立たせていた。

朝乃山


大相撲1月場所は5日目、朝乃山の一番です。
今場所、4日目に初めて土がつき連敗は避けたい新関脇、朝乃山。
3勝1敗で迎えたのは同じく3勝の追手風部屋の遠藤。
北陸勢同士の対決です。
遠藤とは、これまで2勝5敗と分の悪い相手です。
朝乃山は右四つ、対する遠藤は左四つ、お互いに得意な四つが違う力士同士の対戦です。
立ち合い激しい刺して争いで、朝乃山は右を差しにいきますが遠藤のおっつけに右のまわしをとられ寄り倒しで土がつきました。
これで3勝2敗の朝乃山。
6日目は、今場所、2横綱を倒し勢いのある境川部屋の妙義龍との対戦です。

遠藤


遠藤が、新関脇の朝乃山との1敗対決を鮮やかに制した。
左を差し勝って先手を取ると、巻き替えも許さない。
いったん離れても、すぐさま2本差して畳み掛け、最後は体を預けるように寄り倒した。
前日は貴景勝に攻め返されて土がつき、横綱、大関総なめとはならずも、「しっかり集中して相撲が取れた」と気にも留めない。
持ち味のうまさで連敗を免れたことで、再び乗っていけるか。
「またあしたから頑張ります」と気合を入れ直した。

正代


正代が好調の北勝富士を馬力で圧倒した。
差し手にこだわらず、休まず前に出て突き出し「よく足が出たのがよかった」と納得の表情だった。
10場所ぶりに初日から5連勝としたが「気持ちも乗ってくるけど、あまり浮かれないようにしたい」。
昨年は3月の春場所に10敗、9月の秋場所に12敗を喫するなど苦杯をなめただけに、慎重な口ぶりで先を見据えた。

炎鵬


過去4戦全敗だった松鳳山を引き技で破る。
「相手のペースにならないように考えてやった。スカッとする勝ち方ではないけど」と淡々。

阿武咲


西前頭7枚目の阿武咲(23=阿武松)が、東前頭6枚目の宝富士(32=伊勢ケ浜)との、幕内唯一の東北人対決を送り出しで制し、20年初白星を挙げた。
今場所の東北出身幕内力士は、同じ青森・中泊町が同郷の2人だけ。
相撲人気も高い東北6県で2人しかいないのは、年6場所制となった1958年(昭33)以降、2012年(平24)初場所以来2度目となる。
阿武咲は三役定着だけでなく、貴ノ浪(青森・三沢市出身)以来の東北人大関への基盤を作る。
阿武咲が本来の姿を披露し、5日目でようやく20年の初日を挙げた。
同郷で小中学校や中里道場で10学年先輩の宝富士に厳しい立ち合い。
持ち味の下からの突き押し。
相手の重い腰をおこして、右からの強烈ないなし。
くるりと相手を1回転させて後ろにつくと、左手を強く伸ばして土俵下に送り出した。
今年初の勝ち名乗りだけでなく、岩手・一関市出身の行司・木村晃之助(54=九重)から3本の懸賞金も受け取った。
「やっとですね。勝ちというより、自分の相撲がとれたし、感覚的な問題が収穫。しっかり相手を見て、対応できたと思います」。
風呂上がりの支度部屋で安堵の表情を浮かべた。
歴史的にも東北出身力士が大相撲を盛り上げてきた。
年6場所制となった58年初場所では、前頭21枚目までの幕内全55人中13人が東北勢。
今場所まで幕内力士不在は1度もない。
だが、今場所は豪風と安美錦の2人だった12年初場所に並ぶ最少人数タイ。
「やっぱり少なくなっちゃって寂しいですよ。その分、みんなが見てくれていると思うので頑張らなくっちゃと思いますね」。
青森県は、横綱を北海道の8人に次ぐ6人を輩出。
関取の在籍は、130年以上継続している。
未来の力士のためにも東北勢の先頭を走るつもりだ。
18年初場所で右膝後十字靱帯損傷。
十両からはい上がってきたが、昨年は1度も2ケタ勝利はなく、納得した結果は出ていない。
「いろいろな試練があっても、どれだけひたむきに自分を出せるかが大事。ここからです。自分の勝ちパターンも出ましたし、この1勝をどう良いイメージにつなげていくか」。
小学生からの宿敵でもある大関貴景勝(23)に、まずは肩を並べる飛躍の年にする。

豊山


大相撲初場所(両国国技館)4日目の15日、西前頭9枚目の豊山(新潟市北区出身)は碧山を押し出しで下し3勝目を挙げた。
豊山は193キロの碧山との押し相撲対決に完勝し3勝目を挙げた。
しっかり踏み込むと、相手の突っ張りを下からあてがってさばく。
休まず前に出て中に入ると、力強く相手の胸に腕を伸ばして押し出した。
「受け身ではなく(攻めの)流れを自分でつくることができた。こういう相撲を取れば自然と勝ちがついてくる」と自画自賛の内容だった。
元関脇の碧山は2018年の冬巡業で稽古をした際に左足首を負傷した相手だった。
それ以来、胸を借りるのを控えていたというが、この白星で嫌なイメージも振り払った。
「これで、一緒に稽古ができる」と意欲的だった。

琴奨菊


歴代10位に並ぶ幕内697勝。
「うれしいね。今はまだ実感が湧かないが、(現役が)終わった後にすごい記録だと思えるんじゃないか」


5場所ぶりの幕内で、ようやく初日。
前日の取組で左脚を痛めながらも「もう、気持ちでいった。押せなくても押そうとすることに意味がある」と自身に言い聞かせた。

大相撲初場所6日目


大相撲初場所は6日目、4勝1敗で序盤戦を終えた大関・貴景勝は平幕の御嶽海と対戦します。
大相撲初場所は白鵬と鶴竜が相次いで休場し、横綱不在となる中、看板力士の大関・貴景勝が小結以上で、ただ1人1敗を守っています。
6日目の17日は平幕の御嶽海との対戦で過去の対戦成績は貴景勝が6勝7敗と負け越しています。
貴景勝としては低い当たりから突き放す相撲を徹底し、難敵から白星を挙げて中盤戦以降への弾みをつけたいところです。
一方、御嶽海はもろ差しなど体を密着させての相撲に持ち込めば優位で、どちらが立ち合いで有利な体勢を作れるかが勝負のポイントになりそうです。
2横綱1大関を破って4勝1敗と序盤戦を盛り上げている平幕の遠藤は大関復帰を目指す関脇・高安との対戦です。
過去の対戦成績では遠藤が7勝10敗と負け越していますが、今場所の遠藤は持ち前の相撲のうまさに加えて低い当たりから前に出る力強さがあります。
先場所まで大関の高安相手に前みつを取るなどして得意の形で攻めていきたいところです。
ここまで5連勝と好調の平幕、照強は徳勝龍と対戦します。
照強は阪神・淡路大震災が発生した25年前の1月17日に兵庫県の淡路島で生まれました。
誕生日に初めて迎える幕内の土俵を白星で飾れるかにも注目です。

世代交代


大相撲の鶴竜が初場所5日目の16日から休場した。
4日目には白鵬が休み、新春の土俵は序盤で横綱不在となった。
鶴竜は、体調不良に伴う調整の遅れを取り戻すため、場所前は精力的に汗をかいた。
横綱審議委員による稽古総見では遠藤と手合わせし、北勝富士とは出稽古先で相撲を取って復調ぶりをアピールしたが、ふたを開ければ両者に金星を与えた。
2014年春場所後に最高位に就いてから、昨年まで13度休んだことを踏まえ、新年の目標に年6場所皆勤を掲げた直後だった。
白鵬も遠藤、妙義龍に連日不覚を取った末の休場。
1年前に稀勢の里が引退した後、両横綱がそろって皆勤したのは2場所だけだ。
八角理事長(元横綱北勝海)は「まげを振り乱して稽古する姿を見せないと。そういう気力を期待したい」と奮起を促すが、責任を全うするのが現実的に厳しくなった以上、世代交代に向けて、いよいよ待ったなしの気配が漂い始めた。

土俵の稲わら提供


伊那市新山小学校の5年生4人は、育ててきた古代米「白毛餅」の稲わらを、東京・両国国技館で行われている大相撲初場所の土俵作りに提供した。
17日には国技館を訪れて初場所を観戦する。
実際に土俵で使われている様子を見て、これまでの活動成果を感じる機会にしようと計画。
児童たちは「どのように使われているのか、自分たちの目で確かめたい」と期待に胸を膨らませている。
総合学習の一環として、児童は昨年4月から学校近くの田んぼで、伊那谷に伝わるもち米「白毛餅」を栽培。
児童の米作りを支えてきた上伊那農民組合(南箕輪村)の紹介で、大相撲の土俵に使う俵を作る「南信州米俵保存会」(飯島町)の呼び掛けに応じ、わらをすべて提供した。
収穫した稲わらは200キロほど。
保存会代表の酒井裕司さん(44)によると、白毛餅はコシヒカリより草丈が40センチほど長く、太くて丈夫なため土俵作りに適しているという。
保存会がわらを編み、土を入れて使う俵の材料「こも」にして届けた。
大相撲の土俵は本場所ごとに作り替え、地方場所を含め年6回製作する。
同校のわらは初場所で使用され、土俵場にある円の外側に設けた正方形の枠「角俵」の一部と、土俵に上がる段として東西南北に配置された「踏み俵」に使われている。
16日は同校で大相撲観戦の打ち合わせがあり、子どもたちが日程や予算を確かめた。
日帰り旅行の費用には、10月に恒例行事「新山まつり」で販売した白毛餅の売上金を充てた。
男子児童は「わくわくする。調べているうちに相撲に興味が湧いた」。
女子児童は「土俵のどの部分に使われているのかしっかりと見て、家族に教えたい」と笑顔を見せた。
酒井さんは「自分たちの育てたわらが国技を支えるという体験を通して、誇りや相撲への興味を持ってもらえたら」としている。
保存会では今後、希望のあった小学校からわらを預かり、修学旅行の日程に合わせて土俵作りに生かしていくという。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/16

初場所 5日目情報!


白鵬


大相撲の横綱白鵬(34=宮城野)が初場所(東京・両国国技館)4日目の15日、日本相撲協会に「腰部挫傷、右踵部裂傷蜂窩織炎により、今後2週間の加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。
白鵬は初日白星発進も、2日目に遠藤、3日目は妙義龍に敗れて2日連続で金星を配給。
白鵬にとって2日連続の金星配給は、18年初場所以来2年ぶり2回目だった。
師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)はこの日午前、都内の部屋で報道陣に対応。
「番付発表前にかかとが割れていた。菌が入り昨日の夜に熱が出た」と説明。
加えて遠藤戦で、腰を土俵上に強く打ちつけたという。
宮城野親方は「本人も頑張りたい気持ちがあった。歳も歳で古傷もある。腰も高くて出足もなかった」と弟子の思いを代弁した。
白鵬の休場は2日目から休場した昨年秋場所以来、2場所ぶり14度目。
4日目の対戦相手、東前頭2枚目北勝富士(27=八角)は不戦勝となる。

鶴竜


鶴竜は妙義龍に苦杯を喫し、今場所に与えた金星が3個目となった。
場所前の体調不良もあって体重が落ち、またも攻め切れずに後退。
「パワーが伝わっていない。一つ勝ったのもたまたま」と口ぶりに覇気はなかった。
昨年9月の秋場所を途中休場した直後、師匠だった井筒親方(元関脇逆鉾)が死去。
翌場所も腰痛で休んだだけに、新年を迎え、今場所に懸ける思いは強かった。
心身の歯車がかみ合わず、「この相撲では取り切れない。体をつくり直さないといけない」とも。
弱気な言葉ばかりが口を突いた。

貴景勝


貴景勝が、勢いに乗る遠藤を止めた。
右で前まわしを狙いながら出てくる相手に苦戦して後退したが、ふりほどくようにして応戦し、右からの突き落としで仕留めた。
遠藤は鶴竜、白鵬、豪栄道を撃破していただけに、「横綱、大関が4タテを食らうのは非常にまずいと思っていた」と貴景勝。
看板力士としての面目を保ち、「まだ4日目。ここから」と気を引き締めた。

豪栄道


かど番でようやく初日を出す。
埼玉栄高の後輩、大栄翔に逆転の首投げを見舞って意地を見せ、「気分を良くしてあしたからいける」と意欲的に。

朝乃山


朝乃山は持ち味を発揮できずに土がついた。
もろ手で出た阿炎に上体を起こされると、回転のいい突っ張りを受けて後退。
四つに組めないまま豪快に押し倒され、「駄目な相撲だった」と声を落とした。
昨年の顔合わせでは4勝1敗で、今場所は白星がなかった相手に取った不覚。
「悔しい。前に出て相撲を取りたい」と立て直しを誓った。

妙義龍


20代の活躍が目立つ中、33歳の妙義龍が気を吐いている。
白鵬に続き、鶴竜からも金星獲得。
「負けん気でいった。こんな経験はないし、うれしい」。
連日の結びで番狂わせを演じ、その喜びに浸った。
右、左とねじ込み、勝負をはやる横綱の出足を止めた。
低い体勢を保ったまま相手の引きに乗じて走ると、苦し紛れの首投げにも動じず、押し出す。
「慎重にいかずに、がむしゃらに出たのがよかった」。
引き技でもぎ取った前日とは違い、持ち味が存分に詰まった白星だった。
三役の常連と称されて久しい。けがに苦しむうち、埼玉栄高の後輩に当たる貴景勝が初賜杯、大関の座もつかみ取るなど若手の台頭も著しくなったが、「自分はきょうみたいな相撲でやってきただけ」。
対抗心は胸に秘め、自然体を強調する。
西前頭筆頭。
内容を伴って星を戻し、三役復帰を目指す今後の土俵へ弾みもつけた。
「気分を良くしていける。まだあるから頑張る」。
187センチ、157キロの均整の取れたいでたち。
さっそうと歩く後ろ姿は頼もしく映った。

北勝富士


白鵬の休場による不戦勝で白星を手にし、初日から4連勝。
「気持ちも体もゆっくりできた。残りもしっかり勝ちにつなげられるようにしたい」

御嶽海


大相撲初場所。
三役復帰を狙う御嶽海ですが、ここまで1勝2敗とさえません。
4日目のきょう15日は、前頭三枚目の玉鷲と対戦しました。
きのう、高安に敗れて、2敗目を喫した御嶽海。
連敗は避けたいところです。
4日目の相手は玉鷲。
過去20勝2敗と相性のいい相手です。
御嶽海が、押し出しで勝ち、2勝2敗と星を五分に戻しました。
あすの5日目は、横綱・鶴竜と結びの一番で対戦します。

炎鵬


関取最軽量99キロの炎鵬が、栃ノ心につられ、相手の膝付近で足をバタバタ。
深い位置で左下手を引いてもろ差しを果たしたが、両まわしを許してつかまり、高々とつり上げられた。
初対戦で大関経験者の怪力ぶりを見せつけられ、「想像していたよりも力強かった。上手を取られて腰が浮いちゃった。もう少し相撲になるかと思った」と脱帽していた。

豊山


大相撲初場所(両国国技館)4日目の15日、西前頭9枚目の豊山(新潟市北区出身)は碧山を押し出しで下し3勝目を挙げた。
豊山は193キロの碧山との押し相撲対決に完勝し3勝目を挙げた。
しっかり踏み込むと、相手の突っ張りを下からあてがってさばく。
休まず前に出て中に入ると、力強く相手の胸に腕を伸ばして押し出した。
「受け身ではなく(攻めの)流れを自分でつくることができた。こういう相撲を取れば自然と勝ちがついてくる」と自画自賛の内容だった。
元関脇の碧山は2018年の冬巡業で稽古をした際に左足首を負傷した相手だった。
それ以来、胸を借りるのを控えていたというが、この白星で嫌なイメージも振り払った。
「これで、一緒に稽古ができる」と意欲的だった。

初場所5日目


大相撲初場所は5日目、ここまで3勝1敗の大関 貴景勝は平幕の玉鷲と対戦します。
大相撲初場所は2場所連続優勝を狙っていた横綱 白鵬が15日の4日目に休場し、一人横綱となった鶴竜と大関 豪栄道がともに1勝3敗と本来の相撲とはほど遠い内容です。
上位陣の不振の中、大関 貴景勝は15日、好調の遠藤を退け3勝1敗としていて、看板力士として場所を引っ張っていく役割が求められます。
その貴景勝は平幕の玉鷲との対戦です。
過去の対戦成績は不戦敗を含めて貴景勝の7勝5敗で、ともに押し相撲が得意なだけに激しい突き押しの応酬が予想されます。
貴景勝としては、立ち合いからより低い当たりで相手を突き起こし、徹底して前に出ていきたいところです。
15日、今場所初黒星を喫し3勝1敗となった新関脇 朝乃山は、同じく1敗の遠藤との対戦で、過去の対戦成績では2勝5敗と分の悪い相手です。
朝乃山としては強く当たって相手を押し込み、左上手を取る得意の形に持ち込むことが重要です。
一方、遠藤は今場所は二横綱一大関を破るなど相撲のうまさが光っていて、低い姿勢を保って攻めていきたいところです。
ともに平幕で4連勝の北勝富士と正代の対戦も楽しみな一番です。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/15

初場所 4日目情報!


白鵬


座布団が乱れ飛び、興奮が最高潮に達した館内を横目に、白鵬は寂しそうに土俵を下りた。
2日連続で金星を与えるのは2年ぶり。
それも、よもやの格好でだった。
右差し、左上手を狙う立ち合いで妙義龍を捕まえにいった結果、裏目に出た。
かつてはこの取り口で難なく料理してきたが、過去20勝1敗だった相手に右も差せず、上手も取れず、両足がそろったところで突き落としを食い、ばったりと両手をついた。
前日の遠藤戦に伏線があった。
このところ多用してきた張り差しとかち上げを安易に選択した揚げ句、それを想定されて防戦一方となり、あおむけになった。
「きのうのこともあったし、気持ちが空回りしたのではないか」と八角理事長(元横綱北勝海)。
同じ手に頼っての失敗は許されない。
そんな一抹の不安を取り除くために繰り出した本来の攻めが効かず、衰えも感じさせた。
鶴竜も取りこぼした直後の結びを締められず、番付上の2横綱がそろって金星を与えるのは、1997年名古屋場所以来の不名誉な事態。
第一人者の看板が静かに傾き始めていることを予感させた連敗に、白鵬は「あしたは、あしたにならんとね」。
言葉に力がなかった。

鶴竜


鶴竜が3日目で2個目の金星を与えた。
北勝富士を一度は押し込んだが、喉輪で反撃されると、我慢できずに引いて自滅。
「(休場明けだが)相撲勘などの問題ではない。相手に全然力が伝わっていない」と声を落とした。
場所前に発熱などで体調を崩した影響で、「痩せ過ぎてしまった」という。
「今できることをやって、少しずつ体重を戻したい」と、もどかしそうに言った。

豪栄道


かど番で3連敗。
遠藤に突き落とされ、「もっと密着して攻めないと駄目。立ち合いの後の動きがかみ合わない」。

貴景勝


大栄翔を押し出し、「勝っても負けても力を出し切ろうと思っていた。また切り替えて、あしたからしっかりやっていきたい」。

朝乃山


朝乃山は右四つの持ち味を発揮した。
右を差して左上手も引くと、隠岐の海を難なく寄り切り。
「自分の形になれた。体がしっかり動いている」と満足そうに振り返った。
役力士の中ではただ一人の3連勝となったが、「何も意識していない」と淡々。
両横綱が敗れるなど波乱が起きた3日目に、大関昇進を目標に掲げる新関脇が存在感を示した。

高安


白星先行。
御嶽海をはたき込み、「立ち合いからしっかり当たれた。落ち着いて相撲が取れた」。

遠藤


遠藤は連日の金星獲得に続いて豪栄道も撃破。
大関の張り差しにも全く動じるところがなく、うまく体を開いて突き落とし、「しっかり動けてよかった」と淡々と振り返った。
初日からの3連勝は、東前頭6枚目だった2018年名古屋場所以来だが、「特にいつもと変わらない」と言う。
勢いに乗る中、「あしたからも自分の相撲を取るだけ」と自然体を強調した。

北勝富士


北勝富士は鶴竜から金星を奪って3連勝。
我慢して右喉輪で押し返し、横綱がたまらず引いたところで勝負をつけた。
場所前には出稽古で胸を借りており、「その成果がしっかり出てくれたのではないか」と満足そう。
豪栄道、貴景勝の両大関も撃破。
この調子なら、三役復帰も十分に見込めるだろう。
「定着しないと話にならない。自分のいいところが出れば、しっかり白星も上がってくる。普段通り気持ちを固めて」と自身に言い聞かせた。

正代


3連勝。
「新年だし、気分がいい。自分がこんなにポジティブだと、あしたは雪が降るのでは」。
本来の明るさも取り戻し、納得顔で。

炎鵬


明生を下手出し投げで破り、「(動きは)まだまだ遅いが、下手な相撲なりに勝ててよかった」。
右肩付近を痛めており、支度部屋では顔をゆがめながらも「大丈夫です」。

錦木


大相撲初場所2日目(13日・両国国技館)盛岡市出身で東十両4枚目の錦木(伊勢ノ海部屋、盛岡・米内中)は、東3枚目の大翔丸に突き落とされ、1勝1敗となった。
錦木は大翔丸の右おっつけと左はずに手を焼き、十分な体勢をつくれなかった。
強引に振りほどき、右喉輪で前進したが足がついていかない。
左に回った相手の突き落としを食った。
3日目は西3枚目の木崎海と対戦する。

金星配給


白鵬、鶴竜の2横綱がともに金星を配給した。
鶴竜は北勝富士をつかまえられずに押し出され、白鵬は妙義龍の突き落としに屈して2日連続金星配給。
複数の横綱がそろって金星を配給するのは1997年名古屋場所3日目の貴乃花、曙以来23年ぶり。
白鵬、鶴竜とも1勝2敗と黒星が先行し、休場危機に陥った。
全勝は新関脇の朝乃山、平幕の遠藤、北勝富士、正代、輝、照強の6人となった。
波乱の連続で、またしても座布団が舞った。
鶴竜が敗れた後の結びの土俵。
白鵬は立ち合いで左前まわしを引けず、足が止まった。
勝機をうかがおうとしたところで妙義龍の左突き落としを食らうと、簡単に前に落ちた。
花道を引き揚げる際にはテレビモニターを凝視。
「足が流れている。それをチェックした」と敗因を分析した。
横綱在位75場所目で25個目の金星配給。
2日目は遠藤に敗れており、2日連続の配給は18年初場所の3日目に北勝富士、4日目に嘉風に敗れて以来、2年ぶり2度目となる。
横綱昇進後に序盤で2敗したのは4度目。
過去3度はいずれも2敗目を喫した翌日に休場している。
4日目以降については「明日は明日にならないと」と出場は明言しなかった。
鶴竜も厳しい攻めが鳴りを潜めている。
北勝富士の右喉輪で出足を止められ、左おっつけに体が起きると悪癖の引きが出て墓穴を掘った。
「軽い。それに尽きる。相撲勘とかではない。ちょっと痩せすぎ。力が伝わっていない。自分で分かる」。
九州場所は初日の朝に腰痛を発症し、2場所連続途中休場。腰への負担を軽くするため160キロ前後だった体重を153キロまで落としたが、それが裏目となっている。
金星配給は30個の大台に乗ってしまった。
八角理事長(元横綱・北勝海)は「白鵬は勝ちたい気持ちが出て空回りした。鶴竜も気力を振り絞っていかないといけない。思い切りがない」と両横綱の奮起を期待したが、巻き返すことはできるのか。
16年以降、初場所は初優勝力士が続いている。
今年も“荒れる初場所”の様相だ。
番付にいる2人以上の横綱がそろって平幕に敗れる(不戦敗を除く)のは、03年名古屋場所5日目に朝青龍が旭鷲山に反則負け(記録上は金星にならず)、武蔵丸が高見盛に寄り切られて以来、17年ぶり。
横綱がそろって金星配給となった97年名古屋場所3日目は、貴乃花が蒼樹山に押し倒しで、曙は貴闘力に引き落としで敗れた。

舞の海


大相撲初場所2日目が2020年1月13日、東京・両国国技館で行われ、横綱白鵬(34)=宮城野=が、平幕遠藤(29)=追手風=に切り返しで敗れ2日目にして黒星を喫した。
昨年11月の九州場所で白鵬が立ち合いで遠藤をかち上げて波紋を呼んだだけに、白鵬の立ち合いに注目が集まっていた。
昨年の九州場所では、立ち合いで白鵬が右からかち上げ、右肘が遠藤の顎に直撃。
さらに張り手を顔面に食らわせ、遠藤は鼻から出血。
場所後に横綱審議委員会から立ち合いに関して苦言を呈された。
このような経緯を踏まえ、この日、NHKのテレビ解説を務めた舞の海秀平氏(51)は「白鵬本人も批判の声が上がっているのは分かっていると思う。なぜ批判されるかということも白鵬は考えてほしいです」と反省を促すような発言をした。
注目の立ち合いは、呼吸が合わず白鵬の待ったで始まった。
2度目の立ち合い、白鵬が左から張って出た。
先場所同様、右からかち上げようとするも遠藤に外される形で不発に終わった。
右上手をつかみ、2度3度、投げを打ったが遠藤がこれをこらえ、最後は遠藤が切り返し。白鵬は背中から土俵に落ちた。
遠藤のリベンジに館内は「遠藤コール」で応えた。
舞の海氏は「おそらくお客さんは先場所の相撲も記憶しているから。そこからの今日の勝利ですから喜びもひとしおなんでしょうね」とファンの心理を解説し、殊勲の遠藤に対して「先場所、ああいう負け方しながらよく怖がらずに踏み込みましたね」と称賛した。
「どういう気持ちで相撲を見守ってきたか」
横審から苦言を呈されながらも「かち上げ」は「禁じ手」ではなく、今後も自身の流儀を貫くことを公言している白鵬。
一方で白鵬の「かち上げ」は「肘打ち」とみる関係者、ファンがいることも事実で、「かち上げ」の際に顎を直撃する白鵬の右肘のサポーターも物議をかもしている。
舞の海氏はこれまでも白鵬の立ち合いに苦言を呈しており、先場所も「過去の横綱はこういう立ち合いはしなかった」と批判的なコメントをしていた。
また、この日のテレビ解説では「日本人が昔からどういう気持ちで相撲を見守ってきたか」と白鵬に問いかけるように話した。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/14

初場所 3日目情報!


白鵬


土俵に背中から落ちた白鵬は、口を真一文字にきつく結んだ。
因縁の対決だった。
昨年の九州場所12日目、立ち合いで遠藤は白鵬の左の張り手と右のかちあげをまともに食らい、敗れ、鼻血を流した。
横綱審議委員会が、「横綱として見苦しい」と白鵬に苦言を呈した一番だ。
迎えたこの日。
立ち合いに衆目が集まった。
白鵬は横審の苦言を意に介さないかのごとく、先場所と同じく左の張り手と右のかちあげを繰り出した。
ただ、遠藤は同じ手はくわなかった。
藤島審判長(元大関武双山)は「かちあげを読んでいた」。
左にまわりこんで、かちあげをかわした。
左下手を深くとり、横綱得意の右差しを許さない。
強引にきた上手投げを3度耐えて、最後は左足で外掛けをし、白鵬を仰向けに土俵にたたきつけた。

鶴竜


鶴竜は阿炎のもろ手突きを受けて後退したが、うまくはたき込んで連敗を免れた。
途中休場した昨年秋場所を最後に白星から遠ざかっていただけに「そういった意味では一つ断ち切れたね」と一息ついた。
白鵬と貴景勝が敗れ、早くも横綱、大関陣に土つかずがいない状況となった。
「まだ何も始まっていないということ」と言い、「そんなに良い相撲ではなかったが、こういう感じで一日一日を重ねて、感覚が戻ればいい」と先を見据えた。

朝乃山


新関脇の朝乃山は、張り手を交えて攻めてきた玉鷲に「一瞬カッとなった」という。
直後に安易なはたきで流れを悪くしかけたが、左の下手を引いて事なきを得た。
御嶽海に続いて苦手の玉鷲も退けたが「悪い癖が出た。冷静に落ち着いて取らないと」と反省した。
好調な滑り出しにも「まだ2日目。切り替えて自分の相撲を取れるようにしたい」と慎重な口ぶり。
白鵬と貴景勝が敗れて早くも上位陣に連勝がいなくなり、ますます注目を集めそうだ。

遠藤


クールな遠藤が珍しく感情を出した。
白鵬をあおむけに倒すと土俵上で小さくうなずき、にやつきを抑えるように舌も出した。
九州場所の雪辱を果たそうと、期するものがあったのだろう。
「勝ってよかった」。
短い言葉に充実感がにじむ。
先場所の白鵬戦では左で張られた後、乱暴なかち上げを受けて鼻血を流した。
同じようにやられるわけにはいかない。
「しっかり集中して相撲が取れている」という相撲巧者は、立ち合いから考えた取り口を見せた。
ずれるように当たって、うまく左を差した。
結び目の奥までつかんだ下手を生命線に、白鵬の執拗な投げを左足も巧みに使って残した。
最後は切り返しながら、のしかかるようにして倒した。
2日続けての金星獲得。
八角理事長(元横綱北勝海)は「これで浮かれる力士じゃない。あしたもやってくれると思う」。
豪栄道戦にも期待した。
殊勲星に送られた遠藤コールは「うれしかった」と素直に振り返った。
横綱戦を終えても館内を沸かせるチャンスはまだまだある。

御嶽海


12日に初日を迎えた大相撲初場所。
三役から平幕に落ちた御嶽海は新関脇・朝乃山に敗れ黒星スタートです。
先場所負け越し3年ぶりに平幕に落ちた前頭2枚目の御嶽海。
今場所、勝ち越して三役復帰を目指します。
初日の相手は新関脇・朝乃山でした。
御嶽海は鋭い立会いで前に出ますが押し切れずに引いてしまいます。
その後は朝乃山に上手を引かれ寄り切りで敗れました。
黒星スタートです。
2日目は大関・豪栄道と対戦します。

炎鵬


大相撲初場所初日の12日、西前頭5枚目の炎鵬は北陸製菓(金沢市)の揚げあられ「ビーバー」のキャラクターをあしらった化粧まわしを着けて幕内土俵入りに臨んだ。
白星を飾った炎鵬は「(高崎憲親)社長も来ていたので、勝つ姿を見せられて良かった」と喜んだ。
化粧まわしは、ビーバーが炎鵬と同じ赤色の締め込みを着けているデザインとなっている。
高崎社長が金沢市西南部中時代に炎鵬の兄と同級生だったこともあり、北陸製菓が寄贈した。
炎鵬は幕内土俵入り直後に、白鵬の横綱土俵入りで太刀持ちを務めるため大慌て。
急いで化粧まわしを変えて横綱土俵入りに臨み、「久々に走った」と笑った。
高崎社長は「本当にうれしかった。取組も逃げずに前に出る姿勢が感じられて感動した。思わず叫んでしまった」と話した。

琴恵光


大相撲初場所2日目の結果です。
延岡市出身前頭十三枚目の琴恵光は、前頭十二枚目千代丸を押し出し今年の初白星。
1月14日は前頭十四枚目志摩ノ海との取り組みです。

琴勝峰/豊昇龍


成人の日に十両の土俵で20歳の琴勝峰と豊昇龍がそろって白星を挙げた。
昨年九州場所が新十両の琴勝峰は矢後を寄り切って連勝発進。
この日は師匠や関取衆とお祝いの食事会があるそうで、「勝ててよかった。昨年以上に躍進していきたい」と決意を述べた。
元横綱朝青龍のおいの豊昇龍は、元小結の千代鳳を押し出して新年初白星。
「きのうは本当に緊張していたが、これで自信がついた。今年はできるだけ番付を上げていきたい」と抱負を語った。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/13

初場所 2日目情報!


白鵬


結びの一番で、白鵬が先場所唯一、負けた新小結・大栄翔を料理して白星発進した。
立ち合いは張り差しで左四つに組み止めて、押し相撲の相手の長所を消すと、もがく相手を逃がすことなく前に出て慎重に片付けた。
「いいスタートが切れた。結び前で鶴竜関が負けていたので、締めていこうという気持ちだった。リベンジできて気分がいい」。
この日は横綱審議委員会(横審)が館内で見守った。
横審は白鵬が繰り出すエルボーのようなかち上げや張り手を批判している。
そんな中、館内にパチンという音が響き渡るほどの強烈な張り手をさく裂させるなど、新年初日からお構いなし。
最強横綱は「とにかく2020初白星で気分がいい」とご満悦だった。

朝乃山


まわしを欲しがりに行く立ち合いでは相手に圧力がかからない。
朝乃山が良かったのは、まず強く当たろうと心がけたこと。
それでも立ち合いは御嶽海の方が上で押し込まれた。
そこを辛抱して残した後、今度は引かれた。
前にバッタリ倒れてもおかしくないが、あれを残したのは普段のぶつかり稽古をしっかりやっているからだろう。
残した後は前傾姿勢を保ち右四つの形を作った。
上手こそ先に御嶽海に取られたが休まず攻めたからこそ、土俵際に詰まらせ自然と相手の上手が切れ、万全の体勢を作れた。
立ち合いの当たり、普段の稽古の蓄積、前傾姿勢、休まず攻め続けること。
御嶽海の引きで勝ちを拾った感もあるが、初日としては朝乃山の良さが全て出た内容だった。
小結や平幕上位と違い横綱、大関戦が後半に残る関脇の地位は初めて。

高安


関脇に陥落した高安(田子ノ浦)は、玉鷲(片男波)に一方的に押し出された。
立ち合いで激しく当たろうとしたが、玉鷲の突きを浴びる。
右ののど輪一発で上体を起こされると、なすすべなく押し出された。
かど番の先場所、8日目から途中休場となり、3勝5敗7休で関脇に陥落した高安。
規定により今場所で10勝以上挙げれば大関復帰となる。
それだけに初日から勢いをつけたいところだったが、一方的な相撲で黒星スタートとなった。

琴勇輝


日本相撲協会は12日、大相撲初場所を休場した西前頭3枚目の琴勇輝(28)=本名榎本勇起、香川県出身、佐渡ケ嶽部屋=の診断書を公表し、両肘の変形性肘関節症との内容だった。
師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)によると、20日に両肘の骨片を除去する内視鏡手術を受ける予定で、3月の春場所の出場を目指す。

炎鵬


人気の小兵・炎鵬が観衆の期待に応えた。
相四つの宝富士に左差しを警戒しながら、左を差し込み、頭をつけて土俵際まで寄った。
相手の上体が伸びたところで下手投げ。
69キロ重い相手を転がすと、会場の声援を一気に浴びた。
「先場所と比べても声援も(自身のしこ名が書かれた)タオルもすごく増えた」と感謝。
「ファンの皆さんのためにいい相撲を取れるように毎日やっていきたい」と力を込めた。

石浦


場所前のけいこ中に同部屋の宝香鵬とケンカ騒ぎを起こして減俸とけん責処分を受けた石浦は、千代大龍のもろ手突きに飛ばされて土俵の外へ。
黒星発進に「やってはいけないことをやってしまって、反省するのはもちろん、それでも応援して下さる方のために、いい相撲を取りたい」と神妙な面持ちで話し、「相撲とか生き方、これからの人生、言葉じゃなくて行動で示さないと」と誓った。

霧馬山


新入幕の東前頭17枚目霧馬山(23=陸奥)が、土俵際の大逆転による白星で幕内デビューを飾った。
十両だった先場所で敗れた、西前頭17枚目魁聖(33=友綱)との顔合わせ。
もろ差しを許して土俵際まで追い詰められたが、首投げから右に回り込むと、魁聖は勢い余って土俵外へ。
決まり手「引き落とし」で幕内1勝をもぎ取り「最後は(勝ったか)分からなかったけど、先場所負けていたので今日は負けたくなかった」と、支度部屋で満面の笑みを見せた。
十両を5場所で通過して幕内の土俵に立ち「お客さんがすごい。十両と全然違う。いつもより緊張した」と、会場の雰囲気に圧倒された。
兄弟子の横綱鶴竜による土俵入りでは露払いを務めた。
場所前は稽古後に、横綱とともに露払いを何度も練習したという。
「ダメなところがあったらどうしようと思ったけど、今日は良かった」と、胸をなで下ろした。
取組後はNHKのインタビュールームで幕内初勝利の喜びを語った。
モンゴル出身の23歳。
初土俵から約5年で、まだ日本語はたどたどしく、付け人の兄弟子に「ちょっと何言ってるか分からないところもあった」と突っ込まれ、苦笑いを浮かべていた。

玉ノ井親方


朝乃山は一瞬の勝機を逃さなかった。
立ち合いの当たりは御嶽海の方が良かったが、土俵際まで押し込まれたところで相手が引いてくれた。
あの場面で御嶽海が引かなければ、朝乃山は防戦一方だっただろう。
御嶽海にすれば、あそこまで押し込んだのだから、簡単に引き技を食うだろうと安易に考えたのではないか。
最後の攻めというか、詰めが甘い。
一方の朝乃山は御嶽海が呼び込んでくれたおかげで、右を差してすぐに反撃に出ることができた。
左でまわしを引きつけながら前に出て寄り切った。
立ち合いから攻め込まれたことは本人としては納得できないかもしれないが、勢いのある相手に初日に勝てたのは大きい。
本人は2桁白星を目標にしているようだが、今場所は先場所休場した力士が全員出てきている。
一日一番。目の前に集中し取り切る心構えでいけばいい。

八角理事長


休場明けの横綱・鶴竜が人気者の遠藤に敗れ黒星スタートとなった。
馬力のあるタイプではない遠藤に立ち合いから押し込まれ、土俵際で足を送りながら相手の押しをかわしていたが、最後は足の先が蛇の目についた。
物言いがついたものの行司軍配通りで、金星を配給する痛い1敗を喫した。
館内の役員室で見守った八角理事長(元横綱・北勝海)は「この辺が相撲勘。初日は大事。特に休場明けはね」と横綱らしくない相撲内容に物足りなさそうに話した。
勝った遠藤の取口については「立ち合いは積極的だったよね。いなしも効いた。(横綱の)バランスを崩したよね。肘も伸びていた」と評価した。
場所前の横審稽古総見では鶴竜が元気なところを見せていたが「稽古と本場所は違う。稽古場でいいと本場所で大事に取ろうとする。思い切りがなくなるというかね」と見解を示した。
その一方で、総見などの稽古で横綱相手に力を出し切らない力士に対し「もう少し力を出さないといかんわな。力を出さないと大関(に上がるの)は難しい。稽古で(横綱相手に)力を出して、何番か勝って、だんだんと力をつけていくもの。やらなきゃダメなんだ。そういう時に要領を使って力を抜いてちゃ相撲にならない」と苦言を呈していた。

大相撲初場所2日目


大相撲初場所は2日目、2場所連続の優勝を目指す横綱 白鵬は、平幕の遠藤と対戦します。
先場所43回目の優勝を果たした横綱 白鵬は、12日の初日、先場所敗れた新小結 大栄翔を厳しい相撲で退け、平成29年以来の連覇に向けて順調に滑り出しました。
2日目の13日は、前頭筆頭の遠藤と対戦します。
過去の対戦成績は、白鵬が11勝1敗と大きくリードしています。
先場所の取組では、白鵬が立ち合いで左から張ったあと、右からのかち上げで遠藤の動きを完全に封じて勝ち、場所後の横綱審議委員会で苦言が出るなど横綱の取り口が物議を醸しました。
場所前の稽古総見でも相手にかち上げを見せていた白鵬が、遠藤に対してどのような立ち合いを見せるのか注目が集まります。
一方、先場所小結で11勝を挙げた新関脇 朝乃山は前頭3枚目の玉鷲との対戦です。
押し相撲に威力がある玉鷲に対し、朝乃山は過去1勝3敗と負け越しています。
大関昇進への足固めをしたい朝乃山は、優勝経験がある実力者を相手に得意の右四つに持ち込めるかが勝負の鍵を握ります。
2場所連続休場明けの横綱 鶴竜は初日に黒星を喫し、13日は小結 阿炎との一番です。
休場明けとはいえ、初日から連敗となれば一気に暗雲が立ちこめるだけに、まずは今場所初白星を挙げて流れをつかみたいところです。

大相撲初場所


日本相撲協会が大相撲初場所初日の12日、風邪やインフルエンザ予防策として、東京・両国国技館内の支度部屋や審判部室などの前に注意喚起の紙を張り出し、手の消毒液を置く措置を講じた。
東西の支度部屋の出入り口付近には張り紙で、うがいや手洗いの徹底、マスク着用の協力などを訴えた。
4年前の初場所では力士らにインフルエンザによる休場者が続出。
昨年12月の冬巡業はインフルエンザによる離脱者が相次いだ。
八角理事長(元横綱北勝海)は「1人がかかると周囲に迷惑がかかってしまう。少しでも防げれば」と話した。

朝阪神


大好きな阪神タイガースをしこ名にする西序二段32枚目の朝阪神(19)=高砂=が多良浪(立浪)に寄り倒され、黒星発進した。
1度目の立ち合い、突っかけて、2度目は左に動いた。
相手に付いて来られ組まれてると力が出せなかった。
「変なことしなければ良かった。思い切りいければ良かった。一気に持っていかないと厳しい」と悔やんだ。
大阪府泉大津市出身で幼少期よりプロ野球・阪神の大ファン。
18年春場所、朝塩本から改名した。
今年は「植田に期待」と好守の植田海に注目する。「何とかAクラス。外国人が打てば」と、控えめに予想した。
自身も本家に負けず、上だけを見る。
「まだ6日間ある。まずは勝ち越し。今年こそ三段目にいかないとダメ。頑張ります」と切り替えた。



大相撲初場所(東京両国国技館)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/12

初場所 初日情報!


白鵬


大相撲初場所(東京・両国国技館)の初日を翌日に控えた11日、同所で恒例の土俵祭りが行われ、三役以上の力士が出席した。
2場所連続となる44度目の優勝を目指す横綱白鵬(34=宮城野)は、初日で新三役の小結大栄翔と対戦。
優勝した先場所で唯一敗れている相手に、連敗は許されない。
17年以来3年ぶりの年間最多勝を視野に、まずは20年最初の場所で好スタートを切る。
昨年の夏場所以来、4場所ぶりに東横綱の“定位置”に就いた白鵬は淡々としていた。
「(東西で)目線も変わってくるし、土俵入りも変わってくる。その辺を思い出してやっていきたい」。
この日は土俵祭り出席後、国技館のエントランス前で九州場所の優勝額を贈呈された。
「あとはやるのみです」。スイッチが入ったかのように、緊張感を漂わせた。
初日は突き押し相撲のホープ、大栄翔を迎え撃つ。
九州場所では立ち合いのかちあげが不発で、一方的に押し出された。
6日の横綱審議委員会(横審)による稽古総見では、三番稽古でその大栄翔を指名して相撲を取った。
「いろいろ試してみたかった」と、横審委員から批判を浴びているかち上げを多用。
大栄翔の出足を止めて12番を全勝と圧倒し、本場所へのイメージを膨らませた。
白鵬にとって、初場所は年6場所の中で最も優勝回数が少ない。
昨年も初日から10連勝と賜杯へ一直線だったが、3連敗して失速すると右膝の違和感などで無念の途中休場。
15年以来5年ぶりとなる5度目の優勝を飾り、相性の悪さを拭い去りたい。
「(今年の3月で)35歳になる。35歳で年間最多勝というのがあってもいいのかもしれないね」。
年6場所制となった58年以降では、59年に年間最多となる77勝を挙げた34歳の元横綱栃錦が最年長。
数々の記録を塗り替えてきた第一人者は、新たな記録をモチベーションに20年を出発する。

貴景勝


大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)を翌日に控えた11日、同所で恒例の土俵祭りが行われ、三役以上の力士が出席した。
大関貴景勝は平常心で初日に臨む。
前日の土俵祭りを終えた心境を「普通ッス」と表現した。
昨年はケガもあり大関昇進、陥落、大関復帰と激動の1年を過ごした。
今年は目標の綱とりへ、まずしっかり足場を固めていきたい。
初日は妙義龍だが「しっかり集中してやるだけ。ケガのないよう、していきたい」と大関の地位をまっとうすることを誓った。

朝乃山


大相撲初場所(東京・両国国技館)の初日を翌日に控えた11日、同所で恒例の土俵祭りが行われ、三役以上の力士が出席した。
新関脇として土俵祭りに参加した朝乃山は「気持ちは変わりません。15日間自分の相撲を取るだけです」と平常心だった。
昨年は夏場所で初優勝し、秋場所から2場所連続2桁勝利中。
勢いに乗って迎える初日の相手は、過去1勝3敗と合口の悪い前頭の御嶽海。
「気持ちは先場所と同じ。挑戦者として相撲を取るだけです」と番付は気にせず1日一番に集中する。

阿炎


右脚の負傷で状態が不安視される小結・阿炎について、師匠の錣山親方(元関脇・寺尾)は東京都江東区の錣山部屋で「大丈夫。(初場所に)出られますよ」と説明した。
4場所連続小結の阿炎は7日の出稽古で相撲を取った際に右膝付近をひねるような体勢になり、途中で稽古を切り上げていた。
病院での検査結果も踏まえ、出場の判断をしたという。

御嶽海


関脇だった昨年九州場所で負け越して18場所ぶりに三役から平幕に陥落した御嶽海(27=出羽海)は、昨年秋場所の優勝額贈呈式に出席した。
「またこの気持ちを味わいたい」と自身3度目の優勝へ意気込んだ。
朝乃山との新旧関脇対決に向けて「楽しみ。負けるわけにはいかない。自分は27歳で今が一番力が出ると思う」と1学年下の相手に対抗心を燃やした。

炎鵬


日本相撲協会は10日、人気小兵力士の西前頭5枚目炎鵬(25=宮城野)に、初場所で初めて15日間指定の懸賞がつくことを明らかにした。
自身がCM出演して話題となった「そごう・西武」など、4社から指定の懸賞がついて合計62本。
担当者によると昨年九州場所での指定懸賞数は1桁台だったというが、番付を上げるとともに人気も上昇。
力士指定懸賞は大関貴景勝が唯一の100本超えとなる218本で最多。
申込み総数は2021本となった。

松鳳山


12日に初日を迎える大相撲初場所(東京・両国国技館)を前に、前頭七枚目の松鳳山(二所ノ関)がインタビューに応じた。
8勝7敗で勝ち越した九州場所については「身体も動いてすごいよかった」と振り返りながらも「勝ち越してから連敗したので、そこがよくなかった」と反省も口にした。
6日目の炎鵬(宮城野)戦については「(変化のことは)あんまり頭になかったですね。でも土俵から飛び出すかと思いました。やばい!みたいな。俵が一気に迫ってくる感じだったので、よく止まれて振り返れたなと思います」と振り返った。
今年の抱負については「1年通してケガをせずにいい相撲を取り続けられて、若手みんな上がってきてますから、その若手に負けないような元気な相撲を取れればいいかなと思います」と語っている。

石浦


石浦は所属する宮城野部屋で4日に行われた朝稽古中、兄弟子の幕下・宝香鵬にダメ押しをされたことに立腹して膝蹴りや拳で殴るなどし、宝香鵬もこれに応戦したことで殴り合いの喧嘩に発展。
これを受けて協会はコンプライアンス委員会からの意見も踏まえ、9日の臨時理事会で処分を決定するとしていた。
協会が定める暴力禁止規定では、関取の暴力は1場所出場停止が基準とされている。
しかし、9・10日の各メディアの報道によると、協会は石浦を1場所出場停止にはせず、1カ月の報酬減額(20%減)とけん責処分に。
また、応戦した宝香鵬についてもけん責処分のみにとどめたため、両名は共に初場所へ出場する見込みであるという。
基準より軽い処分を下した協会に対し、ネット上のファンは「処分が甘すぎる、こんなのお咎めなしと変わらないじゃないか」、「石浦が先に仕掛けたんだから、基準通りの出場停止が妥当だろ」、「こんな処分で済ませてたらまた同じようなことが起こるぞ」と反発。
同時に、「貴ノ富士と扱い違いすぎるだろ」、「拓郎よりも軽い処分なのは意味不明」、「貴ノ富士や拓郎と比べても明らかに不公平な処分」と、元十両・貴ノ富士や元立呼び出し・拓郎を絡めた批判も複数寄せられている。
「貴ノ富士はしこ名が『貴公俊』だった2018年3月に付け人への暴力により1場所、拓郎は2019年10月に後輩呼び出し2名へ手を上げたことにより2場所の出場停止処分を受けています。協会に異議を唱えるファンは、今回の処分内容が過去の事例と比べて『フェアじゃない』という思いを抱いているようです」
処分を伝える報道の中では、協会やコンプライアンス委員会が“石浦、宝香鵬は共にこれまで暴力を振るったことはない”、“両名に怪我はなくどちらも猛省している”、“いじめや制裁といった要素もない”といった事柄を理由に、今回の一件を「悪質性は高くない」と判断したと伝えられている。しかし、その判断に納得していないファンも多いようだ。


大相撲初場所は12日に東京・両国国技館で初日を迎える。
石川・七尾市出身の西前頭11枚目・輝(25)=高田川=は、2020年の目標に「三役、金星、優勝」を掲げた。
10年春場所で初土俵を踏んでから間もなく10年。
輝にとって節目の1年が始まった。「もたもたしている場合ではない。(10勝した)先場所でいい相撲が取れたが、今場所それを出さないと」と気合を入れた。
1学年上で、富山市出身の関脇・朝乃山(25)=高砂=が昨年夏場所で優勝したことが、刺激となった。
16年春場所で初土俵の朝乃山は年上だが、角界では輝が兄弟子だ。
それだけに「同年代が優勝すると、うらやましいし、悔しい。自分も優勝したい。まだ三役(経験)も金星もないので」と活躍を誓った。
飛躍の年にするためにも、好発進したいところ。
「やるからには誰にも負けるつもりはない。目標は優勝だが、2桁勝ってもっと上に行きたい」と闘志を燃やした。

境川理事


日本相撲協会審判部は10日、東京・両国国技館で取組編成会議を開き、同所で開催される大相撲初場所(12日初日)の、初日と2日目の取組を発表した。
前任の阿武松部長(元関脇益荒雄)の退職で空席となっていた審判部長を、代理で務めることになった九州場所担当部長の境川理事(元小結両国)も会議に出席。
「横綱、大関にとっては(三役以下の)上位が元気だから、初日からたいへんでしょう。面白い取組になるのでは」と熱戦を期待した。
次期大関候補と目される新関脇の朝乃山(25=高砂)については「誰と当たっても力は拮抗している。頭1つ、2つ抜けているのはいない」と若手成長株とはいえ、飛び抜けた存在でないことで混戦にも期待。
「いかに上手に出だしを行く(滑り出す)かがカギ」と見通しを示した。
9度目のかど番で臨む愛弟子の大関豪栄道(33)については「尻上がりに良くなっている」と期待を込めた。

大相撲初場所


平成から令和へと元号が変わった昨年納めの場所を制したのは、34歳の横綱白鵬だった。
世代交代が叫ばれている昨今だが、43度目の優勝を果たした先場所の相撲内容を見る限り、他の力士との実力差は依然として大きな開きがあると言わざるを得ず、いまだ若手にとって大きな壁として立ちはだかっている。
遠藤戦のかち上げは物議を醸したものの対戦相手によってさまざまなバリエーションを見せる立ち合いからは、強さだけでなく誰よりも研究熱心であることも垣間見える。
1月6日に行われた横審稽古総見では先場所唯一、黒星を喫した新小結の大栄翔を稽古相手に指名すると計12番。
右からかち上げて相手の出足を封じて四つに組み止めるといった万全の内容で圧倒した。
現役最強ではあるが幕内最古参の白鵬。
場所前の調整ぶりから白鵬にこれと言った死角は見当たらない。
しかし、連覇となると2年半前の平成29年7月場所まで遡らないといけない。
しかも39回目の優勝を果たしたこの場所以降、賜盃を抱いた翌場所は休場というパターンが続いている。
現役最強ではあるが幕内最古参でもあり、優勝で場所を締めたときの代償は体力的にも小さくなく、ケガや疲労からの回復力が全盛期に比べて衰えているのかもしれない。
また、前半で星を1つ、2つ落とすとモチベーションが大きく低下するのか、休場を決め込む傾向にもある。
新たに「優勝50回」という目標を公言したが、適度に休場を挟みながら万全に仕上げた場所のみに出場していけば、その良し悪しはともかく不可能な数字ではないだろう。
横綱鶴竜は「年6場所皆勤」目標。
対照的に2場所連続休場から再起を期す横綱鶴竜は「年6場所皆勤」を今年の目標に掲げる。
しっかりと土俵を務めれば、優勝回数もおのずと積み重ねることができるということだろう。
稽古総見では遠藤、御嶽海、大栄翔を相手に計12番を完勝。
翌日も出稽古先の時津風部屋で同じく出稽古に来ていた新関脇朝乃山と10番を取って全勝だった。
低く鋭い立ち合いから左前褌を取って相手の右差しを封じ込めながらの攻めは相変わらず力強い。
3場所ぶりの賜盃奪還に向けて充実ぶりがうかがえるが、場所では1つの黒星をきっかけに大きく崩れることも珍しくなく、そのあたりが気がかりだ。
朝乃山は一気に大関取りムードへ。
1月場所最大の注目は三役での連続2桁勝ち星を目指す朝乃山だ。
新三役の先場所は白鵬と優勝を争って11勝。
今場所は大関取りに向けて足場をしっかり固めたいところ。
場所前は前述した鶴竜や元横綱稀勢の里の荒磯親方との稽古で“惨敗”を喫したが、それも決してマイナスではない。
「馬力だけでは勝てない。前傾姿勢で体を起こさないように意識しないと。悪いところを少しずつ直していきたい」と貪欲に語る。
横綱を倒してハイレベルの結果を残せば、一気に場所後の大関取りへとムードも高まるだろうが「一日一番しっかり自分の相撲を取り切ることだけ考えている。常に挑戦者の気持ちで挑む」と気負いはない。
朝乃山相手に堂々の押し相撲。
優勝争いに絡みそうなのが大関貴景勝と関脇高安だ。
大関復帰を果たした先場所は9勝に終わった貴景勝だが、稽古総見では朝乃山を相手に10番を取って6勝4敗。
内容的にも四つに組ませず押し込むなど優勢だった。
1月8日、尾車部屋で行われた二所一門の連合稽古でも高安と10番肌を合わせ、相手の強烈なかち上げにも上体が起きることなく、下から押し上げる本来の相撲を取り切った。
貴景勝「常に優勝をどん欲に目指していかないと」
現在の貴景勝は、昨年に負った右膝や左大胸筋のケガの影響も全く感じさせず、「今場所は不安なく久しぶりに本場所を迎えられる」と体調面が好調であるばかりか「最後の番付になるためには優勝しかあり得ない。常に優勝をどん欲に目指していかないといけない年」と気力も充実。
さらに上の地位も見据えている。
高安「優勝争いに加わって初場所を面白く」
貴景勝との稽古ではやや引けを取ったが、高安も元気なころの取り口が戻ってきた。
15場所務めた大関から陥落し、今場所で10勝以上挙げれば返り咲きとなるが「千秋楽までしっかり優勝争いに加わって初場所を面白くしたい」と初賜盃も視野に入れる。
他にも三役には阿炎、新小結大栄翔が顔を揃え、さらに平幕上位には北勝富士、御嶽海ら若手がひしめくが、両横綱の盤石ぶりばかりが際立った稽古総見を見た八角理事長(元横綱北勝海)は彼らについて「みんなおとなしい」と思わず漏らした。
待っているだけでは世代交代はやって来ない。
次世代力士には更なる奮起が求められる。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/11

初場所 前日情報!


白鵬


大相撲初場所(12日初日)の取組編成会議が10日、東京・両国国技館であり、初日と2日目の取組が決まった。
2019年11月の九州場所で43回目の幕内優勝を果たした横綱・白鵬は、初日は九州場所で唯一敗れた新小結・大栄翔、2日目は遠藤と対戦する。

鶴竜


九州場所まで2場所連続休場の横綱・鶴竜は初日が遠藤、2日目が小結・阿炎に決まった。

朝乃山


日本相撲協会は10日、東京・両国国技館で取組編成会議を開き、大相撲初場所(12日初日、両国国技館)の幕内と十両、2日目の幕内の取組を決めた。
初場所の成績次第では大関取りの機運が高まる新関脇・朝乃山(25)=高砂=は、初日に前頭2枚目まで番付を下げた実力者・御嶽海(27)=出羽海=、2日目は東前頭3枚目・玉鷲(35)=片男波=と対戦。
幕内優勝経験のある難敵が待ち受ける序盤となった。
この日、朝乃山は都内の高砂部屋で朝稽古に励んだ。
本場所で使用する紫の締め込み姿で四股やすり足などで調整。
最後は入念に立ち合いの確認を行った。
初日に御嶽海戦が組まれたことに「いきなりですね。初日から気合を入れていかないといけない。自分には右四つの形があるし、命をかけても(右四つに)なるという気持ちで、初場所に臨みたい。初日からピークに持っていく」と表情を引き締めた。

御嶽海


大相撲初場所が、明日12日から始まります。
3年ぶりに三役から落ち、平幕で迎える御嶽海は、上を目指し「挑戦者で行く」と意気込みを語りました。
「(仕上がりは)悪くは無いと思います。しっかり稽古を積んでこられたので、結果につながれば」
去年は、9月場所で2度目の優勝を果たし、次の九州場所で大関とりに挑みましたが、結果は6勝9敗の負け越し。
17場所続いた三役から陥落し、初場所は3年ぶりの平幕・前頭2枚目で挑みます。
「ずっと三役守ってきて、大関になれるかもしれないという重圧はなくなった。守ることもなくなったので。また新たに上を目指してやれるんじゃないかと思う」
御嶽海が今年、重点を置いているのが立ち合いです。
持ち味の押し相撲の鋭さを取り戻すため、立ち合いのスピードを意識し、稽古を重ねています。
「足の踏み込みが弱くなっていると思っていたので、踏み込みをどれだけ早く出せるかは意識した」
三役復帰がかかる初場所。
挑戦者の気持ちで臨み、巻き返しを狙います。
「落ちたからこそ得るものもあったので、上を目指して頑張るだけ。挑戦者で行きますよね。番付は上ばっかりなので、立ち向かう、胸借りるつもりで行きたい」

琴勇輝


大相撲の平幕で、小豆島町出身の琴勇輝が12日、初日を迎える初場所を休場することになりました。
琴勇輝は先場所で8勝7敗と勝ち越し、12日、初日を迎える初場所では、番付を上げて西の前頭3枚目となっていました。
師匠の佐渡ヶ嶽親方は「以前から痛めていた両ひじの状態が悪く、ぎりぎりまで出場を目指して頑張ったが休場させることにした」と話していました。

石浦


日本相撲協会は9日、朝稽古中にけんかをした宮城野部屋の西前頭10枚目石浦(29)=本名石浦将勝、鳥取県出身=を報酬減額(1カ月、20%)とけん責、西幕下16枚目宝香鵬(30)=藤田宏作、埼玉=はけん責の懲戒処分とした。
東京・両国国技館で臨時理事会を開き、コンプライアンス委員会の答申通りに処分を決めた。
協会の暴力禁止規定では、稽古中に握り拳で殴るなど禁じ手を故意に暴力として用いる行為を禁止している。
関取の暴力事案の処分は出場停止1場所が基準だが、相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「過去の事案は(立場が)上の者が下の者に継続して行っていたが、今回は気合が入り熱くなった中で起きたという点で違う」と説明した。
その場にいて防げなかった師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)には報酬減額(3カ月、20%)の処分を科した。
両力士は4日に宮城野部屋で三番稽古をした際、駄目押しをされた石浦が立腹して膝蹴りするなどし、宝香鵬が応戦して殴り合った。

初場所 懸賞個人最多


日本相撲協会は10日、大相撲初場所(12日初日、両国国技館)の懸賞の申し込み本数を発表し、個人最多は大関・貴景勝(千賀ノ浦部屋)で218本だった。
2位の大関・豪栄道(境川部屋)の92本を大きく引き離し、昨年秋場所から3場所連続のトップとなった。
幕内5場所目で自己最高位の西前頭5枚目となった炎鵬(宮城野部屋)は新規申し込みとなった「そごう・西武」「御福餅本家」など4社から初めて15日間通しの懸賞がつき、計62本で個人4位まで浮上してきた。
新関脇・朝乃山(高砂部屋)は48本だった。
琴勇輝の休場により取りやめた懸賞を除いた全体の本数は2021本で、昨年初場所の2127本からは幾分減った。
結びの取組を指定した懸賞は約400本だった。

大相撲初場所展望


12日に初日を迎える大相撲初場所。
最大の注目は新関脇の朝乃山だ。
先場所は小結で11勝を挙げており、来場所を「大関取り」の場所にするためにも2桁勝利が期待される。
優勝に準ずる成績を収めれば、今場所後の大関昇進の可能性もある。
この日は東京都墨田区の高砂部屋で朝稽古を行い、立ち合いの踏み込みを入念に確認した。
初日の御嶽海、2日目の玉鷲はともに過去1勝3敗と苦しんでいる難敵。
「体は動いている。初日から気合を入れていかないと」と気を引き締めた。
優勝争いは不安要素が見当たらない白鵬が軸になりそうだ。
鶴竜は昨年末からしばしば熱が出るなど体調面に苦しんだ。本人は「問題ない」と話すが、影響がどう出るか。
大関昇進後は負傷が続いた貴景勝は久々に順調に稽古をこなし、「優勝しないと」と力を込める。
左足首の負傷で先場所休場した豪栄道は「だいぶ戻ってきた」と状態は上向きだ。
大関復帰を狙う高安も稽古で元気な姿を見せており、台風の目になり得る。

友風


友風は先場所痛めた膝の怪我で休場。
先場所の時点で全治未定で尾車親方も1年はかかると話していた。

審判部長


前任の阿武松部長(元関脇益荒雄)の退職で空席となっていた審判部長は、九州場所担当部長の境川理事(元小結両国)が代理で務める。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/10

初場所 2日前情報!


白鵬


大相撲の白鵬(宮城野部屋)が8日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古し、白鵬は新入幕の霧馬山(陸奥部屋)、平幕・正代(時津風部屋)と17番取って全勝。
白鵬は最初に霧馬山を指名して5番取り、右からのすくい投げ、左上手投げなどで転がした。
相手を正代に代えると、四つに組んで出る相撲が多くなり、立ち合いで相手の圧力がかかっていないと感じると「当たれ」と奮起を促した。
最後はもろ手突きからの攻めも見せた。
ぶつかり稽古では元横綱・朝青龍のおいで十両の豊昇龍(立浪部屋)をたっぷりと鍛えた。

鶴竜


鶴竜(陸奥部屋)横綱が8日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古し、鶴竜は平幕・北勝富士(八角部屋)と15番で12勝3敗だった。
発熱のため6日に点滴を受けた鶴竜は左上手を狙う攻めを繰り返した。
まわしに手が届かず3敗したものの「(体調は)回復に向かっている。まだ100%ではないけど。場所までには問題ない」と焦りや不安はない。
腰痛のため九州場所は急きょ初日に休場した。
腰に負担をかけないようにするため減量に着手。
「九州場所で160キロ台だったのが今は153キロぐらい。あと2、3キロ増やしたい。腰回りを絞ってから増やした方がいいと思ったから」と説明した。
2日連続で出稽古に来た新関脇の朝乃山は5番取っただけで2勝3敗だった。
出稽古はこの日で打ち上げになるもようで「あとは気持ち。体調管理をしっかりして、初日までもっていくだけ」と話した。

貴景勝


大関として迎える初めての新年。
貴景勝は自覚十分に言い切った。
「優勝しないと始まらない番付。毎場所、優勝という高い目標を立て、それに向かってやっていきたい」。
相撲界を背負う看板力士となり、賜杯の先にある綱とりも意識する。
春場所後に大関に昇進した昨年は相次ぐけがに苦しんだ。
夏場所で右膝を痛め、秋場所の優勝決定戦では左胸を負傷。
大関として唯一、皆勤した九州場所も万全ではなかったが、状態も変わった。
「けがの不安なく本場所に臨める。最後の番付を目指せるようにやりたい」と言い、自分の相撲に集中できる環境が整ってきた。
6日にあった横綱審議委員による稽古総見では、大関候補の朝乃山と三番稽古。
持ち前の低い姿勢で攻め、本来の突き押しではなく、もろ差しを果たす場面もあった。
「理想は(当たって)そのまま持っていくことだが、本場所では押し切れないところも出てくる。応用できればいい」。
8日には、手合わせした高安に優勢。
けがからの回復を優先した最近数場所とは異なり、稽古内容も充実してきている。
白鵬、鶴竜の両横綱が30代半ばとなり、角界の世代交代が待たれて久しい中、貴景勝は番付の頂点へ最も近い存在と言える。
「自分は体が大きくないので人より負担が大きい。何年後までに(横綱)と条件を甘くするとよくない」ときっぱり。
強い覚悟を胸に前進する。

豪栄道


左足首を痛めて先場所2日目から休場し、初場所(12日初日、東京・両国国技館)をかど番で迎える大関豪栄道(33=境川)は、幕内上位を相手に7勝2敗と復調をアピールした。
6日、東京・両国国技館で行われた横綱審議委員会(横審)の稽古総見に参加。
小結阿炎、東前頭筆頭遠藤、西前頭4枚目正代と3番ずつ取った。
最後に指名した正代には、疲労もあって1勝2敗だったが、阿炎、遠藤には負けなし。
「いろんなタイプとやりたかった。(状態は)思ったよりはいい」と、収穫を口にした。
昨年末までは基礎運動などを中心に、相撲を取る稽古は行っていなかった。
4、5日と同部屋の前頭佐田の海と相撲を取っており、他の部屋の力士と相撲を取ったのは、休場前の先場所初日以来、約2カ月ぶりだった。
手応えと課題の割合については「半々かな」と、まだ物足りなさも感じている。
それでも「先場所は、場所前の調子が良すぎたから」と笑顔で話し、しり上がりに仕上げ、上り調子のまま、まずはかど番脱出をクリアするつもりだ。

朝乃山


ひと皮むけた朝乃山に次期大関の期待が高まっている。
昨年は夏場所で初優勝し、九州場所では新小結の重圧を感じさせずに11勝を挙げた。
三段目100枚目格付け出しデビューから4年で関脇まで昇進した中、「もう一つ上の番付に上がれば自信が確信に変わる」。
貪欲な姿勢は変わらない。
苦手だった突き押しの相手も克服しつつある。
すぐに左上手を取れなくても焦らず、圧力をかけて得意の右四つに持ち込めるようになってきたが、5日の田子ノ浦部屋への出稽古では新たな課題を突き付けられた。
けんか四つの荒磯親方(元横綱稀勢の里)との三番稽古は1勝16敗と散々だった。
左おっつけで差し手を封じた荒磯親方は「まだ右脇が緩んでいる。上位の力士はつけ込んでくる」と指摘。
「悔しかった。白星を届けて恩返ししたい」と発奮させられた。
関脇は横綱、大関戦が勝負どころの場所後半に組まれるだけに「疲れがピークにくるとき。もっと体力をつけないといけない」。
食事や睡眠から見直す必要性も感じている。
師匠の高砂親方(元大関朝潮)が12月で定年を迎える。
今年中に使者を迎えたい思いは強く、「初場所が大事になる。絶対に自分の形にして、毎日攻め切りたい」。
右四つの完成度を追求することが、大願成就への近道となる。

高安


大関復帰を目指す高安が8日、東京都江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加し、大関貴景勝とは10番取った。
劣勢が目立った中、本来の力強い当たりから押し出す場面も。
「内容の悪いところはあったが、全体的には良かった。膝がしっかり曲がり、浮つかない相撲が多かった」と納得の口ぶりだった。
昨年の名古屋場所で左肘を負傷。
その影響も残った九州場所は腰痛を発症して途中休場し、大関の座を明け渡した。
返り咲きの条件となる2桁白星に向け、「番付も落ちたので初心を思い出してやりたい。力強く、冷静に15日間、ベストを尽くしたい」と意気込みを示した。

大栄翔


大栄翔が掲げた2019年の目標は「三役昇進」「初の三賞」「初金星」だった。
東前頭筆頭で臨んだ一年納めの九州場所で勝ち越し、優勝した白鵬に土をつけて殊勲賞も獲得。
「全部かなって、すごくよかった」。念願の新小結で新年を迎えるにあたり、口ぶりにも自信がにじんだ。
その19年の夏場所には、埼玉栄高の後輩に当たる貴景勝が新大関として土俵に上がり、同学年の朝乃山は初優勝。
身近な力士の活躍を目の当たりにした。
26歳となり、「もう若くない」と自らに言い聞かせた。
膨らんだ危機感を抱えながら自分の取組映像を見返すと、武器の突き押しで攻め込んだ末に苦しくなってはたいたり、安易な四つ相撲に頼ったりして、流れを悪くしているのに気付いた。
「今のうちしかできない。稽古しないと駄目」。
そう肝に銘じ、疲労が蓄積した状況でも、我慢して押し切ることを意識して励むようになったという。
6日の横綱審議委員による稽古総見では、白鵬と鶴竜の胸を借りた。
かち上げや張り手、左四つなど横綱の多彩な攻めを受け、みるみる砂まみれに。
「そんなに甘くはない」と改めて痛感した中、「きょう学んだことをしっかり修正してやっていきたい。いろいろ恩返しができるようにしっかり頑張りたい」と意を決した。
大きな壁を前にしても臆せず、歩みを止めない気概を示した姿に確かな成長の跡が見える。

阿炎


7日の出稽古で右膝付近を痛めていた小結・阿炎(錣山)は、初場所に出場する見通しとなった。
8日に行われた二所ノ関一門の連合稽古は欠席し、同日に病院で受診。
関係者によると出場へ強い意欲を示しているという。
2013年夏場所の初土俵からこれまで休場はなし。
当初は足を引きずりながらの歩行だったが、足の痛みなども快方に向かっているという。

炎鵬


人気小兵の炎鵬は都内の友綱部屋への出稽古で、初場所に向けた本格的な調整を終えた。
申し合いで十両旭大星らと12番取り、ぶつかり稽古ではともに出稽古に来た兄弟子の横綱白鵬に約10分間胸を借りた。
「やれることはやった」。
年が明けてから、自身が起用されている百貨店のCMがインターネットなどで流れている。
初のCM起用に「自分ではない不思議な感じ。(CMが)きっかけになって相撲でみせられるようにしたい」と話した。

石浦


日本相撲協会は9日午後、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、大相撲初場所(12日初日・両国国技館)に向けた4日の稽古中、同じ相手と連続して相撲を取る三番稽古で、ともに拳を振り挙げ暴行騒動を起こした、宮城野部屋の幕内力士で西前頭10枚目の石浦(29)と幕下の宝香鵬(30)、及び師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)への処分を決めた。
宮城野親方は3カ月20%の報酬減額、石浦は1カ月20%の報酬減額とけん責の併科、宝香鵬はけん責の、それぞれ処分が下された。
3人は理事会に個別に呼ばれ、それぞれ通知された。
同協会はこの案件について、コンプライアンス委員会(青柳隆三委員長=弁護士)に調査と処分意見の答申を委嘱。
前日8日までに関係者の事情聴取を終え、この日午前、同所で行われた同委員会で答申をまとめた。
これを受けて臨時理事会が開催され、処分が決まった。
同委員会は、2人の行為は稽古の範疇を逸脱し暴力禁止規程第4条の「稽古中において、握り拳で殴るなど、審判規則禁じ手反則第1号に掲げる禁じ手を故意に暴力として用いる行為」に該当すると判断した。
一方で<1>だめ押しがきっかけとなった突発的な暴力<2>双方にけがはなかった<3>過去に暴力を振るったことや両者間のトラブルトラブルはなかった<4>暴力の継続性、反復性はなく、いじめや制裁など陰湿な要素はない<5>両名の深い反省の態度、など悪質性は高くない事案、と指摘した。
過去の処分例から、関取の暴力事案は出場停止1場所が基準だが、これらの理由から石浦については、最初に膝蹴りをしたことや幕内力士である点などから併科が妥当、宝香鵬については石浦に応戦した側面からけん責が相当との処分意見を答申した。
また宮城野親方については、暴力の場面を見落としたこと、過去に監督責任を問われた処分歴があるにもかかわらず、本件の防止、抑制に適切な対応を怠ったとして報酬減額が相当とした。
今後の対応については、2月に行う「研修ウイーク」で師匠、力士に対し、稽古の範疇を逸脱した禁じ手の応酬が2度と起きないよう注意、啓発を行うとしている。
またコンプライアンス委員会は、再発防止の観点から宮城野部屋の視察を実施するという。

霧馬山


大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)で新入幕の霧馬山(23)が9日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古に行き、勝った力士が次の対戦相手を指名する「申し合い稽古」で15番取り9勝。
九州場所で11勝を挙げて敢闘賞に輝いた正代(28)らを次々と破り、「体がよく動いた」と笑顔を見せた。
霧馬山は十両5場所目で西5枚目だった九州場所で11勝。
4人による優勝決定戦では敗れたが、新入幕にこぎ着けた。同じモンゴル出身の横綱・鶴竜(34)が、2019年9月に井筒親方が死去したのに伴い陸奥部屋に転属して兄弟子になったことも成長を促した。
「相手に合わせないように」と指導され、得意の左四つにこだわらず「攻めて自分の形になる」ことを意識するようになったという。
この日の稽古では、強い立ち合いから相手に圧力をかけ続けて圧倒する相撲が目立った。
「足もよく動いたし、上半身もちゃんとついていった」と成果を実感しているようだ。
初場所では鶴竜の土俵入りで露払いを務める予定で、「取組より緊張するかも」と苦笑い。
初場所の目標については「あまり大きなことを言うと恥ずかしいけれど、まずは勝ち越し。できれば2桁いきたい」と話した。
鶴竜もこの日、時津風部屋の稽古場に顔を見せたが、コンディションが万全でないため相撲は取らなかった。
冬巡業中に風邪をひき、年末まで発熱や下痢に苦しんだ。
初場所については、「もちろん出場する。体調はもう大丈夫でしょう。あと2日あるから、やれることをやるだけ。いい場所にしたい」と話した。

友風


昨年11月の九州場所で右膝に重傷を負った十両・友風について、師匠の尾車親方(元大関・琴風)は初場所を全休することを明らかにした。
25歳の友風は九州場所2日目に負傷し「右膝関節脱臼でじん帯損傷を伴う」と診断された。
今後、じん帯修復手術を受ける予定で、長期休場が濃厚。尾車親方は「まず、しっかり治すことを考えるしかない」と話した。

照ノ富士


大相撲の西十両13枚目照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が8日、都内の時津風部屋に出稽古し、初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて自信をのぞかせた。
新関脇の朝乃山や前頭の北勝富士、正代、豊山らと相撲を取り、計7番取って6勝1敗。
「先場所よりは今場所という感じでよくなってきているのは事実」と手応えを口にした。
申し合い稽古を行う前には、土俵まわりで入念にすり足を行うなど、準備に余念がなかった。
稽古中の表情は、引き締まりながらも明るく「前よりも体調はいい。汗もよく出る。(準備を)ただやるだけよりも、意識してやっている」と意図を持って稽古している。
膝の負傷と手術、内臓疾患などで番付を大関から序二段まで落とし、1度は引退を心に決めたが再起。
4場所連続全休から昨年春場所で復帰し、初場所には10場所ぶりに関取として戻ってくる。
理想の自分とはまだ程遠いが「ちょっとずつ足の軽さが取れてきたし、怖さも少しずつ取れてきている。昔感じたことが最近、復活している。1場所1場所ずつ上がっていけばいい」と復調を自分でも実感していた。

八角理事長


日本相撲協会は9日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、大相撲初場所(12日初日・両国国技館)に向けた4日の稽古中。
ともに拳を振り挙げ暴行騒動を起こした宮城野部屋の西前頭10枚目の石浦(29)と幕下の宝香鵬(30)、及び師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)への処分を決めた。
宮城野親方が3カ月の報酬減額20%、石浦が1カ月20%の報酬減額とけん責、宝香鵬をけん責とした。
重い処分とはならなかった。
協会から事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱され調査したコンプライアンス委員会が会議を開き処分意見を答申。
その後、臨時の理事会で審議し、答申通りの処分が決まった。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、3人は1人ずつ会議室に呼ばれて処分を言い渡され、八角理事長(元横綱北勝海)から「次はありえないよ」と言われたという。
宮城野親方は都内の部屋で取材に応じ「重さは重々承知しています」と反省の表情を浮かべた。
関取による暴力事案は、1場所出場停止が基準となっている。
当然暴力は許されざる行為。
しかし今回は、稽古中に熱が入るあまり、互いに拳を振り挙げてしまったというもの。
両力士にけがはなく、突発的でいじめの要素がないなどと同委員会が判断した。
芝田山広報部長は「土俵を割っての暴力は論外。ただ、真剣な熱い稽古をしないと心身の教育にならない。(処分を)厳しくし過ぎて力士を萎縮させてはいけない」と話した。
協会は2月に行う研修会で、師匠や力士らに注意、啓発を行うとした。
日本相撲協会の暴力禁止に関する処分は、暴力禁止規定の第5条に明記。
処分は軽い順にけん責(将来を戒める)、報酬減額、出場停止、業務停止(協会事業への従事を停止する)、降格、引退勧告、懲戒解雇の7項目。
引退勧告を受けた者がすみやかに引退届を提出しない場合は、懲戒解雇とすることができる。
力士の暴力に対する処分基準では、大関以下の関取の場合は1場所出場停止が一応の基準だが、内容、程度、情状などを考慮して適切な処分を行う。
横綱の場合は引退勧告以上が基準になる。

大相撲大府場所


大府市と日本相撲協会は9日、地方巡業「大相撲大府場所」を十月十五日に大府市横根町のメディアス体育館おおぶで開くと発表した。
9月に市制五十周年を迎える記念事業の一つで、大府市で開催するのは初めて。
会見には岡村秀人市長、日本相撲協会巡業部の立田川親方(元小結豊真将)らが出席。
立田川親方は「大府は名古屋場所が開かれる名古屋に近いが、本場所と違って地元の人と触れ合うのが巡業の魅力。テレビで見るお相撲さんの大きさを、間近で感じてほしい」と話した。
大府市では、名古屋場所開催期間に芝田山親方(元横綱大乃国)の芝田山部屋が市内の豊田自動織機大府工場に宿舎を構えて稽古を公開するなどの縁があり、岡村市長は「この地域は相撲に関心がある。五十周年の目玉事業として、市民や近隣のファンに来てもらいたい」と呼び掛けた。
大府開催の決め手を問われた立田川親方は「スポーツが盛んだというところに一番ひかれた。大府から次代のお相撲さんになりたい子が増えてくれれば」と願いを込めた。
巡業には150人の力士と130人の裏方の計280人の力士団が参加する予定。
午前8時から稽古、禁じ手を面白おかしく解説する「初っ切り」、相撲甚句、横綱の土俵入りなどがある。
一般向けのチケットは7月ごろから発売する予定。

陸奥部屋


ネスレ日本は、陸奥部屋協力のもと、「陸奥部屋 ポリフェノールたっぷり ちゃんこ鍋セット」を、1月8日から26日までの期間限定でネスカフェ 原宿(東京都渋谷区神宮前1-22-8)で提供する。
「陸奥部屋 ポリフェノールたっぷり ちゃんこ鍋セット」は、ポリフェノールを摂取する習慣を提案するネスレが、2020年大相撲1月場所の開催期間に合わせて展開するもの。
ポリフェノールが豊富に含まれるコーヒーと共に提供する「ちゃんこ鍋」は、陸奥部屋の力士たちが日常的に食べているレシピをもとに、ポリフェノールが含まれる10種類以上の食材を使ったカラダにうれしいメニューとなっている。
陸奥部屋のちゃんこ鍋は、醤油味ベースのスープにみそを加えており、相撲部屋のちゃんこ鍋ではめったに使わない薄口醤油を使っている点がポイントという。
セットの価格は1000円(税込)だが、1月12日〜26日に開催される大相撲1月場所で、陸奥部屋所属の霧馬山(モンゴル・ドルノドゥ出身)関が白星となった翌日は、半額の500円(税込)で提供される。
8日にネスカフェ 原宿で開かれた発表会では、1月場所から新入幕となる霧馬山関への化粧まわしの贈呈式も行われた。
これは、2015年から陸奥部屋がネスレのコーヒーマシンを設置し、力士や関係者が「ネスカフェ」のコーヒーを日常的に飲んでいることが縁になっているという。
霧馬山関は、新たな化粧まわしについて「とても嬉しい。これで頑張れます」と語った。
ネスレ日本は、今回のちゃんこ鍋を展開する企画について、「活性酸素と戦う“抗酸化物質”のひとつで、健康維持に大切な役割を果たすポリフェノールが豊富に含まれるコーヒーとちゃんこ鍋のセットメニューで、寒い年明けの皆様のカラダをサポートします」としている。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/09

初場所 3日前情報!


白鵬


8日、東京都墨田区の時津風部屋へ出向き、白鵬は正代と新入幕の霧馬山を相手に17番取った。
白鵬は鋭い踏み込みで機先を制し、前まわしを引き付けて寄り切るなど、2場所連続の優勝が懸かる初場所(12日初日)に向けて順調な仕上がりぶりを披露した。

鶴竜


8日、東京都墨田区の時津風部屋へ出向き、鶴竜は北勝富士と15番取った。
鶴竜は北勝富士の低い当たりに起こされ、引く場面もあったが、出し投げや足技を交えた攻めは軽快で持ち前のうまさを発揮。
先場所を休む要因になった腰も問題ないといい、「最近は年6場所、全部出られていないから皆勤したい。そのためにも、何があっても気持ちがぶれないようにしたい」と意欲十分だった。

貴景勝


大関として迎える初めての新年。
貴景勝は自覚十分に言い切った。
「優勝しないと始まらない番付。毎場所、優勝という高い目標を立て、それに向かってやっていきたい」。
相撲界を背負う看板力士となり、賜杯の先にある綱とりも意識する。
春場所後に大関に昇進した昨年は相次ぐけがに苦しんだ。
夏場所で右膝を痛め、秋場所の優勝決定戦では左胸を負傷。
大関として唯一、皆勤した九州場所も万全ではなかったが、状態も変わった。
「けがの不安なく本場所に臨める。最後の番付を目指せるようにやりたい」と言い、自分の相撲に集中できる環境が整ってきた。
6日にあった横綱審議委員による稽古総見では、大関候補の朝乃山と三番稽古。
持ち前の低い姿勢で攻め、本来の突き押しではなく、もろ差しを果たす場面もあった。
「理想は(当たって)そのまま持っていくことだが、本場所では押し切れないところも出てくる。応用できればいい」。
8日には、手合わせした高安に優勢。
怪我からの回復を優先した最近数場所とは異なり、稽古内容も充実してきている。
白鵬、鶴竜の両横綱が30代半ばとなり、角界の世代交代が待たれて久しい中、貴景勝は番付の頂点へ最も近い存在と言える。
「自分は体が大きくないので人より負担が大きい。何年後までに(横綱)と条件を甘くするとよくない」ときっぱり。
強い覚悟を胸に前進する。

朝乃山


ひと皮むけた朝乃山に次期大関の期待が高まっている。
昨年は夏場所で初優勝し、九州場所では新小結の重圧を感じさせずに11勝を挙げた。
三段目100枚目格付け出しデビューから4年で関脇まで昇進した中、「もう一つ上の番付に上がれば自信が確信に変わる」。
貪欲な姿勢は変わらない。
苦手だった突き押しの相手も克服しつつある。
すぐに左上手を取れなくても焦らず、圧力をかけて得意の右四つに持ち込めるようになってきたが、5日の田子ノ浦部屋への出稽古では新たな課題を突き付けられた。
けんか四つの荒磯親方(元横綱稀勢の里)との三番稽古は1勝16敗と散々だった。
左おっつけで差し手を封じた荒磯親方は「まだ右脇が緩んでいる。上位の力士はつけ込んでくる」と指摘。
「悔しかった。白星を届けて恩返ししたい」と発奮させられた。
関脇は横綱、大関戦が勝負どころの場所後半に組まれるだけに「疲れがピークにくるとき。もっと体力をつけないといけない」。
食事や睡眠から見直す必要性も感じている。
師匠の高砂親方(元大関朝潮)が12月で定年を迎える。
今年中に使者を迎えたい思いは強く、「初場所が大事になる。絶対に自分の形にして、毎日攻め切りたい」。
右四つの完成度を追求することが、大願成就への近道となる。

高安


大関復帰を目指す高安が8日、東京都江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加し、大関貴景勝とは10番取った。
劣勢が目立った中、本来の力強い当たりから押し出す場面も。
「内容の悪いところはあったが、全体的には良かった。膝がしっかり曲がり、浮つかない相撲が多かった」と納得の口ぶりだった。
昨年の名古屋場所で左肘を負傷。
その影響も残った九州場所は腰痛を発症して途中休場し、大関の座を明け渡した。
返り咲きの条件となる2桁白星に向け、「番付も落ちたので初心を思い出してやりたい。力強く、冷静に15日間、ベストを尽くしたい」と意気込みを示した。

大栄翔


大栄翔が掲げた2019年の目標は「三役昇進」「初の三賞」「初金星」だった。
東前頭筆頭で臨んだ一年納めの九州場所で勝ち越し、優勝した白鵬に土をつけて殊勲賞も獲得。
「全部かなって、すごくよかった」。
念願の新小結で新年を迎えるにあたり、口ぶりにも自信がにじんだ。
その19年の夏場所には、埼玉栄高の後輩に当たる貴景勝が新大関として土俵に上がり、同学年の朝乃山は初優勝。
身近な力士の活躍を目の当たりにした。
26歳となり、「もう若くない」と自らに言い聞かせた。
膨らんだ危機感を抱えながら自分の取組映像を見返すと、武器の突き押しで攻め込んだ末に苦しくなってはたいたり、安易な四つ相撲に頼ったりして、流れを悪くしているのに気付いた。
「今のうちしかできない。稽古しないと駄目」。
そう肝に銘じ、疲労が蓄積した状況でも、我慢して押し切ることを意識して励むようになったという。
6日の横綱審議委員による稽古総見では、白鵬と鶴竜の胸を借りた。
かち上げや張り手、左四つなど横綱の多彩な攻めを受け、みるみる砂まみれに。
「そんなに甘くはない」と改めて痛感した中、「きょう学んだことをしっかり修正してやっていきたい。いろいろ恩返しができるようにしっかり頑張りたい」と意を決した。
大きな壁を前にしても臆せず、歩みを止めない気概を示した姿に確かな成長の跡が見える。

石浦


大相撲の幕内・石浦(29)=宮城野=が7日、東京・墨田区の部屋で取材に応じ、兄弟子の幕下・宝香鵬(30)と4日の稽古中に殴り合いのけんか騒動を起こした件について、「自覚が足りなかった。互いに熱くなった時に、番付が上の自分が口頭で対応できず情けない」と猛省した。
日本相撲協会は6日に今回の事実調査と処分意見の答申をコンプライアンス委員会に委嘱。
同委はこの日、都内で両力士からの事情聴取を開始した。
今後は稽古場にいた師匠・宮城野親方(元幕内・竹葉山)からも事実確認を行う予定。
協会は調査報告を待ち、処分などを含め理事会で審議することになっている。

霧馬山


大相撲初場所(12日初日、両国国技館)で新入幕を果たした霧馬山(23)に8日、ネスレ日本から化粧まわしが贈られ、東京・原宿の「ネスカフェ 原宿」で贈呈式が行われた。
ネスカフェのロゴ入りの化粧まわしには赤地にコーヒーカップを持った霧馬山のイラストが描かれた。
「いい顔してますね。いい化粧まわしを作ってもらってうれしい」と関取はご満悦だった。v 2015年から陸奥部屋に同社のコーヒーマシンが設置され、陸奥親方(元大関霧島)や力士たちが愛用。
「ネスカフェ 原宿」では新入幕を祝い、陸奥部屋のレシピをベースにした「陸奥部屋 ポリフェノールたっぷり ちゃんこ鍋 セット」を26日まで販売する。
通常は税込み1000円だが、霧馬山が勝利した翌日は半額となる。
縁の深い同社の全面サポートを受け、霧馬山は「勝ち越し、2桁を目指して頑張ります」。
初場所への意気込みを口にした。

照ノ富士


大相撲の西十両13枚目照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が8日、都内の時津風部屋に出稽古し、初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて自信をのぞかせた。
新関脇の朝乃山や前頭の北勝富士、正代、豊山らと相撲を取り、計7番取って6勝1敗。
「先場所よりは今場所という感じでよくなってきているのは事実」と手応えを口にした。
申し合い稽古を行う前には、土俵まわりで入念にすり足を行うなど、準備に余念がなかった。
稽古中の表情は、引き締まりながらも明るく「前よりも体調はいい。汗もよく出る。(準備を)ただやるだけよりも、意識してやっている」と意図を持って稽古している。
膝の負傷と手術、内臓疾患などで番付を大関から序二段まで落とし、1度は引退を心に決めたが再起。
4場所連続全休から昨年春場所で復帰し、初場所には10場所ぶりに関取として戻ってくる。
理想の自分とはまだ程遠いが「ちょっとずつ足の軽さが取れてきたし、怖さも少しずつ取れてきている。昔感じたことが最近、復活している。1場所1場所ずつ上がっていけばいい」と復調を自分でも実感していた。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/08

初場所 4日前情報!


白鵬


大相撲の横綱白鵬(34=宮城野)をめぐる「品格問題」が迷走中だ。
白鵬は昨年11月の九州場所で43回目の優勝を果たした一方で、横綱審議委員会は立ち合いの荒っぽい張り手やヒジ打ちに近いカチ上げを「見苦しい」と問題視。
日本相撲協会に対して指導を要請した。
ただ、白鵬にルール違反の行為はなく、相撲協会は静観する構え。
横審も“処分”を下すことには及び腰になっている。
初場所(12日初日、東京・両国国技館)を控えた6日には、横審による稽古総見が国技館で行われた。
横審は11月場所後の会合で白鵬が見せた荒っぽい立ち合いに「見苦しい」と苦言を呈し、相撲協会が指導を行うように要請。
白鵬は横審の主張に対して「禁じ手ではない」と真っ向から反論した。
その意味で今回の総見は両者にとって因縁の顔合わせでもあった。
その白鵬は新小結大栄翔(26=追手風)を指名し12戦全勝と力の差を見せつけた。
さらに「何が悪い」と言わんばかりに張り手やカチ上げを連発。
稽古後は「(大栄翔の指名は)先場所で唯一負けた相手だったので。いろいろ試しました。厳しい攻め?そうかな」と涼しい表情を浮かべた。
この日の稽古では白鵬の張り手やカチ上げは本場所に比べて控えめだったことは確か。
横審の矢野弘典委員長(79=産業雇用安定センター会長)も「(荒っぽい立ち合いは)それらしいのが1番あったけど。見た感じではまともにやっている」と特に問題視はしなかった。
一方で、初場所の白鵬の取り口については「ちゃんと見ていきたい」と引き続き注視していく構え。
「白鵬=乱暴」の見方は崩していない。
ただ、横審と相撲協会の間には“温度差”がある。
芝田山広報部長(57=元横綱大乃国)は「白鵬は反則をしているわけでも何でもない。協会からは何も言えない。協会とは別に、横審からお伝えいただくしかない」との見解だ。
横審の内規では「横綱としての体面を汚す場合」には出席委員の3分の2以上の決議により本人に「注意」などを行う権限を有している。
横審が本気で白鵬の行動を改めさせたいと考えるのなら、協会を通す必要はないということだ。
ところが…矢野委員長は白鵬本人に「注意」などを与える可能性については及び腰。
インタビューに対して「横審から注意?そういうことはない。協会がやること」と大きくトーンダウンした。
今回の問題も結局のところ、「おとがめなし」で終わる公算が大きい。
取り口の是非は別にして、白鵬の隙を攻め切れない相手のふがいなさが目立つことも確か。
現状を打破する若手力士が出てこない限り、2020年も大横綱の時代が続く。

大相撲の横綱白鵬と鶴竜が7日、東京・明治神宮で新春恒例の奉納土俵入りを行った。
降雨により、例年の社殿前から社殿へと場所を移して披露。
白鵬は「(12日初日の)初場所がよければ、今年は走れる気がする。オリンピックもあるし、頑張りたい」と言い、44度目の優勝へ意欲を見せた。

鶴竜


大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)を5日後に控えた7日、横綱鶴竜(34=陸奥)が高熱による体調不良に見舞われていたことを明かした。
この日、東京・墨田区の時津風部屋への出稽古で、三番稽古で新関脇の朝乃山を指名して10番を全勝。
左前ミツを素早く取る場面が目立ち、寄りや投げなど多彩な技で圧倒したが「稽古はもうちょっとやりたかった。熱がある。昨日(6日)点滴を打った。(熱は)38度ちょっと。インフルエンザではない」と明かした。
この日の午後は、東京・明治神宮で横綱白鵬とともに奉納土俵入りを行った。
通常は社殿前の石畳で行われるが、雨天のため社殿内での披露となり「新鮮だった。雨はしょうがない。雨の中でもたくさんの方がいらっしゃってくれた」と、悪天候の中で駆け付けた約200人のファンに感謝した。
元関脇逆鉾の師匠が亡くなったのに伴い、昨年9月の秋場所後に陸奥部屋へ転属。
今回は弟弟子に当たる新入幕の霧馬山を従え、「後輩が露払いで、いい感じでできた。ここに来るといつも新鮮な気持ちになる」と表情を崩した。
2場所連続休場中で、初場所では6度目の優勝を果たした昨年7月の名古屋場所以来の15日間皆勤を目指す。
「15日間取り切ることを意識したい。稽古をしてしっかり体をつくりたい」と話した。

貴景勝


大相撲の大関貴景勝(23)がこのほど、毎日放送(MBS)のスポーツ番組「戦え!スポーツ内閣」(8日午後11時56分=関西ローカル)の収録に参加した。
貴景勝は昨年、「夢をかなえられた」と大関昇進を果たしたが、新大関として迎えた夏場所で右ヒザ靭帯を損傷。
その影響で2場所で大関から陥落した。
秋場所で好成績を収め大関復帰となったものの、優勝決定戦では左大胸筋を部分断裂するという波乱の一年を経験した。
2つのケガの原因となった取組の相手はどちらも幕内御嶽海だった。
貴景勝は左胸を負傷した秋場所千秋楽の優勝決定戦について「御嶽海関に悪い(ことをしてしまった)なと思います」。
続けて「『御嶽海がケガをさせた』と心ないことを言われるほうがつらかった。『我に怪しい』と書いて『怪我』という教わり方をしたので、自分にすべて原因があるのに」と心情を吐露し、番組MCを務める武井壮(46)や「ブラックマヨネーズ」小杉竜一(46)をうならせた。
さらに、今年の目標を聞かれた貴景勝は「次は横綱しかない」ときっぱり。
横綱昇進の原則が2場所連続優勝であることに触れ「まずは(自身の)2回目の優勝をしないと始まらない。優勝を狙いたいと思います」と力強く宣言した。

朝乃山


大相撲初場所(12日初日・両国国技館)を前に、横綱審議委員会による稽古総見が6日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた。
自身2度目の優勝で綱取りへの足がかりを目指す大関・貴景勝(23)=千賀ノ浦=が、三番稽古で大関候補の新関脇・朝乃山(25)=高砂=を指名。
角界の未来を担う「押し相撲VS四つ相撲」は計10番で6勝4敗と突き押しの貴景勝が上回った。
白鵬、鶴竜の両横綱はともに12番で全勝。
朝乃山は四つ相撲の意地を見せた。
貴景勝に得意の形にさせてもらえず苦戦も、2勝5敗で迎えた8番目。
左上手をがっちりつかむと、右四つに持ち込み、土俵際で寄り倒し。
「押されてますけど、しっかり残して、自分の形で寄り切れた相撲もあってよかった」と持ち味を発揮した。
勝敗上は4勝6敗と下回ったが「指名してもらって、普段できない三番稽古。充実して一番、一番できた」と手応えを口にした。
5日は新年初の出稽古で田子ノ浦部屋の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)の胸を借りるなど調整は順調。
成績次第では大関昇進の機運が高まる初場所には「2ケタ以上勝って、その上の番付を目指していきたい」と意気込む。
「上位は厳しい。命を懸けて右四つにならないと」。
代名詞を磨き上げ、本場所で貴景勝への雪辱を狙う。

高安


1場所での大関復帰を目指す関脇高安は、都内の時津風部屋への出稽古で状態の良さをアピールした。
新関脇の朝乃山らと18番取って14勝。
立ち合いのぶちかましから、力強い突き押しで圧倒する場面が目立った。
「めちゃくちゃ良かった。次から次と手順通り動けていた」と納得の表情。
稽古を見守った相撲解説者の舞の海秀平氏(元小結)も「馬力がかなり戻ってきた。取り口の甘さが少しあるが、それがなければ2桁勝てる」と、大関復帰へ太鼓判。初場所に向けて、高安は「優勝争いに加わりたい」と意気込んだ。

炎鵬


大相撲初場所(12日初日・両国国技館)を前に、横綱審議委員会(横審)の稽古総見が6日、国技館の相撲教習所で行われた。
西前頭5枚目で、上位との対戦が予想される注目の炎鵬(金沢市出身、宮城野部屋、金沢学院大OB)はぶつかり稽古で大関復帰を狙う関脇高安の胸を借り、「チャレンジャーの気持ちで臨む。元気な姿を見せたい」と気持ちを高ぶらせた。
関取最軽量99キロの小兵が土俵に上がると、カメラマンが次々とシャッターを切った。
炎鵬は兄弟子の横綱白鵬から「足を出せ」とアドバイスを受け、最後は息を切らしながら高安を押し込んだ。
2019年は夏場所で幕内に昇進し、令和元年納めの九州場所は3場所連続の勝ち越しで締めくくった。
上位との対戦については、東前頭筆頭の遠藤(穴水町出身、追手風部屋、金沢学院高OB)らの名を挙げ「高校時代からすごいと思っていた。緊張とわくわくの半々」と話し、対戦を心待ちにした。
三役復帰を目指す遠藤は横綱鶴竜や大関豪栄道らと対戦した。
角界で若手が台頭しており、29歳の相撲巧者も正念場だ。
初場所に向け「体の調子はいつもと変わらない。頑張ります」と決意を示した。
西前頭11枚目の輝(七尾市出身、高田川部屋、金沢市西南部中OB)は東前頭2枚目の北勝富士らと対戦し、上々の動きを見せた。
九州場所は10勝を挙げ、幕内初の2桁勝利となった。
身長192センチ、体重166キロの恵まれた体格を生かした相撲に磨きをかけ、初場所は2場所連続の勝ち越しを狙う。

石浦


大相撲の前頭石浦と幕下宝香鵬が東京・墨田区の宮城野部屋で行われた4日の稽古中に拳で殴打し合うなどした件について、日本相撲協会のコンプライアンス委員会は6日、都内で石浦、宝香鵬の両力士に事実調査を行った。
この件について石浦は、「自覚が足りなかった。互いに熱くなったときに、番付が上の自分が口頭で対応できず情けない」と反省の弁を述べた。
事実調査には協会の宮田主事、コンプライアンス委員会の青沼隆之委員長らが同席。
この日、都内で取材に応じた宮田主事は、明日8日以降、師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)にも聴取を行うことを明かした。
初場所(12日初日、東京・両国国技館)が5日に迫り、宮田主事は「(初日までに調査が)終わればという思い」と話した。
日本相撲協会は本件の事実調査と処分意見をコンプライアンス委員会に委嘱。
コンプライアンス委員会からの調査報告と処分意見の答申を待ち、理事会で審議する。
石浦は、明治神宮奉納土俵入りで同部屋の横綱白鵬の露払いを務める予定だったが、「部屋に迷惑をかけた」として師匠の宮城野親方(元幕内竹葉山)に辞退を申し入れ、同じ一門の平幕照強と交代した。
この件で日本相撲協会から調査と処分意見の答申を委嘱されたコンプライアンス委員会がこの日、両力士から事情を聴いた。
今後は宮城野親方からも事実確認を行う予定。

元林


大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて、序ノ口デビューから無敗で21連勝中の東幕下14枚目、元林(23)が7日、東京都墨田区の浅香山部屋に出稽古に行き、元十両で東幕下筆頭の魁勝(24)の胸を借りた。
デビューからの連勝記録の更新や関取昇進も視野に入る初場所に向けて「先を見ないで、一日一番に集中する」と話した。
元林は東大阪市出身。
大関・貴景勝と同学年で、近大付高時代には埼玉栄高に在籍していた貴景勝と4度対戦して2勝2敗と渡り合ったという。
近大に進み、2017年の全国学生選手権で準優勝した。
昨年の名古屋場所でデビューすると、力強い突き押しを武器に序ノ口、序二段(秋場所)、三段目(九州場所)と全て7戦全勝して優勝。
土つかずの21連勝で、初場所は幕下に昇進した。
序ノ口デビューからの連勝記録は、東幕下32枚目の常幸龍(31)が11〜12年に記録した「27」が最多。
元林が初場所で7戦全勝すれば28連勝で記録を更新するだけでなく、初土俵から所要5場所で史上最速(幕下付け出しを除く)の十両昇進となる可能性もある。
6日の横綱審議委員会の稽古総見。
元林は魁勝との相撲で「良い稽古ができた」ことから、師匠の鳴戸親方(元大関・琴欧洲)の勧めで7日も魁勝の胸を借りることにした。
この日は魁勝と10番取り、4勝6敗。
鋭い立ち合いは見せたが、元十両に低く当たられてはじき返されたり、まわしを取られて寄り切られたりと、実力を見せつけられた格好になった。
「下から押す相撲ができず、まわしを取りにいってしまった。前に圧力をかけ続けないといけない」と反省した。
鳴戸親方からは「とにかく前に出る相撲を取るように」と教え込まれ、足腰を鍛え抜く日々だ。
「入門当初より下半身は強くなった」と手応えも感じる。
「初場所は、相手も格上ばかり。胸を借りるつもりで勝ちにいきたい」と話し、「いつか(同学年の)貴景勝関と対戦できるよう頑張る」と昇進を誓った。

大相撲初場所の新弟子検査


大相撲初場所(12日初日・両国国技館)の新弟子検査が6日、東京・両国国技館で行われた。
静岡・飛龍高で昨年の全国高校総体個人を制した大桑元揮(18)=静岡県出身、伊勢ケ浜部屋=
海洋高相撲部3年の竹岡隼人(18)=東京都出身、尾車部屋=
受検した10人全員が身長167センチ以上、体重67キロ以上の体格基準を満たした。
内臓検査の結果を待ち、初日に合格者が発表される。
大桑は168センチ、134キロでパスし「まずは関取になりたい」と抱負を述べた。
ウクライナ出身で初の力士を目指すセルギイ・ソコロフスキー(22)=入間川部屋=は191センチ、162キロで通過した。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/07

初場所 5日前情報!


白鵬


大相撲初場所(12日初日、両国国技館)へ向けた横綱審議委員会(横審)の稽古総見が6日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われた。
2場所連続44度目の優勝を狙う横綱白鵬(34)は新小結大栄翔(26)を指名し、12番取って全勝。
昨年も横審の会合で“問題視”されたかち上げを連発し、われ関せずの道を行く。
禁じ手でも反則技でもない。
とがめられる筋合いはない、という白鵬の意思にもみえた。
昨年11月の九州場所で唯一の黒星を喫した大栄翔に対し、立ち合いで最初から5番連続して右のかち上げ。
さらに10番目はあご付近に当たり、大栄翔の足がよろめいた。
「先場所、負けている相手。いろいろ試したかった。もうちょっと(感触が)ほしかったな」
九州場所で遠藤戦のかち上げは肘打ちのように顔面へ当て、激しい張り手で流血させた。
場所後の横審会合では「横綱としての振る舞いではない」「見苦しい」との意見が相次いだ。
横審の矢野弘典委員長(78)=産業雇用安定センター会長=はこの日、明確な苦言は避けつつも「(初場所も)ちゃんと見ていく」とくぎを刺した。
さらに、八角理事長(元横綱北勝海)らが関脇高安や小結阿炎に対し横綱の胸を借りるよう促したが、白鵬は大栄翔と取り続けた。
相撲解説者で元横綱の北の富士勝昭氏(78)は「(白鵬が)反旗を翻した。無視したな。ワンマンショーをみせつけられた」と嘆息しながら引き揚げた。

鶴竜


大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)を控えた6日、横綱審議委員による稽古総見が国技館の相撲教習所で一般に非公開で行われ、白鵬、鶴竜の両横綱は動きも良く、順調な調整ぶりを披露した。
2場所連続の優勝が懸かる白鵬は新小結の大栄翔と12番取って全勝。
腰痛により先場所を休場した鶴竜も、遠藤らとの12番で負けなしだった。

貴景勝


大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)を前に、横綱審議委員会(横審)の稽古総見が6日、両国国技館内の相撲教習所で行われた。
押し相撲が身上の大関・貴景勝は、右四つが得意の新関脇・朝乃山と10番取った。
貴景勝が懐に入って押し出す取り口が目立ったが、朝乃山もまわしを引いて対抗する場面も。
貴景勝は「真っ向勝負で、いい稽古ができた。立ち合いも確認できた」と充実感を漂わせ、朝乃山は「押されても残して自分の形にし、寄り切れたところもあった」と語った。
日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は「(2人は)内容のいい稽古をしていた。将来、2人が綱を張ってもらうのが一番。頑張ってほしい」と期待を込めた。
2場所連続44回目の優勝を狙う白鵬は、昨年11月の九州場所で唯一敗れた新小結・大栄翔と12番取り、立ち合いで張り手やかち上げを織り交ぜて圧倒した。
白鵬は昨年の九州場所後、かち上げなどに関して横審から苦言を呈された。
この日、横審の矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)は「それらしいのがあった。これからも見ていく」と話した。

豪栄道


カド番の豪栄道は阿炎らと9番。
大関復帰を目指す高安は、主に平幕と取って3勝3敗だった。

朝乃山


12日初日 大相撲初場所
大相撲の新関脇・朝乃山(25=高砂部屋)が5日、都内の田子ノ浦部屋に出稽古し、荒磯親方(元横綱・稀勢の里)と異例の三番稽古を行った。
17番取ったが得意の右四つに組ませてもらえず、まさかの1勝16敗。
課題が見つかった大関候補は、初場所(12日初日、両国国技館)で活躍して荒磯親方に恩返しすることを誓った。
どちらが現役か分からないような相撲が続いた。
右四つを得意とする朝乃山は、昨年初場所の引退から1年が過ぎている荒磯親方に右差しを封じられた。
左四つで胸が合うと何もできず、不十分な体勢で前に出ると突き落とし、投げで転がされた。
本場所での対戦はなかった親方から1勝しか挙げられず「左おっつけで上体が起きてしまった。相撲を取りながら“そんなに甘くないぞ”と伝えてもらった。まだまだ弱い部分がある」と自分の相撲を見つめ直した。
一門は違うが、所属する高砂部屋の若松親方(元幕内・朝乃若)が荒磯親方に稽古をつけてくれるように要請して実現した三番稽古。
荒磯親方は「力いっぱいやりました」と全てを出し切った。
徹底して右差しを封じたのは朝乃山のため。
「固めて当たってくるところで右が緩んでいる。上位はそこを突いてくる。本場所のためにあえて厳しくいった」と説明。
その上で「課題は形と馬力。そこがついていけば物凄く強い大関になる。今年が楽しみ。朝乃山の時代が来るんじゃないか」と期待した。
朝乃山にとっては反省ばかりではなく「勝てなかったけど、しっかり当たれて前に出て負けることが多かった。これからの相撲人生につながる」と収穫もあった。
「土俵の上で勝って、白星を届けるのが恩返し」。
貴重な経験を大関に続く道で生かしていく。

高安


大相撲の新関脇朝乃山(25)が5日、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋へ出稽古し、元横綱稀勢の里の荒磯親方(33)と三番稽古(同じ相手と何度も取る)を行い、17番取って1勝16敗。
11月の九州場所を腰痛のため途中休場し、初場所で大関から関脇へ転落した高安は、自身の調整に充てた。
連日、出稽古を敢行しており、訪れた朝乃山にはぶつかり稽古で胸を出した。
荒磯親方と朝乃山の三番稽古を見守り、「朝乃山はこれからじゃないですか。自分もまた(朝乃山と)一緒に稽古していきたい」。
初場所で10勝すれば大関へ復帰できる。

照ノ富士


大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)で再十両を果たした大関経験者の西十両13枚目照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が6日、同所の相撲教習所内で行われた横綱審議委員会(横審)による稽古総見に参加した。
ホープの琴ノ若、豊昇龍ら十両力士と計5番取って4勝と上々の動きを披露。
昨年春場所には番付を序二段まで落とし、久々の参加となった横審の稽古総見を終えて「番数は多くなかったけど、一番一番少しずつ良くなったと思う」と話した。
西序二段48枚目から所要5場所で関取に復帰した。
「『先場所より今場所の方がいい』と毎場所感じている」。
20年は幕内の座も視界に入ってくる。「今年中に幕内に戻りたい。
自分の体と相談しながら、やれることをやりきる。自分がどこまでやれるか試したい」。
大関経験者の瞳に、自信がみなぎってきた。

小池都知事


最大9連休となったこの年末年始。
各地で仕事始めとなった6日、国技館では、恒例の稽古総見が一般公開で行われた。
両国国技館で行われているのは、横綱審議委員による新春の稽古総見。
12日から始まる初場所で、2場所連続優勝を狙う白鵬らが、熱の入った稽古を見せた。
そして、2020年に大関昇進の期待がかかる新関脇・朝乃山も、気合十分の取り組みを見せた。
また、2019年の台風19号で大きな被害を受けて、およそ1週間休校になった宮城・丸森町の中学校では、授業日数確保のため、予定より2日早い始業式になった。
丸森中学校・松崎隆校長「どの学校よりも早く活動をスタートすることで、気持ちの部分でも自覚や自信を高めて、災害で起きた精神的なハンデをはね返してほしい」
生徒「(ことしの目標は)友達や家族との時間を大切にすることです。先生方への感謝の気持ちを忘れずに、日々を過ごしていきたいです」
生徒たちは気持ちを新たに、新学期を迎えている。
一方、東京都の小池知事も6日から仕事始め。
2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向け、意気込みを語った。
小池知事「いよいよ、ことしはオリンピック・パラリンピックイヤーの到来であります。都庁一丸となって、関係者の皆さんとも連携しながら、まさに『ワンチーム』となって、オリンピック、そしてパラリンピックを成功へと導いてまいりましょう」
7月の開催に向け、準備も大詰めとなり、大忙しの1年になりそう。

元横綱輪島と輝


正月のお祝い気分に水を差すかのように、かの一休禅師はこう詠んで皮肉った。
「門松は冥土の旅の一里塚 めでたくもあり めでたくもなし」
昨年の大相撲秋巡業。幕内輝と会話した際に、平成30年10月に亡くなって間もなく一周忌を迎えようとしていた元横綱輪島、輪島博さん(享年70)の話題になった。
輝にとって輪島さんは父方の遠縁にあたり、通夜には地方巡業がはねてから急ぎ帰京して参列。
焼香もそこそこに次の巡業地へ向かっていったことを思い出す。
だが、仏から授かる名前は「まだ、知らないんです」とつぶやいた。
おせっかいを承知で、関係者にあたってもらうと、その法名(浄土真宗)は「盡性院釈大士」。
同じ石川県出身。
輝のしこ名は「輪島大士」の「大士」をもらって「輝大士」。
「たいし」と読ませる。
輝に法名を伝えると、「やはり『大士』が入っていましたね」。
法名の「大士」はしこ名にちなんだばかりではない。
「摩訶薩」という仏教の漢訳語で、大乗の菩薩と同じ意味。
阿弥陀如来の大きな願いの船に乗って、荒海のような人生を仏道として全うせんとする精神を表す、という。
石川県内の同じ宗派の寺ではこの法名をもとに法話ができた、と聞く。
生と死はまさに表裏。それをつなぐ縁。
年頭に、さかづきを傾けながら黙考するいっときがあってもいい。

宮城野部屋


大相撲宮城野部屋の稽古場で力士同士がけんかをする騒動を起こした問題で、日本相撲協会は6日、コンプライアンス委員会(委員長=青沼隆之・元名古屋高検検事長)に事実関係の調査と処分意見の答申を委嘱したと発表した。
発表によると、5日に危機管理部長の鏡山親方(元関脇多賀竜)が、当事者の幕内石浦(29)と幕下力士(30)から事情を聞いた。
石浦は4日の稽古中にだめ押しをされたと感じて幕下力士に手を出し、幕下力士もやり返したと説明したという。
2人とも反省の言葉を述べたというが、相撲協会は今後、コンプライアンス委員会の答申を受け、理事会で審議する方針。

大相撲初場所新弟子検査


大相撲初場所(12日初日・両国国技館)の新弟子検査が6日、東京・両国国技館で行われ、ともに飛龍高で、昨年の全国高校総体個人を制した大桑元揮(18)=伊勢ケ浜部屋=や篠原大河(18)=藤島部屋=ら受検した10人全員が身長167センチ以上、体重67キロ以上の体格基準を満たした。
内臓検査の結果を待ち、初日に合格者が発表される。
ウクライナ出身で初の力士を目指すセルギイ・ソコロフスキー(22)=入間川部屋=は191センチ、162キロで通過した。
体格検査を通過した大桑は「自分は小さいけれど、大きい力士とやって勝っていきたい。(師匠の伊勢ケ浜)親方(元横綱旭富士)に指導していただければ大丈夫」と力を込めた。
昨年の高校横綱は168センチ、134キロと小さな体に負けん気の強さを秘め、馬力を生かした突き、押しが武器だ。
小学1年で相撲を始め、幼少期は横綱朝青龍の闘いぶりに胸を躍らせたという。
憧れは同じ伊勢ケ浜部屋で小兵の幕内照強。
昨年の全国高校総体後もトレーニングは続けており「まずは関取になりたい」と声を弾ませた。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2020/01/06

初場所 6日前情報!


白鵬


大相撲初場所(1月12日初日、東京・両国国技館)で2場所連続となる44度目の優勝を目指す横綱白鵬(34=宮城野)が26日、東京・墨田区の部屋で稽古を再開させた。
四股やテッポウなどの基礎運動や、立ち合いの確認を行った。
この日は若い衆に指導する場面が目立ち、初場所で西前頭5枚目と自己最高位を更新する炎鵬(25=宮城野)には土俵際から胸を出して押させるなど厳しく鍛えた。
ロケなどのテレビ出演や取材などで多忙な弟弟子。
「(炎鵬は取材などで)引っ張りだこだから稽古ができていなかったと思う。(今日は)土俵まわりを動いていて調子がいいのかと思って稽古をつけた」と話した。
12日に初日を迎える大相撲初場所(東京・両国国技館)に向けて、宮城野部屋が4日、東京・墨田区内の部屋で新年2日目の稽古を行ったが、熱が入るあまり三番稽古(同じ相手と連続して相撲を取る)の途中で、両者がケンカまがいの“乱闘”にまで発展してしまう場面があった。
幕内力士で西前頭10枚目の石浦(29)と、兄弟子にあたる幕下力士が三番稽古。
勝負が決まった後に、勝った方がだめ押ししたことや、立ち合いの張り差しなども発端となった。
負けた石浦が左太ももで蹴りを入れ、次の1番では負けて上がり座敷に倒れ込んだ幕下力士に、襲いかかるようにのしかかった。
たまりかねた横綱白鵬(34)が「いいかげんにしろ。せっかくのいい稽古が台無しになるぞ」とたしなめ、上がり座敷にいた宮城野親方(元前頭竹葉山)も注意した。
その後は何番か、内容の濃い相撲を取り続け冷静さを取り戻したかにみえた。
だが心の“導火線”に火が付いていた二人が、再び勝負の決した後に拳を握りながらの、さながらボクシングかと見まがうような“乱闘”を演じてしまった。
ここ数年、角界で問題になった陰湿で、加害者と被害者が明らかな事案とは質が異なる。
第三者不在の、密室や陰でふるわれていた暴力とも違う。
激しい稽古で感情むき出しになるのも同情の余地はあり、一昔前なら看過されていてもおかしくないシーンだ。
ただ、一連の暴力事案を受けて日本相撲協会では、研修会開催など暴力根絶に向けて一丸となっている。
さすがに見過ごすわけにはいかないと判断した宮城野親方は、両力士から事情聴取。
「何回もだめ押しがあって、ちょっと(石浦が)熱くなってしまった。悪気はないだろうが、きつく注意する以外にない。お互い反省しているが、あれ(乱闘)を見せられては(他の力士や雰囲気に悪い)影響を与える」と両者に注意。
さらに「暴力は暴力。当たり前のことです」と、同じ伊勢ケ浜一門の理事(高島親方)と危機管理部長(鏡山親方)に電話で報告したという。
迅速な対応ではあるが、協会の仕事始めは週明けの6日のため、この日はそれ以上の動きはなかったが、親方によれば両理事の反応は「稽古場のことだから仕方ない」とのことだったという。
当事者も反省しきり。
石浦は「中学の先生に『心は熱く、頭は冷静に』と言われていましたが…。ちょっと熱くなりました。(師匠からは)『冷静にやれ』と言われました」。
幕下力士も「一生懸命(稽古を)やった末のことですから」と常軌を逸した感のある稽古を振り返っていた。

貴景勝


去年の夏場所で新大関に昇進したあと、たび重なるけがに悩まされてきましたが、リハビリと稽古を重ねて復活を果たしました。
得意の突き押しには十分な威力があるだけに、ことしは万全な状態を維持できれば、綱とりへの期待の声も高まります。

豪栄道


12日に初日を迎える大相撲初場所(東京・両国国技館)に向けて、出羽海一門が3日、東京・両国の出羽海部屋で新年の稽古始めを行った。
左足の関節靱帯損傷で、昨年11月の九州場所を2日目から休場し、初場所は9度目のカド番で臨む大関豪栄道(33=境川)は、十両力士3人を相手に立ち合いから受ける稽古を23番、取って汗を流した。
既に年末から部屋の若い衆に胸を出す稽古は行っており「だいぶ踏ん張りがきくようになった。場所には間に合うと思う」と話した。
初日まで9日あるが「そんなに日にちがない」ととらえ、相撲を取る稽古も「明日、あさってぐらいからやりたい」と言い、出稽古も「状態が良ければ行きたい。そこは状態を見て」と、6日の横審稽古総見後を見据えた。
カド番も「まあ何回か経験している。緊張感はあるけど、そんな中で自分の相撲を、1日1日集中してやりたい」と話した。
もっとも新年の抱負を聞かれると、長いスパンでは考えられないようで、直近のことしか頭にない。
「とりあえず初場所が勝負なんで、そこに集中してやるだけ」の言葉を2度、繰り返した。
イキのいい若手関取衆で活況を呈した連合稽古に刺激されたのか、大関として壁になることに「そういう気持ちでやるのが大事」とも話した。

朝乃山


大相撲の新関脇朝乃山(25)が5日、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋へ出稽古し、元横綱稀勢の里の荒磯親方(33)と三番稽古(同じ相手と何度も取る)を行い、17番取って1勝16敗。
昨年初場所中に現役を引退してちょうど1年の同親方にねじ伏せられた。
初場所(12日初日、両国国技館)の成績次第では大関昇進の可能性もある気鋭は、白星を重ねて恩返しする。
投げをくらい、土俵際で突き落とされる。
朝乃山がサラリーマンのような髪形の荒磯親方と、17番取って11連敗を含む16敗。
圧倒された。
同親方の現役時の武器だった強烈な左おっつけで、右四つ得意の朝乃山の右差しは完全に封じ込まれた。
朝乃山は「差させてもらえない(左の)おっつけはめったにない。上体が起きて、横綱のかたちになってしまった」と、最後は息が上がってしまった。
荒磯親方は引退後、同じ部屋の関脇高安以外に胸を出したことはない。
朝乃山とは一門も違う。
本場所での対戦もないが、今回の稽古は朝乃山が所属する高砂部屋付きの若松親方(元幕内朝乃若)からの依頼を受けて、荒磯親方が一肌脱いだ。
朝乃山は平幕だった昨年9月の秋場所で10勝、新三役(小結)だった11月の九州場所で11勝を挙げて新関脇に昇進。
四つ相撲の型を持つが、同親方は「右を差す力は強いから、(相手は)それを殺しにかかってくる。それが上位力士のうまさ。まだ、右が緩い」と指摘。
朝乃山は「勝てなかったが、前には出られた。これからの相撲人生につながる」と感謝した。
力士ではなく、親方の胸を借りることを目的とした画期的な育成交流。
けんか四つの究極の攻防を肌で教えた荒磯親方は「オレはサンドバッグ。大関に上がるために協力していきたい。今年が楽しみ。朝乃山の時代が来ると思うよ」。

御嶽海


大相撲初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)で三役復帰を目指す西前頭2枚目御嶽海(27=出羽海)が28日、東京・墨田区の部屋で稽古を行った。
若い衆を相手に、立ち合いの踏み込みの確認を約20回行うなど、精力的に汗を流した。
番付発表後の25日以降は出稽古に来た春日野部屋の関取衆と相撲を取って稽古を重ねたが、この日、春日野部屋では餅つきが行われたため、相撲は取らず基礎運動に終始する1日となった。
年内は31日まで稽古を行う予定。
今年の年初と同様、年明けは東京・台東区の浅草寺での初詣を計画している。
「今年おみくじを引いたときは『大凶』だった。初場所のときもそうなった(けがで7日目から休場)ので『そういう年か〜』と思っていた」。
それでも9月の秋場所では2度目の優勝を果たし、存在感を示した。
「そのおみくじにも『いいことも悪いこともある』と書いてあった。でもそれって、当たり前じゃんって。あてになりませんね」と、苦笑いを浮かべた。
九州場所では6勝9敗と負け越し、17場所連続で在位した三役の地位から陥落した。
出直しとなった大関昇進に向けて、25日に行われた力士会の体重測定で175キロを記録した体重を落とすことから始める。
「しっかり絞ろうと思います」と、明るい表情で話した。

明生


12日に初日を迎える大相撲初場所(東京・両国国技館)に向けて、出羽海一門が3日、東京・両国の出羽海部屋で新年の稽古始めを行った。
関取衆が熱のこもった申し合い稽古を行う中、東前頭5枚目の明生(24=立浪)は、土俵の外でのすり足などで汗を流した。
実は昨年末の12月28日の、部屋での稽古で左上腕部と肘の筋肉を部分断裂したという。
相撲を取る稽古で「普通に押すところを強引に差しにいったら、音が鳴りました」とケガをした状況を説明した。
以後は稽古は回避し治療やリハビリに専念したというが「まだ痛い。やっと曲げたり動かせるようになった状態。最初は指を動かすことも出来なかった」という。
初日まで1週間以上あるが、本場所出場は「たぶん」と前置きした上で「大丈夫。まあ出るつもりでやってます」と歯切れが悪い。
それでも努めて前向きにとらえているのか「今はちょっと体を休ませないといけない時期。ちょっと、やり過ぎだったし、これもいい方向に持っていきたい」と話した。
若手成長株として、今年は幕内上位、三役を目指したい。
「今年1年は勝負の年。何事も挑戦、勝負していきたい。いい1年になると思う」と、思い直すように明るい表情で新年の抱負を語っていた。

炎鵬


中日スポーツ、東京中日スポーツ制定の第56回大相撲幕内最優秀新人賞に26日、西前頭5枚目の炎鵬(25)=宮城野=が選考委員による投票で決まった。
年明け1月12日の初場所初日中入り前、東京・両国国技館の土俵上で表彰式が行われる。
東京都墨田区の宮城野部屋からほど近い東京スカイツリーを背に、関取衆の中で一番小さな炎鵬が受賞の喜びを爆発させた。
「新人賞というのがあることを知らなかったのでびっくりです」
夏場所で新入幕を果たすと、炎鵬ブームが巻き起こった。
168センチで100キロに満たない炎鵬が懸命に前へ攻め、多彩な技も繰り出す。
あっという間に人気力士となっていった。
九州場所まで4場所の幕内成績は、勝ち越し3場所。
技能賞1回。その数字だけを見れば、11人の候補者の中で少し見劣りするかもしれない。
だが、本紙評論家の北の富士勝昭さんはこう評価する。
「大勝ちもないが、大負けがない(7勝8敗)のが立派。小兵でありながら、立ち合いに変化をしないのが素晴らしい」。
そして、相撲内容とは別に「人気が絶大なのが新人賞にふさわしい」と付け加えた。
炎鵬は「そういう評価をしていただけるのは光栄なことです。賞をもらって、さらに頑張っていかなきゃ、という気持ちです」と目を細めた。
土俵に上がると館内随一の大声援。
「最初はそれがプレッシャーになってましたけど、最近はそれを自分の力に変えなきゃと思ってます」とファンと一体となって白星を目指す。
今年を振り返ると「苦しい1年でした。終わってみればいい1年だったと言えるかもしれませんけど、やってるときはどうなるか分からない。一日、一日が苦しかったです。精神的に自分との戦いです。(今年を漢字一文字で表すと)『苦』ですね」と疲労感をにじませた。
それでも「来年は、今より強くならないといけない」。
一歩でも、半歩でも前進したい。そんな懸命さが炎鵬をさらなる飛躍へ導いてくれる。
5日、日本テレビ系「行列のできる法律相談事務所 3時間SP」にゲスト出演した。
大ファンのフリーアナウンサー、田中みな実(33)に終始デレデレだった。
番組では、炎鵬の会いたい人として田中が登場。
この日のMCを務めたタレント、明石家さんま(64)は他の番組で共演した際に「あの女だけは本当にやめとけよ」と釘を刺していたというが、さんまの助言もむなしく炎鵬は昨年12月に発売され、累計30万部を超える大ヒットとなった田中の処女写真集「Sincerely yours…」を購入。
食い入るように見たと明かした。
さらに、田中から「何冊あってもいいかなと思って」とサイン入りの写真集と未公開写真をプレゼントされるとニヤニヤが止まらず。
お気に入りのページにサインをもらい、田中から「初場所、頑張ってください」と激励された炎鵬は「がんばります!」と力を込めた。

石浦


「大相撲初場所」(12日初日、両国国技館)
幕内石浦(29)=宮城野=が4日、都内の部屋で同部屋の幕下宝香鵬(30)と相撲を取る稽古を行った際、熱くなり横綱白鵬の目の前で殴り合いとなった。
土俵外で“ダメ押し”を食らい思わず蹴りが出ると双方、にらみ合い。
その後も収まらずにパンチの応酬に発展し最後は白鵬が割って入り“レフェリーストップ”した。
稽古自体は熱のこもった真剣勝負で同学年ゆえ、負けん気に火が付いたもよう。
師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)は稽古後、両者に対し注意。
「お互いがきつく反省して心得ないと。回りで見てる子らにも影響を与える」と兄弟子として模範になるべき2人の“ケンカ”を重く捉えた。
石浦は「冷静に稽古しないと」と猛省した。
「暴力は暴力」と師匠が日本相撲協会に報告。
協会からは「稽古場のことだから」と言われ処分には相当しない。
とはいえ、昨年も角界は元十両貴ノ富士の暴力事件などに揺れ、昨年末、協会は暴力再発防止強化策をまとめたばかり。
稽古場とはいえ、新年早々、あきれるほかない。

琴ノ若


大相撲の元横綱琴桜の孫で、佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)の長男、東十両2枚目琴ノ若(22=佐渡ケ嶽)が5日、初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて千葉・松戸市の部屋で稽古を行った。
申し合いで西前頭13枚目琴恵光(28)、西十両8枚目琴勝峰(20)と計17番取って13勝。
幕内に定着している兄弟子と成長著しい弟弟子を相手に、組んで良し、離れて良しの安定感のある相撲を披露した。
順調な調整ぶりを印象づけたが「稽古場と本場所は違うので」と、控えめに話した。
“親子3代”の関取として注目を浴びる中、新十両だった昨年7月の名古屋場所から3場所連続で勝ち越している。
昨年12月の力士会で行われた体重測定では173キロを記録。
昨年8月から9キロ増加し、体の厚みも増してきた。
1週間後に始まる初場所の成績次第では、3月の春場所で新入幕昇進の可能性もあるが「そこは全く意識していない。目の前のことに集中していくだけ」と淡々と話した。
父で師匠の佐渡ケ嶽親方は「(新十両昇進で)壁を乗り越えた感じがあるが、まだ上の番付がある。目指すところは先代(琴桜)の番付だと思う。これからがスタート」と、さらなる飛躍を期待した。

荒磯親方


大相撲の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)が5日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋に出稽古に来た新関脇の朝乃山(25=高砂部屋)と三番稽古を行い、25分間で17番取って16勝1敗と圧倒した。
最初の相撲は左四つから朝乃山に出られたが左すくい投げで転がした。
その後も左からのおっつけで朝乃山の右差しを封じ、不十分な体勢でも前に出てくる相手を翻弄。
昨年初場所での引退から約1年がたっているが、胸が合うと地力の違いを見せつけた。
12番目の相撲では上体を起こされて右上手を許して寄り切られたが、敗れたのはこの相撲だけ。
現役力士と見まがう内容で、稽古を見た解説者の舞の海秀平氏は「(現役時代の)腰高も直っている。朝乃山よりも腰が低い。一番強いんじゃないの」と舌を巻いた。
荒磯親方は引退後も弟弟子の高安の稽古相手を務めているが、他の部屋の関取と稽古したのは初めて。
「力いっぱいやりました」と全てを出し切った。
徹底して右差しを封じたのは朝乃山のためで「右を差す力が強いから、みんな殺しにかかってくる。本場所のために、あえて厳しくいった」と説明した。
息が上がるのも朝乃山の方が先で「もっと型にこだわっていけばいい。そうすれば息が上がらない。型と馬力が課題」と指摘。
その上で「それができればものすごく強い大関になる。今年は楽しみ。朝乃山の時代が来るんじゃないか」と太鼓判を押した。
朝乃山が所属する高砂部屋の部屋付きの若松親方(元幕内・朝乃若)が荒磯親方に要請したことで、この日の稽古が実現した。
朝乃山は現役時代の荒磯親方と本場所で対戦したことはなく、稽古をしたのも「自分が新入幕(17年秋場所)だった時の巡業以来」だった。
三番稽古が終わると、ぶつかり稽古では関脇・高安に何度も転がされた。
「いい稽古ができた。勝てなかったけど、しっかり当たれて前に出て負けることが多かった。これからの相撲人生につながる」と収穫を得た様子だった。

舞の海


大相撲の新関脇朝乃山(25)が5日、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋へ出稽古し、元横綱稀勢の里の荒磯親方(33)と三番稽古(同じ相手と何度も取る)を行い、17番取って1勝16敗。
大相撲解説者の舞の海秀平氏(51)が田子ノ浦部屋を訪れ、荒磯親方を「最強親方ですね」と絶賛した。
腰を落として土俵際での逆転のすくい投げなどを見て「(現役時の)腰高も直っている。朝乃山より低いし、初場所に出ても優勝でしょ。(現役)復活制度とかないですかね。今が一番強いんじゃないですか」と持ち上げた。
返す刀で朝乃山には、「辞めて1年たった相手に勝てないのは深刻に受け止めた方がいい」と手厳しかった。

嘉風


相撲愛では誰にも負けない自負がある。
「自分にとって唯一無二の存在。なぜこんなに好きなのかは分からないけれど」と笑う。
だがどんなに好きでも、長く寄り添えば、マンネリ化は免れない。おしどり夫婦にも、倦怠期があるように。
平幕を上下していた20代後半はまさにそんな時期だった。
「上を目指すどころか、幕内にいられたら十分と下ばかり見ていた。勝ち越しにさえこだわっていなかった」という。
番付の下げ幅は、負け越した星の数が目安になる。
幕尻まで7枚あれば4勝11敗、3枚なら6勝9敗で目標達成だ。
「周りにもそう公言して、恥ずかしいとも思わなかった。頑張ってケガをするより、多くを望まなければそれなりの生活もできるし」
絵に描いたような"サラリーマン力士"に転機が訪れたのは、30歳を過ぎたころである。
巡業先で大ケガを負い、リハビリに通っていた師匠の尾車親方(元大関琴風)から「せっかく自由に動く体があるのだから頑張りなさい。(番付が)落ちるのは早いぞ」と発破をかけられた。
同じ頃、妻がふと「あなたの対戦相手はみんな三役になっているのに、あなたはなんでなれないのかな」と漏らした。
これで心に火が付いた。
土俵で猛稽古をするのは年齢的に厳しい。
地道な基礎運動を繰り返すのも性に合わない。
「消去法」の末、身銭を切って専門家につき、食生活の改善とトレーニングで肉体強化を図った。
「大した稽古もせずに幕内に居続けられたのだから、運動神経は悪くないという変な自信があった。体をつくればもっと上でやれるだろう、と」。もくろみは当たり、見違えるような相撲を取り始めた。
32歳になった2014年、初場所から2場所連続の2桁勝利で新三役に昇進。
名古屋場所では史上最年長(当時)となる初金星も手にした。
その後も7つの金星を積み上げ、次々と三賞を受賞した。
上位陣を苦しめたスピード感あふれる取り口は「アドリブです」という。
「一瞬で勝負がつく相撲はジャンケンのようなもの。事前にあれこれ考えても仕方ない。横綱大関戦はあいこで粘って、ワンチャンスで勝つイメージでした」
土俵との別れは突然やって来た。
今年6月、故郷の大分で観光PRの川下りに参加した際、右足を岩に打ち付けて重傷を負い、ヘリコプターで運ばれた。
装具をはめた右足首はいまもほとんど動かない。
引退を決めると、母から「足がもげでもしないと辞めないのだから、あなたらしい辞め方だ」とねぎらわれた。
将来の独立を見据えつつ、当面は尾車部屋で後進の指導に当たる。やりがいは感じるが、現役に未練がないといえば嘘になる。
「誰かを恨んでいるわけではない。でも辞めるなんて想像できなかった。足が治って土俵にもう一度立てるなら、何億円でも出しますね」。
やるせない寂しさは、時が癒やしてくれるのを待つほかない。

大相撲力士会 協会がインフル予防接種時期の見直し


大相撲の十両以上の関取による力士会が25日、東京・両国国技館で開かれ、日本相撲協会の尾車事業部長(元大関・琴風)がインフルエンザ予防接種の時期を見直すことを説明した。
協会は例年、11月の九州場所後に東京でインフルエンザの予防接種を行っている。
場所後の冬巡業に参加する力士は後回しになることが多く、今年の冬巡業ではインフルエンザで休場する力士が続出。
十両・貴源治がインフルエンザ感染との診断を受けたにもかかわらず、取組に参加する事態も起きた。
尾車事業部長は「巡業に出る力士は、遅くても九州場所が行われる福岡で予防接種を受けられるようにするなど、一番いい方法を考える」と話したという。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/12/26

初場所 17日前情報!


白鵬


大相撲初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)の新番付が発表され、11月の九州場所で4場所ぶり43回目の優勝を達成した横綱白鵬(34=宮城野)に注目が集まる。
九州場所千秋楽の翌日(11月25日)には新たな目標として「優勝50回」をブチ上げた。
この時は優勝した勢いで思わず走った印象も与えたが、実際には白鵬なりの考えがあったという。
24日の会見では「言うつもりはなかったけど、皆さんにあおられて(笑い)」と冗談を交えながら「年が明けて五輪が終わったら、目標を失うのが目に見えている。『絶対にそうなる』と感じているんでね」と説明。
「夢は追いかけていくもの。達成できるかできないかは別として、大台50回があれば五輪後もモチベーションを持ってやっていける」と力説した。
かねて白鵬は東京五輪が開催される2020年までの現役続行を公言。
土俵に立ち続ける原動力となる一方で、五輪終了後は「燃え尽き症候群」に陥る可能性もあった。
過去には大鵬の優勝32回などの大目標を達成した直後にモチベーションが著しく低下した経験があるだけに、自ら先手を打って新目標を掲げたというわけだ。
その大横綱は「今年は優勝2回なので、来年は3回」とノルマを設定。
先場所で見せた張り手やカチ上げに横綱審議委員会が苦言を呈したことについても「禁じ手ではないからね」と全く意に介していない。
その強気な表情からも現時点では新たな一年をラストイヤーにする気はなさそうだ。

朝乃山


大相撲の新関脇朝乃山(25)が25日、東京・墨田区の高砂部屋で番付発表後の稽古を再開。
白色の稽古まわしも新調し、四股、すり足、ぶつかり稽古などで汗を流した。
来年1月の初場所(12日初日、両国国技館)へ向けて、年明けから出稽古を開始するという。
昇進を機に、現在の薄紫色の締め込みを未使用の黒色のものにする考えもあるが、体になじませる時間がなく「まだ硬くてうまく腰が割れるか、どうか」と思案中だ。
今年は平幕だった5月の夏場所で初優勝。
新三役(小結)だった11月の九州場所では11勝を挙げ、初場所で西前頭8枚目だった番付を関脇まで押し上げた。
だが、「うまくいきすぎた。来年もうまくいくとは思っていない。新しい壁、試練が待っている。それを乗り越えないと上にはいけない」。
大みそかは故郷・富山県で迎えるが、「勝っておごらずですね」。頭を垂れて年を越す。

高安


カド番だった九州場所を腰痛で途中休場して関脇に転落した高安が、いきなり体調不良に陥った。
都内の部屋で行われた朝稽古を四股だけで途中で切り上げ、午後に行われた力士会も欠席。
関係者によると、インフルエンザに感染したとの連絡があったという。
初場所での2桁勝利が大関復帰の条件だが、今後の調整が懸念される。

御嶽海


来年一月十二日に東京・両国国技館で初日を迎える大相撲初場所の番付が二十四日に発表され、上松町出身の御嶽海(本名大道久司、出羽海部屋)は西前頭二枚目となった。
九州場所まで十七場所連続で維持した三役から降格し、二〇一七年初場所以来の平幕で土俵に上がる。
都内の出羽海部屋で取材に応じた御嶽海は「悔しい」と何度も口にし、「また上を目指して頑張りたい」と表情を引き締めた。
九州場所では右まぶた上を切るけがも影響し、六勝九敗と負け越した。
秋場所優勝を受け、大関昇進への期待を担って臨んだが不本意な結果となった。
精神面での課題を挙げた一方「久々の平幕。暴れたい」と気合も見せた。
取材終盤には、母校の木曽町中学校の相撲部員らからこの日の朝に届いた動画の応援メッセージをスマートフォンで見て、ほほ笑んだり、目頭を押さえたりする場面もあった。
25日、27歳の誕生日を迎えた。
都内の両国国技館で行われた力士会に参加して27歳の目標を発表。
「(体重の)マイナス10キロを目指します」と宣言した。
自身のベスト体重を「165キロ」とする中、この日の体重測定では175キロを計測。
九州巡業で「暴飲暴食」をしてしまったと明かし「付け人と一緒に太った。鶴竜関にも『また太った?』と言われた」と頭をかいた。
急激なダイエットは体に負担をかけるため「来年の九州場所には12.3キロ落としておきたい」と計画的に減量に励む予定。
九州場所で負け越し、約3年間守った三役から落ち一からのスタートとなるが、まずは体重管理からストイックになる。
「かっこいい体を目指そうかな」と、心機一転を誓った。

霧馬山


大相撲の初場所(来年1月12日初日、両国国技館)の新番付が24日に発表され、西十両5枚目だった九州場所で11勝4敗の好成績を残した霧馬山(23)=陸奥=が新入幕を果たした。
「(新入幕は)十両に上がった時からの次の目標だった」。
モンゴルに住む両親には「これで15日間、テレビで(自分の)相撲が見れるよと報告したい」と笑顔を見せた。
転機は横綱・鶴竜の陸奥部屋への移籍だった。
今年9月に井筒親方(元関脇・逆鉾)が死去。
同じモンゴル出身の横綱が兄弟子になった。
「毎日、胸を出してもらい『どんな相手でも自分の相撲を取るようにしないさい』というアドバイスも貰いました」
食事面でも横綱の目がキラリと光った。
九州場所中、毎日の食事でも横綱が隣に座り「もっと食べろ」と言われたという。
普段はご飯がどんぶり2杯の食生活が3杯になり、体重も10キロ以上増えて140キロ台になり、取り口にも重さが出た。
初場所では尊敬する横綱の露払いも務める。
「新入幕は横綱のおかげです」と感謝の言葉も忘れなかった。
モンゴル・ドルノド県セングレン村の出身。父・ビャンブチュルンさん(49)は羊を飼育する遊牧民だった。
幼い頃から父の仕事を手伝いながら乗馬などで自然と足腰が鍛えられた。
2017年の九州場所で三段目優勝した時は日本語もほとんど話すことが出来ず、近くを通りかかった同じモンゴル出身の力士が通訳を務めたほどだった。
番付と同じように日本語も急上昇で流ちょうになった。
陸奥部屋では2008年の白馬以来、11年ぶりの新入幕。
師匠の陸奥親方(元大関・霧島)は「本人の目指しているのはもっと上。それも本人がやる気にならないと難しいが、本人にやる気があるので、これからも厳しい事を言う。本人がどこまで自分を追い込めるかだ」と期待を寄せていた。

照ノ富士


大相撲初場所(来年1月12日初日、東京・両国国技館)で関取に復帰する大関経験者、西十両13枚目照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が25日、東京・両国国技館の相撲教習所で行われた力士会に出席した。
力士会は関取衆で構成され、再十両の照ノ富士にとって久しぶりの参加となり、周りの関取衆からも声をかけてもらったという。
「うれしかった。以前と変わらないけど、久しぶりだった」と、懐かしげに話した。
初場所に向けて九州場所前と同様に、時津風部屋への出稽古で調整を進める方針。
両膝のけがなどからカムバックした28歳は「お客さんに元気な姿を見せられるように頑張りたい」と、決意を語った。

大相撲力士インフル


大相撲の十両以上の関取で構成する力士会が25日、東京・両国国技館で開かれ、公傷制度の復活を日本相撲協会側に要望した。
同制度は03年を最後に廃止されたが、近年は異常な程に重傷者が続出。
要望を受けた協会の尾車事業部長(元大関琴風)も検討する意向を示した。
先場所は横綱鶴竜に大関は豪栄道、高安が休場。
貴景勝、栃ノ心、高安と3場所連続で大関降下者が出た。
元大関照ノ富士や人気業師の宇良も序二段まで番付を落とし、再起ロードを歩んでいる。
番付降下を避けるため強行出場し悪化させるケースも多く力士生命に関わる問題。
かつては公傷認定による休場力士が続出したため廃止となった経緯はあるが、明らかに本場所で負った重傷と認められるなら再考の余地はある。
今後、制度適用基準など協議される。
また冬巡業でインフルエンザがまん延。
十両貴源治が感染したにもかかわらず、相撲を取らせた問題も発覚。
尾車部長は、これまで冬巡業後に行っていた予防接種を、冬巡業前に前倒しする対策案を示した。

公傷制度復活を大相撲力士会が要望


大相撲初場所前の力士会が25日、東京・両国国技館で開かれ、力士会から公傷制度復活の要望が出された。
本場所中にけがをして翌場所を休場しても、公傷が認められればその次の場所も同地位にとどまれるという同制度は、2003年九州場所を最後に廃止されていた。
力士会会長の横綱鶴竜は「公傷制度の話が出ました。要望を提出しました」とした。
九州場所では9関取(本場所中に8人)と多くの休場者が出ていた。
力士会では尾車事業部長(元大関琴風)が対応し、参加した関取の1人は「前向きに対応してくれる感じがした」と話した。
また、冬巡業でインフルエンザが流行したことで、尾車事業部長は「巡業に出る力士は、出る前に予防接種をできるようにできないか」など検討していくと話した。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/12/25

初場所 18日前情報!


白鵬


日本相撲協会は24日、来年1月の大相撲初場所(12日初日、両国国技館)の新番付を発表。
横綱白鵬は4場所ぶりに東に戻り、東京・墨田区で会見。
43度目の優勝を果たした先場所後、「優勝50回」の目標を掲げたが「五輪が終わったら目標を失うというのが見えた。大きい夢があればモチベーションを保ってやっていける」と説明した。
横綱審議委員会から、かち上げや張り手に苦言も上がった。
それでも「自分は自分の相撲を取るだけ。禁じ手というわけでもない」と意に介さなかった。

貴景勝


<第8回日刊スポーツ大相撲大賞(7)>
大関貴景勝(23=千賀ノ浦)が「敢闘精神にあふれたで賞」を、文句なしで受賞した。
日本相撲協会は本場所中、来場者や協会公式アプリの有料会員から幕内、十両の「敢闘精神あふれる力士」としてアンケートを募っている。
6場所90日のうち、貴景勝が幕内1位を23回獲得して最多。
さらに1位を3点、2位を2点、1位を1点で算出しても、唯一の3桁となる102点でトップに立った。
新大関だった5月の夏場所を途中休場、7月の名古屋場所を全休。
休場数は25回に及んだが、迫力ある押し相撲を武器に、土俵に立てば圧倒的なファンの支持を集めた。
3月に大関昇進を果たした一方で、その後は右膝や左胸の負傷にも苦しんだが、その経験も前向きにとらえる。
「いいことも悪いこともたくさんあった。大関にも上がってけがもあったけど、この1年で自分の中では深みが増した気がする。来年にも生きてくると思う」。
冬巡業の朝稽古では幕内力士の中でも早く稽古場に現れ、土俵下で幕下、十両の稽古の様子を観察。
四股や腕立て伏せなどの基礎運動をこなしながら、琴勝峰や豊昇龍、霧馬山らホープに稽古をつけ、看板力士として巡業を盛り上げた。
来年1月の初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けて「体をしっかりつくって臨みたい」と、静かに闘志を燃やした。
“武士道精神”を重んじる23歳が、来年20年も角界の顔になる。

豪栄道


令和元年秋場所以来、自身9度目のカド番。

朝乃山


日本相撲協会は24日、来年1月の大相撲初場所(12日初日、両国国技館)の新番付を発表。
新三役(小結)だった11月の九州場所で11勝を挙げた朝乃山(25)が新関脇へ昇進し、東に座った。
今月64歳の誕生日を迎えた師匠の高砂親方(元大関朝潮)は1年後に定年となる。
東京・墨田区の高砂部屋で会見した朝乃山は、それまでに大関昇進の吉報を届けられるよう自らを奮い立たせた。
年は改まっても、番付を駆け上がる勢いは止まらない。
先場所は新小結で11勝、新春の土俵は新関脇で立つ朝乃山は「今の番付より、もっと上を目指す。常に挑戦者の気持ちで挑んでいる」と目線を上げた。
会見に同席した師匠の高砂親方も新小結の昭和55年夏場所で10勝し、朝乃山と同じく翌場所に新関脇へ。
その地位でも11勝を挙げ大関候補とされながら、実際に手が届いたのは3年後だった。
右四つ左上手の型を持つ弟子に「オレは惰性でやっていたから。しっかり自分の相撲をつかみ取る気持ちでやらないと…」と注文する。
同親方は来年12月に協会の定年の65歳となる。
初場所の成績次第では大関とりが実現する可能性もある朝乃山は「2桁勝たないと意味がない。親方の期待に近づけるように頑張りたい」と明言した。
高砂部屋は例年、年明け3日に稽古はじめ。
その後に先々代5代目(元横綱朝潮)、先代6代目(元小結富士錦)の歴代高砂親方へ墓参する。
朝乃山ら若い力士は面識がないが、部屋の伝統を肌で感じる大切な時間だ。
朗らかな現師匠とのやりとりも、きっと財産になる。
朝乃山は年末、富山県へ帰郷するという。
それを聞いた高砂親方は間髪を入れず「『秘密のトレーニング、山籠もりでもする』といっておけばいい。『どこの山ですか』と聞かれたら『富山』です、と。一緒だっちゅうの。最後にオチをつけました!」。

高安


大関降下は11月の九州場所の栃ノ心以来。
3場所連続で大関降下力士が出るのは昭和以降初めて。
初場所で2桁勝利を挙げれば陥落場所の特例で大関に返り咲く。

阿炎


平成18年名古屋場所〜19年初場所の稀勢の里以来、4場所連続の小結。

大栄翔


24日に発表された大相撲初場所(来年1月12日初日)の新番付で、大栄翔が新小結に昇進した。
埼玉県草加市の追手風部屋で記者会見し、「今年の目標だったので、すごくうれしい。場所を重ねるごとに力が付いていると実感できた」と喜んだ。
追手風部屋からの新小結は平成30年夏場所の遠藤以来。
埼玉県からは令和元年名古屋場所の阿炎以来、戦後5人目。
3月の春場所から幕内上位で一進一退し、ようやく壁を越えた。
先場所2日目には白鵬に土をつけ、「自信になった。自分は前に出るしかないと改めて思った」という。
得意の突き押しで真っ向勝負し、東前頭筆頭での勝ち越しにつなげた。
年始に掲げた「三役昇進」「初の三賞」「初金星」の目標全てを達成した。
「目標の三役にやっとなれた。同年代が多いので負けられない」
「また新しい一年が始まる。東京五輪もあるが、自分は相撲で盛り上げたい」と役力士としての自覚を口にした。

豊山


日本相撲協会は24日、大相撲初場所(来年1月12日初日・両国国技館)の新番付を発表した。
先場所8勝の豊山(新潟市北区出身)は、変わらず西前頭9枚目。

琴恵光


来月12日から始まる大相撲初場所の番付が発表されました。
宮崎県延岡市出身の琴恵光関は、前頭13枚目でのぞみます。
日本相撲協会が24日発表した大相撲初場所の番付。
延岡市出身の琴恵光関は、先場所から番付を6つ下げ、西の前頭13枚目で幕内8場所目となる土俵にのぞみます。
琴恵光関は先場所、前頭7枚目で土俵に上がりましたが、5勝10敗と負け越しました。
大相撲初場所は来年1月12日に初日を迎えます。

霧馬山


大相撲初場所(来年1月12日初日)の番付で新入幕を果たした霧馬山が24日、東京都墨田区の陸奥部屋で記者会見に臨み、「十両になった時の次の目標だった。今度は三役を目指したい」と抱負を述べた。
陸奥部屋からの新入幕は、平成20年夏場所の白馬以来。
「幕内ならモンゴルでもテレビで映るのがうれしいし、楽しみ。次の目標は三役」
相撲未経験ながら、初土俵から5年足らずで出世した。
飛躍のきっかけは、師匠の死去に伴い9月の秋場所後に転属してきた鶴竜。
モンゴルの大先輩に見守ってもらう中、ノルマを課されていた食事をこなせるようになって体重が増え、前まわしを引いて頭をつける攻めに迫力が増したという。
師匠の陸奥親方(元大関霧島)は「喜びは一瞬。けがをしない体をつくりながら、稽古量を増やしてほしい」と期待を寄せた。

返り入幕


元関脇の勢は5場所ぶりの幕内復帰。
同じく関脇経験者の栃煌山と魁聖も再入幕。
元大関の照ノ富士は10場所ぶりに十両に復帰した。

返り十両


元大関の照ノ富士が10場所ぶりに十両に復帰した。
他の再十両は元小結の千代鳳、朝玉勢、美ノ海、魁。新十両はいなかった。

春日野巡業部長


大相撲の十両貴源治(22)=千賀ノ浦=が冬巡業で、インフルエンザ感染中に相撲を取らされたことが発覚。
日本相撲協会は23日、事実関係を認めたが、関係者への処分はなく、浮き世離れした言い訳に終始した。
11日の佐賀巡業で体調不良を訴えた貴源治は、病院で「インフルエンザA型」の診断を受け、「少なくとも5日間または解熱後2日間は自宅安静を要する」との診断書を提出。
しかし、春日野巡業部長(元関脇栃乃和歌)の判断で取組に出場するよう指示された。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「相撲を取らせてしまったことは間違いだった。今後の対策として、そうなった場合は、すぐに隔離すると、しっかりまとめました」と報告。
「十両はたまたま(冬巡業の)最終日。病院に行って帰ってきたのが取組の寸前で、対策がなかなか取れなかったところは落ち度」と弁明した。
貴源治の師匠である千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に対しても、八角理事長(元横綱北勝海)が謝罪したという。
九州を中心に1日から始まった冬巡業では、インフルエンザで少なくとも関取衆8人以上が休場。
そんな状況で、感染力士を取組に出場させた管理責任を、真っ先に問われるべきは巡業部トップの春日野部長だろう。
ところが、春日野部長は「自分の言うことは広報部に話した」と答えるのみ。
芝田山部長は「取組、土俵入りの人数が少なくなる中で、巡業部長もいろいろ苦心していたと思います」と擁護し、処分は下されなかった。
また、巡業は力士と観客が接する機会も多く、会場が狭いため感染拡大のリスクも大きいが、そこまで気が回らなかったのか、来場者に対するお詫びは一切なかった。
2016年初場所では、安美錦(現安治川親方)がインフルエンザで6日目から休場も、2日休んだだけで8日目から再出場した例がある。
職場や学校ではインフル感染者は、本人の意思にかかわらず発症から5日程度の強制隔離が当然のルール。
2日で出てくることなど考えられないが、角界では特に問題視されることもなかった。
客商売でもある相撲協会全体が、いかにインフルエンザに対する認識が甘いかが、今回の件で改めて露呈した形だ。
監督官庁でもある文部科学省が、徹底的に指導に乗り出すべきだろう。

1918(大正7)年5月の大相撲夏場所


 1918(大正7)年5月の大相撲夏場所は休場者が相次いだ。
流行性感冒によるもので世間は「相撲風邪」と呼び、「力士病」ともいわれた。
これが悪名高い「スペイン風邪」の日本における先がけとなった。
39万人が亡くなったスペイン風邪の日本での大流行は同年秋で、相撲風邪は後年「春の先触れ」と呼ばれる。
この時は力士に死者はなく、大流行の際も相撲界では感染者が少なかった。
予防注射の役割を「先触れ」が果たしたらしい
相撲界と流行性感冒といえば、江戸時代に無敵をうたわれた横綱・谷風が「風邪」で亡くなったのも有名な話である。
力士間の感染症流行は世の注目を集めてきただけに予防策は万全と思ったが、実際はそうでもなかったようである。
大相撲の十両・貴源治がインフルエンザに感染しながら、協会の指示で巡業の取組に出ていたとして問題になった。
感染の報告が取組間際だったために対応できなかったというが、当然ながら今後は直ちに休養させる方針を確認した。
この巡業では関取ら約30人が感染、休場者が相次いでいたという令和版・相撲風邪である。
今季のインフルエンザは流行開始が早く、最新のデータでも全国的な感染が例年に比べて広がっている。
流行のピークは年明けとなりそうだ。
つい先日は長野県で小6女児がインフルエンザ脳症で亡くなった。
子どもや高齢者らの命を守るためにも、感染を広げぬ努力にわずかな隙も作りたくない。
令和版・相撲風邪からくみ取るべき教訓である。

豪風現役引退


大相撲の元関脇豪風(本名・成田旭、北秋田市出身)が1月、39歳で現役生活に終止符を打った。
東十両12枚目で臨んだ初場所は、懸命の取組が続いたが結果は伴わなかった。
9敗すれば幕下転落が避けられない状況で、9日目に早々と負け越し。
10日目の1月22日に現役引退を表明した。
「悔いは一つもない。長くやった分、多くの方に見ていただけた」と満足感を漂わせた。
幕下付け出しでデビュー以来、通算100場所を務め、98場所を関取として戦った。
生涯戦績は687勝746敗46休だった。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/12/23

大相撲ニュース


白鵬


上機嫌の白鵬が口にしたひと言が重かった。
「一番稽古をしている自信がある」
1年を締めくくる九州場所。
朝稽古で1時間以上かけて基礎運動に励んだ。
これまで通りの綿密さに加えて「今場所はてっぽうが多かった」という。
右手小指を骨折して秋場所を休場し、その不安を補うような稽古を重ねた。
誰よりも努力しているという自負を示したのは、その九州場所の一夜明け会見。
言葉通りに受け止めれば、背中を追うはずの若手はさらに差を広げられてしまう。
ほかの力士に「もっと稽古をしろ」と促しているようにもとれる。
2019年の大相撲はけがに満ちていた。
左の胸や腕の負傷に苦しんだ横綱稀勢の里が1月に引退し、白鵬を含めて横綱、大関は毎場所のように痛みを訴えて休場を繰り返した。
さらに、近づいていると言われる世代交代を担うべき若手もけがで足踏みした。
目立ったのが、大関昇進で最も明るい話題をもたらした貴景勝。
新大関の夏場所で右膝を痛めて一度は関脇に陥落し、大関復帰を決めた秋場所の千秋楽にも左胸を負傷した。
いつもどこかに不安を抱え、稽古に打ち込めない時期が長く続く。
九州場所では「まずはけがをしないこと」と繰り返した。
力を蓄えて上を目指すというより、まず15日間の場所をどう乗り切るか。
九州場所で右目の上を切ってから力が出せなかった御嶽海も含めて、現実的な問題に精いっぱいだったとも言える。
34歳になった白鵬もけがは多い。
休場も多い。
ただ、出る場所では体調を整えてくる。
長い間の稽古で培った体力と経験に、類いまれな体の軟らかさと丈夫さといった多くの要素があるからだろう。
相撲そのものの強さだけでなく、稽古を通して闘う体に仕上げる能力は並外れている。
白鵬ほどの経験と実績のない若手が世代交代の針を進めるには、鍛えながら結果を出し続けるしか道はない。
貴景勝や御嶽海の押し相撲に比べて、けがのリスクが低いとされる四つ相撲の朝乃山は、その意味で大きな可能性を持つ。
大栄翔や明生も、稽古熱心さでは定評がある。
今年は壁の高さを見せつけた白鵬も、安定感は年々失われつつある。
いつかはくるはっきりとした世代交代が来年であってもおかしくはないが、けがをして稽古ができなければその争いに参加できない。
上位に休場が相次ぐ中で新しい時代をたぐり寄せるには、年6場所を通して体調を整える力が求められる。
<第8回日刊スポーツ大相撲大賞(5)>
今年6場所すべて幕内に在籍した力士の中で、1番あたりの平均時間が最も長い「相撲を楽しんだで賞」は、白鵬(34=宮城野)だった。
不戦勝、不戦敗を除いた出場57番の平均は13・8秒。
2位逸ノ城より0・6秒長かった。
07年秋場所では、わずか平均4・93秒で横綱昇進後初、通算4度目の優勝を飾っている第一人者は「それは面白いデータだね」と、目を見開いた。
「隠岐の海、御嶽海…。もろ差しを許すことが多くなった。脇が甘くなったということかな」と、苦戦の多さが要因と分析する。
それでも包丁を扱う人に例え「包丁を素人は1週間でダメにする。少し上手な人は1カ月。でも達人は自然とさばくから、いつまでも刃こぼれしない」と説明。
力任せに取組相手を料理するのではなく、時には相手の力を利用する。
取組時間は長くても、実は自身に負荷をかけず料理できる現在こそ、技術の粋と自任する。
また平均では白鵬よりも1・5秒短いが、年間の取組時間が最も長い「土俵に長くいたで賞」は竜電(29=高田川)だった。
皆勤で不戦勝もなく、90番の総取組時間は1102・9秒。
「長い相撲になったら拍手が起きるような力士になりたい」。
じっくり攻めてスタミナ勝ちこそ真骨頂だ。
2人に共通したのは「取組時間の長さ=誇り」ということだった。

朝乃山


東京朝乃山後援会の発足を祝う会が20日、東京都千代田区の大手町サンケイプラザで開かれた。
東京富山県人会連合会(桑山征洋会長)のメンバーや都内のファンら500人が出席。
「横綱を目指せ」と激励を受け、朝乃山関(25)=富山市呉羽町出身=は「稽古に励み、番付を上げるよう頑張る」と決意を語った。
朝乃山関は5月の大相撲夏場所で初優勝。
9月の秋場所で横綱鶴竜関を破って初金星を挙げ、11月の九州場所では新三役で11勝した。
来年1月の初場所での新関脇が濃厚で、今後の活躍を支えようと東京後援会を設立した。
発起人代表の桑山会長が「今年は幕内優勝を達成し、年間最多勝を獲得した。これからは横綱、日本のヒーローになってほしい」とあいさつし、土俵入りなどで着ける化粧まわしの目録を贈った。
山崎康至副知事と高砂親方(元大関朝潮)が祝辞を述べた。
中川忠昭県議会議長、朝乃山関の父の石橋靖さん、発起人の駒澤北日本新聞社長らを交えて鏡開きを行い、乾杯した。
あいさつに立った高砂親方は、やんちゃだったモンゴル出身の元横綱朝青龍関を育てたことを念頭に置き、「えらい目に遭いました」と冗談っぽく話し、会場を笑わせた。
続けて「今度は和製横綱。一緒に花を咲かせたい」と話すと、大きな拍手に包まれた。
高砂親方は来年12月に65歳で日本相撲協会の定年となる。
これまで「横綱を目指せ」と言われた記憶がないという朝乃山関は「定年まであと1年。少しでも近づけるよう頑張る」と、親方の思いに応えることを誓った。

貴ノ岩


昨年12月、付け人に暴力を振るい引退した大相撲の元幕内貴ノ岩(29)が20日、TBS系で放送された「爆報!THEフライデー」に出演。
引退後、40キロも激やせしたことを明かした。
現在、ウランバートル在住という元貴ノ岩は、「マイナス40キロになりましたよ」と40キロやせたことを笑顔で告白。
暴行事件の際に「マスコミに追っかけられてる時が一番辛かった」と振り返った。
今年3月にモンゴルに帰国したが、ほぼ引きこもり状態。母国でも“横綱日馬富士を引退に追い込んだ男”としてバッシングを浴び、食事も喉を通らず、引きこもり状態となったという。
日馬富士は17年秋、貴ノ岩を暴行し、引退している。
同じモンゴル出身の元横綱日馬富士とは「故郷が一緒だし、男同士だし、もうわだかまりはないですね」と今の心境を語った。
現在は牧場を経営。牛100頭、馬300頭を育てているという。
元師匠の貴乃花光司氏に対しては「申し訳ないという気持ちはあります。お父さんのような存在です。自分の中では心では表せないぐらい感謝の気持ちでいっぱいです」と話していた。

押尾川親方


大相撲の横綱白鵬関と押尾川親方(元関脇豪風)=本名・成田旭、北秋田市出身=を囲む会が20日、東京・文京区のホテル椿山荘東京で開かれた。
来年2月1日に両国国技館で開く「豪風引退・押尾川襲名披露大相撲」を前に、押尾川親方は「豪風の最後の大銀杏(おおいちょう)姿と断髪式を多くの人に見届けてもらいたい」と思いを語った。
囲む会は、引退相撲を盛り上げようと、押尾川親方と親交の深い岡田裕介東映会長が代表発起人、豪風後援会の佐藤暢男会長らが発起人となり開催。
豪風の師匠尾車親方(元大関琴風)や県選出の自民党衆院議員ら約110人が出席した。
引退相撲では断髪式のほか、相撲甚句の披露、十両と幕内の取組、櫓太鼓の打ち分け実演、横綱締め実演などを行う。
チケットは販売中。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/12/21

大相撲ニュース


貴景勝


大相撲の大関・貴景勝(23)=千賀ノ浦=が19日、「Yakult(ヤクルト)1000」の新しいCMキャラクターに起用され、都内で発表会に出席した。
初のCM出演で、この日のトークセッションでは人気お笑いトリオ「ダチョウ倶楽部」と絶妙な掛け合いを見せた。
ダチョウ倶楽部とは初対面で、さっそく肥後克広、寺門ジモンから上島竜平の代わりに、とスカウトされたが「熱い風呂が苦手なので…」。
お決まりの“熱湯風呂”にかけて苦笑いする一方「熱いちゃんこなら食べられるんですけど」と切り返して“つかみはOK”。
3人をうならせた。
その後ダチョウ倶楽部は、ストレス軽減に効果があるとされる商品にちなみ新ネタを披露。
しかし、審査員を務めた貴景勝は、2連発で「×」の札を挙げ、芸歴30年以上のベテランのギャグに「全然(ストレス)取れないです」と満面の笑みでダメ出しした。
最後は“リベンジ”を誓った上島から腕相撲の挑戦を受けたが、秒殺で返り討ち。
終始リラックスした表情で、会場を盛り上げた。ヤクルトからは新しい化粧まわしと同商品1年分も贈られ「初場所でいい成績を残せるように頑張る」と決意。
新CMは、来月下旬から放送される。

朝乃山


大相撲の小結朝乃山(25=高砂)が、師匠の高砂親方(元大関朝潮)から初めて、横綱を期待する言葉を掛けられた。
「東京朝乃山後援会」が発足した20日、都内で「発足を祝う会」が開催され、師弟で出席。
壇上であいさつした高砂親方は、弟子でモンゴル出身の元横綱朝青龍を引き合いに「今度は和製の横綱で、一緒に花を咲かせたい」と話し、約500人の参加者を盛り上げた。
朝乃山は「横綱」と直接言われたことについて「記憶にない」と初めてだと明かし、驚いた。
高砂親方は今月、64歳の誕生日を迎えた。
朝乃山は「横綱」の言葉を受け「定年まであと1年。難しいかもしれないけど少しでも近づきたい。まずはその前」と力説。
他ならぬ高砂親方に「関脇で2ケタ勝つまで『大関』を口にするな」と言われてきただけに、番付こそ明言しなかったが、大関、横綱への意欲は強まった。
「来年はもっと活躍したい」。大関、横綱へと一気に駆け上がることが、来年6場所の目標となった。

明生


<第8回日刊スポーツ大相撲大賞(4)>
横綱稀勢の里の引退に始まり、新大関貴景勝誕生、トランプ米大統領観戦、暴力問題で十両貴ノ富士が引退など、さまざまな出来事が起きた2019年の大相撲。
今年1年間、幕内を務めた全29人の力士が対象の連載「第8回日刊スポーツ大相撲大賞」は、そんな陰で生まれた好記録や珍記録を表彰する。
本場所会場まで移動時間が最も長い「通勤が大変で賞」を獲得したのは、大方の予想通り。
前頭明生(24=立浪)だった。
茨城・つくばみらい市の部屋から東京・両国国技館まで、電車で往復2時間。
大阪の春場所、名古屋場所、九州場所の宿舎からは車で、マップアプリなどを駆使して計算したところ総時間は8670分=約145時間。
明生は「遠いと思っていた」と、苦笑いを浮かべながら、納得した様子だった。
東京場所では、立浪部屋の関取衆は明生以外も電車を利用。
他部屋の関取と違って車で移動しないのは「渋滞が怖いから」。
部屋から国技館方面へ向かう夜の常磐自動車道はよく混むそう。
「毎日同じ時間に着くからリズムも一定になる」と、ルーティンを崩さない意図もある。
ここ数場所の活躍で知名度が上がったためか、電車では幅広い年齢層のファンに声をかけてもらう機会が増えた。
九州場所では自己最高位の西前頭2枚目。
年間で最も決まり手の多い「年間彩多賞」も受賞した。
三役目前のブレーク候補は「今年はまずまずだったので来年はさらに飛躍したい」と誓った。

貴ノ岩


大相撲の巡業中に付け人を殴打して現役引退したモンゴル出身の元幕内・貴ノ岩(29)が、20日放送のTBS系「爆報!THE フライデーSP」(金曜・後7時)に出演。
2017年11月、角界で起きた暴行事件を語った。
横綱・日馬富士による幕内力士暴行事件だ。
地方巡業の打ち出し後、日馬富士とモンゴル出身の後輩力士たちとの宴席で、酔った日馬富士が貴ノ岩に絡み、殴打したというものだった。
当時27歳の貴ノ岩は前頭8枚目。
報道によると宴席で横綱・白鵬が後輩力士に説教をしている中、貴ノ岩は彼女へメールを送るためスマートフォンを触っていた。
同郷の大先輩であり、格上でもある白鵬を前にしての態度に腹を立てた日馬富士は、貴ノ岩を平手で10数発、さらにカラオケのリモコンでも頭を殴打した。
事件が明るみに出たのは地方巡業後、11月場所が始まった矢先。
連日、マスコミは横綱・日馬富士の責任問題を追及し、その結果、日馬富士が責任を取って引退するという幕引きとなった。
ところが、この暴行事件から1年後の2018年12月、暴行の被害者だった貴ノ岩が、なんと自身の付け人に暴行していたことが発覚する。
元貴ノ岩は昨年12月4日夜、宿舎の行橋市のホテルで、付け人を務める弟弟子を平手と拳で4、5回殴った。
協会の聴取に、頼んでいた風邪薬を付け人が忘れて言い訳をしたことが理由だと説明。
貴ノ岩も日本中から大バッシングを受け、発覚から3日後に引退する大騒動となった。
引退会見は開いたものの、マスコミの追及に多くを語ることはなく、表舞台から姿を消した。
貴ノ岩は当時の事件を「(付け人に)厳しすぎて、やり過ぎたのは事実」と説明。
「マスコミに追いかけられてるときが一番つらかった」と2019年3月にモンゴルに帰国。
しかし、故郷に帰っても英雄の元横綱・日馬富士から暴行を受け、引退に追い込んだことにバッシングが止まることはなかった。
自身が起こした騒動から1年。
番組では元貴ノ岩が今、日本を離れ、謎の男にかくまわれて潜伏生活中という情報をキャッチ。
徹底調査の末、その謎の男とのコンタクトに成功した番組スタッフが元貴ノ岩に取材交渉した。
暴行事件騒動以降、全ての取材を拒否していた元貴ノ岩は「真摯に取材してくれるなら」という条件のもと、取材に応じてくれることに。
番組スタッフとの待ち合わせ場所に姿を現した彼の風貌は現役時代から大きく変わっていた。
このことで引きこもり生活を余儀なくされ、現役当時より40キロ痩せてしまったが、突然、日馬富士から「一緒に相撲をとらないか。学校を作るんだ、手伝ってほしい」と連絡があった。
日馬富士が手がける小中高の一貫校で相撲を教える事になったという。
「同郷ですし男同士なので、わだかまりはない。『相撲を取ろう』って言ってくれたので」と現在は和解していると話した。
貴ノ岩は現在、町から60キロ離れたところで、東京ドーム約600個分の広さで牛100頭、馬300頭という大規模な牧場を経営している。
師匠の貴乃花親方には「申し訳ないって気持ちはあります。部屋に入れてくれて、幕内まで育ててくれて。お父さんみたいな存在。自分の中ではもう、言葉に表せないぐらい感謝している」と話した。

龍ケ崎市


龍ケ崎市は19日、来年の大相撲1月場所での力士たちの活躍を願い、式秀部屋(同市佐貫)に地元食材を差し入れた。
地元産のコシヒカリ10キロのほか、ハクサイやダイコンなどの野菜、豚肉10キロ、国産鶏肉5キロを届けた。
飲食店などで構成する「コロッケクラブ龍ケ崎」もご当地グルメの「龍ケ崎コロッケ」を贈った。
中山一生市長は「活躍してほしいという市民の思いがこもっている」と激励し、市のふるさと大使でもある同部屋の式守秀五郎親方(48)=元幕内、北桜=は「毎年、米や新鮮野菜、日本一の龍ケ崎コロッケをいただいている。日本一の相撲部屋に近づけるようにしっかり頑張って成績を残したい」と話した。
式秀部屋には三段目、序二段、序ノ口の力士19人が所属し、爆羅騎や冨蘭志壽など、個性的なしこ名の持ち主がいる。
式守親方は「龍ケ崎出身の有望な力士が出てくれば『龍ケ崎』のしこ名を付けたい」と語った。

令和初の高校横綱


全国高校総体の相撲個人戦で優勝し令和最初の高校横綱に輝いた飛龍高校3年の大桑元揮選手が、出身地の藤枝市で北村正平市長を訪問し、大相撲・伊勢ケ濱部屋への入門が決まったことを報告しました。
身長170センチ、体重の130キロと力士としては小柄ながらも、力強い突き押し相撲でインターハイで優勝した高校横綱です。
北村市長は「ケガをしない体を作ることが大事。早く関取になるよう応援します」と大桑選手を激励しました。
大桑元揮選手:「体がすごい小さいけど気持ちで負けないように貴景勝関や照強関のように気持ちで負けない自分で下から攻める相撲を目指して頑張りたい」
「目指すは関取」大相撲の伊勢ヶ濱部屋に入門する高校横綱の大桑元揮さんが決意を伝えました。
大桑選手は今月24日に部屋に入り、来月には初土俵を迎える予定です。

八角理事長


13日に血管肉腫により41歳の若さで死去した大相撲の東関親方(本名・佐野元泰さん)=元幕内・潮丸=の葬儀・告別式が19日、東京・葛飾区の東関部屋で高砂一門葬として営まれた。
親方衆や小結・朝乃山(高砂)ら約500人が参列。
葬儀委員長を務めた日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は遺影を前に「残念で、残念でなりません。誠実な人柄は弟子に慕われ、先輩親方からは大変かわいがられた。私もその人柄にほれ、ひと回りも若いあなたにいろいろと相談してきました。本当に素晴らしい人でした」と涙ながらに弔辞を読み上げた。

押尾川親方・白鵬関対談


大相撲の横綱白鵬関と押尾川親方(元関脇豪風)=本名・成田旭、北秋田市出身=を囲む会が20日、東京・文京区のホテル椿山荘東京で開かれた。
来年2月1日に両国国技館で開く「豪風引退・押尾川襲名披露大相撲」を前に、押尾川親方は「豪風の最後の大銀杏姿と断髪式を多くの人に見届けてもらいたい」と思いを語った。
囲む会は、引退相撲を盛り上げようと、押尾川親方と親交の深い岡田裕介東映会長が代表発起人、豪風後援会の佐藤暢男会長らが発起人となり開催。
豪風の師匠尾車親方(元大関琴風)や県選出の自民党衆院議員ら約110人が出席した。
引退相撲では断髪式のほか、相撲甚句の披露、十両と幕内の取組、櫓太鼓の打ち分け実演、横綱締め実演などを行う。
チケットは販売中。

花田虎上


大相撲の元横綱・若乃花でタレントの花田虎上が19日に自身のアメブロを更新。
800gの焼豚をほぼ1人で完食したことを明かした。
この日花田は「夕食、今夜はビールタイム」「妻が朝から仕込んでいた焼豚、蓮根金平、ほうれん草こ胡麻和え」(原文ママ)と夕食のメニューを紹介。
「娘が好きなので今日スーパーマーケットで見つけて買ったジーマーミ豆腐」「妻も同じように、娘が好きなので海ぶどうを買ってきていて沖縄の食卓のようになりました」と偶然にも沖縄風の食卓になったことを説明した。
また、焼豚は800g用意されていたものの、空になった皿の写真とともに「あっという間に完食しました」と報告。
「食べたのはほとんど私です」と告白しブログを締めくくった。
この投稿に読者からは「美味しそう」「お料理上手な奥様」「プロ級の腕前ですね!」「作りかた教えてください!」などの声が寄せられている。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/12/20

大相撲ニュース


貴景勝


大相撲の大関貴景勝(23)が、自身初めてのテレビCMに起用された。
19日、東京・港区のヤクルト本社で「Yakult(ヤクルト)1000」CMキャラクター発表会に参加した大関は「小さいころから飲んでいた。一番、一番、一日、一日が勝負のプロにはありがたい商品」とPRした。
東京・台東区の千賀ノ浦部屋の稽古場で撮影されたCMは、来年1月下旬に公開される。
ヤクルト史上最高菌数の同商品は「乳酸菌シロタ株」を含み、一時的な精神ストレスをやわらげ、睡眠の質を向上させる機能性表示食品。
最先端の研究から生まれた商品とあって、筋肉の鍛え方や栄養学など多くの専門書を熟読している貴景勝に白羽の矢が立った。
また、同社から朱赤の地にヤクルトの形状がデザインされた化粧まわしが贈られ、「色合いが素晴らしい。赤色の化粧まわしは初めて」と見入っていた。
発表会にはお笑いトリオ、ダチョウ倶楽部も応援参加。
大関は左腕一本、メンバーの上島竜平には両手によるハンデを与えた腕相撲対決も披露され、大関が圧勝する場面も。

東関親方


大相撲の元幕内潮丸で、13日に血管肉腫のため41歳の若さで死去した東関親方=本名・佐野元泰=の告別式が19日、東京都葛飾区の東関部屋で高砂一門葬として営まれた。
参列した親方や現役力士ら約500人が最後の別れを惜しんだ。
葬儀委員長を務めた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「あなたが支えてくれていたことにいつも感謝していました。誰もが認める素晴らしい人柄のあなたが41歳という若さで旅立たなければならないことに、運命の残酷さを痛感しています」などと言葉を詰まらせながら弔辞を読んだ。
出棺前には妻で女将が参列者に挨拶。
「親方と出会い、相撲という世界に触れ、女将さんという素晴らしい経験をさせてもらい、感謝しかありません。本当に素晴らしい部屋の師匠であり、愛すべき夫であり、父親でした」と気丈に述べた。

八角理事長


13日に血管肉腫により41歳の若さで死去した大相撲の東関親方(本名・佐野元泰さん)=元幕内・潮丸=の葬儀・告別式が19日、東京・葛飾区の東関部屋で高砂一門葬として営まれた。
親方衆や小結・朝乃山(高砂)ら約500人が参列。
葬儀委員長を務めた日本相撲協会の八角理事長(元横綱・北勝海)は遺影を前に「残念で、残念でなりません。誠実な人柄は弟子に慕われ、先輩親方からは大変かわいがられた。私もその人柄にほれ、ひと回りも若いあなたにいろいろと相談してきました。本当に素晴らしい人でした」と涙ながらに弔辞を読み上げた。
幕内を12場所務めた東関親方は2009年夏場所限りで引退し、東関部屋を継承。
相撲協会では審判委員などを務めた。


大相撲の元幕内潮丸で、13日に血管肉腫のため41歳の若さで死去した東関親方の通夜が18日、都内の東関部屋で営まれた。
師匠だった元関脇高見山の渡辺大五郎氏(75)らが参列。
兄弟子の元横綱曙(50)も昼に人目を避け、焼香に訪れた。
プロレスラーに転向した曙は、一昨年4月に福岡で試合後に急性心不全で入院。
一時は生命の危機に陥った。
今も記憶障害などで闘病中だが、「(東関親方が)亡くなったときも、『何かできることはないか?』と電話がありました。歩くことはできなかったけど、みんなのことも覚えていたし、元気そうでした」(部屋関係者)。
かわいがっていた元付け人のため、動くのも大変な体でお別れに駆け付けた。
曙氏は心臓疾患による後遺症で闘病中の身にありながら、自身の付け人を務めた東関親方に最後の別れを告げるために部屋を訪れたのだろう。
関係者によると、曙氏は落胆した様子で涙が止まらなかったという。
東関親方は現役時代、付け人として曙氏の身の回りの世話などをしてきた。
当時、大相撲を担当していた記者は、東関親方が支度部屋で黙々と仕事をこなしていた姿をみてきた。
中学を卒業したばかりで、角界のしきたりに慣れるのに精いっぱいという感じだった東関親方を、曙氏はまるで弟のようにかわいがっていた。
東関親方がまだ序二段だったころ、曙氏が語っていたことが思い出される。
「こいつのことを今からよく取材したほうがいいよ。必ず強くなるから。関取になったら相手にされないかもよ」。
まだ満足にマゲが結えない序二段力士のポテンシャルを曙氏は見抜いていたのだろう。
曙氏は東関親方の強さについて、こう言っていた。
「とにかくえびすこが強いんだよ。俺もびっくりするくらい。よく食べる力士は強くなる。こいつはけいこもよくするし、性格もまじめ。すぐに出世するよ」
「えびすこ」とは角界の隠語で大食漢を指し、力士の間ではたびたび「えびすこが強い」という表現が用いられる。
「付け人にご飯を食べさせるといつも財布がカラになるよ」。
困ったはずの話なのに、どこかうれしげに話す曙氏の表情が印象的だった。
曙氏は2001年1月に現役を引退し、曙親方として後進の指導に当たった。
曙氏の期待に応えるように東関親方は02年1月場所で新十両となり、弟弟子の高見盛(現振分親方)とともに東関部屋の屋台骨を支えてきた。
曙氏は03年に角界を去ったが、東関親方とはその後も親交があったという。

高見山


東関親方の師匠だった元関脇・高見山の渡辺大五郎氏は「残念。まだ若い。こういうことになってしまって…。もう少しいてほしかった。(定年まで)あと25年あった」と悲しみに暮れた。

筑西で大相撲巡業 来年4月19日 市役所で22日、先行販売実施 /茨城


大相撲の春巡業「筑西場所」が来年4月19日、筑西市上平塚の下館総合体育館で開かれる。
同市誕生から来年で15年となるのを記念して開催する。
チケットは22日午前10時から、筑西市役所本庁舎地下1階で先行販売される。
筑西場所は2017年10月以来2年半ぶりで、関取(十両以上の力士)は原則全員が参加する。
当日は午前9時に開場。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/12/19

大相撲ニュース


朝乃山


朝乃山 英樹(あさのやま・ひでき)本名・石橋広暉。
1994年3月1日、富山市生まれ。25歳。
小4から相撲を始め富山商から近大に進学。
2016年春場所、前年5月創設の三段目付け出し第1号で高砂部屋から初土俵を踏み、2019年夏場所で幕内初優勝。
殊勲賞2、敢闘賞3、技能賞1。
下の名は富山商時代の恩師、浦山英樹氏(故人)にちなんだ。
188センチ、171キロ。得意は右四つ、寄り。
報知新聞社制定「2019報知プロスポーツ大賞」の受賞者が17日に決まり、大相撲の朝乃山(25)=高砂=は、自身初の吉報にはにかんだ笑顔を見せた。
「プロに入って、スポーツ賞というのはもらったことがない。初めてなので、うれしいです」。
5月の夏場所で幕内初V(12勝3敗)を飾り、トランプ米大統領から大統領杯を受け取った25歳。
「世界のアサノヤマ」として一躍時の人となった。
秋場所では、横綱・鶴竜(陸奥)を破って自身初金星。
10勝を挙げ、九州場所での新三役を射止めた。
新小結で臨んだ九州も11勝で、優勝次点。
右を差し、左上手を取って攻める盤石の相撲は、横綱・白鵬(宮城野)も太鼓判を押す。
来年初場所の成績次第では、大関取りも見えて来る。
今や角界の顔となりつつある、四つ相撲の代表格だ。
各界の名だたるアスリートが受賞者として顔を並べる今回。
「プロ野球選手やラグビーの選手もいるんですよね。同じ舞台に立てると思うと、うれしいです」と喜びを表現。
一方で、「周りに報告することはしません。自分からは、もっと上の番付にいって報告したいので」。
その言葉には、更なる高みを目指す覚悟がうかがえる。
飛躍を遂げた2019年から、大関、横綱昇進を目指す2020年へ。
「来年は、大事な年になってくるけど焦らずに。先の事は見ずに、1場所ずつやっていけたら。今年より、充実した1年にしていきたい」と抱負を語る。
世代交代の波が押し寄せる角界で、大関・貴景勝(千賀ノ浦)らと土俵を盛り上げる。
勢いに乗る大器が、大相撲の新時代をリードする。
全国を巡る大相撲の巡業は15日に冬巡業が幕を閉じ、今年の全日程を終えた。
力士にとっては鍛錬の場でもあり、これをしっかりと生かして躍進につなげた現象も起きた半面、課題も見えた。
巡業を飛躍のきっかけにしたのが小結朝乃山だろう。
「一度しかない力士人生だから、できる限りやる。上を目指す」と決意。
春巡業から精力的に土俵に上がり、他の関取衆の胸を借りた。
5月の夏場所で平幕優勝。
その後もよく稽古し、大関候補に名乗りを上げた。
審判委員として冬巡業に同行した玉ノ井親方(元大関栃東)は期待を込めて朝乃山に注文をつける。
「四股、すり足が少ない。もっと突き詰めないと本当の強さは身につかない。その点でも一番やっているのは白鵬だった」と指摘した。
各部屋での稽古と違い、間近に見られる第一人者の姿勢。
学ぶものは多そうだ。
相撲の普及も巡業の大きな役割の一つだが、日本相撲協会は安全面を理由に昨年の夏巡業から子どもの稽古を休止。
貴重な触れ合いの場が失われたままだ。
力士会会長の横綱鶴竜は引き続き復活を求めていく意向で「子どもたちにもっと相撲を知ってもらいたい。未来に向けて大事なこと」と熱弁していた。

大栄翔


大相撲冬巡業を途中離脱した前頭大栄翔(26=追手風)が18日、東京・両国国技館の相撲診療所でインフルエンザの予防接種を受けた。
冬巡業には初日の1日から参加していたが「溶連菌感染症」により4日の熊本・人吉市に参加せず帰京。
「前の日(3日)の夜から体調が悪かった。体の節々が痛くて、熱も38度あった」。
帰京後は4日間安静に努め、8日から埼玉・草加市の部屋でまわしを締めて稽古を再開させたという。
「(溶連菌には)初めて感染した。病気に気をつけようと思った」と話した。
11月の九州場所では東前頭筆頭で8勝7敗と勝ち越し、優勝した横綱白鵬から金星を奪って殊勲賞も獲得した。
来年1月の初場所(12日初日、東京・両国国技館)では新三役の可能性もあるホープは「巡業に参加できなかったぶんも自分で考えながら稽古していきたい」と、力強く語った。

豊昇龍


大相撲の元横綱朝青龍のおい、十両豊昇龍(20=立浪)の新十両昇進パーティーが18日、都内のホテルで行われた。
九州場所で新十両昇進を果たした豊昇龍を、パーティーに出席した部屋後援者ら130人が祝福した。
九州場所は負け越したものの7勝8敗に踏みとどまり、来年1月の初場所(12日初日、東京・両国国技館)も十両として臨む見通しの豊昇龍は「皆さんの支えがあって十両に昇進することができた。九州場所は負け越してしまったが、初場所から絶対に番付を上げていきたい」と力強く意気込んだ。
パーティーには歌舞伎役者の市川九團次(47)が、後援者の紹介を通じて出席した。
部屋頭の前頭明生、十両天空海、そして豊昇龍の立浪部屋関取衆3人にシャンパンを贈呈。
九團次から「これからも頑張ってほしい」とエールを送られ、豊昇龍は「ありがとうございます」。
だが師匠の立浪親方(元小結旭豊)から「まずは初場所で(十両)優勝してからだな。(シャンパンを)飲むのはそれから」と冗談めかしてクギを刺された。

八角理事長


血管肉腫のため13日に41歳で死去した大相撲の元幕内潮丸の東関親方(本名佐野元泰=さの・もとやす)の通夜が18日、東京都葛飾区の東関部屋で営まれ、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)、先代親方の渡辺大五郎さん(元関脇高見山)ら約550人が別れを惜しんだ。
2009年に部屋を引き継ぎ、18年に部屋開きをしたばかり。
先代親方は「まだ若く、これからだった。もう少しいてほしかった」と言い、大きくため息をついた。
遺影には笑みをたたえた写真が選ばれた。
同じ高砂一門の八角理事長は「笑顔が絶えず、みんなに慕われていた。とても残念に思う」と話した。

元高見山


13日に血管肉腫のため死去した大相撲の元幕内潮丸の東関親方(本名・佐野元泰、享年41)の通夜が18日、東京・葛飾区の東関部屋で営まれた。
師匠だった元関脇高見山の渡辺大五郎氏(75)=前東関親方=をはじめ、約60人の現役親方を含む約550人が参列した。
部屋が所属する高砂一門葬として執り行われ、日本相撲協会・八角理事長(元横綱北勝海)が葬儀委員長を務めた。
渡辺氏は「まだ若い。これからですよ」と早すぎる死を悼んだ。
部屋関係者によると、兄弟子にあたり現役時代に付け人も務めた元横綱曙(50)がこの日昼、焼香に訪れた。
現在は心機能停止による重度の記憶障害で自力歩行も難しい状況だが、関係者が連絡すると「(通夜へ)行く」と即答し、介護タクシーを使って駆けつけたという。
稽古場に設けられた祭壇の遺影は、昨年2月に部屋開きを行った際のもの。
戒名は名跡と本名から文字をとった「大優院東元泰善居士」。

元横綱・曙


13日に血管肉腫のため41歳の若さで死去した大相撲の東関親方(本名・佐野元泰さん)=元幕内・潮丸=の通夜が18日、東京・葛飾区の東関部屋で営まれ、約550人が参列した。
この日昼過ぎには、同部屋所属だった元横綱でプロレスラーの曙太郎(50)も部屋を訪れて手を合わせた。
かつて自身の付け人を務めた同親方のひつぎの前で対面すると、「悲しい。早すぎる」と静かに語りかけ、何度もタオルで目頭を拭った。
曙は心臓疾患による後遺症で闘病中。
旧知の角界関係者とも再会し、「(付け人で)一番仕事ができた」と約1時間も弟弟子のそばを離れようとしなかった。
帰り際には、部屋付きとして力士を指導する振分親方(元小結・高見盛)を呼び、「(高見)盛関、部屋を頼んだぞ」と固い握手をかわした。
振分親方は「久しぶりに(横綱と東関親方の)3人で写真が撮れた」と、ほほえむ遺影の前に立ち、姿勢を正した。
通夜では先代師匠で元関脇・高見山の渡辺大五郎氏(75)も「残念。これからですよ…」と弟子との別れを惜しんだ。
戒名は本名も盛り込まれ「大優院東元泰善居士」に決まった。
19日の葬儀・告別式も同部屋で高砂一門葬として実施される。

聖火ランナーに幕内正代


2020年東京五輪の聖火ランナーが17日に発表され、2016年の地震で甚大な被害にあった熊本県からはバドミントンの元日本代表でキャスターとしても知られる陣内貴美子さん、大相撲の幕内正代らが選ばれた。
陣内貴美子さん(バルセロナ五輪バドミントン女子ダブルス出場)
「(東日本大震災や熊本地震など)それぞれの災害からの復興には時間がかかりますが、東京大会でのアスリートの躍動する姿はきっと、被災された方々の心を癒やし、前を向く力となるでしょう。私も、育ててもらった街・熊本を、心を込めて走り、聖火のともしびがすべての皆さんの心を明るくできればうれしいです」
正代直也(大相撲幕内)
「56年ぶりの東京五輪で自分が生まれ育った故郷を聖火ランナーとして走れることを光栄に思い、また、大変うれしく思います。五輪競技に相撲はありませんが、このような形で関わりが持てること、五輪に参加できることをうれしく思います」
永野竜太郎(熊本県益城町出身のプロゴルファー)
「震災以降、復興に向けて進んでいる地元の熊本・益城町出身として聖火を東京へとつなげていけたらと思います」

錦木(29=伊勢ノ海)が聖火ランナー


20年東京五輪の聖火ランナーを務める大相撲の前頭錦木(29=伊勢ノ海)が18日、東京・両国国技館相撲診療所でのインフルエンザの予防接種後に「名誉なことだし、なかなかないこと。地元のために走りたい」と意気込みを語った。
出身地の岩手・盛岡市内で予定されており「(距離は)200メートルくらいと聞いています」。
聖火の持ち方については「太刀持ちと一緒なのかな?」と、同じ時津風一門の横綱鶴竜の土俵入りをイメージしていた。

神田うの、白鵬の美人妻、食事会で2ショット


タレント・神田うの(44)が18日までに自身のインスタグラムを更新。
大相撲第69代横綱・白鵬(34)=宮城野=の妻・紗代子さんと会食したことを報告した。
うのは「ずっと行ってみたかった白鵬関のちゃんこ鍋のお店『鵬』にて 内助の功が素晴らしい紗代子ちゃんと横綱の優勝お祝い&尊敬する働くママのナオミさんと千晶ちゃんのお誕生日のお祝いをしました」と報告。
「ちゃんこはとーっても美味しかったです」とつづった。
インスタには紗代子夫人との2ショットや友人と料理を楽しむ写真を公開。
「『おめでとう』を言い合うお祝い会っていいですね」と記していた。
フォロワーからは「素敵なお店 皆さまお美しいです」「うのちゃんの巻き髪ステキ!! 女子会楽しそう」「ちゃんこ鍋でお祝い良いですね」などのコメントが寄せられている。

2019年大相撲


2019年の大相撲界は「世代交代」というキーワードで語られてきた。
貴景勝が3月の春場所後に22歳で大関に昇進し、5月の夏場所では25歳の朝乃山が初優勝と、次世代勢力の伸びがあった。
ただ、幕内優勝力士を見ると白鵬2度、鶴竜と玉鷲が1度ずつと年6場所のうち4場所で30代が賜杯を抱いた。
3場所はともに現在34歳の両横綱で、若手から中堅とされる力士たちが最高位の牙城を崩すまでには至っていない。
▽鬼の居ぬ間に‥ 夏場所の朝乃山以外で20代の優勝者が出たのが9月の秋場所で、26歳の御嶽海が2度目の制覇を果たした。
ただ両場所を振り返ると、夏場所で白鵬は全休(鶴竜は11勝4敗で朝乃山と対戦なし)、秋場所でも白鵬は2日目から、鶴竜も8日目から休場と不在だった。
もちろん優勝した力士たちには全く非はないが、この傾向は昨年から続いており、昨年11月の九州場所で貴景勝が初優勝した際には白鵬と鶴竜は全休、稀勢の里は途中休場だった。
同7月の名古屋場所で御嶽海が初めて賜杯を抱いたときも白鵬と鶴竜が途中休場、稀勢の里は全休と対戦がなかった。
こと白鵬に焦点を当てれば、横綱以外が優勝した場所で白鵬が皆勤していたのは2017年初場所の大関稀勢の里の初優勝にまでさかのぼる。
まさに「鬼の居ぬ間に‥」の状態といえる。
先月の九州場所では白鵬が14勝1敗で43度目の制覇。
場所中、朝乃山は「同世代の若い人たちで今年最後の場所を盛り上げていきたい」と話していた。
11勝と健闘したものの、結果的に白鵬に3差を許した。
白鵬と鶴竜にけがによる休場が目立ってきたことは寄る年波を感じさせるが、体調を整えて皆勤した場合にはまだまだ壁になっているというのが現状だ。
▽同情 白鵬の九州場所の取り口については、横綱審議委員会から苦言が飛び出すなど批判が起きた。
多用した張り手や、前腕部を突きつけるようなかち上げが、横綱として見苦しいという意見だ。
特に12日目は、対戦相手の遠藤が土俵で鼻血を出したこともありクローズアップされた。
一方、元大関魁皇で、現在は審判委員として土俵下から勝負を見守る浅香山親方は「反則でも何でもない。今は対戦相手が白鵬を怖がって何もできず、かち上げを食らって同情を買っている状態。情けない」と話す。
ある三役力士も、遠藤戦の白鵬の攻め方について「全然OKでしょう。プロだから勝ちに徹するのも、(大相撲は)神事というのもどちらも正解。横綱にならないと分からないものもある」との見解を示した。
歴代最多の幕内在位107場所を誇る浅香山親方は若貴兄弟や曙、武蔵丸、朝青龍ら多くの横綱と激闘を繰り広げていた。
「自分たちの頃は、横綱と当たるときには興奮して眠れないくらいだった。何としても倒してやろうってね。今の20代の力士からは、怖がることなく全力でぶつかるという姿勢が伝わってこない」と残念がる。
さらに同親方は「前への圧力があればかち上げは効かないし、張り手もできないものだ」と指摘。
確かに九州場所で白鵬にただ一人、土をつけた大栄翔も右かち上げに対してしっかりと踏み込んでこらえ、すぐに突き、押しを繰り出して快勝した。
3年前の名古屋場所では、白鵬の左張り手、右かち上げに対し、宝富士がそこまで体勢を低くせずに左からかち上げ気味に当たった。
これで攻撃の威力を見事に封じて横綱を破った一番もあるように、さらに対抗策を練ることは有効だ。
▽社会状況 ”ミスターラグビー”と呼ばれ、先見の明を持っていた平尾誠二氏は生前、「スポーツって社会にすごく影響を受けている」と語っていた。
昔に比べて平均寿命が長くなっている昨今、日本は少子高齢化。
加えて、子どもにある程度の学歴を望む社会状況などは、若手がベテランの横綱陣を崩し切れていない角界にも無関係ではなさそうだ。
中卒たたき上げの日本出身関取が減っている。
九州場所の三役以上で25歳未満は貴景勝だけと、上位陣を”若さあふれる”とは形容しがたい。
相撲界は、けんかっ早くて親の手に負えない子や、家庭の経済環境が苦しい子たちの受け皿になっていた面があり、その中から、親孝行やいい生活を夢見て厳しい鍛錬の末に出世する中卒の新弟子が多くいた。
複数の親方によると、近年は「せめて高校までは出てほしい」と願う保護者が増えており昔とは事情が異なる。
医療などの技術発達も見逃せない。
けがを負っても優れた治療法で回復したり、稽古を補助する有益なトレーニングが筋力維持の一助になったりと、力士寿命を伸ばす環境がある。
自らの血液を利用した「再生医療」を施したことのある鶴竜は「昔と比べて30代でも元気に相撲が取れるようになった。体のケアやトレーニングは関係していると思う」と語り、時の流れに言及した。
▽義務 だからといって、白鵬と鶴竜がさらに年齢を重ねて衰えるのを待っているだけでいいのか。
当然それでは寂しい。
稽古をつけてもらった兄弟子を破ることが相撲界の「恩返し」であるし、先輩に勝って引導を渡すことは、ある意味で次世代を担う力士たちの義務だろう。
先人たちはポイントとして、普段の稽古を挙げる。
亡くなった元横綱千代の富士の前九重親方はよく「なんでみんな白鵬のところに出稽古へ行かないのか。一番強い人のところに行けば当然力がつくのに」と指摘していた。
普段から白鵬の胸を借りて身をもって相手を体感していれば、本場所で張り手やかち上げを受けたとしても対処が違ってくるかもしれない。
元横綱大乃国で、日本相撲協会広報部長を務める芝田山親方は「今は稽古のときに土俵際で残さなかったり、全体的に番数も少なかったりする。自分たちが若い頃も”新人類”とか言われたけど、これが現代の関取衆ってことなのかな。土俵でいい相撲を見せないとお客さまはついて来ない」と危機感を口にした。
白鵬や鶴竜に果敢に挑み、自分たちの力で自分たちの時代を勝ち取ってみせる気概。
次世代の力士たちが躍動して時代を動かす土俵には、男が体一つで大事を成し遂げる大相撲のロマンが漂い、伝統がしっかり受け継がれていく形も浮かび上がる。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/12/18

大相撲ニュース


白鵬


大相撲の冬巡業は15日、沖縄県うるま市で11日間の全日程を終了した。
今年の巡業は皆勤となった横綱白鵬は「最後に暖かい場所(沖縄)での一年納め。気分がいい」と満足げな表情で話した。
稽古では激しい動きが持ち味の平幕松鳳山を指名して8戦全勝。
足技や投げなど多彩な攻めで圧倒し「相手はスピードもあるし、相撲勘を意識した。
たくさんのお客さんに来ていただいたから、見せる稽古も意識した」とうなずいた。

鶴竜


九州場所を腰痛のため全休した横綱鶴竜は患部の状態を見ながら慎重に稽古を重ねてきた。
初場所に向け「まだ4週間ほどあるし大丈夫だと思う。やることをやっていく」と引き締めた。

朝乃山


大相撲高砂部屋の激励会は16日、東京都内のホテルで開かれた。
県関係者ら大勢の支援者が駆けつけ、今年の夏場所で初優勝した小結の朝乃山関(25)=富山市呉羽町出身=に「来年は大関、横綱になってほしい」と声援を送った。
一人ずつ力士が紹介された後、高砂親方(元大関朝潮)が「朝乃山が優勝し、部屋の力士たちに『俺たちもやればできる』という気持ちを植え付けてくれた」と振り返った。
朝乃山関に対しては「九州場所で大勝ちし、大関とりの足場固めになった。来年、さらに飛躍できるかだ」と奮起を促した。
東京富山県人会連合会の桑山征洋会長の発声で乾杯。
テーブルを回った朝乃山関は支援者から続々と激励を受け、「頑張ります」と笑顔で応えていた。

明生


大相撲のネクストブレーク候補、幕内明生(24)=立浪=が「来年の主役になる」と意気込んでいる。
今年、地力を蓄えた若手の1人だ。
夏場所と秋場所で2度、2桁勝利。
秋場所では優勝争いを演じた。
一方で初の上位総当たり戦となった名古屋場所は4勝11敗と完敗。
自己最高位、前頭2枚目で迎えた先場所の九州場所は序盤、4勝1敗と好発進しながら、終盤、失速し6勝9敗。
上位の壁に2度、跳ね返された。
先場所千秋楽、宝富士に上手出し投げで敗れた際は珍しく悔しさをあらわにした。
「自分の弱さを知った。悔しい、しか出て来ない」。
地元の鹿児島・奄美大島から両親も観戦に来ていた。
「最後を締めたかったし、自分のやってきたものを出せずに負けた」。
課題が明白になった1年だ。
「自分がダメなところが分かった。上位で相撲を取れた。2回目の(上位)挑戦で勝ち越すのが理想だったけどまた足りないものが分かった。(先場所の)後半は思うように体が動かなかった。疲労なのか。体が重かった。気持ちはあっても体と足が付いてこなかった。初めての体験だった。スタミナはなくはない方なのに。これが上位の圧力」
上位との差を埋める自信を今年は身につけたのも確か。
「誰が相手でもどんな状況でも自分のやりたいことをやる精神面が一番。技術的にもいろんな欠点が見つかった。来年、そこを直せば一つ上が見えてくる。上位は立ち合いの鋭さがある。さらに『型を持ちながら型にはまらない強さ』がある」。
自分の形でなくとも勝ちに結び付ける強さを身をもって知った。
毎年、目標を立てて成長し続けててきた。
今年の目標「上位戦を経験」はクリアした。
来年は「三役になって優勝争い」と、明確に言葉にして掲げた。
新入幕以来、「優勝」を常に意識する。
「優勝を経験すれば、レベルアップできる。優勝に絡んでいく実力があれば、自然と関脇になっている。三役というより、その上。三役で優勝。目標というよりならないといけない。早い段階で経験することが頭一つ抜け出すことになる。誰かと比べるというより、(来年は)自分が主役になりたい。来年は25歳になる。もう中堅。若手じゃない」。
新時代スター争いの主役に名乗りを挙げた。
今では少なくなってきた中卒のたたき上げ。
腰のヘルニアで一時は引退も覚悟したが、克服してはい上がった。
苦労人で努力する姿を周囲は見ている。
巡業でも連日、土俵に上がり人一倍、稽古を重ねる。
白鵬(宮城野)、鶴竜(陸奥)の両横綱も成長に注目。
親方衆も「稽古で身につけた」と評価は高い。
左四つに組んで速攻、突き押しも強い。
何より稽古熱心なのが、さらなる成長を確信させる。
「稽古してきた人が優勝しているのを見てきているので。自分は不器用なので稽古をやらないと強くならない。(番付が下がる)初場所が勝負になる」。
昨年は大関貴景勝(千賀ノ浦)が九州場所を制した後、一気に駆け上がった。
今年は小結朝乃山(高砂)が夏場所で初優勝後、大躍進。
ともに豊富な稽古量で知られるだけに、明生にも、期待がかかる。

松鳳山


<第8回日刊スポーツ大相撲大賞(2)>
横綱稀勢の里の引退に始まり、新大関貴景勝誕生、トランプ米大統領観戦、暴力問題で十両貴ノ富士が引退など、さまざまな出来事が起きた2019年の大相撲。
今年1年間、幕内を務めた全29人の力士が対象の連載「第8回日刊スポーツ大相撲大賞」は、そんな陰で生まれた好記録や珍記録を表彰する。
年間で最も多く投げ手で白星を挙げた「最優秀投手賞」は、松鳳山(35=二所ノ関)が受賞した。
5種類14勝。
投げ技で12勝した横綱白鵬を上回り「横綱を何か1つでも上回れたというのは誇らしいことですね」と、胸を張った。
176センチと小柄な体格から多彩な技を繰り出すが、投げは最も好きな技だ。
中学2年のときに約1年習っていた柔道でも、投げばかり狙っていたという。
「投げが決まったときは死ぬほど気持ち良かったことを覚えている」。
当時から変わらず、投げで重要視する点は「体の回転」。
ルーツは他競技にあるのかもしれない。
決めてみたい投げ手がある。
「やぐら投げです。今までも惜しいところまでいったことはあるので、そろそろ決めたい」。
両まわしで相手を引きつけ、膝を相手の内股に入れて太ももに体を乗せ吊り気味に持ち上げ、振るようにして投げ落とす大技。
幕内では15年九州場所7日目に、白鵬が隠岐の海を相手に決めている。
「体重が重い相手に決めたい。今(の相撲界)は全体的に巨大化しているからこそ、ひっくり返すように決めたい」。
幕内で2番目の年長力士となるベテランは、好奇心たっぷりに笑みを浮かべていた。

東関親方


静岡市出身で大相撲の元・幕内「潮丸」の東関親方が12月13日、亡くなっていたことが分かりました。
41歳でした。
関係者によりますと、東関親方はこれまで闘病生活を続けてきましたが、13日夜、東京・葛飾区の東関部屋で血管肉腫のため家族に見守られながら、息を引き取りました。
41歳の東関親方は静岡市出身で、相撲は未経験でしたが母親を楽にしてあげたいとの思いから東関部屋に入門しました。
1994年の春場所で初土俵を踏み2002年の秋場所で新入幕を果たし、押し相撲を武器に幕内を12場所務めるなど活躍しました。
2009年の引退後、県内出身者としては初めて部屋を持った親方となり後進の指導が期待されていました。

新居浜・松木さんが田子ノ浦部屋入門へ


愛媛県新居浜市角野中学校の3年、松木一真さん(14)=同市=が来年2月、大相撲の田子ノ浦部屋(東京)に入門する。
未経験ながらも挑戦を決め「基本を学び、少しでも多く勝ち星を挙げたい」と静かに闘志を燃やす。
松木さんは身長177センチ、体重78キロ。
田子ノ浦部屋の高安関のファンという母彰子さん(47)の勧めで、日本相撲協会のスカウトと面談した。
大きな手足や胸板の厚い体がスカウトの目に留まり、入門を打診された。
松木さんは九州場所前の10月に稽古を見学。
高安関と荒磯親方(元横綱稀勢の里)の稽古を見て入門を真剣に考えたという。
「体が震えるほどの衝撃。かっこよかった」と振り返り「未経験の自分に声が掛かることなんて普通はない。縁があったと思って、母やファンに応援してもらえるよう努力したい」と話す。
小学校で少林寺拳法、中学校で卓球に励んだ。彰子さんと父の敏充さん(44)は「やる気になっているので挑戦させたい」と見守る。
6日、田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が角野中を訪問。
田子ノ浦親方は「まずは生活に慣れて相撲のための体をつくるところから。能力は高く足首も柔らかいので、努力次第で面白い力士になる。素直な性格も良い」と期待した。
松木さんは新弟子検査を経て来年3月の春場所で前相撲に臨む。

大相撲沖縄場所開幕 横綱土俵入り 視線くぎ付け


大相撲沖縄場所2019年冬巡業が14日、うるま市具志川ドームで開幕した。
幕内から序二段までの力士らが迫力の取組を見せ、白鵬、鶴竜の両横綱の土俵入りが会場に詰め掛けた大相撲ファンの視線をくぎ付けにした。
木崎海(木瀬部屋)、美ノ海(同)の兄弟ら5人の県勢力士がそれぞれ勝って沸かせた。
沖縄場所は5年連続の開催。
ことしからうるま市に会場が移った。
取組のほか、相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する初っ切りや美声の力士が土俵上で手拍子などに合わせて歌う相撲甚句など、巡業ならではの内容もあり、写真撮影やサインなど力士との交流を楽しむ場面もあった。

大相撲の「呼出し」にも階級あり!力士を呼び出す以外にも大忙しなんです


■取組みを行う力士を呼び出す「呼出し」
大相撲は、力士と行司のほかにも力士の髷を結う「床山」、前相撲の進行や勝負結果の記録と普段の下位力士(幕下以下)の指導・監督などを行う「若者頭」、競技用具の管理や客の世話、若者頭の補助的な仕事をする「世話人」などによって支えられています。
これから取組みをする力士を土俵上に呼び出す「呼出し」も、そんな大相撲を支える仕事の1つです。
「呼出し」とはいっても、ただ取組みを行う力士を呼ぶだけが仕事ではありません。
その実態は、意外と仕事がいっぱいで大忙しのようです!
■こんなにあるの!?呼出しの仕事
呼出しが行う仕事は、なんといってもその名のとおり、取組みを行う東西の力士の四股名を呼び上げること。
大相撲中継を見たことのある方ならまず聞き逃さないであろう「ひが〜し〜、◯の〜は〜な〜、◯の〜は〜な〜、に〜し〜、◯の〜や〜ま〜、◯の〜や〜ま〜」という独特の節回しで呼び上げられますが、東西の力士を呼ぶ順番は奇数日は東方から、偶数日は西方から(1日のみの地方巡業の場合は東が先)と決められています。
その他に「触れ太鼓」「櫓太鼓」「寄せ太鼓」など、大相撲に欠かせない太鼓を叩くのも、呼出しの仕事です。
さらに本場所の取組みや巡業・各部屋の稽古で使われる土俵を作り、その掃除やメンテナンスを行ったり、土俵入りなどで拍子木を打ったり、力士の使うタオル・塩・力水・力紙などの管理・補充を行ったり、負けた力士の代わりに次に相撲を取る力士に力水をつけたり、懸賞の垂れ幕を持って土俵を回ったり、審判員を務める親方や怪我をした力士の世話をしたり、所属する部屋の雑用をしたり…
これらの他にも、まだまだたくさんの仕事があるのです。
また力士が土俵下に落ちてきて当たると大怪我をする危険があるため、土俵下に控えている呼出しは力士の動きをよく見て、必要なときには水桶や塩入れなどを持って逃げることもあるのだとか。
本場所中の呼出しには、休むどころか、ボーッとしている暇すらなさそうですね!
■呼出しになるには?呼出しにも階級があるの?
呼出しになるための資格は「義務教育を修了した満19歳以上の男子」と定められていて、これは行司や床山の場合と全く同じです。
日本相撲協会の規定で、呼出しの定員は45名と決められています。
呼出しも行事や床山と同じように相撲部屋に所属し、その部屋の親方が「呼出し会」を通して相撲協会へ申し込みをします。
呼出し候補生は1場所の研修期間後に面接を経て、晴れて正式に採用となります。
また力士に「序ノ口〜横綱」、行司には「序ノ口行司〜立行司」という階級があるように、呼出しにも下から順に
・序ノ口呼出し
・序二段呼出し
・三段目呼出し
・幕下呼出し
・十両呼出し
・幕内呼出し
・三役呼出し
・副立呼出し
・立呼出し
という階級があり、十両呼出し以上にはそれぞれ定員が定められています。
呼び上げる取組みの数も階級によって異なり、立呼出しは結びの1番のみ、副立呼出し〜十両呼出しまでは基本的に1人が2番ずつと決まっています。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/12/17

大相撲ニュース


白鵬


大相撲、今年最後の九州場所は横綱・白鵬が43回目の優勝を決め、幕を閉じた。
千秋楽翌日、福岡市内で開かれた一夜明け会見でも、白鵬はご機嫌そのもの。
「夕べはおいしいお酒をいただきました」と赤ら顔で現れ、次のようにぶち上げた。
「(来年の)目標は45回(優勝)。その後は分からないけど、50回ですかね。ということは(引退時期は)東京オリンピックを超すな」
この発言に「いつまであの卑劣な“延命相撲”を見せるつもりだ」と、眉をひそめた大相撲関係者は少なくなかった。
九州場所だけでなく、このところの白鵬は、勝つためには手段を選ばない相撲が目立つ。
その1つが“かちあげ”というよりは“ヒジ打ち”、さらに激しい“張り手攻撃”で相手力士をKOし、被害者の遠藤が鼻や口からおびただしい出血をした12日目の相撲だ。
場所後の横綱審議委員会で問題になったのも当然。
「見苦しい。そういうことをしなくても勝ってほしい、という気持ちです」
矢野弘典委員長(産業雇用安定センター会長)はこう話し、相撲協会に異例の指導を要望した。
ある意味で、この取り組み以上に目に余ったのが、千秋楽の貴景勝戦だった。
押し相撲一本で、「四つになったら十両以下」と陰口される貴景勝を、得意の右四つ、上手すらやらない万全の体勢に持ち込みながら、まるでなぶり殺しでもするように腰を引いてなかなか攻めず、諦めるのをじっくり待って寄り切ったのだ。
この相撲をNHKで解説していた北の富士さんは、「あの(白鵬がなかなか攻めない)時間、貴景勝は何を考えていたんでしょうか」と同情し、翌日のスポーツ新聞には、「まるで蛇の生殺しだ」とまで書いた。
遠藤は幕内きっての人気力士で、貴景勝は次期横綱候補。
横審がかちあげ、張り手を非難したとき、白鵬は「勝てないと生き残れませんから」と開き直ったことから、自分の地位を脅かす力士に狙ってやったことは明らかだ。
稽古では激しい動きが持ち味の平幕松鳳山を指名して8戦全勝。
足技や投げなど多彩な攻めで圧倒し「相手はスピードもあるし、相撲勘を意識した。たくさんのお客さんに来ていただいたから、見せる稽古も意識した」とうなずいた。

鶴竜


九州場所を腰痛のため全休した横綱鶴竜は患部の状態を見ながら慎重に稽古を重ねてきた。
途中で風邪をひき、スロー調整を余儀なくされたが、初場所(来年1月12日初日・両国国技館)に向け「まだ初日まで4週間ほどあるし、大丈夫だと思う。腰は常に気をつけないといけない。やることをやっていく」と引き締めた。

貴景勝


大相撲の冬巡業が沖縄県うるま市で行われ、11日間の全日程を終了。
秋場所で左大胸筋を負傷した大関・貴景勝は土俵下で四股などの基本運動で汗を流した。
相撲を取る稽古はせずに打ち上げた理由については「万全にしたいというのがあるし、しっかり基礎をつくっていこうというのがあった」と説明した。
今回の巡業ではインフルエンザがまん延し、幕内だけで5人、十両、付け人らも含めると30人あまりが離脱。
体調管理に細心の注意を払い「(インフルエンザに)ならないようにする気の張り方がきつかった」と振り返った。
帰京後のプランについては「リセットして初場所に向けてやっていきたい」と話した。

北勝富士


大相撲の小結北勝富士(27=八角)が、来年20年の飛躍を誓った。
15日、沖縄・うるま市で行われた冬巡業に参加。
全11日間の巡業を皆勤して「自分のやるべきことはできた。首も痛めていたので、考えながら調整した」と、充実した表情を見せた。
九州場所では7勝8敗で負け越し、来年の初場所(1月12日初日、東京・両国国技館)は平幕として臨む見通し。
「来年はしっかり三役に定着したい。優勝も狙っていきたい。チャンスはあると思う」と意気込んだ。
この日は高校時代の思い出の地に立った。
会場「具志川ドーム」は9年前の全国高校総体の個人で優勝し、高校横綱となった場所。
前日14日も同所で冬巡業が行われ、会場を見渡して「懐かしいですね」と和やかな表情を見せていた。
巡業に参加した力士らの中でインフルエンザが流行していたが「冷えないように腹巻きをしたり、手洗いとうがいも入念にやった」と、万全な予防で乗り切った。
初場所の番付が発表される24日に向けて「(帰京後は)若い衆に胸を出しながら調整したい」と話した。

隠岐の海


大相撲の元前頭潮丸の東関親方(本名・佐野元泰=さの・もとやす)が13日午後9時52分、東京・葛飾区の部屋で血管肉腫のため死去した。
14日に日本相撲協会が発表。41歳だった。
東関親方は体調不良のため、昨年の九州場所から休場していた。
東関親方の死去は巡業参加者にも伝わり、多くの力士が悲しんだ。
同じ高砂一門の隠岐の海は、新十両だった09年春場所で1度対戦したことがあり、そのときは敗戦。
「若いときは出稽古で胸を出してもらったり、食事も何度か。かわいがってもらったので悲しい」と沈痛な思いを語った。
同門の小結朝乃山、北勝富士もそれぞれ「びっくり。すごく残念」「何度かお見舞いに行ったことがある。悲しいです」と話した。

木崎海


大相撲冬巡業が14日、沖縄・うるま市で行われ、同市出身の十両木崎海(24=木瀬)が凱旋した。
約5分間のぶつかり稽古では前頭碧山の胸を借り、会場を沸かせた。
中学進学後は相撲留学で同市を離れたが、この日は「小学校の友達が会場でスタッフをやっていて、懐かしくてうれしかった」と笑顔。
九州場所では2桁白星をマークした。
この日ともに参加した2歳上の兄、幕下美ノ海は来年の初場所(1月12日初日、東京・両国国技館)での再十両が濃厚。
「(兄と)一緒に盛り上げていければ」と話した。

東関親方の葬儀日程決まる 高砂一門葬として実施


日本相撲協会は16日、13日に41歳で死去した元幕内潮丸の東関親方(本名・佐野元泰)の葬儀を「高砂一門葬」として実施すると発表した。
通夜は18日午後6時、告別式は19日正午から、それぞれ東関部屋(東京都葛飾区柴又2の10の13)にて。
喪主は妻の佐野真充さん、葬儀委員長は日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)が務める。

卒園の大相撲力士ら 園児と一緒に餅つき 木更津の幼稚園


木更津市高柳の高柳幼稚園(加藤淳園長、園児数二百八人)は十三日、大相撲九重部屋の千代嵐と千代大豪を招き、園児との餅つきを行った。
餅つきは、千代嵐が卒園生という縁から、新しい年を迎える行事として二年に一回実施。
「よいしょー」の掛け声に合わせ、園児と一緒にきねを振り下ろすと、三十キロのもち米があっという間につき上がった。
児童、職員らがきな粉餅にして食べたほか、記念撮影や年長児との「チビッコ相撲」も行われ、にぎやかなひとときとなった。

高校横綱の大桑(飛龍高)、大相撲・伊勢ケ浜部屋へ


飛龍高3年の大桑元揮(18)=藤枝市立高洲中出=の大相撲伊勢ケ浜部屋入門が決まり、14日、入門報告会が沼津市内で開かれた。
大桑は「体をつくり、関取を目指したい」と決意を語った。
7月の全国高校総体で県勢として21年ぶりの個人優勝を果たし、高校横綱となった。
1日の全日本選手権でもベスト32の好成績を収めた大桑は「高校横綱の名をプレッシャーではなく、自信にして頑張りたい」と前を見据えた。
テレビで見た大相撲に憧れ、小学1年から焼津市の「やいづ相撲クラブ」に通った。
中学校卒業時に入門する力士も多い中、実力が足りないと考え飛龍高に進んだ。
伊勢ケ浜部屋からはどこよりも早く誘いをかけられ、その熱意と体験入門で感じた雰囲気の良さに引かれて部屋入りを決めた。
報告会に同席した伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「前に攻めるところが成長している。押し相撲を伸ばし、横綱を目指してほしい」と期待を込めた。
大桑は身長170センチ、体重130キロ。
1月場所の新弟子検査を受ける予定。

湯浅場所


大相撲の春巡業「湯浅場所」が来年3月31日午前8時〜午後3時、湯浅町の湯浅スポーツセンターで開かれる。
チケットは今月14、15の両日、同町民に先行販売した後、17日から一般向けに売り出す。
同町で地方巡業が行われるのは、1988年以来、32年ぶり3回目という。
町民有志らでつくる実行委員会(会長・上山章善町長)の主催。
同町は2016年度から、春場所(大阪場所)の幕内優勝力士に、特産の湯浅醤油しょうゆにちなんで醤油樽だるを模したトロフィー(湯浅町長賞)を贈っている。
その縁もあって巡業が実現したという。
9月30日には、日本相撲協会と実行委が湯浅場所開催の調印式を町役場で行い、千田川親方(元小結・闘牙)らが出席した。
約2400席を用意。
チケット(消費税込み)はタマリS席(1人、弁当付き)1万5000円、2人マス席2万4000円、ステージ席(イス席)1万2000円、2階イス席7000円など。
いずれも記念座布団付き。

初場所前後の日程


日本相撲協会は16日、東京・両国国技館で来年1月の初場所(12日初日、両国国技館)の御免祝いを開き、同場所前後の日程を発表した。
主な行事は下記の通り。
《2019年12月》
□24日 新番付発表
□25日 力士会
《2020年1月》
□6日 横綱審議委員会稽古総見、新弟子検査
□7日 明治神宮参拝・土俵入り
□10日 取組編成会議
□11日 土俵祭り
□12日 初日
□26日 千秋楽
□27日 横綱審議委員会
□29日 春場所番付編成会議
《2020年2月》
□1日 豪風引退押尾川襲名披露大相撲
□9日 フジテレビ大相撲トーナメント
□11日 NHK福祉大相撲


大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/25

本場所 千秋楽後 情報!


白鵬


白鵬は待ったを1回、すぐに右四つに組み止めて勝利を確信する。
しかしどういうわけか、じっと止まって動かない。
慎重と言う人もいるが、そうではあるまい。すぐに勝負をつけるにはもったいないのでじっくり勝負の瞬間を味わったに違いない。
いくら何でもあの時間のかけ方は異常とも思える。
白鵬のこことだから腹に一物あるのかもしれない。
邪推だろうか。あれでは貴景勝が気の毒だ。まるで蛇の生殺しである。
屈辱的でもあったろう。貴景勝に本当の胸の内を聞いてみたい。

貴景勝


大関3場所目で初めて皆勤。
「もっと良い緊張感で自分の相撲を取りたかった。実力的にまだまだ。根本的に強くならないといけない」

御嶽海


御嶽海が阿炎の動きに翻弄され、行司差し違えの一番を落として痛恨の9敗目。
大関昇進に向けての機運を高められなかったどころか、17場所維持してきた三役の座を守るのが極めて厳しい状況になった。
支度部屋では報道陣に背を向け、帰り際に「負けたら意味がない」とつぶやいた。

阿炎


小結阿炎が来場所の新関脇を確実にする9勝目を挙げた。
御嶽海を突いて攻めながら土俵狭しと動き回り、土俵際で逆転のはたきを決めた。
全6場所で勝ち越した一年を白星で締め、来年初場所では師匠の錣山親方(元関脇寺尾)と地位で並ぶことになりそう。
「ずっと上を目指してきた。これからも一歩ずつ前進したい」と決意を新たに話した。

朝乃山


新小結で11勝した朝乃山は、来年初場所での新関脇が濃厚だ。
カド番で途中休場した高安は関脇に落ち、特例による10勝以上での大関復帰を目指す。
令和元年の年間最多勝争いを、新小結朝乃山が制した。
小結以下では初の快挙だが、勝利数も勝率も過去最低を更新した。
成績が拮抗する原因は突き抜ける力士の不在。
背景に、押し相撲の興隆がありそうだ。
「自分の相撲が取れたと思う。来年が勝負。さらに上を目指したい」。
一年納めの場所を11勝で終えた朝乃山の言葉には次の大関候補としての自負がにじむ。
右差し、左上手の型を築きつつある25歳は夏場所の初優勝を機に台頭した。
昇進を預かる審判部の評価では、先場所優勝しながら負け越した御嶽海と逆転した。
ただし、55勝(35敗)は年6場所となった1958年以降で最低。
勝率6割1分1厘も、これまでの最低だった92年の貴花田が記録した6割6分7厘(60勝30敗)を下回った。
朝乃山から10勝差以内にいるのは12人。
力の差が縮まっている構図が浮かび上がる。
横綱、大関の力が落ちて全体の成績が団子状態になるのは、近年続く傾向。
過去にも世代交代の時期に起きた現象だが、今回は別の理由が透けて見える。
力士の取り口の変化だ。

大栄翔


白鵬戦で金星を挙げた大栄翔は自己最高位の前頭筆頭で勝ち越し、新小結が予想される。
初の三賞となる殊勲賞。
千秋楽を白星で飾れず、「今場所は良い相撲と悪い相撲があった。まだまだ稽古をしないといけない」。

玉鷲


会心の相撲で給金を直し、九州場所は8年連続の勝ち越し。
「とにかく自分の相撲をと思った。縁起のいい場所。今年は初場所に優勝したし、いい1年だった」

炎鵬


14日目に優勝が決まっているので何となく場内も静かで、楽日独特の緊張感もない。
それでも炎鵬の相撲だけは別である。7勝7敗。
対戦する相手は大栄翔。
すでに勝ち越しを決め、来場所の小結昇進も決まったようなもの。
おまけに白鵬に土をつけているので殊勲賞も頂きである。
よりによって何もこんな強いのと当てなくてもよいのに。
審判部も情け容赦ないものだ。
私の予想は突っ張り2、3発で土俵外、負け越しである。
ところが。炎鵬は大栄翔の右の突っ張りを巧みにかわし、十分の左差しを果たした。
こうなれば話は別である。
大栄翔は目標を外されて上体が大きく泳いだ。
その機を逃すまいとばかり、左を深く差してすくい投げで大栄翔を鮮やかに転がした。
大栄翔はある程度変化も予想したかどうか分からないが、定位置で見てしまったのが敗因だった。
炎鵬は大きな一番を会心の相撲で勝利をもぎ取った。
師の白鵬に勝った大栄翔に勝ったのだから大したものだ。
時代劇なら見事「仇討ち」を果たしたということになる。
白鵬もインタビューでそのことをうれしそうに語っていた。
露払いの石浦も勝ち越したのだから三重の喜びだろう。

正代


正代が「千秋楽で勝てば」の条件付きだった敢闘賞を射止めた。
右を差して朝乃山に左上手を取らせず、体全体で圧力をかけて寄り切った。
「今場所一のいい形だった」と機嫌良く振り返った。
かつては「将来の大関候補」と呼ばれた熊本県出身の28歳。
最近は番付を下げていたが、今場所は優勝争いに加わった。
「今日のような相撲が15日間取れればもっと良くなる。また上位に戻りたい」と意気込んだ。


松鳳山を破り、幕内では初めての2桁白星。
「最後に自分らしい相撲が取れた。収穫がたくさんあった場所。(良かった部分を)しっかり伸ばし、初場所に備えたい」と満足そうに。

3年連続で90日間大入り


一年納めの九州場所が24日に福岡国際センターで千秋楽を迎え、3年続けて年6場所の全90日で大入りとなった。
懸賞は鶴竜らの休場もあり、約1500本の見込みを下回る1234本だった。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/24

本場所 千秋楽 情報!


白鵬


大相撲九州場所14日目(23日・福岡国際センター)、横綱白鵬(34・宮城野)が関脇御嶽海(26・出羽海)を外掛けで下して13勝目(1敗)。
今場所は上位陣を中心に休場者が続出するなか、大横綱が番付最高位としての責任を果たした。
忍び寄る衰えと若手の追い上げに基礎運動と作戦で立ち向かう「準備の横綱」。
積み重ねた白星で、30代の優勝は10度目の大台に乗った。
右で張って左四つ。
強烈に引き付けると、御嶽海の体が伸びた瞬間を逃さず、右の外掛けで仰向けにした。
得意は右四つだが、今場所は朝乃山戦でも狙って左四つになっている。
2日前の遠藤戦は「肘打ち」と張り手。
前日はかち上げを警戒する阿炎に対し、当たって素早く左上手を取りにいった。
連日の取り口を「考えて、考えて、考え抜いた相撲でした」と自賛する白鵬。
御嶽海は「強烈過ぎた。厳しい相撲だった」と、白鵬が見せた集中力と反応にお手上げだった。
白鵬は遠藤戦の「肘打ち」についても「テッポウがいつもより多かったので。私は、テッポウは『手のしこ』だと思ってますから」と胸を張ってみせた。
テッポウとは、太い柱を足腰も使いながら突く相撲の基礎運動の一つ。
休場がちになっても、そうした「準備」の反復で現役寿命を伸ばし、30代になってからの優勝は10度目になった。
千秋楽を待たずに4場所ぶり43回目の優勝を決めた。
白鵬にとっては9月の日本国籍取得後の初優勝。
新元号「令和」で優勝するのも初めてだ。
取組後の支度部屋では「やっぱり(自分が)勝って優勝が決まるのはいいものですね。日本人で初優勝?うれしいですね。(新元号での優勝は)令和元年に間に合って、良かったなと思います(笑い)」と喜びをかみ締めた。
九州場所の優勝回数は9度目。
千代の富士に並んで最多となった。
白鵬は「大先輩に近づいたということですね。先輩方は偉大ではありますね」と敬意を表したが、千代の富士は30代で19回優勝し、最後は35歳5カ月だった。
19回は無理でも、横綱の最年長優勝記録(年6場所制以降)は来年秋場所で優勝すれば超えられる。
親方になるためには、国籍はあくまで資格の一つで、年寄名跡の手当てが必要になるが、関係者によると、まだクリアできていない問題が幾つもあるという。
昨年は皆勤2場所、優勝1回。
今年は皆勤3場所、優勝2回と復調はしたが、この間に鶴竜や大関陣の休場が増え、今場所も「上位陣が休場し、引っ張らなければと、背中に重いものがありました」と白鵬。
決して巷間いわれるようなマイペースの延命を決め込むわけにいかず、増えるけが、衰えや重荷を抱えながら、薄氷の上でしこを踏むような現役生活は、来年も続きそうだ。

御嶽海


御嶽海は白鵬に歯が立たなかった。
横綱の外掛けにあっけなく崩れて負け越しも決まり、「厳しい相撲だった」と完敗を認めた。
先場所の優勝を大関挑戦へと生かせないのは「情けない」が、17場所連続で維持してきた三役の座を守るために、千秋楽の阿炎戦は重要な意味を持つ。
「白星で終わりたい」と祈るように言った。

阿炎


阿炎が貴景勝を破り、3場所続けて小結で勝ち越した。
阿炎は幕内で唯一、今年全6場所で勝ち越した。
立ち合いは貴景勝をもろ手で突き、即座に引くと前のめりの相手をわずか1秒6で送り出した。
「はたくつもりはなかった。横に動くつもりが、大関の圧力が強くて、はたく形になった」と振り返った。
それでも「夢を見ている気分」と、付け人に何度も「8番勝ったよね」と確認していた。
年間最多勝の可能性は消滅したが「それは気にしていない。勝ち越しはいつもうれしい」と、笑顔を見せた。
納めの場所の千秋楽は御嶽海戦。
「終わりよければすべてよし。あすも勝って、よかったとなりたい」と話した。

遠藤


玉鷲との激しい一番を物にし、「よかったです」。
7勝7敗で迎える千秋楽に向けて「自分の相撲を見せたい」と静かに闘志を高める。

朝乃山


角界の世代交代に注目が集まるなか、新小結の朝乃山(25・高砂)が新たな看板力士として急浮上だ。
大相撲九州場所13日目(22日・福岡国際センター)、幕内琴勇輝(28・佐渡ヶ嶽)を押し出して10勝目(3敗)。
今年通算54勝とし、年間最多勝を確定させた。
横綱大関以外では過去に大鵬(1960年・関脇)と貴花田(92年・関脇)の2人だけ。
小結では朝乃山が初めてだ。
三役(関脇・小結)の地位で2桁白星をマークし、大関取り(3場所合計33勝以上)のスタートラインにも立った。
日本相撲協会の八角理事長(56・元横綱北勝海)は今場所を通じて「堂々としている」「地力をつけている」「来年は上(大関)を目指してほしい」などと高評価を連発。
他の親方衆の評判もうなぎ上りだ。
朝乃山は「昔からあまり褒められたことがないので、褒められても…」と戸惑いつつも、ひそかにネットなどを通じて親方衆のコメントをチェックしているとか。
「ちゃっかり見ています(笑い)。理事長、尾車親方(62・元大関琴風)、藤島親方(47・元大関武双山)、高田川親方(52・元関脇安芸乃島)、荒磯親方(33・元横綱稀勢の里)…。親方衆にそう思ってもらえるのは、うれしいですね」とまんざらでもない顔だ。
今場所は関脇御嶽海(26・出羽海)の大関取りが「白紙」となる一方で、朝乃山が次の大関の有力候補に浮上した格好。
13日目の取組後は「まだ2日あるので集中していきたい。さらに星を伸ばす?来場所のためにもつなげていきたい」と気持ちを引き締めた。

大栄翔


大栄翔が自己最高位の東前頭筆頭で勝ち越した。
阿武咲との激しい攻防に一歩も引くことなく突き出し。
「前に出ることと、はたきもあったのでよく見ていこうと思った」と納得顔だった。
2日目には白鵬に土をつけた。
自身初の三賞となる殊勲賞の有力候補に挙がるとみられるが、「自分が決めることではない。あしたも自分の相撲を取り切って締めくくりたい」。
新三役も目前の地位で最後までひたむきに戦う覚悟だ。

隠岐の海


西前頭筆頭。14日目に負け越しが決まったが、表情は変えずに「あと一番頑張る。それだけ」。

妙義龍


10勝を挙げていた正代を破り、星を五分に戻す。
「集中していければと思っていた。反応が良かった」と満足そうに。

豊山


大相撲九州場所(福岡国際センター)14日目の23日、西前頭9枚目の豊山(新潟市北区出身)は押し出しで輝に敗れ8勝6敗となった。

正代


4敗目。
妙義龍に一方的に寄り切られたことがこたえたようで、絞り出すように「もうちょっと何かしたかった」。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/23

本場所 14日目 情報!


白鵬


横綱・白鵬は小結・阿炎を寄せ付けず、押し出しで1敗を守って優勝に王手をかけた。
3敗で追う新小結・朝乃山は琴勇輝を押し出した。
平幕・正代も白鵬と同じ宮城野部屋の炎鵬を寄り倒し、10勝3敗とした。
大関・貴景勝は秋場所の優勝決定戦で敗れた関脇・御嶽海を突き押しで圧倒し、9勝目を挙げた。
14日目に白鵬が御嶽海に勝つか、朝乃山と正代がともに敗れれば、白鵬の4場所ぶり43回目の優勝が決まる。

貴景勝


貴景勝が、因縁のある御嶽海を下した。
低い当たりから休まず攻め、一方的に突き出し。
「深く考え過ぎずに、しっかり自分の相撲を取った」と納得の表情だった。
今年は御嶽海との顔合わせで2度もけがをした。
新大関だった夏場所では右膝を、全休明けの先場所は優勝決定戦で左胸を負傷。
一年納めの場所での快勝は、苦い記憶を振り払うには十分だろう。
単独トップの白鵬が勝ち、九州場所の2連覇はなくなったが、「またあした頑張りたい」。一日一番で臨む姿勢は、これまでと変わりはない。

御嶽海


関脇御嶽海が、勝ち越しへ後がなくなった。
優勝した9月の秋場所千秋楽の決定戦で勝利した、大関貴景勝に突き出されて6勝7敗。
出足が鈍く、貴景勝の突き押しに最後は引いてしまった。
貴景勝は前日12日目の竜電戦では注文相撲で敗れており、「昨日の竜電関のこともあって立ち合いは見にこられた感じだった」と振り返る御嶽海。
「下から中に入りたかった」とイメージしていたが、鋭く踏み込まない相手のペースに合わせてしまう格好となった。
勝ち越しへ残り2日、横綱白鵬らに連勝することが求められる。
御嶽海は「久々に追い詰められている感じ」と話し、緊張感を漂わせた。

朝乃山


新小結の朝乃山が勝って今年通算の勝ち星を54勝に伸ばし、年間最多勝利が確定。
番付が小結以下の力士が年間最多勝利となるのは初めて。
九州場所で新小結の朝乃山は13日目、前頭4枚目の琴勇輝に押し出しで勝って10勝目を挙げ、今年通算の勝ち星を54勝に伸ばした。
千秋楽まで2日を残し、年間の勝利数は54勝の朝乃山がトップで、22日に敗れた小結 阿炎が52勝で続くため星の差が2つ開き、朝乃山の年間最多勝利が確定した。
日本相撲協会によると、年6場所制となった昭和33年以降、横綱・大関以外の年間最多勝は昭和35年の関脇 大鵬、平成4年の関脇 貴花田の2人だけで、小結以下の力士では今回の朝乃山が初めて。
今年は横綱や大関の休場が相次ぐなど安定して勝ち星を積み重ねる力士がおらず、二場所で負け越している朝乃山が最多勝利となった。
朝乃山は「ことしは負け越した場所でも諦めず、大きな負け越しがなかったことがよかった。今場所はまだ2日間あるので集中していきたい」と話した。

大栄翔


新三役を狙う大栄翔が妙義龍を押し出して7勝目。
立ち合い直後に引きにきた相手を突いて後退させ、土俵際で右に逃れる相撲巧者を押し出し、「中に入れさせないことを意識した」と振り返った。
残り2日で白星を挙げれば念願の三役に加え、横綱を撃破しているだけに三賞も見えてくる。
26歳は「自分の相撲を取り切る」と今後を見据えた。

正代


正代が初顔の炎鵬を圧倒した。
潜り込まれたところを抱え、両まわしを引いて持ち上げると、勢いにも任せて寄り倒し。
「いつものようには踏み込まず、(相手を)見ていこうと思った」と狙い通りに仕留めた。
熊本出身とあり、準ご当所での声援を背に奮闘している。
白星は2桁に到達したが、「変に欲を出さないように、いつも通りやる」と自然体を強調した。

照強


東前頭14枚目照強が2場所ぶりの勝ち越しを決めた。
西前頭7枚目琴恵光に、差した右を抱え込まれて土俵際まで寄られたが、最後は左から突き落とした。
支度部屋で付け人相手に突き落としを練習していたという。
照強は「突き落としはもともと得意。頭の中でイメージできていた」と納得の表情を見せた。
同部屋の西幕下10枚目照ノ富士が、7戦全勝で幕下優勝を果たし、再十両を確実にした。
かつて照ノ富士の付け人を務めたこともある照強は「心の底からというか、素直にうれしい。さっき(照ノ富士と)グータッチもした」とよろこんだ。
「部屋が活気づく。自分も弟弟子に指導していかないといけない」。
付け人を務める東幕下12枚目翠富士も7番相撲を残して5勝をマークするなど好調。
“チーム伊勢ケ浜”が乗ってきた。

照ノ富士


元大関で西幕下10枚目の照ノ富士が7戦全勝で幕下優勝を決め、10場所ぶりの関取返り咲きも確実にした。
両膝のけがや内臓疾患などで休場が続き、序二段まで番付を落としただけに、「新十両の時よりうれしい。どっしりと構えていれば大丈夫だと思った」と喜びをかみしめた。
3月の春場所に序二段で復帰。
大関経験者が幕下以下で取るのは初めてだったが、自身の体調と向き合いながら稽古を重ねて地力を発揮し、5場所連続で勝ち越し。
やめたい気持ちも抱いた中、親方衆の励ましが力になったという。
「落ちてから分かったことは多い。もう一度、どこまで通用するか試したい」と先を見据えた。

元林


今年夏場所で初土俵を踏んだ近大出身で東三段目21枚目の元林(23=鳴戸部屋)が3場所連続全勝優勝を飾った。
「親方(鳴戸親方=元大関・琴欧洲)から“自信を持っていけ、おまえなら勝てる”と言われて、それが自信になって優勝につながった」。
序ノ口デビューからの21連勝(優勝決定戦を除く)は、炎鵬らに並んで史上4位タイの記録となった。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/22

本場所 13日目 情報!


白鵬


横綱白鵬が小結遠藤を力ずくではたき込んで1敗を守った。
13日目にも優勝が決まる展開になってしまったことに加え、白鵬の荒っぽい取り口。
場内には微妙な空気が漂った。
相手を起こせたわけではなかった立ち合いを、「狙い通りにはならなかったが」と聞かれて、「最終的にはたき込みになりましたから」。
硬い表情で答えた白鵬。
優勝争いについても「1番1番」と答えて口を結んだ。

貴景勝


大関として初の勝ち越しを決めた貴景勝は、竜電に突き落とされ4敗目。
立ち合いで力強く踏み込んだが、変化についていけずあっけなく体勢を崩した。
首位の白鵬との差は3に広がり、優勝争いに手痛い1敗となったが、「しっかり踏み込めた。また明日頑張ります」と言葉を絞り出し、自らを奮起させた。

御嶽海


御嶽海が関脇の意地を見せて6勝目。
優勝争いを繰り広げる朝乃山を「何も警戒していない。自分の相撲を取れば怖くない」と言うように、素早く土俵際に攻め込み一気に寄り切った。
11日目の敗戦で2桁勝利を逃し、大関とりは白紙になったが「しっかり気持ちを整えて」と冷静に話す。
残り3日、勝ち越しに向けて食らいつく。

阿炎


阿炎が玉鷲を突き倒して7勝目を挙げ、今年の全6場所勝ち越しに王手をかけた。
立ち合いのもろ手突きから、はたきをまじえた速い動きで主導権を握り「落ち着いて取れた。圧力のある人なので考えていかないと」と満足げ。

朝乃山


朝乃山は御嶽海にもろ差しを許して後退。
土俵際で粘ったが左上手も切れて寄り切られ、痛恨の3敗目を喫した。
「あっちの攻めが早かった。自分の形に絶対必要なやつ(左上手)がとれたのに、攻めきれなかったのが悔しい。小結と関脇の違いをみせつけられた」と唇をかんだ。
白鵬との差は2に広がったが「優勝のことは全然見ていないんで」。
切り替えて残り3日を戦い抜く。

炎鵬


関取最軽量98キロの炎鵬は、同じ25歳で前頭12枚目の隆の勝にはたき込みで敗れ、6勝6敗になった。
立ち合いで相手の懐に潜り込んだのは、炎鵬らしい相撲。
頭を相手の胸に付け、右前みつと左下手をつかんだところまではよかったが、そこで「ちょっと安心してしまった」。
手詰まりを打開しようと、左のまわしを放して相手の足を取ろうと手を伸ばしたが、これで上体が傾いたところをはたかれ、土俵にはわされてしまった。
「あの形になったのに勝てないのはダメだ」とうつむいた。

豊山


豊山は阿武咲に浴びせ倒しで敗れ、5敗目を喫した。
豊山はいい形になりながら合口の悪い阿武咲に5敗目を喫し、勝ち越しはお預けとなった。
立ち合いに右から張り、左四つで土俵際まで阿武咲を追い込んだ。
だが、相手に右首投げから体重を乗せられて下半身が崩れ、浴びせ倒された。
これで阿武咲に6戦全敗。
「左四つになったのは、まさに狙い通りだった。(左から)すくいにいこうか迷ったタイミングで体を寄せられた。あれで勝ち切れないのはおかしい」と苦笑した。
残り3日間で、十両時代を含めて4場所連続となる給金直しを目指す。
「勝ち越しにリーチを懸けている。そういった意味で考え過ぎた」と自らを戒めていた。

正代


正代が4連勝を飾り、白鵬を2差の3敗で追う展開となった。
大翔丸との2度目の立ち合いは、もろ差しを狙ったが深く差せず、土俵際まで寄ってから1度引いた。
だが再び前進し、今度は右を差して寄り切り。
「2度目の立ち合いは、変化もあるかと内心焦っていた。苦戦した」と、ホッとした表情。
優勝争いについては「全然考えていない」と、無欲を強調していた。

九州場所飲食新サービス 升席からスマホで注文!


福岡市の福岡国際センターで開かれている大相撲九州場所で、升席からスマートフォンで会場内の売店に飲食物を注文する新サービスが試験的に実施されている。
日本相撲協会の担当者は「伝統と技術の融合を目指す」と話した。
大相撲では「お茶屋」と称される相撲案内所のスタッフが、席への案内に加えて飲食の注文も受ける。
地方場所は九州場所だけ案内所がなく、これまでは観客自ら売店に足を運ぶ必要があった。
試行中のサービスは「売り子(コ)ール」と呼ばれる。
升席にあるQRコードをスマホで読み取り、表示された画面で弁当などを注文する。
法被を着たスタッフが客の代わりに商品を店で受け取り、席へ運ぶシステムだ。
現金払いの他、クレジットカードでの決済もできる。
缶ビールなどを注文した福岡市城南区の会社役員、渡辺聖子さん(46)は「迷わずにできて、すごく楽。取組を見逃すこともなくてありがたい」と話した。
導入を推進した九州場所担当の雷親方(元小結垣添)は「気持ちよく相撲を見てもらうことが第一」と語った。
新サービスで売り上げが想定の2倍以上になっている店もあるといい、継続的な実施に意欲的だった。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/21

本場所 12日目 情報!


白鵬


横綱白鵬は竜電に寄り切りで勝ってただ1人1敗を守った。
竜電にもろ差しを許しながらも力強い相撲で1敗を守った横綱白鵬は「差せるにこしたことはないけど差せなかった」と話したうえで優勝争いについては「まあ一番一番」と答えた。

貴景勝


在位3場所目で大関として初めて勝ち越した。
東前頭5枚目碧山の突き押しをものともせず、一方的に押し出し。
5連勝で優勝争いに食らいついた。
新大関だった5月の夏場所から半年。
けがとも闘いながら区切りの白星を挙げた。
上位陣の負傷や休場が目立つ場所で、貴景勝が看板力士として土俵を引き締めている。
6日目までに3敗して存在感を出せなかった序盤戦がうそのように、内容を伴う5連勝で給金を直した。
理想の展開だった。
自身より約15センチ高く、30キロ重い巨漢を下から何度も突き起こし、最後は相手を引かせた。
前日の取組で左目が相手の突きと接触。
この日も左目下は内出血で紫色に変色していたが「全く大丈夫」と、血走った左目を力強く見開いた。
節目の1勝としながら、一息つく様子はなかった。
「ここで気を抜いたらかっこわるい。残りも自分の100%を出せるように、しっかり準備するだけ」。
1年納めの場所で、遅まきながら主役候補に躍り出てきた。

御嶽海


御嶽海が早くも5敗となった。
左四つで出たが、懐が深い竜電にまわしを引かれて形勢逆転。
体を入れ替えられると、力なく土俵を割った。支度部屋では無言を貫き、悔しさをにじませた。
八角理事長は「まわしを取りにいくのが早過ぎた。勝ちたい気持ちが出ちゃったのかな」と首をひねった。
2度目の優勝を遂げた先場所は12勝。
大関への望みをつなげるためにも、今場所で2桁白星を挙げたいところだが、残り5日間で1敗もできない状況に追い込まれた。

朝乃山


朝乃山が力強い取り口を見せた。
立ち合いでしっかりと圧力をかけ、けんか四つの宝富士に右を差し勝つと、左でおっつけながら出て勝負を決めた。
「突き落としがあるので、それも頭に入れながら前に出た」と詰めも誤らなかった。
新小結の場所で2桁白星に王手をかけ、賜杯争いではトップの白鵬を1差で追う。
そんな状況でも目の前の一番に集中する姿勢は変わらない。
「初日から一日一番と決めている。悔いのないように自分の相撲を取りたい」ときっぱり言った。

炎鵬


関取最軽量98キロの炎鵬は大翔鵬との激しい相撲を制して6勝5敗とし、3度白星を先行させた。
「執念で勝ち取った」という。取組中に左目を痛め、ほとんど見えない状態でも、勝負勘を失うことはなかった。
幕内では3勝負けなしと合口のいい大翔鵬に立ち合いでかち上げを食らい、左目付近を負傷した。
視界が遮られたが、いなすなど身軽な動きができたのは「いつも稽古(けいこ)でやっているから」。
大振りになった大翔鵬の右の張り手をすり抜けて懐に飛び込むと、一気に寄り切った。

豊山


西前頭9枚目の豊山は千代丸を押し出しで破り7勝目を挙げた。
豊山は3敗と好調だった千代丸を終始攻め、7勝目を挙げた。
力強い内容に「先手を取れたのが大きかった。流れが良かった」と笑みを浮かべた。
もろ手突きの立ち合いから左おっつけで前進。
突き、押しの応酬で攻勢に立ち、右張り手も交える。
攻め手を緩めずに押し出し「立ち合いで差されないようにした。引いてくるのも分かっていた」と話した。
令和になって勝ち越しが続く。
「朝起きて、体が痛くないということが一番いい。春先は不安なところがいっぱいあった」と状態も良好。
勝ち越しにあと1勝で「いい意味で意識してやりたい」と自信に満ちていた。

正代


正代が持ち味を発揮し、鮮やかな逆転勝ち。
佐田の海に寄られて両足が俵に掛かりながら、体の柔らかさを生かしてのうっちゃり。
「ちゃんと返せたか、すごく不安だった。勝ち名乗りを受けるまで、すごく長く感じた」そうだが、物言いもつかなかった。
先場所は3勝に終わったが、入門から5年続けて勝ち越していた九州で11日目に給金を直した。
熊本出身。実家の近所から応援団が駆け付けた中でいいところを見せ、「来年につなげていけたら」と気をよくしていた。


西前頭13枚目の輝が東前頭7枚目の剣翔を押し出し、勝ち越しを決めた。
立ち合った直後は一瞬押し込まれたが、相手のはたきに落ちることなく、一気に前に出た。
「今場所は自分の芦田出ていて、自分の相撲ができている。先場所だったら落ちそうなところを残せています」。
3月の春場所以来4場所ぶりの勝ち越し。
11日目での勝ち越しは、幕内での自己最速となった。
幕内での最多勝利は9勝で、まだ2桁勝利がない。
それでも星数は口にせず「あと4番あります。勝ち越しているので、いい形を試せる。しっかりものにしたい」と相撲内容へのこだわりを示した。

錦木


西前頭14枚目の錦木は西4枚目の琴勇輝に押し出され、3勝8敗と負け越した。
初場所から6場所連続の負け越しとなった。
錦木は防戦一方だった。
頭から当たるが、琴勇輝の突き、押しに上体がのけ反る。右に回り込むも突き起こされて土俵を割った。

照ノ富士


大関経験者で、番付を序二段まで落として以降、4場所連続勝ち越しで順調に関取復帰の道を歩む西幕下10枚目の照ノ富士が、全勝対決で同28枚目の将豊竜を下し、無傷の5連勝をマークした。
残る2番に勝てば、10場所ぶりの関取復帰が確実視される状況となった。
相手の上突っ張りを、腰をドッシリ構え下からあてがいながら対応。
左からおっつけて相手の体勢を崩すと、ここが勝機とばかりに組み止めた。
左を抱えながら前に出て右が深く入ると、かいなを返しながら棒立ちの相手をねじ伏せるように、すくい投げで倒した。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/20

本場所 11日目 情報!


白鵬


大相撲九州場所10日目(19日・福岡国際センター)横綱白鵬は碧山を難なく寄り切って9勝目。
1敗で単独首位を守った。

高安


カド番の大関高安(29・田子ノ浦)が次の初場所(1月12日初日、東京・両国国技館)で関脇に陥落することが確実になった。
九州場所8日目(17日)に持病の腰痛のため取組を直前になって回避。
日本相撲協会に「急性腰痛症で約1週間の治療を要する見込み」との診断書を9日目に提出して休場していた。
師匠の田子ノ浦親方(43・元幕内隆の鶴)は「腰は大事な箇所だし、今場所は休んで治療を優先させることにした。しっかり治して来場所で頑張ってほしい」と再出場させないことを明言し、2場所連続の負け越しが決定的に。
今場所前に美人演歌歌手(30)と婚約を発表した高安は「これをきっかけに優勝を目指して、番付を上げていきたい」と意気込んでいたが、厳しい現実が待っていた。

貴景勝


大関に復帰した貴景勝(23・=千賀ノ浦)が、勝ち越しに王手をかけた。
初顔合わせの西前頭4枚目琴勇輝(28・佐渡ケ嶽)を下して7勝3敗と星を伸ばした。
稽古でも巡業でも肌を合わせたことがない相手で「本物の初顔」と貴景勝。
立ち合い、琴勇輝のもろ手突きをはね除けると、関脇経験者を一気に土俵際まで持っていき突き出した。
一歩的な展開だったが、勝ち名乗りを受ける間に何度か顔をしかめた。
左目を赤く腫らして支度部屋に戻ると「入っちゃったみたい」と、取組の中で琴勇輝の突きが接触したと説明した。
それでも「全然大丈夫」と、視界に影響はないことを強調。
「格闘技の世界だから。その世界にいて(痛いなど)言うべきじゃない」と、アクシデントをものともしなかった。
1敗の横綱白鵬とは2差だが、終盤戦で直接対決が組まれることは確実。
優勝争いに食らいつきたい23歳は「星勘定で見られる世界だけど、あと5日じゃなくて明日、明後日としっかりいい準備をするだけ」と、地に足をつけていた。

御嶽海


御嶽海が早くも5敗となった。
左四つで出たが、懐が深い竜電にまわしを引かれて形勢逆転。
体を入れ替えられると、力なく土俵を割った。
支度部屋では無言を貫き、悔しさをにじませた。
八角理事長(元横綱北勝海)は「まわしを取りにいくのが早過ぎた。勝ちたい気持ちが出ちゃったのかな」と首をひねった。
2度目の優勝を遂げた先場所は12勝。
大関への望みをつなげるためにも、今場所で2桁白星を挙げたいところだが、残り5日間で1敗もできない状況に追い込まれた。

阿炎


阿炎が狙い通りの取り口を披露した。
得意のもろ手突きで北勝富士を起こすと、のど輪攻めの右もよく伸びる。
低い当たりが武器の相手だけに「押し相撲の人は、こんな相撲をされたら嫌だろうなと思った」と納得の口ぶり。
2連敗中だった難敵を難なく攻略した。
3場所連続での小結。
リーチの長さや、運動神経の良さもあって安易な引き技に頼ることも多かったが、着実に力を付けてきた印象がある。
上位陣への挑戦などで経験を積み、相撲とより真剣に向き合うように。
「自分が少しずつ変わっていかなければいけない。引き出しが増えた」と手応えをつかんできた。
八角理事長(元横綱北勝海)も成長ぶりを認める。
「以前は勝てば一緒という感じだったと思うが、今は勝っても負けても前に出ている。こういう相撲を取らなくてはいけない。看板力士なんだから」と期待を寄せた。
場所直前には、インターネット交流サイト(SNS)に不適切な動画を投稿したとして厳重注意を受けた。
反省の一心で「一番に懸けている」といい、信頼回復へ日々の土俵に全力を注ぐ。
同世代では貴景勝や御嶽海、朝乃山らが注目を集める中、阿炎も負けていない。

朝乃山


新小結の朝乃山(25・高砂)が「進化」と「節制」で堂々の優勝争いだ。
大相撲九州場所9日目(18日、福岡国際センター)は幕内大栄翔(26・追手風)をはたき込んで7勝目(2敗)。
賜杯レースでトップに立つ横綱白鵬(34・宮城野)を1差で追走している。
取組後は「落ち着いて相撲を取れたと思う。一日一番、自分の相撲を取りたい」と表情を引き締めた。
この日の大栄翔を含めて、今場所は苦手にしていた突き押し相撲の相手を克服。
大関貴景勝(23・千賀ノ浦)、小結北勝富士(27・八角)、小結阿炎(25・錣山)と撃破している。
朝乃山は「相手を苦手だと思ったら勝てない」ときっぱり。
「今までの出稽古は(稽古相手が)組む相撲が多かった。今回は押し相撲がいる部屋に行こうと考えた」と場所前の稽古に手ごたえを感じている。
かねて、本場所中は禁酒を実践。
今回は期間を“前倒し”して2日から酒を一滴も飲まずに本番に備えてきた。
場所中に食事に出かける際に口にするのはお茶や水、炭酸水など。朝乃山は「初日の1週間前は、もう飲みに行かないと決めていた。場所が終わったら、たくさん飲みたいですね(笑い)」と体調管理にぬかりはない。
ここまでくれば、当初の目標に掲げた新三役での勝ち越しは通過点。
大関取りの起点となる2桁10勝、さらには2度目のVの期待も膨らむ。
朝乃山は「上位の休場者もいるし(休場者が)全員出ていたらここまで勝てない。まぐれ」と冷静に話す一方で「(役力士として)土俵の上に立って戦っていることを自信にしていきたい」。
初Vの5月場所の再現を狙う。

妙義龍


速攻で遠藤に快勝。
「一番良い相撲だったんじゃないか。きょうみたいに取れば、良いイメージができる。それを大事にやっていく」

炎鵬


千代丸の懐に潜り込めず、突き出される。
星がまた五分に戻り、「ちょっと消極的になっている。あと5日間、思い切ってやるだけ」。

琴奨菊


阿武咲に抵抗できず、ご当所で負け越し。
「老け込む年ではない。失うものもないし、しっかりいけばいいのに」と自らに言い聞かせるように。

千代丸


大相撲九州場所10日目(19日・福岡国際センター)鹿児島県出身の千代丸がご当地場所で7勝目を挙げ、昨年初場所以来の幕内勝ち越しに手をかけた。
小兵の炎鵬をよく見て攻め込んで突き出し。
「落ち着いて取れば、押されることはない。中に入られないようにだけ警戒した」と満足げだった。
人気者に大声援が飛ぶ中でも冷静さが光った。
「完全アウェーで、見渡す限り(ファンが応援で掲げる)炎鵬のタオルだったけど、1枚だけ千代丸があった。それが救いだった」と頬を緩める。
平幕ながら3敗で優勝戦線にも踏みとどまり「幕内初の2桁勝利をできたらいい」と高い志を示した。

錦木


7日ぶりに白星を挙げ、7敗で踏みとどまる。
「いったん(悪い)流れが切れた。落としちゃいけない。残り全部勝たなきゃいけない」

夢道鵬


元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男の夢道鵬(むどうほう・18・大嶽)が、偉大な祖父の化粧まわしを締めて、新序出世披露に臨んだ。
大鵬の地元・北海道で有名な、すずらんがあしらわれた化粧まわしは、兄で幕下の納谷も昨年初場所の新序出世披露で締めたもの。
2人目の「大鵬の孫」として角界入りした夢道鵬は「気持ちが引き締まる。これから頑張らないといけないと、あらためて思った」と、初々しく話した。
夢道鵬について、恩師で多くの幕内力士を輩出する埼玉栄高の山田監督は「プロの体になれば化ける可能性がある」と、将来性を高く評価する。
183センチ、135キロの体を一回り成長させ、十両、幕内へと番付を上げることを期待した。
ところが今場所の前相撲で、夢道鵬は1勝2敗だった。
再出世力士に勝っただけで、今場所初土俵の他2人に負けた。
モンゴル出身の出羽ノ龍(出羽海)が3勝、埼玉栄で夢道鵬の1学年上の二本柳(阿武松)が2勝1敗。
半年間の研修などを経た出羽ノ龍は「やっと前相撲を取れた」と笑った。
二本柳は昨夏に負った右膝の大けがからの再起だけに「化粧まわしの重みを感じた」。
逸材ぞろいの3人。数年後「伝説の新序出世披露」となる日が来るかもしれない。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/19

本場所 10日目 情報!


鶴竜


九州場所は初日の「結びの一番」が、いきなり横綱の不戦敗という“波乱”で幕を開けた。
東の正横綱・鶴竜(34)が、当日になって休場を決めたからだ。
初日から休場する力士は本来、その2日前となる金曜午前中までに届け出る必要がある。それを過ぎると取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決まってしまい、2日目については割り返し(取組の再編)が必要になって大変な手間がかかるのです。今回、鶴竜は初日に小結・朝乃山(25)、2日目に隠岐の海(前頭筆頭、34)といずれも過去に金星を献上しているガチンコ力士と組まれていた。腰のケガがあるとはいえ、“敵前逃亡”と思われても仕方がない。
鶴竜が所属していた井筒部屋では、先場所中に井筒親方(元関脇・逆鉾)が急逝したため、力士たちは場所後に陸奥部屋へ移籍している。
「もともと陸奥部屋にいた力士と元井筒部屋の力士によるトラブルを恐れてか、陸奥親方(元大関・霧島)の指導は遠慮がちで、鶴竜も部屋の居心地が悪いのか、福岡入りしてからは出稽古ばかりだった。親方は出場できるか、鶴竜の状態の確認もままならなかったようだ」(協会関係者)
両横綱とも休場が多いにもかかわらず、2018年初場所から2年間で鶴竜が与えた金星は12個もある。

白鵬


横綱・白鵬(34)は平幕の大栄翔(前頭筆頭、26)に一方的に押し出され、衰えを感じさせる取組だった。
その翌日のスポーツ紙では元横綱・北の富士勝昭氏が〈私の予想より急速に落ちている〉と酷評している。
白鵬は横審から立ち合いの張り差しやカチ上げを批判されて控えていたが、大栄翔やその翌日の朝乃山との取組では、“解禁”している。ガチンコ力士相手には、カチ上げでもしないと勝てないほどに力が衰えているということでしょう。
両横綱とも休場が多いにもかかわらず、2018年初場所から2年間で白鵬が与えた金星は6個。
9日目18日日、本人では初となる、史上最多43度目の優勝を目指す一人横綱の白鵬が、優勝争い単独トップを守った。

豪栄道


初日の小結・遠藤(29)との取組で負傷した大関・豪栄道(33)も翌日から休場。
来年初場所は大関在位32場所で実に9回目となるカド番で迎える。
歴代3位という不名誉な記録である。

高安


取組の直前に休場する大失態を演じた大関高安(29=田子ノ浦)の関脇陥落が濃厚となった。
大相撲九州場所8日目(17日、福岡国際センター)、会場に到着する前から腰痛を発症。
幕内土俵入り後に支度部屋の風呂で患部を温めて出場を目指したが、痛みは一向に治まらない。
大関の異変を伝え聞いた九州場所担当部長の境川親方(57=元小結両国)が支度部屋に駆けつけて事情を聴くと、高安は「痛くて四股も踏めません…」。
急きょ、休場が決まった高安は報道陣からの問いかけに無言。
付け人の肩を借りながら引き揚げた。すでに9日目(18日)の割(取組)が決まっていたため、審判部では取組を変更する「割返し」が行われた。
横綱白鵬(34=宮城野)が昨年7月場所で午後2時すぎに休場を届け出たケースはあるが、土俵入り後の休場は前代未聞だ。
境川親方は「ギックリ腰。歩けないんだから、しようがない。こっち(会場)に来る前から痛かったみたい」と説明。
今場所はカド番で簡単には休めない事情もあった。
師匠の田子ノ浦親方(43=元幕内隆の鶴)は体調不良で休場中とはいえ、有事の際にストップをかける立場。
境川親方が田子ノ浦親方に連絡し「(休場なら)もっと早く連絡せんかい!」と一喝する場面もあった。
師弟の意思疎通不足も露呈した格好だ。
日本相撲協会の八角理事長(56=元横綱北勝海)は「本当にお客さんに申し訳ない」と謝罪した。
この日の不戦敗と9日目の休場で3勝6敗。
仮に再出場できたとしても大関残留は極めて厳しくなった。
来年1月の初場所で関脇へ転落することが確実になってくる。
師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)が18日に再出場しない方針を示し、2場所続けて負け越す見通しとなったため。
初場所で10勝すれば復帰できる。
田子ノ浦親方は「中途半端に出て、来場所で大変なことになるよりも、しっかり治して臨んだ方が(大関に)戻れると思う。それだけの力はある」と述べた。
高安は左肘のけがのため先場所を全休。
3度目のカド番だった今場所は、9日目まで3勝5敗1休だった。

貴景勝


貴景勝は鼻血を流し、勝ち名乗りを受けた。
立ち合いで頭から当たって突き起こしたが、北勝富士も突き押しで応戦。
激しい攻防を繰り広げ、最後はタイミング良く左から突き落とした。
「同じ押し相撲で、相手も気持ちで取るタイプ。力を出し切ってくるだろうと思ってやった」と気迫十分だった。
鶴竜、豪栄道、高安が不在の中、白鵬を2差で追う状況。
「とにかく自分のことに集中する。疲れはあるけど、力を出し切れるようにするだけ」と足元を見詰めた。

御嶽海


玉鷲を寄り切って3連勝で白星先行。
「スピードのある相撲だった。ここから。2桁勝利を目指して頑張る」と力強く。

朝乃山


大器とはいえ、極端に合口が悪い相手がいれば、出世街道の障害になりかねない。
朝乃山にとって、それが大栄翔。
重い突き押しにも屈して7連敗中だった苦手を破り、「これからの相撲人生につながる白星にしたい」と決意を込めて言った。
鋭い踏み込みに、同じ過ちは繰り返さないという気迫を込めた。
力強いかち上げから先手を奪い、相手の武器を封じた。
すかさず右をのぞかせると、これを嫌った大栄翔が頭を下げたところを逃さず、押しつぶすようにはたき込み。
「落ち着いて取れた」と自賛の内容だった。
最後に勝ったのはいつか。「新入幕の時以来ですよね」。そう即答できるほど、苦杯を喫し続けた難敵にようやく借りを返し、「今場所だけでなく、毎場所克服していきたい」。
一度の成功だけで形勢を逆転できないことは重々、承知の上だ。
自身を勢いづけそうな白星で、新小結での勝ち越しに王手をかけた。
「休場した上位が全員出ていたら、これだけ勝てない。まぐれだ」と謙遜しつつ「自信にはしたい」とも。
真摯に課題と向き合う姿も頼もしかった。

明生


4日ぶりの勝ち星で白星先行。
妙義龍に圧力負けせず、「きのうまでは内容が悪かったが、きょうは踏み込みが良かった。前に出ようと意識できた」と納得顔。

琴勇輝


2016年名古屋場所以来となる白鵬への挑戦。
歯は立たなかったが、「ただ負けたのではなく、勉強になったこともある。次に生かしたい」と収穫も強調。

炎鵬


炎鵬が動きの良さで琴奨菊を破った。
左にずれるように立つと、相手の右腕を取りながら左下手を引いた。
投げは決まらずに一度離れたが、今度は左腕を引っ掛けて土俵外へ追いやった。
70キロ以上重い元大関を翻弄し、「うまく圧力を殺して、逃がして。体がよく動いてくれた」と自賛した。
大歓声を受けながらご当所の琴奨菊を破って再び白星先行。
連敗も3で止めた人気者は「期待に応えたいという思いでやっている。自分の良さを出していきたい」と表情を引き締めた。

松鳳山


阿武咲との激しい攻防を制して6勝目。
35歳は息を切らしながら、「3日分は体力を使った。若い子に動き負けずに頑張っている」。


休場者が相次ぐ九州場所を盛り上げているのが前頭13枚目の輝だ。
志摩ノ海に快勝して2敗を守り、優勝争いに顔を出している。
「最近の何場所かに比べるとやりたいことができている」と手応えも上々だ。
身長192センチの大柄な体を小さく丸めて頭からぶつかった。
右を差し、左でおっつけながら前に出る。
相手が逃げられないように体を密着させ、危なげなく押し出した。
石川県出身でしこ名は北陸新幹線「かがやき」にちなんで付けられた。
長い腕を生かしたスケールの大きな相撲で将来を嘱望されたが、新入幕からもうすぐ4年。
幕内中位から下位にとどまり、存在感は薄れていた。
今場所は一転、快調に白星を並べている。
「意識が変わってきた。一気に踏み込んで自分の形を作れるようにしている」。
かつては突きを繰り出すものの足が前に出ず、ばったり倒れることがあった。
今は右を差して相手を捕まえる相撲で、勝利を重ねている。
まだまだ伸びしろはある。
熱心な指導で知られる師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)は「もっと下から、膝を曲げて。気が優しいのかもっと荒々しくいかないと」とさらなる成長を期待する。
勝ち越しに王手。
幕内で経験のない2桁勝利も見えている。
「良い感じで相撲を取れている。この感覚でしっかりやっていきたい」。
星勘定よりも、目の前の一番に集中する。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/18

本場所 9日目 情報!


白鵬


17日に行われた大相撲九州場所中日、横綱・白鵬(宮城野)と前頭四枚目・玉鷲(片男波)の結びの一番は館内が騒然とする異様な雰囲気の中での決着となり、白鵬が見せた振る舞いに対して、元横綱・若乃花の花田虎上氏が「残念です」と苦言を呈する場面があった。
幕内における両者の対決はこれまでに16回あり、白鵬の15勝と横綱の圧倒的優位だ。
しかし、1度目の立ち合いで白鵬がつっかけて迎えた2度目の立ち合いで館内の様子は一変する。
今度は立ち合いが合わずに玉鷲がつっかけると、玉鷲の胸を目掛けて白鵬が右腕一本で激しく突き返したのだ。
この行動に対して館内は騒然となった。
ざわめきが収まらない中で3度目の立ち合い、左の張り差しから左上手を取った白鵬が一気の寄り切りで勝負を決すると、AbemaTVで解説を務めた元横綱・若乃花の花田虎上氏は「ん?」と唸り、言葉を選ぶように「土俵の上では平等です」と話すと次のように続けた。
「立つ前にああいうことをやられてしまうと、玉鷲が萎縮して(白鵬に)合わせなければいけなくなってしまう。横綱の立ち合いで立たなければいけなくなるが、玉鷲は押し相撲。少しでも早く立たなければいけないが、それができなくなる。残念です」と話した。
白鵬は7日目にも前頭三枚目の宝富士(伊勢ヶ浜)をはたき込みで下した際、左腕を振り上げるガッツポーズのような仕草を見せている。
このことについても、花田氏は取組前に「これはよくない。我慢しないと、また言われてしまう」と残念そうに話していた。
2日目に前頭筆頭の大栄翔に敗れたものの中盤から徐々に安定感が増し、17日は押し相撲の玉鷲を組み止めて寄り切ってただ1人、1敗を守りました。
9日目の18日は、前頭4枚目の琴勇輝と対戦します。
過去3回の対戦は、いずれも白鵬が勝っていて、組み止めれば横綱の優位は動きません。

高安


大相撲の大関カド番、高安(29・田子ノ浦部屋)が九州場所8日目の17日、腰痛により急きょ休場した。
土俵入りの後、不調を訴えた。
取組直前の休場は極めて異例。
福岡国際センターから帰る際には、付け人の肩を借りながら車に乗り込んだ。
支度部屋で状況を確認した九州場所担当部長の境川親方(元小結両国)は「ぎっくり腰。こっちに来る前から痛みはあったようだ。歩けないから仕方ない」と述べた。
日本相撲協会の審判部は、既に決めていた9日目の取組を編成し直す「割り返し」を行った。
相撲協会によれば、取組直前の休場は1989年秋場所で、控えで出番に備えていた幕内の富士乃真(現陣幕親方)が土俵上からの力士の落下によって負傷し、休んだ例がある。
高安は今場所が3度目のカド番。
8日目の対戦相手、宝富士は不戦勝で、高安は3勝5敗となった。
再出場して勝ち越さなければ、来年1月の初場所は関脇へ転落する。
高安の休場は、左肘の怪我により途中で休んだ名古屋場所から3場所連続で、通算7度目。

貴景勝


本来の力強さが戻ってきた。
貴景勝が初顔合わせの明生を一蹴。
今場所は高安をはじめ役力士4人を倒すなど成長著しい相手を問題にせず、左胸に抱える不安からの復調を印象付けた。
「自分の相撲を取ろう」と自身に言い聞かせた。
その言葉通り、得意のもろ差しを狙ってきた明生に低く当たると、すかさず突き起こして懐には飛び込ませない。
攻め手を緩めずに押し出し、「自分の力を出し切れた」と納得顔だった。
7日目の妙義龍戦に続く完勝。
師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「昨日は初めていい相撲が取れた。押し相撲は一つのきっかけで変われる」という。
序盤戦では精彩を欠くこともあったが5勝3敗で折り返し、ペースが上がってきた。

御嶽海


2連勝で星を5分に戻す。
「体は動いている。あと6番勝って10勝。それ以上も意識してやっていく」と力強く。

阿炎


年間最多勝を争う朝乃山に押し出されて完敗。
「差させず、組ませないようにと意識し過ぎた。頭を使わないで、感じるままにやらないといけない」

遠藤


3連勝。
熱戦の末、北勝富士を押し出し、「まあよかった」。
星を5分に戻しての折り返しにも、普段と変わらない淡々とした口調で。

朝乃山


小結の阿炎を危なげなく押し出して6勝目。
9日目の今日は、前頭筆頭の大栄翔との対戦です。
朝乃山は、押し相撲の大栄翔相手に、今場所ここまで見せている、立ち合いの鋭い踏み込みで勝り、得意の右四つに組み止めて勝負したいところです。

宝富士


高安が急きょ休場となって不戦勝。
支度部屋では出番へ向けた準備をしており、「まげを直している時に聞いた。びっくりした」。

豊山


豊山が炎鵬に作戦勝ち。
「流れの中での相撲は相手の方が強い」と警戒し、3度目に成立した立ち合いでも当たらず距離を取り、見合う形に持ち込んだ。
その後は、懐に飛び込もうとしてきた小兵をよく見て攻め、両足がそろったところを見計らって押しつぶすようにはたき込み。
「きょうは落ち着いていた」と自賛した。

石浦


石浦が珍手の三所攻めを決めた。
当初、外掛けとアナウンスされた決まり手は、右手で錦木の左脚を取るなど、同時に3カ所を攻めていたと判断され、訂正となった。
この技を決めたのは、幕内では1993年秋場所での舞の海以来、26年ぶり。
「初めて。アマチュア時代にもやったことがない」と驚いた様子だった。v


大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/17

本場所 中日 情報!


白鵬


「相手に力を出させず落ち着いてその辺は、うまく取れたなと思う」と振り返りました。
報道陣から「序盤、場所がばたつく中で横綱がどっしりとしてきたように見えるが」という質問に対しては、「まあ、その思いでやってますからね」と話していました。

高安


ようやく3勝目を挙げ、「きょうは、自分らしい相撲が取れてよかった。これをきっかけに内容のいい相撲を取っていきたい」といつもどおり淡々と話していました。
難敵を破って連敗脱出。場所の折り返しを前に、角番大関の高安に復調の兆しが見えてきた。
立ち合いから玉鷲の強力な突き押しに後退した。
だが、土俵際で右からおっつけて形勢逆転。相手の体勢が崩れたところを前に出て突き倒した。
高安は「今日は自分らしい相撲が取れた」と手応えをつかんだようだ。
高安は7月の名古屋場所で玉鷲と対戦した際に左肘を痛め、その後途中休場に追い込まれた。
秋場所を全休して回復に努めたが、9月末の全日本力士選士権で再び痛める不運も重なり、稽古が十分ではない状態で今場所を迎えた。
初日こそ快勝したが4日目からは3連敗。
会場が大きなため息に包まれたこともあった。
同じ二所ノ関一門の尾車親方(元大関・琴風)は「左の突きが出ていない」と負傷の影響で本調子でないと見ている。
大関としての責任を果たせないのでは、という声も聞こえてくるが、尾車親方は「開き直ってやるしかない」と奮起を促した。
今場所前には婚約を発表し、発奮材料が増えた。
高安は「これをきっかけに、いい内容の相撲を取れるようにしたい」と、まずは角番脱出を目指す。

貴景勝


貴景勝が本来の押し相撲で妙義龍を破り、白星を一つ先行させた。
立ち合いで右ほおを張られたがひるまず前へ出ると、腕を伸ばして一方的に押し込んだ。
場所前から取材に対して無言を通してきたが、この日は質問に返答。
初優勝を果たした昨年の九州場所を「懐かしい。(当時は)背負うものがなかった。今はありがたい圧もある」と率直に思いを語った。
連敗を止め、「集中して毎日毎日、自分の中では、後悔しないようにやっている。星があがっていなくても、準備して同じことをやって臨んでいる。ただまだ半分以上残っているので、15日間、同じことをやりきればいい。変えることはない。どんな精神状態でも強いやつは強い。悪い時でも星を残せるようにならないと長く力士をやれない。勝たないといけない。勝つことが何よりなのでそのへんはよかった。優勝をねらわないと”何をしているんだ”となる。こういう成績だが諦めずにとにかくやっていくだけ。内容は悪くないので最後まで集中していきたい」と今場所初めて、支度部屋で報道陣の質問に答えていました。

御嶽海


連敗を「3」で止め、「思い切った相撲が取れてしっかり足が出たと思う。連敗も1つの試練だと思って、きょう勝ったのが大きいね。自分の相撲を全力で取っていきたい。ここから連勝していきたい」と前向きな様子でした。

栃ノ心


大相撲九州場所を5日目から休場していた関脇・栃ノ心が17日の中日8日目の取組に入らず、今場所10勝以上を挙げての来場所の大関復帰がなくなりました。
栃ノ心は先場所、6勝9敗で2場所続けての負け越しとなり関脇に陥落し、九州場所で10勝以上を挙げての大関復帰を目指していました。
今場所は、初日、2日目と得意の左上手を取る形に持ち込んでも連敗するなど精彩を欠いていました。
さらに2勝目を挙げた4日目には右脇腹の辺りを痛めて右の脇腹の軟骨を折り、3週間の安静と治療が必要と診断され5日目から休場していました。
栃ノ心はこのまま休場を続け、16日に発表された17日の中日8日目の取組に入らず、今場所10勝以上を挙げての1場所での大関復帰がなくなりました。

阿炎


阿炎が3連勝で白星を先行させた。
もろ手から長いリーチを生かした突き押しで主導権を握ると、体が起きた碧山を休まず攻めて快勝。
「作戦がかみ合った。序盤戦で負けた相撲が生きている」と納得の表情だった。
この白星で年間勝利が幕内最多タイの49勝となった。
8日目は最多で並ぶ朝乃山との対戦。
「思い切った相撲が取れればいい」と気を引き締めた。

朝乃山


2敗を守り、「上手は1枚だったがしっかり引きつけられている。三役の雰囲気にも慣れてきたので、1日、一番やっていくだけだ。横綱についていきたい」と落ち着いた様子で話していました。
新小結・朝乃山が前頭筆頭の隠岐の海を降し、三役の中で唯一2敗を守った。
立ち合いでがっちりとつかんだ左上手を離さず、隠岐の海の投げ技にも耐えて寄り切った。
貫禄すら漂わせた内容だったが、「(相手の)投げを呼び込んでしまった」と反省し、慢心はない。
初めて経験する三役の重責に「前頭のときとは雰囲気が違うが、それだけ。一日一番、しっかりやるだけ」と気合を込めた。

玉鷲


高安に突き倒され、35歳の誕生日を白星で飾れず。
「バランスを崩してしまった。熱くなり過ぎた」と反省。

阿武咲


好調の明生に初勝利。
中学時代にも勝てなかったそうで「昔から強かった。稽古場では五分だし、苦手意識もないのに…」と苦笑い。

炎鵬


3敗目を喫し、「立ち合い、ふわっといってしまった。技が中途半端になってしまったのが敗因。1番やってはいけない相撲、もったいない。一番、一番、出しきることが仕事で、それができないのが自分のすべて」と淡々と話していました。

豊山


大相撲九州場所(福岡国際センター)7日目の16日、西前頭9枚目の豊山(新潟市北区出身)は、剣翔に突き落としで敗れ、4勝3敗となった。

千代丸


5勝2敗として「立ちあいで差すかどうか迷っていた。その迷いがよかったのかもしれない。好調の要因はわからない」とほっとした様子でした。
連敗を止め、正代も5勝目を挙げ「圧力をかけられたのでよかった。相手の引きは気にしていた。連敗を止めたことが1番よかった。
負けた相撲は、立ち合いから流れが悪かった。前に出る相撲を続けていきたい」と話していました。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/16

本場所 7日目 情報!


白鵬


大相撲九州場所6日目は15日、福岡国際センターで行われ、一人横綱の白鵬が平幕明生を危なげなく上手出し投げで下し、1敗で単独トップに立った。
張った左で素早く上手を取って出すと、相手が両手をついた。
横綱が「決まるとは思っていなかった」と振り返ったあっけない決着。
藤島審判長(元大関武双山)は「攻防のある相撲を期待していただけに残念」と渋い表情だった。

高安


カド番大関の高安は妙義龍に寄り倒され、3連敗で2勝4敗。

貴景勝


大関貴景勝は玉鷲に押し出されて2連敗で3勝3敗となった。

御嶽海


関脇御嶽海は宝富士に寄り切られて4敗目を喫し、場所後の大関昇進は絶望的となった。
御嶽海が宝富士にも完敗し、平幕に3連敗。
相手十分の左四つになって頭をつけたが、踏ん張り切れずに寄り切られた。
「中に入ろうと思ったが、あまりにも痛過ぎて起き上がっちゃった」。
3日目の取組で右まぶたを切った影響を認めた。
三役在位は17場所連続。
先場所は12勝で賜杯を抱き、今場所の成績次第で大関昇進の機運を高めることもできるが早くも4敗。
「我慢が足りないね」。原因は分かっていると言いたげだった。

遠藤


遠藤がうまさを存分に発揮し、朝乃山との小結対決を制した。
相手十分の右四つとなって出られたが、左でおっつけてから巻き替えに成功。
もろ差しを果たすと、慌てた朝乃山が再び右を差しにきたところを狙いすまして投げで仕留めた。
納得の相撲だったのだろう。
支度部屋では多くを語らないが、巻き替えのタイミングの良さに水を向けられると、3度うなずいた。
先場所の雪辱を狙った朝乃山も「うまさにやられた。くそー」と苦笑いを浮かべて脱帽。
八角理事長(元横綱北勝海)は「遠藤は下がったが左からおっつけて、うまく相撲を取ったんじゃないか」と感心した。
初日に豪栄道を破ってからは白星から遠ざかっていたが、朝乃山の地力を技巧で封じてきらりと光る存在感を示した。
連敗を4で止めたこの日の白星は今後へ弾みがつきそうで、「自分らしくやるだけ」と表情を引き締めた。
けが人が相次ぎ、上位陣のふがいなさも目立つ中で、連日大声援を受ける人気者が奮起すれば一年を締めくくる場所が盛り上がる。

朝乃山


新小結朝乃山は小結遠藤に下手投げで敗れて2敗目。

妙義龍


実力者の妙義龍が、2016年夏場所以来、3年半ぶりに高安から白星を挙げた。
立ち合いでは中に入れなかったが、引いてうまく距離を取ってもろ差しに。
捨て身の首投げにも構わず寄り倒した。
流れよく大関を破って星を五分に戻し、7日目は埼玉栄高の後輩、貴景勝戦。
「あまり難しいことを考えず、自然体でやっていますよ」。虎視眈々と大関連破を狙っている。

明生


白鵬への初挑戦は完敗。
不成立となった最初の立ち合いで中に入ることはでき、「差し身は上位でも通用する。来場所も対戦できるように頑張る」と手応えも。

玉鷲


貴景勝のいなしにうまく対応し、よく見て押し出す。
「なるべく距離を詰めてと思った。大関というか貴景勝に勝ったことがうれしい」と満面の笑み。

松鳳山


小兵の炎鵬をうまく料理。
対戦成績を4戦全勝とし、「やりやすくはないけど、常に上手を早く、中に入れさせないこと」と攻略法を披露。

豊山


左に大きく動いた石浦にうまく取られ、2敗に後退。
「攻め急いでしまった。引きずらないように、切り替えてやる」

刈谷市制施行70周年記念事業 令和二年春巡業 大相撲刈谷場所


『刈谷市制施行70周年記念事業 令和二年春巡業 大相撲刈谷場所』が2020年4月4日(土)に開催される。
愛知県刈谷市での大相撲巡業の開催は2年ぶりで、市制70周年を記念して行われる。
巡業では横綱の白鵬、鶴竜をはじめ、幕内力士ら約270人が参加予定。
当日は、力士たちの熱い取組はもちろん、握手会などの触れあいや相撲の禁じ手をコミカルに実演する「初切」、 力士が唄う「相撲甚句」の披露など、巡業ならではのお楽しみも予定されており、 相撲を見たことがない方も充分楽しめる。
チケットは、11月16日(土)10:00から各プレイガイドにて一般発売がスタートする。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/15

本場所 6日目 情報!


白鵬


白鵬は今場所、2日目に前頭筆頭の大栄翔に金星を許しましたが、その後は白星を重ねています。
6日目の15日は、明生の挑戦を受けます。
2人は初顔合わせで、白鵬が得意の右四つ、左上手の形に持ち込めば優位は動きません。

高安


カド番の高安は明生との激しい突っ張り合いの末にかいなひねりで土俵に転がされ、2勝3敗と黒星が先行した。
カド番の高安が早くも3敗目を喫した。
突き押しで明生を攻めたが動き回られ、最後は痛めている左腕をひねられて土俵に転がされた。
倒れた際には顔をしかめ、左肘を気にするそぶりを見せた。
取組後の支度部屋では無言を貫いた。
場所前の稽古は左をうまく使えないことが多く、怪我の影響を感じさせた。
そんな状況だけに今後への不安は拭えない。

貴景勝


14日に2敗目を喫した大関復帰の貴景勝は、平幕の玉鷲と対戦します。
過去の対戦では、貴景勝が7勝4敗と勝ち越しています。
しかし、今場所の貴景勝は強烈な当たりから一気に押し込む本来の相撲がほとんど見られず、同じく押し相撲が得意の玉鷲に踏み込まれると勝負の行方は分からなくなります。

御嶽海


関脇御嶽海(26=出羽海)の大関取りに暗雲が垂れ込めている。
大相撲九州場所4日目(13日、福岡国際センター)、幕内大栄翔(26=追手風)に寄り切られて2敗目を喫した。
前日3日目(12日)の取組で右まぶたを切って流血。
病院で6針縫い、この日は分厚いガーゼを貼りつけて土俵に上がった。
もろ手突きで攻めたが、負傷の影響からか、圧力が伝わらず大栄翔に逆襲を許した。
審判部長代理の高島親方(62=元関脇高望山)は「立ち合いが怖いんだろう。血を出してでも、当たって前に出る相撲を取らないと。手先だけでは相手も下がらない」と指摘した。
大関昇進の目安は三役(関脇・小結)で3場所合計33勝以上。
御嶽海の場合は過去2場所で9勝12勝(優勝)とあって今場所は12勝以上が必要だ。
高島親方は2勝2敗の御嶽海の現状について「ちょっと負けすぎ。印象は良くない」と厳しく採点。
これでは、大関昇進の可否を判断する審判部内の機運も高まってこない。
いずれにせよ、今場所の大関取りを逃したとしても、2桁白星は死守したいところ。
10勝を下回れば、来年初場所(1月12日初日、東京・両国国技館)での大関挑戦権さえも失うことになるからだ。
御嶽海は「(まぶたの傷は)大丈夫。思い切って取るだけ」と前を向いたが…。ここから巻き返すことができるか。

北勝富士


敗れた北勝富士は「しょうがない。首に電気が走って、『これはだめだ』と思って無理をしないでいこうとね」とサバサバした様子でした。

朝乃山


朝乃山がどっしりとした攻めで北勝富士との小結対決を制した。
鋭く踏み込んで右四つに組み止めると、左はおっつけて前進。
まわしにこだわらずに寄り切った。
苦手意識があるという押し相撲の北勝富士とは、場所前に何度も手合わせした。
この時にうまくいなされた反省も頭に入れていた。
新小結の場所で序盤を1敗で乗り切り、「体はしっかり動いてくれている。あとはしっかり前に攻めていきたい」。
口ぶりも堂々としたものだ。

明生


一方の明生は、14日に大関 高安を破り、すべて三役との対戦となった序盤戦を終え4勝1敗としています。
明生は、鋭い踏み込みから得意の左四つに持ち込んで、勝機をうかがいたいところです。

宝富士


貴景勝を突き落としで破り、初日以来の白星。
「必死にやっている。久しぶりに勝って水をつけるのを忘れかけた」

炎鵬


幕内最軽量98キロの西前頭6枚目炎鵬(25=宮城野)が東前頭5枚目碧山(33=春日野)を破り、1敗を守って序盤5日間を終えた。
身長で23センチ、体重で101キロ上回る相手の突きに耐えて引き落とし。
幕内2場所目、名古屋場所での195センチ、206キロの魁聖(現十両)戦に続く、巨漢力士からの白星。
兄弟子の横綱白鵬と「チーム宮城野」で今場所を盛り上げる。
「怖かった。のみ込まれるかと…」。
仕切り線から自身より倍以上重い相手に相対した炎鵬は、時間いっぱいで何とか腹をくくった。
立ち合いで突き放され、その後の展開は「覚えていない」と、引かずに無心の攻め。
何度か張られても下からあてがい、はたきにもぎりぎりで堪えた。
間合いが生命線だった。幕内在位48場所を誇る碧山の武器は強力な突き。
この日の朝稽古後は「懐には入れない。相手との距離感が大事」と心に刻んだ。
取組中、相手の攻めをしのぐ中で「腰が引けて嫌がっているのが分かったので、そのまま我慢した」。
碧山の迷いを見逃さず、右へ俊敏に動いて両手をつかせた。
かつての兄弟子のバックアップが心強い。
9月の秋場所で引退した元幕内大喜鵬の山口雅弘さん(30)が、現在もちゃんこ番など裏方として部屋の力士を支える。
その料理を食べて、秋巡業後に2、3キロ減った炎鵬の体重は適正に戻った。
場所前は山口さんが焼いた牛肉を食べることが多く、焼き肉ダレも特製。
タレは炎鵬いわく「優しい味」で、山口さんは「企業秘密なので」と詳細は明かさなかったが、女性人気を考慮して「ニンニクは少なめ」と、イケメンの弟弟子へ気遣いは抜群。
山口さんは「ONE TEAMですよ」と右手で親指を立てた。
現時点の星数は兄弟子の白鵬と同じ。
「まだまだです。横綱を援護できれば」と炎鵬。
好調を維持すれば、三役との対戦の可能性もある。

琴奨菊


ご当所で5日目に初白星。
正代に土をつけ、「応援してくれている人に白星をという気持ちだけ。これで感覚も良くなってくると思う」。

豊山


豊山は4日目の初黒星を引きずらず、連敗しなかった。
上体の起きた相手を押し込み、危なげなく突き出し「負けた後が一番大事。いい流れでいけたと思う」とうなずいた。
前日は佐田の海に完敗し、初日からの連勝が3で止まった。
特に験直しはせず「普通にしていた方がいいと思って、部屋にいた。もともと全勝するような力士じゃないし」と話し、うまく気持ちを切り替えられたようだ。
通算300回出場の節目で中盤以降に弾みをつけ「今日のような内容をもっとできたら白星も増えていく」と上機嫌だった。

正代


琴奨菊に一方的に寄り切られて初黒星。
「負け方が良くないので見直したい」と反省しつつも「勝ちが先行しているのでそんなに悪くはない」と前向きに。

千代大龍


千代大龍は、31歳の誕生日、通算700回目の節目の土俵を白星で飾り、「30歳から31歳になって、1歳かわっても体力が落ちるわけではない。20代の気持ちでやっている。気分は悪くない。このままどこまで白星を続けていけるかだ。けがなく集中して一番、一番、やっていきたい。次は777回目で教えてください」と上機嫌でした。

隆の勝


25歳の誕生日を白星で飾る。
「同じ世代に取り残されないよう一生懸命稽古をして、飛躍の一年にしたい」と気持ちを新たに。

鳴戸親方


11月13日は「いいひざの日」。
力士は一般的に膝に負担がかかるため、持病を抱えていることが多い。
元大関琴欧洲の鳴戸親方もその1人。
両膝とも靱帯を痛め、特に右膝蓋骨脱臼は、引退の一因になった。
引退後も階段の昇降も苦労するほど膝に痛みが残り、さまざまな治療に取り組んできた。
それでも痛みはおさまらず、引退から約5年半たった今年9月、最先端の再生医療「幹細胞治療」に踏み切った。
関係者に東京・千代田区の「お茶の水セルクリニック」を紹介され、治療を始めた。
まずは、へそ付近の皮膚を5ミリ切開し、少量の脂肪細胞を採取。
約1カ月かけて治療の必要な数まで幹細胞を培養した。
その後、増やした幹細胞を膝の関節に注入してもらった。
鳴戸親方は「以前より痛みがだいぶやわらいだ。おかげで弟子たちの稽古も順調。今場所もまわしを締めて土俵に上がっています。順調に回復すれば、現役復帰もできそうなくらい」と手応えを口にしている。
幹細胞治療は、幹細胞独特の動きにより、人間が持っている正常の機能に再生させるよう促す治療法。自身の体内から取り出した幹細胞を使用するため、リスクも少ないという。
鳴戸親方は17年4月に独立して鳴戸部屋を興して以来、自ら胸を出して弟子を育ててきた。
稽古をつける時に膝を亜脱臼することが多かったが、今はその苦しみから脱出しつつある。
部屋頭の三段目元林は、九州場所5日目を終えた時点で3勝0敗。
序ノ口デビューから17連勝中でもある。
近大出身の逸材は、スピード出世の真っただ中だ。
師匠が「いいひざ」を取り戻せば、さらに効果的に稽古をつけることができる。



大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/14

本場所 5日目 情報!


白鵬


一人横綱の白鵬(34)は平幕隠岐の海(34)を上手投げで退けて3勝目。
外四つとなったが、土俵際で左からの投げを決めて隠岐の海を退ける。
「形や見た目は良くなかったけどね。落ち着いていた」と余裕の口ぶり。

貴景勝


大関陣は貴景勝が小結・遠藤を退けて3勝1敗とした。
貴景勝が先場所敗れた遠藤を冷静な取り口で下した。
立ち合いで低く当たって押し込むと、相手が前まわしを探りにきても慌てず、頭が下がったところをよく見てはたいた。
支度部屋では前日に続いて報道陣に背を向け、帰り際も問い掛けに応じなかった。
八角理事長(元横綱北勝海)は落ち着いて3勝目を挙げた一番を「相手をよく見ている。悪くない」と評価した。

高安


カド番の高安は小結・北勝富士に敗れて2敗目を喫した。

御嶽海


成績次第で大関昇進の可能性がある関脇御嶽海(26)は大栄翔(26)に寄り切られ、早くも2敗目を喫した。
大栄翔にもろ差しを許して2敗目。
縫った右まぶたをかばってか頭からは当たれず、「うまく中に入られてしまった。これからだと思う」と前を向く。

栃ノ心


大相撲の関脇、栃ノ心(32・春日野部屋)が九州場所5日目の14日、日本相撲協会に休場を届け出た。
2勝目を挙げた4日目の宝富士戦後に右脇腹付近の痛みを訴えていた。
5日目の対戦相手、大栄翔は不戦勝。
栃ノ心は先場所で2度目の大関陥落が決まり、今場所は1場所での返り咲きに必要な10勝を挙げることを目指していた。

北勝富士


北勝富士が左からおっつけて、たちまち高安を横向きにした。
その後も休まず出て一方的に押し出す圧勝。
稽古場で磨いてきた武器で大関を倒し、「体がしっかり反応してくれた」と胸を張った。
同じ押し相撲だった師匠の八角理事長(元横綱北勝海)仕込みの技術も駆使して2日目から3連勝と上昇気配だ。
手応え十分に取り口を振り返り、「下半身から持っていけたから、これなら親方に怒られないかな」と言えば、めったに弟子を褒めない師匠は「たまたま入ったんだろう」。
そう言った後に「当たり負けはしなかった。こういう立ち合いで15日間取れれば地力もついてくる」と成長を認めた。
新小結だった春場所は負け越したが、そこから前頭筆頭を維持。
返り三役となった今場所は「落ち着いて楽しくやれている」との心境で臨めている。
10月には婚約を発表し、「2人分、一生懸命頑張る」と誓った。

朝乃山


妙義龍を右四つでつかまえて寄り切り、「しっかり踏み込んで自分の形にできた。きのうから切り替えられてよかった」。

炎鵬


琴恵光の突きに応戦し、最後は押し出す。
「むきになってしまったが、前に出ることが自分の強み。そういう姿勢をどんどん出していきたい」。

豊山


大相撲九州場所(福岡国際センター)4日目の13日、西前頭9枚目の豊山(新潟市北区出身)は、佐田の海に寄り切られ、初黒星を喫した。

正代


3勝12敗の翌場所は4連勝発進。
焦らないように速い相撲を意識しているのが好調の要因だといい、「この流れでいければ成績も伸ばせると思う」。

錦木


大相撲九州場所3日目(12日・福岡国際センター)盛岡市出身で西前頭14枚目の錦木(伊勢ノ海部屋、盛岡・米内中)は、東13枚目の千代丸を押し出し、2勝1敗と勝ち星が先行した。
錦木は立ち合いから危なげなく、千代丸の突きや押しを冷静に下からあてがって応戦。
攻め手を緩めず、腰高となった相手を一気に押し出した。
4日目は西15枚目の大翔鵬と対戦する。

若隆景


大相撲九州場所4日目、東前頭16枚目、新入幕の若隆景(24)が照強(24)を寄り切って、平幕正代(28)とともに初日から4戦全勝の快進撃。
だが、土俵下へ落下した際に古傷の右足首を痛め、一転して5日目から休場することになった。
勝ち名乗りを受けるそんきょの姿勢が、異常を知らせていた。
若隆景の体は左へ傾き、右足首をかばっている。
右足を上げて左足だけで土俵から跳んで下り、花道で車いすへ乗せられた。
東洋大相撲部在籍時に痛めた右足首。
大相撲に入門したときからテーピングを欠かさず施している。
「こっち(右足首)はけがした足首。たぶん(土俵から)落ちたときだと思う」。
突き合いから右を差し、一気に寄った勢いで土俵下へ落下した際、右足首に負荷がかかったようだ。
会場から病院へ向かう際も車いすで移動。「大丈夫です。いや、わからない…」と動揺している様子もうかがえた。
師匠の荒汐親方(元小結大豊)によると、福岡市内の病院で全治1カ月程度の負傷と診断され、5日目から休場することになった。
再出場はせず、来場所は十両に転落する。
初日から4連勝は正代と並び、2人だけ。
新入幕力士の4連勝は平成26年秋場所の逸ノ城以来と、気を吐くなかでのアクシデントだ。


※大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/13

本場所 4日目 情報!


白鵬


大相撲九州場所3日目(12日・福岡国際センター)横綱白鵬は新小結朝乃山をすくい投げで仕留め、連敗を免れ2勝目を挙げた。
朝乃山は初黒星で、三役以上の全勝が早くも消えた。

貴景勝


大相撲九州場所は4日目、12日物言いがつく際どい相撲を制した大関 貴景勝は、小結 遠藤と対戦します。
九州場所は2日目に関脇以上が総崩れしましたが、12日の3日目は安泰でした。
4日目の13日は大関に復帰した貴景勝が相撲のうまい遠藤と対戦します。
過去の対戦成績は2勝2敗の5分です。
貴景勝は先場所の優勝決定戦で左大胸筋を肉離れする大けがをして、今月に入りようやく関取と相撲を取る稽古を再開しました。
けがからの回復や場所前の調整について、「しっかり治った。万全だ」としていましたが、ここまで相手を圧倒するような持ち味の強烈な当たりが見られません。
12日は白鵬から金星を挙げた大栄翔との一番で、土俵際のはたき込みでしのいだものの、物言いがつく際どい相撲になりました。
貴景勝は鋭い出足から持ち味の突き押し相撲を貫けるかが勝負の鍵を握りそうです。
横綱 白鵬は平幕の隠岐の海の挑戦を受けます。
過去の対戦成績では、白鵬が20勝1敗と圧倒しています。
今場所の白鵬は、まだ得意の右四つの形に持ち込む相撲を見せていませんが、横綱が左上手を取れば優位は動きません。
隠岐の海は千秋楽まで優勝争いに加わった先場所のような力強い出足からの相撲を見せることができればおもしろくなりそうです。
先場所優勝した関脇 御嶽海は前頭筆頭の大栄翔との一番です。
大関昇進に意欲を見せる御嶽海は平幕との対戦で序盤の取りこぼしを避けたいところです。

御嶽海


連敗を免れ「きのうも自分の相撲は取れていた。体はしっかり動いている」。
取組で右まぶたを切り、「縫うと痛いからな」と話した。

栃ノ心


遠藤をはたき込んで初勝利。
「白星はうれしいが、自分の相撲じゃない。まわしを取って寄り切りたい」と素直に喜べず。

朝乃山


新小結の朝乃山(25・高砂)は再び旋風を起こせるか。
イケメンの大器が注目を集めている。
大相撲九州場所2日目(11日、福岡国際センター)は大関貴景勝(23・千賀ノ浦)を上手出し投げで撃破。
序盤の2日間で横綱白鵬(34・宮城野)ら上位陣に相次いで土がつき、三役以上で黒星がないのは朝乃山だけとなった。
5月の夏場所で初優勝し、今場所は新三役。成長の要因の一つが積極的な出稽古だ。
今場所前も尾車部屋を皮切りに時津風→時津風→出羽海→境川→尾車と各部屋を渡り歩いた。
横綱鶴竜(34・陸奥)に胸を借りる一方で、元大関の幕下照ノ富士(27・伊勢ヶ浜)と手合わせをする機会もあった。
朝乃山は「普段は稽古できない相手。栃ノ心関(32・春日野)は力でねじ伏せるタイプだけど、照ノ富士さんはまた違う。大きいし、体重があるし、柔らかい」と多くの収穫を得た様子だった。
ただ、出稽古の“難点”は交通費がかかること。
特に地方場所の場合は移動距離が長くなりがちだ。
日ごろの買い物は百貨店より量販店を好む堅実派の25歳は「(出稽古の)タクシー代だけで往復1万円ですからね。(合計6日間で)6万円が飛んでいった(苦笑い)」とぼやいたが、2日目の大関撃破で12本の懸賞をゲット(1本7万円)。
自己投資の金額を何倍も上回る“リターン”を手に入れた。
師匠の高砂親方(63・元大関朝潮)は「私が言って出稽古に行かせるのではなく、自分から率先して行く。その気持ちが大事」と愛弟子の姿勢に目を細める。
このまま白星を伸ばしていけば夏場所の再現も夢ではない。

明生


御嶽海に敗れて3連勝はならず。
立ち合いの当たりは良かったが、「先に仕掛ける意識が強過ぎた。もったいない」と悔やむ。

友風


大相撲西前頭3枚目の友風(24・尾車部屋)が九州場所3日目の12日から休場した。
2日目の琴勇輝戦で右膝を痛め、日本相撲協会に「靱帯損傷を伴う右膝関節脱臼で、治療期間は未定」との診断書を提出した。
師匠の尾車親方(元大関琴風)は「復帰まで最低でも1年はかかると思う」と話した。
3日目の対戦相手、碧山は不戦勝。
友風の休場は2017年夏場所の初土俵から初めて。
今場所の幕内の休場者は横綱鶴竜、大関豪栄道、平幕逸ノ城に続いて4人目。

碧山


負傷した西前頭3枚目友風(24・尾車)を、不戦勝となった東前頭5枚目碧山(33・春日野)が思いやった。
友風が前日2日目の取組で右膝を負傷して3日目から休場。
この日の対戦相手だった碧山は不戦勝となった。
勝ち名乗りを受けて支度部屋に戻ると、声のトーンを落として話し始めた。
「相手がかわいそう…。僕も九州でけがしたことがあるから」自身も12年九州場所で左膝の前十字靱帯を損傷した経験があるだけに、複雑な心境を吐露。
「喜ぶことはない。つらさは分かっているから。何があるか分からないよね」自身にとって15年秋場所以来となる不戦勝となったが、笑顔は一切見せなかった。

剣翔


3度目で成立した立ち合いは中途半端。
初黒星を喫し、「力を出せず終わった。仕方ない。まだ3日目だから」と悔しさを押し殺すように。

豊山


豊山は苦手な琴恵光を正面に置いて押し出し、「手もしっかり伸びていたし、良い内容だったと思う」と満足げ。
同じ東農大出身の兄弟子に「ついていければ」という気構えだ。
勝ちっ放しは新入幕の若隆景を加えた3人になった。

正代


時津風部屋の2人が元気だ。
関脇経験がある正代は初顔の隆の勝を落ち着いてさばき、豊山とともに初日から3連勝とした。
熊本出身の正代は3勝12敗と大負けした先場所からの再起を準ご当所で図る。
「応援が多いので力が入る。気を引き締めないと」と気合を込める。

若隆景


新入幕の若隆景が初日から3連勝。
狙った前まわしは引けなかったが、いなして徳勝龍の体勢を崩し、左をはずに掛けて押し出した。
自分より60キロ重い相手を手玉に取り、「緊張感はある中でも体は動いている」と胸を張った。
地元の期待をひしひしと感じており、「勝つことで福島の人に喜んでもらいたい」と言葉に力を込める。
この日は次兄の十両若元春、長兄の幕下若隆元も白星を挙げ、「そんなに意識はしないが、3人で勝っていけたらいい」と話した。

宇良


大相撲の元幕内、序二段106枚目の宇良(27・木瀬)が、2連勝を飾った。
北島を突き落とし、「立ち合いに集中していけた」。
元幕内で右膝を再手術し、5場所ぶりの復帰で番付を序二段下位まで落とした。
力は明らかに上位。
「ケガの怖さはあるが、それよりも自分の相撲。初日に相撲をとって緊張する必要はないなと思ったけど、緊張はする。場所が終わるまで気を抜けない」。
完全復活へ、順調に足を進めた。

夢道鵬


福岡国際センターで開催されている大相撲九州場所で12日、前相撲が始まり大鵬の孫で元関脇貴闘力の4男・夢道鵬(18・大嶽)は二本柳(阿武松)に押し出されて黒星デビューとなった。
「ふがいないですね。(立ち合い)当たって体が動かなかった」と猛省。
相手は埼玉栄高校の1年先輩。
高校時代も「勝てなかった」と振り返る。厳しいプロのスタートとなったが「思い切りいくだけ」と今後の出世の糧にする。

日本相撲協会公式スマートフォンアプリ『大相撲』


日本相撲協会公式スマートフォンアプリ『大相撲』では、本場所中に十両土俵入り以降の全取組ムービーを各取組終了後に随時配信。
相撲に精通したライターによる各取組の解説とともに、その日の取組の様子を1日1取組限定で振り返る事ができます。
また、タニマチ会員(有料会員)は平成二十二年五月場所から最新の本場所まで無制限に楽しむことができ、見逃してしまった取組から、話題を呼んだ過去の取組まで、スマホでいつでもどこでも相撲観戦を楽しめます。

大相撲春巡業


枚方市で来年4月1日、大相撲春巡業の「枚方場所」が開かれることになった。
日本相撲協会巡業部の尾上親方(元小結・浜ノ嶋)が6日、市役所を訪れ「巡業はふれあいの場。力士にどんどん話しかけて、普段は見られない稽古の姿も見て楽しんでほしい」と話した。
枚方場所が開かれるのは2017年10月以来2年半ぶり。
前回は、用意した席が足りずに立ち見席を急きょ準備したほど盛況だったという。
今回の枚方場所も、鶴竜と白鵬の両横綱をはじめ、枚方市と隣り合う寝屋川市出身の豪栄道など、総勢約270人の力士が参加予定。
午前8時の開場後、公開稽古があり、11時半から取組が始まる。
珍しい決まり手や禁じ手を力士らが土俵の上でコミカルに紹介する初切や相撲甚句もある。


※大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/12

本場所 3日目 情報!


鶴竜


横綱鶴竜(34・陸奥)の「大失態」が角界内に波紋を広げている。
大相撲九州場所初日(10日・福岡国際センター)に持病の腰痛を再発させて当日になって取組を“ドタキャン”したが、横綱が初日を休場して不戦敗となるのは史上3例目。
そのうちの2度は鶴竜で、唯一無二の不名誉記録となった。
鶴竜は九州場所初日の10日午前、日本相撲協会に「腰椎すべり症再発で14日間程度の安静療養が必要」との診断書を提出して休場した。
師匠の陸奥親方(60・元大関霧島)によると、当日の朝稽古で四股を踏んだ際に持病を抱える腰に痛みを訴えたという。
同親方は「かなり痛がっていた。次の場所もあるし、無理はさせられない。残念」と苦渋の表情を浮かべた。
本場所の初日を休場する力士は、審判部が初日の2日前に開く取組編成会議までに休場を届け出る必要がある。
取組編成後に休場すれば、大事な初日の取組に「穴」をあけることになるからだ。
実際、今回の鶴竜の“ドタキャン”で新小結朝乃山(25・高砂)との結びの一番が消滅。
大勢のファンを失望させることになった。
横綱の初日の休場は1954年5月場所の吉葉山、2015年3月場所の鶴竜に続く3例目(1場所15日制以降)。
2度目の失態を演じた横綱は鶴竜が初めてだが、今回の不始末の裏側では何があったのか。
鶴竜の師匠だった井筒親方(元関脇逆鉾)は9月の秋場所中に58歳で死去。
今回は陸奥部屋に移籍して迎える初めての本場所だった。
新たに師匠となった陸奥親方は今場所前の鶴竜の調整方法について「本人の負担になってはいけないから(細かい指導は)言わないようにしていた。横綱だから、自分でやることは分かっている」と最大限に配慮し、本人に一任していた。
一方で、鶴竜に近い関係者は「新しい部屋で結果を出したい気持ちが強すぎたのかもしれない」と横綱の胸の内を推察する。
福岡入り後の鶴竜は精力的に出稽古を敢行。
腰に違和感を覚える中で関取衆と相撲を取った日もあったという。
八角理事長(56・元横綱北勝海)は、鶴竜の休場について「申し訳ない」とファンに向けて謝罪した上で「年齢的にも疲れを取りながら稽古をしないと。(疲労が)いっぺんに出た。腰はすべてに影響する要。(稽古を)詰めてやると、こういう結果になる。仕上げ方が急すぎたのでは」と指摘した。

貴景勝


大関に復帰した貴景勝に早くも土がついた。
朝乃山につかまり、最後は左上手からの出し投げで腹ばいになった。
立ち合いで2度つっかけ、過去3勝1敗だった新小結にいいところなく敗れたのがよほど腹立たしかったよう。
取組後の支度部屋では付け人を目の前に立たせて報道陣を遠ざけ、足早に引き揚げた。

御嶽海


先場所優勝の御嶽海に土がついた。
北勝富士に右四つに組み止められた後に引いてしまい、思い直して出たところで突き落とされた。
支度部屋では目を閉じたまま「落ち着いていたけど、足がついていかなかった」と振り返った。
来場所以降での大関昇進を見据え、2桁勝利を目指す。2日目でつまずいたが、「悪い相撲じゃない」と言い、懸命に切り替えた。

北勝富士


御嶽海に押し込まれたが、突き落として逆転勝ち。
「圧力がかかっているから回り込めた。あれで技能賞がほしい」と動きに納得。

朝乃山


大相撲九州場所は3日目、11日に大関 貴景勝を破った新小結の朝乃山は横綱 白鵬に挑戦します。
九州場所は2日目に関脇以上がすべて敗れ、波乱の展開になる中、新小結の朝乃山は初日に不戦勝、11日は大関 貴景勝を破りました。
白鵬と唯一対戦したことしの名古屋場所では、朝乃山が得意の左上手を引くことができず上手投げで敗れました。
朝乃山としては先に上手を引いて優位な形を作り、休まず攻めることができれば勝機が出てきます。

大栄翔


東前頭筆頭大栄翔(26・追手風)が初の白鵬撃破で、先場所に続く2度目の金星を挙げた。
かち上げに構わず、低い当たりで横綱を引かせた。
結びの横綱戦で快勝。「(相手の立ち合いは)一応頭にあった。頭の中で絞りながら、しっかり前に出ることだけ考えた」とうなずいた。
この日は佐田の海−琴恵光戦から結びまで、12番連続で番付下位の力士が勝利した。
大横綱を倒して“下克上デー”を締めくくった大栄翔は「子どもの頃からテレビで見ていたあこがれの横綱。すごいうれしい」と笑みをこぼした。
初日の前日10日に誕生日を迎え、26歳初の白星を挙げた。
幕内上位で2場所連続勝ち越しているが、上位陣が詰まっているため、三役の枠が空かない不運な男。
それでも「勝てば上がれるから、そこは貪欲にいく」と、若手の上位陣に仲間入りするつもりだ。

明生


場所前の出稽古で手合わせした遠藤に初勝利。
「今回はたまたま勝てたのでよかった。立ち合いの低さ、鋭さ、まわしの切り方とか全部勉強になる」と話した。

友風


大相撲西前頭3枚目の友風(24・尾車部屋)が九州場所3日目の12日、日本相撲協会に休場を届け出た。
2日目の琴勇輝戦で右膝を痛めた。
取組後は救急車で福岡市内の病院に搬送。右膝には包帯が何重にも巻かれていた。
師匠の尾車親方(元大関琴風)は「関節が外れているみたいだ。(復帰には)時間がかかると思う。(3日目は)もちろん休場」と話した。 3日目の対戦相手、碧山は不戦勝。
友風の休場は2017年夏場所の初土俵から初めて。

炎鵬


人気小兵力士の西前頭6枚目炎鵬(25・宮城野)が、今場所の初日を出した。
三役経験者の西前頭5枚目竜電を引き落として1勝1敗。
頭を下げて突っ込むと、左に回り込みながら左下手でまわしに手をかけた。
懐に入りきれなかったが、前傾の相手が土俵に手をついて勝負あり。
炎鵬は「(立ち合いが)思い浮かばなくて、とりあえず思い切り動こうというイメージだった」と話した。
場所前にはテレビ出演なども増え、注目度はますます上がるばかり。

剣翔


東前頭7枚目剣翔(28・追手風)が、ボクサーのように顔を腫らした。
東前頭8枚目松鳳山(35・二所ノ関)に張り手を5発浴びながら、最後は抱え込んで小手投げ。
「目の前が真っ暗になってクラクラしてしまった。視点が合わなかった」と、勝ち名乗りを受けても数秒土俵を降りられなかった。
「意識はあったけど…土俵から降りるのが怖かったです」苦笑いを浮かべるしかなかった。
ケンカ相撲でも頭は冷静だった。「逃げたら負け。張られて持っていかれるわけじゃないから」。
両目周辺は真っ赤。支度部屋に戻っても頭は痛かったが、10勝を挙げて敢闘賞を獲得した先場所以上の好スタートは切れた。

琴奨菊


ご当所で初日から連敗。
「歯がゆい。足で相撲が取れていない。でも上を向いてやるだけ」と己に言い聞かせるように。

若隆景


大翔鵬を送り出し、新入幕で連勝スタート。
「速い相撲を心掛けた。十両の声援とはひと味違うが、変に硬くならずにできている」と話した。


東十両3枚目勢(33・伊勢ノ海)が2連勝を飾った。
英乃海と右四つの体勢から左を巻き替え、もろ差しとなり、寄り切った。
「落ち着いてましたね。焦らずにね」。立ち合いでしっかり当たり、下がらず、焦らず、万全の体勢にしてから勝負を決めた。
春場所から蜂窩織炎を患った左膝下は「見た目にはわからないかもしれませんが、まだ痛いですよ」という。
それでも、十両優勝を飾った先場所より、体調はさらに上向いている様子。春場所以来5場所ぶりの返り入幕に向け、申し分のないスタートだ。

豊昇龍


元横綱朝青龍のおいで新十両の西十両13枚目豊昇龍(20・立浪)が、小結経験者の西十両12枚目臥牙丸(32・木瀬)を寄り切り、初日から2連勝とした。
相手ののど輪に耐えながら果敢に前へ出ると、右下手を取って優位な形になった。
支度部屋では「下手を取ったのが良かった」と納得の表情を見せた。
200キロ近い相手を寄り切り「重かったです」と汗をぬぐったが、ハイレベルな十両の土俵は「楽しい。(幕下のころより)それは強くなった。気持ちが本当にいい」と充実感たっぷり。
入門時からあこがれていた15日間の取組。
スタミナに不安はなく「(幕下のときと)変わらない。自分の相撲を取っていきたい」と力強かった。

納谷


元横綱大鵬の孫で元関脇貴闘力の三男、東幕下7枚目納谷(19・大嶽)は1番相撲で西幕下7枚目芝(27・木瀬)に敗れた。
今場所は黒星からのスタート。突き放す展開を狙ったが、四つに組まれて寄られた。
「(組んで)様子を見すぎてしまった。できれば離れたら良かったけど、上手を取られないことを考えすぎた」と肩を落とした。
場所前は二所ノ関一門の連合稽古で幕下上位の力士と相撲を取るなど、順調な調整を送っただけに「いい稽古ができたのでいけると思ったんですけど…」とショックを隠さなかった。
弟の納谷幸成が同じ大嶽部屋に入門し、今場所の新弟子検査を受験。弟が弟弟子となったが「(影響は)まだ特にない」と話す。
埼玉栄高の先輩、大関貴景勝が今場所から大関に復帰し、夏場所以来再び付け人を務める今場所。
場所前には大関から直接「今場所よろしく」と声をかけられたという。付け人として支えながら、若き大関の姿勢を見習い、勝ち越しを狙っていく。

相撲協会がSNS投稿「自粛」から「禁止」を通達


相撲協会員個人による、SNSへの投稿が「自粛」から「禁止」へと強制力が強くなったことが2日目の11日、分かった。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)が明かしたもので、初日の10日までに各部屋に「禁止」として文書で通達した。
小結阿炎と十両若元春による不適切動画のSNSへの投稿を受け、同部長名で6日に自粛を要請するよう通達していた。
同部長は「少なくとも研修で指導するまでは当面、禁止」と話した。

日本大相撲協会公式アプリ


日本相撲協会とドワンゴが共同提供するスマートフォン向けアプリ「大相撲」において、幕内の取組を視聴できる動画に加えて幕下上位5番を含む十両の取組動画も十一月場所より配信開始となっている。
今回の追加によって、従来と比べて2倍の取組を視聴可能になったことになる。


※大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/11

本場所 2日目 昼 情報!


豪栄道


大相撲の東大関豪栄道(33・境川部屋)2日目の11日、左足首のけがで休場した。
敗れた初日の小結遠藤戦で負傷していた。
師匠の境川親方(元小結両国)によると再出場しない方針で、来年1月の初場所は9度目のカド番になる見通し。
豪栄道は病院での検査後に、福岡県大野城市の境川部屋で靱帯を損傷していることを明かし「しばらく(時間は)かかると思う。ファンの皆さんに申し訳ない」と厳しい表情だった。患部を固定し、松葉づえを使用する状態だった。
境川親方は「本当に残念だ。変な転び方をしたから、まずいと思っていた」と話した。


※大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/11

本場所 2日目 情報!


鶴竜


横綱鶴竜(34)=陸奥=が「腰椎すべり症の再発」との診断書を提出し、休場を届け出た。
先場所中に師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が急逝。
陸奥部屋に移籍し、初めての本場所だった。
新たに師匠となった陸奥親方(元大関霧島)は腰を痛めた状況を説明し、再出場に否定的な見方を示した。
取材に応じた陸奥親方は「稽古に出てきて、四股を踏んだ時にずるっとすべったみたい。
出れるかと聞いたら『無理です』と言った」と腰を痛めた状況を振り返った。
また、「本人も出稽古に行ったりして、期待していたんですけど…。この痛みは本人にしか分からない」など、鶴竜の胸中を思いやった。
再出場については「すぐ治る痛みじゃない。無理なんじゃないか」と現時点での見解を語った。
9日、鶴竜は井筒親方への思いを問われ、「心にしまって相撲に集中したい」と本場所への意気込みを語っていた。
新たに師匠となった立場として、陸奥親方は「新弟子に戻ったつもりでと、本人も思っていたので。残念」と思いを述べた。
鶴竜の休場は2場所連続、14度目で九州場所は3年連続。
初日に対戦予定だった朝乃山(高砂)は不戦勝となる。

白鵬


休場明けの横綱白鵬は小結北勝富士をはたき込んだ。
横綱鶴竜は腰を痛めて休場し、新小結朝乃山が不戦勝となった。

高安


左肘の不安を吹き飛ばすような攻めで大栄翔をはね返し、「前に出て突き切って勝ったからよかった。良い感触」と満足げ。

豪栄道


大相撲の東大関豪栄道(33=境川)が九州場所2日目の11日、休場した。
敗れた初日の小結遠藤戦で左足首を負傷していた。
休場は7月の名古屋場所以来10度目。
2日目の対戦相手、平幕隠岐の海は不戦勝。
一年納めの土俵は初日から休んだ横綱鶴竜に続き、看板力士が不在となった。
西十両6枚目、一山本(26=二所ノ関)も休場。
敗れた初日の旭大星戦で左膝を痛めていた。休場は2017年初場所の初土俵以来初めて。
2日目の対戦相手、霧馬山は不戦勝。
今場所の十両以上の休場は平幕逸ノ城を含めて4人となった。

貴景勝


大相撲九州場所は2日目、大関に復帰し、初日を白星で飾った貴景勝が新小結・朝乃山と対戦します。
九州場所は10日に初日を迎え、大関に復帰した貴景勝は、先場所、左胸を大けがした影響を感じさせない力強い相撲で白星をあげました。
11日は、新小結・朝乃山との対戦で、過去の対戦成績は貴景勝の3勝1敗です。
貴景勝としては、朝乃山が得意とする四つに持ち込ませないよう、低い立ち合いから相手を突き放し押し相撲で一気に勝負を決めたいところです。
一方、朝乃山としては、まわしを引いて相手を捕まえたいところで、鋭く踏み込んで大関の出足を止められるかが勝負の鍵になります。
横綱・鶴竜が休場し一人横綱となった白鵬は、前頭筆頭に番付を上げてきた大栄翔との対戦です。
過去の対戦成績は白鵬が4戦全勝と圧倒していて得意の左上手を引いて胸を合わせれば万全です。
大栄翔としては、立ち合いで鋭く踏み込んで相手を突き放す展開に持ち込み、横綱を慌てさせたいところです。
先場所優勝した関脇・御嶽海は学生時代からのライバル、小結・北勝富士との対戦で、押し相撲どうしの力の入った一番が期待されます。

御嶽海


御嶽海 過去3勝3敗の妙義龍を退け、4場所ぶりの白星発進。
「まだまだ上げていかないといけない。徐々にエンジンをかけられたらいい」

朝乃山


新小結の初日は、鶴竜の休場による不戦勝。
「誰も想像していなかったと思う。横綱とはやりたかった」と残念そうに。

炎鵬


剣翔に上手投げで屈し、新入幕後では初めての初日黒星。
先場所で敗れた相手に雪辱できず、「立ち合いは良かったが、投げにいくのをちゅうちょしてしまった」と反省。

逸ノ城


日本相撲協会は10日、腰痛により大相撲九州場所を休場した東前頭12枚目の逸ノ城(26)=本名アルタンホヤグ・イチンノロブ、モンゴル出身、湊部屋=に対する診断書を公表した。
「腰椎椎間板ヘルニアで10月29日から約4週間の安静加療を要する」との内容だった。

若隆景


大相撲九州場所は10日、福岡国際センターで初日を迎え、初入幕の若隆景(福島市出身)は大翔丸を寄り切りで破り、門出を白星で飾った。

宇良


元幕内で序二段106枚目の宇良(27=木瀬)が、5場所ぶりの復帰場所で快勝発進した。
大翔城を押し出し、「めちゃくちゃ緊張した」と振り返った。
右膝を再手術し、番付を序二段下位まで落とした。
それでも「自分の能力はまだまだ伸びしろがある。体を強くしていきたい」と前向き。

豊ノ島


現役最年長関取で西十両8枚目の豊ノ島(36=時津風)が、現役2番目の年長関取で東十両9枚目の蒼国来(35=荒汐)を、得意のもろ差しから万全の寄りで白星発進した。
2人合わせて71歳の、豊ノ島いわく「シニア対決」を制しても、やや険しい表情は崩れなかった。
風呂上がりの支度部屋では、右アキレス腱付近を氷袋で冷やす姿があった。
先場所は同所を痛め途中休場。
1勝しか挙げられなかったため番付を、西前頭14枚目から大きく落とした。
その痛みを抱えたまま、場所前の稽古も「関取衆と、しっかりした申し合いができなくて多少の怖さはあった」という。
痛みも「その日によって変わる。部屋でもしっかりケアしないと、怠るとオッサンだから」と細心の注意を払っている。
そんな心構えが味方したのか、迎えたこの日朝は「気候によって(痛みは)変わるけど、今日はすごくいい状態だった」と話す。
相撲内容も「慌てず、勝負どころは勝負どころで出られて良かった。思ったより取れている。なるべく、こんな状態で15日間、取れたらいいと思う」と自分に期待した。
早めに白星を積み重ね、勝ち越し、さらに1場所でも早い幕内返り咲きのために白星を量産したい。
過去17場所中、15場所で勝ち越し、14勝1敗で優勝決定も経験している「験の良い」(豊ノ島)九州場所。
そして全休1場所を除けば8場所全て勝ち越し&優勝2回に2ケタ勝利6場所という、強さをみせる十両での土俵。データは豊ノ島を後押ししている。
例年、場所に入ると急激に冬の気配に包まれる九州場所。
用心を重ねながら、最年長関取が充実の15日間に臨む。

SNS禁止令


日本相撲協会が力士、親方ら協会員に対しSNS(会員制交流サイト)の個人使用“禁止令”を通達したことが9日、分かった。
小結阿炎(25)=錣山=と十両若元春(26)=荒汐=がインスタグラムに不謹慎な動画を投稿しSNS上で批判の声が殺到。
両関取はこの日、協会に反省文を提出して厳重注意を受け、八角理事長(元横綱北勝海)に謝罪した。
九州場所には通常通り出場する。
1年納めの場所を前に角界はまたも問題を抱えた。
あきれるほかない不謹慎動画に、協会は“SMS禁止”に踏み切った。
芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「当面、自粛してもらうしかない。見られていることを意識しないと」と全力士、協会員に各部屋を通じて通達した。
部屋の公式SNSはOKだが、個人の使用は事実上アウト。
個人の発信が当たり前となった時代に、異例の厳しい措置となった。


※大相撲九州場所(福岡国際センター)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!そんな方はこちらをクリック☆



2019/11/10

本場所 初日 昼 情報!


鶴竜


大相撲の横綱・鶴竜が九州場所初日の10日、休場することが分かった。
休場は2場所連続14度目。
腰痛のためとみられ、1年納めの場所は白鵬の1人横綱となる。
初日の対戦相手、新小結の朝乃山は不戦勝。
鶴竜は前日9日に3年ぶりの九州場所出場に向け「しっかり取っていきたい」と意気込んでいた。
秋場所8日目(9月15日)に「左膝内側側副じん帯損傷の疑いで約2週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して同場所を休場しており、2場所連続休場となる。



2019/11/10

本場所 初日 情報!


鶴竜


鶴竜は、師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)を9月に亡くしてから初めての本土俵。
「そのことは心の中にしまって相撲に集中する。しっかりやっていきたい」と抱負を語った。
先場所で優勝し、大関昇進を目指す御嶽海は2桁白星を当面の目標に掲げた。
「特に気負いはない。いつも通り臨むだけ」と表情を引き締めた。

白鵬


大相撲九州場所は10日、福岡国際センターで初日を迎える。
9日には恒例の土俵祭が行われ、白鵬、鶴竜の両横綱ら三役以上の力士、審判部の親方衆が土俵の安全を祈願した。
右手小指の骨折で先場所を途中休場した白鵬は、「いよいよ。気持ちは高まっている」と充実した口ぶりで言った。

貴景勝


大相撲九州場所は、10日に初日を迎え、大関に復帰した貴景勝は、先場所の千秋楽で顔を合わせた平幕の隠岐の海と対戦します。
過去の対戦成績は、貴景勝の4勝1敗で、先場所、千秋楽での対戦では貴景勝が押し出しで勝っています。
先場所の優勝決定戦で左大胸筋を肉離れする大けがをした貴景勝ですが、持ち味の低く鋭い踏み込みからの突き押しを貫いて、けがの影響を感じさせない相撲を見せたいところです。

御嶽海


御嶽海は秋場所を12勝3敗で優勝。
名古屋場所では9勝しており、九州場所で12勝すれば昇進の目安となる「三役で直近3場所33勝」に達する。
昇進を預かる審判部は大関取りの場所とは明言していないが、順調に星を重ねて賜杯争いに絡めば、昇進に向けた機運が高まるとみられる。
御嶽海は土俵祭後に報道陣の取材に応じ、「10勝を目指して頑張りたい」とまずは2桁の白星を目標に掲げた。

阿炎


大相撲九州場所は10日に福岡国際センターで初日を迎える。
初日を控え、日本相撲協会が力士ら協会員個人によるSNS投稿の自粛を通達していたことが9日、分かった。
小結阿炎(25=錣山)と十両若元春(26=荒汐)がインスタグラムに不謹慎な動画を投稿したことを受け、6日に芝田山広報部長(元横綱大乃国)が各部屋へ通達していた。
1年納めの場所で、土俵外からの“つぶやき”などが届かなくなりそうだ。v 大相撲人気に一役買い、ファンとのつながりを深める手段の1つでもあったSNSによる関取らの発信が、しばらくなくなりそうだ。
この日、会場での土俵祭り後、協会は阿炎と若元春に口頭で厳重注意した。両関取の行為が生んだ騒動を受けて、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は協会員個人によるSNS使用の自粛を通達したことを明かした。
「(SNS使用禁止の流れに)なるんじゃないの」と私見を述べた上で「ただ、個人だからさ。専門家にやってもらわないと、我々では対応できない」と、外部の意見を取り入れた上で、正式に判断する見通しを示した。
あくまで暫定的な処置で、期間は未定だが、当面自粛を求める。
発端はインスタグラムの動画だった。
4日に阿炎が、若元春の口をテープでふさぎ、腕や足を縛ってふざける動画を投稿。
これがSNS上で拡散。角界が暴力根絶を目指す中で「暴力を連想させる」など、自覚を欠いた行動として批判の声が上がっていた。
個人での投稿自粛で、今後しばらくはSNSを発端に、同様の問題が生じるリスクは排除されるが、異例の動きともいえる。
今や幕内力士42人の半数以上が、SNSで投稿内容を公開した個人アカウントを所有している。
他競技を含め、アスリートや有名人がファンに向けて応援に対する感謝を述べたり、プライベートの様子を発信する事例が日常的になった。
SNSは、ファンとの距離を縮める1つの大きな要素とされていただけに、早くもSNS上には残念がる“つぶやき”があがっている。
素早く対応した形の協会側は、今後、SNSに関する研修会も実施予定。
対応した広報部長の芝田山親方は「ほのぼのしたようなものならまだしも、今回のようなものを全てパトロールすることはできない。どこで見られているか分からないし、自重してもらう」と説明した。
阿炎と若元春は9日、インスタグラムで不謹慎な投稿をしたことについて反省文を提出し、八角理事長(元横綱北勝海)らに謝罪した。
2人は協会から指示されていた集合時間の午後0時30分より約30分早い、正午すぎに福岡国際センター内の役員室へ。
約5分後に2人そろって退出した。人気者の阿炎は声のトーンを落とし「理事長に謝罪した。今回は本当に自覚が足りなかった」と猛省。
若元春は「すみません」と神妙な表情だった。ともに、10日からの九州場所には通常通り出場する。
阿炎は八角理事長から「土俵で目立ちなさい。そのほかはもういいから」と言葉をかけられたという。
三役として協会の看板を背負う1人で、今場所で新三役から3場所連続の勝ち越しを目指す。
「自覚を持って相撲を取りたい。これからの自分を見てほしい。変わっていきたいと思う」と改心を誓った。

朝乃山


新小結の朝乃山は、横綱・鶴竜との対戦です。
過去の対戦は1勝1敗と五分ですが、先場所は朝乃山が得意の四つの形に持ち込み寄り切って金星を挙げました。
朝乃山は、場所前から磨いてきた右四つ・左上手の自分の形に持ち込めるかどうかが勝負の鍵になります。
休場明けの鶴竜は、持ち味の鋭い出足から圧力をかけていく相撲を展開して横綱として土俵を締めることが求められます。

隠岐の海


隠岐の海は、得意の右四つに持ち込めば、勝機があります。

琴ノ若


琴ノ若(佐渡ケ嶽部屋)は自己最高位の西十両7枚目で臨む。
19日に22歳の誕生日を迎えるホープは二所ノ関一門による連合稽古で幕内力士の胸も借り、攻めの姿勢を磨いた。
「休まないで前に出ることが大事。自分の流れで相撲を取っていきたい」と飛躍を期した。

白鷹山


東幕下10枚目の白鷹山(高田川部屋)は7戦全勝すれば十両復帰が確実になる。
ただ本人は目先の数字を気にせず、内容にこだわる。
「自分の押し相撲に徹するだけ。やるべきことをやる」と気合を入れた。



2019/11/09

本場所 1日前 情報!


鶴竜


師匠だった井筒親方(元関脇逆鉾)が亡くなり、陸奥部屋へ移った鶴竜は出稽古で精力的に動いたが、左膝などの状態が万全ではないのは気がかりだ。

白鵬


白鵬は、骨折した右手小指は「もう治ってしまった」と言い切り、仕上がり具合にも自信を示す。
このところ本来の反応の鋭さなどを発揮できないこともあり、令和で自身初めての賜杯を獲得するには序盤の取りこぼしは禁物。

高安


大相撲九州場所がカド番大関の高安は福岡県大野城市の田子ノ浦部屋で立ち合いの確認などを行った。
この日は名古屋場所で痛めた左肘にサポーターは着けなかったが、時折、左腕を気にする様子を見せた。
カド番については「特に考えていない」と過度な意識はない。
対戦相手は初日が過去5勝1敗の平幕・大栄翔、2日目が3勝1敗の小結・阿炎。
押し相撲との2連戦で、自分の相撲を取り切ることに集中していく。

貴景勝


大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)に出場が決まった貴景勝(23・千賀ノ浦)は、大関として真価が問われる場所となりそうだ。
9月の秋場所千秋楽で左大胸筋を部分断裂。
九州場所の出場が危ぶまれる中、稽古を再開した10月29日の時点で「出ます」と公言していた。
ただ、角界では最終的に出場の可否を決める権限は師匠にある。
千賀ノ浦親方(5・=元小結隆三杉)が認めなければ出場できない。
実際、千賀ノ浦親方は7月の名古屋場所で右ヒザに不安を抱えていた貴景勝の出場にストップをかけている。
場所前の稽古で関取衆と相撲を取ることすらできていなかったからだ。
千賀ノ浦親方は、出場を直訴する弟子を4時間以上にわたって説得。
最後は貴景勝が師匠の判断を受け入れた。
そして、今回は、7日に福岡・篠栗町の部屋宿舎で調整した貴景勝は幕内隆の勝(24)と相撲を10番取って7勝3敗。
稽古後に千賀ノ浦親方が出場の意思を確認すると本人は「はい、大丈夫です」とキッパリ。
師弟の話し合いは、なんとわずか1分足らずで終わった。
千賀ノ浦親方は「最終確認をしました。出場します」と明言。「(状態は)考えていたより非常に良くていい仕上がり」とゴーサインを出した。
今回は部屋や一門の関取衆との稽古に加えて、前日6日には自ら志願して追手風部屋へ出稽古。
積極的に関取衆と稽古をする姿勢を示すことで、師匠を納得させた。

御嶽海


大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)の取組編成会議が8日に行われ、9月の秋場所で2度目の優勝を果たし、成績次第で大関昇進の可能性がある関脇・御嶽海(26・出羽海部屋)は初日に過去3勝3敗のくせ者・平幕の妙義龍(33・境川部屋)、2日目は小結・北勝富士(27・八角部屋)との対戦が決まった。
御嶽海は同日、福岡県新宮町の出羽海部屋で立ち合いの稽古など軽めの調整を行い、集中するために“ネット断ち”で最近3場所黒星が続く初日に臨む考えを明かした。
鬼門突破の秘策を見つけた。
インスタグラムで情報発信する御嶽海だが、対戦相手を知ることで意識過剰になるのを防ぐすべ、それがネット断ちだった。
「対戦相手?見ない。今日からツイッターは開けません」。
対戦相手が前日決まる3日目以降の13日間と違い、初日の相手は2日前、2日目は3日前の発表となる。
早く知れば相手を必要以上に意識し、自分の相撲に迷いが生じるリスクがある。
12勝した秋場所初日の朝乃山戦は「(取組編成会議の日に)見ちゃった。暇すぎてインスタを見てツイッターに切り替えた。つい2日目まで見ちゃった」。
結果、3度目の対戦で初めて押し出しで敗れた。
ただ、2日目以降は自らの成長を実感できた。
6連勝と立て直せたことで「うまく切り替えられた。その経験を生かさないといけない」と前を向く。
初日には秋場所のワインレッドではなく柿色の締め込みで臨むことも決めた。
柿色は名古屋場所で使用し9勝止まりだったが「験は担がなくていい」と気にしない。
昇進問題を預かる審判部の高島部長代理(元関脇高望山)はこの日、御嶽海の昇進について「成績を残さないと何とも言えない。しっかりした、いい内容を見せてもらいたい」と内容も重視していく方針を示した。
過去2場所は9勝、12勝で今場所12勝すれば大関昇進の目安となる直近3場所合計33勝に届く。
数字上の条件を掲げることを控えた同部長代理を振り向かせる土俵が求められている。

遠藤


8日発表された大相撲九州場所の取組で、小結の遠藤(穴水町出身、追手風部屋、金沢学院高OB)は10日の初日に大関の豪栄道と対戦することが決まった。
2日目は東前頭3枚目の宝富士とぶつかる。
2場所連続の小結で挑む相撲巧者は、今年締めくくりの場所で好スタートを狙う。

朝乃山


大相撲の新三役、小結の朝乃山(25・高砂)が、初めて経験する初日の結びの一番で、番狂わせに色気を見せた。
8日、九州場所(10日初日、福岡国際センター)の取組編成会議が行われ、朝乃山は初日に横綱鶴竜、2日目に大関貴景勝と対戦することが決まった。
福岡市内の部屋で場所前の稽古を打ち上げた後、初日の鶴竜戦について「本音を言えば勝ちたい」と語った。
先場所は2度目の対戦で、金星となる初白星を挙げており「あのイメージ。体を生かして前に出る相撲を取りたい」と、2場所連続横綱撃破で、世代交代を印象づけるつもりだ。
もちろん初日に結びの一番という初めての経験は「緊張すると思う」と、冷静に取ることはできないのは覚悟の上だ。
それでも「この番付だと、当たる相手は変わらない。これまでやってきたことを出すだけ」と、積み重ねてきた稽古には自信がある。
鶴竜とは今場所前に、時津風部屋で胸を合わせた。
「たぶん7、8番取って1度も勝てなかった。いつも以上に踏み込みが低かった」という。
だからこそ「当たって前に出る自分の相撲を取るだけ」と、正攻法の真っ向勝負への決意を固くした。
2日目も貴景勝との注目の一番となる。
「ここを2連勝するか1勝1敗か、それとも2連敗か。緊張感があるし、15日間、毎日緊張すると思う。でも、その緊張感の中で取ることで、今後の相撲人生につながると思う」。

炎鵬


西前頭11枚目から西前頭6枚目に大きく番付を上げた炎鵬(金沢市出身、宮城野部屋、金沢学院大OB)は初日に東前頭7枚目の剣翔、2日目に三役経験のある西前頭5枚目の竜電と顔を合わせる。
身長168センチ、体重98キロの小兵は実力者との対戦で注目を集めそうだ。

豊山


西前頭9枚目の豊山(新潟市出身、時津風部屋、金沢学院高OB)は初日に東前頭10枚目の志摩ノ海、2日目に東前頭11枚目の石浦と対戦。
5場所ぶりに幕内に復帰した東前頭15枚目の大翔丸(大阪市出身、追手風部屋、金沢学院高OB)は初日に東前頭16枚目の若隆景、2日目に西前頭14枚目の錦木とぶつかる。

逸ノ城


10日、初日を迎える大相撲九州場所で、平幕の逸ノ城が腰痛のため休場することになりました。
日本相撲協会は8日、九州場所が行われる福岡市の福岡国際センターで、初日と2日目の取組を決める取組編成会議を開き、前頭12枚目の逸ノ城が休場を届け出ました。
逸ノ城の休場は、右肩を痛めて途中休場した先場所に続き、2場所連続4回目です。
師匠の湊親方によりますと逸ノ城は、以前から悩まされている腰痛がトレーニング中に悪化し、九州場所の番付が発表された先月28日以降も、稽古ができない状態が続いているということです。
湊親方は「稽古ができていないので、途中出場についてもわからない状況だ。まずは、しっかり治させたい」と話していました。
逸ノ城は、このまま途中出場しなければ、平成26年の名古屋場所以来、およそ5年ぶりとなる十両転落が確実となります。


西前頭13枚目の輝(七尾市出身、高田川部屋、金沢市西南部中OB)は初日に東前頭13枚目の千代丸、2日目に西前頭11枚目の千代大龍と当たる。

田子ノ浦審判委員


大相撲の田子ノ浦審判委員(43)・元幕内隆の鶴、本名積山伸一、鹿児島県出身が九州場所(10日初日・福岡国際センター)を休場することになった。
日本相撲協会審判部の高島部長代理(元関脇高望山)が8日、明らかにした。
田子ノ浦部屋関係者によると膝痛のためで、代役は同じ二所ノ関一門の不知火親方(元小結若荒雄)が務める。

日本人女性力士


今年のBBC「100 Women(100人の女性)」の1人に選ばれた今日和さん(22)は、日本の女子アマチュア相撲のトップ選手だ。
日本では女性力士は大相撲の土俵には上がることはできない。
世界で最も古いスポーツの1つである相撲のルールが変わり、女性が相撲に参加できるようになることを、今さんは願っている。
今さんを追ったドキュメンタリー短編映画「Little Miss Sumo」は今年、マンチェスター国際映画祭で最優秀作品賞を受賞した。

大相撲展福岡


相撲の魅力をさまざまな角度から楽しめる「大相撲展福岡」が、中央区天神5の県立美術館で開かれている。
全国巡回展で、福岡は7会場目。
10日から福岡国際センター(博多区)で始まる九州場所に合わせて企画された。
12月1日まで。

日本相撲協会が“笑撃”ゲーム


11月10日に初日を迎える大相撲九州場所を前に、日本相撲協会が公式Twitterで特別企画を発表し話題を集めている。
この特別企画は「ハートキャッチゲーム!」と題し、上から落ちてくるハートを左右に動く力士が捕まえるというもので、GIF画像をタイミングよくタップすると“キラメキ全開画像”がプレゼントされる。
モデルとなっている力士は十両の跳猿(追手風)で、相撲協会は起用の理由を「ゲームに適した写真を探した結果、跳猿の写真が最適と判断したため」とコメントしている。
日本相撲協会の公式Twitterには、実際にゲームをプレーしたユーザーから「結構ムズっ!!!やっと成功した(涙)」、「多分17回目で成功」、「くっそシュール(笑)」、「翔猿関ステキ?!応援します」などの感想が寄せられている。



2019/11/08

本場所 2日前 情報!


貴景勝


大関に復帰した貴景勝は福岡県篠栗町の千賀ノ浦部屋で平幕・隆の勝と相撲を取る稽古を行った。
本来の一気の突き、押しではなく、頭をつけてゆっくり押す取り口が多かった。
10番で7勝3敗。
秋場所で負傷した左胸について、師匠の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)から「違和感はないか」と聞かれると「大丈夫です」と笑みを交えて即答した。
千賀ノ浦親方は「押し切れなかった時も想定しながら、考えてやっている。いい稽古をしたと思う」とうなずいた。

御嶽海


御嶽海は5日、幕内炎鵬(25・宮城野)と福岡市内でトークショーに出演。
好きな女性のタイプについて「僕も年上がいいかな」と明かし「容姿は、お母さんみたいな感じがいい」と正直に告白した。
御嶽海は昨年7月場所で初優勝。
フィリピン出身の母、マルガリータさんも「美人母」として注目を集める存在となった。
その上で「(母が作る)フィリピン料理が一番好き。結婚相手に母の料理を習ってほしい? はい」とキッパリ。
理想の結婚相手は「年上」「母親似」「フィリピン料理の習得」が条件となる。
その御嶽海は「(12月25日の誕生日で)27歳になる。
そろそろ(結婚を)考えなきゃね。
(同世代の)北勝富士に抜かれちゃったので残念」。
大関取りと同時に、嫁取りにも注目が集まる。

阿炎


大相撲の小結 阿炎と十両の若元春が悪ふざけの一環で粘着テープなどで縛られたお互いの様子を撮影した動画を自身のSNSに投稿する不適切な行為をしたとして、日本相撲協会は2人に始末書を提出させたうえで注意することになりました。
日本相撲協会によりますと、3場所連続で小結を務める阿炎と九州場所で十両に復帰する若元春は手足と口が粘着テープなどで縛られたお互いの様子を撮影した動画をそれぞれ自身のSNSのインスタグラムに投稿しました。
この投稿を受けてインターネット上では「不適切ではないか」とか「関取のすることなのか」など一部で批判の声が上がっていました。
関係者によりますと7日、相撲協会は2人からSNSの投稿などについて事情を聞いたということです。
相撲協会の理事で危機管理部長を務める鏡山親方は7日夜、福岡市内で報道陣の取材に応じ、2人に反省を促すため9日までに始末書を提出させたうえで、注意することを明らかにしました。
鏡山親方は「動画は不謹慎な内容だ。SNSであのような動画を上げて喜ぶのはごく一部で、相撲で多くの人に喜んでもらうのがいちばんだ。今後、看板になりうる2人なのだからしっかりしてもらいたい」と話していました。

朝乃山


県警は5日、暴力団追放を呼び掛ける、富山市出身で大相撲九州場所で西小結に昇進した朝乃山関の等身大パネルをお披露目した。
朝乃山関は身長188センチ。
パネルに近づくと「暴力団を利用しない、恐れない、金を出さない、交際しない」などと本人の音声で呼び掛ける仕組みになっている。
県警は他にも朝乃山関が写るA2サイズのポスター二種類計二千枚を作製。
パネルは二十日に射水市のアイザック小杉文化ホールで開かれる反暴力団の啓発イベントなどで披露され、ポスターは配布される。
朝乃山関は9月、県警から「暴力団追放大使」に任命されている。
県警組織犯罪対策課の担当者は「朝乃山関の人気にあやかって、機運を高めていきたい」と話す。
県警によると、県内の暴力団員数は年々減少傾向で六月末時点では四団体、約270人。

逸ノ城


大相撲の東前頭12枚目、逸ノ城(26)が腰痛のため九州場所を初日から休場することが7日、決まった。
師匠の湊親方(元幕内湊富士)が明らかにした。
休場は右肩を負傷した先場所に続いて、4度目。
逸ノ城は4日に福岡入りしたが、まだ四股も踏めていないという。
全休すれば来場所は2014年名古屋場所以来の十両転落が確実になる。
途中出場について、同親方は「まだ分からない。状況をしっかり見ていく。焦ってもいけない」と慎重に判断する方針を示した。

荒磯親方


大相撲の荒磯親方(元横綱・稀勢の里)は7日、高校1、2年生を対象にした相撲大会「稀勢の里ウィンターカップ」を12月23日に両国国技館で開催することを発表した。
小学生、中学生、大学生は国技館での大会が行われているが、高校生の大会は初の実施となる。
他の大会とは立ち合いの所作を変えるなど“稀勢の里色”を出した新大会となる。
高校生に“夢の舞台”を用意した。
現役時代のしこ名を冠した大会の会場は国技の殿堂である両国国技館。
高校生が国技館の本土俵で相撲を取れるのは、全日本選手権の出場権を得られる全国高校総体や国体の覇者だけで、荒磯親方がそれを知ったのは今年初場所で現役を引退したあとだった。
「それならやろう」と夏ごろに大会開催に向けて着手。
親方の仕事の合間を縫って日本相撲協会や関係各所と調整を進めて実現にこぎ着けた。
荒磯親方は小学4年生の時、わんぱく相撲で初めて国技館で相撲を取った。
当時を振り返り「眠れないくらいの感激があった」と話す。同じような気持ちを高校生にも味わってもらえれば相撲の普及につながるのは間違いない。
大会長を務める荒磯親方は「1人でも多くの高校生を国技館の本土俵に上げたい」と抱負を語った。
大会趣旨には「高校相撲の健全な育成強化と親善交流を図る」などに加え、「立ち合いの重要性を説き、正常化を図る」こともうたっている。
そのために、他のアマチュアの大会とは違い、立ち合いで「待った」を1回入れることにした。
「いきなりだと立ち合いは合わない」。待ったのないアマチュアではしばしば、駆け引きのために立ち合いの前に腕を回すなどの動きで時間をかける選手が見られるが「無駄な動きがなくなれば合わせやすくなる。正々堂々とした立ち合いで相撲を取ってほしい」という狙いもある。
大会には全国から50チーム、250人の参加を予定。
団体戦、個人戦を実施し、外国人留学生は1チーム1人までとしている。
概要を発表したこの日は、11年に急死した先代師匠の元鳴戸親方(元横綱・隆の里)の命日だった。
「伝統には厳しい人だった」と亡き師匠を思い起こしながらも「変えるところは変えていきたい」と新たな挑戦に踏み出した。

貴ノ富士


9月に開かれた大相撲秋場所の前後に、残念ながらまた角界の暴力を巡る問題が2件、明るみに出た。
十両だった貴ノ富士の2度目の暴力と、立呼び出しが若い呼び出しを小突いた件で、2人とも角界を去ることになった。
共通するのは若手を叱る際に手を出してしまったということ。
角界の上下関係がどうあるべきかという点でいろいろと考えさせられる事案だ。
8月末に部屋の若手を殴った貴ノ富士は曲折の末に引退という結果になった。
1年半前にも付け人を殴って出場停止処分を受けており、当時の師匠の貴乃花親方ら周囲に多大な迷惑をかけた。



2019/11/07
本場所 3日前 情報! 】
■鶴竜
横綱・鶴竜が福岡県志免町の時津風部屋で出稽古し、平幕豊山を相手に15戦全勝と順調な調整ぶりを披露した。
鋭い踏み込みから立ち合いで圧倒。
素早い巻き替えでもろ差しにする場面も目立ち、豊山を全く寄せ付けなかった。
先場所途中休場の要因となった左膝は「完璧ではない」としたが、九州場所の出場については「もちろん(出る)」と明言した。

■白鵬
大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)を4日後に控えた6日、宮城野部屋の後援者による激励会が福岡市内のホテルで行われ、横綱白鵬(34・宮城野)が“国籍変更”を報告した。
会の冒頭で壇上に立つと「遅くなりましたが9月3日、日本人になりました」と話し、集まった300人の後援者から大きな拍手が起こった。
秋場所では2日目から休場したが、初日に内弟子で平幕の炎鵬、石浦とともに同部屋力士だけの土俵入りを実現させた。
壇上で炎鵬、石浦を横目に「秋場所では1度しか土俵入りができなかったが、今まで内弟子と土俵入りというのはなかったと思う」と胸を張った。
日本国籍取得後、初白星と初優勝を目指す今場所。
4日には阿炎、5日には北勝富士と稽古し、対戦が予想される両小結との“予行演習”を済ませるなどして調整を進めている。
白鵬は「部屋のみんながいい稽古をしている。みんなで頑張って優勝、三賞を取れるように頑張る」と気合を入れた。

■高安
3度目のカド番となる大関・高安は福岡県大野城市の田子ノ浦部屋で軽めに体を動かしただけで稽古を切り上げた。
痛めている左肘は万全ではないが、番付発表後は荒磯親方(元横綱・稀勢の里)との三番稽古、1、2日の二所ノ関一門連合稽古、5日の春日野部屋への出稽古で番数を重ねた。
「稽古量はいいと思う。(感覚は)元に戻ってきた。場所は行けると思う」と納得している。
7日には相撲を取る稽古を行う予定で、ぎりぎりまで調整を続ける。

■貴景勝
大相撲の大関・貴景勝(23・千賀ノ浦部屋)が6日、福岡市西区の追手風部屋で出稽古した。
関取衆3人と相撲を取り10勝3敗。
部屋移籍後初の出稽古で、九州場所(10日初日、福岡国際センター)に向けて、上々の仕上がりを見せた。
昨秋の千賀ノ浦部屋の移籍後、二所ノ関一門の連合稽古以外は自身の部屋で関取衆と切磋琢磨してきた。
だが、元十両・貴ノ富士が引退し、幕内・隆の勝も右膝に不安を抱えるため、4日に連絡を取って九州場所初日に対戦する可能性のある東前頭筆頭・大栄翔(25)らが所属する同部屋に出向いた。
申し合いで、関取衆らを突き押しで圧倒していた大栄翔だったが、低く踏み込んだ貴景勝は突き放して上体を起こしてあっさり料理。
「強かった。自分も低さを意識しているけれど、もっと低かった」と舌を巻いた大栄翔は「勝てないから四つに組んだ」と相手の不得手な体勢に持ち込んだ。
それでも大関は土俵際で体を開いて勝利するなど抜群の反応を見せた。
貴景勝自身は取材に応じなかったが、稽古を見守った元小結で相撲解説者の舞の海秀平氏は「もうちょっと悪いと思ったけど、思ったより良かった。当たってからの出足もいい」と評価。
予想以上の動きに目を丸くした。
先場所優勝決定戦で痛めた左大胸筋の不安も感じさせない好仕上がり。
スタミナ面にも不安なく、大関に復帰して臨む今場所は優勝候補に名乗りを上げそうだ。

■御嶽海
大相撲の関脇御嶽海(26・出羽海)が6日、出稽古を打ち上げた。
福岡市内の春日野部屋で関脇栃ノ心らと申し合いで1勝9敗。
それでも手応えは十分で「中に入る。その意識はできた」と収穫を強調した。
大関とり、大きな目標がかかる九州場所(10日初日、福岡国際センター)だが「意識して負けてるんで。意識せず頑張ります」と誓った。

■炎鵬
先場所優勝の関脇・御嶽海と幕内・炎鵬が福岡市内でトークショーに臨んだ。
成績次第で大関昇進の可能性がある御嶽海は「そろそろ目指したいというのはある」と改めて意欲を示し、炎鵬は「寒い九州を少しでも熱い場所にしたい」と意気込んだ。
司会者から結婚観について聞かれると、御嶽海は「料理は重要」と手料理の上手な女性を求めた。
炎鵬は料理上手に加え「お金の管理がしっかりできる人」という条件も付け加えていた。

※照ノ富士
大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)を、西幕下10枚目で迎える大関経験者の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、好調をアピールした。
この日は、部屋の関取衆らとともに部屋がある福岡・太宰府市から福岡・志免町に足を運び時津風部屋で出稽古。
西前頭9枚目の豊山(26・時津風)、同10枚目の正代(28・同)、同14枚目の錦木(29=伊勢ノ海)と東十両筆頭の東龍(32=玉ノ井)の関取衆4人を相手に6連勝後、1回の“休憩”を挟み4連勝。10戦全勝で、順調なケガの回復ぶりと、精神面の充実さをうかがわせた。
両膝のケガ、内臓疾患で大関陥落から2年。
4場所連続全休などで番付を序二段まで落としたが、復帰から7戦全勝、3場所連続6勝1敗で、関取復帰が見えてきた。
今場所後の再十両昇進には、7戦全勝が求められハードルは高いが「4場所で幕内に戻って(東京)オリンピック前には幕内に上がりたい」と高い目標を掲げた。



2019/11/06
本場所 4日前 情報! 】
■白鵬
大相撲の横綱・白鵬(宮城野部屋)が福岡県春日市の尾車部屋に出稽古し、九州場所(10日初日、福岡国際センター)で初顔合わせとなる友風(尾車部屋)、同じく出稽古に来た北勝富士(八角部屋)と計18番取った。
秋場所初日で敗れた北勝富士には7勝2敗。
2番目の相撲で横向きにされて敗れるとスイッチが入り、豪快な投げや外掛けまで繰り出した。
8勝1敗だった友風には張り手一発で倒す場面も。
場所前初の出稽古は気迫のこもった内容となり、「見ての通り。離れても組んでも体が動いた」と納得の様子だ。
今年は春場所で全勝優勝したが、皆勤は2場所だけ。
「ケガをしない体をつくっていくのが精いっぱいだった」と振り返る。
横綱の在位期間は現在12年5カ月で史上1位となっており「これに恥じない九州場所にしたい」と気合を込めた。

■高安
大相撲九州場所(10日初日・福岡国際センター)を自身3度目のカド番で迎える大関・高安(29)=田子ノ浦=が5日、福岡市の春日野部屋に出稽古した。
栃ノ心(春日野)、御嶽海(出羽海)の両関脇や幕内・碧山、十両・栃煌山(ともに春日野)と申し合いを行い、計25番で13勝だった。
全休明けとなる九州場所へ試したのは、得意の左四つではなく、右からの攻め。
怪力・栃ノ心に対しては、立ち合いの圧力を生かし、右腕だけで押し出すなど試行錯誤を繰り返した。
じん帯を痛めている左肘の状態は万全ではなく、時折、顔をしかめる場面もあった。春日野親方(元関脇・栃乃和歌)からは「高安、辛抱だ、辛抱」と声を掛けられ気合も入った。
最後は栃ノ心、碧山を連続で押し出して締めた。
本場所まで残り5日となり、高安は「(内容は)まあ、いいんじゃないですか。工夫しながらやる。序盤から中盤は浮ついてバタバタしてしまったが、後半は足に力が入った。最後は修正していい稽古ができてよかった」と気丈に振る舞った。
明日以降の出稽古については「検討します。頑張ります」と話すにとどめた。

■貴景勝
大関・貴景勝は福岡県篠栗町の千賀ノ浦部屋で、今場所前最多の25番を取った。
同部屋の関取衆が実戦を回避したため幕下力士が相手だったが、先場所痛めた左胸の不安を見せない動きで圧倒。
師匠の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)は「番数もできたし仕上がりがいいと思う。よく左を使っている」と太鼓判を押した。
古傷の右膝も安定しており、同親方は「もちろん出る方向でやってます」とうなずいた。

■御嶽海
大相撲秋場所で2度目の優勝を果たした関脇御嶽海(26)が3日、小城市芦刈町を訪れ、地元の相撲クラブで稽古に励む児童ら18人と体当たりで交流した。
大きなおなかとお尻で子どもたちの突進を軽々とはね返し、土俵を囲んだ父母やファンを沸かせた。
小中一貫校の芦刈観瀾校相撲場で、九州場所に挑む御嶽海関と幕下の小城ノ正(26)が子どもたちの挑戦を受けた。
同市三日月町出身の元関脇小城ノ花(故・小岩井正昭さん)の長男で、出羽海部屋11代親方の昭和さん(51)、その弟で中立親方の康年さん(48)も訪れ、集まった人たちに餅を振る舞った。
市相撲連盟と出羽海部屋の地元後援会、市体協が九州場所に合わせて毎年、交流会を開いている。
これをきっかけに本格的に相撲を始めた子もいる。
交流後は記念写真やサインを求めるファンの長い列ができた。

■阿炎
大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)に向け、小結・阿炎(錣山部屋)が4日、宮城野部屋に出稽古し、横綱・白鵬の胸を借りた。
同じく出稽古に来た若隆景らと11番取った後、横綱と9番続けて取って全敗。
全く歯が立たなかったが「速さを見られただけでも良かった。
めちゃ収穫があった。場所に向けて対応できれば」とプラスに捉えた。
幕内で唯一、今年の全5場所で勝ち越しており、年間最多勝争いは45勝で御嶽海とトップに並び、朝乃山に1差をつけている。
師匠の錣山親方(元関脇・寺尾)は「てんぐの鼻が伸びちゃうから獲らせちゃダメ」と笑うが、阿炎は「それは目指している」と言い切り「御嶽海、朝乃山よりいい成績を取ればいい。じゃあ、優勝しかない」。
平成生まれの優勝が続く中、阿炎も賜杯を狙っている。

※宇良
右膝を再手術し長期離脱している大相撲の元幕内、西序二段106枚目の宇良(27)=木瀬=が5日、九州場所で5場所ぶりに復帰する意向を示した。
「出ながら慣らしていけばいい」。希代の業師がいよいよ再起ロードを踏み出す。
胸も下半身もムキムキ。
「準備しかしてこなかった」と長いリハビリで肉体は鍛え上げられた。
相撲を取る稽古は10月末に福岡入りしてから再開。
この日も三段目以下と約20番取って調整した。
「緊張しますよ」。稽古と本場所は違う。
2度の手術。3度目はないだけに「ケガをしないように」と無事に場所を過ごすことが第一だ。

※花田虎上
大相撲の元横綱・若乃花でタレントの花田虎上が3日に更新した自身のアメブロで、義父母らとランチを楽しんだことを報告した。
この日、花田は「大阪から義父母が来ているので、今日は皆さんとランチです」とレストラン『HAL YAMASHITA』に足を運んだことを説明。
「前菜は卵サラダ、オマール海老の茶碗蒸し、雲丹と牛肉」「ビーフシチューのランチコースは色々付いていてお得で、赤味噌を使ったビーフシチューは美味しかったです」と料理の数々を写真で紹介した。
花田はデザートの栗ぜんざいについて、「よくある栗ぜんざいを想像していたのですが運ばれて来てびっくり」「ぜんざいがスープのようになっていて、塩の効いた餅が甘さを引き立てていました」と写真とともに説明。
ブログの最後では、はしゃぐ娘の写真を公開し「お爺ちゃんお婆ちゃんに会えて、末娘は喜びの舞です」とつづった。
この投稿に「皆様でランチ素敵ですね」「奥様のご両親も喜んだでしょうね」「お上品な料理ですね〜」「お味噌仕立てのビーフシチューとても美味しそうです」「奥様もご両親とお嬢様の喜ぶ顔を見て、嬉しかったでしょうね」などのコメントが寄せられている。



2019/11/05
本場所 5日前 情報! 】
■鶴竜
鶴竜と白鵬の両横綱が福岡市の住吉神社で約5000人の観衆の前で土俵入りを奉納した。
鶴竜はここ2年の九州場所は全休だが、16年は優勝しており「悪いイメージはない」とプラスに捉えている。
この日は時津風部屋への出稽古で「背中に張りがあった」というものの、平幕・正代と14番取って全勝。左前まわしを取って出る動きを繰り返した。
「しっかり土俵の中で稽古をしていきたい」とさらにピッチを上げていく考えだ。
白鵬は週明けから出稽古する予定で「つくってきた体と心を試す場面になる」と話した。

■白鵬
再起をかける白鵬が4日、出稽古にきた阿炎、新入幕の若隆景らと15番の申し合いで全勝。
「流れの中で一気の攻めもあった。手応えがあったね」と笑みを浮かべた。
阿炎とは初日に対戦する可能性があるため、白鵬の方から出稽古を呼びかけた。
5日は同じく初日に対戦する可能性のある小結北勝富士を追いかけ、尾車部屋へ出稽古する予定。残り1週間、積極的に稽古を積んでいく。

■豪栄道
大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)に向けた二所ノ関一門の連合稽古が1日、福岡県大野城市の田子ノ浦部屋で行われた。
一門外から大関・豪栄道(33=境川部屋)も参加し、高安(29=田子ノ浦部屋)、貴景勝(23=千賀ノ浦部屋)の3大関がそろった。
豪栄道は前日9日に婚約会見を行った大関・高安と相撲をとり、9勝1敗と圧倒した。
踏み込んで左の前まわしをとって前に出る形が見られ、「それなりに体が動いて、いい稽古ができた。順調にきている。しっかり調整していい状態で(場所に)のぞみたい」と充実の顔つきだった。
一方、カド番の高安は、「自分の形になれなかった。相手十分の相撲が多かった」と振り返った。

■高安
大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)を控えた1日、福岡・大野城市の田子ノ浦部屋で二所ノ関一門の連合稽古が行われた。
カド番の大関高安(29=田子ノ浦)は婚約者の演歌歌手(30)が見守る前で不安を露呈。
大関に復帰した貴景勝(23=千賀ノ浦)は親方衆から“公開説教”を食らうことに…。一門の二枚看板は貫禄を示せなかった。
この日は一門外から大関豪栄道(33=境川)が出稽古に来たことで、3大関が揃い踏み。
だが高安は豪栄道との三番稽古で1勝9敗と圧倒された。
その後に平幕の友風(24=尾車)、阿武咲(23=阿武松)と相撲を取って7勝8敗。
格下を相手にまさかの“負け越し”を喫した。
9月の秋場所は左ヒジの靱帯損傷で全休。
この日も左腕が十分に使えず、痛がるしぐさも見せた。
稽古後は「まだ恐怖心がある。ケガをする前に比べて力が落ちている。(初日までに)不安を払拭できるようにしたい」と表情は冴えなかった。
前日31日には婚約会見を開いたばかり。
この日の稽古は杜も見守っていた。その婚約者の目の前で、勝負の世界に生きる厳しさをさらけ出す格好となった。
一方で、貴景勝は別の形で赤っ恥をかいた。
先場所は大関復帰を果たす一方で左大胸筋を部分断裂。
この日から関取衆との稽古を再開した。
同部屋の幕内隆の勝(24)を指名して4番続けて取ったところで、高田川親方(52=元関脇安芸乃島)からカミナリを落とされた。

■貴景勝
大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)へ向けた二所ノ関一門の連合稽古が2日、福岡市内の佐渡ケ嶽部屋で行われた。
大関貴景勝は土俵には入らず四股、てっぽうなど基礎運動で汗を流し、口を開かず引き揚げた。
前日(1日)の二所ノ関一門連合稽古では9月の秋場所千秋楽で「左大胸筋肉離れ」を発症して以来、40日ぶりに関取衆と相撲を取った。
師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「この日朝になって(左大胸筋に)違和感があるといってきたから、無理をするなと。痛みが少しあるみたい」と説明した。

■御嶽海
大相撲秋場所で2度目の優勝を果たした関脇御嶽海(26)が3日、小城市芦刈町を訪れ、地元の相撲クラブで稽古に励む児童ら18人と体当たりで交流した。
大きなおなかとお尻で子どもたちの突進を軽々とはね返し、土俵を囲んだ父母やファンを沸かせた。
小中一貫校の芦刈観瀾校相撲場で、九州場所に挑む御嶽海関と幕下の小城ノ正(26)が子どもたちの挑戦を受けた。
同市三日月町出身の元関脇小城ノ花の長男で、出羽海部屋11代親方の昭和さん(51)、その弟で中立親方の康年さん(48)も訪れ、集まった人たちに餅を振る舞った。
市相撲連盟と出羽海部屋の地元後援会、市体協が九州場所に合わせて毎年、交流会を開いている。
これをきっかけに本格的に相撲を始めた子もいる。
交流後は記念写真やサインを求めるファンの長い列ができた。

■阿炎
大相撲九州場所(10日初日、福岡国際センター)に向け、小結・阿炎(錣山部屋)が4日、宮城野部屋に出稽古し、横綱・白鵬の胸を借りた。
同じく出稽古に来た若隆景らと11番取った後、横綱と9番続けて取って全敗。
全く歯が立たなかったが「速さを見られただけでも良かった。めちゃ収穫があった。
場所に向けて対応できれば」とプラスに捉えた。
幕内で唯一、今年の全5場所で勝ち越しており、年間最多勝争いは45勝で御嶽海とトップに並び、朝乃山に1差をつけている。
師匠の錣山親方(元関脇・寺尾)は「てんぐの鼻が伸びちゃうから獲らせちゃダメ」と笑うが、阿炎は「それは目指している」と言い切り「御嶽海、朝乃山よりいい成績を取ればいい。じゃあ、優勝しかない」。
平成生まれの優勝が続く中、阿炎も賜杯を狙っている。

■炎鵬
タレントの田中みな実(32)が3日放送の日本テレビ系「行列のできる法律相談所 3時間SP」に出演。
田中のファンだという大相撲の幕内炎鵬(25)と初対面した。
炎鵬は以前同番組に出演した際に田中のファンであることを公言。
田中も「取組を見てファンになっちゃいました。友哉(炎鵬の本名)くん、がんばってね!」と応じていた。
炎鵬は同番組のレギュラーであるアンジャッシュ・渡部建(47)のとりなしで田中と対面。
目も合わせることもできないほどに照れる炎鵬に田中も笑顔を見せる。
会話を重ね、打ち解けて来た炎鵬が「肩を揉んでもらえると…」とお願いすると、田中は「いいよいいよ! 私ね、すごい好きなの」と快諾。
肩越しに手を回しながら顔を近づけてマッサージする田中に、炎鵬も相好を崩した。
田中も「すっごくほっぺを触りたいの」とおねだり。手の甲で炎鵬の頬に触れると「ふわふわだ! アハハハハ」とご満悦。
さらに見つめながら両手のひらで何度も頬を触ると、炎鵬は「ちょっと待ってください! これは耐えられないです」とたまらずギブアップした。
田中はさらに12月に発売する自身の写真集のうちの数カットを見せ、炎鵬に好みの写真を尋ねると「やっぱりおっぱいが好きなんだ。ウフフフ」と小悪魔ぶりを発揮。
別れ際に炎鵬から「今度お時間があるときに、ご飯でも」と誘われると、「え? それ本当のやつ? 8歳くらいお姉さんですけど…」と戸惑う素振りを見せながらも「年上の方が(好み)」との炎鵬の言葉に「ぜひ、じゃあ、ご飯に。お寿司がいいな」とOKを出した。

■琴奨菊
大相撲の幕内最年長・琴奨菊(35)=佐渡ケ嶽=が4日、福岡県立美術館でトークショーを行った。
福岡出身の元大関の登場に、地元ファン約300人が集結。
話しの中で「ご飯に行っても、声をかけてもらえる。福岡の人は温かい」と地元の印象を語ると、会場は拍手につつまれた。
琴奨菊のファンサービス精神あふれる、トークショーだった。
トークの中盤、琴奨菊が付け人の序二段・琴眞鍋(23)を壇上に。
即興ソングが得意と紹介すると、客席から募集した3つの言葉を使って琴眞鍋が歌を披露した。
しかし本人は歌の出来に納得できず。
琴眞鍋が「相撲甚句」も歌えることから兄弟子が挽回のチャンスを与えると、今度は持ち前の美声でファンをうならせた。
トークの中では、柳川市の観光大使も務めていることから「ウナギのせいろ蒸しもおいしいし、川下りもあって情緒あふれる町。有明産の貝柱とか、クチゾコもある」と、魅力をたっぷり紹介。
ファンからの質問で、おなじみの「琴バウアー」を封印していることについて問われると「土俵で気を引き詰めないといけない。それが出来ない感覚になったので、やめてます」。
理由については「テレビでやりすぎて、スイッチがかからなくなった」と笑わせた。
約40分の話しの締めに、「九州の人に感動と勇気を与えられるように、一生懸命頑張ります」と九州場所(10日初日・福岡国際センター)に向けてあいさつ。
その後は会場の売店で即席サイン会を開催。
「時間限定ですが、サイン会をします」と売店で商品を購入した人限定で自ら呼びかけると、すぐさま行列が。
初めから終わりまで神対応の、トークショーだった。

■逸ノ城
大相撲の東前頭12枚目逸ノ城(26)は腰痛が深刻化し、九州場所(10日初日、福岡国際センター)を休場することが3日、濃厚となった。
東京都内で懸命にリハビリを続けてきたが、稽古を行う段階には至っていない。
福岡入りも遅れ、4日に当地へ入る。
逸ノ城は9月の秋場所中に「右肩関節脱臼」で途中休場。
同月下旬の稽古中に腰を痛めた。
部屋関係者によれば、一時は歩行も困難で体を動かせない状態だった。
腰への負担を軽減するため減量にも取り組み、秋場所で関取最重量224キロだった体重も190キロ前後まで落としたという。
全休すれば十両転落はまぬがれないが、師匠の湊親方(元幕内湊富士)はこの日、「様子をみて決めるが、無理をさせるつもりはない。力のある力士はしっかり治せば必ず幕内へ戻ってくる」。
福岡市内でもリハビリを継続し、途中出場も模索するが、逸ノ城は3年前にも重度の腰痛を発症。
今回は自身も治療に専念する意向を固めているという。

■千代丸
大相撲の東前頭13枚目千代丸(28=九重)が2日、福岡市内でトークショーを行った。
約100人が見守る中、イメージ通りの癒やし系トークや、イメージとは違う一面をのぞかせてファンを楽しませた。
定番ともいえる、福岡の好きな食べ物を問われると「ラーメン、水炊き、もつ鍋」と即答。
続けて「こう見えて、替え玉は1回だけなんです」と、191キロの体を震わせて笑うと、予想外の小食に驚きの声があがった。
好みの女性のタイプとしては、女優の木村文乃を挙げた。
「引っ張っていってくれる女性がいいですね。自分が優柔不断なので。弟(最高位小結で幕下の千代鳳)とは女性のタイプは真逆。弟はSですけど、僕はMです」と、にこやかに話した。
現在、交際中の女性はいないといい、司会者から「すてきな出会いがあるといいですね」と水を向けられると「すてきな出会いがあるといいですね」と、一言一句違わず繰り返し、場内の笑いを誘っていた。
ファンからは「千代丸たん」の愛称で親しまれている。
だが本場所中の場内での声援は「千代丸たんではなく、千代丸関でお願いします」とリクエスト。
「かわいい」と言われることには「20代前半のころはうれしかったけど、20代も後半になってくると恥ずかしい。かわいさでなく、強さでアピールしたい」と話した。
鹿児島県出身で、10日に初日を迎える九州場所(福岡国際センター)はご当所場所となる。
十両に陥落していた先場所で勝ち越し、今場所は再び幕内に名を連ねた。
「1場所で幕内に戻ってきたので、激しい相撲を取って2ケタ勝てるように頑張りたい」と、この時ばかりは持ち前の笑顔を封印して真顔で話していた。

■若隆景
新入幕の若隆景が4日、福岡県篠栗町の宮城野部屋宿舎に兄の十両若元春とともに出向き、白鵬と稽古した。
臆せず真っすぐ当たり、第一人者と巻き替えの応酬をするなど見せ場をつくった。
白鵬との稽古は初めてだったそう。
「良い経験をさせてもらった」と濃密な2番を感謝し、「思い切り踏み込んで当たろうと考えた」。
仕上げのぶつかり稽古では、横綱の胸を借りた。
「良い当たりをしているんだから」「(新入幕で)10番、10番」と励まされながら、全身砂まみれに。
九州場所(10日初日)を見据え、「良い稽古はできている」と充実感をにじませた。



2019/11/01
本場所 9日前 情報! 】
■高安
大相撲の大関・高安(29・田子ノ浦部屋)と演歌歌手(30)が、九州場所の宿舎がある福岡県大野城市のホテルで婚約発表会見を開いた。
テレビカメラ10台、報道陣70人を前に「とてもすがすがしい気持ち。愛情あふれる幸せな家庭をつくりたい」と笑み。
プロポーズは今夏、杜の誕生日である7月2日。相撲の取り口と同様に真っ向勝負で「結婚しよう」と告げた。
奥さんは「凄くうれしくて胸がいっぱい」になったという。
その際に高級ブランド、ハリーウィンストンの婚約指輪を用意。高安は購入額など詳細を明かさなかったものの「頑張りました」と照れた。
婚姻届の提出や挙式は未定。
当面は互いに支え合いながら初優勝、紅白出場という目標にまい進する。

■栃ノ心
大相撲九州場所(11月10日初日)で2度目の大関復帰が懸かる関脇栃ノ心(32・春日野)が31日、福岡市の部屋で稽古を行った。
出稽古に来た関脇御嶽海らと申し合いを行い、得意の右四つ、左上手の形で計15番を9勝。
御嶽海をつり上げる怪力ぶりも披露した。
この日の福岡市は快晴で、天候によって状態が左右される古傷の右膝も好調。
「こういう日はいいね。体の動きも悪くない。(本場所も)膝がどれだけ頑張ってくれるかだと思う」と上機嫌に話した。
栃東(現玉ノ井親方)以来の大関再復帰を目指す九州場所は10日後に迫った。
「気持ちの方は大丈夫。上(大関)のときの方が『負けたくない』とプレッシャーがある。思い切り取れると思うよ」と、リラックスした様子で話した。

■朝乃山
新小結の朝乃山が31日、大相撲九州場所(11月10日初日)に向けて出稽古を開始した。
福岡県春日市の尾車部屋宿舎で、八角部屋から来た小結北勝富士と手合わせ。
まわしにこだわらず前傾姿勢を保って攻めた一方、土俵際の詰めの甘さもあって3勝3敗だった。
三役定着には、苦手としている押し相撲への対策が不可欠。
圧力がある相手と取って収穫も得られたようで、「稽古は負けてもいいから止まらず、前に前に出たい。いかに自分の相撲を取るか考えたい」と先を見据えた。

※千賀ノ浦部屋
大相撲九州場(初日・11月10日・福岡国際センター)を前に、千賀ノ浦部屋の激励会が30日、田川市であり、大関に返り咲いた貴景勝関ら力士13人が参加した。
千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)が約100人を前に一人一人紹介し「精神的にも肉体的にも強くなれるよう一生懸命やって参ります」と述べた。

※中村親方
大相撲秋場所で現役を引退した佐伯市出身の元関脇・嘉風の中村親方が30日、県庁を訪れ、広瀬勝貞知事に引退と親方就任を報告した。
中村親方は「今後は弟子を育てる形で大分の皆さんに恩返ししたい」と話した。

※荒磯親方
大相撲の現役横綱と、引退して親方として相撲協会に残っている元横綱による会合の「横綱会」が30日、福岡市内で行われた。
八角理事長(元横綱北勝海)をはじめ親方衆5人、現役の白鵬と鶴竜の計7人が参加。
2時間余り、食事をしながら交流した。
九州場所前の恒例行事で、昨年は現役として参加し、今年は親方として初参加となった荒磯親方(33・元横綱稀勢の里)は、会合の中での話として「去年は暗かったけど、今年は明るいって言われましたよ」と、笑いながら話した。
事実、この日の会合後は報道陣の前でも笑顔が絶えず、話は31日に行われる弟弟子の大関高安と演歌歌手との婚約発表会見にも及んだ。
自身が独身であることには「幸せのポイントは人それぞれ違うから」と、自らに言い聞かせるように、そこそこに済ませると、婚約発表の会見場が所属する田子ノ浦部屋の九州場所宿舎の目の前とあって「花束を持って渡しに行こうかな」と、呼ばれてもいないのに、サプライズゲスト役に名乗り。
さらに「あそこ(会見場)は音響がいいからね」と、2人のデュエットまで期待。なぜか演出家の一面をのぞかせた。
元横綱の親方衆としては、2番目に若い武蔵川親方(元横綱武蔵丸)と、最も若い荒磯親方は15歳もの開きがある。
「15年も空いているわけですからね。早く新しい横綱が誕生して、新しい歴史が生まれることを期待しますよ」と、会合後、まじめなコメントを発して帰途に就いた。

※東京五輪テスト大会
ボクシングの東京五輪テスト大会が31日、東京・両国国技館で行われた。
参加選手らからは、大相撲用につくられている施設の不便への指摘や、力士が描かれた優勝額などに「伝統を実感できる」と歓迎する声が聞かれた。
課題として挙がったのは、ウオーミングアップなどで使用する支度部屋の狭さ。
テスト大会では、コの字型に設けられている上がり座敷の上にサンドバッグなどが設置された。
リオデジャネイロ五輪ライト級代表の成松大介(自衛隊)は「大相撲の大ファンなので感激したけど、本番は選手も多くなり、広さが足りない」と話した。
段差があるため落下の危険性を指摘する関係者もいた。



2019/10/31
本場所 10日前 情報! 】
■白鵬
休場明けの大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)で4場所ぶりの優勝を狙う横綱白鵬が30日、福岡県篠栗町の宮城野部屋で稽古を再開し「稽古できる喜び。その気持ちが(疲れに)勝っている」と相好を崩した。
この日はストレッチや四股、てっぽうで入念に体をほぐして土俵に入った。
幕内の石浦と14番取って13勝。
力強い出足で一気に距離を詰める場面が目立ち「小兵で的が小さいけど、後半はしっかり当たれた」と納得顔だった。
先場所は右手小指骨折で2日目から休場したが「巡業でしっかりやってきたことが今日につながった」と状態に不安はなさそう。
9月上旬に日本国籍を取得してから、本場所ではまだ1番しか取っておらず「体もそれなりにつくったと思うしね」と初日が待ち切れない様子だ。
稽古の最後には炎鵬を指名し、威勢のよい声とともに胸を出した。
充実感をにじませた第一人者は山あいの冷え込みも意に介さず「もう慣れている。気持ちいい。最高」と心地よさそうに汗を拭った。

■高安
左肘の負傷で大相撲秋場所を全休し、九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)が3度目のカド番となる大関・高安(29=田子ノ浦部屋)は30日、「ケガの功名という言葉通りになるよう頑張ります」と反転攻勢を誓った。
この日は福岡県大野城市の所属部屋で行った荒磯親方(元横綱・稀勢の里)との三番稽古で5勝17敗。
番数を重ねるうちに本来のパワーを発揮し5連勝する場面もあったが、「(最初は)ちょっとした恐怖心があったのかも。時間がない。これでダメなら、ケガするようなら本場所なんか出られない」と悲壮な決意を固めた。
稽古後の痛みを問われても「そんなに言うほどでは。“かゆい”ぐらいです」と強がる。
演歌歌手(30)と結婚することが明らかになり、31日には当地でツーショット会見に臨む。
周囲の祝福ムードに水を差すわけにはいかない。

■貴景勝
大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)を控えた29日、大関に復帰した貴景勝(23・千賀ノ浦)が福岡・篠栗町の部屋で稽古を再開した。
9月の秋場所は優勝決定戦で左胸を負傷。
今場所の出場が危ぶまれる中、いきなり「出ますよ。優勝しないといけない」と出場と優勝をダブル宣言した。ただ、今も左胸の状態は万全ではなく、先行きは不透明なままだ。
この日の貴景勝は四股などの基礎運動のほか、ぶつかり稽古で若い衆に胸を出して汗を流した。
9月の秋場所は千秋楽の優勝決定戦で左大胸筋を部分断裂。
加療6週間の大ケガを負った。
今場所の出場の可否が関心を集めるが、貴景勝は「もう、出ますよ」と早くも出場を明言。
「大関に戻ったから優勝を狙わないといけないし、優勝しないといけない」とV宣言まで飛び出した。
ただ実際には、左胸の状態は万全ではなく、先行きは見通せない。
秋巡業には中盤から途中合流したものの、現在に至るまで相撲を取る稽古は再開できていない。
11月1・2日には二所ノ関一門の連合稽古も予定されているが、本人は「(参加は)分からない。胸の調子次第」と一転して慎重な姿勢を示した。
今場所の貴景勝が置かれている状況は、カド番で迎えた7月の名古屋場所とも重なって見える。
右ヒザの負傷を抱える中で、師匠の千賀ノ浦親方(58・元小結隆三杉)に強行出場を直訴した。
師匠は関取衆との稽古が再開できていないことを理由に休場を勧告。
約5時間に及んだ説得の末、本人も最終的に休場を受け入れた。
千賀ノ浦親方は貴景勝の状態について「(当初の予想より)治りが早くて、相当にいい。出るつもりでやっていく」と言いつつも、最終的な判断に関しては「いい稽古ができていれば出場する」と条件をつけた。
今回も場所前の関取衆との稽古内容が、出場可否のカギを握ることになりそうだ。
周辺を取り巻く環境面では“追い風”が吹いている。
九州場所の宿舎は昨年は仮設だった稽古場が新築され、雨風の影響を受けることがなくなった。
30日には新たに発足した後援会による激励会も開かれる。

■御嶽海
先場所2度目の優勝を果たし、今場所での大関昇進を狙う関脇御嶽海は30日、福岡県新宮町の出羽海部屋で稽古を行い「巡業の疲れも取れたし、動きはいいかな」と手応えを口にした。
四股やすり足など基礎運動に加え、幕下力士相手に20番ほどぶつかり稽古を行い、鋭い出足を披露した。
31日からは同じ出羽海一門で、関脇栃ノ心らを擁する春日野部屋へ出稽古するといい「準備はできてますよ」と話した。
関取衆との稽古で調整のペースを上げる構えだ。

■阿炎
小結・阿炎が30日、福岡県篠栗町の錣山部屋宿舎で申し合い稽古を再開し、十両彩らと7番取った。
もろ手で相手を起こす立ち合いを試したが、中に入られる場面もあった。
稽古で取るのは約2週間ぶりといい「自分のペースでやろうと思った。良い感覚は覚えている」と振り返った。
昨年5月の夏場所から4場所連続で負け越した反省から、さまざまな力士の取組映像を見て研究するようになったそうで「少しでも勝てるようにいろいろやってきた」。
今年は5場所連続で勝ち越し。

■遠藤
小結・遠藤が29日、福岡市内の追手風部屋宿舎で四股やてっぽう、すり足などの稽古で汗を流した。
11月10日に初日を迎える九州場所に向けては、「気持ちは変わらない。頑張りたい」と落ち着いた表情で話した。
先場所は三役で初めて勝ち越した。
5月に結婚していたことが明らかになったこともあり、一層注目を浴びそうだが、「自分のペースでやっていきたい」と平常心を強調していた。

■北勝富士
平幕・北勝富士(27・八角部屋)が1日、東京都内の同部屋で会見し、大阪市出身で会社員(31)との婚約を発表した。
劇団四季の「ライオンキング」を見た9月4日、終演後に誰もいなくなった「2人だけの舞台」というロビーでプロポーズ。
4年の恋を実らせた。
そして迎えた秋場所初日は横綱・白鵬を撃破して金星奪取。
「最高のスタート」を切りながら2日目からまさかの6連敗。
ただ、そこから8連勝し「サプライズできた」と笑った。
来年1月に結婚して6月に都内で、結婚披露宴を予定している。

■朝乃山
大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)を新三役として迎える小結朝乃山(25・高砂)は30日、福岡市内の部屋で相撲を取る稽古を再開した。
同部屋の朝玉勢に4勝2敗、寺沢に4勝と、幕下2人に計10番で8勝2敗。
今月27日まで全20日(台風で中止の1日除く)の秋巡業は、15日間で朝稽古の土俵に立った。
最後の2日間は休養に充て、広島・三原市で行われた25日の巡業以来、5日ぶりに相撲を取り「少し体がなまっていたかも」と話しつつ、勝った8番はすべて得意の右四つからの完勝だった。
付け人を務める2学年下の寺沢とは、プロ入り後、初めて相撲を取った。
ぶつかり稽古で胸を出したことはあったが、相撲を取ったのは朝乃山が近大4年時に、寺沢のいた東洋大に出稽古した時以来、約4年ぶりだという。
稽古後、寺沢が真横にいる状況で「とても先場所、幕下で負け越した(3勝4敗)とは思えないほど力強かった」と、寺沢に聞こえるように冗談めかして話したが、奮起を期待しての愛情の裏返し。
寺沢は人懐こい笑顔を見せつつ、恥ずかしそうにしていた。朝乃山は続けて「付け人なので、強くなってほしい。付け人の力をつけてあげるのも自分の役目」と、三役力士らしく風格を漂わせた。
31日からは出稽古を予定している。
「小結になりましたけど、挑戦者という気持ちを持ち続けないと。小結で終わりじゃない。まだ上があるので」と話し、力を込めていた。

※高島親方
大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)で、日本相撲協会の審判部長代理を高島親方(元関脇高望山)が秋場所に続いて務めることになった。
審判部副部長の藤島親方(元大関武双山)が30日、明らかにした。
審判部長を務めていた先代阿武松親方(元関脇益荒雄)が高血圧などの体調不良により9月に退職したのに伴うもの。

※元貴乃花親方
貴乃花は昨年10月、弟子の貴ノ岩の暴行事件に関するトラブルが原因で相撲協会を退職。
同月、元妻の元フジテレビアナウンサーと離婚。
記事では、河野に明け渡した都内の5億円豪邸≠フローンの支払いが億単位で残っているなど、貴乃花の困窮ぶりが明らかになった。
見かねた兄弟子の貴闘力が、1回100万円の地方イベントの仕事を持ちかけるが、プライドが高い貴乃花は拒否。
結局、2人は疎遠になってしまったという。



2019/10/30
本場所 11日前 情報! 】
■鶴竜
9月に師匠の井筒親方(元関脇・逆鉾)を亡くした横綱・鶴竜が、移籍した陸奥部屋で初めて稽古を行った。
てっぽうなどの基本運動に加え、ぶつかり稽古で胸を出し、「(初土俵から)18年がたって、また新弟子に戻った気持ち。頑張っていく」と気を引き締めた。
先場所途中休場の要因となった左膝にはまだ不安が残るが「新しい部屋の人たちにいい報告をしたい。そうすれば、天国の師匠もホッとするでしょう」と亡き師匠のためにも結果を求めていく。

■御嶽海
秋場所で2度目の優勝を果たした関脇御嶽海(26=出羽海)が福岡・新宮町の部屋宿舎で会見した。
今場所で12勝以上すれば大関に昇進する可能性があり「10勝は絶対条件。先場所と同じ12勝できるようにしたい」と意気込んだ。
一方で、勝負の場所を前に「不安です。本当に10勝できるのかなと…。自信はない」と弱気な言葉も口にした。
関脇で2回優勝し、三役の連続在位17場所は昭和以降で単独2位。
ただ、三役で10勝以上は優勝した2場所に限られる。
「三役で2桁(10勝以上)が少なすぎる。心の問題。落ち着いていれば(10勝以上は)取れると思うけど、そこまで安定していない」と冷静に自己分析した。
今月の秋巡業の過ごし方にも“誤算”が生じた。積極的に相撲を取る稽古に参加する一方、基礎運動に割く時間が不足。
「土俵に上がる回数は増えたけど、そのぶん大事な基礎運動ができなかった。悔いが残る。(本番まで)あと2週間あるので、カバーしないといけない」と課題を挙げた。
故郷の長野は台風の影響で甚大な被害に見舞われた。
御嶽海は先場所で獲得した殊勲賞の賞金200万円の全額を長野県に寄付。
12月にはボランティアで被災地に入り支援活動を計画している。
御嶽海は「勝っている姿を見せて、少しでも元気になってもらえれば」と話した。

■阿炎
九州場所は13年ぶりに小結が4人となる。
阿炎(25=錣山)、遠藤(29=追手風)、北勝富士(27=八角)、朝乃山(25=高砂)の4小結は29日、福岡国際センターで行われた赤ちゃん抱っこイベントに参加。
新三役の名古屋場所から2場所連続で勝ち越し中の阿炎は「優勝狙って、突っ走っていきます」と威勢よく意気込んだ。
世代交代の空気が角界を包む中、夏場所で優勝した朝乃山ら若手・中堅力士が、幕内上位に名を連ねる。
ライバルひしめく九州場所だが、阿炎は「(ライバル意識は)ない。全員敵なので。負けない。1抜けします」と宣言。
今や優勝宣言は“恒例”になっているが「そろそろ優勝しないと、口だけになっちゃう。優勝目指します」とハッパをかけた。
もっとも新三役の場所から8勝、9勝を挙げており「ちょっとずつ進んでる」。今年は一度も負け越しがなく、年間最多勝争いでも関脇・御嶽海(26=出羽海)と並ぶ。
タイトルについては「御嶽海というバケモンがいるので」と謙遜するが、「肩を並べてることを自信につなげて、張り合ってみようかな」と笑った。
初日までは横綱・白鵬(34=宮城野)の胸を借りに出稽古に行くプランもあり「この2週間が勝負。しっかり体を作っていく」。
優勝、そして年間最多勝という最高の結果で1年を締めくくるべく「1番1番集中して。自分の相撲を出せたらいい」と場所を見据えた。

■朝乃山
朝乃山(富山市呉羽町出身、富山商高OB、高砂部屋)が新小結に昇進し、西の2番目に就いた。
富山県出身力士では1985(昭和60)年九州場所の琴ケ梅以来34年ぶりの新三役となる。
朝乃山は福岡市中央区の高砂部屋で記者会見し「小結で終わらない。もっと上の番付がある」と抱負を語った。
九州場所の小結は朝乃山に加え、東に阿炎(錣山部屋)、西に遠藤(石川県穴水町出身、金沢学院高OB、追手風部屋)が就き、東の2番目で北勝富士(八角部屋)が返り咲いた。
小結4人は2006年九州場所以来13年ぶりとなる。

■佐田の海
大相撲九州場所のPRイベントが29日、福岡市内で行われた。
九州出身の琴恵光、松鳳山、佐田の海、正代の九州出身幕内力士らが参加。
集まったファンに来場を呼びかけ、カレンダーをプレゼントするなどして交流した。
冒頭のあいさつでは、佐田の海が「ここ数年、九州場所では勝ち越せていないので頑張ります」と、5年連続ご当所場所で負け越し中と告白。
これに、待ってましたとばかりに、直後にあいさつの順番が回ってきた正代が「僕は九州で負け越したことがないですが頑張ります」と、隣の佐田の海を見てニヤリ。
入門以来、5年連続で勝ち越し中をアピールしつつ、笑いを誘っていた。
イベント後、報道陣から目標を問われた正代は「まずは8番。それを早い段階でクリアできれば、2ケタ(白星)も見えてくる。三役に復帰したい」と、力強く話していた。

※嘉風
大相撲元関脇・嘉風の中村親方(37=本名大西雅継、佐伯市出身)が29日、大分合同新聞社を訪れ、引退を報告した。
中村親方は恩師ら関係者と一緒にスーツ姿で来社。
「相撲取りになってよかった。きついのは当たり前で、厳しいとは思わなかった」と16年間の現役生活を振り返った。
6月に負傷した右膝はリハビリで装具付きでの歩行は支障のないところまで回復しており、今後は尾車部屋付きの親方として指導に当たる。
「現役最後の方は、自分のことよりも若い衆の稽古を見る方が楽しかった。指導を頑張りたい」と後進育成に意欲をのぞかせるとともに、「(弟子たちには)固定観念を持たせずにやらせたい」と意気込みを語った。
中村親方の引退相撲・断髪式は来年10月3日、東京の両国国技館で行う。



2019/10/29
本場所 12日前 情報! 】
■高安
大相撲の大関・高安(29=田子ノ浦部屋)と演歌歌手の杜このみ(30)が結婚することが28日、分かった。
既に婚約しており、交際約2年でのゴールイン。31日に福岡市内でツーショット会見を開く。
高安は11月10日初日の九州場所(福岡国際センター)をカド番で迎える。
最愛の伴侶を得て心機一転、悲願の初優勝へ挑む。2人の出会いは16年2月に開かれたNHK福祉大相撲。
関係者によると、親交を深めたのはその後。田子ノ浦部屋と長年親交のある師匠の細川たかし(69)とともに、部屋の祝賀会や激励会に参加するようになってからだ。
関係者は「それぞれ本場所優勝、紅白歌合戦出場と大きな目標がある。通じ合う部分があり、同学年ということもあって意気投合した」と明かした。
17年に交際を開始し、今夏に高安がプロポーズして結婚を決めた。先月下旬には高安が家族を連れて、杜の故郷・札幌を訪問。両家の食事会で結婚を報告した。
同居はこれからで、挙式、披露宴については未定。杜は大関を支えることを最優先に仕事を続ける。婚姻届の提出時期について関係者は「会見で話すと思う」と明かした。
定期的に“遠距離恋愛”となる2人は、時間がない中で愛を育んできた。高安は本場所や巡業、杜も公演やキャンペーンで全国を飛び回る。
「大きな体で目立つのでデートはなかなかできなかった。知人を交えて食事することが多かったようだ」と関係者。互いに仕事を頑張ることで励まし合ってきた。
名古屋場所が行われた今年7月には、杜も同地の御園座で前川清(71)の座長公演に出演。高安は時間を縫って観賞に駆けつけ、ステージで真剣に歌う姿に刺激を受けた。
一方、杜も大相撲を観戦し、朝稽古も見学。昨年12月のブログで「魂のぶつかり合う相撲の文化に触れ、勝ち負け関係なく相手を思い遣る心遣いなど、人としてもお勉強させていただきました!!改めて、相撲が大好きになった一年でした」とつづった。
周囲は「大関は土俵では強く、普段は優しい。杜さんは誠実で男らしい人柄にほれた」と話している。
杜は細川の一番弟子。幼少期から民謡で鍛えてきた力強い歌声を武器に、NHK紅白歌合戦出場を目指している。
報告を受けた細川も「おめでたいことだ」と“娘”の結婚を喜んでいるという。
高安は左肘の負傷で9月の秋場所を全休し、カド番で九州場所を迎える。
杜の最新曲のタイトルは「王手!」。綱獲りに“王手”をかけるべく、初優勝を目指して土俵に上がる。

■御嶽海
日本相撲協会は28日、九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新番付を発表し、秋場所で2度目の優勝を飾った関脇・御嶽海(26=出羽海部屋)が大関昇進への強い思いを語った。
目標に掲げたのは、大関昇進の目安とされる3場所合計33勝に到達する12勝。
土俵上で雄姿を見せ、台風19号で甚大な被害を受けた故郷の長野県を勇気づける。
17場所連続で三役を張る御嶽海が“三役からの卒業”を狙う。
福岡県新宮町の出羽海部屋での会見で「自分の相撲を取って10勝以上。先場所と同じ12番を取れるようにしたい」と意気込んだ。
名古屋場所は関脇で9勝、秋場所は12勝3敗で並んだ貴景勝との関脇同士の優勝決定戦を制した。
九州場所で12勝なら3場所合計33勝。協会審判部は大関獲りとは明言していないが「上がれなくても次につながる数字」と大関を見据えた。
秋巡業では土俵での稽古が増えた分、「基礎運動が少なかった」という反省点もある。不安を払しょくして目標を達成するために「前に出ることを忘れないように」と攻めの姿勢を貫く。
最近3場所は黒星発進だけに「序盤が大事」とスタートダッシュも意識した。
故郷の長野県は台風19号により千曲川が氾濫し、甚大な被害を受けた。
被災者のために、秋場所の殊勲賞の賞金200万円を支援に充て、500ミリリットルの飲料水2000本も送った。
「早く元の生活に戻ってもらいたい」という思いから、12月には知人のリンゴ農園の泥などを除去する作業に出向く計画もある。
物資だけでなく、土俵上での活躍が地元の人々のためになるということも理解している。
「勝っている姿を見せて元気になってもらえれば」。大関獲りは、地元への何よりの恩返しになる。

■朝乃山
新小結・朝乃山は福岡市内の高砂部屋で会見し、「素直にうれしい。予想は前頭筆頭だった。無事(三役に)上がれて良かった」と笑みをこぼした。
小結4人は13年ぶりだけに番付には驚きもあった。
前頭2枚目の先場所は10勝して存在感を示して着実に番付を上げているが、師匠の高砂親方(元大関・朝潮)は「三役で2桁勝たないと大関を口にしちゃいけない」と言い切る。
御嶽海ら同年代のライバルが上位で活躍することに「負けられない」と闘志を高めつつ、目標を問われ「とりあえず、勝ち越してから2桁を目指したい」と意欲をのぞかせた。

■遠藤
遠藤は8場所ぶりに三役に返り咲いた先場所、8勝7敗と勝ち越した。九州場所も好成績を残し、三役定着を狙う。

■炎鵬
名古屋場所から2場所連続で9勝を挙げた炎鵬は、順調に出世街道を突き進む。
角界屈指の人気者となった小兵の25歳は今年締めくくりの福岡でも躍動し、観客を沸かせたいところだ。

■若隆景
日本相撲協会は28日、大相撲九州場所(11月10日初日・福岡国際センター)の新番付を発表した。
福島市出身の若隆景(24)=本名大波渥、学法福島高―東洋大卒、荒汐部屋=が東前頭16枚目に昇進し、新入幕を果たした。
県勢の幕内力士誕生は2013(平成25)年春場所で入幕し、昨年1月に引退した元幕内の双大竜(37)=本名高橋亮三、福島市出身=以来6年ぶり。
若隆景は福島市出身として双大竜に次いで2人目、学法福島高相撲部出身では初めての幕内力士となった。
全国学生相撲選手権個人で準優勝した東洋大を経て、17年春場所に初土俵を踏み、三段目最下位格付け出しでデビューした。
昨年の初場所で幕下優勝し夏場所で十両へ昇進。
十両9場所目だった先場所は西十両3枚目で9勝6敗の好成績を挙げた。
身長182センチ、体重125キロ。
同じ荒汐部屋に所属する若隆景の2人の兄は、次兄の若元春(26)=本名港、学法福島高卒=が4場所ぶりに十両に復帰し、西十両11枚目につけた。
長兄の若隆元(27)=本名渡、学法福島高卒=は東幕下13枚目となった。
大波3兄弟の祖父は元小結の若葉山。



2019/09/23
本場所 千秋楽後 情報! 】
■御嶽海
大相撲秋場所千秋楽、関脇御嶽海が優勝決定戦で関脇貴景勝を寄り切り、昨年7月の名古屋場所以来2度目の優勝を果たした。
表彰式の優勝力士インタビューでは「最高です! 昨年の名古屋はまぐれで優勝できた。今回はしっかり目標に向かってやってこれたので。それが実ってよかったです」と喜んだ。
御嶽海は先場所で9勝、今場所は12勝で優勝。次の九州場所の成績次第では大関取りの可能性がある。
審判部長代理の高島親方は「いい成績を残して(大関取りの)雰囲気が出てくれば」と否定しなかった。
御嶽海は観客の前で「そろそろ皆さんの期待に応えられるように、11月場所で決めたいと思います!」と力強く宣言した。
宮崎県は22日、大相撲秋場所で2度目の優勝を果たした関脇御嶽海関に知事賞の表彰状と賞金50万円、優勝杯の「あかべこトロフィー」、副賞として県オリジナル米「天のつぶ」1トンなどの県産農畜産物を贈った。
東京都両国国技館で行われた表彰式では、内堀雅雄知事が土俵上で御嶽海関にあかべこトロフィーを贈呈。内堀知事が賞状を読み上げて「天のつぶ」1トンなどの副賞を発表すると、館内から歓声が上がった。
ほかの副賞は、福島牛のサーロイン10キロ、「ふくしま愛情野菜詰め合わせ」として、県産ブロッコリーやネギ、ハクサイの計20キロ分。
県は県産品の風評払拭に向け、国技館で行われる本場所ごとに優勝力士に知事賞を授与しており、今回が21回目。JA福島五連が協力している。

■貴景勝
貴景勝は優勝決定戦で力尽きた。
約4カ月ぶりの土俵に上がって15日間を戦い抜き、12個の勝ち星を積み重ねたが「最後勝たないと意味がない」。
大一番で左胸を痛め、取組後は何度も気にして顔をゆがめた。
本割は低く当たり、3敗で並んでいた隠岐の海を寄せ付けず、約20分後の決定戦へ進んだ。
痛めていた右膝の疲労もピークを迎える中、体は悲鳴を上げる手前だった。
夏場所で右膝を負傷した際の因縁の相手、御嶽海と今場所2度目の対戦。
もろ差しで押し切られると、苦悶の顔になった。
支度部屋に戻った貴景勝の息は荒く、沈痛な表情を浮かべた。
付け人には「(左胸付近が)切れてる」と漏らし、タオルもつかめないほどだった。「(痛めたのは)押した時」と明かし、左手に力が入らず「やべぇ」「最悪や」ともこぼした。
支度部屋を出た後、花道の向こうの表彰式の様子を見つめた。
迎えの車を待つ間、スマートフォンの映像で御嶽海との一番を確認した。
「あー残念。けがが残念」。けがを乗り越え、大関復帰を決めたばかりの23歳。
手負いの若武者にまたも試練が訪れた。

■明生
西前頭10枚目明生(24)が朝乃山を寄り切り、2場所ぶり2度目の10勝を挙げた。
「一生懸命、思い切りいこうと思いました。中に入るしか勝ちパターンはないので」。
過去2戦2敗の相手に会心の内容だ。
11日目終了時点で9勝2敗と貴景勝と並び優勝争いのトップに立ったが、12日目から3連敗。
「10番勝ったのも5番負けたのも全部経験。もっと自分を磨きます」と、今場所を前向きに振り返った。

■隠岐の海
隠岐の海は貴景勝との3敗対決で完敗し、初優勝の望みを絶たれた。
差せずに防戦一方。土俵際での粘りも及ばず、「こういう日もあるというのが、一番出てはいけない日に出た。もう少しいい相撲が取れれば…」と悔やんだ。
両横綱が休場し、大関陣も思うように白星を重ねられない中、初日から8連勝し、4度目の敢闘賞を獲得するなど存在感を示した。
34歳のベテランは「またしっかり巡業から頑張りたい」といい、先を見据えた。

■栃煌山
西前頭16枚目の栃煌山は9敗となり、2007年春場所の新入幕から75場所続けて守ってきた幕内からの転落が濃厚となった。
苦境に迷いも生じたのか、立ち合いの中途半端な変化を琴奨菊に見極められ、なすすべなく押し出された。
白星を先行させた後、4連敗で終了。
かつての大関候補は支度部屋では険しい表情のまま、まげを直し「一番に集中してやっていた。頑張る」と絞り出した。

※阿武松親方
大相撲で「白いウルフ」と称された元関脇益荒雄の阿武松親方(58)が体調不良などにより、日本相撲協会を退職する意向を固めたことが22日分かった。
阿武松部屋は、弟子の音羽山親方(元幕内大道)が継承する方針で、26日の理事会で審議される見通し。
阿武松親方は昨年2月の協会理事候補選挙で初当選。
審判部長を務めていたが、体調不良のため、7月の名古屋場所から休場が続いていた。
1979年春場所、押尾川部屋から初土俵。
差し身の鋭い速攻を生かし、新小結だった87年春場所で千代の富士、双羽黒の2横綱に加えて4大関を撃破。
「益荒雄旋風」を起こし、人気を集めた。
幕内在位は20場所。94年に阿武松部屋を興し、弟子が野球賭博問題に関与して降格処分を受けた一方、阿武咲らを育てた。
かつては、元貴乃花親方が率いた一門に所属していた。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/22
本場所 千秋楽 情報! 】
■栃ノ心
大相撲の大関栃ノ心が、カド番で迎えた秋場所14日目の21日、妙義龍に敗れて6勝8敗と負け越し、11月の九州場所で関脇へ転落することが決まった。
取組後に「悔しい。一生懸命やってきたが、この結果しか残せなかった」と険しい表情で話した。
大関から落ちるのは2度目。来場所で2桁白星を挙げれば復帰できる。
栃ノ心は3月の春場所で大関陥落が決まり、夏場所で10勝して返り咲いたが、名古屋場所は右膝に抱える古傷などの影響により途中休場した。
大関から2度の転落は、2004年九州場所で決まった栃東以来で昭和以降で6人目。

■御嶽海
大相撲秋場所14日目、関脇御嶽海が大関豪栄道を破り、3敗を死守。
優勝戦線に踏みとどまった。
立ち合いの変化からの突き落とし。
まさかの注文相撲に「とっさでした。自分の相撲よりも、白星を取ってしまったなという感じですね」とバツが悪そうな表情を浮かべた。
自身2度目の優勝へ向けては「決定戦? 体力が持たないでしょ」とジョークを交えつつ「優勝というより、もう一番勝ちたいという気持ち。あと一番取るだけ」と目の前の一番に集中する構えを見せた。

■貴景勝
大相撲秋場所14日目貴景勝が11勝目を挙げ、史上初の「1場所大関復帰」で「優勝」へと前進した。
頭で当たって竜電を一気に押し出し「しっかり攻め込めた。今場所は自分の持っているものを出せれば。120%は望まない」と淡々と話した。
打ち出し後に行われた取組編成会議で、22日の千秋楽は隠岐の海との3敗対決が組まれた。
これに勝ち御嶽海が遠藤に敗れれば、優勝決定戦をすることなく偉業達成となる。

■遠藤
大相撲秋場所14日目遠藤が3敗の隠岐の海に敗れた一番は際どい勝負だった。
隠岐の海の寄りを残した遠藤が、左下手投げで仕留めたと思われた。
しかし、その前に遠藤の足が出ていたと竹縄勝負審判(元関脇栃乃洋)が判断し、行司に伝えた。
館内は騒然。千秋楽に3敗の御嶽海戦が組まれた遠藤は支度部屋で終始無言だった。
竹縄勝負審判は「かかとが出たと思ったから手を挙げた。それだけだ」と強い口調だった。

■炎鵬
大相撲秋場所14日目の21日、西前頭11枚目の炎鵬は西前頭16枚目の栃煌山を押し倒しで破って8勝目を挙げ、2場所連続の勝ち越しを決めた。
前日の小結遠藤に続き、郷土の幕内力士が給金を直し、相撲どころ石川のファンを沸かせた。
11日目に勝ち越しに王手をかけてから2連敗と足踏みが続いていた炎鵬は取組後、「ひとまず勝ち越せて良かった」と語った。
炎鵬は幕内に昇進した今年5月の夏場所で、終盤に6連敗を喫して7勝8敗と負け越し。
先場所は9勝6敗と勝ち越し、技能賞を獲得した。22日の千秋楽は東前頭10枚目の佐田の海と対戦する。

※元幕内誉富士の引退
日本相撲協会は大相撲秋場所14日目の21日、元幕内で東三段目52枚目の誉富士の現役引退と年寄「楯山」襲名を発表した。
今後は伊勢ケ浜部屋付きの親方として後進の指導に当たる。22日に引退会見を開く。
近大から2008年初場所初土俵。
突き、押しを武器に12年初場所で新十両、13年夏場所で新入幕を果たした。
幕内在位10場所で自己最高位は15年九州場所の西前頭6枚目だった。

※張本勲氏
野球評論家の張本勲氏が22日放送のTBS系「サンデーモーニング」に生出演。
大相撲秋場所の優勝争いに苦言を呈した。
14日目を終え賜杯争いは3敗で並んだ貴景勝、御嶽海の両関脇と平幕隠岐の海の3人に絞られた展開に、司会の関口宏が「こういう相撲って面白いって言っていいのか?上がいないだもん」と白鵬、鶴竜の両横綱が途中休場したことを嘆いた。
これに張本氏も「両横綱休んでいるからね。言葉は悪いけど評価はしにくいわね。3敗、4敗の優勝者ってちょっと物足りないわね」と指摘した。
これに関口宏は「上の休んだ人たち、体ちゃんとして盛り上げてくれなきゃ困りますね」と苦言を呈していた。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/21
本場所 14日目 情報! 】
■豪栄道
大相撲秋場所13日目大関豪栄道が、大関復帰を決めた関脇貴景勝を上手投げで土俵へはわせた。
頭を低くして立ち合った貴景勝の肩越しに左上手を取って投げを打った。
埼玉栄高相撲部の後輩でもあり、先輩大関は「やっぱり気合が入る」。と話していた。
貴景勝には3連勝で、これで通算8勝3敗。
自身は4敗だが、優勝ラインを自力で下げて「まだまだ頑張らないと。(賜杯争いは)どうなるかわからない。集中していく」と気合を入れた。

■御嶽海
関脇御嶽海が通算17場所目の三役で、2度目の10勝に到達した。
平幕の妙義龍を押し出し、初優勝を飾った昨年名古屋場所以来の大台だ。
大関復帰を決めた貴景勝が3敗目を喫し、優勝争いでも隠岐の海、剣翔の4人でトップに並んだ。
4敗も5人と、残り2日で1差に9人の大混戦。
「盛り上がるんじゃない?」と2度目の賜杯に狙いを定めた。
支度部屋でどっかり座った御嶽海が結びの結果を付け人に尋ねた。
「どっちが勝った?」。貴景勝が豪栄道に負けた。3敗でトップに並んだ。無言で2度、フンフンとうなずいた。
何より待望の10勝目だ。「ちょっとやりにくかった」と、3連敗中だった妙義龍をダイブしながら押し出した。
三役連続在位は歴代2位の16場所目になった。白鵬、鶴竜の時代にくさびを打ち込む次世代リーダーらしい安定感はある。
だが、10勝以上は初優勝を飾った昨年名古屋場所だけだ。
新三役翌場所の17年初場所、前頭筆頭では11勝したのに、三役ではできない。
「三役で大関になるのは難しいと思ったけど、2桁勝つのにここまで苦労するとは思わなかった。どうすればいいかわからない。方法を探してます」。
だからこそ、今場所はいくら優勝争いについて問われても「目標10勝」をかたくなに繰り返してきた。
充実感は大きい。「本当に目標達成できたんだ」。優勝時と今回の違いを「全然違う。前はあれよあれよだったけど、今回は違うでしょ?」と説明した。

■貴景勝
いつも通り低く当たった貴景勝だが、上背のある相手ならはじける。
ただ豪栄道は身長も低く的が小さいから、当たりづらく突き放しも利かない。
それがここまで3勝7敗という合口の悪さに表れている。
押し相撲の幅を広げる意味でも、豪栄道のような相手には頭からいかず、手を出していくなり考える必要がある。
もっと言えば、手の甲が下向きならいいが、手のひらが下向きだから落ちやすい。低く出れば何とかなると思ったところに落とし穴があった。
豪栄道からすれば、自分からまわしを取りにいったわけではないが、貴景勝の低さに救われた格好で、上手に手が届いた。
豪栄道が意地を見せたことで4敗の5人にも優勝の可能性が残された。

■遠藤
大相撲秋場所13日目人気の遠藤が琴奨菊を上手投げで破り、8勝目。
三役として初めて勝ち越した。得意の左を差したが、相手の寄りに後退。
投げを打ってバランスを崩したところを再び寄り立てられたが、体を弓なりにして逆転の投げ。
「あきらめず相撲を取れてよかった」。新小結だった平成30年夏場所では3勝だった。
取組後のテレビインタビューでは、珍しく笑みを浮かべて喜んだ。 8場所ぶりの小結返り咲き。膝や足首に抱える古傷と向き合い、「何とか相撲が取れている」という状態で進歩した姿を示した。
残り2日。2桁10勝へ向け「いい相撲を取れるよう、しっかりやるだけ」と前を見据える。

※八角理事長
大相撲秋場所13日目優勝争いは3敗に4人、4敗に5人がひしめく大混戦となった。
横綱不在などが主な原因といえそうだが、八角理事長(元横綱北勝海)は「楽しませてくれるよね」と前向きに捉えた。
13日目終了段階で星一つの差に9人いるのは1998年夏場所以来。
このときは3敗に3代目若乃花、武蔵丸、出島、4敗に曙、貴乃花、貴ノ浪らがいた。
結局、12勝3敗で大関の3代目若乃花が制し、場所後に貴乃花との史上初の兄弟横綱が誕生した。
2横綱3大関が圏内に入った当時と比べ、今場所は新入幕の剣翔ら平幕6人に優勝の可能性が浮上。
藤島審判部副部長(元大関武双山)も「また展開が読めなくなってきた」と予測不能だった。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/20
本場所 13日目 情報! 】
■豪栄道
かど番を脱出。
張り差しや左変化を「行司待った」で止められるなどして、4度目での成立でも冷静さを欠かなかった。
張り差しで竜電に右を差し勝ち、機を見て上手投げ。
集中力を切らさずに勝ち越しを決め、「少しうれしい」と安堵(あんど)感を漂わせた。
13日目には、2敗で単独トップの貴景勝とぶつかる。
「責任はまだ果たせていない。集中して自分の力を全部出すだけ」。
大関復帰を決めた埼玉栄高の後輩の前に立ちはだかる覚悟を述べた。

■栃ノ心
かど番の栃ノ心は御嶽海に敗れて7敗目と後がなくなった。
手つき不十分などで3度目の立ち合い。
すでに集中力が切れていたのか、もろ差しを許してあっさりと土俵を割った。
「ちゃんと(手を)ついてたのに、なんで止められたのか、わからない。負けたのは俺が弱いからだけど」と嘆き節だった。

■貴景勝
妙義龍を下して10勝目を挙げ、現行制度で6人目(7度目)の大関復帰を決めた。
12日目での2桁白星到達で決定したのは最速。
1969年名古屋場所から「大関は連続2場所負け越しで関脇に降下、翌場所10勝以上した場合に大関に復帰できる」の規定となり、これで返り咲けたのは三重ノ海、貴ノ浪、武双山、栃東(2度)、栃ノ心。

■御嶽海
内容の良い白星で連敗を免れた。
栃ノ心にもろ差しを果たして一方的に寄り切り。
「良い立ち合いができた。あすにつながると思う」と自賛した。
3敗を守り、優勝争いでも踏みとどまったが、意識するのはあくまで「2桁白星」と強調。
その目標へあと1勝と迫って臨む残り3日は「白星がついてくればいいかな」。
どっしりと構えていた。

■朝乃山
過去1勝6敗だった大栄翔に突き落とされ、「足が出なかった」と反省。
4敗に後退して優勝も厳しくなり、「あしたから自分の相撲を取り切れるようにしたい」と気持ちを切り替えた。

■隠岐の海
明生を下して3敗を守り、優勝争いに踏みとどまる。
表情を引き締めたまま、問い掛けには「あしたです」と繰り返した。

■宝富士
初顔の炎鵬を下して3敗を守った。
小兵の素早い動きに惑わされることもなく、足を取りにきたところで両上手を引き、上からつぶすようにして仕留めた。
「崩されそうになっても落ち着いていた。見えていた」と納得顔だった。
6日目からの7連勝で優勝争いに加わっている。元関脇の32歳は「一番、一番に集中したい。精いっぱい取れればいい」と無心で残り3日に臨む。

■明生
隠岐の海に押し出されて3敗となり、並んでいたトップから後退。
「全部、駄目だった。攻める姿勢が足りない。(残り3日は)変わらず一生懸命やりたい」

■剣翔
優勝戦線に食らいついた。
東前頭10枚目佐田の海の出足をもろ手突きで止めると、すぐに引いてはたき込み。
前日の夜から考えていたという立ち合いが見事に成功し「イメージ通り、イメージ通りですね。まわしを取られたくなかった。決まって良かったです」と何度もうなずいた。
ヒール役を買って出ている。
「負けて喜ばれる相撲取りになりたいんです」。
場所前も場所中も相手の取り口を研究し、自身の「10種類ある」という立ち合いで対応する。
十両優勝した7月の名古屋場所では、剣翔に負けたとある十両力士が支度部屋で「本当にやりにくい相手なんですよ。何をするか全く読めない」と漏らしていた。
この日、支度部屋で剣翔は「相手が嫌がることを狙っています」ときっぱり話した。
新入幕の今場所は、敢闘賞が一つの目標だ。「最近新入幕で10勝なら敢闘賞は間違いないですよね? だから狙いたいなって…」。
確かに、3人の新入幕力士が10勝を挙げて11勝の碧山だけが敢闘賞を獲得した11年九州場所以降、夏場所の志摩ノ海まで10人連続で10勝以上の新入幕力士は敢闘賞を受賞している。
「まあ、運が良ければって感じで…。11番なら、間違いないですか?」。意欲満々の敢闘賞へ、逆質問が止まらなかった。

■豊山
昨年名古屋場所以来7場所ぶりの幕内勝ち越しを決めた。
千代翔馬に土俵際で体勢がのけぞるまで押し込まれたが、耐え抜いて逆転の引っ掛けを決めた。
「絶対に負けない、と必死でした。決まり手は何ですか? ひっかけ? 初めてですね」。
勝負が決まった後、土俵上でほえたが、それも覚えていないほど興奮状態だった。
「今場所からは、もう自分1人じゃない。そういう思いも力になっていると思います」。
場所前に結婚を発表、妻の存在も大きい。
角界入り当時からライバル視された同学年の朝乃山が、名古屋場所で初優勝。
度重なる負傷で伸び悩んできた大器が、ようやく復活ロードを歩み出した。

※冬巡業の日程
日本相撲協会は19日、冬巡業の日程を発表した。
昨年から6日減って計11日間。年間でも12日少ない79日となった。
日程は次の通り。
12月
▽ 1日 福岡県直方市
▽ 3日 山口県下関市
▽ 4日 熊本県人吉市
▽ 5日 福岡県うきは市
▽ 6日 大分市
▽ 7日 熊本県小国町
▽ 8日 鹿児島市
▽10日 長崎県諫早市
▽11日 佐賀市
▽14、15日 沖縄県うるま市

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/19
本場所 12日目 情報! 】
■貴景勝
大関復帰へあと1勝とした。
立ち合いで十分に押し込めなかったが、いなして右を深く差す形に。
まわしの結び目をつかんでの投げで大関に後ろを向かせて送り倒した。
「胸を借りるつもりで自分の攻めを出せたらいいと思った。頭と体が一致してくれた」。
思い通りではなくても動きの良さで白星を手にした。
2敗を守り、賜杯争いでは明生とトップを並走。
大きな節目も目前だが、「今場所で終わるわけではない。長い目で見て毎日、力を出し切ることが何年後かに生きてくる」。
残り4日も一日一番の姿勢は変わらない。

■北勝富士
年上の意地を見せつけた。
優勝争いに絡む西前頭2枚目朝乃山を押し出して5勝6敗。
のど輪と両ハズで朝乃山を完全に押し込み、土俵際で逃れようと横に動かれても慌てずに対応した。
北勝富士にとって朝乃山は同じ高砂一門で、巡業の支度部屋でも隣同士に座ることが多い。
手の内も知る相手に、この日は厳しい相撲を見せた。
「最後少し決めきれなかったけど、下から低くいけた。我慢して我慢して、圧力をかけられて良かった」と、淡々と振り返った。
初日に横綱白鵬から金星を獲得しながら、2日目から6連敗。
8日目の小結阿炎戦で納得の相撲を取り「あそこでしっかり気持ちを切り替えられたと思う」と、打って変わって4連勝中だ。
先場所は西の筆頭で9勝の好成績。誰もが認める上位力士だが、今場所は貴景勝の関脇陥落などにより三役復帰はかなわなかった。
劇団四季が大好きで、支度部屋では「ライオンキング」のバスタオルを使用。「お気に入り」というバスタオルを腰に巻きながら「1日一番、明日も集中していく」と、気を引き締めていた。

■朝乃山
北勝富士に圧力負けした。「押し込まれて慌ててしまった」と振り返ったように、得意の左上手を取れず苦しい展開に。
右はずからの突き落としは何とか残したものの、最後は無理にはたいたところで一気に出られた。
鶴竜から金星を挙げてから6連勝し、トップに並んだが1日で後退。
「きょうは硬かったかもしれない。次は楽にいきたい」と切り替えに努めた。

■明生
攻めて連敗を免れた。
右からおっつけられながらも圧力をかけて前進。
土俵際で右に回った石浦の動きをよく見ながら左を差すと、体を預けるように寄り切った。
2敗を守っても「負けられないとかは考えていない。思い切りやるしかない。今までもそう」と普段通りを貫いた。
11日目を終え、貴景勝と賜杯争いのトップに立つが「その意識はない」と冷静。
「実力はまだまだ。良い内容の相撲を取りたい」と地に足をつけて残り4日に臨む。

■炎鵬
2場所連続の勝ち越しに王手をかけた。
大関経験者の東前頭7枚目琴奨菊を破って、7勝4敗とした。
立ち合いすかさず潜り込んで左下手をつかむと、その下手で振りながら右前ミツ。
琴奨菊が体勢を立て直そうとしたタイミングで、素早く寄り切った。
テレビで見ていた遠い存在の力士から白星を奪い、実感が湧かない様子だった。
「まだ信じられない。不思議というか、まだ(勝利を)受け入れられていない」。
立ち合いからすぐに潜り込むことで、琴奨菊のがぶり寄りを封じたが「無我夢中で緊張していた。イメージ通りとかじゃなく、思い切っていっただけ」と、無心でつかんだ1勝だった。
勝ち越しに王手。
新入幕だった夏場所から名古屋場所にかけて、給金相撲で9連敗を喫したが、今場所は1発で決める覚悟だ。

■剣翔
連日、賜杯争いを引っ張る力士に待ったをかけた。
明生に続き、隠岐の海も撃破。
価値ある連勝で給金を直し、「ほっとした」と言葉に実感を込めた。
狙った左上手は引けなかったが、相手がおっつけたことで左がのぞき、すかさず肩透かしを引いて実力者を仕留めた。
持ち味は184センチ、175キロの体格を生かした力強い四つ相撲だが、「何でも思い切ってやる。良い相撲で負けるより、悪い相撲でも勝ちたい」と言い切るように、形にはこだわらない。
同じ日大出身の遠藤を筆頭に年下の大栄翔ら同部屋の力士が次々と幕内に上がる中で、腰痛に悩まされるなどし、新十両昇進から入幕まで3年半余りを要した。
その悔しさを晴らすかのように幕内の土俵で暴れている。
トップと1差の5人に名を連ね、自らが演出した混戦で主役に躍り出る可能性も出てきた。
「優勝を目標にできる位置にはいない。夢です」と強調しつつ、「何回か奇跡が重なれば」と色気も。
東前頭14枚目が、終盤戦でさらに注目を集める存在になった。

■豊山
大翔鵬を突き出しで下し、6勝目を挙げた。
白星二つ先行に表情も明るい。
「なかなか押し込めなかったが、体が動いていた。うまいこと反応した」と表情は明るかった。
「迷った」という立ち合いは右喉輪を選択し、大翔鵬の上体を起こした。
圧力をかけた相手に対し、回り込みながら攻め手を緩めない。
腕をよく伸ばしての突き、押しから突き出した。
相手をよく見て落ち着いて取り「いつもならそのままいくところで勝ち急がなかった」と勝因を挙げた。
調子はまだ良くないと感じているそうで「2、3発で持っていく気持ちいい相撲が取りたい」と終盤を見据えた。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/18
本場所 11日目 情報! 】
■御嶽海
御嶽海が際どい勝負を物にした。
玉鷲の圧力に引いてしまい、土俵際ではたいた際にまげをつかんだとして物言いがついたが、軍配通りに8勝目を手にした。
過去18勝2敗と得意にしている相手だからこそ「15日間で誰よりも緊張する」と言い、逆転勝ちを「体が動いていることが確認できた」と前向きに捉えた。
東関脇で勝ち越し、来場所は17場所連続の三役。
本人は今場所の2桁白星に視線を向け、「あと二つ勝てば目標が達成するので、それしか考えていない」と言い切った。

■貴景勝
貴景勝が正代を圧倒して8勝目を挙げた。
「まわしを取られたら勝てない。やるべきことをやった」。
両脇を締めて低い姿勢から何度も押し上げ、最後は左をはずに掛けて押し倒した。
大関復帰まで残り5日間で2勝とし、優勝争いでもトップに並んだ。
それでも姿勢はぶれずに「目の前の一番に集中したい。毎日全力を出し切ることが目標」と口元を引き締めた。

■朝乃山
朝乃山は得意の左上手にはこだわらず、志摩ノ海を圧倒した。
立ち合いで押し込んで右を差し、左からは抱えて前へ前へ。
「左が欲しかったが、あそこで止まったら負けと思った。迷わずに出た」と大きくうなずいた。
初の上位総当たりだった先場所は7勝8敗と負け越したが、今場所は10日目で給金を直した。
鶴竜、豪栄道、栃ノ心を破っている好内容を「前に出ているから相手が嫌がる相撲が取れている」と自己分析する。
三役未経験ながら、大器への評価は高まるばかり。
八角理事長(元横綱北勝海)は「必ず右四つ。分かっていても防ぎようがない」と形があることを強みとみる。
土俵下の藤島審判長(元大関武双山)は「優勝どうこうは別にして、上にいきそうな相撲っぷり」とスケールの大きさを認めた。
2敗でトップに5人が並ぶ中、自身と御嶽海、貴景勝が優勝経験者。
既に役力士との対戦を終えており有利にも見えるが、「ここからが勝負。何も考えず自分の相撲を取り切るだけ」。
攻めの姿勢を崩さなければ、2度目の賜杯は近づいてくる。

■明生
1敗だった明生と隠岐の海は共倒れ。
明生は2本差したが、強引な左下手投げを剣翔に右から打ち返された。
8日ぶりの黒星を喫し「簡単にまわしを取らせてしまった。悔しい」と反省した。

■豊山
豊山は力強い相撲で3連敗から立て直して3連勝とし、6勝目を挙げた。
白星を二つ先行させ「なかなか押し込めなかったが、体が動いていた。うまいこと反応した」と表情は明るかった。
「迷った」という立ち合いは右喉輪を選択し、大翔鵬の上体を起こした。圧力をかけた相手に対し、回り込みながら攻め手を緩めない。
腕をよく伸ばしての突き、押しから突き出した。
相手をよく見て落ち着いて取り「いつもならそのままいくところで勝ち急がなかった」と勝因を挙げた。
調子はまだ良くないと感じているそうで「2、3発で持っていく気持ちいい相撲が取りたい」と終盤を見据えた。

※錣山親方
技巧派力士だった元関脇逆鉾の井筒親方が16日午後9時11分、都内の病院で死去した。
58歳。鹿児島県出身。関係者によると、最近は、すい臓がんなどを患っていた。
葬儀は時津風一門葬として行われることが決定。
実弟の錣山親方は悲しみをこらえて相撲協会の業務を全うした。
あまりにも早過ぎる死だった。関係者によると、井筒親方は名古屋場所後に糖尿病が悪化。
検査ですい臓がんが発覚し8月下旬から都内の病院に入院していた。
秋場所は初日から休場。がんは肝臓にも転移し、数日前から容体が急変したという。
急逝から一夜明けた17日は、秋場所が行われている両国国技館が悲しみに包まれた。
井筒親方の実弟の錣山親方は正面入り口での入場券チェックを終えた後に取材に応じ、16日夜は長兄の福薗好政氏と一緒に息を引き取る場面に立ち会ったことを明かした。
「本人は頑張った。それを褒めてやるしかないです。最後まで顔を見られたことは幸せだった。井筒は親父の元に戻った」と気丈に話した。
日本相撲協会はこの日、緊急理事会を開き、横綱鶴竜ら井筒部屋の力士3人と床山1人は鏡山部屋の一時預かりとなることを承認した。
ただ、秋場所期間中は井筒部屋の名称が残り、新たな処遇は場所後に協議することになる。
関係者によると、鶴竜らの受け入れ先は同じ時津風一門の時津風部屋か追手風部屋が主な候補に挙がっているという。
実弟の錣山親方は二所ノ関一門の所属とあって、自身が後継者となる可能性には「うちは一門が違う」と述べた。
現役時代は技巧派のもろ差し名人だった井筒親方。
引退後は鶴竜を横綱に育てたのに加え、協会副理事も務めた。
一門は違えど、錣山親方も大相撲の発展を臨んでいる。「井筒ができなかった分も、少しでも協会のプラスになるように汗をかくしかないんじゃないですか」。
相撲に人生をささげた井筒親方の志は受け継がれていく。

※八角理事長
八角理事長(元横綱・北勝海)突然の訃報に接し、ただただ驚いております。
生前は、部屋の師匠として、横綱鶴竜を育てられました。
また、協会の副理事として、審判部副部長、巡業部副部長を歴任され、相撲道の継承と発展に尽力されました。
まだ50代と若く、さぞ、無念のことであったかと思います。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。と話していた。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/17
本場所 10日目 昼 情報! 】
■妙義龍
右ふくらはぎの肉離れで大相撲秋場所8日目から休場していた西前頭6枚目の妙義龍が11日目の18日から再出場することが17日決まった。

■豊ノ島
大相撲秋場所10日目の17日、西前頭14枚目の豊ノ島が日本相撲協会に「右アキレス腱付着部症、右アキレス腱周囲炎で2週間の安静および加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。
9日目まで1勝8敗と負け越しが決まっていた。
10日目に対戦が組まれていた錦木は不戦勝。
休場は幕下だった2018年初場所以来10度目。

※青狼
東十両12枚目の青狼も休場。
8日目に「急性胃腸炎」で休場し、10日目から再出場の予定だった。
9日目までは2勝6敗1休。
10日目の対戦相手、幕下若元春は不戦勝。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/17
本場所 10日目 情報! 】
■貴景勝
貴景勝が馬力自慢の玉鷲を破り、大関復帰まであと3勝とした。
相手をよく見ながら下から下から突き上げる攻めで押し切り、「あまり覚えていないが自分の相撲を取ろうと思った。当たりが強いし、負けないようにした」と振り返った。
全休明けの今場所は引く場面も目立って連敗もしたが、ここ2日は好内容。
賜杯争いでは1差で追う展開になっても「毎日、一生懸命やり切った先にある」。
2度目の優勝は意識せずに目の前の一番に集中する。

■朝乃山
朝乃山が驚異的な逆転で7勝目をつかんだ。
阿炎の突き押しにのけぞり、背中を取られかけたり、泳がされたりしても冷静だった。
左を差して攻めをこらえると、土俵際で右も入れて体勢を入れ替えて寄り切った。
柔らかさと腰の重さを存分に示した一番に「半身で残して落ち着いて取れた。体が動いてくれた」と納得した。
自己最高位の東前頭筆頭で負け越した先場所の反省もあり、勝ち越しに王手をかけても満足はしていない。
「一日一番しっかり自分の相撲を取りたい」と先を見据えた。

■隠岐の海
隠岐の海がよもやの形で初黒星を喫した。
竜電を押し込み、いなして横を向かせたまでは自分の流れだったが、左足が流れて土俵に横転。
「体も気持ちも良い感じだったけど」。悔いが残った一番に歯切れが悪かった。
周囲からの期待をいやが上にも感じていたと明かし、「そういうのを力にできるようにしていかないと。これも自分の弱さ」と受け止めた。
1敗で明生に並ばれたが、「プレッシャーに負けないように頑張りたい」と気を引き締め直した。

■明生
隠岐の海が敗れたことを、明生は風呂から上がって知った。
「並んだんすか?」。新入幕から1年余りの伏兵が、横綱不在の場所を引っ張る立場になった。
自己最速9日目での勝ち越しをかけた一番で、琴奨菊に頭からぶつかった。
馬力がある元大関に寄り立てられながらも落ち着いていた。
土俵際ですくい投げ。八角理事長を「力がある。動きがいい」とうならせた。
相撲部屋の多くが国技館の周辺に居を構える中、明生の立浪部屋は茨城県つくばみらい市にある。
往復で2時間。他の部屋は関取の多くが車で送迎されるが、明生は電車通勤だ。
「移動だけで疲れるから」と朝稽古は軽め。だから、場所中以外の稽古を大事にする。22日間あった夏巡業で土俵上の稽古を休んだのは1日だけ。
「普段は出稽古にいけないので、連合稽古や巡業でみんなと稽古をしないのはもったいない」
24歳の稽古ぶりは他の力士も認めるところ。横綱鶴竜は「一番やっていた。土俵の中だけでなく、外でもやっていた。また上がってくる」と評していた。
相撲が盛んな鹿児島・奄美群島にある、瀬戸内町の出身で、中学から入門して8年がたった。
地力はつきつつあるが、まだ賜杯争いには無欲だ。
「全然。考えずに一生懸命やるだけっす」。
そう言って、いつも通り、JR総武線の電車に乗り込んだ。

■豊ノ島
西前頭14枚目の豊ノ島が、5日目から5連敗を喫し、1勝8敗と負け越しが決まってしまった。
今場所初めて十両力士との対戦となった相手は、過去4度の対戦で全勝の西十両3枚目の若隆景。
右から張って125キロと軽量の相手の出足を止めた。
左右の動きにも対応し、相手と正対したが、得意の左を若隆景にうまく封じられ出足を止められた。
押っつけで上体を伸ばされ、最後は苦しい体勢から押し出された。
16年初場所以来の幕内勝ち越しは、またもお預け。
それ以上に痛手を負ったのは、右足のアキレス腱付近の痛みだ。
「たぶん大丈夫とは思うけど、押し込んで踏ん張った時、足首にちょっと嫌な音がしたんでね。あれで力が抜けた感じになった」。
場所前の稽古で右足首付近を痛め、満足に稽古できなかった。
それをかばっているうちに「元々よくなかった。蓄積された古傷とか」と話す、膝も悪化させた。
そして、この日のアクシデント。「軽い肉離れかもしれない。今のところ大丈夫っぽいけど、明日への影響がなければいいけどね…。たぶん大丈夫」と鼓舞するように話したが「明日になって(痛みが)でるかもしれない」と不安は隠せない。
負け越したことは「これだけやってれば負け越すこともある」と、さほど意に介さないが「納得いく相撲を取れていないのが一番のはがゆさ。
楽しんでやりたいけど思うようにいかない」現状が、胸のつかえになっている。ここは何とか踏ん張りどころだ。

※井筒親方
大相撲の元関脇逆鉾の井筒親方が16日夜、東京都内の病院で亡くなった。
58歳だった。井筒部屋の関係者が17日に明らかにした。
鹿児島県加治木町出身。1978年初場所で父の元関脇鶴ケ嶺が師匠の井筒部屋から初土俵を踏み、82年九州場所新入幕。
父譲りのもろ差しのうまさを生かして活躍し、幕内在位57場所。
関脇は12場所務めた。殊勲賞5回、技能賞4回受賞。金星は7個獲得。
長兄は元十両鶴嶺山、弟は元関脇寺尾で、井筒3兄弟としても知られた。
92年秋場所を最後に引退し、年寄春日山を襲名。
師匠定年後の94年4月に井筒に名跡変更して部屋を継承。横綱鶴竜を育てた。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/16
本場所 9日目 情報! 】
■鶴竜
3日続けて金星を配給した鶴竜が左膝の不調を訴えて中日から休場した。
白鵬も2日目から休場しており、4場所ぶりに横綱不在となった。
八角理事長(元横綱北勝海)は「けがだけに何とも言えないが、お客さんには本当に申し訳ない」と渋い表情を浮かべた。
2017年初場所からの17場所で横綱が全員皆勤したのは3場所だけ。
大関陣も振るわない状況が続いており、八角理事長は「今は過渡期でもあると思う。番付が下の者は必死になってやってほしい」と期待した。

■貴景勝
関脇御嶽海を一方的に押し出して6勝目(2敗)を挙げた。
取組後は「昨日(7日目)は自分が(相手の変化に)対応できなかった。
不完全燃焼に終わったので、一生懸命いこうと思った」と会心の相撲を振り返った。
1場所で大関に復帰するための条件は10勝。
残り7日間で4勝が必要となるが「(プロは)何勝何敗で判断される世界。星勘定はしてしまうけど、いかに邪念を捨てるか」と目の前の一番に集中する構えだ。

■遠藤
東前頭5枚目の千代大龍を破り、6勝2敗で前半戦を終えた。
優勝争いは全勝の隠岐の海、1敗の明生を、2敗の遠藤や朝乃山ら6人が追う展開となった。
遠藤は千代大龍の引きをこらえて逆襲。
下がらずに攻め、最後ははたき込みで仕留めた。
言葉は少なく、記者団に自分の相撲が取れているかと聞かれて「そうですね」とつぶやいた。
8場所ぶりに三役に返り咲いた28歳は動きがよく、相撲巧者ぶりを発揮。
大関豪栄道や関脇貴景勝を撃破するなど、好調をキープしたまま後半戦を迎える。
新小結だった昨年の夏場所は3勝10敗2休と振るわなかっただけに、三役定着に向け、これからが正念場だ。

■妙義龍
秋場所8日目の15日から休場した。
2敗目を喫した7日目の隠岐の海戦で痛め、日本相撲協会に「右下腿(かたい)三頭筋肉離れで約2週間の安静を要する見込み」との診断書を提出した。
8日目の対戦相手、宝富士は不戦勝。
妙義龍の休場は2017年九州場所以来で、通算8度目。

■隠岐の海
隠岐の海が初めて8連勝で勝ち越しを決めた。
馬力のある阿武咲に立ち合い負けせず、左を差して相手の動きを止めて前進。
最後は右の上手に手を掛け、体をぶつけるように寄った。
「給金前になると負けているイメージがあった。きょうはいい相撲。前に出ていればいい」と納得の口ぶりだった。
34歳のベテランは、単独トップを守っても一喜一憂はしない。
「ここで連敗したら(連勝がないのと)一緒になる。集中してやりたい。それ以上のことは考えていない」と気を引き締めた。

■明生
琴恵光を圧倒して1敗を守った。
普段よりも離れて仕切る相手を見て、変化されることも頭によぎったが、「自分の足腰を信じて前に出ようと思った」。
鋭く当たって下から押し上げ、土俵外へ追いやった。
全勝の隠岐の海を、ただ一人1差で追う立場になったが、「相撲の内容はまだまだ。これから長いので集中したい」。
勝負の後半戦へ気合を入れ直した。

※ゲストにラグビー元日本代表の五郎丸
NHK大相撲中継のゲストとして、ラグビー元日本代表の五郎丸歩(33=ヤマハ発動機)が出演した。
好きな力士として元横綱朝青龍を挙げ「素人が見て分かりやすくて楽しいのが印象的。相撲道とかを知っていくと違う見方ができるのかもしれないけど、入り口としては朝青龍は魅力的」と話した。
8日目に注目する取組としては、炎鵬戦を挙げ、「日本のラグビーが世界と闘うマインドがあり、取り組みをしている。楽しみです」とした。炎鵬は敗れてしまったが「立ち合いで逃げなかった。さすがだなと思いました」と感想を述べた。
結びの一番までゲストとして観戦し、大相撲に好感を持った様子。
「(生観戦は)音が聞こえるのがいいと思う。相撲という環境、イベントして工夫され、お客さんにしっかり感謝の気持ちが伝わっているんじゃないかと、一ファンとして思います。選手プロデュースのお弁当はユニークだなと思います」とした。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/15
本場所 中日 情報! 】
■鶴竜
大相撲の横綱鶴竜が秋場所8日目の15日、日本相撲協会に休場を届け出た。
5日目から3日連続で金星を配給していた。
鶴竜の休場は初場所以来で通算13度目。

■御嶽海
関脇御嶽海が平幕の正代を押し出しで下し、1敗をキープした。
立ち合い押し込まれてから、地力を発揮して逆転勝ちだ。
白鵬休場、鶴竜3連敗と両横綱が崩れ、不透明な優勝争いの中、2日目から6連勝。
「まだ全然」と言うが、8日目は貴景勝戦。勝てば、一気に“場所の主役”も交代、2度目の賜杯に接近する。
土俵際で回り込む正代を、御嶽海が追った。詰めを誤らず押し出した。
「冷静に取れてましたね。立ち合いは完璧に起こされちゃったけど、手が伸びていたから良かった」
合口は過去8勝7敗とほぼ五分。「大学時代から知ってる相手。一方的に勝つか、やられるか。初手が大事」と気をつけた初手をミスした。それでも、勝つ。
幕内後半の審判長・藤島親方が少し不満げに言った。
「相撲センスはピカイチ。だけど、惜しいね。たいした稽古もしてないのに、あの相撲がとれる。首根っこ捕まえて稽古をやらせたら、どこまで強くなるか。勝負度胸もいいし」
周囲から“場所相撲”と呼ばれる男は、やっぱり本場所で強い。
昨年名古屋場所で初優勝し、三役は歴代2位の連続16場所目。
2度目の賜杯を手にすれば、大関の座は急接近する。今場所は白鵬が休場、鶴竜が3連敗。
2敗の豪栄道を除き大関以上は総崩れで、絶好のチャンス到来だが「主役? いっぱいいるじゃん?」とマイペースを崩さない。
御嶽海が今場所の主役に推すのは大関復帰を狙う貴景勝で、8日目が大一番。勝てば、嫌でもV戦線の“主役”になる。

■貴景勝
貴景勝が千代大龍の注文相撲にあっけなく屈した。
踏み込みも甘く、頭を下げた体勢となって全く反応できず、「自分がまだまだ弱い。頭になくても対応できるようにしないといけない」と反省した。
初日から5連勝とし、1場所での大関復帰に必要な10勝の半分まで白星を手にした後に連敗。
前半戦は尻すぼみとなったが、「毎日一生懸命やっている。やり切れればいい」と自らを納得させるように話した。

■阿炎
阿炎が好調な遠藤との小結対決を制した。
うまさと柔らかさを生かした土俵際の逆転もある相手の動きをよく見て押し出し、「熱くならないようにしたから、最後も見えていた」と冷静に振り返った。
内容も伴って5勝目を挙げ、「相手がどうこうではなく、自分が好調で白星が伸びている」。
自信を深める前半戦となった。

■朝乃山
大相撲秋場所7日目の14日、西前頭2枚目の朝乃山は西前頭5枚目の竜電を下し、5勝目を挙げた。
相手に何もさせない力強い取り口で3連勝。25歳の大器は「何も考えず、自分の相撲を取り切ることだけを考えた」と納得の表情だった。
今年5月の夏場所で初優勝した富山の星が勢いづいてきた。
立ち合いで右を固めて得意の左上手をつかむと、右を差して前進。圧力をかけて一気に寄り切った。
重心が低く、身長188センチ、体重171キロの恵まれた体格を生かした見事な勝ちっぷり。
番付が下の相手に風格すら漂う完勝で「けんか四つなので、先に上手を取れたところが勝負だった。構わずに前に出た」と振り返った。
この日見せた右を固めながらの方法については「これからもっと伸ばしていきたい。失敗することがあるので、稽古するべきことの一つ」と向上心を示した。
6日目までに1横綱2大関を総なめにし、強さを存分に見せつけている。
場所前に患った左脚の蜂窩織炎の影響で満足な稽古ができなかったが、安定感のある内容で2敗を守った。
7日目に横綱鶴竜が3敗目、大関復帰を狙う関脇貴景勝が2敗目を喫し、優勝争いも混沌としてきた。
朝乃山の8日目の対戦相手は西前頭筆頭の碧山。
今後は番付が近い力士と当たり、追走していけば2度目の制覇も夢ではない。
「トップが一門の隠岐の海関なので追い掛けていきたいし、援護もしてきたい」。
三役昇進を目指す若武者は意欲を隠さず、前を見据えた。

■妙義龍
大相撲の西前頭6枚目妙義龍が秋場所8日目の15日、日本相撲協会に休場を届け出た。
8日目の対戦相手、宝富士は不戦勝となる。
妙義龍の休場は2017年九州場所以来で、通算8度目。
 
■隠岐の海
隠岐の海が好調のベテラン同士の一番を制した。
妙義龍に2本差されて寄られたが、土俵際でこらえて右からの小手投げで逆転。
初日からの連勝を自己最長の7に伸ばしても、「内容が良くない。目の前の勝負に勝っても、内容が伴わないと」と喜びは控えめだった。
賜杯争いで単独トップに立つ。「たまたま勝っているだけ。集中して頑張りたい」と気負いなく話した。

■豊ノ島
西前頭14枚目の豊ノ島が、今場所2度目の3連敗で1勝6敗と、16年初場所以来の幕内勝ち越しに苦しい状況に立たされた。
過去幕内で3勝2敗の同9枚目琴勇輝と対戦。
立ち合いで左ノド輪で押され後退。懸命に、その左腕をはね上げたが二の矢、三の矢の突きを、やはりノド元に受け防戦一方。
反撃の糸口さえつかめず、一気に突き出された。
この日が通算1300回出場(現役4位)の節目の土俵だったが「白星がほしかったな」とボヤいた。
相撲については「(相手の攻めを)残せない感じだった。
左を殺して正面に(自分を)置いて、突き押し相撲の対豊ノ島の手本のような相撲を取られた」と振り返った。
あとは、一方的な相撲で敗れた歯がゆさで、自分を責める言葉が続いた。
「36歳で最年長(関取)だと、自分を慰めている。それがダメなんだ。36歳なんか世間では若造。何してんだ若造が…という気持ちでやらないと。
我慢できる痛みなのに(場所前に)痛めた足を引きずっているのが嫌になる。みっともないし相撲を取るからには精いっぱい取らないとね」。
その気概があれば苦境は乗り切れそうだ。幕下陥落のことを思い出して、後半戦の土俵にベテランが臨む。

※勢
西十両12枚目勢が魁聖との“三役経験者の巨漢対決”を制し、5勝2敗とした。
身長194センチの自分より高い195センチの相手。
「今日は頭からいこうと決めていた。当たれなくても、相手が大きいんで捕まれたら不利になる」。
右の相四つ。先に巨体を抱えるように前に出た。寄り切れず、逆に左上手を許して寄られたが、土俵際で踏ん張って、逆転の肩すかしを決めた。
「最初は攻めきれず、体を起こされて胸を合わしてしまったけど、土俵際で踏ん張れた。やっぱり立ち合いがよければ、その後の2、3、4、5もよくなります」。
膝下に蜂窩織炎を患っていた左脚の状態も周囲に違和感を感じさせなくなり、口調も軽やかだった。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/14
本場所 7日目 昼 情報! 】
■鶴竜
横綱鶴竜が13日、平幕の大栄翔に押し出され、まさかの今場所2敗目。
鶴竜は前日12日も同じく平幕の朝乃山に土をつけられており、単なる連敗どころか2日連続金星配給の屈辱である。
今場所は白鵬が2日目から休場し、鶴竜はいきなり一人横綱の責任を背負わされた。
しかし、このまま負けが込むようなら休場してもおかしくない。
そうなれば、稀勢の里(現・荒磯親方)を含む3横綱が全員休場した、昨年11月以来の「横綱不在場所」の再現だ。
それどころか、「横綱空位時代」も危惧されている。
白鵬と鶴竜はともに34歳と高齢。
いずれもケガが多く、白鵬は両足と右腕のケガに悩まされ、鶴竜も右足、右腕、腰にバクダンを抱えている。
昨年から白鵬は7回、鶴竜は3回休場だ。
白鵬は親方になる資格として必要な日本国籍を取得。
いつ辞めても困らなくなった。鶴竜は腰の状態が今後を左右するだろう。
優勝した先場所前も腰痛に悩まされ、直前まで休場するか迷っていたほどだという。
いまのところ、横綱に昇進できそうな大関も見当たらない。
北勝海(現・八角理事長)が引退直後の1992年7月場所以来となる横綱空位時代が来る日は、そう遠くはなさそうだ。

※朝阪神
大相撲秋場所7日目の14日、西序二段31枚目の朝阪神が東序二段35枚目の大飛翔に寄り切られて4敗目を喫し、負け越しが決まった。
立ち合いから左四つになり、左からのすくい投げが不発。そのまま力なく寄り切られた。
「当たった流れでいきたかった。最初から組んでしまって、悪い癖が出てしまいました」
7月の名古屋場所で4勝3敗と勝ち越し、自己最高位で迎えたが、悔しい結果になった。
大阪・泉大津出身で祖父や両親の影響で幼少期から大の虎党だ。
阪神は、前日13日に中日相手に7−1と快勝し、クライマックスシリーズ進出へ望みをつないでいる。
朝阪神も「あと3番、全部勝ちたい。頑張ります」と前を向く。
矢野虎のように、最後まで諦めずに勝利を目指す。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/14
本場所 7日目 情報! 】
■鶴竜
大相撲秋場所6日目上位陣が総崩れの失態をさらした。
横綱鶴竜は引いて呼び込み大栄翔に押し出された。
2日連続の金星配給で2敗に後退し「立ち合いは悪くなかったが、決めるところで決めきれなかった」と声を絞り出した。

■栃ノ心
カド番大関栃ノ心が軍配差し違えで星を落とし、2勝4敗となった。
玉鷲に圧力に耐えきれず、土俵際ではたいた。
もの言いがつき、玉鷲の体が落ちるより先に自分の左足が着いたと判断された。
「微妙だった。軍配もどっちに上がったのか全然見えなかった」という。
「右差しが1度入ったんだけど…。(玉鷲が前に出るのを)ぎりぎりまで押さえてと思って、土俵に上がったけど(引くのが)ちょっと早かった」。
相撲の内容が悪いとあって、黒星を素直に受け止めた。
立ち合いで当たる強さは徐々に戻ってきた。
場所前に不安だった右膝、左肩も問題ないほどまで回復した。
ただ「立ち合いが、まだ高いよね」とこぼす。
膝に爆弾を抱える右足から、土俵下に落ちた。
「ドキッとしたよ。大丈夫で良かった。今日は“13日の金曜日”でしょ。嫌いなんだよな」。なかなか好転しない状況に愚痴がこぼれた。

■貴景勝
大相撲秋場所6日目今場所10勝すれば大関に復帰できる関脇貴景勝は、つき膝で小結遠藤に敗れて初黒星を喫した。
押し込まれた貴景勝が、土俵を掃くように右足首を小さく跳ね上げた。
次の瞬間、靱帯(じんたい)を損傷した右膝が「く」の字に折れ曲がる。
右を差していた遠藤に抱えられるように、膝から崩れ落ちた。
再び右膝を痛めたようにも見え、館内に「つき膝」とアナウンスされると、歓声とどよめきが交錯した。
日本相撲協会が定める相撲の技(決まり手)82手とは区別され、力士の落ち度で勝負がつく非技の一つ。貴景勝に初黒星がついた。
立ち合い。右の前まわしを狙った遠藤を突き放したが、すぐにはたいて後退した。
そのとき、貴景勝の右足と三役格行司、木村玉治郎の左足が接触したように見えた。
取組後、玉治郎は「足は乗ってもいないし触れてもいない」と否定したが、貴景勝は「ああいうコケかたはあまりしない。(右膝が)クッと入ってしまった」と違和感を口にした。
テレビ画面では、玉治郎が左足を強く引くと同時に貴景勝の右足が跳ね上がり、滑ったようにもみえる。
貴景勝にとっては苦い勝負のあや、となった。「攻め込めなかった。(勝負は)そんなに甘くはない。膝は大丈夫」と、落ち込む様子はみせなかった。

■遠藤
小結に返り咲いた遠藤が貴景勝の連勝を止めた。
右で狙った前まわしは取れなかったが、前傾姿勢を保って攻めると、相手につきひざ。
白星を五つ並べ、「よかった。集中できている」と満足そうに振り返った。
勝ちっ放しは平幕隠岐の海のみとなり、1敗に自身を含めて7人がいる混戦模様に。
八角理事長(元横綱北勝海)は「きょう勝ったのは自信がつくんじゃないか」といい、期待を寄せた。

■朝乃山
大関も狙える。大相撲秋場所5日目、幕内朝乃山が横綱鶴竜を一方的に寄り切って快勝。
3度目の横綱挑戦で初金星を挙げた。取組後は「うれしかったです。金星というよりも、横綱を相手に前に出て勝ったことが良かった」と喜んだ。
5月場所は平幕で初優勝。ドナルド・トランプ米大統領から表彰されたことでも注目を集めた。
しかし、自己最高位の東前頭筆頭で臨んだ7月場所は横綱との結びの一番をはじめ、強敵揃いの上位陣総当たりを初めて経験。
「初めてのことなので、部屋に戻ってくるとドーン!と疲れがくる。趣味の映画? 見る時間があったら寝ます。慣れないとダメですね」と戸惑った。
心身の疲労度は想像以上で7勝8敗と負け越した。
この日の金星で序盤戦は3勝2敗と白星が先行。朝乃山は「先場所は上位と当たって自分の相撲が取れなかった。今日は思い切りいこうと決めていた」と胸を張った。
上位の壁にはね返された経験は、間違いなく今場所に生きている。
関脇貴景勝を筆頭に突き押し相撲の若手が台頭する中、朝乃山のような四つ相撲の本格派は貴重な存在でもある。
日本相撲協会の八角理事長は「力をつけている印象。四つ相撲は上位で勝てるまでに時間がかかるが、一度力がつけば負けなくなる。三役というより、その上(大関)も狙える」と期待を寄せる。
朝乃山も初V以降は「看板力士になる」と公言。当面の目標となる新三役へ向けて「最後の金星にする? そういうふうに持っていきたい」と言い切った。

■大栄翔
大相撲秋場所6日目25歳の大栄翔が激しい突き、押しで鶴竜を撃破。
対横綱11戦目で初金星を挙げ「今までで一番うれしい。夢のようだ。自信になる一番」と余韻に浸った。
同じ時津風一門の鶴竜には場所前の連合稽古で胸を借りるなど、普段から稽古をつけてもらっている。
この日ははたきをこらえ、持ち味を存分に発揮。「無我夢中で覚えていない。相撲界でいう恩返しができて良かった」と声を弾ませた。
三役や三賞の経験がなくて地味な印象だが、埼玉栄高時代から期待されていた。
「今は三役に上がることが一番の目標」。殊勲の勝利を飛躍のきっかけとできるか。

■隠岐の海
隠岐の海が志摩ノ海を押し出し、自己最長に並ぶ初日からの6連勝。
大関復帰を目指す貴景勝に土がついたため、単独トップに立ち、「せっかくのチャンスだから雑にならないようにしたい。勝っている人にしか言えないから」と初賜杯への色気もちらつかせた。
序盤戦は白星にも納得していなかったが、しっかり当たって圧力をかけた内容に「きょうは気持ちが強かった。集中できていた」と口も滑らかだった。

■炎鵬
西前頭11枚目の炎鵬が大相撲秋場所6日目の13日、金沢市立西南部中の同級生で東前頭13枚目の輝を押し出し、1敗を守った。
燃える思いを全てぶつけた。168センチ、98キロの炎鵬が、24センチ高く65キロ重い輝を低く低く攻め立てる。
突きに迎撃されて懐に入れないとみるや、膝下まで頭を下げて右足をとりにいく。
慌てて後ろに下がった同級生のスキは逃さない。休まず攻めて、力強く押し出した。
「足をとりにいこうとしたときに、慌てていた。逆に冷静になって攻められました」
プロ入り後、初対戦だった7月の名古屋場所では押し倒されて悔しい黒星を喫した。
「前回とは全く違いました。固くなって自滅というか、一人相撲だった。きょうは冷静に、平常心で前に出ようと」。リベンジを果たして、胸を張った。

※行司玉治郎
大相撲秋場所6日目“玉治郎騒動”には続きがあった。
豪栄道−朝乃山の勝負がついたとき、行司の木村玉治郎は取組中にバランスを崩して土俵下に吹っ飛んでおり、軍配を上げられなかった。
土俵上の行司に事故があった場合には、控え行司がその代行をすることが定められている。
行司だまりの式守伊之助が一度は土俵に上がりかけたが、木村玉治郎が右の額を擦りむきながらも懸命に「朝乃山が勝ったように見えたから」と軍配を上げた。

※行司伊之助
立行司の第41代式守伊之助は結び前の栃ノ心−玉鷲で軍配差し違え。
打ち出し後に日本相撲協会の八角理事長に口頭で進退を伺い、「頑張ってください」と激励された。
立行司の軍配差し違えは平成28年初場所9日目の鶴竜−豪栄道での第40代式守伊之助以来。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/13
本場所 6日目 情報! 】
■鶴竜
鶴竜が朝乃山に金星を与えた。
先に左上手を許し、やや強引な投げで相手を呼び込んで墓穴。
「早く勝負をつけようとしたのがまずかった」と悔しがった。
白鵬が2日目から休場し、自身は5日目に初黒星。
混戦模様を呈してきたが、「もう一度、自分の相撲に集中するだけ」と己に言い聞かせた。

■豪栄道
3連敗中だった大栄翔を引き落として4勝目。
「体は動いていると思う。本当は右を差したいが、力をつけている相手だから簡単には差せない」と話した。

■栃ノ心
初顔だった友風の挑戦を退ける。
反則負けを喫した前日からの連敗は免れても、はたき込んでの白星の内容には納得がいかなかったようで「気持ちよく勝ちたい」。

■貴景勝
貴景勝は埼玉栄高の先輩、北勝富士を下し、大関に復帰できる2桁勝利まであと5勝とした。
強い当たりから押し込んだ後、はたいて劣勢となったが、左足だけで残しながら突き落とし。
「必死でやっているから分からない。いいといえばいいし、悪いといえば悪い」と独特の言い回しで振り返った。
右膝のけがの回復が遅れ、7月の名古屋場所を全休したことを考えれば、5連勝の序盤戦は上出来だろう。
「星勘定をしたら、自分の相撲が取れなくなる。毎日、自分の相撲をやり切るだけ」と先を見据えた。

■阿炎
白鵬の休場による不戦勝や、栃ノ心の反則負けで拾った白星で重ねた連勝が3で止まる。
「考え過ぎた。内容どうこうではなく、しっかり集中して臨まないといけない」と反省。

■朝乃山
横綱が相手でも、ひるまずに前へ出た。
25歳の朝乃山が鶴竜を破って初金星。
「自分の相撲を取れて勝ったことがうれしい」。積極的な姿勢が実り、幕内通算100勝目を感慨深い形で手にした。
立ち合いで得意の左上手をつかめず、逆に鶴竜に右の下手を許した。
それでも胸を合わせたまま前に圧力をかけた。
横綱の下手投げに乗じて左上手を奪ってさらに前進。
最後まで投げを打ってくる相手に屈せず、そのまま寄り切った。
「我慢して前に出たのが良かった」と振り返った。
夏場所で初優勝し、勢いに乗って鶴竜との初対戦に臨んだ名古屋場所では、肩透かしで黒星を喫していた。
「先場所は自分の相撲が取れなかった。前に、前にという相撲を信じてきて、今日みたいな相撲ができた」と胸を張る。
今場所も初日から御嶽海、栃ノ心と強敵に真っ向勝負で連勝したが、3日目は貴景勝にはたき込まれ、4日目は遠藤を土俵際まで追い詰めながら粘られて連敗。
「昨日みたいな取組はしたくない」と気持ちを切り替え、金星につなげた。
八角理事長は「前に出ようとしているところが強い。攻め続けているから上手が取れる。自信を持っているよね」とたたえた。
客席から舞う座布団は「気にならなかった」と冷静だったが、勝った直後の気持ちを問われると「うれしかった」と素直に笑みを浮かべた。

■友風
嘉風の引退を最も惜しんでいる一人が、日体大の後輩にも当たる友風だろう。
名古屋場所では、休場していた兄弟子からの助言も生かして11勝と躍進。
引退は「事前に知っていたことなので」と冷静に受け止め、「嘉風関の意志を継いで、これから2人分頑張りたい」と誓った。

■琴奨菊
35歳で、嘉風と同じ一門の琴奨菊は「もう一度、土俵で見たかった」としみじみ。
大関から陥落し、親身になって相談に乗ってもらったのが記憶に残っているという。

■隠岐の海
隠岐の海が琴勇輝をはたき込み、2016年秋場所以来となる初日からの5連勝。
相手には4連敗中だっただけに「リベンジできたのがうれしい」と喜ぶ一方、34歳のベテランは「内容がない。まだまだ調子は良くない」と反省することも忘れなかった。

■炎鵬
土俵際で大翔鵬を突き落とし、序盤戦を4勝1敗で乗り切る。
「勝てているのはいいが、修正すべきことはたくさんある」と気は緩めず。

■石浦
東前頭15枚目石浦が4勝1敗で序盤戦を終えた。
自分より16センチ高く、62キロ重い貴源治を、立ち合いで潜り、下から押し上げ、先手を奪い送り出した。
「朝稽古で若い衆相手にやったイメージでいきました」。
「最悪」という状態で場所に入り、好結果につなげている。
「いつもは調子が悪くても“状態はいい。体も動いてる”と言い聞かせてるんですが、今場所は“悪い”と認めて、考えながらやっているのがいいのかも」という。
調子を上げるため、取り入れた試みもある。
これまでの場所中は、疲れをとることを優先してきた。
今場所は取組後に帰宅して、まず荒川の土手に足を運んでダッシュ10本。
初動負荷理論で知られる都内のワールドウィングジムまで自転車で向かい、汗を流す。
従来は5日に1度のペースだったルーティンを連日こなす。
「相撲が終わった後の生活を大事にしようと思って。できることは何でもやってやるという感じです」と、貪欲に取り組んでいる。

※嘉風
大相撲の元関脇で、関取最年長37歳の西十両7枚目嘉風の現役引退が、秋場所5日目の12日に日本相撲協会から発表された。
年寄「中村」を襲名し、今後は部屋付き親方として後進の指導に当たる。
右膝のけがで7月の名古屋場所から休場が続き、復帰が見込めないことから、来場所での幕下への転落が決定的となっていた。
16日に引退会見に臨む。
師匠の尾車親方は「きのう、引退したいという連絡があった。自慢の力士で、どこに行っても褒められていた。真っすぐに攻める相撲を弟子に伝授してほしい」と述べた。
177センチと大きくはない体で正攻法を貫き、突き押しを軸とした激しい攻めで横綱、大関戦でも存在感を存分に示して人気を集めた。
33歳だった2016年初場所では、新入幕から59場所かけて新関脇に昇進。
金星は現役最多に並ぶ8個。秋場所で十両へ落ち、07年名古屋場所から守ってきた幕内の座を手放した。
日体大3年でアマチュア横綱に。学業を優先してプロ入りを控え、04年初場所に前相撲で初土俵を踏んだ。
05年名古屋場所新十両、06年初場所新入幕。三賞は10度(殊勲2、敢闘4、技能4)。

※尾車親方
師匠の尾車親方は11日に引退の意志を告げられたときのことを、「土俵で散りたかった、と悔しがっていた」と明かした。
後進の良い手本となることを期待し、「弟子を育てて、その悔しさを晴らせばいい」とねぎらった。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/12
本場所 5日目 情報! 】
■鶴竜
大相撲秋場所4日目横綱鶴竜は逸ノ城を肩透かしで下し、4連勝。
「どっしり構えられると嫌なので、とにかく動いて先に先にいけてよかった」と振り返った。
支度部屋を出ると、柔道五輪金メダリストの大野将平(旭化成)と握手。
同じ整体師に治療を受けている縁で知り合い、8月の柔道世界選手権を生観戦し、優勝を見届けた。
大野は「柔道界の横綱になれるように鶴竜さんから学びたい」と刺激を受けた様子だった。

■栃ノ心
大相撲秋場所4日目カド番大関の栃ノ心は反則負けで3敗目を喫した。
土俵際で阿炎をはたき込み、軍配は栃ノ心に上がったが、物言いがつき審判団が協議。
頭を押さえた左手がまげを引っ張ったと判定され、行司差し違えとなった。
取組後、映像を見た栃ノ心は「はっと思ってすぐに離したんだけどね…」と言い、自らの左手をたたいて悔しがった。

■貴景勝
大相撲秋場所4日目1場所での大関復帰を目指す貴景勝は鋭い踏み込みで当たって友風の上体を起こし、電車道で押し出して4連勝。
「悪くなかった。勝とうが負けようが今日は終わった。明日の相手に気持ちをつくっていけたら」と淡々としていた。
右膝負傷による2場所連続休場の影響で、場所前の稽古は関取との番数が少なかった。
八角理事長(元横綱北勝海)は「後半戦になるとどうなるか」と心配する一方「元気なうちに勝っておくことだ」とエールを送る。
大関復帰条件の10勝まであと6勝。
「上がれなくても腐らず頑張って上がっていけばいい。今場所に越したことはないけど、追い込まれている気持ちはない」と自然体で臨んでいる。

■阿炎
阿炎が幸運な星を拾った。
栃ノ心にいなされて前のめりに土俵を割ったが、相手がまげをつかんだとして物言いがついた。
行司差し違えでの白星に「負けたと思っていた。ついているってことじゃないですか」と笑った。
2日目の白鵬戦で不戦勝となってから3連勝。
「場所前に海でごみ拾いのボランティアをしたからかな。心もきれいになった」と上機嫌だった。

■遠藤
大相撲秋場所4日目人気の小結遠藤が、朝乃山を寄り切って3連勝。
5日までの序盤戦で3連勝するのは平成30年名古屋場所以来で、返り三役が好調な滑り出しをみせた。
勝機を待たない。自らつくる。けんか四つ。不十分の右四つになった遠藤が、寄られた土俵際で起死回生の巻き替え。
俵に乗った左足一本。もろ差しを果たした体を弓ぞりにして残し、逆転の寄り切り。返り三役が、3連勝と加速する。
「勝てたからよかった」。支度部屋では今場所も短い言葉しか口にしない。
だが、相撲を取り切っている充実感には「そうですね」とうなずいた。
結果的に組み負けたが、下手を取った右肘を張り、朝乃山に上手も下手も与えなかった。

■逸ノ城
大相撲の東前頭2枚目逸ノ城が秋場所5日目の12日、休場した。
4日目の横綱鶴竜戦で敗れた際に右肩を負傷。
取組後、土俵についた右肩について「コキッと外れた」と話し、両国国技館内の診療所で診察を受けていた。
逸ノ城の休場は、今年の夏場所以来3度目。
5日目の対戦相手だった玉鷲は不戦勝になる。
今場所、十両以上の休場は、横綱白鵬、大関高安、十両貴ノ富士、嘉風に続いて5人目。

■隠岐の海
隠岐の海は、宝富士を受け止め、うまく小手に振った。
平幕で唯一の4連勝。 本人は、「受けてしまっている。あれでいいか、と思っちゃう、そういう自分に勝てない」と反省を口にした。
20歳代の頃は幕内上位の常連で、190センチを超す体格で将来を期待された。
だが、体調不良で稽古が満足にできなくなった。そして、いま34歳。「正直きついし、昔に比べて今は弱い。けがもしていないのに相撲が怖い。でも、それを乗り越えたい」と話している。

■炎鵬
大相撲秋場所4日目炎鵬は松鳳山と1分を超える熱戦を繰り広げたが、初黒星を喫した。
右下手を引いて潜り込んだが、首を絞められるような体勢になり、動きを止められた。
尻が土俵につきそうなほどに腰を落として居反りを狙うも不発。
体をひねって再び反り技を試みたところを浴びせ倒された。
支度部屋では反省の弁を並べ「我慢が足りなかった。後手に回ってしまったのが良くなかった」と悔やんだ。
小兵の業師を苦手とする力士が多い中、対戦成績で3連勝とした松鳳山は「動き負けないようにと思った。明日は筋肉痛だな」と笑い飛ばした。

■松鳳山
35歳の松鳳山と24歳の炎鵬が1分を超える熱戦で館内を沸かせた。
激しい攻防の末に勝ち名乗りを受けた松鳳山は「お互いに負けたくない気持ちが出た」と振り返った。
俵伝いに回った相手に右の下手を許して食い付かれても、松鳳山は慌てなかった。
両腕で抱えて炎鵬の動きを止めると、肩越しに左上手を引いた。上から押しつぶすように攻め、98キロの相手がしゃがみ込んで繰り出してきた捨て身の反り技にも構わず、137キロの体で浴びせ倒した。
松鳳山は「大学の同期に居反りをするタイプがいて、昔はさんざん食らっていたから」と経験を生かしてにんまり。
動きの良さで白星を重ねてきた炎鵬は初黒星を喫し、「もうちょっと我慢してもよかったかもしれない。後手に回ってしまった」と反省しきりだった。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/11
本場所 4日目 情報! 】
■鶴竜
大相撲秋場所3日目2場所連続7度目の優勝を狙う横綱鶴竜は碧山を難なくはたき込み、初日から3連勝とした。

■栃ノ心
カド番の栃ノ心がようやく初勝利を挙げた。
北勝富士の攻めをいなしてしのぎ、右四つで胸が合えば大関十分の形。
強烈に引き付けて寄り、最後は体を預けて仕留めた。
勝ち名乗りを受けたのは夏場所14日目以来。「久しぶりに勝ったな。やっと水をおいしく飲めた」と勝利の味に浸った。
右膝に不安を抱えながら、いいところなく連敗を喫しただけに、自分らしい取り口で手にした白星を好転のきっかけにしたいところだ。

■貴景勝
大相撲秋場所3日目、貴景勝−朝乃山は熱戦を期待したが、意外に淡泊な相撲になった。
すべては朝乃山の立ち合いの失敗。初日、2日目と当たりながら左横みつをうまく取ったが、この日は考えすぎたのか左手ばかりに意識がいって、踏み込みも当たりもおろそかになってしまった。
貴景勝は相手の右差しに対し左を固めて、互いにはじく形になったが、手先だけで左を取りにいった朝乃山の腰が引けたことで、はたきが決まった。
朝乃山には悔いが残る負けだった。
貴景勝としては、はたいて勝ったのはらしいといえばらしい勝ち方でもあり、それだけ余裕も出てきた感じだ。
膝の不安は感じさせず、2桁はいけそうだが、いつ何が起こるかわからないのも相撲であることを忘れてはならない。

■遠藤
遠藤がうまさを見せて豪栄道を破り、白星を先行させた。
大関の左上手出し投げで振られながらも右下手を命綱にこらえ、肘を張って上手を切ると形勢逆転。
二本差して一気に寄り切り、「我慢してしっかりと取れた」と納得の口ぶりで振り返った。
これで豪栄道には夏場所から3連勝で、通算でも7勝6敗とリードした。
新小結だった昨年夏場所は右腕のけがもあって3勝10敗2休に終わった。
今場所はその時以来の三役復帰。「自分の相撲を取り切るだけ」と静かに闘志を燃やしている。

■炎鵬
炎鵬は、立ち合いで琴勇輝の指が右目に入りほぼ見えなかったという。
そんな状況でも激しい突きをこらえ、押し込まれても右へ回ってしのいだ。
最後は左を差し、右前まわしを引いて寄り切った一番を「何となくの感覚。俵を伝った記憶がない。気がついたら残っていた」と振り返った。
支度部屋に戻っても右目は充血し、まぶたは腫れたまま。
痛々しい姿でも3連勝には「勝負どころがしっかりつかめている」と納得していた。

※北の富士
大相撲秋場所初日、貴ノ富士の双子の弟、貴源治は千代丸に突き落とされて黒星発進。
「(立ち合いは)前に出ている。悪くはない。集中できています」と前を向いた。
NHKでテレビ解説を務めた北の富士勝昭氏は貴源治について、「稽古不足。すぐに分かる」とバッサリ。
場所前は二所ノ関一門の連合稽古に参加できず、同じ千賀ノ浦部屋の十両隆の勝と稽古を重ねた若手に、「何日の稽古じゃね。屁の突っ張りにもならない」と斬り捨てた。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/09/10
本場所 3日目 情報! 】
■鶴竜
白鵬が不在となった土俵で、鶴竜が綱の務めを果たした。
前日に金星を獲得していた北勝富士の勢いを止めて土俵を締め、連覇へ弾みをつける連勝スタートを切った。
初日の遠藤戦と同じように右から鋭く踏み込み、先手を取った。
「とにかくしっかり当たることだけを意識した」。二の矢の突きで相手を十分に起こすと、最後はタイミングよくはたいて仕留めた。
八角理事長(元横綱北勝海)も「圧力があるから余裕を持って取れる。しっかり地に足がついていた」と危なげない内容を褒めた。
怪我に悩まされることが多かったが、今場所前は順調。
時津風一門の連合稽古に一門外の北勝富士を呼んで手合わせしたことも、この日の快勝につながった。
大関陣は高安が休場し、残る豪栄道と栃ノ心はカド番。
ただ一人出場することになった横綱として、賜杯争いをリードする役割を一層求められる。
重圧が増しそうな状況にも「初めてじゃない。きょうはきょう。あしたはあした。自分の相撲に集中してやる」。泰然とした口ぶりも頼もしい。

■白鵬
白鵬が右手小指のけがで大相撲秋場所2日目から休場した。
優勝は歴代最多の42度を誇るが、平成最後の場所だった3月の春場所を最後に賜杯は抱けておらず、一時代を築いた34歳の第一人者に陰りが出てきた。
天性の柔軟性もあって、ほぼ故障知らずだった体に変化の兆候が表れたのは、横綱昇進後で初の休場となった4年前の秋場所。
ここからは徐々に休むことが増え、2年前の秋場所からは8度を数える。
1場所で複数の金星を与えるようになったのも30歳を超えてからだ。
怪我や年齢とも闘う中で全盛期の強さを失いつつある中、昨年九州場所では22歳だった貴景勝が、令和の幕開けとなった5月の夏場所には平成生まれの朝乃山がそれぞれ初優勝。
次世代の台頭が目立ってきた。
現役生活のめどにしている来夏の東京五輪が迫る状況で、新元号でも優勝したい思いは強いはず。
八角理事長(元横綱北勝海)は「しっかり治して来場所に臨んでほしい」と復活に期待を寄せた。

■豪栄道
苦手の逸ノ城を寄り切り、カド番で連勝スタート。
「初日、2日目ともに前に出られているのでいいんじゃないか」と手応えを口に。

■栃ノ心
カド番の栃ノ心は朝乃山に一方的に寄り切られて2連敗。
風呂場では悔しさを隠せず何度も叫び声を上げた。まげを直す際も表情は険しいまま。
内容を問われても「分からない」とぶっきらぼうに答えた。
関脇に転落した夏場所で10勝を挙げ、大関に復帰したが名古屋場所は右膝と左肩のけがで途中休場。
今場所前の稽古でも右膝の不安は拭えておらず、厳しい戦いが続きそうだ。

■御嶽海
大栄翔を土俵際の逆転で下して連敗を免れる。
内容には納得がいかず、「立ち合いは良かったけど。そのままいきたかった」。

■貴景勝
関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が、大関返り咲きへ吉兆だ。
前頭碧山を押し出して初日から2連勝。
右膝の負傷による休場から、再出場した夏場所8日目で敗れた相手に完勝した。
現行のかど番制度となった69年名古屋場所以降、1場所で復帰した5人6例ではいずれも連勝発進に成功。
データに後押しされながら10勝以上を目指す。2場所連続優勝を狙う鶴竜も連勝発進。横綱白鵬がこの日から休場した。
199キロの巨体を、ひたすら追いかけ回した。
もろ手突きで出足を止められたが、貴景勝は二の矢、三の矢を素早く繰り出す。
足を止めず、下からあてがうように懐へ。貴景勝の圧力に後退する碧山を、逃さずに仕留めた。
「(相手が)引いたら攻め込んでいく、そういう意識だった」。格の違いを見せつけたが、相撲内容の良しあしについて問われると「それは皆さんが決めること。自分で決めることじゃない」と、無粋な自己評価を嫌った。
因縁のある相手だった。碧山とは再出場した夏場所8日目で対戦。
変化であっけなく敗れ、大関として異例の再休場に追いやられた。そして今場所前に行われた先月31日の横綱審議委員会(横審)による稽古総見。
「けがした日から1日も忘れず、早くやりたいと思っていた。特別な感情があるわけじゃないが、手っ取り早くその相手とやった方がいい」と、申し合いで真っ先に指名して、電車道で完勝。
頭に引っかかる要素はすぐに取り除いた。
大関返り咲きへ光明が差す。現行のカド番制度となった69年の名古屋場所以降、大関から陥落した場所に出場して、連勝発進に成功した例は7人8例。
そのうち6例は復帰に成功しており、確率にして75%とムードは高まる。「自分のやるべきことをやれば勝てる確率は上がる。一生懸命やれていると思う」。
場所前には10勝どころか優勝を目標に掲げた。横綱白鵬が2日目から休場するなど大荒れ模様の今場所。完全復活を目指す23歳にも、そのチャンスは十分ある。

■北勝富士
鶴竜にはたき込まれ、白鵬に続く横綱連破はならず。
「押し相撲としては押し出されて負けるよりいい」と自らを納得させる。

■朝乃山
朝乃山が栃ノ心を圧倒した。しっかり踏み込んですぐに左上手を取り、引き付けて一気に寄った。
右の相四つの大関に何もさせず、「前に前に攻めようという気持ちしかなかった。上手を取らせずに休まずに攻め切れた」と自賛した。
場所前に左脚の蜂窩織炎を発症したが、その影響を感じさせずに連勝。
3日目は貴景勝戦。「押し相撲なので、しっかりと圧力をかけ、引かないようにしたい」とイメージした。

■玉鷲
千代大龍を一気に押し出す会心の内容に「本当に良かった。久しぶりにこんなにいい気持ち」。連勝発進は初優勝した初場所以来。

■豊ノ島
16年初場所以来となる、幕内勝ち越しを目指す西前頭14枚目の豊ノ島(36=時津風)が、連敗を喫した。
史上2位のスロー復帰となる30場所ぶりの再入幕を果たした同15枚目の東龍(32=玉ノ井)と対戦。得意の懐に入れず、頭をつけて互いに差し手を探り合う膠着状態から、得意の左が深く入った。
だが逆に、東龍に左上手を与えてしまった。攻め手をうかがったが、タイミング良く左から上手出し投げを打たれ土俵にはった。
場所前にアキレス腱に近い右足裏を痛めたことは、前日の取組後に明かしていた。
それでも動きに問題はなかったことで十分に相撲を取れる手応えは感じていたが、どうしても気になってしまうという。
「土俵に上がると全く気にならないんだけど、それまではどうしても気にしてしまう。ビビリながら取るのはよくない。
この2日間で不安なく取れているのは分かったから、もう少し楽しんで相撲を取らなきゃダメだね」と豊ノ島。
不安が頭をよぎることで「ちょっと動きに精彩を欠いているような気がする」(豊ノ島)状況だが、動きからは心配なさそう。
あとは気持ちの問題だけだろう。そこはベテランらしく、切り替えながら今場所初白星を目指す。

※台風15号
台風15号による首都圏の交通機関の乱れで、2日目の取組に影響が出た。
前日に開始時間を当初から30分繰り下げていたが、それでも複数の力士が遅れたため、計13番を後に回して対応した。
最初に組まれていた序ノ口の刃力は相手が遅れ、まわしをつけたまま2時間以上待ち、取組に敗れた。
それでも「こればかりは仕方ない」と割り切って話した。
本来より出番が早まることもあって、さらに混乱した。「準備運動はしていたが、いつ始まるか分からなかったので調整が難しかった」とこぼす力士もいた。
天候や交通事情が原因で、一部力士の取組順を遅らせたのは2016年初場所以来。
二子山部屋は埼玉県所沢市にあるが、ホテルに宿泊したため遅刻者はいなかった。



2019/09/09
本場所 2日目 情報! 】
■白鵬
大相撲の横綱白鵬関(宮城野部屋)が両国国技館で開かれている秋場所2日目の9日、日本相撲協会に休場を届け出た。
白鵬関は初日の8日、平幕の北勝富士関に完敗していた。9日目の対戦相手、小結阿炎関は不戦勝となる。



2019/09/09
本場所 2日目 情報! 】
■鶴竜
右喉輪で相手の上体を起こしてからタイミングのいいはたき込み。
「しっかり見て。だから引いたと思う。まず一つ、良かったなと。それだけ」と喜怒哀楽を出さずに振り返った。
目の前で白鵬が敗れても「何があっても自分の相撲に集中することだけ心掛けた」と心は乱れなかった。
場所前は「やろうと思ったことがやれた」と納得の調整ができており、集中力も高まっている。

■白鵬
白鵬が北勝富士に不覚を取り、2017年春場所以来となる初日黒星。
左から狙った張り差しは果たせず、小手に振るようにしたところで呼び込んで墓穴を掘った。
やや雑な取り口で完敗を喫し、下唇をかんで無念の表情。支度部屋では「見ての通り」と言うしかなかった。
横綱土俵入りでは太刀持ちに炎鵬、露払いに石浦と自身がスカウトした弟弟子を従え、念願を果たした。
日本国籍を取得し、意気込み十分で臨んだ初日は、好結果につながらなかった。

■高安
日本相撲協会は8日、大相撲秋場所を休場した大関高安の「左肘内側側副靱帯損傷」との診断書を公表した。
2日に約1カ月の加療を要すると診断された。

■貴景勝
貴景勝の相撲は、あの動きで十分と思わせる内容だった。
圧力もスピードもある押し相撲の大栄翔は、現状をはかる上で絶好の相手だ。
その大栄翔相手に、集中して取っているからこその動きを見せた。
引いた場面もあったが、いなしに体が泳ぎかけたところで踏ん張った。
あの残したところに、本人も手応えをつかんだんじゃないかな。
ケガ明けであれだけ残し、その後に攻め続けた。
この相撲を見る限り、不安はなさそうだ。ただ、今場所はまず初日の一番が終わっただけ。
今日の相撲を1番1番、貫いて積み重ねることで道は開ける。
大関復帰の10勝は考えず、御嶽海らを相手にしても無欲に取れるか。
ブレない精神面も、長丁場を乗り切る鍵になる。

■北勝富士
東前頭筆頭北勝富士が「心配ないさ〜♪」と横綱白鵬から金星を奪取した。
立ち合いで左張り手を食らったが、ひるまず、流れで右を深々と差し込むと一気に前へ。
倒れ込みながら寄り切った。「本当は差しちゃったのは良くない。ああなったら行くしかない。止まったらゲームオーバー」。白鵬から昨年初場所以来2個目の金星だ。
自称「劇団四季力士」である。自分と顔の似た芸人・富沢のいるサンドウィッチマンなどお笑い大好き力士だったが、昨年、ひょんなことでハマッた。
「全然興味なかったけど“チケットあるから行かない?”と誘われて」。行ってみて、生の迫力に大興奮。
リトルマーメイド、アラジンなど片っ端から足を運び、今や立派なヘビーリピーター。
お気に入りは「ライオンキング」で今場所前に6度目の観劇。主役シンバの有名なフレーズ「心配ないさ〜♪」とばかりに、通算6個目の金星に結びつけた。
「巡業で横綱(白鵬)に胸を出してもらい、重さや粘りを染みつけた部分はある。最近は“土俵際までは押せる”と自信になっていました」。
2日目も横綱鶴竜戦。土俵という舞台で、ライオンのように連続金星奪取を狙う。

■朝乃山
朝乃山が3度目の挑戦で御嶽海に初めて勝った。
左前まわしを引くと、これを嫌った相手の引きに乗じて一気の攻め。
5月の夏場所では、初優勝を決めた後の千秋楽に対戦。
トランプ米大統領の目の前で屈した難敵に好内容の白星で雪辱を果たし、「あと14日あるので、今日みたいな相撲を取りたい」と気をよくした。
土俵入り後には、東京での本場所初日恒例の優勝額除幕式にも臨んだ。
「これで終わりじゃない。1個だけでなく、何個も飾れるようになりたい」と活躍を誓った。

■炎鵬
西前頭11枚目炎鵬が見事な逆転劇で白星発進だ。東同11枚目阿武咲を土俵際のすくい投げで破った。
人気力士の大逆転劇に館内は万雷の拍手に包まれた。
体重98キロの炎鵬は、自身より61キロも重い阿武咲に攻め込まれたが、土俵際の鮮やかな左すくい投げで裏返した。
アマチュア時代から含めて4度目の対戦で初白星。
「ひとつ進歩した証拠だと思う」と、うなずいた。
取組前には「そっちの方が緊張した」という、兄弟子白鵬の横綱土俵入りの太刀持ちを務めた。
本場所の露払いの経験はあるが、太刀持ちは初めて。
この日は、自身と同じ白鵬の内弟子石浦が露払いを務め、本場所の土俵入りで初めてこの3人がそろった。
大役を務めた炎鵬は「(腕が)疲れました」と冗談で笑わせながらも、「鳥肌が立って泣きそうになった」と感慨深げだった。
残念ながら白鵬と石浦は黒星だったが、炎鵬は白星発進。
2日目以降に向け、「自分のやるべきことをしっかりやって、頑張りたい」と気を引き締め直した。

■豊ノ島
6年初場所以来となる、幕内での勝ち越しを目指す西前頭14枚目の豊ノ島が、黒星発進にも好感触を得た。
新入幕で東前頭14枚目の剣翔と対戦。
もろ差し狙いも懐に入れず、距離が開いた攻防で劣勢となり寄り切られた。
「(中に)入ると決めていたのに、はじいて行こうかとか、前みつを取りに行こうかとか、迷ったのがダメだった」と立ち合いの迷いを敗因に挙げた。
十両時代の今年初場所では、軍配は自分に上がったが物言いがつき取り直し。
仕切り直しの一番は寄り切りで勝っていたが、初の幕内対戦で土をつけられ悔しい黒星発進となった。
もっとも場所前の状態を考えれば悪くはない内容だ。
初日まで1週間を切った稽古中に足を痛めた。幸い腫れと炎症で大事には至らず。
それでも満足な稽古は出来ず「ぶっつけ本番だった」という。
そんな手探りの状況で、この一番では相手のいなしに足がついていき、右から得意の肩透かしを引くなど不満を払拭する動きに「足を気にすることなく相撲を取れた。全然、動けるということを確認できた。明日から思い切っていける」と手応えをつかんだ一番だった。

※台風の影響のため大相撲は取組開始30分遅れ
台風15号の接近を受け、日本相撲協会は9日の秋場所2日目(東京・国技館)の取組開始時間を午前8時40分から同9時10分に遅らせると発表した。
開場は変わらず午前8時。午後6時の打ち出し(取組終了)も変えない予定で、仕切り時間を短縮して対応する。
協会関係者によると、取組開始を遅らせるのは極めて異例。
午後6時の打ち出しが定着する前の1961年に、台風の影響で全取組を午後4時半に終えた例があり、この際は4分の仕切り時間を2分に短縮したという。



2019/09/08
本場所 初日 情報! 】
■鶴竜
鶴竜は2場所連続7度目の優勝を目指す。
「しっかり自信を持ってやりたい」と前向きだった。
7日は土俵祭と優勝額贈呈式が行われ、7月の名古屋場所で6回目の優勝を果たした横綱鶴竜に毎日新聞社から優勝額が贈られた。

■白鵬
大相撲史上最多の42回の優勝を誇る、横綱白鵬が9月3日、ついに日本国籍を取得。
引退後、親方として日本相撲協会に残る資格を得た。
「白鵬は、6月にモンゴル国籍離脱を承認されていました。昨年4月、父親であるムンフバトさんが76歳で死去しており、これまで帰化できなかったのは、メキシコ五輪の銀メダリストで祖国モンゴルの英雄でもあるムンフバトさんの強い反対があったためだと言われています」
ただし、最多優勝記録持つ白鵬を、史上最強の横綱であると評価する相撲記者は意外にも少ない。
「それは、八百長疑惑が絶えないモンゴル人力士の組織である“互助会”と白鵬が、深い関わりを持っていたからです。白鵬の天才的な素質は認めるが、実績は割り引いて考える必要があると、関係者は皆、考えているんです」
とはいえ、白鵬の社交的な性格や知識欲、流暢な日本語に脱帽するファンは少なくない。
「白鵬の野望はもちろん、協会のトップに立つこと。外国出身力士が協会幹部になったことはありませんが、自身にはこれまで、角界の屋台骨を支えてきたという自負がある。引退後は当然、それにふさわしい地位を要求するでしょう。協会サイドも、戦々恐々の状態です」
“モンゴル互助会”は今も機能しているという。当然、世話になった日本人力士も多くいる中で、次はトップというモチベーションを持った時、その力を使わない手はないだろう。

■貴景勝
7日は東京都墨田区の両国国技館で土俵祭りが行われ、三役以上の力士らが15日間の安全を祈願した。
10勝すれば1場所での大関復帰を決められる関脇貴景勝は“脱ニート”の2桁白星をあげるため、スタートダッシュを誓った。
十分、休んだ。ようやく戦いの場へ舞い戻る。10勝以上がノルマの大関復帰をかけ、貴景勝が“脱ニート宣言”で気合を入れ直した。
「長かった。(リハビリ中の)4カ月間、フラストレーションはたまっている。今までは仕事をしていない、“ニート”みたいなもの。戦うことが仕事ですから。自分で毎日高めていければ、勝てる相撲がとれる」
5月の夏場所で右膝靱帯などを損傷して途中休場。
カド番で迎えた7月の名古屋場所は全休して関脇に転落し、夏巡業も回避した。
その間は食生活を見つめ直し、この日参加した土俵祭りでは静かに闘志を高めた。
現行のかど番制度となった昭和44年名古屋場所以降、1場所で大関返り咲きを果たした6例はいずれも初日から2連勝以上している。
「いいスタートを切れたらいい。やることをピックアップして戦いたい」。初日から連勝街道を突き進み、一気に流れをつかむ構えだ。
初日の相手で、母校・埼玉栄高の先輩でもある平幕の大栄翔戦に向けて「気持ちで負けたら負け」。試練の15連勤が始まる。

■朝乃山
大相撲秋場所は8日、東京都両国国技館で初日を迎える。
7日は土俵祭と優勝額贈呈式が行われ、令和最初の本場所となった5月の夏場所で初優勝した平幕の朝乃山へ毎日新聞社から優勝額が贈られた。
大相撲秋場所初日を翌日に控えた7日、東京都両国国技館に新たに掲げられる優勝額の贈呈が行われた。
5月の夏場所で初優勝した朝乃山は7月の名古屋場所優勝の鶴竜と出席。
「これが国技館に飾られるのはうれしい。あと1回じゃなく何回も優勝したい」と喜びを口にした。
名古屋場所は自己最高位の東前頭筆頭で7勝8敗と負け越しており、「今場所こそ」の思いは強い。
8月末に左脚の蜂窩織炎を発症したというが、夏巡業では十分に稽古を積んだ。
「やれることはやってきた。自分の相撲を取ることに集中したい」と意気込んだ。

※秋九初春夏名
貴源治         ※千代丸
豊 山 3●×××…… 1栃煌山
石 浦  初顔合わせ   東 龍
剣 翔  初顔合わせ   豊ノ島
 輝  5××××○● 5錦 木
松鳳山 0………×●● 2大翔鵬
阿武咲 1…………○× 0炎 鵬
佐田海 2…●○××× 1明 生
照 強 1……………○ 0琴勇輝
宝富士 1……×××× 0琴恵光
琴奨菊16×○○●○× 8隠岐海
志摩海 0…………×● 1妙義龍
千代大 1×○●××× 1竜 電
玉 鷲 8××○●×● 4正 代
阿 炎  初顔合わせ   友 風
大栄翔 1×××●×× 2貴景勝
御嶽海 2××××○○ 0朝乃山
栃ノ心15○○×○○× 5逸ノ城
碧 山 3××●×●●22豪栄道
北勝富 1××●●×● 5白 鵬
鶴 竜11○××○○○ 2遠 藤



2019/09/07
本場所 1日前 情報! 】
■鶴竜
鶴竜は5日に時津風部屋に出稽古に行き、場所前の本格的な稽古を終えた。
最近はけがに悩まされることもあったが、今は万全。
「順調にやってこられた。疲れるぐらい」と笑顔を見せた。
2場所連続優勝に向け、不安要素は見当たらない。

■白鵬
白鵬は6日、宮城野部屋で場所前仕上げの稽古を行った。
若い衆相手に立ち合いの踏み込みなどを確認。
動きにキレがあり、「何年か前の速さがある気がするね」と満足そうにうなずいた。
3日に日本国籍を取得したばかり。日本人として初めて臨む本場所で3場所ぶり43度目の優勝を狙う。

■高安
大相撲の東大関高安が左肘の負傷のため、秋場所を全休することが6日、明らかになった。
11月の九州場所は3度目のカド番になる。
6日午前に東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で四股やすり足などで汗を流した。
稽古後に「万全な状態で取れないのが一番。しっかりと切り替えて九州場所へ向かっていく」と語った。
場所後の秋巡業への参加は未定。
  高安は7月の名古屋場所で左肘を痛め、勝ち越してから休場した。
夏巡業を全休し、8月31日の横綱審議委員会による稽古総見でも相撲を取らず、今場所への調整が不安視されていた。
休場は2場所連続6度目となる。
田子ノ浦親方は「(肘には)いろんな角度からの攻めがある。まずは相撲に耐えられる体に戻さなければならない」と話した。
左肘は内側側副靱帯損傷で全治は1カ月程度と診断されたという。

■豪栄道
右肩痛で先場所途中休場した豪栄道は、出稽古などで精力的に番数をこなしてきた。

■栃ノ心
栃ノ心は古傷の右膝が気がかりで、満足に稽古ができなかった。

■貴景勝
大相撲秋場所を控えた5日、大関復帰を目指す関脇貴景勝が東京都台東区の部屋で場所前の稽古を打ち上げた。
この日は立ち合いの踏み込みの確認やぶつかり稽古で胸を出すなどして汗を流した。
7月場所は右ヒザの故障で全休し、大関から関脇へ陥落。
その後はリハビリと治療を優先し、場所前の関取衆との稽古は合計15番にとどまった。
実戦的な稽古の不足が不安視される中、貴景勝は「(調整は)順調だと思います。あとはコンディショニング。自分の100%の状態に持っていく。(場所前の稽古内容に)全然不安はない」ときっぱり。
大関復帰の条件となる10勝へ向けて「大関に戻るという気持ち。つかみたいと思っています」と意気込んだ。
本番直前になって部屋は激震に見舞われた。十両貴ノ富士が付け人の序二段力士に暴力を振るっていたことが発覚。
この日は日本相撲協会のコンプライアンス委員会が暴力行為の目撃者とみられる部屋の若手力士から都内で約1時間半にわたって聞き取りを行った。
同委員会による調査は秋場所期間中も行われる予定で、落ち着かない日々が続くことになる。
それでも貴景勝は「(部屋として)なかなか難しいけど、自分に影響は全くない。自分はやるべきことをやるだけ。相撲に集中する」と言い切った。
昨年9月場所後に前師匠の貴乃花親方が相撲協会を退職し、貴景勝は千賀ノ浦部屋へ移籍。翌11月場所では慣れない環境の中で初優勝を果たしている。

※嘉風
大相撲秋場所の元関脇で現役関取最年長の西十両7枚目嘉風(37)=尾車部屋=が、現役を引退することが6日、決定的となった。
日本相撲協会は同日、秋場所(8日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、初日と2日目の取組を決めたが、右膝を痛めている嘉風は7月の名古屋場所に続き、2場所連続休場となった。
11月の九州場所(10日初日、福岡国際センター)では幕下転落が確実で、16年間の現役生活に別れを告げる。
平成の土俵を彩り、いぶし銀の輝きを放った嘉風が土俵に別れを告げようとしている。
協会はこの日、取組編成会議を開き初日と2日目の取組を発表。
右膝を痛めている嘉風は名古屋場所に続き2場所連続休場となった。師匠の尾車親方は途中出場を否定し、11月の九州場所では幕下転落が確実となった。
177センチ、148キロの嘉風はともに幕内平均を下回る体格ながら、きっぷのいい、激しい取り口が魅力。平成27年秋場所では平幕で史上初となる2度目の「2横綱2大関」を撃破。
平成29年秋場所では、昭和生まれの力士では最年長の関脇昇進を果たした。
現役最多8個の金星獲得など実績もあり、同親方は「あそこまでやった男。(進退は)本人の決断に任せる」とした。
6月に右膝靱帯を痛め、手術を受けた。幕内在位79場所目だった名古屋場所を休場。
秋場所では平成19年夏場所以来、12年ぶりに十両へ転落した。現在も病院でリハビリにつとめ、自力歩行はできるが、症状はさらに深刻化しているという。
関係者によれば、嘉風は幕下以下で現役を継続することには否定的な意向を示している。
尾車親方も「17歳から(幕内へ)上がってくるには1、2年かかる。40歳になっちゃうよ」とした。
嘉風はすでに、年寄名跡「中村」を取得している。
 
※ユーチューバー・はじめしゃちょー、大相撲で初懸賞
日本相撲協会は6日、秋場所の懸賞を明らかにし、力士指定では、10勝すれば大関へ復帰できる関脇貴景勝が193本でトップ。
関脇御嶽海が126本、再小結遠藤が113本で続いた。
また、人気ユーチューバー「はじめしゃちょー」が、同郷の富山県出身の平幕朝乃山の取組に15日間通しで懸けた。
ユーチューバーによる懸賞は初。個人名での申し込みはできないため、会社名の「ハジメーン」とされた。
今場所から1本当たり8000円値上げされ、1本7万円(手取り3万円)となった。
今回、相撲協会からはじめしゃちょーさんに対し、放映権などの関係で土俵上を回る懸賞旗の動画をユーチューブに投稿しないでほしい、と伝え、了承を得たという。



2019/09/06
本場所 2日前 情報! 】
■高安
大相撲の大関高安が秋場所を休場する見通しとなった。
7月の名古屋場所で左肘じん帯を断裂。
秋場所取組編成会議の前日となった5日は東京都江戸川区の田子ノ浦部屋の朝稽古に姿を現し、幕下以下の力士にぶつかり稽古で胸を出したり、ダンベルを使った運動などで終えた。
秋場所に出場するか否かについては師匠の田子ノ浦親方と話し合ってから決めることになるが、負傷後は一度も相撲を取る稽古ができていないため、休場が濃厚な状況だ。
高安は左肘の状態について「痛みはほとんどないが、サポーターをつけないと不安感がある。完璧に治っていない。6〜7割」と説明。その上で「(左腕の)筋力が戻ってないとケガの再発につながる。筋力を戻すのが大事。まわしを取って力強い相撲が取れるまでは、しっかり治療しないといけない」と話した。

■貴景勝
大相撲の秋場所で大関復帰を目指す関脇貴景勝が5日、東京都台東区の同部屋で場所前の稽古を打ち上げ、「あとはコンディショニング。100%の力を出せる状態にもっていく。順調」と本場所へ気持ちを高めた。
この日は基礎運動中心のメニューを消化。
場所前の関取衆との相撲を取る稽古は合計15番に終わったが、横綱審議委員会の稽古総見で本土俵にも上がり「始まる前に経験できて良かった」という。
師匠の千賀ノ浦親方は「出場?もちろん。いい成績を残せたらいいが、ケガしないのが一番」と期待を込めた。
秋場所10勝以上で大関に復帰できる。
「つかみたいという気持ち。10番が甘くないことは分かっている」。
同部屋の十両貴ノ富士の不祥事が発覚したが「自分に影響は全くない。自分がやるべきことをやればいい」と3日後に迫る戦いへ集中していた。

■遠藤
8月31日に一般公開された横綱審議委員会による稽古総見。
遠藤が東京都両国国技館の土俵へと姿を現すと、大声援が飛んだ。
鶴竜には5戦全敗でも、他の力士とは5勝1敗。
貴景勝を相手に、素早く前まわしを引く持ち前のうまさも見せた。
3場所ぶりに勝ち越した名古屋場所。「ただただ疲れたが、それだけ充実していた」と振り返る。
10勝目を挙げた千秋楽は北勝富士との熱戦。苦しい体勢から反撃して懸命に寄り切り、15日間を通じて奮闘ぶりは光った。
普段は物静かな遠藤が見せた気迫は、師匠の追手風親方が長らく求めていたものだった。
「これまでは勝っても負けても淡々としていた。気持ちを出せるようになったのはいいこと」と述べ、28歳の飛躍の兆しを感じ取る。
膝などに古傷を抱える中、地道に稽古を重ねる姿勢は変わらない。
弟弟子の剣翔は日大時代から先輩の背中を追い「毎日1時間も2時間も四股を踏み続けるなんて僕にはできない」。
日本相撲協会の八角理事長も「足腰がしっかりしているからこそ、大きくない体で上位で10勝できた。それには稽古の裏付けがある」と言う。
新小結だった昨年夏場所は右腕を痛めて不完全燃焼に終わった。
「応援してよかったと思える相撲、自分らしい相撲を取りたい」と臨む秋場所。
序盤戦から土俵を盛り上げる覚悟だ。

■友風
友風が入幕4場所目で西前頭3枚目まで上がってきた。
先場所は横綱初挑戦で鶴竜から金星を挙げるなどし、11勝4敗で殊勲賞も獲得。
今場所は横綱、大関との総当たりが予想され、「楽しみ。せっかくの機会なので、勝っても負けても良い相撲を取りたい」と静かに意気込む。
昨年の秋場所は幕下だったが、1年間で大きく飛躍した。
威力のある突き押しに、思い切りの良いはたきも交えて攻めの姿勢を貫いてきた。
番付を上げるごとに環境が変わっていくこともモチベーションにし、「対戦相手、懸賞、場所入りの時間、土俵入りの位置だって違う。それが楽しみ」と笑顔を見せる。
24歳で今後を期待される若手の一人。
「ベテランの方は強いし、地力もある。経験値だって違う。世代交代していけるように頑張らないと」と意欲たっぷりに話す。
夏巡業では横綱白鵬の胸も借り、「強さを肌で感じられた」と収穫を得た。
自身の出世ぶりを「大学の時はここまで来られるような器じゃなかった」と振り返りつつ、兄弟子で日体大の先輩でもある嘉風から受けた「ここで満足するな」との助言を胸にさらに上を目指す。
先週の稽古で左肩を痛めたが、「大したことはない」と言い切る。
上位にぶち当たっていく秋場所へ向け「良い相撲を取って、後悔のない場所にしたい」と誓っている。

■大栄翔
大栄翔の目の色が違う。
夏巡業から積極的に土俵に上がり、秋場所が近づいてもペースを緩めない。
2日に行われた時津風一門の連合稽古では、幕内14人の中で最多の20番。懸ける思いの強さが表れた。
西前頭3枚目だった名古屋場所を8勝7敗で終え、4場所続けての幕内上位。
横綱大関戦が組まれる番付でも安定して結果を残せるようになり、三役の座を「あと少しのところ」と捉える。
幕下の頃に四つ相撲から突き押しへ変えた。回転のいい突っ張りがすっかり板についた一方で、はたきやいなしが「体に染みついてしまっている」。
無意識に引いて墓穴を掘る欠点を自覚し、番数を重ねて克服に努める。連合稽古でも鶴竜や北勝富士らを相手に、劣勢になっても攻める姿勢を貫いた。
15日間を通じて集中力を保つことも課題の一つ。師匠の追手風親方は「もう一番勝てば、というところでいつも負けていた。そこが遠藤とは違う」と指摘する。
ただ今回は厳しい稽古で自信を得たことで、ひと皮むける可能性を感じさせる。
2015年秋場所に新入幕を果たしてから4年がたった。同じ25歳の朝乃山が夏場所で優勝するなどし、「同世代には負けたくない」との思いもある。
近くて遠かった三役を目指し、生まれ変わる決意で臨む。
 
■照強
8日に東京都両国国技館で初日を迎える大相撲秋場所で、南あわじ市は同市出身の照強の取組に合わせ、懸賞幕を掲げる。
応援と同市のPRのためで、これまで大相撲で自治体が懸賞幕を掲げたのは数例しかないという。
懸賞幕は縦1.2m、横0.7mで、市章の青色を背景に使った。制作費は約6万円。
ほかにも懸賞金1本7万円を15日間出すため、費用は計約110万円という。
照強の取組前に懸賞幕が土俵を回り、その際に場内では「淡路島たまねぎ最高!南あわじ市」とのキャッチフレーズが流れる。
照強は阪神・淡路大震災が起きた1995年1月17日に生まれたことで知られ、今年の春場所で新入幕を果たした。
7月の名古屋場所では12勝を挙げ、敢闘賞を受賞。同市は、特産品などをPRする「ふるさと応援大使」に任命している。

■炎鵬
大相撲秋場所が8日に東京都両国国技館で初日を迎える。
金沢市出身で、自己最高位の西前頭11枚目で臨む炎鵬がこのほど、スポーツ報知の取材に応じた。
人気の小兵力士は、7月の名古屋場所で幕内初の勝ち越しを決めるとともに、初の三賞となる技能賞を受賞。
今夏の甲子園で準優勝した同郷・星稜高の活躍を刺激に、さらに相撲を磨き故郷にいい知らせを届けることを誓った。
身長168cmで、体重は関取最軽量98kgの炎鵬。
小さな体でけがも抱える中、懸命に大型力士に立ち向かう姿がファンの胸を打ち、人気はうなぎ登りだ。
館内からは幕内トップクラスの声援を浴びる。照れながらも真っすぐな目で思いを語った。
「本当にありがたい。でも力士なので、実力で名を上げるのがうれしいこと。しっかり力をつけたい」
自身は満足していないが、結果が人気に追いついてきた。
7月の名古屋場所は9勝6敗と幕内2場所目で初の勝ち越し。
新入幕だった5月の夏場所では右足を負傷した影響などで、勝ち越しに王手をかけながら、終盤の6連敗で負け越した。
名古屋でも終盤に右足首を負傷するなど苦しんだが、何とか勝ち越しを決め、涙を流す場面もあった。
「夏場所で7勝2敗から負け越したので『やっと勝ち越せたな』という思い。トータルすると本当にいい場所になった」
珍しい技身につける さらに、新入幕時に目標としていた初三賞となる技能賞も獲得。それでも向上心が尽きることはない。

※朝玉勢
大相撲秋場所新十両の朝玉勢が5日、東京都墨田区の高砂部屋で、大阪・近大付高時代の恩師である奥谷猛さんから化粧まわしを贈呈された。
奥谷さんの座右の銘「志固精進」の刺しゅうを見た朝玉勢は「一生懸命頑張って勝ち越せるように。スピードある自分の相撲を取りたい」。
奥谷さんにとっては指導者として最初に育てた力士といい「気持ちが伝わる力士になってほしい」と期待を込めた。



2019/09/05
本場所 3日前 情報! 】
■白鵬
3日に日本国籍を取得した横綱白鵬は4日、東京都墨田区の宮城野部屋で四股やすり足でじっくりと汗を流した。
子どもたちからは日本のパスポートを入れるためのケースをプレゼントされた。
3日夜に食事をした料亭では赤飯が提供されたという。
その店で居合わせた安倍晋三首相からは祝意を受け「(国籍取得の)その日に会うなんてすごいよね。偶然じゃなくて、必然かな」と笑顔だった。

横綱白鵬が将来的に親方となることを目指して日本国籍を取得した。
白鵬は横綱の品格を貶めるような行動が多いだけに、引退後の展望に期待と懸念の声が寄せられているようだ。
「NHKニュース」によると白鵬は9月3日、取材に対して「白鵬翔」という名前で日本国籍を取得したと報告。
これにより引退後も日本相撲協会に残ることが可能となり、「今までは自分が相撲を取ることで頭がいっぱいだったが、これからは別の道ができる。強いお相撲さんを育てて、相撲協会やファンの皆さんの前に出してあげることがひとつの恩返しだと思う」と話した。
白鵬は現役引退後も親方として協会に残るとみられているが、これまで白鵬が起こしてきた騒動から、懸念を抱く相撲ファンも多い。
白鵬は2015年の九州場所で栃煌山を“猫だまし”で2度かく乱。
北の湖理事長が「横綱のやることではない」と苦言を呈した。
また17年の名古屋場所・貴景勝戦では、張り手の応酬後に両手を広げて貴景勝と対峙。
挑発的な行為として批判を浴びている。相撲内容から横綱の“品格”を問われただけではない。
17年に発覚した横綱日馬富士による貴ノ岩関暴行問題では、白鵬も暴行現場に同席していた。
日本相撲協会に対するバッシングも相次ぐなかで行われた九州場所で白鵬は優勝を飾ったが、優勝後のインタビューで「日馬富士関と貴ノ岩関を、再びこの土俵に上げてあげたいなと思います」とコメント。
さらに観客を促して会場全体で万歳三唱を行い、ネット上で「当事者なのに楽観的すぎる」「現在の状況で観客を巻き込んでの万歳三唱は不謹慎」と厳しい批判が殺到した。
今年の春場所でも、白鵬の行動は批判されている。42回目の優勝を果たした白鵬は観客とともに三本締めを行ったが、矢野弘典委員長は「手締めというのは、行事が全部終わった後にやるもの」と苦言。
優勝した横綱とはいえ「そういうことをやれる立場なのか」と指摘している。
一連の騒動から、今回の日本国籍取得について「後進を育てたい心意気は買うけど、間違ったものを教えては、角界になんらいいことはない」「協会の要職に就いたら組織を私物化して伝統を破壊してしまう気がする」といった反応が続出している。
その一方で、「問題行動はあるけど、強さは本物。日本人の品行方正さを学んで新たな人材を育て上げてほしい」「もしかすると、閉鎖的な日本相撲協会の体質を変えてくれるのではないか」と期待する声も寄せられている。
日本人として新たな1歩を踏み出した白鵬。今後どのような姿をファンに見せていくのだろうか。

■栃ノ心
大相撲秋場所で、またまた大関カド番を迎えている栃ノ心だが、成績とは別のことで話題になっている。
栃ノ心は、ヨーロッパの東側にあり、気候温暖でワインが有名なジョージアの出身。
小さい頃から柔道で鳴らし、18歳の時に裸一貫で来日して名門の春日野部屋に入門した。
以来、13年。右ひざに大けがを負い、幕内から西幕下55枚目まで急降下するなど、様々な試練を乗り越えながらも昨年、ついに大関に昇進した。
その間、去年の初場所の平幕優勝をはじめ、三賞を11回(殊勲賞2回、敢闘賞6回、技能賞3回)受賞し、金星も2個獲得している。
その栃ノ心がこのほど、故郷のジョージア・ムツケタ市の実家近くに、日本では想像もつかない超豪邸を建設中であることを、本人が明かしたのだ。
「敷地は2000平方メートル、600坪以上で、建設中の建物は2棟あり、その1つは住居スペースで、入り口には『栃ノ心』と漢字で書かれた表札が下がっている。
そこにトレーニング施設、ジャグジー付きの風呂、サウナ、地下にはバーもある。もちろん、これまで獲得したトロフィーや賞状を展示するコーナーも。
照明は蛍光灯を俵に見立てて円形にしたもので、こちらは一般開放する予定だよ」
もう1棟はレストランで、オオカミをイメージした暖炉を備え、滝も流れる内装になる予定。
さらに、この2棟の間には大きなプールも設置され、そこに寝そべって酒を飲むのを楽しみにしていると本人は笑う。

※貴ノ富士
大相撲の十両貴ノ富士が先月31日に付け人の序二段力士に暴力を振るった問題で、被害者の力士が6日にも東京都台東区の同部屋に戻ることが4日、分かった。
この問題に関連して2日早朝までに被害者を含む同部屋の若い衆3人が失踪しており、うち2人は近日中に戻ってくる予定。
だが、もう1人の序二段力士はこのまま引退する可能性が高いという。
今後は日本相撲協会のコンプライアンス委員会の調査後に貴ノ富士の処分が決まる見通し。
謹慎中の貴ノ富士に代わり、双子の弟の幕内・貴源治は「(角界に)残れるなら次はないと思い、ゼロから矯正してほしい」と口にした。

※朝乃山学習帳
文具メーカー「ショウワノート」は、大相撲夏場所で優勝した朝乃山関のイラストを表紙にした「朝乃山学習帳」を秋場所初日に合わせて8日、両国国技館で発売する。
ジャポニカ学習帳の日本の伝統文化シリーズ特別版で、12日から書店で販売する。
学習帳のB5サイズ5mm方眼罫の表紙は、立山連峰を背景にした朝乃山関の顔のイラスト、裏表紙は米国のドナルド・トランプ大統領から大統領杯を受け取った時の写真を掲載している。
A6サイズの自由帳とノートのデザインは同一で、表紙は土俵に上がる姿、裏表紙は富山湾のブリが表現されている化粧まわし姿のイラストになっている。
大相撲やしこ名の由来などの読み物付き。イラストは元力士の相撲漫画家・琴剣淳弥さんが手掛けた。
メーカー希望小売価格はB5サイズは190円、A6サイズは180円。



2019/09/04
本場所 4日前 情報! 】
■鶴竜
大相撲秋場所2場所連続7度目の優勝を目指す横綱鶴竜が3日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古。
平幕正代を相手に10番を取り全勝した。
「抑えめで」と話したが、立ち会いから鋭く踏み込んで寄り切るなど正代を圧倒。
状態の良さを示した。「痛いところもないし、順調にきている。疲れを抜いて元気な状態で臨みたい」と、初日に照準を合わせた。

■白鵬
大相撲で史上最多の優勝42度を誇るモンゴル出身の横綱白鵬が3日、日本国籍を取得した。
同日付の官報で告示された。現役引退後、日本相撲協会に親方として残るために必要な年寄名跡を襲名するには日本国籍が必須条件で、その資格を得た。
姓名はしこ名と同じ「白鵬翔(はくほう・しょう)」を名乗る。
15歳で海を渡ったムンフバト・ダバジャルガル少年が、日本人となった。
東京都墨田区の宮城野部屋での朝稽古後、白鵬は「本日をもって白鵬翔という名で日本人として、日本国籍を確保することができた。18年間相撲一筋にやってきたことが、きょうにつながった。日本人として恥じないように頑張る」と思いを口にした。
外国出身の歴代横綱で日本国籍を有するのは米国出身の曙、武蔵丸(現武蔵川親方)に次いで3人目。
モンゴル出身では同国初の師匠となった友綱親方(元関脇旭天鵬)らが日本国籍を取得しているが、大関以上では白鵬が初めて。
国籍取得の手続きのため、モンゴル国籍の離脱を同国政府に申請したことが4月に表面化。
6月には国籍離脱が承認された。今後はしこ名と同じ「白鵬」を姓とし、4人のパパとして白鵬家を守る。
現役引退後には親方となる資格も得た。「今までは自分の相撲を取ることで頭がいっぱいだったが、これから別の道ができる。強いお相撲さんを育てることが、恩返しになる」。
協会は顕著な功績を残した力士に対し、引退後に現役名のまま親方になる「一代年寄」を過去4人の横綱へ授与してきた。
優勝20度以上が目安とされ、42度を誇る白鵬は実績では申し分ない。
大鵬と千代の富士(辞退)は現役中、北の湖は引退直後、貴乃花は引退したその日の理事会で承認された。
「内弟子」として自らスカウトし、宮城野部屋へ入門させた幕内炎鵬らもおり、「白鵬部屋」創設も視野に入る。
秋場所後の29日に引退相撲が催される元横綱稀勢の里の荒磯親方らとともに、将来、協会運営を担う旗頭となる可能性が現実味を帯びる。

■豪栄道
大相撲秋場所を8度目の角番で迎える大関豪栄道が2日、東京都両国国技館内の相撲教習所で行われた時津風一門の連合稽古に参加した。
出羽海一門の境川部屋所属ながら、「本場所で当たる相手とやりたかった」と言う豪栄道は、小結遠藤や平幕の正代、豊山と12番取って10勝2敗。
立ち合いの重心は低く、前みつを引いて寄り切る相撲を見せるなどまずまずの内容だった。

■貴景勝
これで大丈夫なのか。大相撲秋場所を控えた2日、大関復帰を目指す関脇貴景勝が東京都江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加した。
7月の名古屋場所は右ヒザの故障で全休し、わずか2場所で大関から陥落。
この日の稽古では格下を相手に苦戦し、本番を前に大きな不安を露呈した。親方衆や角界OBからは厳しい見方が相次いでいる。
“元大関”が格下を相手に苦戦を強いられた。貴景勝は小結阿炎、幕内阿武咲、幕内玉鷲と5番取って1勝4敗。
押し込めずに引いてしまったり、あっけなく前に落ちる場面もあった。
この日の稽古内容について、一門の尾車親方は「押し込んでいく馬力が感じられないし、引く場面も多い」と指摘する。稽古を視察した元小結の舞の海秀平氏も「とても厳しいですね。『期待できます』と言える内容ではなかった。
立ち合いの当たりが戻っていないし、押された時に踏ん張れない。
まだ関取衆と稽古をする状態まで戻っていないのかもしれない。ケガをする前はもっと重さもあったし、立ち合いの迫力もあったし、動きも良かった」と評価は低かった。
8月31日の横審稽古総見では、元横綱の北の富士勝昭氏が「(本来の状態から)まだほど遠い。(大関復帰の条件の)10勝は簡単じゃない」と厳しく採点したばかり。
周囲の不安は解消されるどころか、むしろ広がっている。
しかも、本番まで1週間を切った段階で関取衆と相撲を取ったのはこの日を含めて合計10番。番数の少なさも気がかりだ。

■琴奨菊
大相撲の横綱白鵬が日本国籍を取得したことを受けて、白鵬と最も対戦回数の多い前頭琴奨菊はエールを送った。
3日、千葉県船橋市の二所ノ関部屋で行われた、二所ノ関一門の連合稽古に参加後、報道陣に対応した。
白鵬とは金星を奪った先場所まで63度対戦(7勝56敗)。
これは、自身と元横綱稀勢の里の66度に次ぐ、史上2番目に多い対戦回数だが「(白鵬は)相撲愛のすごい人。相撲をやっている子どものために『白鵬杯』を毎年開催している。あの規模でやってしまう人はいない。相撲愛がないとできない。相撲界がもっと良くなるように、僕らも力を合わせていきたい」と話した。
「白鵬杯」は、小中学生を対象とした相撲大会で、今年は全国はもちろん、世界8カ国から約1200人が参加した。
この年代の大会としては世界最大規模。基本的に費用は白鵬の持ち出しで、特に海外からの参加者の遠征費を大部分負担している。
年1回の開催だが、毎年数億円単位を負担して、両国国技館で開催。今年2月が第9回大会だった。
この姿勢に感銘を受け、自らのいしこ名を冠した少年相撲大会を、出身地などで行っている現役関取衆もいる。

※貴ノ富士
日本相撲協会は3日、十両貴ノ富士(22・千賀ノ浦部屋)が付け人の序二段力士に暴力を振るったため当面謹慎すると発表した。
同協会はコンプライアンス委員会で調査して処分を検討する。
貴ノ富士は「貴公俊」のしこ名で貴乃花部屋所属だった2018年春場所でも付け人に暴行し、出場停止1場所の処分を受けている。

※荒磯親方
荒磯親方は白鵬に対して、「日本国籍を取得して親方になるという覚悟はすごいと思う。同じ横綱でも(自身とは)比べようのない実績。多くのものを吸収されている方でもあるので、将来はどんな指導をするか楽しみにしている」と話している。

※NPO法人戸田塩の会
NPO法人戸田塩の会(沼津市戸田)で8月18日、イベント「大相撲秋巡業で使う塩をつくろう」が行われた。
伊豆半島ジオパーク推進協議会が、地元の小学校高学年向けに企画した同イベント。
この日は8組の親子が集まり、会員や地元高校教諭やスタッフたちと塩作りを行った。
今回の体験で作った塩は、およそ1キロ。
できあがった塩は、10月13日に天城ドーム(伊豆市)で開催される「大相撲秋巡業ジオパーク伊豆場所」で実際に使う予定。
西側は同所の塩を使い、東側は東海岸の河津町で製造した塩を使うという。

※高須院長
美容外科、高須クリニックの高須克弥院長が3日、ツイッターを更新。
日本相撲協会に怒りをあらわにした。
「大相撲の千秋楽のAbemaTVゲスト解説に出演させてくれる条件で電通とAbemaTVとスポンサー契約した」が、「相撲協会から出演ダメ出しされた」という。
「僕の癌治療スケジュール変えて冥土の土産に準備したのにプンプン・・・・」「筋が通らないぜ」と納得がいかない様子。
その後のツイートで、「納得できないのでスポンサー降りた」と報告した。



2019/09/03
本場所 5日前 情報! 】
■鶴竜
秋場所で2場所連続優勝を狙う鶴竜は2日、東京都両国国技館の相撲教習所で行われた時津風一門の連合稽古に参加し、申し合いで16勝2敗と元気な姿を見せた。
大栄翔を軽快な動きで翻弄し、一門外から呼んだ北勝富士は力強い寄りで攻めた。
「当たりが強い押し相撲の人とやりたかった」との狙いで指名した2人に対しては、ともに6勝1敗で終え、「暑かった割には、ぼちぼちできた。やってよかった」と満足そうだった。

■白鵬
大相撲で歴代最多42度優勝の横綱白鵬関(34)=本名ムンフバト・ダバジャルガル、モンゴル出身(宮城野部屋)が日本国籍を取得した。
3日付の官報に告示された。
外国出身力士が引退後も、親方として日本相撲協会に残るには日本国籍が必要だった。
白鵬関は来年の東京五輪までは現役を続ける意向を持っている。2007年2月には日本人女性と結婚した。
海外出身親方では、米ハワイ州出身の武蔵川親方(元横綱武蔵丸)、モンゴル出身の友綱親方(元関脇旭天鵬)、ブルガリア出身の鳴戸親方(元大関琴欧洲)が師匠として部屋を構えている。
白鵬関は01年春場所で初土俵を踏み、04年夏場所新入幕。
07年夏場所後に横綱に昇進した。15年初場所で大鵬を抜く最多33度目の優勝を遂げ、17年名古屋場所で魁皇の歴代最多通算1047勝を抜いた。
協会は現役時代に著しい功績を残せば、引退後に現役名のまま親方になれる「一代年寄」を授与する例があり、過去に大鵬や北の湖、貴乃花がいる(千代の富士は辞退)。
優勝20度以上が一つの目安とされ、白鵬は実績面では申し分ない。

■豪栄道
大相撲秋場所を前に時津風一門の連合稽古が2日、国技館内の相撲教習所で行われ、一門外の大関豪栄道が参加し、小結遠藤、平幕の正代、豊山と相撲を12番とり、10勝2敗だった。
「上位陣がいっぱいいるし、本場所で当たる相手と相撲をとりたかった」と参加した理由を説明。
先場所は右肩腱板不全損傷で7日目から途中休場、秋場所は8度目のかど番で迎える。「そんなこと考えてもしょうがないので、前向きにやります」。
巡業を休み、番付発表翌日の8月27日から相撲をとる稽古を再開した。
右肩の状態を問われて「大丈夫です。(右手を)しっかり使えているし、大丈夫」。秋場所は16年に全勝優勝、17年と昨年が優勝次点と相性がいい。
「優勝できるよう、しっかり頑張ります」と前向きだった。

■貴景勝
大相撲秋場所二所ノ関一門による連合稽古が東京都江東区の尾車部屋で行われ、大関から転落した関脇貴景勝は小結阿炎らと5番取って1勝4敗と精彩を欠いた。
現行制度では同場所で10勝すれば大関へ復帰できるが、番数も調子も上がってこない。
押し込む馬力も、押されて残す下半身もない。
玉鷲には立ち合いの当たる位置を少しずらされただけで、前へ落ちて手をついた。
わずか5番。貴景勝はそれ以上、土俵へ入ろうとはしなかった。
「右肩上がりできたが、ここにきてパフォーマンスが落ちている」。
5月の夏場所で右膝じん帯などを損傷して途中休場し、7月の名古屋場所も全休。
夏巡業も休んだ貴景勝にすれば、番数を取って相撲勘を取り戻したい時期だが、夏場所以降、関取との稽古は横綱審議委員会による稽古総見での5番を加えてわずか10番にとどまっている。
見守った大相撲解説者、舞の海秀平氏は「厳しい。立ち合いの当たりも戻っていない。押されると踏ん張れない。関取と稽古ができるところまで戻っていないのか。膝の状態に意識があり、立ち合いに集中力を研ぎ澄ますところまでいたっていないのでは」と指摘する。
不世出の大横綱双葉山以前、力量の充実は「心技体」ではなくよく「心気体」と表した。
貴景勝は「最後は気持ち。闘争心。もともと体力やパワー、技術で勝ってきたわけじゃないから」。真情の発露が気となって、自らの体を突き動かす。

■北勝富士
大相撲秋場所を前に時津風一門の連合稽古が2日、国技館内の相撲教習所で行われ、一門外の東前頭筆頭北勝富士が参加。横綱鶴竜と相撲を7番とった。
実は前日1日に時津風部屋に出稽古し、居合わせた鶴竜から、この日の連合稽古に誘われていたという。
教習所にある3つの土俵のうち、端の土俵で他の力士と4番とった後、鶴竜が中央の土俵に上がったのを見て、スルスルッと接近。
「横綱と稽古できるチャンスはそうそうない。待機していたら、呼んでもらった」と相撲を7番とり、1勝6敗。締めのぶつかり稽古では胸を出してもらった。
「横綱の圧力、はたきを体に覚えさせようと考えてました。最初の1番はいい相撲だったし、その次には勝てた。長期戦になるとダメだけど、本場所は一発勝負。しっかりやれば…」と秋場所に向け、イメージを膨らませていた。

■照強
大相撲秋場所に、東前頭9枚目で臨む照強が、充実した稽古内容に満足そうだった。
前日に続き2日、伊勢ケ浜一門の連合稽古が東京都江東区の伊勢ケ浜部屋で行われた。
この日は白鵬が参加せず、平幕以下の関取衆で申し合いを行った。
照強は24番取って15勝9敗。特に同じ小兵で西前頭11枚目の炎鵬との稽古は、激しい動きと壮絶な突き押しの応酬など、熱のこもったものとなり、途中からは三番稽古になるほど。
足を痛めたため土俵を離れることになったが、気迫あふれる内容だった。
「久しぶりに熱い稽古が出来て燃えた。オレはライバルとは思ってないけど、アイツが張り差しできた瞬間、頭がプチンと切れて記憶が飛んだ。おかげでいい稽古が出来た」と炎鵬との相撲を、笑みさえ浮かべながら振り返った。
入幕3場所目だった7月の名古屋場所は、初の幕内勝ち越しどころか、優勝次点の12勝を挙げ初の三賞(敢闘賞)を受賞した。
物おじしない性格で、この日、白鵬が来なかったことも「横綱が来ると三番稽古とか、どうしても横綱中心の稽古になる。たまたま今日は来なかったことで(複数の関取衆で時間をかけて申し合いができる)いい機会かなと思ってやりました。久しぶりに熱い稽古が出来た」と満足そうに話していた。

※新弟子検査
大相撲秋場所の新弟子検査が2日、東京都両国国技館で行われ、受検した2人とも身長167センチ、体重67キロ以上の体格基準を満たした。
合格者は内臓検査の結果を待ち、初日に発表される。
モンゴル出身で福岡・希望が丘高に相撲留学し、昨年の世界ジュニア選手権無差別級準優勝のトムルバートル・テムレン(18)=出羽海部屋=は興行ビザ取得後の11月の九州場所以降に初土俵を踏む見通し。
180センチ、137キロでパスし「横綱になりたい」と抱負を語った。



2019/09/02
本場所 6日前 情報! 】
■鶴竜
大相撲秋場所に向けた横綱審議委員会による稽古総見が31日、東京都両国国技館で一般に無料公開で行われ、2連覇が懸かる鶴竜は計12番取って全勝と状態の良さをうかがわせた。
関脇御嶽海、小結遠藤に低く当たって軽快な取り口を披露し「自分の動き、立ち合いを確認しながらやった」と息をついた。
両三役との手合わせを選んだ理由を「2人とも油断できない相手。しっかり稽古しておこうと思った」と説明。
他の力士の申し合い中には、黙々と腕立て伏せで汗を流すなど調整にも余念がなかった。
7度目の優勝に向け「15日間場所を務めていれば、結果は出る」と自信を漂わせた。

■白鵬
大相撲の伊勢ケ浜部屋一門連合稽古が1日、伊勢ケ浜部屋と友綱部屋で始まり、関取衆が集まった伊勢ケ浜部屋では横綱白鵬が平幕・宝富士と10番取って全勝だった。
この日は「重さを中心にして考えてやりました」というように、自分より体重が11キロ重い169キロの宝富士の寄りをこらえてから攻める場面も見られた。
31日の横綱審議委員会稽古総見では自分より軽い152キロの阿炎を指名し、「軽い、速い動き。離れた時の相撲勘というのがあった」という。
1日ごとに違ったテーマに取り組みながら、3場所ぶり43度目の優勝を狙う秋場所に向けて調整している。

■貴景勝
大相撲秋場所に向けた横綱審議委員会による稽古総見が31日、東京都両国国技館で行われ、大関から転落した関脇貴景勝は関脇御嶽海らに3勝2敗だった。
新大関だった5月の夏場所で右膝を痛めて途中休場し、7月の名古屋場所も全休した貴景勝が関取と相撲を取るのは、夏場所8日目の碧山戦以来104日ぶり。
この相手と決めていた。関取同士による申し合い(勝った者が何度も取る)。勝ち残った御嶽海を見た貴景勝が、素早く面前へ進み出て指名を受けた。
「けがをした日から1日も忘れることなく、早く(御嶽海と)やりたいと思った。気持ちも入った」
夏場所4日目。突き押しを得意とする貴景勝がもろ差しになって寄り切った直後のアクシデントは「右膝関節内側側副靱帯損傷」。このときの相手が御嶽海だった。
104日ぶりの関取相手の相撲は立ち合いから一気に押し出した。
「けがの意識を払拭したかった。手っ取り早くその相手とやったほうがいいから」。不安障害を克服するため、恐怖を抱く事柄から逃避せずに直面させる認知行動療法の遷延暴露を自らの手で。意識の高さをうかがわせた。
しかし、見守った元横綱の大相撲解説者、北の富士勝昭氏は「体は(大関に)上がったときのはち切れるような感じじゃない。押し相撲は稽古をしなきゃ自信がつかない」。
秋場所で10勝すれば大関へ復帰できるが、北の富士さんは故郷の北海道弁で「10勝は緩くない(容易ではない)」と、楽観はしなかった。
ぶつかり稽古の最後には白鵬の胸を借りた。5分間、何度も土俵へ転がされて背中、まげも砂まみれとなった貴景勝は「ありがたいこと。何かのきっかけになれば」と感謝した。
この日は日本相撲協会八角理事長の諮問機関「大相撲の継承発展を考える有識者会議」のメンバーも視察。
プロ野球ソフトバンク球団会長の王貞治氏は「頭の中で考えるのではなく、限界を超える稽古、練習は必要」と見入っていた。

■遠藤
大相撲秋場所に向けた横綱審議委員会による稽古総見は31日、東京都両国国技館で一般に無料公開して行われ、三役復帰した小結遠藤は横綱鶴竜や関脇貴景勝らと対戦し、上々の動きを見せた。
遠藤は5勝6敗で、鶴竜には5戦全敗だった。秋場所に向けては「いつも通り。頑張ります」と語った。

■照強
7月の名古屋場所で12勝を挙げて敢闘賞を受賞した平幕の照強は、平幕の千代大龍、炎鵬、石浦、十両の旭大星、魁勝と13番取って9勝4敗。
スピードと力強さがかみ合った相撲が目立ち、「調子良く来られています」と納得の様子だった。
自己最高位の東前頭9枚目となる名古屋場所に向けては「相手も強くなる。それに負けないようにしたい。自分の相撲を取って、お客さんに喜んでもらえるようにしたい」と抱負を語った。

■炎鵬
西前頭11枚目の炎鵬は相撲を取らずに調整し「秋場所は最低でも勝ち越したい」と意気込んだ。
名古屋場所で技能賞の炎鵬は関取衆、幕下の照ノ富士と10番で3勝7敗だった。
関取最軽量の98キロ。「まだまだ感覚的なところができていない。動きもイマイチ。稽古は楽しいけど、自分の弱さを痛感する。軽い」と課題も口にした。

■輝
東前頭13枚目の輝は幕内に復帰した石浦と対戦したほか、ぶつかり稽古に励んだ。

※初代横綱若乃花の墓参り
大相撲秋場所で大関復帰を目指す関脇貴景勝ら千賀ノ浦部屋一行が1日、都内で初代横綱若乃花の墓参りを行った。
この日は初代若乃花の命日。「土俵の鬼」と呼ばれた初代若乃花は、千賀ノ浦親方の師匠で、元貴乃花親方の伯父にあたる。
ルーツある大横綱の墓前で手を合わせた貴景勝は「孫弟子として恥じない相撲を取らないといけない」と、気を引き締めるように話した。
前日8月31日の横綱審議委員会による稽古総見で104日ぶりに関取衆と相撲を取った貴景勝は、この日は四股やテッポウなどの基礎運動で体を動かした。
名古屋場所を休場する要因となった右膝に高い負荷をかけた稽古総見から一夜明け、多少の疲労感を覚えるが「ありがたい疲れ。(膝は)。全然大丈夫。あとは上半身と下半身の連動が大事になる」と充実した表情を見せた。
10勝以上で大関返り咲きとなる秋場所は1週間後に迫ったが、調整は想定以上に進んでいるという。
2日から始まる二所ノ関一門の連合稽古に向けても「できるだけ参加したい」と意欲を見せた。

※元十両出羽疾風が断髪式
5月の大相撲夏場所限りで引退した元十両出羽疾風の断髪式が1日、東京都両国国技館で開かれ、弟弟子の関脇御嶽海ら約200人が出席した。
2004年春場所で初土俵を踏み、14年九州場所で新十両。小兵ながら左前まわしを引いたしぶとい攻めを得意とし、十両に6場所在位した。
今後は鍼灸師などの資格取得を目指す。「入門した時は三段目にも上がれないと思った。多くの人に支えられて幸せだった。恩返しをしていきたい」と、すがすがしい表情だった。



2019/08/30
本場所 9日前 情報! 】
■白鵬
大相撲秋場所で、3場所ぶり43度目の優勝を目指す横綱白鵬が29日、東京都墨田区内の部屋で、朝稽古に汗を流した。
この日は軽めの稽古に終始。稽古場に姿を現すと、10分ほどの柔軟で体をほぐした。
土俵に入ると、三段目の若い衆相手に、立ち合いの踏み込みの確認を入念に7本繰り返し、受けの稽古も17本。
18分ほどで土俵を離れ稽古場から引き揚げた。
相撲を取る稽古は、16日の夏巡業を最後に行っていないが、ペース配分を考慮しながら秋場所に向け調整を続けるようだ。
部屋を引き揚げる際には、かねて親交があり、この日発表されたラグビーW杯代表で、2大会連続のキャプテンとして選出されたフランカーのリーチ・マイケルについて言及。
「日本で開催されるW杯だから、日本中の人をわかすために活躍してほしい。何よりも勝つ。そのことに尽きる」とエールを送った。
リーチ・マイケルはラグビーの普及のためにモンゴルから、母校の北海道・札幌山の手高に留学生を招くプロジェクトに取り組んでおり、その際に白鵬が協力の手を差し伸べている。
「リーチさんだからできる素晴らしい社会貢献」と、異国の地で活躍する同じ境遇にあるスポーツマンをたたえていた。

■栃ノ心
大相撲秋場所を通算3度目のカド番で迎える大関栃ノ心が29日、東京都墨田区の出羽海部屋へ出稽古し、関脇御嶽海らと12番取り、10勝2敗だった。
勝ち数はまずまずだが、名古屋場所途中休場の引き金となった古傷の右膝が万全ではなく「まだまだ力が入らない。左足だけで相撲を取っている感じ」と、すっきりしない表情だった。
左肩にも故障を抱える中、まわしを取ってからの引き付けは健在。
そこから一気に寄り切れず、振ってから攻め直すなど出足に力強さを欠いた。
碧山との稽古では右膝をかばって途中で相撲をやめる場面もあった。
カド番脱出へ、まずは勝ち越しを目指す。普段と違う重圧がかかる場所となるが、報道陣の「やることをやるだけか」との質問に「そう」と短く答え、決意を示した。
16場所連続三役在位の御嶽海は10番で、2勝8敗と精彩を欠いた。

■貴景勝
右膝負傷で先場所全休し大関から陥落した関脇貴景勝が29日、都内の部屋で連日、幕下相手に相撲を取った。
前日より2番増やし、14本取って、鋭い出足と押しの圧力で全勝した。
踏み込みの低さ、当たりの強さも文句なし。患部の動き、強度に不安はなかった。
この日は右膝に加え負傷していない左膝にも同様にテーピング。
片足だけ可動域が制限されることに違和感がありバランスを取った。
「自分にとって合った形、力が入りやすいように。不安を消していく」。細心の注意を払い、最善の方法を試行錯誤していく。
関取衆との稽古は再開しなかったが、「スタミナ、相撲勘を戻さないといけない。痛さはない。番数をこなしたい」。初日にきっちり照準を合わせている。
名古屋場所前以来となる相撲を取る稽古を再開したばかり。
また、自身が起こした暴行問題の引責で昨年12月に引退したモンゴル出身の元幕内貴ノ岩のアディヤ・バーサンドルジ氏が訪れ、消滅した貴乃花部屋、転籍した千賀ノ浦部屋で寝食をともにした貴景勝らと再会した。
所用で数日前に来日した同氏は、現行制度では秋場所で10勝すれば大関へ復帰できる貴景勝について「相撲勘はすぐ戻る。体の張りもある。(大関復帰は)大丈夫でしょう」。
かつての弟弟子の太い二の腕を、頼もしそうに触れた。



2019/08/29
本場所 10日前 情報! 】
■豪栄道
右肩のけがで名古屋場所を途中休場した大関豪栄道が28日、東京都足立区の境川部屋で佐田の海と15番取った。
低く当たって一気に押すだけでなく、右おっつけ、巻き替えなどの動きも確認。
相撲を取る稽古は前日に始めたばかりで、「まだ本調子じゃない。メリハリをつけてやれることをやっていきたい」と話した。
秋場所は8度目のカド番で迎えるが、「出るからには優勝を目指す。高い目標を持たないとやりがいがない」と力強く言った。

■栃ノ心
右膝と左肩の負傷で大相撲名古屋場所を途中休場した大関栃ノ心が28日、同部屋で2カ月ぶりに申し合いを行い、平幕の碧山と計10番取って1勝9敗と精彩を欠いた。
立ち合いの厳しさがなかったため得意の左上手を引けず、上体を起こされて押し出される相撲がほとんど。
「(まわしが)取れない、当たれない、足が出てこない」と嘆き、3度目のカド番となる秋場所に向けて悲壮感を漂わせた。
右膝は今も痛みがあり「力が入らない」。過去2度のカド番と比べても「駄目ですね」という。
それでも「負けても落ち込まず、最後までやること。そうすれば少しずつ良くなる。休んでいても治らない」と前を向く。
痛みをこらえて稽古を続け難局に立ち向かう。

■貴景勝
大相撲秋場所を控えた27日、大関から関脇に陥落した貴景勝が東京台東区の部屋で行われた稽古に合流。
ぶつかり稽古で若い衆に胸を出すなどして汗を流した。
7月場所は右ヒザの故障で全休。場所後も部屋の稽古には姿を見せず、母校の埼玉栄高を拠点に治療やリハビリを行っていた。
貴景勝は約1か月に及ぶ“隠密トレ”について「自分がやるべきことはケガを治すこと。ヒザが動かない状態でここ(部屋の稽古場)に立っていてもしようがない。埼玉栄のヒザ専門の先生がいるので。(部屋ではやれない)治療もあるし、トレーニングもある」と説明した。
一方で、角界内では今回の貴景勝が取った単独行動を疑問視する向きもあった。ベテラン親方の一人は「自分の弟子なら認めない」と断言する。
その理由は監督責任がある師匠の目が届きにくいこと。
本来なら部屋頭の貴景勝は若手力士を指導する立場でもあるからだ。
大ケガや病気による入院でもしない限り、長期間の別行動はよしとされない風潮は今も根強い。
ただ、貴景勝自身も周囲から異論が出ることは折り込み済みのようだ。
「(別行動を)千賀ノ浦親方に認めていただいてありがたい。部屋のみんなにも、指導できる時はしてあげたいですけど。自分のリハビリで部屋にいないことを理解してもらって、みんなにも感謝しないといけない」と話し、師匠を含め部屋全体が納得済みであることを強調した。
貴景勝は近日中に相撲を取る稽古を再開し、本番に向けてペースを上げていく構え。
大関に復帰するためには10勝が必要となる中で「優勝したい。それを目指さないと10勝はできないし、10勝を目指したら5勝で終わる」と断言。
自ら選んだ方法が正しかったことを証明するためには、結果を残すしかない。

■遠藤
大相撲秋場所8場所ぶりに三役へ返り咲いた人気の小結遠藤は28日、埼玉・草加市の追手風部屋で大栄翔ら関取6人と11番取って8勝3敗だった。
「初日までまだある。ここからしっかり相撲を取っていく」。新小結だった平成30年夏場所は足首などの状態が思わしくなく1場所で陥落しており、万全の備えに気を配る。
東京場所前恒例の身長、体重測定では9キロ減の149キロだった。
夏巡業で食を細くしたこともあり「ショックだった…」というが、前回は測定後に正装での写真撮影が設定され、着物のほか多くの小物などを身につけていたという。
今回は浴衣で臨み、その“誤差”も指摘した。稽古でも体つきに変化はなく、立ち合いに軽さは感じられなかった。

※大相撲下関場所
大相撲の冬巡業となる下関場所が12月3日、県立下関武道館で開かれることになり、日本相撲協会巡業部の枝川親方が28日、PRのため下関市役所を訪れた。
下関場所の開催は2015年10月以来4年ぶり。九州場所の後、十両以上の力士ら総勢約270人が参加する予定。
公開稽古に始まり、気迫あふれる取組のほか、髪結いの実演、横綱の綱締めなどもある。「ぶつかり合う音など迫力を感じてほしい」と枝川親方。
豊真将、豊響といった力士が輩出した下関。枝川親方は、岩国市出身で相撲協会理事長も務めた故放駒親方(元大関魁傑)にも触れ、「後に続く力士が出てほしい」と期待を込めた。



2019/08/28
本場所 11日前 情報! 】
■鶴竜
大相撲秋場所(9月8日初日、両国国技館)の新番付が発表された26日、横綱鶴竜(34=井筒)が東京・墨田区の部屋で会見した。
7月の名古屋場所では7場所ぶり6度目の優勝を飾り、自身2度目の連覇に向けて「巡業中はしっかり体をつくってきた。今場所に集中したい」と意欲十分。
優勝10回の大台も視界に入れ「そういう目標を立てないと、やっている意味がない。一つひとつ、積み重ねていきたい」と意気込んだ。
24日にはバスケットボール男子強化試合の日本―ドイツ戦を観戦。バスケ経験者でもある鶴竜は試合前の“始球式”で見事に3点シュートを決めて満員の観客をどよめかせた。
鶴竜は「(3点シュートは)モンゴルでも、だいぶ騒がれているみたい。小さいころにやっていたから。ワクワク感があって、すごく楽しかった」と笑顔。
NBAウィザーズ入りして注目の八村塁(21)からは「(シュートのフォームが)めっちゃきれい。すごかったですね」と驚いた様子で声をかけられ、鶴竜は「今度、プライベートで応援に行きます」と応じたという。
角界でも屈指のNBAファンだけに「ちょうど、友達がワシントン(ウィザーズの本拠地)に住んでいるので。応援に行けたらいいなと思っています」と目を輝かせた。
鶴竜のシュートの様子はネット上でも大きな話題となった。次は本職の土俵でも沸かせる構えだ。

■貴景勝
大相撲秋場所(9月8日初日、両国国技館)で大関から関脇へ転落した貴景勝(23)は27日、東京・台東区の千賀ノ浦部屋で番付発表後初の稽古を行った。
四股やすり足、てっぽうなど入念な基礎運動で汗を流し、幕下以下の力士に胸も出した。早ければ28日にも、7月の名古屋場所前以来となる相撲を取る稽古を再開する。
稽古場の壁に掛けられている地位の木札が、真新しいものになっていた。
貴景勝のしこ名の横にはこれまでの「大関」が消え、「関脇」へ掛け替えられた。
新大関だった5月の夏場所で右膝を負傷して途中休場。
名古屋場所は全休し「(秋場所では)優勝したい。無理と思うかもしれないが、優勝したいと思わなければ10勝できない。10勝を目標にすれば5勝しかできない。8勝とすれば1番も勝てない」と、独特の勝負観を吐露した。
関係者によれば、夏巡業を全休した8月の約1カ月間は母校の埼玉栄高相撲部の学生と寝食をともにしてリハビリ、トレーニングに取り組んだ。
「初心に戻った。純粋になれた」。米大リーグで活躍するダルビッシュ有投手らを顧客に持つトレーニング指導者、山本義徳氏(50)の栄養学の著書を次々と読破。自身の体と向かい合った。
在位わずか2場所で大関から陥落したが、秋場所で10勝すれば大関へ復帰できる。

■炎鵬
大相撲の力士会が27日、東京・両国国技館内の相撲教習所で行われ、十両、幕内力士が体重を計測した。
幕内力士の平均体重は162.6で、前回の計測時からマイナス1.3キロ。
名古屋場所で技能賞を獲得した人気力士の西前頭11枚目炎鵬(24=宮城野)は、体重98キロを計測。前回の計測に続き、最軽量関取となった。

※幕内長身・重量ランキング
《長身》
1位:白鵬 192センチ・逸ノ城 192センチ・輝 192センチ
4位:栃ノ心 191センチ・碧山 191センチ・竜電 191センチ・隠岐の海 191センチ・東龍 191センチ・貴源治 191センチ
《重量》
1位:逸ノ城 224キロ
2位:碧山 199キロ
3位:千代大龍 190キロ
4位:友風 181キロ・琴勇輝 181キロ

※子ども相撲「魁皇杯」
直方市出身の大相撲の浅香山親方(元大関魁皇)が同市役所を訪れ、大塚進弘市長に「地元から力士を」と小学生対象の相撲大会「魁皇杯」の創設を提案するとともに、市内に常設の相撲場設置を要望した。
浅香山部屋の所属力士は現在、11人。県出身者はいないという。
親方は「相撲の世界に入ったのも、土俵があり、小学生のころに大会に出たから。育ったまちと相撲でつながりを持ち続けたい」と「魁皇杯」への思いを語った。
子ども対象の相撲大会は、市が昨年度に開催のための予算をつけたものの、土俵がないなどの理由で実現に至らなかった。
親方は「筑豊の小学生を対象にまず始め、中学生などに広げたい」との意向も明かした。



2019/07/22
2019.07 本場所 千秋楽後 情報! 】
■鶴竜
1敗で単独首位の鶴竜が結びの一番で、ただ一人2敗で追っていた白鵬との横綱対決を寄り切りで制し、14勝1敗として7場所ぶり6度目の優勝を果たした。
秋場所は9月8日から東京・両国国技館で行われる。
「名古屋っていうのがうれしい」。鶴竜は感慨に浸った。
唯一優勝のなかった名古屋場所は、昨年まで3年連続でけがのため休場。
今年は初日の1週間前に腰を痛め、稽古が積めない中での出場だったが、日増しに調子を上げた。
師匠の井筒親方が理由を明かす。
「腰をやったあと全く何もしなかったので痛みが取れ、短い相撲でいこうと思ったのが良かったのでは」。
だからこそ、積極性が際立った。攻めあぐねると引き技に頼って相手を呼び込んで負けを重ねるパターンが多いが、今場所は攻めに徹して悪い癖が出なかった。
唯一の黒星を喫した友風戦も相手のはたきを食らっただけ。翌日は御嶽海を立ち合いで圧倒した。
千秋楽も過去7勝41敗と分の悪い白鵬を相手に、攻め続けた。
左四つで動きが止まりかけたが、先手を取って寄り立てた。寄り返されても右を巻き替え、もろ差しから寄り切り。相撲が長くなっても「とにかく止まらないようにした」。
今年は部屋の宿舎が2016年に火災に遭って以来、使えなくなっていた愛知県東浦町の宇宙山乾坤院に戻った。
鷲見光洋住職は、昨年の千秋楽パーティーで「来年は復活してみせる。うちも頑張るので君も頑張れ」と鶴竜を激励したと明かす。
寺は今年5月に再建され、鶴竜は「いつものところに戻ってきたのがいい験担ぎになったかも」と笑みを浮かべた。
若手の台頭が目立つ中で、6度目の賜杯。
「けがで苦しんでも腐らず、諦めないでよかった」。幕内1000回出場の節目で横綱の健在ぶりを見せつける、7場所ぶりの優勝だった。
 
■白鵬
横綱白鵬の逆転Vはならなかった。
千秋楽の一番は鶴竜と巻き返しの応酬となったが、相手の素早いに動きにもろ差しを許し、反撃も及ばず土俵を割った。
「精いっぱい取りました。まさかあそこでもう一回(巻き返しに)くるとは思わなかった。相手が重かった。おめでとうございます」と振り返った。
通算42回目の優勝を飾った春場所千秋楽に右腕を負傷し、翌夏場所は状態が戻らず右上腕二頭筋断裂の診断書を提出して休場した。
今場所の途中まではその影響を感じさせない取口で、優勝争いを引っ張った。だが本人には、少なからず不安があったようだ。
「右腕の筋肉が断裂していたことをみなさん忘れているかもしれませんが、6月までは違和感があり、不安な気持ちが強かった。ここまで戦った自分をほめたい」と準Vの結果に一定の満足感をにじませた。

■友風
三賞選考委員会が開かれ、鶴竜から初金星を挙げた友風が初の殊勲賞を獲得した。
初土俵から所要14場所での三賞受賞は小錦、武蔵丸らに並ぶ史上7位の速さ(幕下付け出しを除く)。

■炎鵬
技能賞を獲得した炎鵬が大翔鵬を下手投げで破り、有終の美を飾った。
「重圧がなくなり伸び伸び取れました。三賞の中で技能賞をもらえたのが一番うれしい」と笑顔。
勝ち越しを決めた前日は祝福のメールが200件以上届いたという。
「たくさんの方に応援してもらっていると思いました。番付の上にいって恩返ししたい。
体力、筋力、精神力と足りないことだらけ」と精進を誓っていた。

■照強
幕尻の照強が自身初の三賞となる敢闘賞を受賞し「凄くうれしい」と目尻を下げた。
千秋楽は友風を押し出して12勝目。
電車道で勝利を挙げ「最後に一番いい相撲」と自賛した。
場所中に兄弟子の安美錦が引退。
勝って宿舎に戻ると「良かったな。おめでとう」とねぎらわれ「励みになった」という。
番付を上げて臨む来場所へ、24歳の小兵は「部屋を盛り上げていく意味でも頑張りたい」とさらなる飛躍を誓った。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/21
2019.07 本場所 千秋楽 情報! 】
■鶴竜
大相撲名古屋場所14日目(20日、ドルフィンズアリーナ)鶴竜は過去6勝5敗と苦手の御嶽海を一蹴し、再び単独首位に立った。
13日目に平幕友風に不覚を取った反省から「しっかり相手を見ていこうと思った」と、立ち合いから鋭く踏み込み右を差し、喉輪をこらえて寄り切った。
千秋楽は7場所ぶり6度目の優勝を懸けて過去7勝41敗の白鵬と対戦する。
「ここまできたら、やるだけ。とにかく集中する」と最後の力を振り絞る。

■白鵬
大相撲名古屋場所14日目(20日、愛知県体育館)、優勝を争う横綱白鵬(34=宮城野)は2敗に後退。
直接対決と優勝決定戦に連勝して鶴竜を“逆転”するしか道はなくなった。
座布団が舞い、どよめく館内で白鵬が悔しそうに口をとがらせた。
過去62度の幕内対戦で56勝6敗と大得意にしていた琴奨菊に、結びでまさかの黒星。
立ち合いでもろ差しを許し、左上手を引いて反撃したが、がぶり寄られて土俵を割った。
鶴竜と並んでいたV争いで痛い2敗目。
支度部屋では「立ち合いの当たりが弱かった? まあ、そうだね。あとはもう、見ての通り」と反省し、気持ちは即座に切り替えた。
史上最多43度目Vを成し遂げるためには千秋楽結びで鶴竜に勝って追いつき、優勝決定戦に持ち込むしかない。
年6場所制が定着した1958年以降、名古屋場所のV力士は31人誕生しているが白鵬は最多7度の優勝を誇る。
この日の朝稽古後には「去年は(途中休場で)15日間相撲が取れなかった。今年こそはね」と、簡単に引き下がるつもりはない。
第一人者として、逆転賜杯を信じて土俵に上がる。
千秋楽(21日)での直接対決を前に「ここまできたら、やるだけ。しっかり集中して、肩の力を抜いていきたい」と気持ちを引き締めた。

■阿炎
新小結の阿炎が7敗で踏みとどまった。
過去3戦全敗だった逸ノ城をもろ手で起こし、間髪入れずに右で喉輪攻め。227キロの巨体を一方的に押し出し、「出足が効いたと思うし、手の位置も良かった。重く感じなかった」と自賛した。

■朝乃山
先場所で初優勝した東前頭筆頭の朝乃山(25=高砂)が、同部屋の同期で幕下の玉木に力をもらい、会心の白星を挙げた。
けんか四つの前頭正代に差し負け、左四つの不慣れな体勢に持ち込まれ「ちょっと慌てた」。だが、すぐに左からすくい投げを打つなど、休まず動き、右を巻き替えて得意の右四つに。
攻め続け、最後は左上手も取って万全の寄り切り。すでに前日13日目に8敗目を喫していたが「来場所も横綱、大関と当たる位置にいたいから」と、負け越しを最小限にとどめるため、気を吐いた。
この日、近大時代から同期の玉木が、豊昇龍を破って勝ち越しを決めた。
十両や他の幕下上位の勝敗次第だが、今月24日の番付編成会議で、来場所の新十両に昇進する権利を得た。
「玉木が勝って、自分も本当にうれしかった。負けられないと思って、今日も諦めずに取れた」と明かした。
玉木の取組後は「おめでとう」と、握手を交わした。
朝乃山は「2人で入って、仲は良かったけど、1人で戦わないといけない世界。自分が先に関取に上がって(お互いに)気を使う部分はあった。早く関取に上がってほしいと思っていた。まだ、どうなるか分からないけど、幕下3枚目で勝ち越せる力はある。切磋琢磨(せっさたくま)して、高砂部屋を盛り上げていきたい」と、自分のことのように喜んだ。
もちろん自身も、来場所の新三役の可能性は消滅したが「三役を目指して頑張りたい。千秋楽も、いい相撲を取って終わりたい」と、新たな活力にしていた。

■琴奨菊
大相撲名古屋場所14日目(20日、ドルフィンズアリーナ)琴奨菊が過去6勝56敗と圧倒されていた白鵬に快勝した。
不戦勝を除けば平成28年初場所以来、3年6カ月ぶりの白星で、金星は昨年初場所の稀勢の里戦以来3個目。
「うれしいね。最高。これからの活力になるよ」と破顔した。
立ち合いから激しく当たると、もろ差しとなって一気に寄り切り7勝目。
元大関の35歳が、43度目の優勝を目指す大横綱に存在感を見せつけた。

■炎鵬
炎鵬が連敗を3で止め、幕内2場所目で初の勝ち越しを決めた。
「緊張で硬かったけど、何も考えずに思い切ってぶつかった」。呼吸が合わず3度目の立ち合い。
狙った左前ミツは取れなかったが、懐に潜り込んでもろ差し。168センチ、99キロの小さな体を、しぶとく寄せた。
12日目に右足首を負傷。13日目からテーピングを施し、痛み止めも服用するなど、満身創痍の中でつかんだ1勝だった。
100キロ未満の小兵が幕内で勝ち越したのは、97年秋場所の舞の海(99キロ)以来、22年ぶりだ。
「何も考えずに思い切りいった。ここまで苦しかった」と感慨に浸った。
先場所は9日目に7勝目を挙げてから6連敗。
今場所もケガで苦境に立たされただけに「勝ち越しの難しさ、1勝の重みを身に染みて感じることができた」。
新入幕の先場所から続いていた給金相撲の連敗を9で止めると、支度部屋では感情を抑え切れずに、重圧から解き放たれ涙を流した。 10秒間、右手でタオルを顔に押しつけた。給金を直して引き揚げた支度部屋。
込み上げてくるものがあるかと問われると、炎鵬はおえつを繰り返して「みんなにいい報告ができる。うれしい」と声を振り絞った。
真っ赤な両目に、苦悩が凝縮されていた。
前日に兄弟子の白鵬から「負けたら帰ってくるなよ」と、愛のこもったムチをもらった。
「見捨てずに言葉をかけてもらった」と炎鵬。
この日、白鵬に勝ち越しを報告すると「おめでとう」と、握手を交えて祝福された。
NHKの大相撲動画サービスで、常に再生回数1位を記録する人気業師。大歓声と大横綱の期待に応え、表情を和らげた。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/20
2019.07 本場所 14日目 情報! 】
■鶴竜
横綱鶴竜(33=井筒)がわずか1秒5で友風(24=尾車)に金星を配給した。
初めて初日から12連勝を記録し、さらなる更新を狙って立ち合いは頭からぶつかった。
だが「相手がよく考えてきた」と、はたき込まれて土俵下に転がり落ちた。
「考えが甘かった。それだけ」と反省。
初顔合わせのやりにくさを問われると「ない!」と、普段の温厚な言動とは一変、珍しくいら立った様子で言い放った。

■白鵬
大相撲名古屋場所13日目(19日、ドルフィンズアリーナ)全休明けで43度目の優勝を目指す横綱白鵬(34)は平幕妙義龍(32)を小手投げで退けた。
白鵬は勝負のついた直後の動作が不要な危険な動作などとみなされ、取組後に“物言い”がついた。
結び前の一番。4大関が全て休場する昭和以降初めての異常事態を受けて、既に勝ち越しを決めている西前頭7枚目妙義龍が抜てきされた異例の取組。
妙義龍が横綱の右脇に顔を入れて潜り込んだが、白鵬はその首根っこを肘で強烈に絞め上げた。
相手の首をきめて体をコントロールした横綱は、相手の首をひねりながら小手投げ。
妙義龍は体を一回転させながら尻から落ちた。
ところが次の瞬間、白鵬が不要な動きをみせる。
首に巻いた右腕をほどきながら妙義龍の後頭部を跳ね上げ、腕はそのままガッツポーズのように大きな弧を描いた。
NHKで解説を務めていた北の富士勝昭氏(77=元横綱)は「これはいけません」。
土俵下で見守った高田川審判長(元関脇安芸乃島)は「最後は余計。(勝負がついて)終わってからなのに見苦しい。お客さんがみても見苦しい。首だから引っ掛かったらけがをする」と憤った。
白鵬は「(鶴竜とは)並んではいない。こちらは西の横綱ですから。ついていく」。番付の慣例で、半枚差のある東西の地位を謙虚に表現した。
だが3月の春場所千秋楽では残されていた土俵上の神事を待たず、インタビューの最中に館内へ「三本締め」を促し、日本相撲協会の懲罰規定に抵触する懲戒処分「けん責」(将来を戒める)を受けた記憶は新しい。

■遠藤
大相撲名古屋場所13日目(19日、ドルフィンズアリーナ)人気の平幕遠藤は初顔合わせの志摩ノ海を寄り切って5連勝。
3場所ぶりの勝ち越しを決めた。
右からの張り差しで立ち合ってすぐにもろ差しを果たし、わずか1秒6の電車道。
このまま星を重ねれば、昨年夏場所以来の三役返り咲きもみえてくる。
「(内容は)勝てたからよかった。集中して取れているし、(残り2日も)集中して取る」。三賞候補も視野に入ってきた。

■友風
館内に座布団が舞う光景を、友風はのみ込めずにいた。
引き揚げる花道で、足元にあった座布団に気付き、「ああ、勝てたのかな」。初の横綱挑戦で金星を挙げた喜びは、すぐには湧かなかった。
土俵上で鶴竜と向き合うと、「どうやって相撲を取ればいいんだろう」と戸惑った。
それでも、花道にいた師匠の尾車親方(元大関琴風)の姿を見つけ、平常心を取り戻せた。
横綱の低い当たりを、両手を出して止め、右に体を開いてはたき込んだ。
師匠も「どうやって負けるかを見ようと思ったが、まさか」と驚きを隠せなかった。
初土俵から14場所目での金星は、年6場所制となった1958年以降では、幕下付け出しを除けば小錦に並び最速。
4大関不在で巡ってきたチャンスを見事に生かし、「(日体大の学生だった)3年前は雲の上の存在だった。取組を組んでもらい、すごく幸せなこと」と言葉に実感を込めた。
一昨年夏場所のデビューから、負け越しなしで順調に番付を上げてきた。西前頭7枚目で挙げた10勝目は最高の輝きを放った。

■照強
大相撲名古屋場所13日目(19日、ドルフィンズアリーナ)照強は5連勝で11勝目を挙げた。
阿武咲との真っ向勝負で一度は下がったが、頭を下げての速い出足で押し出し。
「立ち合いでしっかり当たれている結果。相手が引いてくれたので、そこを落ち着いて出られた」と充実感に浸った。
身長169センチの小兵。最近は立ち合いの当たりに手応えを感じており「当分変化することはない」という。
14日目の相手も三役経験者で、2学年上の北勝富士。
「上位ですけど、自分からするとスター世代。しっかり集中していい相撲を取る」と力強かった。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/19
2019.07 本場所 13日目 情報! 】
■鶴竜
初めて初日から12連勝。
すぐに右上手を引いて千代大龍を止めると、出し投げで後ろ向きにして右足で左足を払った。
流れるような手順に「体が勝手に反応した。自分の相撲ができている」とうなずいた。
単独トップで残り3日。
昨年夏場所以来の賜杯も見え始めたが、「きょうは終わったからあしたに集中する。最後までその繰り返し」。
冷静な口ぶりは変わらない。

■白鵬
賜杯奪還に向けて落とせない難敵との一番を、白鵬は慎重に物にした。
全休明けの12日目を終えてもトップの鶴竜と1差をキープ。
4大関全員が不在となった寂しい土俵で、横綱の務めをしっかりと果たしている。
胸を合わせてじっくりと攻めた横綱に、八角理事長は「御嶽海は動けなかった。この辺はさすが」と舌を巻いた。
前日は高安の休場により、2015年夏場所以来、4年ぶりの不戦勝だった。
賜杯争いは鶴竜との一騎打ちの様相。
千秋楽には直接対決が待つが、「まだ3日ありますから」。
逆転優勝をしっかりと視界に捉えつつ、泰然と構えた。

■逸ノ城
勢いに乗る初顔の友風を退けた。
もろ差しを許したが、がぶられてもびくともしなかった。
両まわしを引くと、じわじわ圧力をかけて寄り切り、「まわしをしっかり取れた」と余裕の表情だった。
給金を直して残り3日。
「ここから全部勝つ気持ちでいきたい」と意欲的に話した。

■琴恵光
佐田の海を破り6連勝で、2場所連続の勝ち越しを決めた。
もろ手で突いて起こすと、タイミング良く引き技で仕留めた。
「まわしを取らせたくなかったので距離を取っていこうと思った。
うまく反応できた」とにんまりだった。
幕内で初めて勝ち越した夏場所は11日目から5連敗して8勝止まりだった。
「先場所の経験を今場所に生かさないと」。
さらに白星を積み重ねることを誓った。

■炎鵬
勝ち越しの懸かった一番に限って、新入幕の先場所から8連敗を喫した。
先場所の千秋楽で激闘を演じた東前頭9枚目松鳳山に押し倒されて7勝5敗。
さらに倒れ込む際に右足首をひねり、花道へ引き揚げる際は足をひきずるように歩くなど、思わぬアクシデントにも見舞われた。
支度部屋では患部を氷のうで冷やしたが、痛みについて問われると「大丈夫です」と強調した。
相撲については「滑ってしまった。自滅です。運が悪かったとしか言いようがない」と話した。

■琴勇輝
幕内で10場所ぶりの勝ち越しを決めた。
輝をほぼ一方的に攻めて押し出した。
「昨日はちょっと消極的な相撲だったんで、今日からまた自分らしい、思い切った相撲を取ろうと決めていた」と言い、勝ち越しを「もうめちゃくちゃうれしい。ごめんなさい。その言葉でしか表現できません」と喜んだ。
16年夏場所で関脇を務めた男が膝の故障などで苦しみ、今場所で7度目の帰り入幕。
「嫁さんの里が岐阜なんで、今場所は応援が多いんです」。3月13日に授かった長女も力をくれた。
「今日、場所に来る前に嫁さんが宿舎に来て、子どもを一瞬だっこできたんですよ」と、底抜けに明るい笑みを浮かべた。
「生後4カ月ですが、今場所は成長が著しくて、寝返りを打ったんです。日々、癒やされる。俺も頑張んなきゃと思います」。パパが強さを見せつけた。

■照強
妙義龍に押し込まれたが、うまく右に回り込んだ。
一瞬間が空いた後に低く当たり、焦った相手のはたきに乗じて押し出し、「調子が良い。きょうも集中していた」。
取り口は無心で覚えておらず、支度部屋で付け人に聞いていた。
新入幕から3場所目で初めて勝ち越し、10勝まで上積み。
「2桁か。実感が湧かないな」としみじみ。
炎鵬とともに土俵を盛り上げる小兵は、「一番でも多く勝てるよう、気合を入れていく」と力強く話した。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/18
2019.07 本場所 12日目 情報! 】
■鶴竜
単独トップを堅持した。
琴奨菊に得意の左四つで寄り立てられたが、すかさず反撃。
「慌てなかった。そこからの動きがよかった」。
最後は豪快に突き倒した。
初日からの11連勝は昨年春場所以来で、この場所ではただ一人出場した横綱として優勝を遂げた。
今場所は4大関が不在となった中、「自分の相撲に集中する気持ちは変わらない。より集中してやるだけ」と自覚をにじませた。

■白鵬
4年ぶりの不戦勝で10勝目を挙げた。
対戦相手の大関高安が左肘の負傷で11日目から休場したため。
白鵬にとっては15年夏場所以来、6度目の不戦勝となった。
勝ち名乗りを受けて支度部屋に戻ると「(言うことは)何もないっしょ。ノーコメント」と苦笑いした。
この日の朝、白鵬はまわしをつけずに土俵上を歩くなどして、土の感触を確かめた。
高安の休場は、稽古場へ降りる直前に把握。
負荷こそ少ないものの、相撲を取らない日でも欠かさず運動を行い「いつも通り動くことが大事」と強調した。
4大関が休場し、両横綱が優勝争いを展開している今場所。
初日から11連勝と好調を維持している横綱鶴竜について、この日の朝稽古後に「重さと速さ、そんなに強く当たっているわけではないけど、そこに圧力がある。頭も下がっている」と評価。
4大関が休場したことについては「言うことはないよ」とした。

■御嶽海
3連敗を免れた。
明生十分の左四つに組んでも、両まわしを引き付けて徐々に体勢を整える。
粘る相手を寄り切り、「冷静だった」と振り返った。
連覇が懸かった名古屋場所。
11日目を終えてトップの鶴竜とは4差だが、優勝争いの中心にいる両横綱との対戦を残しており「ちょっと面白くしていきたい」。
まずは1敗の白鵬に挑む。

■朝乃山
好調な力士を圧倒した戦いぶりに、スケールの大きさを改めて感じさせ北勝富士に完勝。
「止まらないようにと思っていた。体が動いた」。
得意の右は入らなくても、鋭い当たりから構わず前進。
相手を土俵下へと吹っ飛ばした。
北勝富士が7連勝中であることは知っていた。
それだけに「俺が絶対に止めてやる、それくらい気合が入っていた」という。
学生時代には「1度も勝ったことがなかった」相手を、昨年秋場所以来の対戦で難なく倒し、成長した姿を示した。
東前頭筆頭に番付を上げ、上位陣と初めて総当たりする本土俵を「勉強の場所」と位置づけていた。
11日目を終えて5勝6敗。
役力士との対戦は終えており、優勝経験者として、新三役昇進に向けて勝ち越すことが期待される。
高安が休場して4大関全員が不在になった。
峠を越した感がある上位陣が多い中、朝乃山は次を担うべき存在の一人。
「今場所は簡単にはいかないと思っていたが、自分の相撲を取れている」。
手応え十分に残り4日の相撲に全力を注ぐ。

■照強
会心の内容で2敗を守った。
真正面からぶつかって攻め込むと、腕力が強い錦木の差し手を封じ、もろはずでの押し出し。
「伸び伸びと取れている。今場所一番の相撲」と自賛した。
12日目は同じ兵庫県出身の大先輩で好調な妙義龍に初挑戦。
「気持ちをしっかりとそこに持っていって、良い相撲を取りたい」。
優勝争いを少しでも盛り上げたい思いもあってか、意欲十分の口ぶりだった。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/17
2019.07 本場所 11日目 昼 情報! 】
■高安
大相撲の西大関高安(29=田子ノ浦部屋)が名古屋場所11日目の17日、休場した。
8日目(14日)の関脇玉鷲戦で左肘付近を負傷していた。
これで4大関全員が不在の異常事態に陥った。
日本相撲協会広報部によると、4大関以上が不在となるのは昭和以降初めて。
師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「相撲で力が出ない状況だった。次の場所に間に合うように治療をさせたい。名古屋のファンの方々のことを考えると本当に申し訳ない」と話した。
高安は10日目に平幕明生を下し、勝ち越した。
休場は昨年夏場所以来5度目。11日目の対戦相手、横綱白鵬は不戦勝。

■魁聖
西前頭15枚目の魁聖(32=友綱部屋)も相撲協会に「右上腕二頭筋断裂で約1カ月間の休養加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。
休場は2場所連続5度目。
今場所の十両以上の休場は7人となった。



2019/07/17
2019.07 本場所 11日目 情報! 】
■高安
左肘を痛めている高安が、初顔の明生を冷静にさばいて連敗を免れた。
右に動いて狙った上手は引けず、今度はその右で圧力をかけた。
最後は左も差し手に使って寄り切り、「きょうは落ち着いていたし、前に出られた」と一息ついた。
土俵上で顔をしかめた姿からも、患部の状態は万全にはほど遠いといえそうだが、「残り5日、自分らしい相撲を取りたい」。ただ一人出場している大関としての意地をにじませた。

■北勝富士
北勝富士が7連勝で3場所ぶりの勝ち越しに王手。
新小結竜電の左差しを強烈におっつけて勝負をつけ、「引かずに前に出たのがよかった」と自賛した。
この一番に備え、相手の負けている形をチェックして土俵に上がったという。
思い通りの取り口で難敵を攻略したが、「連勝は意識せず一日一番、大事にやるだけ」と表情を引き締めた。

■妙義龍
妙義龍が4場所ぶりに給金を直した。
鋭い当たりから、松鳳山の引きにも乗じて一気に前進。
鮮やかな速攻を披露し、「自分らしい相撲で決められてよかった」と満足げだった。
直近3場所は6勝が最高。苦戦した内容を反省し、稽古を積んだという。
「腰を決めてのてっぽうに低い踏み込みとか。それで自分の相撲を思い出した」。元関脇の実力者は充実した表情だった。

■友風
友風が貴源治を上手投げで転がし、序ノ口デビューから13場所連続の勝ち越し。
年6場所制となった1958年以降の初土俵では、琴欧州、栃煌山と2位に並び、「無我夢中。圧力をかけ、自分の相撲が取れている」と納得の表情を見せた。
右膝のけがで休場している兄弟子、嘉風から助言も生かし好調を持続。「きょうは喜んでいいと思うが、あと5日ある。これからいい相撲を取りたい」と終盤戦を見据えた。

■炎鵬
幕内最小兵の炎鵬が錦木を寄り切りで下し、7勝目を挙げた。
立ち合いで当たってすぐに相手の懐に入り、左で前まわしを引く。
だが、怪力の錦木に左で首を抱え込まれるような形になり「首が折れるかと思いました」と苦笑い。
そこから小刻みに動いて反撃開始。相手が強引に出てくるところを「半分捨て身で抜きました」と錦木の腕を振りほどいて態勢を立て直す。
右で前まわしをつかむと、巨体を浮かしながら寄り切った。
「(相手の腕が)ほどけた後は動くしかないと思って無我夢中でした。止まったらダメだと思いました」
2連勝で勝ち越しに王手を懸けた。
だが、新入幕の先場所は9日目に7勝目を挙げながら、そこから6連敗を喫し痛恨の負け越し。
「先場所のことがあるので一日一番、自分の相撲を取れれば」と気を引き締めた。
この日、同じ伊勢ケ浜一門の十両・安美錦の引退が明らかになった。
「初めて(十両で)対戦した時は雰囲気が凄くて、怖かったのを覚えています。でも巡業の時にはいろいろ話しかけてもらって、凄い優しい方でした。自分も40歳までとは言わないですけど、それくらい活躍できる力士になりたいと思います」と話していた。

■照強
兄弟子の安美錦が引退を表明した後で臨んだ一番。
照強は目の色が違った。
重い千代丸に低く当たり、右からのいなしで崩す。
向き直った相手を素早く押し上げて快勝。
「絶対勝とうと思って土俵に上がった」。見事に白星を贈った。
宿舎で引退の意向を伝えられ、「俺の分まで頑張れ」との言葉に万感の思いがこみ上げた。
2010年春場所で初土俵を踏んで以来、私生活でも厳しい指導を受けた。
ひたむきな兄弟子との鮮やかな記憶と感謝の気持ち。それに報いたかった。
「しっかり踏み込んで真っ向勝負しないと次がない」。だから、169センチの小兵は193キロの巨体に臆せず挑んだ。
「立ち合いの形は10種類以上ある」そうだが、今場所は相手をごまかすような変化をしないように心掛ける。
3場所目となった幕内で初めて勝ち越せた要因の一つだろう。
「僕が言うことは難しすぎて理解できていないと思う」という安美錦の背中を追い、番付を上げてきた。
照強は「教わったことは人生の財産」と言い切る。
普段の軽妙な語り口も、この日ばかりはなく、口ぶりに強い決意をにじませた。

※安美錦
大相撲の元関脇で西十両11枚目の安美錦(40=伊勢ケ浜)が現役引退を表明した。
名古屋場所2日目に古傷の右膝を痛めて休場し、来場所は幕下への陥落が確実となっていた。アキレス腱、断裂など度重なるケガを乗り越え、関取在位117場所は歴代1位タイ。
記録にも記憶にも残る名力士が、22年半の土俵人生に別れを告げた。
今後は年寄「安治川」を襲名し、同部屋付きの親方として後進を指導する見通し。後日、記者会見を行う。
安美錦が伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に引退を伝えたのは14日昼。「よくここまで頑張ったな」と言われると、涙がこぼれた。
この日、師匠が発表した後、安美錦が心境を語った。
「ケガをして、初めて出る選択肢以外のことを考えた。勝負師として一線を引く時なのかなと思った」。右膝は前十字靱帯などが断裂しており「ボロボロ」。再出場の見通しが立たず、来場所の幕下陥落が確実になったところで決断した。
故障と付き合いながらの土俵人生。「ずっと(右膝の古傷と)付き合ってきた。また、最後におまえにやられたかという思い。いい相棒だよ」と漏らした。
右膝のケガがなければ大関になっていた。よく聞くこの見方には、こう反論する。
「ケガがあったから、ここまでやれたんだ」。最初に右膝を故障した時、手術を受ければ半年かかるところを工夫で乗り切った。
翌場所は立ち合いで踏み出す足を左から右に変えた。支える足を変え、故障箇所の負担を軽くする。稽古で鍛え、戦う術を身につけた。
角界屈指の切れ味を誇る出し投げなど、繰り出した決まり手は「45」。技のデパートと言われた舞の海の34手、史上最多勝利の白鵬の41手さえ上回る。
土俵際でもあきらめずに仕掛けるため、40代式守伊之助は「安美錦の相撲は裁きたくない」とぼやいた。
こうして歴代1位の関取在位117場所目にたどりついた。
37歳で左アキレス腱を断裂してからは、引退と背中合わせ。
家族にも支えられた。2女と1男の父でもある。妻絵莉さんの運転で回った治療先は数え切れない。
復帰から1年以上かけて幕内に戻り、17年九州場所で敢闘賞を受賞。「思い残すことはない」と吹っ切れた。
今場所前、2歳になったばかりの長男丈太郎くんが電話口で初めて「あみにしき」としゃべった。「言えたから、もういい。全部やったな」と思えたという。
東京にいる家族にはテレビ電話で引退を伝えた。
すると「これでママが疲れたら、運転交代できるね」という娘の声が聞こえてきた。
「そうだね、練習しないとね」。笑顔で次の人生に踏み出した。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/16
2019.07 本場所 10日目 昼 情報! 】
※安美錦
大相撲の元関脇で関取最年長の西十両11枚目、安美錦(40=本名杉野森竜児、青森県出身、伊勢ケ浜部屋)の引退が名古屋場所10日目の16日、決まった。
名古屋市内の同部屋の宿舎前で取材に応じ「これまではけがをしても治療してまだやるぞと思ったが、(今回は)初めて今後を考えた。勝負師として一線を退く時が来たかな。何も悔いはない」と話した。
安美錦は魁皇に並び歴代1位の関取在位117場所とした今場所2日目に古傷を抱える右膝を痛め、3日目から休場していた。
1997年初場所で初土俵を踏み、2000年初場所新十両、同年名古屋場所で新入幕。
多彩な技を生かした取り口で人気を集め、関脇には6場所在位。
左アキレスけん断裂の大けがも乗り越え、39歳で再入幕した17年九州場所で敢闘賞を手にした。
幕内在位97場所は歴代3位、三賞受賞12度(殊勲4、敢闘2、技能6)は同10位タイ。金星は8個獲得した。


2019/07/16
2019.07 本場所 10日目 情報! 】
■鶴竜
横綱鶴竜(33)は9戦全勝で単独トップに立った。

■白鵬
白鵬は初黒星。勝ちっ放しの鶴竜を1敗で追う。

■高安
大関高安(29)は正代(27)に突き落とされて2敗目。
8日目の玉鷲戦で左肘を痛めた高安は正代に敗れ、手痛い2敗目。
立ち合いから右を差し込み攻め立てたが、土俵際で突き落とされた。
この日の朝稽古後は「大丈夫です」と強調し、分厚いサポーターを施して本場所の土俵に上がったものの、左腕を使えていないことは明らか。
支度部屋では無言を貫き、兄弟子の荒磯親方(元横綱稀勢の里)は「時間がたてばよくなることもある」と祈るように話した。

■逸ノ城
大相撲名古屋場所9日目(15日、ドルフィンズアリーナ)西前頭4枚目逸ノ城(26)が横綱白鵬(34)を寄り切って6勝目。
1月の初場所で2つの金星を奪って以来、自身8個目の金星を挙げた。
親からもらった関取最重量227キロの全体重が、全勝の横綱を根こそぎ持っていく。
立ち合い一瞬で得意の左上手に手をかけ、分厚い胸を密着させた。
前へ出ながら右前まわしも引きつける。
白鵬のもろ差し狙いも封じ、一気に寄り切った。
白鵬にはこれまで2勝12敗。この横綱からは初の金星を奪い、館内に座布団を舞わせた。
「(左上手が)取れたので走るしかなかった。今場所一番いい相撲」。丸顔に満面の笑みが広がった。

■炎鵬
前頭十四枚目の炎鵬(宮城野)が前頭十枚目の貴源治(千賀ノ浦)を足取りで下して6勝目を挙げた。
立ち合い仕切り線から距離をとった貴源治に対して、近く構えた炎鵬は最初の立ち合いで突っ掛けてしまう。
二度目も同じ距離を保って立つと、懐にもぐられたくない貴源治の諸手を上手くかわし、下から回転の速い突きを繰り出して翻弄。
そのまま土俵際まで押し込んだところで、貴源治の左足を持ち上げて土俵の外に追いやった。
AbemaTVで解説を務めていた元前頭の若ノ城は「炎鵬は強いですね。体重も大きさも違うんですけど、ずっと前に出ましたね」と話し、休まず前に出続けた炎鵬を称えていた。
身長168cm、体重99kgの炎鵬に対して、身長191cm、体重172kgと大柄な貴源治。
しかし、好調・炎鵬の前に苦汁をなめる結果となった。

※大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/15
2019.07 本場所 9日目 情報! 】
■高安
白星を手にした高安が、思わず左肘を押さえて顔をしかめた。
対戦成績で五分だった難敵の玉鷲を破って1敗を堅持したものの、痛い傷を負った。
相手の突きをこらえて左を差したところで、小手に振られた。
左肘をきめられていた感じで、その後は左に回って攻めをしのぐと、前へ出て右手で押し倒した。
支度部屋では報道陣の問い掛けに応じず、まげを直す間は左肘の内側を氷で冷やした。
貴景勝、栃ノ心に続いてこの日から豪栄道が右肩のけがで休場。
4大関のうち3人が不在となり、残った高安もアクシデントに見舞われた。
八角理事長(元横綱北勝海)は「前に出ていたから相手が崩れた」と攻めの姿勢を評価。
藤島審判長(元大関武双山)も「あまり得意ではない玉鷲に良い相撲だった」と振り返り、「あしたも元気いっぱい取ってくれればいいが」と心配した。
この日の朝稽古後には「良い感じできている。前に圧力がかけられている」と手応えを口にしていた。
初の賜杯獲得に向けて1差で両横綱を追う後半戦へ、試練が訪れた。

■御嶽海
大相撲名古屋場所中日の14日、上松町出身の東関脇御嶽海(出羽海部屋)は西前頭四枚目の逸ノ城に押し出しで勝ち、6勝2敗で折り返しとなった。
御嶽海の手付き不十分が続き、3回目で立ち合いが成立。
張り手を受けて左上手を取られた御嶽海は、逸ノ城の懐に潜り込むと脇に差し込んでいた右手を突き上げるように押した。
相手が上手を切って体を開いた瞬間を逃さずに攻め、押し出した。
今日は東小結阿炎と対戦する。対戦成績は3勝負けなし。

■竜電
竜電が阿炎との新小結同士の一番に敗れた。
突きをあてがって前進したが、土俵際で逆転の引き技を食った。
「仕方ない。負けは負け」。言葉は潔かったが、表情には悔しさがにじんだ。
三役以上との対戦が終わり、3勝5敗で折り返し。「また、あしたからやるだけ」と前を向いた。

■豊ノ島
36歳の豊ノ島が持ち味を発揮し、初顔の22歳貴源治をはね返した。
両まわしを許して寄られたが、土俵際で左からの豪快なすくい投げ。
「衰えてはいるけど、さびついていなかった。おじさんの意地」。元気な新入幕を転がして、したり顔だった。
再入幕の場所は3連敗スタートと苦しみながらも連勝で3勝まで星を戻し、「少しエンジンが掛かってきた」。後半戦へ弾みがついたようだ。

※吉田沙保里
大相撲名古屋場所中日(14日、ドルフィンズアリーナ)レスリング女子で五輪3連覇の吉田沙保里さんが、NHKのテレビ中継でゲスト解説を務めた。
打ち出し後には親交のある白鵬と握手。
「やめるのはいつでもできる。今しかできないことを頑張ってほしい」とエールを送った。
白鵬は正代を引き落とし、8連勝で自身の最多記録を更新する48度目のストレート給金。
「休場明けで1つクリアしたということですね」とうなずき、吉田さんの訪問に「ありがたいね」と笑った。


大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/14
2019.07 本場所 中日 昼 情報! 】
■豪栄道
8日目の14日、休場した。
師匠の境川親方によると、以前から右肩を痛めており、6日目から2連敗するなど7日目まで3勝4敗と不振だった。
再出場の見込みはなく、9月の秋場所は8度目のかど番となる。
今場所は4大関のうち、貴景勝、栃ノ心に続いて3人が不在の事態となった。
境川親方は「本人は『しんどくて力が入らない』と言っていた。
だましだましやってきたけど、治療に専念させる」と説明した。
豪栄道の休場は昨年九州場所以来9度目。
8日目の対戦相手、平幕明生は不戦勝。
今場所の十両以上の休場は平幕嘉風、十両安美錦を含めて5人目となった。



2019/07/14
2019.07 本場所 中日 情報! 】
■鶴竜
危なげなく正代を破って7連勝を飾った。
立ち合いから左前まわしを取ると右上手もガッチリ。
同じ時津風一門で、普段は一緒に稽古しているが「稽古場と本場所は違うから」と、油断せず5秒3で退けた。
場所前に腰を痛めたが「(今場所の)最初は負担がかからないように速い相撲を取ろうと考えていたけど、日に日に落ち着けるようになった」と、状態も上向きで自信をのぞかせた。

■白鵬
7日目、白鵬は勝つには勝ったが、大栄翔にだいぶてこずった。
立ち合い左から張ったが右をさせず、つかまえられないまま何度もはたきにいった。
最後ははたき込んだが、アップアップだった。
6日目の碧山戦もそうだったが、白鵬には一時の圧力が確実になくなっている感じもする。
対戦相手にすればそんなに慌てて出る必要もなく、おっつけたり、突っ張ったりと見ながら押していくべきだろう。
しかし、染みついたかつてのイメージはそう簡単には拭えないのか、いかなきゃいかなきゃと出ている。

■高安
7日目、平幕碧山の右からのすくい投げでまわしを切られたが、すかさず突いてさがったところを押し出した。
1敗を守り、優勝戦線に踏みとどまった。
「落ち着いてとれました。
(土俵際の)詰めだけしっかりとりたい」と気を引き締めた。
中日は12勝12敗と五分の関脇玉鷲の挑戦を受ける。
難敵を退け、3日目からの連勝を伸ばしたい。

■御嶽海
三役常連の御嶽海は、先場所優勝した25歳の朝乃山が相手とあれば燃えないはずはない。
「年下には負けられないでしょう」。強烈なプライドを胸に、2場所続けて挑戦をはね返した。
下から突き上げて相手を起こし、朝乃山得意の右四つにはさせなかった。
相手がたまらず引いたところを逃さず、もろはずでさらに下から攻め、一方的に押し出した。
「自分のほうが低かった。良かったんじゃないですか」。納得の内容だった。
昨年名古屋場所で初優勝してからの1年を、「早くて長かった」と独特の言い回しで振り返る。
けがもあって賜杯争いに絡めず、大関挑戦が実らなかった悔しさがある。
「今場所の主役になりたい」。長野県出身の26歳は、準ご当所でもう一度輝きたい強い思いを隠さない。
今場所の名古屋は比較的涼しいが、「早く暑くなってほしいね。その方が好きだから」。
場所前は十分な稽古を重ねてきただけに、スタミナには自信がある。
賜杯争いでは鶴竜、白鵬を2差で追う。さらに調子を上げて横綱、大関戦を迎えたい。

■遠藤
7日目、人気の平幕遠藤は、大関豪栄道にもろ差しを果たして寄り切る完勝。
連敗を2で止めて3勝目を挙げた。
「しっかり集中して取れた。勝てたから(内容も)よかった」。
最近2場所は、勝ち越せば返り三役も狙えた前頭筆頭、同2枚目でともに7勝8敗と悔しい思いをした。
この日で関脇以上の対戦を終え、「後半へ向け、引き締めていきたい」と先を見据える。

■輝
中学の同級生対決が、大相撲で実現した。
西前頭12枚目輝と、西前頭14枚目炎鵬の初顔合わせ。
同学年で金沢市立西南部中の相撲部に所属していた間柄だ。
相撲は輝に軍配。
潜り込もうと飛び込む炎鵬を、下から突き起こして最後は押し倒した。
中卒で193センチ、143キロの「白鵬並みの体格」として鳴り物入りで入門した輝に対し、168センチの炎鵬は高校、大学を経由。
中学の稽古場以来、約10年ぶりの手合わせだった。
「懐かしいと思った」と輝。
炎鵬が「一番負けたくない相手」と言えば、輝は「これから何回でも取っていけたら」と再戦を心待ちにした。


大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/13
2019.07 本場所 7日目 情報! 】
■鶴竜
大相撲名古屋場所6日目(12日、ドルフィンズアリーナ)鶴竜が無傷の6連勝。
張り手、突き押しで前進し、左をのぞかせた遠藤を後退しながら、流れるようにはたき込んだ。
「左を深く差されたら(自分が土俵から)出ていたと思う。しっかり反応できた」とうなずいた。
中盤戦へ「集中し続けること」と気合十分。
勝ちっ放しが横綱2人となったが、優勝争いに水を向けられると「まだ何も始まっていない」と乗ってこなかった。

■白鵬
勝ちっ放しは両横綱だけになった。
白鵬は落ち着いて碧山の攻めをしのぎ、土つかずの6連勝。
横綱・白鵬は落ち着いた取り口で無敗を守った。
体重193キロの碧山との突っ張り合い。
互いに譲らず、土俵の真ん中で見合う形になったが「行きすぎず、守りすぎず」と慌てない。
たまらず先に出た相手の動きに合わせて、体を開くと、冷静にはたき込んだ。
休場明けながら、連日の軽快な動きで健在ぶりを示し、「一番一番、連勝を伸ばしていきたい」と力を込めた。

■豪栄道
大相撲名古屋場所6日目(12日、ドルフィンズアリーナ)豪栄道に元気がない。
昨年から5連勝中の正代に防戦一方のまま寄り切られ、先場所と同じく6日目で早くも3敗目を喫した。
左上手を許し、右半身の体勢で完敗。
苦しい土俵が続く大関は中盤戦に向け「集中するだけですね」と口数が少ない。
審判長を務めた師匠の境川親方(元小結両国)は「弱いからしょうがない。負けたから言い訳はできない」と手厳しかった。

■御嶽海
御嶽海が新小結の竜電を圧倒した。
過去2戦2敗の相手を一気に突き放して完勝し、「理想的だった。しっかりと前に出て勝ててよかった」と自賛した。
今後、対戦を重ねる可能性も高いだけに「3回、4回と負けると、苦手意識が自然につく。勝っておくと全然、違う。大きいと思う」と満足げだった。

■正代
伸び悩む大器に一皮むけそうな予感が漂う。
元学生横綱の正代が、迫力十分の攻めで豪栄道を1年ぶりに撃破。
「立ち合いがとても良かった」。そう繰り返す言葉に、充実感がこもった。
大関得意の右四つに組んでも、「あそこで体勢を整えていたら、相手にも整えられてしまう」と構わず前進。
左上手を引くのも素早かった。それでいて、冷静さも失わない。
回り込みながらすくい投げを打つ大関の反撃にも難なく対応し、体を預けるように寄り切った。
西前頭3枚目だった3月の春場所は10日目でようやく初白星。
普段はひょうひょうとした男が珍しく涙を流した。
「もう味わいたくない」。苦い経験を糧に一日一番に臨む心構えを改め、「勝ち負けでなく、自分の相撲を取ることに集中できている」という。
昨年名古屋場所の御嶽海のみならず、同じ学生相撲出身の朝乃山も先場所で初賜杯を抱き、発奮材料になったのだろう。
7日目は、過去11戦全敗の鶴竜に挑戦。
「やることは同じだと思う」。頼もしい口ぶりに波乱を起こす気概がにじんだ。

■逸ノ城
大相撲名古屋場所6日目(12日、ドルフィンズアリーナ)実力者の逸ノ城が2日目から5連勝と調子を上げてきた。
好調の理由を「(前に)出ているからですかね。下がるとそのまま下がってしまう」と説明する。
この日も右四つ左上手で体を密着させると、志摩ノ海に何もさせず寄り切った。
栃ノ心の休場で横綱戦が組まれる可能性が浮上。
関脇だった先場所は再出場しながら5勝止まりだったが、春場所では14勝を挙げて最後まで優勝争いに絡んだ。
上位陣にとって脅威の男は「前に出ないと」と自らに言い聞かせていた。

■炎鵬
小兵の炎鵬が矢後を見事に転がした。
潜り込むと、自身より80キロほど重い相手に首を抱えられ、「苦しかったが、我慢した」という。うまくタイミングを計って右からのかいなひねりを決め、「落ち着いて対応できたのがよかった」と納得顔だった。
先場所も、同学年の矢後を上手ひねりで仕留めている。
「相手の足の位置、距離感など全てが合わないと決まらない」と秘訣を明かした。


大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/12
2019.07 本場所 6日目 情報! 】
■白鵬
大相撲名古屋場所5日目(11日、ドルフィンズアリーナ)横綱白鵬は人気の平幕遠藤に立ち合いから押し込まれて後退。
左足が俵にかかったところから俊敏に回り込み、左から小手に振って相手を横転させた。
「(遠藤の体勢が)いつもより低かった。とっさに体が反応したね」と余裕を感じさせた。
全休明けの序盤5日間を全勝で乗り切り、「体が動いているという感じだね」。自身にとって令和初となる43度目の優勝へ向けて加速する。

■高安
大相撲名古屋場所5日目(11日、ドルフィンズアリーナ)高安は今場所初めて納得のいく相撲を取れたのではないか。
立ち合いでは体当たりが多いが、この日は阿炎に対して左を差しにいった。
阿炎には立ち合いに変化はあっても捕まえれば負ける相手ではないと、見ながら差しにいきもろ手突きが外れたところをついて行って押し出した。
立ち合いの体当たりを貫くのもいいが、相手にしたらやりやすい。
左を差しにくるのか右からくるのか分からないと相手はヤマをかけ威力も弱くなる。
優勝やもっと上を目指すには、立ち合いにもっとバリエーションがあってもいい。

■栃ノ心
大相撲の西大関栃ノ心(31=春日野)が名古屋場所6日目の12日、休場した。
初日から5連敗と不振だった。
このまま再出場せずに負け越すと、9月の秋場所は3度目のかど番となる。
栃ノ心は3月の春場所で負け越し、大関在位5場所で関脇に転落。
だが先場所で10勝し、1場所で大関に復帰したばかりだった。
休場は初場所以来で9度目。6日目の対戦相手、新小結阿炎は不戦勝。
今場所は初日から休場の貴景勝に続き、2大関が不在となった。
今場所の十両以上の休場は貴景勝、平幕嘉風、十両安美錦に続いて4人目。

■逸ノ城
大相撲名古屋場所5日目(11日、ドルフィンズアリーナ)関取最重量227キロの平幕逸ノ城が立ち合いから踏み込んで左上手を浅く取り、千代大龍を寄り切り2日目から4連勝だ。

■友風
大相撲名古屋場所5日目(11日、ドルフィンズアリーナ)平幕友風(24)が妙義龍(32)を小手投げで破り、自身初の初日から5連勝を飾った。
右膝手術のため休場した兄弟子、嘉風(37)の思いも背負って快進撃を続ける。
白鵬(34)と鶴竜(33)の両横綱と平幕照強(24)の4人が5戦全勝。
今場所から大関復帰の栃ノ心(31)は朝乃山(25)に寄り切られ、5連敗を喫した。
183センチ、180キロの恵まれた体が一段と大きく見える。
友風は前日、入幕3場所目で初めて初日からの4連勝。この日も勢いは止まらない。
「弱気が出てしまったが、勝ったので良かった。上手を取らせず前に出た結果」
日体大の8学年先輩でもある元関脇の実力者、妙義龍に立ち合いから右を差され、後退させられた。
そこから左で抱えて前に出ると、最後は渾身の力で相手の上体を起こして、素早く小手投げでたたきつけた。
支度部屋では「小手投げって何ですか。初めて聞きました」と報道陣に問いかけるほど、本人の頭にはなかった技だった。
快進撃の原動力は、“兄”の存在だ。「兄弟子と弟弟子、先輩と後輩というより本当の兄弟」。
そう慕う日体大の13学年先輩で幕内最年長の嘉風は、右膝を手術して休場。
その兄弟子から「俺の分も頑張ってくれ」と激励を受けて、今場所に臨んでいる。

■炎鵬
人気小兵力士の幕内炎鵬(24=宮城野)が、三役経験者の幕内栃煌山(32=春日野)を寄り切って、序盤戦を4勝1敗で終えた。
立ち合いから動き回り、栃煌山の攻めを右へ左へといなして翻弄。
隙を突いて左を差し、一度は土俵際で粘られるも、今度は右前まわしに食らいついて寄り切った。
19秒8の熱戦に館内は大歓声に包まれた。
支度部屋では「よく動けたと思います。でも、左が入って『いける』と思っても押し切れなかった。まだ攻めが遅いですね」と反省も忘れなかった。
初顔合わせだった先場所10日目に、栃煌山にはたき込まれて黒星。
雪辱を果たし、「前回は『テレビで見ていた人だ』とか考えすぎていたが、今日はそんなことはなかった」と終始、冷静だった。
1敗を死守して中盤戦に突入するが、「これからじゃないですか。集中を切らさずにやっていきたい」と視線を上げた。

■照強
幕内3場所目の照強が5連勝スタートを切った。
矢後に顔面を突かれて懐には飛び込めなかったが、低い姿勢で耐え、はたきにも落ちずに押し出し。
鼻血を拭いながら、「我慢すれば何とかなる」と振り返り、満足そうな表情を浮かべた。
場所前は宝富士や明生らと十分な稽古を積み、体重アップにも取り組んできた。
「下半身が安定して、めちゃくちゃ力が入る。立ち合いでしっかり当たれている」と成長を実感できているようだ。


大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/11
2019.07 本場所 5日目 情報! 】
■鶴竜
鶴竜は心憎いほどに冷静沈着だった。
もろ手で出た阿炎の回転のいい突きを受けても、微動だにしない。
あてがっては相手を正面に置き、勝機をうかがう。
引きに乗じて一気に前進。新小結の挑戦を難なく退けた。
涼しげな表情で勝ち名乗りを受け、「相手がよく見えていた」と納得顔。
格の違いを見せつけられた阿炎は「横綱は全然崩れなかった。力が逃がされ、伝わらなかった」と脱帽するしかなかった。
場所前の稽古中に腰を痛め、数日間は静養に努めざるを得なかった。
不安を抱えて初日を迎えた中、完勝で4連勝とし、「しっかり相撲に集中できている」。
横綱在位は32場所に到達し、歴代10位タイ。最高位で培った経験、気力が苦境で生きてくるのだろう。
名古屋場所はけがのため、2016年から3年続けて途中休場。
先場所も好内容で白星を重ねながら失速して、朝乃山に賜杯を奪われた。
苦い思いは繰り返したくないだけに、内心に期するものがある。
「目の前の相手に対して、やるべきことをやるだけ」。短い言葉に、昨年夏場所を最後に遠ざかる優勝への決意が感じられた。

■白鵬
大相撲名古屋場所4日目(10日、ドルフィンズアリーナ)白鵬が初顔合わせの相手に、またも横綱の力を見せつけた。
立ち合いから右で張って左を差し、右上手を引きつけると新小結竜電に攻め手を与えることなく寄り切って完勝。
これで平成19年の名古屋場所で横綱に昇進して以降、初顔相手の戦績は48勝4敗となった。
「(竜電は)いい流れで来ていたけど、そうはさせないという気持ちで土俵に上がりました」と涼しい顔だった。

■高安
大相撲名古屋場所4日目(10日、ドルフィンズアリーナ)大関の意地だ。
高安が先場所優勝で初顔合わせの朝乃山を激しい攻防の末に制し、伸び盛りの若手に立ちはだかった。
「当たりは良かった」。体を思い切りぶつけて突き、押し。相手得意の右四つになったが、左上手を与えない。
攻めを右下手投げでこらえ、さらに下手出し投げを放つ。自分から技を仕掛けて横転させた。
2日目から異例とも言える2日連続の取り直しで1勝1敗と苦しんだ。
この日も速攻で仕留めたかったようで「もっと前に勝負を決めたかった」と反省を忘れなかった。
腰に不安を抱えた場所前は二所ノ関一門の連合稽古を欠席。だが兄弟子の荒磯親方(元横綱稀勢の里)は「オーバーワーク気味だった。ちょうどいい休みだったと思うよ」と影響を否定する。
高安は「明日も頑張って取ります」と多くを語らず、集中力を高めた。
初優勝の悲願に向け、取りこぼしは許されない。

■栃ノ心
大相撲名古屋場所4日目(10日、ドルフィンズアリーナ)1場所で大関へ返り咲いた栃ノ心(31)は平幕大栄翔(25)に押し出され、初日から4連敗と精彩を欠く。
取り戻した「大関」の看板が、曇ったままよく見えない。
大関から陥落し、1場所で復帰した栃ノ心が迷走。初日から4連敗となった。
「よくないね。また、あしたから気合を入れる…」。支度部屋での口も重かった。
場所直前、部屋での関取衆との稽古で左肩を痛めた。
だが、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は「肩は大丈夫。膝でしょう。闘ってはいるんだけどね。自分の相撲を忘れている」。
かつて前十字、側副靱帯を断裂した右膝の不調を指摘した。
定評のある怪力が、すっかり影をひそめている。
突き押し得意の大栄翔に応じて、突っ張り合いに。
だが相手のいなしに上体が泳ぎ、土俵を飛び出すかたちで押し出された。
序盤で平幕3人に取りこぼし。師匠は「膝が(前へ)出ないから手も出ない。頑張らせますけど…」と、休場には言及しなかった。
1月の初場所で初日から4連敗を喫し途中休場。3月の春場所を7勝8敗と負け越して関脇へ転落した。
昭和44年名古屋場所以降、陥落した翌場所で10勝以上挙げれば大関復帰となる現行のかど番制度となり、栃ノ心は5月の夏場所で10勝して1場所で返り咲いた。
こうした例は栃ノ心を含め5人いるが、念願の復帰を果たした場所で再び苦労したのは貴ノ浪(平成12年春場所=7勝8敗)、栃東(16年秋場所=2勝2敗11休)で、すぐにまたかど番へ追い込まれた。
栃ノ心を勇気づける先人がいる。先代春日野親方(元横綱栃錦)だ。
昭和26年春場所。前頭2枚目で初日から7連敗を喫しながら、その後上位とも対戦しながら8連勝。
8勝7敗と勝ち越した、唯一無二の快記録を残している。4連敗で、下を向いてはいられない。

■朝乃山
前頭筆頭の朝乃山(高砂)が大関・高安(田子ノ浦)に下手出し投げで敗れて3敗目を喫した。
今場所初日に大関の豪栄道(境川)を撃破するも、二日目の白鵬(宮城野)、三日目の鶴竜(井筒)と2横綱に連敗を喫した朝乃山。
立ち合い正面からぶつかったものの、高安に右を差されると、右からの下手出し投げで土俵に勢いよく転がされた。

■北勝富士
大相撲名古屋場所4日目(10日、ドルフィンズアリーナ)北勝富士が大関豪栄道を破り、ようやく初日を出した。
土俵際まで追い込みながら引いたところを逆襲されピンチを招いたが、相手がバランスを崩したところをタイミング良くはたき込んだ。
「体の状態が良いので勝てた。普通なら(土俵の外まで)持っていかれていた」。
3日目までは2横綱1大関と対戦し、全敗。「調子の良さと結果を結びつけていけたら」と巻き返しを誓った。

■友風
大相撲名古屋場所4日目(10日、ドルフィンズアリーナ)入幕3場所目の24歳、友風が平幕で勝ちっ放しと好調さが目立っている。
この日は志摩ノ海を攻め立てて押し出すなど内容もいい。
多くの報道陣に囲まれ「今日みたいな相撲は自信になる。自然と(攻め手が)出た結果」と上機嫌だった。
日体大相撲部出身で2年前の夏場所初土俵。183センチ、180キロの体格で突き、押しを武器にデビュー以来負け越し知らずで躍進している。
大学の先輩で慕っている兄弟子の嘉風が休場しているだけに「嘉(風)関の分まで頑張って、いい相撲を取りたい」と言葉に力を込めた。

■照強
照強が先場所に続いて炎鵬との小兵対決を制した。
2度目で成立した立ち合いでも冷静。
相手を潜らせず、強烈な左で押し倒し、「左を差してくると分かっていた。いい感じで当たれた。理想通りの相撲」とご満悦の様子だった。
初日から4連勝。思うように体が動いている実感があるそうだが、「前半が調子良くて、後半に落ちるパターンがある」と、こちらも冷静に自己分析。
「まずは勝ち越しを目指したい」と気を引き締めた。


大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/10
2019.07 本場所 4日目 情報! 】
■白鵬
白鵬がうるさい相手を退けて3連勝。
右を差して、中に入ろうとする北勝富士の動きを止めると、低く頭をつける相手の肩越しに左を伸ばして上手を取り、最後は押しつぶすように左からひねった。
「立ち合いは悪くなかった。すくい投げか、前に出ようかと思っていた」と戦略を練っていた横綱。
肩越しにまわしを取る形は稽古で試みることがあり、「やっているから技も決まるんでしょうね」と満足そうだった。
休場明けで相撲勘が心配されていたが、「どうかなと思っていたが、体が動いている」と不安は消えつつある。

■高安
高安は2日続けての取り直し。
この日の遠藤との一番は軍配をもらったが、物言いがついた。
もう一丁では相手が前まわし狙いにきたところを右にかわして突き落とし、「内容は良くない」。連敗を免れても渋い表情だった。
2日目の竜電戦と合わせて2日で4番。
八角理事長(元横綱北勝海)は「場所前に(腰痛で)あまり稽古できなかったから、前向きに考えないと」と冗談交じりに話した。

■栃ノ心
関脇に陥落した夏場所で10勝し大関に復帰した栃ノ心は、新小結の竜電の上手出し投げに屈し3連敗。

■御嶽海
御嶽海が関脇対決を制した。
低く当たって玉鷲を起こし、一方的に押し出した。
「いい形で下に入れた。ああいう相撲が取れれば」と自賛。
玉鷲戦の連勝を10に伸ばした。
体調を崩して入院していた師匠の出羽海親方(元幕内小城乃花)が、この日から名古屋場所担当部長の職務に戻った。
御嶽海は「プレゼントになったんじゃないか。白星を重ねられたし、乗っていきたい」と上機嫌だった。

■竜電
28歳の新小結の竜電が前日の高安に続いて栃ノ心を破り、土俵を沸かせた。
連日の大関撃破に「正直うれしいです」と顔をほころばせた。
立ち合いで左上手を取ると頭を下げて体勢は十分。
投げを打って栃ノ心の姿勢を崩しながら、最後は右前まわしを引きながらの上手出し投げで転がした。
「勝手に体が動いた」と口にするほど好調だ。
これまでの土俵人生は順調ではなかった。
新十両だった2012年九州場所で右股関節を骨折して途中休場すると、その後も同じ部分を2度骨折して14年には序ノ口に落ちた。
師匠の高田川親方(元関脇・安芸乃島)は「けがをするのは、そこが弱いということ。もっともっと鍛えろ。稽古が足りない」と言い続けたという。
その叱咤に応えて18年初場所で新入幕を果たし、今場所で新三役。
苦労が実を結びつつある。
厳しいことで知られる部屋の稽古も「今はガンガンできる。つらくても、けがをしていた頃の方がつらい」と苦にしない。
4日目は横綱の白鵬との一番が控えるが「いつもと変わらない気持ちで」。稽古で養ってきた力を信じ、ぶつかっていく。

■朝乃山
先場所優勝の朝乃山は鶴竜に黒星。
前日の白鵬戦から続いた自身初の横綱挑戦を終えた。
立ち合いで得意の右が入らなくても構わず出た。
だが、鶴竜の体を開いての肩すかしに土俵に転がされた。
朝乃山は「肩すかしは頭になかった。まわしを取られての出し投げとかが来ると思っていた」と横綱の攻めの引き出しの多さに感服した様子。
連日、得意の左上手が遠く、「左上手をどう取るか。今場所は勉強と思って考えていきたい」と苦い連敗にも前を向いた。

■炎鵬
大相撲名古屋場所3日目(9日、ドルフィンズアリーナ)幕内下位で身長170センチに満たない小兵、炎鵬が3連勝と前半戦の土俵を盛り上げている。
大型力士を倒した24歳同士、照強と本日4日目に直接対決する。
99キロの炎鵬は180キロの琴勇輝に押し込まれたが、土俵際でうまく相手の左を手繰って回り込んで押し出した。
「腹がくくれている。先のことを考えずに、その日の一番に集中していく」とりりしい表情だった。

■照強
大相撲名古屋場所3日目(9日、ドルフィンズアリーナ)幕内下位で身長170センチに満たない小兵、照強が3連勝と前半戦の土俵を盛り上げている。
大型力士を倒した24歳同士、炎鵬と本日4日目に直接対決する。
116キロの照強は自らより88キロも重い魁聖を押し出し。
炎鵬戦へ「楽しみだね。一丁やってやるか」と気勢を上げた。


大相撲名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)
大相撲を見逃した!もう一度見たい!方はこちら。



2019/07/09
2019.07 本場所 3日目 情報! 】
■白鵬
横綱白鵬(34)は5月の夏場所で平幕優勝を果たし初顔合わせの平幕朝乃山(25)を上手投げで退け、連勝発進。
白鵬が横綱の貫禄を示した。
先場所優勝し、今場所初日も大関豪栄道を下すなど勢いがある朝乃山を一蹴した白鵬が、不敵な笑みを浮かべた。
「邪魔してやりましたね」余裕があった。
立ち合いでがっちり当たると右を差し、左上手を引く万全の体勢。
朝乃山に左上手を取らせず、前に出てきたところをタイミング良く上手投げを打って土俵に転がした。
今場所前、出稽古に訪れた朝乃山を強烈な張り手で脳振とうを起こさせ、恐怖心を植え付けた。
本場所でもまざまざと力の差を見せつけ、世代交代の予感を吹き飛ばした。
取組後は朝乃山について「これでまた成長するでしょう」と期待を込めた。
初顔合わせの若手に横綱の強さを思い知らせる。
白鵬流の“かわいがり”である。

■御嶽海
大相撲名古屋場所2日目(8日、ドルフィンズアリーナ)大関に最も近い東関脇に戻った御嶽海が人気者同士の対決で、目の覚めるような取り口を披露して初白星を挙げた。
遠藤に対し、力強い突き、押しで休まず勝負をつけた。
昨年の名古屋場所覇者は大きな拍手を浴び「ようやく1勝という感じ。しっかり前に出られた」と自画自賛した。
名古屋場所担当部長を務める師匠の出羽海親方(元幕内小城ノ花)が体調不良で休場中。
自身が躍進すれば昨年同様、場所は盛り上がるだけに「連勝していきたい」と闘志をみなぎらせた。

■竜電
新小結竜電が取り直しの末に高安を破った。
右上手を許して寄られても、回り込みながらすくって、うまく後ろについた。
大関が向き直ろうとしたところで2本差して体を預け、「強い気持ちでいったのがよかった」と納得した。
軍配をもらった最初の一番でも1分を超える相撲を取ったが「スタミナはまだあった」と涼しい顔。
初勝利を殊勲星で飾っても、「まだまだ始まったばかり。攻める気持ちを忘れずにいきたい」と気を引き締めた。

■朝乃山
大相撲名古屋場所2日目(8日、ドルフィンズアリーナ)結びは右の相四つで上手を先にどちらが取るかが焦点だった。
当たってやや押し込まれたものの、先に上手を取ったのが白鵬だった。
初めての横綱戦で期待された朝乃山だが、格上に得意の形になられては厳しい。
それでも出るしか活路がなく何とか出ていったが、白鵬はそのタイミングを測っていたようで、上手投げがぴたりと決まった。
朝乃山としては初めての挑戦でそれなりの手応えはあったのではないか。
とにかく、前に出ることで一辺倒だったが、一つ勉強して、これからは上手を取らせないように取る工夫をしてくるだろう。
負けて覚える相撲になればいい。

■炎鵬
大相撲名古屋場所2日目(8日、ドルフィンズアリーナ)小兵の炎鵬が体重差2倍以上の魁聖を機敏な動きで料理した。
体重99キロの炎鵬が204キロの魁聖。
狙った右の足取りはうまくいかなかったが、すかさず横に食い付いて動き回り、巨体を翻弄。
くるくると回りながら送り出しで仕留め、「始めから後ろに回るイメージだった。思ったより(相手が)小さく感じた」としたり顔。
小兵の魅力を存分に発揮して連勝発進を決め、意気揚々と引き揚げた。
「脚しか見ていなかった。初めから後ろに回ろうと思っていた」と狙い通りの内容に満足そうだ。
ただ報道陣から「くるくる王子」の異名を提案されると「それは嫌ですね」と苦笑いで断った。
初対戦の相手に翻弄された魁聖。
「ぐるぐる回って自分で笑いそうになった。相撲じゃないだろ」とお手上げだった。



2019/07/08
2019.07 本場所 2日目 情報! 】
■鶴竜
大相撲名古屋場所初日(7日、ドルフィンズアリーナ)横綱鶴竜は盤石の相撲で白星発進。
頭で鋭く当たって左を差すと、休まず前に出て新小結竜電を寄り切り、「立ち合いが良く、自分のペースで相撲が取れた」と納得の表情。
今場所前に腰を痛め、出場も心配されたが、「今は痛いとは思わない」ときっぱり。
「日に日に良くなればと思っている。そのためにも中途半端な相撲になるのが一番良くない」と完勝にも冷静だった。

■白鵬
大相撲名古屋場所初日(7日、ドルフィンズアリーナ)右上腕負傷で夏場所を全休した横綱白鵬は、昨年夏場所で初金星を与えた阿炎を冷静にはたき込み、令和初勝利。
当時との違いについて「(自分が)太ったからじゃないの」と笑顔でおどけた。
2日目の今日は場所前の稽古で胸を出した朝乃山の初挑戦を受ける。
この日も大関豪栄道を破っており、「(今日も)良い相撲を取っていたが、『そうはいかないぞ』という相撲を取りたい」と貫禄たっぷりだった。

■高安
場所前に腰を痛めた高安が、不安を感じさせない取り口を見せた。
体当たり気味の立ち合いで北勝富士を起こすと、すかさず左を差して前進。最後は押し出し、「前に出て勝てたのでよかった」と納得した。
十分な稽古を積めずに初日を迎えたが、3大関でただ一人白星発進。
「あすも良い相撲で勝ちたい」と落ち着いて話した。

■御嶽海
昨年の名古屋場所で初優勝を果たし、連覇を狙う関脇御嶽海(26=出羽海)が、悔しい黒星発進となった。
東前頭2枚目碧山(33=春日野)にはたき込まれた。
昨年は初日から11連勝だっただけに「初日からつまずいたね」と、口をすぼめた。
碧山のはたきは「頭にはありましたね。それを耐えきれなかった自分がちょっと。はたかれちゃ話にならない」と、言葉を振り絞った。
昭和以降では単独2位の15場所連続の三役在位となった今場所。
長野県出身で、名古屋が準ご当所となる大関候補にとって厳しい船出となった。

■阿炎
大相撲名古屋場所初日(7日、ドルフィンズアリーナ)東西の新小結は横綱に屈した。
先に登場した阿炎は白鵬を喉輪で起こしかけたが攻め切れず、はたきに腹ばい。
対戦前は「負けるつもりはない」と強気だったが「めっちゃ強い。立ち合いが速かった」と苦笑いを浮かべた。
初挑戦では破った横綱に力の差を見せつけられたものの「楽しかった。また何回も対戦したい」と汗をぬぐった。

■竜電
竜電は結びの一番で鶴竜に完敗。
右上手を許し、なすすべなく寄り切られた。
支度部屋では「自分が弱かっただけ」と淡々と振り返った。

■朝乃山
大相撲名古屋場所初日(7日、ドルフィンズアリーナ)朝乃山が力強い相撲を取った。
右の相四つでともに右を差したが、豪栄道は立ち合いの当たりがなく頭を下げるだけといった感じで、先に左上手を取った朝乃山が圧力をかけどんどん前に出た。
土俵際で左上手が切れたが、休まず体当たりし先場所に続き寄り切った。
先場所優勝し、今場所は初めて上位と総当たりの地位にきたが、精神的にはプレッシャーになることなく、前に出る自分の相撲をのびのび取っている感じだ。
先場所は豪栄道との大関戦だけだったが、横綱や他の大関にどれくらい通じるか、真価を問われる。
2日目の今日は早速、白鵬戦。
稽古では白鵬が圧倒したそうだが、勝ち負けを別にして朝乃山がどんな相撲を取るのか、非常に楽しみだ。

■遠藤
遠藤が栃ノ心を撃破した。
かち上げられても動じずに右前まわしを取ると、強引に出てきた相手の圧力を利用するように体を開いて出し投げ。
「全部良かった」と自賛する流れだった。
2場所連続で負け越しており、最近は存在感を十分に示せていないが、3場所ぶりの白星発進で波に乗っていきたい。
「一日一番だけを考えて頑張る」と短い言葉に決意を込めた。

■松鳳山
東前頭9枚目松鳳山(35=二所ノ関)が“アベック白星”を喜んだ。
自分は隠岐の海を上手投げで破った。
相手がまわしをつかんだ腕を決めにかかり、流れの中で投げを決めた。
「うまかったでしょ? 炎鵬ほどじゃないけど。たまたまだけど…体の反応がいいからだし、たまたまが多分、一番いいんじゃないかな」と取り口を振り返った。

■炎鵬
入幕2場所目の炎鵬が関脇経験もある36歳の豊ノ島を破った。
懐に飛び込んで右前まわしを取ると、機を見て出し投げ。
場所前に痛めた右肩も存分に使って業師を手玉に取り、「始めから良いイメージでいけた。やっぱり勝つのはいいこと」と実感を込めた。
白鵬の土俵入りで露払いを務めた。
先場所は横綱が全休したため、かなわなかった出番前の仕事。
「緊張がほぐれた」と言い、精神面でも大きかったようだ。



2019/07/07
2019.07 本場所 初日 情報! 】
■鶴竜
大相撲名古屋場所は本日、初日を迎える。
6日は会場となる名古屋市のドルフィンズアリーナで土俵祭りが行われ、三役以上の力士らが出席し、15日間の安全を祈願した。
本場所前の出稽古で腰を痛め、出場も危ぶまれた横綱鶴竜は「(骨が)ずれたわけではない。炎症が治まれば、普通にいける」と軽症を強調した。
名古屋場所は昨年まで3年連続で休場している。
「一日一日、ベストを尽くすだけ。最後まで集中力を切らさず、精一杯やりたい」。昨年夏場所以来となる6度目の優勝へ、静かに闘志を燃やした。

■白鵬
6日名古屋市のドルフィンズアリーナでの土俵祭りでは、右上腕の負傷で先場所を全休した横綱白鵬は、自身にとって令和初の取組になる。
43度目の優勝に向けて「(平成13年春場所初土俵は)幕内では私が一番先輩。一番の兄弟子として頑張ります」とうなずいた。
初日は昨年5月の夏場所の初対戦で押し出され、金星を献上した新小結阿炎と対戦。「借りを返したいね」と力を込めた。

■御嶽海
6日名古屋市のドルフィンズアリーナでの土俵祭りでは、長野県出身で、昨年の名古屋場所で初優勝した関脇御嶽海(26)は「2連覇を狙う」と宣言。
宿舎に縁起のいいムカデが現れ、勢いに乗る。
あの歓喜から1年。
土俵祭りに出席した御嶽海は気持ちを新たに、表情を引き締めた。
「去年の名古屋場所で優勝し、チャンスをもらったが、結果につなげられず、もどかしい部分があった。2連覇し、チャンスをつかみたい」
昨年の名古屋場所で13勝2敗で初優勝。
世代交代の旗手として大関昇進も期待されたが、その後は2桁勝利はなく、今年初場所は小結に転落した。
その間、主役は春場所で大関昇進を決めた4歳下の貴景勝に取って代わられ、「もう1年たったのか。早かったし、長かった」と振り返る。
今場所前は時津風部屋の豊山や正代らと番数を重ねた。
「しっかり体が動いている。悪くない」と手応えを口にし、「主役になれるよう頑張りたい」と意気込む。
土俵外でも吉兆があった。
昨年に続き、愛知・犬山市の出羽海部屋の宿舎にムカデが現れたのだ。
ムカデは戦勝の神「毘沙門天」の使いとされ、進むばかりで後退しないことから勇ましい虫と尊ばれる。
御嶽海は「勝ち虫ですね」とにやり。
愛知県に隣接する長野県出身で、指定懸賞数は力士トップの150本。
場所前の注目度は群を抜く。
初日は過去2勝2敗の碧山、2日目は4勝4敗の遠藤と対戦。
連勝で波に乗り、再び土俵の主役に躍り出る。

■阿炎
6日名古屋市のドルフィンズアリーナでの土俵祭りでは、今場所を新三役で迎える小結・阿炎(25=錣山)は、初日の横綱・白鵬(34=宮城野)戦に向け「向かっていけたらいい。負けるつもりはない」と気合を入れた。
白鵬とは今回で2戦目。
昨年の夏場所6日目の初対戦では会心の押し出しで、自身初金星をつかんだ。
それでも「もう忘れた。考えずに、自分の相撲を取る」。約1年ぶりに優勝42度の横綱に挑むが「怖いと思ったことはない。緊張もしてない」と強心臓ぶりを見せた。
幕内上位で戦うため、夏場所以降は増量に励んだ。
名古屋入り後、近所のラーメン店に通い詰め師匠の錣山親方(元関脇・寺尾)からは「食べ過ぎるな」と怒られた。
夏から6キロ増えて、現在154キロに。
「この体重でどれだけ戦えるか」と自己最重量で挑む。
白鵬は「ちょうど1年前か。借りを返したいね」とニヤリ。
名古屋で横綱昇進からちょうど12年を迎える今場所、若手の挑戦をはね返し、その威厳を示す覚悟だ。
世代交代の波が押し寄せる令和の大相撲。
「楽しみたい」と意気込む阿炎が、初日から場所を盛り上げる。

■朝乃山
先場所初優勝の朝乃山は6日、愛知県蟹江町の高砂部屋で最終調整に努めた。
上位陣との対戦が続くことが予想され「(いつも通り)場所に挑むだけ。楽しみですし、これからの相撲人生に関わってくる」と大相撲名古屋場所(7日初日・ドルフィンズアリーナ)を勝負の場所に位置づけた。
初日は大関豪栄道、2日目は横綱白鵬との対戦が組まれている。
6日は幕下以下の力士を相手に10番取り、汗を流した。
得意の左上手を引いて前に出る相撲を繰り返し、突き、押しの動きも入念に確認した。

※花田虎上
本日から愛知県体育館(ドルフィンズアリーナ)で大相撲名古屋場所が開幕する。
本場所は先場所中の負傷により途中休場を余儀なくされた大関・貴景勝(千賀ノ浦)が休場となり、2場所での大関陥落が濃厚となるなど波乱のスタートだ。
しかし今場所は、横綱・白鵬(宮城野)が先場所の休場から復帰する。
さらに夏場所でじつに58年ぶりとなる平幕優勝を果たした朝乃山(高砂)、さらに先場所で一場所での大関返り咲きを果たし、心身充実の大関・栃ノ心(春日野)からも目が離せない。
直近の9場所で5人の力士が賜杯を手にしていることもあり、今場所も終盤まで目が離せない取組が続くことが予想される。
AbemaTVでは、熱戦が続く15日間を生中継で放送する。
今場所の放送の目玉は、“三代目若乃花”の花田虎上氏だ。土日のレギュラー解説が決定しており、“相撲芸人”で知られるあかつと取組直後の実演解説を予定している。
また、第66代横綱ならではの見識から核心を突く本音トークも見逃せない。「わかりやすい解説を目指します」と意気込みを語った花田氏が、どのような解説を披露するか、あかつの相撲芸と合わせて注目だ。

※触れ太鼓
大相撲名古屋場所の初日を翌日に控えた6日、開催を告げる「触れ太鼓」が名古屋市内各地で披露された。
同市中区の朝日新聞名古屋本社前では、法被を着た呼び出しが「阿炎には白鵬じゃぞ」「鶴竜には竜電じゃぞ」と初日の取組を伝えた。
大相撲名古屋場所は名古屋市中区二の丸のドルフィンズアリーナ(県体育館)で開かれる。



2019/07/06
2019.07 本場所 1日前 情報! 】
■貴景勝
「大相撲名古屋場所」(7日初日、ドルフィンズアリーナ)大関陥落が確実となった貴景勝について、審判部長代理を務める境川親方(元小結両国)は5日、「勇気のある決断。残念だけどしっかり治した方がいい。まだまだ若い」と再起を願った。
現役時代に膝に重傷を負った経験がある尾車事業部長(元大関琴風)は「賢明な判断。来場所で(大関復帰条件の)10勝できる力は十分にある」とエールを送った。

■阿炎
7日に初日を迎える大相撲名古屋場所の番付で、越谷市出身の阿炎関(25=錣山部屋)が小結に昇進した。
同市出身力士の三役入りは初めて。
6月24日発表の番付によるもので、高橋努市長は「さらに精進され、市民に勇気と感動を与えてほしい」と祝福のコメントを寄せた。

■朝乃山
日本相撲協会は5日、大相撲名古屋場所(7日初日、ドルフィンズアリーナ)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。
先場所優勝の東前頭筆頭朝乃山(25)は初日に過去1勝1敗の大関豪栄道(33)と対戦し、2日目は結びで横綱白鵬(34)と初顔合わせ。
果敢に金星を狙い、初の上位総当たりとなる今場所に勢いをつける。
その表情には不安も恐れもなかった。
2日目に初の横綱戦が組まれた朝乃山が目を輝かせた。
「楽しみです。やっとここまで来ました。自分の力を出し切るだけです」
西前頭8枚目だった先場所は、三役経験のない力士としては昭和36年夏場所の西前頭13枚目佐田の山以来、58年ぶりとなる優勝を果たした。
東前頭筆頭まで番付を上げ、今場所は横綱、大関を含む上位陣と初めて総当たりする。
2日目に初挑戦する白鵬には、1日に愛知・豊田市の宮城野部屋へ出稽古に訪れて胸を借りた。
三番稽古(同じ相手と何度も取る)では強烈な張り手を食らって“KO”され、11番(朝乃山の2勝9敗)で打ち切られた。
「大学(近大)時代から尊敬していた。すごいの一言」と横綱の強さを肌で実感した。



2019/07/06
2019.07 本場所 1日前 情報! 】
■白鵬
日本相撲協会は5日、大相撲名古屋場所(7日初日・ドルフィンズアリーナ)の取組編成会議を開き、2日目までの取組を決めた。
全休明けとなる白鵬は序盤戦を乗り切れるかが、43度目の優勝へのカギとなりそうだ。
白鵬は3日の出稽古で平幕正代を圧倒。
右腕のけがから順調な回復をうかがわせた。

■貴景勝
大関貴景勝(22=千賀ノ浦)が大相撲名古屋場所(7日初日=ドルフィンズアリーナ)を休場することが4日、決まった。
新大関の夏場所で右膝を痛め途中休場したため、今場所で2場所連続負け越しとなり、秋場所(9月8日初日=両国国技館)は関脇に転落することになった。
この日の朝稽古終了後、貴景勝は師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に「どうしても出たい。お願いします」と出場を直訴。
しかし千賀ノ浦親方は「稽古をしないで、ぶっつけ本番で取れるほど、相撲は甘くない」と反対し、「(右膝の)痛みはありませんと言って意思が固い」弟子と4時間半も押し問答を繰り広げたが、結論は出ず。
地元局のCBCが主催する「名古屋場所前夜祭」に出席したあと、再度話し合った夜6時すぎに休場が決まるドタバタ劇となった。
前夜祭は500人のファンを前にした収録番組で、横綱白鵬、夏場所優勝の朝乃山ら人気力士がクイズやカラオケなどを行うもの。
横綱鶴竜は治療のため欠席した。
名古屋場所初日の3日前に前夜祭があるのは恒例で、放送日は初日前日の6日。
番組に迷惑がかからないように、休場する力士は収録までに出場の可否を判断するのが慣例となっている。
貴景勝は今場所に出場するつもりで参加したようで、「気持ちで一生懸命頑張りたいと思います」と意気込みを語っていた。
2時間の収録を54分に凝縮してオンエアするが、貴景勝の出演場面はカットするしかない。

■朝乃山
大相撲名古屋場所(7日初日、ドルフィンズアリーナ)の取組編成会議が5日、行われ、先場所優勝した東前頭筆頭の朝乃山(25=高砂)は、初日に大関豪栄道、2日目に結びの一番で横綱白鵬と当たることが決まった。
豪栄道は5月の夏場所14日目に、2度目の顔合わせで初めて破り、直後に優勝を争っていた横綱鶴竜が敗れたため、初優勝を決めた日の対戦相手。
白鵬とは初顔合わせで、横綱初挑戦でもある。
初日、2日目ともに経験豊富な格上に挑むことになるが、愛知・蟹江町の部屋で稽古後に取材に応じ「楽しみです」と、堂々と話した。
特に白鵬戦には、今月1日に出稽古で胸を借りるなど「大学(近大)の時から尊敬していた横綱」と、特別な思いを口にした。
出稽古を経験し「すごいの一言。これが横綱だというものを感じた」と、技術面以上に圧倒的な存在感、オーラのようなものを強く感じたという。
それでも「稽古でやったことは考えず、自分の相撲を思い切り取りたい」と、初金星に意欲的。
1日も計11番の三番稽古だったが、最初の一番は快勝しているだけに「本場所だと分からない」と力説した。
この日は部屋で約1時間30分、四股やすり足など基礎運動で汗を流し、最後は土俵外で若い衆を相手に、立ち合いの動作を繰り返した。
白鵬とは右の相四つだが、早い仕掛けなどを駆使して金星の道を探るつもりだ。
稽古後は訪問販売に来たヤクルトレディーから、商品6000円分余りを“爆買い”し、若い衆や報道陣に豪快に振る舞った。
普段は別地区を担当しているというヤクルトレディーは、朝乃山を筆頭にこの日の高砂部屋だけで、1万円超の売り上げを記録し「1カ所でこんなに売れたのは初めてです」と、品薄になった保冷バッグを見つめながら驚いていた。

※出羽海担当部長
大相撲名古屋場所(7日初日・ドルフィンズアリーナ)で責任者を務める日本相撲協会の出羽海担当部長(元幕内小城ノ花)が体調不良のため、当面は休養することが5日、分かった。
状況を見て職務に復帰する見込み。
代理は尾車事業部長(元大関琴風)が務め、6日の土俵祭りにも出席する。



2019/07/05
2019.07 本場所 2日前 情報! 】
■嘉風
日本相撲協会は5日、大相撲の東前頭11枚目嘉風(尾車)が名古屋場所を休場することを発表した。
嘉風は、日本相撲協会に「右膝外側側副靭帯損傷で、今後2カ月の治療を要する見込み」の診断書を提出した。
前頭6枚目で臨んだ夏場所は、中盤の5連敗を含むなど4勝11敗だった。
前頭11枚目で全休となれば、2007年夏場所以来約12年ぶりに、十両に陥落する可能性もある。
加療期間は2カ月の見込みで、9月の秋場所の出場も不安視される。



2019/07/05
2019.07 本場所 2日前 情報! 】
■鶴竜
腰を痛めている横綱鶴竜が4日、6度目の優勝を狙う大相撲名古屋場所(7日初日・ドルフィンズアリーナ)に出場する意向を示した。
報道陣の問いに「もちろん。そのつもりでいる」と意欲的だった。
1日に片男波部屋へ出稽古した際、稽古中に足を滑らせて痛めたという。
3日に続き、この日も午前中は治療に出掛けて稽古はしなかった。
腰の状態については「まだ場所まで時間があるので安静にする。痛めたときより良くなっている」と強調した。
治療後、部屋で鶴竜と話し合った師匠の井筒親方は「2日は一進一退だったが徐々に良くなっている。出る方向でいる」と話した。

■白鵬
最近の白鵬は稽古場に姿を現すと、まずは10分以上かけ、念入りに下半身をほぐす。
今年3月で34歳となった。けがとはほぼ無縁だった頃と比べると、より一層、体調管理に心を配るようになった印象だ。
右膝や左足首、右腕などに故障が重なり、休場は直近6場所で4度にも上った。
「けがが多くなっているし、苦しんでいる」と、珍しく弱音を吐いたことも。
自身が不在となった4場所では、いずれも初優勝力士が誕生。
毎場所のように賜杯を抱いた20代を思い起こせば、時代の変わり目が着実に迫っていることは否定できない。
1日には、令和最初の本場所となった夏場所で主役に躍り出た朝乃山に胸を貸した。
果敢に前へと攻めてくる25歳をがっぷり右四つで組み止めたかと思えば、巧みないなしや多彩な投げで崩す引き出しの多さを披露。
強烈な張り手も見舞った。「重い、強い、勢いのある一番脂が乗った力士」と認めるからこそ、今場所での初対戦を想定し、第一人者の厳しさを示してみせた。
6月下旬。七夕と重なる初日に向け、短冊に「V43」と記した。
「自分なりには仕上げてきているつもり。令和も始まったばかりだから、頑張りたい思いはある」。2場所ぶりの本土俵を、新たな復活劇を演じる舞台にする意欲で満々だ。

■貴景勝
大相撲の夏場所を右膝負傷で途中休場した大関貴景勝(千賀ノ浦部屋)が、初のカド番となる名古屋場所(7日初日・ドルフィンズアリーナ)を休場することが4日、決まった。
4時間以上の話し合いを経て、出場を望む貴景勝が、千賀ノ浦親方の休場勧告を受け入れた。
途中出場はせず、新大関からわずか2場所での陥落で、9月の秋場所は関脇へ。
取材に応じた失意の大関は、10勝以上で大関復帰となる秋場所を見据えた。
貴景勝の休場は、賢明な判断だ。
強靱な下半身をバネのように使った突き押しスタイルを支えているのは、間違いなく夏場所で負傷した右膝。
ぶっつけ本番の復帰となれば力士生命を左右しかねなかった。
再休場して2度不戦敗し、批判を浴びた夏場所の教訓も生かされた。
当時、再出場は千賀ノ浦親方との話し合いの末、新大関の意見を尊重して決まった。
名古屋で負け越せば関脇転落だけに、カド番脱出へ復帰を急ぎたいのは当然。
番付上の重圧もあったのだろう。
だが、同じ過ちは許されない。本調子ではない弟子に対し師匠は最後、休場勧告までして止めた。
角界で師匠は、いわば親代わり。
昨年末、貴景勝らが旧貴乃花部屋から移ってきた際も「どの子も我が子」と歓迎した師匠は今回、何としても未来ある22歳の相撲人生を守ろうとした。
陥落しても来場所、2ケタ勝てば大関復帰の道がある。
貴景勝は今回のことから、ファンに対して、このように話している。
「つかんだ大関の座をいったん手放すことになる。申し訳ない。もっと謙虚に、支えてくれる人のために頑張っていきたい」
「去年の九州からいい思いをしてきた。ここで悪い経験をするのは自分にとって大事。精神的に強いか弱いか分かれる。もう一回つくり直して地道にやりたい」
不安だらけのまま名古屋で勝ち越しを目指すよりも、力強い貴景勝の復活を誰もが待っている。

■栃ノ心
大相撲名古屋場所(7日初日・ドルフィンズアリーナ)前の稽古で左肩を負傷した大関栃ノ心(日野部屋)4日、愛知・春日井市の部屋宿舎で朝稽古を行った。
患部の大事を取って四股、すり足や幕内栃煌山とのぶつかり稽古などで終え、2日連続で相撲は控えた。
名古屋場所出場については「3日前の稽古でちょっと気合を入れ過ぎちゃったかな。場所が近いから左肩に無理はしないようにと思った。でも、もう大丈夫ですよ。名古屋ではまず勝ち越したいね」と支障はなく、表情は明るかった。

■玉鷲
1月の大相撲初場所で優勝した片男波部屋の関脇玉鷲関と、幕下の玉金剛さんが3日、南知多町の内海中学校を訪れ、生徒らと交流した。
河合康博校長が三月まで勤務していた知多市旭北小に玉鷲関らが訪問していた縁で、内海中にも来校することになった。
同校生徒や内海小6年生、保護者ら180人が参加。
女子児童2人との対戦では笑顔で押し出された玉金剛さんだったが、男子生徒を相手にするとひょいっと肩に乗せて土俵の外へ。
玉鷲関も男子生徒を片手だけで押し出し、力の強さを見せつけた。床山が玉鷲関の髪を手際良く結い上げる実演もあり、子どもらは興味深そうに見入っていた。
玉鷲関に勝負を挑んだ三年の大岩義典さんは「大人でも押さえ付けられるような強い力だったけれど、体は柔らかくてびっくりした」と話した。

■朝乃山
夏場所で初優勝した朝乃山は、名古屋市内のホテルで高砂部屋激励会に出席した。
今場所は上位陣と総当たりになるだけに「みんなつぶしにくると思う。連敗しても心が折れないように。(横綱との対戦は)思い切りいくだけ」と意気込んだ。
この日は犬山市の時津風部屋へ出向き、正代らとの申し合いで本格的な調整を終えた。
「足は出ているし、体も動いている」。優勝後は多忙を極めたが、状態に不安はない。



2019/07/04
2019.07 本場所 3日前 情報! 】
■鶴竜
6度目の優勝を目指す横綱鶴竜が腰を痛めていたことが3日、明らかになった。
この日は朝稽古をせず、関係者によると午前中に腰を治療するため部屋を離れたという。
鶴竜は一人横綱だった5月の夏場所で11勝4敗。
5場所ぶりの東正位で臨む名古屋場所に向けて、6月に熱田神宮で行われた奉納土俵入り後は「また新たな気持ちでいきたい」と意気込んでいた。

■白鵬
大相撲名古屋場所(7日初日、ドルフィンズアリーナ)で復活を期す横綱白鵬(宮城野部屋)が3日、本格的な稽古を打ち上げ、仕上がりに自信をみせた。
名古屋市中村区の友綱部屋へ出向き、同じく出稽古に来ていた東前頭三枚目正代に10戦全勝するなど19番で18勝1敗。
「(6月に合宿を張った)長浜でもしっかり準備してきたし、無事にやりきった感じ」と語った。
右上腕の負傷で夏場所を休場。横綱昇進後、過去4度の全休明けで優勝したのは17年九州場所だけ。
今年初場所は初日から10連勝しながら3連敗し、14日目から休場した。
43回目の優勝を狙う第一人者でも本来の動きを取り戻すのに苦労してきた。
「ふたを開けてみないと分からないが、波に乗っていければ感覚は戻ってくると思う」。言い回しは慎重ながら、その笑みには自信があふれていた。

■高安
腰に不安を抱える大関高安は2日、名古屋市西区の田子ノ浦部屋で、若手力士を相手に13番取って状態を確認した。
本人は「上向き。初日に向けて、いい状態にしていくだけ」と話す一方、時折顔をゆがめて腰に手を当てるなど本調子には遠そうだ。
6月28、29日と二所ノ関一門の連合稽古を欠席。
初優勝に向け試練の調整となっており「集中してやり切るだけ」と自らに言い聞かせるように話した。

■貴景勝
大相撲夏場所を右膝負傷で途中休場した大関貴景勝(千賀ノ浦)が3日、名古屋市内の同部屋で稽古を行い、2日連続で相撲を取った。
部屋の三段目、幕下力士を相手に計7番。「今日はいいと思う。(膝は)全く問題なかった」と話した。
カド番で迎える名古屋場所(7日初日・ドルフィンズアリーナ)へ順調な仕上がりを強調した。
この日出稽古に来ていた十両明瀬山に胸を出し、関取衆の重さや圧力を確認。
けが以来初めて相撲を取った2日から一夜明けても「(膝は)むしろいい感じ」と手応えに変わりはない。
出場については「明日何があるか分からないけど、今の段階では確実に出る」と改めて意欲。
「簡単なことを言えば、膝は万全に近い。全く心配する必要はない」と言い切った。
師匠の千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)は「関取衆と稽古してないし、何とも」と慎重な姿勢を崩していない。
再休場した夏場所の苦い経験もあるだけに「万全な状態で出してあげたい」と本音も語った。
「(膝の)不安、怖さは全くない。自信もあります」と貴景勝。
取組編成会議前日となる4日の稽古後に話し合いの場を持ち、最終的な判断をする。

■栃ノ心
大相撲名古屋場所で大関に復帰する春日野部屋の栃ノ心が3日、春日井市の春日井市民病院を訪れ、入院患者らを元気づけた。
名古屋場所で市内に宿舎を置く春日野部屋の地域交流活動の一環で実現。
小児病棟を訪れ、病室を一部屋ずつ回って、入院する子どもたちと手や足の大きさを比べたり、赤ちゃんを抱き上げたりした。
抱っこされた赤ちゃんの中には、あまりの迫力に泣きだしてしまう子もいた。
小児病棟以外の入院患者や来院者らと写真撮影にも応じた栃ノ心は「名古屋場所ではみなさんに力強い相撲を見せたい」と意気込みを披露した。



2019/07/03
2019.07 本場所 4日前 情報! 】
■貴景勝
右膝負傷を抱える大相撲の大関貴景勝が2日、名古屋市の部屋宿舎で、再休場した5月の夏場所8日目以来、44日ぶりに実戦を再開した。
幕下以下力士と計5番取って全勝。
初のカド番で迎える名古屋場所に向けて「気持ち的には100%出る」と強気。
ただ、初日までに関取衆との稽古予定はなく、“ぶっつけ本番”も示唆している。
師匠・千賀ノ浦親方(元小結・隆三杉)、舞の海秀平氏(相撲評論家)ら慎重論も根強かった。
復活を予感させるような、貴景勝の電車道だった。
関取衆の申し合い稽古が始まる直前。部屋の三段目力士を相手に、夏場所8日目(5月19日)の碧山(春日野)戦以来44日ぶりに相撲を取った。
幕下力士との1番も含めて計5番。格下相手ではあるが、素早い攻めから全て押し出す相撲で感覚を確認した。
「順調に来ていると思う。僕の中ではすごくいい。これなら問題ないと思う」。確かな手応えを口にした。
相手の立ち合いを受け胸を出す形も、2番。
意図的に右足で土俵際を粘り、確かめた右膝の感触は「右足が後ろに残っても、そんなに怖さはなかった」。久しぶりの相撲で多少の感覚のズレはあったが、5番の中で修正した。
ぶつかり稽古を再開した6月27日、出した力は5〜6割だった。
だがこの日は「5割でいったらけがするから」と、立ち合いから全力を出した。
本場所5日前。当初からの予定通りで、膝にテーピングも施さなかった。
「嫌ってくらい慎重にやって、すり足も浅く、中間、深くと3回に分けてやってきた。あと5日しかないけど、不安や怖さもない」と断言した。
ただ今後、関取衆との申し合いは行わないことも明言。
実力が近い力士と肌を合わせることなく、“ぶっつけ本番”で場所を迎える可能性も残した。
名古屋の初日まで、残り4日。負け越しで大関陥落が決まる、カド番で迎える。
出場については「まだ時間あるし明言はしないけど、気持ち的には100%出る。名古屋に来ているということは、出るつもりでやっている」と言い切った。
ただ高まる気持ちの一方で、夏場所で再出場から再休場した教訓もある。
周囲の意見も参考に、慎重に判断する。「あと4日、どこまで気持ちを高めてやれるか」。最善の準備をして、最後の答えを出す。

■朝乃山
5月の夏場所で初優勝した朝乃山は東前頭筆頭に番付を上げ、初めて上位と総当たりとなる。
初日まで1週間を切った1日。朝乃山は宮城野部屋宿舎に出向き、白鵬の胸を借りた。
巡業を除けば、大横綱と相撲を取るのは初めてだったが、臆せずにぶつかる。
いきなり鋭い踏み込みを披露し、「自分でもびっくり。体が反応してくれた」。第一人者も「おおっ」と驚くほど圧倒した。
その後、張り手をまともに受け、ふらつき倒れた。
番数は11番にとどまった中、圧力で上回る場面が目立ち、「前に攻められたのはよかった」と確かな手応えもつかんだ。
3月の春場所での不振を機に、積極的に出稽古するようになった。
7勝目を挙げてから5連敗を喫して負け越し。「弱いやつは稽古しないとダメ。強くなりたいと思った」。高砂部屋で唯一の関取。
部屋の若い衆が相手では気付きにくい課題もあるという。
6月下旬には時津風部屋宿舎にも連日通い、出稽古に来ていた関脇御嶽海らとの手合わせで得意の右四つの形を磨いた。
「厳しい場所」との覚悟を胸に横綱、大関陣を相手にしても、先場所のように恐れずに前に出られるか。
「勝ち負けにこだわらず、いかに自分の相撲を取り切れるか。自分に負けないようにいきたい」。心構えはできている。

■明生
4場所連続で勝ち越し、自己最高位の東4枚目に出世した。
立浪部屋の明生は、6月に2週間ほど堺市で行われた伊勢ケ浜部屋の合宿に参加した。
宝富士や照強らと重ねた稽古は1日に50番。「きついし、体の痛みはすごく出てくるし、気持ち悪くなってくる」と話した。
だが、言葉とは違い、表情は充実感にあふれていた。
かつて同じ一門だったことから、2011年5月の技量審査場所で初土俵を踏んでから、毎年のように足を運んだ。
しかし、昨年は夏場所千秋楽で左足を痛めた影響で参加を見送った。
けがが治り切らずに臨んだ昨年名古屋場所は新入幕で3連敗スタート。
幕尻の西16枚目で12日目に負け越しが決まり、1場所で十両に転落する状況になった。
しかし「常に攻めよう、前に出ようという考えで自分を信じようと思った。諦めない気持ちはどんな場面でも大切」。そう思い直して、千秋楽まで取った。
再入幕後4場所連続で勝ち越した先場所は、患部のテーピングを外せるまでに回復。
12日目の栃ノ心戦で左を差し勝っての寄りで給金を直し、白星を初の2桁に乗せた。
番付を東4枚目まで上げ、今年の目標に掲げる三役にまた一歩近づいたが、目先の星勘定にはとらわれていない。
「力を出せないで終わった方が嫌。思い切り、一生懸命やれればいい」。1年前に試練を味わった名古屋での、さらなる飛躍を期待する。

■友風
大相撲名古屋場所に向け、瀬戸市に宿舎を置いた尾車部屋に2日、招き猫をあしらった化粧まわし「いただきます」が贈られた。
化粧まわしには、招き猫がおにぎりを手にふすまから登場する様子が描かれている。
おむすびのししゅうや稲穂もあしらわれ、幕内の友風関が笑顔で試着した。

■炎鵬
5月の大相撲夏場所で新入幕し、人気小兵力士、炎鵬関を応援しようと、母校の金沢学院大関係者らが6月30日、県後援会を発足させた。
この日は金沢市内で新入幕祝賀会があり、約600人のファンや学校関係者らを前に、炎鵬関は「更に成長した自分を見せたい」と7日が初日の名古屋場所での健闘を誓った。
炎鵬は2日、部屋宿舎を構える愛知・豊田市で四股、すり足など基本運動で調整した。
炎鵬は先月26日に右肩を負傷して以降、相撲を取る稽古を控えてきた。
名古屋場所が迫ってきた中で、「明日からしっかりやっていこうと思う。ちょっとした相撲が取れればいい」と3日から実戦を再開する意向であることを明かした。



2019/07/02
2019.07 本場所 5日前 情報! 】
■白鵬
大相撲名古屋場所横綱白鵬は1日、宮城野部屋で出稽古に訪れた東前頭筆頭朝乃山と三番稽古を行った。
右からの張り手一発で脳振とうを誘い、稽古は11番(9勝2敗)で打ち切られた。
5月の夏場所で初優勝した元気者を撃沈。横綱の壁は高く、厚い。
虎穴に足を踏み入れた朝乃山を、手ぶらでは帰さない。
白鵬が「恐怖」という虎子を与えた。横綱が張り手一発で脳振とうを起こさせ、稽古はそこで打ち切られた。
右から張った白鵬が右四つに組んで頭を押さえて上手投げ。腰から砕けた朝乃山は立ち上がれない。若い衆に両脇を抱えられ、上がり座敷に座り込んだ。
横綱の勝負魂に2度火がついた。1番目。朝乃山に押し出され「(圧力は)思った以上」と気を引き締めた。
2番目以降は寄って投げて8連勝。10番目で一気に寄り切られ、2度目の着火。それが張り手となって表れ、朝乃山の戦意も奪った。
番付上、名古屋場所で朝乃山との初顔合わせの取組が実現する。
白鵬は平成22年春場所から初顔相手との対戦に7年4カ月をかけて28連勝である。

■貴景勝
大相撲名古屋場所を初のカド番で迎える大関貴景勝が30日、名古屋市内の部屋宿舎で調整した。
5月場所は右ヒザを負傷し途中休場。
この日はスクワットのほか、若い衆の胸をハズで押し返す動作を繰り返し、ヒザに負荷をかけて状態を確認した。
本番まで1週間前の段階になってもぶつかり稽古ができず、相撲を取る稽古も再開できていない。
不安は払拭されないままだが、貴景勝は「順調にきている。今まで(専門家が作成した)6週間のプログラムをこなしてきた。最初の週はひたすらリハビリ。2週目から良くなってきて、3週目からまわしを巻いて四股や浅いすり足をした。
今日はヒザを90度くらいまで曲げて相手の150キロの全体重を乗せてもらって、できた。あとは、ぶつかり稽古」と当初の予定通りに調整ができていると強調する。
その上で「(以前に)ケガでいつもと違う調整の仕方をした時に、いい成績を残した経験がある。この1か月の稽古量が落ちただけで別人のように弱くなることはないと思う。『今場所はいつもと違う』という怖さや不安は全くない。始まったら、もう気持ちでやるだけ」と言い切った。
その言葉からは出場への意欲が伝わってくるが、無理をして再びケガを悪化させれば致命傷にもなりかねない。
引き続き予断を許さない状況だ。一方で師匠の千賀ノ浦親方は「(調整は)自分でやりたいようにやってみて。どれぐらいできるかは本人にしか分からないから」と調整はすべて本人に任せる構え。

※新弟子検査
大相撲名古屋場所の新弟子検査が1日、名古屋市内で行われ、受検した3人全員が身長167センチ、体重67キロ以上の体格基準を満たした。
初日に合格者が発表される。
長谷川翼(16)=モンゴル生まれ、本籍地は千葉県、宮城野部屋=は185センチ、97キロで、日本人の父とモンゴル人の母を持つ。
横綱白鵬から母親に連絡があったことで、入門につながったそうで「小さい頃からの夢だった」と喜びを語った。
今野哉翔(16)=埼玉県出身、鳴戸部屋=は168センチ、149キロ。
久末大輝(16)=千葉県出身、九重部屋=は167センチ、77キロだった。

※追手風部屋
大相撲名古屋場所で、追手風部屋が鈴鹿市白子本町に部屋を構えて今年で10年。
力士の姿は鈴鹿の夏の風物詩として定着しており、一日の朝稽古には雨の中、多くのファンが訪れた。
七日の初日に向けた朝稽古でのぶつかり合い。
地元の白子東町公園に設けた屋根付きの土俵近くで見守っていた追手風親方が指導する。
人気の遠藤関が四股を踏みだすと、ファンの数が膨れ上がった。 地元では、近鉄白子駅近くや、公園周辺に「追手風部屋」と記したのぼり旗を立てるなどして歓迎している。



2019/07/01
2019.07 本場所 6日前 情報! 】
■白鵬
右上腕を痛めて5月の大相撲夏場所を全休した横綱・白鵬について、師匠の宮城野親方は30日、名古屋市内で取材に応じた。
そこでは、名古屋場所に出場する見通しを示した。
「だいぶ治って、体はいい状態に戻っている。動きもいい」と、現段階では2場所ぶりの出場に支障がないことを話した。
親方と白鵬らはこの日、名古屋市内で行われたファンクラブパーティーに出席した。

■高安
大相撲名古屋場所大関高安は30日、名古屋市内の田子ノ浦部屋で3日ぶりに稽古を再開した。
高安は前日29日まで3日続けて行われた二所ノ関一門の連合稽古初日に参加し、新三役の小結竜電と連続10番取ったが、2日目から急性腰痛を理由に参加しなかった。
29日は熱田神宮参拝の公式行事も欠席したことから、状態が心配されていた。
この日は相撲は取らなかったが、腰の状態を確認するような四股、すり足のほかぶつかり稽古で若い衆にも胸を出した。
2日間体を動かさず、「しっかり静養した。初日をいい状態で迎えることが最優先」と治療も継続している。
場所前、思ったような番数が消化できない懸念もあるが、「稽古をやってきた積み重ねもある。自分を信じてやっていく」と慌てる様子はない。

■竜電
大相撲の新小結、竜電が29日、名古屋市天白区の二所ノ関部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古で11番相撲を取り、琴奨菊らへの素早い攻めが光った。
3日間の連合稽古で計53番も取るなど名古屋場所を前に体を精力的に動かし「しっかり稽古できた」とうなずいた。
本場所へ向けて自らを追い込む姿を見守った、
同じ一門の荒磯親方(元横綱稀勢の里)が絶賛。「顔つきが変わっていてびっくり。自信があるからだろう。腰回りも大きくなった」と新三役となった覚悟を感じ取っていた。
股関節のけがから復帰した竜電は本場所でまずは勝ち越しを目指す。

■朝乃山
大相撲夏場所で初優勝した東前頭筆頭・朝乃山が1日、愛知県豊田市の宮城野部屋を訪れ、横綱・白鵬に胸を借りる。
名古屋場所前に“注目カード”が実現する。
30日に愛知県蟹江町の部屋で四股など基礎運動に汗を流した朝乃山は「自分はまだ弱いので、強い人の胸を借りたい」と第一人者との手合わせを希望していた。
同じ右四つで目標とする力士から得るものは多い。
右上腕二頭筋断裂で夏場所を全休した白鵬は復活へ調整順調。
この日は名古屋市内でパーティーに出席し「巡業で稽古をつけたことはあるけど(夏場所で)優勝したから、それ以上に力をつけている。稽古を楽しみたい」と若手の挑戦表明を貫禄たっぷりに受け止めた。

■炎鵬
金沢市出身の大相撲西前頭14枚目炎鵬(宮城野)が30日、金沢市で開催された石川県後援会設立記念の新入幕祝賀会に出席。
母校・金沢学院高・大の後輩ら集まった約60人の前で、名古屋場所へ向け大きな夢を披露した。
「(夏場所で)隣の富山県出身の朝乃山関が優勝されたので、自分も『いつかは』という思いがある」と話した。
炎鵬にとって初の支援組織となる石川県後援会は、母校・金沢学院大関係者が中心となり、この日の祝賀会前に設立。
新入幕の夏場所は後半で6連敗と失速して7勝8敗と負け越したが「今場所は必ず勝ち越します」と力強く宣言。
26日の稽古中には右肩を負傷したが、「けがは大丈夫。名古屋に戻って稽古して、皆さんに先場所よりも成長した自分をお見せできれば」と活躍を約束した。



2019/06/29
2019.07 本場所 8日前 情報! 】
■白鵬
日本国籍取得のため申請したモンゴル国籍離脱を、モンゴル当局が認めたことが28日、分かった。
同国政府筋によるとバトトルガ大統領が申請を認める大統領令を発令。
外国出身力士が親方になるには日本国籍が必要。
白鵬は現役引退後も角界に残ることを見据え、日本国籍を取得する決意を固めていた。
国籍離脱が認められたことで今後、日本側の手続きに入るとみられる。

■高安
大相撲名古屋場所、二所ノ関一門の連合稽古が28日、名古屋市内の鳴戸部屋で行われた。
前日27日には参加したが腰痛のため姿を見せなかった。

■貴景勝
大相撲名古屋場所、二所ノ関一門の連合稽古が28日、名古屋市内の鳴戸部屋で行われた。
貴景勝も、相撲が取れない状態で不参加だった。

■阿炎
大相撲名古屋場所、二所ノ関一門の連合稽古が28日、名古屋市内の鳴戸部屋で行われた。
新小結の竜電らと15番取るなど精力的に土俵に上がり「動いてみようかなと思った。疲れた」と大粒の汗をぬぐった。
得意とする立ち合いでのもろ手突きや押しは繰り出さず、より相手に圧力をかける動きを心掛けた。
体を密着させて攻め、押し込まれても土俵際で逆転する場面もあった。
動きは軽快で、9勝6敗だった。

■朝乃山
大相撲夏場所で初優勝を平幕で成し遂げ、名古屋場所で東前頭筆頭まで番付を上げた朝乃山が28日、時津風部屋で連日の出稽古を行った。
朝乃山は御嶽海と並ぶ最多18番取って12勝6敗と勝率NO1だった。



2019/06/28
2019.07 本場所 9日前 情報! 】
■高安
大相撲名古屋場所を前に、27日に二所ノ関一門の連合稽古が始まった。
初優勝を狙う高安は竜電と三番稽古に励み、充実した内容で8勝2敗だった。

■貴景勝
二所ノ関一門の連合稽古が27日、愛知・瀬戸市の尾車部屋で行われた。
大関2場所目でかど番となった貴景勝は姿をみせなかった。
同連合稽古は29日まで実施されるが、師匠の千賀ノ浦親方によると貴景勝の参加は見送るという。
貴景勝はこの日、名古屋市内の千賀ノ浦部屋に残って基礎運動で汗を流した。

■阿炎
「KITTE名古屋」で27日、大相撲名古屋場所を前に、阿炎と炎鵬の2人がトークショーを行った。

■朝乃山
朝乃山が優勝した5月夏場所後、初の出稽古を行った。
名古屋場所に向けて27日、時津風部屋で、正代、豊山、さらに同じく出稽古に来ていた御嶽海と計11番取って8勝3敗。
立ち合いから圧力をかけ、得意の右四つに持ち込む場面が多く、いきなり6連勝を飾った。
2度の優勝パレードなど多忙を極め、稽古不足が懸念されたが、力強い相撲が続いた。



2019/06/27
2019.07 本場所 10日前 情報! 】
■高安
大関高安は26日、元横綱稀勢の里の荒磯親方と三番稽古を行い、連続13番取って6勝7敗だった。

■貴景勝
大相撲名古屋場所をカド番で迎える大関貴景勝が、慎重な調整を続けている。
26日、名古屋市の千賀ノ浦部屋宿舎での朝稽古は、四股やすり足など基礎運動に終始した。
出場に向けては「初日の5日前に少し相撲を取れたら良い」という目標を掲げた。
新大関場所だった5月の夏場所で右膝を痛め、途中休場して負け越した。
稽古は今月12日に再開したが、まだ相撲を取れていない。
26日はすり足のスピードを上げ、「25日より動かしやすかった」と好感触を口にした。
ただ、「日によって調子は違う。段階を踏まないと」と話すように、右膝の回復は一進一退のようだ。
ここまでけがの影響が長引いていることに、「イメージしていなかった」とも漏らす。
今場所を全休すれば9月の秋場所は関脇に落ちる。
だが、まだ22歳の大関に焦りはない。
けがを押して出場するより、陥落しても、けがを治して再び大関を目指すという覚悟のようだ。
体と相談しながら、慎重に出場の可否を見極める。

■阿炎
大相撲名古屋場所が7月7日から始まるのを前に、25日豊橋市内の子どもらと交流した。

■朝乃山
5月の大相撲夏場所で初優勝した東前頭筆頭の朝乃山が26日、幕下力士と10番取り、名古屋場所に向けた本格的な稽古を開始した。
「前に前に出る稽古をしていく」と意欲を新たにした。
初の上位総当たりとなる今場所を見据え、得意の左上手を素早く引くことを鍵に挙げる。
そのために踏み込みの速さを磨くことを心掛ける。
「夏場所は(踏み込みを)しっかりできたことで優勝ができた。伸ばしていかないといけない」と自らに言い聞かせるように話した。

■豊ノ島
再入幕の前頭14枚目豊ノ島が26日に36歳の誕生日を迎えた。
名古屋は16年の場所前に左アキレス腱(けん)を断裂した因縁の場所。
年男となるベテランは「リベンジしたい。悪いものを切り替えられるチャンス」と闘志を燃やした。



2019/06/26
2019.07 本場所 11日前 情報! 】
■白鵬
自動車大手トヨタの支援を得て、史上最多を独走する43度目の優勝に挑む。
名古屋場所に向けて25日、愛知・豊田市で本格的な稽古を再開。
トヨタの豊田章男社長と親交がある縁などで今年、部屋宿舎が昨年までの名古屋市からトヨタスポーツセンターに移った。
クーラー完備の常設屋内土俵で、約1時間半汗を流した白鵬は「あらゆるものがそろっている」と絶賛。
七夕の初日、会場で公開される短冊に「V43」と記し、2場所ぶり頂点を見据えた。

■貴景勝
右膝負傷で夏場所を途中休場した大関貴景勝が25日、名古屋市の宿舎で稽古を再開させた。
基礎運動のみで最後のすり足も腰を下ろさず負荷を軽減。
調整遅れは否めず、初日まで2週間を切り、出場への見通しは立たない。
四股、スクワットで汗をかき、膝の動きを前後左右に確認。
「(患部の状態は)日によって違う。痛さはもうあんまりない。安定感、緩さの問題。その辺をどうやっていくか」と不安は消えない。
かど番となる場所。「出る方向で一生懸命やる」と意欲はある。
一方で「また右(膝)を切ったら終わり。根性と無謀を間違えないようにしたい」と熟慮する。
27日から3日行う二所ノ関一門の連合稽古も「実戦的な稽古は微妙」と不参加が濃厚。
初日から1週間前に相撲を取れるかをメドにしたが、現段階では厳しい。「基礎をしっかりやって体をパワーアップさせていく」。
ぶっつけ出場の可能性はあるが、引くのも勇気。判断一つに力士人生が懸かる。

■朝乃山
大相撲名古屋場所を前に、五月場所で幕内優勝した朝乃山関と名古屋場所担当部長の出羽海親方らが二十五日、県公館に大村秀章知事を訪ねた。
大村知事は「今場所も勝ち越して三役となり、大関取りにまい進してください」と朝乃山関を激励。
朝乃山関は体調を問われ「はい、大丈夫です」と答えた。
大村知事との取り組みにも応じ、豪快に投げ飛ばして笑顔を見せた。
朝乃山関らは名古屋市の河村たかし市長も訪問。
河村市長は「表彰式でまたお会いできるように」と激励した。
恒例の関取との一番では「(朝乃山関に)大外刈りを決めたる」と意気込んだが、突き落としで切り返された。
ただ、取り組み後、朝乃山関に「ガツンときた。骨が当たって痛かった」と言わせた。
優勝力士に対し、県は知事杯とみかわポーク五頭分や県産バラなどの花束を、市は市長杯と有松鳴海絞の浴衣地、へこ帯を贈る。

※阿武松審判部長名古屋場所全休
日本相撲協会審判部の阿武松部長が体調不良により、大相撲名古屋場所を全休することが25日、協会関係者の話で分かった。
高血圧の症状があり、入院などで治療に専念するという。
名古屋場所では審判部長代理の親方を立てる方向。
阿武松部長は5月の夏場所で物言い協議後に勝った力士や東と西を言い間違えるなど、場内説明の際に分かりにくい言い回しが散見された。
同場所後の横綱審議委員会からは正確な説明を求められ、改善する意向を示していた。



2019/05/27
2019.05 本場所 千秋楽 翌日朝 情報! 】
■阿炎
自己最多に並ぶ10勝目を挙げ、新入幕だった昨年初場所以来、2度目の敢闘賞を受けた。
勝った方が敢闘賞という玉鷲との一番。
得意のもろ手突きで相手の出足を封じ、右に回り込んで引き落とした。
支度部屋では「うれしいね」と満面の笑み。
今場所は大関高安や関脇栃ノ心を破り、新三役の可能性が高まったが「いつでもチャレンジャーなので」と、気にしないそぶり。

■竜電
10勝目を挙げ、初の技能賞を手にした。
千秋楽での白星という条件を土俵入り後にテレビ中継で聞き、「知らない方がよかった」。
意識はあったようだが、重い碧山の突き押しをあてがい、左からの上手投げで思い切りよく転がした。
三賞の中では「一番うれしい」と言い、「あまり形にはまり過ぎず、自分のいい相撲を取ろうと思った」と15日間を振り返った。

■朝乃山
初優勝を果たした前頭8枚目の朝乃山が、世界の「アサノヤマ」になった。
優勝は前日14日目に決めていたが、この日の表彰式では、大相撲を初観戦したドナルド・トランプ米大統領から、新設の米国大統領杯を直接受け取った。
取組は小結御嶽海に寄り切られて3敗目を喫したが、令和初の優勝に加え、同杯の初代受賞者としても歴史に名を残し、相撲の象徴的存在として世界に発信された。

初優勝だが、世界では全力士の代表という扱いだ。
7月の名古屋場所は新三役の可能性も十分。
「ライバルを変えて、上の人をライバルにして稽古に精進する」。
大関貴景勝や15場所連続三役が確実な御嶽海らへと“アサノヤマ”が挑戦状をたたきつけた。

また、千秋楽の26日、三賞選考委員会が開かれ、12勝3敗で平幕優勝を果たした朝乃山が初の殊勲賞と3度目の敢闘賞を獲得した。
三賞は昨年名古屋場所以来。

■志摩ノ海
敢闘賞を手にした。
勝てば受賞が条件だった一番で、近大相撲部の先輩・宝富士を押し出し、10勝目。
「負けても勝ってもいい相撲をと思っていて、先輩にいい相撲が取れました。
後半に入って、下からおっつける、じわじわと嫌らしい相撲が自分の持ち味だと再確認できました」。
初の三賞については「取りにいって取れるものじゃないし、あまり興味はなかった」と話した。

※米大統領杯授与継続決定
八角理事長の談話より
「大統領杯は、来年以降も五月場所の優勝力士に授与されることになりました。力士一同にとり、大きな励みとなります。」と述べた。



2019/05/26
2019.05 本場所 千秋楽 朝 情報! 】
■栃ノ心
大関復帰を決めた10勝目の勝ち名乗りを受け、栃ノ心は大きく息を吐いた。
注文相撲で鶴竜を破り、「悪いことをした。当たりにいったら、まわしを取られるとドキドキした」と正直に言った。
13日目の朝乃山戦は行司差し違えで落としたが、「自分がしっかり勝っておけばよかった」。
素直に黒星を受け入れ、切り替えて土俵に上がった。
名古屋場所では看板力士として再出発する。
「もうちょっと勝てるようにしたい。やるしかない」と決意を新たに話した。

■朝乃山
初優勝を飾った。
昨年初場所の栃ノ心以来となる平幕優勝。
富山県出身としては元横綱太刀山以来103年ぶり、三役経験がなく優勝したのは佐田の山(後の横綱)以来、58年ぶりという記録ずくめ。
新時代到来を印象づける優勝となった。
朝乃山の両親は国技館で息子の快挙を見届けた。
鶴竜が敗れて優勝が決まった瞬間、父靖さんは「力が入った。いつか優勝してくれると信じていた」と熱っぽく話した。
富山からJRで両国へ。
毎場所、観戦するのは基本的に初日と中日の2日だけだが、千秋楽も観戦する予定で1場所あたりでは過去最高の観戦回数になるという。
この日は親戚2人を連れて4人マス席での観戦。
母佳美さんは「すごいうれしい。涙が出た」と、感慨深く話した。



2019/05/25
2019.05 本場所 14日目 昼 情報! 】
■栃ノ心
13日目、栃ノ心にとっては悔やみきれない黒星だったろう。
朝乃山がつかまったら駄目だと、立ち合いから一気に出ていった。
土俵際で栃ノ心は左に回り込んで右からすくい投げを打ち、朝乃山の落ちるのとほぼ同時に栃ノ心の右かかとが出たかどうかの微妙な勝負。軍配は栃ノ心に上がったが、物言いがつき行司差し違えとなった。
栃ノ心にとっては遠い遠い10勝になったが、とにかく気持ちを切り替え中盤までの盤石の相撲を思い出し、残り2日にかけてもらいたい。

■竜電
13日目、12日目の鶴竜戦の敗戦からきっちり立て直した。
御嶽海に頭からぶつかって引きに乗じて足を運んだ。
相撲巧者を押し出して2場所連続で勝ち越し「うれしい。攻められたので良かった」と静かに喜んだ。
右股関節の大けがで十両から序ノ口に転落したがはい上がってきた。
自己最高位の西前頭3枚目だった昨年九州場所は負け越したが、西前頭5枚目の今場所はスピードある取り口が光る。
「あと2日力を出し切る。成長したところを見せたい」と意気込んだ。

■朝乃山
13日目、平幕朝乃山が軍配差し違えで関脇栃ノ心に寄り切りで勝って11勝目を挙げ、2敗で並んでいた横綱鶴竜は大関高安に押し出されて敗れ、単独トップに立った。
朝乃山が14日目に大関豪栄道に勝ち、鶴竜が栃ノ心に負けると、朝乃山の初優勝が決まる。

■志摩ノ海
新入幕の志摩ノ海が4連勝で勝ち越しを決めた。
琴恵光の攻めを耐え、おっつけから左上手を引いて寄り切った。
「きょうだけは喜んで、またあしたから気を抜かずにやりたい。あと2番が大事になってくる」と言葉に力を込めた。
三重県出身で、7月の名古屋場所は準ご当所となる。
「今場所は自信を持って取り組めた。勝ち越して、良い成績で帰りたかったのでよかった」とうれしそうに話した。

■炎鵬
新入幕で土俵を沸かせている炎鵬が右太もも裏を負傷した。
明生と投げを打ち合ってもつれた後、立ち上がろうとした際に痛みが出たという。
差し違えで黒星を喫し、まさに痛い1敗となった。
用意された車いすには乗らなかったが、足を引きずって花道を引き揚げた。
支度部屋では患部を冷やし、時折顔をゆがめながらも「(筋肉は)切れていない。大丈夫です」と気丈に話した。
勝ち越しに王手をかけてから4連敗。
素早い動きが持ち味だけに、今後が心配だ。



2019/05/24
2019.05 本場所 13日目 朝 情報! 】
■横綱
竜電を一蹴して再びトップに並んだ。
終始動いて巻き替えながら、初顔合わせの竜電の体勢を崩し「あそこは体がしっかり反応した」と納得の勝利。
単独トップの朝乃山が2敗目を喫した中、連敗は阻止し「しっかり自分の相撲に集中できた」とうなずいた。

■栃ノ心
大関復帰まであと1勝の関脇・栃ノ心は明生に寄り切られ、2連敗で9勝3敗。

■玉鷲
単独トップだった朝乃山を圧倒した。
強烈な左おっつけで差し手を封じ、右喉輪で起こすと一方的に押し出し。
5秒足らずで物にした一番を「もたもたしていると強い相手だから」と胸を張り、「気持ちいい」と上機嫌が続いた。
優勝争いを盛り上げる白星で給金を直した。
自身も1月の初場所で初賜杯を抱いており、「これでみんなまた楽しくなっちゃう。最後まで分からないのが一番楽しい。来てくれたお客さんのために取れた」と満足そうに笑った。

■朝乃山
2敗目を喫し、1日にして再び鶴竜に首位に並ばれた。
玉鷲の激しい突き押しに抵抗できず、「動きは硬かったが、踏み込んでいけたと思うし悔いはない」。
支度部屋では冗談も飛ばすなど、努めて明るく振る舞った。
13日目は3敗の栃ノ心と対戦。
相手は大関復帰を懸けて臨んでくるが、格上との一番に向け「巡業で稽古をしてもらったので思い切りいきたい。自分の相撲を取り切りたい」と言葉に力を込めた。



2019/05/23
2019.05 本場所 12日目 朝 情報! 】
■逸ノ城
右膝のけがで大相撲夏場所8日目の19日から休場していた東関脇逸ノ城が12日目の23日から再出場することが22日、決まった。
12日目に小結碧山との対戦が組まれた。
先場所14勝の逸ノ城は「右膝蓋骨骨挫傷、右膝内障で10日間の安静加療が必要」と診断されていた。
11日目時点で2勝6敗3休と負け越しが決まっている。
師匠の湊親方は「慢性的に痛みが出る箇所だが、炎症がだいぶ治まった。稽古場での四股やすり足の動きも問題ない」と説明した。

■栃ノ心
11日目大関返り咲きへあと1勝の栃ノ心は阿炎に屈し、条件の2桁勝利到達は持ち越しとなった。
右喉輪にのけ反り、出足を止められた。前に出ようとしたところをはたき込まれ、前のめりになって土俵下まで落ちた。
はたきを警戒していたというが「気をつけていても食らうときがある。ちゃんと構えて待てば良かった」と攻め急ぎを反省した。
師匠である春日野親方の57歳の誕生日に節目の白星を挙げられず「くそー」と悔しさをあらわにした。

■妙義龍
昨年の九州場所で稀勢の里から奪って以来となる4個目の金星を獲得。
鶴竜がまともに引いた瞬間を逃さなかった。
三役経験が豊富な実力者は星が伸びていない中での横綱戦だっただけに、「結びで組んでもらえてありがたい」と感謝した。
相撲を取っての白星は6日目以来となり、7敗で踏みとどまった。
流れが変わりそうな1勝に「まだ4日間あるから」と気持ちを新たにした。

■朝乃山
10日目、幕内正代を寄り切って9勝目を挙げ、単独首位。
突き、張りの猛攻から快勝し「攻めようという気持ちがあって前に出られた」と納得の表情だ。
9日目に幕内では令和初となる勝ち越しを決め、勢いに乗っている。
幕内3度目の2桁勝利へあと1勝となったが「決めたいとか考えず、平常心で自分の相撲を取り切りたい」と強調。



2019/05/22
2019.05 本場所 11日目 朝 情報! 】
■栃ノ心
御嶽海を圧倒して9勝目を挙げ、大関復帰へ王手をかけた。
鋭く踏み込んで左前まわしを取り、得意の右四つになると上手を引き付けて寄り切った。
「いい立ち合いだった。左がはまったね」と自賛した。
9日目の貴景勝戦は不戦勝だったが、勝負勘に影響はなかった。
11日目は過去3戦3勝の阿炎が相手。
「あと一番だね。とりあえず、あした」。
口調も表情も落ち着いてきた。

■朝乃山
関取では十両時代も含めて初めて、10日目を終えて1敗を守った。
正代との突き合いで先手を奪い、倒れ込みながら寄り切った。
「突き放しは無意識。場所前に稽古して『突くのもアリ』と思っていた」と納得顔。
春巡業では奉納大相撲を除く、通常開催23会場のうち、2会場以外は稽古し続けた。
稽古の質、量ともに自信を持ち、自己最多11勝超えを狙う。

■琴恵光
幕内4場所目で初めて勝ち越した。
阿武咲の突きに後退したが、タイミング良く右に動いて引き落とした。
「落ち着いて取れた。やっぱりうれしい」と素直に喜んだ。
177センチ、138キロと体は大きくないが、今場所は下半身が安定しており、「立ち合いで圧倒されなくなった」と手応えがある。
今年は2場所続けて7勝8敗に終わり、「その悔しい気持ちを強く持って土俵に上がっていた」。
目標達成の喜びもそこそこに、「まだ取組があるので切り替えたい」と冷静な顔に戻った。

※貴源治
十両・貴源治が蒼国来を突き出しで下した。
これで貴源治は初日から10連勝を達成、十両の優勝争いを独走中だ。
15日制定着以降では過去に元横綱・北の富士ら5人しかいない十両全勝優勝の期待が高まる。
また、『北の富士賞』への期待も話題!?



2019/05/21
2019.05 本場所 10日目 朝 情報! 】
■鶴竜
隠岐の海に低く当たって左を差し、一気に走った。
相手に何もさせない完勝に「とにかく自分のタイミングで当たっていく意識がよかった」。
土がついた8日目の玉鷲戦は立ち合いで考え過ぎて失敗したが、この日は迷いがなかった。

■栃ノ心
9日目、貴景勝が再休場したため、不戦勝となり、勝ち越しを決めた。
大関復活まであと2勝。
残りの取組に期待が高まる。

■朝乃山
休まず攻めた。
しっかり圧力をかけると、はたきを交えて竜電を崩して右を差し、最後は体を預けて寄り倒した。
5連敗していた苦手を内容の伴った取り口で撃破し、「踏み込めた」と納得の表情で振り返った。
9日目での勝ち越しは、終盤まで優勝争いに絡んだ昨年名古屋場所に並ぶ自己最速。
「もう考えている暇はない。どんどん攻めていきたい」と言葉にも勢いがあった。

■照強
2001年に決まり手に追加された送り掛けを十両以上の取組で初めて記録した。
もろ差しを果たし、千代丸を右下手投げで崩して後ろに回ると、右足を掛けて転がした。
取組直後は送り倒しと発表されたが訂正された。
照強は「狙ってはいなかった。たまたまです」と涼しげに振り返った。
今場所は新入幕で99キロの炎鵬が多彩な技で盛り上げているが、同学年で116キロの照強も負けじと奮闘している。

※米国大統領杯
安倍晋三首相は20日の自民党役員会で、25日から28日までの日程で令和初の国賓として来日するトランプ米大統領が、26日に大相撲夏場所千秋楽を観戦し、優勝力士に「米国大統領杯」を贈呈する予定だと明らかにした。
トランプ氏が来日中に行う日米首脳会談に関し「日米同盟の結束を確認し、世界に発信したい」とも語った。



2019/05/20
2019.05 本場所 9日目 朝 情報! 】
■貴景勝
9日目の20日、日本相撲協会に再び休場を届け出た。
4日目の御嶽海戦で右膝を負傷。
再出場した8日目には碧山に敗れ、3勝3敗2休となっていた。

■栃ノ心
返り咲きを期す関脇栃ノ心に土がついた。
相撲巧者の遠藤に右側に入られ、上手出し投げを食い、前に落ちた。
「立ち合いは悪くなかったけど(中に)入られると(遠藤は)うまいね」。
大関昇進を決めた昨年夏場所以来の中日勝ち越しを逃した。
返り咲きには残り7日で3勝が条件となった。
独り言のように反省が口をつく。
「(左でまわしを)取りにいったらダメなんだよな、絶対(右に)入られる。いつも思ってるんだけどな…失敗した、くっそ〜!」。
風呂場で1度おさまった怒りがぶり返してきたのか、最後に声をあらげた。

■朝乃山
公私ともに引き出しが増えて白星をつかみ、1敗を守って優勝争いのトップに並んだ。
けんか四つの宝富士との差し手争いにこだわらず、突き、押しへと相撲の幅を広げて快勝。
私生活では前日7日目の打ち出し後、ニトリ押上駅前店で新しい引き出しを衝動買い。
「明るい色で気に入ってる」と、精神面に好影響をもたらしている。
「自然体で臨めているのが好調の要因かも」と、余裕も出始めた。



2019/05/19
2019.05 本場所 中日 朝 情報! 】
■鶴竜
千代大龍を問題にせず、初日から7連勝。
2桁勝てば大関に復帰できる栃ノ心は琴奨菊を寄り切り、全勝を守った。

■貴景勝
右膝のけがで途中休場したが、痛みが和らいだため8日目の19日から再出場することが決まった。
8日目は小結・碧山と対戦する。
新大関の貴景勝は4日目に小結・御嶽海を破った一番で負傷し、右膝内側の靱帯の損傷で全治約3週間と診断され、5日目から休場していた。
大関の再出場は1場所15日制となった1949年夏場所以降、51年1月の春場所で4〜7日目を休んだ汐ノ海以来で2度目。

■栃ノ心
7日目、これぞ栃ノ心、という勝ち方だった。
立ち合いから琴奨菊の寄りに後退させられたが、踏みとどまって両まわしを取り形勢逆転。
グイッとつり上げ相手の動きを止め、一気に寄り切った。
3場所ぶりの勝ち越しに王手をかけ、大関復帰となる2桁勝利まで“マジック3”。
「気持ち良いね。(まわしを)取ってから良かったね」と太い腕に力こぶを作り、笑顔を見せた。

■朝乃山
朝乃山が勢いを取り戻した。
前日の黒星を振り払うように幕内最年長37歳の嘉風を攻め切った。
立ち合いから右をねじ込み、一気に出た。
土俵際でも押し込み、勝負を決めた。
「前に前に攻められた。足も腕も自然に出た」と満足そうだった。
前日の6日目に初日からの連勝が止まった。
「全勝を意識して硬くなってしまった」と反省。
「連勝中の踏み込みなどを振り返った」と感覚を取り戻し、土俵で発揮した。



2019/05/18
2019.05 本場所 7日目 昼 情報! 】
■鶴竜
6日目、大栄翔を下して無傷の6連勝。
立ち合いは頭から当たって、突っ張り合いとなった。
横綱が時折みせる悪癖の引き技で土俵際まで後退したが、俵に足をかけながらはたき込んだ。
「余裕はあった。(ひやりとした)意識はない。そういうものがあったら(土俵から)出ている」と平静を保つ。

■貴景勝
途中休場した新大関の貴景勝が8日目の19日から再出場することが決まった。
碧山戦が組まれた。
大関以上の再出場は2003年初場所の横綱貴乃花以来。
17日夜に師匠の千賀ノ浦親方と話し合い再出場を決めた。
同親方は「急に痛みが消えたと言っていた。あちこちで治療をしたおかげ。膝の曲げ伸ばしをさせたが無理をしている表情ではなかった」と説明した。
休場を決めた際に千賀ノ浦親方は「無理に出て相撲人生を終わらせるわけにはいかない」と休養の方針を示していたが一転して再出場。
「膝をこれ以上悪くしないことが条件というか、絶対に無理はするなと約束した」と話した。

■栃ノ心
6日目、大関から関脇へ陥落した栃ノ心が幕内逸ノ城を寄り切り6連勝。
体重227キロの相手との力比べを制し「腕がパンパン。勝てて良かった。気持ちがいいね」と笑顔を見せた。
1場所で大関に復帰できる10勝まで、あと4勝とした。

■炎鵬
同学年の矢後を破り、1敗を守った。
約80キロ重い相手の懐に潜り込み、最後は上手ひねり。
身長168センチ、体重99キロで幕内最軽量の業師が、平成以降では3人目となる19年ぶりの新入幕2桁白星&技能賞獲得へまっしぐらだ。
平幕で唯一無敗だった朝乃山に初めて土がついた。
前ミツを取って頭をつけた炎鵬が、体重178キロの巨漢をぐるっと回した。
右でひねって転がし、飛び込むように、相手にかぶさる。
17年春場所に初土俵を踏み、兄弟子の横綱白鵬に「ひねり王子」と呼ばれた本領発揮だ。
右上手は矢後の得意な型だったが「苦しかったけど、自分から攻めていけた」と胸を張った。



19/05/17
2019.05 本場所 6日目 朝 情報! 】
■鶴竜
小結碧山を寄り切りで下し、5連勝とした。。
横綱白鵬に続き、新大関の貴景勝まで土俵からいなくなった。
看板力士が相次いで休場する中、存在感を高めているのが一人横綱の鶴竜だ。
ここまで引く相撲は見られず、大関以上ではただ一人5連勝。
「体がしっかり反応している。良かった」と涼しげに言った。

■栃ノ心
両足を俵にかけて抵抗する北勝富士を、力強く土俵の外へと運んだ。
踏み込みが鋭かったから、相手の突き押しにもひるまず、左で前まわしを引くのが速い。
右をこじ入れて得意の形に持ち込み、「こういう相撲を取れるのは久しぶり」。
今場所の状態の良さを確信したようだった。

■朝乃山
平幕で唯一の5連勝発進を果たした。
過去1勝5敗と苦手にしている東前頭10枚目輝を、右四つで寄って追い詰め、最後はすくい投げ。
終盤の5連敗で勝ち越しを逃した先場所の失敗を生かし、今場所は禁酒などで体調管理を意識。
三役候補として期待された大器がいよいよ本領発揮だ。

■炎鵬
5日目、4勝1敗で序盤戦を乗り切った。
関取最軽量99キロの小兵は土俵上を軽快に動き回り、館内を連日沸かせている。
「イメージ通り、自分の動きができている。充実感は(これまでの)倍くらいある」と満足そうだった。



19/05/16
2019.05 本場所 5日目 昼 情報! 】
■貴景勝

新大関 貴景勝が右足を痛め、夏場所5日目の16日から休場することになった。

師匠の千賀ノ浦親方によると、診察を受けた結果、右ひざ付近のじん帯を痛めたということ。

休場は、去年の春場所以来、2回目。

千賀ノ浦親方は「貴景勝は、きょうから休場します。本人が言うくらいだから痛みは相当あると思います。出場は無理ですね。このまま相撲人生を終わらせるわけにはいかないので休場するしかないです。本人がいちばん残念に思っています。次の場所に向けて時間をかけて治していきたいと思います」と話した。

そのうえで、夏場所に再出場するかどうかについては「難しいかなと思っていますが、今の時点では何とも言えません。これからの相撲人生が長いので無理させないようにしたい」と話した。



19/05/16
2019.05 本場所 5日目 朝 情報! 】
■鶴竜
遠藤を退けて、上位陣でただ一人の勝ちっ放し。
鋭い出足から突いて出て、タイミング良くはたいて泳がせた。
背中も見せた相手を難なく押し出し、「相手をよく見て動けた。とにかく落ち着いていた」と振り返った。
今場所は立ち合いで主導権を握って攻めることができており、「前に出てからなので余裕がある」。
順調に白星を重ね、表情に自信が満ちている。

■栃ノ心
玉鷲の攻めをしのいで4連勝。
土俵際まで押されたが、左からおっつけてまわしをつかんで出ると、相手が巻き替えて左が得意の上手に。
引き付けて膝も使って寄り切り、「我慢できた。きょうの白星は大きい」。紅潮した顔で充実感をにじませた。
けがを抱える右膝の状態も良さそう。
大関復帰に必要な10勝へ着々と白星を重ねているが、「まだ、これからでしょ。一つずつ大事に取っていきたい」と気を引き締めた。

■貴景勝
4日目、新大関の貴景勝は小結御嶽海を寄り切って3勝目を挙げた一番で右膝の内側を負傷。
16日の状態次第で、休場する可能性が出てきた。
もろ差しになった貴景勝がジリジリとにじり出る。
御嶽海を寄り切った瞬間、館内の熱気は最高潮に達した。
だが、その歓声はすぐにざわめきに変わった。
土俵の上には、右膝を押さえ、顔をゆがめる新大関の姿があった。

■朝乃山
4日目、平幕でただ一人の全勝と好調だ。
6連勝だった昨年初場所以来となる初日からの4連勝に「前に前に出られたので良かった。自分の相撲を取り切ることが白星につながっている」と手応えをにじませた。
腕力のある錦木を立ち合いから圧倒した。
鋭い踏み込みから得意の右四つとなり、一気に寄り切り。
それでも25歳の有望株は充実の内容にも慢心はない。
「(残りが)まだまだあるので、しっかりと切り替えて自分の相撲を取り切るだけ」と冷静に先を見据えた。

※二子山親方休場
審判を務める二子山親方が15日の夏場所4日目を休場した。
3日目の取組で貴景勝が土俵下に落ちた際に、負傷した。
4日目は玉ノ井親方が代役を務めた。



19/05/15
2019.05 本場所 4日目 朝 情報! 】
■栃ノ心
3日目、力強さが戻ってきた。
不得手な左四つだったが、がまんして引きつけの強さにものをいわせて隠岐の海を寄り切った。
このへんでつまずくようでは10勝は無理。
3連勝は最高の滑り出しといっていい。
状態も良さそうだし、大関と違い序盤は下位が相手でやりやすいこともあり、どんどん乗っていける。
負け越せば陥落という先場所の方がプレッシャーがあって後ろ向きだった。
大関復帰に10勝という明確な数字が示されている今場所は、もういくしかないと吹っ切れていて、のびのび取っている感じだ。
あと7番勝てば戻れるわけで、とにかく白星を積み上げ中日を1、2敗で折り返せれば復帰が見えてくるだろう。

■御嶽海
高安を破った。
大関を十分に押し込んでから、はたきで仕留めた。
完敗した初日の鶴竜戦とは見違えるような鋭い踏み込みからの攻めで、白星を先行させた。
新大関の貴景勝に挑む4日目を見据え、「自分の相撲を取れば負けないと思う」。
5連勝中で7勝3敗という合口の良さもあって自信満々に言った。

■北勝富士
3日目、埼玉栄高の後輩に当たる貴景勝に対し、先輩の意地を示した。
気迫あふれる突き、押しで新大関に土をつけ「あんまり覚えてない。前に出ることだけを考えた」と興奮冷めやらぬ面持ちだった。
新三役だった先場所は小結で7勝8敗。
平幕で出直す今場所も連敗発進だった。
「上がってきた時は、とりあえずがむしゃらに押していた。もっと燃えていた」と初心に帰ったことが奏功した。
押しに徹して殊勲の星を挙げ「真っ向勝負で押し切った。自分の中でも一つここからという気持ち」と余韻に浸っていた。

■遠藤
豪栄道を破って初白星を挙げた。
右から張って出て左差しを果たし、低い姿勢で一気に寄り切り「しっかり体が動いてよかった」とうなずいた。
初日から4連敗した春場所同様に、序盤は上位戦が続く。
今場所は貴景勝、高安に連敗後、3人目の大関を撃破。
「きょうみたいに、一番ずつしっかり自分の相撲を取っていくだけ」と引き締まった表情で話した。

■炎鵬
持ち味を存分に発揮した。
168センチ、99キロと関取では最も小兵。
立ち合いで右手を出して佐田の海を惑わせると、潜り込んですぐに右足を抱えての足取り。
素早い動きと技で館内を沸かせ、「この体だからできる勝ち方がある」と胸を張った。
新入幕の場所。
映像を見るなどして相手の研究も怠らない。
「どんな勝ち方でも勝つことが大事。できることを最大限にやる」と力強く話した。



19/05/14
2019.05 本場所 3日目 朝 情報! 】
■鶴竜
危なげなく連勝スタートを切った。
初日の御嶽海戦と同様に鋭い踏み込みで北勝富士を圧倒し、一気に勝負を決めた。
右足の古傷への不安も和らいでいるようで「本当にいい感じで思った通りに当たれている」と言葉に実感を込めた。
白鵬が休場した中、ただ一人綱を張る状況にも気負うそぶりは見せない。
「自分の相撲に集中してやるだけ」と、どっしり構えていた。

■高安
2日目、新元号「令和」になって初の本場所で初優勝を狙う大関高安は、人気の平幕遠藤を突き出して初白星を挙げた。
「前へ出て勝負を決めることができてよかった。場所前の準備もしっかりできた。調子は全然悪くない」
1月の初場所限りで引退し、この日2度目となるNHKテレビのゲスト解説を務めた荒磯親方は放送後、「1日で修正した。これから。もっともっとよくなる。自分にも経験がある。ちょっとしたことで何かがかわる」と明言。
現役横綱、大関陣でただ一人賜杯を抱いた経験のない弟弟子が、新たな時代とともに名を刻むことを期待した。

■貴景勝
4場所連続の連勝発進を決めた。
大関経験者の西前頭筆頭琴奨菊を懐に潜り込ませず、突き出しで退けた。
新大関が初日から連勝するのは昨年名古屋場所の栃ノ心以来、平成以降では14人目。
NHK中継の解説を務めた元横綱稀勢の里の荒磯親方も絶賛する圧勝劇を見せた。
場所前は新しい取り口を模索したが、同親方が成長を認める本来の突き、押し相撲を基本線に、連勝をさらに伸ばしていく。

■栃ノ心
持ち前の力強さが戻ってきた。
大栄翔を右四つですぐにつかまえると、難なくつり出し。
内容が伴う連勝発進に「気持ちがいい。帰ってご飯をおいしく食べられる」と上機嫌だ。
今場所10勝以上での大関復帰を狙う中、幸先良く滑り出し、「緊張はするが、変な気持ちはない。このままいきたい」と口ぶりにも勢いがあった。

※元幕内清ノ森の檀崎政夫さん死去
檀崎 政夫氏(元幕内清ノ森、元木瀬親方)
日本相撲協会によると、4月20日午前0時23分、誤嚥性肺炎のため東京都内の病院で死去、84歳。
秋田県出身。葬儀・告別式は近親者で執り行った。



19/05/13
2019.05 本場所 2日目 朝 情報! 】
■鶴竜
鋭い踏み込みから、御嶽海を圧倒した。
一方的に押し出して仕留め、「立ち合いが良くて、その後も下からいいところに入れた。しっかり相撲に集中できた」と自賛した。
古傷を抱える右足の状態は「完璧とは言えないが回復してきている」と言う。
ただ一人出場している横綱が初場所から連敗していた難敵を退け、白星発進した。

■貴景勝
新大関貴景勝は遠藤を力強く押し出し、白星スタートを切った。
突き押し一本の取り口を不安視する声も、看板力士にのしかかる重圧も、一気に吹き飛ばすような相撲だった。
貴景勝が、大関として最初の一番を快勝で飾った。

■栃ノ心
10勝以上で大関復帰を狙う関脇栃ノ心が怪力を発揮し、白星をつかんだ。
千代大龍の強烈な当たりに耐え、左を差した。
機を見て右も差し込み、もろ差しで深々と両まわしを引くと、198キロの巨体を2度つり上げ、寄り切った。
「緊張は少しあったけど、焦らなかったね」。
豪快な“クレーン相撲”には「気持ちいいよ。(今場所)あと何回つれるかな」とニヤリと笑った。

■琴奨菊
平成生まれの大関高安に快勝した。
低く鋭く当たって左を差すと、がぶって一気に出た。
令和最初の一番を会心の勝利で飾り、「昭和は底力があるよ。そういう気持ちでもっと頑張りたい。勝っても負けても印象に残りたい」と上機嫌だった。
35歳の元大関は「相手とかは全く意識しない。この年だし一番、一番出し切ればいいかなと思う」と完全燃焼を誓った。

■炎鵬
新入幕の炎鵬が白星発進した。
徳勝龍に押し込まれたが、左からすくいながらうまく横について逆転。
「とりあえず、ほっとしている」と笑みを浮かべた。
十両でも土俵を沸かせていたが、幕内の歓声の大きさには「今までの倍以上で圧倒された」と言う。
取組では冷静だった99キロの小兵は「うまく体が動いてくれた」と振り返った。
応援に訪れた両親の前で、母の日に幕内初白星を届けた。
「今まで苦労をかけてきた。少し親孝行できたかなと思う」と誇らしげだった。

※米大統領千秋楽観戦
トランプ米大統領が今月下旬に来日し、26日の大相撲夏場所千秋楽の観戦が日程に組まれている件で、幕内優勝力士への賞を大統領が新設し、土俵上で直接授与する方向で調整していることが12日、日本相撲協会関係者の話で分かった。
トランプ氏の観戦が幕内終盤の3番となる可能性が浮上していることも判明した。
表彰式は全取組終了後に開かれ、賞の名称は「トランプ杯」などが検討されている。
トランプ氏は4月、大相撲について「ずっと興味深いと感じてきた。優勝者にトロフィーを渡す」と話していた。



19/05/12
2019.05 本場所 初日 朝 情報! 】
■貴景勝
11日には東京・墨田区の両国国技館で15日間の安全を祈願する土俵祭りが実施され、同場所が新大関場所となる貴景勝ら三役以上の力士が出席した。
貴景勝はその後、母校・埼玉栄高を訪れ、同校から大関昇進を祝う化粧まわしが贈呈された。
大きな期待を力へかえて、平成18年夏場所の白鵬以来となる新大関優勝を目指す。

■栃ノ心
11日、同所で土俵祭が行われ、三役以上の力士が出席した。
10勝以上で大関復帰となる関脇栃ノ心は「チャンスがあるから。1日1番、しっかり相撲を取りたい」と意欲を語った。
本番を翌日に控え、表情が明るい。
「大関のプレッシャーがないからね。状態? 調子いいと思いますよ」。
春場所の負け越しで大関から陥落したが、巡業、場所前を通じて充実した時間を過ごした。
「これだけ気持ちいい稽古ができたの、本当に久しぶり」。
しっかり低く踏み込み、しっかり当たる。
大関在位中は故障が連続したこともあり、できなかった立ち合いの“基本”に手応えを感じる。
「でも、稽古と場所は違うから、それが場所でできるか」と話した。

■玉鷲
11日、東京・両国国技館に新たに飾られる優勝額の贈呈式に臨み、「いいですね。思ったより大きい」と満面の笑みを見せた。
年6場所制では2番目の年長記録となる34歳2カ月で初めて賜杯を抱いた後、西関脇だった先場所で5勝10敗と負け越した。
今場所は西前頭3枚目に番付を下げたが、「またやってやろうという気持ち」と気合を入れ直していた。

■石浦
5月1日に元号が令和に変わり、気持ちを新たにした。
相撲の面でも前に出る相撲を研究してきたが、さらに先の課題を見つけている。
「前に出てからまわしを取る相撲を心掛けています。自分の形にならないと、なかなか勝たせてもらえないので」と、小兵ながら正攻法で取り続ける石浦らしい課題だ。
形も十分、体調も十分。
それが幕内で勝ち越すための条件。
先場所痛感したことを夏場所にいかせれば、幕尻からの脱出もきっとできる。



19/05/11
2019.05 本場所 1日前 情報! 】
■貴景勝
10日、新大関としての15日間を占う上で重要な、2日目までの対戦相手が決まった。
「全部勝つつもり。新しい時代を代表する力士になりたい」という貴景勝にとって遠藤、琴奨菊に対するイメージは悪くない。

平成以降に昇進した25人の新大関場所初日は15勝8敗2休。
このうち連敗スタートとなったのは5人(休場2人含む)いるが、最終的に勝ち越したのは平成21年初場所の日馬富士だけ。

一方、優勝を遂げた14年初場所の栃東、18年夏場所の白鵬はいずれも連勝発進した。
貴景勝も初日から波に乗り、白鵬以来となる昭和以降7人目の新大関優勝を狙いたい。

この日発表された力士指定の懸賞申込数で、貴景勝はトップの340本。
横綱以外の300本超えは異例で、担当者は「すごいこと。期待の表れでは」と分析。

貴景勝は場所前の本格的な稽古は9日で終了しており、この日は「自分の一番良い状態に持っていく」と治療や疲労回復など体のケアに努めた。
「注目されるのはありがたいこと」と口にする新大関が、「令和」最初の本場所に挑む。

■千代大龍、千代翔馬
スイスの高級時計メーカー「フランク・ミュラー」と、江戸時代中期から300年の伝統を誇る技法「加賀友禅」がコラボレーションした、特製の染め抜き(着物)を贈呈された。
贈呈した部屋の支援者が掛け合ったところ、フランク・ミュラーの国内代理店担当者、加賀友禅を手がける奥田染色の関係者が、いずれも故人で先代九重親方の元横綱千代の富士と親交があった縁で実現した。
加賀友禅が海外ブランドに協力するのは初めてで、世界で2人しか着用していない歴史的にも価値のある一品。
関係者は「値段はつけられない」というものの、加賀友禅は高価なものは1着1000万円程度になるという。
千代大龍は「かっこいいですね。これを着て夏場所は良い成績を残したいですね」と、活力にしていた。



19/05/10
2019.05 本場所 2日前 情報! 】
■白鵬
夏場所を休場する。
師匠の宮城野親方は9日、白鵬の状態について「右上腕二頭筋断裂で全治まで3週間以上。休場します」と説明した。
休場は14日目から休んだ1月の初場所以来、12度目となる。

■鶴竜
昨年夏場所以来、ちょうど1年ぶりとなる通算6度目の優勝を目指す横綱鶴竜が、心身とも充実した状態で本場所に臨む。
9日、都内の井筒部屋で稽古。
熱の入った関取衆との稽古は前日までに終え、軽めに最終調整した。
白鵬の休場で1人横綱に。
それは「(6日の横審稽古)総見でも(相撲を取る稽古は)出来ていなかったし」と想定内のこと。
昨年3月の春場所も白鵬、稀勢の里が全休した1人横綱の場所で4度目の優勝を果たしており「全然、初めてじゃないし『1人横綱』ということで特に思うことはない。変な感覚もないし、しっかり集中してやるだけ。場所で100%を出せるかは分からないけど、そのための準備はしっかりしてきた」と話した。

■高安
9日、両国の時津風部屋へ出稽古。
やはり出稽古に来た巨漢の関脇逸ノ城と連続22番の三番稽古を行ったが、5勝17敗と不安を感じさせる結果に終わった。
取り始めから4連敗。
その後も白星はとびとびでしか奪えず、5連敗も。
まわしを取ろうと飛び込んだところで体当たりされ、一気に吹っ飛ばされる場面もあった。

■貴景勝
9日、千賀ノ浦部屋で稽古を行った。
7、8日に行われた二所ノ関一門の連合稽古で40番相撲を取った疲労を考慮して、この日は相撲は取らず。
スクワットなど基礎運動で、じっくり汗を流した。
状態について「治療も行って、体も膨らませて栄養もしっかりとった。悪くない」とした。
稽古後に、サプライズが待っていた。
部屋に届いたのは、20キロ超の長崎・壱岐産の本マグロ。
すし店の職人による「マグロ解体ショー」が始まった。
師匠の千賀ノ浦親方や部屋の関取衆らと共に、マグロが解体されていく様子に興味津々。
中落ちの部分をスプーンですくい、食べた感想は「うまい!」の一言。
「やっぱり切り立ては違うわ」と、新鮮なマグロに舌鼓を打っていた。

■炎鵬
9日、東京都墨田区の宮城野部屋で本格的な稽古を打ち上げた。
非公開の稽古では三段目力士と15番程度をこなしたそうで「やれることはやれた。あとは硬くなり過ぎずに頑張る」と意気込んだ。
兄弟子の横綱白鵬の休場は残念そうだったが「(横綱)土俵入りもなくなったので、自分の相撲に集中する」とプラス思考。
対戦したい力士に、石川・西南部中で同期の輝を挙げ「子供の頃から数え切れないほど対戦した。結果は五分五分だった」と懐かしんでいた。



19/05/09
2019.05 本場所 3日前 昼 情報! 】
■白鵬

右上腕に負傷を抱える大相撲の東横綱白鵬が夏場所を休場することになった。

9日、師匠の宮城野親方が明らかにし、けがについて「右上腕二頭筋の断裂で全治3週間以上」と説明した。

宮城野親方によると、白鵬と8日夜に話し合い、横綱自身が「休場します」と申し出た。

同親方は「1カ月程度で治る。昨日の時点で(回復具合は)7割程度と言っていた。(長期休場は)ない」と述べ、7月の名古屋場所での復帰を目指す方針を示した。



19/05/09
2019.05 本場所 3日前 情報! 】
■白鵬
右上腕に負傷を抱える大相撲の横綱白鵬は8日、東京・墨田区の宮城野部屋での朝稽古を休み、夏場所への出場が厳しい状況となった。
8日午後に東京都内の病院で、自らの血液を利用して組織の修復などを図る注射を打つ治療を受けた。
出場の可否について「明日、親方と相談して決めます」とだけ述べ、9日に師匠の宮城野親方と話し合って決断する意向を示した。

■高安
二所ノ関一門による連合稽古が8日、千葉県松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われ、高安が貴景勝と大関同士で30番の三番稽古(同じ相手と続けて取る)を繰り広げた。
17勝13敗と勝ち越した高安は立ち合いから押し込むことが多く、終盤は息切れした相手を圧倒。
7日は疲労回復を優先させて連合稽古を欠席したが復調ぶりを示し「前に出て勝負することがテーマ。非常に体が軽くて動きが良かった。気力を振り絞って稽古をしていく」と納得の口調だった。

■貴景勝
二所ノ関一門連合稽古が8日、千葉・松戸市の佐渡ケ嶽部屋で行われ、7日の連合稽古には参加しなかった高安が、貴景勝を指名した新旧大関による三番稽古(同じ相手と何度も取る)で30番取って17勝13敗と勝ち越した。
まわしを取れば高安、立ち合いで押し込めば貴景勝と得意が対照的な大関同士の稽古だった。
だが、新大関は組んだ体勢になっても、おっつけやいなし、土俵際では突き落としなど不利な状況からでも手を打った。
場所前は「いまの時期が一番疲れている」と追い込み、「絶対に組みたくはない。でも、横綱、大関だと(まわしを)取られてしまう。取られても挽回できる強さが必要」と課題を挙げた。

■栃ノ心
出直しを期す関脇栃ノ心が8日、体調管理に新治療を試したことを明かした。
膝に古傷を抱える右脚のうっ血を改善するため、吸血動物ヒルに血を吸わせるもので、5日に右ふくらはぎ内側、右足甲の2カ所でトライした。
いざやってみて「ビックリしたよ」。
細いヒルがぴたっと吸い付くと、見る間に巨大にふくれ上がり、最後は勝手にポトリと落ちた。
「最初にチクッとして、血が吸われてるのがわかった」。
ヒル効果もあってか、本番が迫る中で調整は順調だ。
この日、出羽海部屋に出稽古を行い、御嶽海、同部屋の碧山、栃煌山と相撲を13番取って8勝5敗。
立ち合いで反り返る悪癖が影を潜め、力みない踏み込みから、低く前に出る取り口が目立った。
右手親指と人さし指で6〜7センチの隙間を作って「左の踏み込みがもう少し出てきたら、左で(前)まわしに手が届くんだけどね」と明るい表情を見せた。
10勝で大関復帰となる場所へ。
「調子いいよ。でも、そう言ってて負けたら“アイツは口だけだ”と言うんでしょ?」と冗談まじりに笑う。
「気持ちがね。プレッシャーがないよね。負けたら…とか思わないからね」。
大関という“肩書”から解放され、珍療法の効果もあり、優勝争いも視野に入れる勢いだ。



19/05/08
2019.05 本場所 4日前 情報! 】
■白鵬
春場所千秋楽に右上腕の筋肉を断裂した横綱・白鵬は都内の宮城野部屋で四股などの基本運動と、ぶつかり稽古で胸を出す調整にとどめた。
負傷後初めてサポーターを着けずにてっぽうを打ったが、稽古内容に大きな前進はない。
相撲を取るめどを聞かれ「何とも言えない。不安がある。それなりに稽古をしても痛みはない。最後(相撲を取る稽古)はどうか」と苦悩をにじませた。
大幅な調整遅れは否めず、日ごとに不安が増している。

■鶴竜
時津風一門の連合稽古が7日、東京・両国の相撲教習所で行われた。
正代、大栄翔、遠藤と23番、取って21勝2敗とまずまずの仕上がりを見せた。
「自分の立ち合いを中心に確認したかった。最初は少し動きが硬かったけど、途中から自分の立ち合いができた。(大栄翔は)力を付けてきたし、押し相撲の相手と確認したかった。いい稽古が出来ました」と満足そうな表情を見せていた。
「足(右足首)の状態? 何より踏ん張れているのがうれしい。残り2日、足に負荷をかけてやっていきたい。まずは初日ですね。その後は積み重ねで流れをつかんでいい結果につかみたいですね」と意気込みを語っていた。

■貴景勝
新大関の貫禄を見せつけた。
夏場所に向けて7日、東京・江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。
「自分の攻めを確認できる」として、突き押しと四つでの攻めを得意とする前頭矢後を指名。
連続9番取って全勝した。
両差しで素早く寄り切る場面もあったが「徹底することが正解だとも思う」と本来の押し相撲で圧倒。
自身より9キロ重い178キロの巨漢を、何度も電車道で持っていった。
「一番疲れる時期だけど、いろいろつかめてきたものがある」と手応えを語った。

■朝乃山
稽古総見が6日、両国国技館内の相撲教習所で行われ、西前頭8枚目の朝乃山が汗を流した。
朝乃山は積極的に名乗りを上げ、関脇の栃ノ心や小結の碧山、東前頭筆頭の北勝富士らと対戦し、順調な仕上がりを見せた。
朝乃山は「何番か相撲が取れて良かった。体は動いている」と満足げで、令和最初の本場所に向け「自分の時代をつくるという気持ちで頑張りたい」と力を込めた。



19/04/01
新元号決定! 】

本日2019年4月1日、午前11時30分頃、新元号が発表されました。

元号は、

『 令 和 』

となりました。



19/03/27
貴景勝大関昇進!午前に伝達式! 】

27日、夏場所の番付編成会議と臨時理事会を開き、貴景勝の大関昇進を満場一致で承認した。

大阪市内のホテルで行われた伝達式で使者2人(出羽ノ海親方、西岩親方)に伝達された。

貴景勝は口上で「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝の気持ちと思いやりを忘れず相撲道に精進してまいります」と述べ、地位の重みを踏まえて決意を口にした。

使者が到着する前には、壇上で手をついて練習していた。

汗を何度もぬぐい、緊張して落ち着かない様子だった。

22歳7カ月22日での昇進は、年6場所制が定着した58年名古屋場所以降で初土俵を踏んだ力士では、史上9位の年少大関。

初土俵から所要28場所の昇進は、58年以降では幕下付け出しを除いて6位の速さとなった。



19/03/27
貴景勝 平成最後の新大関! 】
大関昇進が27日、5月の夏場所の番付編成会議と臨時理事会で正式に決まる。

貴景勝は26日、東大阪市内の千賀ノ浦部屋で取材に応じ、理事会後の昇進伝達式に向けた心境を吐露。

口上については、かつて師匠だった元貴乃花親方(元横綱)らの過去の例を映像などで勉強していることを明かした。

最終目標はその先だとしても、一世一代の晴れ舞台であることは間違いない。

きょう“平成最後の新大関”となる貴景勝は、土俵上と同じように落ち着いた様子で心境を語った。

「ありがたいこと。今のところ、そこまで緊張はない。千秋楽より実感は沸いてきている」と語った。



19/03/25
2019.03 本場所 千秋楽 翌朝 情報! 】
■白鵬
平成最後の取組となる結びの一番で横綱鶴竜を下手投げで破り、3場所ぶり42度目の優勝を15戦全勝で飾り、自身が持つ最多記録を更新した。
白鵬はこの相撲で、右上腕部に激しい痛みを訴え、表彰式では一人で天皇賜杯を抱えることができず、介添えされる極めて異例の事態となった。
負傷の状態によっては深刻な事態に発展する可能性もある。
支度部屋へ戻った白鵬は開口一番、「(筋肉が)切れてる。駄目だね」。
すぐさま付け人に氷を持ってこさせ、患部の右腕上腕部に当てさせると、痛みにこらえきれずに何度も「アー!!」と大声を発した。

■栃ノ心
貴景勝戦で8敗目を喫して初場所に続いて負け越し、夏場所は関脇に転落することが決まった。
「俺が弱い。勝った方が強い」と沈んだ表情で話した。
夏場所で10勝すれば大関に復帰できる。
右太ももの肉離れで初場所を途中休場するなど、不安も抱える中、「しっかりと休んで」と述べ、回復に努める意向も示した。

■貴景勝
平成最後の本場所で大関の座を手に入れた。
大関栃ノ心を押し出して10勝目を挙げ、場所後の昇進が事実上、決定した。
日本相撲協会審判部は八角理事長に対し、大関昇進を諮る臨時理事会招集の要請を行い、了承された。
これまで理事会で大関昇進が見送られた例はなく、理事会が開かれる27日に「新大関貴景勝」が誕生する。
また、2場所連続2回目の技能賞も受賞した。

■逸ノ城
1敗を守って結びを待った逸ノ城。
白鵬が全勝を決めたため決定戦とはならなかったが、自己最多の白星に満足し、「今までないのでうれしい。次の場所に生かして頑張りたい」と喜んだ。
また、千秋楽まで横綱白鵬と優勝争いを続けたことが評価され、2回目となる殊勲賞を受賞した。

■碧山
この日の直接対決で勝った方が受賞という一番で、新入幕2ケタ勝利を目指した友風を突き倒しで破り12勝を挙げ、3回目の敢闘賞を受賞した。



19/03/24
2019.03 本場所 千秋楽 朝 情報! 】
■白鵬
立ち合いが1度成立せず、2度目も呼吸がなかなか合わず、両者腰を下ろさない。
それでも白鵬は高安を見下ろすかのような冷静さだった。
「最後はちゃんと合ったでしょう」。
厳しい攻めで14連勝とした。どんな思いで42度目、そして平成最後の優勝へ向かうのか。
「それは言わないでください。今日は今日で。また明日」。
大きな時代の転換期を締めくくる舞台は整った。

■栃ノ心
負ければ大関陥落の土俵で、栃ノ心が息を吹き返した。
玉鷲の剛腕をぬって右が入ると寄った。
最後は赤鬼の形相。
右手で胸を殴るようにして押し出した。
師匠の春日野親方に「負けてもいい!思い切っていけ!」とハッパをかけられたという。
焦りばかりが先立った場所で、7勝7敗。
千秋楽は皮肉にも大関昇進を狙う貴景勝戦。
「多分、緊張すると思うけど、勝っても負けてもいいから、思い切りいく。こんな気持ちで毎日やれればいいのに」と、吹っ切れたような笑みを浮かべた。

■貴景勝
大関取りに挑む関脇貴景勝が幕内逸ノ城にはたき込みで敗れ、痛恨の黒星を喫した。
今場所の大関取りの目安は「10勝以上」。
14日目を終えて9勝5敗となり、千秋楽の一番で勝つしかなくなった。
取組後の貴景勝は「(内容は)悪くはなかったと思う。明日、集中していくだけ」と気合を入れ直した。

■逸ノ城
関取最重量226キロの逸ノ城がみせた、2歩半ほどの素早い引き足に相手はついてこられなかった。
変化を警戒した貴景勝が、もろ手突きで立ち合った。
受け止めた逸ノ城は同時に右腕を相手の頭に巻きつけ下へ、下へ。
貴景勝を押しつぶすようにはたき込んだ。
「自分の方は迷いはなかった。(はたきも)考えていた」。
1敗を守り、千秋楽まで優勝の可能性を残し、「千秋楽の一番に集中する」。



19/03/23
2019.03 本場所 14日目 朝 情報! 】
■白鵬
優勝に“王手”をかけた。
逆転Vの望みもあった豪栄道の素早い動きにも慌てず、左を差して寄り切った。
ご当所大関の登場で館内は「豪栄道コール」一色となったが、「いい声援の中で相撲が取れた。気持ちよかった。満員御礼ですからね」と力に変えた。
今日にも、自身の史上最多を更新する42度目の優勝が決まる可能性がある。
「この13日間の相撲を取り切れれば」と、気負いはなかった。

■栃ノ心
崖っぷちに追い込まれた。
鶴竜と右四つになったが、寄り切られた。
低く頭をつけられ、後手後手に回り、相撲を取らせてもらえなかった。
一時は6勝3敗と“貯金3”だったが、2大関、2横綱に4連敗して6勝7敗、ついに黒星が先行してしまった。
14日目は先場所優勝の玉鷲、千秋楽は大関とりの貴景勝との対戦が予想されるが、残り2戦で1番も落とせない。
支度部屋では「しゃあないな…。明日に向けて気持ちを切り替えます」。
昨年名古屋場所から在位5場所、大関の座は風前のともしびだ。

■貴景勝
高安を一気に押し出して9勝を挙げた。
迷いない相撲で連敗を止めても、支度部屋ではいつも通り表情は崩さない。
「やれることをやろうと思った」と淡々としたものだ。
今場所後の昇進には内容も問われるだけに、敗れていれば印象はよくなかった。
八角理事長は「大関を相手にね。気持ちが全然違うんじゃないかな」と言い、精神的にも大きいとみる。
昇進の目安とされる2桁勝利まであと1勝としても、「欲が出ちゃうと終わり。その日の相撲を取り切って感情はそこまで」。
本人は星勘定をしないが、次の白星は大きなものを運んできそうな雰囲気がある。

■逸ノ城
1敗で白鵬を追う逸ノ城は直近5連敗中の御嶽海をはたき込みで下し1敗をキープした。
立ち合い、左で張って右でかち上げると、出足と圧力が売りの御嶽海の動きが止まった。
すかさずはたいて、1秒余りで勝負を決めた逸ノ城。
「中に入れないように。最初から決めていた」と、こともなげに振り返った。

■嘉風
嘉風の勢いが止まらない。
身長で14センチ、体重で50キロ上回る191センチ、198キロの碧山に低い姿勢からぶちかますと、相手の突き、押しにひるむことなく前進。
最後は背後にまわり込み、送り出した。
平成29年秋場所以来の、幕内自己最多に並ぶ8連勝。
3場所ぶりの2桁勝利(10勝以上)に到達だ。
「しっかり当たることを意識したが、意識しすぎると体が動かなくなる。(そのバランスが)なかなかうまくいかないのが相撲の難しいところであり、おもしろいところ」とうなずいた。
相撲人生を心から満喫している幕内最年長の37歳が、幕内自己最多連勝記録の更新に挑む。



19/03/22
2019.03 本場所 13日目 朝 情報! 】
■白鵬
相四つの栃ノ心を破り、全勝で単独トップを守った。
技術に加え、力自慢の相手を力でも上回った。
「相四つだからあれしかなかった。途中で上手を切った。そういうタイミングの差が上回った感じ」と、勝因を分析した。

■高安
横綱相手に攻め続けて白星をもぎとった。
高安はまわしにこだわらず前へ前へ。
たまらず回り込んだ鶴竜に対し、左上手をつかむと、相手を振り回し、最後は豪快な上手投げ。
「思い切って振りかぶって投げた。中途半端にならなくて良かった」。
2敗対決を制し優勝争いに踏みとどまった。

■豪栄道
貴景勝をはたき込んで10勝目を挙げた。
1月の初場所でも千秋楽で破り、昇進を預かる審判部の判断に強い影響を与えた。
「先手、先手で速く攻めようと…」。
立ち合いの鋭い踏み込みで相手の勢いを打ち消し、さらに圧力をかけた。
強豪埼玉栄高相撲部の先輩、後輩だが「まだまだ負けられない」。
残り3日。
白鵬を2差で追う終盤戦。
「(星勘定を)考えてもしようがない。勝っていくだけ」と前をみる。

■逸ノ城
立ち合ってすぐに左上手を引き、朝乃山の頭を押さえつけるような上手投げで土俵へ転がした。
4連勝で11勝目。
1差で白鵬を追いかける。
優勝争いに絡む逸ノ城は「あまり考えないようにしている」。
三賞候補にも挙がってきそうだが、「そういうことは場所が終わってから」と無心で臨む。

■琴奨菊、碧山
実力者の平幕2人が2敗をキープし、優勝圏内で踏ん張っている。
35歳の琴奨菊は千代大龍を突き落とし「流れがいい。その前の準備もしっかりできた」と満足げ。
優勝経験を持つ元大関は「余力はあるけど出していない。今まではそれを出して負けてしまっている」と絶妙な感覚を、好調の要因に挙げた。
32歳で元関脇の碧山は冷静さが光った。
竜電を起こしてから、鮮やかに引き落とし「うれしいが、まだ3日間あるので集中して自分の相撲を取る」と気を引き締めた。



19/03/21
2019.03 本場所 12日目 朝 情報! 】
■白鵬
気合の入った相撲で横綱の意地を見せ11連勝。
貴景勝に当たり負けしないように、立ち合い右からかち上げ、突っ張り合いで左右の張り手を交えて応戦した。
どこかでつかまえたい白鵬に対し、貴景勝はつかまえられたくないから当然激しい展開になる。
貴景勝の体が起きた一瞬の隙を白鵬が見逃さなかったのはさすがで、右を差し左上手を引いた。
これで勝負あった。

■鶴竜
薄氷の勝利で連敗を免れた。
玉鷲をいなしたところ、自らも体勢を崩してしまい物言いに。
結局、相手の手が先についており、軍配通りで命拾いし、「いい相撲ではないが、体がしっかり動いていた」と淡々と振り返った。
単独トップの白鵬に何とか2差で食らいつき、残り4日に逆転の望みをかける。
「変な迷いがないように、自分の相撲に集中したい」と静かに闘志を燃やした。

■貴景勝
3敗と後退したが、大関という目標に向かっては12日目の豪栄道戦が非常に大事になった。
先場所の千秋楽のように豪栄道に一方的に敗れると、ガタガタと崩れかねない。
今場所の豪栄道は負けた相撲以外は引かずに最高の相撲を取っている。
貴景勝にとっては大きな関門だ。

■逸ノ城
碧山をはたき込み、10勝目を挙げた。
立ち合い。逸ノ城が2歩前へ。
相手の陣地へ踏み込んだ。
碧山の突っ張りを下からあてがいながら圧力をかける。
まわしを狙うことなく押し込み、はたき込んだ。
3連勝で当面の目標の2桁白星に達し「明日の一番にしっかり集中したい」。
ただ一人、1差で白鵬を追う展開にも「(優勝争いは)意識しない」と、淡々とした表情を崩さない。



19/03/20
2019.03 本場所 11日目 昼 情報! 】
■白鵬
玉鷲を破って単独トップを堅持した。
左下手を取って寄って出たところを、左腕を小手に振られて体勢を大きく崩した。
体を右に一回転させて窮地をしのぎ、再び正対して突き落とした。
「反応がよかったね」。
9日目の御嶽海に続き、1月の初場所で敗れた2人に雪辱を果たした。
11日目も初場所で敗れた貴景勝と対戦するが、「この10日間のような相撲を取れれば」と受けて立つ。

■貴景勝
角界にいよいよ新ヒーロー誕生か。
10日目、関脇貴景勝が横綱鶴竜を引き落としで撃破。
過去3戦全敗の横綱を倒して大関昇進へ向けて大きく前進した。
取組後は「自分の相撲を取ろうと思った。精神的に負けないように。初対戦のつもりで胸を借りるつもりでいった」と会心の相撲を振り返った。
審判部は今場所の大関取りのノルマとして「10勝以上」を課している。
10日目を終えて8勝2敗。
残り5日間で合口の良い大関栃ノ心、幕内逸ノ城との取組を残しているだけに、大関昇進が現実味を帯びてきた。

■逸ノ城
大関高安を突き落とし、1敗を守った。
けんか四つの立ち合いは、逸ノ城が得意の右四つに組み勝った。
まわしには手が届かなかったが、大関が寄ってきたところを下がりながら左から突き落とし、「ああなったら中途半端では意味がない。思い切ってやった」。
11日目は1敗同士の碧山と直接対決。
「とりあえず2桁(10勝)に」と目の前の目標に集中する。



19/03/19
2019.03 本場所 10日目 朝 情報! 】
■白鵬
盤石の相撲で御嶽海を寄り切り、全勝を守った。
立ち合いから張って右上手を取ると、相手が右を巻き替えようとしたところを寄って勝負をつけた。
御嶽海には先場所敗れており、「一段と気合いが入ったのでは」という報道陣の質問に「そうなんでしょうね」とまんざらでもない表情。
10日目は先場所優勝の関脇玉鷲と対戦。
「上位戦ですからね。気を引き締めていきます」と闘志を燃やしていた。

■高安
玉鷲の圧力に下がり、右足が俵にかかった。
踏みとどまると、重い押しで逆襲して押し出し。
6連勝で勝ち越しを決め「立ち合いでしっかり当たれた。残せる自信はありました。明日につながると思う」と落ち着いた表情で語った。
兄弟子の元横綱稀勢の里の引退後、初めての場所。
親方に稽古をつけてもらい臨んでいる。
豪栄道が2敗に後退した中で1敗を守り「稽古した分、自信を持ってやりたい。いい緊張感で取れている」と手応えを話した。

■貴景勝
大関昇進を目指す貴景勝が千代大龍を下し、7勝目を挙げた。
頭からぶつかり一瞬引いたところを押し込まれたが、すぐに逆襲して土俵にはわせた。
「馬力があるので気持ちが消極的になると吹っ飛ばされちゃうから」と気迫で制した一番を振り返った。
10日目は昨年秋場所以来となる横綱・鶴竜戦。
過去3戦全敗だが、「いいバロメーターになる。相手がどうより自分がどうしていくか。後悔しないように」と気合を入れ直した。

■逸ノ城
大関豪栄道を逆転の小手投げで破り、8勝目を挙げ勝ち越した。
窮地の三拍子がそろっていた。
大関に土俵際まで寄られ、もろ差しを許して、腰も伸びていた。
逸ノ城の打つ手は「最後はそれしかなかった。思い切り打った」。
豪栄道を押しつぶすように右からの小手投げ。
逆転の白星で1敗を死守した。
最後まで抵抗できたのは、現役関取最重量226キロの重さがあったからだろう。
9日目での勝ち越しは、新入幕で13勝を挙げて千秋楽まで優勝争いに絡んだ平成26年秋場所以来だ。

■碧山
1敗を守り、首位・白鵬を追走している。
勢をよく見て肩透かし。
押し切れなくとも「落ち着いて取れている。体が勝手に反応した」と、納得した。
熱くなって体に力が入り過ぎるクセを自認し、今場所は土俵下で「稽古場と同じ相撲を取る」と自分に言い聞かせている。
9日目の勝ち越しは17年名古屋場所以来の3度目で、自己最速タイ。
上位戦が当面ないだけに、不気味な存在だ。



19/03/18
2019.03 本場所 9日目 朝 情報! 】
■白鵬
薄氷の中日勝ち越しだった。
立ち合い、右からかち上げにいったが大した効き目はなく、栃煌山のいなしで後ろを向いた。
栃煌山にすれば、ここだと思って後ろに付いて一気に出たのだろうが、稽古場では後ろに付くことはほとんどなく意外と攻めにくいものだ。
白鵬の反応もよかったが、向き直ったところでたまたま左手が引っかかって小手投げになった。

■高安
新小結北勝富士を送り出して1敗を守った。
立ち合い、北勝富士の右からのおっつけで、高安は左差しを封じられた。
これまでの幕内の対戦では2勝4敗と苦手にしている相手。
得意とするかち上げで上体を起こして懐に入り、組み止められれば文句はなかったが、「右を固めてきたから辛抱。それしかなかったです」と方針転換。
じっくり勝機をうかがう相撲にかじを切った。

■豪栄道
関脇玉鷲を寄り切って1敗を守った。
立ち合いで圧力を受けて引きかけたが、相手の脇が開いたところを左、右と差し込み両まわしを強烈に引きつけた。
一瞬で玉鷲の腰が伸びるほど厳しい逆襲だった。
「(立ち合いも)迷いなく踏み込んでいるし、足が前へ出ている」。
「1敗は惜しかったが、内容はいい。前向きに考える」と、勢いづく。

■貴景勝
大関とりに挑む関脇貴景勝は遠藤を突き出し、6勝2敗で折り返した。
圧巻の勝利でまた一歩、大関の座に近づいた。
貴景勝は立ち合いからもろ手で突いて遠藤の体を起こすと、2発目の突きで大きく後ろに吹っ飛ばし、3発目で土俵の外に突き出した。
わずか1秒9の完勝。
それでも22歳の若武者は表情一つ変えることはなく、言い切った。
「向こうの調子もあるだろうし、自分もたまたまということがある。もう終わったことなので、明日の準備をするだけです」



19/03/17
2019.03 本場所 中日 朝 情報! 】
■白鵬
47度目のストレート給金に王手をかけた。
正代戦はまわしを取れなくても、突き放して、最後は右から肘で突き出すような形で土俵の外まで吹き飛ばした。
「最後は強烈だった?普通です。(立ち合いの)重さはあったでしょう」。
この日はNHKのテレビ解説を荒磯親方が務めた。
「親方の前でいい相撲を取れて良かった。解説、うまいね。分かりやすい。さすがです」と感心していた。

■高安
新小結北勝富士を送り出して4連勝とし、1敗を守った。
1月の初場所限りで引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方がこの日、NHKテレビ中継で初のゲスト解説を務め、不利な体勢から奮闘した弟弟子を高く評価した。
中継で、高安が腰高であることをアナウンサーに指摘されると「これが高安の相撲」とズバリ。
膝を曲げて低い姿勢で攻めると高安の力は出ない、との分析を披露した。

■貴景勝
埼玉栄高出身で3学年上の先輩、大栄翔に番付上位の貫禄を示した。
突き、押しの応酬で相手の上体を起こし、馬力を生かして突き出し。
2敗を守り「気持ちで負けないようにいった」とうなずいた。
序盤戦でつまずき、暗雲が垂れ込めた大関昇進への機運を高めるためには勝ち続けるしかない。
「前には出られている。明日に向けて準備したい」と気持ちを引き締めた。

■逸ノ城
幕内で自身初の初日から7連勝。
阿炎の突っ張りをものともせず、右で強烈に突き落とした。
冷静な取り口を披露し「心の中は落ち着いていない。内容はあんまりだけど、自信になる」と素直に喜んだ。



19/03/16
2019.03 本場所 7日目 朝 情報! 】
■白鵬
冷静に錦木を下して無傷の6連勝とした。
右を差してつかまえても攻め急がなかった。
頭をつけて抵抗していた相手の小手投げに乗じて左も深く差して寄り切った。
「体が動いている」と振り返り、「腕力はありましたね」と余裕の口ぶりで相手を褒めた。
豪栄道に土がつき、勝ちっ放しは早くも逸ノ城との2人になった。
2場所続けて休場したことを踏まえ、「今度は引っ張っていきますよ」と力強く宣言。
これで通算1111勝となり、「どこから見ても1だね」と上機嫌だった。

■貴景勝
大関を狙う貴景勝は思い切りのいい攻めで連敗を免れた。
「体の大きさが違うので、積極的にいかないと」。
20センチ背の高い魁聖に頭と腕で強く当たり、タイミング良くいなして後ろ向きにさせた。
前日は玉鷲を攻め切れず先に引いて2敗目。その反省を生かした一番に、八角理事長は「自分の相撲を取り切ったんじゃないかな。切り替えていかないとね」。
貴景勝も「勝っても負けても変なことは考えない」と思いは同じようだった。

■大栄翔
埼玉栄高の7年先輩、豪栄道を押し出し、初日からの連勝を5で止めた大栄翔は「良かったというか、うれしい」と笑みを浮かべた。
一時は土俵際まで押し込まれたが、突き放して前進。
豪栄道がはたきにきたところを押し出した。

■逸ノ城
平幕でただ一人の全勝を守り、新入幕だった2014年秋場所以来となる初日からの6連勝。
突き、押しから遠藤をはたき込み「当たって前にもっていこうと思ったが、遠藤の頭が低かったのでこういう流れになった」と相手の動きがよく見えていた。
今場所での優勝への意識については「全然(ない)」と無欲。
「体は動いている。いつもと変わらず集中している」と好調を実感していた。



19/03/15
2019.03 本場所 6日目 朝 情報! 】
■白鵬
相撲巧者の妙義龍を冷静にさばいて5連勝。
「何でもできる人ですから。無理せず取ったのが良かったかな」と涼しい顔で話す。
相手の頭が顔に当たり、勝負が決した後に首を回すそぶりを見せたが大事には至らなかったようだ。
初場所よりも体重が増えたと言いながら「元に戻っただけ。力が強いから、大して動いていなくてもスピードがあるように見えるんだろう」と好調を自覚している。

■豪栄道
正代を押し倒し、全勝をキープ。
鋭い踏み込みで相手を土俵際まで吹っ飛ばすと、最後は背中から土俵にたたきつけ、「逆転技がある相手だから、詰めをしっかりしないとね」とうなずいた。
初日からの5連勝は平成29年の九州場所以来。
大阪・寝屋川市出身で、ご当所となる今場所にかける思いは強く、「体が動いている。良いイメージを忘れないよう明日からもやっていきたい」と意気込んだ。

■玉鷲
貴景勝を押し出した。一歩も引かず、先に引いたのは貴景勝。
「やられる前にやり返そうと思った」と関脇対決を制した。
番付に初めてしこ名が載った04年春場所からの連続出場が1156回、大旺と並び史上13位となった。
「何回も休もうと思ったことはある。体よりも心が折れるかなと思ったことがある」と話す。
師匠の片男波親方によると「目標があると力が出るタイプ」という。

■逸ノ城
一瞬で阿武咲を退けた。
立ち合いで左で張って阿武咲の出足を止めるとすかさず左に開いて土俵上にはわせた。
取組前から決めていた取り口がはまり「思い通りに相撲を取れました」と納得の表情。
初日から5連勝は2016年名古屋場所以来。
好調の要因は分からないとしながらも「体の反応がいい」と手応えは十分。

■琴奨菊
勢を問題にせず、初優勝した2016年初場所以来となる初日からの5連勝。
うまくいなして後ろを向かせ、難なく送り出し、「力を出し切るだけ。勝っても負けても、自分が納得する相撲を取りたい」と喜んだ。
35歳を迎えたベテランは相手を意識しながら、好結果を求めていく難しさを味わってきた。
そのつらさを知るだけに「もう相撲人生の終盤。苦しまないで楽しみたい」と明るい口ぶりだった。



19/03/14
2019.03 本場所 5日目 朝 情報! 】
■豪栄道
年に1度のご当所場所での初優勝へ、無傷の4連勝と乗ってきた。
幕内2番目に重い、204キロの東前頭筆頭魁聖を上手投げで仕留めた。
全勝だった16年9月の秋場所以来、2度目の優勝への意欲をのぞかせた。

■貴景勝
3日目に御嶽海に敗れたショックを引きずることなく、北勝富士を引き落として大関昇進へ流れを引き戻した。
立ち合いから一気に押し切れず、突き押しの応酬となったが引きにきた相手の動きを冷静に見極めて土俵にはわせた。
「体が動いてくれた。しっかり反応できた」と納得の表情。
「前の日がどうだったとか考えずにいった。毎日、初日の気持ちでやっている」と力強かった。

■琴奨菊
大関経験者の35歳、琴奨菊が4連勝と元気いっぱいだ。
一気のがぶり寄りは健在。
うるさい松鳳山を左差しでつかまえ、右からもがっちりと抱えて寄り倒した。
「うれしいね。やってきたことの方向性が間違っていないと再確認できた」と顔をほころばせた。

■照強
生みの苦しみを乗り越え、新入幕の照強が初勝利を挙げた。
頭から当たり、明生の左腕をたぐって右に動くと、相手のバランスを崩して押し出した。
支度部屋に戻ると「やっとだよ。疲れた」と待望の幕内初白星を喜んだ。

■豊ノ島
2勝目を挙げ、星を五分に戻した。
かつて三役など幕内上位で、しのぎを削ってきた嘉風との「現役最年長カード」。
立ち合いで、いつもの鋭い踏み込みで出る。
突いて押してと休まず攻め、気がつけば左、右と得意のもろ差しの体勢。
2日連続、土俵際の逆転で敗れていたが、詰めも腰を十分に下ろし万全の体勢で寄り切った。
ともに三賞受賞10回など「同じ時代でやった戦友。グッと来るものがあった」。
年齢については「嘉風が上にいて、横綱(白鵬)は1つ下。菊(琴奨菊)が同じ年。それを思うと年は言い訳にならない、みんな元気だから」と発奮材料にもなった。



19/03/13
2019.03 本場所 4日目 朝 情報! 】
■白鵬
無傷の3連勝を飾った。
すぐに四つ相撲の体勢になると策のない魁聖を難なく寄り倒し、「踏み込みよりも途中の流れが良かったかな」と自賛した。

■豪栄道
昨年初場所以来となる初日からの3連勝。
大関陣でただ一人の勝ちっ放しだ。
初顔合わせから2場所連続で敗れている錦木に快勝。
左上手投げで振って寄り、土俵際は左渡し込みで退けた。
持ち味を発揮した速攻にも「止まると相手の力が強いからね」と淡々と振り返るだけだった。
先場所は初日から4連敗するなど、序盤での取りこぼしの多さが課題だった。
ご当地場所での好発進に「体の反応はまずまず。これを継続していきたい」と静かに闘志を燃やした。

■栃ノ心
かど番の栃ノ心は2連敗。
北勝富士に左おっつけ、右喉輪で攻められ、苦し紛れの引きにつけ込まれて押し出された。
「早く勝負をつけたいと思って焦っている」。
支度部屋では壁を強くたたいて悔しさをあらわにした。
初場所は初日から4連敗し、右太ももの肉離れで休場した。
「あしたが初日だと思ってやる。落ち着いて相撲を取らないと、このままいってしまう」。
そう話す表情に余裕はなかった。

■貴景勝
御嶽海に寄り切られ、初黒星を喫した貴景勝は「自分が強いとは思っていない。3連勝なんて甘いことは思っていなかった」と気丈に振る舞った。
立ち合いから鋭く踏み込んだが、前に出られず、得意の形に持ち込めなかった。
これで御嶽海には昨年7月の名古屋場所から5連敗。「思うところは2、3個あるが、明日に向かって準備するしかない。切り替えていくだけ」と奮起を誓った。

■大栄翔
過去3戦全敗だった高安から初白星を挙げた。
立ち合いで頭から当たり、左を差しに来た相手を強烈なおっつけで腰を浮かせると、「前に出るしかないと思った」と一気に押し出した。
一方的な展開で大関を降し、「自信になる」と笑みがこぼれた。
前日には先場所を制した玉鷲を破っており、連日の格上撃破となる。



19/03/12
2019.03 本場所 3日目 朝 情報! 】
■白鵬
3月11日は特別な日となっている。
東日本大震災から8年たった日に、34歳になった第一人者は「ほっとしたというかね。被災地の人にも勇気を与えられたかな」。
遠藤の動きをよく見て、押し出してつかんだ節目の白星の余韻に浸った。

■高安
我慢して2分弱の熱戦をものにし、白星を並べた。
御嶽海に立ち合いから土俵際まで押されたが、左を差して半身でこらえると、前に出て押し出した。
昨年、九州場所千秋楽結びの一番でも御嶽海と対戦。
優勝を逃した苦い経験から「じっくり取って、胸を合わせていこうと思った。落ち着いていた」と納得顔だった。

■豪栄道
埼玉栄高の後輩でもある北勝富士を一方的に退けた。
「無理にまわしを取りにいって墓穴を掘るよりも、出足で勝負しようと思った」。
鋭く踏み込み、左からはおっつけて一気に走った。
声援が何よりの励みになっているようで「本当にありがたい。あした以降も自信を持ってやっていきたい」と力強く話した。

■貴景勝
錦木を寄せ付けずに連勝した。
思い切って当たり、下から押し上げて一気に土俵外へ運んだ。
「力を出し切ろうと思っているだけ。迷いはない」との言葉通り、持ち味を十分に発揮した取り口だった。
大関取りに再び挑む今場所は、星勘定だけではなく内容が問われ重圧も増してくるだろうが「今場所に限って変わったことはない。2日だけじゃ何もならない」と言い、どっしりと構えていた。



19/03/11
2019.03 本場所 2日目 朝 情報! 】
■貴景勝
白星発進した。
平幕妙義龍を一気に押し出す完勝。
母校の兵庫・仁川学院小の児童50人が応援に駆け付ける中、相撲を始めた原点でもある大阪で地元のファン、後輩の期待に応えた。
大関に昇進した力士は、昇進場所で9割近くが連勝発進しているだけに、落とせない序盤戦が続く。
文句のつけようがない内容でも、貴景勝は「普通っす」と武骨だった。
「(大関とりも)今場所に限って大事とかない。序ノ口の時から毎場所を大事にしてきた」。
今場所の主役に浮かれた様子はなかった。

■御嶽海
先場所に続き鶴竜を破った。
喉輪攻めをこらえ、横綱が引いたところを逃さず攻めて送り出した。
支度部屋では「集中して取れている」とうなずいた。
先場所に左脚を痛めた影響で、場所前は十分な稽古が積めなかった。
テーピングは施さずに土俵に立って初日から勝負強さを発揮し、「(稽古場で)胸を出すのと、攻防のあるのとは違いますよね」。
絶好のスタートを切りながらも今後を見据え、「いつもより慎重に」と話した。

■朝乃山
宝富士をすくい投げで破り、平成最後の場所で白星発進した。
先場所は5連敗スタートという苦い経験をした25歳は「今度は5連敗を(全部)白星に変えていく」と威勢よく言い切った。

■勢
松鳳山を押し出して白星発進。
比嘉の優勝について「日ごろから息を抜かず、ストイックに取り組んでいる。そういう人が勝たなきゃいけない」と健闘をたたえた。
自身は場所前の稽古で左足に蜂窩織炎(ほうかしきえん)を発症し、この日も40度の発熱があったが、「僕も負けずに番付を上げないと」と気合を入れ直した。

■豊ノ島
16場所ぶりに幕内に復帰した35歳の豊ノ島が白星発進。
「3年ぶりとか数字にすると軽い。ほんとに長かった」。
アキレスけん断裂の大けがを乗り越えた元関脇は、喜びをかみしめた。
24歳で新入幕の照強に動き負けせず、最後ははたいて落とした。
「けがをしてから十分に体を動かすようになった。それで体が動いている」。
取組前には緊張をほぐしたくて、付け人に「何か面白いことを言って」と頼んだという。
「気持ち的には新入幕」と闘志を見せていた。



19/03/10
2019.03 本場所 初日 朝 情報! 】
■白鵬
9日、土俵祭りがエディオンアリーナ大阪で行われ、三役以上の9力士が出席した。
横綱白鵬は「ケガなく15日間(相撲を)とりきれるように。それだけですね。頑張ります」と言葉少なに抱負を語った。
初日は因縁の北勝富士戦。

■貴景勝
9日、15日間の安全を祈願する恒例の土俵祭りが会場で行われ、大関獲りの関脇・貴景勝も参加。
2横綱、3大関がそろう決戦の舞台で、大関昇進を懸ける若武者は平成史に名を残すつもりで勝負に挑む。
会場を出ると、タクシーに乗り込む寸前まで大勢のファンに囲まれた貴景勝は「結果を出すのが自分たちの仕事。やるしかない」と気合十分。
大関獲りとなる春場所初日を翌日に控え、「もう始まるので、しっかり気持ちは高まっている。さらに緊張感が増すようにやりたい」と闘志をにじませた。

■玉鷲
9日は会場となる大阪市浪速区のエディオンアリーナ大阪で15日間の安全を祈願する土俵祭りが行われ、三役以上の力士らが出席した。
1月の初場所で初優勝した関脇玉鷲も土俵祭りに出席。
調整は十分かとの問いに「ああ、そうですね」と、淡々と答えた。
今場所の内容や成績次第では大関昇進の可能性も浮上する34歳のベテラン。
初日は錦木、2日目は大栄翔と顔を合わせる。
それぞれ過去4戦全勝、5勝1敗と合口は良いが「それはあまり考えず、大事にとりたい。ただ、慎重になりすぎるのも駄目」と気を引き締めた。

■御嶽海
9日、土俵祭りが行われ三役以上の9力士が出席した。
御嶽海は、1月の初場所で左膝を負傷して7日目から休場。
11日目から再出場すると横綱・白鵬に勝利するなど、8勝4敗3休と勝ち越した。
古傷の左膝の悪化を防ぐため、今場所前は申し合いを行わず、ぶっつけ本番で初日を迎える。
「不安だらけですよ」と語りつつも「もう(初日が)来ちゃったから」と覚悟を決めて土俵に立つ。

■北勝富士
9日、土俵祭りがエディオンアリーナ大阪で行われ、三役以上の9力士が出席した。
初日に横綱白鵬と対戦する新小結北勝富士は「楽しみですよ。まあ予想通りなんで」と気負った様子は見せなかった。



19/03/09
2019.03 本場所 1日前 情報! 】
■鶴竜
途中休場した今年1月の初場所で新たな経験をした。
同じモンゴル出身の関脇・玉鷲が、34歳にして涙の初優勝を果たす瞬間を目の当たりに「初めてファンの気持ちになりました。自分が相撲を取るより緊張した」という。
同世代の元横綱・稀勢の里が引退し、自らも右足のかかとを痛めて途中休場。
そんな中、同郷力士の大活躍に、これまで味わったことのない気持ちを知り、春場所への意欲を高めていた。

■高安
3月10日から始まる大阪場所を前に取材に応じ、賜杯への思いに「これだけ初優勝のお相撲さんが出てきて、自分はふがいない気持ちで反省ばかり。次はやってやろうという気持ちで、日々精進しています」と語る。
続けて「(自分は)大関ですから、関脇以下の力士が優勝していて、自分にできないわけはない」と、自身を鼓舞した。
2月に行われた日本大相撲トーナメントでは初優勝を飾った。
花相撲とはいえ、歴代優勝者には横綱・大関の名前がずらりと並ぶ。
2年前の2017年優勝は稀勢の里だ。
本場所での初優勝を飾ることこそが、世話になった兄弟子への何よりの恩返しだ。

■貴景勝
8日、春場所2日までの取組を発表。
大関取りに挑む東関脇・貴景勝は、幕内・妙義龍、錦木との対戦が決まった。
今場所にかかる懸賞の本数では初めて1位となることも判明。
初日からの2戦はともに合口(あいくち)がいいが「特に感情はない。結局は自分」と落ち着き払った様子。
己との闘いを意識する姿勢に変わりはない。

■千代の国
1月の初場所で左膝のじん帯を負傷して途中休場していたが、完治出来ず初日から休場することになった。

※阿武松審判部長
日本相撲協会の阿武松審判部長は8日、大相撲春場所で大関昇進が懸かる関脇貴景勝に加え、内容や成績次第で先場所初優勝した関脇玉鷲の大関昇進の可能性を示唆した。
25年ぶりの同時昇進へ期待が膨らむ。



19/03/08
2019.03 本場所 2日前 情報! 】
■鶴竜
7日、初日を3日後に控える大相撲春場所の出場を明言した。
ここまで、出場を目指して稽古を積み重ねてきただけに、言わずもがなのことだけに「もちろん(出る)。今、自分に出来ることはやってきた」と短い言葉だったが、昨年春場所覇者として意欲を示した。

■高安
7日、大阪市東成区の時津風部屋に出向き、幕内・正代、同じく出稽古に来た幕内・千代大龍と計40番の猛稽古を行った。
横綱・鶴竜が正代と10番取った後に土俵に入り、まずは正代と9番。
左四つからの厳しい攻めで全勝すると、千代大龍に声を掛けた。
191キロの巨体をぶつけてくる相手と胸を合わせると次第にボルテージが上がっていった。
高安の「もう一丁」の声に千代大龍が「ごっつあんです」と応じ、ひたすら三番稽古が繰り返された。
結局、千代大龍とは31番で19勝12敗。
仕上げのぶつかり稽古が終わるまで、高安はちょうど1時間、土俵に上がり続けた。
「いい稽古ができた」と充実感を漂わせながらも、40番取っても息は上がっておらず、「まだまだ行ける感じがあった」と言い切った。
途中、疲れが見えてきた千代大龍に「遠慮しなくていいよ」と求める場面もあった。
「力を抜かれても、こっちの稽古にならないし。終盤でもいい当たりをしてくれたのでありがたい」と全力で当たってきた相手に感謝した。

■貴景勝
大関獲りに挑む22歳の関脇・貴景勝が7日、大阪市生野区の同部屋で、稽古を打ち上げた。
勝負の15日間に向けて自身最高の状態に仕上げると、稽古後は大食いラーメンに挑戦してパワーを注入。
「自分なりに最高の自分にした。あとはやるだけ。いい結果、悪い結果になろうが、どういう精神でいったかが大事」と表情を引き締めた。
大関昇進を懸けた15日間へ臨戦態勢を整えた。

■御嶽海
春場所を“ぶっつけ本番”で迎えることが確実になった。
初場所後全く相撲を取っておらず、大阪府堺市内の出羽海部屋で行った朝稽古でも立ち合いを確認したり、基礎運動に終始。
「もうちょっと早く治ると思っていた。横に動かされると痛い」という。
それでも休場は「ない」と明言。
横綱戦が濃厚な初日にも「楽しみ。ケガしている中で、どれだけできるか」と前向きだった。

■魁聖
首に不安を抱える状況となった。
6日、大阪市福島区の友綱部屋に出稽古に来た横綱白鵬との最初の相撲で頭を下げた際、もともと痛みがあった部分を悪化させたという。
すぐに稽古を切り上げた魁聖は「首から伝わって背中にも痛みが出るし、硬くなる。(出場は)大丈夫だと思うけど」と悩ましげな表情だった。

■豊ノ島
大けがを乗り越え、16場所ぶりに幕内に戻った。
35歳は「新入幕のつもりで若々しくいきたい」と張り切っている。
稽古場の豊ノ島は、そんな言葉とは裏腹にベテランらしくゆったりとしている。
7日も、ストーブの前で足の筋肉をほぐした後、四股やすり足などの基本運動を入念に行ったが相撲は取らなかった。
出稽古に来た高安らが30番を超える稽古を繰り広げたが、「今さら番数どうこうじゃない。積み上げてきたものを出すだけ」と、マイペースを貫いた。



19/03/07
2019.03 本場所 3日前 情報! 】
■白鵬
2日間合計39連勝締めで、春場所に向けた本格的な稽古を打ち上げた。
6日、大阪市の友綱部屋へ出稽古。
十両の旭大星と旭秀鵬、前頭魁聖と計11番取って全勝だった。
5日は二所ノ関一門の連合稽古に一門外から参加し、最近2場所を制した貴景勝、玉鷲の両関脇に計28勝1敗。
貴景勝との最初の一番こそ敗れたが、その後は全勝していた。
この日の稽古後は充実した表情で「今日で出稽古は終わり。明日(7日)は休み」と明言。
8日に軽めに調整して春場所に臨む計画だ。

■鶴竜
時津風部屋に出稽古した横綱鶴竜は6日、平幕の正代、豊山、宝富士と計15番取って全勝。
鋭い踏み込みからの多彩な攻めで圧倒し「当たりを確認した。体はしっかり反応しているし、気持ちもできている」とうなずいた。
ただ、稽古を見守った相撲解説者の舞の海秀平さんは「攻められる場面がなく、攻められた時にどう対応できるのか。本当の調子は分からない」と指摘した。

■高安
6日、大阪市東成区の時津風部屋へ出稽古し、順調な仕上がりをみせた。
同じく出稽古に来ていた横綱鶴竜と相撲を取ることはなかったが平幕の正代、逸ノ城、豊山と計23番で17勝6敗。
強烈なぶちかましで相手を組み止め、力強く寄り切る場面も多く「良い稽古ができた。番数ができるのは状態が良いということ」と納得の表情だった。

■玉鷲
調に調整を進めてきた。
先場所、初めて賜杯を抱いたモンゴル出身の34歳。
今場所も活躍を期待する声は大きいが、「意識すると硬くなる。いつも通り相撲を取って、2桁勝ちたいね」と気負いなく言う。
7日以降は、部屋で体の動きを確認し、体調を整えていく。
注目される春場所に向けて「自分の力を出すこと(が大事)。引いたりして勝つ相撲じゃなく、次につながる相撲を取りたい」と話す。

■御嶽海
6日、大阪・堺市の祥雲寺で稽古を行った。
四股などの基礎運動から、最後は部屋の幕下力士にぶつかり稽古を約20分。
「1番1番ペースを上げた。いいんじゃない。腰も割れてたし」と、汗をぬぐった。
初場所以来、左膝のケガの影響で相撲を取る稽古は行っていない。
「正直痛みはある。これ以上悪化させないように」と慎重に調整を重ねる。
春場所では厳しい戦いが待つ。
それでも「出稽古に行かないとか不安はあるけど、気持ちはすっきりしている」。
「痛くても、万全に持って行く。今の状態で戦うだけ」と力強く語った。



19/03/06
2019.03 本場所 4日前 情報! 】
■白鵬
二所ノ関一門連合稽古が5日、堺市の尾車部屋で行われ、一門外から白鵬が参加した。
大関昇進を目指す貴景勝、玉鷲を指名して29番取り、28勝1敗。
2場所連続休場からの再起に向けて、順調な仕上がりぶりを披露した。
強さばかりが際立った。
白鵬が二所ノ関一門の連合稽古に参加するのは、17年夏場所の前以来。
午前10時前から約30分間、土俵を占拠して28勝1敗。
「やれる余力を残して終わった感じ。自分の中では15番くらいの感じ」。
2場所連続休場中ということを感じさせない順調な仕上がりに余裕の口ぶりだった。

■鶴竜
「大相撲春場所前夜祭」が大阪市内で行われ横綱、大関陣らが参加した。
横綱・鶴竜はトークコーナーで昨年春場所で優勝を飾った喜びなどをファンに披露。
「リラックスできた」と肩の力を抜いた。
大阪入りしてから時津風部屋への出稽古をベースにしてきたが、ここ2日は蓄積した疲労を考慮して所属部屋でコンディションを整え、「順調にきている」と話した。
6日からは再び時津風部屋へ出向いて、状態を上げていく。

■高安
5日、堺市の尾車部屋で二所ノ関一門の連合稽古に参加し、幕内阿武咲を三番稽古相手に指名し7勝3敗だった。
パワフルな押しが自慢の相手を真っ向から受け止めた。
押し勝ち、組み止めては、寄り切りなど序盤は5連勝。
中盤、相手の鋭い立ち合いに起こされ、土俵外まで持っていかれる場面もあったが、合格の内容だ。
「いい相撲だった。しっかり踏み込んでいい稽古しようと思っていた。集中して足は動いていた」と、振り返った。

■栃ノ心
カド番の大関・栃ノ心は、大阪府交野市の春日野部屋で朝稽古を行った。
同部屋の幕内・栃煌山や碧山、出稽古してきた大関・豪栄道らと相撲を取り17番で6勝。
豪栄道には6番で全敗も、立ち合いはまずまずだった
。 先場所途中休場の原因となった右太腿肉離れの影響は感じさせず「気持ちが戻った」と明るい表情。
一時は150キロ台まで落ちた体重も「170キロくらい」と回復しており、状態は上向きだ。

■貴景勝
「大相撲春場所前夜祭」が5日夜、大阪・リーガロイヤルホテルで開かれた。
白鵬ら横綱大関陣とともに参加した貴景勝は、約800人を前に「兵庫県出身の自分にとって、準ご当地場所。良い結果をお伝えできるよう力を出し切ります」と宣言。
トークショーでは、夜寝る前にラベンダーの香りのアロマを使っていることなどを明かして会場を沸かせていた。



19/03/05
2019.03 本場所 5日前 情報! 】
■白鵬
41回目の優勝を果たした昨年秋場所以来の“フル出場”を目指す横綱白鵬が3日、相撲を取る稽古を3日ぶりに再開した。
弟弟子で再入幕の石浦と2番取った後、出稽古に来た友綱部屋の十両旭秀鵬と5番、東前頭筆頭の魁聖と8番。
本場所と同じ連続15番取り全勝と、スキを与えない取り口で圧倒した。
稽古後は「後の先もあったし良かったんじゃないかな」と話し、特に204キロの魁聖の当たりにも動じなかったことから「重い相手(の感触)も感じたというか、しっかり準備してきたわけですから」と満足そう。

■高安
貴景勝との三番稽古で7勝5敗と勝ち越した高安は「(指名は)一番良い稽古ができる相手。勝ち負けを気にせず、思い切り攻めた。お互い、いい稽古になったのでは」とうなずいた。
横綱稀勢の里の引退で春場所は二所ノ関一門の“長”として臨む。
「初日から良いコンディションで相撲が取れるよう準備するだけ」と気持ちを高めた。

■栃ノ心
2度目のかど番で迎える大関栃ノ心が3日、大阪・交野市の部屋で朝稽古を行い、平幕の栃煌山、碧山と16番相撲をとって10勝6敗だった。
「立ち合いが良かったね。昨日も良かったよ」。
右太ももの肉離れで初場所を5日目から休場。
24日に大阪入りしたが、治療、基礎運動に専念したため、相撲を取り始めてまだ5日目という。
じょじょに相撲勘が戻ってきているようで「勝ちたいね。稽古も本場所も」と表情も明るくなってきた。

■貴景勝
二所ノ関一門の連合稽古が4日、大阪・大東市の湊部屋で行われ、大関とりに挑む関脇貴景勝が大関高安との三番稽古(同じ相手と何度も取る)に臨んだ。
12番取って5勝7敗と負け越し。
それでも見守った親方からは安定した取り口を評価し、昇進に太鼓判を押す声も上がった。
高安以外にも、先場所優勝の関脇玉鷲や幕内最重量226キロの平幕逸ノ城、苦手の四つ相撲を得意とする平幕琴奨菊らと積極的に番数を重ねた。

■玉鷲
二所ノ関一門の連合稽古が4日、大阪府大東市の湊部屋で行われ、先場所初優勝した関脇玉鷲が関取衆との申し合いで8勝6敗と上々の内容だった。
関脇貴景勝との相撲はパワフルな押し相撲同士の迫力が十分。
ほぼ五分の星で、両雄の勢いを見せ付けた。
連続優勝なら大関とりの可能性も出て来る。
10勝を挙げれば来場所が大関とりになる。
大関の意識に「考えていない。大関や横綱は頭も技術も力も全部ある。自分は全部少し足りない。だからコツコツやる」と控えめに話した。

■照強
伊勢ケ浜部屋の昇進祝賀会が3日、出身地の南あわじ市で開かれた。
同市から若鳴門以来約50年ぶりの幕内力士となった24歳は「温かく迎えてもらい、元気をもらった。いろんな人を明るく照らせるよう頑張りたい」とご当所場所でしこ名通りの活躍を誓った。



19/02/08
フジテレビ大相撲トーナメント 】

●場所:国技館

●メディア:
・フジテレビ「日本大相撲トーナメント第四十三回大会」16:05〜17:20

特別ゲスト解説:荒磯親方(元横綱 稀勢の里)

解説:芝田山親方(元横綱 大乃国)

実況:向坂樹興、花道レポーター:唐橋ユミ


・文化放送(ラジオ)「日本大相撲トーナメント 第43回大会」16:00〜17:25

ゲスト:高砂親方(元大関・朝潮)

花道レポーター:松村邦洋

実況:高橋将市、案内役:松島茂



19/01/28
2019.01 本場所 千秋楽後朝 情報! 】
■貴景勝
27日、大関豪栄道関に一方的に押し出されて4敗目を喫し、場所後の大関昇進を逃した。
昇進問題を預かる日本相撲協会審判部の阿武松部長は「もう1場所、見させていただきたい」と明言した。
審判部は27日に臨時会議を開き、昇進について協議。
阿武松部長は千秋楽の一番に勝っていれば、大関とりが実現したと明かした。
関係者によると、会議では敗れても昇進に賛成する意見が出たものの、2場所前が9勝止まりと物足りなかったことなどから、千秋楽の勝利を条件とする案に一本化されたという。

■玉鷲
遠藤を突き落としで下し、13勝2敗で初優勝を決めた。
34歳2カ月での初優勝は年6場所制では2番目の年長記録。
初土俵から90場所、新入幕から62場所は、ともに史上4位のスロー記録となった。
くしくもこの日の朝に第2子の男の子が生まれ、二重の喜びに「最高です」と声を弾ませた。
福島県は、大相撲初場所で初優勝した関脇玉鷲に知事賞の表彰状と賞金50万円、優勝杯の「あかべこトロフィー」、副賞の県オリジナル米「天のつぶ」1トンなどの県産農畜産物を贈った。

■御嶽海
史上初めて途中休場がありながら、3横綱撃破を評価されての三賞(殊勲)受賞。
「とれると思ってなかった。昼寝して起きたら“三賞とれた”と言われた」と喜んだ。
この日は錦木に敗れたが、右膝負傷の影響もあり無理にこらえる動きはなかった。
また昨年の自分を含め、貴景勝、玉鷲という初優勝ラッシュに「時代は動いてますよね。でも、玉鷲関はベテラン。そう考えるとまだまだ譲ってくれないな、というのもあります」と話した。



19/01/27
2019.01 本場所 千秋楽朝 情報! 】
■高安
14日目でようやく勝ち越した。
すぐに右上手を取って圧力をかけると、左脚にけがを抱える御嶽海は簡単に後退。
「立ち合いはしっくりこなかった。簡単に上手が取れたので。相手もそんなに力が入っていなかった」と淡々と振り返った。
場所直前にインフルエンザに感染。
序盤は平幕に取りこぼすなどし、9日目では黒星が先行していたがそこから奮起。
春場所でのかど番は免れた。

■豪栄道
豪栄道は「びっくりした」という白鵬の休場による不戦勝で勝ち越し。
千秋楽では埼玉栄高の後輩で、玉鷲を1差で追う貴景勝と結びで対戦する。
先に相撲を取る玉鷲が敗れれば、優勝を左右する一番になるだけに「明日に集中。攻めるだけ」と気合を入れた。

■貴景勝
審判部の阿武松部長は大相撲初場所14日目の26日、11勝目を挙げた関脇貴景勝について、千秋楽の27日に部内で臨時会議を開き、場所後の大関昇進について協議することを明らかにした。
小結の先場所を13勝2敗で初制覇した貴景勝は26日、昇進目安とされる直前3場所合計33勝に到達した。
ただ審判部内には2場所前が9勝に終わった点を物足りないとする慎重な意見もあり、阿武松部長は「いろいろな意見が出ると思う。皆さんの意見を聞く」と述べた。
14日目に隠岐の海を押し出した一番には「完璧な相撲だ。落ち着いていた」と評価した。
今場所が新関脇の貴景勝は一度も連敗がなく、13日目には横綱白鵬から初勝利。
千秋楽は単独首位の関脇玉鷲を1差で追い、2場所連続優勝の可能性を残している。

■玉鷲
頭の中が真っ白になった。
「あれ、いつもどうしていたんだっけ」。
時間いっぱいの仕切りで碧山が先に両手を突いていたが、呼吸を合わせられず嫌った。
優勝争いの単独トップに立ち、やはり今までとは違った。
2度目で立つと、左喉輪でのけぞらされた。
これをはねのけ、逆襲に転じて押し出した。
「相手も緊張していなかったら負けていた」。
碧山が給金相撲だったことで救われたと自己分析した。
勝てば初優勝が決まる千秋楽は遠藤戦。
2番後の結びで取る貴景勝の結果は気にしなくていい。
もう重圧は十分味わった。
「ここまでおかしくなったから、あしたは大丈夫」。自分を落ち着かせるように話した。

■遠藤
17年秋場所以来の2桁勝利に到達した。
うまさを見せた。
ベテラン栃煌山をいなして崩し、まわしにこだわらず突き出した。
久々の10勝目には「よかったです」と淡々。
千秋楽では「これより三役」に抜てきされ、単独トップで初優勝が懸かる玉鷲と対戦する。
注目の取組へ「しっかり準備する感じ。集中して自分の相撲を取りたい」と口を真一文字に引き締めた。



19/01/26
2019.01 本場所 14日目昼 情報! 】
■白鵬

14日目の26日、休場した。

全休明けの今場所は初日から10連勝だったが、11日目から3連敗していた。

師匠宮城野親方は、「(右膝が)腫れてどうしようもない。足首もやったらしい。残念だけど仕方がない。平成最後の東京場所で本人が一番勝ちたかったと思う」



19/01/26
2019.01 本場所 14日目朝 情報! 】
■貴景勝
13日目、横綱白鵬を突き落とし、10勝目を挙げた。
昇進を預かる審判部の阿武松部長は、大関昇進の目安とされる直近3場所で「33勝以上」にあと1勝とした関脇貴景勝について「まだ相撲は残っている。何もいえない」と慎重だった。
起点が9勝であることを指摘する意見も根強く、今場所を「大関とり」とする認識は薄いという意見もある。
あと2勝を上積みした場合でも「仮の話はできない」(阿武松部長)と機運はいまひとつだ。
藤島審判部副部長は「2場所連続優勝ならば、そういう話は出てくるかもしれない」。
賜杯を抱くことも判断材料となりそうだ。

■玉鷲
13日目で賜杯争いの単独トップに立った。
連勝を8に伸ばし、残り2日は下位力士との対戦となるが、「勝ち負けではなく内容に集中したい」と地に足を着けて臨むつもりだ。
この日はともに押し相撲の北勝富士との一番。
左おっつけ、右喉輪で攻め、土俵際まで追い込むと焦った相手が足を滑らせたところを、はたいて仕留めた。
前日に白鵬を破っており、「一番の緊張はもう過ぎた。きょうは落ち着いていた」。
初優勝を懸けた勝負の2日間にも気負いはない。

■御嶽海
左脚のけがを押して再出場した11日目からの3連勝で勝ち越しを決めた。
幕内最重量226キロの逸ノ城の懐に飛び込んでもろ差しを果たし、懸命に寄り切った。
一昨年春場所から就いている三役の座を何とか守った。
「前に出られるようになってきたのはよかった」と納得しつつも、「場所はまだ終わっていないので、気を引き締めてやっていきたい」と気合を入れ直した。

■矢後
新入幕の矢後が給金を直した。
8日目に7勝目を挙げてから足踏みが続いただけに、「とりあえず、ほっとした」と表情がほころんだ。
勝ち越しに王手をかけてからは白星へ執着し過ぎて、気持ちが空回りしていたと反省を込めて自己分析する。
師匠の尾車親方から受けた助言は「前に出ろ」とシンプルなもので、「がんがんいこうと思った」と気持ちを切り替えた。
この日は阿武咲の突き押しに応戦し、タイミングのいい引き技で仕留めた。
ただ、肩の荷を下ろしたのは一瞬だけで「あと二つ。全部勝って2桁勝利を目指したい」。
すぐに目標を上方修正した。



19/01/25
2019.01 本場所 13日目朝 情報! 】
■貴景勝
12日目、琴奨菊を破り9勝3敗。
2場所連続優勝へ望みをつないだ。
低く当たった立ち合いは互角。
胸を合わせるようとする相手に対して、冷静に得意の突き押しで対応し続けた。
相手が頭を押さえて引き技に乗じた瞬間、前に出て土俵外に押し出した。
13日目は1差と迫った白鵬との直接対決。
「胸を借りる気持ち。(横綱に)勝っているものはない。気持ちでいく」と力を込めた。

■御嶽海
12日目、東前頭筆頭の栃煌山を寄り切りで破り、戦績を7勝2敗(不戦敗1)3休とした。
13日目の25日は勝ち越しをかけて西前頭筆頭の逸ノ城と対戦する。

■玉鷲
14度目の挑戦で初めて白鵬を破り、「すごい。第三者として見ていたみたい」。
大きな白星の余韻に浸った。
横綱の張り手を交えた攻めを受けても、師匠の片男波親方の「脇が甘くなるから張り返すな」との助言を忘れなかった。
前傾姿勢を崩さずに我慢すると、相手がまわしを引かないまま出てきた。
左からおっつけて回り込み、形勢逆転。背を向けた横綱を逃さずに押し出した。
「いつも熱くなって体が硬くなる」という反省をようやく生かした殊勲星は、賜杯争いで白鵬とトップに並ぶこれ以上ないタイミングで挙げた。
初優勝へのチャンスを引き寄せても「それは全然頭に入れていない。意識したらいいことはない。自分のことは自分が分かっている」。
先を見ずに、置かれた状況を冷静に捉えている。
最大の壁を突破し、残り3日間は下位力士との対戦を残すのみ。
「一番一番気合を入れて相撲を取るだけ」。
34歳のベテラン関脇は静かに闘志を燃やした。

■遠藤
馬力のある千代大龍に立ち合い負けしなかった。
「しっかり圧力をかけられたのはよかった」。
すぐに右上手を引いて寄り立て、土俵際で粘られても巧みに上手出し投げで仕留めた。
師匠の追手風親方も「当たりが重くなってきた」とみている。
連勝を6に伸ばし、1差で優勝争いに割り込んで残り3日間。
「頑張ります」。
いつものように短い言葉で決意を示した。

■阿炎
大奄美を押し出しで下し、昨年春場所以来、5場所ぶりの勝ち越しを決めた。
新入幕から2場所連続で勝ち越して以降、上位陣の壁にぶつかり4場所連続で負け越していたが、今場所は復調。
この日は相性のいい大奄美に、立ち合いから得意の突っ張りを繰り出し続け、あぶなげなく勝利。
昨年春場所以来の勝ち越しを決め、2ケタ勝利も視界にとらえた。



19/01/24
2019.01 本場所 12日目朝 情報! 】
■貴景勝
攻めの姿勢を貫いて新関脇の場所で勝ち越し。
同じ突き押しを信条とする北勝富士に何度も突進を繰り返し、圧力をかけ続けて快勝した。
「向こうも真っ向勝負。自分もそういう気持ちでやった」。
闘志あふれる取り口だった。
この日はトップの白鵬に土がつき、自身とは2差になった。
自力優勝の可能性こそないが、横綱との直接対決を残しており、2場所連続優勝の望みもまだある。
「優勝争いに絡みにいこうと思って見えてくるものがある。ここで力を出さないといけない」と意気込んだ。

■御嶽海
11日目左脚の負傷で途中休場していた西小結御嶽海が再出場し、一人横綱の白鵬を押し出した。
御嶽海は引退した稀勢の里を含む3横綱総なめで6勝目を挙げた。
休場明け最初の相手が横綱と組まれ、大関以下の力士が白星を挙げたのは、昭和26年秋場所の備州山以来68年ぶりで戦後2人目の快挙。
「(横綱戦は)予想していた。なかなかできる経験じゃない」と語る。

■玉鷲
11日目平幕琴奨菊を押し出し、2敗を死守した玉鷲は「よく覚えていない。土俵際で残ったのは覚えているが…」と興奮気味だった。
土俵際まで追い込まれたが左に動いて相手の背後に回り込み、間髪入れず押し出した。
12日目は1差で追う首位の白鵬と対戦。
過去13戦して一度も勝っていないが「思い切っていきたい。今日みたいに考えずに」と気合十分だった。



19/01/23
2019.01 本場所 11日目昼 情報! 】
■琴勇輝

11日目の23日、休場した。

10日目の宝富士戦で6敗目を喫した際に右膝付近を負傷した。

再出場しなければ、来場所の十両転落が濃厚となる。

休場は昨年春場所以来8度目。

11日目の対戦相手、大栄翔は不戦勝。



19/01/23
2019.01 本場所 11日目朝 情報! 】
■白鵬
1敗力士が消えた土俵で、白鵬が厳しい攻めを見せて全勝を守った。
実力者の隠岐の海にもろ差しを果たすと、一方的に寄り切った。
全休明けの序盤は逆転で星を拾う相撲も目に付いたが、勝負どころの終盤戦を前に横綱の威厳を示すような勝ちっぷりで弾みをつけた。
独走ムードが漂う中、「みんな一生懸命頑張っているから。一番一番です」と余裕たっぷりに話した。

■高安
大関の意地を見せた。
相手の貴景勝は次期大関の最有力とはいえ、まだまだそうはいかんぞと期するところがあったようだ。
立ち合いは体当たりにいったが、貴景勝が一歩も下がらず高安の体を起こした。
その後、激しい押し合いとなって高安も張り手を交えて応戦。
貴景勝としては密着して押したかったが、そうはさせず距離があったのでタイミングのいいはたきが決まった。

■貴景勝
高安に敗れ、手痛い3敗目を喫した。
持ち前の低い姿勢を生かして押し込んだ後、大関の思い切りのいいはたきを食って土俵の外へ。
「くるなと思っていたが、かかってしまった。結果が全て」と険しい表情を浮かべた。
先場所で初優勝。
大関昇進の期待も懸かる中、白鵬、豪栄道との対戦を前にこれ以上の黒星は食い止めたいところ。
「悔しいが、もう終わったこと。切り替えてやるしかない」と前向きに話した。

■琴勇輝
突き押しで攻めるも宝富士のいなしに体が回って送り出される。
西溜まりに落ちた琴勇輝はしばらく起き上がることができなかったが、宝富士の勝ち名乗りが終わると、こちらも親方の肩を借りて立ち、右脚をかばいながら用意された車椅子に乗った。
出場については現在不明。

■千代の国
11日目の23日、休場した。
2敗目を喫した10日目の勢戦で左膝付近を負傷していた。
休場は昨年名古屋場所以来で16度目。
11日目の対戦相手、阿炎は不戦勝。
千代の国は今場所、平幕で最初に勝ち越すなど好調だった。

※豪風
元関脇で東十両12枚目の豪風(39)が22日、現役を引退し、年寄「押尾川」を襲名した。
今場所は9日目で負け越して幕下陥落の危機だった。
今後は後進の指導に当たる。
豪風は「力士として潔さを出したつもり。悔いは一つもない」と述べた。

※宇良
元幕内の人気業師、幕下の宇良(26)が元横綱朝青龍のおい、豊昇龍(19)に掛け投げで逆転負けし3敗目(2勝)。
古傷の右膝を負傷したのか、取組後は車いすに乗り国技館内の診療所に直行。
その後、精密検査受けるため都内の病院に向かった。



19/01/22
2019.01 本場所 10日目朝 情報! 】
■白鵬
初日からの連勝を9に伸ばした。
立ち合いで琴奨菊に勝るスピードで踏み込むと、相手得意のがぶり寄りを封じてか突っ張りを見せた。
すきを見て差そうとしたものの、これを期に琴奨菊が反撃に出てきたと判断すると、すぐさま突き落とし。
瞬時の判断と引き出しの多さで、見た目以上に力量さを感じさせる相撲内容となった。

■両大関
高安はまた黒星が先行し、豪栄道は6敗目。
支度部屋では、ともに肩身が狭そうで硬い表情だった。

高安は過去11勝10敗と苦手な玉鷲に対し、安易に張って出たが、相手は「絶対くると思った」。
完全に読まれて先手を許すと、強烈な突きを受けて力なく倒れた。

豪栄道も完敗。
距離を取ろうとして引いて呼び込み、最後は尻もち。
「全然圧力が相手に伝わっていない」と苦々しそうに振り返った。

■貴景勝
錦木を圧倒して7勝目を挙げた。
もろ手で立ち、間髪入れずに突き上げて一方的に押し出した。
鶴竜と2大関を破った相手を問題にせず「自分の相撲を取ることだけを考えていた」と涼しい顔だ。
高安、豪栄道の両大関に元気がなく、2差で単独トップを走る白鵬に土をつける期待もかかる。
10日目は高安戦。「ここからが大事。1日、10分だけしっかり集中したい」と気持ちを高めていた。

■千代の国
9日目、前頭15枚目の千代の国が躍動感たっぷりの相撲で土俵をにぎわしている。
12勝して初の三賞となる敢闘賞に輝いた昨年夏場所以来の勝ち越しで、9日目での給金直しは自己最速タイ。
九重親方が「満足してもらっては困る」と発破をかければ、千代の国も「番付を上げていかないと」。
おごりは一切ない。



19/01/21
2019.01 本場所 9日目朝 情報! 】
■白鵬
天皇皇后両陛下の前で、白鵬が無傷で勝ち越しを決めた。
碧山と突き合った後に右四つで組み止めると、すかさず下手出し投げ。
これで横綱昇進後の天覧相撲では6戦全勝とし、「何か縁があるのかな」。平成最後の天覧相撲も白星で飾り、喜びに浸った。
2010年名古屋場所では野球賭博問題の影響で優勝した白鵬への天皇賜杯授与が取りやめになった。
その際、陛下からお祝いの書簡が届いたことを思い返し、「あの手紙があったからこそ頑張れている」としみじみ。
「寂しい。平成に育ててもらった」と感慨深げに話した。

■貴景勝
同じ22歳の阿武咲を押し出して6勝目を挙げた。
自身初の天覧相撲で、1敗と勢いに乗る相手を気迫でねじ伏せた。
かつてのライバルの真っ向勝負を、力強くはじき返した。
貴景勝が阿武咲を一蹴。
「相手の一番いい武器と自分の一番いい武器、どっちが強いかという思いで戦った」。
白、黒をつける気持ちで挑み、同学年対決に勝利した。

■矢後
3日目から6連勝で7勝目を挙げた。
大奄美に後ろを向かされたが、体勢を立て直すと、右上手を引いて反撃。
引き付けて寄り切り、「体がうまく反応した。しっかり出られていたのが良かった」。
自身も動きの良さを感じているようだ。
目標としていた勝ち越しに早くも王手をかけても「特に変わらない。自信を持ってできているし、毎日同じことをやるだけ」。
自然体を貫けているのも好調の要因の一つだろう。
優勝争いでも白鵬を星一つの差で追う立場にいる。
上々の折り返しにも「まだまだ相撲が遅いし、上にはついていけない。目いっぱい頑張っていきたい」。
現状に満足せず、向上心は忘れない。



19/01/20
2019.01 本場所 中日朝 情報! 】
■白鵬
過去14戦全勝の松鳳山を問題にしなかった。
中に入ろうとする相手を軽々と突き放し、最後はタイミング良くはたき込み。
「相手は動くからね。その動きを上回るという気持ちだった」と涼しい顔だった。
阿武咲が敗れて単独トップに立ったが、「一日一番だからね。その気持ちはいつもと一緒」と泰然。
「角界の父」と慕っていた大鵬さんの命日に盤石の取り口を見せた。

■貴景勝
60キロ近く重い226キロの巨体に、もろ手で真っ向から当たった。
先手の一突きで逸ノ城の上体を起こすと、次は膝をぐっと曲げて再び突進。
小細工なしに5秒足らずで押し出した。
身長は幕内では2番目に低い175センチ。
これが下からの攻めを生み、突いた手がよく伸びるから、相手とまわしを遠ざけている。
自分の体に合った取り口に迷いはない。

■矢後
新入幕の「やごちゃん」が絶好調だ。
前頭13枚矢後は立ち合いで左を差せなかったが、力強く突き放した。
6連敗中と不振の大翔丸が引いたところで、迷わず前に出て押し出し。
今場所の成績を6勝1敗とした。
場所中は体重が落ちがちだが、今場所はキープできているのも好調の要因。
支度部屋で大勢の記者に囲まれると「自分みたいなやつが…」と謙遜して笑いを誘った。

■千代の国
持ち前の動きの良さを発揮した。
激しく突き合った後、豊山に右を差されて出られたが左から首投げを決めた。
「とっさだった。思い切りいってよかった」。
逆転での6勝目を喜んだ。
2場所続けて2桁黒星と苦しんできたものの、その不振は脱した。
「稽古もしっかりできた。集中できている」と手応えを感じている様子だった。



19/01/19
2019.01 本場所 7日目昼 情報! 】
■御嶽海
7日目の19日、日本相撲協会に休場を届け出た。

初黒星を喫した6日目の妙義龍戦で左膝を負傷した。

師匠の出羽海親方は「靱帯(じんたい)ではなく、けんを痛めていた。本人の痛み次第だが、様子を見て再出場も考えている」と話した。

休場は2016年初場所以来で2度目。

7日目の対戦相手、北勝富士は2日続けての不戦勝。

今場所の十両以上の休場者は4人となった。



19/01/19
2019.01 本場所 7日目朝 情報! 】
■白鵬
好内容で無傷の6連勝。
左前まわしを取ると、しっかり体勢を整えてから正代を寄り切った。
前日までの2番は土俵際の逆転で星を拾ったことから「修正というかね」。反省を生かして攻めた。
全勝は早くも平幕阿武咲と2人だけ。
鶴竜が休場し、横綱としてただ一人出場する立場にもなった。
「締めなきゃいけない、また引っ張っていかないといけないという二つの気持ちがあった」との言葉通りに結びを締め、「まあ、一番一番」と余裕たっぷりに語った。

■御嶽海
妙義龍に押し出されて、初黒星を喫した。
敗れた直後は土俵下で左膝を抱えてしばらく動けず、花道は車いすに乗って引き揚げた。
都内の病院で診察を受けた後、松葉づえをついて取材に応じ、「大丈夫。筋肉疲労みたいな感じ。あしたは出られる」と気丈に話した。

■阿武咲
引退の喪失感が残る土俵をホープが盛り上げている。
22歳の阿武咲が自身初の6連勝発進で、白鵬にただ一人食らいつく。
「状態はいいと思う。また明日も頑張ります」と力強い。

■矢後
6日目、新入幕の矢後が好調を維持し、琴恵光を寄り切って1敗を守った。
突き、押しから得意の左を差して右上手を引いた。
187センチ、178キロの大きな体を生かして圧力をかけ「脇を締めて、前に出ることを徹底してやった。いい流れだった」と自画自賛した。

※稀勢の里
4日目の16日に現役を引退し、年寄「荒磯」を襲名した元横綱稀勢の里が、4月に行われる春巡業で横綱土俵入りを披露する可能性が18日、急浮上した。
荒磯親方の断髪式は9月の秋場所後、同29日に行われる。
引退相撲で取組なども実施されるため、本場所同様に1万人超えの「満員御礼」は必至とみられる。
平成で引退した横綱は、稀勢の里が11人目。
初場所限りで引退した横綱は旭富士(平成4年)、曙(13年)、貴乃花(15年)、朝青龍(22年)に続いて5人目だ。
旭富士、曙、朝青龍はいずれも同年秋場所後、貴乃花は夏場所後の6月に断髪式を催した。



19/01/18
2019.01 本場所 6日目昼 情報! 】
■鶴竜

東横綱鶴竜が初場所6日目の18日、休場した。

場所前から右足首に痛みがあり、5日目を終えて2勝3敗と苦しい土俵が続いていた。

鶴竜は昨年11月の九州場所も右足首の故障で全休した。

休場は2場所連続12度目で、横綱としては在位29場所で11度目。

既に引退した稀勢の里に続く離脱で、白鵬が一人横綱を務める。



19/01/18
2019.01 本場所 6日目朝 情報! 】
■白鵬
前日の北勝富士戦に続き、平幕相手に薄氷を踏む思いで星を拾って5連勝。
錦木の初挑戦を受けた結び。
3度目で成立した一番は左を差して出たところで逆転の小手投げに泳いだ。
軍配をもらえず、物言いの末取り直しとなったが、これもふわりと立ってまわしが取れず離れる展開。
最後ははたきに乗じて出てきた相手にかろうじて左上手を引っ掛けてもつれながら投げた。
鶴竜と2大関を破るなどした好調な力士だっただけに過度に警戒したか、「詰めが甘いね、まだ。感覚というのがありますから」と思わず苦笑い。

■鶴竜
本来の動きを見せられず、早くも3敗目。
立ち合いで狙ったまわしが取れず、引いたところで一気に不利な体勢に。
226キロの逸ノ城に左上手をがっちりと引かれて寄られた。
「頭をつけて中に入りたかった。立ち合いが良くない。右足が出なかった」と振り返った。

■高安
再び黒星が先行とさえない。
平幕の正代を土俵際に追い込み小手投げを狙ったが、体をうまく入れ替えられた。
寄り倒されて土俵下に転げ落ち、ゆがんだ表情で右腕をさすった。
前日に兄弟子の稀勢の里が引退し、師匠の田子ノ浦親方からは「高安は稀勢の里の背中を見てやってきた。これから自覚が出てきてほしい」と求められていた。
支度部屋では無言を貫き、無念の思いをにじませた。

■貴景勝
埼玉栄高の先輩、妙義龍を圧倒した。
立ち合いは互角もその後の攻めが良く、休まずに突き押しで攻め立てて何もさせなかった。
前日は御嶽海に敗れていただけに「大事な一番。出し切れた。白星につながったのがよかった」と納得の様子だ。
今場所の結果次第では大関昇進の可能性もある。
序盤は4勝1敗と上々の滑り出しも「これに満足しないようにしたい」と気を引き締めた。

■御嶽海
5日目、立ち合いでやや押し込まれたものの、玉鷲の突き、押しをあてがって足を進めた。
右が入ると左はずも利かせ、腰を落として土俵から出した。
序盤戦で2横綱1大関を破り、4日目には先場所優勝の貴景勝に勝利。
稀勢の里引退後の土俵を盛り上げる5連勝にも「この後ももっと集中し、存在感を出していけるようにやっていきたい」と控えめだった。

■矢後
好調な千代の国に土をつけた。
強烈な突っ張りに突き起こされても我慢して前傾姿勢を保ち、機を見て右前まわしに手を掛けて逆襲。
最後は俵に詰まった相手を引き技で仕留めた。
「余裕はなかったけど、よく対応できた」と汗をぬぐった。
序盤戦を1敗で乗り切る上々のスタート。
「一日も気は抜けなかったけど、緊張感を持ってここまでこられた。一日一日必死で目いっぱいの相撲が取れている」と納得の表情。
「目標」と言っていた勝ち越しまで半分の白星を手にしても「そのことは考えずにしっかりいきたい。これからが大事」。
地に足を着けたコメントを発した。



19/01/17
2019.01 本場所 5日目朝 情報! 】
■稀勢の里
稀勢の里が16日、現役を引退した。
東京・両国国技館で師匠の田子ノ浦親方とともに引退記者会見に臨んだ稀勢の里は、「土俵人生において、一片の悔いもございません」と、声を詰まらせながら現役生活を振り返った。

■鶴竜
星を五分に戻した。
返り小結妙義龍のいなしにも、素早く立て直して土俵の外へ。
「自分の相撲を思い出そうと思った。立ち合いを修正できたかな」と手応えを口にした。
同じ横綱として、1歳年下の稀勢の里の引退には思うことが多かったはず。
「彼の方が早い出世だったが、自分は追い付きたい気持ちでずっとやってきた。けががなければ、もっとやれたと思う」と惜しんだ。

■栃ノ心
5日目の17日、休場することを決めた。
場所前5日の稽古中に右太ももに肉離れを起こした影響もあって、初日から4連敗。
5日目は不戦敗で、対戦相手の松鳳山は不戦勝になる。
師匠の春日野親方によると、4日目に玉鷲に敗れた後「力が入らない」と話したという。
「普段から弱音を吐かない男がそう言うんですからね。他にも少し悪いところがある。2月は巡業もないし、3月に向けてしっかり治そうということになりました」と説明した。
栃ノ心の休場は昨年名古屋場所以来8度目。
再出場せずに負け越せば、3月の春場所は昨年の秋場所に続いて2度目のかど番になる。

■御嶽海
初日から3連勝。
期待を集める若手同士の対決は、御嶽海が貴景勝に快勝した。
ほぼ互角の立ち合いから素早い攻めが奏功。
休むことなく下から押し込むと、いなしに乗じてさらに前へ。
先場所の初優勝で勢いに乗る22歳を破り、「よかったんじゃないか。しっかり相手を見ていた」と涼しい顔だった。
負けられない思いが強かった。
昨年は名古屋場所で初賜杯を抱き、大関昇進のチャンスを得たが、九州場所の負け越しで振り出しに戻った。
自身に代わって浮上したのが、新関脇の貴景勝。
活躍に刺激を受け、「張り合いがある」と稽古に励んでいたからだ。



19/01/16
2019.01 本場所 4日目朝 情報! 】
■稀勢の里
現役引退を決断した。
師匠の田子ノ浦親方が初場所4日目の16日、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋で発表した。
同日午後に都内で記者会見を開く予定。
今後は年寄「荒磯」を襲名し、田子ノ浦部屋の部屋付き親方として後身の指導にあたる。
進退を懸けて初場所に臨んだ稀勢の里は、初日から3連敗。昨年9月の秋場所から3場所にわたって8連敗(不戦敗除く)となり、横綱としては貴乃花を抜いてワースト記録となっていた。

■栃ノ心
妙義龍にもろ差しを許して寄り切られた。
「中に入られたから、何もできなかった」とがっくり。
前日は自分のふがいなさに怒っていたが、この日はうつろな目で、ショックの色が濃かった。

■貴景勝
関脇対決を制した。
玉鷲との突き合いの中、一瞬動きが止まると、相手のいなしに乗じて勝負をつけた。
一歩も引かない取り口を「気持ちで負けないつもりだった」と振り返った。
内容の伴う3連勝スタートに「まずまず」と納得の口ぶり。
4日目は3勝同士の御嶽海戦。
「誰から勝っても1勝ですし、負けても1敗。自分の力を出し切りたい」と平常心を強調した。

■御嶽海
稀勢の里、鶴竜の横綱連破に続き、大関豪栄道も撃破して3連勝だ。
左上手でまわしを取られ、前に出られたが、土俵際で体を入れ替え、右から逆転のすくい投げを決めた。
「前に出られた時は慌てたし、焦った。(すくい投げは)体がよく動いている証拠じゃないですか」。
同学年の北勝富士ほか世代の近い貴景勝、錦木、阿武咲らも3連勝と走るが「これからもしっかり気持ちを作ってやるだけ」とマイペースを強調した。

■栃煌山
通算6個目となる金星を挙げた。
前日は白鵬を追い詰めながら勝利寸前で逆転された31歳だったが、稀勢の里戦は立ち合いからの流れもよく反撃を許さなかった。
先場所に続き稀勢の里を撃破。
ようやく初日も出て「当たってから流れで攻めたかったけど、いい踏み込みができたから中に入れた」と、ホッとした表情を見せた。
進退の懸かる横綱との一番にも「勝負なんで、周りは関係ない」と話した。

■錦木
横綱初挑戦で鶴竜を破った。
得意の左四つになると、上手を取られても構わず一気に走った。
場所前によく稽古をつけてもらっている横綱から初金星を挙げ、「ずっとお世話になっていた方。恩返しになった」と感慨深げに話した。
自己最高位の東前頭2枚目で大関も連破して3連勝スタート。
4日目の稀勢の里との結びに向け、「自分の調子が良いので、ちょっとはチャンスがあると思う」と不敵に笑った。

■北勝富士
自身初の3日連続大関撃破にも気を引き締めた。
立ち合い自慢の高安相手に正面からぶつかり、左のおっつけで体勢を崩して背中に回り込んで送り倒した。
3大関総ナメに「びっくりですね」と自分でも信じられないようだったが「これで全部負けたり休場したりしたら意味が無い。勝負はこれから」と気合を入れた。



19/01/15
2019.01 本場所 3日目朝 情報! 】
■稀勢の里
引退危機に追い込まれた。
平幕の逸ノ城を押し切れず、はたき込みで敗れた。
17個目の金星配給で、進退を懸けて臨んだ場所で初日から2連敗。
昨年秋場所千秋楽から不戦敗を除いて7連敗となり、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降では貴乃花と並ぶ横綱のワースト記録となった。
横綱在位12場所目で、稀勢の里は後がない状況となった。

■栃ノ心
大関になった昨年名古屋場所以降初の2連敗スタートの栃ノ心「(左上手が取れなかったことに)関係ない。勝てない。弱いから。クソ〜、クソッ!」

■貴景勝
万全の相撲で連勝発進だ。
立ち合いで松鳳山に張り手を食らった貴景勝だが、動じずに真っすぐ当たって上体を起こすと、4発突いて快勝した。
初日に増して力強い姿を見せつけ「自分の相撲を取り切ろうと思った。感覚としては前に押し切れた」とうなずいた。
3日目は玉鷲との関脇戦。
「勝ち負けで判断すると墓穴を掘る。勝負が終わったら初日の気持ちでいこうと思います」と切り替えは早かった。

■御嶽海
東横綱の鶴竜を押し出し、初日に続いて横綱を破り二連勝とした。
立ち合いで頭から当たった御嶽海は、鶴竜の脇やひじを押しながら低い体勢でまっすぐ前に出て、相手に反撃のすきを与えなかった。
土俵際で鶴竜の上体を起こすと、左手で脇を押し切って勝負をつけた。

■逸ノ城
勢の里に4連勝し、6個目の金星獲得。
「(横綱の圧力は)いつもと同じだった」そうで、じりじりと後退したが、うまくいなして逆転すると、はたき込んで土俵に転がした。
関脇だった先場所で6勝9敗と負け越し。
「もう一度、上を目指したい」との一念で新年の土俵に臨んでいる。
初日も大関高安を撃破。
大物食いで連勝発進しても浮かれず、「集中して、1番でも多く勝てるようにしたい」と表情は引き締まったままだった。

■錦木
2日連続で大関を撃破した。
怪力の栃ノ心にまわしを取られながらも、土俵際で逆転の上手投げ。
力強く勝利し「いい相撲とは言えないけど、勝ったからいっか」と目尻を下げた。
3日目は人生で初めて横綱と対戦する。
結びの一番での鶴竜戦に向けて「お待ちかねの結び。楽しみですね。あしたも勝ってインタビュールームに行きたい。中々3日連続はいないのでは?」と胸を弾ませた。

■北勝富士
初日から2大関撃破の北勝富士は「先場所の負けをしっかりと修正できた。土俵際追い込まれたけど余裕があった。まだまだこれからです」と語った。

■阿武咲
仲の良い貴景勝に負けじと2連勝の阿武咲「そりゃあ意識するなっていう方が無理でしょう。でも、自分は自分と思っていきます」と語った。



19/01/14
2019.01 本場所 2日目朝 情報! 】
■稀勢の里
進退が懸かる横綱稀勢の里は小結御嶽海に押し出されて黒星発進。
昨年の秋場所千秋楽から不戦敗を除いて6連敗となった。
貴乃花ら過去4人が喫した、横綱の歴代ワースト連敗記録に並んでしまった。
いきなり切り替えと修正が迫られる稀勢の里は「そうですね…」。
相づちを2度繰り返しただけだった。

■高安、栃ノ心
場所前にアクシデントがあった2大関はともに初日黒星。
インフルエンザに感染した高安は引いたところを逸ノ城に出られ、右太ももを痛めた栃ノ心は北勝富士を捕まえ切れず、あっさり土俵を割った。
支度部屋での高安は悔しさたっぷりで、問いかけには無言。
栃ノ心は表情がさえず、「頑張らないといけない。勝たないといけない」と沈んだ声で話した。

■貴景勝
立ち合い、正代のカチ上げにわずかに下げられたが、休まずに突いて一直線に突き出し「細かいこと(不満)はいっぱいあるが、白星につながって良かった」とひと安心。
館内の大声援に「緊張もするが気合も入る。力が出る」と歓迎し、「きょうはもう終わった。振り返らずにやりたい」と2日目の取組を見据えた。

■御嶽海
横綱稀勢の里に快勝した。
過去の対戦成績は1勝6敗と、相性は良くない相手だったが、左を差されそうになったが、右を巻き替えてからは一方的に攻めた。
「立ち合いがよくない。もっと踏み込んでもよかったと思います」と、余裕すらあった。

■錦木
盛岡市出身で、自己最高位の東前頭2枚目に上がった錦木は先場所に続いて西大関の豪栄道を破り、初の三役昇進へ好スタートを切った。
本県出身力士が2場所連続で大関を撃破したのは、旧山形村(現久慈市)出身の栃乃花が新入幕の2000年夏場所から九州場所までの4場所で5大関を倒して以来、19年ぶり。

■勢
勢が流血と引き換えに、輝を押し出して勝利をつかんだ。
立ち合いで相手の頭が当たり、「ピキッ」。
支度部屋では右目上がパックリと裂けていた。
取組中に相手に付いた血が見え、勝負がついてから自分の右目に血が流れ込んで「俺かよ」と納得した。
傷口を押さえながらも「傷だらけのヒーローです。いい相撲でした」と、しばし痛さを忘れていた。

■矢後
新入幕の矢後が明生を寄り倒して白星発進した。
立ち合いで素早く取った右前まわしを引きつけ、187センチ、178キロの体で圧力をかけながら前へ出て快勝。
「初日に勝ててよかった。考えていた通りに取れた。緊張はありましたけど、思ったより良い相撲」と納得の口ぶりだった。
入幕と同時に大いちょうも結えるようになった。
「まだまだ慣れないですけど、似合う力士になりたい」と少し照れくさそう。
懸賞も手にし「うれしい。使い道はゆっくり考えたい」と喜んだ。



19/01/13
2019.01 本場所 初日朝 情報! 】
■稀勢の里
12日、東京・両国国技館で土俵祭りに参加し、「いよいよ」と勝負スイッチが入った。
横綱昇進後、初日黒星発進は5度あり、すべて途中休場に追い込まれている。
初日、小結御嶽海相手に不覚を取れば一気に暗雲が漂う。
命運を握る“鬼門”を前に穏やかな表情で心境を語り、決意表明した。

■鶴竜
13日から始まる初場所(東京・両国国技館)を前に、新年の抱負として「年6場所全部出たい」と、皆勤を誓った。
昨年は春場所、夏場所と自身初となる2場所連続の優勝を遂げたものの、名古屋場所は途中休場し、九州場所を全休。
2017年は6場所中5場所で休場し、一時は引退も囁かれた鶴竜が、改めて土俵に上がる重要性を語った。
右足首のけがは、確実に癒えている。
それだけに、初場所でしっかりと横綱の役目を果たそうという気持ちが強いのか「(年の)最初の場所なんで、いい成績で終わりたいという気持ちです」と前向き。

■高安
インフルエンザを発症し、調整への影響が懸念される大関高安は12日、東京・両国国技館で行われた土俵祭に出席し「回復はした。いい状態で初日を迎えられると思う」と大きな問題がないことを強調した。
この日は田子ノ浦部屋で朝稽古も行った。
静養中は体重を減らさないことを意識したという。
待望の初優勝に向けアクシデントに見舞われたが「(インフルエンザに)なったものはしょうがない。しっかり治療した。頑張ります」と語った。
新年の抱負を聞かれると、堂々と「1つ上を目指して全力で」と、綱取りを誓った。

■貴景勝
13日、東京・墨田区の両国国技館で初日を迎える。
連覇が懸かる新関脇貴景勝は土俵祭り後、昨年9月の秋場所を制した横綱白鵬とともに優勝額贈呈式に出席。
額にはオレンジ色を基調とした母校の埼玉栄高の化粧まわしを締めた姿があり、「夢だった。ありがたいこと」。
初日は正代と対戦。
「優勝した後の大事な場所。力を発揮できるかできないかは、自分の精神力次第」と気を引き締めていた。

■御嶽海
12日、会場の東京・両国国技館で土俵祭が行われた、これに出席。
稀勢の里と初日に顔を合わせる小結御嶽海は「予想はしていた」と対戦の覚悟は決まっていた。
過去7戦6敗。
17年名古屋場所で挙げた1勝が唯一の白星だが、その時も初日と験がいい。
初日に向け「気合が入りますよ」と笑顔を交えて話した。
関脇から陥落し、昨年の秋場所以来の小結として迎える場所に「より良い相撲を15日間取り続けたい」と意気込んだ。



19/01/12
2019.01 本場所 1日前 情報! 】
■稀勢の里
11日、大相撲初場所の取組編成会議を開き、進退が懸かる横綱・稀勢の里は初日に小結・御嶽海、2日目は平幕・逸ノ城と対戦することが決まった。
進退の懸かる場所に向けて、慌てる必要などなかった。
稀勢の里はこの日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で報道陣に非公開で調整した。
関係者によると、土俵には入らず前日同様に基本運動で汗を流したという。
相撲を取る稽古を再開した昨年12月27日以降、年末年始の休みを除いて2日連続で相撲を取らなかったのは初めて。
順調な仕上がりをうかがわせるように、稽古後は引き締まった表情で車に乗り込んだ。

■貴景勝
11日、大相撲初場所の取組編成会議で、新関脇の貴景勝は初日が正代、2日目は松鳳山と当たる事が決まった。
3横綱が出場する初場所で、先場所の優勝が勢いだけではなかったことを証明できるか。
「上の番付を目指したい」と、大関昇進も視界に入れる新関脇、貴景勝にとっては真価を問われる場所になる。
2018年の最後を締めくくった優勝を「良い意味で忘れている部分がある」。
新春の土俵で、さらなる高みを目指す。

■御嶽海
取組編成会議が11日、同所で行われ、初日に横綱稀勢の里と結びの一番で対戦することが決まった。
合口は1勝6敗。
稀勢の里と初日にぶつかるのは3度目だが、唯一の白星が17年名古屋場所の初日に挙げたものだ。
初日に結びで登場するのは、15年九州場所の新入幕から20場所目にして初めてになる。
御嶽海はこの日、都内の部屋で朝稽古を行い、四股など軽い基礎運動で汗を流した。
先場所は7勝8敗と4場所ぶりに負け越しただけに「気を引き締めて頑張ります」とコメント。
進退問題が浮上している横綱を相手に大関とりへの再スタートを切る。

■松鳳山
11日、都内で地元福岡の航空会社スターフライヤー(北九州市)から化粧まわしを贈呈された。
西前頭7枚目で臨んだ昨秋の九州場所では8場所ぶりの2桁白星(10勝)をマーク。
初場所には尾翼をデザインした、この化粧まわしを着用予定だという。
スターフライヤーは北九州空港を拠点に羽田便などを運航。
昨秋に日本生産性本部サービス産業生産性協議会が発表した2018年度の日本版顧客満足度指数の国内航空部門で10年連続1位に輝いた。
キャビンアテンダント(CA)から化粧まわしを手渡された松鳳山は終始笑顔。
「これを励みにしっかり稽古し、初場所では一番でも多く勝ちたい。しこ名にある鳳(おおとり)のように力強く羽ばたき、スターフライヤーさんのように高く昇りたい」と“追い風”に乗っての活躍を誓った。



19/01/11
2019.01 本場所 2日前 情報! 】
■稀勢の里
10日、進退のかかる初場所の出場を決めた。
昨年11月の九州場所では横綱として87年ぶりとなる初日から4連敗を喫し、横綱審議委員会に「激励」を決議された。
徳俵に足がかかった危機的状況は変わらないが、「非常に順調。あとは場所に臨むだけ」と本人は自信ありげ。

■高安
8日に風邪をひいて静養している大相撲の大関高安について、師匠の田子ノ浦親方は10日、インフルエンザを発症していると明らかにした。
9日の検査で判明したが快方に向かい、初場所には出場するという。
高安は9日の二所ノ関一門による連合稽古に続き、10日も稽古を休んだ。
田子ノ浦親方は「治療して熱が下がってきたし、体調は良くなっている。場所には間に合う」と説明。
初日までに稽古を再開できるかは未定とした。

■栃ノ心
右太ももに故障を抱える大相撲の大関栃ノ心が10日、東京都墨田区の春日野部屋で朝稽古を行い、初場所について「師匠(の春日野親方)と話した。出ます。大丈夫です」と出場を明言した。
この日は右膝にサポーターを着けて土俵へ入った。
若手に胸を出しながら、自身も重心を落としたり、脇を締めたりといった動作を確認。
引き続き、超音波治療などを施しており「良くなった」と回復をアピールした。

■貴景勝
関取りに挑む貴景勝は9日、東京・江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古で稀勢の里に完敗。
昨年11月の九州場所初日に土をつけた相手に歯が立たず「話にならない。横綱が相手だから勝てないのは当たり前。自分のできることをやった。いい経験になったと思う」と脱帽した。
この日は横綱以外にも、申し合いで幕内逸ノ城、幕内阿武咲らと7番取って3勝4敗。
「(全体的に)悪くはなかったと思います。(初日までに)3、4日あるので、いい形に持っていければ」と本番へ向けて意気込んだ。



19/01/10
2019.01 本場所 3日前 情報! 】
■稀勢の里
二所ノ関一門の連合稽古が9日、東京都江東区の尾車部屋で行われ、進退の懸かる横綱・稀勢の里が昨年九州場所で初優勝を飾った関脇・貴景勝を圧倒した。
まわしにこだわらず前に出ることを意識し、9番取って8勝1敗。
下半身の粘りも見られ、復調の兆しが見えた。
「非常にいい稽古になった」と納得の表情を浮かべた。

■白鵬
東京都墨田区の時津風部屋へ出稽古し、貫禄を見せた。
三番稽古では平幕・正代に4勝1敗、小結・妙義龍には8連勝。
正代に負けた1番も勇み足気味で、死角らしいものはない。
右膝の骨片と右足首の遊離軟骨を除去する手術を受けて、九州場所は全休。
それだけに「(こういう)相撲を取る喜びは初めてかもしれない。大きなメスを入れたというのが原因としてありますけど」と、気持ちもリフレッシュされた。

■高安
9日に尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古を欠席した。
8日から発熱の症状を訴えるなど、体調不良のため。
師匠の田子ノ浦親方は「熱は38度台。風邪の症状。インフルエンザの検査を受けさせている。初日(の出場可否)はその検査次第」と明かした。
10日は稽古を休む予定だ。

■豪栄道
時津風部屋に出稽古して計14番相撲をとり錦木に8勝1敗、正代には5勝だった。
鋭い踏み込みから速い攻めが目立った。
先場所敗れた錦木とは、今場所も対戦が濃厚。
「稽古でもあまりやったことがなかったので」と、雪辱への研究にもなったようだ。
先場所は右大胸筋を痛めて途中休場。
復活がかかる初場所へ「順調にきています。あとはしっかり疲れをとって初日に臨みたい」と明るい顔つきだった。



19/01/09
2019.01 本場所 4日前 情報! 】
■稀勢の里
8日、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋で基礎運動などで汗を流し、相撲は取らなかった。
「非常にいい稽古が毎日できている」。
2日続けて関取衆と相撲を取った次の日は、基礎運動に充てるサイクルをキープ。
稽古後は東京・明治神宮で初場所前恒例の参拝、奉納土俵入りを披露した。

■白鵬
8日、東京・江東区の伊勢ケ浜部屋で行われた伊勢ケ浜一門の連合稽古に参加した。
四股、すり足などでじっくり体を温めると、幕内・宝富士、十両の照強(いずれも伊勢ケ浜)、旭大星、旭秀鵬(いずれも友綱)と13番取って貫禄の全勝。
得意の右四つ以外にも、宝富士とは相手得意の左四つになってから、巻きかえてのもろ差しを見せるなど「いい稽古ができたよ」と充実した表情だった。
稽古後、大相撲初場所前恒例の明治神宮奉納土俵入りに参加。

■鶴竜
8日、大相撲初場所前恒例の明治神宮奉納土俵入りに参加。
昨年の九州場所を右足首の負傷で全休した鶴竜は、時津風部屋への出稽古を行うなど順調に調整している。
表情も明るく、「今年最初の場所なのでいいスタートを切りたい」と意欲十分。
足首の状態については「完全に良くなってはいないけど、ケアなどできることをしている」と語った。

■栃ノ心
5日に右太腿を痛めて以降、相撲を取る稽古は自重しており、この日も四股が中心。
連日、超音波などで患部を治療し「最初は落ち込んだけど、落ち込んでも治らない。良くはなってきている。出るつもりでいる」と、出場には前向きだった。
その一方で「様子を見て、師匠(春日野親方)と相談する」と、最終的な結論は持ち越した。

■碧山
8日、初場所に向けて都内の所属部屋で朝稽古し、好調をアピールした。
同部屋の平幕・栃煌山、出稽古した小結・御嶽海と計19番相撲をとり、18勝1敗と圧倒。
御嶽海には9勝で負けなしだった。
前日(7日)行われた横綱審議委員会(横審)でも13連勝しており、ここまでの調整は万全。
「このままで場所に入りたいですね」と、初日が待ち切れない様子だった。



19/01/08
2019.01 本場所 5日前 情報! 】
■稀勢の里
7日、横綱審議委員会の稽古総見が国技館内で行われた。
先場所、初日から4連敗して途中休場した稀勢の里は鶴竜と4番、大関・豪栄道と2番、相撲を取った。
稀勢の里は差し手を嫌って突っ張る鶴竜に対して、まわしが取れないまま何度も土俵を割った。
一方、豪栄道には左を入れて胸を合わせる場面も。
半身で攻めて黒星を重ねた先場所の相撲を改め、2番とも退けた。
稀勢の里は「(10勝した昨年)秋場所より動きは良い」と手応えを口にした。
先場所後に横審が稀勢の里に奮起を促す「激励」を決議しており、初場所は進退が懸かる。
「自信を持ってやっていくしかない」と自らに言い聞かせた。
横審の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「少し不安は残るが、一生懸命なのは分かった」と評価した。

■白鵬
7日、横綱審議委員会の稽古総見が国技館内で行われた。
先場所を全休した白鵬は小結・御嶽海、関脇・貴景勝と計8番を取った。
昨年、初優勝した2人を寄せ付けず「良い稽古ができた」と好感触を得た。

■鶴竜
7日、横綱審議委員会の稽古総見が国技館内で行われた。
同じく全休だった鶴竜は稀勢の里に加え、高安、豪栄道の2大関と計10番。
休場の原因になった右足首は「一番悪い時より良い」という。

■栃ノ心
7日、横綱審議委員会による稽古総見が行われたが、大関栃ノ心は参加を見合わせた。
5日の稽古中に右太ももに軽い肉離れを起こしたため。
総見に出席した春日野親方は「昨日、医者に行かせました。今日は(部屋の稽古場に)来てますよ」と話していた。

■貴景勝
7日、横綱審議委員会の稽古総見に参加した。
平幕力士と2番(1勝)、さらに横綱白鵬の指名を受け5番(0勝)。
「まわしを取らせないように突き放していくこと」をテーマに掲げたが、白鵬には四つに組まれ、最初の3番は一方的に寄り切られるなど全敗した。
昨年12月の冬巡業で手合わせする機会はなく、白鵬も「自分も先場所優勝の勢いをもらいたかった」と指名の理由を説明。
横綱直々の指名を受け、貴景勝は「ありがたかった。やれるチャンスがあるなら(やってみたかった)」と、初場所初日まで1週間を切ったタイミングでの貴重な機会に感謝した。
連日の稽古で「相撲勘は良い感じ」と感覚は研ぎ澄まされてきた。
「あとは体を膨らませて瞬発力、パワーを上げたい」。
大関とりもかかる19年。
初場所に向けて「気持ちで負けないように全力を出し切りたい」と気合がみなぎっていた。



19/01/07
2019.01 本場所 6日前 情報! 】
■稀勢の里
6日、都内の部屋に前頭琴奨菊と十両豊ノ島が出稽古で訪れた。
3人は02年初土俵のほぼ同期。
1月の初場所で高卒の琴奨菊と豊ノ島、3月の春場所で中卒の稀勢の里が初土俵を踏み、新弟子が半年間通う相撲教習所時代から稽古してきた間柄だ。
報道陣非公開で、弟弟子の大関高安は時津風部屋に出稽古で不在。
稀勢の里は「昔を思い出しながら。本当にいい稽古だった」と3人だけの濃密な時間を笑顔で振り返った。

■鶴竜
5日、初場所に向けて東京都墨田区の時津風部屋に出稽古に赴き、平幕正代らと相撲を取って12戦全勝だった。
「体が動いている感覚があった。少しほっとした」と充実した表情を浮かべた。
相撲を取るのは昨年九州場所前の11月以来だった。
休場の要因となった右足首に不安を感じさせず、動きは軽快だった。
「特に気にせず取れる。あとは感覚を体に覚えさせることが大事」と課題を挙げた。

■高安
6日、東京都墨田区の時津風部屋への出稽古で、平幕正代に12戦全勝だった。
ただ、首をかしげる場面があり「イメージと違った。立ち合いは決まっているけれど、どれだけ力が伝わるかとか細かいことを確認しながらやった」と淡々と話した。
全体稽古終了後も「まだまだ消化不良」と、筋力トレーニング、てっぽうで体を動かした。
7日の横綱審議委員会による稽古総見で横綱陣と取ることも視野に入れ、気合は十分。
「体調は悪くないので、いい相撲を取って、自分の中でいい流れをつくっていければ初場所につながる」と意欲的だった。

■貴景勝
6日、都内の部屋で十両貴源治、隆の勝らと15番の申し合い。
「同じ押し相撲でも強い距離が違う」と、相手によって少し立ち合いを変えてみたり、稽古場でしかできないことにチャレンジした。
「動きはよくなってると思う。いい感じだと思います」と順調な仕上がりをアピール。
貴乃花部屋時代は2時間ほどで稽古が終わっていたというが、千賀ノ浦部屋の稽古時間はその倍近くある。
東京の稽古場にも昨年末に初めて下りた。
そんな環境の変化にも「もう慣れたし。(いつもの場所と)一緒ですよ」と涼しい顔で話していた。

■碧山
”恐怖の平幕”ぶりを見せつけた。
6日、都内の部屋での申し合いで出稽古に訪れた御嶽海、同僚の栃煌山を15勝3敗と圧倒した。
稽古場での強さに定評があるが、見学した大相撲解説者の元小結舞の海氏は「あれだけ低い立ち合いができたら、相手にかわされる確率も下がる」と絶賛。
碧山は「そこを気をつけてます」。
番付上、横綱戦の可能性もある。
貴景勝と優勝争いをした先場所に続き、台風の目になるかもれない。



19/01/04
2019.01 本場所 9日前 情報! 】
■稀勢の里
4日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で大関高安と前日に続いて手合わせした。
右上手を素早く引いて相手の動きを封じ込めたほか、喉輪で攻められても左から突いて難なく対応。力強い内容の13番に「全体的に良かった。
(前日から)修正できているじゃないですか」と余裕十分に振り返った。
進退が懸かる初場所(13日初日)まで残り10日を切った。
「うまさもあって何でもできる大関」と評価する弟弟子と年末から実戦に近い稽古を重ね、手応えありの様子だ。

■白鵬
4日、墨田区内の部屋で初場所に向け、新年の稽古を開始した。
昨年11月の九州場所は、同10月に受けた右膝と右足首の手術の影響で休場したが「違和感はなくなりました」と回復は順調。
この日はまず約1時間、四股、テッポウなどでじっくり汗を流した。
体が温まってきたところで三段目力士と9番(全勝)、十両・炎鵬と7番(5勝)。
その後は、立ち合いの確認やぶつかり稽古で胸を出すなど精力的に体を動かした。
「いい汗かいたよ。思った以上に長い時間土俵にいたのかな」と稽古始めは順調そのものだった。

■豪栄道
出羽海一門による新年恒例の連合稽古が3日、東京都墨田区の春日野部屋で行われた。
右上腕の負傷で先場所を途中休場した大関豪栄道が大関栃ノ心、小結御嶽海に計9勝1敗と寄せ付けず、初場所を前に順調な回復ぶりを示した。

■貴景勝
3日が千賀ノ浦部屋の稽古始め。
同部屋の十両隆の勝らと9番取って6勝した。
「悪くはなかった。ここから番数を増やしたい」。
昨年12月28日に稽古を納め、前日2日までの5日間は完全休養。
大みそかには総合格闘技のRIZINを生観戦し刺激を得た。
大関とりも期待される19年へ「何回もチャンスは巡ってこないので、ものにしたい」と意気込んだ。

■御嶽海
出羽海一門が3日、都内の春日野部屋での連合稽古で新年のスタートを切った。
4場所ぶりに関脇から小結陥落の御嶽海は栃ノ心に7敗、豪栄道に1勝3敗など3勝13敗。
それでも「(相手の)力が強いから出だしとしてはいい。(新関脇の)貴景勝が自分より番付が上で張り合いがある。もう1度、気持ちを入れ直す」と気合十分。



18/12/10
貴ノ岩 引退! 】
7日、冬巡業先で付け人の弟弟子に暴力を振るった責任を取って引退することを表明した。

同日夜に東京都台東区の千賀ノ浦部屋で、師匠の千賀ノ浦親方とともに記者会見し、

「相撲を続けたい気持ちは今でもありますけど、やっぱり引退して責任を取る気持ちの方が強かった」と

決断に至った心境を語った。



18/11/26
2018.11 本場所 千秋楽 翌朝情報! 】
■高安
25日、福岡市博多区の福岡国際センターで行われ、土浦市出身の大関高安は関脇御嶽海に敗れて3敗目を喫し、初優勝を逃した。
結びの一番で御嶽海のすくい投げに屈した。
相手に押し込まれながらも耐えたが、右上手を取って前に出たところをすくわれた。
取組後の支度部屋で高安は、悔しさを押し殺すように無言を貫いたが、支援者らを前にした打ち上げでは「近い将来、優勝報告できるように頑張る」と来場所以降の活躍を誓った。

■御嶽海
初優勝を目指した大関高安の夢を打ち砕いた。
勝てば小結貴景勝との優勝決定戦に持ち込める高安を、すくい投げで破って7勝目。
すでに負け越しが決まっている中での一番だったが、意地を見せた。
長期戦を覚悟していた。
高安のかち上げに負けず、立ち合い左差しで土俵際まで後退させたが残られた。
それでも「すぐには決まらないと思っていたから焦らなかった」。
その後は互いにまわしをつかんで探り合い。
1分を過ぎたところで右を巻き替え、すくい投げで大関を転がした。
前日14日目に負け越しが決まったが、関脇在位の可能性も残した。
今年最後の一番を会心の相撲で飾り「良かったです。次につながる良い相撲だった」とうなずいた。

■貴景勝
25日、東小結の貴景勝が13勝2敗の成績で初優勝を果たした。
22歳3カ月での初制覇は、年6場所制となった一九五八年以降に初土俵を踏んだ力士で六番目の年少記録。
初土俵から所要二十六場所での賜杯獲得も、幕下付け出しを除けば年6場所制では曙に並んで4位のスピード記録となった。
貴景勝は9月の秋場所後に所属していた貴乃花部屋が消滅し、千賀ノ浦部屋に移籍して臨んだ九州場所での賜杯獲得となった。

■妙義龍
千代大龍を圧倒して勝ち越した。
2日目に稀勢の里を破って約5年ぶりの金星を獲得した場所を「本当に良かった。勝ったり負けたりだったけど、15日間のトータルだから」と振り返った。
来場所は19場所ぶりの三役復帰が確実。
この間、けがで十両落ちも経験した32歳は「今から強くなるわけじゃないから、この状態を維持できるようにしたい」と静かに意気込みを示した。

■松鳳山
昨年名古屋場所以来となる2桁白星を挙げた栃ノ心との一番は、立ち合いが3度目で成立。
怪力の大関から計3発のかちあげをもらい、ぱっくり切れた上唇からの流血が痛々しかったが、「勝利の勲章」と胸を張った。
最初は手つき不十分。
藤島審判長が手を挙げたのに気付かず、10秒ほど相撲を取って松鳳山が土俵下へ転がった。
行司待ったとなった後の3度目は、物言いが付いたものの、相手の右爪先が蛇の目をはいており、軍配通りに勝ち名乗り。
苦労して手にした白星に「うれしいが、頭がくらくらする」。

■阿武咲
敢闘賞をもぎ取った。
勝てば受賞が決まる一番は2戦負けなしと好相性の豊山。
立ち合いで低く当たって相手を起こすと、持ち味の突き押しで一気に土俵下まで運んだ。
今年初場所で右膝を痛め、十両陥落も味わった。
それだけに11勝での受賞に「素直にうれしい」と笑顔。
「膝の状態も良くなった。けがをしてから、ここまで前に出られることはなかった。自信になる」と話し、来年の飛躍を予感させた。



18/11/25
2018.11 本場所 千秋楽 朝情報! 】
■高安
千秋楽を前に、高安がようやく貴景勝を捕まえた。
敗れれば22歳で幕内最年少の貴景勝に初優勝を許す大一番で大関の意地を示した。
劣勢からの鬼気迫る逆転劇に、「紙一重だった。体がよく反応してくれた」と安堵(あんど)感をにじませた。

■栃ノ心
14日目、今場所1番の内容で、勝ち越しを決めた。
立ち合いですぐ左まわしをとり、関脇御嶽海を一気に押し込んで寄り切った。
「う〜ん、いい立ち合いだったね。高かったけど、勝っても負けてもあれぐらい当たれたらいいよな」と喜んだ。

■貴景勝
勝てば初優勝の大一番に敗れた貴景勝は、ショックを隠せなかった。
支度部屋では沈んだ表情のまま。
高安を土俵際まで攻め込む場面もあっただけに「悲観する内容ではない。そう簡単にうまくいくとは最初から思っていなかった」と、気を取り直すように自分に言い聞かせた。

■錦木
錦木が自己最高位の東3枚目で勝ち越し、5連勝と弾みをつけて千秋楽へ。
高安とトップで並ぶ貴景勝との一番に向け、「すごく乗っている力士。対戦したいというのはあった」と不敵な笑みを浮かべた。
給金を直した相撲は宝富士に得意の左四つを許したものの、巻き替えると迷わずに寄った。
「あそこしかなかった。思い切って出ようと思った」と振り返り「自分でもびっくり」と喜んだ。



18/11/24
2018.11 本場所 14日目 朝情報! 】
■高安
1差で追う高安は自力優勝の可能性を残すためには落とせなかった。
その重圧を振り払うように攻め抜いて、大栄翔を退け「全開でいけた」と納得した。
相手の低い突きに、いなしやはたきで応戦。
機を見て前傾姿勢となって押し込み、最後は土俵下へ吹っ飛ばした。
14日目には貴景勝との直接対決を迎える。
八角理事長が「気迫があった。あすに向けて勢いがつく」とうなれば、阿武松審判部長は「きょうの高安を見て読みづらくなった。良い勝負になる」と期待した。

■貴景勝
13日目、平幕碧山を押し倒して12勝目を挙げ、1敗で単独首位を守った。
14日目の直接対決で貴景勝が高安に勝つと、千秋楽を待たずに初優勝が決まる。
激戦の末に元関脇の32歳、碧山を下し、初の賜杯に大きく近づいた。
それでも支度部屋に戻った貴景勝はいつもと同様、表情を変えることもなく、淡々とこの日の一番を振り返った。
「気持ちでいけた。パワーも経験も全て負けているので、気持ちでいこうと思った」

■魁聖
13日目、8敗目を喫した竜電戦で左ふくらはぎを再び負傷した。
取組後は自力で歩きながらも「前に出たときに左足が滑って、『パキッ』と音がした。めちゃくちゃ痛い」と話した。
14日目の出場については、当日朝の様子を見て判断する。
魁聖は場所前の稽古で左ふくらはぎを負傷。
2日目まで休場し、3日目から途中出場したが、3勝にとどまっている。

■琴奨菊
福岡県柳川市出身の琴奨菊が九州場所で3年ぶりに勝ち越した。
12歳下の阿武咲に土俵際まで押し込まれたが、外四つでがぶってきめ出した。
「状況状況で体も反応して、意識も反応できた」と納得の表情で振り返った。
連日大きな声援を受けての土俵。
「福岡ではいろいろなものを背負っている。ちょっとほっとしたね」と正直な胸の内を明かした。

■隠岐の海
13日目、松鳳山をすくい投げで破って10勝目を挙げ、少しではあるが優勝の可能性を残した。
「微妙ですね。やりにくい」と内容には不満げだったが、11勝を挙げた昨年九州場所以来の2桁勝利に「久しぶりでうれしい」と喜んだ。
7日目から7連勝の快進撃にも「たまたま勝っているだけ」と33歳の実力者は淡々とした様子。
残り2日間へ意気込みを聞かれると「目立たないように、こそこそいきます」と控えめに意欲をのぞかせた。

※里山
23日、里山浩作(尾上部屋)の引退と、年寄「佐ノ山」の襲名を発表した。
鹿児島県出身の里山は日大を経て、2004年春場所で初土俵。
07年夏場所に初入幕し、幕内在位は計6場所だった。



18/11/23
2018.11 本場所 13日目 朝情報! 】
■高安
大関同士の意地のぶつかり合いは、初優勝を狙う高安に軍配が上がった。
豪栄道の休場で、今場所唯一の大関戦。
不戦勝を除けば過去8勝8敗と互角の栃ノ心を「力を出し切って勝ちたかった」と、言葉通りに全力で土俵の外へ投げやった。
星一つの差で追う貴景勝とは直接対決を残しており、残り3日にして自力優勝もちらつき始めた。
だが、直近の2場所は14日目と千秋楽に連敗している。
「集中して、浮つかないようにしたい」と力を込めた。

■貴景勝
12日目、小結貴景勝は玉鷲を突き落とし、11勝1敗で単独首位を守った。
突き、押しで玉鷲の上体を起こし、左から一撃の突き落とし。
初優勝の重圧を感じさせず、1敗を守った。

■嘉風
12日目、阿炎の強烈な突きにも、押しにもひるむことなく、前に前にと出続けた。
最後は力強く押し出し、7勝目。
36歳の気迫あふれる戦いに、館内は大声援に包まれた。

■松鳳山
ご当所場所で2年ぶりに勝ち越した。
5連敗中と苦手にしていた千代大龍との一番は、互いに張り合う激しい相撲。
「(相手が)頭を上げてくれなかったから」と、ボクシングのアッパーのような張りも見舞って、最後は寄り切りで仕留めた。
10月の巡業中に祖父を亡くしたという。
自身を熱く応援してくれていただけに「今場所はどうしても勝ち越したかった。良かった」としみじみと話した。



18/11/22
2018.11 本場所 12日目 朝情報! 】
■豪栄道
12日目、日本相撲協会に休場を届け出た。
11日目に勝ち越しを決めて8勝3敗の成績だった。
12日目の対戦相手、御嶽海は不戦勝。
休場は、途中休場した今年夏場所以来で、通算8度目。

■高安
11日目、物言いの末、関脇逸ノ城をはたき込んで9勝目を挙げ、優勝戦線に踏みとどまった。
結びの一番が揺れて、壊れた。
自身初優勝を狙う高安の一番には物言いがつき、土俵そのものも崩落する異例の事態に館内が2度、沸いた。
高安の右足と逸ノ城の左足の踏み越しに物言いがついたが、ビデオ室の係には大関の師匠、田子ノ浦親方がいた。
「(高安の)足は残っていた。それにしても大きな逸ノ城を引き、はたく意味がよくわからない。でも、白星は大きい」。
反省が頭をよぎるのだろう。
高安は支度部屋では一度も口を開かず、無言で引き揚げた。

■栃ノ心
11日目、今年57勝目を挙げ、初めての年間最多勝を決めた。
53勝で追う高安が並ぶ可能性はある。
秋場所を終え、51勝でトップに並んでいた鶴竜は九州場所初日から休場している。
栃ノ心は初場所で14勝を挙げて初優勝を遂げ、13勝をマークした夏場所後に大関昇進。
新大関だった名古屋場所は右足親指のけがで途中休場していた。

■貴景勝
栃煌山に快勝。
三役で初の2桁勝利を挙げた。
しっかり当たると、差し身がいい相手を中に入れさせず、はたき込んで料理。
「余裕はないが、白星につながって良かった」と冷静に振り返った。
単独トップのまま11日目を終え、初賜杯への期待も高まる中、「意識する前に自分でやることがある。気持ちを切り替えて、あしたの準備をするだけ」。
一戦必勝の気持ちは初日からぶれない。

■碧山
3日目から9連勝。
豊山を突き放し、反撃に遭うと右から強烈な喉輪で応戦した。
最後は押し込んでからのはたき。
「体重が同じくらいなので立ち合いで負けないよう意識した。先に攻めていけた。稽古の成果が出ている」とうなずいた。
昨年の名古屋場所で白鵬と優勝争いをした。
再び大きなチャンスが訪れているが「それはまだ早いでしょ。一日一番」と冷静だった。



18/11/21
2018.11 本場所 11日目 朝情報! 】
■高安
10日目、千代大龍を右四つに組み止め、胸を合わせて寄り切った。
8勝目を挙げて勝ち越し。
貴景勝を1差で追う、2敗を守った。
立ち合い、千代大龍の激しいぶちかましに当たり負けせず「押し込まれないように踏み込もうと思った。落ち着いて前へ出られた」。
貴景勝とは直接対決を残しており、終盤戦へ向かう。
「一日、一日。前向きに、上向きに…」。
3横綱の休場で、大関の責任感を漂わす。

■御嶽海
10日目、平幕正代に押し出されて5勝5敗となり、場所後の大関昇進が事実上消滅した。
昇進の目安とされる直前3場所合計33勝に届かないことが決まった。
残り5日間を全勝しても合計32勝にとどまる。
昇進問題を預かる日本相撲協会審判部の阿武松部長は、高い次元の成績を求めていた。
昇進について明言を避けたが「最初から何勝というものもない。とにかく自分の相撲を取り戻してほしい」と話した。

■貴景勝
北勝富士を難なく押し出し、1敗を堅持した。
「1敗とか2敗とか関係ないんで。自分がどう戦っていくかだけ考えてました」と無心であることを強調したが、この9勝目は価値ある白星となった。
新入幕した2017年初場所から在位12場所目で幕内100勝目に「そうなの。頑張らないといけないと思います」。
疲れもたまる終盤戦「大丈夫です。全然。疲れるの当たり前なんで。あしたの準備をしっかりして備えたい。負けて後悔しない相撲を。それだけ考えたいと思います」と弱音は吐かない。

■大栄翔
持ち味を発揮し、給金を直した。
低い当たりで隆の勝を押し込み、土俵際のはたきにも構わず前進。
「白星が多いので気持ち的に楽に取れている。とりあえず一安心」と喜んだ。
10日目で勝ち越しを決めるのは、今年初場所に並び自己最速だが、その場所は9勝止まりだった。
それだけに終盤戦が重要。
「負けた次の一番はより気合を入れて連敗しなかったのが良かった」とここまでを振り返り、「一日一番、集中したい」と残り5日間を見据えた。

■碧山
10日目、初の8連勝を飾り、勝ち越しを決めた。
西前頭8枚目宝富士にまわしを与えず、小刻みな突き押しを約330発見舞って体を起こし、最後ははたき込んだ。
「押し切りたかった。相撲は良くないけど、押していたから(はたきが)効きましたね」。
7連勝は13年名古屋場所6日目からと、優勝次点だった17年名古屋場所初日からの2度あったが、自己記録を更新して2場所ぶりの勝ち越しを決めて表情は緩む。

■阿武咲
10日目、千代翔馬を出足で圧倒し、10日目で勝ち越しを決めた。
立ち合いで相手の得意の左を差されたが、「下手を殺せた」と右肘を絞り、まわしを遠ざけて前へ。
左を差して自慢の馬力で一気に出ると、相手の苦し紛れの投げに乗じて寄り切った。
得意の押し相撲に加え、四つに組んでも強さを発揮し、「落ち着いて対応できた。集中できている」と充実の表情だ。



18/11/20
2018.11 本場所 10日目 朝情報! 】
■高安
優勝争いに食らいついている。
平幕・嘉風を立ち合いから攻め、余裕を持ってはたき込み。
2敗を守った。
3横綱不在の中、看板力士として踏ん張り、悲願の初優勝を目指していく。
嫌な相手を危なげなく仕留めても、高安は満足していなかった。
支度部屋の風呂から上がっても、表情は険しいまま。
相撲内容については「前に出て勝ちたかった」と答えただけだった。

■御嶽海
竜電に寄り切られて4敗目。
大関獲りが出直しとなることが決定的となった。
数字上は残る6番を全勝すれば昇進の目安とされる直近3場所33勝に届くが、審判部の阿武松部長は「結論は言えないが、かなり厳しい」と見解を示した。

■貴景勝
栃ノ心を寄せつけず、一番乗りで勝ち越しを決めた。
鋭く踏み込み、出足を利かせて前進すると、相手にまわしを取らせず押し倒した。
横綱、大関戦は3戦全勝。
再び連勝街道に乗っても、「ここから負けたら8勝7敗。15日間の戦いというのは10日目から(が勝負)だと思う」と気を引き締めた。
支度部屋を引き揚げ外に出ると、2人の男性ファンが「貴景勝〜、優勝〜!」と絶叫した。
期待が高まっても、本人は極めて冷静で「15日間の勝負。9日目が終わった時点での成績は何一つ参考にならない。あてにならない。あとどう向き合うか」ときっぱり。
未体験ゾーンに突入しても浮足立つことはない。

■碧山
9日目、碧山が存在感を発揮している。
191センチ、197キロの巨体を生かし、明生を立ち合いから圧倒。力強く前進して押し倒し、2連敗後に白星を七つ並べた。
「足も動いていたし、相手も見えていた。落ち着いていた」と納得顔だった。
前日の九州場所8日目は、晩ご飯にもつ鍋を食べるのが恒例になっているという。
英気を養って2場所ぶりの勝ち越しへあと1勝とし「いつもより親方がもつを多く入れてくれたと思う。食べて元気がついた」と目尻を下げた。

■阿武咲
大奄美を押し出し、2敗を守った。
「しっかり立ち合いから足を運ぶことができました。思い通りの相撲が取れました」。
右膝後十字じん帯損傷で初場所を途中休場し翌場所も全休。
名古屋場所から幕内に復帰したが、先場所は4勝11敗と負け越していた。
「先場所は苦しかったのでその分、気持ちも体も充実している。攻めてしっかり前に出ることの大切さを身に染みて感じました」と振り返った。



18/11/19
2018.11 本場所 9日目 朝情報! 】
■高安
鬱憤を晴らすかのような豪快な押し出しだった。
正代を3秒ほどで退けた大関・高安。
前日は竜電に2分近い長い相撲の末に敗れただけに、「攻めないと相撲にならない」。
支度部屋で口調は淡々ながらも、言葉に強い意志がのぞいた。

■栃ノ心
竜電の初挑戦を退け、4日ぶりに白星を挙げた。
先に引いてしまい、右を深く差される苦しい展開。
左腕を引っ張り込んでしのぎ、相手が振りほどいてきたところで、うまく得意の右四つに。
最後は両まわしを引いての寄り切りで仕留めたが、「立ち合いで引いた。高くても前にいかないと」と反省した。
五分の星での折り返しに「落ち着いた」と一息つきつつ、後半戦に向け「まだまだですよ」と静かに闘志を燃やした。

■御嶽海
8日目、幕内最重量227キロの逸ノ城を圧倒し、関脇対決を制した。
呼吸が合わずに3度目で立ったが、低い姿勢で当たって懐に入り、自身より57キロも重い巨漢をもろハズで一気に押し出した。
序盤で3敗も、その後は3連勝で5勝目を挙げ、復調気配を見せている。
立ち合い不成立に反省しながらも「体の調子はいい。いつも通りしっかり取るだけ」。
混戦模様の場所で、名古屋場所の覇者が巻き返しを誓う。

■貴景勝
妙義龍を引き技で仕留めて1敗を堅持し、単独トップに立った。
仕切りの合間に土俵上で締め込みを締め直すハプニングがあった。
2回目の仕切り後に呼び出しから締め直してもらったが、「水にぬらして硬く締めてる」という締め込みに呼び出しも苦戦。
2人がかりで1分以上かけてなんとか締め直した。
長さ調整に失敗したといい、貴景勝は「全部おれが悪いです。ああいうことも15日間あったらある。
勉強になった。
あれで精神がぶれたらそこまでです」と反省しきりだった。



18/11/18
2018.11 本場所 中日 朝情報! 】
■高安
7日目、竜電に寄り切られ、2敗目を喫した高安は支度部屋で厳しい表情を浮かべ、報道陣の質問にも無言を貫いた。
今場所は兄弟子の横綱稀勢の里が5日目から休場し、3横綱不在という異常事態。
大関として優勝争いを引っ張るどころか、後退してしまった。

■貴景勝
7日目、全勝で単独トップに立っていたが、関脇御嶽海にはたき込みで敗れて、今場所初黒星を喫した。
立ち合いから何度も突いて、いなしたが勝負を決められなかった。
それでも粘って突き続け、左に回り込もうとしたタイミングで、御嶽海に反応されてはたき込まれた。
両手を土俵につけて立ち上がる瞬間に、左手でまげを触った。
すると物言いが付いた。
御嶽海がまげをつかんだのではないかと物言いが付いたが、協議の結果、つかんでおらず軍配通りとなった。
今場所初黒星にも「早からずこういう日が来るとは思っていた。勝った時もそうだけど、終わったことなので明日に向かって準備したい」と淡々と話した。
折り返しの8日目に向けては「前半戦は何もなかったことにして、クリーンにしていくだけ。明日も一生懸命やれたらいいかな」と平常心を心がけた。

■竜電
7日目、28歳の竜電が高安を破り、大関戦初勝利。
右股関節の大けがで十両から序ノ口に転落する挫折を味わっており「やってきて良かった」。
苦労人の左目から涙が流れた。
右前まわしを引いて頭をつける。
大関に左で振られても、しがみつくようにして1メートル90の長身を折り曲げた。
愚直に寄り切って2分近い熱戦を制し、「余計なことをしないで前に前に、と思った」と喜びに浸った。

■嘉風
7日目、連日果敢な取り口で会場を沸かせている。
この日の相手は栃ノ心。
大関との対戦は今年1月の初場所6日目に豪栄道をはたき込みで破って以来で、燃えないわけがない。
立ち合いから鋭く当たり、頭をつけてじわじわと攻める。
最後は相手が強引に右小手投げにすくい投げを打ち返し、左手を土俵につかせた。
気迫あふれる勝利に場内は拍手喝采だ。
嘉風も「勝つためには弱い方がおじけづいていられない」と胸を張る。
これで4勝3敗と白星が1つ先行した。
8日目も豪栄道との大関戦。
この日の勢いをさらに加速させる。



18/11/17
2018.11 本場所 7日目 朝情報! 】
■貴景勝
6日目、魁聖を突き落とし、初日から無傷の6連勝。
平幕栃煌山が敗れたため、単独首位に立った。
横綱が不在となった場所で、小結貴景勝がますます乗ってきた。
身長で20センチ高い1メートル95、体重では37キロ重い207キロの魁聖に頭から低く当たって喉輪で押し上げると、素早く左へ回り込んで突き落とした。
「差されたくなかったし、四つにもなりたくなかった。相手の形になると勝てないですから」
57キロも重い227キロの関脇逸ノ城を押し出した前日に続き、またも巨漢力士を問題にせず、無傷の6連勝だ。
それでも22歳の若武者は冷静だった。
栃煌山が敗れたことで単独首位に立ったことにも「相撲は6日で終わるわけではない。納得したら終わり。明日に集中するだけです」と浮かれた様子はなかった。

■錦木
6日目、初の上位戦を闘う28歳の錦木が全勝の栃煌山を破った。
もろ差しを許しながら、力強くきめ出し。
5日目に大関戦初勝利を挙げた豪栄道戦に続いて存在感を発揮し「良かったです。次は(全勝で単独首位の)貴景勝を止めますか」と黒縁眼鏡の奥の目を細めた。
大の芋焼酎好きで知られ、5日目の夜は当然のように祝杯を挙げた。
4連敗からの2連勝に気分も上々で「今日もいいお酒が飲めそう。まあ、勝っても負けてもお酒はいつも同じ味だけどね」と冗舌だった。

■嘉風
6日目、相手は今年3度対戦し、1勝2敗とやや苦手にしている輝。
しかし、この日の嘉風は勝利への執念が違った。
立ち合いで当たった後、体を起こされ、土俵際まで追い込まれた。
だが、ここで踏ん張り、右に回って体勢を入れ替えると頭をつけて逆襲。
最後は相手の右膝の裏を左手で取り、引きつけながら押し倒した。
決まり手は「渡し込み」。
「引かなかったのが良かった」と納得の表情で振り返る。

■松鳳山
6日目、長い相撲の末、琴奨菊とのご当所力士対決を制した。
互いに34歳のベテランの意地がぶつかった。
土俵際に追い込まれたが、左からすくいながら上手をひねって逆転した。
九州場所では0勝4敗だった相手から待望の初白星。
それでも「感慨よりもきつかった」と肩で息をした。



18/11/16
2018.11 本場所 6日目 朝情報! 】
■貴景勝
巨漢の逸ノ城をうまく攻略した。
立ち合いから捕まらないよう相手の右差しをおっつけで封じ、左からうまくいなし体勢を崩して土俵外へ追いやった。
「重いのは分かっている。その中でどう戦うか。差させないように、取らせないように」と納得の一番だった。
この日は稀勢の里が休場し、3大関が相次いで敗れた。
そんな中での5連勝に「考え過ぎず、相撲の内容を意識したい」と冷静だった。

■栃煌山
五日目、高安との全勝対決を制し、3日連続で横綱・大関陣を撃破した。
立ち合いから低く当たって「押し込めた分、相手の腰が伸びた」と攻め、高安に左四つを許さず、強引に出てきた相手を左からすくった。
栃ノ心とは同部屋のため対戦がなく、この日で大関以上との戦いを終えた。
2012年夏場所で12勝し、旭天鵬に敗れたものの優勝決定戦に進んだ実力者は「まだ5日目。一日一番やっていく」と気を引き締めた。

■錦木
豪栄道を破り、初日を出した。
もろ差しを許して一気に出られたが、逆転の小手投げ。
支度部屋では「ノーコメント」と冗談を飛ばすほど上機嫌で「全力を出せた。土俵際で思った以上に残せた」と振り返った。
自己最高位の東3枚目で挑む今場所。
初の横綱戦は稀勢の里の休場でなくなったが、大関戦を1勝2敗で終え、「実力が足りないと思った」。
貴重な経験を中盤戦以降に生かしたいところだ。

■阿武咲
5日目、西前頭11枚目隠岐の海を押し出しで破り、4勝1敗とした。
ベテラン相手に盤石の相撲を見せた。
のど輪で相手の上体を起こし、左ハズも効いた。
「しっかり下から、下からの意識ですね。やっと良い感覚になってきた」。
1度も止まらず、隠岐の海に何もさせなかった。
若手の期待株が1敗をキープして前半戦を終えた。
西前頭6枚目だった先場所では4勝11敗と苦しんだが、今場所は「集中力をしっかり維持できている」と話す。



18/11/15
2018.11 本場所 5日目 昼情報! 】
■稀勢の里

5日目の15日、休場を表明した。

初の一人横綱で臨んだ今場所は1931年春(1月)場所の宮城山以来87年ぶりとなる横綱の初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し、不振に陥っていた。

8場所連続休場明けの9月の秋場所では10勝5敗。

土俵人生の危機をひとまず脱したが、進退問題の再燃が必至の情勢となった。

白鵬、鶴竜は初日から休んでおり、一年納めの今場所は3横綱全員が不在。

7月の名古屋場所以来で昭和以降6度目の事態に陥った。

稀勢の里の休場は名古屋場所以来2場所ぶり10度目。

5日目の対戦相手、玉鷲は不戦勝。



18/11/15
2018.11 本場所 5日目 朝情報! 】
■稀勢の里
行司軍配差し違えの末、平幕栃煌山に敗れ、初日から4連敗を喫した。
気迫の出場に打って出たものの、すくい投げに屈し、勝ち運もスルリ。
横綱の初日から4連敗(不戦敗を除く)は11日制だった1931年春(1月)場所の宮城山以来87年ぶりの屈辱。
金星配給は自身3度目となる3日連続で計16個目となった。
10度目の途中休場を決断する時は迫り、引退危機が再燃する。

■高安
大関陣でただ一人、無傷の4連勝。
この日は初顔の錦木をかち上げ気味の体当たりで押し込んでから、タイミング良くはたきが決まった。
「相手の頭が低かったから引いてしまった。本当なら前に押して勝ちたかった」と納得はしていないが、初日から2横綱が不在の場所は初優勝のチャンスでもある。
しかし、兄弟子の稀勢の里が不振にあえいでいるのもあってか、「まずは勝ち越せるよう頑張る」。控えめに目標を語った。

■御嶽海
四日目、東前頭筆頭の妙義龍に寄り切りで敗れ、二勝二敗となった。
相互に腕を出し合った立ち合いの後、御嶽海は、妙義龍の頭を起こして土俵際まで詰めた。
しかし、こらえられて土俵中央で右四つに。
左腕で巻き返そうとしたところを、前に出られた。
苦しい体勢ですくい投げを打とうとしたものの、妙義龍に体を預けられ、勢いで土俵下まで落ちた。

■貴景勝
初めての初日から4連勝。
正代を一方的に押し出し、「自分の相撲をやった。差させない、(まわしを)取らせないことを意識して」。
会心の内容を充実感たっぷりに振り返った。
稀勢の里、豪栄道を連破した後も、前へ出続けるきっぷのいい取り口が続く。
「負けて腐らない、情けない相撲は取らない。力を出し切れたらいい」との心意気で臨み、勢いに乗っている。

■栃煌山
4日目、横綱稀勢の里をすくい投げで破り、勝ちっ放しの4連勝を飾った。
2関脇、大関に続く上位陣撃破。
金星は昨年夏場所に稀勢の里を破って以来通算5個目となった。



18/11/14
2018.11 本場所 4日目 朝情報! 】
■稀勢の里
4日目に出場することが決まった。
師匠の田子ノ浦親方が福岡県大野城市の田子ノ浦部屋で明言。
初の一人横綱として臨んだ今場所は初日から3連敗と不振が続いている。
稀勢の里は8場所連続休場明けの先場所で10勝を挙げ、進退問題の危機をひとまず乗り切った。
だが完全復活を目指した今場所は取り口に精彩を欠き、横綱としては1992年初場所の旭富士以来となる初日から3連敗を喫した(不戦敗を除く)。

■高安
納得の内容で3連勝とした。
魁聖に思い切って当たり、押し込んでからのはたきで仕留めた。「しっかりと当たれた。踏み込んで前に出ようと思っていた。きょうが一番、立ち合いが良かった」と自賛した。
横綱、大関陣ではただ一人の勝ちっ放しだが、表情を変えずに「あしたも頑張ります」と話した。

■栃ノ心
呼び出しの次郎が栃ノ心のしこ名を前の取組で勝利した同じ春日野部屋の栃煌山と言い間違えるハプニング。
栃ノ心は「あれっと思った。完璧(に間違えていた)」と大笑い。
相撲では相手の頭が低くなったところを、下がりながらはたき込んだ。
次郎も同じ春日野部屋だけに、栃ノ心は「わざと言っているのかなと思った。負けたら次郎さんのせいにしていたけど、勝ったからいいかな」と笑顔だった。

■貴景勝
初顔合わせの竜電を圧倒して3連勝。
立ち合いから勢いよく前に出て、持ち味の力強い突き押しで攻め切り、「積極的に行けたのがよかった。でもあと全部負けたら意味がない」と、淡々と振り返った。
初日から上位陣がぴりっとしない場所で、その充実ぶりが際立つ。

■北勝富士
北勝富士は大きくうなずいた。
うまく距離を取り、足を使いながら右からおっつけて左差しを封じた。
徐々に横綱の腰を浮かせると、左からは喉輪攻め。
最後は右から突き落とし、「あれしかないでしょ。右おっつけというイメージしかなかった」。
支度部屋に戻ると気持ちよさそうに大粒の汗をぬぐった。
初場所で白鵬を破って以来となる通算5個目の金星で飾った。
その初場所は4勝11敗と大きく負け越しただけに「気を引き締めてやりたい。まだ上位戦もある」と口元を結ぶ。

■佐田の海
昨年初場所以来となる幕内での3連勝発進。
豊山の突っ張りを下からあてがい、いなしも残すと、右を入れて攻め返した。辛抱の利いた取り口に「体が動いているから結果につながっていると思う」と言葉に実感を込めた。
今年は十両も含めて5場所連続で勝ち越し、納めの準ご当所に臨んでいる。
「九州だからとかではなく、毎場所勝ち越しは目指している」。
さらりと語る口ぶりに自信がにじんだ。



18/11/13
2018.11 本場所 3日目 朝情報! 】
■稀勢の里
2日目の12日、一人横綱の稀勢の里が妙義龍に寄り倒され、初日に続いて黒星を喫した。
初日からの2連敗は、大関時代の2015年春場所以来。
横綱昇進後、初めて連敗発進となった稀勢の里は支度部屋に戻って風呂場へ入るなり、言葉にならない叫び声をあげた。
妙義龍との対戦が2年ぶりなら、敗れたのは3年半ぶり。
支度部屋でだんまりを決め込む横綱の姿に悔しさがにじんだ。

■高安
ひやりとさせられながらも星を拾った。
かち上げで押し込めず、北勝富士のおっつけで左差しも封じられる苦しい流れ。
1勝3敗と分が悪かった難敵に背中も取られかけたが、向き直って相手が出てきたところではたいて難を逃れた。
上位陣でただ一人の連勝スタートも、内容が悪かったためか、支度部屋では険しい顔。報道陣の問い掛けにも応じなかった。

■貴景勝
2日連続で殊勲の星を挙げた。
初日の横綱・稀勢の里に続き、2日目は大関の豪栄道から白星。
両肘を絞って差し手を封じ、突き放した上でのいなしで勝負を決めた。
前日に続いて相手にまわしを取らせない取り口が光った22歳の成長株は「身長が174センチしかないし、工夫するしかない」。
横綱、大関の連破にも「あと全部負けたら終わり。集中していく」と笑顔も見せず、気持ちを引き締め直していた。

■妙義龍
横綱稀勢の里を寄り倒しで破り、自身33場所ぶり3度目の金星を挙げた。
左四つから右でおっつけ、素早く巻き替えてもろ差しになった。
「パッと右を差し替えられたのが良かった」。
じわりじわりと寄り、最後は横綱を寄り倒した。
左膝半月板損傷で、昨年の九州場所14日目から休場し、次場所は十両に陥落した。
「去年休場した場所で、まだ1年もたっていないけど、戻ってきて結びを取ることができてうれしい」と語る。

■朝乃山
2日目の12日、西前頭5枚目の朝乃山は輝との北陸対決を制し2連勝とした。
過去4戦全敗だった相手を初めて破った24歳の若武者は「あいくちは考えないようにしていた。指が上手に掛かってくれたので、思い切り投げるだけだった」と語った。

■阿武咲
碧山を押し出し、2連勝を飾った。
「よかったですね。1発1発が重い相手なので、そこを気をつけた」というが、立ち合いから一気に巨漢の相手の上体を起こし、突き押しをもらう間もなく勝負を決めた。



18/11/12
2018.11 本場所 2日目 朝情報! 】
■稀勢の里
小結貴景勝にはたき込まれて、いきなり土がついた。
初の一人横綱は、波乱の船出になってしまった。
突き押し合いに応じた稀勢の里が、貴景勝の左からのはたきこみでバランスを崩し、うつぶせで倒れ込んだ。
大歓声から悲鳴そして沈黙へ、一瞬で静まり返った土俵上でうつむくしかなかった。
相手得意の展開でも、どっしりした足腰でこらえて押し込んだ末、逆転を許した一番。
支度部屋に引き揚げ、攻めの手応えを問われると「そうっすね」と悔しさをにじませるようにポツリ。
その後は闘志を持て余すように目を見開き、無言を貫いた。

■豪栄道
北勝富士をさばき、白星発進。
左で張って相手の出足を止め、しつこい突き押しにも引かなかった。
右喉輪もよく伸びて、埼玉栄高の後輩に貫禄を見せた。
「我慢できたのがよかった。今日はいい具合に(相手が)見えていた」と胸を張った。
12勝の先場所は、結果的に初日の黒星が響きV逸。
それだけに「慢心せず、一番一番引き締めて取りたい。いい相撲で勝ちに結びつけたい」と、言い聞かせていた。

■栃ノ心
玉鷲に完敗。
頭からの低く鋭い当たりで起こされると、一気に土俵外へ追いやられた。
支度部屋に戻っても表情は険しいまま。「当たれなかった」と悔しさをにじませた。
初のかど番で、右足親指のけがも抱えながら9勝した先場所と比べれば重圧は少ない。
白鵬、鶴竜が休場しており、優勝の好機と言える場所で初日に痛い黒星を喫した。

■御嶽海
痛恨の黒星発進だ。
立ち合いで当たって左右の喉輪で押し込むまでは良かったが、あと一歩で栃煌山にいなされて前のめりになり、突き落とされた。
内容、星数次第では大関獲りの可能性もある今場所。
「まだ始まったばかり。一日一番、しっかりやっていくだけ」。
昇進の目安になる直近3場所計33勝には11勝が必要。
気持ちの切り替えが大事になる。

■貴景勝
貴乃花部屋の消滅に伴い千賀ノ浦部屋へ移籍した小結貴景勝が、一人横綱の稀勢の里をはたき込み、白星発進した。
支度部屋に戻っても収まらない荒い息、額や鼻ににじむ血が激闘を物語る。
貴景勝は稀勢の里に張られ、突かれても前に出続けた。
最後は左に回り込み、はたき込みで横綱を土俵に転がした。
「何も考えずに夢中でいった。あの状況で勝ち切れたのは良かった」と語る。



18/11/11
2018.11 本場所 初日 朝情報! 】
■稀勢の里
10日は福岡国際センターで土俵祭りが開催された。
一人横綱で本場所を迎える心境を問われた稀勢の里は「やることは変わらない。最後までしっかり務め切りたい」と柔和な表情で話した。

■御嶽海
10日、土俵祭りに参加し「始まってみないと分からないが自分の相撲を取るだけ」と淡々と語った。
横綱白鵬と鶴竜の2人が休場。
3横綱不在の中で初優勝した今年の名古屋場所と状況がかぶる。
「横綱がいなくても自分たちが盛り上げていきたい」と意気込んだ。
星次第では今場所での大関昇進の声も上がる。
「プレッシャーはいつも感じているが、前回よりは気持ちは楽。稽古してきたものを出せれば」と話した。

■貴景勝
10日午前、福岡国際センターで土俵祭りが開かれた。
22歳の小結貴景勝は元貴乃花親方の日本相撲協会退職に伴い、千賀ノ浦部屋へ移籍して初の本場所に臨む。
環境の変化を心配する声もあるが「場所が始まったら、やることは変わらない。新しい部屋で成績を残さないと始まらない。結果を残せば、そういう心配もなくなってくる」と新天地での再出発へ決意をにじませた。



18/11/10
2018.11 本場所 1日前 情報! 】
■稀勢の里
初の一人横綱として、稀勢の里が本番モードに突入した。
福岡県大野城市の田子ノ浦部屋での朝稽古に、今場所の取組で使う予定のなす紺色の締め込み姿で登場。
相撲こそ取らなかったが、約1時間をかけて、四股やすり足などで、じっくりならしていった。
8場所連続休場明けで進退を懸けた秋場所前は“本番仕様”を披露することがなかっただけに、若い衆の稽古を見守る笑顔と相まって余裕たっぷり。
結びの一番を担い続けることになる重圧は、感じさせなかった。

■栃ノ心
年間51勝で最多勝争いのトップに立つ栃ノ心は福岡・東区の春日野部屋で朝稽古。
終了後に食品メーカー「フジッコ」から、同社の商品で独特の粘りが特徴の「カスピ海ヨーグルト」にちなんだ『ねばり勝ち!』の文字が入った化粧まわしが贈呈された。
九州場所の11日目から披露する予定で「最後の5日間は大事だからね。粘りが大事」と感謝していた。

■御嶽海
昇進問題を預かる日本相撲協会審判部の阿武松部長は9日、関脇御嶽海の大関昇進について具体的な条件を示さず「高い次元の白星が求められる」と話した。
名古屋場所で13勝して初優勝。
秋場所で大関とりに挑んだが、9勝6敗で失敗した。
今場所で11勝すれば昇進の目安とされる直近3場所合計33勝に届くが、機運を再燃させるには成績や内容面のアピールが必要となりそうだ。

■魁聖
9日、大相撲九州場所を初日から休場する診断書を公表。
「左腓腹筋内側の肉離れで約2週間の安静加療を要する見込み」との内容だった。
場所前の稽古で左ふくらはぎを負傷した。
魁聖の休場は昨年の春場所以来2度目。
師匠の友綱親方は途中出場させる方針を示している。



18/11/09
2018.11 本場所 2日前 情報! 】
■白鵬
8日夜、福岡市中央区内のホテルで開催された、宮城野部屋九州後援会主催による部屋の激励会に、師匠の宮城野親方はじめ全力士ら部屋関係者ととも出席した。
既に「主役」の場所休場はニュースで午前中から伝えられており、出席した後援者らは「早く治して、また元気な姿をみたい」など励ましの声が飛んでいた。
後援会関係者、師匠らに続いて白鵬があいさつで登壇。
「このたび、九州場所を休むことになりました。夏からずっと膝の痛み、傷、違和感が残っていました。やっと四股を踏めるようになりましたが」と経緯などを説明。
今後に向けて「場所中も体を動かし、冬巡業も初日から出ます」と話した。
また、自分以外の出場する力士の奮闘を期待し、また後援者らへは力士への応援を求めていた。

■鶴竜
全休することが8日、決まった。
右足首に不安を抱えており福岡市内の病院で「右距踵関節損傷で約2週間の安静加療を要する見込み」と診断された。
師匠の井筒親方が明らかにした。

■稀勢の里
横綱白鵬、鶴竜が九州場所を全休することを受けて稀勢の里が初めて一人横綱になることが確定。
横綱ワースト記録の8場所連続休場から復帰し、秋場所で10勝を挙げて引退危機を乗り切った稀勢の里が、ひときわ大きな期待と注目を集めることになった。
稀勢の里はこの日、福岡市内での前夜祭に出席した。
九州場所の会場と同じ福岡国際センター。
約4200人のファンが詰めかけて本番さながらの熱気に包まれた中、横綱でただ一人、登場した稀勢の里は力強い土俵入りを披露した。
この日の朝に白鵬、午後には鶴竜の休場が決定。
初の一人横綱となっても、いつも通り淡々としていた。
「やるべきことを、しっかりやるだけだから」



18/11/08
2018.11 本場所 3日前 情報! 】
■白鵬
出場可否の判断は8日に持ち越された。
福岡県篠栗町の所属部屋での朝稽古に姿を見せたが、四股やテッポウにとどめた。
師匠の宮城野親方は出場の可否について「明日、相談して決める」と話した。
白鵬は先月18日に右膝の骨片と右足首の遊離軟骨を除去する手術を受けて以降は相撲を取れておらず、休場の可能性が高まっている。

■稀勢の里
7日、福岡県大野城市の境川部屋に出稽古し、東前頭筆頭の妙義龍との三番稽古で13勝2敗と上々の仕上がりを見せた。
この日は7年前に急逝した先代師匠の鳴戸親方の命日。
そのことを問われると「はい」と神妙にうなずいた。
思いは心にとどめたものの、師が旅立った九州で完全復活を遂げる。
前日も出稽古で西前頭筆頭の北勝富士を圧倒し「優勝」を宣言。
本場所で当たる相手と連日、稽古を重ね「悪くない。力のある相手とやるようにしている」と力を込めた。
8場所連続休場から再起を期した先場所、10勝を挙げて再起。
故障に苦しんだ左腕にも力は戻っている。
「左?いいんじゃないですか」と自信があふれた。

■栃ノ心
7日、福岡県新宮町の出羽海部屋に出稽古し、関脇御嶽海との9番で7勝するなど計13番を取って11勝2敗。
「(九州場所へ)気持ち良くいきます」と手応え十分だった。
先場所前は「相撲にならなかった」と状態は良くなかったが、なんとか9勝を挙げてかど番を脱出。
窮地を乗り越え「あとは上に行くしかない」と気を引き締めた。



18/11/07
2018.11 本場所 4日前 情報! 】
■白鵬
10月中旬に右膝の骨片除去手術を受けた大相撲の横綱白鵬について、師匠の宮城野親方は6日、九州場所への出場が厳しい状況にあるとの見方を示した。
稽古のペースが上がらず「四股だけ。運動はしているけれど」と話した。
福岡県篠栗町の宮城野部屋で取材に応じた。
白鵬は右膝の他に、右足首の遊離軟骨を取り除くクリーニング手術も受けた。
膝は冷えると痛みが出るそうで、同親方は「暖かければ大丈夫。寝るときも(膝に)カバーをつけている」と明かした。
最終的な決断は近日中に下すという。
6日の朝稽古で白鵬は報道陣の前に姿を見せなかった。

■鶴竜
3回目の優勝を狙う横綱・鶴竜が6日、同じ一門の時津風部屋に出稽古に赴き、右足に不安を抱えながら精力的に動いた。
前頭筆頭の妙義龍と同3枚目の錦木も出稽古に来ており、本場所で対戦する可能性が高い2人と、同じ相手と続ける三番相撲を取った。
錦木には11勝1敗で妙義龍には6勝1敗。
鶴竜は「思ったように稽古ができている」と軽やかな口調で話した。
一方、昨年7月の名古屋場所で痛めた右足首が秋巡業中から思わしくなく、かばっているうちに膝にも痛みが出た。
「あした、あさって、しっかり稽古できたらいい」と慎重だった。

■稀勢の里
6日、福岡市中央区の九重部屋への出稽古で、同じく出稽古に来た北勝富士と12番取り、9勝3敗だった。
幕内・千代の国、千代翔馬ら九重部屋の関取衆もいたが「いろんな人とやろうと思ったが、気合が入っちゃって」と北勝富士と取り続けた。
相手の低い当たりを受けても下がる場面は少なく、左から上体を起こして前に出るなど力強さが目についた。
「勢いのある力士なので刺激を受ける。ガツガツ頭から来て、今日は気持ちがよかった」と充実感を漂わせた。
目標は、これまでの「優勝争いをしたい」から「もちろん優勝」という明確なものに変わった。
「1日1日、15日間しっかり集中して、初日からやり通す。その結果だと思う」と話した。

■豪栄道・高安
6日、豪栄道、高安の両大関が、福岡県志免町の時津風部屋へ出稽古。
約20分間の熱のこもった三番稽古(同じ相手と続けて取る稽古)で汗を流した。
立ち合いのあたりを身上とするだけに、互いの体がぶつかり合う衝撃音が稽古に響いた。
その後も先手争いで激しい突き、押しの攻防を繰り広げ、腹の底から振り絞るような、うなり声が両者の口から漏れた。
結果は豪栄道の8勝4敗。
激しい動きの連続で豪栄道は「立ち合いで思い切り当たってくれるので、いい稽古になる。
昨日は千代大龍のかちあげだったし、今日も。
2日続けて右肘が腫れるぐらい」と言いながらも、心地よい汗とともに穏やかな笑みも。
一方、高安も「しっかり当たれているので内容はいいと思う。攻防がある中で若干、まだ懐に入られることがある」と課題も指摘しつつ「いつも(場所前に)やる豪栄道関との稽古と比べても今日は良かった」と充実の表情を浮かべていた。

■栃ノ心
6日、コカ・コーラボトラーズジャパン(東京)から「ジョージア」の缶コーヒー420本が差し入れられた。
缶コーヒーの「ジョージア」は米ジョージア州から名付けられたが、栃ノ心が2015年に会員制交流サイト(SNS)で愛飲しているとコメントした縁から、今年1月の初場所で初優勝した祝い品として贈られている。
同社の本坊俊一郎・西日本営業本部長から手渡された栃ノ心はさっそく1本を一気飲み。
「おいしいね」とご満悦だった。
年間最多勝争いでは鶴竜と並んで51勝でトップ。
名古屋場所で負傷し、秋場所でも痛みが残っていた右足親指は順調に回復しており「2018年を良い思いで締めたいね」と「ジョージア」パワーで5場所ぶりの賜杯を狙う。



18/11/06
2018.11 本場所 5日前 情報! 】
■鶴竜
5日、福岡県志免町の時津風部屋宿舎に出向いた。
豪栄道と高安も出稽古に来ていたが、手合わせはせずに朝乃山と豊山を申し合いの相手に指名。
左前みつを取って出る形を繰り返した。
不安を抱える右足を時折気にするそぶりを見せたが、「痛みが軽くなってきているのは確か。もう休むのはつらいから出たい。ベストを尽くす」。
6日後に初日を迎える九州場所出場へ意欲を示した。

■稀勢の里
5日、福岡県大野城市の田子ノ浦部屋で、相撲は取らずにスクワットなどの運動で終えた。
佐渡ケ嶽部屋で行われた2日の二所ノ関一門連合稽古では関脇・逸ノ城、3日は出稽古に来た幕内・竜電、4日は阿武松部屋への出稽古で幕内・阿武咲と3日続けて計39番取ったこともあり、体を休めることを優先させたもよう。
大関・豪栄道が横綱との稽古を希望していたが、この日は断ったという。
師匠の田子ノ浦親方は「(相撲を取る稽古を)やればいいというものじゃない。(稀勢の里は)体は動いていると言っている」と説明した。

■栃ノ心
5日、福岡市内の所属部屋で三役経験者5人と相撲を取り計13勝5敗と存在感を見せた。
「(顔が)明るいでしょ。めんたいこで4キロ太ったよ」と笑顔だった。
この日、関脇・御嶽海が所属する出羽海部屋との合同稽古に、一門の垣根を越えて小結・魁聖、幕内・宝富士も参戦。
幕内・栃煌山と碧山の春日野勢も加わった申し合いで栃ノ心は開始早々、この5人をなぎ倒し8連勝。
しばらく土俵を譲らなかった。
御嶽海にも計5勝2敗と力を見せつけた。
名古屋場所で痛めた右足親指も「全然気にならない」。
鶴竜と並ぶ51勝で首位に立つ年間最多勝にも「気にしないけど、取れたらいいね」と目を輝かせた。

■御嶽海
4日、福岡市東区の春日野部屋宿舎であり、関脇・御嶽海(出羽海部屋)が精力的に稽古に取り組んだ。
春日野部屋の大関・栃ノ心らと11番に及ぶ申し合いを行い、「とにかく番数をこなしたい」と表情は明るかった。
大関昇進の話題を再浮上させるには、目安とされる「三役で直近3場所33勝」をクリアした上で内容も求められる。
御嶽海は「(大関取りを)意識せずにまずは2桁」と平常心を強調した。

■貴景勝
5日、福岡県篠栗町の同部屋稽古(けいこ)場で熱気ある稽古を重ねた。
平幕の隆の勝や幕下の貴公俊らと申し合い。
積極的に土俵に上がり、16番を取った。
本来の鋭い出足ではなかったが、押しにこだわる自分の形を丁寧に確認していた。
貴乃花部屋の消滅で移籍し、これまでと違う環境で迎える今場所だが「ここまではハイペース」と調整は順調な様子。
9月の秋場所で初めて小結で勝ち越した22歳は、逆境をものともせずに前進する。

■遠藤
5日、福岡・西区の追手風部屋で幕内大栄翔ら6人の関取と10番取って8勝2敗。
引かれても前へ落ちない下半身の粘りが目立った。
9月の秋場所は故障した膝などに不安を抱え、関取になって皆勤した場所では自己ワーストの3勝に終わった。
「(下半身は)もう問題ない。平成最後の九州場所。ここいらで頑張らないといけない」と再浮上に気合を入れる。



18/10/09
輪島大士氏が死去! 】

大相撲史上ただ一人の学生出身横綱で幕内優勝14回を遂げた第54代横綱・輪島大士(ひろし)の輪島博(わじま・ひろし)さんが70歳で死去した。

13年12月には咽頭がんの手術を受け、発声が困難な状況に。

15年11月20日、北の湖前理事長が多臓器不全で62歳で死去した翌日には、発声不可能のため、文書でコメントを寄せ「俺はもう少し頑張る。(理事長には)よく頑張ったね、お疲れさまと言いたい」と弔いの言葉を贈っていた。



18/10/02
貴乃花部屋消滅! 】

史上6位となる22回の優勝を誇り「平成の大横綱」と呼ばれた貴乃花親方が角界を去った。

9月25日に退職を届け出ていたが、1日付で受理された。

また、この日の臨時理事会で貴乃花部屋の力士が千賀ノ浦部屋へ移籍することも承認。

部屋も消滅し、「貴乃花」という名が角界から消えることとなった。

会見に臨んだ八角理事長の言葉には、やりようのない寂しさが詰まっていた。



18/09/26
貴乃花親方「引退届」!? 】

25日、東京都内で記者会見し、日本相撲協会に引退届を提出したことを明らかにした。

3月に内閣府へ提出した告発状の内容が事実無根であると認めるように、協会から圧力を受けたことが主な理由。

新団体の設立を否定するなど、今後も協会と争う姿勢は見せなかった。

協会は圧力を否定し、引退届は受理できないとの認識を示した。

また、貴乃花親方は、部屋に3人いる関取(十両以上)を含む力士8人と床山、世話人各1人の移籍先として、千賀ノ浦部屋を希望した。



18/09/24
2018.09 本場所 千秋楽翌日 朝 情報! 】
■白鵬
14日目に41度目の優勝を決めた白鵬は千秋楽、鶴竜を送り出して15戦全勝で終え、自身の持つ最多記録を更新する14度目の全勝優勝を果たした。
横綱800勝、幕内1000勝と次々と自身が持つ記録を更新していった場所を、これまた自身の最多記録を更新する14回目の全勝優勝で締めくくった。
「久しぶりに相撲の神様が私にほほ笑んでくれたと思いました。今年はけがに泣き、4月におやじが天国に旅立ちまして寂しい思いをしましたけど、これで無事いい報告ができると思います」と土俵下での恒例の優勝インタビューでは、四方に手を振って大歓声に応えてみせた。

■稀勢の里
10勝で秋場所を終えた。
千秋楽は、豪栄道に左差しに行ったところをおっつけられ、俵に詰まると突き落としに土俵で一回転。
支度部屋では硬い表情で無言を貫いた。
8場所連続休場明けの今場所。
田子ノ浦部屋の兄弟子、西岩親方は「これだけ長く休み、2桁勝てたのは良かったのでは」と話す。
ともに先代師匠の元横綱・隆の里から厳しい指導を受けた間柄だけに「優勝して本当の復活。今場所は最初の一歩」。
横綱としての復活は、まだまだとみる。

■御嶽海
千秋楽、阿炎をはたき込みで下し、大関とりのかかった秋場所を9勝6敗で終えた。
立ち合いから激しい相撲になったが、阿炎の諸手突きをうまくいなし、最後は先輩力士の意地と粘りで大きな1勝を手にした。
11勝すれば大関昇進の目安「三役以上で3場所合計33勝以上」に届くところだったが、横綱・大関陣勢ぞろいの場所で苦戦し、9勝に留まった。
それでも初優勝した先場所の13勝と合わせて、これで2場所合計して22勝。
今場所同様、来場所でも11勝が昇進の目安になった。

■貴ノ岩
千秋楽、隠岐の海を上手出し投げで破り、10勝5敗の二桁勝利で千秋楽を締めくくった。
「二桁勝てて良かったです。言い訳にできませんが、終盤は体調を崩して力が出なかった。いい流れの時になぜこうなるんだろうと反省しました」と時折、咳き込みながら振り返った。

■嘉風
千秋楽、前頭九枚目・北勝富士を寄り切りで下し、2015年秋場所以来となる11勝目を挙げた。
先場所は初日から13連敗と絶不調だったが、今場所は番付下位で実力の差で圧倒。
9番も多く勝ち健在ぶりを見せつけた。

※懸賞
日本相撲協会は23日、大相撲秋場所の懸賞が史上最多の2160本になったと発表した。
これまでの最高は、昨年夏場所の2153本。

※三賞
23日、両国国技館内で三賞選考委員会が開かれ、史上初めて三賞とも該当者なしという異例の決定がなされた。
殊勲賞、敢闘賞、技能賞の三賞は、横綱・大関以外で、成績が優秀だった幕内力士に贈られる。
日本相撲協会の審判委員と記者らの投票で決定するが、今場所は上位陣が安定して勝ったことから目立つ力士がおらず、過半数を得た候補はいなかった。
三賞が1947年11月場所から実施されて以降、史上初の珍事となった。
出席した藤島審判部副部長は「いつも厳しめに(選考を)やっている。何が何でも(誰かを)選ぶということはしません」と毅然(きぜん)とした表情で話した。



18/09/23
2018.09 本場所 千秋楽 朝 情報! 】
■白鵬
14日目、大関豪栄道を上手投げで下してただ一人14戦全勝とし、前人未到の幕内千勝を達成した。
5場所ぶり41度目の優勝も成し遂げ、大記録に花を添えた。
休場明けの今場所は勝負強さが光り、後続に3差をつけて千秋楽を待たずに賜杯獲得を決めた。

■稀勢の里
14日目8場所連続休場から復帰した稀勢の里は鶴竜を寄り切り。
昨年3月の春場所で横綱へ昇進して以来、初めて横綱対決を制して10勝目を挙げた。
進退をかける場所で白星を2桁へ乗せ、横綱として説得力を持つ数字を示したとみられる。

■栃ノ心
14日目で、大関かど番を脱出した。
左を深く差して阿炎をつかまえ、投げで裏返しに。
大きな8勝目を手にし、「今までの勝ち越しで一番うれしい」と素直な思いを口にした。
新大関だった先場所に痛めた右足親指は万全ではなく、「場所前の稽古で勝てなくて自信をなくしていた。プレッシャーは毎日あった」と明かした。
いつもの笑顔も取り戻し、「場所が終わったら巡業もあるので良い稽古をして自分の相撲に自信をつけたい」と精進を誓った。

■貴景勝
14日目、ベテラン妙義龍を下し、小結で初めて勝ち越し。
来場所で新関脇の可能性も出てきた。
張り手にも動じず、右に動いて引き落とし「大事な相撲だった。弱い自分が出てきそうになったが勝てて良かった」とほっとした様子だった。
新小結で挑んだことしの初場所は5勝10敗。
師匠の貴乃花親方は「技術的にはまだまだ」と評するが、今回の勝ち越しで成長を示したといえる。
千秋楽の朝乃山戦に向け「とにかく後悔なく場所を終わらせたい」と意気込んだ。


アニメ「火ノ丸相撲」スタートに向け、キャストたちのコメントがありました!
https://news.walkerplus.com/article/163204/こちらに載ってます。



18/09/22
2018.09 本場所 14日目 朝 情報! 】
■白鵬
13日目、横綱同士の対戦は稀勢の里を寄り切って13戦全勝とした。
14日目に白鵬が大関豪栄道に勝てば、5場所ぶり41度目の優勝が決まる。
盤石の強さだった。
稀勢の里が最高位に昇進して以来、初めて実現した「横綱対決」に白鵬が完勝。
史上最多41度目の優勝とともに、前人未到の幕内1000勝に王手をかけ、支度部屋で柔らかな笑みを浮かべた。

■豪栄道
見事な速攻で鶴竜を破って2敗を守り、優勝の可能性を残した。
立ち合いで張って左を差すと一気に走って勝負を決め、「狙った通り。自分の相撲を取れている」と満足げだった。
14日目は白鵬戦。
敗れれば白鵬の優勝が決まる一番に向け、「お客さんを沸かせられる相撲を取りたい。思い切ってやるだけ」と決意を示した。

■高安
13日目、2敗を守り、全勝の白鵬とは2差のまま。
優勝争いに踏みとどまった形にも「(優勝は)ないでしょ。次の場所に向けて大事になるんで、明日も一生懸命頑張ります」と表情を変えずに淡々と話した。
阿炎の突っ張りに後退したが、冷静にいなして攻勢となり、一気に突き出した。
大関の貫禄を示し「集中できた。しっかりいい相撲が取れた」と、内容には満足そうだった。

■栃ノ心
13日目、勝ち越しまであと1勝としながら2連敗。
しかもこの日は平幕の正代に敗れ、かど番脱出はお預けとなった。
報道陣に「もう駄目ですね」と繰り返し、残る2番への意気込みを問われると「やれるかどうか分からない」と、珍しく弱音をこぼした。
右四つでまわしをしっかり取れないまま前に出たところを、正代の右すくい投げで土俵にたたきつけられた。
支度部屋では「くそー」と怒鳴り声を上げたり、タオルを近くに投げつけたりと感情をあらわにした。



18/09/21
2018.09 本場所 13日目 朝 情報! 】
■白鵬
12日目、栃ノ心を秒殺した白鵬が全勝を守り、12戦全勝。
13日目の稀勢の里との“横綱初対戦”に「楽しみですね。明日は特別だね」と目を輝かせた。
ライバルを撃破した上での優勝は価値が高まるかを問われ、「そうなる」と腕をぶした。
尻上がりに調子を上げて41度目の優勝へ独走態勢に入った第一人者と、復活を期す和製横綱。
互いの意地がぶつかり合う大一番へ「頑張ります」と短い言葉に気合をにじませた。

■稀勢の里
12日目、上手を取られて、頭もつけられた。
まわしに手が届かない稀勢の里は、辛抱しかない。
御嶽海が連発する出し投げを、左足を軸にして土俵中央で2回転。
我慢の時間を抜けて、おっとり刀で反撃に出た。
左からすくい投げ。
体が離れて得意の左差し。
最後は右上手を引きつけ、寄り切った。
年6場所制が定着した昭和33年以降、横綱としてだれも経験したことのない8場所連続休場明け。
役力士との対戦が続く終盤では心身の疲労も蓄積するが、「あと3日ですからね」と短い言葉で自身を奮い立たせた。

■高安
12日目、鶴竜を上手投げで破って優勝争いに踏みとどまった。
横綱が左四つの体勢から右を巻き替えにきた。
そこを「あそこで黙っていたら中に入られるから」と振り回すようにして投げ飛ばし、「しっかり胸を合わせられたのが勝因」と胸を張った。
13日目は平幕阿炎と対戦する。
白鵬を2差で追う展開に「自分のスタイルで、悔いのないようにやり切りたい」と誓った。

■栃ノ心
12日目、横綱白鵬にすくい投げで敗れ、7勝5敗。
かど番脱出を決められなかった。
立ち合いから左でまわしを引いたが、前に出た瞬間を狙われ、土俵に落ちた。
「左でいいとこ、とれたんだけどな」と残念そうだ。
それでも、残り3日で1勝すれば勝ち越しが決まる。
13日目は正代戦。
因縁の相手だ。
合口は5勝4敗1不戦敗とほぼ五分で、昨年初場所は5日目に負け、右膝を痛めて途中休場した。
今年も春場所で負け、右肩を負傷。夏場所も負け、右手首を痛めた。
「大事な3日間です」。
死力を尽くし、白星を取りに行く。

■御嶽海
12日目、横綱稀勢の里に寄り切られて、6勝6敗となり場所後の大関昇進が完全に消滅した。
2桁勝利に届かないことが決まり、昇進問題を預かる日本相撲協会審判部の阿武松部長は「(昇進は)もうないです」と明言した。
先場所に13勝を挙げて初優勝した御嶽海は、8日目から5連敗と白星を伸ばせなかった。
阿武松部長は来場所の大関とり継続について「最後まで見てだが、また一からやり直し。積み重ねていってもらいたい」と振り出しになるとの私見を述べた。



18/09/20
2018.09 本場所 12日目 朝 情報! 】
■白鵬
11日目、1敗の高安を退け、今場所初の単独首位。
立ち合いで相手と呼吸を合わせない作戦は、第一人者の姿とは程遠かった。
最初は高安が突っかけ、2度目は白鵬が「待った」。
3度目、白鵬は自分の間合いだけで素早く立ち、まだ中腰状態の高安を右で張り、体当たりで押し倒した。
後味の悪さが残ったが「勝ちは勝ちですから」と気にせず。

■稀勢の里
11日目、前日に勝ち越しを決めた稀勢の里は、ふがいない相撲で黒星。
幕内最重量227キロの逸ノ城に対し、立ち合いは迷ったかのように中途半端な踏み込み。
まわしにこだわらず、突いて出てきた相手にいいように押されて土俵を割った。
負け残りの土俵下では何度も顔をしかめ、悔しさをにじませた横綱は、支度部屋では無言。
終盤戦の土俵に上がるのは新横綱優勝を果たした昨年春場所以来だが、久々の横綱戦も控える今後に不安を残した。

■栃ノ心
11日目、いきなり懐に入られて絶体絶命。
だが、そこからなんと、クレーンのように鶴竜をつり上げた。
八角理事長も「横綱が二本差して、つられるなんて見たことがない」と驚いた大技。
今場所は鳴りを潜めていた怪力で、カド番脱出まで残り1勝とした。

■御嶽海
11日目、平幕魁聖に寄り倒されて6勝5敗となり、場所後の大関昇進が絶望となった。
昇進問題を預かる日本相撲協会審判部の阿武松部長は「まだ(審判部で)話し合ってはいないが、もう難しいでしょう」と昇進に否定的な見解を示した。



18/09/19
2018.09 本場所 11日目 朝 情報! 】
■稀勢の里
10日目、優勝した昨年3月の春場所以来、9場所ぶりの勝ち越しを決めた。
西前頭3枚目の遠藤と3度立ち合いが合わなかったが、今場所最短2秒3で寄り切り快勝。
元横綱日馬富士と並ぶ、歴代6位タイの幕内通算712勝目を挙げた。
年6場所制となった1958年(昭33)以降の横綱では、歴代最長の8場所連続休場から進退を懸けて出場した場所で、引退危機回避へ最低ラインは死守した。
師匠の田子ノ浦親方は「まだまだこれから。勝ち越しが目標じゃないので」と、口数の少ない本人の思いを代弁した。
引退危機の完全消滅へ、さらに勝ち続けるつもりだ。

■高安
10日目、1敗同士の注目の大関対決は高安が豪栄道を退けて、初優勝に望みをつなげた。
けんか四つの対戦で差し勝ち、左下手を引く。
相手の左腕を抱え、タイミング良く右でかいなひねりを決めた。
横綱、大関陣でただ一人、優勝経験のない高安にとって11日目の白鵬戦は大一番。
多くの質問に無言だったが「もう一回、気を引き締めます」とだけ述べ、集中力を高めていた。

■御嶽海
10日目、鶴竜に寄り切られて4敗目となり、場所後の大関昇進が厳しくなった。
昇進問題を預かる審判部の阿武松部長も「(昇進は)厳しい状況でしょう」と明言した。
3連敗の御嶽海は「横綱が強かった。まだ5日間あるからね。しっかり気持ちを切り替えて」と前を向いたが、前日の白鵬戦から2日連続での横綱戦の黒星に険しい表情を浮かべていた。

■旭大星
両膝の負傷で4日目から途中休場し、9日目から再出場していた西前頭11枚目の旭大星が10日目の18日、琴勇輝戦で敗れた際に右膝を悪化させ、再び休場を示唆した。
土俵を割る際に右膝から崩れ、取組後は右足を引きずりながら歩いた。
旭大星は「(痛めたのは)土俵際でいなされた時。完璧に治すまで休んだ方がいい」と話した。

■貴ノ岩
10日目、栃煌山に快勝して1年ぶりに幕内での勝ち越しを決めた。
投げを打ってきた相手の左脚に右脚をかけて転がし、「うれしい。三役に上がれるように頑張りたい」。
師匠の貴乃花親方は「土俵に上がれることに感謝しているでしょう」と弟子を思いやった。



18/09/18
2018.09 本場所 10日目 朝 情報! 】
■鶴竜
9日目、遠藤を押し出し、白鵬とともに全勝をキープした。
8日目まで1勝と元気がない相手だったが「昨日まで調子が悪くても、今日は分からない」と油断せず、盤石の取り口で退けた。
この日の朝稽古後では遠藤について「自分の形を持っているので、そうならないように」と警戒していた。
突き、押し、はたきを繰り出し、土俵際で粘られても慌てずに勝負を決めた。

■白鵬
9日目、御嶽海との約1分20秒に及ぶ熱戦を制し、全勝を守った。
第一人者の執念、うまさが光った。
土俵中央で左前まわしを許し、棒立ちになった場面だ。
御嶽海に頭をつけられながら、「足の位置を見ていた」と顔を動かして相手の左足を確認する。
その左足に右足を飛ばし、左上手を切ってからの右下手出し投げで形勢逆転。
一気に寄り切って力を見せつけ「勝つことだけを考えていた。最後はタイミング良く(土俵外に)出した」と笑顔だった。

■稀勢の里
9日目、ようやく本来の力強さをのぞかせた。
立ち合い、頭で当たり左でおっつけて出ていった。
先に右上手も取り左も差し勝った。
栃ノ心が何とか粘って左から振って崩そうとしたが、左四つだから食わなかった。

■御嶽海
9日目、白鵬との1分19秒の激戦の末に敗れ、3敗目。
大関昇進へのムードがしぼみ始めた。
横綱の寄りを残して左に回り込み、左前まわしを引いて頭をつけるが、ここで攻めが止まった。
右下手出し投げに泳いで寄りに力尽きた。
引き揚げる花道で「あー、くそ」と叫び、支度部屋ではいらだったまま。
報道陣に背中を向け、無言だった。

■逸ノ城
九日目、前頭筆頭・勢を豪快な上手投げで下し、今場所3勝目を挙げた。
173キロの大型力士を、227キロの超大型力士が左手一本で投げ捨てる様に、館内のファンがざわついた。

■竜電
9日目、平幕でただ一人1敗を守り、早くも勝ち越しを決めた。
2日目から8連勝と元気いっぱいだ。
左おっつけで松鳳山に右を差させない。
突き、押しにも対応し、俊敏な動きで右小手投げ。
「松鳳山関は動きが速い。何とか勝てて良かった」と胸をなで下ろした。
「しっかり基礎をやってきた。一番一番、攻める気持ちを持ってやっていきたい」と謙虚に話した。


宇良
右膝の大けがから6場所ぶりに復帰し東三段目91枚目。
5番相撲で夏野登岩(湊)を寄り切って勝ち越した。
「ずっと番付を落としてきたので、少しでも上がるのがうれしい」と素直に喜んだ。
休場中に上半身の筋力を強化してきたが、下半身のトレーニングは「リハビリ程度」にしかできず、理想の動きにはまだほど遠い。
そんな中でひとまず結果を出し、「あと2番、気を引き締めていきたい」と上積みを誓った。



18/09/17
2018.09 本場所 9日目 朝 情報! 】
■白鵬
豊山を一蹴し、自身が更新し続ける横綱としての勝利数で通算800勝。
「新記録か大台かは分からないけれど、中日でできるとは思わなかった。うれしい」と感慨を込めた。
600勝以上している大鵬、北の湖らと比べても勝率8割7分9厘は堂々のトップだ。
幕内1000勝にもあと6勝。
「一番一番。いきたいね」。
史上最多13度の全勝優勝や40度の幕内制覇を果たして33歳になっても、歩みを止めない。

■稀勢の里
中日、完敗の稀勢の里は立ち合いがまずかった。
一発のある玉鷲の当たりを止めてつかまえてしまえばという気持ちが強すぎたのか、右で引っ張り込むように手が出て自分で呼び込むような立ち合いになってしまった。
圧力負けしないように押し込んでいくべきで、玉鷲の強烈な突き押しになすすべなしの完敗だった。

■高安
中日、正代を攻め切れず、初黒星を喫した。
強烈なかち上げからの突き、押しで土俵際まで追い込んだが、もう一押しが足りない。
相手に左差しを許すと形勢逆転。焦って出たところを引き落とされた。

■御嶽海
大関とりの関脇御嶽海が手痛い2敗目。
過去6戦全勝だった勢に、一方的に押し出された。
「何でだろう。めっちゃ弱かった」とつぶやき、「集中はしていた。(疲れは)感じていない」と肩を落とした。
3横綱1大関戦を残し、昇進の目安となる11勝まで残り7日で5勝がノルマとなる。
9日目の相手は横綱白鵬。意気込みを聞かれても無言のままだった。


安美錦
中日、十両の安美錦が琴勇輝に対し、幕内の土俵では初の「とっくり投げ」を記録した。 相手のまげをつかんだかの物言いで判定は覆らず「勝てて良かった。ほっとした」と目を細めた。



18/09/16
2018.09 本場所 中日 朝 情報! 】
■白鵬
横綱800勝へ土つかずで王手をかけた。
遠藤を自身3度目、2016年名古屋場所13日目の豪栄道戦以来となる腰砕けで難なく撃破。
支度部屋で人さし指を立てて「あと1勝。ここまで長いような早いような感じ」と悦に入った。

■稀勢の里
横綱相撲には、ほど遠かったかもしれない。
それでも、稀勢の里が踏ん張った。
何度も千代の国に突き起こされては、いなされて揺さぶられた。
上手投げは右足1本で我慢した。
最後は、左下手で引いたまわしを離して体ごと寄り切り、遅れて出た相手の投げで土俵上にあおむけ。
6勝目をもぎ取り、何とか1敗を死守した。
「まあ、しっかりやることをやった」

■御嶽海
7日目、6日目に連勝が5で止まった御嶽海は、貴景勝の強烈な左右の張り手を食らったが「ひるんだら駄目。やり返しては駄目」と冷静だった。
前に出ていったところで、いなしから体を入れ替えられても、土俵際でのけ反りながら残す。
さらに相手の突進を右に動いてかわすと、突き落としで逆転。大関昇進を狙う場所で連敗はせず「稽古の成果が出た。下半身には自信がある」と胸を張った。

■北勝富士
平幕唯一の7連勝を飾った。
本来は押し相撲の力士。
しかし、この日は四つ相撲が得意な佐田の海のお株を奪った。
相手の上手を切って右を差し、体を密着させての寄り切り。
うまさが光る内容に「センスです」とニンマリ。
反応の良さにも「日頃の行いがいいから」とおどけた。
名古屋場所で焼き肉で牛肉を食べた翌日に敗れたため、今場所は我慢。
場所後の焼き肉もモチベーションにする。


7日目、テニス全米オープンのシングルスで日本人初優勝を果たした大坂なおみが観戦。
午後4時20分頃にメガネ姿で現れて興味深そうに会場を見回し、土俵を撮影すると早速インスタグラムに投稿。
午後5時5分に審判交代で取組が中断された時には、付近の観客がほぼ総立ちでカメラを向け「なおみ〜」と叫ぶ男性もいた。



18/09/15
2018.09 本場所 7日目 朝 情報! 】
■白鵬
白鵬が行司差し違えの際どい勝負をものにした。
正代を追い詰めながら捨て身の投げを食って土俵下へ転落。
軍配は正代に上がったが、「知らなかった。悪くてもう一丁かなと思った」。
負けた感じはなかったようだ。
しぶとく残った要因を「身に染みている相撲勘だと思う」と自己分析。
稀勢の里に土がついたが、決意を新たに「引っ張っていきたい」と話した。

■稀勢の里
6日目、初黒星を喫した。
初日からの連勝は5で止まり、土俵上に舞う座布団を見ながら口を一文字に結んだ。
支度部屋では「また、あしたはあしたで。やっていく」。一言だけ口にした。

■御嶽海
6日目、大関豪栄道に寄り切られて連勝が5で止まった。
支度部屋でグッと目を閉じて悔しさをかみしめた。
「大関相手なので集中できていたが、立ち合いも動きも駄目」。
相手に立ち合いで張られ前に出られると、両上手をがっちり取られて土俵の外へ運ばれた。
大関昇進の目安とされる11勝まで、あと6勝。
「また明日から」と気持ちを切り替えていた。

■千代大龍
6日目、連続休場から復帰し進退を懸ける横綱稀勢の里を押し出してやぶり、3個目の金星を挙げた。

■北勝富士
6日目、26歳の北勝富士が平幕でただ一人、全勝を守った。
栃煌山をしっかり押し込んでから、はたき込んだ。
「絶対に差させないようにと思った。がむしゃらですよ」と笑顔だ。
学生時代からしのぎを削った同学年の御嶽海が、大関昇進に挑戦していることが刺激になっているという。
東前頭9枚目の北勝富士は今場所、対戦圏外だが「御嶽海に当ててもらえるように、連勝を続けていきたい」と張り切っていた。



18/09/14
2018.09 本場所 6日目 朝 情報! 】
■白鵬
5日目、西小結貴景勝をはたきこみで下し、5連勝とした。
貴景勝を押し出そうとした瞬間に左にいなされ、右足が俵にかかってヒヤリ。
こらえて体勢を整えると、飛び込んできた相手を左手ではたき込んだ。
とっさの反応からの白星に「よかったね(崩されたけど)余裕があったから勝てた」。

■稀勢の里
5日目、無傷の5連勝を飾った。
東前頭3枚目の正代を相手に左を固めて立ち合い、その後は左をねじ込んで右上手も引いた。
得意の形だったが反撃にあい、押し込まれかけたが、体を開いて右からの上手投げで仕留めた。
連日、会場を悲鳴から大歓声に変える取組にも、支度部屋では変わらず冷静だった。
「1日一番、しっかり集中して」などと、自らに言い聞かせるようにして話した。

■高安
5日目、勢を退け、昨年の夏場所以来となる初日からの5連勝とした。
左を差して出足を止め、強引に出てきた相手を左からの投げで泳がせて送り出した。
「当たって前に出るのが理想。ちょっと守りに入った。内容的にはじっくり取った」と淡々と振り返った。

■御嶽海
5日目、立ち合いから低く当たってもろ差し。
両上手をつかんで粘ろうとする大関栃ノ心に反撃の余地を与えなかった。
息をつかせずにそのまま寄り切って、御嶽海は5連勝だ。
「弾いて前に出よう思っていた。しっかり弾けたと思う」
今場所初の上位との対戦で完勝して、胸を張った。
7月の名古屋場所で初優勝を飾ったが、この日の栃ノ心を含め3横綱1大関が不在だった。
大関昇進の目安は直前3場所で計33勝。
最近2場所で22勝の御嶽海は11勝が“ノルマ”だが、その内容も問われている。

■嘉風
5日目、2013年の秋場所以来5年ぶりに、初日から5連勝とした。
千代丸に低く当たると、素早く左を差して圧倒し押し出した。
36歳のベテランは「昨日までは緊張しなかったが、今日は緊張した。疲れた」と安堵の表情を浮かべた。
幕内在位74場所を誇るが、先場所は2勝13敗と苦しんだ。
復活を期す今場所は上々の内容で白星を積み重ねており「勝つときはしっかり腹をくくっていけている。ぶれずにやれることをやる」と充実感をにじませた。



18/09/13
2018.09 本場所 5日目 朝 情報! 】
■稀勢の里
8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里が、流血しながらも無傷の4連勝を飾った。
西前頭筆頭の207キロ魁聖を、得意の左四つで寄り切った。
魁聖戦は12戦全勝となった合口の良さに後押しされ、幕内で2番目に重い相手を撃破。
支度部屋では今場所初めて、一瞬ながら表情を緩めた。

■栃ノ心
小結玉鷲との取り直しの一番を制し、3勝1敗とした。
立ち合いから玉鷲に押し込まれ、一気に土俵際まで後退。左ではたき軍配は栃ノ心に上がったが、栃ノ心の足が出たと物言いがついた。
協議の結果同体となり取り直し。
その際に栃ノ心の右眉上辺が裂傷し、顔面に血がまみれた。
タオルで顔をぬぐった栃ノ心。
再び鋭い出足の玉鷲に押されたが、右へ回り込んで辛うじて左へ突き落とした。
玉鷲とは先場所6日目、小手投げを食らった際に右足親指付け根を痛め、途中休場の直接的な原因となった。
因縁の相手ではあるが「そこは気にしていない」と話した。
裂傷した右眉に関しては「(いつけがしたのか)分からない」と首をひねった。
傷は深く刻まれ、視界に変化はあるか問われ「それはない」と答えた。

■御嶽海
逸ノ城との関脇対決を危なげなく制し、大関とりへ最初のの関門を突破した。
低く、鋭い当たりから227キロの巨体を一気に押し出し、「しっかり前に出ることができた。きょうの(一番)は良い流れに乗れると思う」とうなずいた。
5日目の相手は大関栃ノ心。
優勝した名古屋場所では対戦がなく、対戦成績は2勝5敗。
「いつも通りに」と力を込めた。

■豊山
5日目の13日、東前頭2枚目の豊山が日本相撲協会に休場を届け出た。
師匠の時津風親方によると、3日目の稀勢の里戦で左肘を痛めた。
豊山の休場は2016年春場所の初土俵以来、初めて。
5日目の対戦相手、大関豪栄道は不戦勝ちとなる。



18/09/12
2018.09 本場所 4日目 朝 情報! 】
■稀勢の里
連日の逆転劇で、横綱・稀勢の里が3連勝を飾った。
初顔合わせの平幕・豊山に粘られて土俵際まで追い込まれたが、起死回生の突き落とし。
物言いがついたが、行司軍配通りで勝ち名乗りを受けた。幕内707勝とし、武蔵丸を抜き単独史上7位となった。
初場所5日目以来となった結びの一番を締め「それは良かったと思う」と振り返った。

■栃ノ心
かど番の栃ノ心が初黒星を喫した。
過去1勝3敗だった貴景勝を捕まえ切れず、引き技にばったり。
支度部屋でも険しい表情のまま「引かれると分かって落ちたのが悪い」と自分を責めた。
新大関だった名古屋場所を右足親指のけがで途中休場。
その影響を感じさせない内容で連勝していただけに悔しさは隠せない。切り替えていくかと問われ、「それしかないでしょ」と言葉少なに引き揚げた。

■御嶽海
3日目、物言いがついた最初の相撲も、御嶽海は「勝ったのは自分」と落ち着いていた。
取り直しの相撲は快勝し、三役以上との今場所初対戦を乗り切った。

■旭大星
3日目の11日、大栄翔をとったりで下した一番で右膝付近を負傷した。
旭大星は取組後、竜電戦が組まれた4日目について「厳しいと思う。出たら余計悪くなる」と休場する見通しを示した。
本人によると、土俵際で残した際に痛めたという。
「ボキッという音が聞こえた。治すしかない」と顔をしかめた。
右膝を思うように伸ばせず、付け人の肩を借りて引き揚げた。


安美錦
明生をはたき込みで下し3連勝を飾った。
明生の低い立ち合いに土俵際まで押し込まれた。
明生の右手と安美錦の左足が同時に出て物言いがついたが、軍配通りに安美錦が勝った。
「かかとが残っていたから負けはないかなと。最後残ってよかった」と安堵(あんど)の表情をみせた。
この日で通算1731回出場。
歴代4位で元大関・魁皇(現浅香山親方)に並んだ。
新弟子の頃から稽古をつけてもらっていたという大先輩の記録に「魁皇関に並べるのはありがたいね。(相撲界に)入った時からかわいがってもらったから」と表情が緩んだ。



18/09/11
2018.09 本場所 3日目 朝 情報! 】
■鶴竜
2日目、午前8時15分には入場券完売の「満員札止め」となった。
館内のファンの期待に応えるように、3横綱3大関の現在の上位陣が初めて、全員そろって勝った。
東の正横綱に座る鶴竜は前まわしをつかみ、鮮やかな出し投げで魁聖を崩して連勝スタート。
白鵬、稀勢の里の両横綱も2連勝で滑り出しており「いい刺激になる。自分も、という感じ」と充実感を漂わせた。

■稀勢の里
2日目、8場所連続休場から復帰して進退を懸ける土俵に立つ横綱稀勢の里は、2連敗を喫していた小結貴景勝を土俵際の逆転の突き落としで破り、優勝した昨年3月の春場所以来となる初日から2連勝スタートとなった。
この日の横綱土俵入りは自己最速の所要時間で、元気に躍動する体もアピール。
初日の平幕勢に続き、直近の対戦で敗れていた相手を連破し、序盤から勢いづく。

■栃ノ心
2日目の10日、カド番の栃ノ心が2連勝。
「ちょっと落ち着いたかな」と笑みを浮かべた。
離れて取ろうとした豊山に右をのぞかせながら前に出て左上手を取った。
さらに右下手も引き、土俵際で粘る相手を両まわしを引きつけて寄り切った。
怪我も「気にならない。昨日、今日みたいな相撲を取れば大丈夫」と手応えを口にした。

■御嶽海
2日目、大関昇進を狙う御嶽海は、過去4勝4敗だった千代大龍の鋭い当たりに後退したが、冷静におっつけて回り込むと一気に押し出した。
2連勝に「危なかったけど反応していた。体がよく動いた」と満足そうだった。
優勝した翌場所で、一気に注目を浴びる存在となった。
「いい緊張感ですね。15日間思うような相撲が取れないのは当たり前なので、その中で自分の相撲を出していければ」と貫禄すら漂うコメントだった。


宇良
2日目、右膝の負傷で6場所連続休場していた東三段目91枚目の宇良が、西三段目91枚目の須磨ノ海を素早い動きで寄り切り。
多彩な技が話題を集めた人気力士が1年ぶりの復帰戦を白星で飾り、復活への第一歩を踏み出した。
「すごく緊張しました。不安しかなかった。1番勝って安心しました」と語った。



18/09/10
2018.09 本場所 2日目 朝 情報! 】
■白鵬
立ち合いは左で張って玉鷲の勢いと止めて、左を差して一気に土俵外へ運んだ。
風呂から上がり髪を結ってもらう時に、支度部屋に集まった報道陣を見て「向こうに行った方がいいよ」と、8場所連続休場明けで白星を挙げた横綱稀勢の里のところに取材に行くように、冗談めかしながら促した。
その稀勢の里の相撲について「しびれたというか感動したというか。いい相撲でした」とほめた。
自分自身の相撲については「いい相撲でした」と自画自賛した。

■稀勢の里
進退を懸けて4場所ぶりに戻ってきた横綱・稀勢の里が、復活へ白星発進した。
前頭筆頭・勢を寄り切って、今年初場所2日目以来、237日ぶりの勝ち名乗り。
左大胸筋負傷などに苦しんできたが、あえて得意の左差しを繰り出す完勝で、初日の連敗も「4」で止めた。

■栃ノ心
初日を白星で飾り懸賞を手にする。
かど番脱出へ幕内通算400勝目でスタートした。
西前頭2枚目千代大龍から得意の左四つを奪い、一方的につり出し。「だいぶよかったね」と内容にも好感触だった。

■御嶽海
初の大関とりへ、御嶽海が白星スタート。場内も大きく沸いたが、本人はどこか涼し気だ。
「いつも通りですから、そんなにあおらないで。初日は初日」とピンチに見えた場面にも本人だけは落ち着いていた。
名古屋場所の優勝の原動力となった生命線の立ち合いに鋭さを欠き、正代に逆に押し込まれた。
だが、「相手が見えていた」と左腕をグイと伸ばし、左喉輪を決めて体勢を立て直すと、そのまま休むことなく前に出て押し出した。

■貴ノ岩
竜電を下し白星スタートを切った。立ち合いで鋭く踏み込み左を差すと力強く寄り切り。
「狙い通りの相撲?それに近いですね。前に攻めているんで良かったです」
昨年の秋巡業中の酒席で元横綱・日馬富士から暴行を受け九州場所と初場所を休場した。
春場所から復帰し名古屋場所で十両優勝を飾り、5場所ぶりの幕内復帰を決めていた。
幕内の土俵の感触については「普通です。特に何も考えてないです。先場所と同じ気持ち?はい」とさらり。
十両優勝した先場所に続く今場所の目標を聞かれると「2桁勝ちたいですね」と話していた。

■嘉風
千代翔馬に攻められた嘉風は土俵際まで追い詰められ、右足が徳俵にかかる絶体絶命のピンチ。
しかし、ここから右上手、左下手をしっかり引くと、豪快につり上げてうっちゃり、白星発進を決めた。
嘉風は「とっさに出ました。長年、相撲をやってきた本能かも。ほめられた内容ではなかったですけど…」と、36歳のベテランならではの大逆転に苦笑い。


協会あいさつ
台風や北海道の地震による被災者へお見舞いの意を表明した。
北海道広尾町出身の理事長は、あいさつの冒頭で「各地での台風、北海道での地震により被災された皆さまには心よりお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧、復興をお祈り致します」と述べた。
北海道芽室町出身の十両矢後関は「避難所にいる知り合いもいるので、心配。15日間いい相撲を取って、少しでも元気づけられたらいい」と奮起を誓った。



18/09/09
2018.09 本場所 初日朝 情報! 】
■稀勢の里
8日、東京・両国国技館で行われた土俵祭りに4場所ぶりに出席。
進退を懸けて臨む今場所でまずは東前頭筆頭の勢を下し、9場所ぶりの白星発進で勢いに乗る。
会場を後にする際には、一般公開で集まった観客から「信じてるぞ! 稀勢の里!」「稀勢関、頑張って!」などの声援が飛んだ。
「いよいよ始まるという感じ。特に気負いもなく、いい状態で稽古ができた。1日一番しっかり集中してやりたい」。
いつも通り、淡々と話した。

■御嶽海
土俵祭り終了後、自身初の優勝額贈呈式に出席。
国技館の天井四方に飾られる巨大な優勝額を前に「ニヤニヤしました」と、あらためて名古屋場所での初優勝を実感した。
その名古屋場所では13勝、前の夏場所では9勝を挙げたため、今場所で11勝以上を挙げれば大関とりの条件となる三役で3場所33勝以上を達成する。
気合が入る場所になるのは間違いないが、自信を問われると「ないです」とおどけてみせて「(目標は)勝ち越しでいいんじゃない。8番も10番も一緒」と御嶽海節をさく裂させた。
大関とりへ数字の達成も必要だが、重要になる横綱からの白星については「倒さないといけない」と言葉に力を込めた。



18/09/08
2018.09 本場所 1日前 情報! 】
■白鵬
秋場所を3年連続で休場している横綱白鵬は「いかに暑さに弱いか、夏巡業に弱いか」と苦笑交じりに自らを皮肉った。
それでも「調整はできている」と充実の表情。
「ライバルであり仲間」と語る稀勢の里が出場を決め「場所前の調子は良かった。(対戦は)できたら望むところ」と、17年初場所以来の顔合わせへ意欲を見せた。

■稀勢の里
試練の序盤戦に向け、非公開で進退の懸かる秋場所前の稽古を打ち上げた。
7日、都内の部屋で最終調整。
関係者によると四股、すり足などで汗を流したという。
稽古後、帰宅の際には、若い衆が乗り込むタクシーに報道陣を近づけず、無言で引き揚げた。
夏巡業後、稽古の完全非公開もノーコメントも初。
9場所ぶり皆勤へ緊張感を漂わせた。
師匠の田子ノ浦親方は「序盤が大事。後半になれば力を出すタイプなので」と話す。

■栃ノ心
かど番の大関栃ノ心が頭を抱えた。
都内の部屋で平幕の栃煌山、碧山と場所前最後の申し合い稽古を行い6勝7敗。
まわしを取った際の力強さは健在だったが、負傷している右足親指の影響により立ち合いは鋭さに欠けた。
仕上がり具合を聞かれても「見ての通り。稽古しても気持ちよくない。ちょっと心配」と肩を落とした。
それでも最後は「でも勝つしかないから」と自分に言い聞かせた。

■御嶽海
7日、番付編成を担う審判部の阿武松部長は、大関昇進に挑む関脇御嶽海について「星数が多いに越したことはないが、内容が問われる」と取り口を重視する見解を示した。
10場所連続で三役に在位する御嶽海は、関脇だった先場所を13勝2敗で初制覇。
2場所前は小結で9勝を挙げた。
大関昇進の目安とされる直前3場所合計33勝に乗せるには、11勝が必要だ。
阿武松部長は「挑戦の場所だから内容を見たい。場所の一番に懸ける集中力は稽古場とは違う。自分よりも上位の相手に対し、どういう相撲を取るかが楽しみだ」と積極的な取り口を期待した。


妙義龍
7日、東京・品川の総合食品メーカー・江崎グリコで行われた化粧まわしの贈呈式に出席した。
高校時代から同社のサプリメント「POWER PRODUCTION」を愛用しており、その縁で過去にも同社から同サプリメントのロゴが入った化粧まわしを贈られていた。
今回は1月に同サプリメントのデザインが一新されたことを受け、新たな化粧まわしの贈呈となった。
関係者から「まわしがパワーアップしたので妙義龍関もパワーアップして活躍してほしい」と激励された妙義龍は「しっかり体のコンディションを作り頑張ります」と、秋場所での奮闘を誓っていた。



18/09/07
2018.09 本場所 2日前 情報! 】
■鶴竜
6度目の優勝を狙う横綱鶴竜は6日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古に赴き、平幕豊山らと12番取り、全勝だった。
「ちょっと疲れが残っている。もうちょっと元気になって(場所に)入りたい」と言いつつ、動きは軽快だった。
7月の名古屋場所で休場の要因となった右肘のけがは万全ではなく、1月の初場所で負傷した右手の指も痛みは消えていないという。
「うまく(けがと)付き合っていくしかない。常にケアをしながら悪化させないように、負担がかからない相撲を取りたい」と語った。

■稀勢の里
秋場所に出場することになった。
師匠の田子ノ浦親方が6日、明らかにした。
ここまで、年6場所制になった1958年以降の横綱でワースト1位の8場所連続で休場中。
秋場所は進退をかけた土俵となる。
稀勢の里はこの日、阿武松部屋に出稽古し、若手の阿武咲相手に10勝4敗だった。
その後、師匠と電話で相談して出場を決めたという。
師匠は「前向きに気持ちは固まっている。本人もやらなきゃいけないと思っている」と話した。

■高安
6日、兄弟子の横綱・稀勢の里(ともに田子ノ浦部屋)が秋場所(9日初日、両国国技館)に出場する意向を示したことに、「本場所で自分も前向きにいけると思う」と気持ちを高ぶらせた。
この日、東京都墨田区の時津風部屋に出稽古した。
平幕の正代相手には立ち合いで上体を起こし、喉輪から攻撃の手を緩めずそのまま仕留めるなど7勝2敗としたが、関脇・逸ノ城には苦戦。まわしを取られると足が動かず200キロを超える相手に馬力負けする姿が目立った。
6番で1勝5敗だった。
現在も腰などに不安を抱えている。
ベテランの域に入りつつある28歳は「しっかり工夫して、これからは頭使って相撲を取りたい。これまでは体力だけでやってきたけれど」とケガを向き合いながら新たなスタイルを確立させる考えを示した。


相撲茶屋「ちゃんこ江戸沢」
昭和49年創業の相撲茶屋が大相撲九月場所初日にオープン。
両国駅前別館限定「大鍋振る舞いちゃんこ」を開始!!



18/09/06
2018.09 本場所 3日前 情報! 】
■白鵬
5日、東京都墨田区の時津風部屋へ出稽古(げいこ)した。
豊山、正代、隆の勝と計15番。
平幕を問題にせず、順調な仕上がりをうかがわせた。
先場所12勝を挙げて敢闘賞の豊山と6番、関脇経験者の正代と5番。
左前みつを取ってから安定した攻めを見せた。
新入幕の隆の勝には昇進を祝う意味も込めて4番、胸を貸して圧倒した。
白鵬は「まだまだ。幕内は(十両と)全然違うからね」と余裕の口ぶりだった。

■稀勢の里
5日、東京・江戸川区の田子ノ浦部屋で約1時間半、四股、すり足などの基礎運動で汗を流した。
相撲は取らなかった。
2日の阿武松部屋への出稽古と3、4日の二所ノ関一門の連合稽古では小結玉鷲、大関豪栄道と三番稽古(同じ相手と何度も取る)を行い、3日連続で土俵に立ち「だいぶ疲れていたし、(体の)バランスも悪くなっていたから」と疲労を抜いた様子。
だが、昨年の秋巡業以来となる8月の夏巡業を全うし、場所前も役力士との稽古を消化。
「(調整の)大きいところ(大枠)はしっかりできている。順調にきている。ここ何場所前とは全然違う」と、秋場所出場へ意欲をにじませた。

■豪栄道
5日、時津風部屋に出稽古し、平幕の正代、豊山と計6番取って全勝。
同じく出稽古に来ていた大関高安とも6勝1敗で「いい稽古になった。調子はいいと思う」とうなずいた。
所属する出羽海一門では栃ノ心が大関昇進、関脇御嶽海が7月の名古屋場所で初優勝。
「刺激になっている。まだまだ負けられない。現役でいる限りは優勝を目指す」と気合十分だった。



18/09/05
2018.09 本場所 4日前 情報! 】
■白鵬
東京都墨田区の友綱部屋で行われた伊勢ケ浜一門連合稽古に2日連続で参加し、幕内の魁聖や宝富士らと相撲を取り12勝1敗。
前日から動きに迫力が増し、「ようやくいい流れできている」とうなずいた。
横綱通算800勝まで8勝、幕内通算1000勝まで14勝。
大記録を追う第一人者は「今場所におけるモチベーション」ときっぱり。
5場所ぶりの賜杯にも「意識しないと(記録は)ついてこない」と意気込んだ。

■稀勢の里
二所ノ関一門の連合稽古が4日、東京都江東区の尾車部屋でああり、8場所連続休場中の横綱稀勢の里は、一門外から出稽古の大関豪栄道を相手に3勝8敗と苦戦した。
進退を懸ける秋場所の出場については「やることをやって場所に臨みたい」と前向きであることをあらためて強調したものの、またしても不安を露呈した形となった。
稽古後にはどこか開き直った表情で取材に応じた。「やることをやって場所に臨みたい。あと3、4日、調整して」。
秋場所出場に前向きな姿勢は変わらなかった。
芝田山親方は「進歩がない。受けてるだけ」。
これ以上に手厳しいのは、本紙評論家の北の富士勝昭さん(元横綱)だ。「この場所に懸けるという気迫が感じられなかった。それが一番残念」とため息をついた。

■豪栄道
4日、二所ノ関一門の連合稽古に参加した。
「横綱(稀勢の里)と高安とやるつもりできた」。
横綱審議委員会による稽古総見でも稀勢の里と胸を合わせ2勝2敗だった。
出羽海一門は、栃ノ心の大関昇進、7月の名古屋場所では関脇御嶽海が初優勝し、秋場所では大関とりとなる。
「いい感じで稽古ができた。(調整は)順調にきている」と語る。

■高安
前日3日の二所ノ関一門の連合稽古に姿をみせたものの、腰痛を理由に相撲は取らずに稽古途中で引き揚げた大関高安は4日、小結玉鷲との三番稽古で13番取って7勝6敗だった。
「悪くないと思う。(2連敗スタートとなり)頭を上げていった。押し込まれるところもあったけど、前へ出られてよかった」。
症状は、秋場所出場には問題はない、という。

■栃ノ心
4日、出稽古に来た関脇御嶽海、同じ部屋の栃煌山、碧山相手に相撲を26番とった。
名古屋場所6日目の玉鷲戦で右足親指付け根の靱帯(じんたい)を損傷。
ケガから復帰し、本格的に稽古を再開した8月29日にも26番とっているが、相手は三段目、幕下。
関取相手では再開後最多の番数となった。
患部の不安を忘れるぐらい、無我夢中だった。
「え? 26番もやった? 18、19番ぐらいと思ったけど…。途中から力入ったからなあ」。
内訳は15勝11敗。
相撲再開後1週間と下半身に疲れがたまりだしたこともあってか、この日は立ち合い負けが多かった。
「あ〜っ、くそっ!」と何度も叫び、納得いかない相撲に、仕切りに入ろうとした御嶽海、碧山を押しのけ、強引にもう一丁をお願いする場面が3度もあった。

■御嶽海
4日、都内の春日野部屋で出稽古を行い、大関栃ノ心、平幕の栃煌山、碧山と相撲を16番とった。
5勝11敗と“場所相撲”の男らしい内訳だが、栃ノ心相手に低く鋭い踏み込みを見せるなど、ペース配分を考えている様子。
前日は逆に出稽古に来た3人と19番とった。
この日の稽古後は「疲れたね。ノルマが15番って決まってたらいいのに」と苦笑いを浮かべた。
5、6日も春日野部屋でき、スタミナ強化を狙って同じくらいの番数を重ねる予定だ。
普段の場所前より、熱のこもった稽古を続けているように見えるが、本人は「いつも通りです」とマイペースを守っている。



18/09/04
2018.09 本場所 5日前 情報! 】
■稀勢の里
3日、千葉・船橋市の二所ノ関部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。
小結玉鷲を指名して連続10番取って9勝1敗と圧倒した。
さきの横綱審議委員会(横審)による稽古総見(8月31日)でも横綱鶴竜、大関豪栄道、栃ノ心と胸を合わせており、連合稽古でさらなる実戦モードへ突入した。
稽古場だから勝ち負けには気を使わない。
やりたいことをやってみる。
稀勢の里が右上手を狙った立ち合いや左おっつけ、はず押しからの攻め。
得意の左差しにもこだわった。
「相手は力があるからね。しっかり集中してやった。いい状態でやれていると思う」。

■高安
連合稽古に姿をみせたものの稽古場にとどまることなく、途中で引き揚げた。
その際、「大丈夫」と一言だけ残した。
見守った二所ノ関親方(元大関若嶋津)には「(稽古を)やろうと思っていましたが、腰痛がひどいのでやめておきます」と説明した。
さきの横審による稽古総見も欠席しており、師匠の田子ノ浦親方(元幕内隆の鶴)は「だいぶよくなっているが、無理はさせられない」とした。

■御嶽海
3日、都内の同部屋で出稽古に来た大関栃ノ心、平幕の栃煌山、碧山と19番相撲をとった。
結果は6勝13敗で、栃ノ心とは3勝4敗。
19番という番数に「疲れました」と苦笑いするものの「いつも通りです。順調? はい」と、稽古の狙いや内容には満足している様子。
「体力、スタミナ強化を考えているので。(栃ノ心には)右四つで来るから、それを封じるようにね。立ち合いの出来はまだ半分くらい。もう少し出足を低くして、前に出られるようにしていきたい」と話した。


栃ノ心
3日、都内で行われた缶コーヒー「ジョージア グラン 微糖」新製品発表会にCM出演する俳優・山田孝之とともに参加した。
大関が母国のジョージアと同名ということから愛飲。
それを聞いたコカ・コーラ社が缶コーヒーを部屋に差し入れて交流ができた。
春場所以降は「−エメラルドマウンテンブレンド」の懸賞を懸けてきたが、秋場所では「−グラン 微糖」の懸賞も追加し、15日間、栃ノ心の取組に2本を懸ける。

二所ノ関親方
昨年10月に体調不良で倒れ、頭部の手術を受けた大相撲の二所ノ関親方(61)が3日、千葉県船橋市の二所ノ関部屋での二所ノ関一門連合稽古を見守り、「元気にしているよ」と順調な回復ぶりをうかがわせた。



18/09/03
2018.09 本場所 6日前 情報! 】
■稀勢の里
2日、千葉・習志野市の阿武松部屋へ出稽古し、西前頭6枚目阿武咲と連続13番取って10勝3敗だった。
横綱にとって場所前の出稽古は今回が初めて。
突き押しに徹して力を余すところなく攻めてくる阿武咲を真正面から受け止め、秋場所へ向け、心身ともに高まりをみせた。
この感触を欲していた。
阿武咲との三番稽古(同じ相手と何度も取る)の間、稀勢の里の表情にはうっすら笑みさえ浮かんでいた。
充実の13番を終えた稀勢の里は「力をつけているし、なかなか稽古場で力を出して激しくやってくれる人はいない。(阿武咲は)いい相手」とうれしそうだった。

■栃ノ心
大関昇進披露パーティーが1日、東京・文京区の東京ドームホテルに、関係者約1300人を集めて盛大に開かれた。
パーティーには八角理事長ら親方衆、力士では鶴竜、白鵬、稀勢の里の3横綱、豪栄道と高安の両大関らが出席。
八角理事長らがあいさつした後、栃ノ心が壇上に立ち「お疲れさんでございます」の発声の後、感謝のあいさつ。
「日本の心、(出身地)ジョージアの心、相撲の心、春日野部屋の心を大切に、日本とジョージアのみなさんのために、さらに上を目指して稽古に精進、努力します」と謝意を示した。
パーティー前に取材に応じた栃ノ心は「プレッシャーもあるけど番付も番付だし、頑張らないといけない。3、4日前に申し合い(稽古)も始めたし、しっかり場所が始まるまで稽古して今場所を迎えたい。(患部は)それほど痛くはないし、稽古できないわけじゃない。大丈夫、頑張るしかない」と気丈に話した。



18/08/31
2018.09 本場所 9日前 情報! 】
■稀勢の里
30日、都内の部屋で弟弟子の大関高安を相手に連日の三番稽古を行い、13番取って10勝3敗と好感触。
31日の横綱審議委員会(横審)による稽古総見で復活をアピールする準備を整えた。
いきなりの2連敗から逆襲。
3番目以降は踏み込み鋭く、がっぷり組んで圧倒した。
土俵際で逆転の突き落としで勝った際は「あー!!」と気迫の雄たけび。
高安が腰痛を抱え13番で途中終了したが、前日の20番に続き、元気いっぱいだった。
「(連敗した)最初の相撲が大事だから、そこだけ修正して。後は問題ない」と自信を示した。

■御嶽海
30日、出稽古を開始して東京都墨田区の春日野部屋を訪れ、大関栃ノ心らに3勝10敗だった。
「踏み込みだけを意識した。まだ力負けしている」と立ち合いの圧力を課題に挙げた。
栃ノ心には2勝5敗。
踏み込みが弱いと、すぐにつかまってしまい一方的に寄り切られた。
体重197キロの平幕碧山の突っ張りに圧倒される場面もあった。
力強い立ち合いをした時は、本来の低く鋭い攻めもあっただけに「(しっかり)踏み込めたときと、踏み込めなかったときの差がある。それを縮めていきたい」と安定感を求める。



18/08/30
2018.09 本場所 10日前 情報! 】
■稀勢の里
29日、進退のかかる秋場所へ、東京・江戸川区の部屋で相撲を取る稽古を再開した。
弟弟子の大関・高安と20番取って14勝6敗の勝ち越し。
「前に前に、という気持ちで行った」と生命線の左差しで主導権を握り、寄り切る場面が目立った。
休場の要因となっている左大胸筋痛の不安も感じさせず、8番目からは圧巻の10連勝をマーク。
約1か月間に及んだ夏巡業でも三番稽古は16番が最多で、巡業を上回るハイペースな朝稽古に「番数以上に手応えがあった。ようやく良くなってきた感じがある」と前向き。
31日には横綱審議委員会の稽古総見が控えており、復活ロードを慎重に歩んでいく。

■栃ノ心
29日、東京都墨田区の春日野部屋で、右足親指を痛めて途中休場した名古屋場所以来、久々に稽古(けいこ)の相撲を取った。
この日の稽古では、幕下と三段目の力士計4人と26番。
土俵を割る場面もあり、「体が相撲の感覚を忘れている」。
それでも、地位にこだわらず番数を重ね、「気持ち良かった。(相撲勘は)戻ってくるでしょう」と前向きだった。


常幸龍
約2年半ぶりに、十両以上の関取で構成される力士会に出席した。
秋場所では、14場所ぶりに十両に復帰。
力士会後「多くの人から『おかえり』と言ってもらえてうれしかった。戻ってきたな、という実感がわいた」と、終始笑顔で話した。



18/08/29
2018.09 本場所 11日前 情報! 】
■稀勢の里
28日、各部屋で稽古が本格的に始まった。
年6場所制になった1958年以降で、横綱としてワーストの8場所連続休場中の稀勢の里は東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で約2時間、四股やすり足に汗を流した。
7月29日から約1カ月間行われた夏巡業に初日から参加し、稽古を積んできた。稀勢の里は「しっかり体を作り、稽古もでき、良い巡業だった」と手応えを口にした。

■白鵬
28日、都内の部屋で綱打ちを行い、今後の夢を語った。
綱打ち後に自らの提案で内弟子の十両炎鵬、幕下山口に太刀持ち、露払いを務めさせて土俵入りを行った。
「相撲人生の夢であり目標。石浦、炎鵬、山口が幕内にいないと実現しないけど」と内弟子を従えて、本場所で土俵入りすることを夢見た。

■嘉風
27日、アメブロにてオフィシャルブログを開設。
大相撲秋場所に向けて「たくさん拍手をいただけるような自分らしい相撲を取ります」と意気込みを明かした。
「ブログ始めました」と題して初投稿。
「皆様初めまして。大相撲の現役力士、嘉風と申します」と自己紹介すると、「大分県佐伯市出身 尾車部屋所属 36歳 B型 趣味:相撲、釣り、ゴルフ、スポーツ観戦、神社巡り(御朱印集め) 特技:水泳」と細かい情報も。
続けて、「この度オフィシャルブログを始める事になりました」と改めてブログ開始を報告し、「ブログを通じて自分なりに相撲の魅力、また日々感じた事などを発信していきたいと思います。
気軽に見ていただけると嬉しいです」とブログへの意気込みを綴った。

嘉風雅継オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/yoshikaze-official/



大露羅
現役力士の定期健康診断が27日、都内の両国国技館で行われ、ロシア出身で歴代最重量を誇る序二段12枚目・大露羅(おおろら、35)=山響=が体重292・6キロの新記録を計測した。
昨夏の健診で元大関小錦の285キロを超え歴代最重量の288キロをマークしていたが、自らの記録を4・6キロも更新した。
故北の湖理事長(元横綱)から『一番になれ!』と教えを受けた史上最大の巨漢力士。前人未到の300キロも近い!?


18/07/23
2018.07 本場所 千秋楽翌日 朝 情報! 】
■御嶽海
悔しい初賜杯を大関獲りにぶつける。
14日目に初優勝を決めていた関脇・御嶽海は、平幕・豊山に掛け投げで敗れ、13勝2敗の成績で終えた。
初めての表彰式に喜びを感じながらも、千秋楽を白星で締められなかった悔しさも味わった。

八角理事長は秋場所が大関獲りの場所となる御嶽海の昇進の可能性について改めて言及した。

表彰式で初めて天皇賜杯を抱いた。
館内から浴びせられた大きな拍手。
「メチャクチャ重かった。こんなに声援を受けると思っていなかったので、メチャメチャうれしい」。
平成生まれの日本出身力士では、誰よりも早く、賜杯の重みを感じた。

■豊山
御嶽海を渾身の力で裏返した。
館内は優勝力士を倒した“番狂わせ”に大歓声。「最後まで出し切れたと思います」と顔を紅潮させた。
御嶽海に寄り立てられたが、土俵際でこらえて逆襲。左上手を取って投げの打ち合いに勝った。
自己最多の12勝。
初三賞となる敢闘賞も受賞した。
同期の朝乃山との同時受賞に「もっと上で(一緒に)やれると思う」と目を細めた。
これで時津風部屋で豊山を継承した力士は、大関になった初代から3代続けて三賞を獲得。
2代目も三役を経験しており、来場所で三役を狙える番付になる豊山にも期待が懸かる。

■貴景勝
10勝目を挙げ、来場所の再三役を濃厚にした。
「千秋楽なので、変な相撲を取ると(次場所までの)2カ月、悔いが残ってしまう。それだけは嫌だった」と2桁星は意識せず、高い集中力で今場所好調の朝乃山を圧倒した。
勝っても厳しい表情は変わらなかったが、兄弟子の十両・貴ノ岩が優勝したことについては「気になっていた。本当に良かった」と口元を緩めていた。

■阿武咲
再入幕場所を10勝目で締めくくった。
9勝同士の妙義龍を寄り切った。
「張り手を食らって、ちょっとイラッと…。ボーッとしたけど、このまま負けたら格好悪いと思った」と1度は土俵際に押し込まれたが、押し返した。
御嶽海が優勝し、豊山が12勝、朝乃山が11勝、貴景勝も10勝。
若手の活躍が目立った場所を振り返り「次の世代といわれる中で、自分が先頭を切って引っ張るつもりでいきたい。だからこそ誰よりも稽古しないとダメ。足りない点は明確に見えているので、それは強みと思っています」。
番付が上がる秋場所へ、早くも闘志を燃やしていた。

■朝乃山
22日、11勝4敗となり、新入幕だった昨年秋場所以来で2度目の敢闘賞を受賞した。
貴景勝に寄り切りで敗れた。
終盤まで優勝争いに踏みとどまり、11勝は幕内6場所目で自己最多となった。



18/07/22
2018.07 本場所 千秋楽 朝 情報! 】
■御嶽海
14日目で平幕の栃煌山を寄り切って13勝目を挙げ、初の幕内優勝を決めた。
長野県出身力士の優勝は優勝制度が定められた1909(明治42)年以降で初めて。
3横綱と新大関が休場する事態となった中、小結から2場所ぶりに関脇に戻った御嶽海は初日から連勝街道を突っ走った。
相手の取り口を冷静に分析して前に出る自分の相撲を貫き、中日8日目に幕内で初のストレート勝ち越しを決めた。
10日目には10場所目を迎えた三役で初の2桁勝利を達成。
12日目に大関高安に敗れたものの、13日目には大関豪栄道を破って持ち直した。
3敗の平幕2人に追われた14日目の白星で、千秋楽を待たずに優勝が決まった。

日本相撲協会の八角理事長は御嶽海について、次の秋場所が初の大関とりになるとの見解を示した。
新大関となれば、1795(寛政7)年に昇進した旧大石村出身の雷電以来となる。

■豊山
御嶽海が優勝を決めた一番を土俵下で見届けた後の結び。
鋭く当たってから、右をはずに掛けて一方的に押し出した。
場所前に胸を借りた大関に恩返しを果たし、「最高です」と充実感をにじませた。
終盤まで優勝争いに加わり、「きょうまでいい夢を見させてもらった」。
自己最多の11勝目を挙げ、千秋楽は御嶽海戦。
「これから先の相撲人生で大事な一番になる」と闘志を燃やした。

■朝乃山
遠藤に勝って幕内で自身初の11勝目を挙げた。
「人気力士を倒したかった。あと1番楽しくやるだけ。三賞が一つ欲しい。」と語る。



18/07/21
2018.07 本場所 14日目 朝 情報! 】
■御嶽海
13日目で大関豪栄道を送り出しで破って12勝目(1敗死守)を挙げ、初優勝に王手をかけた。
21日の14日目で平幕の栃煌山に勝てば優勝が決まる。
負けても、3敗の平幕豊山と朝乃山がそろって敗れれば、御嶽海の優勝が決まる。
御嶽海が優勝すれば、優勝制度が定められた1909(明治42)年以降、長野県出身で初の優勝力士になる。
名古屋場所で御嶽海は初日から11連勝とし、12日目に大関高安に惜敗して初黒星を喫したが、連敗はしなかった。
大関昇進は三役3場所で33勝以上が目安とされ、先場所9勝の御嶽海は、優勝によって来場所で大関とりが懸かる可能性が高くなる。

■勢
千代の国の休場により、勢が不戦勝で勝ち越した。
場所前にプロゴルファー、比嘉真美子との婚約が公になったばかり。
思わぬ形とはいえ、秋に予定している結婚へ弾みもついた。
「7勝までしていたわけですから。運も実力のうちと言いますし」と語る。

■豊山
栃煌山を賜杯争いから引きずり下ろした。
左はず押しと右喉輪で実力者を一気に土俵下へ追いやった。
「一日一番、勝っても負けても(気持ちが)変わらない。それが白星につながっている」と自己分析した。
14日目は結びで高安戦。
出番前に御嶽海が2敗に後退すれば、逆転優勝に望みをつなぐ一番となるが「失うものは全くない。思い切っていくだけ」と無心を強調した。

■朝乃山
20日、10勝目を挙げ、優勝の可能性を残した。
立ち遅れて妙義龍に押し込まれたが、回り込みながら懐の深さを生かして左上手を取り、最後は寄り切った。
「土俵際で体が動いたので残れた」と朝乃山。
14日目は遠藤と対戦する。
トップを走る御嶽海とは2差があるため、優勝争いの重圧は感じていないようで、「明日は人気力士を倒して、僕が人気力士になりたい」と口も滑らかだった。



18/07/20
2018.07 本場所 13日目 昼 情報! 】
■千代の国
13日目の20日、休場した。
12日目の玉鷲戦で左肘付近を負傷していた。
休場は2016年名古屋場所以来、15度目。
12日目の対戦相手の勢は不戦勝となる。



18/07/20
2018.07 本場所 13日目 朝 情報! 】
■高安
式守勘太夫の軍配は御嶽海に上がるが、勝負審判から物言いがつき、協議した結果議、審判長の阿武松親方が「高安の指が残っており、行司軍配差し違え」とアナウンスすると、大歓声が上がった。
押し出されたかに見えた高安は、俵にかかった右足一本で残り、起死回生の突き落としを見舞っていた。
「気持ちですね」高安の一言に、大一番が凝縮されていた。
高安は勝ち越しを決め、カド番を脱出した。

■千代の国
玉鷲戦で左肘付近を負傷した。
取組後、13日目の出場の見通しについては語らなかった。
玉鷲が右小手投げを放った際に痛めたとみられ、左肘を押さえながら土俵に転がった。
支度部屋では患部を氷で冷やし「(状態は)分からない。ボキボキ、バキバキという音がした」と険しい表情だった。

■3敗力士
栃煌山は実力者の妙義龍の圧力に屈し、「やることをやれていない。立ち合いがふわっとして硬かった」と伏し目がちに話した。
朝乃山は左からおっつけて出たが、魁聖のすくい投げで体勢を入れ替えられて逆転負けを喫し、「急ぎ過ぎた。ああいうところがまだまだ」と意気消沈。
結びで御嶽海に土がつき、2差で変わらなかったことを前向きに捉えられるか。



18/07/19
2018.07 本場所 12日目 朝 情報! 】
■豪栄道
7度目のカド番を脱出した豪栄道の口から「ほっとした、というのはある」と本音が飛びだした。
横綱不在の場所で、大関として最低限のノルマを果たし胸をなで下ろした。
この日、土俵下で見ていた藤島審判長は「カド番のプレッシャーから脱出して、伸び伸び行けると思う」と期待を寄せた。

■御嶽海
Vへ無傷11連勝。
過去4戦全敗の魁聖に対し、当たりながら左に動いて左差し。
巻き替えられても前に出て、左手が万歳となりながら体を預けて押し出した。
「しっかり考えてやれたかなと思う。足はよく出ていた。(勝てたのは)大きい」。
これまで204キロの巨漢にまわしを与えて敗れてきたが、同じ轍(てつ)は踏まなかった。

■遠藤
出直しの場所で勝ち越した。
この日は馬力がある貴景勝のまわしが取れず、離れて見合う場面が何度もあった。
だが、最後は相手が出てきたところを、ひらりと体を開いての引きで土俵にはわせた。
「勝ち越しを前向きに考えて、明日を迎えられれば良いかな」。
昨年秋場所以来の2桁白星も見えてきた。

■栃煌山
千代大龍を押し出しで破り、2敗を守った。
過去2勝4敗と分が悪く、強烈な当たりに定評がある相手に当たり負けせず、引き技にもこらえ、白星をもぎ取った。
「ちょっとバタバタしました。もう少し膝を曲げて低くいきたかったけど、当たり負けしなかった。(相撲は)よくなっている」と初Vへ闘志。

■北勝富士
今年4場所目で初の勝ち越しを決めた。
妙義龍を突き落としで破った。
「けががあって、いろいろ悔しい思いをしてきたけど、ようやく“北勝富士らしい相撲”をとれるようになってきました」。
素直な喜びを口にした。



18/07/18
2018.07 本場所 11日目 朝 情報! 】
■御嶽海
輝を勢いよく寄り切り、初日からの10連勝で単独首位をキープした。
ただ一人1敗だった平幕朝乃山が敗れたため、後続とは2差がついた。

■琴奨菊
11日目の18日、休場した。
7敗目を喫した10日目の玉鷲戦で左肘を負傷していた。

■栃煌山
御嶽海を追い掛けなければいけない1、2敗勢に次々と土がつく中、栃煌山だけが2敗を死守した。
優勝争いへの関心をぎりぎりのところでつなぎ止め、「しっかりついていくしかない」と課せられた責任の重さを自覚する。



18/07/17
2018.07 本場所 10日目 朝 情報! 】
■両大関
カド番の両大関は危ない相撲ながらも白星を拾って優勝争いに踏みとどまった。
高安は左からおっつけられて後退したが差していた左腕を抜いて一回転すると勢い余った相手は土俵の外へ。
豪栄道は右四つから前に出るも勝負を決められない。
逆襲を受けて俵に詰まったが上手投げで逆転。

■御嶽海
大翔丸に寄り切りで勝った。
好調を維持し、初日から九連勝で引き続き幕内単独トップに立っている。
立ち合いを頭から強く当たった御嶽海は、左に体を開いて避けようとする大翔丸を逃さずもろ差しに。
素早く足を運んで体を寄せ、上体の起きた相手を寄り切る危なげない取り口で、力の差を見せつけた。

■朝乃山
会心の相撲で石浦を圧倒し1敗を守った。
3横綱、1大関が休場し平幕勢にもチャンスが広がる中で、V候補に名乗りを上げた。
自己最速、9日目の給金は通過点にすぎない。
朝乃山が石浦を問題にせず押し出した。
まわしにこだわらず前に出て、最後は右手一本で吹き飛ばした。
前日から「チャンスはものにしないと。優勝を狙います」と宣言。
優勝を意識しながらの完勝は成長の証だ。



18/07/16
2018.07 本場所 9日目 朝 情報! 】
■御嶽海
快進撃が止まらない。
中日に給金を直すのは自身初。
3横綱1大関を欠き荒れに荒れている場所で、力強く優勝争いを引っ張っている。
「目標(勝ち越し)の1つは達成できた。意識しなかったといえば嘘になる」と未体験の領域に足を踏み入れた緊張感を漂わせた。

■遠藤
執念あふれる二番だった。
一番目は妙義龍の出足に後退しながら、土俵際の粘り腰で裏返りながら相手を道連れに落ちた。
物言いで同体判定となり生還。
二番目も上手を許し、押し込まれながら、左四つ。
腕を返す技ありの寄りで逆転した。
「最後まで気持ちを切らさずに相撲が取れて良かった。勝ち切れて良かった」。
中日で7勝を挙げ、勝ち越し王手は16年秋場所以来。
この場所は13勝を挙げ準優勝している。



18/07/15
2018.07 本場所 中日 朝 情報! 】
■高安
19年ぶりに3横綱全員を欠き、新大関の栃ノ心まで休んだ土俵で、高安が連敗を免れて白星を手にした。
反省を生かして2敗を守り、「きょうはよかった」と一息ついた。

■御嶽海
初日から7連勝。
相手得意の左四つとなり、右上手を引いたのは「たまたま」としつつ、「前に出ることには変わりないので」。
迷いない攻めで元大関を寄り切った。
内容も伴う白星を重ねて単独トップを走っている。
名古屋の暑さにも負けず、「しっかり体が動いてくれている」と好調ぶりを実感。
ますますファンの注目を浴びそうで、意気揚々と引き揚げた。

■遠藤
旭大星を一蹴して1敗を守った。
低い姿勢で攻め込み、相手の土俵際での突き落としにも構わずに押し出した。
初顔を問題にせず、「しっかり集中して取れていると思います」と振り返った。
上位陣に休場が相次ぐ中、優勝争いでは御嶽海を1差で追う状況だが、「特に」と意識はしていない。
後半戦に向けても「変わらない」と話し、平常心を貫いた。

■千代大龍
日体大の先輩、妙義龍との1敗対決を制した。
立ち合いで相手が少し右へ動いても冷静。
よく見て突いてから右を差し、左も巻き替えて両まわしを引いて寄った。
「相手が動いたのが分かった。何も考えずにすぐに出られたのが良かった」と振り返った。



18/07/14
2018.07 本場所 7日目 朝 情報! 】
■栃ノ心
7日目の14日、新大関の栃ノ心が日本相撲協会に休場を届け出た。
師匠の春日野親方によると、5戦全勝で迎えた6日目、小結玉鷲に敗れた一番で右足親指を負傷した。
痛みが和らげば、再出場も検討するという。
今年初場所で優勝を経験し、夏場所後に大関に昇進した。
今年ここまで幕内で最多の計42勝を挙げている。
休場は昨年初場所以来。
再出場できなければ、来場所はカド番となる。

■御嶽海
全勝キープ!
立ち合ってすぐに、御嶽海が左前まわしへ手をかけた。
さらに、上手を取って頭をつけてすかさず右から出し投げ。
正代の体勢を崩し、押し出した。
5秒5。
攻めのハーモニーを奏でてただ一人、全勝。単独首位に立った。
「思った以上に体が動いている。いろんな展開を考えながら結果に結びついている」

■千代の国
4日目の白鵬戦に続いて鶴竜戦で不戦勝。
1場所で2人の横綱からの不戦勝は1999年秋場所の玉春日以来、史上4度目。
『喜ぶよりも、あしたからしっかり気を張っていかないと』と語る。


3横綱全員が不在の事態となった名古屋場所6日目の13日、幕内土俵入りの後で本来行われるはずの横綱土俵入りがなかった。
4日目(11日)の当日午後に急きょ横綱白鵬が休場を届け出た際には、鶴竜の土俵入り後に休場を告げる館内アナウンスが流れたが、この日はなし。
取組の際に鶴竜の不戦敗が伝えられると、観客席から「えー、何で」との声が上がった。
興行の一つの見せ場でもある横綱土俵入りが消えたことに、八角理事長は「残念だ。とにかく(出場する力士が)いい相撲を見せることが大事だ」と奮起を促した。
8場所連続で休んだ稀勢の里を含め、番付に載る3横綱が全て休場。
これは1999年春場所以来19年ぶりで、昭和以降5度目となった。
横綱が本場所で不在になるのは、一人横綱の朝青龍が3日目から休んだ2006年夏場所以来。



18/07/13
2018.07 本場所 6日目 朝 情報! 】
■鶴竜
6日目の13日、日本相撲協会に休場を届け出た。
5日目に阿炎に敗れ、2日連続で金星を配給して3勝2敗だった。
6日目の対戦相手、千代の国は不戦勝。
今場所は白鵬と稀勢の里に続いて3横綱全員が休場となった。
3横綱全員の休場は若乃花(3代目)、貴乃花、曙の1999年春場所以来、19年ぶり。

■栃ノ心
快調に5連勝。
「気持ちいい」と喜びに浸った。
立ち合いから得意の形に持ち込めなくても、焦りは全く見られない。
最初は左上手が届かなかった展開を「ちょっと(上体が)高かった。右は取れたけど、左が全然」と話す。
それでも怪力を生かして振り回すような右下手投げで元大関の琴奨菊を揺さぶり、最後は左上手を引く盤石の体勢で寄り切った。

■御嶽海
7連勝した今年初場所以来2度目の5連勝発進。
立ち合いで松鳳山が繰り出した張り手にも動じず、続く突き押しも上へはじくように前進して最後は押し出した。
一方的な内容に「良かったよね。体が相手のいる方に流れた。相手を前に置いておかないと何が起きるか分からない」と納得顔。

■阿炎
付け人時代の恩人から感謝の白星を挙げた。
結びで横綱・鶴竜を突き出し、先場所の白鵬戦に続いて2度目の金星を獲得。
支度部屋に引き揚げる際には感激の涙を流した。



18/07/12
2018.07 本場所 5日目 朝 情報! 】
■白鵬
4日目の11日から休場した。
日本相撲協会に「右膝蓋腱(しつがいけん)損傷、右脛骨(けいこつ)結節剥離骨折の疑いにより2週間の安静を要する」との診断書を提出した。
白鵬の休場は3月の春場所以来で通算9度目。
今場所は3日目まで3連勝していた。

■御嶽海
出足のいい相撲で全勝を守った。
立ち合いで下から低く当たって玉鷲の上体を起こすと、すかさず右を差し、回り込もうとする相手を力強く押し出した。
昨年春場所から9場所連続で三役を務めているが、2桁勝利には一度も届いていない。
今年の初場所では初日から7連勝するも8勝7敗で終わるという経験もしただけに、「いつも通りでしょう。前半は調子がいいから」と4連勝にも慎重な物言いだった。

■勢
鶴竜を一方的に押し出した勢の興奮が支度部屋に戻っても収まらない。
会心の一番で今場所の初日を出し、「しっかり踏み込んで頭から思い切っていけた。横綱相手にああいう相撲が取れたのは自信になる」と喜びを爆発させた。
場所直前にプロゴルファーの比嘉真美子との婚約を発表。
相撲界で金星は平幕が横綱から挙げる「白星」以外に、「美しい女性」をも意味する。
場所前に続き本場所でも金星を挙げ、「うれしいです」と照れ笑いを浮かべた。



18/07/11
2018.07 本場所 4日目 朝 情報! 】
■栃ノ心
“半端ない”怪力で松鳳山をつり出して3連勝を決めた。
もろ差しを許すピンチにも、「先に左上手を取っていたからね」と、腰を落とした相手を外四つで強引に2度つり上げて土俵の外へ。
先場所の対戦と似た勝ち方だった。「内容はよくないね」と振り返りながらも、「取りあえず勝ったからね。白星が一番」と結果に満足していた。

■御嶽海
初場所以来の初日から3連勝を飾った。
過去2勝3敗と黒星が先行していた貴景勝の勢いを受け止め、左前まわしを引く。
1枚まわしだったが、相手の動きを操るようにして、送り倒しを決めた。
「ちゃんと自分の想像していた相撲が取れました。しっかり相手が見えてましたからね」。
故郷長野から連日、大応援団が館内を埋める。
「まだまだ本調子じゃない。これから調子を上げて、後半にバテないように、前半は気持ちで(相撲を)とっていきたいです」と話していた。

■千代の国
驚異的な柔軟性で大関戦初白星を挙げ、28歳の誕生日を自ら祝った。
高安の強烈な下手投げを推定160度の開脚でこらえた。決まったと勘違いした相手が力を抜くと、土俵際での投げの打ち合いにも粘り勝ち。
高安に5度目の挑戦で初勝利となり「凄くうれしい」と笑顔がはじけた。

■遠藤
千代翔馬を下し、幕内29場所目で初の3連勝スタート。
「日に日に良くなれば」。
土俵上でも眉一つ動かさないクールな人気者は、右腕の現状について明かさない。
師匠の追手風親方は「(筋肉)3本のうち一番大きいのが切れている。あとの3割でどれだけ10割に持っていけるか。良くなるのは、半年とか1年経っての話になる」。
深刻な状況を明かして「簡単に手術と言うけど1年間、棒に振るわけにはいかないですから、年齢的にも」と続けた。



18/07/10
2018.07 本場所 3日目 朝 情報! 】
■白鵬
横綱の手つき不十分で立ち合い不成立となった後も、左前まわしを引いて一気に寄る同様の取り口で仕留めた。
何の警戒もなく同じ手を食ったように見えた正代は「何か違うことをしてくるんじゃないかと思ってしまった」。
白鵬は余裕たっぷりに「2回相撲を取ってしまったね」と話した。

■鶴竜
先場所は注文相撲で降した琴奨菊を、この日はうまさで退け、鶴竜は「とりあえず良かった」と静かに汗をぬぐった。
夏場所10日目。
馬力相撲でかつては大関も務めた琴奨菊に対し、鶴竜は立ち合いで変化。
観客から不評を浴びて「負けた方が良かった」と嘆いた。
今場所は立ち合いに集中した。

■豪栄道
初日に黒星を喫したカド番大関の豪栄道が、巧みな相撲で連敗を免れた。
2度、玉鷲が突っかけた後の立ち合い。
頭で当たりながら素早く左上手を取ると、出し投げを打って背を向かせ、そのまま送り出した。
わずか2秒の速攻に「まずまず」と語る。

■高安
かど番の高安が、薄氷を踏む思いで星を拾った。
張り差しを狙ったが腰が高く、前傾姿勢で休まず出てきた松鳳山に攻め込まれた。
回り込んだところで、相手の足が流れてつきひざとなった。
初日に続いての逆転勝ち。
初の全休明けの影響もあるのか、かち上げで先手を取って圧力を生かす本来の姿は示せていない。
「落ち着いて取れた」と言う言葉も、どこか強がりに聞こえた。

■栃ノ心
栃ノ心が新大関の重圧を感じさせない。
初日の勢に続いて千代の国を寄せ付けずに押し出し、連勝発進。
「攻めていたからいいんじゃないですか」と言葉が弾む。
「突っ張ってくる。速いしね」と警戒していた千代の国の突き押しに、得意の左上手が取れなくても動じない。
腰のすわった突き押しで応じ、まったく危なげなく勝負を決めた。
「状態は悪くない」と手応え上々の口ぶりだ。



18/07/09
2018.07 本場所 2日目 朝 情報! 】
■白鵬
玉鷲を退け、4場所ぶりの優勝へ好スタートを切った。
相手の突き放しに張り差しを阻まれながらも左四つに。
「見てしまった感じ」と、もろ差しを許して土俵際に追い込まれるピンチに陥ったが、すくい投げで逆転した。
冷や汗の勝利を「落ち着いて取れた感じじゃなかったかな。なんだかんだで初日ですよ」と振り返った。

■鶴竜
年6場所制になった1958年以降で8人目になる3連覇に向けて、白星でスタートした。
松鳳山を相手に「自分のタイミングで当たることを考えた」と語る。
松鳳山とは二所ノ関一門の連合稽古でも胸を合わせていた鶴竜は「体も自然と動いている」と納得した表情だった。

■豪栄道
先場所は途中休場して7回目のカド番で迎えた大関・豪栄道は初日から土が付いた。
立ち合いから押し込んだものの、差した左が浅く、正代に巻き替えられると、双差しを許して後退。
逆転を狙った右の上手投げも不発に終わり、背中を押されて土俵を出た。

■高安
昨年の九州場所以来、自身2度目のカド番を迎えた高安は、土俵際に追い込まれながらも、詰めに来た琴奨菊に対して足を浮かしてくるりと反転。
最大のピンチをしのいでの白星に「本来の相撲ではないが、気持ちは前向きになりました」と安どした。
先場所は場所前の稽古で左肩を負傷して全休。
調整を不安視する声もあったが「明日また堂々と」と前を向いた。

■栃ノ心
初めて聞く「大関、栃ノ心」の館内コールに「うれしい」と気持ちが燃えた。
踏み込み鋭く、左上手を素早く引けば無敵。
そのまま豪腕に力を込め、5秒2の速攻で寄り切った。
「落ち着いていたな。(重圧は)ないことないけど、相撲を取る時は忘れた。いい相撲が取れた」と、会心の大関1勝を振り返った。



18/07/08
2018.07 本場所 初日 朝 情報! 】
■白鵬
15日間の安全を祈願する土俵祭りが7日、ドルフィンズアリーナで行われた。
横綱白鵬は昨年、歴代1位の通算勝利を達成し優勝も飾った名古屋で4場所ぶり41度目の優勝を期す。
七夕の短冊の願い事には「1000勝」と刻み、あと17勝に迫る幕内1000勝を視界。
あと11勝となる横綱800勝は今場所でクリアするつもりだ。
「平成最後の名古屋で頑張ります」と短い言葉に気持ちを込めた。

■鶴竜
7日は会場で土俵祭があり、三役以上の関取らが出席し、15日間の土俵の無事を祈った。
自身初の3場所連続優勝を狙う横綱・鶴竜は「しっかり集中して臨みたい」と意気込んだ。

■栃ノ心
七夕の7日、今日8日に初日を迎える名古屋場所の土俵祭に参加し、短冊に「優勝できますように」と願いを書いた。
ジョージア出身とあって「優」の漢字の中にある「心」が抜ける誤字だったが笑い飛ばした。
心技体の技と体は準備万全。
何度も「気合」と繰り返し、あとは「心」を整え、平成以降では栃東、白鵬に続く3人目の新大関優勝を狙う。



18/07/07
2018.07 本場所 1日前 情報! 】
■栃ノ心
取組編成会議が6日行われ、新大関栃ノ心は初日に勢、2日目に千代の国との対戦が決まった。
また3日目以降の序盤で東前頭筆頭正代との対戦が濃厚。
直近3場所で2敗したのは横綱鶴竜と正代だけだ。
朝稽古後、正代の印象を問われると「やりづらいね。柔らかいというか、もろ差しに入るのがうまい。力抜いてるようで、スッと入ってくるんだよね」。
関脇経験のある実力者で、合口は5勝4敗とほぼ五分。
負けた取組ではケガまでした。
“天敵”へのリベンジが躍進のカギを握りそうだ。



18/07/06
2018.07 本場所 2日前 情報! 】
■稀勢の里
「必死に稽古したが、調整がうまく進まず、まだ(自分の)相撲が戻らない。自分の気持ちに納得がいかず、今場所は休場することにしました」
4日夕方、師匠に「休場させてほしい」と自ら申し出た。
この日、取材に応じた師匠も「相撲はしっかり取れるようになってきたが、まだ痛みが少しあるのではないか。稽古で自信をつけさせたい。もう一度、チャンスをもらいたい」。
苦渋の表情で弟子をかばった。
これで休場は8場所連続。
年6場所制となった昭和33年以降では7場所連続全休の貴乃花を抜き、横綱のワースト記録を更新することになった。
このまま名古屋に残り、本場所期間中も部屋で稽古を続ける意向。
関係者によると、場所後の7月29日に始まる夏巡業には初日から参加する方向で調整している。

■栃煌山
5日、新大関・栃ノ心と愛知県春日井市に置かれている同部屋で三番稽古を行った。
16番とって9勝と“勝ち越し”も、栃ノ心とは普段から稽古場での合口がいいこともあって「ぼくが(栃ノ心の相撲を)一番よく知っているので。向こうからも当たってきてくれているから」と謙虚。
それでも、立ち合いで相手に踏み込み負けしない内容には「角度がよかった」と自己採点で合格点を付けた。



18/07/05
2018.07 本場所 3日前 夕方 情報! 】
■稀勢の里
8日初日の名古屋場所を休場することが5日、明らかになった。
稀勢の里は「必死に調整してきたが、まだすもうが戻らず、休場することにした。(9月の)来場所に向け、すべてを賭けて頑張っていきたい」と話した。
これで連続休場は8場所となり、年6場所制が定着した昭和33年以降では、横綱として単独で最長となった。
休場の理由は「体はだいぶ良くなってきたが、もう一つ二つ(万全と言えるには)惜しいかなと思う。自分の気持ちに納得がいかなかった」と語る。



18/07/05
2018.07 本場所 3日前 情報! 】
■稀勢の里
4日、名古屋市東区の九重部屋へ出稽古し、平幕千代の国に9勝2敗と上々の内容を披露した。
だが注目される名古屋場所の出場は明言しなかった。
稀勢の里は3日連続の出稽古。
先場所で初の敢闘賞に輝いた千代の国の右上手投げに裏返しとなる場面こそあったが、左おっつけや左四つからの攻めが光った。
不安を抱える左大胸筋の影響を感じさせず「動きそのものに切れが出てきた。力が相手に伝わっている」と手応えを実感する。

■豪栄道
7度目のカド番を迎える大関・豪栄道が4日、三番稽古で新大関・栃ノ心を圧倒し復調を印象付けた。
「良かったです。(意識していることが)できている。自分のやることを腹に決めてやるだけ。あとはしっかり体をケアして、疲れを取って臨みたい」



18/07/04
2018.07 本場所 4日前 情報! 】
■稀勢の里
自身の誕生日の3日、名古屋市緑区に宿舎を置く宮城野部屋への出稽古を初めて敢行した。
横綱白鵬との2日連続の手合わせは実現しなかったが、プレゼント代わりのぶつかり稽古で「体のスピードが出てきた」と納得顔。
ただ、名古屋場所の出場については5日まで判断を持ち越す慎重な姿勢を崩さなかった。
三番稽古では、幕内正代を相手に11番を取り全勝だった。

■豪栄道、栃ノ心、高安
3大関が3日、出稽古先の出羽海部屋で申し合い。
豪栄道は力強く前に出る取り口が大半で11勝1敗。
左足首の不安もないようで「いい緊張感の中でやれた」と表情も明るい。
栃ノ心は5勝7敗だったが「3人で力を試して気持ちよかった」。
高安は元気なく2勝。
栃ノ心との最後の一番では地面にたたきつけられ、腰付近を痛めた。稽古後は無言だった。



18/07/03
2018.07 本場所 5日前 情報! 】
■稀勢の里
2日、名古屋市東区の九重部屋で横綱・白鵬と三番稽古を行った。
7場所連続休場中で名古屋場所への出場が不安視される中、10番で2勝8敗。腰が高く終始圧倒されたが、左四つから寄り切るなど必死に食らいついた。
偶然出稽古が重なり、声かけに応じたことで、昨年春場所前の3月8日以来、1年4カ月ぶりの白鵬との稽古が実現。
「目覚めた気がする」。
帰り際に残した短い言葉に充実感がにじんだ。
土俵を割ると「あーっ!」と悔しがり、ハツラツとした表情が戻った。

■栃ノ心
2日、愛知・犬山市に宿舎を構える出羽海部屋で出稽古を行った。
出羽海部屋の御嶽海、部屋の同僚の栃煌山、碧山と申し合いをして17勝4敗。
栃煌山相手の立ち合いで、先場所負傷した右手首に痛みが走って顔をしかめる場面もあったが、その後も9番消化してみせた。
名古屋入りし、相撲を取り始めてこの日で6日目。
立ち合いのスピード、力強さも上がってきた。
左上手で浅い位置のまわしを素早く引き、一気に寄る取り口も何番かあった。
「日に日に(内容は)よくなってますよ。右手首? 大丈夫」と大汗をしたたらせながら、満足そうに話した。

■琴恵光
宮崎県出身では44年ぶりに新入幕を果たし、地元は記念式典が開かれるなど大盛り上がり。
琴恵光は期待の声に「温かい言葉を掛けてもらい、本当に励みになっている」と活躍を誓った。



18/07/02
2018.07 本場所 6日前 情報! 】
■鶴竜
二所ノ関一門連合稽古には一門外から横綱・鶴竜が参加した。
出稽古の理由は対戦したことのない輝、先場所敗れた松鳳山がいたため。
輝との稽古では「圧力がどんなものか感じたかった」とあえて受ける相撲もあった。
踏み込む足も変えるなど、さまざま試しながら10勝1敗で終えた。

■白鵬
4場所ぶり41回目の優勝を狙う横綱白鵬が意外な悩みを打ち明けた。
28日に名古屋市緑区の宮城野部屋で稽古をした白鵬は、大型化する力士の流れの中で「軽いもんねえ。多少は(重くした方が)ね」と語った。
「何で(ほかの力士たちは)太るんだろうね。逆に太りたいよ。軽いもんねえ。多少は(重くした方が)ね」と打ち明けた。

■稀勢の里
名古屋場所を休場する可能性が、ますます高まった。
初日を1週間後に控えた1日、愛知・稲沢市の神社で土俵入りを披露したが、稽古は行わずに休養。
前日6月30日までの2日間の二所ノ関一門の連合稽古では、両日とも対戦の可能性が極めて低い幕内下位との稽古に終始し、調整遅れを露呈した。
次の出場場所では結果が求められ、今場所出場には急ピッチの調整が必要な中、ペースダウンした。
今日2日から稽古を再開するかという問いに「はい」と答えただけ。出場の可否は明言せず、足早に引き揚げた。
連合稽古後に解説者の舞の海氏は「今場所は出場を見送るのでは」と予想していたが、この日の休養で、さらに休場へと傾いたことを印象づけることになった。


元大関照ノ富士が6月25日に都内の病院で両膝の手術を受けたことが30日、分かった。
師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が明らかにした。
名古屋場所出場については明言しなかったが、極めて難しい見通しだ。
照ノ富士は左膝のけがのため、昨年11月の九州場所で大関から関脇に落ち、糖尿病も患って春場所から十両に転落した。
夏場所では左膝負傷で4日目に休場し、11日目から再出場したものの9敗6休に終わった。
幕内優勝経験者としては初の幕下転落となり、名古屋場所では東幕下6枚目まで番付を落とした。



18/06/29
2018.07 本場所 9日前 情報! 】
■白鵬
28日、名古屋市緑区内に宿舎を構える宮城野部屋で、41度目の優勝を目指し名古屋場所に向けた稽古を行った。
いつも通り、たっぷり1時間半をかけて入念に準備運動。一呼吸置いて土俵に入ると炎鵬ら幕下以下の若い衆3人を相手に7番。
その後、平幕の東前頭15枚目の石浦(28)相手に8番取った(6勝)。
立ち合いの突進、受けの稽古も通常通りに行い、3時間近い稽古を切り上げた。

■稀勢の里
28日、名古屋市内の部屋で弟弟子の大関高安(28)と連日の三番稽古で前日と同じく12番取り10勝2敗と貫禄を見せた。
途中、小手に振られ、右肘に激痛が走り顔をしかめるアクシデントがあった。
ヒヤリとさせたがその後は3連勝。
最後はぶつかり稽古で高安に転がされ泥だらけになって元気いっぱい。
稽古後は右肘に関し「大丈夫、大丈夫」と問題ないことを強調した。
初日まで10日。「しっかり一日一日意識してやるだけ」と短い言葉に決意を込めた。

■高安
28日は名古屋市西区の田子ノ浦部屋で横綱稀勢の里に2勝10敗。
右上手を許すと、あっさりと土俵を割る場面も多かった。
馬力十分の相撲を千秋楽まで取り切って、優勝争いに絡むことを常に意識している。
「もっと番数を取りたい。僕の体力が消耗してきたのが横綱に分かって、稽古をやめたんだと思う。そうさせてしまったのが、自分の課題」と浮かない顔だった。

■豪栄道
28日、愛知・扶桑町の境川部屋で出稽古に訪れた関脇御嶽海と三番稽古(同じ相手と何度も取る)で連続17番取って14勝3敗と圧倒した。
5月の夏場所では左足関節の炎症で9日目から途中休場したが、6月は巡業もなく「体もケアできた。もう痛みはない」と手応えを口にした。



18/06/28
2018.07 本場所 10日前 情報! 】
■稀勢の里
27日、名古屋市西区の田子ノ浦部屋で、番付発表後では初めて相撲を取り、本格的に始動した。
入念に四股、すり足で体を動かした後、弟弟子の大関高安を相手にした三番稽古(同じ相手と続けて取る)では10勝2敗。
右上手を引いて前に出る形が目を引いた。
それでも相撲内容には「まあまあ」と満足しておらず、調子についても「まだまだ」と口数は少なかった。

■栃ノ心
27日、愛知県春日井市の春日野部屋宿舎で、昇進後初めて関取を相手に相撲を取った。
幕内の栃煌山と16番。
夏場所終盤に痛めた右手首をかばっていたせいか、立ち合いの当たりはあまり強くなく、得意の左上手を引けない場面も。
新大関は「稽古を始めたら痛いとは言えない。落ち込んでいたらダメ」と笑い飛ばし、「少しずつやっていくしかない」と、徐々にペースを上げていく考えを示した。

■遠藤
5月の夏場所で右上腕二頭筋を断裂した人気の遠藤は27日、三重・鈴鹿市の追手風部屋で名古屋入り後、本格的な稽古を再開した。
幕内大翔丸、大栄翔ら部屋の関取衆との申し合い(勝った者が何度も取る)で11番取って5勝にとどまった。
夏場所は途中休場後に再出場。
千秋楽まで6連敗で終え「(稽古の)内容を考えている余裕はない。(負傷と)うまくつきあっていかなきゃ」とピッチを上げる。



18/06/27
2018.07 本場所 11日前 情報! 】
■稀勢の里
左大胸筋などを痛めて7場所連続休場中の横綱稀勢の里が26日、名古屋市内の田子ノ浦部屋で当地入り後の稽古を再開した。
四股、すり足、ゴムチューブを使った基礎運動後に部屋の三段目力士に胸を出し、当たりを受け止めた。
約2時間汗を流し、相撲は取らなかった。
途中休場した1年前の名古屋場所に触れ「今年こそ、という気持ちはある。しっかり稽古をして初日に元気な姿をみせられたら」と出場へ向け意欲を示した。

■高安
左上腕筋の部分断裂で先場所を全休し名古屋場所がカド番の大関高安が26日、名古屋市西区に移転した新宿舎で稽古を開始した。
三段目相手に胸を出し体の動きを確認。
立ち合いの当たりも入念に行うなど2時間、みっちり調整した。

■勢
大相撲の元関脇で東前頭2枚目の勢と、女子プロゴルフの比嘉真美子(24)沖縄県本部町出身が、今秋にも結婚することが26日、分かった。
2人の誕生日が同じ10月11日で、その前後に婚姻届を提出する予定。挙式、披露宴の日程は未定。



18/05/28
2018.05 本場所 千秋楽翌日朝 情報! 】
■鶴竜
自身初の連覇を成し遂げた。
昨年名古屋場所以来、5場所ぶりの横綱同士の対戦で、白鵬を外四つから寄り切り。
14勝1敗で2場所連続5度目の優勝を飾った。
モンゴルからは両親がサプライズで来日。
妻と2人の子供とともに喜びを分かち合った。

■栃ノ心
栃ノ心らしい相撲だった。
勢と右四つで胸を合わせ、左上手を引きつけての寄り。
大関昇進の目安、3場所計33勝を大きく上回る37勝は、3代目若乃花らに並ぶ史上最多。
結びで白鵬が鶴竜に敗れたため優勝決定戦は実現しなかったが、最後まで盛り上げた。
「ドキドキしながら(結びを)見ていましたね」。
13日目の正代戦で右手首を痛め、病院で検査すると、以前に骨折した痕が2カ所も見つかった。
「いつやったのかな。気づかなかった」。
前夜はジョージア風の鍋などを作り「料理はリフレッシュできる」。
気持ちを切り替えて千秋楽に臨み、笑顔が戻った。

■松鳳山
鶴竜に土をつけた一番を評価され、初の殊勲賞を手にした。
受賞の条件は自身が勝ち越し、鶴竜が優勝することだった。
速攻で宝富士を下して給金を直した後、結びで鶴竜が勝ったのを見届けると、「ドキドキして吐きそうだった」と言って胸をなで下ろした。

■千代の国
12勝3敗の成績を残し、自身初の敢闘賞を受賞した。
今場所は初日から白星を重ね、九日目で勝ち越しを決めていた。
この日の取組は輝を突き落としで破り、白星の数を幕内で自己最高の12に伸ばして三賞受賞に自ら花を添えた。
受賞インタビューでは「(12勝は)自分でもびっくりするくらい、いい成績なのでうれしい。今場所はしっかり当たって先手を取って動けていたし、落ち着いて相撲が取れていた。また、稽古を頑張って、万全の状態で来場所に挑みたい」と語った。

■旭大星
北海道出身として26年ぶりの新入幕だった旭大星は、素早い動きで千代丸を圧倒し、晴れて敢闘賞を受賞した。
勝てば三賞をもらえることを取組前に知っていたというが、硬くならなかった。
「負けても9番だから。気持ちいい」と自然と笑みが広がった。
かつては「相撲王国」と呼ばれた故郷の期待を背負い、連日生きのいい取組を続けた。
6月9日には芳恵夫人との挙式披露宴を控え、土俵外でも充実の日々。
「(敢闘賞の賞金は)披露宴に回す。こんなに勝てるとは思っていなかったのでうれしい」と上機嫌だった。

※阿武咲
十両は元小結の阿武咲が11勝3敗で並んだ剣翔をはたき込んで優勝した。
右膝の負傷の影響もあり十両に落ちていたが、2場所ぶりの幕内復帰が確実。

※照ノ富士
元大関で東十両8枚目の照ノ富士は、今場所を9敗6休で終えた。
来場所の幕下転落は確実だが「誰もやめるとは言ってないよ」と現役続行に意欲を示した。
再起を期し、当面は故障を抱える左膝や内臓疾患などの治療に専念する。
大関経験者の幕下転落は、昭和以降初めてとなる。
師匠の伊勢ケ浜親方は「若い(26歳)から下に落ちたからといってやめさせるとかじゃない」と説明した。



18/05/27
2018.05 本場所 千秋楽朝情報! 】
■鶴竜
綱の意地をみせた。
大関昇進を確実にし、2度目の優勝も現実味を帯びていた栃ノ心の挑戦を退け、単独トップに立った。
自身初の連覇へ大きく前進し、「そういう気持ちは抑えて集中していきたい」と静かに闘志を燃やした。

■栃ノ心
鶴竜の投げに屈すると、土俵を右の拳で一度たたき、悔しさからか、しばらく動けなかった。
千秋楽に向けて「思い切り行く」と気合を入れ直す。
阿武松審判部長は、連敗にも「評価は変わらない」と述べ、場所後の大関昇進が確実な状況は変わらないとの考えだ。

■逸ノ城
白鵬を破って給金を直した。
立ち合いですぐに左上手を取り、右をのぞかせて前へ。
「先に先にと思って出た」。
225キロの巨体で圧力を十分に伝え、最後は強引な下手投げにも乗じて横綱を投げ捨てるようにして仕留めた。



18/05/26
2018.05 本場所 14日目情報! 】
■鶴竜
1敗を守り、栃ノ心に並んだ。
立ち合い鋭く右を差し、一気の寄り。
幕内最重量225キロの逸ノ城に粘られはしたが、最後は落ち着いて腰を落とし、寄り切った。
14日目は栃ノ心との一番。
優勝と横綱のプライドをかけた戦いを前に「いつも通り集中してやるだけ」と静かに語った。

■栃ノ心
大関昇進と優勝へ、初日から破竹の12連勝中だった関脇栃ノ心が、ついに止まった。
3月の春場所で右肩を痛めた上に敗れた、因縁の前頭正代に再び黒星を喫した。
立ち合いから攻めながらも、土俵際の引き落としで逆転された。
前日12日目に横綱白鵬を破った勢いを持続できなかった。
それでも今日14日目は、1敗で並んだ横綱鶴竜と対戦。
勝って2度目の優勝に王手をかけ、勢いを再加速させるつもりだ。

■御嶽海
2場所ぶりに給金を直した。
左を差して琴奨菊の出足を止め、右も入れてもろ差しに。
小手に振られて一瞬体が離れたものの、すぐにまたもろ差しとなって元大関を寄り切った。
昨年春場所から三役を守り続け、大関候補と期待されながら、三役での最高は9勝どまり。
8勝目は通過点か、と問われると「ここからですね」と答えた。

■千代の国
佐田の海を寄り切りで下し、幕内で自己最高の10勝目を挙げた。
十三日目の取組を終えた時点で、3敗は平幕で千代の国だけ。



18/05/25
2018.05 本場所 13日目朝情報! 】
■鶴竜
自分の相撲を取り切って優勝争いに踏みとどまった。
頭で当たってから攻め続け、右前ミツを切られても構わず出て押し出した。
「相手にまわしを取らせず、自分で動いて攻めようと思った。体もよく動いていた」と納得の内容だった。

■栃ノ心
優勝争いの先頭を走る関脇栃ノ心が力の入った相撲で横綱白鵬を寄り切り、土つかずの12連勝。
過去の対戦で全敗だった横綱を26度目の挑戦で初めて破り、場所後の大関昇進に限りなく近づいた。
「がっちり(上手を)つかんだから大丈夫。力しかないんで。横綱に勝って一番うれしい。いい1勝ですね」

■正代
うまく下から攻め、うるさい松鳳山を中に入れさせずに快勝。
4日ぶりに白星を挙げ、13日目は勝ち越しを懸けて無敗で単独トップの栃ノ心に挑む。



18/05/24
2018.05 本場所 12日目朝情報! 】
■鶴竜
劣勢をはねのけて優勝争いに踏みとどまった。
小結・御嶽海の逆襲に俵に足がかかったが、右に回り込みながらはたき込み。
1敗を死守し、優勝の翌場所では初めて2桁勝利に乗せた。

■白鵬
正代を寄り切って1敗を死守した。
当たった瞬間に目を痛め、患部を手で押さえながら勝ち名乗りを受けたが、表情には充実感が漂った。
「ま、いい相撲だったけど(当たる)角度が悪かった。肩にどーんと目ん玉が当たっちゃって、最初見えなかった。温かいものも流れていたし、破裂したのかと思った。だんだん見えてきてよかった」
12日目の結びの一番では両者の直接対決が実現。
白鵬が勝てば1敗で並び、逆転のV41が現実味を増してくる。

■栃ノ心
琴奨菊を力強い上手投げで転がし11連勝。単独トップのまま、12日目の結びで、1差の白鵬との対戦が組まれた。
08年九州場所での初顔以来、25戦全敗という天敵中の天敵。
大関昇進は濃厚で、重圧からは解放された。
苦い過去を払しょくするには最高のタイミング。
「気合入ります。やってやろうという気持ち」。
白鵬の休場などもあり、対戦は昨年7月の名古屋場所が最後。
優勝を占う大一番で、成長した姿を見せるチャンスだ。
八角理事長も「(白鵬が)上手をとられたら簡単にはいかない」と栃ノ心にもチャンスありとみる。

■旭大星
十両の臥牙丸を豪快な下手投げで破り、勝ち越しを決めた。
旭大星は北海道旭川市出身。
北海道出身力士の新入幕での勝ち越しは、91年名古屋場所の大翔鳳以来27年ぶりとなった。
取組直後にはNHKのインタビュールームへ。
息を弾ませながら勝ち越しインタビューを受け「うれしいですね。心地いいですね」と振り返った。
高校までは柔道で汗を流し、道大会で優勝した経験もある。
体を開いて巨漢の臥牙丸を土俵に転がし「柔道の体落としみたいなものですね」と笑った。



18/05/23
2018.05 本場所 11日目朝情報! 】
■鶴竜
1敗を守った鶴竜はまるで敗者だった。
圧力のある琴奨菊に対して選択したのは、立って右に飛ぶ注文相撲。
はたき込んで白星こそ手にしたものの、支度部屋に戻ると「絶対にやらないと思っていたんだけど、これだったら負けた方がよかった」と反省の言葉ばかりが口をついた。

■白鵬
この日から再出場した遠藤を下して1敗を守った。
立ち合いで一気に土俵際まで追い込んだ際にいなされたが、左に逃げる遠藤をさらに追いかけ、中に潜ってきたところをいなして送り出した。
「いなされて離れた分、間をとりながらね」と余裕があった。
1差で関脇栃ノ心を追う展開に「今まで通りついていくだけです」と淡々と話した。

■栃ノ心
念願の大関へ、迫力と説得力を前面に押し出す完勝だった。
かち上げを持ち味とする千代大龍の立ち合いを、貫禄たっぷりに受け止めた。
外四つから、自身より21キロ重い190キロの相手を2度つり上げ、問題にせず寄り切り。
土つかずで10勝目をガッチリつかんだ。
立ち止まる気配は全くない。
支度部屋では「まだまだ、明日(11日目)からが大事でしょ? もっと頑張らないと」と先を見た。

■遠藤
右上腕二頭筋遠位部断裂で7日目から休場していた新小結が再出場で奮闘した。
「遠藤コール」が湧き起こる中、結びで白鵬と対戦。一気に押し込まれたが回り込み、懐に入ろうと試みた。
最後は送り出しで敗れたが、サポーターを巻いた右腕を気にするそぶりもなく取り切った。
「(声援に)応えられれば良かったが、勝負なんで。再出場でも変わらず応援していただけるのはうれしい。明日以降の励みにもなる」。
4日ぶりの土俵でファンに感謝していた。


18/05/22
2018.05 本場所 10日目朝情報! 】
■栃ノ心
危なげなく大栄翔を退けた。
負けなしの9連勝に「気持ちいいね。疲れてないよ」と笑顔を見せた。
大関昇進の目安とされる3場所計33勝にも到達。
それでも平成以降に誕生した大関は、全て昇進を決めた場所で10勝以上を挙げている。
今日の10日目は師匠、春日野親方の誕生日。
栃ノ心は「目標は2桁。あと1勝やな。勝たないと」と力を込めた。

■阿炎
204キロの魁聖を破り、4勝5敗とした。
立ち合いから225キロに次いで幕内2番目に重い相手を押し込むと、相手が押し返してきたところで引き落とした。
6日目に横綱白鵬から金星を挙げ、7日目に大関豪栄道を破ったものの、前日の中日は琴奨菊にいいところなく敗れていただけに「昨日は考えすぎちゃったから、今日は考えないようにした。(自分は)考えて相撲を取る人じゃないから」と、相手の動きをよく見て繰り出した、タイミングの良い引き技を振り返った。

■千代の国
平幕でただ一人、1敗を守る千代の国の勢いが止まらない。
2日目に黒星を喫したものの、豪風を下しての7連勝で自己最速となる9日目での勝ち越し。
4場所ぶりに給金を直し、「自分でもびっくり」と端正なマスクをほころばせた。

■安美錦
史上最高齢の39歳6カ月で再入幕を果たしたが、阿武咲に負けて負け越しが決まった。
正面からぶつかるも耐えきれず、引いてしまい押し出された。
負傷している膝の影響からか、今場所は思うような相撲が全く取れていない。
それでも「しっかり当たってどんどん押していこうと思った」と言い訳はしない。
両膝のテーピングの量が、負傷具合を物語っているが「やめることは簡単なこと。いつでもやめられる。しっかり向き合って今できることをやる。まだまだできることがあるから頑張ります」と、これからも土俵に上がり続ける。

※遠藤
10日目の22日から再出場することになった。
結びで白鵬と対戦する。
6日目の御嶽海戦で右腕を負傷。
「右上腕二頭筋遠位部断裂」との診断書を提出し休場していた。
師匠の追手風親方は21日、「20日の夕方に稽古をして、今朝(出場を)決めた」とコメント。
痛みや違和感は残るが、遠藤自身の希望もあり、手術をせずに再出場することが決まった。



18/05/21
2018.05 本場所 9日目朝情報! 】
■豪栄道
夏場所9日目の21日から休場することが決まった。
師匠の境川親方が明らかにした。
豪栄道は8日目まで3勝5敗で、再出場して勝ち越さなければ名古屋場所は7度目の大関かど番となる。
9日目の対戦相手、逸ノ城は不戦勝。

■栃ノ心
大関昇進を目指す栃ノ心は逸ノ城との関脇同士の対戦を力強く寄り切り、8戦全勝で勝ち越しを決めた。
力と力の激突を楽しむように、栃ノ心が攻めまくった。
右四つがっぷりから逸ノ城につられても、まったく動じない。
右下手からの投げで揺さぶり、もろ差しに持ち込んで危なげなく寄り切り。
48秒に及んだ濃厚な真っ向勝負を制し、無傷で勝ち越しを決めた。
「勝ち越しが目標じゃないからね。これからが大事」。
自身初のストレート給金も、まだまだ通過点。
そう言い切るだけの充実感を支度部屋で漂わせた。

■千代の国
平幕でただ一人1敗を守る。
「意識は特に変わらない。一番一番、しっかり集中できている」と実感を込めて。



18/05/20
2018.05 本場所 中日朝情報! 】
■栃ノ心
不戦勝で7連勝。
自身もけがで苦しんだ時期があるだけに遠藤を気遣いつつも「大きいよね」。
大関昇進が懸かる場所での1勝の重みをかみしめた。
支度部屋では普段通り入念に四股を踏むなどして汗を流し「気持ち的にね。やることを変えたくなかった」と緊張感を保った。
ストレート給金を懸けた8日目の逸ノ城戦へ「ここ3日は元気がなさそうだけど重いから」と気を引き締めていた。

■大翔丸
1敗を守った。
立ち合いで貴景勝の圧力に負け、いったん後退したが、土俵際で踏ん張った。
そこから逆襲に転じ、右からの強烈な突きで一気に形勢を逆転。
吹っ飛んだ相手を押し出した。4連勝で区切りの幕内100勝目を挙げた。

■阿炎
豪栄道を破って、上位陣を連破。
もろ手で大関の出足を止めると、すかさず思い切りの良いはたきを決めた。
「相手が当たってくるのを感じた。落ち着いていた」。
6日目に白鵬を押し出して金星を挙げたのに続いて、土俵を沸かせた。

※遠藤
ようやくつかんだ新三役の場所で、昨年の名古屋場所以来、5度目の休場となった。
7日目の19日に「右上腕二頭筋遠位部断裂で今後約3週間の加療を要する見込み。治療方針決定後に治療期間が変更になる可能性あり」との診断書を相撲協会に提出。
師匠の追手風親方は「この部分を完全に断裂しているのは3%くらいらしい」と、極めて珍しい部位の負傷であることを明かした。



18/05/19
2018.05 本場所 7日目朝情報! 】
■白鵬
自身19個目の金星を配給した。
初顔合わせの前頭2枚目・阿炎を相手に、立ち合いの喉輪でのけ反るとそのまま後退。
一方的に敗れて初黒星がついた。

■栃ノ心
大関とりの栃ノ心は初顔合わせの豊山に土俵際まで押されたが、振り払うような突き落としで白星を拾った。
ヒヤヒヤの内容で初日から6連勝を決め、開口一番「焦った〜」。
白鵬、正代が敗れて単独トップに立ったが、その質問には左手を左右に振って無言。
平常心をアピールした。

■遠藤
7日目の19日、日本相撲協会に休場を届け出た。
新三役となった今場所、6日目までで3勝3敗だった。

■阿炎
自慢の長い手を伸ばす突き押しにスピード。
すべての武器を生かし、白鵬にぶつかっていった。
立ち合いで鋭く踏み込むと、左上手でまわしを許す前にもろ手突き。
頭もつけて突進を緩めず、横綱に何もさせずに押し出し、初金星をもぎ取った。

■旭大星
2日目から5連勝。
関脇経験もある碧山の突き押しを受けて後退したが、右へ左へと回り込んで圧力をかわし、右上手に手が掛かると勝機を逃さずに出た。
「あれだけ逃げ回って勝てた。調子が悪いと押し出されている。体がよく動いている」と振り返った。



18/05/18
2018.05 本場所 6日目朝情報! 】
■栃ノ心
大関昇進を狙う栃ノ心が観客をうならせる力強さを見せ、無傷で序盤戦を終えた。
体重204キロの魁聖に頭をつけて両まわしをがっちり取ると、引き付けながらじりじりと寄り立て何もさせなかった。
「動き、良いんじゃないですか」と語る顔は、自信に満ちあふれていた。

■遠藤
つぶれて乱れきった遠藤のまげが激闘を物語っていた。
度重なるけがを克服して初の三役に昇進した小結が、17場所ぶりに関脇に返り咲いた逸ノ城を大熱戦の末に破った。
八角理事長が「うまく取った」と評した一番に拍手は鳴りやまなかった。

■旭大星
新入幕の旭大星が返り入幕の佐田の海を引き落としで破り、4勝目を挙げた。
立ち合いから佐田の海に突っ張り続け、土俵際を回りながらこれをかわしていくと、最後は突っ込んでくる佐田の海を引き落とした。
花道を引き揚げてきた旭大星は「回り込めてよかった」と、ほっと一息。
序盤5日間で4勝も「体は動いているんですけど、攻める相撲が少ないことがここからの課題です」と言い残し支度部屋へ帰っていった。

■安美錦
昭和以降では最年長となる39歳で再入幕を果たした安美錦が、ベテラン対決を制して初白星を挙げた。
1歳下の豪風がつっかけた後の立ち合い。
「思い切って何でもやろう」と開き直り、当たると同時に手を首の後ろに掛けて手前に引き落とした。



18/05/17
2018.05 本場所 5日目朝情報! 】
■白鵬
横綱、大関陣で唯一4連勝の白鵬は、体が動いてきた。
体重204キロと関取では2番目に重い魁聖に対し「相四つだから前みつを取るか、差されないようにと考えていた」。
立ち合いで右を差し左上手を取ると、素早い出し投げで魁聖を土俵に転がした。
目の前で鶴竜が敗れただけに、横綱として「締めなきゃいけないという思いはある」と白鵬。
2場所連続で休場し土俵勘が戻っているか心配されていたが、問題なさそうだ。

■栃ノ心
実力者の御嶽海に何もさせなかった。
鋭く踏み込んで左上手を取ると、右からは強烈におっつけて休まず寄り立てた。
大関昇進が懸かる場所で内容の伴う4連勝スタート。
「ここまで悪くないでしょう。やっぱり気持ちが大事」と上機嫌で話した。
左脚の付け根に不安を抱えながら臨んだ先場所は恐怖心もあって厳しい立ち合いがなかなかできなかった。
「今場所は当たれているからね。自信が増している。勝てるイメージしかない」と強気に言い放った。

■正代
勢との3連勝同士の一番を制した。
激しい差し手争いの末、右を差された。
相手得意の体勢になってもまわしは与えず、つかんだ左上手を引き付けて力強く寄り切った。
「(立ち合いでは)相手の右を入れさせないようにした。最後はすくい投げを警戒しながら出た。体が動いている」と振り返った。
三役返り咲きへ好発進を決めても、「まだ上位と当たっていないので」と気を緩めることはなかった。

■松鳳山
2場所連続制覇を目指す横綱鶴竜を押し倒して自身5個目の金星を挙げた。
17年10月に倒れ、頭部を手術した師匠の二所ノ関親方が順調に回復。
場所前にゲキを飛ばされ、師の教え通り、一歩も引かず気迫の今場所初白星となった。

■旭大星
北海道出身として26年ぶりの新入幕を果たした旭大星が奮闘している。
錦木を下して2日目からの3連勝に「体が動いている」とにっこり。
28歳の道産子が国技館、そして地元の好角家を大いに沸かせている。
「捕まったら勝てないので動いていこう」という狙い通りの相撲だった。
立ち合いで力強く踏み込んで主導権を握り、いなして相手のバランスを崩す。
休まず攻め立てて最後は押し倒し。
「立ち合いから流れがよかった」と自画自賛した。


元大関で東十両8枚目の照ノ富士が16日から休場した。
左膝外側半月板損傷で「夏場所の休場を要する」との診断書を提出。
再出場しなければ名古屋場所での幕下への転落が濃厚となる。
師匠の伊勢ケ浜親方は「まずは痛みを取ること。それができれば再出場も考えたい」と話した。


貴ノ岩への傷害事件で昨年11月に引退した元横綱・日馬富士の断髪式が9月30日に両国国技館で開かれることになった。
伊勢ケ浜親方が16日に明らかにした。



18/05/16
2018.05 本場所 4日目朝情報! 】
■白鵬
圧巻の強さを見せつけた。
立ち合いで一気に押し込み、松鳳山にいなされても反応良く押し出した。
1秒6で仕留め「体が動いている」と納得の表情。

■栃ノ心
「ライバル」と認める玉鷲に快勝した。
強烈な突きに一歩も引かず、攻め込みながらのはたき込み。
「下がらなかった。よく攻めましたね」と自画自賛した。

■逸ノ城
関脇に返り咲いた逸ノ城が命拾いした。
大栄翔との一番は「取り直しかと思った」と振り返った物言いがつく勝負。
我慢し切れず、相手の頭が下がったところでまともに引いて、ずるずる後退させられたが、左足が土俵の外に出るより大栄翔の手がつくのが早く、軍配通りとなった。
3連勝の好スタートにも「悪い癖が出ている。繰り返さないように、あしたこそ前にいく」と反省しきりだった。

■遠藤
成長を印象付ける一番で満員の館内を沸かせた。
豪栄道を終始攻め続けての快勝。
連勝で白星も先行させ、「気持ちよかった」。短い言葉にも実感がこもった。
前傾姿勢を崩さず、圧力をかけ続けた。
たまらずはたいて回り込む相手に、しっかり足を運んで逃がさないように対応。
最後はのぞいた右で間髪入れずに肩透かし。
場所前に連日胸を借りた大関に最高の形で恩返しを果たした。

■御嶽海
初顔の阿炎を圧倒。
突いてからのいなしが武器の新鋭を正面に置いて攻め続け、豪快に押し倒した。
「相手が逃げているのが見えている。体は良いと思う」と自信たっぷりに話した。



18/05/15
2018.05 本場所 3日目朝情報! 】
■白鵬
2場所連続休場から復帰の白鵬が冷や汗をかかされた。
「合わなかった」という立ち合いで御嶽海をつかまえられず、呼び込んで防戦一方に。
それでもうまく回り込みながら最後は上手投げで窮地を脱し、「体は動いている」と冷静に振り返った。
万全の四つ相撲をみせられずにいるが、白星を拾いながら鈍っている相撲勘を取り戻したいところだ。

■栃ノ心
初顔の阿炎を寄せ付けず、節目の通算500勝目を挙げた。
もろ手突きを受け止め、突っ張り合いに応じながらまわしをつかんで寄り切った。
落ち着いた相撲に「初日より今日の方が良かった。引かれても、足が出るようにだけ気をつけた」と胸を張った。

■遠藤
はたいて豊山に土俵際まで追い込まれると、猛然と突き押しに応戦。
相手が前のめりになった瞬間に引き落とし、新三役初白星をもぎ取った。
大歓声と拍手を背に引き揚げた支度部屋では、いつも通り目をつぶったまま。
相撲内容については「勝ったのでうれしいです」とボソリ。
自己最高位の新小結での1勝目にも「特にいつもと変わらない」と表情を変えなかった。

■旭大星
14日、北海道出身としては1992年初場所の立洸以来26年ぶりの新入幕を果たした旭大星が安美錦相手に幕内初勝利。
同じ伊勢ケ浜一門に所属し「若い衆のころから教えてもらった相手。うれしいです」と破顔した。


ロシア出身元幕内の阿夢露が14日、両国国技館で会見し、引退を発表した。
左肩の筋断裂で「力が出なかった」と引退を決意。
在位9場所で最高位は東前頭5枚目だった幕内時代を「本当に幸せだった」と振り返った。
新十両だった12年初場所の右膝負傷で序二段まで番付を落としたが、外国人では戦後最も遅い所要74場所で14年九州場所新入幕。
師匠の阿武松親方は「こつこつやって辛抱する部屋の手本だった」と労をねぎらった。
今後は「勉強してスポーツトレーナーになりたい」と、目標を語った。


昨年11月に大相撲の貴ノ岩に対する傷害事件の責任を取って現役引退した元横綱・日馬富士のダワーニャム・ビャンバドルジ氏9月30日に東京・両国国技館で引退相撲を開催することが14日、分かった。
師匠だった伊勢ケ浜親方が明らかにした。



18/05/14
2018.05 本場所 2日目朝情報! 】
■鶴竜
連覇を狙う鶴竜が新三役の遠藤を危なげなく退けた。
春場所は右手の指を痛めたままの出場ながら13勝で優勝し、一人横綱の責務を果たした。
今場所前は順調に稽古をこなし準備は万全だが「だからといって(本場所で)良いとは限らない」と語る。
好発進にも表情を引き締めた。

■白鵬
玉鷲を危なげなく退け、白星発進した。
左で張って攻め込み、相手との距離ができた中盤は両腕を広げて「さあ来い」のポーズ。
冷静に動いて怪力を仕留めると、「張り差しから形をつくっていった。
(途中)多少、間があったけど前に出られていい相撲」と納得の表情を見せた。

■栃ノ心
大関獲りがかかっている栃ノ心が松鳳山をつりからの寄りで下し、順調なスタートを切った。
先場所痛めた右肩も、不安を感じさせなかった。

■御嶽海
前頭三枚目の大栄翔に押し出しで勝ち、四場所連続で白星スタートを切った。

■安美錦
錦木の押しに屈し、高見山に並ぶ歴代3位の幕内在位97場所目の初日を白星で飾れなかった。
自身が持つ昭和以降の再入幕最年長記録を39歳6カ月に更新し、2場所ぶりの幕内復帰。
「とにかくけがなく終われるように、一日一日頑張りたい。その日その日をしっかりやる」。
再スタートへの抱負を述べた。


貴乃花親方が新たな役職の審判を務めた。
3月28日の職務変更で審判部配属となり、序二段と幕下上位、十両の取組で目を光らせた。
十両では貴ノ岩、貴源治が白星を挙げたが、「勝負ですから。集中しなければいけない」と弟子の勝利にも心は揺れ動かなかった。



18/05/13
2018.05 本場所 初日朝情報! 】
■鶴竜
初の2場所連続優勝のかかる鶴竜が12日、優勝額贈呈式に出席した。
「あらためて実感がわきます。身が引き締まる思い。毎回ここ(贈呈式)に立つようにという気持ちになる」。
過去3度の優勝翌場所はいずれも10勝に届かなかった。
昨年九州場所で痛めた右手薬指には「ケアしながらやっていくしかない」と不安が残るが「状態的にはよく来ている。場所で流れをつかみたい」と話した。

■白鵬
2場所連続休場から復活を目指す白鵬が、7場所連続休場の稀勢の里の分まで横綱の責任を背負い土俵に上がる。
12日の土俵祭り後、稀勢の里休場について「その分、頑張りたいなと思う。託されたというのかな」としみじみ。
「ケガというのは目に見えないもの。横綱というのは休める地位。完全に治してからね」とエールを送り、3場所ぶりの優勝へ「千秋楽までやり切るだけ」と気合を入れた。

■栃ノ心
大関とりのかかる関脇栃ノ心は12日、同所で土俵祭り、初優勝を飾った初場所の優勝額贈呈式に出席した。
優勝額は国技館の天井四方に飾られる。
13年初場所以降の優勝力士による32枚の中の1枚だけに「夢でした」と大感激。
もう1人の自分の前で大関とりの条件になりそうな10勝以上、そして2度目の優勝を狙う。

■遠藤
新三役の小結遠藤が12日、三役以上の力士だけが出席する土俵祭りに初めて参加した。
休場の稀勢の里、高安を除く7人の末席に加わり、神妙な面持ちで、土俵を清める神事を見守った。
「気が引き締まります。いいもんですね」。
初日は鶴竜を相手にいきなり結びの一番で相撲をとる。
「頑張ります」と短い言葉に力を込めた。


ニッカンスポーツ・コムは、大相撲夏場所初日の限定生放送を実施します。
インターネットテレビ局の「AbemaTV」が提供する次世代中継を、
取組速報ページ(https://www.nikkansports.com/battle/sumo/score/)で放送します。
視聴の対象は、幕内開始の「錦木−安美錦」から「栃ノ心−松鳳山」まで。
以降はAbemaTVにて、登録不要の無料視聴が可能です。



18/05/12
2018.05 本場所 1日前情報! 】
■白鵬
10日は友綱部屋で、夏場所前最後となる出稽古を行い、先月9日に76歳で死去した父ジジド・ムンフバト氏に思いをはせた。
「千秋楽は四十九日ですから、その日にいい報告ができたらいいですね」。
この日は魁聖や新入幕の旭大星らを相手に13番。
2場所連続休場中の横綱は、勢いのある力士を圧倒して相撲勘を戻した様子。
だが、その一方で、「状態はちょっとオーバーワーク。稽古しすぎたところがあるかも」と疲労感を口にした。
「幕内1000勝を目指して、優勝も目指したい」と自らに言い聞かせるように話した。

■御嶽海
10日、夏場所に向け、4日から行われた同じ一門の春日野部屋との連合稽古を終えた。
大関昇進が懸かる関脇栃ノ心ら幕内3人と胸を合わせ、一日十数番をほぼ連日取り続けた。
2場所ぶりの勝ち越しを目指し、「体も引き締まり、仕上がりは良い」と語った。


元幕内で西幕下23枚目の大岩戸が11日、日本相撲協会に引退届を提出した。
同日、両国国技館で会見し、「やり切ったという、スッキリした気持ち。あちこちケガをして年とともに治りにくくなった。終わるタイミングかなと思いました」と晴れやか。
今後は神奈川県内で会社員として働くという。
師匠の八角親方は「培ったものを生かしてくれたら」とねぎらった。



18/05/11
2018.05 本場所 2日前情報! 追伸 】
■高安
初日から休場することが決まった大関高安が11日、都内の部屋で報道陣に対応した。
高安は7日の二所ノ関一門の連合稽古で、前頭豪風と2番取ったところで左上腕を痛めており、この回復が遅れて休場になった。
師匠の田子ノ浦親方によると「(筋肉が)部分断裂している」という。



18/05/11
2018.05 本場所 2日前情報! 】
■白鵬
2場所連続で休場していた横綱が10日、堂々の41回目優勝宣言だ。
場所前最後の出稽古となった10日は友綱部屋へ。
魁聖、宝富士、新入幕の旭大星、誉富士を相手に13番全勝。
「いろんな関取衆と稽古できた。その中で改めて場所前の意気込み、戦う姿勢、そういったものを考えていかないといけないと勉強になった」と3場所ぶりの出場へ自らを戒めた。

■稀勢の里
初日から休場することが11日、決まった。
師匠の田子ノ浦親方が同日朝に電話で話し合い、昨年春場所中に痛めた「左大胸筋」の負傷で「(治療には)1カ月くらいかかる。激しい運動はできない」と説明。2場所連続で全休することになった。
横綱の7場所連続休場は、年6場所制が定着した昭和33年以降、貴乃花と並んで最長となる。

■高安
左上腕付近を痛めている大関高安は10日、部屋で三段目力士に胸を出すなどして調整。
仕上げのぶつかり稽古で転がった際に再び患部に痛みを感じたようで、顔をしかめた。
だが、稽古後は問題ないことを強調し「もちろん(場所に)出る気持ちでやっている。しっかりと治療をして、いい方向にいくように努力する」と前向きに話した。

■栃ノ心
初の大関とりへ順調に稽古を積んできたが、場所前最後となった10日の出稽古では精彩を欠いた。
出羽海部屋へ出向き、小結御嶽海や平幕栃煌山らと9勝8敗。
まわしが取れず、中に入られて一方的な寄りに敗れる場面もあり「今日は悪い稽古だな。忘れるしかない」と首を振った。
右肩の痛みが尾を引いているようだが、目前に迫った場所へ「気持ちで取るしかない」と精神面を強調した。

■栃煌山
10日、出羽海部屋で合同稽古を行い、栃ノ心に7勝4敗、碧山に4勝1敗、御嶽海に3勝0敗と好調を印象づけた。
かつて三賞を6度受賞した31歳も最近4場所で負け越し。
番付は前頭15枚目まで下がった。
初場所で左胸を負傷した影響で苦しい戦いが続いていたが「痛みは全くない。もう大丈夫です」と明るい表情を見せた。
春巡業では稀勢の里、高安らと三番稽古を行い互角の星取り。
部屋に戻ってからは傷が癒えたことで「日に日に良くなっている」と手応えを得ている。



18/05/10
2018.05 本場所 3日前情報! 】
■稀勢の里
9日、全体の稽古終了後、幕が下ろされてからも稽古を続け、四股やすり足、立ち合いの確認などで約2時間、汗を流した。
夏場所を4日後に控えるが、仕上がりについては「どうだろう。まだ分からない」と、トーンは上がらなかった。
三役以上の申し合いで3勝5敗だった3日の稽古総見以降、精彩を欠く稽古が続き、親方衆らから調整遅れを指摘されていた。
夏場所出場可否はこの日も本人は明言しなかったが、師匠の田子ノ浦親方は「もう少し話して体調を見て」と話し、今日10日にも決断する見通しだ。

■高安
9日、都内の部屋で調整した。
若い衆のぶつかり稽古に胸を出し、立ち合いの強い当たりも何度も試した。
7日の二所ノ関一門の連合稽古で左上腕部を痛めた。
番付発表後には右肩を2度痛めるなど、出場が不安視されたが患部の回復は順調で出場に問題はない様子だった。

■栃ノ心
大関獲りが懸かる栃ノ心は、出羽海部屋で御嶽海らと申し合いを行い7勝2敗だった。
痛めている右肩の大事を取って9番で切り上げたが、低い重心から寄る充実の内容。
「足も腰も大丈夫。下半身に不安がないことは大きい」と明るい表情を見せた。
稽古を見守った春日野親方も「大丈夫です。いい感じできている」と目を細めた。

■逸ノ城
9日、3年ぶりに関脇に復帰した逸ノ城が時津風部屋で出稽古を行い白鵬に4勝2敗と勝ち越した。
一時は197キロまで落ちた体重は225キロと自己最重量を更新。
重いだけではなく相撲のうまさも光る。
夏場所では大関獲りへの足固めを狙う。
白鵬は「ただ重いだけじゃない。うまくなっている。立ち合いの圧力もある」と成長を認めた。
白鵬との稽古以外には幕内・正代らと16番取り全勝だった。



18/05/09
2018.05 本場所 4日前情報! 】
■白鵬
伊勢ケ浜一門連合稽古が伊勢ケ浜部屋で行われ、白鵬が好調をアピールした。
前頭筆頭の魁聖らと13番取って全勝。
十両・照強は「人類最強。水風船というかゴムみたいな体で、はじかれて気づいたら土俵外だった」と驚いた様子だったが、横綱は「(調子は)まあまあ」と平然。

■稀勢の里
8日、二所ノ関一門の連合稽古が佐渡ケ嶽部屋で行われた。
左大胸筋などのけがで6場所連続休場中の稀勢の里は、平幕の琴奨菊との相撲を16番取った。
だが、馬力が身上の大関経験者に一方的に攻められ、夏場所出場に不安を残した。
琴奨菊の低く鋭い立ち合いに終始劣勢。
懐に入られて上体も起こされ、何度も土俵を割った。
攻めも左で差しに行くか、右で上手を狙いに行くのかが中途半端。
「まあ、また、やるだけ。また、これから」と言葉少なに稽古場を後にした。

■遠藤
初めての三役で迎える遠藤が時津風部屋で出稽古を行った。
鶴竜と2日続けての三番稽古を行い、2勝15敗に終わったが最初の1番で勝利。
本人は「(7日と)あまり変わっていない」と答えたものの、立ち合いから押して仕留めきるなど収穫はあった。
前日と比べて横綱を追いつめる場面も増え「しっかり自分の相撲を取ることだけ考えていました」とこの日の課題を明かした。
初日の対戦が有力視される鶴竜との稽古については「いいんじゃないですか」とコメント。
「体調はこれからよくなっていくんじゃないかな」とし、今後の出稽古は「体と相談する」と短く話した。



18/05/08
2018.05 本場所 5日前情報! 】
■鶴竜
自身初の2場所連続優勝を目指す横綱鶴竜が7日、時津風部屋に出稽古した。
遠藤や十両隆の勝らと19番取って18勝。
「ほぼ大丈夫って感じ。でも稽古してマイナスにはならないから続けてやっていく」と充実感をにじませた。

■稀勢の里
1週間を切った7日、尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。
嘉風との三番稽古(同じ相手と何度も取る)で連続9番取って全勝だった。
だが、見守った芝田山親方や大相撲解説者・舞の海秀平氏は、6場所連続休場からの再起に懐疑的な見方を示した。
「(本場所で)復調をみせる内容じゃない。このままの稽古では(出場は)厳しい。番数が少なすぎるし、10人以上の関取がいるんだから、片っ端から回してやるくらいじゃないと」

■高安
7日、尾車部屋で行われた二所ノ関一門による連合稽古で左上腕付近を負傷した。
先場所まで2場所連続12勝の高安は右肩も痛めており、初優勝が期待される夏場所へ不安が増す事態となった。
豪風との稽古の2番目で右からおっつけられた際に痛みを訴え、稽古を切り上げて患部を冷やす処置をした。
8日も連合稽古が予定されており、高安は「頑張ります」と参加する意向を示した。
ただ師匠の田子ノ浦親方は「音がしたと言っていた。様子を見てみないと分からない」と心配そうな表情だった。

■遠藤
5日、境川部屋に出向き、豪栄道と21番取った。
立ち合いで圧力負けする内容が目立ったものの、左が入れば攻め返していけた。
2日連続の出稽古で大関と手合わせし「こんなにやれたのは久しぶり」と充実した表情。
豪栄道は遠藤の印象を「前はうまさだけだったけど、全体的にパワーがついている」と述べ、成長を感じ取っていた。

■栃ノ心
4日、春日野部屋に出稽古に来た稀勢の里と三番稽古を行い、大関昇進を期待させる相撲で稀勢の里を圧倒した。
迷いのない力強く踏み込んだ立ち合いと、左右どちらで組んでも苦にしない器用さで9勝。
土俵中央で四つに組み合っても、強引に寄り切ってパワーの違いを見せつけた。
「もっと強く当たりたい。右肩が気になった」と春場所で負傷した右肩に不安があるというが「痛くてもこれぐらいできるから大丈夫」と自信をつけた。

■安美錦
3日、稽古総見で関取最年長の安美錦はぶつかり稽古で妙義龍に胸を貸し、元気な姿を披露した。
館内から大声援を受け、「本当にありがたい。この声援を力に変えたいね」と笑った。
十両に転落した先場所、勝ち越して昭和以降では最年長となる39歳6カ月で再入幕を果たした。
百戦錬磨のベテランは「いつも通りの相撲を取って力を出せたらいい」と自然体を貫く。
明治以降、幕内力士を輩出し続ける都道府県は青森だけ。
右脚のけがの影響で十両に落ちた阿武咲、弟弟子の誉富士の同郷2人の幕内復帰を祈り「みんなで盛り上げたい」と語った。



18/03/27
今日のニュース 】
■八角理事長の続投決定
日本相撲協会は26日、東京都墨田区の両国国技館で新たに選任された親方の理事10人が出席した新理事会を開いて理事長を互選し、現職の八角理事長の続投を決めた。
無投票とみられる。
任期は1期2年。
新理事会に先立って評議員会が開かれ、2月の理事候補選挙で当選した親方10人の理事選任を決めた。

■池坊保子氏、評議員会議長退任の意向
日本相撲協会評議員会の池坊保子議長は26日、議長を退任する意向を示した。
「4年間務めたし、来期は別の方がいい。(今後は)自由な評議員としてお話しできるかな」と語った。

■愛知県体育館「ドルフィンズアリーナ」名称変更
愛知県は26日、大相撲名古屋場所の会場として使用されている愛知県体育館の命名権(ネーミングライツ)について、バスケットボール男子Bリーグの名古屋を運営する名古屋ダイヤモンドドルフィンズ株式会社と契約を結ぶことで合意し、4月1日から「ドルフィンズアリーナ」に名称変更すると発表した。
契約料は年間2500万円で、期間は3年間。

■元十両の琴弥山が引退
日本相撲協会は26日、元十両の琴弥山の引退を発表した。
1999年春場所初土俵。 史上4番目の遅さとなる85場所をかけて2013年名古屋場所に新十両に昇進し、十両を2場所務めた。



18/03/26
2018.03 千秋楽 翌日 朝情報! 】
■高安
相手に軍配が上がった鶴竜との取り直しの一番で持ち味を発揮。
圧力を生かして一気に寄り切り、「気合を入れていった。横綱に勝つと負けるとではだいぶ違う」と一息ついた。
先場所に続いて12勝を挙げたものの、連敗スタートが響き、「優勝争いに絡めるようにしたい」と反省。
「稽古が足りなかったかもしれないし、場所への体の持っていき方をもう少し考えないといけない」と述べ、初賜杯への課題を口にした。

■栃ノ心
逸ノ城を降して10勝目を挙げ、大関取りの足固めに成功した。
2場所連続の殊勲賞も受賞。
大関昇進がかかる来場所へ弾みをつけた。
先場所は14勝1敗で初優勝しており、八角理事長は「当然、来場所はそうなる」と、夏場所が大関取りとなる認識を示した。

■遠藤
左四つの相撲が評価されて2度目の技能賞。
松鳳山に押し出され、2桁白星には届かなかったが「勝ち越しは、勝ち越しなので」と、いつも通り淡々と語った。
来場所は新三役が確実。
「特別なことはなく、いつも通り。変わらずに一生懸命やっていきたい」と平常心を強調した。


東十両2枚目の安美錦が西前頭15枚目の妙義龍をはたき込みで破り、千秋楽での勝ち越しを決めた。
初場所は右膝負傷で6日目から3日間休場して十両に落ちていたが、自身の記録を更新する昭和以降最年長の39歳6カ月での再入幕が確実となった。
「思い残すことはないんじゃないか。毎日最後だと思って上がっている。つながるというのはありがたいこと」と表情を緩めた。


西十両筆頭で北秋田市出身の豪風は9勝目を挙げた。
1月の初場所で負け越して十両に転落したが、今場所の結果により、1場所での幕内復帰を確実にした。



18/03/25
2018.03 千秋楽 朝情報! 】
■鶴竜
豪栄道を下して8場所ぶりの優勝を決めた。
度重なる故障を乗り越えて決めた4度目の優勝に、「一番よかったのは折れずにチャレンジできたこと」と感慨深げに口にした。
豪栄道に低く踏み込まれ、こらえきれずに引き技に頼る。
何とか土俵際で踏みとどまってはたき込み「相撲は最悪だった」と苦笑しつつ、「何が何でも(優勝)という気持ちだった」と振り返った。

■遠藤
10日目から5連勝で9勝目。
来場所の新三役昇進が大きく近づいた。
報道陣とは、相変わらず木で鼻をくくったようなやりとりに終始したが、観客からは一段と大きな声援を集めそうだ。


左足親指の負傷で大相撲春場所を休場した横綱白鵬が、4月1日開始の春巡業に最初から参加する見通しとなった。
師匠の宮城野親方が24日、明らかにした。
同親方は「少しずつ力が入るようになってきた。本人も初日から巡業に出ると言っている」と話した。



18/03/24
2018.03 14日目 朝情報! 】
■鶴竜
13日目、12日目に連勝が止まったが敗戦のショックを引きずらず、1敗をキープ。
立ち合いで低くぶつかってきた魁聖を引いて土俵に両手をつかせ、「切り替えはできた。また初日の気持ちでいこうと思った」と冷静だった。
14日目は豪栄道戦の前に優勝が決まる可能性もある。
「そういうことを考えると良くないので、自然体で。平常心」。
欲を見せずに集中力を保つ。

■高安
合口の良い豪栄道との大関対決を制した。
突いて出て、さがりをつかんで食い付こうとした相手をタイミング良くはたいた。
優勝の可能性は残したが、トップの鶴竜とは2差のまま。
「しっかりあしたの相撲の準備をして、ベストを尽くしたい」と淡々と話した。

■遠藤
前頭筆頭で勝ち越しを決め、新三役へさらなる歩みを進めた。
過去3度の前頭筆頭ではいずれも負け越していたが、「4度目の挑戦」で初の給金直し。
「目の前の相撲に集中してやった結果。またあしたも集中してやるだけです」と一喜一憂せず、千秋楽まで気を緩めないつもりだ。



18/03/23
2018.03 13日目 朝情報! 】
■栃ノ心
初日から11連勝だった鶴竜に土をつけた。
大きな1勝で勝ち越しを決め、横綱の13日目の優勝決定も阻止。
来場所での大関獲りの足固めも進んでいる。

■遠藤
悲願の新三役にあと一歩と迫った。
1敗だった魁聖を下し、前頭筆頭では自身初の7勝目。
「集中してやるだけだった。白星は白星なので」とクールな表情を貫いた。

■千代丸
高安から初白星を挙げて、2大関を撃破した。
180キロの高安を、両手で突き起こして慌てさせた。
それでも左上手を許して振られ、土俵際に追い込まれたが、うまく体勢を入れ替えて突き落とした。
「今日も思い切り前に攻められた。当たろうと思っていた」とシンプルな考えが功を奏した。


蒼国来が12日目の22日、休場届を提出した。
11日目の取組で右足甲の骨折などで「全治2カ月」と診断された。
2016年春場所以来4回目の休場。



18/03/22
2018.03 12日目 朝情報! 】
■鶴竜
逸ノ城を寄り切って11連勝。
関取最重量の215キロを誇る逸ノ城に押し込まれ、相手得意の右四つを許して館内がざわめいたが「むしろ、そこでもっと良い体勢になれた」。
相手が力任せに寄って棒立ちになった瞬間に、左上手を切って形勢逆転。
右で前まわしを引き、力強く寄り切って全勝を守った。

■高安
強烈な立ち合いで栃ノ心を下し、三日目から9連勝で、優勝争いに踏みとどまった。
立ち合いから持ち味である強烈なかち上げを見せると、そのままの勢いで一気に土俵際まで詰め寄った。
踏みとどまったかに見えた栃ノ心だったが、かかとが土俵の外に出ていた。

■魁聖
貴景勝の休場により、不戦勝で10勝目を挙げた。
幕内での2桁勝利は2016年春場所以来2年ぶり。
10日目の逸ノ城戦で疲労が蓄積したようで「いい休みになった。パワーを使って筋肉痛」と冗談交じりに笑顔を見せた。


貴景勝が11日目の21日、「右足部挫傷で疼痛(とうつう)著明であり、約6週間の安静を要する見込み」との新たな診断書を日本相撲協会に提出して休場した。
当初は「右足内側打撲傷で3週間の安静、休養が必要」の内容だった。



18/03/21
2018.03 11日目 朝情報! 】
■鶴竜
10日目、まわしをしっかりつかんで2場所連続の10連勝。
相手のもろ手を警戒し張ってから右四つになり、危なげなく寄り切った。
指を痛めた右手の状態は「ぼちぼち」で、単独トップで中盤を終えても「まだあと5日間ある。余裕と思っちゃいけない」と慎重な口ぶりだった。

■高安
正代を立ち合いではじき、左の喉輪で上体を起こすとまわしを取らせない。
突き押しで前に出て一気に押し出し、8連勝で勝ち越し。
終盤戦での追い込みの準備は整った。
「しっくりくる当たりじゃなかったけど、二の手、三の手がしっかり伸びましたね。今日みたいな相撲をイメージして、前に出られたらいい」
何度もうなずき、口調も明るくなってきた。その一方で浮かれず、完勝の中でも反省も忘れない。

■逸ノ城
魁聖の寄りを残し、時間をかけて勝機を探ると、最後は相手の体を浮き上がらせるように力強く寄り切った。
1分ジャスト。
この日幕内最長の力比べを制し、勝ち越しを決めた。
「長かったですね。きょうは早く勝負をつけたかったんですが、相手も重くて(205キロ)。
三役で勝ち越しはありますが、10日目は初めてっスね。前よりちょっと成長した感じです」


十両筆頭の豪風は巨漢の碧山を突き落として勝ち越し、再入幕へ大きく前進した。
復帰が決まれば昭和以降最年長39歳0カ月の安美錦に次ぐ、38歳10カ月の2位となる。
付け人と力強く握手し「必死だった。そう簡単にはいかないと思っていた」と満足した様子だった。



18/03/20
2018.03 10日目 朝情報! 】
■鶴竜
攻め切れず引いてしまい、あっという間に土俵際に後退。
とっさに左に回り込んで正代の突進をかわすと、土俵上で大きく口を開いて苦笑いを浮かべた。
間一髪で星を拾っての9連勝となったが「15日間全て自分の相撲を取るのは難しい。こういうときでも白星を取ることが大事」と気持ちは前向き。
もっとも優勝争いの話には乗ってこない。
10連勝の後に4連敗した先場所のこともあるせいか、「早いでしょ」とかわした。

■魁聖
力強い相撲で連勝を伸ばした。
狙った右を差せず左四つに組んだが、迷いはない。右上手を引きつけ、腰をぶつけるような寄り。
竜電の重心を浮かせて一方的に寄り切った。
思い通りの形にならなくても、205キロの巨体を生かして攻める。
「左四つは強くないけれど、もう右腕で全力でいくしかないと思った」。
新入幕で大健闘した2011年5月の技量審査場所以来となる自己最長タイの9連勝をマークした。

■栃ノ心
初場所で初優勝を決めた際の相手だった松鳳山との一番。
突き起こして左上手をがっちり引き、盤石の寄りを見せた。
「いいんじゃない。捕まえたときに高いと思って、膝をぐっと下ろした」。
余裕たっぷりに取り口を解説した。
三役は過去9場所務め、勝ち越しは1度しかない。
10場所ぶりの関脇で早々と7勝目を挙げ、「少しずつ燃えてきたよ。やってやるぞとね」。
左脚の痛みも日に日に和らぎ、気力もみなぎってきた。



18/03/19
2018.03 9日目 朝情報! 】
■鶴竜
先場所で痛めた右手薬指に不安を残しながらも無敗で折り返した。
「慌てないことだけを意識してやりました。いろいろとやってくる相手だから」。
松鳳山がつっかけ、立ち合いは2度目で成立。
動き回る相手を冷静に突き押しで攻め、最後はタイミングよくはたいた。

■魁聖
隠岐の海を下して無傷の8連勝を飾り、横綱・鶴竜と堂々の首位並走。
友綱親方(元関脇・旭天鵬)との師弟平幕Vの夢が膨らんできた。
久々の中日勝ち越しがかかった一番に「メッチャ緊張した。力出ないと思った。こんなの、久しぶり」。
それでも205キロまで増えた体重をフルに生かし、好調な相手も寄せ付けなかった。

■大奄美
幕内3場所目で快進撃。
幕尻で千秋楽にやっと勝ち越した先場所とは違い、前半戦を1敗で折り返した。
好調の要因は「分からない」と言うが、過去2戦2敗だった錦木を183キロの体で力強く寄り切り、連勝を6に伸ばした。
9日目の相手は、先場所敗れた朝乃山。
「年下には負けたくない」と意地を見せながらも、「あと1回勝てば勝ち越しなので気が楽。あと一番でいい」と控えめだった。



18/03/18
2018.03 中日 朝情報! 】
■鶴竜
薄氷の勝利だった。
土俵際。鶴竜は貴景勝を押し出す際に左足の親指が土俵を出たかで物言いがつき、長い協議が続いたが、行司軍配通りで7連勝とした。
「(土俵の)中の砂をはじいているだけで。確かに俵の上には(左足が)乗りました。(相手を)よくみてね。落ち着いていたのがいい」

■魁聖
約200キロの巨体を生かし、輝を押し込みながら土俵際で前に落ちた。
「落ちたときは負けたと思った」と敗戦を覚悟したが、輝の足が一瞬早く土俵の外に。
土つかずの7連勝とし「明日勝ち越しを決めたい」と笑みが絶えなかった。
初日からの7連勝は、新入幕だった平成23年5月の技量審査場所で9連勝して以来。
勢いに乗っているときは全てがうまく回っていく。
際どい一番でも白星をもぎ取り「ラッキーがあるね」と声がはずむ。

■大翔丸・大奄美
追手風部屋勢がともに5連勝で6勝目を挙げ、1敗を守った。
相乗効果はあるようで、大翔丸が「刺激になる」と言えば、大奄美は「先輩も勝っているので勝たないと」と話した。
大阪出身の大翔丸は出足を利かせた攻めで蒼国来を押し出す快勝。
「地元なのでいい成績を残したい」と意欲的だった。
大奄美は千代の国の激しい突っ張りをしのぎ、豪快な上手投げを決めて「(突っ張りの)痛みに耐えました」。
気温の変化による体調を報道陣から心配されると「大丈夫。冬でも裸で寝ているから」と冗談交じりに笑い飛ばした。



18/03/17
2018.03 7日目 朝情報! 】
■鶴竜
鋭い勝負勘を見せた。
琴奨菊が左四つで一気に出てきたところで、見透かしたように体を開いて突き落とし。
無傷でまた一つ白星を重ね、「しっかり集中できている。うまく回り込めた」とうなずいた。
順調な白星街道に「これを続けていきたい」。
先場所で痛めた右手薬指も「大丈夫」と、心配はなさそうだ。

■逸ノ城
215キロの逸ノ城は、197キロの千代大龍との“400キロ超対決”で快勝した。
相手の突き放しに下がることなく、前に出ながらもろ差しでつかまえ、難なく寄り切った。
「いい相撲でした。前に前にいけた」。
過去3度の対戦では1勝だったが「(苦手意識とか)そういうのはない」と自信を持って臨んだ。
16場所ぶりの三役復帰で好調をキープ。
その巨体は日に日に存在感を増してきている。

■魁聖
大栄翔を押し出し、6連勝とした。
初日からの6連勝は新入幕だった2011年5月の技量審査場所以来。
「どうしたんだろう」とご機嫌そのものだが、土俵での快進撃の裏で、故郷ブラジルでは経験しなかった日本ならではの春の悩みと闘っている。



18/03/16
2018.03 6日目 朝情報! 】
■鶴竜
宝富士に冷や汗をかかされた。
押し込みながら悪癖の安易な引き技に頼った一番は物言いが付き、鶴竜の足が土俵外に出るのと宝富士が倒れるのが同時の判定に。
取り直しの一番で「気持ちを集中した」と相手を一方的に押し出し、初日からの連勝を5に伸ばした。
「まだ5日目。続けてやっていくことが大事」と慢心はなかった。

■松鳳山
荒鷲を逆転で破って5連勝。
相手の投げを徳俵で残して体が離れると、棒立ちの相手にぶち当たって反撃し、右上手を取ると投げで崩して寄り切った。
荒鷲の投げに「相手は決まったと思ったんでしょう」と不敵な笑みを浮かべたが、初めてとなる幕内で土つかずの5連勝には「気分はいい」と人懐こい笑顔を見せた。

■魁聖
2015年夏場所以来となる初日からの5連勝を果たした。
右四つで組むと千代丸の投げをこらえる。
左上手を引き、相手の腰を浮かせて寄り切った。
元関脇だが、昨年春場所前に右膝を負傷した影響もあり、同名古屋場所では十両転落も経験した。
けがをして以降、今では200キロを超える体のためにサプリメントの勉強をするようになったという。
「けがを乗り越えないといけないと思った。相撲も力だけじゃなく、冷静に攻めようと考えている」と逆境が糧になっている様子だった。



18/03/15
2018.03 5日目 朝情報! 】
■鶴竜
荒鷲を一方的に押し出し、初日から4連勝。
昨年初場所で金星を配給した相手だけに「油断できない」と、一層気を引き締めて臨んだ。
痛めている右手の指の状態は「まだそんなに変わらない」というが、「立ち合いがよかった。相手に合わせないよう自分の相撲をとるだけ」と胸を張った。

■遠藤
ご当地大関との対戦で、結びの一番より分厚い懸賞の束をつかんだ。
豪栄道を破り、横綱、大関戦を全て終えて3勝1敗。
新三役に向けて、いい流れを作った。
「しっかり当たって。それだけ考えてやった」。
淡々とした口調の中に満足感をにじませた。

■松鳳山
幕内で自身初の初日からの4連勝。
張って右上手を引き、出てきた琴奨菊を土俵際の出し投げで仕留めた。
同じ福岡県出身で同学年の相手との一番を制し「体がよく動いている感じはある」と表情は明るかった。

■琴勇輝
4日目の14日、右足を痛め「右踵腓靱帯損傷により14日以降1週間の休業・療養が必要である」との診断書を日本相撲協会に提出して休場した。
初日から3連敗と精彩を欠いていた。
4日目の対戦相手、栃煌山は不戦勝。
休場は2017年夏場所以来で7度目となる。
今場所の十両以上の休場は白鵬、稀勢の里の2横綱、平幕阿武咲に続いて4人目となった。

■勢
初日から土付かずの4連勝と元気だ。
というのも、大阪府交野市出身で、春場所はご当所場所。
大声援を背に、立ち合いで力強く踏み込み、朝乃山の突き押しにもひるまず、右が入ると一気に前へ出て寄り倒した。
「気持ちよく土俵に上がれている。いい内容の相撲も取れているのでうれしい」と白い歯がこぼれる。



18/03/14
2018.03 4日目 朝情報! 】
■鶴竜
直接対決3連敗中だった玉鷲の突き押しの中に突っ込むように、前に出て真っ向勝負。
喉輪で相手の上体を起こし、はたき込んで全勝を守った。
攻めの軸となる前みつは取れなかった。
初場所で痛めた右手の中指、薬指、小指の状態は「7〜8割」。
拳を握ろうとすると、3本の指と手のひらにペンが入りそうな隙間が空く。
「固まってるからね。力が伝わらない」と万全にはほど遠い中、一人横綱の土俵を務めている。

■栃ノ心
琴奨菊を相手に力強い相撲を見せた。
立ち合いがよく、当たった瞬間すぐ右が入り、左上手も取った。
後は相手の上手を切り、右を突きつけて起こしながら寄り切った。

■逸ノ城
関取最重量で215キロの逸ノ城が怪力と重い腰を存分に発揮した。
得意の右四つから巻き替えられ、もろ差しを許す不利な体勢にも動じず、168キロの宝富士を力強く土俵の外に運んで初日から3連勝。
支度部屋では取り口とは対照的な小さな声で「慌てなかった」とつぶやいた。
調子についても「まあ悪くはない」と控えめだが、賜杯争いの台風の目となる可能性は十分だ。



18/03/13
2018.03 3日目 朝情報! 】
■鶴竜
先場所敗れた遠藤を下し、2連勝とした。
右前まわしが取れず、突き、押しに後退したが慌てない。
回り込み、2度目のはたきで難敵を退けて「しっかりと相撲を取ろうと思ったから、体が動いた」と涼しい顔だった。
右手の薬指など指3本に痛みを抱え「自分との闘い。自分に勝ちたい」と言い切る。
横綱昇進からちょうど4年の春。最高位の責任感で土俵を引き締める。

■高安
逸ノ城に簡単にはたき込まれ、2連敗を喫した。
初日からの連敗は、2016年春場所以来、12場所ぶり。
首をかしげて引き揚げると、支度部屋では悔しそうな表情を浮かべ、質問に答えなかった。

■豪栄道
荒鷲に完勝し初日を出した。
立ち合いで右を差すと、鋭い出足で反撃を許さず寄り立てた。
2横綱不在の場所、優勝を期待するご当所の声援もひときわ大きいが、「何年やっても初日が出るとほっとする」と大きく一息。

■栃ノ心
玉鷲にはたき込まれ、1勝1敗となった。
「立ち合いは良かったけど、体が反ってしまった」。
場所5日前に痛めた左脚外側付け根をガードするためか、左太ももに前日はなかったテーピングをした。
「切り替えて頑張らないと」と話した。

■逸ノ城
2場所連続で高安を破った逸ノ城は「体重もあって動きもそんなに悪くない」と状態がいいという。
ただ「内容が良くない。まだまだという感じ」と反省しきりで「前に出る相撲を目指していきたい」と語った。



18/03/12
2018.03 2日目 朝情報! 】
■鶴竜
一人横綱の務めを果たした。
千代大龍に低く当たって、左を差し、落ち着いて前へ。
初場所で痛めた右手薬指などに不安を残す中、危なげない内容で快勝し、「立ち合いが良かった。痛いからといって、変な相撲を取らないようにと思った」と納得顔だった。

■栃ノ心
宝富士を力強く寄り切った。
6日に左脚を負傷するアクシデントに見舞われたが「大丈夫。今日で分かった。この白星は力になる」と笑った。
賜杯返還式は「初めてだからどきどきした」と振り返る。
「プレッシャーは考えないように、一つ一つに集中していきたい」。
再び賜杯を手にする期待も高まる。

■逸ノ城
落ち着いて琴奨菊を退けた。
先に左上手を与えて寄り立てられたが、土俵際で上手を引いて体を入れ替え、力強く寄り切った。
「前に前にという意識があった。左が取れたので慌てなかった」とうなずいた。
「前の三役と比べると、自信がついてきた。前に出て勝てている」と頼もしい言葉が続いた。


恒例の協会あいさつに先立ち、土俵に上がった八角理事長や三役以上の力士たちが館内の観客と共に1分間の黙とうをささげ、東日本大震災の犠牲者を悼むと同時に復興を願った。
八角理事長は黙とう後の協会あいさつで追悼の意を表し、さらに角界が昨秋から不祥事に揺れてきたことを受け、「大相撲の伝統、文化、そして誇りを協会員一同一生懸命守り、努める所存でございます」と宣言した。



18/03/11
2018.03 本場所初日朝情報! 】
■鶴竜
初日前日に行われる土俵祭りが10日、会場となるエディオンアリーナ大阪で行われた。
3横綱でただ1人、初日から出場する鶴竜は土俵祭り後、悲壮な覚悟を口にした。
右手薬指など指3本に痛みを抱えるが「(まわしを)取れなくても相撲は取れる。休みたくない、精いっぱいチャレンジしようという強い気持ちで」と出場を決断した理由を明かした。
「ダメかもしれないけど」と悪化すれば途中休場も頭をかすめるが「土俵入りを楽しみにしている人もいる」と重責を胸に立つ。

■栃ノ心
闘志を抑えられずにいる。
春場所初日を翌日に控えて土俵祭りに出席。
「いつも通りです」と平常心を強調しながらも、「(優勝して)本当に頑張らないといけない」と表情を引き締めた。

■竜電
山梨県勢47年ぶりの快挙に挑む。
今場所で8勝を挙げれば、通算300勝の大台に乗るとともに、県出身力士としては1971年九州場所の元関脇・富士桜以来の、新入幕から2場所連続勝ち越しとなる。
快挙がかかる竜電は10日、東大阪市内の宿舎で稽古に励んだ。
「いい成績を残して、もっと(上位に)上がれれば」と活躍を誓った。



18/03/10
2018.03 本場所 1日前情報! 】
■御嶽海
8場所目となった三役での初の2桁勝利を狙う。
先場所(1月の初場所)は初日から7連勝したものの、精神面にほころびが出て8勝7敗にとどまった。
今場所は同じ轍(てつ)を踏まないよう、稽古で積極的に体を追い込んできた。

■栃ノ心
大関昇進への足掛かりをつかもうと春場所に意欲を燃やしている。
初場所後は祝宴などさまざまな行事に参加し忙しい日々を過ごしたが、場所前の稽古(けいこ)ではようやく持ち前の力強い相撲が戻ってきた。
5日には、春日野部屋宿舎(大阪府交野市)に出稽古に来た大関・豪栄道と激しく手合わせし、ほぼ互角に渡り合った。
特に前半は速攻から得意の四つに組んで一気に寄り立てる力強さを見せ、「自分の相撲をしっかり取って、どこまでやれるか」と慢心はない。
豪栄道も「今の力なら(大関に)上がっても不思議じゃない」と警戒を強める。


貴乃花親方が内閣府に協会告発 立ち入り検査を要求
9日、部屋のホームページを更新し、代理人の弁護士を通じて、日本相撲協会を監督する内閣府の公益認定等委員会に告発したと発表した。
元横綱日馬富士関による暴行事件に関連して、1月に理事を解任されたことや、同事件への協会の対応について「重大な疑義が生じています」と訴えた。


9日、大阪市内で理事会を開き、道交法違反(無免許運転)で略式起訴されていた、エジプト出身の幕下大砂嵐に対し、引退勧告の処分を決めた。
理事会に呼ばれた大砂嵐は「今日、引退します」と、処分を受け入れる意向を示した。



18/03/09
2018.03 本場所 2日前情報!10:00更新 】
■鶴竜
右手薬指などを痛めて休場が懸念されていたが、春場所の出場を決断した。
8日、時津風部屋に出稽古した際は「まわしを取っても、そこからぐっと入る一握りが、いまいち」と不安を口にしていたが、その後に協会関係者が出場を明かした。

■白鵬
春場所を休場することになった。
取組編成会議が開かれた9日、休場を届け出た。
両足親指のけがで調整が遅れていた。
休場は途中から休んだ1月の初場所に続いて通算8度目で、2場所連続は初めて。

■稀勢の里
8日、春場所の休場を決めた。
大阪市港区の部屋宿舎での朝稽古に姿を見せず、師匠の田子ノ浦親方が「まだ左胸が完治していない。かばっているから、いろんなところに(悪影響が)くる。治療を優先したい」と説明した。
6場所連続休場となる。
「ちゃんとした形で、土俵に上がりたい」。
休場を決断した稀勢の里が、師匠にこう漏らした。

■高安
春場所で初優勝を狙う。
先月28日に28歳の誕生日を迎えて「一番力が出る時期。大関らしい、豪快な相撲を取りたい」と意気込む。
8日は部屋で稽古し、急ピッチで調整を続けている。
7日には時津風部屋へ出稽古に行き、正代や豊山に激しい当たりを見せて「前に出る相撲が取れた」と手応えを口にする。

▼阿武咲
3月1日頃、春場所を全休することが決まったと、報道されておりました。
>右膝の負傷により春場所を全休することが決まった。
>師匠の阿武松親方が明らかにした。
>阿武咲は小結2場所目だった先場所で右膝の後十字靱帯を損傷し、10日目から休場。
>師匠によると回復は5割程度で、春場所前の稽古では相撲を取っていなかった。
>5月の夏場所では一転して十両転落の危機となる。
>阿武松親方は「出場しようと思えば出場できるが、将来を考えて大事を取った」とコメントした。


9日、大阪市内で理事会を開催する。
2月に道交法違反(無免許運転)の罪で略式起訴されたエジプト出身の幕下大砂嵐の処分を協議。
解雇を含めた厳罰になる可能性があるとみられる。


元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で、西十両12枚目の貴ノ岩が春場所に出場することが9日、決まった。
師匠の貴乃花親方が明らかにした。
昨年9月の秋場所以来3場所ぶりの復帰となる。



18/03/07
2018.03 本場所 4日前情報! 】
■鶴竜
6日、前夜祭後に取材に応じ、「ぐっと一握りができない。取り直してしまう。指先の感覚が大事ですから」と複雑な胸中を明かした。
8日まで様子を見て出場可否を判断する方針。

■白鵬
6日の出稽古を回避した。
大阪市の宮城野部屋で四股など軽めの調整にとどめ「多少、疲れがたまった」と説明。
5日に出稽古を開始して出場に意欲を示していたが、「自分なりにやっていきたい。体と相談しながら」と“トーンダウン”した。

■稀勢の里
6日、前夜祭に先立ち、高石市内の二所ノ関部屋で行われた一門の連合稽古に出席。
相撲はとらず、四股やすり足など基本運動のみだった。
前日5日の連合稽古は欠席しており、「気持ちよくやりました。(感覚は)徐々によくなっている」とは言うものの調整は明らかにスローペース。
出場の可否は取組編成会議前日の8日に判断する意向だ。

■栃ノ心
6日、大阪・交野市の部屋で春場所に向けて稽古中に左足付け根付近を負傷し、急きょ帰京した。
前日5日に続き出稽古に訪れていた豪栄道との申し合いで痛め、そのまま稽古を終了。
前日の稽古後は「明日が初日でもいいよ」と好調をアピールしていた。
春日野部屋付きの三保ケ関親方は「何日も前から痛いと言っていた。普通に歩いていたし、いつも診てもらっている先生のところに行って明日(7日)の稽古も出る予定」と軽傷を強調した。



18/03/06
2018.03 本場所 5日前情報! 】
■白鵬
5日、出稽古を開始し、大阪市福島区の友綱部屋で平幕魁聖らと10番取って全勝した。
出場が前提かと問われると「もちろんです」と答え「(アクセルを)今日は踏み始めているところ」と位置付けた。
親指については「ちょっと気を使っている感覚」と説明した。

■稀勢の里
二所ノ関一門連合稽古が5日、堺市北区の尾車部屋で行われ、稀勢の里は参加しなかった。
全休した昨年秋場所前の二所ノ関一門連合稽古にも参加しており、昨年初場所後に横綱に昇進してからは初の欠席となった。
師匠の田子ノ浦親方は「本人と話して(不参加を)決めた。体を整えないといけない」と説明。
独自調整を優先させる形となったが、関係者によると、大阪市港区の田子ノ浦部屋でも稽古場に下りなかったという。
6日は二所ノ関部屋で連合稽古が行われるが、参加するかどうかは未定。

■高安
5日、連合稽古で精力的に22番取ったが、10勝12敗と負け越し。
「体力を付けるため番数をやらないと。満足はできていない」と反省を込めた。
尾車親方は「(3人の)横綱が(故障明けで)いまいちなので高安に頑張ってもらわないと。そうそう平幕に優勝されては、しゃれにならない」と期待した。

■御嶽海
課題のスタミナ強化に励んでいる。
4日は堺市堺区の出羽海部屋で幕下力士らと30番。
立ち合いの当たりや突き、押しの感触を確認し「形を崩さないことを心掛けている。30番前後は取って体力をつけたい」と明るい表情を浮かべた。

■栃ノ心
5日、大阪・交野市の同部屋宿舎で豪栄道と三番稽古を行った。
出稽古に来た格上の大関と16番とって、7勝9敗とほぼ五分に渡り合った。
「結果は別として、これぐらい稽古ができるのは幸せ。やってる時は本当に苦しいけど、終わるとすごく気持ちいい。“やった!”って気分になるよ」。
今場所の成績次第で、5月の夏場所では大関とりの期待も膨らむ。
「先場所優勝したこととかはもうなし。またゼロからね」と充実の稽古を終え、笑顔を見せた。



18/03/05
2018.03 本場所 6日前情報! 】
■鶴竜
2日、大阪市内の時津風部屋宿舎へ出稽古し、正代と12番。
初場所千秋楽で痛めた右手薬指を気にするそぶりを何度か見せた。
右でまわしを取って攻めても「うまく力が伝わっていない感じがする」と不安を口にした。
初場所後に手術を受けた左足首はテーピングもなく、回復は順調のようで「少し動きが鈍いが、(稽古を)やれば軟らかくなる」と言う。
春場所へ向けては「トレーニングをしているので体力は問題ない。これから稽古をして、自分の相撲が取れるかどうか」と慎重な姿勢も示した。

■白鵬
4日、大阪市内の宮城野部屋で、前頭石浦と若い衆を相手に15番。
右から張った3番以外は肩や胸から当たるなど、立ち合いの踏み込みを試し寄せ付けなかった。
懸念される両足親指は「大阪入りして違和感がなくなり日に日に(良くなっている)。あとは感覚のズレ。(どうしても患部に)気を使っちゃう」と話した。
今日は友綱部屋で出稽古の予定だ。

■稀勢の里
4日、大阪市内の宿舎で大関高安と相撲を18番とり、12勝6敗とした。
7勝6敗から終盤に勝ちを重ねた内容を「最初からいかないといけないけどね」。
本番まで1週間。
状態が思うように上がっていないことをにおわせた。
今日5日の二所ノ関一門連合稽古については「う〜ん、まあ…。(体調と)相談して」と参加するかどうかの明言を避け、慎重な姿勢を崩さなかった。

■栃ノ心
2日、大阪府交野市の春日野部屋で再入幕の碧山と18番取って圧倒。
ぶつかり稽古では栃煌山を鬼気迫る表情で押すなど、懸命に自らを追い込んだ。
「いい稽古をやらないと。少しずつ(状態は)上がってきている」と春場所に向けて手応えを口にした。

■嘉風
春場所に向け「大阪では消極的な相撲を取ると、遠慮ないやじというか激励が飛んでくる。受けないように頑張ります」と笑みを浮かべた。



18/01/29
千秋楽翌日 朝情報! 】
■高安
8連勝で締めて、自己最多に並ぶ12勝目を挙げた。
左四つで前に出てくる御嶽海の攻めをこらえ、最後は右からの上手投げで転がした。
8日目からは相手をはじくような力強い立ち合いが光った。
「次こそ自分が優勝したいという気持ちを持って取り組みたい。ひたすら稽古(けいこ)するしかない」と決意を新たにした。

■栃ノ心
前日に初優勝を決めた栃ノ心が、遠藤を破って千秋楽を白星で締めた。
左上手を引けなくても、前に圧力をかけて攻めた。
力強く右からすくって相手の上手を切ると、勝機とみて押し出した。
「ここで負けたら気合が足りないとか言われる。勝ててよかった」と、一息ついた。
28日、三賞選考委員会で初の殊勲賞、2度目の技能賞に決まった。
三賞ダブル受賞は2015年秋場所で殊勲、技能賞の平幕嘉風以来。
前夜はジョージアに帰省中の夫人とテレビ電話で話し、喜びを分かち合った。泣いていた愛妻の姿を見て、幸せを感じたという。
幕内優勝力士に名を連ねたが、「これからも稽古を一生懸命し、親方の言うことを聞いて、来場所もいい相撲を取れるように頑張りたい」と気持ちを引き締め直した。

■照ノ富士
8敗7休で白星なしに終わった。
右の相四つの蒼国来を相手に簡単に寄り切られ、以前の力強さは全く見られなかった。
来場所は十両転落が決定的。
昭和以降で大関経験者が十両に落ちるのは大受、雅山、把瑠都に続いて4人目となる。
けがで幕下まで番付を下げながら、幕内優勝を果たした栃ノ心に共感する部分があるようで、「自分もそうやって次に向けて頑張るしかない」と前を向いた。

■阿炎
新入幕、東前頭14枚目で千秋楽に勝って白星を2桁に乗せ初の敢闘賞受賞。
千秋楽、松鳳山を押し出して三賞を引き寄せ「力が通じないわけじゃないと思えた」と手応えを口にした。

■竜電
新入幕、東前頭16枚目で10勝を挙げ初の敢闘賞受賞。
千秋楽、千代丸の引き技に落ち、「きょうの相撲は良くなかった」。
複雑な表情を浮かべながら、「まだまだ始まったばかり。これから番付を上げたい」と先を見据えた。


・新入幕の三賞受賞は昨年秋場所の朝乃山以来となる。

・大相撲初場所は千秋楽の28日も入場券が完売し、15日間満員札止めとなった。
 昨年起こった元横綱日馬富士の傷害事件以降、不祥事が次々と明らかになっている中でも盛況だった。
 取組への懸賞は当初2200本以上申し込まれていたが、白鵬と稀勢の里が休場した影響もあって1988本にとどまり、過去最多だった昨年夏場所の2153本には届かなかった。



18/01/28
千秋楽 朝情報! 】
■栃ノ心 【初優勝】
ジョージア出身力士として初の幕内優勝を果たした。
右膝のけがで幕内から一時、幕下まで落ちた苦労人は「人生でも忘れられない日になった」と喜んだ。
松鳳山を寄り切った瞬間は、部屋の教えを守り、顔に感情を表さなかった。
だが、テレビのインタビュー中に感極まって顔をぬぐった。「うれしい涙です」

平幕優勝は、1958年の年6場所制定着以降18例目。
平成以降では9例目。
30歳3カ月での初優勝は、年6場所制では7番目の年長。
新入幕から所要58場所は、2000年春場所の貴闘力に並ぶ4番目の遅さ。

■鶴竜
高安に押し出されて4連敗。
激しい動きの中で、最後は引いて相手を呼び込んでしまった。
4場所連続で休場した影響が終盤に出たようで「15日間取る難しさを感じた。精神面、体力面の両方で」と話した。

■豪栄道
14日目でようやく勝ち越した。
左を差して御嶽海を一気に寄り切った取り口には「立ち合いが良かった」と及第点だったが、成績については「全然、納得できない。星数が上がっていないから」と渋い表情だった。



18/01/27
14日目 朝情報! 】
■高安
立ち合いで荒鷲をはじき飛ばすと、二の矢、三の矢の突きを見舞って圧勝した。
「しっかり踏み込めた。理想の相撲」と満足そうに振り返った。
大関昇進後4場所目で初めて白星を2桁に乗せた。
これまでを「大関らしい相撲ができず、成績も伴わなかった」と反省しつつ、「残り2日もきょうみたいな相撲を取りたい」と気を引き締めた。

■御嶽海
2敗の鶴竜を押し出しで破り、勝ち越し。
印象度抜群の横綱斬りで2桁の勝ち星に望みをつなげ、来場所以降の大関とりに視界が広がってきた。

■栃ノ心
マジック「1」が点灯した。
逸ノ城との平幕対決を制して1敗を守った。
2敗だった鶴竜が御嶽海に敗れたため、14日目に松鳳山に勝てば初優勝が決まる。
平幕優勝となれば、12年夏場所の旭天鵬以来で、15日制では通算20人目。
平幕が14日目以前に優勝を決めれば、01年秋場所の琴光喜以来となる。



18/01/26
13日目 朝情報! 】
■逸ノ城
12日目、嘉風を豪快に押し倒し、7連勝で勝ち越しを決めた。
関取最重量215キロの体を存分に生かし、西前頭筆頭で勝ち越し、16場所ぶりの三役復帰が見えてきた。
「よかった。気持ちいい。しっかり動いている」とニッコリ。
体重については、「できればもう少し落としたい」と願望を口にした。
三役復帰へ「あと残りしっかりがんばる。そのために残り勝ちたい」と意気込んだ。

■栃ノ心
12日目、玉鷲を寄り切って1敗を守り、結びの一番で横綱鶴竜が遠藤に押し出されて2敗に後退したため、単独トップに立った。
所属する春日野部屋の不祥事が表面化するなか、初優勝に向けて前進した。
12日目終了時点で平幕が単独トップなのは平成16年夏場所の北勝力以来。

■照ノ富士
12日目、2型糖尿病のため3日目から休場し、前日に再出場した照ノ富士は5敗(7休)となり、来場所での十両転落が決定的となった。
大関経験者が十両に落ちれば昭和以降で大受、雅山、把瑠都に次いで4人目。
この日は大奄美に一方的に寄り切られ「芯から力が出ていない。千秋楽まで相撲を取って、もう一回体をゼロから鍛え直したい」と話した。



18/01/25
12日目 朝情報! 】
■玉鷲
鶴竜に土をつける殊勲星。
持ち前の馬力十分の突き放しで前まわしを与えず、たまらず引いた横綱を押し出し、「自分も低くして中に入れさせないようにと思った」と喜んだ。
関脇に返り咲いて既に7敗を喫していたが、「優勝争いを面白くできてよかった。あしたも楽しみ」と不敵な笑み。

■栃ノ心
宝富士に土俵際まで追い詰められたが、起死回生の突き落としで10勝目を手にした。
物言いがつく辛勝に「あぶなかったねー」。
結びの一番で全勝の鶴竜が敗れたことで、1敗で首位に並んだ。
平成24年夏場所の旭天鵬以来、6年ぶりの平幕優勝も見えてきたが「まだまだ早いでしょ。やることをやって」と気を引き締め直した。

■栃煌山
12日目の25日、休場した。
11日目を終えて6勝5敗で、左肩付近の負傷とみられる。
休場は2014年名古屋場所以来4度目で、12日目の対戦相手、豊山は不戦勝。

■照ノ富士
石浦の注文相撲にはまって簡単に送り出された。「やっぱり体幹から力が出ていない」。
糖尿病の悪化に加え、インフルエンザも患った後だけに言葉にも元気がない。
東前頭10枚目で、白星もなく、幕内残留の道は険しいが「大関から落ちたら、どこまで番付が落ちても一緒。復活したくて感覚を取り戻したい気持ちで出ている」と胸中を明かした。



18/01/24
11日目 朝情報! 】
■鶴竜
危なげなく隠岐の海を退けた。
すぐに右上手を取り、出し投げで崩し送り出し。
「いいところが取れた。体がよく反応した」と納得の内容だ。
初日からの10連勝は自身最高で16年九州場所以来3度目。
進退の懸かった場所で2桁に乗せても「安堵(あんど)とか、そういう気持ちを持たず、一日一日、また明日から」と慢心はない。

■栃ノ心
過去に29度対戦して5度しか勝てていない合口の悪さを一切感じさせなかった。
琴奨菊を右四つで捕まえると、両まわしを強烈に引きつけ、力強く寄り切った。
ただ1人の1敗を守り、鶴竜の背中を追う。
優勝争いについて問われると、本人は「どうですかね。今日終わったのでまた明日」と語った。
すでに横綱、大関戦は終えているだけに、藤島審判長は「栃ノ心次第でしょう。どこまでついていけるか」と後半戦を展望した。

■照ノ富士
3日目から休場していたが、11日目から再出場することが決まった。
当初「2型糖尿病」で休場し、その後、インフルエンザを発症していた。

■大栄翔
「しっかり突き放して前に出ようと思った」と言う通り、もろ手で栃煌山を起こして右、左とテンポ良い突き。
三役経験豊富な実力者に完勝した。
自己最速となる10日目での勝ち越しを決めても、「喜び過ぎてはいけない。これも勉強したことの一つ」と語る。



18/01/23
10日目 朝情報! 】
■鶴竜
荒鷲を問題にしなかった。
頭で当たって左前まわしを引き、右を浅く取り直してから寄り切った。
初対戦だった1年前の初場所は立ち合いに厳しさを欠き、不覚を取っただけに「今回はそういうことがないように」と油断しなかった。

■栃ノ心
御嶽海との1敗対決を制し平幕勝ち越し一番乗りとなった。
右のかち上げから突っ張り、右四つに組み止めると164キロの相手を豪快につり出した。
「うれしい。よかったね」と素直に喜んだ。
全勝の鶴竜を1差で追うのは栃ノ心だけ。
横綱、大関との対戦を終え初優勝の期待が膨らむ。
八角理事長は「今日の立ち合いをしていれば最後までいけるんじゃないか。強いね」と称賛した。

■阿炎
9日目の22日、新入幕の阿炎が今場所2度目の3連勝で6勝目を挙げた。
この日は、同じ23歳の朝乃山を相手に、回転の良い突っ張りから引き落とした。
「窮屈になったけど落ち着いていてうまく決まった」と自画自賛した。

■安美錦
6日目から休場していた幕内最年長、39歳の安美錦が23日の10日目から再出場することになりました。
初場所5日目に、幕内出場回数で歴代4位の寺尾に並ぶ1378回目の出場となりましたが、この日の取組で右ひざをケガし、6日目から休場していました。
同じ日に、師匠の伊勢ヶ濱親方は「ひざの炎症がおさまれば出られる。本人も出たいと言っている」と話していました。



18/01/22
9日目 朝情報! 】
■鶴竜
8日目、正代を上手出し投げで退け、初日からの8連勝で勝ち越しを決めた。
御嶽海が逸ノ城に寄り切られて初黒星を喫したため、鶴竜が単独トップに立った。

■栃ノ心
7勝1敗で中日を終えた。
前日7日目は全勝対決で横綱鶴竜に敗れたが、この日は嘉風を突き出し、連敗を阻止。
昨年11月8日に生まれた長女アナスタシアちゃんに会いたい。
場所後の2月、西アジアの故郷ジョージアに帰国したい。
師匠の春日野親方に許可をもらうべく、V戦線に残って好成績を残す。


十両8枚目の大砂嵐が、無免許運転で追突事故を起こした疑いが浮上したことを受け、9日目の22日から休場することになった。
大嶽親方は22日未明、東京都江東区の大嶽部屋で取材に応じ、事故を知ったのは21日夕にあった協会からの連絡だったことを明らかにした。
休場の理由については「これだけの問題を起こして協会、私に報告しなかったということで休場をお願いした」と説明した。



18/01/21
中日 朝情報! 】
■鶴竜
心技体が充実してきた横綱に隙はなかった。
栃ノ心との全勝対決に快勝だ。
「油断はできないので気を引き締めて集中していった」
過去20勝1敗と合口の良い相手だったが、落ち着いた口調で最高位の風格を示した。

■豪栄道
埼玉栄高の後輩、貴景勝に貫禄を示した。
相手の突き、押しを低い姿勢でこらえ、慌てず左下手を引くと一気に前進して押し出した。
5勝目に「悪くはない。まだまだ負けてられない」と涼しい顔で話した。

■御嶽海
勢いが止まらない。
2横綱1大関を破った嘉風に付け入る隙を与えず、先手先手と攻めた末、引き落として無敗を守った。
関脇の初日からの7連勝は、昨年春場所で10連勝した高安以来。



18/01/20
7日目 朝情報! 】
■鶴竜
一人横綱の重圧もなんの、腰の重い琴奨菊に苦しみながらも、初日からの白星を6つ重ねた。
相手得意の左四つ。
一枚まわしの右上手が命綱になった。
寄られても上手投げで回り込んで耐え、体を入れ替えて逆襲し寄り切った。

■御嶽海
2場所続けて敗れていた北勝富士をぐいぐいと押し出した。
右手で腹、次いで胸を押し上げ、左からは強烈なおっつけ。
相手の重心をうまく浮かせた攻めには手応えがあるようで、「基本ですからね」と納得の表情だった。
2横綱が休場し、2大関が2敗に後退する中で、関脇の存在をアピールする6連勝。
「まだまだこれから。一日一番、集中していきたい」と気合が入っている。

■嘉風
3日連続の殊勲星を挙げた。
左脇を締めて豪栄道に差させず、大関の足がそろったところでタイミング良くはたいた。
「狙っていたわけじゃなく、たまたま。反応が良かった」と振り返った。



18/01/19
6日目 朝情報! 】
■稀勢の里
6日目の19日から休場することが決まった。
師匠の田子ノ浦親方が同日、明らかにした。
3日連続で金星を与え、5日目まで1勝4敗と不振だった。
田子ノ浦親方によると、5日目の嘉風戦で、かつて痛めた左胸を負傷したという。
親方は「まずはけがを治して、一日も早く土俵に立てる体、状況をつくらないといけない。自信もつけ、心も鍛え直さないと」と述べた。

■御嶽海
無敗をキープした。
玉鷲との激しい押し合いも、タイミングよく両ハズを入れて押し出した。
初日からの連勝を自己最長の5に伸ばしたが、「しっかり前に出ることができた。自分の相撲ですね。一日一番、自分の相撲を取る。それだけです」と飄々(ひょうひょう)と語った。

■栃ノ心
豪栄道との力相撲を制した。
右四つに組んで差し手を返されたが、前に出ながら左上手を取った。
最後は胸を合わせ、まわしを強烈に引き付けての寄り。俵に足を掛けて懸命に耐える大関が力尽きるのを待つだけだった。
幕内では自身初となる初日からの5連勝。
「重かったし、疲れたけど、うれしいね」と語った。



18/01/18
5日目 朝情報! 】
■白鵬
4日目、嘉風にはたき込まれ2勝2敗。
左足親指を負傷し、18日の5日目の出場は当日朝の様子を見て判断するという。

■稀勢の里
4日目、琴奨菊に突き落とされて、序盤戦で3敗目となった。
黒星は2つも先行、連日の金星配給となり、不安が不振へ。途中休場の危機に直面する。

■御嶽海
貴景勝を引き落としで退けた。
初日からの4連勝は幕内では初めての好発進だが、「しっかり相手を押し出したい。これでは満足できない」と反省が口をついた。



18/01/17
4日目 朝情報! 】
■鶴竜
16日、初日から3連勝。
嘉風に当たって、下がらずよく見て突き落とした。
初日から安定した内容で3連勝。
「よく見て、反応できた。流れでパッとね」と口調は軽い。
場所前は“進退場所”との声もあったのがウソのように、横綱で勝ちっ放しは1人だけ。
験担ぎか?少し伸びたあごひげを指摘され「伸びるの早いから。もうそりますよ」と照れていた。

■北勝富士
16日、横綱白鵬を初めて破り4場所連続で金星を獲得した。
1999年夏場所の元関脇土佐ノ海以来、昭和以降では2人目の快挙。

■逸ノ城
16日、稀勢の里から2場所連続の金星を奪った。
頭からきた横綱に当たり負けず、右で差し手争いを制し、左上手でまわしも引いた。
「うれしいですね。ああなったら自信あります」。
先場所の金星は8日目だったが、決まり手は同じ寄り切り。
幕内最重量の215キロ。前日も白鵬が「重たい」とこぼした巨漢は「ま、体重はあります」。
存在感を増してきた。



18/01/16
3日目 朝情報! 】
■稀勢の里
当たりの強い北勝富士を相手に、踏み込みよく頭から当たった。
左は差せなかったが、終始前へ前へと攻め込んで最後は左をねじ込んで寄り切った。
初日は敗れたものの、内容は悪くなかった。
左も使えるようになって、力強さが戻った。

■鶴竜
初日に稀勢の里を破った貴景勝を難なく押し出した。
低い重心から繰り出される相手の突き押しを、ものともしなかった。
左から張り手をかまして右を差しつつ、相手のお株を奪うような押し相撲だった。
「初心を思い出していかないと」。
初日の北勝富士戦の最後は引き技。
この日は前に出続ける相撲を徹底した。


15日、現役を引退した元幕内北太樹の小野川親方が、両国国技館で記者会見し「一番一番、真剣に全力で取り組んだ。悔いなく相撲が取れた」とすがすがしく、約20年間の力士人生を振り返った。
思い出の一番には先代師匠の北の湖親方が死去した2日後の、15年九州場所千秋楽の佐田の富士戦を挙げた。
白星で飾り「北の湖部屋最後の相撲。勝たないとと思い、すごく記憶に残っている」と感慨深げだった。
断髪式は5月の夏場所後に国技館で実施する方向。



18/01/15
2日目 朝情報! 】
■稀勢の里
4場所連続休場からの再起を目指すが、いきなりつまずいた。
新小結の貴景勝を左おっつけから攻めたが、土俵際で逆転のとったりを決められ、出場した4場所連続で黒星発進となった。

■御嶽海
4場所連続で関脇を務める御嶽海は、西前頭2枚目の琴奨菊と対戦。
寄り切りで勝ち、新年最初の相撲を白星で飾った。

■貴景勝
横綱撃破という最高の結果で18年をスタートさせた。
行司差し違えで1度は軍配が相手に上がっただけに「ガムシャラにやった結果。たまたま逆転できただけ」と、最後は自然に体が動いたという。
稀勢の里からは、昨年11月の九州場所に続き2場所で白星を挙げた。



18/01/14
初日 朝情報! 】
■白鵬
13日、土俵祭りを終え「いよいよ。今年1年もいろいろあると思うけれど」などと話した。
前人未到の幕内1000勝まであと30勝として新しい年を迎えた。
一方で横綱審議委員会から、張り手、かちあげが目立つ立ち合いに苦言を呈されている。
初日は阿武咲、2日目は逸ノ城が相手で「いつも通りやるだけです」と余裕を感じさせた。

■稀勢の里
初場所への意欲を問われ「頑張るだけですね。(状態は)いいんじゃないですか」と話した。
鶴竜と同じく4場所連続休場からの復活がかかる。
出場は11日まで状態を見て決断した。
「集中して相撲を取ることを意識して、一生懸命、しっかりやるだけです」といつも通りの言葉で、力みを感じさせなかった。

■鶴竜
土俵祭り後「ファンの人、支えてくれる人のために頑張ります」と4場所連続休場からの復活をあらためて誓った。
昨年名古屋場所で途中休場した際、師匠の井筒親方は「次に出る時は結果を出さないといけない」と進退問題に及ぶ可能性を口にした。
だが「そこまで意識せず、1日1日集中して」と自然体で臨む。

■御嶽海
「体調は悪くない」と新年から実戦的な稽古に積極的に励んできた。
初場所を終えると、後援会などが主催する関脇昇進の「祝賀会」が2月12日に松本市で開かれる。
「祝ってもらえる場を盛り上げる結果を残したい」と気を引き締めた。

■阿武咲
初日に横綱白鵬戦が組まれたことに「楽しみでしかないです。(初場所初日から)最高ですね」と喜びを隠せなかった。
張り手、かちあげなどの多用で横綱審議委員会から苦言を呈された白鵬の立ち合いにも注目が集まる。
「それは何も考えていません。自分は挑戦者ですからね」と全力でぶつかる覚悟を明かした。


13日、幕内経験者で西三段目31枚目の双大竜の現役引退を発表した。
福島県出身の双大竜は、東農大を経て2005年夏場所初土俵。
09年秋場所新十両。
幕内在位は前頭15枚目で新入幕を果たした13年春場所の1場所。

13日、元幕内で東幕下3枚目の北太樹の現役引退と年寄「小野川」襲名を理事会で承認したと発表した。
北太樹の小野川襲名に伴い、元幕内大道の小野川親方が年寄「音羽山」に名跡を変更した。



18/01/13
本場所1日前情報! 】
■稀勢の里
12日、取組編成会議では2日目までの取組を決め、4場所連続休場からの再起を期す稀勢の里は初日に新小結の貴景勝、2日目に北勝富士との顔合わせとなった。
稀勢の里はこの日、田子ノ浦部屋には姿を現さなかった。
部屋付きの西岩親方によると休養に充てたもようだ。
ここまでは精力的に番数をこなし「しっかり戦える準備はできた」と場所前の調整に自信をのぞかせていた。


12日、十両・貴ノ岩はこの日までに初場所の休場届と「頭部外傷、頭皮裂創痕、右乳突蜂巣(ほうそう)炎痕」との診断書を提出した。
摘要には「繰り返す頭部打撲は、慢性硬膜下血腫発症の危険性を増すため、受傷後約3カ月程度は頭部打撲を避ける必要があり」と添えられた。

※大相撲LIVE(Abema TV)
2018年1月からはAbemaTVで生放送が開始される様です。
興味のある方は見てみてください。
■大相撲LIVE 初場所(序ノ口〜十両)【初日】
https://abema.tv/channels/world-sports/slots/8WFadN4vTcNCJb
■大相撲LIVE 初場所【初日】
https://abema.tv/channels/abema-special/slots/9UmUC9gjdwwGoh



18/01/12
本場所2日前情報! 】
■白鵬
11日、友綱部屋に出稽古した。
初場所に向けて、魁聖、十両旭秀鵬、山口を相手に計13番取って全勝だった。
横綱審議委員会から取り口について苦言を呈されていたが、この日は立ち合いの張り手やかち上げはなかった。
「前に出るとやっぱり、次にチャンスにつながっていく。流れというかね」と、手応えを感じた様子だった。

■稀勢の里
11日、田子ノ浦部屋で初場所に向け「しっかり戦える準備はできた」と出場を明言した。
汚名をそそぐためにもやるしかない。
この日、出稽古は行わず、田子ノ浦部屋で四股にすり足、立ち合いの確認など軽めの調整をこなした。
そして稽古後。
「しっかり戦える準備はできた。あとは微調整して初日を迎えたい」と初場所の出場に踏み切ることを明言した。

■鶴竜
11日、初場所の出場を表明した。
結果次第で進退を問われる可能性もある中、約半年ぶりとなる本場所復帰に踏み切り、「一日一日集中してやるだけだと思う」と決意を語った。
昨年は足首に続いて腰も痛め、稽古を十分に積めない悪循環に陥った。
師匠の井筒親方が「稽古の貯金がなくなっている」と心配する状態だったが、今場所前は土俵で久々に元気な姿を見せた。


宮内庁長官は11日の定例記者会見で、天皇、皇后両陛下が昨年まで3年連続で観戦されている大相撲初場所について、今年は取りやめとなった、と明らかにした。
昨年10月に日本相撲協会から招待を受け、検討していたが、元横綱・日馬富士による暴行事件などを受け、今週に入って協会から「昨今の情勢を踏まえて辞退したい」と申し入れがあった。



18/01/11
本場所3日前情報! 】
■稀勢の里
八角部屋に出稽古し、昨年11月の九州場所で金星を配給した北勝富士と精力的に稽古をこなした。
相手の右おっつけに苦戦するなど12番で8勝4敗。
最初の5番は2勝3敗と劣勢だった。
昨年3月の春場所で左腕を痛めてから、左からの攻めが影を潜めているだけに不安が残る内容。
それでも「いい稽古になった。突き、押しの力士とやると体が動く。いい仕上がりになってきた」と前を向いた。

■鶴竜
初場所に出場することが11日、決まった。
本人が「場所は出ますから」と明らかにした。
4場所連続休場からの再起を期す。


新弟子検査が10日、両国国技館で行われ、史上2位の優勝32度を誇る元横綱・大鵬(故人)の孫、納谷幸之介ら受検した9人全員が身長1メートル67、体重67キロ以上の体格基準を満たした。
納谷は身長、体重とも9人の中で最も大きい1メートル88、166キロでパス。
内臓検査の結果に問題がなければ初場所初日に合格が発表され、3日目(16日)の前相撲でデビューする。



18/01/10
本場所4日前情報! 】
■稀勢の里
初場所出場を明言した。
尾車部屋への出稽古を終えた後、「初日に向けて、あと3、4日で仕上げて、場所で結果を出したい」と話した。
8日は尾車部屋で行われた二所ノ関一門連合稽古で琴奨菊、嘉風と取って14勝3敗。
「昨日は手応えが自分なりに見えた。それを確信に変えるつもりで」と再び嘉風と胸を合わせた。
左の差し手を殺されても慌てず、相手の上体を起こして右上手を取ってから寄り切るなど、14番で12勝2敗と圧倒した。
休場が続いた昨年の九州場所までは見られなかった粘り強さが出てきた。
「いいと思う。うまくバランスが取れている」と納得の口ぶりだった。

■鶴竜
「(状態が)上がってきているのは確か。昨年一年はつらかった。応援してくれる人に恩返しをしたい強い気持ちがある」と話す一方で、出場については「番数が増えると(足首に)痛みが出てくる。(取組編成会議まで)あと3日なので。しっかり準備をして、そこから決めたい」と慎重な口ぶりだった。

■高安
9日、時津風部屋に出稽古し、同じく出稽古に来た逸ノ城らと13勝3敗だった。
関取最重量で215キロの逸ノ城の得意な右四つになっても力強く寄り切るなど順調な調整ぶりで「しっかり稽古をしていくだけ」と自らに言い聞かせた。
ぶつかり稽古で横綱白鵬の胸を借り、砂にまみれた。
「大関になっても胸を出してもらって、感謝している」と述べた。


新春恒例の奉納土俵入りが9日、東京・明治神宮で行われ、白鵬、稀勢の里、鶴竜が参加した。
傷害事件を起こした日馬富士が引退したため3横綱での実施で、観衆は2800人。
最近では14年(白鵬、日馬富士)と並ぶ少なさで、3横綱で行われた15年以降では最少となった。
稀勢の里が横綱に昇進した昨年は、21年ぶりに年6場所の全90日間が満員御礼となるなど活況を呈したが、年が明けると様相は一変した。

※宇良
昨年11月の九州場所後に右膝を手術したため、初場所を全休することが8日、分かった。
師匠の木瀬親方が明らかにした。
3月の春場所は12場所ぶりに幕下へ転落することが確実となった。



18/01/09
本場所5日前情報! 】
■白鵬
8日、友綱部屋に出稽古して、魁聖らと16番連続で相撲を取った。
昨年12月の横綱審議委員会の臨時会合で苦言を呈された張り手が1度だけ出たが、反省するかのように稽古後に自ら、取り口を改善する意向を示した。

■稀勢の里
8日、尾車部屋で行われた二所ノ関一門連合稽古に参加し、復調気配。
琴奨菊、嘉風と17番取って14勝3敗。
まわしが取れずに攻められても土俵際で踏ん張るなど、下半身に粘りがあった。
昨年初優勝を飾った初場所への出場に向け、最終調整に入る。

■鶴竜
8日、尾車部屋へ出稽古し、二所ノ関一門の連合稽古に参加した。
嘉風と10番続けて相撲を取り、9勝1敗と寄せ付けなかった。
初場所の出場こそ明言しなかったが、順調な調整ぶりをうかがわせた。

■高安
7日、右脚の負傷により2場所連続休場中の高安は、出稽古に来ている飛龍高の相撲部員に胸を出し「押せ」「腰を落とせ」と声を掛けながら指導した。
1週間後に始まる初場所に向けては「状態はいい。このままペースを上げて調整できればいい」と話した。



17/11/29
日馬富士 引退! 】
29日、現役を引退した。
日本相撲協会に引退届を提出して受理された。
鳥取県警の捜査や相撲協会危機管理委員会の調査が進む中、不祥事の責任を取る形で自ら身を引くことを決断した。
日馬富士は同日午後、福岡県内で記者会見を行った。
「貴ノ岩にケガを負わせ、横綱としての責任を感じた。本日をもって引退させていただく。国民の皆様、相撲協会に大変ご迷惑をかけたこと、心からおわび申し上げます」と語り、深々と頭を下げた。



17/11/27
千秋楽 翌朝 情報! 】
■日馬富士
暴行問題を起こした横綱日馬富士関の師匠、伊勢ケ浜親方は26日、日馬富士関が12月3日に長崎県大村市で始まる冬巡業を全休すると明言した。
九州場所の途中休場理由である左腕の負傷が原因とし、現在は福岡県太宰府市の部屋宿舎に滞在中と説明した。

■白鵬
26日、千秋楽を迎え、前日に2場所ぶり40回目の幕内優勝を果たした白鵬は豪栄道を上手投げで退け、14勝1敗で終えた。

■稀勢の里
腰や左足首の負傷のため、10日目から休場した横綱稀勢の里が12月3日からの冬巡業を全休することになった。
田子ノ浦親方が26日、明らかにした。
同親方は「途中から(参加)も厳しい。治療を優先する」と話した。

■高安
田子ノ浦親方によると、右脚のけがで13日目から休場した弟子の大関高安については、冬巡業に最初から参加する見込み。

■阿武咲
宝富士を電車道で運んで勝ち越した。
11日目に7敗目を喫し、勝ち越しへ後がなくなってから4連勝。
「土俵に上がっている以上、諦めたら終わり」と言うように、気持ちを切らさずに踏ん張った。
初日に日馬富士を破ったものの、その後は横綱、大関にはね返されて6連敗を喫した。
来場所は新関脇への昇進が濃厚だが、「反省しかない。上位に勝たないと、これから先はない」と気持ちを引き締め直した。

■貴景勝
21歳の貴景勝は、前日まで優勝を争っていた隠岐の海を一方的に押し出して自己最多に並ぶ11勝を挙げた。
「結果だけでなく、精神的にも成長できた」。
2横綱1大関を破ったことが評価され、殊勲賞も手にした。

■安美錦
千秋楽、勝ち越しを決めると、感情を抑えられない。
「勝ち負けがある世界なので、つらいことだらけですけど、まあこうやってね。良かったです」。
昭和以降最年長の39歳0カ月で再入幕した場所で12度目の三賞となる敢闘賞までつかみ、声を震わせた。


日馬富士暴行問題
26日の九州場所千秋楽後、福岡・田川市内で開かれた打ち上げに参加。
会場は貴乃花部屋に隣接する「相撲茶屋 貴ノ花」で、後援会関係者らが出席した。
同日夜放送されたフジテレビ系「Mr.サンデー」によると、貴乃花親方は「正々堂々と戦っていく。それが巡業部長の務めだと思っています。ご迷惑をおかけし、申し訳ありません」とあいさつしたという。
さらに「貴ノ岩の容体は普段の転んだり、普通に殴られたりしてできるような傷ではありません」と貴ノ岩の症状を説明。
「正当に裁きをしていただけなければいけないというのが、巡業部長の責任」などと語ったと伝えた。
貴乃花親方は打ち上げ後、帰京した。



17/11/26
千秋楽朝 情報! 】
■白鵬
25日、勝てば優勝が決まる結びの一番に遠藤を厳しい攻めで一方的に勝負をつけ、前人未到の40回目の優勝を決めた。
場所中に同じ横綱の日馬富士の暴行問題が発覚し、土俵外の不祥事に揺れた一年納めの場所。
白鵬は「言葉にならないくらいうれしい」と優勝回数が大台に乗ったことを喜ぶ一方、「本当に申し訳ない気持ちでいっぱい」と複雑な心境を見せた。

■御嶽海
25日、荒鷲を押し出しで破り勝ち越しを決めた。
これで、今年の6場所全てで勝ち越した事となる。
「自分の相撲が取れたので良かった」とうなずいた。
場所前に左足親指の付け根付近の靱帯を損傷。
腫れもひかず、親指を地面につくこともできなかった。
それだけに「(勝ち越しは)無理だと思いました」。
だが、ふたを開けてみれば前半戦に白星を積み重ねた。
「ホッとしました。こういうけがをしたことがなかったので、けがしたらこうなるんだと、身に染みて分かった」と胸をなで下ろした。

■逸ノ城
嘉風を退けて10勝目。
まわしは引けず、いなされても冷静に対応して押し出した。
横綱、大関との対戦があった場所では、新入幕だった2014年秋場所以来の2桁白星。
「久々なのでうれしい」と言い、憎めない笑顔を見せた。
今場所は下半身がどっしりとした内容が目立つが、「もったいないのが2番あった」と反省も忘れない。
「あしたは一年の締め、今場所の締めなので、しっかりいきたい」と意気込んだ。


日馬富士
暴行問題で、負傷した平幕貴ノ岩の師匠、貴乃花親方が誤った情報を指摘した。
九州場所14日目の25日、日本相撲協会の役員室に呼び出されて対応。
貴ノ岩と連絡を取った元旭鷲山がテレビやフェイスブックなどで発信している貴ノ岩発言が正確でないと説明した。
協会から貴ノ岩への聴取は、引き続き拒否した。



17/11/25
14日目朝 情報! 】
■白鵬
史上最多の大台40回目の優勝に王手をかけた。
宝富士をはたき込み1敗を死守。
今年54勝目を挙げ、2年ぶり10度目の年間最多勝も確定させた。

■高安
「右内転筋筋損傷で3週間程度の加療を要する」との診断書を相撲協会に提出して13日目から休場した。
12日目の北勝富士戦で負傷。
休場は右太ももを痛めて3日目から休場した秋場所に続き2場所連続3回目。
この日対戦予定だった豪栄道は不戦勝。
11日目に8勝目を挙げており、初のカド番は脱出していた。

■逸ノ城
威力十分の立ち合いで御嶽海を引かせた。
そのまま圧力をかけて簡単に押し出し、「ちょっとびっくり。つかまえてからと思ったけど。きょうはたまたま」と自身も驚く圧勝だった。
前日から大関、関脇と破って9勝目を挙げ、「来場所で大負けしないようにしたい」と三役復帰をにらみながら、自分を戒めるような言葉も出た。

■隠岐の海
「最悪の相撲」と苦笑しつつ振り返った。
それでも、勝ったことに意味がある。
首位を走る白鵬との1差を堅持し、独走に待ったをかけた。
ぶつかった直後、胸を合わせれば力を発揮する栃ノ心に左上手を引かれた。
劣勢に立たされたが、左を固めて右差しを許さなかったのが功を奏する。
寄られて後退した土俵際で、下がりながら右下手投げ。
相手が先に落ち、執念の逆転勝利を果たした。

■妙義龍
14日目、「左膝半月板損傷で九州場所の休場と2週間の安静加療を要する」との診断書を提出して休場した。
14日目の相手、正代は不戦勝。
2014年秋場所以来、7度目の休場となった妙義龍は負け越しが決まった。


日馬富士
24日、日本相撲協会の危機管理委員会による調査が難航する気配が漂ってきた。
協会関係者によると、危機管理委は23日に現場の酒席にいた鶴竜と照ノ富士から東京都内で事情聴取。
だが暴行を受けた貴ノ岩に応じる気配が全く見られない。
協会は24日の午後、貴ノ岩関の師匠、貴乃花親方が2度にわたって役員室へ足を運んだが、滞在時間はいずれも3分程度。
終了後は無言で引き揚げた。
春日野広報部長は「何も言えないし、言わない」と説明を避けた。



17/11/24
13日目朝 情報! 】
■貴景勝
自己最高位に並ぶ西前頭筆頭で勝ち越した。
10日目の松鳳山戦で張られた上唇の周辺が大きく腫れる痛々しい姿。
玉鷲のぶちかまし、激しい突きを受けても「引っ張ってくれるのは気持ちだけ」。
その言葉通りに気迫で激痛をこらえ、左はず押しから形勢を逆転した。

■北勝富士
高安を破り、今年夏場所以来自身2度目の10勝目を挙げた。
立ち合いで強烈なかち上げを受けたが踏ん張り、タイミングよく引き落としを決めた。
「ひと押しで(高安が)結構下がって『いける』と思った。足がそろっているのが見えたし、そのまま押したかったけど、勝ちにこだわったっすね」。

■逸ノ城
豪栄道との1分近い一番を制し、2場所連続の勝ち越しを決めた。
もろ差しを許しても左上手は決して離さず、最後は押しつぶすように投げた。
体力を生かして大関を破り、「全然慌てなかった。力が出せた」と振り返った。


日馬富士
23日、酒席に同席し、現在開催中の九州場所を休場している鶴竜、照ノ富士に事情聴取したことが相撲協会関係者への取材で分かった。
貴ノ岩への聞き取り調査については、相撲協会は複数回、貴乃花親方に要請しているものの、「警察の調査に任せている」などとして拒まれている。
酒席で同席していた白鵬は九州場所後に聴取を受ける予定。
相撲協会は貴ノ岩が被害届を出した鳥取県警の捜査に協力し、警察の聴取を終えた関係者への聞き取りを進めている。



17/11/23
12日目朝 情報! 】
■白鵬
11日目、結びの一番で嘉風に寄り切りで敗れた際、納得がいかない表情で立ち尽くし、場内が騒然となる一幕があった。
ここまで10連勝で、気合十分の立ち合いだったが、踏み込んでこなかった嘉風にもろ差しを許した。
直後に、待ったと言わんばかりに脱力したが、立ち合いは成立。
そのまま一気に土俵の外に押し込まれた。
腰に手を当てて土俵に戻ろうとせず、土俵下で約1分間、右手を挙げながら審判にアピール。
物言いは付かず、嘉風が勝ち名乗りを受け、弓取り式が始まっても、首をかしげながら、土俵にとどまったまま。
「納得いかないというのはない」と平静を装ったが、「呼吸が合わなかった」と未練を見せた。

■高安
11日目、得意のかち上げで上体を起こすと休まず突いて出て、幕内最重量の逸ノ城を土俵外まで持って行き、持ち味を発揮した快勝だった。
カド番脱出を決め「踏み込めた良い相撲だった」と笑顔を見せた。

■北勝富士
埼玉栄高の大先輩、豪栄道に3度目の挑戦で初勝利。
押し込まれた土俵際で素早く回り込み、もろ差しになっても攻め急がなかった。
「落とし穴があると思っていた。研究の成果」。
首投げが来ても慌てることなく、最後は両手で押して大関を土俵下まで吹っ飛ばした。


日馬富士
負傷した貴ノ岩の師匠にあたる貴乃花親方が22日、日本相撲協会危機管理委員会による貴ノ岩の事情聴取への協力要請を拒否した。
危機管理委は全容解明のため、当事者の証言を求めているが、貴ノ岩が聴取に応じないことで難航は避けられない。



17/11/22
11日目朝 情報! 】
■高安
7勝目にも取り口には不満げだった。
立ち合いで琴奨菊に当たり勝ちながら、はたいて呼び込み、俵に詰まりながらも相手が先に落ちて白星を拾った。
「苦し紛れで褒められた内容じゃない。前に出なきゃいけなかった」と反省した。
納得はいかない一番だったものの、大関かど番脱出へあと1勝となった。
「まあ勝ちは勝ち。あしたに向けて気持ちを切り替えてしっかりやる」と割り切って話した。

■北勝富士
千代大龍の引き技にしっかりと対応し、10日目で勝ち越した。
自らより30キロも重い190キロの相手を力強く押し出し「下から、下から。相手が引きたくなるように攻めた」と、してやったりの表情だ。

■安美錦
7勝目を挙げ、幕内残留を確実にした。
碧山のもろ手突きを下からあてがって我慢すると、相手のはたきに乗じて一気に出た。
左アキレスけんなどに古傷を抱える中、しっかり足を運び「自然と体が動いた」と納得した。
39歳で8場所ぶりに復帰した幕内での勝ち越しにも王手。
「ちょっと安心した。気持ちを盛り上げて取りたい」と、終盤戦を見据えて話した。


日馬富士
鳥取県警が年内にも、傷害容疑で書類送検する方針を固めたことが21日、捜査関係者への取材で分かった。
県警は日馬富士が、逃亡や証拠隠滅の恐れがないことなどから、逮捕はせず捜査を進める判断をしたもよう。
実態解明が進む中、日馬富士はこの日、福岡・太宰府市に構える九州場所の伊勢ケ浜部屋に戻った。



17/11/21
10日目朝 情報! 】
■白鵬
9日目、唯一全勝の白鵬は、千代の国と対戦した。
白鵬は、相手に何もさせず、無傷の9連勝。
白鵬は9勝0敗となり、千代の国は1勝8敗となった。
9日目で1敗の力士がいなくなり、史上最多40回目の優勝へ、独走状態となった。

■稀勢の里
10日目の21日から休場することが決まった。
9月の秋場所を初めて全休し、左の胸と上腕のけがから復活を期した今場所は、9日目まで5個の金星を配給して4勝5敗だった。
10日目対戦相手の千代の国は不戦勝となる。

■阿武咲
少年時代からのライバル対決。
2度目の対戦は、阿武咲が貴景勝を下し、完敗した夏場所の雪辱を果たした。
出世争いで先行する新小結が意地を見せた格好だ。


日馬富士
危機管理委員会は宴席で殴打された貴ノ岩から九州場所中に事情聴取する意向であることが20日、分かった。
宴席に同席し、休場中の鶴竜と照ノ富士に対しては21日にも聴取を行い、出場中の白鵬については場所終了直後に実施する見通しだ。



17/11/20
9日目朝 情報! 】
■白鵬
2日連続の金星を狙う北勝富士を退けて単独トップを守った。
史上最多を更新する44回目のストレート給金。
支度部屋では自ら「(中日の勝ち越しは)何回目?」と報道陣に聞き、記録へのこだわりも感じさせた。

■稀勢の里
現状は深刻だ。
左を差しにいったが、逸ノ城に右からおっつけられて差せず、逆に大きな相手にガバッと右を差されて、結局は何もできずに敗れた。
力がまったく入っていないし動きが悪すぎる。重みも感じられず、横綱という感じがしないが、体に悪いところがないのなら(9日目以降は)出るしかない。

■貴景勝
御嶽海に完勝。
低く当たって押し込むと、二の矢の腕もよく伸びた。
相手の引きに乗じて勝負を決め、「自分の相撲に集中しようとした。自分が強いとかは分からない」。
いつも通り、表情一つ変えずに淡々と振り返った。


日馬富士
暴行問題について、日本相撲協会の八角理事長が謝罪しました。
「この度は日馬富士の暴力問題につきまして、皆様に多大なるご心配、ご迷惑をお掛け致しましたことをおわび申し上げます」
「できるだけ早く事実関係を明確にすべく最大の努力をして、再発防止の対策も協会の総力を結集して講じていく」
さらに「皆様の信頼を裏切らないように一層の土俵の充実を図るべく取り組んでいく」と語った。



17/11/19
中日朝 情報! 】
■白鵬
白鵬は阿武咲との縁を感じていた。
自身が主催する少年相撲大会「白鵬杯」で、当時中学生だった阿武咲に表彰式でメダルを授与したことがある。
「朝起きて7年前のことを思い出した。不思議な感じ。白鵬杯から入門し、関取になって花が咲いた」と感慨深げだった。
「一つの夢がかなった」という一番は、相手の突進を受け止めると、すぐに左に開いて突き落とした。
次代を期待される新小結を軽く料理し「何とか壁になったね」と余裕たっぷりだった。

■北勝富士
稀勢の里から初対戦で初金星を挙げた。
秋場所の日馬富士戦以来、自身3個目。
「心が折れそうになりました。苦しくて…」。
右のおっつけで横綱の左を封殺。
頭をつけて寄り切った。
座布団が投げられないよう座席に固定された九州場所。
33秒8の激闘に興奮した観客から、トイレットペーパーが投げ込まれるほどだった。
中日は横綱・白鵬に挑む。

■安美錦
幕内最年長39歳の安美錦と、2番目の38歳・豪風とのベテラン対決は安美錦が制した。
真っすぐ頭でぶつかってきた豪風に後退したが「反応できた」と土俵際で右足一本を残しながらはたき込んで1敗を守った。
今場所は左アキレスけん断裂から8場所ぶりに幕内復帰。
豪風が「(幕内に)上がってくるのを待っている」と言っていると聞いた安美錦は「しっかり当たって気持ち良く取れた。互いに高め合い、刺激にしたい」と充実した様子だった。


日馬富士
貴乃花親方が日馬富士関側に対し、民事訴訟などの法的手段を検討する意向を日本相撲協会の事情聴取で示唆していたことが18日、分かった。
提訴すれば、元横綱の現職理事が現役横綱を訴える異例の事態になる可能性がある。
伊勢ケ浜親方が貴乃花親方に対し「悪かった。ただ、他の力士もいるから、(訴えるのは)何とか場所後にしてもらうことはできないか」と謝罪したことも明らかにした。



17/11/18
7日目朝 情報! 】
■白鵬
単独トップに立った。
左張りから右差し、左上手もがっちり取って豪快な上手投げで松鳳山を瞬殺。
「いいところに右が入って、あとはジワジワと圧力をかけて出た」と満足げだ。
日馬富士の暴行問題で一年納めの場所は大きく揺れているが、「しっかり締めていきたい」。

■稀勢の里
古傷を抱える左腕で攻めた。
栃煌山に浅いもろ差しを許したが、挟み付けるように圧力をかけながら前へ。
相手が俵に詰まった反動を利用し、最後は左から突き落とした。
不安を抱える左腕を使って難敵を退け、「悪くはない」と納得顔。
「集中して、またあしたしっかりやるだけ」と気合を入れ直した。

■千代大龍
連敗を3で止めると「口の中また血だらけだ。連敗の中で調子いい大関に勝てたんで、うれしい」と喜んだ。
番付上の相手に過去3勝4敗と健闘している。
お互い引き合う形となったが、「意地でも落ちたくなかった」と執念で白星を奪った。


日馬富士
17日、鳥取県警は東京都内で日馬富士関本人から任意で事情聴取を始めた。
県警は傷害容疑で捜査しているが、殴打にビール瓶を使ったのかなど関係者の証言には食い違いもあり、当日の状況や動機を直接聴いて暴行の経緯を調べる。

17日、貴ノ岩側から協会に提出された診断書について、作成した医師が頭部骨折、髄液漏はあくまで疑いであり、相撲を取ることに支障はない−と重傷を否定していたことを発表した。



17/11/17
6日目朝 情報! 】
■白鵬
制限時間を迎える前、左足から鋭く踏み込んだ。
栃煌山との呼吸が合わず、立ち合いは不成立となったが、横綱の並々ならぬ気迫を感じさせた。
「相手も乗っていたし、会場も盛り上がっていたし、立つなら立ってみようという気持ちで立ったけどね」。
時間いっぱいで仕切り直すと、左で張って、右からはかち上げ。
さらに左の喉輪攻めで起こしてタイミング良くいなす。
何とか向き直った相手を土俵下まで難なく吹っ飛ばした。
初日から抜群の動きを見せて5連勝。

■稀勢の里
松鳳山から薄氷の勝利を収め、連敗を免れて3勝目。
幕内勝ち星702勝とし、貴乃花を抜き歴代8位となった。

■高安
初黒星を喫した。
先場所までの1年間で1勝5敗と苦手にしている玉鷲に対し、立ち合いで体ごとぶつけて押し込んだ。
だが、相手の左おっつけに上体が起き上がり、最後は相手に背中を見せて土俵下に飛び出した。

■安美錦
幕内最年長、39歳の安美錦が新入幕の大奄美に粘り勝ちし、初日から負けなしの5連勝。
弟弟子の日馬富士の不祥事や、照ノ富士の休場などに揺れる伊勢ケ浜部屋勢にあって、土俵上で踏ん張りを見せている。


日馬富士
16日夜、九州場所が開催されている福岡から再び帰京した。
前日(15日)にも福岡−東京間をとんぼ帰り。
報道陣には終始無言で“謎の帰京”とされたが、この日も宿舎を出る際から口をつぐんだ。
報道陣を避けるためか、北九州空港発の航空便に搭乗し、午後11時ごろ、羽田空港に到着。
日馬富士はマスクを着用し、待ち構えた報道陣の問いかけにも言葉を発せず、警察官にガードされたままその場を去った。
鳥取県警は17日にも、東京都内で横綱を任意で事情聴取する方針。
前日に続く帰京は、これに合わせてのものとみられる。



17/11/16
5日目朝 情報! 】
■照ノ富士
5日目から休場することが決まった。
5日目の相手だった御嶽海は不戦勝となる。
かど番だった秋場所で、古傷の左膝を痛めて途中休場し、大関から陥落。
関脇に落ちた今場所は10勝すれば大関に復帰できたが、膝の状態は思わしくなく、初日から4連敗していた。
今場所での大関復帰はなくなった。

■貴景勝
復調気配だった稀勢の里に何もさせなかった。
頭で当たってから突いて出て、ひたすら前に出た。
左おっつけで回り込む横綱についていき、左喉輪で上体を起こして突き出し。
日馬富士を破った2日目に続く今場所2個目、通算3個目の金星だ。

■安美錦
初日から4連勝。
昭和以降では最高齢となる39歳で幕内に返り咲いた大ベテランは「向こうも色々考えてきている感じだったけど、その中でもうまく取れたかな。よかったんじゃない」としてやったりの表情だ。


日馬富士
15日、日本相撲協会の処分決定が年明けとなる可能性が出てきた。
被害を受けた貴ノ岩の師匠貴乃花親方が鳥取県警に被害届を提出。
日本相撲協会は警察への捜査協力を最優先することを確認し、独自組織の危機管理委員会による調査を後回し、身動きが取れない状態となった。



17/11/15
4日目朝 情報! 】
■日馬富士
14日、10月下旬の秋巡業中に同じモンゴル出身の貴ノ岩に酒席で暴行し、大けがをさせていたことが分かった。 日馬富士関は暴行を認めて謝罪し、九州場所を休場した。 貴乃花親方は10月下旬に鳥取県警に被害届を提出しており、鳥取県警が捜査を進めていることが関係者への取材で分かった。

この日の8時半ごろ、福岡県太宰府市の伊勢ケ浜部屋の宿舎の稽古場にて、普段通りに稽古に汗を流した後に報道陣の取材に応じ
「貴ノ岩のけがについて貴乃花親方、貴乃花部屋後援会関係者の皆様、相撲協会、うちの部屋の親方に大変迷惑をかけたことを深くおわびします」と神妙な表情で語った。

また、この日から「左上腕骨内側上果炎、左尺骨神経痛で約6週間の加療を要する」の診断書を出し、途中休場した。

■高安
初顔合わせの阿武咲の反撃で俵に詰まったが、相手が足を滑らせ白星を手にした。
「いい相撲を取っていたが、しっかり残せた」と余裕はあった様子。
年間最多勝争いは47勝となり、御嶽海とともにトップの日馬富士に並び「まあ、頑張ります」と力を込めた。

■御嶽海
今年の年間勝利数が47勝でトップだった日馬富士が休場したことで、1992年の貴花田の60勝に届く力士がいなくなり、年6場所制となった58年以降で最少の年間最多勝となることが決まった。
この日、47勝に並んだのが大関高安と関脇御嶽海。
横綱、大関以外が年間最多勝に輝けば、92年の貴花田以来だが、御嶽海は「全然思ってもいない。勝つのみ」と意識はしていなかった。



17/11/14
3日目朝 情報! 】
■白鵬
初日に稀勢の里から金星を挙げている玉鷲の突進をうまくさばいた。
立ち合いは左の張り手で様子を見ながら距離をとり、相手が前に出たところで左上手。投げながら後ろに回って送り出した。
「余裕をもっていったのは、いいところ」と冷静。

■稀勢の里
連敗を回避した。
先場所は全休で、白星は途中休場した名古屋場所4日目以来、124日ぶり。
節目の幕内通算700勝目に「伸ばせるようにして行きたい」と話した。

■豪栄道
1年ぶりとなる連勝スタートを切った。
2本差して一気に走り、琴奨菊に完勝。
「うまく体を寄せられた。もろ差しになれれば、最高だと思った」。
取り口を振り返る時も、歯切れが良かった。

■北勝富士
御嶽海を押し出しで破った。
「一番うれしいです。横綱、大関(に勝つ)よりうれしいですね」。
同学年で学生時代からのライバルとの対戦成績を2勝2敗の五分に戻し、ご機嫌だった。

■貴景勝
2場所続けて日馬富士から金星を奪った。
頭で当たって横綱の上体を起こし、電車道で押し出した。
相撲内容を覚えていないほどがむしゃらに攻め、結果を出した。

■碧山
3日目の14日、日本相撲協会に休場を届け出た。
13日の隠岐の海戦で右足首付近を痛めた。
3日目の対戦相手、魁聖は不戦勝。
碧山の休場は先場所に続いて通算4度目。

※貴ノ岩
2日目の13日、「脳振とう、左前頭部裂傷、右外耳道炎、右中頭蓋底骨折、髄液漏の疑いで全治2週間程度」との9日付の診断書を公表した。
鳥取市で巡業が行われた10月26日に負傷し、11月5日から9日まで福岡市内の病院に入院。
「状態が安定すれば仕事に復帰が可能」ともある。
貴乃花親方は「診断書に書いてある通りです。本人の体調が悪いということ」と説明した。



17/11/13
2日目朝 情報! 】
■白鵬
琴奨菊を上手出し投げで下し、前人未到の40度目の優勝に向けて白星発進。

■稀勢の里
玉鷲戦、左を差す万全の立ち合い。
しかし、胸を合わせきれず、振りほどかれるとおっつけで逆襲され、上体が浮き、右から張り手を見舞う必死の抵抗も実らず、押し出されて力なく土俵下に沈んだ。

■豪栄道
貴景勝に雪辱。
「意識していた」という立ち合いで鋭く当たった。
出足を止めずに前に出て、まともに引いた相手に対して倒れ込みながら押し出した。
要した時間は1秒9。
持ち味の速攻が光り「良かったですね」と納得の表情だった。

■高安
初のかど番初日、引き落としで千代大龍を破った。
先場所休場で負け越せば大関陥落となるが「リラックスしてできた」と、気負いはなかった。
負傷箇所も「大丈夫」と話したが、内容には「相撲が相撲だから」と、納得してはいない。

■阿武咲
2場所続けて日馬富士を破った。
鋭く踏み込んで横綱を起こし、間髪入れずにはたいた。
「しっかり相手が見えた。最高です」と素直に喜んだ。
締め込みを赤からなす紺に変えて臨んだ場所で最高の滑り出し。
勢いに乗って2日目は尊敬する稀勢の里に初挑戦する。
「やっとここまできた。本当に楽しみ。やるべきことに集中したい」と言って、さらに気合を入れた。

■安美錦
昭和以降最年長記録で再入幕した39歳の安美錦が左上手投げで8場所ぶりの幕内の舞台を白星で飾った。
「体の動きだけで投げた。いい相撲だったね」。
2場所ぶり再入幕の琴勇輝に快勝、細い目をさらに細めたベテランは「やっと戻ってきた感じ。せっかくだから頑張りたい」。
八角理事長も「頼もしい。引き出しが多い」と絶賛した。



17/11/12
初日朝情報! 】
■白鵬
40度目の優勝を狙う横綱白鵬は順調に仕上げてきた。
余分な体重を10キロ落とすと、途中から参加した秋巡業では精力的に基本運動を行った。
好不調のバロメーターとしている背中や尻回りの筋肉も盛り上がりを見せ、11日の土俵祭り後には「この良い天気が物語っているんじゃないかな」と晴天の空を見上げながら、自信ありげにつぶやいた。

■稀勢の里
11日、土俵祭りを終え表情は落ち着いていた。
「身が引き締まる思い。平常心で明日迎えられれば」。
秋場所での自身初の全休を含む、3場所連続休場中だが不安は一切ない。そして「しっかり集中してやるしかない」と言い聞かせるように言った。

■阿武咲
土俵祭りに初参加した。
力士では三役以上が出席し、15日間の安全を祈願。
神聖な雰囲気に「新鮮なことばかりで、気持ちが引き締まった」と背筋を伸ばした。
初日は日馬富士、2日目は稀勢の里と、いきなり横綱との連戦が控えるが「思い切ってやるだけ。魂の入った相撲を取る力士だと思ってもらえるようにしたい」とファンに存在感を見せる決意だ。



17/11/11
本場所1日前情報! 】
■豪栄道
6日からは2日連続で一門外の二所ノ関一門の連合稽古で稀勢の里と高安を相手にした。
持ち味の低い姿勢から相手の懐に飛び込んだり、右差しからの寄りを見せたりし、「いい稽古ができた。初日まで微調整したい」と自信をつかんだ。

■阿武咲
10日、九州場所の取組編成会議が行われ、初日に日馬富士、2日目に稀勢の里に挑戦する。
初日の日馬富士戦は予想通りといい「初日は得意だから」とニヤリ。
再十両の昨年名古屋場所以降、初日は7勝1敗という験の良さも強気にさせた。


初日からの休場力士
■鶴 竜/「腰部挫傷、右足根骨剥離骨折後」
■貴ノ岩/不明
■宇 良/「右膝前十字靱帯(じんたい)損傷」「左膝半月板損傷」



17/11/10
本場所2日前情報! 】
■日馬富士
前夜祭での土俵入りを終えると、2連覇が懸かる九州場所に向けて「自分なりにいい汗を流してきた。心と体を一つにして頑張ります」と抱負を口にした。
初場所から今年は47勝を挙げており、年間最多勝争いでトップに立つ。
2位の御嶽海に2差つけておりタイトルがチラつくが、「結果がどうであれ15日間しっかり務める」と力を込めた。

■稀勢の里
9日、九州場所への出場を明言した。
自身初の全休となった9月の秋場所後から精力的な稽古を続け、臨戦態勢が整った。
今年は1月の初場所で初優勝を飾り場所後に横綱に昇進。
3月の春場所では新横綱優勝を果たしたが、その後は3場所連続で休場した。
納めの場所で再起を果たし、激動の一年を締めくくる。

■照ノ富士
9日、九州場所への出場を明言した。
この日は、福岡・太宰府市内にある宿舎から、車で約30分の福岡市中央区にある九重部屋に、出稽古に足を運んだ。
千代大龍(3勝1敗)、千代の国(13勝3敗)と計20番取り、最後は千代の国を相手に5連勝で締めた。
この日の稽古後に「やってみるよ」と万全にはほど遠いながらも出場を表明。
「やれることはやった」と、現状で出来うる限りの調整で九州場所に臨む。

■宇良
九州場所を初日から休場することが9日、分かった。
関係者が明らかにした。
休場は2場所連続2度目。
小兵の業師で人気のある宇良は7月の名古屋場所で負傷した右膝を、9月の秋場所に悪化させて「右膝前十字靱帯(じんたい)損傷」と診断され途中休場した。
その後、師匠の木瀬親方が靱帯に断裂している部分があることも明かした。



17/11/09
本場所3日前情報! 】
■白鵬
8日、福岡市の阿武松部屋に出稽古して、阿武咲と三番稽古を行った。
15番取って11勝で「相撲勘をつかめた」と手応えを口にした。
最初の一番こそ、阿武咲の低く激しい押し相撲に圧倒されるようにして土俵を割ったが、その後は得意の四つになってからの寄り切りや下手投げで圧倒した。
秋場所を全休の原因となった左膝痛の状態も「名古屋場所に比べるといい」と調子を上げてきた。
「久しぶりの優勝を見せたい」と九州場所の意気込みを話した。

■鶴竜
九州場所を休場することが8日、決まった。
師匠の井筒親方によると、7月の名古屋場所で負った右足首痛に加え、数日前から腰痛を併発。
この日「腰部挫傷、右足根骨剥離骨折後により約3週間の治療を要する見込み」と診断され、今場所は全休する。
休場は4場所連続9度目で、今年は5度目となる。
5場所目を迎える4横綱時代だが、今場所も全員皆勤は実現しない。

■高安
8日、部屋宿舎で、若い衆に胸を出す軽めの稽古。
6、7両日の二所ノ関一門の連合稽古では、黒星先行で「しょうもない相撲」と辛口採点だっただけに「横綱とやりたい。やったほうがいい」と兄弟子稀勢の里との手合わせを熱望した。
初のかど番だが「負けたらしゃーない。もちろん、勝ち越して2桁勝利、上を意識してやります」と平常心を強調した。

■阿武咲
8日、福岡市西区の阿武松部屋へ出稽古に来た白鵬と三番稽古を行い4勝11敗。
圧倒されながらも、初顔合わせとなる九州場所での勝利を誓った。



17/11/08
本場所4日前情報! 】
■白鵬
7日、福岡県篠栗町の宮城野部屋で、出稽古に来た魁聖らと13番取り全勝。
鋭く踏み込み四つに組むと攻撃の隙を与えず、一方的に寄り切る場面が目立った。
弟弟子の石浦が首を痛めるほどの立ち合いの破壊力も見せた。
40度目の優勝を狙う横綱は8日から出稽古を開始する考えを示した。

■稀勢の里
7日、二所ノ関一門の連合稽古が福岡県大野城市の田子ノ浦部屋であり、一門外から出稽古の豪栄道と弟弟子高安の両大関と計3勝4敗。
稽古を途中で切り上げて「体もちょっと、しっくりこなかったんで」とお疲れだった。
ハイペースで調整してきたが小休止。
3場所連続休場からの復活へ「いい感じで、できると思う」と慌てる気配はなかった。

■豪栄道
7日、12番で9勝と好調ぶりを披露。
先場所は逆転で優勝を逃しており「強く当たれて力が伝わった。いい結果を残して喜ばれたい」と雪辱を期した。

■高安
7日、9番で2勝。
患部に問題はないとし「万全の状態で取れるように努力していく」と自らに言い聞かせるように語った。

■照ノ富士
出場が不透明な状況だ。
7日、福岡県太宰府市の伊勢ケ浜部屋で立ち合いの確認などを行ったが患部に力が入らず「出るかどうか、まだ決めていない」と話した。
10勝すれば大関に復帰できるだけに「多分出るとは思うけど…」と揺れる気持ちを吐露した。



九州場所・各部屋の宿舎が掲載されていました。西日本新聞



17/11/07
本場所5日前情報! 】
■白鵬
宮城野部屋で、出稽古に来た魁聖、十両の東龍、旭大星、青狼と12番取って全勝した。
体重190キロ超の魁聖を圧倒するなど順調な調整ぶり。
「膝はほぼ気にならない。守りも攻めも順調に来ている」と手応えにうなずいた。

■稀勢の里
6日、二所ノ関一門の連合稽古が福岡県春日市の尾車部屋宿舎であり、嘉風との三番稽古で8勝2敗。
上腕部や胸部の負傷に悩まされてきた左からの攻めに「良かったと思う」と手応えを口にした。

■豪栄道
連合稽古に参加し、高安と大関同士の三番稽古を行った。
高安には本場所で4連敗中。
この日はいきなり2連敗したが、右差しからの速攻などがさえて8勝3敗と勝ち越し。
「徐々に良くなってきた。それなりに満足できる相撲が取れた」と納得の様子だった。

■高安
6日、春日市で二所ノ関一門の連合稽古に参加した。
出稽古に来た豪栄道に3勝8敗。
秋場所で右太ももを故障してまだまだ本調子ではない中、「少しずつ、相撲勘も取り戻してます。今日も思ったより動けました」と前向きだった。

■琴奨菊
6日、春日市で二所ノ関一門の連合稽古に参加した。
関取衆の申し合いの最中、輝を押し出した際、左手小指を脱臼。
勝ち残りすることができずに険しい表情で土俵外へ。
親方衆も心配そうに見つめる中、若い衆から「はまりました」との声が上がり、一同は一安心。



17/11/06
本場所6日前情報! 】
■白鵬
5日、宮城野部屋が宿舎と稽古場を構える福岡・篠栗町の南蔵院本堂で必勝と安全を祈願した。
場所前恒例の行事で、訪れた参拝客らに餅をまいた白鵬は「わたしの活躍がみなさんへ、勇気として伝われば。これから(調子を)あげていく」。
区切りの大台となる40度目の優勝を目指し、週の前半は出稽古にくる力士を迎え、自らの出稽古も予定する。

■稀勢の里
5日、福岡市の佐渡ケ嶽部屋に出稽古し、琴奨菊と熱い三番稽古を繰り広げ9勝2敗。
見守った佐渡ケ嶽親方は、あまりの激しさに「これが稽古だ」とうなった。

■阿武咲
5日、福岡市内の部屋で稽古し、猛烈に追い込んだ。
幕下以下と30番取ると、休む間もなくぶつかり稽古を10分超も続けた。
阿武松親方が「ぶつかりが強い人はスタミナがある。体の芯から力が湧いてくる」と言う愛のムチで泥にまみれた。

■宇良
4日、福岡・東区の木瀬部屋で三段目以下に16番胸を出して11勝5敗だった。
9月の秋場所中に古傷を再発させて「右膝前十字じん帯損傷」で途中休場。
その後の検査でじん帯を断裂していることが判明した。
秋巡業も全休して九州場所で再起を目指すが、「気持ちだけは出るつもりで稽古をしているが、まだどうなるかわからない」とした。

■高安
31日、九州場所をカド番で迎えるが、福岡入り後初の稽古で兄弟子の稀勢の里と11番取った。
秋場所で右太腿の内転筋を部分断裂。
秋巡業を全休し、この日が負傷後初めての相撲。
1勝10敗と大きく負け越し「完璧とは言えない。8、9割ぐらい」と万全ではないが「稽古始めとしては悪くない。(九州場所は)出る前提で稽古している」と手応えは感じている。
大関3場所目のカド番にも「気楽にやる。今場所がダメなら来場所という気持ちで」と焦りはなかった。

■照ノ富士
27日、松江市で行われた秋巡業で、幕内朝乃山と三番稽古を行った。
途中、巡業部長の貴乃花親方からアドバイスも受けて「ありがたいです」と感謝したが、稽古では3勝4敗。
最後の一番では左膝を気にし、親方の「無理するな」との声掛けもあって稽古を終えた。
九州場所では10勝すれば大関に返り咲くが、半月板を痛めて途中休場した左膝の状態は、まだ厳しい様子。
それでも、相撲を取った後も四股を踏み続けて「無理しないといけない」と悲壮な覚悟を示していた。



17/09/25
千秋楽 翌朝情報! 】
■日馬富士
11勝4敗で並んだ優勝決定戦で豪栄道を寄り切り、7場所ぶり9度目の優勝を果たした。
2度目の制覇に向けて首位だった豪栄道を本割で寄り切って追い付いた。
11勝で制するのは1996年九州場所の大関武蔵丸以来で、1場所15日制が定着した49年夏場所以降で3度目の最低成績。

■三賞受賞
殊勲賞は、1横綱1大関を破って9勝を挙げた貴景勝が獲得。
敢闘賞は、新入幕から3場所連続で2桁勝利を挙げた阿武咲が2度目、新入幕で10勝を挙げた朝乃山が初の獲得。
技能賞は、関脇で8勝を挙げた嘉風が4度目の獲得。

■御嶽海
嘉風にはたき込みで勝って8勝7敗とし、5場所連続の勝ち越しを決め、幕内通算100勝を達成。



17/09/24
千秋楽朝情報! 】
■豪栄道、日馬富士
3敗の豪栄道が貴ノ岩を降して3連敗を免れ、4敗の日馬富士は御嶽海を退けた。
4敗だった新入幕・朝乃山が阿武咲に敗れたため、優勝争いは2人に絞られた。
千秋楽の結びで豪栄道が日馬富士を破れば昨年秋場所以来、6場所ぶり2回目の優勝が決まり、敗れると優勝決定戦に持ち越される。
日馬富士は本割と決定戦で連勝すれば、7場所ぶり9回目の優勝となる。



17/09/23
場所14日目朝情報! 】
■日馬富士
厳しい攻めで、自力優勝の可能性が復活した。
嘉風に頭から当たると中に入らせず、右上手を取って一気に出た。
優勝争いでトップに立つ豪栄道を、予定される千秋楽の直接対決で降せば優勝の目も出てきた。
賜杯を狙っていくかと問われ力強く「もちろん」。

■豪栄道
2敗の豪栄道は貴景勝に苦杯を喫して終盤戦で平幕に連敗。
4敗を守った日馬富士と新入幕の朝乃山との差は1に縮まった。
14日目に豪栄道が勝ち、日馬富士と朝乃山が敗れれば、豪栄道の昨年秋場所以来、1年ぶり2回目の優勝が決まる。

■朝乃山
平幕で唯一4敗を守った。
初顔の大栄翔に、立ち合いから押し負けない。
突っ張り合いに応じてじりじり前に出て、動きの中で得意の右四つに持ち込む。
土俵際ではこらえる相手に165キロの体を預けた。
「前に出ながら自分の形になった」と満足の様子。

■十両・安美錦
通算出場を1655回とし、元関脇・高見山を抜き歴代単独6位になった。



17/07/24
千秋楽翌日朝!情報! 】
■白鵬
千秋楽に横綱日馬富士を寄り倒して14勝1敗とし、歴代最多勝利(通算1050勝)の大記録に花を添える、自身の持つ最多記録を更新する39度目の優勝を果たした。
2場所連続制覇で、40度の大台まで「あと1」に迫った。

■稀勢の里
白鵬との力相撲で屈し、1年ぶりの賜杯奪還を目指した場所を4敗で終えた。
連敗スタートとなったことで「先が見えず、いろいろと考えさせられた。気持ち的に疲れた」。
虚脱感がありありだった。
2横綱1大関が途中休場した中、千秋楽まで務めたが、「本当に一日一日、一生懸命だった。やれるだけやってみたいと。今は休みたい」と本音が漏れた。

■稀勢の里
田子ノ浦親方は23日、岐阜市で30日に始まる夏巡業に、稀勢の里が当面は参加しないことを明らかにした。
「本人とは話していないが、当面は。ただ場所に出るだけでなく、結果を出さないといけないので」と話した。

■高安
千秋楽、豪栄道との大関対決に勝ったものの、優勝を目標に掲げながら9勝止まり。
「勝っても内容は褒められたものではない。稽古が足りない」。
支度部屋では反省の弁を繰り返した。

■御嶽海
2場所連続で殊勲賞を獲得。
白鵬に土をつけただけでなく、初日には稀勢の里も破っており、「自信になる」と話した。

■碧山
千秋楽、自己最多の白星を13に伸ばし優勝決定戦進出へ望みをつないだ。
支度部屋へ戻ると、白鵬−日馬富士戦をテレビで見届けた。
白鵬が勝ったことで優勝決定戦は実現しなかった。
「残念。ここまで来たらもう一番相撲を取りたかった」とときおり笑みを浮かべながら振り返った。
東前頭8枚目で優勝争いに加わった事で、新入幕だった2011年九州場所以来2度目の敢闘賞を獲得。


名古屋場所の懸賞の総本数は1677本で同場所の最多となった。
過去の最多は15年の1509本だった。今年の春場所で記録した地方場所最多の1707本には及ばなかった。



17/07/23
千秋楽朝!情報! 】
■白鵬
通算勝利数の新記録を樹立した翌日とあり「いつもと一緒、と自分に言い聞かせた」と土俵へ向かう心境を振り返った。
満足感に浸ることなく豪栄道を退け、39度目の優勝へ大きく近付いた。
決着までに要した時間は、わずか1秒6。
立ち合いで強烈な右かちあげを見舞い、動きが止まった相手の頭を両手で押さえつけて、すかさずはたき込む。
危なげない白星だった。

■碧山
2敗を堅持して千秋楽まで優勝戦線に残り、「うれしい」と率直に喜びを表した。
「立ち合い変化もあるから」と豪風に対し、よく見て立った。
当たってからの攻めは迷いがない。
もろ手突きから左上手を引く。
右は抱えたままだが、相手より50キロ近く重い体重を生かして一直線に押し出した。



17/07/22
14日目朝!情報! 】
■白鵬
13日目、大関高安を押し倒して、12勝目を挙げた。
通算1048勝となり、魁皇の記録を抜いて単独1位となった。

■碧山
ただ一人、白鵬を1差で追う。
残り2日に向け、「こういう展開で相撲ができてうれしい。疲れはあるけど、ここまで来たら頑張るしかない」と気合を入れ直した。



17/07/21
13日目朝!情報! 】
■白鵬
12日目は玉鷲を寄り切り、元大関・魁皇の持つ史上最多1047勝に並んだ。

日本国籍を取得する意向を持っていることが20日、分かった。
日本国籍を取得すれば、引退後は親方として日本相撲協会に残る資格を得られる。

■栃煌山
3敗同士の対戦で高安を送り出しで破った。
新大関の圧力に耐えながら下から下から攻めて懐に飛び込み、右からの出し投げで相手の体勢を崩した。
「どんどん押すつもりで、その流れで中に入れた。しっかり取れた」と自賛。



17/07/20
12日目朝!情報! 】
■白鵬
魁皇の持つ史上最多1047勝に王手をかけていたが、御嶽海に寄り切られた。
「(いつもと違いが)あったんだろうね。硬さがあったのかな。(最多勝に並ぶのは)大変なことですから」と初黒星に肩を落とした。

■高安
この1年で1勝3敗と分の悪かった玉鷲にまたも苦杯を喫した。
右から張って左を差したが、おっつけられてぐらり。
すかさず頭からの突進を受け、あっけなく土俵を割った。

■御嶽海
立ち合いで左頬を張られたが冷静に対処。
相手の開いた右脇に左腕をねじ込んで左四つになった。
「初めて対戦したときも左四つ。それが頭をよぎった」。
過去の経験を生かし、右上手を取ると休まずに振った。
慌てた横綱が外掛けにきて、体が伸びたところを寄り切った。

■阿武咲
同じ青森県中泊町出身の宝富士との2敗対決を制し、夏場所に続く2桁勝利に王手をかけた。
「(立ち合いは)しっかりいけた。崩れたのが見えたので」。
頭で当たり、相手の上体が起き上がったところで引き落とし。
10学年上の先輩に反撃のチャンスを許さず、勝利を手にした。



17/07/19
11日目朝!情報! 】
■白鵬
千代翔馬を退けて10連勝。
通算1046勝とし、千代の富士を抜いて史上単独2位。
史上1位の魁皇にあと1勝と迫った。

■高安
初顔合わせの宇良との激戦を制して、勝ち越しを決めた。
助走をつけてぶつかってくるという奇襲を受け、足取りから懐に入られるなど苦戦。
最後は自ら下がりながら豪快な首投げで仕留めた。
館内は想像を絶する一番に異様な盛り上がりとなった。

■宇良
異次元の動きで会場を沸かせた。
高安に敗れたものの、バックステップ、足取りなど多彩な技を披露。
八角理事長も「何十年、何百年の中で、ここまで大胆な相撲はないだろう」と驚きを隠せなかった。

■碧山
千代大龍を下して1敗を守った。
かち上げから突っ張って押し出し。
持ち味を出した相撲に「ちょっと(立ち合いが)高かったけど、休まず出られた」と胸を張った。



17/07/18
10日目朝!情報! 】
■白鵬
9日目、はたき込みで初顔合わせの輝を下し、通算勝利数で歴代2位の元横綱千代の富士の1045勝に並んだ。
横綱在位59場所の千代の富士に対し、同60場所目での到達。
元大関魁皇の持つ歴代1位の1047勝に、あと2勝となった。

■高安
2日目からの連勝が止まった。
嘉風に得意の右かち上げを見舞ったが脇が空き、左の下手を許して劣勢に。
小手に振って一度は振りほどいたものの、再び左を深く差されて寄り切られた。
優勝争いから後退する2敗目。
支度部屋で無言を貫いた姿に悔しさがにじんだ。
八角理事長は「ついていってほしかったけど、仕方ない。新大関としては上出来」と話した。

■宇良
9日目、横綱日馬富士をとったりで破り、自身初の金星を挙げた。
立ち合いで日馬富士よりも低く当たり、狙いすましたように相手の右腕を抱えて土俵にはわせた。
所要15場所目は年6場所制となった1958年以降で2位タイのスピード記録で、日本出身力士では北勝富士に並んで最速。
入門から2年4カ月、真夏の名古屋でホープが真価を発揮した。



17/07/17
9日目朝!情報! 】
■白鵬
宇良を一蹴のすくい投げ。
自身が持つ歴代1位の中日勝ち越しを「43」に伸ばし、元大関魁皇の持つ歴代1位の通算勝利数(1047勝)まであと3勝。
同2位(1045勝)の元横綱千代の富士には、9日目にも並ぶ。

■高安
8日目の16日、動きのある千代翔馬に落ち着いた取り口だった。
得意の左四つから右上手は取れなかったものの「一つ一つ組み立てて前に出ようと思った」。
相手が巻き替えにきて上体が浮いたところをすかさず出た。
新大関の場所で勝ち越しにあと1番と迫り、「ここからが大事。またいい相撲を取りたい」。

■阿武咲
碧山の全勝を止めた。
白鵬とともに、ここまで7戦全勝の碧山と対戦。
191センチ、195キロの巨漢目がけて突き押しから、左を差して攻勢。
その左ははね上げられ、すっぽ抜けたが、構わず体を預けるように押し出した。
「しっかり落ち着いてた。いつも通り自然体で」と振り返り、注意したポイントは「(体が)起きないように」と話すように、取組前の備えも十分のようだった。

■宇良
横綱初挑戦で、白鵬を苦しめた。
2横綱1大関の休場で巡ってきた初金星のチャンス。
すくい投げに対し、体をそらして粘る執念を見せた。
「すごく緊張しました。とても強かったです」。
後頭部から土俵外に落下。鼻血を流し、大銀杏に砂がべったり付いた。



17/07/16
中日朝!情報! 】
■高安
正代に雪辱を果たして6連勝。
力強いかち上げで相手を起こし、二の矢の突きも手がよく伸びていた。
先場所のように土俵際での逆襲を許す雰囲気は全く感じさせない圧勝だった。

■御嶽海
15年春場所の同期入門で同学年、宇良の三役初挑戦を退けた。
前相撲から上がってきた初顔に対し、学生横綱とアマ横綱に輝き、幕下付け出しで角界入りしたサラブレッドの貫禄を見せた。

■碧山
7日目の15日、碧山は自身初の無傷の7連勝。
自身と同じく体重が200キロ近い巨漢で、合口の悪かった逸ノ城を突き押しで攻め切り、「同じぐらい大きい相手には一気に攻めないとダメ。今日は全てが良かった」。



17/07/15
7日目朝!情報! 】
■高安
1分半を超える我慢の相撲で、白星をもぎ取った。
栃ノ心に右前まわしを許し、頭もつけられると、半身で上体も起きた。
だが「左1本取っているから、焦ることはなかった。有利になるまで我慢しようと思った。自分がバタバタする必要はない」。
寄りをこらえ続け、強引な出し投げも踏ん張ると、左四つで胸が合った。最後は、相手の巻き替えに乗じて寄り切り。

■御嶽海
嘉風に4度目の対戦で初めて勝った。
上手まわしを許して投げに揺さぶられたが、「相手がよく見えていた」。
慌てず振りほどくと左を差してつかまえ、右上手を引いて一気に寄り切った。

■宇良
幕下時代から一度も勝てなかった貴景勝に通算7度目の対戦で初勝利。
右に動いて低い突進をかわし、左腕を手繰るようにして引き落とした。

■碧山
貴ノ岩を退けて、自身初の初日から6連勝。
互いに右へ変わる立ち合いとなったが、慌てずに先手を取った。
「圧力をかけて、はたいたからね」。丸太のように太い腕で突っ張って、勢いよくはたき込んだ。



17/07/14
6日目朝!情報! 】
■稀勢の里
6日目の14日、日本相撲協会に「左足関節靱帯(じんたい)の損傷で約3週間の安静加療を要する」との診断書を提出して休場した。
稀勢の里の休場は3度目で、2場所連続の途中休場となった。
愛知県長久手市内の宿舎で対応した師匠の田子ノ浦親方は「(本人が)相撲が取れる状況ではないと。昨日も話したが、今日最終的に決めました。簡単な決断でなかったのは確か」と話した。
6日目に対戦が組まれていた琴奨菊は不戦勝。

■照ノ富士
6日目の14日、休場した。
夏場所後に左膝の遊離軟骨を除去する手術を受けており、5日目まで1勝4敗と不振だった。再出場しなければ、秋場所はかど番となる。
休場は昨年初場所以来2度目で、6日目に対戦が組まれていた正代は不戦勝。



17/07/13
5日目朝!情報! 】
■稀勢の里
4日目、正代を力強く寄り切り、連敗を免れて2勝2敗と星を五分に戻した。

■高安
4日目、勝って3連勝の高安はやや不満げだった。
「引いちゃったね、途中。あれがだめ。直そうとしているが、やっぱり出ちゃう」
過去5勝3敗の難敵、御嶽海を右かちあげで起こし、突っ張り合いからいなした。
相手の体勢を崩して突き出すきっかけになった「いなし」に納得がいかなかった。


将棋藤井四段が、4日目取組終了後に白鵬と対面し、自ら文字を書き入れた扇子をプレゼント。
「かわいいね」と声をかけられたといい、「恐縮なんですけど、白鵬関のように堂々とした将棋を指せるように頑張りたい」と“横綱将棋”を目指すことを誓った。



17/07/12
4日目朝!情報! 】
■鶴竜
3日目の北勝富士戦で初黒星を喫した際に右足を痛め4日目より休場。
休場は、途中から休んだ5月の夏場所に続き、今年に入って3度目と不振が続いている。
通算7度目。4日目に対戦が組まれていた小結嘉風は不戦勝。
3月の春場所から17年ぶりに4横綱となったが、3場所続けて全員の皆勤は実現しなかった。

■栃ノ心
稀勢の里をねじ伏せ、15年春場所で日馬富士を破って以来の金星に胸を張った。
支度部屋では開口一番「ヨッシャー、やった。気持ちいいね」と喜び爆発。
右を絞って相手に左を差させずに万全の寄り切り。
結びでの金星は初めてで「座布団が舞ったのも初めて。うれしかった」と何度も感動をかみしめていた。

■北勝富士
横綱初挑戦で初金星を挙げた。
勝ち名乗りを受けた後、土俵下で「新十両を決めて以来」という、うれし泣き。
立ち合いから突き押しに徹し、「ガムシャラだった。引かせるしかない、と。どんぴしゃではまった。最高にうれしい。鳥肌が立った」と会心の相撲を振り返った。
15場所目の初金星は、幕下付け出しを除く年6場所制では、小錦に次いで大砂嵐と並ぶ史上2位のスピード記録。
日本出身力士では最速となった。



17/07/11
3日目朝!情報! 】
■日馬富士
まさかの連敗。
まわしを引けないまま強引に前へ出たのが良くなかった。
正代のすくい投げで体勢を崩されて最後は押し出され、「相撲になってないね」。
流れの悪い取り口をそう振り返るしかなかった。
初日からの連敗は大関だった2010年九州場所以来で、横綱昇進後は初めて。
昨年を含めて8度のうち、3度優勝している名古屋で今年は苦しいスタートとなった。

■稀勢の里
初顔の貴景勝との突っ張り合いを制して初日を出し、幕内通算勝利数を698とし、旭天鵬を抜いて単独8位になった。

■御嶽海
2日目の10日、連日の力強い相撲だった。
前日、大関・高安に勝った北勝富士の右のど輪を苦にしない。
両ハズで攻めて前に出ると、最後は右手一本で土俵の外に押し込んだ。
「最後は体が流れた。腰を割って、相手を正面に置いて逃さないようにしたい」と、会心の取り口にも反省を忘れない。

■嘉風
初日の日馬富士に続き、豪栄道も破って横綱と大関に連勝した。
すぐに左前まわしを引いて一気に寄る完勝だったが、呼吸が合わずに3度目でようやく成立した立ち合いは反省。
「しっくりこなかった。迷いかもしれない」と渋い顔だった。
最高の滑り出しを見せた35歳のベテランは「上位に勝ったけど、僕も上位だから」。
言葉に三役としての意地がのぞいた。

■正代
6度目の挑戦で日馬富士を圧倒。
「実感がわかない。部屋に帰ったら沸いてくるのかな。これが千秋楽だったら最高だけど、まだ2日目だから」。
殊勲の勝利をつかんでも冷静さを失わないのがこの男らしい。



17/07/10
2日目朝!情報! 】
■嘉風
初日の9日、稀勢の里に寄り切りで快勝。
84年ぶりに誕生した長野県出身の新関脇として臨む場所を白星発進した。
稀勢の里には6度目の挑戦で初勝利。
左上腕付近の故障で休場明けだった31歳の横綱に対し、相手得意の左四つを封じると、もろ差しで重心を浮かせて寄り切った。
「イメージ通りにちゃんとできた。新関脇で最高のスタートだと思います」と語った。

■御嶽海
初日の9日、日馬富士に快勝し、先場所の稀勢の里に続いて初日に横綱を破った。
動きの中で後ろを取り「良い体勢になりすぎて、どうしていいか分からなかった」。
最後は懐に入り、落ち着いて寄り切った。


4横綱3大関が出場して2横綱3大関に土がついたのは、1961年九州場所6日目以来で、56年ぶりの大波乱となった。



17/07/09
初日情報! 】
■稀勢の里
8日、現時点での力士別指定懸賞の本数について、稀勢の里が300本でトップであることを明らかにした。
2番手は高安で132本。以下、豪栄道の103本、御嶽海が102本、白鵬が99本で続く。
15日間の懸賞総数は1700本を超える見込みで、名古屋場所としては過去最多になることが確実。
今年3月の春場所でマークした地方場所最多の1707本を超える可能性もある。



17/07/08
本場所1日前情報! 】
■高安
7日、名古屋場所での初優勝に意欲を見せた。
長久手市内にある同部屋宿舎での朝稽古後「大関として力強い相撲を見せたい。やはり全部勝って優勝すること。それが僕の掲げていることですから」と語った。



17/07/07
本場所2日前情報! 】
■稀勢の里
名古屋場所へ、出場の決め手となったのは5日朝の稽古だった。
高安との相撲で「ばしっとはまった」。
内容、結果ともに手応えを得た。
最終判断は場所直前となったが、稀勢の里は「やる気で名古屋に来た。いつも通り調整した」と力を込める。

■鶴竜
6日、「もちろん出ますよ」と語り、名古屋場所への出場を明言した。
この日は出稽古に赴いた愛知県犬山市の時津風部屋で東前頭筆頭の正代や十両の豊山らと相撲を取った。
立ち合い鋭く右四つから前に出る場面もあり「立ち合いでしっかり当たれた」と手応えを語った。
左足首や、不安を抱える腰の状態については「いいですよ」と説明。
場所に向けては「相手に合わせず、自分の相撲を取りたい」と意気込んだ。

■照ノ富士
5日、若い衆を相手に18番相撲を取り、左足を軸にして投げるなど、6月上旬に内視鏡手術をした左膝の状態を確かめた。
前日4日は東京に戻り、左膝にたまった水を抜いたという。
「手術した割には動けている。あと何日かあるので戻していきたい」と意気込んだ。
6日は時津風部屋へ名古屋入り後初めての出稽古を行う予定。
「バーンと状態を良くしていく」と気合十分だ。



17/07/05
本場所4日前情報! 】
■白鵬
4日、場所前初の出稽古を行った。
お目当ては時津風部屋の幕内・正代)。
次の大関と期待される逸材との手合わせが今年初場所前からのルーチンで、14勝1敗と次世代のホープを“かわいがる”形で圧倒した。
厳しい攻めに正代が漏らした「ハー」という声に、白鵬は「ハーじゃない。ほれ」とゲキを飛ばした。
最後の一番はもろ差しから一気に寄り切られ、「おぉ」と絶賛して相手に自信をつけさせる余裕も見せた。
この1敗以外は完勝。「離れてよし、組んでよしだね」と自画自賛した。

■稀勢の里
4日、大関高安と17番の申し合いをしたが、左を差せず一気に寄られる相撲もあって7勝10敗。
稽古後は居残り稽古に臨み、付け人にスマートフォンで立ち合いを撮影させ、その動画を見ながら修整を試みた。

■高安
兄弟子の横綱稀勢の里を相手に相撲を17番取って10勝7敗。
「踏み込みが良かった。コンスタントに同じように当たることができた。今日は良かったですね」と手応えを口にした。
大関昇進を機に、場所本番で使う締め込みの色をこれまでの水色から黒に変更する。
新調した締め込みを初めて試着した高安は「(黒を選んだのは)直感です。気を引き締めてしっかりやりたい」と気合が入った様子だった。



17/07/04
本場所5日前情報! 】
■白鵬
横綱在位60場所は、千代の富士を抜いて北の湖の63場所に次ぐ史上単独2位。
通算勝ち星は元大関・魁皇の歴代1位の1047勝まであと「11」に迫っており、記録更新に期待がかかる。

■稀勢の里
3日、31歳の誕生日を迎え稽古場で元気な姿を見せた。
2日は急きょ稽古を回避。
1日の二所ノ関一門の連合稽古中に春場所痛めた左上腕部などの再発が心配されたが、弟弟子の新大関・高安相手に11勝7敗。
大事に至った様子はなく「体が起きてきた。見違えるような動きができた」。
時折笑顔を見せ、普段通り体を動かした。

■照ノ富士
2日、夏場所後に東京都内の病院で左膝の遊離軟骨を除去する内視鏡手術を受けたことを明らかにした。
名古屋市で開かれた部屋の激励会で取材に応じた。
「手術して1週間で四股を踏み始めた。毎場所最後の方になるとどうしても膝が持たないから手術した。徐々に良くなっている」と状態を説明。
この日の朝稽古では、名古屋に入ってから初めて関取衆と相撲を取った。

■高安
1日は、二所ノ関一門の連合稽古で琴奨菊、北勝富士の2人を相手に10戦全勝。
2日、愛知・長久手市内に宿舎を構える部屋で朝稽古した。
若い衆相手に、受けてからの攻めなど約20分にわたって稽古をつけた。
前日の連合稽古も「10番やっただけでも、だいぶ体にこたえた。夏の稽古は厳しいですね」と振り返るように疲労の色は隠せない。
それでも「まだ体力がないからスタミナをつける稽古をやりたい。まだまだ稽古量が足りないから、来週からしっかりやりたい」と、自らに厳しさを求めた。

■御嶽海
これまで宿舎で調整を続けていたが、29日は、初めて出稽古に赴き、境川部屋宿舎で、大関・豪栄道らと稽古に励んだ。
出稽古について、「関脇になったのでちょっと意識を変えようと思った。出羽海一門のトップがいる所に行きたかった」と説明。
一門最上位の豪栄道らにもまれて成長しようという考えだ。

■宇良
自己最高位に立ち、大きく勝ち越せば新三役も視野に入ってくる地位。
星を伸ばせば初めての横綱、大関戦が組まれる可能性もある。
29日は岐阜県羽島市の木瀬部屋で調整。
相撲は取らず土俵の外で軽く体を動かした。
「まず勝ち越しを目指す、と言える地位ではなくなってきている。怖いですね」と本場所へ緊張感を漂わせた。



17/05/27
14日目朝情報! 】
■白鵬
関脇玉鷲を力強く寄り倒し、13連勝で単独トップを守った。
14日目に2敗の大関照ノ富士に勝てば6場所ぶり38度目の優勝が決まる。

■豪栄道
宝富士を寄り切って勝ち越し、5度目のかど番を脱出した。

■高安
高安の大関昇進が確実となった。
横綱日馬富士をはたき込みで破って11勝目。
直前3場所の合計勝ち星は34勝となり、大関昇進の目安・33勝を1勝上回った。
横綱の壁を越えて印象度も抜群。



17/05/26
13日目昼情報! 】
■日馬富士
貴ノ岩の休場による不戦勝で1敗を維持した。

■白鵬
栃煌山をはたき込み、ただ一人の全勝を守った。

■高安
あっさり10勝を達成し、大関昇進の目安である3場所合計33勝のノルマを達成させた。
あと1番、2番勝ち星を増やすことができれば、誰一人文句を出すこともなく大関昇進が可能だろう。
高安にとって2回目の大関昇進挑戦の場所となり、硬さが出ることも考えられたが、淡々と勝星を重ねていった。

■貴ノ岩
12日目、日本相撲協会に「左大腿(だいたい)四頭筋肉離れで約3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出し、休場を届け出た。
11日目の輝との取組で負傷した。
稀勢の里が休場した11日目から2日続けて結びが不戦となった。

■阿武咲
新入幕で勝ち越しを決めた。
徳勝龍のいなしを残すと、突き返してから引き落とし。
角界入りする前は近大時代の徳勝龍に胸を借りており、「お兄ちゃんのような存在」だったという。



17/05/25
12日目朝情報! 】
■稀勢の里
11日目、3月の春場所で痛めた左上腕付近の状態が思わしくなく、横綱本人が師匠の田子ノ浦親方に申し入れ、「左大胸筋損傷、左上腕二頭筋損傷で約1カ月の通院加療を要する」との診断書を日本相撲協会に提出した。

■白鵬
11日目の24日、白鵬が単独トップに立った。
豪栄道に右四つから万全の攻めで完勝し11連勝に伸ばした。

■高安
自信たっぷりの突き押しで、大関の座に向かって再び走り始めた。
立ち合いから栃煌山を圧倒し、最後は余裕たっぷりのはたき込み。
昇進のノルマとされる2桁勝利まであと1勝だ。



17/05/24
11日目朝情報! 】
■稀勢の里
琴奨菊戦で稀勢の里が何もできずに敗れた。
左を固めて右足から踏み込んだが、鋭く低い立ち合いですぐに左を差され、そのまま寄り切られた。

■白鵬
1敗で追走していた大関獲りの高安を執念で寄り倒し、無傷の10勝目。
初日からの10連勝は37度目の優勝を飾った昨年夏場所以来で、優勝争いは栃煌山を下して全勝を守った日馬富士とマッチレースの様相を呈してきた。

■高安
白鵬に寄り倒しで敗れ2敗に後退した。
支度部屋に戻ると何を問われても口を開かなかった。
立ち合いで頬を張られ、四つに組んでも最後まで白鵬のペース。
横綱に力の差をまざまざと見せつけられた形に終わり、じっと悔しさをかみしめた。

■宇良
自分より50キロ以上重い巨漢の魁聖を肩透かしで揺さぶり、最後は土俵際で切り返すなど動き回った。
勝ち越しの感想は「特に」と素っ気なかったが、通算100勝目と聞くと「それはびっくり。ジュースで乾杯します」と少しだけ笑った。



17/05/23
10日目朝情報! 】
■稀勢の里
痛恨の3敗目を喫し、賜杯が遠のいた。
栃煌山戦は右から張って出たところでもろ差しを許し、防戦一方で寄り切られた。
4日目の遠藤戦に続き、2個目の金星配給。
日馬富士、白鵬の両横綱が全勝を守ったため、トップと3差に開いた。

■高安
千代の国を破って勝ち越しを決め、首位との1差を守った。
力強い相撲で快勝し、白鵬に挑む10日目へ弾みをつけた。
攻守とも万全の取り口で勝ち越しを決め、大関昇進の目安となる10勝まであと2勝。
八角理事長は、第一声で「堂々とした相撲だよね」と絶賛した。

■琴勇輝
9日目、日本相撲協会に「左膝蓋靱帯(しつがいじんたい)断裂術後、左膝関節水腫で約3日間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。
師匠の佐渡ケ嶽親方によると、22日の朝から膝の具合が悪かったが、10日目の出場には強い意欲を示しているという。



17/05/22
9日目朝情報! 】
■稀勢の里
安定感抜群の内容で復調を印象づけた。 碧山を右から張って左四つに組み止め、じっくり攻めて寄り切り。 4連勝で6勝目を挙げた。幕内通算697勝で、旭天鵬に並び史上8位となった。
■日馬富士
千代翔馬を土俵下に吹っ飛ばし「立ち合いから自分の流れに持っていけた」と手応えを口にする。
19場所ぶりに初日から8連勝をマークしたが、「結果はあとからついてくるもの。一日一日全身全霊で務めるだけ」と先を見ずに泰然と構える。

■白鵬
「投げのタイミングがよかった」と琴奨菊を転がした一番を振り返った。
「まだまだこれから引っ張っていく」と、賜杯奪還へ気概を示した。

■高安
自賛の取り口で連勝した。
立ち合いの強烈な当たりで、豪栄道を下がらせると、間髪入れずに突いて出た。
大関に何もさせなかった完勝を「イメージした内容だった。毎日ああいう相撲が取れるといい」と満足げに振り返った。

■遠藤
終始攻めて豪栄道を破った。
当たり勝ってすぐに出て、たまらず引いた大関の動きにもしっかりついていった。
最後はもろ差しになって寄り切り、「きょうは相撲が最初から最後まで取れたし、体の反応も良かった。全部良かった」と珍しく自分を褒めた。



17/05/21
8日目朝情報! 】
■白鵬
大栄翔を寄り切り、全勝をキープ。

■日馬富士
嘉風を押し出し、全勝をキープ。

■稀勢の里
左上腕付近に負傷を抱えながら御嶽海を寄り切り、2敗を守った。

■高安
千代翔馬を突き落として連敗を免れ、6勝目。
ただ一人、1敗を守った。


立行司、式守伊之助が夏場所7日目の20日、「喉頭炎で可能な限りの安静と発声を控えるのが望ましい」との診断書を日本相撲協会に提出して休場した。
関係者によると初日から喉の不調を訴えており、復帰まで数日を要する見込みだという。



17/05/20
7日目朝情報! 】
■白鵬
1年ぶりの優勝を目指す白鵬が人気の遠藤を一蹴した。
左張りで突き放し、相手の動きを冷静に見極めて押し出し。
20発近い張り手も見舞う厳しい相撲での盤石の6連勝に「まわしを取れるのに越したことはないけど、立ち合いがよかった。その流れで勢いをつけて最後までいった」と涼しい顔で話した。

■豪栄道
成長株の御嶽海と五分の立ち合いから、最後は土俵際で豪快な下手投げを決め、相手の体を裏返し4勝2敗とした。
春場所休場の原因となった右足首の故障も問題はなさそうだ。
白星を2つ先行させて「順調に来ていると思います。本場所の土俵で相撲をとって、勘が戻っていくのが1番いい」。
調子が上向きになっていることを感じてか、言葉は力強かった。

■玉鷲
大関取りに挑む高安に今場所初めて土をつけた。
過去6勝6敗と五分の関脇同士。
大関の座を射止めんとする相手に「そういうことは、あとの話。相撲を取る前は勝負(の雰囲気)を楽しんだよ」。
相手のかちあげをはじき飛ばして一気に前進し、わずか2秒後に押し出した。

■阿武咲
新入幕阿武咲が、初日の黒星発進後、2日目から5連勝。
全勝の両横綱を1差で追う、1敗力士3人の中に割って入った。



17/05/19
6日目朝情報! 】
■稀勢の里
辛抱の相撲で初顔の千代翔馬を退け、白星を先行させて序盤戦を終えた。
左四つながら上手を許して食いつかれる苦しい体勢。
棒立ちになりながらも、再三繰り出される外掛けを何とかしのぐ。
相手の投げに乗じて胸を合わせ、両まわしを引きつけて前に出た。
うるさい相手の足技にも「落ち着いていたか」の問いかけには「そうですね」。
その後は相撲内容に納得いかないのか無言だった。

■高安
危なげない内容で無傷の5連勝とした。
4日目に兄弟子の稀勢の里を破っていた平幕の遠藤をつかまえ、左四つから寄り切った。
大関昇進の目安となる三役3場所33勝には今場所で10勝が必要だが、10日間を残して早くも“M5”。

■阿武咲
2日目からの連勝を4に伸ばした。
妙義龍の右喉輪を外して背後に回り込み、送り出して勝利を飾った。
立ち合いでじらされても「ずらしてくるので落ち着いてやった」と相手のペースに合わせることはない。
場所前は2桁勝利を目標に掲げていたが、「星勘定は考えていない。気づいたら考えているのがいい。本場所も稽古と思っている。場所中強くならないと上にいけない」と言い切った。


審判を務める錣山親方(元関脇寺尾)が体調不良のため、夏場所5日目の18日から休場した。
この日は同じ時津風一門の浦風親方(元幕内敷島)が代役を務めた。



17/05/18
5日目朝情報! 】
■稀勢の里
初めて金星を配給し、早くも2敗となり、ショックを隠せなかった。
支度部屋ではぼうぜんとした表情で生返事を繰り返し、引き揚げる際の足取りも重かった。
バランスを崩した遠藤を一瞬見て動きを止めたことで、相手を支える形となって反撃を許した。

■鶴竜
5日目、休場することが決まった。
師匠の井筒親方が明らかにした。
4日目の小結嘉風戦で3敗目を喫するなど不振だった。
同親方によると、左足首を痛めているという。
休場は2場所ぶり6度目で、14年夏場所の横綱昇進後では5度目。
5日目に対戦が組まれていた隠岐の海は不戦勝。

■日馬富士
幕内通算勝利数を683とし、歴代10位の元関脇・高見山に並んだ。

■高安
今場所初めて押し込まれたものの「俵をかむように残せて足に力が伝わった」と、土俵際で御嶽海を豪快にひっくり返した。

■遠藤
稀勢の里を押し出しで破り、通算3個目の金星を挙げた。



17/05/17
4日目朝情報! 】
■稀勢の里
千代の国に懐に入られて俵に足がかかったが、痛めている左上腕で相手の差し手を抱えて残し、引かれたところで一気に出て押し出した。
新横綱の春場所から平幕相手に無傷の10連勝で、初顔相手にも10連勝となった。

■鶴竜
連敗を止めてようやく初日。
攻めながら慎重に回り込んで遠藤を引き落とし、「これ以上は負けられませんから」と安どの表情だった。

■高安
圧力勝ちだった。
突き押しで先手を取り、機を見てはたき込み。
元大関に何もさせず、「内容のいい相撲。自分の展開」と自賛した。
2桁勝利が目安となる大関昇進へ中身の伴った初日からの3連勝は幸先がいい。
勢いに乗る27歳は「苦労したときもあったが、やっと一皮むけられた。こつこつやってきたことが結果に出ている」と充実感に満ちあふれていた。



17/05/16
3日目朝情報! 】
■稀勢の里
隠岐の海の右差しを許さず、まだ相手を横向きにするほどではないが、圧力もかけた。機を見て、巻き替えるように左をねじ込んだ。流れのあった取り口を「うん。いいんじゃないかな」と静かに振り返った。
本人は患部の状態を「問題ない」としか言わないが、隠岐の海は「左のおっつけが強かった。ベストじゃないだろうけど、力も強かった」と感じた。
八角理事長は「攻めてから差すのは良い。ひとつ勝てばほっとするだろう」と述べ、きっかけになりそうな白星と捉えた。

■白鵬
嘉風を右からかち上げた後、何度も顔を張り、肘も交えて激しく突っ張った。相手の頭が下がった瞬間を逃さず、タイミング良くはたき込んだ。
休場明けの今場所。
初日は土俵際で逆転を許しかけただけに「きのうのきょうだし、引き締めていった」。
稀勢の里を破っていたうるさい嘉風に完勝し、満足そうだった。

■豪栄道
悔しさをかみしめた。 大関とりの関脇高安に立ち合いで完全に当たり負けし、一方的に突き出された。
高安には3連敗で、通算対戦成績は8勝15敗になった。
「完璧にバランスが崩れました。(高安の)かち上げっすね」。
かち上げから突っ張りという相手の必勝パターンにのみ込まれた。

■高安
豪栄道を寄せ付けなかった。
立ち合いでかち上げて相手の上体を起こし、すかさず突いて出て何もさせなかった。
大関相手の取組も「イメージ通りの内容だった。毎日ああいう相撲が取れたら良い」と落ち着いた様子で振り返った。
今場所初の上位戦を危なげなくものにした。
連勝でのスタートにも「自分のできることを自信を持ってやっていくだけ」と淡々と表情を緩めることもなく、気を引き締めていた。

■千代の国
初顔合わせの横綱鶴竜を相手に初金星をあげた。
引き落としで撃破し、「思い切り当たることだけを考えた。あとは体が動くままに任せた。座布団が舞ってうれしかった」。
4月25日に同じ26歳の愛さんと結婚。
両膝の故障で一時は幕下まで落ちた時期も支えてくれた新妻に、「(金星を)早く伝えたい」と声を弾ませた。



17/05/15
2日目朝情報! 】
■稀勢の里
3月の春場所中に痛めた左上腕部、左大胸筋の負傷が癒えていない状況を露呈した。
嘉風の当たりを左胸で受け止めた。
だが、右から強烈におっつけられ、負傷の影響が残る左腕が機能不全に陥った。
体勢が起きて後退。押し出された。
「(おっつけを)我慢できればね…。あしたから切り替えてやる」。

■白鵬
千代の国を寄り切り、白星発進した。
土俵際で右突き落としを食らい体勢を崩してピンチとなったが、相手の足が先に出ていたため助けられた。
「稽古場で(千代の国の体が)柔らかいと思ったけど、場所の方が柔らかかった」。

■高安
大関とりに挑戦する関脇高安は、平幕の大栄翔を危なげなくはたき込んで白星発進。

■豊山
新入幕の東前頭16枚目の豊山は魁聖を寄り切って、幕内最初の一番を白星で飾った。
豊山のしこ名は1981年に元小結の長浜広光さんが引退して以来、36年ぶりの復活となった。



17/05/14
初日朝情報! 】
■稀勢の里
13日は国技館で優勝額贈呈式と安全を祈願する土俵祭りが行われ、初場所と春場所で連続優勝を果たした横綱・稀勢の里の優勝額がお披露目された。
日本出身力士が一度に2枚の額を受け取ったのは、1996年秋場所前の貴乃花以来、21年ぶり。
左上腕付近のケガを抱えながらも出場を決断した横綱は、37年の双葉山を最後に80年間成し遂げられていない初優勝からの3連覇の偉業に挑む。

■高安
2度目の大関とりに挑む関脇高安も土俵祭りに参加し、「全部勝って優勝を目指したい。昇進は結果次第だから」と大きな目標を掲げた。
春場所は初日から10連勝。 「初日は15日間の流れをつくる大事な相撲。全力で取り組みたい。いい内容で勝てば気持ちも乗ってくる」と、初日の平幕大栄翔戦に気合を入れた。



17/05/13
場所1日前情報! 】
■稀勢の里
12日、東京都墨田区の野見宿禰(のみのすくね)神社で土俵入りを行った。
春場所で負傷した左大胸筋、左上腕には不安を残すが「腕は2本あるからね。少しでも力が入れば相撲は取れる」と完全燃焼を誓った。

日本相撲協会関係者によると、夏場所の稀勢の里への個人指定懸賞が過去最多だった春場所の300本から608本まで倍増することが判明。
懸賞金の総本数も過去最多を更新することがほぼ確実となった。

■御嶽海
場所前は痛めている左手の回復を優先し、下半身を中心にした体づくりに終始した。
夏場所は実戦感覚を呼び起こしながら白星を重ねられるかが、鍵を握る。
「不安がないと言ったらうそになる。出稽古ができておらず、関取衆との実戦感覚はつかめていない」。
12日までの稽古は砂袋を使ってのすり足や、付け人に打たせた引き技に対して足を運ぶメニューを重ねた。
「下半身の動きと、上半身に(下から)バランス良く力を伝えているかを確認した」と自己流の調整だった。

※朝赤龍
12日、元関脇・朝赤龍が現役を引退すると発表した。
4月に日本国籍を取得しており、この日の理事会で年寄「錦島」を襲名することが承認された。
十両だった昨年九州場所で負け越し。
今年初場所で幕下に転落したことで、同部屋で138年続いていた関取が消え、話題となった。
西幕下9枚目で臨んだ春場所も負け越し、十両復帰が遠のいていた。

※時津風親方
12日、腰椎椎間板ヘルニアの手術を17日に受けるため、夏場所の勝負審判から外れることを明らかにした。
代役は時津風部屋付きの枝川親方が務める。



17/05/12
場所2日前情報! 】
■稀勢の里
左上腕などを負傷していた稀勢の里の夏場所への出場が11日、正式に決まった。
疲労回復のために稽古を休んだ横綱に代わり、師匠の田子ノ浦親方が「出場します。休場はしません」と明言した。
この日朝に親方が横綱と電話で話して最終的な意思を確認。
「やってみないと分からないが本人がやれるというので。横綱らしい相撲をとってもらうしかない」と弟子の強い意志に全てを託した。

■日馬富士
11日、部屋での稽古で汗を流し、短い言葉の中に闘志を込めた。
この日の稽古は、照強、誉富士を相手に16番。
持ち前の速攻相撲で圧倒し、全勝で稽古を終えた。
最後の優勝以降は12勝、11勝、4勝(途中休場)、10勝と下降気味だが、先場所は13日目に新横綱稀勢の里に快勝し存在感を見せた。
場所を目前に「順調です。自分のやるべきことはやった。頑張ります」と表情を変えずに話した。
ただ、話題を稀勢の里の出場決断について振られると「私も出ます」とニヤリ。
横綱の意地を見せ、優勝回数の2ケタ到達に王手をかけたいところだ。

■白鵬
11日、稀勢の里の夏場所出場に理解を示した。
伊勢ケ浜部屋での出稽古後に「いけるというのがあったんじゃないか。場所で15日間あるから、そこで(体を)つくっていけるというのもあるのでしょう」と話した。
17年ぶりの4横綱になった先場所は、自らの途中休場により一角が崩れた。
「今度はしっかり最後まで取り切りたい」と意気込んだ。

■高安
11日、旺盛な食欲との闘いにも挑んでいることを明かした。
番付発表後に2日間、1回の食事で丼4杯の米を食べ続けたところ、自己最高の183キロまで増量。
現在は176キロまで落としたが、「唯一の楽しみは食べること。ときに暴走することもある。食べ終わって後悔する。そこと勝負したい」と“暴食封じ”を誓った。
この日の稽古は軽めの調整で終え、「一回り成長できた」と手応えを口にした。

■豪風
11日、東京場所前恒例の激励会で、会員15人が東京中央区の相撲茶屋「盛風力」に集結。
代表して激励金を手渡した市川優・会長が「今場所狙うのは小結でしょう」と“要求”するなど7年ぶりの三賞受賞を祈って幕内最年長の奮闘を期待。
「自分の力ではなく変わらず応援してくれる方の力がある。今年達成していない三賞を目指します」と力強く抱負を語った。



17/05/11
場所3日前情報! 】
■稀勢の里
10日、時津風部屋に出稽古し、伝家の宝刀、左おっつけを解禁した。
春場所で負傷した左上腕部、左大胸筋が癒え、ついに全開レベルに達したことを証明。
正代を相手に15番全勝と夏場所への出陣態勢は整った。
伝家の宝刀がついに抜かれた。
同じ相手と続けて取る三番稽古の終盤だった。
立ち合い、当たると左おっつけで正代の体を起こした。
吹っ飛ばすと、そのまま左腕を突き出し、土俵外に一気に押し出した。

■照ノ富士
10日、時津風部屋に出稽古し、正代、遠藤、錦木と稽古し、14戦全勝と絶好の仕上がりを見せ付けた。
「外れる癖がある」と前日に右肩を負傷。
この日はテーピングを巻いていたが、出場に支障ないことを確認した。稽古最後にはぶつかり稽古で遠藤をかわいがり。
「みんな痛いんだよ。お前だけじゃない」と気迫十分だ。

■正代
10日、横綱、大関相手に計23番取り、疲れ切った。
照ノ富士の三番稽古相手を務め、8戦全敗、続いて、稀勢の里に指名され15戦全敗。
さらに稽古の締めには横綱相手にぶつかり稽古を繰り返し、ぶっ倒れた。
「立ち合いは力を横綱に伝えることができたかな。もろ差しになりたかったけど許してくれなかった。力強いですねやっぱり」と完敗。
「幸せです。期待に応えられるように本場所で頑張らないと」と感謝した。



17/05/10
場所4日前情報! 】
■稀勢の里
9日、二所ノ関一門連合稽古で、春場所後、初めて三役以上との稽古を解禁した。
琴奨菊を相手に10番で7勝を挙げて「強い相手とやれたことが収穫」と強調した。
やる気持ちが、立ち合いに見え隠れした。
琴奨菊との最初の2番、タイミングがずれて「待った」。
春場所で負傷した左上腕部には、分厚いテーピングをサポーターの上から巻いたまま。
満面の笑みとはいかなかったが、夏場所に向けてしっかりと一歩前進した。

■高安
9日、二所ノ関一門連合稽古で一門外の白鵬が参戦。
白鵬の“指名”を受け10番で2勝8敗も、横綱に投げ勝つ場面もあるなど内容的には互角に近かった。
「どんな形になっても攻める姿勢を取ろうと思った。勝ち負けも大事だけど今日は内容も悪くなかった」と満足げ。
今場所前は兄弟子・稀勢の里との申し合いができず、武者修行さながら方々の部屋への出稽古で自信を深めている。
「あと少し体力をつけて、いい状態で初日へ」と目を輝かせた。



17/05/09
場所5日前情報! 】
■白鵬
8日、時津風部屋に出稽古し、夏場所に向け調整を行った。
正代、豊山、十両旭大星、錦木、旭日松らと16番取って全勝。
春場所の途中休場の原因となった右足裏と右太ももの負傷の影響を感じさせない、鋭い踏み込みと力強い上手投げや押し出しで終始圧倒した。
「(自分の体に)重さもあったし、残る稽古もできた。よかったんじゃないかな」と手応え十分。全身から噴き出る大量の汗と引き締まった表情が、充実した稽古内容を物語っていた。
出稽古を見守った師匠の宮城野親方は「モンゴルでのトレーニングがものすごくきつくて、大関に上がる前以上のことをやったと本人が言っていた。下半身を鍛えているからぶれない。落ち着いて投げられている。今場所は気合が入った良い相撲を見られる」と期待していた。

■稀勢の里
8日、二所ノ関一門連合稽古で十両・琴恵光、幕内・豪風を相手に16番取って14勝2敗だった。
この日も負傷箇所をテーピングで固定し、得意の左おっつけは見られなかった。
逆に左を攻められると後退する場面もあった。
「自分の相撲を意識した。(左腕の状態は)非常にいい。稽古場は一日一日充実している」と言うものの、夏場所に向けて不安は残る。
二所ノ関親方は、「左から当たっているから、だいぶ回復している。8割くらいはきている」と見ている。
ただ、上位陣との稽古ができていないこともあり、出場した場合について「前半戦がヤマとなる」と懸念していた。

■高安
1日の番付発表後は部屋で稽古したのが1日だけ。
出稽古が続いており「飛ばしすぎた」と疲れがたまっている様子。
輝との申し合いでは自ら崩れて左膝を痛がる場面もあり「少し下半身に力が入らなかった」と反省した。
9日も連合稽古が控えており、「気持ちを引き締めていきたい」と奮起を誓っていた。

■琴奨菊
8日、二所ノ関一門の連合稽古に参加し、関取衆の申し合いで10番取り4勝6敗。
得意のがぶりで一気に持って行くなど元気いっぱい。
「(もっと)攻めのバランスにならないといけない。方向性はいいと思う」と修正点ははっきりしている様子。



17/05/08
場所6日前情報! 】
■稀勢の里
7日、追手風部屋に出稽古し、大栄翔との三番稽古15番で14勝。
春場所で痛めた左上腕部や胸部を気にし、顔をしかめる場面もあったが「痛みはない」と8、9両日の二所ノ関一門の連合稽古参加を明言した。
相撲を取れずにいた春場所後に徹底的に鍛え上げた下半身の粘りで、大栄翔の押しをどっしり受け止めた。
息もほとんど上がらずに「いい状態で(下半身を)使えている。どんどん圧力を相手に与えながら、おのずと上半身がついてくればという気持ち」。
うなずきながら成果を強調した。

■高安
阿武松部屋へ出稽古し、新入幕の阿武咲と36番取った。
重心が低い押し相撲の阿武咲に対し、突き、押しや、先に右上手を取りにいくなどいろいろな立ち合いを試した。
「自分は下から押し上げてくる力士が得意じゃない。納得するまでいこうと思った」と明確に狙いを持って汗を流した。

■御嶽海
4月14日の春巡業松本場所の申し合い稽古で左手を痛めた。
翌日以降は稽古の土俵に上がれず、土俵下などで体を動かした。
左手はまだ痛みがあるため、夏場所に向けた稽古は一人で行うメニューが中心になりそう。
2日は、砂袋を肩に乗せた状態で腰を上下させて体幹を鍛えたり、スピードを意識したすり足を繰り返したりした。

■遠藤
3日の横綱審議委員会稽古総見で古傷の足首を痛めたという。
「アクシデントがあったが、治療したらだいぶ良くなっている」と表情は明るい。
角界屈指の人気力士は新三役に向け「あまり意識せず、まずは上位で勝ち越したい。そうすれば三役に上がった時も力になる」と意気込んでいた。

■大栄翔
7日、追手風部屋への出稽古で稀勢の里に指名され15番続けて相撲を取った。
「相撲界で一番強い人と稽古した経験は自信になる」とうれしそうに話した。
稽古中、横綱に「思い切り来ていいから」と言われ、持ち味の突き、押しで何度も押し込んだ。
ただ「押し込めても土俵際でまた一段重くなって、残り腰もすごい」。
自己最高位の東前頭3枚目で初めての上位戦を迎える夏場所へ、貴重な経験を積んだ。

■阿武咲
7日、大関昇進を目指す高安が出稽古に来た。
三番稽古に指名されると、格の違いを見せつけられ、最初の10番は3勝。
だが、ここからスタミナ抜群の馬力を見せ、後半に4連勝するなど合計36番で19勝17敗と勝ち越した。
稽古後は「高安関はアツ(圧力)といい残り腰といい、えぐいっす。でも、めっちゃ楽しかった。きついけど楽しい気持ちの方が大きいです。稀勢関(横綱稀勢の里)に稽古をつけてもらった時も同じような感覚でした」と、うれしそうに話した。
三番稽古の内容にも「感覚が良かった。こらえられる所はこらえられたし、足の運びとか感覚的に良かったです」と言い「調子が悪くても押せる。力がついてきたと思う」と満足そう。
夏場所は「2ケタは勝ちたいです」と、すっかり自信をつけたようだ。



17/03/27
場所後月曜の朝!情報! 】
■稀勢の里
千秋楽2敗だった新横綱稀勢の里が、1敗で単独首位にいた照ノ富士を本割と優勝決定戦で続けて破り、劇的な逆転。
2場所連続2度目の制覇を果たした。
直接対決で本割、決定戦を連勝して逆転優勝したのは2002年初場所の栃東以来。
新横綱の優勝は1995年初場所の貴乃花以来、22年ぶり8人目。

■白鵬
26日、千秋楽パーティー後の取材で、新横綱稀勢の里の逆転優勝をたたえ「感動しました。4横綱になって新横綱が引っ張ってくれた。いいものを見せてもらって気合が入った」と話した。
稀勢の里がけがを押して出場したことについては「ここまで来たんだから(出る)というのがあったんだろう。無理はしたと思う」と心中を察した。
白鵬自身のけがについては「なかなか痛みが取れない」と述べた。
4月の春巡業の前半は休場する意向で、回復を優先させる方針を示した。

■御嶽海
14日目に三役で初めての勝ち越しを決めていた御嶽海は26日、栃煌山と対戦。
引き落としで勝ち、9勝6敗として三役2場所目を終えた。
休場者を除いた3横綱、1大関には一人も勝てなかったものの、三役同士の玉鷲、正代に2勝。
平幕6人にも取りこぼさなかった。



17/03/26
千秋楽朝!情報! 】
■稀勢の里
痛みを押して土俵を務める新横綱・稀勢の里に、館内は歓声とため息が交錯した。
14日目の25日、前日に左肩付近を負傷した稀勢の里が強行出場した。
結びの一番で鶴竜との横綱対決であえなく敗れたが、会場は健闘をたたえる拍手に包まれた。
支度部屋で「最後までやりたい」と千秋楽出場を明言した。
最高位の自覚を胸に、土俵に向かう決意だ。

■琴奨菊
1場所での大関復帰がなくなる6敗目。
風呂に入ると、周囲に響き渡るうなり声を上げた。「あー、くそっ」。
続けて仕度部屋に腰を下ろすと、「結果論だから仕方がない」と目をつぶった。

■御嶽海
25日、14日目で8勝目を挙げ、三役で初めての勝ち越しを決めた。
新三役だった昨年11月の九州場所で6勝9敗と負け越したが、24歳のホープは三役2場所目で成長を示した。

※先頭力士

1敗
照ノ富士

2敗
稀勢の里

※本日直接対決!

17/03/25
14日目日中!情報! 】
■稀勢の里
13日目の取組で左肩付近を痛めた稀勢の里について、師匠の田子ノ浦親方は25日「本人が出たいと言っている。本人に強い意志がある」と述べ、14日目の25日も出場することを明らかにした。
同日朝、けがの状態を本人に尋ねた田子ノ浦親方は「(痛みが)ましになっている。体も動く。本人も大丈夫と言っている」と語った。



17/03/25
14日目朝!情報! 】
■稀勢の里
日馬富士に寄り倒され、初黒星となった。
この一番で左胸付近を負傷。
支度部屋に戻っても左腕を動かせずに痛がるなど深刻な状況で、救急車で大阪市内の病院に搬送された。
出場するか否かは14日目の朝に判断する。

■照ノ富士
鶴竜を寄り切り、1敗を死守した。
立ち合いで遅れてもろ差しを許したが、外四つから左四つに体勢を変えて勝機を待った。
中央で激しい攻防を繰り返し、胸を寄せて横綱を俵へ運ぶと、一度つられながらも踏ん張る。
最後は持ち前のパワーで両上手を引いて寄り切った。
初優勝した15年5月の夏場所以来の頂点が見えてきた。
優勝の可能性を聞かれて相好を崩したが「(優勝は)稀勢の里でしょ」と乗ってこなかった。

※先頭力士


1敗
稀勢の里 / 照ノ富士

3敗
日馬富士 / 高安 / 栃煌山



17/03/24
13日目日中!情報! 】
■荒鷲
13日目の24日、休場した。
9敗目を喫した12日目の稀勢の里戦で左足首周辺を痛めていた。
休場は三段目時代の2007年九州場所以来、8度目。



17/03/24
13日目朝!情報! 】
■稀勢の里
荒鷲を寄り切って12戦全勝で単独首位を守った。
初日から12連勝は自身3度目。
1949年以降32人誕生した新横綱で無傷12連勝は史上4人目、2位タイ記録。
上には83年秋場所で15連勝した先代師匠の故鳴戸親方、隆の里がいるだけだ。

■照ノ富士
遠藤を浴びせ倒し、唯一1敗をキープ。
相撲巧者の遠藤に土俵際まで寄られ、先場所までならここで万事休すだが、上手をつかんでいた右腕だけで154キロの遠藤を持ち上げた。
そのまま前に出ると、右足で切り返しながら浴びせ倒し。
館内の度肝を抜いた。

※先頭力士

全勝
稀勢の里

1敗
照ノ富士

2敗
高安 / 栃煌山

3敗
日馬富士



17/03/23
12日目朝!情報! 】
■稀勢の里
3度目の結びの一番は嘉風に動き回られて苦戦しながら、送り出しで勝って11戦全勝とした。
15日制定着後の1949年夏場所以降では大鵬、隆の里、貴乃花に続く新横綱優勝が見えてきた。
初優勝からの連続優勝は15日制では千代ノ山と朝青龍しか達成していない。
その2つを成し遂げれば、15日制以前の双葉山以来となる。

■高安
鶴竜の上手出し投げに屈して、初黒星。
支度部屋では無言を貫き、最後まで口を開くことはなかった。
全勝Vなら大関昇進のムードも高まっていたが、審判部長の二所ノ関親方は「1敗したからね」とトーンダウン。
12日目は横綱日馬富士に挑戦する。

※先頭力士

全勝
稀勢の里

1敗
照ノ富士 / 高安 / 栃煌山



17/03/22
11日目日中!情報! 】
■千代皇
11日目の22日、「右母趾末節骨骨折で約1か月程度の安静加療を要する」との診断書を提出し休場すると発表した。
今年2月の稽古中に転倒して痛め、7敗目を喫した10日目の宇良との一番で再発してしまった。
休場は14年の九州場所以来、2度目。



17/03/22
11日目朝!情報! 】
■稀勢の里
珍しいく右からの張り差しで馬力のある玉鷲の出足を止め、すぐに得意の左を差して寄り切り。
これで1月の初場所10日目から16連勝。
大関時代の平成25年春から夏場所にかけた自身最多連勝に並んだ。

■高安
立ち合いで変化した貴ノ岩をはたき込みで下し、全勝を守った。
関脇の初日からの2桁連勝は平成22年春場所の把瑠都以来。
初優勝なら今場所後の大関昇進の可能性も出てきた。

■嘉風
鶴竜を一方的に寄り切る会心の一番。
「いいところが全部出た。」と通算6個目の金星を獲得。

※先頭力士

全勝
稀勢の里 / 高安

1敗
照ノ富士 / 栃煌山



17/03/21
10日目朝!情報! 】
■稀勢の里
琴奨菊の思った以上の突進に後退するも、土俵際膝に余裕を残しながら、右から突き落として全勝を守った。
「ギリギリのところだった」。
初場所でも唯一の黒星をつけられており、「しっかりやろうと集中した」。

■照ノ富士
9日目、5連敗中で通算1勝7敗の勢を寄り切り、勝ち越しかど番を脱出した。
大関に昇進した平成27年名古屋場所以来となる難敵撃破にご機嫌。
「土俵に上がったら相手が小さく見えた。普通にやればいけると思った。小さく見えるときは、勝っちゃうんだよ」。
賜杯争いも稀勢の里、高安を1差で追走。好調の大関が場所を盛り上げる。

■高安
豪風の左の変化にも慌てずに対応。
はたき込みで幕内最年長の37歳を下し、初日からでは自身初となる9連勝とした。
「よく稽古をやる相手だから、取り口は頭に入っている。どういう動きにも対応できるようにしていた」。

■荒鷲
9日目、日馬富士を破り、先場所の鶴竜、白鵬に続き3個目の金星を獲得。
通算400勝に花を添えた。
「いいですね。うれしいですね。ちょっと乾杯くらいはします」と自然と笑みがこぼれた。

※先頭力士

全勝
稀勢の里 / 高安

1敗
照ノ富士 / 栃煌山

2敗
鶴竜 / 千代翔馬



17/03/20
9日目朝!情報! 】
■稀勢の里
初日からの8連勝で勝ち越しを決めた。
初優勝を飾った初場所でも中日で勝ち越しており、新横綱で迎えた今場所も堂々たる勝ちっぷりをみせる。
昇進後は多忙な日々を過ごし、土俵では負けられない最高位の重圧とも闘う新横綱のストレート給金は、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降で過去4人だけだ。

■高安
1分近い熱戦の末、勢を下手投げで下し、勝ち越しを決めた。
ストレート給金は平成26年名古屋場所以来3度目。
一瞬ヒヤリとする場面もあったが、「時間はかかったけど、慌てずに自分の形ができるのを待った」と及第点をつけた。
兄弟子の稀勢の里と並走の賜杯争い。
「勝ち越しは一つの区切り。(後半戦も)同じ気持ちで。自信を持ってやります」と、まずは自己最長に並ぶ9連勝に挑む。

※先頭力士

全勝
稀勢の里 / 高安

1敗
照ノ富士 / 栃煌山

2敗
鶴竜 / 日馬富士 / 琴奨菊 / 千代の国 / 千代翔馬 / 徳勝龍



17/03/19
中日朝!情報! 】
■稀勢の里
御嶽海を寄り切り、7連勝。
相手が苦しまぎれに左を巻き替えてきたところを一気に逆襲。
一直線に寄り返した。
「集中してやっただけ」と、涼しい表情を浮かべた。

■高安
7日目、強烈なかち上げ一発で蒼国来を吹き飛ばし、全勝をキープした。
連日の速攻での白星街道に「前に出て、しっかり突き放すいい相撲。イメージ通り」といつものように淡々と話した。

※先頭力士

全勝
稀勢の里 / 高安

1敗
照ノ富士 / 栃煌山

2敗
鶴竜 / 日馬富士 / 玉鷲 / 琴奨菊 / 宝富士
千代の国 / 千代翔馬 / 隠岐の海 / 徳勝龍



17/03/18
7日目朝!情報! 】
■高安
6日目の17日、照ノ富士との無敗対決を制した高安の精神面の充実は目を見張るばかり。
大関昇進という目標を見据え、取り口にはすごみすら漂わせている。
仕切りでにらみつける大関の視線を伏し目でいなす。
立ち合いはじらされたが、じっと待ち構えた。
「呼吸を合わせて立ちました」と落ち着いていた。

■松鳳山
6日目の17日、12度目の挑戦で鶴竜から金星を奪った。
「どんな白星よりうれしい」と相好を崩した。
回転の速い突っ張りで横綱の上体を起こし、引きに乗じて突き出した。
張られて頭を下げたところを引かれていた負けパターンを反省し、突っ張りから双差し狙いの意識を徹底。
「(懐に)入るつもりだったんで考えた通りじゃない」と言いながらも、ようやく出た初日に「やっとスタートを切れた」。
会心の相撲に、普段から冗舌な33歳は笑いが止まらなかった。

※先頭力士

全勝
稀勢の里 / 高安 / 栃煌山

1敗
照ノ富士 / 宝富士 / 千代翔馬

2敗
鶴竜 / 日馬富士 / 玉鷲 / 琴奨菊 / 以下4人



17/03/17
6日目朝!情報! 】
■稀勢の里
初日から5連勝は、15日制となった1949年夏場所以降に誕生した横綱32人中11人目となった。
さらに幕内通算勝利を683に伸ばし、外国人力士で初めて優勝した高見山に並んで歴代9位となった。
「しっかりやるだけ」と偉大な先人に追いついても感慨などないが、来場所には7位の貴乃花(701勝)、6位の武蔵丸(706勝)が射程圏内。

■豪栄道
6日目の17日、休場する事になった。
先場所は勝ち越した後で右足首を痛めて途中休場。
ご当地となる今場所は負傷の影響が残り、2日目から4連敗と不振だった。
このまま休んで負け越せば、5月の夏場所は5度目のかど番となる。

※先頭力士

全勝
稀勢の里 / 照ノ富士 / 高安 / 宝富士 / 栃煌山

1敗
鶴竜 / 千代翔馬

2敗
日馬富士 / 玉鷲 / 琴奨菊 / 御嶽海 / 以下10人



17/03/16
5日目午後!情報! 】
■白鵬
5日目の16日から休場することが決まった。
場所前の稽古中に右足裏を負傷、初日正代戦で悪化し、2日目からはテーピングを施していた。
この日の朝稽古後に師匠の宮城野親方が「休場。太ももも腫れている。そこから全部調べてもらっている」と説明した。



17/03/16
5日目朝!情報! 】
■白鵬
勢に一方的に攻められて2敗目を喫した。
4日目までに2敗したのは2015年秋場所以来。
珍しい事態に「荒れる春場所だな」と自嘲気味に話した。
場所前の稽古でけがをした右足裏の影響があるようで、「自分の立ち合いができない」と説明。
巻き返しに「一番一番ですね」と話した。

■稀勢の里
横綱として初の結びの一番で、初顔合わせの蒼国来を堂々と退けて、全勝を保った。
右上手を引いて、じっくりと寄って最後は差し込んだ左のかいなを返す盤石の攻めだった。
「集中してやるだけ。(流れは)まあ、いいんじゃないですか」と貫禄を漂わせながら語った。

■琴奨菊
大関復帰を懸けた正念場。
鶴竜を力強い寄りからすくい投げ、初日の日馬富士に続く横綱撃破。 弾みのつく白星を手にした。

■勢
白鵬を強烈な左おっつけからの寄り倒しでやぶり、二つ目の金星を挙げた。
横綱が仕掛けた捨て身の左小手投げに自身も倒れ、物言いがついたが軍配は変わらず。
白鵬の自滅で勝った昨年名古屋場所と比べ「いい形で取れている。うれしい」と成長を実感した。



17/03/15
4日目朝!情報! 】
※好調力士
稀勢の里は貴ノ岩、鶴竜は勢をそれぞれ粘り強く攻め、カド番大関の照ノ富士とともに3連勝を飾った。
高安も琴奨菊を豪快に下手投げで勝って3連勝。

■蒼国来
33歳2カ月の蒼国来が日馬富士を撃破。
初金星としては史上2位の年長記録となった。
結びの一番も初めてで「続けてきてよかった。一瞬何が何だか分からなかった」と仕度部屋に引き揚げてから喜びをかみしめた。



17/03/14
3日目朝!情報! 】
※好調力士
4横綱は安泰だった。
白鵬が蒼国来を寄り切り、日馬富士は勢をはたき込み、ともに連敗を免れて初白星を挙げた。
新横綱の稀勢の里は、正代を押し出し、豪風を寄り切った鶴竜とともに2連勝。
4横綱がそろって勝つのは26年ぶり。
今場所から関脇に落ちた琴奨菊も貴ノ岩を寄り倒して2勝目を挙げた。

■高安
合口のいい豪栄道をはたき込み、2連勝とした。
頭を下げて踏み込んできた相手を喉輪で起こし、落ち着いてさばいた。
大関候補にふさわしい内容に「自信を持ってやれば、必ずできるから。しっかり残して自分の展開になった」と風格すら漂わせた。

■宇良
2日目で土がついた。
大阪市平野区出身で日大に進んだ1学年上の平幕大翔丸に、なすすべなく押し出される完敗。
「余裕がなかった。力の差を感じた」と脱帽した。
関学大時代には1度対戦して白星。
「そうでしたかね」と思い出話には興味なしだった。



17/03/13
2日目朝!情報! 】
※荒れる春場所
新横綱の稀勢の里は豪風を落ち着いて押し出し、鶴竜は御嶽海を退け白星発進。
白鵬は正代に突き落とされ、日馬富士は関脇に転落した琴奨菊に完敗し黒星発信。
17年ぶりの4横綱時代で2横綱が敗れる幕開けとなった。
宇良は佐田の海に勝って新入幕白星発進。

※輝、土俵入りでミス
土俵を下りる際、通常左回りになるところを右回りとなり、正面に尻(背面)を向けてしまった。
相撲界では失礼にあたり“禁忌”とされる行為に「初めてだったので、緊張してしまった。(間違いには)終わってから気づいた」と22歳は恐縮した。



17/03/12
初日情報! 】
■白鵬
11日には会場で土俵祭りが行われ、白鵬をはじめ三役以上の力士らが出席して15日間の安全を祈願した。
この日、32回目の誕生日を迎えた大横綱は11年3月11日に起きた東日本大震災の被災地へ出席者と黙とうをささげ、被災地とともに戦う覚悟を見せた。


11日、土俵祭りが会場のエディオンアリーナ大阪で行われ、八角理事長ら親方衆、三役以上の力士が出席し、場所中の安全などを祈願した。

12日、会場のエディオンアリーナ大阪には当日券を求めて大勢の人が駆けつけ、用意した215枚の当日券が販売開始約10分で完売した。
先頭に並んでいた福岡から来た50代男性は、2月5日の先行販売では買えず「勝負は当日しかない」と、11日の午後7時から徹夜で並んでいた。
熊本から来た60代男性は「稀勢の里効果やね」と話した。



17/03/11
場所1日前情報! 】
■稀勢の里
10日、大阪市港区の田子ノ浦部屋で2日ぶりに朝稽古を行った。
取組編成会議で初日に幕内最年長で37歳の平幕豪風、2日目に小結正代との対戦が決まり「だいたい(番付の)あの辺と当たると予想していた。一日一番集中してやるだけ」と意欲を語った。
前日を休養に充てた。
この日は相撲を取らず、四股やぶつかり稽古などで約1時間半をかけて調整し「非常にいい稽古ができたし、形も決まってきた。今日(10日)、明日(11日)こんな感じでやれば切れ味も戻ってくると思う」と手応えを口にした。

■魁聖
10日、右膝のけがで大相撲春場所を休場する魁聖の診断書を公表。
「右前十字靱帯断裂、右外側半月板損傷で約3カ月の加療を要する見込み」との内容だった。
6日の稽古中に負傷した。
休場は、2006年秋場所で初土俵を踏んでから初めて。
師匠の友綱親方は「思っていたより、ひどくはない」と話した。

■宇良
部屋の稽古が休みだった10日は、一時帰京して東京都内で開かれた昇進披露祝賀会に出席。
母校の関学大関係者ら約1000人から祝福された。
こうした行事は番付発表後に催されるが、場所2日前に本場所開催地を離れることは異例。
11日に再び大阪入りする宇良は「幕内では厳しい戦いの15日間になる」と気を引きしめた。


10日、理事会を開き、ブルガリア出身の元大関・琴欧洲の鳴戸親方が4月1日付で佐渡ケ嶽部屋から独立し、鳴戸部屋を新設することを承認した。
内弟子2人と転属する。
部屋は東京都墨田区に新築する予定。
欧州出身者では初の師匠となる鳴戸親方は、大阪市内で「日本で教わったことにプラスして、少しずつ新しいことを取り入れ、私を超える力士を育てたい」と抱負を語った。



17/03/10
場所2日前情報! 】
■豪栄道
9日、大阪府寝屋川市の境川部屋で稽古をし「何とか間に合った。集中して、我慢して相撲を取っていれば、勝機も出てくるし、結果がついてくると思う」とご当地場所出場の意向を示した。
幕内佐田の海らと23番取って22勝。
師匠の境川親方は「いい感じで仕上がったんじゃないか」と弟子の背中を後押しした。

■照ノ富士
9日、大阪市東成区の伊勢ケ浜部屋で、宝富士らと15番。
10日の取組編成会議を前に「初日の相手は誰?」と早くもピリピリとした雰囲気だ。
古傷である両膝の状態は万全でなく、左上腕にも不安を抱える。
最近は8勝と2桁負けを繰り返し、大関としては不名誉な成績が続く。
入門後は負け越しがない春場所へ向け「悪いところはないよ」と不安を振り払うように話した。


春場所の懸賞金の総数が、地方場所での史上最多を更新する見通しとなった。
これまで最多は16年春場所の1672本だったが、日本相撲協会の懸賞金担当者は「1900本に近い」と大幅増となることを明かした。
懸ける力士を指定する懸賞の本数は稀勢の里が約300本でトップ。
2番手は地元大阪出身の大関・豪栄道で約200本だという。



17/03/09
場所3日前情報! 】
■白鵬
8日、大阪市港区の田子ノ浦部屋に出稽古し、高安と8番取ってから、稀勢の里を促し6番取った。
優勝争いのライバルの異例の前哨戦は先輩横綱が4勝2敗と貫禄を示した。

■豪栄道
8日、大阪府寝屋川市の境川部屋で、妙義龍らと23番取り、22勝だった。
5日から申し合いを始めるなど、急ピッチで調整を進めている。
「段々調子が良くなっているのを自分でも実感している。(けがした右足首は)問題ない。大丈夫」と繰り返した。
師匠の境川親方は「きょうの段階ではいい感じと思う」とご当地場所出場へ前向きな姿勢を示した。

■高安
出稽古に来た白鵬の胸を借りた。
白鵬と稀勢の里を相手に計17番取ったが、1勝ずつを挙げたのみ。
だが、表情に暗さはなく「わざわざ遠くから来てもらって幸せです」とすがすがしかった。
先場所は白鵬を一方的に撃破するなど、確かな成長の跡を示した。
27歳で迎える最初の場所へ向け「もう若手ではなく、中堅の上の方。今年を勝負の年にしたい」と強い意欲を口にした。



17/03/08
場所4日前情報! 】
■白鵬
7日、5場所ぶりの優勝を狙う白鵬が春場所前夜祭で一足早く誕生日を祝福された。
来場者が「ハッピーバースデー」を合唱すると「11日で32歳になります」と笑顔で答えた。
かねて35歳で迎える東京五輪まで現役を続けたいと話しており「東京五輪で土俵入りがあるかもしれないので頑張りたい」と改めて意欲を示した。

■日馬富士、鶴竜
7日、稽古場で顔をそろえた。
白鵬、日馬富士、鶴竜がそれぞれ時津風部屋に出稽古。
互いが胸を合わせることはなかったが、それぞれが他の関取衆と15番程度の申し合いをこなした。
ともに初場所を途中休場した日馬富士は「体調を取り戻すよう頑張っている。万全の状態で場所に入りたい」と意気込み、
鶴竜は「優勝しかない。しっかり結果を出したい」と決意を口にした。

■豪栄道
7日、大阪市内で行われた前夜祭に参加し「良くはなってきている。これも経験。前向きにやっていく」と出場に意欲を示した。
30歳のご当所大関は、地元のファンの温かい声援を受けた。
「30歳は昔はベテランだったけど、今は進歩している。老け込む年齢ではない」と力強く話した。

■宇良
落語家の6代目桂文枝が大阪府吹田市の木瀬部屋を訪れ、新入幕の宇良を激励した。
12番で7勝5敗と熱のこもった朝稽古を見せた宇良に、落語界の大御所も「強い。こういう人がいると盛り上がる」とうなった。
宇良も「きょうは文枝師匠も来ていて気合が入りました」と納得の稽古ができた様子だった。


バンダイナムコエンターテインメント
稀勢の里に千代の富士や貴乃花も登場する『大相撲ごっつぁんバトル』配信開始!=>公式サイト



17/03/07
場所5日前情報! 】
■白鵬
出稽古を開始し、大阪市平野区の友綱部屋で魁聖らに14戦全勝と上々の動きを見せた。
魁聖が右膝付近を負傷したため番数は少なめだったが、右四つでの寄りを中心に動きを確かめた。
「いい汗をかいた。環境を変えてできたのは、気分の部分でもいいし(感覚も)滑り出しとしては良かった」と満足げだった。
4場所連続優勝から遠ざかっているだけに「乗り越えていく。(調整を)意識して、考えていく」と決意を示した。

■稀勢の里
大阪市港区の田子ノ浦部屋で出稽古に来た嘉風との2番目の手合わせの際、相手の頭が当たり左目上の眉尻を裂傷。
おびただしい鮮血が胸まで垂れ、稽古をやめて応急治療を行った。
約2センチほど切れたためすぐには血が止まらず、部屋近くの病院で数針縫った。
4年前の春場所前も日馬富士に胸を借りた際に同じ箇所を裂傷した。
ばんそうこうを貼って戻ってきた稀勢の里は「大丈夫。ケガのうちに入らない。痛みはほぼゼロ。いい男が台なし?それが一番」と笑顔まで見せた。


大島親方(元関脇旭天鵬)が、5月の夏場所後に所属する友綱部屋を継承することが分かった。
師匠の友綱親方が4日、明らかにした。
日本相撲協会理事会で承認されれば、モンゴル出身で初の師匠となる。

鳴戸親方(元大関・琴欧洲)が、所属する佐渡ケ嶽部屋から独立し、4月から自らの部屋を設立することが1日、日本相撲協会関係者の話で分かった。
今月中の協会理事会で承認される方向で、欧州出身初の師匠となる。
外国出身では3人目。



17/03/06
場所6日前情報! 】
■稀勢の里
5日、稀勢の里は出稽古に来た玉鷲と同部屋の高安を相手に18番の申し合いで16勝2敗と順調ぶりをアピールした。
「今、一番圧力がある相手じゃないの」と評価する玉鷲に押し込まれる場面もあったが、「だいぶ身体もいい感じになってきた。来てもらうのはうれしい」と充実の表情を浮かべた。

■照ノ富士
5日、時津風部屋に連日で出稽古した。
十両・小柳、小結・正代と15番ずつ取り、敗れたのは小柳との1番のみ。
自ら脇を開けて双差しを許した状態から反撃したり、組んでいる最中に「もっと押せ」と注文したりするなど、勝敗以上に圧倒した。
調整について本人は「普通でしょ」と素っ気ないが、今後の仕上がり次第では久々に期待できそうだ。

■貴ノ岩
5日、大阪市住吉区の住吉大社に宿舎を構える立浪部屋で行われた、貴乃花一門による連合稽古で、無尽蔵のスタミナぶりを発揮した。
番付下位とはいえ、幕内の貴景勝、十両の阿武咲、力真や幕下力士と6番取って全勝。
その後は阿武咲と連続24番。
合計30番連続で25勝と圧倒的な強さで「一門頭」の実力を見せつけた。



17/03/03
場所9日前情報! 】
■稀勢の里
2日、大阪市東住吉区の芝田山部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加した。
嘉風と続けて13番取って全勝と、順調な調整ぶりをみせた。
10日後に控える本場所へ「体ができてきた。だいぶ仕上がったんじゃないかな」と手応えをにじませた。

■高安
2日に行われた二所ノ関一門による連合稽古では、大関候補の高安が目立った。
大関から転落の琴奨菊、玉鷲の両関脇らと申し合いで16番。
激しい突き、押しが光って12勝4敗と好調で「少しずつだが自分のスタイルを確立できつつある。体調はすこぶるいい」と自信を深めている様子だ。

■琴奨菊
2日、大阪市内の長居相撲場で行われ、大関から陥落した琴奨菊が悲壮な覚悟を見せた。
10勝すれば大関復帰がかなう運命の春場所。
「(体が)壊れてもいい」と、13番の申し合いで決死の9勝を挙げた。
がむしゃらだった。
7連勝と一門の関取を総なめにしていた好調の高安をがぶりで攻め立て寄り切った。
その後、玉鷲を圧倒するなど5連勝。
再び高安を迎え連敗した際は「くそー」と鬼の形相で悔しがった。



17/03/02
場所10日前情報! 】
■鶴竜
1日、大阪市東成区の時津風部屋へ出稽古し、小結正代と十両小柳を14戦全勝と圧倒した。
もろ差しからの寄りがさえ、不安を感じさせない内容。
「いいんじゃないですか。昨日より今日、今日より明日という気持ちでやっていく」と表情も明るかった。
3年前の春場所で初優勝し、場所後に最高位への昇進を果たした。
稀勢の里が加わり、4横綱時代が到来した春の大阪。
31歳の先輩横綱は「ここで結果を出すことに意味がある」と燃える思いを口にした。

■遠藤
1日、大阪・堺市の追手風部屋で同部屋の大翔丸らと計13番取って10勝3敗だった。
この日は伊勢ノ海部屋に所属する幕内錦木が出稽古に訪れ、遠藤が2勝した。
「いまのところ(出稽古は)考えていない」とした。



17/03/01
場所11日前情報! 】
■稀勢の里
28日、大阪入り後の初稽古は不調に終わった。
大阪市港区の田子ノ浦部屋で高安と17番取って6勝11敗。
十分の左四つで胸を合わせても腰が高く攻めきれなかった。
足が出ないため、はたき込みで土俵に転がる場面もあった。
新横綱の姿を見ようと集まったファンからは驚きの声まで上がった。
「良くはないが、まだ初日だから。力むこともないし、焦ることもない」と言うものの、これまで弟弟子との稽古では負け越すことはほとんどなかった。

■豪栄道
28日、エディオンアリーナ大阪で開かれた力士会後に、今週末から稽古場で相撲を取り始める意向を示した。
右足関節外側靱帯(じんたい)損傷で全治1カ月と診断されていた豪栄道は、この日の朝、負傷後初めて立ち合いの確認と、ぶつかり稽古をこなした。
春場所は地元大阪で開催されることもあり「出場する」と話してはいるが、階段の上り下りではいつも以上に慎重になるなど、まだ万全の状態ではない模様。
稽古場で相撲をとる時期については「今週末くらいかな」と語った。

■高安
28日、この日が27歳の誕生日。
「入門した頃を思い出して稽古した」と初心に帰って気迫を前面に出し、横綱を圧倒した。
昨年名古屋から5場所連続の三役。
小結だった初場所は11勝を挙げ、春場所は大関昇進の足固めを目指す。
「これからが一番力が出る時期」と捉えている27歳は「堂々とした相撲を取って、優勝を目指して頑張りたい」と賜杯まで見据えた。

■宇良
28日、この日から大阪府吹田市に土俵を構える所属の木瀬部屋で、春場所へ向けた本格的な稽古を開始した。
この日は四股などの基本動作や、土俵内に入って横への動きを確認。
地元の人気者だけにイベントも多く、必死の努力で約130キロまで増量した体重の維持について「うまくいかないことが多いです」と悩みもポロリ。
忙しい中で体重キープの手段を確立できるかどうかが、活躍の鍵を握りそうだ。


17/02/28
力士情報! 】
■宇良
朝青龍らと同じ所要12場所、史上7位のスピード出世に「そんな方々と比べるのは失礼」と困惑。
36力士を擁する角界最大所帯の木瀬部屋で最上位の番付になったことにも「部屋頭になったからといって、自分ができることは何もない。兄弟子がおられるんで」と腰を引いた。
それでも、番付表最上段に記された名前を確認すると「非常にうれしく思う」と笑みを浮かべた。
左手骨折や、右足首損傷などのけがを乗り越えたことには「期待してくれた方に応えたい気持ちがあったので、ここまで来られた」とうなずいた。
業師だけに技能賞への期待も高いが、地元大阪で1番1番に集中する。
「気持ちで負けないようにしたい」と心を引き締めた。



17/02/27
本番付発表! 】
■白鵬
初日前日の3月11日に32歳の誕生日を迎える。
5場所ぶり史上最多の38度目の優勝を目指す。
番付は4場所ぶりに、序列最高位となる東の正位に就いた。

■照ノ富士
2場所ぶり4度目の大関かど番。
琴奨菊が関脇に陥落したことで大関は、豪栄道と合わせ14年名古屋場所以来の2人となった。

■稀勢の里
27日、本番付が発表され4横綱の中では序列最下位となる西の2枚目に番付された。
大阪市港区の田子ノ浦部屋宿舎で記者会見に臨んだ稀勢の里は、3代目若乃花以来19年ぶりとなる日本出身の新横綱誕生から約1カ月がたち「(横綱と呼ばれることが)なじんできましたね」と笑顔を見せた。
「横綱」としるされた新番付を見ると「うれしい半面、気が引き締まりますね」と話した。

■琴奨菊
大関からの陥落は14年初場所の琴欧洲以来、昭和以降では25人(30回)目となる。
規定により、今場所10勝を挙げれば大関に復帰できる。
関脇に陥落した05年初場所で11勝を挙げ、翌場所で返り咲いた栃東以来の大関復帰なるか、にも注目される。

■宇良
ご当所の大阪府からは昨年春場所の大翔丸以来、戦後21人目の新入幕。
関学大からは初めてで、学生相撲出身では昨年九州場所の北勝富士、石浦以来、89人目の幕内力士となった。



17/02/24
大相撲春場所まつり! 】

春場所を盛り上げる「大相撲春場所まつり」が28日3月2日、大阪市北区茶屋町の毎日放送ちゃやまちプラザで開催される。
28日は、昨年の九州場所で敢闘賞を獲得した「石浦」、3月1日は兵庫県芦屋市出身の「貴景勝」、2日には阪神・淡路大震災当日に生まれた、南あわじ市出身の「照強」がそれぞれ来場する。
3人の若手注目力士たちの楽しいトークイベントが繰り広げられる。
開演は各日とも午後3時。
入場無料、定員100人(先着順)。
問い合わせはスポニチプラザ大阪事務局=電話06(6346)8565まで。



17/02/22
3兄弟同時力士! 】

大相撲春場所で、珍しい「3兄弟同時力士」が誕生する。
昨秋の全国学生選手権個人で準優勝した東洋大の大波渥が荒汐部屋で初土俵を踏む。
3兄弟はいずれも荒汐部屋に所属し、目下の出世頭は、十両入り目前の次男・剛士で、けがを克服した長男・大波も春場所は幕下復帰が濃厚。
三男の渥も三段目付け出し初土俵と実力差は近接。
元三役の祖父・若葉山を目標に、誰が最初に関取になるか、注目される。



17/02/20
碧山が披露宴! 】
19日、都内のホテルで同じブルガリア人の女性(35)と披露宴を開き、春日野親方や幕内の御嶽海、十両宇良ら関係者約230人が門出を祝った。
2年前の5月に帰国した際、食事の席で友人に紹介され「顔を見た瞬間、心の中で『オレの女性なんだ』と感じた」と運命の出会いを振り返った。
ドイツで建築デザイナーとして働く新婦は昨年4月に来日。
8月に婚姻届を提出した。
「もう1人じゃない。奥さんのためにも東京五輪まで頑張る」と心機一転を誓った。



17/02/16
浪速武道館8年ぶり相撲大会開催! 】

大相撲春場所の開催時には、田子ノ浦部屋の稽古場としても使われていた「浪速武道館」で19日、8年ぶりとなる相撲大会が開催される。
大阪市の方針で平成21年に閉鎖後、放置されていたが、見かねた関係者が奔走。
19年ぶりの日本人横綱・稀勢の里誕生で沸き上がる春場所を前に、一日だけの土俵再興が実現する。



17/02/15
荒磯親方3人目の子供誕生! 】

荒磯親方(元幕内玉飛鳥)に3人目の子供が誕生し、14日にお披露目した。
先月28日に両国国技館で断髪式を行ったばかりの親方は、「11日に生まれました。3310グラムの男の子です。名前は勘太郎に決まりました」と喜んだ。



17/02/14
春場所「御免札」設置! 】
13日、春場所の開催を知らせる「御免札」が会場のエディオンアリーナ大阪の正面に立てられた。
新横綱稀勢の里への関心の高さもあり、5日に発売された前売り券は即日完売となった。



17/02/13
稀勢トークショー&横綱昇進祝賀会! 】
12日、水戸市で行われたトークショーと横綱昇進祝賀会に出席し、合わせて約1700人から温かい祝福を受けた。
「多くの人の激励をいただけると夢にも思わなかった。うれしい。春場所で成績を残さないといけない」と感謝した。



17/02/09
稀勢の里14番の稽! 】
8日、田子ノ浦部屋で高安と前日よりも3番多い14番の稽古を行い、10勝4敗。
ほぼ圧倒したが、羽目板に打ち付けられると「ぐぁ〜」と悔しさをにじませ「(高安は)だいぶ力をつけている。ちょっと油断するとやられてしまう」と息を吐いた。
しばらく出稽古の予定はないが「(昇進して)緊張感もあって動きの切れもいい。高安が元気なうちは」と成長著しい弟弟子と今後も高め合う意向。
春場所へ本格的な稽古を再開したものの、18日には地元・茨城県牛久市での凱旋パレードも控えており慌ただしい日々は続きそう。
9日も茨城県庁などを表敬訪問するが「ぶっ飛ばしたら1時間半かからない」と朝稽古後に出発する予定だ。



17/02/08
稀勢の里関県民栄誉賞 】
■日時
平成29年2月9日(木曜日)14時00分〜14時20分
※スケジュールの関係で,稀勢の里関は,表彰式終了後すぐにお帰りになりますので,予めご了承ください。
■場所
茨城県庁舎2階県民ホール
■功績概要
平成29年大相撲1月場所において見事初優勝を果たし,第72代横綱に昇進されるという快挙を成し遂げられた。
このことは,県民のみならず全国民に大きな喜びと感動を与え,本県の名声を著しく高め,県民の誇りである。

※滋賀県HPより
http://www.pref.ibaraki.jp/bugai/hisho/eiten/news/news20170209.html



17/02/07
元小結・時天空の通夜! 】
6日、元小結時天空で、悪性リンパ腫のため1月31日に37歳で死去した時天空慶晃氏の通夜が東京都墨田区の回向院念仏堂でしめやかに営まれ、角界関係者ら約500人が参列した。
日馬富士、鶴竜の両横綱も悲痛な思いで、モンゴルの先輩に最後の別れを告げた。
葬儀・告別式は7日午前11時半から同所で営まれる。
37歳、志半ばで天国へ旅立った時天空氏に、誰もが悲痛な思いだった。
時津風一門はもちろん、一門外からも親方、関取衆が次々と斎場を訪れた。



17/02/06
稀勢の里トーナメントV! 】
5日、41回日本大相撲トーナメントで優勝した。
2回戦から宝富士、勢、臥牙丸、玉鷲を下して、決勝では貴ノ岩を突き落とし。
初場所初優勝の勢いそのままに、初めて優勝杯を手にした。
また、先代師匠の故鳴戸親方が愛用した最高級絹織物「結城紬(つむぎ)」の着物も、昇進祝いで贈られることになった。



17/02/02
稀勢の里横綱昇進パレード! 】
牛久市は、大相撲初場所で初優勝し、横綱に昇進した稀勢の里の祝賀パレードを十八日に実施、市内のコースや、その後、開かれる祝賀会の参加方法を発表した。
パレードは午後一時、JR牛久駅東口の「牛久駅東口交差点」を出発。
稀勢の里関を乗せたオープンカーが「けやき通り」を約六百三十メートルパレードする。
「ぶどう園通り」を通って市役所に到着する。
約八百メートル、一時間ほど。
けやき通りとぶどう園通りを結ぶ市道区間は観覧できない。



17/02/01
間垣親方死去! 】
間垣親方(元小結時天空)37歳が死去。
血液のがん「悪性リンパ腫」で闘病中だったが、1月31日未明、悪性リンパ腫のため東京都内の病院で死去した。



17/01/25
★19年ぶり日本出身横綱誕生!★=== 】
日本相撲協会は25日朝、国技館で臨時理事会を開き、満場一致で、初場所で初優勝を果たした大関稀勢の里の横綱昇進を決めた。
72代横綱稀勢の里が誕生した。
日本出身力士の横綱は、1998年夏場所で昇進した3代目若乃花以来、19年ぶり。
「横綱の名に恥じぬよう、精進いたします」と口上を述べた。
土俵入りは雲竜型で、27日に明治神宮で初めて披露する。



17/01/24
横審満場一致で横綱に推薦! 】
23日、横綱審議委員会(横審)が両国国技館で開かれ、守屋秀繁委員長が初場所で初優勝を飾った稀勢の里を満場一致で横綱に推薦することを決めた。
25日の日本相撲協会理事会と春場所番付編成会議を経て、正式に「第72代横綱・稀勢の里」が誕生する。



17/01/22
千秋楽近況! 】
■稀勢の里
14日目の21日、逸ノ城を降し1敗を守り、ただ一人、1差で追っていた白鵬が貴ノ岩に敗れたため、千秋楽を待たずに優勝が決まった。
大関昇進後31場所での初優勝は昭和以降で最も遅い記録で、場所後の横綱昇進にも大きく前進した。

■白鵬
稀勢の里について「強い大関がいてよかった。おめでとうですね」と、素直にたたえた。
「明日(千秋楽)はいい相撲を取るだけ」と淡々と話した。

■御嶽海
プロ入り通算百勝を達成した。
上位と総当たりする場所での記録達成に「うれしいです」と喜んだ。


稀勢の里関の出身地、茨城県牛久市では21日、市役所でパブリックビューイングが行われた。
市民や後援会関係者ら約150人が集まり、テレビ画面を食い入るように見詰め、結びの一番で白鵬関が敗れて優勝が決まった瞬間、割れんばかりの拍手と万歳の声が鳴り響いた。



17/01/21
14日目近況! 】
■稀勢の里
残り2日を単独トップで迎えるのは今回が初めて。
何度も優勝争いを経験しているが、最も賜杯に近づいたと言える。
14日目、逸ノ城に勝ち、白鵬が貴ノ岩に敗れれば初優勝が決まる。
支度部屋でその可能性を聞かれても「しっかり集中してやるだけ」と朝と同じ言葉を繰り返した。


横綱審議委員会では、ハイレベルな優勝なら昇進もあり得るという声が出ていた。
13日目の20日、観戦した守屋秀繁委員長は優勝=昇進かと問われると「もちろん星も見てみたい。13勝だったら非常に難しい。議論になると思う」と話し、誰も文句のつけようのない白鵬を破っての14勝での優勝を期待した。
昇進を預かる審判部の二所ノ関部長は「とにかく優勝」と前置きしながらも「内容よりも優勝。優勝したら、みんなと話はします」と昇進について議論することを明かした。


業師が大相撲史上“初”の決まり手をついに記録した。
十両の宇良が自身21手目の「たすき反り」で天風を撃破。
優勝争いでも3敗で首位に並び、初優勝へもぐっと近づいた。



17/01/20
13日目近況! 】
■豪栄道
13日目の20日、右足首付近の負傷により休場することになった。
19日、遠藤との一番に突き落としで敗れ、8勝4敗となり、取組のあと「右の足首をひねった」と話し、国技館を去る時には付け人の肩を借りないと歩けなかった様子。
境川親方は20日朝、「相撲を取らせられる状態じゃない」と話し、休場させる意向を明らかにした。
豪栄道のけがによる休場は、おととしの夏場所以来4回目となる。

■琴奨菊
12日目の19日、玉鷲に敗れて8敗目を喫し、2場所連続での負け越しが決まったため、大関から陥落することになった。
3月の春場所は関脇で臨むことになる。



17/01/19
12日目近況! 】
■稀勢の里
11日目の18日、平幕の遠藤を小手投げで下して10勝1敗とし、単独首位を守った。
白鵬、貴ノ岩、蒼国来、逸ノ城も9勝目を挙げ、追走する。



17/01/18
11日目近況! 】
■鶴竜
11日目の18日、休場を届け出た。
先場所で3度目の優勝を遂げたが、今場所は3個の金星を与えるなど、10日目まで5勝5敗だった。
右脚負傷で7日目から休場の日馬富士に続き、2横綱が不在となった。
11日目の対戦相手、琴奨菊は不戦勝。



17/01/16
9日目近況! 】
■白鵬
荒鷲に敗れ、初顔相手の連勝が28で止まった。

■荒鷲
中日の白鵬戦で勝利し、6日目の鶴竜に続く2個目の金星を挙げた。



17/01/15
中日近況! 】
■白鵬
7日目の14日、横綱在位中の出場回数を北の湖を抜いて歴代最多の819回とし、「また新たな記録を見つけて、再出発します」と気持ちを新たにした。

■琴奨菊
かど番で早くも5敗目。
「リセットした新たな気持ちでいかないといけないが、今は負の連鎖になっている」と言う。
浮上のきっかけをつかめるか。
「自信に満ちた姿で、あしたはいい相撲を取りたい」と自らに言い聞かせた。



17/01/14
7日目近況! 】
■日馬富士
7日目の14日、休場を届け出た。
7日目の対戦相手、勢は不戦勝。

■白鵬
6日目の13日、結びの一番で隠岐の海を寄り倒して全勝を守った。
この日で横綱としての出場回数が歴代最多の北の湖に並ぶ818回。
節目を快勝で飾った。

■荒鷲
6日目の13日、鶴竜を破り、苦労して金星にたどり着いた。
初土俵から85場所目での初金星獲得は、昭和以降で7番目のスローで、外国出身力士では最も遅い記録となった。
「思い切っていけたのが良かった。うれしい」と笑みをこぼした。



17/01/13
6日目近況! 】
■栃ノ心
6日目の13日、「右膝外側半月板損傷で休場を要する」との診断書を日本相撲協会に提出して休場した。
5連敗を喫した5日目の関脇正代戦で古傷の右膝を痛めた。
東京都内の病院で検査を受け、松葉づえを突き「靱帯は切れていないが炎症を起こしている。場所前から気になっていた」と述べた。
再出場は厳しい状況。


12日、朝日山親方が所属先の二所ノ関一門を離脱して伊勢ケ浜一門に移籍したことが日本相撲協会関係者の話で分かった。
関係者によると、親方は東京都内で開かれた二所ノ関一門会で移籍を表明し、了承されたという。
伊勢ケ浜親方と親交が深いことなどが理由とみられる。
現役時代は佐渡ケ嶽部屋に在籍した朝日山親方は昨年6月に尾車部屋から独立し、朝日山部屋を再興した。


17/01/12
5日目近況! 】
■御嶽海
4日目の11日、2場所連続優勝が懸かる鶴竜を押し出しで破った。
平幕が横綱に勝つ「金星」を2日目の日馬富士戦に続いて獲得。
豪栄道に快勝した初日と合わせ、2横綱1大関を破る快進撃で3勝1敗とした。



17/01/11
4日目近況! 】
■松鳳山
3日目、日馬富士にまわしを許さず、もろ差しに持ち込むと一気に走って寄り切り。
2日目の鶴竜戦は行司軍配差し違えで金星を逃したが、文句のつけようのない内容で昨年初場所以来、1年ぶり3個目の金星を獲得した。

■石浦
3日目の10日、自動車レースF1にも参加している「マクラーレン」のスポーツカーで両国国技館に場所入りし、大きな注目を浴びた。
場所前にマクラーレン東京からスポーツカーをあしらった化粧まわしを贈られた縁があり、27歳の誕生日でもある10日に実現した。



17/01/10
3日目近況! 】
■御嶽海
9日(初場所2日目)で、日馬富士を寄り切りで破った。
横綱7戦目で、平幕力士が横綱に勝つ「金星」を初めて獲得した。
長野県出身力士が金星を獲得するのは、大昇が西前頭5枚目だった1955(昭和30)年1月場所で、初日に横綱栃錦を破って以来62年ぶり。



17/01/09
2日目近況! 】

天皇、皇后両陛下は8日、東京・両国国技館を訪れ、大相撲初場所初日の取組を観戦された。
両陛下は2階の貴賓席で、八角理事長の説明を受けながら中入り後の取組計10番を観戦。
陛下は皇后さまと時折話をしながら、勝敗が決まるごとに拍手を送った。


元横綱北の富士勝昭氏が昨年末に心臓の手術を受けていたことが8日、分かった。
解説を務めていたNHK大相撲中継の初場所の出演は見送ることになった。
NHKは「現在は自宅で療養中ですので、初場所の解説はお休みいただいています。経過は良好と伺っています」と説明。
順調に回復すれば、春場所から解説に復帰する予定。



17/01/08
本場所当日情報! 】
■豪栄道
7日、初めて優勝額贈呈式に臨んだ。
初優勝した昨年秋場所の額が贈られ「いつか自分の優勝額も飾ってもらいたい気持ちがあったから」と感慨深げ。
国技館天井付近には32枚の優勝額が掲げられるが、これで昨年初場所の琴奨菊に続き、7年ぶりに日本出身力士の額が2枚になった。
初場所へ「元気良く動き回りたい」と意気込んだ。

■石浦
7日、都内で英国の自動車メーカー「マクラーレン・オートモーティブ」の正規販売代理店「マクラーレン東京」から、新化粧まわしを贈呈された。
関取最軽量114キロの速さを生かし、化粧まわしに描かれたスポーツカーのようにスピード勝負で挑む。
新しい化粧まわしを前に、石浦は満面の笑みだった。
事前にデザインは知っていたが、直接見るのは初めて。
濃紺をバックに緑色のスポーツカーが描かれたデザインに「めちゃくちゃかっこいい。着けるのが楽しみ」と、土俵入りが待ち遠しい様子だった。

■貴景勝
新関脇の正代ら若手の台頭が注目される中、新入幕の佐藤改め貴景勝も今後の活躍が期待される一人だ。
「緊張せず、喜びをかみしめながら、新入幕らしく相撲を取りたい」と晴れ舞台に向けて意気込みを語った。
2014年秋場所初土俵から2年あまり。
「早く上がれたのはうれしい」と喜んだ。



17/01/07
本場所前日情報! 】
■正代
6日の取組発表で、初日に白鵬、2日目は荒鷲と組まれた。
白鵬とは、わずか2秒7で敗れた昨年夏場所以来2度目の対戦。
当時の悪夢がよぎったのか、正代は弱気発言を連発した。
初日の相手が白鵬に決まったことを知ると、正代は稽古場で「え〜」と目を丸くした。
「緊張はしますけど、いつも通り自分の相撲を取れたら」
「(年末の稽古総見で)胸を出していただいたので、その成果を横綱に感じてもらえるように頑張ります」「前に攻めていきたい」。
テレビカメラの前ではあくまで前向きに、平然を装った。

■御嶽海
5日、出羽海部屋で、近くにある春日野部屋の関取衆との連合稽古に臨んだ。
3日に春日野部屋で行われた出羽海一門の連合初稽古を体調不良で休み、親方衆から苦言を呈された。
自覚ある行動が求められる中、今年初めての本格的な稽古となったこの日は積極的な姿勢を見せた。
勝ち残り指名方式の申し合い稽古が始まると、栃ノ心を押しのけるように最初に仕切り板に立ち、碧山と対戦した。
栃煌山を含めた3人と取った計13番は栃煌山に1度勝っただけだったが、仕上げのぶつかり稽古まで前に出る姿勢を見せた。



17/01/06
本場所2日前情報! 】
■日馬富士
5日、照ノ富士らと18番取って全勝だった。
伊勢ケ浜部屋に出稽古した横綱白鵬との横綱同士の稽古こそ、実現しなかったが「毎場所毎場所、全身全霊で」と納得の表情だった。
両肘や両膝にはサポーター、足首にはテーピングと故障との闘いが続く。
3場所ぶりの賜杯へ、「周りもみんな、けがをしているから」と自らに言い聞かせるように話した。

■白鵬
5日、都内の伊勢ケ浜部屋に出稽古した。
照ノ富士らに14戦全勝で「負けている相手がいるから」と、順調な調整ぶりを披露した。
ターゲットは横綱日馬富士ではなかった。
照ノ富士と宝富士には昨年、いずれも2勝2敗。
要因は「調子が良すぎたから」とはぐらかしたが、2人を立ち合いで圧倒して羽目板にたたきつけた。
新十両照強には「(白まわし姿が)慣れない感じ。十両で暴れて存在感を出して」と、エールを送る余裕も見せた。
初場所と春場所の目標は、12勝以上で優勝争いに絡むこと。
場所直前まで出稽古先を探す横綱は「気持ちを抑えて、けがをしない体をつくりたい」と意気込んだ。

■稀勢の里
5日、江戸川区の部屋で初場所へ向けて体を動かした。
相撲は取らず、土俵周りで四股などの基本運動をこなした。
前日4日の二所ノ関一門連合稽古で、帰宅時に右足を引きずり周囲を心配させたが、この日は軽めの動きながらも足は問題なさそうだった。
本人は「大丈夫ですよ」とサラリ。
それでも、年末や元旦の休みも体を動かしてきたせいか、疲れについては「あると思います」と話した。

■豪栄道
5日、足立区の境川部屋でまわしをつけて土俵へ降りたものの、相撲は取らなかった。
3日に行われた出羽海一門による連合稽古で腰の違和感を示していた。
境川親方は「大事を取ってのこと。(腰は)よくなっている」とし、初場所については「心配はない。出ます」と不安を打ち消した。



17/01/05
本場所3日前情報! 】
■鶴竜
4日、東京・墨田区の時津風部屋への出稽古後に今年の展望について言及。
2017年は、6場所の皆勤出場を目標に掲げた。
出てきた言葉は優勝でも連勝でもなかった。
「去年も一昨年も休んで(休場して)いる。けがしないで元気でいることで結果も出る」。
連覇に挑む横綱としては控えめだが、苦い経験から導き出した教訓だ。

■日馬富士
4日、江東区内の伊勢ケ浜部屋で、大相撲初場所に向けて、熱のこもった稽古で汗を流した。
前日3日が新年の稽古始めだったが、午後に神奈川県内で行われた新年の恒例行事に参加したため、この日が本格的な稽古始め。
照ノ富士、宝富士、誉富士、照強の4人の関取衆を相手に20番(17勝)取り、相手を羽目板にたたきつけるなど厳しい相撲を取った。
誉富士と最初の2番を取った後、左肘に二重のサポーターを巻くなど一瞬、ヒヤリとさせたが、その後も18番を取り大事には至らなかった様子。
「場所と場所の間隔が短いから、なかなか治らないけど、条件はみんな一緒だからね。一生懸命やるだけですよ」と気力を高ぶらせていた。

■琴奨菊
4日、尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古で、大関同士による稽古で稀勢の里を7勝3敗と圧倒した。
7度目のかど番で迎える初場所だが、左膝の不調を思わせない出足を見せた。
低く鋭い立ち合いから一気のがぶり寄りで稀勢の里に6連勝するなど、充実した内容を披露。
「一番一番が本場所と思って大事に取った。相手も強いから気持ちを高めていった」と笑みを浮かべた。
32歳の大関にとって厳しい1年となりそうだが「不安ばかりだが、少しのことでも自信にして初日を迎えたい。優勝を目指していくし番付もまだ上がある」と進化をにらんだ。

■遠藤
4日、埼玉・草加市の追手風部屋で新年の稽古を開始した。
同部屋の大翔丸らと17番取って13勝4敗。稽古が終わってからも土俵に居残り、幕下力士と10番をこなした。
「場所も近い。(追加の10番は)まだ、できていないところがあるので。感覚は悪くない」
元日にみた初夢を苦笑いしながら明かした。
「部屋で稽古している夢。『もう一丁、もう一丁!』と何度も相撲を取っていた。朝起きたら、体が痛くて」。
夢の中でも気張って力んでいた、という。
寝ても覚めても、稽古に集中。新三役を“正夢”にする。



17/01/04
本場所4日前情報! 】
■稀勢の里
2日、東京都江戸川区の部屋で今年最初の稽古を行った。
高安と12戦全勝。
年末や元日の休みも体を動かしており「(新年の感じが)いつも以上にない。(初日の)1週間前って感じだけです」と正月ムードをかき消した。
優勝にはまたも届かず、3度の綱とりは全てはね返された昨年だったが、年間最多勝を獲得もした。
30歳となって成長を感じさせた16年。
17年は「やっぱり、いい1年にしたい。相撲人生でいい成績を残し、思うように体が動く状態が一番いい。一番欲しいモノは『衰えない体』『強い体』。そのために基本と食生活をしっかりしないと続かない。いくらでも自分次第だと思う」と誓いを立てた。

■豪栄道
3日の出羽海一門による連合稽古で腰に違和感があり、栃ノ心、碧山と10番にとどまった。
後退する場面が目立っての8勝2敗に「そんなに良くなかった。しっかりと体調を整える」と渋い表情。
綱とりが期待される新年に向け「昨年以上にいい年にしたい。優勝を目標にする」と述べた。

■御嶽海
24歳のホープは3日、東京都墨田区の春日野部屋で行われた出羽海一門の連合稽古を欠席した。
出羽海親方によると腹痛が原因だという。
春日野親方は新年早々の“肩透かし”に「本場所だけ勝てばいいという精神は、たたき直さないといけない。伝統のある部屋にいる意識を持たなければ」と苦言を呈した。

■琴勇輝
3日、保育士の女性と1日に結婚したことを発表した。
6月10日に都内のホテルで挙式する予定。
女性の父親が、佐渡ケ嶽親方を現役時代から応援していた縁で知り合った。

■正代
3日、時津風部屋の稽古始めで新年をスタートさせた。
小柳と、出稽古に来た逸ノ城との申し合いは6連敗。
次に出稽古に来た鶴竜に、三番稽古の相手に指名されたが、こちらも歯が立たず、15番取って全敗だった。
年末は12月29日が稽古納めで、翌30日から4日間は熊本に帰省するなどで「ほとんど体も動かしていない」とあり「今日は感覚を取り戻せなかった」と、さすがに観念した様子。ただし、鶴竜が「本場所に入ったら(調子が)分かるんじゃないですか」と話すように、本場所での強さは実証済み?
新年の抱負も「初場所だけで終わりたくない」と、三役維持を誓っていた。


【ページトップへ】