TEL:0176-23-5714
受付:09:00〜17:00 定休日:日曜、祝日
相撲期間は毎日営業 偶数月の土曜日は休業
ライン

36.IT(アイ・ティー)革命
い歴史と伝統にのっとり国技を継承している力士たち。とっくの昔に絶滅した「チョンマゲ」を結い、一般人なら成人式や祭りでもなければ着ない和服を常用している。そんな、時代に逆行した存在と思われがちな力士も、中身は現代っ子であることに変わりない。
かつて北尾が「趣味はテレビゲーム」と言って話題になったのも今は昔。今の力士ならゲーム機の1つや2つは誰でも持っている。パソコンの普及率も高い。単にゲームをして遊ぶのではなく、自らブログ(ネット上での日記)を公開している力士も珍しくない。
天王は「ブログ力士」の草分け的存在だ。早くから自分のブログを立ち上げ、こまめに情報を発進してきた。日々の生活で思ったこと、巡業先で起こった出来事など、力士ならではの話題が満載。文章も巧い。
いちばん面白いのは、やはり場所中だ。取り組み前日に相手のことを考えたり、取り組み後に今日の勝負を振り返ったりして、一喜一憂がリアルタイムで伝えられる。テレビのインタビューではまず言わないような本音や裏話も散りばめてあって、ファンにとってはこれほど面白い読み物はない。
普天王の言葉づかいやものの考え方を知ると、普天王とて一介の悩める若者にすぎないことを実感する。チョンマゲを結い、人並みはずれた体格でありながら、引きグセが出ては反省し、負けが込んでは嘆く。そんな普天王はとても身近に思える。
挿絵と文章は関係ありません
ットに力を入れているのは個々の力士だけではない。相撲部屋も続々とホームページやブログを開設している。専門業者に全部お任せしている(と思われる)部屋のサイトはつまらない。デザインがきれいで、文章もしっかりしているが、内容は平凡。相撲雑誌で見れるような情報しか載っていない。そのてん、力士による手作りのサイトは一見の価値がある。
私が見たところ、荒汐、春日野、佐渡ヶ嶽、芝田山、玉ノ井、鳴戸、二所ノ関といった部屋の更新頻度が高い。以前はひんぱんに情報発信していたのに、ぱったりと更新されなくなった部屋もある。きっとパソコンの好きな力士がいれば熱心に更新され、その力士の成績が悪かったり部屋を去ったりすれば更新されなくなるのではないだろうか。
ログや掲示板の楽しさは、力士とファンが直接コミュニケーションできるところにある。かつてのファンレターなどとは違って、ずっと手軽に言葉をかけられるし、いち早く返事がもらえたりする。特にこれから出世しようという若くて無名の力士は、わざわざ自分あてに届いたメッセージを大切に扱ってくれる。
ホームページ上で弟子を募集している部屋も多い。恐らく、既に何人かの力士はネットを通じて弟子入りしていることだろう。インターネットは、我々と相撲界の距離をもグッと近づけてくれている。
(2006/03/01)
バックナンバー 次のエッセイを読む

お知らせ


ホームページがリニューアル致しました。
一部現行のページで運営致しますが、随時更新してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

■新ホームページへ■



リンク

ツイート